08/06/25 中央社会保険医療協議会総会平成20年6月25日議事録 08/06/25 中央社会保険医療協議会          第130回総会議事録 (1)日時  平成20年6月25日(水)9:30〜11:59 (2)場所  如水会館スターホール (3)出席者 遠藤久夫会長 牛丸聡委員 小林麻理委員 庄司洋子委員        白石小百合委員 前田雅英委員       石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員(代 飯倉) 勝村久司委員        北村光一委員 高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 藤原淳委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       大島伸一専門委員 坂本すが専門委員 黒崎紀正専門委員       <参考人>       松本純夫保険医療材料専門組織委員長        <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官        成松医療課課長補佐 他       舛添厚生労働大臣 (4)議題  ○医療機器の保険適用について       ○臨床検査の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○終末期相談支援料等の凍結について(諮問)       ○その他 (5)議事内容  ○遠藤会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第130回中央社会保険医療協議会総 会を開催したいと思います。まだお席についていらっしゃらない委員の方もいらっしゃい ますけれども、ちょっと遅刻をするという御連絡もありますのでおいおい着席されると思 います。  まず、専門委員の選任について御報告をいたします。薬価専門部会に所属しておられま した向田孝義専門委員におかれましては本日付で退任されて、その後任としまして本日付 で禰宜寛治専門委員が発令されております。また、保険医療材料専門部会に所属しており ました小野孝喜専門委員が本日付で退任されまして、その後任として本日付で森清一専門 委員が発令されております。なお、事務局より今回発令された禰宜専門委員及び森専門委 員から「自らが公務員であり、高い倫理を保って行動する旨の宣誓をいただいている」旨 の報告を受けております。禰宜専門委員につきましては、退任されました向田専門委員の 後任として薬価専門部会に所属していただくこととし、森専門委員につきましては、退任 された小野専門委員の後任として保険医療材料専門部会に所属していただくことといたし たいと思いますけれども、よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。それでは、そのように決しまして会長である私が指名をしたい と思います。  次に、本日の出席状況について御報告をいたします。本日は坂本昭文専門委員が御欠席 になっております。また、小島委員の代理で連合生活福祉局部長の飯倉裕之さん、高橋委 員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっておられます。また、本日は終末 期相談支援料に関する諮問の議事については舛添厚生労働大臣に出席をいただくこととな っており、大臣は10時ごろに到着すると聞いておりますので、あらかじめ御了承願いた いと思います。  それでは、議事に入りたいと思います。初めに、医療機器の保険適用について、議題と したいと思います。  まず、C1(新機能)でございますが、C1について保険医療材料専門組織の松本委員 長より御説明をお願いしたいと思います。委員長、お願いいたします。 ○松本委員長  それでは、御説明いたします。  中医協総−1−1の資料をごらんください。販売名は、ゴアTAG胸部大動脈ステント グラフトシステムです。本品は、胸部大動脈瘤疾患部へステントグラフトを留置し血管内 修復を行うために使用する医療機器です。ステントグラフトとそれを運ぶデリバリーカテ ーテルで構成されています。下行大動脈瘤疾患部にステントグラフトを留置、下行大動脈 部の血流を保った状態で遮断された大動脈瘤内腔の血栓器質化を図って大動脈瘤の修復を するよう設計されています。人工血管置換術による治療と比較して、ステントグラフトに よる治療は胸部を切開する必要がなく、低侵襲な治療が可能です。  類似先の区分として、既に腹部大動脈部に使用するステントグラフトがございます。こ の類似比較機能区分に対し補正が加算なし、167万9,400円という価格設定をさせ ていただきました。外国平均価格は149万3,640円であり、1.08倍となってい ますので、加算がなくても妥当ではないかと考えております。  続いて説明してもよろしいでしょうか。 ○遠藤会長  お願いいたします。 ○松本委員長  それでは、資料をおめくりいただきまして、2つ目のC1です。販売名はジェネシスII オキシニウムフェモラルコンポーネントです。本品は大腿骨遠位部に設置、固定して使用 する人工膝関節です。間接リウマチ変形性膝関節症等に対する人口膝関節全置換術などに 使用されるものです。  この製品の特徴は、表面が酸化処理されたジルコニウム合金製であることで、これは金 属アレルギーの原因となり得る元素をほとんど含んでいません。当該製品は摺動面の摩擦 係数はセラミック製材料と同等に低く、組み合わせて使用するポリエチレンとの摩擦で生 ずる磨耗粉が減るとされています。ポリエチレンの磨耗粉は人工関節の緩みの原因であり、 人工関節の緩みは人口膝関節再置換術の主な理由となっているため、当該製品を使用する ことで、既存の材料より再置換率が低下することが期待されています。今回は改良性加算 10%を加算して35万7,100円という価格設定をさせていただきました。外国平均 価格は45万7,715円であり、0.78倍となっています。  事務局から、先ほどの最初の製品で私が保険償還価格を読み違えたという指摘がありま した。162万円に訂正させていただきます。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございました。ただいまの御報告に関しまして、御質問・御意見等ございま すでしょうか。よろしいでしょうか。  それでは、本件につきましては中医協として承認するということでよろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、ただいま御説明がありました案件につきましては中医協として承認したいと 思います。松本委員長におかれましては、長時間ありがとうございました。 〔松本委員長退席〕 ○遠藤会長  次に、区分A2(特定包括)及びB(個別評価)についてこれは事務局のほうから御報 告をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  資料中医協総−1−2をごらんください。まず、1ページ目以下のA2、特定の診療報 酬項目において包括的に評価されている区分ということでございますが、ごらんのとおり 27件ございます。  1枚おめくりいただきまして、2ページと3ページのほうに区分B、材料価格として個 別に評価されている部分、ごらんのとおり25件ございます。医科は、以上合わせまして 52件でございます。  そして、最後の4ページでございますが、歯科について、今回歯科はA2はございませ ん。区分Bのみでございます。区分Bについてはごらんの9件でございます。医科、歯科 合計これで61件ということでございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまの説明につきまして、御意見・御質問ございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。ありがとうございます。  次に、臨床検査の保険適用について、事務局から報告をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  資料総−2をごらんいただきたいと思います。臨床検査の保険適用ということで、今回 区分E3(新項目)、ヒトTARC定量というのがございます。測定方法は酵素免疫測定 法(ELISA法)でございまして、主な測定目的は血清中のヒトTARC、thymus and activation-regulated chemokineというものがございますが、その量の測定ということで ございます。点数としては200点ということになってございます。  1枚おめくりいただきまして、概要が2ページ目に書いてございます。有用性というと ころに書いてございますように、このTARCというものは、炎症・免疫反応にとって必 須である白血球の生体内移動及び組織への浸潤を担う細胞遊走反応を誘導する物質の一群 であるケモカインの1つということでございまして、この血清中のTARC量は従来の血 液検査、これはIgEという抗体でございますが、そういう検査に比べまして感度や特異 度が高いということで、アトピー性皮膚炎の重症度を鋭敏に反映するということでござい ます。こういった有用性があるという検査についてでございます。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ただいまの説明につきまして、何か御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。               〔「はい」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  それでは、本件に係る質疑はこのあたりにしたいと思います。  次に、先進医療専門家会議の検討結果について、議題としたいと思います。事務局より 資料が提出されておりますので説明を引き続きお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  医療課企画官でございます。  資料中医協総−3をごらんいただきたいと思います。1ページ目に書いてございますよ うに、今回は5件の技術が「適」という評価を得ております。  1つ目は、多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術、2つ目は、先天性難聴の遺伝子診 断、3つ目は、フェニルケトン尿症の遺伝子診断、4つ目は、培養細胞による先天性代謝 異常診断、5つ目は、腹腔鏡下子宮体がん根治手術ということでございまして、それぞれ の適応症、先進医療費用、保険外併用療養費等につきましてはこの表に書いてあるとおり でございます。  1枚おめくりいただきまして、最初は多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術というこ とですけれども、概要のところをごらんいただきたいと思います。1枚おめくりいただき ました1ページとなっておりますところの概要ですけれども、多焦点眼内レンズというも のは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レン ズ。白内障の手術でこういった水晶体を取った後のレンズでございますが、これまでのレ ンズは単焦点のレンズであったために遠方か近方かどちらかにしか焦点が合わなかったも のでございましたが、今回は多焦点ということで、いわば遠近両用眼鏡を目の中に入れる ような、そういうイメージでございますけれども、そういった新しい技術ということでご ざいます。  2ページのところに適格性、「妥当である」というようなこと等が書いてございます。 効率性のところで「効率性は同程度又は劣る」となっておりますが、これは従来のレンズ に比べて少し時間がかかるというようなことでございまして、特に技術が劣るという意味 ではございません。  それから、その次の3ページ目のほうに医療機関の要件として眼科専門医であること等 が書かれております。  続きまして、4ページでございますが、先天性難聴の遺伝子診断ということでございま す。概要のところに書いてございますように、難聴に関して現在までに36個の原因遺伝 子というものが同定されておりまして、こういった原因遺伝子を特定することによって発 症時期、進行性、あるいは随伴する症状等が分かると。効果のところに書いてございます が、こういった検査を実施することで正確な診断あるいは適切な治療法の選択等、あるい は難聴の進行の予防とか、そういったものがきちんとできるようになるというようなこと でございます。  1枚おめくりいただきまして5ページのところに適格性が書いてございますが、「妥当 である」「問題なし」というようなことが続いておりまして「適」ということになってお ります。  6ページ目に、医療機関の要件として、耳鼻咽喉科あるいは臨床遺伝専門医という体制 をとっているというようなことが要件となってございます。  続きまして7ページ、フェニルケトン尿症の遺伝子診断ということでございます。この フェニルケトン尿症につきましては従来から尿検査で診断を行っておりましたけれども、 今回この遺伝子診断ができるようになりまして、その結果、このビオプテリン反応性フェ ニルアラニン水酸化酵素欠損症というものが特に同定できるようになって、それに対応し た適切な治療ができるというようなことがございます。効果のところに書いてございます けれども、これまで診断が困難であったビオプテリン反応性フェニルアラニン水酸化酵素 欠損症の確定診断を可能とすることで、各個人に応じた食事療法、ビオプテリンの治療が 可能となるというようなことでございます。  8ページに適格性ということが書いてございますが、「妥当である」「問題なし」等が 列挙されておりまして、判定としては「適」となってございます。  次の9ページでございますが、医療機関の要件として、基本的にはこちらは小児科ある いは臨床遺伝専門医の先生が資格として必要だということでございます。  続きまして、10ページ、別紙4となってございますが、培養細胞による先天性代謝異 常診断ということでございます。今回の先天性代謝異常としては、ライソゾーム病に限る ということになっておりますが、適応症のところに書いてございますが、こういったライ ソゾーム病の罹患の可能性が高い胎児もしくは新生児または先天性代謝異常、ライソゾー ム病が疑われる小児に係るものであって、酵素補充療法による治療ができないものという 限定がついております。  概要のところをごらんいただきたいと思いますが、先天性代謝異常の罹患リスクが高い 胎児、新生児、及び先天性代謝異常が疑われる症状を有する小児から、胎児の場合には羊 水を採取して羊水細胞を培養後、細胞中の酵素活性を測定すると。新生児や小児において は末梢血をとってきてそのリンパ球を培養、あるいは皮膚生検を行って線維芽細胞を培養 して酵素活性を測定するというようなことでございます。こういった手法を用いて診断を 行うと。この診断によって早期発見、早期治療によって、こういった代謝異常症の適切な 治療を行うことができて、よりよいQOLを得ることができるということでございます。  次の11ページでございますが、適格性としては「妥当である」というようなことで 「適」となっております。総合判定の一番下のところにコメントがございますが、遺伝関 係10学会での遺伝学的検査によるガイドラインによれば、重篤な疾患の場合は出生前診 断が可能とされているが、種々の倫理的問題を解決するために遺伝カウンセリングを検査 前に行うことは必須ということでございます。保険収載に関しては、個々の疾患ごとに対 応・検討する必要がある。遺伝カウンセリングを検査前に行うことは必須という、このこ とによりまして、その4段ほど上の社会的妥当性、倫理的問題等で「倫理的問題等があ る」となってございますが、この意味は、ちゃんと事前にカウンセリングを行うという、 その必要性の指摘ということでございます。  12ページでございますが、医療機関の要件としまして小児科専門医、あるいは羊水を とるという場合には産婦人科の専門医が必要。それから、これまでの遺伝診断と同じよう に臨床遺伝専門医、こういったものが資格として挙げられております。  続きまして、13ページでございますが、腹腔鏡下子宮体がん根治手術ということでご ざいます。概要のところに書いてございますけれども、子宮体がんに対する治療は手術療 法が主治療ということでありますけれども、現在一般的に行われている手術療法は、開腹 による子宮全摘、骨盤及び傍大動脈リンパ節切除ということで、15cmから20cmの皮膚 切開を必要とするということでございます。それに対して今回の手術方法は、これを5mm から12mm、こういった小さい切開を数カ所行って、腹腔鏡下に手術を行うという技術で ございまして、開腹による方法と比較して手術による侵襲を大幅に低減することが可能と いうことで、術後疼痛の軽減、入院期間短縮、早期の社会復帰が可能となる。また、腹腔 鏡を用いることによって骨盤内の深い部分の観察も直視下に行うより確実に可能というこ とでありまして、また出血量の軽減にも貢献できる。こういったメリットがあるというこ とでございます。  次の14ページでございますけれども、適格性として「妥当である」「問題なし」、こ ういったものがマークされておりまして、総合判定としては「適」。コメントでございま すが、早期子宮頸がん(臨床進行期Ibまでのものに限る)と。そういったものの腹腔鏡 下広汎子宮全摘術は既に先進医療と認められていると、補足がついてございます。  続きまして、最後のページでございますが、医療機関の要件としては産婦人科専門医と いうようなことでございます。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  ただいま5件説明がありましたけれども、これに関しまして御質問等ございますでしょ うか。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  5項目のうち、最初の多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術に関してですけれども、 これは医療材料、レンズが先進性がありますけれども、医療技術に関してはそれほど高度 な技術を必要とするとは見えません。そういった意味で、選定療養のニュアンスが強い混 合診療そのものではないかというふうにも感じるわけですけれども。一応将来の保険適用 とはされていますけれども、線引きについてどう考えられているのか、今後保険適用とす るその基準が示せるのかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。 ○遠藤会長  それでは、今の質問につきまして事務局のお答えをお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  確かに、焦点を単焦点にするか、あるいは多焦点になる部分については、単焦点のレン ズを入れた上で眼鏡をかければよいという考えもございます。これにつきましては、先進 医療専門家会議の中でもやはり議論になりましたけれども、今後、やはり患者さんのQO Lの向上というか、それから、非常に高齢化が進んできて、こういうニーズも非常に高ま るという状況であるので、こういったものについても保険適用ということを目指して先進 医療として認めることにしたほうがよいのではないかというようなことでございました。 ○遠藤会長  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  私がお聞きしたのは、今後保険適用とする場合、その基準を明確に示せるかどうかとい うことをお聞きしていますけれども。 ○遠藤会長  その件でお願いします。 ○事務局(宇都宮医療課企画官)  実際、先進医療専門家会議ではそういう御議論がありましたけれども、実際にこれが保 険適用されるかどうかというのは、最終的には中医協のほうでの御議論ということになり ますので、むしろこれが将来保険適用を目指して上がってきたときに、そこでこの中医協 の場で御議論をいただいて御判断されることだと思いますが。 ○藤原委員  私が一番心配しているのは、これはそのまま保険適用されずにそのまま混合診療の形の ままでいくということ。それはすなわち医療保険全体の縮小につながるということにもな りかねないので、その辺のところを十分御留意いただきたいと思います。 ○遠藤会長  はい。ありがとうございます。  基本的にはここに上がってきたものはいずれ保険に上がるというのが前提になっておる わけでありますので、しかしそれについてはここで審議を個別に行うということになって おりますので、御意見は十分承っておきます。ありがとうございました。  ほかにございますか。  それでは、特に御質問もないようでありますので、説明のありました技術につきまして は保険給付との併用を認めることについて、中医協として特段の意見はないということで、 そのように考えてよろしゅうございますか。               〔「はい」と呼ぶ者あり〕 ○遠藤会長  ありがとうございます。  次の議事でございますけれども、この議事につきましては舛添大臣が御出席なさるとい うことで、大臣到着まで暫時休憩をしたいと思います。なお、大臣が入室した後から冒頭 の大臣の御発言までは、会議テーブルの外側からであればカメラ撮りを認めますので、マ スコミの方はどうぞ頭撮りと同様な手順でお願いしたいと思います。 午前 9時55分 休憩 午前10時00分 再開 ○遠藤会長  それでは会議を再開したいと思います。  まず、後期高齢者終末期相談支援料の凍結についてを議題といたします。お手元に資料 4−1としまして厚生労働大臣から諮問書が配られておりますが、本日は舛添大臣にお越 しいただいておりますので、大臣から諮問の御趣旨などについて御発言をいただきたいと 思います。  大臣、よろしくお願いいたします。 ○舛添厚生労働大臣  皆さん、おはようございます。  日ごろからこの中医協の皆さん方には大変お世話になって、深く感謝を申し上げており ます。  高齢者の終末期における医療につきまして、これは最もよい終末期医療を行われるよう にということで、希望する診療内容等について家族と医療関係者が共有する、情報提供す ると。そういうことで取りまとめいただきましたし、それに基づく診療報酬の設定をいた だき、この相談支援料が創設されたわけであります。  しかしながら、我々のいろんな広報を含めての努力不足もございまして、国会の場でも さまざまな議論が党派を超えて行われました。例えばその中で、医療費の抑制を目的とす るものではないかという議論があったり、本人が望まない告知がされるんじゃないかとか、 患者や家族に選択を迫ることにつながらないか。それから、終末期というような言葉自体 がどうなのかとこのコノテーションについてですね。それから、そういうことを言われる 家族の気持ちはどうだと、さまざまな指摘をいただきました。  実は、私が政治の道に入りましたのは母親の介護を通じてでありまして、母親を8年前 に看取りましたけれども、本当に終末期医療の重要性というのは身をもって体験いたしま したし、そのときにお医者さんとよく話をして、いい形で母親は最期を迎えることができ たと思いますので、それ以来ずっとこの終末期医療の重要性、それから、例えばリビング ・ウィルなどについても何とか法制化までできないかというようなことを厚生労働大臣に なる前からずっと行っていましたので、私自身このターミナルケア、終末期医療の重要性 というのは人一倍理解をしているわけでありますが、ただ、そういう観点から申し上げま して、今回こういう答申をする私の中で最大の理由は、これだけ大事な終末期医療、これ はやっぱり国民全体で考えるべきであるし、国民全体の課題であると。そうすると、例え ば40歳でも終末期を迎えられる方がおられるわけで、私の母親の場合は87歳でしたけ れども、これは平均寿命以上ですし、いずれそういう時期が来るなということで家族も覚 悟している。しかし、急に40歳の働き盛りで終末期になられた方のほうが、むしろこの 終末期医療というのは重いのかなと。  そういう中で、国会でも75歳以上に限るということについて随分議論があり、終末と いう言葉の響きというか、それが御高齢の方々に「なぜ私たちだけなんですか」というこ とがありました。私はそういういろんな国会それからメディアにおける批判を謙虚に受け 止めて、何とかこれを国民のみんなで考える、そして75歳以上だけじゃなくて国民全体 が終末期医療を考え、そしてそのためにこの中医協の皆さん方にお願いして、そのための 例えば相談支援料のようなものをどうするかと。こういう形にすることが、今回いろんな 御批判を受け、いろんな混乱を招いた、しかしそれをさらにいい方向に展開していく。で すから、来るべきときには、年齢を問わずこの終末期医療を国民で考えると、こういうこ とがあっていいんじゃないかというようなことを、この過去一、二カ月の間にこの議論と ともに考えてきたわけであります。  このような状況のもとで、5月21日に開催されました中医協におきまして、相談支援 料について、今までそれは無償で行われてきました。8年前に私がまさにそういうことを 母親の主治医とやったときも全く無償で本当に善意からやっていただいたので、本当に家 族の立場、亡くなっていく母親も非常に安らかに最期を遂げることができたというように 思っています。ですから、医療費抑制ではなくて、むしろそういう無報酬で行われた行為 をきちっと評価するということ、これは皆さんの議論があったところでありますし、それ とともに、本来は一つ始まった制度は検証していくというプロセスが絶対に必要なんです。 ただ、御承知のようにやはりこの民主主義の世の中であって、国権の最高機関の国会にお いていろんな議論がある。そういう中で、やはり真摯に国民からの批判を受け止めて対応 するという中で、この後期高齢者医療制度について政府・与党で一定の見直しをいたした わけでございますし、その中で後期高齢者に限る形での終末期相談支援料について御議論 がございました。そういう政府・与党の決定を踏まえまして、この相談支援料について一 時的に算定を凍結させていただきたいということで、本日諮問をさせていただいているわ けでございます。  先ほど来申し上げましたように、まさにこういう試練を経て、そして来るべき改定のと きには凍結を解除する、そして改定のときには私は全国民大に広げると。終末期医療とい うのをみんなで考えるんだと。こういうことになると、今回のいろんな混乱がさらにいい 方向に展開するということを確信しておりますので、そういう意味で、この算定とは別に、 終末期における相談支援料の実態に関する検証も行いつつ、これは年度末を目途に、その 結果を中医協の皆さん方に取りまとめいただきたいと思います。  私は国民の不満の解消、そして一番大きなのは、75歳以上を切り離して差別するのか という声が一番大きかった。私はそうじゃなくて、75歳以上を区別はします、75歳以 上は1割の保険料でよろしい、4割は現役が見ます、5割は税金で見ますよと、こういう 形で、むしろいい方向に区別をしているんですよという形で説明をしてまいりましたし、 そういう中で、何も75歳以上だけに終末期と言うのではありませんと。これは国民全体 で考えるということの大きなステップを今回踏めるというふうに思いますので、どうか国 民の不安の解消、そしてこの終末期医療、これは非常に大事な、私自身が身をもって体験 したことを国民全体に広げていきたいと、そういう思いでございますので、どうか相談支 援料の一時的な凍結という、これは大きく羽ばたかせる意味を持っているということを御 理解いただいて、よろしく検討をいただければと思います。  本当にどうかよろしくお願いいたします。 ○遠藤会長  大臣、ありがとうございました。  それでは、事務局から補足がありましたら、引き続きどうぞお願いします。 ○事務局(原医療課長)  それでは、医療課長でございます。  資料中医協総−4−1、諮問書でございます。これは後ほど詳しく説明をさせていただ きますが、その前に経過等について簡単に説明をさせていただきます。  まず、中医協総−4−2の資料をごらんいただきたいと思います。ガイドラインに沿っ た終末期における十分な情報提供等の評価ということで、これは基本問題小委員会、20 年度の改定の際に議論をいただいたときの紙でございます。基本的な考え方は、安心でき る終末期の医療の実現を目的として、患者本人による終末期の医療内容の決定のための医 師等の医療従事者による適切な情報の提供と説明を評価するという目的でつくったという ことでございます。具体的な内容はここに書かれているとおりでございます。  また、これは医師または歯科医師に限るだけではございませんで、2ページ目をごらん いただきたいと思いますが、医師や看護師とそれからあと同時に薬局の薬剤師の方もおら れて十分な説明をされるという場合に、調剤報酬のほうでもついておりますし、それから、 訪問看護ステーションの場合は訪問看護療養費の中に同様の相談支援療養費等がついてい るわけでございます。  それから、総−4−3をごらんいただきたいと思います。これが先ほど大臣のほうから 説明がございましたが、政府・与党の協議会で決められた事項でございます。今月の12 日に定められまして、前書きがありますが、その最後のところに「次の1から7の通り、 きめ細かな措置を早急に講ずるとともに、地方自治体関係者と十分連携して、さらに広く 国民に周知する」と。その中の項目の3番目に「診療報酬における終末期相談支援料につ いては、当面凍結することを含め、取扱いについて中医協で議論を行い、速やかに必要な 措置をとるとともに検証する。後期高齢者診療料についても、中医協で速やかに具体的な 検証作業に着手する」と定められております。このため、終末期相談支援料については本 日一時的な凍結という形で諮問をさせていただいておりますし、それから、後期高齢者診 療料につきましては中医協の検証部会で速やかに作業に着手していただきたいというふう に考えているところでございます。  中医協総−4−4の資料でございますが、これが社会保障審議会の後期高齢者医療の在 り方に関する特別部会でまとめられました後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子でござい ます。これに沿いまして中医協で御議論いただいたわけでありますが、関係の部分としま しては5ページをごらんいただきたいと思います。5ページの下のほうに(4)終末期に おける医療についてと。この中で関係する部分は1つ目の丸、「患者が望み、かつ、患者 にとって最もよい終末期医療が行われるよう、本人から書面等で示された終末期に希望す る診療内容等について、医療関係者等で共有するとともに、終末期の病状や緊急時の対応 等について、あらかじめ家族等に情報提供等を行うことが重要であり、これらの診療報酬 上の評価の在り方について検討するべきである」、ここのフレーズがあったわけでありま す。これに基づきまして設定をしていただいたという経過がございます。  それから、ここでついでながら次の6ページをごらんいただきたいと思います。先ほど 少し出ておりました後期高齢者診療料のところでございますが、中身としては3ページの 外来医療のところに出ておりますが、留意すべき事項の中にございます。「社会保障審議 会医療保険部会及び医療部会においては、後期高齢者を総合的に診る取組を行う主治医に ついて、いわゆる主治医の『登録制度』を導入すべきという指摘や、患者のフリーアクセ スの制限は適当でないという指摘があった。本特別部会としては、現在は総合的に診る取 組の普及・定着を進める段階であり、主治医についても、患者自らの選択を通じて決定し ていく形を想定している。中央社会保険医療協議会におかれては、これらを念頭に置いて 具体的な診療報酬案の検討が進められるよう希望する。また、診療報酬における検討に加 え、研修、生涯教育等を通じて、主治医の役割をより適切に担うことができる医師が増加 し、患者が生活する地域でこのような医師による診療を受けられるような環境整備が図ら れていくことも、併せて期待したい」と、このような留意事項がついておりまして、後期 高齢者診療料につきましても患者の選択による、それから医師の育成といいますか、そう いうようなものも含めながら徐々に広げていくというような留意事項がついておりました し、それに基づいて中医協で後期高齢者診療料を決定していただいたような経過がござい ました。  それで、総−4−1の諮問書に一度戻っていただきたいと思います。これらを踏まえま して、本日諮問書の表題は「高齢者の医療の確保に関する法律第71条第1項及び第78 条第5項の規定に基づき、診療報酬の算定方法及び訪問看護療養費に係る指定訪問看護の 費用の額の算定方法をそれぞれ別紙1及び別紙2のとおり改正することについて、貴会の 意見を求めます」ということになっております。  具体的な内容でありますが、次の2ページをごらんいただきたいと思います。いわゆる 点数表告示でございますが、医科、歯科、調剤と分かれております。まず、医科の部分で 説明させていただきますが、別表第一のところに医科の点数表がございます。その中には 1章から4章まで分かれておりますが、そのうち第4章に経過措置という項目が現在ござ います。それに対しまして、今回は従来の経過措置の内容を、第4章経過措置等、第1部 経過措置として従来の部分を残しまして、新たに第2部算定制限という部を起こしまして その中に第2章の規定にかかわらず云々ということが書かれております。これは新しく決 める事項でありまして、ここでは「区分番号B018に掲げる後期高齢者終末期相談支援 料並びに区分番号C005に掲げる在宅患者訪問看護・指導料の注7及び区分番号C00 5−1−2に掲げる居住系施設入居者等訪問看護・指導料の注7に規定する加算は、別に 厚生労働大臣が定める日から算定できるものとする」という規定になっております。  若干奇異に感じますが、3ページ目に適用期日が平成20年7月1日より適用するとい うことにしておりますので、したがってこの規定が7月1日になったら有効になりまして、 その日から別に厚生労働大臣が定める日までは算定できないという形になるわけでありま す。歯科点数表、それから調剤報酬点数表につきましても同様でございます。  それから、3ページの適用期日等の2番のところに書いております「同年6月30日に おいて現にこの告示による改正前の診療報酬の算定方法別表」云々というのは、いわゆる 後期高齢者終末期相談支援料を算定するに足る要件を満たしていた場合です。4ページに なりますが、「その家族等に文書等を提供した保険医療機関及び保険薬局における当該患 者に対する当該療養に要する費用の額の算定については、なお従前の例による」と書かれ ておりますが、これにつきましてはちょっと分かりにくいので、別の中医協総−4−5の 図を用意させていただきました。これはいわゆる経過措置ということでございますが、例 えばここでは入院患者さんの場合を想定して書いてあります。ケース1、相談支援の開始 が7月1日以降になった場合はもともと算定できない。ケース2は、相談支援の開始が6 月30日以前であったけれども患者さんへの文書等の提供が7月1日を越えてしまった場 合については、やはり同様に算定できない。ただ、相談支援の開始からさらに文書等が提 供されて、いわゆる算定できる要件が6月30日以前に整っている場合については、患者 さんが退院した日に、これは7月であっても8月であってもということですが、算定でき るという経過措置を設けたものでございます。それが先ほどの適用期日等の2の注でござ います。それから、諮問書の別紙につきましては訪問看護療養費について同様の規定を設 けたものとなっております。  それから、中医協総−4−6の資料につきましては、先ほど大臣も触れられましたが、 終末期相談支援料創設の経緯ということで、議論がそれぞれ高齢者医療の在り方に関する 特別部会でありますとか医療保険部会、医療部会での意見とか、それから中医協への諮問 での事項と、このような形で関係の部分を抜粋しておりますので、また参考にしていただ ければと思います。  説明は以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは、早速この諮問につきまして、諮問書の中に「貴会の意見を求めます」という ことでありますので、皆様方からの御意見をちょうだいしたいと思います。また、ただい ま事務局から説明がありましたが、説明に対する質問でも結構でございます。どなたでも 結構ですので御発言の方。  藤原委員、どうぞ。 ○藤原委員  今回の凍結に関してですけれども、これはあくまでも見直しであって、廃止等を含めた 意味合いはないととらえていいんですか。今までの整理の中では廃止までは踏み込んでい ないように思いますけれども。 ○遠藤会長  事務局、この意味を明確に。 ○事務局(原医療課長)  表題にも「凍結について」と書いてあります。これはどういう仕組みかといいますと、 先ほど言いましたように、この了解をいただいた後、できれば速やかにということが言わ れておりますので、7月1日から算定を止めると。点数表の本体の部分はいじりませんの で、項目としてはあるけれども算定ができないという状態が続く。いずれ中医協での調査 や検証でその中身の検証等、それから、私どもの終末期相談支援料に対する国民に対する 理解のための周知、それらを含めまして条件が整いましたら、別に厚生労働大臣が定める 日から改めて算定ができるような形で考えたいと。そのように考えております。だから、 一時的にストップするという意味であります。 ○遠藤会長  それでは、大臣、お願いいたします。 ○舛添厚生労働大臣  私が国会審議の過程で一番恐れていたのは、この終末期医療について廃止されてもう一 切やらないということになってしまうことを一番恐れていて、先ほど申し上げましたよう に、何とか終末期医療を国民的にみんなで考える、この大事な場にしたいという気持ちが あり、その決意でやっている。皆さん方もそうだと思いますけれども。  ところが、後期高齢者の中に差別とか区別とかという言葉を使いましてそこに入れられ たがために、終末期医療ということ自体がタブーになって、触っちゃいけないもの、こう いうことについて議論もしちゃいけない、これは全くはしにも棒にもかからない、終末期 なんてやめてしまえという暴論すら出てきたわけです。ですから、これが一番怖いんです。 せっかく一生懸命、私たちは終末期医療というのをやってきて、まさにそうならないため にこそ一時凍結をして、場合によっては私のもとに国民的な議論ができる場を設けて、や はりこれは議論をしましょうという方向でもってむしろ拡大すると、そういう大きな展望 のもとに一時凍結するということで、藤原委員がおっしゃった御懸念が、一部から終末期 医療なんてやめてしまえという反対論も出ていましたから、こうさせないためにこそまさ に凍結をお願いしたいというそういうことでございます。 ○藤原委員  確認させていただいていいですか。総−4−1の別紙の裏側で、第2章の云々から終わ りのほうに「別に厚生労働大臣が定める日から算定できるものとする」という前提という ことでこれはよろしいんですね。 ○遠藤会長  事務局、どうぞ。 ○事務局(原医療課長)  はい、そのとおりでございまして、凍結ですので、いずれ再開ということを想定してい るということであります。 ○遠藤会長  よろしいですか。  対馬委員どうぞ。 ○対馬委員  大臣、大変お忙しいところを、今日は御真意を伺って、随分理解が進んだところもある んですけれども、ただやっぱりどうしても腑に落ちないというところがございますので、 2つほど質問させていただきたいんですけれども。  1つは、手続みたいなところなんですけれども、今日、事務局の資料でもございました けれども、総−4−6という資料の一番下のところなんですけれども、通常ですと大臣の 諮問を受けて私どもが答申するのですが、一般的な意味での諮問ということが通常多いん ですけれども、今回については1月18日に大臣の諮問を受けたのですが、それは後期高 齢者医療の診療報酬体系の骨子等に基づいてやってくれということなんですね。骨子に書 かれていることは、今回私どもがした相談支援料とほぼ同様なんですね。私どもとしては、 大臣の諮問を受けて一生懸命努力して議論をして、そこで積み上げて答えを出したつもり が、今回凍結していただきたいということは、俗に言うややはしごを外されたという感じ も受けるんですが、そのことについてが1点です。  あともう一点ですけれども、中医協の審議もできるだけエビデンス、データ、検証、こ ういったものに基づいてやっていこうじゃないかということですけれども、まだ相談支援 料につきましてはエビデンスは出ていない。そういう中においての凍結というのはいかが なものかということなんですけれども、そういったエビデンスをもとにした中医協の基本 的な考え方、そこについての大臣のお考えを2点目として伺いたいと思います。 ○遠藤会長  よろしくお願いします。 ○舛添厚生労働大臣  ありがとうございました。まさに非常に異例であって、対馬委員がおっしゃることはま さに正当であって、こちらが1月18日にこういう形で諮問して、それの答えが出ている わけです。  ただ、これが4月から実施に移されるというときに、ほとんど全メディアを含めて国民 的にいろいろな議論が出て、これは人間がつくる制度ですから、この終末期の医療の話だ けじゃなくて、保険料の問題であるとか、それからちゃんとした天引きの額が間違ってい るとか、さまざまな問題がこの過程において出てきました。そういう中において、先ほど 私が申し上げたようなさまざまな点が、国会も含めまして議論が出てきました。  そういう中で、実を言うと本来は例えば1年やってみて、おっしゃるようにエビデンス を積み上げてそのエビデンスの検証をして、いや、これはやっぱり国民のためにならない と、したがって変えると、これがノーマルなプロセスなんです。ところが、そこに行く前 に、今回は異例だと申し上げたのは、異例であってもこれは国権の最高機関で国民の代表 が集まるところが国会ですから、ここの場で野党のほうからこの法案を全面的に廃止する という案が出されました。これはそういうことのもとにおいて、この後期高齢者医療制度 そのものの廃止というのは、終末期の算定ももちろんそこに含まれるわけですから、そう いう大きな議論がむしろこのスタートする前に起こってくる。そして、4月、5月、6月 と、先般国会は閉幕されましたけれども、後期高齢者の医療制度の廃止法案は参議院では 可決されました。  そういう状況のもとにおいて、本当は今申し上げたようにエビデンスを積み上げてやる、 まさに対馬委員がおっしゃるそのとおりなんです。しかも1月18日の答申を含めて、こ れは私のほうからこうしてくださいと言っていて、皆さん方がそのことで御苦労なさって 決めた、それをひっくり返すとは何ごとかというのは、まさに100%正論なんです。  ところが、今の政治状況、そして国会で廃止法案が出たというのは極めてある意味で異 例でありまして、それに対してどうしても政府・与党で対応しないといけないと、そうい うことでありますので、普通は実施してみて7カ月目、8カ月目ぐらいでちょっとおかし いことが出てきたとか1年目から苦情が増えたということはあるんですけれども、今回は スタートする前からそもそもおかしいということで議論が出てきたということへの対応が ございましたので、手続上は第1点についてはそういう事情がありましたので、第2点に つきましても、スタートする前から止めろという。そして、しかもそれが先般スタートし てわずか2カ月くらいの段階で廃止法案が参議院で通ると、これは非常にやはり国会の2 つの院のうちの1つの意思ですから、大変重いものがあると思います。  そういう中で、政府・与党もさまざまな議論を積み重ね、こういう決定に至ったという ことで、私も対馬委員のおっしゃる、まさに異例で、いつもこういうことが行われていい とは思いません。本当はデュー・プロセス・オブ・ローでルールに従ってきちんとやるべ きだということは確信しておりますが、以上のような政治状況でこういう御無理な答申を 皆さんにお願いしないといけないと、そういう状況でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  関連してですけれども、おっしゃることは分かるんですけれども、ただ、中医協として も、例えば検証作業を今年度末というふうにこれまで言ってきたんですけれども、それを 精一杯早めて、例えば半年であるとか、そういったこともあり得ると思いますし、あとネ ーミングが悪いということがあるのであれば、例えば「終末期」というのがよくないとな れば「後期高齢者相談支援料」ということもあり得るというふうに思うんです。  凍結ということですけれども、いろんな判断があり得るとは思うんですけれども、ただ、 こういったことができるということになりますと、例えばまた3年後、5年後、10年後 ぐらいにいったん中医協で決めて、エビデンスがないままに、これはおかしいじゃないか と、国民の一部がそういったことを言っているぞと、患者の一部がそういったことを言っ ているぞといったときに、また凍結というようなことが起き得るといいますと、あしき前 例ということになりはしないかということも懸念するんですけれども、その点いかがでし ょうか。 ○遠藤会長  お願いいたします。 ○舛添厚生労働大臣  皆さん方の御努力、そしてこの中医協が非常に公平・中立に国民のための立場からやっ ていただいているし、今後ともやっていただかないといけない。その姿勢というのは大変 高く評価をいたしたいというふうに思います。  1つは、今申し上げたようにエビデンスをどこまでとるかということがございますけれ ども、その入り口に入る前の実は議論であったということと、それとその年末をめどにエ ビデンスをとってくださいというのは、先ほどの藤原委員の御質問じゃないですけれども、 廃止するためにやるのではなくて、今後さらに国民大に広げるために、わずか2カ月ぐら いの経験ですけれどもおやりになったところ、これは国立大学、国立の病院について言う と、それをおやりになったところは今のところないんですが、その他のところで既にやっ たところで、少しでもエビデンスがあって、実は患者さんや家族からこういうクレームが 来たよとか、こういう点はいいよと、こういういい例があったと、それを積み上げていく ことは、全国民大に終末期医療を広げるためのよすがとなると思います。ただ、異例だと いうことは何度も申し上げたとおりで、ただ、今のような政治状況でということは繰り返 しになります。  それから、ネーミングも私たちは前期、後期というのは公平な言葉で中立ということで 使っているつもりなんですけれども、後期高齢者の方々は前期と後期って、後期が何か悪 いようにあると。その後期という言葉だけでいろんな批判がございましたので、これは総 理の御指示で、例えば長寿医療と呼んだらどうかというようなこともあるので、ネーミン グなんかについても、やはりこれは相当気にしないといけないことであったなということ は、我々もきちんと反省しております。  そういうことで、対馬委員の御反論はまことにもっともでありますけれども、こういう 政治状況でありまして、今後のあしき前例というような形にはもちろんならないように、 きちんと中医協の皆さん方の公平な御判断を仰ぎ、何でもかんでも凍結すればいいという ものではないですけれども、しかし、やはり日本国憲法体制の民主主義のもとにおいて国 権の最高機関は国会ですから、これは国民の代表が集うところであります。そこでの決定 ということはやっぱり一番重いというふうに私は考えております。  したがって、それにまさる権威はないので、国権のまさに最高機関ですから、そこの御 意思に私たちも従わないといけないというふうに思っておりますので、そういう全体的な 状況を見た上での今日の私のお願いでございますので、こういう凍結というようなことを 何かあったら濫用するということではなくて、それから、今回何度も申し上げますけれど も、国会の2つの院のうちの1つで廃止するという法案が可決されています。これはやは り私は非常に重く受け止めないといけないので、一部の方が批判したからということでは なくて、私はその重みがあるので、非常に異例になりましたけれども、申しましたように、 そういう重みもなくていつでもだれかが言ったから凍結というような決定を下すことは、 少なくとも私に関してはないし、今後ともそういうことがあってはいけないというふうに 思っております。 ○遠藤会長  御丁寧な説明をありがとうございました。  対馬委員、よろしいでしょうか。  ほかに御意見ございますか。中川委員、どうぞ。 ○中川委員  先ほど大臣が、あくまでも凍結であって廃止ではない、廃止というのは非常に恐れてい るとおっしゃいました。それで、終末期医療に関する議論や、関心度が低下するのが心配 だとおっしゃいましたけれども、医療現場の思いを申し上げますと、終末期医療が患者さ ん御本人、それから御家族も含めてどうあるべきなのかということは、ずっと以前からい ろんな団体が終末期医療のガイドラインを毎年整備して議論を尽くしているように、その 情熱は診療報酬を凍結しようが、万が一廃止しようが、全く冷めることはないです。その ことをぜひ御理解いただきたい。今回医療現場ではこのことが、患者さんがいつ亡くなる かを決めたら点数をもらえるのだということを言われて非常に不本意なんです。そのこと もぜひ御理解いただきたいと思います。 ○遠藤会長  じゃ、大臣、お願いします。 ○舛添厚生労働大臣  非常によく理解しております。私も同じ情熱を持っていますが、ただその情熱が国民的 な規模に実は広がっていなかったというのが今回の批判だと思います。国民的規模で広が っていればこういうことになっていなかったと思いますので、そういう周知徹底の努力が 私どもも欠けていたというように思いますので、さらなる努力をしていきたいと思ってい ます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、先ほどの順番からいきますとどちらが先でしょうか。それでは渡辺委員。 ○渡辺委員  大臣、いろいろと御苦労されていることはよく理解できます。  私たち中医協としては、本当に終末期を迎えたというか、大変厳しい状況の中で生きて いらっしゃる患者さんの尊厳と心の安らぎに対して、私たち医療人として、医療がどうい うことができるかということを一生懸命考えようということで、この制度にたどり着いて きたわけですね。しかも、ここに至るまでは後期高齢者の特別部会の中で十分検討し、そ れから医療保険部会等でも十分検討して、国民に向けてパブリックも出して、コメントを 求めて、ヒアリングもして、そして十分手続をしてきたつもりなんですが、いまだに十分 な理解がされなかったということは残念に思います。  そういうことからしますと、中医協の中で検証といっても非常に限られたものになって しまいます。先ほど大臣のお話を伺っていてその点理解ができてきたんですが、大臣のも とに広くこの問題を国民から意見を求めるという、そういう場をつくるというようなニュ アンスをお聞きしたのですけれども、そういう場で終末期というものを国民全体として考 えるというその場を改めて設けられるのかどうか、そこのところをはっきりさせていただ くと、私たちもまたそこの結果を踏まえてこの場での十分な検討ができるだろうというふ うに考えておりますが、いかがでしょうか。 ○遠藤会長  お願いします。 ○舛添厚生労働大臣  本当に医療の現場で、中川先生もおっしゃったように情熱を持って皆さんおやりになっ てこられたんですが、本当に残念ながら、これはターミナルケアという言葉を使っていた ら変わっていたかもしれないんですけれども、終末という言葉だけで、おれたちに早く死 ねと言うのかと、金を出して殺すのかと、こういういわれのない意見がたくさん出てきま した。  そうすると、例えばパブリックコメントの求め方にしても、それに応募した人が答えて くれるわけで、今回もそういう声が、それは一部かもしれませんですけれどもありました し、国会の議論の中でも、本当にこの情熱の火が消えるのが惜しいから凍結してくれとい うのが党派を超えてありましたので、いろんな団体の皆さん方がいろいろ活動なさるとい うのは終末期医療に賛成の方もおられる、反対の方もおられる。それはいいと思いますが、 考えていますのは、国民の代表を集めて、それで私のもとに例えば1つの国民的な会議み たいな場を設けて、そしてそこで議論をして、それでこれをきちんとメディアの皆さんに も報道していただく。そういうことも具体化できればと思って今考えているところでござ います。それで中医協の皆さん方にも議論していただく、エビデンスをとっていく、いろ んな方がこうやっていただくのがいいと思います。  そういう意味で、表現は悪いかもしれませんけれども、こういう凍結という残念なこと になったにしても、しかしまさにそれが大きな果実を生む結果になり、こういう場で終末 期の医療の問題、これ今、終末期医療といって国民の皆さんはみんな知ったというか、こ の言葉はみんな人口に膾炙したと思います。ですから、そういうプラスの面を積極的に評 価して、言葉は悪いですけれども、転んでもただでは起きませんと、これをよすがとして さらによくしたいというように思っております。  ありがとうございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは、順番からいきますと山本委員、どうぞ。 ○山本委員  大臣の御説明を伺いまして、大臣の背負われている御苦労というのでしょうか、そうい ったものについては十分に理解をしたつもりでありますが、それを踏まえて申し上げたい んですけれども、確かに御指摘のように、制度がスタートする際の説明の不十分さについ ては、これは大臣も含めて、主管省庁たる厚生労働省としては十分に反省をしていただか なくてはいけない。その結果誤った、あるいは十分な理解が行き届かなかったということ によって、この制度自身が問題とされ、まさに制度そのものが否定をされた格好になって おりますので、ぜひそこは今後の問題として御検討いただきたい。その上で先ほど終末期 に対して実例がなかったという御指摘がありましたけれども、現にそうした事例は幾つか 挙がっておりますし、これだけ不十分だと御指摘がある中でも、十分に患者さんも含めて 理解をされた上で、ちょっと言葉が古くなりますけれども、極めて安寧な終末期を迎えた 方が現にいらっしゃるわけですから、そのことが説明の不十分さをもって否定されてしま う。先ほど中川委員がおっしゃったようなことも含めてみれば、極めて私も残念だと思い ますし、前会長が退任の際に申されましたことの中に、マスコミの方々も少し冷静にとい う御指摘を思い出します。  今回の議論の経過を聞いていますと、マスコミだけではなしに、マスコミも含めてとあ えて申し上げますが、極めてタメの議論にしてしまって、本来の趣旨を説明することなく ただ単に表面的な議論だけで進んだ。そのことが患者だけではなし、国民だけではなし、 さまざまな分野に、もちろん大臣のおられる御立場も含めてでありますけれども、議論が 別の方向へ行ったという意味では愉快な感じはしておりませんので、そのあたりについて もまた今後とも御議論がいるだろうと思っております。  その上で、今日の資料の4−4ないし4−6に示されているような方向に従って、先ほ ど対馬委員もおっしゃったように答申をしたわけでありますが、それで問題があったとい うのであれば、エビデンス、検証をしなくてはならんということで、本来なら検証が必要 なのでありましょうが、それは大臣もできないと言われる。であるとすれば、中医協は大 臣から委任された機関でありますので、一定の議論をすることについてはやむを得ないと 思いますけれども、ただ、これもやはりある意味で不愉快なのは、凍結だという前提で議 論をしろというのは、議論ではなしに押しつけになりますので、そのあたりについてはぜ ひこの先のことも含めてこうしたことにならないようにお願いしたいのと、仮に結論がど ういう結論になれ、どんな答申がなされるか分かりませんが、その結果いかんにかかわら ず、あくまでも答申をする際には今回が特例だ、こういう事例は絶対にもうないぞという ことでないと、私どもとしては中医協の議論が、先ほど対馬委員もおっしゃられたように、 常にそういう不安感だけを持って議論しなくてはなりません。国権の最高府たるところに つきましては私も評価をいたしますし、尊敬もしておりますが、私どももやはり医療に関 しては一定の権威を持って議論しているつもりでおりますので、そのことを十分に御理解 いただいて議論にするべきでありましょうし、ぜひ大臣もそのあたりにつきましては御理 解をいただきたいと存じます。 ○遠藤会長  大臣、お願いいたします。 ○舛添厚生労働大臣  山本委員、ありがとうございます。  本当にこれは反省しないといけないということは我々はよく認識しております。それで、 総理も一昨日、記者会見で「5つの安心プラン」ということをおっしゃいまして、その中 の1つが社会保障についてですけれども、厚生労働省改革をやるということをおっしゃっ ています。私はこういう広報体制がきちんとできなかったことを含めて、改革の大なたを 組織、人事含めてやらないといけないというように思って、その策定を7月いっぱいにや れという総理の命令ですので、今着手しているところでございますので、こういう国民へ の周知徹底ということをきちんとやりたいと思います。  それから、エビデンスについて申し上げたのは、今4月から始まりました。この4、5、 6の3月において現実に終末期医療を、国立の病院だけについて調査をしたらどこもまだ やっていないという答えが来たものですから、そういうことを申し上げたので、ほかの病 院であるかは今また調査をして分かればと思っています。それから、もちろん私の母親の 8年前の例も含めて、それはもう何年も前からきちんとおやりになっている医療提供者の 方がおられるわけですから、そこは十分に認識をしているというふうに思います。  そして、何度も申し上げますけれども、こういう年明け以来の半年ぐらいのいろんな政 治状況、そういう中での政府・与党の決定であるということでありまして、皆さん方の御 仕事というものについてのきちんとした評価、そして権威を持って公平・中立な立場で国 民のために仕事をするんだという専門家としての矜持、こういうものについては十分尊重 していく必要があるというふうに思っております。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、先ほど竹嶋委員が先に挙手されましたので、竹嶋委員、どうぞ。 ○竹嶋委員  まず、大変お忙しいところこうして丁重に我々にお答えいただきまして感謝いたします。 今大臣の御言葉にもありました、それから幾つかの質問にもありました。やはり仕分けて 考えなきゃいけないと思うのですが、この中医協そのものの在り方ですね、我々の役目と いうことが1つあると思います。  今日も資料を出されましたが、また我々は1月の議論のときもそれを踏まえてやったん ですが、3つの社会保障審議会の中の医療部会、医療保険部会そしてまたその前提となっ た高齢者医療の在り方に関する特別部会ですね。社会保障審議会の医療部会、医療保険部 会もその特別部会の趣旨を踏まえて議論してくれというのがありまして、さらに中医協に おりてきたときには、それらのいろいろな審議会とか特別部会でもまた十分そこで練った ものだと。それは国民の代表が出ておりますので、御存じのように医療とか福祉関係者だ けじゃありませんで、そういうところで十分議論されておりてきたということですから、 中医協の限界というのはどうしてもあると、残念だけれどもそう思わざるを得ないですね。  それと、また大臣が言われたように、検証はやるべきであると、これははっきりおっし ゃいました。我々は、その内容はともかく、そういう検証をまずできるだけ早く中医協で やると。ということはどういうことかといいますと、中医協の我々が決めたことがいい方 向にせよ悪い方向にせよ、必ずしもそれがそのとおり正しいとは限らないということを、 我々自身はだから検証ということですよね。大臣は大臣として政治的にごらんになってと いうことですが、恐らくいろんな情報源を集めて、違った意味での検証というか国民の声 を、先ほどちょっと言われましたね。批判とかそういうものを受けた、あるいはメディア の批判も受けてと言われたんですが、そこを信じたいと思うんです。  そういう中で幾つか約束していただきましたけれども、我々がここで決めたときは後期 高齢者ですよね。終末期医療について我々は協議しましたね。ところが大臣が冒頭でおっ しゃいましたが、人の最期のとき看取りのとき、それは例えば若い人ががんなどなっても 同じようにやるんだということをおっしゃったので、そういうところを含めて、広く要す るにもう一回検討したいと。これであれば私は賛成でございます。そういう1つの見方が あるし、まずそれがこの中医協で我々が協議したものの1つ進化したもの。我々が協議し たものをすべて否定するんじゃないよと、それを少し進化させた形でもう一回ここで議論 していただけないかということの申し出だと私は先ほど拝聴し認識しました。ともかく何 度も言うように、国民の皆さんがよく理解していただけるような努力はぜひ政治の場でし てもらわなきゃいけないと。今度は後期高齢者医療制度の混乱についても同じことが言え る。そういう中で私は今、大臣のお申し出をお受けしたいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは、松浦委員どうぞ。 ○松浦委員  今、大臣も冒頭の御挨拶の中で広報の努力不足だったとおっしゃっていました。それか ら、竹嶋先生も今ちょっとお触れになったし、山本委員もお触れになりました。私は市長 をしておりますので、我々も広報をやらなきゃいかん立場にあるんですね。そのときに感 じますのは、こういう中医協の中でペーパーで示されたようなことを幾ら分かりやすく字 を大きくして書いてあっても、それは頭に入らないです。私はお年寄りの皆さんの前でよ く話をさせていただきますが、もちろん後期高齢者についても話をしました。長寿医療な んていう言葉は使いません。終末期医療についても、生命表を出して、75歳から上の人 はこれだけたくさん亡くなっていくんですよと、だからもう人生を達観した人たちが多い んですと。だからそう思えば、大臣は全部ひっくるめてとおっしゃっていますが、私は始 めるのは75歳から上でもいいのではないかという意見は持っているんですが、ただ、広 報の話に返りますけれども、強烈な反対意見というのは、当事者を説得するのは大変です けれども、一般の市民・国民の皆さんを説得するには、私は1つのチャンスじゃないかと 思っています。  私は昨日6月議会が終わったばかりなんですが、その一般質問の中で、廃止論を唱えて いらっしゃる市会議員の方がこういう表現をされたんです。終末期医療というのは三途の 川の渡し賃の先払いだと。私は思わず噴き出したんですが、しかしこれはチャンスだと。 これを冒頭にぼんと持ち出してお年寄りの皆さんにこの話をしますと、みんな聞き耳を立 てますよね。私はこういう感性に訴えるような言葉というのは、政府やあるいは我々がつ くって出すというわけにはいきませんが、こういう反対者の立場からおっしゃった言葉を 1つは利用させてもらって説得すると。よく話をすれば私は分からないことはないと思い ます。  私は四国の坂出の人間ですが、高松と坂出の間にほっくりさんというお参りするお宮が あるんです。私はそこもやはり行かれるのは若い人たちよりもお年寄りのほうが多いと思 っていますので、ですから、広報、公聴というのはなかなか難しゅうございまして、いか に分かりやすくやるかというのは強烈な反対があるほうがチャンスではないかと、そうい うふうに思っています。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  何かありますか。 ○舛添厚生労働大臣  竹嶋委員、それから松浦委員ありがとうございます。  同じような気持ちでおりますので、また努力したいと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  それでは、西澤委員、手短にお願いいたします。 ○西澤委員  2点でございますが、1点はどうも後期高齢者医療制度ということと終末期医療の在り 方というのが混同されて議論されているんだと。これは全く違うものだということで、今 後は分けて国会のほうでも議論していただきたいと思っております。  それから、中医協に出てくるまでは、先ほど竹嶋委員が言ったように、3つの部会で審 議を経てその結果で来ています。そこには国民の代表も入ってございます。中医協でこの ようなことになったということに対しては、私は3つの部会の委員の方々に非常に申しわ けなく思っております。ぜひ、大臣のほうからもいずれかの機会に、この3つの部会の委 員の方々にしかるべき説明をお願いしたいと思っています。  それから最後でございますが、今回このように凍結となって、終末期医療に関してやは り議論が少しできないような雰囲気になったら困るなと思っていたんですが、今日お聞き していまして、逆にこれが終末期医療を国民で考えていこうというふうになったんじゃな いかなと。そういうことではいい方向に向かったと私は解釈してございますので、大臣の ほうも今後よろしくお願いしたいと思っております。  以上です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  大臣、お願いします。 ○舛添厚生労働大臣  3点目は、私もそういういい方向で努力したいと思います。  それから、本当に各審議会、部会の皆さん方に御努力いただいてこういう形になりまし たので、それはちゃんと説明をしていきたいと思います。やはり、先ほど来広報体制とい うことなんですけれども、審議会でこういうふうにしました、説明は外にするんですけれ ども、じゃあそれが後期高齢者医療制度に対する批判と同じぐらいのメディアのカバレー ジがあるかというのはございません。ですから、審議会の人選、審議会の結果の公表の仕 方、パブリシティの与え方、こういうことについても少し、これは厚生労働省だけじゃな くて、政府全体の課題としないといけないと思います。  それから、おっしゃるように、先ほど来私が強調していたことも後期高齢者の医療と終 末期医療とは別の観点だということであって、松浦市長さんがおっしゃるように、お年寄 りからやるというのはまさに1つの考え方なんですけれども、実は後期高齢者医療制度は こんなに悪いよと、毎日のようにここが悪い、ここが悪いと出てくる中の1つとしてばん と終末期医療を出されて、まさに差別しているんじゃないかと、私たちだけ先に死ねと言 っているんじゃないかという論拠にこれが使われちゃった。非常に不幸で、それでそのこ とが原因で議論がストップする、廃止されてしまうというのは非常に私がむしろ懸念した ので、今西澤委員がおっしゃったように、まさにだからこそ国民大に広げるという方向で、 この機会を活用して議論することがさらに大きな展開がもたらされるかなと、そういう意 味でございました。 ○松浦委員  いいですか。深くやりますと別の方向にまた議論が行きかねませんから私もこれでやめ ますが、どうぞひとつよろしく。 ○遠藤会長  先ほどの順番からいきますと、藤原委員のほうが早かったですかね。 ○藤原委員  舛添大臣がせっかく中医協にお越しいただきましたのでぜひとも聞いておきたいことが ありますけれども、中医協の見直しについて舛添大臣が発言されたと思いますけれども、 しかしこの中医協は昨年の3月1日に改正社会保険医療協議会法で施行されたばかりで、 それを認識の上でそういう発言をされたのかどうかお聞きしたいんですけれども。 ○遠藤会長  実は、この話は大きな話でありまして、本日のテーマとはちょっと外れますので、この ことにつきましては控えていただきたいと思います。  大島専門委員、どうぞ。 ○大島専門委員  大臣がおっしゃられるように異例中の異例であると。わざわざ大臣がここまで見えて説 明されているだけでも異例であるということはよく理解できますし、大臣の頭の中ではこ の問題がどうなのかというのも、お話を伺っていればよく理解できます。  それで、ここまで来た以上、次にどうするかという方向に頭を絞っていくというのはよ く分かりますけれども、私もこれだけ大きな国民的問題になったということは、ある意味 で前向きに考えれば非常に歓迎すべきことであると思います。私も医者で医学関係ですか ら、中川委員が言ったように、この問題は医療の中では大変な問題でずっと続いてきてい て、なぜ今の時期にこうなったのかということの異例さというのは別であるんですが、し かし前向きに考えていけばそういう国民的な議論にすべきであろうと思います。  今高齢者が増えて110万人亡くなっています。1日でいけば、毎日3,000人ぐら い亡くなっているわけです。これが30年後には4,000人から5,000人ぐらいが 毎日亡くなるような状態になってきます。  それで、私がお願いしたいのは、今まで国民的議論にしなければいけないということは 幾らでも機会があったのにならなかったと。今、大臣はここではっきりと言明されたわけ ですから、具体的にやはり異例な事態が起こったんだから、具体的な形でどのようにして いくのか、しかも早急に、毎日3,000人も亡くなっているような状況がさらに増えて いくという状態が今の日本を覆っている待ったのきかない状態であるということを十分に 踏まえていただいて、次の対策を示していただきたいと思います。 ○舛添厚生労働大臣  先ほども申し上げましたように、総理も「5つの安心プラン」ということで、その中に 直接この問題に触れているわけではありませんですけれども、やはり御高齢の方々が安心 できる、そして本当に尊厳ある死をみんなが人間としてどう迎えるかというのは大きな課 題でありますから、それについて議論する場を早急に設けたいと。そして、国民的な御理 解の上にこの議論を国民的に広げた上で、そして新しい方策という形を考えたいというよ うに思っております。 ○遠藤会長  大臣は、お時間が11時ぐらいをめどに御退出ということでございますので、特段何か あればということで、勝村委員が先でしたので、勝村委員、どうぞ。お願いします。 ○勝村委員  国会の経緯はよく分かるのでありますけれども、一方で中医協がどんな議論がされてき たのかという情報もきちんと伝わっている中で、互いに議論をやり合っていくという形で あればよいと思うのですけれども。中医協というのは非常にたくさんの案件を議論してい るわけですよね。その中で、今は本当に完全に議事録も全部情報が公開されていて、しか も公益委員の皆さんが特にこれは大事かなと思うことに関しては、本当にたくさんの案件 の中でもテーマを絞って、検証部会を立ち上げてきちんと科学的にやっていこうという形 で今進められているわけです。その中に後期高齢者医療についても少ない数に絞り込んだ 検証項目の中の1つに最初から入っていました。けれどもそこからさらに相談支援料に関 しては独立させて検証すべきではないかということで、絞り込みが必要な中でもその検証 は大切だから独立させてやっていこうという形になったくらいに、中医協としてはこの問 題を考えていたということなんです。  だから、ある種やはりこれは大きな議論になり得ることが想像できていたし、非常にう まくいく可能性もあるし、大きな不安を感じる結果になるかもしれないと。きっちり煮詰 めていかなければいけない、ただ、とりあえずでも、できるだけ早期にスタートもしなけ ればいけないし、という感じで中医協として議論してきたということは御理解いただきた いということす。そういう内容であるだけに、一方で、一旦ちょっと凍結して止めてみて、 本当にもうちょっと誤解されない形で、しっかりとこの件に関してはどういう支援の仕方 がいいのかということを改めて別途考えた上で、もう一回出し直すんだという考え方もあ っていいかなと思うんですけれども。ということはやはりこれは、凍結することによって 止まって終わりになってしまうのではなくて、もちろんそのつもりでいていただいている と思うのですけれども、本来これはインフォームド・コンセントのあり方の問題なので、 それを本当の意味でよいインフォームド・コンセントを築くということにつながるよう、 要するに転んでもただでは起きないという感じだと思うのですけれども、よりよいインフ ォームド・コンセントが結果としてできるようになってほしいと思います。そういう意味 では、国会のほうも中医協のほうも同じ気持ちでおると思いますので、その実現のために は、私はやっぱり、2つ、今後のために必要なことがあると思うんです。  1つは、議論が公開されていても、国民は実は中医協が決めた点数がどんな点数なのか というのがまったく分からないんですよね。今回のこの問題でも、相談支援料って何なん だということが国民の議論になってきた。そういうふうになることは、僕は大臣もおっし ゃるように傾向としては良いことだと思うんですよね。その意味で大臣には、最近の中医 協が議論を公開しているということに加えて、国民にもレセプト並みの明細書を示すこと で、どういう単価をつけているか伝えていこうという努力をしてもらっているというのは、 それは1つとても大切なことだと思いますので、それを進めてもらうことがますます大事 だと思うのです。  もう一つですが、そのためには、今までみたいに答申を出さなければいかない本当に直 前に諮問をもらっているようでは十分な議論ができないと思うのですよね。昔のように、 非公開で議論をしている場合だったら、余り早く諮問すると政治的駆け引きばかりになっ て議論が混乱してしまいかねず、直前に出す方がよいという時代ももしかしたらあったの かもしれません。けれども、今は議論は情報公開されていて、国民にも情報を伝えて一緒 に考えていきましょうと言っているんだから、もっと早い時期に諮問があって、もっと早 くから国民と一緒に議論してやっていけば、例えば今回答申が出てからこの四、五カ月国 会でやってもらっていた議論の時間を、中医協の答申が出る四、五カ月前から議論を始め ていたら、中医協と一緒になって議論をすることができたわけなので、後手後手になって しまわないような方策をとるためにも、僕は今後の議論の在り方として、答申を早めに出 していただいて、早めに重要な議論をはじめていくようにお願いしたいと思います。  以上です。 ○舛添厚生労働大臣  貴重な御意見として賜って、私もそういう方向で努力をしたいと思います。ありがとう ございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  前田委員。 ○前田委員  手短に。  大臣、どうもありがとうございました。  私は法律家的に言えば、一番法律の世界で悪いことは朝令暮改であるということなんで すよね。ただ、その意味で対馬委員のおっしゃることが非常に私は一番腑に落ちるんです けれども、先ほど竹嶋委員なんかの御指摘がありましたように、いろんな委員会で踏まえ てここまで来てここで凍結するということは、やはり中医協で凍結するだけじゃなくて、 ほかの部会も含めての評価の問題であるということを重く受け止めていただいた上で、わ ざわざここで御説明いただいたことを踏まえて考えれば、やっぱり今の政治状況の中で、 少なくとも中医協としてはこの答申案を認めるというのが唯一の選択であると。それによ って、やっぱり前に出て医療をよくするために中医協はより強くなっていくと、発言の場 を与えていただいていけるということにつながると思っております。ただ、各委員の出さ れたことは非常に重いので、ぜひそこを受け止めていただきたいと思います。  以上でございます。 ○舛添厚生労働大臣  しっかりと認識していきたいと思っております。ありがとうございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  それでは、手短に、邉見委員どうぞ。 ○邉見委員  病院ではもう当たり前のことで、ずっとこういうことを続けております。大臣のおっし ゃるとおりです。  それで、私は日本人は死ということをなかなか考えない。脳死の問題もそうでした。今 回もこの高齢者医療という終末期医療ということで目を背けようというふうにしているよ うに思います。だから、死だけでなく生と死を考える、あるいは医療を考える、健康を考 えるというふうな日を、ぜひ厚労省として出していただきたい。医療と一度向き合ってほ しいと。死のことに関してもですね。そうしないとこの国の医療はよくならないような気 がします。よろしくお願いいたします。 ○舛添厚生労働大臣  ありがとうございました。その点もきちんと検討させていただきます。 ○遠藤会長  それでは、大臣は公務がございますので、今日は非常に丁寧に御説明いただきましてど うもありがとうございました。 ○舛添厚生労働大臣  どうも皆さん、ありがとうございました。よろしくお願いいたします。                   〔拍手〕               〔舛添厚生労働大臣退席〕 ○遠藤会長  それでは、活発な御意見をいただきましてありがとうございました。ただいま大臣の丁 寧な御説明がありまして、私が皆様方の御意見を承った限りでは、さまざまやはり今回の 諮問については残念な点、問題点はあるけれども、これはある意味特例であるということ もあって、残念な面はあるものの、やはり今回の諮問は中医協としては認めざるを得ない、 あるいはやむを得ないという、そのような御認識であるというふうに理解しておりますけ れども、そのような私の理解でよろしゅうございますでしょうか。  どうぞ。 ○牛丸委員  私は委員に4月になりましたので、実際この審議をされたときはいなかったのですが、 この4月以降の何回かの議論、それから公益委員の方々からいろいろ前のことを聞いてお りますので、それから判断しまして、中医協がいかにこの問題について真剣に議論してき たか、単に診療報酬をつけるということだけでなく、終末期医療というものにどういう重 要性があるかということを真剣に考えて議論してきたかを知りました。先ほどの大臣に対 する各委員の御意見の中にもありましたように、そのような点を、この諮問に対する答申 にぜひ入れていただきたい。  つまり、間違っているというか、そういうことだから凍結したということではなく、ま た先ほど大臣のお話にありましたように、今の国民の意見といいますか、それは誤解もあ るでしょうが、そういう中で凍結せざるを得ないということで答申を出すわけで、仕方が ないということですが、中医協としては前のいろいろな審議会を受けてその上で診療報酬 をつけたわけで、その際には、今言いましたように、真剣にその問題を議論したというこ と、国民の立場を考えて議論したということをぜひに入れていただきたい。  それから、ここで終わらずに、この終末期医療の問題は非常に重要でありますから、今 後どういう形であれ生かせるような、また、この後期高齢者医療制度の中の終末期医療に 関しては、もし国民の中に誤解があるとすればその誤解を解くような形での先ほど広報の 問題がありましたが、それに関して何らかの手だてを考えていただきたい。以上私が申し 上げたようなことを幾つか入れていただきたいというのが私の意見です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  恐らく皆様方が思われていることとほぼ同じ内容を答申書の中に盛り込むようにという ような御意見だったと思います。答申書につきましては、今お話が出ましたけれども、そ の前にちょっと戻りますけれども、基本的に今回の諮問は認めざるを得ないということが 中医協の総意であるというふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  やはり、今、認めざるを得ないが総意かどうかと、オール・オア・ナッシングというこ とじゃなくて、やはり答申書の中身、今も意見が出ていますけれども、そこを踏まえての 判断だろうと私は思います。 ○遠藤会長  わかりました。  したがいまして、答申書に何を書くかということと、このやむを得ないということとは 切り離して考えられないというのも、ある意味で道理でございますので、早速それでは答 申書の作成の作業に移らせていただきたいと思いますけれども、よろしゅうございますで しょうか。はい。  実は、多少答申書の記述に関する内容につきまして、事前に私のほうで幾つか考えたこ とも含めてある程度下書きをしたわけなんですけれども、ただいまいろいろな皆様からの 御意見を承りまして、修正をしなければいけないところが多々ございますので、ここで暫 時休憩をさせていただきまして、ただいま後ろに答申書作成の機能があるものですから、 そこでちょっと今の案を含めながら答申案を作成させていただいて、またしかる後にそれ を再開してまた御審議いただくという形にしたいと思います。よろしゅうございますでし ょうか。  それでは、暫時休憩させていただきたいと思います。 午前11時07分 休憩 午前11時34分 再開 ○遠藤会長  それでは、まだ委員の中に着席されていない方もいらっしゃいますけれども、再開した いと思います。  それでは、答申の原案を作成いたしましたので、事務局に朗読をお願いしたいと思いま す。 ○事務局(成松補佐)  朗読させていただきます。  中身のほうから、答申書、「後期高齢者終末期相談支援料等の凍結について」。  平成20年6月25日付厚生労働省発保第0625001号をもって諮問のあった件に ついて、下記のとおり答申する。  記。  1.後期高齢者終末期相談支援料は、社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する 特別部会において取りまとめられた「後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子」(平成19 年10月10日)や、同審議会医療保険部会・医療部会において取りまとめられた「平成 20年度診療報酬改定の基本方針」(平成19年12月3日)に基づく診療報酬の改定を 行うべきとの厚生労働大臣からの諮問を受け、本協議会において真摯な議論を重ね創設し たものであり、終末期における診療方針等について患者本人、家族、医療従事者とが十分 話し合いを行い、その内容を文書等にまとめた上で患者に提供することを評価したもので ある。  この相談支援料は、患者が、本人の納得のいく診療方針で尊厳と安心をもって充実した 環境の中で残された日々を過ごすことができるようにすることを目的としたものである。 医療費の抑制を目的とするものでないことはもちろんのこと、患者に対して意思の決定を 迫るようなものではなく患者の自発的な意思を尊重するものであるにもかかわらず、その 趣旨・内容が国民に十分周知されず、国民に誤解と不安を与え、その結果として、算定凍 結の措置を講ずるに至ったことはやむを得ないこととはいえ、誠に遺憾である。  2.本協議会では、診療報酬改定後のしかるべき時期にその実施状況等について調査・ 検証を行い、必要があれば見直しを行うということを基本としている。そのような中で、 必要な調査・検証が行われないままに、凍結との諮問が行われたことは、極めて異例なこ とであると言わざるを得ない。  しかし、本協議会としては、相談支援料に対する誤解とそれに基づく不安がある現状に おいて、相談支援料の算定をこのまま継続することは、当初の相談支援料の意図の実現が 十分に期待できない可能性があるとの判断をした。  今回の見直しは、このような特別な事情に基づき実施するものであり、確固としたエビ デンスと検証を踏まえて十分に議論した上で対応するという、これまでの診療報酬改定の 基本的な考え方を変更するものではないことを確認する。  なお、本協議会としては、国民の誤解と不安を解消するとともに、終末期における情報 提供と相談支援に関する実態について情報収集や検証等を早急に行い、その結果を踏まえ、 算定の再開を含めた総合的な議論をしたいと考えている。  3.今回の見直しは、国民の理解を得るための努力不足がその大きな原因となっている。 厚生労働省は、再びこのようなことが起こることのないよう、診療報酬改定を行った場合 には、その趣旨や内容を国民に対して十分に説明するものとするほか、誤解に基づく指摘 等に対しては毅然とした対応をとることを強く望むものである。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございました。  これが答申案でございます。御意見・御質問ございましたら御自由にどうぞ。  対馬委員、どうぞ。 ○対馬委員  これまでの経緯でありますとか、私どもの心情的な部分も含めて、随分文章は練ってい ただいたんですが、ただ、多くの方がおっしゃられたのは、これを1つの契機にして、特 にターミナルケアについては国民的な議論をぜひ行うべきではないかというような指摘が 数名の方から出されたんじゃないかと思うので、そのあたりがちょっと書き込みがないよ うな感じがする。例えば、一番最後のところに「今回の見直しは」という段落3がありま すけれども、その一番最後にでも、「また、今回の議論を契機としてターミナルケアに対 する開かれた国民的議論を行うことを強く望む」とか、何かそういうのがあってよろしい のかなというふうに思うんですけれども。 ○遠藤会長  ありがとうございます。私も非常にそれはそのとおりだというふうに思っておりますけ れども、これについて今のような御意見をされた方、いかがでしょうか。  どうぞ。 ○渡辺委員  私もそう思います。それを大臣に確認して、大臣もその方向で考えたいということをお っしゃっておりますので、きちっと中医協の検証・議論だけじゃないんだと、国民に向け てのそういう議論の場を広げる、国民のコンセンサスを得るというような、そういう意味 合いのものをここに書くべきだと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。では、そのような方向で修正を考えたいと思います。  そのほかにございますでしょうか。庄司委員、どうぞ。 ○庄司委員  ちょっと今気がつきましたんですが、2ページ目の2の2つ目及び3の最初のところな んですが、「見直し」という言葉が2回使われておりますけれども、これは2の2行目の ところ、「必要があれば見直しを行う」ですけれども、本日のこれは、見直しそのものと いうよりは凍結の措置ではないかと思いまして、「見直し」を「措置」という言葉でどう かというふうにちょっと感じましたので、一応意見を申します。 ○遠藤会長  なるほど、要するに今回の凍結ということを見直しと言うかどうかと。凍結というのは 一時期、先ほど来1回議論が出た話でありますので、それを「見直し」という言葉が適切 かどうかということですね。一度凍結をするけれども今後どうするかということは継続し て検討はするということを見直しというのかどうかという御意見ですね。それを見直しと いうふうには理解はしたのですけれども、これはちょっと響きがよくなければどのように 変えたらよろしいでしょうか。 ○庄司委員  措置。 ○遠藤会長  措置ですか。今回の措置ね、なるほど。確かに。  何か事務局ありますか。 ○事務局(原医療課長)  1番目のところに「算定凍結の措置」という言葉がありますので、「今回の見直しは」 というところを「今回の措置は」というふうに。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  庄司委員、非常によいところを指摘いただきましてありがとうございます。それでは、 2と3にある「見直し」はすべて「措置」という形で統一させていただきます。ありがと うございます。  ほかに何か御意見ございますか。松浦委員、どうぞ。 ○松浦委員  時期的なものは書かないのですか。 ○遠藤会長  具体的に。 ○松浦委員  例えば「速やかに」とか、国民的な議論を始めることは、ただ何か書いてあるんですか ね。 ○遠藤会長  先ほどの国民的な議論の展開の話を…… ○松浦委員  すぐね。 ○遠藤会長  「速やかに」ということを入れる。 ○松浦委員  凍結はするけれども、これを議論していくんだというように、僕は今回の中医協の協議 の結果を受け止めたんだけれども、そうではなかったですかね。 ○遠藤会長  先ほどの国民的な議論をというのは、むしろ中医協から、言ってみれば大臣あるいは厚 生労働省に対してメッセージを発しているという話ですから、それを速やかに開始するべ きだということをそこに入れるべきだというふうな御指摘ですね。 ○松浦委員  それはどこでもいいんですよ。とにかく大臣が決定なさったらいいことですから、中医 協で議論してもいいですし、どこで議論かそれはすぐ始めると、凍結と同時に始めていく というような意味合いのことは書かなくていいんですか。 ○遠藤会長  速やかにということで、つまり中医協ということでやるのであれば速やかにやるかどう かは、ある意味こちらにオートノミーがあるというところがあるわけですけれども、ほか に対してのこちらの要求ということであると、そこに「速やかに」というのを入れるか入 れないかという、その辺だけの感触の問題だと思いますけれども、いかがでしょうか。で も、基本的には「速やかに」というのがあるということは、その意気込みを示すことでは ありますから、それでは「速やかに」というようなことも入れてというふうに修正させて いただきたいと思います。 ○松浦委員  今までの議論の結論はどうなったんですかね。凍結というものは単に止めてしまうとい うことではないように大臣はおっしゃったと思うんだけれども、ずっと議論していくなら …… ○遠藤会長  もちろん、その議論は当然継続をするわけでありまして。 ○松浦委員  だから、その始める時期をね。 ○遠藤会長  そちらのほうですね。つまり、これは2行目の最後のパラグラフ、「なお、本協議会と しては、国民の誤解と不安を解消するとともに、終末期における」云々と書いてありまし て、実態についてということはここに書いているわけですが、そこに「速やかに」という ふうに入れるかどうか。 ○松浦委員  ここを読んだら「早急に」と…… ○遠藤会長  書いてありますね。ということですので。じゃ、それはそのままで。ありがとうござい ます。  ほかにございますか。それでは、清水代理お願いします。 ○高橋委員(代理清水氏)  表現上の趣味の問題かもしれませんが、一番最後の3ポツのところで、頭で「国民の理 解を得るための努力不足がその大きな原因」だと言っておきながら、一番最後に「誤解に 基づく指摘等に対しては毅然とした対応」となっておりまして、曲解に基づく指摘に対し ては毅然と対応していただいて結構だと思いますが、誤解に基づくものについては「適切 な理解を得られるよう丁寧な対応をとる」とか、何かそんな表現のほうが適切なような気 がいたします。 ○遠藤会長  おっしゃるとおりですね。確かに、誤解は努力不足に基づくと言っておきながら、誤解 に基づく指摘に対しては毅然とした対応をするというのはおかしな話です。重要な御指摘 だと思いますので、その辺は文章を工夫したいと思います。ありがとうございました。  どうぞ。 ○渡辺委員  細かいことなんですけれども、3番の3行目、「改定を行った場合には」とありますけ れども、これは行ってからじゃいけないので、「行うに当たっては」ということで、こう いう方向でいくよという、今回も前もってのそういうプレゼンテーションが、やってはい るんですがそれが十分でなかったということだと思いますので、そういう表現でいかがか なと。改定を行うに当たってはきちっと、決まった後は当然周知徹底なんですけれども、 その前の段階でも必要でしょうという。 ○遠藤会長  いかがでしょうか。そのとおりだと思いますので、そのように修正させていただきます。  どうぞ、山本委員。 ○山本委員  今の同じ3ポツなんですが、細かなところで、この「今回の見直し」も「措置」に直る んでしょうか。 ○遠藤会長  これも「措置」に直します。  ほかに。勝村委員。 ○勝村委員  対馬委員と同じ意見かなと思うのですが、確認ですけれども、2ポツのほうは本協議会 としての今後という感じなんですけれども、3のほうが厚労省等に対して要望する感じに なるかと思うんですけれども、2のほうでは最後に、本協議会としてもこの議論は大事だ ということで続けていくということで、3のほうでも、今回こういうふうな経緯になって しまったことについての今後の対応が書かれていると思うんですけれども、それプラス、 終末期の医療の文書を用いたインフォームド・コンセントとかの問題に関して、凍結で終 わるのではなく凍結を機によりきちんと議論を進めてほしいという趣旨をお願いしたい。 もちろん協議会もするけれどもという趣旨です。対馬委員と同じ意見かもしれませんけれ ども、それをお願いしたい。 ○遠藤会長  はい。そのような趣旨だというふうに理解しております。  ほかにございますか。よろしいでしょうか。  それでは、もし、事務局から何かあれば一言。 ○事務局(原医療課長)  先ほど言いました2点のほかに、先ほどの清水委員からのお話で、3番目の「誤解に基 づく指摘等に対しては」のところですけれども、ここの文章としては、いわゆる曲解に基 づく指摘という意味でここはフレーズとしてあるので、誤解に基づく指摘等に対しては適 切にというのであれば上と同じなので、ここでは「曲解に基づく指摘等に対しては毅然と した対応をとる」という形でもよろしいでしょうか。それが1点。  それから、あと先ほどの全体的な議論の中については、3の一番最後にさらにつけ加え て、「また、これを契機として、ターミナルケアについて開かれた国民的議論が行われる よう望むものである」というような文章をつけ加えてはどうかというふうに思います。 ○遠藤会長  そういう意図であったと思いますけれども、文面としてもそれでよろしいでしょうか。 「ターミナルケア」という言葉が突然出てくるんですが、そこは「終末期医療」というこ とは特にないかな。大丈夫ですね。  じゃ、ここでは「ターミナルケア」という言葉を使わせていただきたいということです ね。  中川委員、どうぞ。 ○中川委員  「終末期医療」ではなくて「ターミナルケア」にするんですか。私は「終末期医療」の ままでいいと思いますが。 ○遠藤会長  なるほど。それはどういう理由で。 ○中川委員  それもやはり説明不足による誤解から生じたことで、それも含めて全部変えてしまうと、 やっぱり我々の趣旨というか、今まで議論してきた流れが途切れてしまうのではないかと いうような気がします。 ○遠藤会長  ということで、恐らく「ターミナルケア」にしたいという意見は、先ほど大臣の御言葉 の中に、「ターミナルケア」であればまた違った反応もあっただろうにというようなこと を踏まえたということなんだと思いますけれども。  それに関連してですか。 ○大島専門委員  私も「終末期医療」で問題ないと思いますし、もちろん、今それが大きな問題になって いるのは、勝手に私自身が思っていることなのかもわかりませんけれども、あらゆること を批判の材料にしているような大きな流れが1つあるような感じがします。終末期医療と いうのはもうずっと使われている言葉ですから、特に高齢者をねらってどうのこうのなん ていうような言葉ではないと思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  勝村委員、どうぞ。 ○勝村委員  つけ加えてなんですけれども、これはあくまでも相談支援料の…… ○遠藤会長  申しわけありません。今の話をちょっと整理したいと、結論を出したいと思います。 「終末期医療」で行うという形にしたいと思いますが、よろしいですか。はい。  続けてどうぞ。 ○勝村委員  終末期医療の、あくまでもこれは相談支援料なので、これに関する議論としたら、終末 期医療の在り方をというよりは、もう少しそれを一緒に考えていけるような形、患者がど う医療の決定に関わっていくかということなので、終末期医療のインフォームド・コンセ ントの在り方とか終末期の医療のそういう感じのことについての議論を、というような雰 囲気ではないのかなと僕は思うんですけれども。 ○遠藤会長  その趣旨のことを3番の後につけるという、幅広く議論をするといったような内容をつ けるという話だと思いますけれども。 ○勝村委員  だから、その「ターミナルケア」という言葉を「終末期医療」に変えるだけじゃなくて、 例えば、終末期医療のインフォームド・コンセントの在り方について議論していってほし いというふうな趣旨が入らなくていいんですかね。 ○遠藤会長  先ほどどういう修文が行われましたか。3番目の事務局が最後おっしゃった文言は。も う一度お願いできますか。 ○事務局(原医療課長)  「また、これを契機として、終末期医療について開かれた国民的議論を行うよう望むも のである」。 ○遠藤会長  その中に含まれているというふうな理解ではだめですか。 ○勝村委員  そういう理解の仕方も現実的ではあると思うんですけれども、あくまでもこの答申書は 相談支援料についてということになっているので、その相談支援料の議論と終末期医療全 体の議論が混同してしまっているということについての整理の必要性等も、何かニュアン スとして入れておきたいような気がするんです。 ○遠藤会長  じゃ、事務局どうぞ。 ○事務局(原医療課長)  どちらかというと、相談支援料についての議論はこの2番の中で総合的な議論をすると いう中でやっていただいて、3番の項目は、どちらかというと直接的には今回の終末期相 談支援料と少し離れて、一般論として、1つは厚生労働省にしっかりと広報等をやりなさ いということ。それから、もう一つは相談支援料と離れた部分として終末期の医療につい ての議論をしてくださいという意味で、3番のところにつけているということなんですが。 ○遠藤会長  ですから、終末期医療についての総合的な議論という中には当然終末期のインフォーム ド・コンセントも入っているという、そういう意味合いだというふうに理解はしておいて よろしいでしょうか。 ○勝村委員  だから、2番目に書いてあるところの意味が中医協がというだけじゃなくて、厚労省自 体もその方向で行くんだという趣旨だということであれば、それでいいんだというふうに 思います。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  ほかに、特に修正。清水代理、どうぞ。 ○高橋委員(代理清水氏)  先ほどの3番の表現の件ですけれども、「誤解」を「曲解」に変えるというふうに事務 局はたしかおっしゃったと思うんですが、私はこの問題はやはり冷静に議論していく必要 があると思います。そうしますと、「誤解」と「曲解」さらに「毅然とした対応」という、 こういうあたりの表現がややどうなのかなという感じがいたします。何が誤解で何が曲解 かというのはかなり主観的に判断が変わってくるものだというふうに思いますので、余り そういう表現は避けたほうがいいんじゃないのかなと、私は思います。 ○遠藤会長  そうすると、避けるというと、一番極端な避け方はもうこの文章をなくすというのが1 つ選択肢としてあるわけですけれども、そういうことを意味されておるわけでしょうか。 ○高橋委員(代理清水氏)  先ほどの「毅然とした」というところを、「適切に理解を求める」で十分通じるんじゃ ないのかなと思います。 ○遠藤会長  わかりました。この文章は残すけれども、そのトーンをやわらげるということでありま す。  今の御発言について何か御意見ありますか。  これは私の勝手なあれですけれども、西澤委員などは御意見があるかなというふうに思 うんですが。 ○西澤委員  今清水代理がおっしゃったよりはもっと強い言い方、「毅然」が強すぎるのであればも うちょっと弱くてもいいですけれども、今おっしゃったよりは強くしたほうが。私は「毅 然」でもいいような気がします。今回はかなり曲解と、まさしくそう言わざるを得ないよ うなことがあって、それによって国民が誤解をしたというふうな感じですので、このこと はやはりしっかり中医協としては申し上げたいなと思っております。私個人の意見はそう です。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  どういたしましょう。この内容につきましては、会長預かりとさせていただいてよろし いでしょうか。文言上の問題でありますので、基本的にこの文章は残すと。そのトーンを どの程度やわらげるかというだけの話だと思いますので、預からせていただきたいと思い ます。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、事務局と相談したいんですが、どういたしましょうか。今の修正箇所を大体 メモって、そこで修正箇所だけ朗読することは可能ですか。それとも…… ○事務局(原医療課長)  はい。可能なんですけれども、ただそこの「誤解」か「曲解」のところは…… ○遠藤会長  そこだけちょっとあれですね、今決めないと。一任ですの、でそこのところは除いてお いてほかのところは。 ○事務局(原医療課長)  ほかのところは今打ち出していますので、朗読できると思います。 ○遠藤会長  そうしたらどうしますか、お配りしますか。 ○事務局(成松補佐)  その部分は原案のままでよろしいですか。 ○遠藤会長  そこだけ原案のままにしておいてください。それとも、やっている間にお話を。  じゃ、今修正したものをプリントアウトしておりますが、多分皆さんにお配りするだけ のコピーの時間はないかと思いますので、ここで朗読をしていただきまして、未解決のと ころは座長預かりという形にさせていただいて、これでよろしければ後ほど成文させてい ただくという形で対応させていただきたいと思いますけれども、そのような段取りでよろ しゅうございますでしょうか。できればここで完成させたものをとも思いましたけれども。 ○事務局(成松補佐)  修正部分を朗読させていただきます。  2ポツ目の3パラグラフ目のところです。「今回の見直しは」とあるところを「今回の 措置は」ということの修正が1点。3ポツで1つ目のパラグラフの「今回の見直しは」と いうのを「今回の措置は」というところが2点目。3ポツ目の3行目のほう、「診療報酬 改定を行った場合」というところを「診療報酬改定を行うに当たっては」ということでご ざいます。「毅然とした」というところは会長に御一任ということになっております。3 ポツ目に追加として、「また、これを契機として、終末期医療について開かれた国民的議 論が行われるよう望むものである」というパラグラフを入れるという修正でございます。  以上でございます。 ○遠藤会長  ありがとうございます。  以上のような修正で、一部未定の部分がございますけれども、よろしゅうございますで しょうか。はい。  それでは、最後のところを修正させていただいたものを成文といたしまして、後ほど答 申とさせていただきたいと思います。  事務局に伺いますが、段取りとしてはそれでよろしいですか。じゃ、そのように対応さ せていただきます。  どうも本当に皆様の御協力をいただきまして、当日に答申を出すことができました。御 協力を本当に心より感謝いたします。どうもありがとうございました。  それでは、薬価部会は準備をしていたのですけれども、1時間遅れになっているという こともありまして、薬価部会につきましては本日はやらないということになりました。  事務局、それでよろしいんですね。 ○事務局(原医療課長)  後ろの時間が決まっていますので。 ○遠藤会長  それでは、当日に答申が出せたということの代償で薬価部会がなくて、薬価部会を期待 していらした方には大変申しわけなかったのですけれども、次回以降ということになって おります。  次回の日程につきましてよろしくお願いします。 ○事務局(原医療課長)  7月の上旬を予定しております。 ○遠藤会長  上旬ですね。はい、よろしく。  それでは、本日はこれをもちまして中医協総会を終了したいと思います。どうもありが とうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)