08/06/26 第7回特別用途食品制度のあり方に関する検討会議事録 ○田中(平)座長 皆さん、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまより第7回 「特別用途食品制度のあり方に関する検討会」を開会いたします。  委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御出席いただき、誠にありがとう ございます。  議事に入る前に、事務局より本日の委員の出欠状況について報告をお願いいたします。 ○玉川室長 委員の出欠状況でございますが、本日は井上委員、小池委員、中尾委員が 所用により御欠席されております。また、藤谷委員は少々遅れて見えるということでご ざいます。 ○田中(平)座長 続きまして、事務局から本日の配付資料について確認をお願いしま す。 ○玉川室長 それでは、配付資料について御説明させていただきます。  資料の点数がかなり多くなっておりますが、まず資料の1の関係で、各ワーキンググ ループからの報告に関するものがございます。1−1といたしまして、許可基準型病者 用食品の許可基準(案)、1−2といたしまして、低たんぱく質食品の許可基準(案)、 1−3がアレルゲン除去食品許可基準(案)、1−4が無乳糖食品基準(案)、1−5 といたしまして、総合栄養食品許可基準(案)、1−6といたしまして、病者用個別評 価型許可基準(案)、ここまでは病者用食品に関する基準の案でございます。  資料1−7といたしまして、乳児用調整粉乳許可基準(案)、1−8といたしまして、 えん下困難者用食品許可基準(案)、ここまでが許可基準の案でございます。  特別用途食品に深い関わりがございます食事療法用宅配食品等栄養指針(案)、これ は概要段階のものでございますが、これについて資料1−9としてお付けしております。  資料の2でございますが、消費者庁の創設についてということで、先ごろ取りまとめ がありました消費者行政推進会議の資料の中から幾つかを抜粋したものをとじておりま す。  資料3−1でございますが、当検討会の報告書の案です。また、事務局の方でまとめ ました検討会報告書概要を資料の3−2で付けております。また、それをスライドにし てまとめ直した横書きのものとして資料の3−3で、同じような名前ですが、検討会報 告書の概要案を付けております。  資料は以上でございます。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  配付資料については、よろしいでしょうか。  それでは、議事に入ります。  前回の検討会において、本検討会のもとに対象食品ごとに検討を行う作業班としてワ ーキンググループを設置したことを御報告いたしましたが、各ワーキンググループにお ける検討がおおむね終了したようですので、検討結果について、各ワーキンググループ の主査を務めていただいている委員から御紹介いただきたいと思います。  初めに、許可基準型病者用食品共通の許可基準ですが、これは低たんぱく質食品ワー キンググループ、アレルゲン除去食品・無乳糖食品ワーキンググループ、濃厚流動食ワ ーキンググループのいずれにも関わるものですので、ワーキンググループ間の調整に携 わった事務局から説明をお願いいたします。 ○調所専門官 資料1−1を御覧ください。許可基準型病者用食品、これは今、御報告 ありましたように、低たんぱく質食品ワーキンググループ、アレルゲン除去食品・無乳 糖食品ワーキンググループ、濃厚流動食品ワーキンググループの規格基準型の共通部分 の基準でございます。  もともと許可基準型のところでこういった基準がございましたので、それをもとに皆 さんに内容を検討していただきました。  内容としましては、まず結果としまして「1.基本的許可基準」ということでござい ますが「(1)食品の栄養組成を加減し、又は特殊な加工を施したものであって、医学的、 栄養学的見地からみて特別の栄養的配慮を必要と病者に適当な食品であることが認めら れるものであること。  (2)特別の用途を示す表示が、病者用の食品としてふさわしいものであること。  (3)適正な試験法によって成分又は特性が確認されるものであること」ということでご ざいます。  基本的許可基準は、もともとございました内容とほとんど変わっておらず、ただ、(1) のところで、以前は組み合わせ用食品がございましたので、この中に複数の食品を組合 せたものであってという文章がございましたが、そこを除いたような形になってござい ます。  2の「概括的許可基準」におきましては「(1)指示された使用方法を遵守したときに効 果的であり、しかもその使用方法が簡明であること。  (2)品質が通常の食品に劣らないものであること。  (3)利用対象者が相当程度に広範囲のものであるか、又は病者にとって特に必要とされ ているものであること」ということで、これは以前の特別用途食品の許可基準、規格基 準型の共通部分と同じということです。要は基本的許可基準、概括的許可基準も、この ワーキンググループの中では、このままでいいという回答といいますか、検討結果でご ざいますので、先ほどの組み合わせ食品の部分を取り除いた形となってございます。  以上でございます。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの御説明について、御質問等がございましたら御発言をお願いしたいと思い ます。どなたかございませんか。これが3つのワーキンググループから出していただい たものですが、低たんぱく質の方は中尾先生が御欠席ですので、このアレルゲン除去食 品許可基準と無乳糖食品ワーキンググループ、これは山田先生でしたか、何か追加ござ いますか。ここではないですか。 ○山田委員 個別のところに入ったときにはあります。 ○田中(平)座長 濃厚流動食の方はどうですか、ワーキンググループからは。何かこ れに限って別にございますか、井上先生も御欠席ですね。  それでは、また後から御意見を伺ってもいいのではないかと思います。  次に、低たんぱく質食品許可基準(案)についてですが、ワーキンググループの主査 の中尾委員が御欠席ですので、代わりに事務局から説明をお願いいたします。 ○調所専門官 資料1−2を御覧いただければと思います。  中尾委員が本日欠席ということで、代わりに事務局の方で報告させていただきます。  低たんぱく質食品の許可基準ということですが、食品群名が「低たんぱく質食品」、 以前は低たんぱく質高カロリー食品というものをあったのですが、これを一つにまとめ たという形になっております。  規格としましては「1 たんぱく質の含量は、通常の同種の食品の含量の30%以下で あること。  2 エネルギー量は、通常の同種の食品の含量と同程度又はそれ以上であること。  3 ナトリウム及びカリウムの含量は、通常の同種の食品の含量より多くないこと。  4 食事療法として日常の食事の中で継続的に食するものであり、これまで食してい たものの代替となるものであること」という規格になっております。  この中で大きく変わったのは、たんぱく質の含量が、以前は50%以下であったのです が、今回は委員の皆様の意見、50%以下では食事療法としての有用性が少ないというこ とで、もう少し減らさなければいけないというところで30%という数字になりました。 これは、対象がこういったたんぱく質を減らすには大体主食の場合が多いので、低たん ぱくをとる場合は、主食等で30%以下であれば、低たんぱくにした意味があるというこ とで、検討会の中で50という数字から30に変更になってございます。  その2番のところでございますと、これは今まで低たんぱく質高カロリー食品という ものがございましたので、そこのところを踏まえて、今までは食品の含量とエネルギー は同程度ということだったのですが、それ以上であることという文を付け加えたような 形になっております。  規格は、大体そういった形で変更になっております。  許容される特別用途表示の範囲ということであれば、これは前回と同じたんぱく質摂 取制限を必要とする疾患(腎臓疾患など)に適する旨が表示できるということでござい ます。  次に、必要的表示事項ですが、ここもほとんど前回と同じような文言となってござい ます。  「1 医師にたんぱく質摂取量の制限を指示された場合に限り用いる旨  2 製品の一定量当たりのたんぱく質含量  3 100g及び1食分、1包装その他の1単位当たりの熱量とたんぱく質、脂質、炭水 化物、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、その他意図的に強化された成分の含 量  4 「低たんぱく質」を意味する文字  5 医師、管理栄養士等の相談、指導を得て使用することが適当である旨  6 食事療法の素材として適するものであって、多く摂取することによって疾病が治 癒するというものではない旨」、こういった内容となっています。  変わったところですと、3番目のところで、表示の中でナトリウム、カリウム、カル シウム、リン、こういった情報として必要なことを表示するようにという内容となって おります。  検討会の中では、腎臓病の患者様にとっては、食事療法がとても重要ということで、 いろいろ金額の面とかございますが、幅広く有効に使用していただければという意見で、 こういった内容結果となっています。  以上でございます。 ○玉川室長 説明を補足させていただきますと、先生方のところにお配りしております 赤ファイルに今までの検討会の資料が入っておりますが、第1回の検討会の資料の2−1 1というところに、現行の許可の基準案というのがそれぞれ入っております。本来、新 旧等作成して、その変わったところをわかりやすくするべきだったのですが、申し訳あ りません。第1回資料の2−11と照らし合わせて御検討いただければと思います。  以上です。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの説明について御質問等がございましたら、御発言をお願いしたいと思いま す。  この規格の1番は、30%以下になったということでありますが、いかがでしょう。よ ろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○田中(平)座長 それでは、引き続きアレルゲン除去食品許可基準(案)と無乳糖食 品許可基準(案)について、アレルゲン除去食品・無乳糖食品ワーキンググループの主 査の山田委員から御説明をお願いいたします。 ○山田委員 それでは、資料1−3につきまして簡単に御説明申し上げます。  規格といたしましては、ここに書かれていますように「1 特定の食品アレルギーの 原因物質である特定のアレルゲンを不使用、除去又は低減したものであること。  2 除去したアレルゲン以外の栄養成分の含量は、通常の同種の食品の含量とほぼ同 程度であること。  3 アレルギー物質を含む食品の検査方法により、検出限界以下であること。  4 同種の食品の喫食形態と著しく異なったものでないこと」というふうな規格にい たしました。  ここで私どものワーキンググループでいろいろ議論がありまして、どんな点に委員の 中で議論がありましたかというと、まず第1に、アレルギー反応というのは、一度起こ れば重篤な状態になることも多々ある。そういうことから、病者用の個別評価型に通じ るところもあるのではないか。  そのようなことを考えてみますと、1−3の下の場に、アレルゲン除去食品に該当し ないアレルギー疾患用食品については、個別の評価により病者用食品として表示許可を 行うとか、あるいは、科学的知見が確認された場合は、早急に基準の見直しを実施する 必要があると、そういうふうなただし書きを付け加えたということがあります。  また、分析方法が確立されているかいないかで対象品目が決定される。そういうこと から、以前ありました5品目というものではなく、そこの部分は除いています。現在、 その5品目、検出法がありますものとしては、5品目以外にエビ、カニ類や大豆などが あるということで、品目は指定しておりません。  そういう中で、新たに科学的な分析方法が出て、あるいはアレルギーに対する反応が 出る場合には、その方法を存在するとして検出措置として判定をするということであり ます。  また、不使用、除去、低減の3種類の表示に分けるということは大変重要でありまし て、もともとその食品にある物質を使わないというのでは不使用ですね。  何らかの操作で、それをほとんど除去したという食品もある。  また、例えば特にミルクのようなものは、もともとミルクの中にある素材をアレルギ ー反応にならない程度にいろんな操作を加えて低減したものであるということから、こ の3つの表現で規格をするべきであろうということでございます。  特にミルクのアレルギーに対しては除去よりも制限した場合に、その子どもたち、あ るいは赤ん坊に対して、それがないと生きられないという状況も考えなくてはいけない ということで、低減という言葉を新たに加えたということであります。  こういうことから、注意喚起の表現を丁寧に検討することは、今後、必要ではないか。 そのような議論の中で、ここにありますような規格、あるいは必要的表示事項というこ とに規格案として提出をまとめていただきました。 ○田中(平)座長 無乳糖の方はよろしいですか。 ○山田委員 無乳糖に関しては、特に変わっていないです。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの説明について御質問等がございましたら、御発言をお願いしたいと思いま す。  先ほど室長から紹介ありました第1回のときの資料と対照していただけたら、よりわ かりやすいのかもしれません。この規格のところに3と4が追加されているということ ですかね。  どなたか御質問ございませんか。よろしゅうございますか。  はい、どうぞ。 ○犬伏委員 低減という言葉と3番の検出限界以下という言葉があるのですが、低減と いう形でありながら、検出限界以下であることというのが一緒になっていると思ってい いですか。 ○山田委員 はい。低減、あるいは、ここで言う除去というのはかなり、例えば透析な どで、そのアレルゲンとなるようなものを除いたという方法がありますね。  もう一つ、低減という意味は、酵素分解でたんぱく質を切ったという形でアレルゲン としての作用をなくしたと。その場合には入っているわけです。しかしながら、アレル ギー反応を示す、示さないというのは同じ反応ですから、その表現はある方法でもって アレルゲンとして反応しない、これが今の分析方法の科学的な保証の仕方と考えるわけ です。それがもしもっと検出限界が下がるなり、あるいはアレルギー反応とアレルゲン としての検査を抱合した反応が新たな知見で、もっと厳しくしなければいけない、これ はもっと大まかに見なければいけないというのが将来的に出てくれば、それに応じて変 えなくてはいけないでしょうというふうな議論でありました。 ○田中(平)座長 よろしゅうございますか。 ○犬伏委員 はい。 ○田中(平)座長 物すごく卑近な例で言いますと、仮に100であるものが99になって も低減ということになりますね。それでは困るということで、この日本語表現を分析科 学的に極めて厳しい表現にしたいということから、このように考えてもらっていいので はないですか。非常に精密機器でも検出できないところの話であると。よろしいですか、 その辺。 ○山田委員 はい。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。 (「はい」と声あり) ○田中(平)座長 それでは、続きまして総合栄養食品許可基準(案)についてですが、 濃厚流動食品ワーキンググループの主査の井上委員が御欠席ですので、代わりにワーキ ンググループのメンバーである中村委員から新たな食品群の名称も含め、御説明をお願 いいたします。 ○中村委員 従来、濃厚流動食と言われていたのですが、総合栄養食品許可基準(案) として資料1−5に示されています。  名称を総合栄養食品という名前に変更させていただきたいということであります。  規格は「1 疾病等により経口摂取が不十分な方の食事代替品として、液状または半 固形状で適度な流動性を有していること。  2 別紙の栄養成分等の基準に適合したものあること」ということであります。  許可される特別用途表示の範囲は「食事として摂取すべき栄養素をバランスよく配合 した総合栄養食品で、疾病等により通常の食事で十分な栄養を摂ることが困難な方に適 している旨」ということであります。  必要的表示事項でございますが、1が「総合栄養食品(病者用)(○○調整)」とい う文字を記すこと。  2番目が医師、管理栄養士等の指導を得て使用すること。  3番が、栄養情報の素材として適するものであって、多く摂取することによって疾病 が治癒するというものではないこと。  4番目が、摂取時の使用上の注意等に関する情報。  5番目が、1包装当たり及び100kcal当たりのエネルギー、たんぱく質、脂質、糖質、 食物繊維、水分、ナトリウム、食塩相当量及び特に調整している成分を表示すること。  6が、摂取目標目安量、これは許可基準量又は標準範囲を外れるミネラルあるいはビ タミンがあるときでございます。  7が、摂取目安量を摂ったときの欠乏又は過剰摂取に注意する旨の表示。  以上のような表示で総合栄養食品を許可しましょうということになります。  次の別紙に栄養成分等の基準値が表示してあります。  以上であります。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの説明について御質問等がございましたら、御発言をお願いします。いわば 新しいものでありますし、多分、私も今日、この総合栄養食品という名前を初めて目に したわけですが、かなり苦労されたのではないかなと思っているのですが。  いかがでしょうか、どなたか御発言ございませんか。よろしゅうございますか。  はい、どうぞ。 ○山田委員 この別紙のところにある栄養成分等の基準というのはこういう形でありま すが、この場合の栄養素というものは、基本的にすべて今の食品の部分で使われてもい いというか、例えば材料となる食品添加物、あるいは許可されたものも入ったのでしょ うか。そこら辺が、私たちは乳児用の調整粉乳の場合には、後で申し上げますが、コー デックスの方での基準と大体合わせたのですが、その中には、現在、食品添加物として 使われないものでしかなかなか補強ができないというものがありましたので、その点は このものの栄養成分というのは、すべてすぐつくることができて、分析法もある程度確 立されているというふうに考えてよろしいですか。 ○中村委員 そうでしたね。 ○調所専門官 そうですね。先生のおっしゃるとおりですが、ただ、ここの下のところ に書いてありますビオチンや亜鉛、クロム、セレン、銅、マンガン、モリブデン、ヨウ 素、こういったものは日本人の食事摂取基準等で基準が決められて、勿論、人間にとっ て必要な栄養成分ですが、今の状況では添加物として、栄養機能食品等には使えるとい うものはございますが、今、ここの段階でこの特別用途食品に使えるというものではな いので、酵母とかで入れること等で調整できるのですが、そういったこともありまして、 この部分については標準範囲ということで基準から外しているということでございます。 ○山田委員 ありがとうございます。 ○田中(平)座長 ほかにいかがですか。よろしゅうございますか。  はい、どうぞ。 ○浜野委員 質問というか、資料1−5の必要的表示事項の部分の5番に1包装当たり 及び100kcal当たりのエネルギーという書きぶりなんですが、次の別紙もそうですが、 エネルギー80〜130kcalというのは、これは100ml当たり、もしくは100g当たりという 意味なのでしょうか。これ、100kcal当たりの組成という表示の仕方は何となくぴんと こないんですが。 ○調所専門官 すみません。これはこちらの方のミスです。100ml当たりです。 ○中村委員 これは直しておかないと、100mlに。 ○田中(平)座長 資料1−5の必要的表示事項でございます。それの5番ですね。1 包装当たり及び100kcal当たり。 ○調所専門官 次の別紙のエネルギーというところが80〜130、これは100kcal当たり の80〜130ではなくて、これは100ml当たりで80〜130kcal。その他のものにつきまし ては、100kcal当たりの成分の基準ということになってございます。エネルギーのとこ ろだけが 100ml当たりという表示が抜けてしまいましたので、訂正をお願いします。 ○田中(平)座長 今の1枚目の5番の方は、ここは直さなくていいのですか。 ○調所専門官 こちらはこのままでいいです。 ○田中(平)座長 1包装当たり及び100kcalはいいんですね。 ○調所専門官 少し違います。 ○田中(平)座長 ここはいいんですか。 ○調所専門官 そこも少し違います。 ○田中(平)座長 中村先生、ここですね。 ○中村委員 これは100ml当たりのエネルギー。 ○田中(平)座長 100mlなんですね。 ○中村委員 はい。 ○田中(平)座長 そういうことです。kcalをmlに直すということですね。  別紙の方では、成分100kcal当たりの組成としていますね。これは。 ○調所専門官 もう一度言いますと、5番目のところも、エネルギーは100ml当たりで、 ほかのたんぱく質とか脂質、糖質、この栄養成分については100kcal当たりということ でございます。 ○田中(平)座長 そういう直し方をしないといけないというわけですね。 ○調所専門官 次のエネルギーに当たりましても、エネルギーは100ml当たりの組成に なっていまして、ほかの栄養成分につきましては100kcal当たりの組成ということでご ざいます。失礼いたしました。 ○田中(平)座長 そうしたら、それを分けて書いた方がいいですね。 ○調所専門官 そんな感じで訂正させていただきます。 ○田中(平)座長 よろしゅうございますか。  はい、どうぞ。 ○田中(慶)委員 全く素人で伺うんですけれども、これは大人向けなんですか。子ど もは余り考えてないのですか。そういう条件みたいなものをつける必要があるのかとい うことと、当然、流動食だから水っぽいのだろうけれども、ドライで供給するというこ とはあり得ないんですか。後で水を入れるとか。 ○中村委員 ドライというのは、パウダー、粉末としてですか。 ○田中(慶)委員 はい。 ○中村委員 これは、そもそもこのもとになっているのは、濃厚流動食だったのです。 粉末に対する基準はないです。議論しませんでしたね。 ○田中(平)座長 実際にはどうですか。粉末にしたものを家でお湯なり入れて混ぜて、 よくスープみたいなものにするということがありますよね。 ○中村委員 あります。もし必要だったら、それも議論しなければいけませんね。 ○田中(平)座長 中村先生としてはどう思われますか。それが議論になったらやった 方がいいと思いますか。でき上がりで考えたら、済む話ですか。 ○中村委員 やっぱり粉末の基準もつくった方がいいと思います。 ○田中(平)座長 もう一つ、これは成人という限定が要るのではないかという御質問 ですが、その点はどうでしょうか。 ○中村委員 どうだろう。特別に成人をと限定する必要はないと思いますけどね。 ○田中(平)座長 もう少し分かり易くそれを、説明してあげてください。 ○中村委員 子どものときに特別に必要性が高いような栄養素というのが余りないとい うことで、子どものときと大人になったときのエネルギー量を合わせていけば、大体、 成長の問題とかということは解決されるから、総合的にバランスのとれた濃厚流動食を とっておけば、特別に小児用ということをつくる必要がないのではないかなと思います。 ○田中(平)座長 よろしゅうございますか。  それでは、次に病者用個別評価型許可基準(案)について、ワーキンググループの主 査の山田委員から御説明をお願いいたします。 ○山田委員 資料1−6でございますが、特にこれまでの許可基準とは大きな違いはな いというものであります。ほとんど文言も変わっていないと考えてよいかと思います。  ここでは、私どもの個別評価型病者用食品の中で委員の方々から出てきた今後のコメ ントを少し言わせていただきたいと思います。  それは、一つは、病者用個別評価型の食品というのは、範囲が非常に広くて、個別的 であるということから、明確な許可基準はつくりにくいだろうと。どちらかというと、 審査の方法を決めておいた方がいいのではないかと。これは、ただいまはほとんど特定 保健用食品に似た方法でやられていますので、それなりに科学的根拠があるだろうとい うことを前提にして、幾つかの意見がありましたことを紹介させていただきます。  1つは、ただいま幾つか5〜6種類ほどのものが出ていますが、それらの有用性を生 かす、使いやすくするような仕組みが大切でしょう。これはこの特別用途食品で使い方 をもっと一般の方に、勿論、医師、薬剤師、管理栄養士などの管理のもとにということ でありますが、在宅医療で使えるということに対して、これらの有用性を生かしたよう な食品物流が大切である。非常に概念的ではございます。  審査の過程ですが、科学的根拠が必要であることを大前提として、このカテゴリーの 食品を開発するための臨床試験といったものを行いやすい方法を考える必要があるので はないでしょうか。大企業で資本力が非常に大きい申請者からだけでなく、総体的に小 さな企業においても開発、作成可能な仕組みを検討することも今後必要ではないでしょ うかということです。  審査時点で、あまりにも完璧的な論文追求をするということではなく、査読者がいる ということがあれば、病人の方を対象に臨床試験をやる場合には、健常者の方を集めて 大きな試験というのはなかなか集めにくい。しかしながら、科学的に信頼性ある、そう いう知見も組入れながら審査をする必要があるでしょう。  仮に、将来的にそのものが不適切なことが明らかになったり、もっと新しい、よりよ い判定の方法がある場合には、迅速に改変をするなり、再評価をするような仕組みを取 り入れることが大切でしょうということです。  そういった事柄や、これは特に資料1−6で申しますと、たしかそういった考え方は 入っていたと思いますが、もう一点は、高齢化社会になるということで個別の評価型の 場合に、老年期、今はそしゃく、えん下という形でのことが議論になっていましたが、 栄養全体のバランスを考えた場合に、老齢期に見合ったようなカテゴリーの食品を今後 考える必要もあるのではないかという御意見が出たことの御報告を申し上げます。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。ワーキンググループで出た意見をも紹介 していただいたわけであります。  よろしゅうございますか。  続きまして、乳児用調整粉乳許可基準(案)について、同ワーキンググループの主査 の山田委員から御説明をお願いいたします。 ○山田委員 説明資料1−7でございます。  これまでと大きく変わったところは、一昨年、コーデックスの栄養特殊食品部会で採 択された健常者の乳児に対する規格案に準じて変えたということが大きな違いでありま す。  その場合に、資料1−7では乳児用調整粉乳たる表示の適用範囲、いわゆる母乳代替 食品としてということでございますし、2に書かれているように、許可基準としたもの は、別紙の成分に適合したものであること、これは後で若干申します。  必要的表示事項といいますのは、これまでもほぼ特別用途食品では遵守されているこ とでありますが、乳児用調整粉乳の文字を入れる、母乳の代替食品ということを意味と して入れる。管理栄養士等の指導を得て行う、標準的な調整方法を記す、乳児の個人差 を考慮して使用するということであります。  4番以下に関しては、申請者が提出すべき資料ということで、これはこれまでとほぼ 変わりはございません。  別紙のところを見ていただきたいと思いますが、これも基本的にはこれまでのものと 変わらないですが、値としてコーデックスの栄養特殊用途食品会で採択されたものであ ります。  大きく違いますのは、成分のところでたんぱく質、これは従来、窒素に対する換算係 数を6.38としておりましたが、6.25とコーデックスで、長い長い議論がありましたが、 基本的には6.38から6.25という形になりました。  これまでありました灰分というもの削除してあります。  それぞれの100kcal当たりの組成につきましては、幾つかは範囲はあったのですが、 これもコーデックスで決まりました最小量と最大量、あるいは最大量でなければ安全量 と見られている量という形で範囲を設けたということであります。  このもの以外にも幾つか成分についてはコーデックス規格が決まっているのでありま すが、現在の日本の状況では、食品添加物指定というのがないために、そのものは規格 には入れませんでした。  今後、食品添加物に指定され次第、コーデックスの中で決まっている規格に追加する ことが必要であろうと、そういう意見が多いようでした。これは、今後、厚生労働省の 中で委員会あるいは協議が進めば、新たに追加していくという形になろうかと思います。  更に、これらの分析方法につきましても、新しく加わったものについては、順次追加、 あるいは分析方法の進展、よりよい操作法が判明すれば、それに応じて修正する必要が あるでしょうという意見もございましたし、また、日本の栄養表示基準で出されていま す食品分析方法についても、国際的に整合性を見ながら、どの程度に修正していくかと いうことが、今後の検討課題であろうと思われます。  もう一点は、健常人の乳幼児調整粉乳でありますから、それはこれでいいのでありま すが、現在では、今から20〜30年以上前に比べて、未熟児と言われる赤ちゃんの生存率 が非常に高くなって、病院では未熟児に対するミルクが多く使われている。その場合の ことは、ここの中ではないのかもしれないですが、将来的には個別評価型の特別用途食 品という関連からも、未熟児用のミルクというものに対して考慮する必要があるであろ うという委員からの強い意見があったということを申し添えておきたいと思います。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの御説明について質問等がございましたら、発言をお願いしたいと思います。 どなたかございませんか。  この別紙に示されておる成分、コーデックスに準じて変えられたということですが、 では、コーデックスは何でもって決めたんですか。人乳の濃度ですか。多分、そうだと 思うのですが、そうであるとすれば、日本人の配慮というのはあるのですか。 ○山田委員 日本人の。 ○田中(平)座長 要するに、日本のお母さんのお乳を十分反映していますか。 ○山田委員 例えばEPADHAの基準などは、かなり日本の母乳のデータを反映しているも のと思いますし、特殊な場合はそうですね。  そのほかは、コーデックスの中で決めたときも、ヨーロッパの人々、あるいはアフリ カの人々、いろんなもので、日本のデータもその中には、すべてではないですが、ある 部分は反映された議論がなされています。  幾つかこの中に入れていないものとしては、例えばビオチンとかカルニチン、ビタミ ンK、マンガン、ヨウ素、セレン、コリンといったようなものがコーデックスとしては 規格として決まっておりますが、現状のところでは食品添加物の指定をまだ受けてとい うか、指定としては存在しないので、今後、こういうものが決まったら考えるべきであ ろうということは言われております。 ○田中(平)座長 食事摂取基準の2005年版検討のときに、日本人の母乳の濃度に関す る研究は最近極めて少なかったのです。ある企業のデータしか使えなかったということ もありまして、これがどれぐらい日本人に当てはまるものかなと少し思った次第です。 今の食品添加物の話は法的な問題ですので、いいです。 ○山田委員 そう多くはないですけれども、日本人の母乳から算定したデータも、それ も勿論、企業の部分もありますし、幾つかペーパーになったものもあるということで、 ここの個別ワーキンググループの委員でありました順天堂大学の大城先生がコーデック スの中でのミルクの評価、あるいは規格委員会の一員として入られているということで、 日本人の意見というものも少し、幾分かは配慮されていると考えておりますが、田中先 生が言われるように、広範な出版物として手に入れるものが、多くが存在するというこ とは、今すぐそうではあるとは言い切れないところもあると思います。 ○田中(平)座長 それでは、次にえん下困難者用食品許可基準(案)について、同ワ ーキンググループの主査の藤谷委員から、新たな食品群の名称も含め、御説明をお願い いたします。 ○藤崎委員 資料1−8を御覧ください。  高齢者用となっていて、えん下とそしゃくえん下があったのが廃止になり、年齢に関 わらず、えん下困難者、えん下障害者の方のためのえん下困難者用食品許可基準(案) をつくりました。  名称ですが、学会レベルでは、例えばえん下の「えん」が漢字であるとかありますが、 それは厚生労働省の横並びの問題で、ここでは平仮名になっております。  えん下障害という言葉も、これも非常に学術レベルで多く使われているのですが、こ のものの障害という言葉に対して近年、お役所のレベルで若干問題がございますので、 ここではえん下困難者用食品と、えん下の「えん」が平仮名になっております。  えん下困難者用食品ですが「1 えん下困難者用食品たる表示の適用範囲」。えん下 困難者の用に適する旨を医学的、栄養学的表現で記載されたものに適用される。  「2 えん下困難者用食品たる表示の許可基準」ですが、えん下困難者用食品の定義 としては、えん下を容易ならしめ、かつ、誤えん及び窒息を防ぐことを目的とするもの。 えん下障害の方は、結局、飲み込むことが困難であったり、あるいはそのために気道に 入る誤えんですとか、窒息事故が多うございますので、えん下を容易にするという点と、 誤えんの観点、窒息の観点の3つの文言が入っております。  「(1)医学的、栄養学的見地から見てえん下困難者が摂取するのに適した食品であ ること。  (2)えん下困難者により摂取されている実績があること。  (3)特別の用途を示す表示が、えん下困難者用の食品としてふわさしいものである こと。  (4)使用方法が簡明であること。  (5)品質が通常の食品に劣らないものであること」  特に、この(2)と(5)のあたりで、食形態が正しいからといって、とてもまずい ものとか、食べるにたえないものが出てきてしまっては困るので、このような文言が入 っております。本当は味と入れたかったのですが、基準としてはそぐわないので入って おりません。  「(6)適正な試験法によって特性等が確認されるものであること」ということで、 次の次ページに表が入っております。別表1でございます。  2枚めくっていただいて、別表1、えん下困難者用食品許可基準でございます。今ま での栄養の面と違って、えん下困難者の場合には食形態とか物性と申しますものが重要 になってきます。  今回は、硬さとやわらかさです。やわらかさと付着性、つまりべたべた張り付くよう なものは窒息しやすかったり、飲み込みにくいですので、いわゆる喉越しがつるんとい いような付着性、それから凝集性です。例えば刻み食はばらけてしまうので、えん下の 悪い方では誤えんの危険が非常に高いので、ある程度まとまりやすいという意味で、凝 集性に関して、この3点を図ることにしております。  許可基準I、II、IIIと3つつくっておりまして、左のIの方が重症者にふさわしい食 品となっております。ここの許可基準の名称は、許可基準Iが重症ですが、だからとい ってIIIが軽症ということではないので、名称を付け難く、一応、I、II、IIIとさせてい ただいております。  大体、どのようなものかといいますと、この下の参考にあるように、許可基準Iとい うのは、ゼリー状の食品で、市販のゼリーが全部ここに入るのではなく、市販のゼリー の中でも特に飲み込みやすく、ほとんど初めの評価のときとか、慎重に訓練をするとき に始められるようなものが入っております。今、市販されているもののうちの数個ぐら いが入ると思われますし、今はほかのものも多少これに合うようになれば、幾つか入る という感じになります。  許可基準IIが、ゼリー状から少し幅を、大抵のゼリーがこちらに入りますし、また少 し、ムースであったり、カップに入ったヨーグルトのようなもの辺り、あるいはおかず 用のレバーペーストもちゃんとしたゼリー、つるんとしたような、そういうたんぱく質 を含むような、おかず的な食品も許可基準IIの中には実際には入ってきます。  許可基準IIIになりますと、不均質なもので、市販されている高齢者用のおかゆのうち のかなりなもの、やわらかいペースト状のお食事とか、ゼリー寄せをしたような、あん かけをしたような食品がかなり入ってくるという形になります。  ただし、勿論、IIIでも重度というか、それなりにえん下困難のある方用というような 大体の位置づけになります。  文言に戻ります。  (7)です。なお、3番のところの資料にある、その指示どおりに調理した後の状態 でというのは、現在ではパッケージにそのま入って売り出されておりますが、水に溶い たときにちょうどいいゼリーができるとか、牛乳に溶いたときにちょうどいいムースが できるようになるとか、そういう食品もございますし、また、今はありませんが、恐ら く加熱したら何とかで、レトルトで温度によって物性が変わってくるので、レトルトで 温めたときとか、そういうことを想定した文言になっております。  3番、必要的表示事項。えん下困難者用食品として許可された場合の必要的表示事項 は、次のとおりとする。  (1)が許可をえた表示の内容として「えん下困難者用食品」を意味する表示。  (2)が許可基準区分です。先ほど申し上げた1、2、3のどれに当たるか。  (3)が喫食の目安となる温度ということで、おかゆとかを思い出していただければ わかると思うのですが、温かいときにちょうどよくても、冷えるとべたべたしてしまっ たり、固まってしまったりするものもあります。主にえん下困難者用食品として、それ をねらって発売されているものは、そのように多少温度が変わっても大丈夫なように工 夫されているのが多いのですが、それで温度の基準。  (4)、(5)は通常でございます。1個当たりの重量、あるいはエネルギー、たん ぱく質、炭水化物、脂質、ナトリウムの表示、(6)が医師、歯科医師、管理栄養士等 の相談指導を得て使用することが適当である旨の表示です。  4番は、えん下困難者用食品が今までのところ、ほとんど物性のことを述べていまし たので、エネルギーやビタミン、ミネラル、その他が一般的な範囲内であることという のを挙げております。  5番目が、えん下困難者用食品の許可申請時に提出すべき資料として、試験方法など について挙げてございます。  試験方法については、2枚目の下に少し間を空けて書いてありますが、この測定は食 品会社でこのようなものをつくっているならば、大抵できる方法で、特に特別なものを 買っていただいたりすることはないというものでございます。  試験は、常温及び喫食の目安となる温度のいずれの条件にあっても、規格基準の範囲 内である。  下に書いてありますように、えん下困難者用食品の試験方法の1番の最後の行です。 「測定は冷たくして食する食品は10℃と20℃、温かくして食する食品は20℃と45℃で 行う」というふうに、2つの温度ではかっていただくことにしております。これは少し 厳しいようですが、冷たくしてちょうどよくても、こういう方は食べるのが遅いですか ら、テーブルの上に放置してまったら固くなってしまったとか、温かくして出したつも りでも、口の中に入れたり飲むのも45℃ではちょっとと考えていますが、そのうちに冷 めたらがちがちに固まってしまったということでもよくないので、企業の方で選んでい ただいて、これは冷たくして出すようなゼリーだから10℃と20℃ではかろうとか、これ はおかゆですから20℃と45℃ではかろうというものを選んでいただくことになってお ります。  上に戻りまして、(2)許可申請食品が基本的許可基準の各項目に適合することを客 観的に証明する資料ということで、業者さんがはかってくださった資料と、実は前から 高齢者用食品の基準をとらずにいろいろ多量に販売されておりまして、ある程度、実績 があれば、その証明、もし出すときに、ある程度、病院などで研究されていたりして、 あれば、その報告書ということになっております。  (3)ですが、基本的には、自家試験実施結果とは、その製造者が自らの検査施設で 試験をした成績書をいただき、自らの検査施設を有しないものにあっては、適当な検査 機関に依頼して試験を実施しても差し支えないということにしております。  (4)が品質管理について触れております。  以上でございます。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの御説明について質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。  山田先生、どうぞ。 ○山田委員 最後から2番目のページで測定のところですが、測定は冷たくしている食 品は10℃と20℃、温かくして食する食事は20℃と45℃という形ですが、これは方法論 としてはある程度確立されているものなのでしょうか。 ○藤谷委員 今までの基準には、温度のことは20℃としか書いていなかったのですが、 10℃とか45℃にすることは、比較的研究レベルでは行われていまして、これにもう一つ、 細かい動きを付ける予定になっていて、当然、現実的なことを考えてプラスマイナス何 ℃はオーケーというのは入れないとさすがにできないかなということも論議されており ます。 ○田中(平)座長 ほかにどなたかございませんか。よろしゅうございますか。  最後に、これは許可基準ではありませんが、食事療法用宅配食品等栄養指針(案)の 概要について、食事療法用宅配食品栄養指針ワーキンググループの主査の中村委員から 御説明をお願いいたします。 ○中村委員 これから入院日数の短縮や在宅医療が進む中で、食事療法を自宅でやって いくということが進んでいくだろうということで、この食事療法用宅配食品に関しては 十分な議論が必要だろうというメンバーの認識でございました。  議論の過程の中で、ほかの病者用食品のように、厳格な許可制度にした方がいいので はないかという意見も出ました。しかし、許可制度にするに当たっては、許可の基準づ くりをしなければいけない。そうなると、疾病別に栄養基準を作成しなければいけない など、いろいろ議論がありまして、なかなか難しいだろうということになりました。  しかも、厳格な許可基準制度にするとなると、また今度は普及の面で売れ行きがかか るだろうということで、一応、ワーキンググループとしても栄養指針を各メーカーに提 案し、この指針に基づいて適正に宅配食を進めるような方法にしていきましょうという ことで、指針づくりをするということにいたしました。  個々に、一応、案として栄養指針の目的、適用の範囲などが書いてありますが、この とおりでございます。  細かいことはここを読んでいただければわかるのですが、特に議論したのは、食事療 法というのは朝昼晩の1日の栄養量としてドクターが指示します。しかし、恐らく、宅 配食の場合は1食あるいは2食分というので、朝昼晩、全部を宅配するということはな かなかないだろうということで、単にこの1食分、2食分を物理的に届けるだけではな くて、1日の献立をも含めて提案し、その1日の献立表の中の宅配した食事は、この分 とこの分に該当する。あるいは夜に届けるのだったら、昼と朝の食事はこのような食事 をしないと食事療法にならないよというふうな情報提供も並行して行わなければ治療食 にはならないのだろうという意見が出てきました。  したがって、次のページに書いてありますが、栄養管理体制をきちっと企業内につく って、その責任者を明確にして治療食を進めていっていただきたいというのが、この検 討委員会メンバーの希望でございます。  つまり、今まで病院の中で厳格につくっていた治療食を外に出すわけですから、受け る企業の中にもそういう制度を担保するような仕組みをきちっとつくってもらって、宅 配食を進めていただきたいという意見がかなり出ました。  そうなりますと、単に栄養指針を出しただけで、治療食としての質の担保をどうして いくのかという議論も出てきました。  一つのアイデアとして、宅配食をつくるメーカー、あるいは栄養士会、学会、協会な どが連携したようなシステムをつくって、栄養基準を作成して、全国共通した栄養基準 のもとで治療食ができる仕組みづくりもあるのではないか。これはアイデアの段階でご ざいますが、そういう議論もされました。  以上でございます。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ただいまの説明について御質問等がございましたら、御発言をお願いいたします。  どなたかございませんか。犬伏委員、何かございませんか。 ○犬伏委員 先ほどの個別評価型病者用とこれと合わせてですが、これからというか、 もう既に高齢社会になっていまして、こういうものに期待する部分というのはかなり強 いのかなと日ごろ思っております。  そのときですが、今、療法用であるとするなら、個々の疾病に応じてということがあ りまして、先ほど山田先生から個別評価型のお話があったのですが、あそこでも考えて いて、難しいかなというのを思うのですが、絶対的にというか、これから多分、宅配と いう部分は伸びていくものかなという気がしております。  そのときに、私たちの習性というか、期待が過剰になってしまう部分がかなりあるの かなという気がしているのです。経済的なものを考えますと、1食あるいは多くても2 食というところなのかなという気がするのですが、今、おっしゃられたように、それで 合わない分の1日の摂取量、例えばこんな献立があるよという目安をつくっていただけ るというのは、すごくすばらしいことであるのかなという気はしているのですが、それ だけに頼ってしまったときにどうするのかなという心配がつい先走ってしまうので、そ の辺のところが、表示でしっかりと相談しなさいという部分、調剤薬局みたいなところ できちんと対応してもらえるようなシステム、そんなものがあったらいいなと思うので すが、その辺、消費者としてはよくわからないですが、どんなふうにこれから体制がつ くられていくのかなというところが気になっています。  もう一つ、先ほどの個別型ですが、個別型で臨床データというのが言われているので す。先に個別型の認可される前に、まず実験で各病院で食べさせてというか、病院ごと にそういうのがあって、やせますよというのが出てきて、それが家に帰った。在宅医療 というのは、これからまた多くなるのだと思うのですが、その人にこれならいいよとい う話になるのでしょうか。  そうすると、病院で食べているときには、管理栄養士さん、その他病院の専属の先生 方がいらしてしてくださっているわけだからということなのか、業者の方との兼ね合い というのはどういうことになるのかなというのが少し心配だったのですが。 ○田中(平)座長 どうぞ。 ○山田委員 私も具体的な運営といいましょうか、利用の仕方というのは、将来、より よくなると期待しますが、どうなるかというのは、今、私自身、答えることができない のですが、個別評価型に関しては資料のところにも書いてあるのですが、現に病院等の 医療機関において食事療法の一環として、その食事に使うと。それがすべてではないの だというふうに患者さんに認識をしてもらって、全体の食事療法のワン・オブ・ゼムと して、これは便利だよということで使ってもらう。  個別医療型の評価基準での「食事療法とは」とわざわざ定義を付けていますけれども 「疾病の治療及び再発や悪化の防止を目的として、医師の指示により医学的、栄養学的 見地に基づき、栄養士等が管理した食事を摂取することをいう」ことですから、そうい うものを使う場合には、極力、通院していた、あるいは退院した場合には、医師あるい は周りに今後出てくるような栄養ケアステーションですか、そういう、いわゆる医療ス タッフとの連携を努めてキープしながら使っていくということで、期待という形です。  そういう普及啓発とともに、医療関係者がどういうものを利用するとよりよいかとい うふうなデータベースにアクセスしやすい環境をつくる。こういうことが今後求められ て、今、犬伏委員が言われていたような心配の一部は少しずつ消えていくのではないか と考えています。 ○田中(平)座長 どうぞ。 ○中村委員 そもそも食事療法というのは、医療機関にかかって、医療の監視下のもと で行われていくというのが原則だろうと思うのです。病院などでこういう治療食宅配あ るいは業者を使うのは、病院にも医師がいますし管理栄養士がいますから、この管理栄 養士の栄養相談の一環として病者用食品を使われたらいいと思うのです。  ただ、もう一つ問題は、診療所に管理栄養士がいませんし、診療所でちゃんとした栄 養指導をする機能が備わっているかというと、ちゃんと機能を持っている診療所もあり ますが、すべての診療所がそういう機能を持っているわけではないわけでございまして、 今、栄養士会としては、栄養ケアステーションを地域につくっていこうというビジョン を立てながら、診療所という栄養ケアステーションの連携を今、医師会と詰めようとし ております。そのときには、診療所で通院しながら、在宅のこういう治療食宅配を使っ てもらって、どうしても食事量がわからない場合は、診療所で栄養相談を受けることも あるし、栄養ケアステーションで相談を受けてもらいたいと思っております。  最も深刻な問題を考えているのは、医療機関にかからないまま、こういうものを使う 人たちが存在するわけです。例えば腎臓病の食事療法というのがあったら、診療所にも 行かないで腎臓病食品を食べれば、腎臓病が治るだろうと思っている人たちがいるので はないか。我々はここを一番気をつけなければいけないと思うのですが、そのために今 回の指針の中には、宅配食をするメーカーの中に管理栄養士を置くべきだということが 指針に書いてあります。したがって、医療機関にかからないまま、こういうものを食べ るのを防ぐために、オーダーが来たときには、必ず医師から何カロリー、どんな指示を 受けていますかという問診をしてもらいたいと思っております。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。  先ほどの1日3食というのは基本的に少ないと。1日1食か2食であるということと、 今の先生の発言、少し似ているところがあるかもしれません。あとは好き勝手にいくと いう話になってくるということもあります。  どうぞ、藤谷委員。 ○藤谷委員 8番の情報提供のことがさっきお話しくださったことですが、最後の容器 に食事療法用食品である旨の表示を行わないことというのがわざわざ挙げてあるのも先 ほど中村先生がおっしゃったみたないに、過大な期待を持たないとか、そういう意図で 入っているのですか。 ○中村委員 そうです。これも我々の委員会で議論があったのですが、例えばパッケー ジされた中に、この食品は低たんぱく食の献立ですというのは表示できるのです。とこ ろが、これは腎臓病用に使われる治療食というのは表示できない。このものについてい る表示違反になるのです。ところが、この低たんぱく食品を説明するパンフレットには 書けるのです。  だから、そういう意味で、この食品は低たんぱく食品であるのですが、食事療養のた めの低たんぱく食品の献立ですよということをここに書いてもらいましょうという話が あるわけです。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  それでは、これぐらいで、各ワーキンググループの検討結果の報告は終わりとしたい と思います。  続きまして、特別用途食品の審査の在り方についても大きな影響を与えることが想定 されます消費者庁の創設について、事務局から説明をお願いいたします。 ○玉川室長 それでは、資料の2について、御説明をさせていただきます。  第6回の検討会におきまして、審査体制の在り方についてということで、現行の審査 方法と、特に特保の例を引き合いに出しまして、特別用途食品についても、より詳細に といいますか、しっかりと今後、審査をやっていくということで、部会の下に例えば調 査会をつくるようなイメージでといったところまで踏みこんで、御説明をさせていただ きました。その後、政府全体の動きとして、消費者庁の創設についてということがまと まりつつありますので、この点について御説明をさせていただきたいと思います。  この件については、平成20年6月13日付で消費者行政推進会議が方向性についてと りまとめを行っております。  2にございますように、6つの原則に基づいて消費者を主役とする政府の舵取り役と して新しい組織をつくるということで、その機能としては、1枚おめくりいただきたい と思いますが、消費者庁を内閣府の外局として設置をいたしまして、ここでは(4)に ございますように、個別の作用法も所管をしていくのだということを言っております。  では、個別の作用法にはどういうものがあるかというのが、さらにもう1枚おめくり いただきましたところにあるのですが、3つのグループがございます。  1つ目は「表示」に関する法律ということで、景品表示法、JAS法、食品衛生法、 健康増進法、家庭用品品質表示法や住宅品質確保法というのがあります。  あと2つほど柱がありまして「取引」に関する法律というのと「安全」に関する法律 というのがそれぞれのグループをなしているところであります。  この検討会に関係いたしますのは、このうちの健康増進法に関する部分でございます ので、その中身について、もう少し詳細に御説明をさせていただきますと、資料の後ろ から2ページ目になるのですが「健康増進法」という紙がございます。こちらで「表示 基準の企画立案、執行は、消費者庁に移管する」とありますが、従来、厚生労働省で健 康増進法に基づきます食品の表示について、栄養表示基準やさまざまな基準を定めてい たりしたわけでございますが、そういうものについても消費者庁に移る。  消費者庁の方では、そうした基準の策定・改正に当たって厚生労働省に協議をする。  一般的な基準だけではございませんで、表示の制度といいますと、まさに特別用途表 示というのがございまして、特別用途食品というのはこれに基づく制度でございますが、 その審査、許可の準備というのも消費者庁が所管するといったことが内容として取りま とめられております。  実際に消費者庁ができ上がりますれば、審査に限らずに、こうしたものを実効性あら しめるために、現在、厚生労働省が持っておりますさまざまな立入検査とか勧告とか収 去とか、こうした権限についても消費者庁の方に移管をするということになっているわ けでございます。  また、許可表示をする際には、現在、国立健康・栄養研究所あるいは登録機関の方に 許可試験等を行わせるということになっておりますが、そうした権限も消費者庁の方に 移管をするということになっています。  こうした取組みが今後どういうふうに進んでいくかということですが、もう一回、資 料の2ページ目にお戻りいただきたいと思います。こうした組織を今後どうしていくの かというのが「6.消費者庁創設に向けたスケジュール」という項目がございまして、 来年度から消費者庁を発足、内閣府においてこうした消費者庁の司令塔機能を先行実施 ということで、来年度早々に組織を立ち上げるということを考えております。そのため に、この行政推進会議の取りまとめの内容を基本として、直ちに政府の基本計画として 閣議決定ということで、消費者行政推進基本計画というのを、明日の閣議で閣議決定を する予定としております。その閣議決定の中身というのは、基本的にここのところで示 したところと同じでございます。  実際に消費者庁がどういう組織なのかというのは、現在まだ粗々の姿しかないのです が、一番最後のページに「消費者庁(仮称)の組織のイメージ」というのが、この行政 推進会議取りまとめの中の附属資料で出てきております。消費者行政執行部門というの が内閣総理大臣、消費者行政担当大臣の下に置かれた庁の中の1部門としてあって、こ こで表示に関する関係などの事務を執行していくということでございますが、消費者庁 自体には、仮称ということでございます。消費者政策委員会、これは国家行政組織法の 八条機関と申しますか、審議会のような機関も置かれると聞いておりますので、そうし たところで必要があれば、申請などに当たっての検討も進むということになろうかと思 います。  ただ、前回、私の方から御説明しましたが、薬事・食品衛生審議会という厚生労働省 の下に置かれた機関での取組みという形とは異なることになりますので、第6回以降の 事情変更ということで、この場で御説明をさせていただきました。  報告は以上でございます。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  それでは、ただいまの事務局の説明について御質問等がございましたら、御発言をお 願いいたします。消費者庁も明日決定という話だそうです。  よろしゅうございますか。どうぞ。 ○山田委員 前回まではこの特別用途食品、特に個別評価型の審査というのは3つ目の 委員会というか評価会をつくって専門的に行うというふうに理解しているのですが、消 費者庁に移行しても、今のように第1評価から第2評価担当で、ある意味では第3評価 担当というふうな形で動くと考えてよろしいのでしょうか。 ○玉川室長 現在の薬事・食品衛生審議会の場合は、審議会全体の下に食品衛生の分科 会、部会、調査会というツリーの構造になっております。  消費者庁に八条機関が置かれることは間違いないのですが、そちらの審議会の構造、 そうしたものはどういうものになるかということについては、現時点では、今後、調整 するということになっておりますので、詳細についてはお示しすることはできないので す。考え方としましては、そうした専門家が入ったところでしっかり見ていくべきであ るという考え方だと思いますので、ここの検討会の場で、もしコンセンサスが得られれ ば、そういうものを提言としてまとめていただくことができればと思っております。 ○田中(平)座長 よろしいですか。 ○山田委員 はい。 ○田中(平)座長 厚生労働省からは消えるわけです。どういう形か知らないけれども、 消費者へ行くと、こういうことですな。 ○田中(慶)委員 もう少し細かいところをお伺いしたいのですが、これ、実際に検討 会の報告書が出て、これがいつ施行になるのか。その事務は、基本的には厚生労働省で やるのではないかなと思うのですが、基準づくりとかですね。来年の4月までの道のり というか、タイムスケジュールみたないなものは何かお考えはございますか。 ○玉川室長 これも新しい組織の準備組織と調整をしながら進めていかなければならな いと思っておりますが、先ほど閣議決定は明日と申しましたが、実際にはこれは法律で 定めなければ、外庁として新しい組織は設置できません。それについては、臨時国会に 法案を政府から提出するという形で進められるとお聞きしております。そこでそれが成 立すれば、来年度早々から立ち上がることになるわけでございます。基本的に現在、健 康増進法にあります厚生労働大臣の事務を、まずはそのまま引き続き移管をするという ことでありますので、従来、例えば、特保を始めといたしまして、さまざまな基準とか が既に定められているものもございますが、それにのっとったルールで基本的には移管 をする形を考えております。  したがいまして、私どもの方は現時点で、さまざまな基準を持っているわけです。し かも、それを向こうの方は垂直的に引き継ぐということになっておりますので、既存の 通知、取扱、そうしたものが前提となるわけです。  私どもの考えといたしましては、一応、ここで、この検討会で方向を示して、かなり 具体的な規格・基準までいただいたということでありますので、この秋にでも、それを もとに実際にそれを通知とか何かに落とした場合の具体的な基準案をお示しして、パブ リックコメント等の手続を経て、実際の新しい基準を策定して、それをそのまま消費者 庁に引き継いでいただきたいと思っております。  ただ、具体的に何月何日をもって新しいところに切り替わるかといったようなところ については、今後、細かいところの作業の進み具合、あるいは消費者庁との調整等も踏 まえて、行政的なところで調整をさせていただきたいと思っております。基本的にはこ こで示したものを基に、新制度案のものを形づくって、それをそのまま引き継ぐ形にし たいと思っております。 ○田中(平)座長 よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○田中(平)座長 ありがとうございます。  それでは、ワーキンググループにおける検討や消費者庁の創設といった事情も踏まえ まして、本検討会の取りまとめについて御議論いただきたいと思います。  本検討会は、本年3月末に中間取りまとめを公表いたしましたが、本日はこの中間取 りまとめを土台として作成された報告書(案)が事務局から提出されておりますので、 これに基づいて御議論いただきたいと思います。  それでは、事務局より説明をお願いいたします。 ○玉川室長 それでは、資料3−1「特別用途食品制度のあり方に関する検討会報告書 (案)」を朗読させていただきます。  「1.はじめに  特別用途食品制度は、健康増進法(平成14年法律第103号)第26条の規定に基づき、 販売に供する食品につき、乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用等の特別の用途に適する 旨の表示をしようとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならないという制度 である。  (注)健康増進法26条の規定に基づく「特別の用途に適する旨の表示」の許可には、 特定保健用食品も含まれるが、以下における特別用途食品については、特定保健用食品 を除いたものとする。  特別用途食品については「健康増進法制定以前の旧栄養改善法(昭和27年法律第247 号)によって定められた枠組みが基本的に維持されたままとなっているが、近年、高齢 化の進展や生活習慣病の患者の増加に伴う医療費の増大とともに、医学や栄養学の著し い進歩や栄養機能表示に関する制度の定着など、特別用途食品制度を取り巻く状況は大 きく変化している。  こうした状況を踏まえ、本検討会は、今後の特別用途食品制度のあり方について検討 することを目的として、平成19年11月に設置された。そして、新しいニーズに対応し た特別用途食品の役割、現状に対応した対象食品の見直し、対象者への適切な情報提供 について検討を行い、平成20年3月に中間とりまとめを公表したところである。また、 この間、関係団体等9法人・団体からヒアリングを実施している。  中間とりまとめを公表した後、本検討会は、対象食品の範囲の見直しに伴う具体的な 審査基準を検討するため、食品群ごとのワーキンググループを設置し、検討を行った。 また、本検討会は、審査体制のあり方についても検討を行い、今般、その結果をとりま とめたので、以下のとおり報告する。  2.新しいニーズに対応した特別用途食品の役割  特別用途食品については、健康増進法第26条第3項の規定に基づく許可試験の実施に より、基準や規格が保証されていることから、品質について一定の信頼性が得られてい る。その一方で、企業表示を信頼している、品質に差がないなどの理由から特別用途食 品の許可を得た食品であるかを重視していないといった実態も見受けられる。  また、生活習慣病の予防が重視される中で、かつて病者用と考えられた食品の中には、 病者以外の者への普及が見られるものもある。  特別用途食品は、通常の食品では対応が困難な特別の用途を表示する機能を果たして おり、対象となる者に十分認知されれば、適切な食品選択を支援する有力な手段となる ことが期待できる。対象者の栄養摂取のすべてが特別用途食品に依存されるものでない としても、栄養成分が適切に配合された食品の利用を組み入れることによって、本人が 適切な栄養管理を行うことが総体的に容易になるからである。  今後我が国は、高齢化がますます進行していくことが予想されている。これに伴い、 循環器系等の疾患による入院受療率も上昇することが予想されるが、入院治療後できる だけ早期に日常生活に復帰できるよう、入院から在宅医療まで切れ目のない形での地域 の医療機関の連携とともに、在宅療養における適切な栄養管理を持続できる体制づくり が求められている。  このため、在宅療養に関わる医師、管理栄養士等関係者が連携を図るための取組を強 化していくとともに、患者の栄養管理に適した食品が利用しやすいような形で十分に供 給されることが強く求められている。特別用途食品制度は、そのような社会状況の変化 に対応した新たなニーズに的確に対応できるものでなければならない。  併せて、特別用途食品制度の今後の方向を考える上では、許可の対象となる食品の範 囲についても、対象者にとって当該食品を利用することがなければ対応が困難となるよ うな食品群に重点化させることも留意すべきである。このような重点化により、当該制 度が対象者の食品選択にとって不可欠な存在と意識されることとなり、その認知度が高 められ、ひいては当該食品の供給の円滑化に繋がることが期待されるからである。  また、特別用途食品が幅広く活用されるためには、対象者の選択や利用のために必要 な情報提供の促進が図られ、最新の医学的、栄養学的知見に基づいて適正な審査を経た 食品供給がなされるといきった基盤整備を図ることも不可欠な取組である。  3.対象食品の範囲の見直し  以上のような観点から、対象食品の範囲については、具体的に次のような見直しを実 施すべきである。  第一に、病者用食品の一類型として、総合栄養食品(いわゆる濃厚流動食)を位置付 けることである。  一般に、総合栄養食品(いわゆる濃厚流動食)とは、治療中や要介護状態の患者が、 通常の食事摂取に困難を伴うことから経口での摂取が不十分な場合に、食事代替や補助 として、必要なエネルギーを含め、栄養素のバランスや性状(流動性)を考慮した加工 食品を指すものと考えられる。  総合栄養食品(いわゆる濃厚流動食)は、口腔障害、通過障害、意識障害などにより 通常の食事がとれない場合でも、効率よくたんぱく質等の栄養成分と熱量を摂取するこ とができ、また、腸管を利用することから生理的な栄養補給ができること、長期の使用 でも栄養成分の欠乏が起こりにくいこと等からも、在宅療養も含め利用者の栄養管理に 適するものと考えられる。しかしながら、これまでは特別用途食品制度の対象となって いなかったことから、病者の栄養管理に適している旨等の表示を行うことができなかっ た。  したがって、病者用であることを表示させることによりその認知度を高める一方、専 ら病者を対象とする食品であることから、その栄養組成など品質の確保を図る必要性も 高く、これを病者用食品の一類型として位置付けることとすべきである。  なお、当該食品群の名称については「総合栄養食品」とすることが適当と考えるが、 これはこれらの食品が口腔、食道の通過や機能障害等のため通常の食事形態による摂取 ができない病者に対して、食事の代替となるようなに栄養素が総合的に配合されたもの であるからである。  第二に、病者用単一食品と栄養強調表示との関係を整理すべきである。  現在、病者用単一食品には、低ナトリウム食品、低カロリー食品、低たんぱく質食品、 低(無)たんぱく質高カロリー食品、高たんぱく質食品、アレルゲン除去食品及び無乳 糖食品が存在している。  病者に適切な栄養管理という観点からは、単一食品だけでは必要な栄養摂取が達成で きないとともに、栄養成分の含有量が低い食品であってもこれを大量摂取することは不 適切なことから、栄養成分表示に基づく的確な摂取量の管理自体が重要と考えられる。  他方、平成8年度に創設された栄養表示基準(現行では、平成15年厚生労働省告示第 176号)においては、高たんぱく質、低カロリー及び低ナトリウムに関する栄養強調表 示の基準が既に定められており、代替的な機能を果たし得ることから、特別用途食品の 許可の対象から除外すべきものと考える。  これは、生活習慣病の予防が重要な国民的課題となる中で、一般的な保健対策として 脂肪エネルギー比率の減少やナトリウム摂取量の減少が取り組まれているが、こうした 取組みは専ら病者に限定されるべきものではなく、広く栄養強調表示において対応すべ きものと考えられることとも整合的である。  これに対し、栄養強調表示によって対応することが困難な低たんぱく質食品やアレル ゲン除去食品等については、引き続き病者用食品の許可の対象とし、当該食品を必要と する病者の選択に役立てるものとすべきである。  第三に、病者用組合せ食品を宅配食品栄養指針による管理に統合していくことである。  在宅療養の支援という観点からは、栄養管理がなされた食事を宅配で利用できる「宅 配病者使用食品」の適正利用を推進することが不可欠である。このため、平成7年、8 年に策定された宅配食品栄養指針を改訂し、対象者の栄養管理に利用しやすい内容に改 めるとともに、関係事業者に対し積極的な普及を図るべきである。  また、病者用組合せ食品については、主として熱量をコントロールとしたものとなっ ているが、上記指針に基づいた宅配食品の提供という方法によって適切な栄養管理を図 ることが期待できることから、引き続き許可の対象とする必要性は乏しいものと考える。  ただし、現在の指針においては、その実効性を担保するための仕組みが十分とは言え ないことから、指針の見直しに当たっては、改善を図るべきである。  第四に、高齢者用食品の取扱いである。  現行の高齢者用食品については、そしゃく困難者用食品とそしゃく・えん下困難者用 食品からなる。このうち、そしゃく機能については、食品の硬さに対する基準として設 定されており、製造事業者において容易に対応できるのに対し、えん下機能については、 対象者の個別の症状を勘案しながら対処する必要があるものとなっている。  このため、単なるそしゃく困難者用食品については、許可の対象から除外すべきもの であり、また、残るそしゃく・えん下困難者用食品についても、対象者は必ずしも高齢 者に限られず、さまざまな疾患による障害のある者も対象となることから、従来の高齢 者用食品という区分の名称を変更し、端的に「えん下困難者用食品」とすべきものと考 える。  なお、妊産婦、授乳婦用粉乳については、妊産婦や授乳婦に対する栄養補給として、 比較的栄養価が高いと考えられる粉乳によることを想定するものであるが、現在では粉 乳以外にも様々な栄養源が利用可能であり、粉乳だけを許可の対象とする必要性は相対 的に低下しているものと考えられる。  4.対象者への適切な情報提供  対象者が特定の者である特別用途食品について、対象者に的確に選択され、利用され、 適正な栄養管理がなされるためには、医師、管理栄養士等による適切な助言指導の機会 が保障されることが不可欠である。このため、例えば退院する前に栄養教育を受ける等、 在宅療養における栄養管理を継続させるための取組を強化していく必要がある。  上記に加えて、適切な栄養管理の確保に当たっては、地域における効率的かつ効果的 な保健指導、栄養食事指導を実施する活動拠点として栄養士会が運営する栄養ケアステ ーションにおいて、管理栄養士等の地域の人材と医療機関や医療保険者との連携を図る こと等により、地域における栄養食事指導の実効性を高めていくことが期待される。  特別用途食品については、医療機関内で費消される食品と異なり、栄養指導等を受け ながら、対象者自身が選択し、購入することが基本となる。したがって、対象者におい て栄養管理に関する基本的な知識を体得することが望まれるとともに、医療機関等の専 門職員においても適切な栄養指導が可能となるよう、特別用途食品の製品情報並びに最 新の知見に基づく疾患ごとの栄養管理や食事管理等に関する情報のデータベース化を図 り、利用できるようにすべきである。  また、特別用途食品については、現在は、主たる流通経路を病院内の店舗や医療通販 によることとしており、広告も原則として自粛となっているが、当該食品を利用した栄 養管理を行いやすくするという観点から、同制度に関する認知度を高め、必要な流通の 確保を図るべく、広告可能な事項を絞った上で一般広告等も認めるなど、情報提供の手 段を拡充すべきものと考える。  その際、薬局等の販売事業者においては、購入者に対して的確な情報に努めることが 強く期待される。  他方、特別用途食品の許可を受けていないにもかかわらず、紛らわしい表示や広告を 行って誤認させるようなことがないよう必要な対策を講じるべきである。  また、病者用など特別の用途の対象者にとっては、適切な栄養管理という観点から、 表示された内容が正確であることが極めて重要な意義を有する。このため、健康増進法 第27条の規定に基づく収去試験の適正な実施など表示内容の真性さの確保に向け必要 な措置を講じるべきである。  5.審査体制のあり方  これまでの特別用途食品の審査体制としては、規格基準のあるものについては、規格 基準に適合しているか否かを厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保 健対策室において確認して許可を行い、個別評価型病者用食品については、同省医薬食 品局食品安全部長の私的懇談会である特別用途食品評価検討会の意見を聞いた上で許可 を行っていた。  しかしながら、特別用途食品については、乳児や病者など特別の用途のためのもので あり、許可に当たっては慎重な手続が要請され、殊に個別評価型病者用食品については、 最新の医学、栄養学的知見に沿った食品供給の確保を図ることが適当であることから、 その審査体制については評価を図るべきものと考える。  また、3.示した対象食品の範囲の見直しを踏まえ、食品群ごとに新たな具体的な審 査基準の案についても検討を行ったが、その結果については別添のとおりである。  6.その他  消費者行政推進基本計画(平成20年6月 日閣議決定)において、健康増進法に基づ く特別用途表示の審査・許可は、新たに創設される消費者庁が所管することとされてい るが、当該制度を移管するに当たっては、これが円滑になされるよう十分留意すべきで ある。  また、これにまでに特別用途食品の許可を受けていたものであって、今般の対象食品 の範囲の見直しに伴い、特別用途食品の許可の対象から外れるものについては、新制度 の施行後も一定の期間の範囲内であれば、従来の許可に係る表示を許容するという経過 措置を講じるべきである」  本文は以上でございますけれども、5の3番目の段落にもございましたように、この 報告書の別添という形で、本日、資料1として各ワーキンググループに検討いただき、 この検討会でも御審議いただきました規格の基準案というものをお付けしていまして、 それ全体で報告書としてまとめるということを考えております。  資料の説明は以上であります。 ○田中(平)座長 それでは、別添の文書となる食品ごとの具体的な許可基準、つまり ワーキンググループの案ですが、それをも見ていただきまして、この報告書案について 御意見等がございましたら、御発言をお願いしたいと思います。  どうぞ。 ○東洋委員 5ページの一番上「当該食品群の名称については「総合栄養食品」とする ことが適当と考える」で結構だと思うのですが、前の方に、例えば病者用とか、そうい うことが、4ページには「第一に、病者用食品の一類型として、総合栄養食品」という ふうな書き方をしていますが、表示される場合、患者さんの方にわたる場合にはどうい う表示になるのでしょうか。総合栄養食品というだけの表示になるんでしょうか。それ とも病者用として「総合栄養食品」という形になるんでしょうか。 ○玉川室長 これについてですが、病者用食品の一カテゴリーということでありますの で、実際の表示されるときの中身といたしましては、まず現在でありますと、人形マー クと言われるマークが付いております。あれで厚生労働省許可、今後、厚生労働省とい うところが変わるかとは思うのですが、その下に病者用という文言のみが入っておりま す。そこのところについては変わりません。  さらに、食品ごとに病者用の中でサブカテゴリーのところについて表示をすることに なりまして、それで申しますと、本日、資料1−5にございましたが、必要的表示事項 というところにございますように、実際に食品の表示のところに書かれる文言といたし ましては、そこの1番にございますように「総合栄養食品(病者用)」、さらに成分調 整している場合には「(○○調整)」というものが書かれることとなります。  その関係について、若干整理したので、横のカラーの資料3−3というものがござい ますが、それの5ページに今回の対象食品の範囲の見直しというものを整理したものが ございまして、ここの中にありますように、総合栄養食品というのは、病者用食品のサ ブカテゴリーということでありますので、必ず病者用というものが表示には含まれると いうことになります。  サブカテゴリーの中では低ナトリウム食品とか、低カロリー食品とかというのに加え て医療用とか病者用とかというのを書いてないのと同様という意味で、総合栄養食品と だけ名乗っているというものです。 ○東洋委員 そういう形ではわかりやすいかなと、誤解を招かないかなと思います。あ りがとうございます。 ○田中(平)座長 どなたかございませんか。  はい、どうぞ。 ○藤谷委員 先ほど聞き忘れてしまったのがいけないのですが、総合栄養食品のところ に液状又は半固形状で流動性を考慮したというのがあるので、例えば最近出ているよう に、総合栄養食品で結構ゼリー状ぐらいの形態をしたものまでか。そうすると、その総 合栄養食品で、かつえん下困難者用食品という、2つ取れてしまうこともあるのか、そ れともこの総合栄養食品の半固形というのは、もう少し緩いもの、ごくごく飲めるぐら いの考えでおられるのかということをお伺いしたいです。でも、実際、こういうものは ありますよね。いろんな液状食品メーカーが、液状食品のババロアとか、液状食品のゼ リーとかを、固有名詞幾らでも出ますが、つくっておられるのが。 ○玉川室長 概念だけの整理ということでありますが、現在、病者用の食品というのは、 これまでもありましたように、栄養成分の改変ということで許可の基準をつくっており ます。  それと違いまして、その下のカテゴリーというものは栄養成分の改変ということでは ないという切り口でとっているということになりますので、概念としては両者ともにを とることはあり得ます。ただ、そういう形が本当に望ましいのかどうかということにつ いては、整理をすることが必要なのかなと思います。制度上としては可能だろうと考え ます。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。  どうぞ。 ○東洋委員 7ページから8ページのところの対象者への適切な情報提供というところ なんですが、8ページで、前回のお話ですと、これをどこで手に入れるかということに なりますと、病院の中の店舗とか医療通販と、ここに書いてあるとおりだと思うのです が、それをこれから広げていこうという中で、この中に薬局等の販売事業者においては ということで、的確な情報提供をしなさいということと、資料3−3、カラー刷りの方 の6ページの中に対象者への適切な情報提供で、対象者に的確に選択され、利用され、 適正な栄養管理がされるよう、医師、薬剤師、栄養管理士等による適切な助言指導とか と書いています。  そうすると、この7ページの対象者への適切な情報提供のところの医師、管理栄養士 等のところに、薬剤師ということを入れると、我々としては薬剤師、または薬局の指導 がしやすいというか、広報しやすいというか、そういうふうに考えますが、その必要は ございませんか。 ○玉川室長 まず、資料3−3の前段にもあります医師、薬剤師、栄養管理士等による 適切な助言指導というのは、医療関係者のところで、具体的な栄養管理の確保に当たっ ての保健指導、栄養食事指導の実行体制をどうやって地域で組んでいくかというところ の話でありますので、実際に当たられる方を中心に、ここは書かせていただいておりま す。  それに対しまして、後者の方は流通チャンネルの話をしておりますので、事業者レベ ルのところで書いておりまして、したがいまして、そういう意味では販売者というより 事業者ということになると思うのですが、実際にそこで指導的な役割を果たされる人材 としては御指摘がありましたように、まさに薬剤師ということになろうかと思います。  どうぞ。 ○橘川委員 5ページのところですが、下から2番目の段落で、一応、低カロリー、低 ナトリウムに関する栄養強調表示の基準が既に定められており、代替的な機能は果たし 得ることから、特別用途食品の許可の対象から除外するということ、これは一番最初の 事務局の説明でもあったのですが、これで代替できない場合は何らかの栄養表示基準の 方の例外的な部分というのは認めていただけるのでしょうか。  例えばナトリウム関係は、多分、比較表示で現行のナトリウムの低減というのはでき ると思うのですが、低カロリー、甘味料、テーブルシュガー等について高甘味度甘味料 を使っている場合は、比較表示でも現行のものがそのまま移行できないという例が出て くると思うのですが、その辺は、例えばEUの規則の中では、甘味度を併せて表示をす るとか、そういうような形は既にEUの規則の中に入っていますので、ただ、そういう ものをこちらでも例外的に使っていただくとか、そういうことはいかがでしょうか。 ○玉川室長 基本的には、中間とりまとめのときに整理がなされている事項だと思いま すが、何よりもまず大事なのは、5ページの4段落目の最後にありますように、栄養成 分表示に基づく的確な摂取量の管理自体ということが、こうした病態の方には抑えるべ きキーポイントと考えております。  そういう観点から、今回、規格の簡素化を図ったわけでありますが、そうした整理さ れたものの中でも、個別の病態等において、特にこうしたものがその病気に対して非常 に意味があるというものがあるのであれば、それは個別評価型のものとして審査を経て、 認められるということは一般論としてはあると思います。  ただ、病態の改善に甘味、甘いということがどういう意味を持つのかは、よくわかり ませんが、一般的にはその人に対してカロリーがどれだけ抑えられているかということ で、今までの低カロリー食品を見てきたということだろうと思いますので、そこでそう した対応がなされれば十分ではなかろうかと思います。  もし、ワーキンググループの先生からでこの点について御意見があれば、伺いたいと 思います。 ○田中(平)座長 山田先生、いかがですか。甘味料の話ですが。 ○山田委員 特定保健用食品の場合は正常者であって、低カロリーというのは主に血糖 値を上げないという表現の分野が多いと思います。その場合には、ある食事をした場合 に、それと同時に食すると血糖値の上昇が低くなるという形での表現がほとんどでござ いますが、低カロリーというものに関しては、特別用途食品でもエネルギーにならない ということが主たる栄養学的、医学的な目的だったように思います。そういう意味から しても、低カロリーというのは、栄養表示基準の中でカバーできるだろうという考えで、 こういうふうなことになったと思います。  先ほど言われたように、例えば、血糖値が気になる方に対して、そういうものを摂る と血糖値が上がらない、上がりにくいということで表現をしようと思うならば、特別用 途食品という形に、個別評価型からの特別用途食品という中で持っていくということは、 一つの考え方だと思いますが、もともとこういうものは病者だけではなく、健常人でも 普及すると、よりよい生活になるのではないでしょうかという考え方からすると、低カ ロリーというものを殊更強調するということは、今の流れからすると、小さいことかな と考えております。 ○田中(平)座長 この検討会報告につきましては、ディスカッション時間も過ぎてし まっているのですが、ディスカッションの都合上、中間とりまとめとかなり異なる点と いうのは、どういう辺りでしょうか。それを言ってもらったらいいと思います。 ○玉川室長 簡単に御説明をさせていただきます。  「はじめに」のところは、今までの審議経過のところを付け加えられている程度でご ざいまして、2番のところについては、中間とりまとめと基本的にほとんど変わってい ないと考えております。  3番のところでございますが「第一に」というところで、中間とりまとめは簡単に濃 厚流動食ということだけだったのを、今回、総合栄養食品という名前を入れておりまし て、最後には何でそうした文言にするかというのを、前回は、今言いましたように、逆 に病者用食品というのは形状規制ではなくて栄養管理だということだったので、そこは 検討すべきであるというような宿題が提出された形になったといったのを、今回、解消 したということでございます。  同様に高齢者用食品というところで名前のところについて、えん下困難者用食品とい う名前を決めたのも今回であります。  実は、この後に、中間とりまとめのときは長々と低たんぱく質米とか、そうした機能 性の農産品の取り扱いについての記述がございました。これについては、本年3月31 日付で関係の通知を出しておりますので、削除しております。  4番の適切な情報提供についてというところは、基本的に前回の書きぶりを維持して おります。  今回、ほぼ書き下ろしになっているのが5番と6番です。審査体制の在り方というの が、現段階では不明なところもあるので抽象的な書きぶりになっているところが多いの ですが、それと立ち上がった後、ちゃんと移行をしっかりやっていくべきであるという ことを書き加えてありまして、別添については、今回、全くオリジナルで出しておりま す。  以上です。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  ほかにどなたか御発言ございませんか。よろしゅうございますか。 (「はい」と声あり) ○田中(平)座長 どうもありがとうございました。  この報告書案について、そしてワーキンググループの報告について、簡単なといいま すか、細かい修正が指摘されたように思うのですが、例えば先ほどカロリーの話があり ました。それは、資料1−5、100kcal当たりと100ml当たりの話。もう一つのものに はうまく書いてありましたね、どれでしたか。 ○浜野委員 資料1−7です。 ○田中(平)座長 1−7の別紙のように1−5は書き直していただいたらわかりやす いですね。ml当たりとkcal当たりと1−7は分けて書いてありますね。それに1−5 も準じてもらったらいいのではないかと思います。  もう一つは、粉末総合栄養食品の粉末をどうするかということでありますが、私とし ては、できたら中村先生と座長にその取り扱いについては一任していただいて、それを どうするかということを検討していこうかと思います。  その結果を委員の先生方にメールででもお渡しして、承認的にお願いできたらなと思 うのですが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。 ○中村委員 先生、それは今、余り難しい話になります。粉末そのものの基準をつくら なくても、粉末を液状にして100mlに達したときにこの条件を満たすような、なお書き でいいと思うのです。 ○田中(平)座長 だから、その辺りのことをまとめていただいて、それを各委員にお 配りして承認いただけたらと思います。よろしくお願いしたいと思います。  それぐらいのことではないかと思います。結局、これが終わった途端に消費者庁の方 へいってしまうわけですので、この報告書及びこのワーキンググループでの検討を室長 から強力に消費者庁の方へ申し送っていただいて、実現できるように、言うまでもない ことですが、検討会としては、そのことを切に望んでおったということを伝えていただ けたらありがたいと思います。  それでは、今のことを承認していただいたということでお願いしたいと思います。  今のことも踏まえまして、報告書の細かい文言等の整理が済み、確定次第、事務局よ り直ちに委員の皆様方に送付させていただくとともに、公表させていただくということ にしたいと思います。  本検討会はこれで終了ということになりますので、わざわざ藤崎食品安全部長がお越 しくださいましたので、ごあいさつをお願いいたしたいと思います。 ○藤崎食品安全部長 食品安全部長の藤崎でございます。一言御礼のごあいさつをさせ ていただきたいと思います。  今日、少し遅れてまいりました。申し訳ございませんでした。  本日も長時間、大変御熱心な御審議いただきまして、ありがとうございます。  本検討会につきましては、昨年の11月から7回にわたって御審議をいただいてまいり ました。またこの間、中間報告をいただいてから、ワーキンググループを設けて、先生 方、大変短期間の間に精力的な御検討をいただきまして、併せてお礼を申し上げさせて いただきます。  検討する課題が大変多く、また学問的な中身も非常に豊富なものでございまして、特 に田中先生には座長として、全体の検討会のマネージメント、並びに報告書の取りまと めに当たりまして、大変な御尽力いただきましたこと、厚く御礼申し上げさせていただ きます。  この特別用途食品そのものは、御案内のとおりでございますが、時代の変化、環境の 変化とともに、この制度そのものがどういう意味があるのかどうか、時代にマッチして いるのであろうかということが、この間、いろいろと言われてまいりまして、私どもと しても、これをどのような形で時代のニーズに沿ったものにしていくのか、大いに利用 していただける、より意義の深いものにしていくにはどうしたらいいのかということを 考えてまいりました。そのような私どもの思いと、先生方のこれまでの熱心な御審議を 通じまして、大変にいい報告書の形で取りまとめがいただけたのではないかと私ども感 謝をいたしております。  報告書案の2ページ目にございますように、新しいニーズに対応した特別用途食品の 役割をどう認識するのかということが大変重要でございましたし、それを踏まえて、ど のように制度の中で新しく改変をしていくのか、また、情報提供の在り方、審査の在り 方等、制度を担保していくためのさまざまな仕掛けと申しましょうか、必要な仕組みを どうしていくのかと、こういう形で展開されたわけでございます。  そういう意味で、この御報告をいただいて、私ども消費者庁に業務を移管される前に、 必要な行政的な手続、措置をとって新しい仕組みが動き出すように努力をしてまいりた いと考えております。  先生方の御努力が生きるようにしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをい たしたいと思います。  最後になりましたが、改めて、先生方のこれまでの御努力に敬意を表させていただい て、厚く御礼を申し上げまして、私のごあいさつとさせていただきます。どうもいろい ろとありがとうございました。 ○ 田中(平)座長 それでは、閉会といたします。 照会先 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 調所(2458)