08/06/24 第9回「健康食品」の安全性確保に関する検討会議事録 ○大野座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第9回目の「健康食品」の 安全性確保に関する検討会を開催いたします。  委員の先生方におかれましては、大変お忙しいところ朝早くから集まっていただいて、 誠にありがとうございます。  議事に入る前に、事務局より本日の委員の出欠状況について報告をお願いいたします。 ○玉川室長 委員の出欠状況についてでございますが、本日は坪野委員、寺本委員、松永 委員が所用により御欠席されております。 ○大野座長 ありがとうございました。  続きまして、事務局から配付資料の説明をお願いいたします。 (配付資料確認) ○大野座長 それでは、議事に入りたいと思います。前回の検討会において報告書の骨子 案について御議論いただいたところでございます。その際の議論を踏まえて、また、その 後先生方からいただいた御意見も取り入れながら、報告書の案を作成していただきました。 その報告書の案を事前に皆さんにお送りして、先生方に意見をいただいて修正したものが 今日配付されております。今日は、この報告書案について説明をいただいた上で御議論い ただいて、できれば最終的なところに持っていきたいと思っています。  それでは、事務局より御説明をお願いいたします。 (資料1−1「『健康食品』の安全性確保に関する検討会報告書」朗読) ○大野座長 ありがとうございます。  皆さんの御意見も前に送っていただいたものから、幾つか修正されていることがおわか りになったかと思います。  それでは、この報告書案について御意見がございましたら、発言をお願いいたします。 いかがでしょうか。どこと問わず、どこの点についても御意見をいただければと思います が。 ○鬼武委員 前回、骨子案が出ていまして、それに対して我々委員にも意見が求められま して、それで最終報告書というのができ上がって、読みました。事務局の方には非常に御 苦労されて感謝を申し上げます。  全般的な意見といいますか、感想を申し上げたいと思います。「健康食品」は、広く健康 増進に資する食品として販売されるもの全般を指していると考えると報告書は記載されて おりますけれども、「健康食品」に関しては法律上の定義が存在しないことを放置したまま での議論では、安全な「健康食品」を消費者が選択できるための実効性のある仕組みづく りには、なかなか至らないのではないかと思います。  しかし、「健康食品」を法律上健康食品を定義することは、通常の食品も健康保持増進を するために用いられている以上、実質上不可能で、また、適切さに欠く点もあるかと考え ます。  健康増進に資する食品として販売される食品は、すべて消費者に対して健康増進に資す るとしてうたって、商品やチラシ、刊行物表示に対して販売されるもので、「健康食品」は ヘルスクレームを表示した商品と規定して、安全性及び表示の面から規制することが必要 と私は考えます。このような規定と規制は、国際的な動向にもなっておりまして、例えば コーデックスのガイドラインのUse of Nutrition and Health Claimということで、 1997年、2004年にリバイスされたものは、コーデックスの食品表示部会における議論に基 づいて、ヘルスクレームについて厳格な規定を定めています。  また、EUにおいてはRegulation No.1924/2006 of European Parliament and  council of 2006 12/20 Nutrition and health claim made on foodsが、ヘ ルスクレームによって規定されております。  これらのガイドラインが規定において、ある食品が健康増進に資するとうたう場合には、 実証化された証明をすることが要求されていると考えます。  「健康食品」による健康被害は実際数多く起こっておりますし、しかし、販売や利用の 実態とともに、健康被害の実態も十分に把握されているとは言えません。アドバイザリー スタッフや医療従事者が実際に果たしている役割や問題意識についても同様であると思い ます。  論点整理の項目について、この間議論を進めてきたところですが、報告書をまとめるに 当たっては、行政が行うべきことと、業界団体が行うべきことを少し分けて明らかにして、 まず、行政の責任において現状の把握と消費者の求めていることは何かということが重要 と私は考えます。  消費者が求めているのは「健康食品」の今回のテーマである安全性に関する情報だけで はなく、やはり「健康食品」を利用する必要性、個々人にとっての健康食品の有用性の情 報が有用であり、更には安全で有効な「健康食品」であると思います。この点について、 行政が行うべきことを報告書で少し明らかにする必要があると全体的なコメントとして私 は考えております。  一応ペーパーで意見として持っていますので、後で委員の方々に御了解をいただければ 送らせていただきたいと思います。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。委員の先生方に送っていただけるということですね。  ただ、有用性、ヘルスクレームを言うとなると別の法律体系に入っていってしまうので、 そちらの方で規制されているわけです。それ以外のものを今回扱うということを当初の目 的としていますので、なかなかこの中に盛り込むというのは難しいと思うんですけれども。 ○鬼武委員 1回目のときに議論しまして、定義について書かれていたと思います。1ペー ジの報告書の「健康食品」はというところで、今回の範疇にしたものがあるわけですけれ ども、振り返ってみますと、この表現の中にも特定保健用食品だけを除いたということに なると、今、栄養機能食品についても法律上は規定されているわけですね。ただし、栄養 機能食品という制度をとっていない場合もあるので、それはちょっと事務局に確認してい ただきたいのですけれども、今回の参考資料で、報告書が安全性確保の対象とする健康食 品の範囲がピンク色の形で示されていますので、多分私が今回はっきりわかったのはこれ で、今回これだということはわかったのですけれども、やはり法律上、今、規定されてい る栄養機能食品についても今回のところでは対象にしているということについては、事業 者の方が自主的にとっていないものもあるから、それともう一つ栄養機能と併せて一般の いわゆるほかの成分も含んでいるから、両方にかかって審議したのかもしれませんが、そ の辺は事務局に説明していただければと思います。  いずれにしても繰り返しになりますが、私は1回目から定義のことについて、どこの範 疇にするかというのは今、国際的に議論されていることと、日本で議論されていることに ついて少し乖離があったので、このような意見として申し上げております。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○玉川室長 今ご指摘のあった点についてですが、全体の話はともかく、範疇の問題で栄 養機能食品の話がありましたので、そこだけご説明させていただきます。資料1−4の最 後のページに参考とありますが、特定保健用食品の場合は厚生労働大臣の個別許可となっ ておりまして、有用性・安全性を確かめる際の資料として、どういう製造所で製造されて いるか、その際の製造方法はどういうものであるか、そうした資料まで添付していただい た上で審査しております。それに対しまして、栄養機能食品の方は自己認証の制度ですの で、使われている成分として、例えば、カルシウム自体はある程度どういうものかという ことはわかっているわけでございますけれども、実際にどういう工場で使われているか、 GMPの取り組みが十分であるかとか、そうしたものについては必ずしも確認が行われて いないということがあります。  また、御指摘のあったように考え方としては、栄養機能食品としてうたう成分以外のも のとして、どういうものが含まれているかという問題もあり得なくはありません。主たる 成分については検索をしても、あっという間に作業が終わるだけの話だと思いますけれど も、一応形としては栄養機能食品については今回の安全性確保への取り組みという網がか かってくる範囲になるという整理をしております。  この点についての説明は以上です。 ○大野座長 今の御説明だと、栄養機能食品については今回の報告書の範疇であると。そ うすると、栄養機能食品に関しては有用性も当然入ってくるわけですね、有効性とか。今 回有用性という修正が入りましたけれども、それを踏まえているということなんですかね。 ○玉川室長 安全性の確保の対象とする食品としてどこまでかということでございまして、 今の表でございますと、ピンクに塗っている部分が今回対象として考えているわけです。 その下に矢印がございますように、安全性確保の対象とするという意味では栄養機能食品 も入ってくるということで、栄養機能食品の有用性については公知のものとしてこれこれ というクレームがうたえるというのがあらかじめリストとして定められておりますので、 そこについては今回は全く変更がありません。ただ、栄養機能食品についてもGMPとか そういうことはしっかり進めていただくことが大事だろうと考えております。 ○大野座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。  ほかに御意見ございますか。 ○宗林委員 2点あります。1つは、ちょっと小さい文言のことなんですけれども、8ペー ジあるいは7ページに「医療機関の医師」という言葉が出てまいりますが、そのほかの資 料等では「医療機関」という言葉で統一されているようです。現在、「患者の診療に当たる こととなる医師等」というかなり限定された言葉になっていますが、例えば、買ったとこ ろで直接接することになる薬剤師さん等々も含めての、ある程度もう少し範囲を広げた形 の表現の方が好ましいのではないかと思います。ですから、例えば、店頭での薬剤師さん ということを対象にしないまでも「医療機関」という言葉を使った形での取りまとめの方 がよろしいんじゃないかと思っております。  もう一点ですが、「3.健康被害情報の収集及び処理体制の強化」というところ全体に対 してですが、今、消費者庁の問題もございますので、なかなか難しい点があるかと思いま すし、また、カラフルな資料1−4を見ますと、仕組み自体が図式化されているので、私 は全体像を知らないわけではないんですが、この報告書だけを見ますと、どこがどういう ふうに実施していくのかやや抽象的です。そして、今持っている情報が、例えば、私ども 国民生活センターも勿論持っており、内閣府を通して共有化が進めているところでござい ますけれども、例えば東京都さんであったり、日本医師会さんだったり、栄養研さんが持っ ているようなものをどのように現状からいち早く収集するに当たって、もう少し具体的に どこがどういうふうに集めて、その後集まってきているものを具体的にどこが処理してい くのか、どういう処理方法を考えていくのかというところに、やや具体性を欠いているの ではないかと思います。受け皿としてデータベースはできました、では、どうするのかと いうところが少し報告書としては弱い気がしますので、もうちょっと具体的な言葉を入れ ていただければと考えております。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。  「医師等」の「等」は、私もちょっと気になったんです。私の気になったとところは宗 林先生と同じように、実際に販売に当たることが多いと思われる薬剤師に関してもかなり 責任があるんじゃないかということで、その対処記述がないということと、文章上間細か いことですけれども、「患者の診療に当たることとなる医師等」となると、患者の診療に当 たることになるのは医師しかいないんじゃないと。それに「等」をつけるのはおかしいん じゃないかという、そういう細かいところがあったんですけれども。 ○玉川室長 気持ちといたしましては、医療機関という法人とか団体といった集合体とい う立場のものではありませんで、実際に診療といった場に当たられるという方という現場 性を強調したかったというものでございます。  典型的な例といたしましては、第一線の診療の場において判断される方に対して、健康 食品の現状がある程度伝えられることが重要と考えておりまして、そういう意味で医療機 関という包括的な概念は避けたかったというのがあります。ただ、それに限られるもので はありませんで、こうした情報の提供の仕方というのは対象者によって若干異なるのかも しれませんけれども、販売の場におきます薬剤師とか、そうしたところにおいても重要と 考えられますので、例示を若干膨らませるような形で調整させていただきたいと思います。 ○大野座長 その件については、宗林先生よろしいでしょうか。 ○宗林委員 はい、結構です。 ○大野座長 それから、2番目のどこがどのような情報を集めて対応していくのかという ところについて具体性が欠けているというのがございましたが、それについては。 ○玉川室長 実は、ここも悩んだところでして、1つは、本年に入りましてから資料1− 4の4ページの図にありますような食品危害情報総括官という役職を定め、政府全体とし ての取り組みも緊急時に行われるというのがつけ加わったところでありますけれども、そ れ以外の部分については、基本的に平成14年の被害対応要領を定めた当時のものをベース に図として描いております。  ここで、事例とかというのがあれば、それに応じてこういう対応をとるとかあるんです けれども、例えばこの対応要領がつくられたときには、更に外に外国からの輸入というの がございまして、輸入事業者とか関係のところもございました。つまり、事例によって動 くところ、例えば、国民生活センターがアンテナとなってそこから入ってくるような事例 もあれば、医療機関の方から初動が始まるような場合もあれば、消費者の方から保健所に 相談が上がってくるような場合もあるという形で、千差万別です。そういう中で、どこが 大きく動くかというのも、実は個々の事例によって情報の入り方あるいは製品の中身、そ れから、被害を生じさせている原因がそもそも成分ベースのものなのか、あるいは製造工 程管理、GMPに関わる混入といった案件なのかとか、保健所の中の処理ということでも かなりいろいろと変わってくるところがございます。  したがって、具体的な事例というのは本当は現場での対応ということを考えれば、ケー スブックみたいなものをつくって関係者で情報を共有するのが好ましいと思うんですが、 この報告書の段階でプレーヤーの名前をこれ以上明示して書くのは限界があるかなと思い ました。したがいまして、そこは今後いろいろと関係者の間でシミュレーションなどを行っ ていくところで、この絵をこうこうこういう場合といった具体的な事例を挙げながらシ ミュレーションをやっていくことの方が実際的であろうかと思っております。この点につ いて自治体の立場ということで、東京都からもし補足があればお願いします。 ○宗林委員 その前によろしいでしょうか。私は食品危害情報総括官みたいな緊急時のも のはまた別個に考えてよろしいかと思うんですが、それ以外の被害情報について、とにか く諸機関が持っている情報がどこかに集まるという情報の仕組みが必ず必要であるという ことを明示して書き込んでいただきたいという意味でございます。ですから、いろいろな ことがあるでしょうし、例えば資料1−4の5ページかもしれませんが、いろいろな形で 相互に情報がやりとりされるというようなことで、いろいろなところで情報共有しましょ うという図にはなっているんですけれども、それはそれである意味必要ですが、とにかく すべての情報が1か所にきちんと、なるべく早い時間帯で集まるということを明示してい ただいて、それを一括してそれぞれ適切なところに処理あるいは対応をするような仕組み を国としてつくっていくことが必要だという言葉を入れていただきたいという意味でござ います。 ○玉川室長 ポイントとしては2つあると思うんですけれども、1つは、消費者庁などの 議論の中で、健康食品に限らず、製品一般についてのさまざまな情報が一元的にある程度 集まっていくべきという話があって、それは別途行われている話だと思うんですけれども、 ここは健康食品のお話という理解でよろしいのでしょうか。 ○宗林委員 松本先生もいらっしゃるので私が言うのも何なんですが、健康食品もその流 れに違わず、一つ大きな国政審などの報告書を受けて、事故情報を1カ所に集めるという ことを言っているわけですから、健康食品に関してもその流れの中に違わない形の報告書 にしていかないといけないのではないかということをお話ししているんです。 ○玉川室長 その件については、こちらの検討会で提言をしなくても政府全体の中で仕切 があるということで、そこで議論はもう尽きていると思います。具体的な中身については、 そちらで明らかにされているのだろうというのが1点です。また、こちらの報告書で書い ていないということで整理として矛盾をするものではないと我々は考えております。  一方、既存の制度というものも引き続き残りますので、先生が言われたようなことにつ いては、基本的に健康食品・無承認無許可医薬品健康被害防止対応要領という従来の制度 が引き続き運営されていきますので、ここは報告書の書き方としては公表の場合について だけ書いてありますので「重篤な症例が生じた場合には」とありますけれども、ここで被 害については基本的に消費者、保健所、厚生労働省というルートを使って上げていただく ということになっていますので、そこのところについてそうした取り組みが重要であって、 それをこれからもしっかり続けていけということであれば、そうした表現としたいと思い ます。 ○金谷委員 自治体の立場から申し上げますが、今のお話で宗林先生のおっしゃることも もっともかと思いますけれども、今室長から話がありましたように、これまでも既存の実 際に健康食品・無承認無許可医薬品等によります被害が発生した場合は、当然さまざまな 機関にそういう情報が寄せられるかと思いますが、それをきちんと行政として調査を進め ていくと。そして、必要に応じて厚生労働省やさまざまなところに連絡が行くということ になっておりますが、実際にそれがいろいろな形で円滑にいくかどうかというところにも まだいろいろ問題があるかと思いますので、既存のこういうものをきちんと運用すると、 それを適切に進めていくということで、今おっしゃったのは妥当ではないかと考えており ます。 ○大野座長 ありがとうございます。  7ページの一番下のパラグラフに、もうちょっと情報の処理みたいなものも入れた方が よろしいということでしょうか。 ○宗林委員 これまでの各機関できちんと調査などをされて、被害をきちんと把握し、処 理していくということは、それぞれのところで大切だと思いますが、同時に被害情報ある いは苦情から発生するようないろいろな情報について、とにかくどこかで集約するという ようなことも大切であろうかと思います。各部門できちんと今までの体制を維持して、き ちんと専門性を生かしてやっていくのと同時に、健康食品に関する被害情報についても、 ほかの情報と同じく速やかに集約していくようなことも大切であるということをもう少し 書き加えていただければという意見でございます。 ○大野座長 ありがとうございます。いかがでしょうか。  入れるとすれば7ページの一番下のパラグラフに入れるということになると思いますけ れども。 ○玉川室長 具体的な文言についてですが、宗林先生が言われたところはオンゴーイング の話でもございますので、抽象的な文言になるかと思いますけれども、工夫してみたいと 思います。 ○宗林委員 よろしくお願いします。 ○大野座長 ほかに御意見ございますか。 ○林委員 検討会報告書では、健康食品の安全性確保に関する問題点が最初に提起されて、 後半の方で対応の在り方が示されているといます。その点では、非常によくまとめられて いると私は感じました。  対応の在り方の中の具体的な方法とか考え方が余り示されていないという点について、 幾つかの委員の先生方からの質問があったと思うんですけれども、それをどの点まで書き 込むかということが問題だと思います。健康食品の安全性確保については、現時点の情報 だけで具体的な方法とか考え方をまとめてしまいますと、かなり限定的なものになってし まうと思うんです。ですから、この枠組みの中での業界、行政、消費者団体の方々の実際 の活動で具体的な問題が見つかってきた場合に、それを取り入れて新しく具体的な方法と か考え方の書き込みをするのが適切だと思います。  そういう意味で私が申し上げたいのは、検討会はこれで終了したかもしれないけれども、 安全性確保についてのこれからの動きは、これからも継続されていかなければならないと いうことなので、今回の検討会はこれで終了したかもしれないけれども、行政、産業界、 消費者団体、そういう方々の集まりとか提携は、今後も必要な時点で続けていただきたい ということをここで確約をいただきたく意見を申し上げました。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。  確約してほしいと、今後の行政、産業界、いろいろな団体で検討を進めるということに ついてですけれども、行政としては当然やっていくべきことだと思いますので。 ○玉川室長 まさに今回の報告書というのは、これ自体が設計図みたいなものでありまし て、実際に個別の製品についてこうした取り組みが行われるためには、一歩先行している GMPについても認証協議会を立ち上げて、そこでの水準をどういうものにするか、普及 啓発を図っていくかという課題がありますし、更に安全性確保についてはまだ認証を担う ような機関が現れておりません。そうしたものが整備されていって初めて、事業者も利用 し得るものとなるということですので、どうやってそうした段階にまで関係者が、ここで 得たコンセンサスをベースにしながらに取り組みを進めていくかということで、報告書が 出た後の方が、むしろ忙しいのではないかと考えております。  また、アドバイザリースタッフについても同様でして、抽象的なことは書いてあるんで すけれども、どうやって水準を確保していくかということについては、まさにこれからの 取り組みであります。この検討会は委員の皆さんの大まかなコンセンサスを形成する場で あったと思いますが、それを動かしていく、実際に外部から見てちゃんとしたものとして 動くかどうかというプロセスはこれからのものですので、是非そうしたところにもわたっ て、委員の方々には御指導・御協力いただきたいと思っております。 ○大野座長 ありがとうございます。  では、ほかの御意見ございますか。 ○大濱委員 安全性認証の本質的なことについてお話ししたいことがあるんですけれども、 安全性の認証というのは、認証することによって認証に基づく責任というのが生じるだろ うと思うんです。責任というのがどの範囲にまで及ぶかということを明確にすることが極 めて重要だと感じるんですけれども、特に、認証してマークをつけたときに、その認証し た結果によって生じる責任の範囲がどこまで及ぶかということが消費者に理解されないと、 消費者の受けとめ方に差が生じた場合には、かなり大きなミスリードを招く可能性がある だろうという気がいたします。この報告書の7ページの3行目に「安全性確保を実現する ために必要となる過程を経た製品であることについて、その時点の知見に基づき、第三者 機関である外部機関が確認したに過ぎず、その製品の絶対的な安全性を保証するものでは なく、また有用性を保証するものでもない」と書いてありまして、認証に製品の絶対的な 安全性を保証していないという情報が実は既にこの時点で含まれているということになる と思うんです。そうなると、認証したという事実あるいはマークを消費者が見たときに、 その理解がどこまで及ぶかということにかなり大きな差が出る可能性があって、消費者は そこからミスリードして、安全性について過信してしまうというようなことも起こりかね ないという気がいたします。  安全性認証に伴う責任と、その責任の範囲がきちんと消費者に理解されるような手だて というか仕組みを考えていかないといけないかなという気が強くいたしております。  また、実際にその責任を誰が負うかというのは、最終的には食品衛生法とか食品安全基 本法に基づく事業者の責務というところに行き着くわけですので、そことの関係もきちん としておかなければいけないという気がいたします。  それから、もう一つ安全性認証にかかわる重要な問題は、認証のプロセスの透明性だろ ういう気がいたします。消費者がこれは安全ですと言われたときに、実際には安全確保を 実現するために必要となる過程を経た製品であることの認証、いわばプロセスの妥当性の 認証が安全性認証という形になるというような印象を受けています。そうなると、消費者 の視点から見て、安全性がどのような形で認証されているのか、どういう基準に基づいて どのようなプロセスを経て認証されたかということが、個々の成分ごとに明確になってい かないと、消費者にとっては安全性の意義が十分に伝わらないという気がいたします。こ の透明性の確保ということをどう考えるかが重要です。これは言ってみれば、いわゆるリ スクコミュニケーションに通じる考え方だと思いますので、やはり認証というプロセスの 中にそこまで含めたものを何らかの形で盛り込んでおく必要があるのではないでしょうか。 できれば報告書の中にもそこを盛り込んでいただければと思っております。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○玉川室長 考え方といたしましては、御指摘があった7ページの3段落目、4段落目に 先生の御懸念に間接的ながら答えるところがございまして、消費者がこうした取り組み、 責任関係も含めて、こうした声について意味を理解していないとしようがないと。そこに ついてわかってもらうための取り組みについては、一義的には認証機関において、こうし た普及啓発を進めることの今後の担い手として考えているわけでありますし、それから、 資料1−4の4枚目にありますが、第三者認証の仕組みの認証協議会といったところも、 こうした普及啓発のための活動を行っていくということになろうかと思います。  先程林先生からコメントがありましたように、この報告書の中でどこまで書くかという 問題でもあるんですが、実際の普及啓発の一番いい在り方、あるいは責任関係の中でどこ まで具体的に民事上の責任が設定されるかといったところは、この報告書の中で全部を書 き切るというよりも、実態に合わせた形で認証協議会の場で議論をされて、そこがオープ ンにフェアにやっていくことが重要ではないかと考えております。したがって、この場で 概念といったものについては、認証について過程を経た製品であるということを強調して 言いましたり、その意味がわからなければかえって誤解を招くのでよろしくないといった ことについては指摘しておりますけれども、繰り返しになりますが実際にどうやって普及 啓発をしていくか、あるいはどこまで事業者との間で責任関係があるか、内部関係でどこ まで責任を負い合うかといったことについては、認証協議会の場で具体的な事案に即して 議論を行うことが適当と考えております。 ○大濱委員 確かにその後に、例えば、消費者に対して安全性や有用性について誤解や過 大な期待を生じさせるとか、いろいろ起こり得る問題についての指摘は説明されているわ けですけれども、現実にはこの問題の指摘によって、実際には起こり得るいろいろな問題 点が、必ず解決される方向に向けて努力がなされる保証にはどうもならないような気がし ています。  私も林先生の先ほどの御意見は大変賛成でございまして、やはりこれだけ重要な問題を 議論していくときに、検討会は一つの設計図として出された、その設計図を具体化してい くための具体的な取り組みというものをきちんとここで決めておくということが恐らく必 要ではないかと思います。そういう意味で、安全性の担保について消費者との間でコミュ ニケーションをとることの重要性とその意味をきちんと押さえておかなければいけないと 思います。少なくとも、安全性の認証のプロセスには透明性が維持されなければいけない というような大切なことは入れておいた方がいいのではないかという気がいたしています。 ○大野座長 いかがでしょうか。  認証手続の透明化とか、そういったものの透明化が必要であると。それが、結果として 責任の所在とかそういうものを明らかにすることになるということですね。 ○大濱委員 そういうことですね。 ○大野座長 そういう文面を入れるとすれば、7ページの3の前「このため、第三者認証 機関においては」に入れることになるかなと思いますが、いかがでしょうか。透明化の必 要性みたいなことですね。 ○金谷委員 今のところに関連しまして、7ページの3段落目の最後のところです。「消費 者がこうした取組みの意義について理解し、一定の評価を与えるようになることが期待さ れる」という表現の仕方というのも、悪い言葉ですが、何か人ごとのように見えてしまい ますので、逆に、消費者にこうした取り組みの意義について十分理解されるような取り組 みを一層進めていかなければならないというような、もっと前向きな形に表現していくと。 併せて、第三者認証機関において認証の仕組みを透明化するとか、もう少し具体的に言い ますと、認証についてもう少し具体的に記載することによりまして、具体的にどういうこ とをこの認証機関が行っていくのかという辺りのイメージがわいてきて、それをもって消 費者に対してこういう取り組みについて理解を求めていくというように全体的に変えてい ただけると、こういう誤解も減ってくるではないかと思いますので、その辺りをもう一度 お考えいただければと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○鬼武委員 ほかの点でよろしいですか。全体の文章なので、これが適切かどうかわかり ませんが、2ページの3つ目のパラグラフ「上記のような状況を踏まえ」とあるのですけ れども、もし可能ならば、例えば、ヒアリング希望のあった何団体何人からヒアリングを 実施するとともに、平成19年何月何日から何月何日(3週間)にわたる意見募集を行い、 その結果、何件の意見が寄せられたとか、少し具体的に、ここは事実としてあったわけで すから、私は読んでいるときにそれがあった方が別の資料で見る必要もないので、いいと 思いました。それが1点。  それから、これは単純なミスですけれども、4ページの下のISOの正式名称ですけれ ども、International Organization 「of」ではなくて「for」ですので、これは訂正をお 願いします。 ○大野座長 ありがとうございます。  そのことに関連してもう一つあって、5ページの一番上で「『健康食品』の製造過程につ いて特化して構築されたGMPの考え方」となると、GMPが健康食品のことしか考えて いないような感じになっていますが、医薬品などについてもGMPの制度があるわけです ね。ちょっと表現を変えた方がよろしいのではないかと思いました。 ○玉川室長 ISOほどどの分野の工場でも導入を義務づけられるものではないという意 味ぐらいで、ここは使っておりますので、検討させていただきます。 ○大野座長 ほかにございますか。 ○林委員 先ほどの大濱先生、金谷先生からリスクコミュニケーションのことを言われま して、特に透明性のことについては私もそのとおりだと思っております。  食品安全についてのリスクコミュニケーションで取り上げなければならないことは、一 つは透明性の問題だと思います。もう一つは、リスクアセスメントについての問題です。  絶対的な安全性を保証しているものではないということは、絶対的な安全性を事実に よって確認することはできない。だから、保証できないということになるわけですね。し かし、それだけの説明では消費者にとっては懸念が増すだけなんです。この問題は、食品 だけじゃなくて医薬品でも同じです。しかしよく考えてみると、絶対的な安全性は保証で きないのは全ての面で保証できないというわけでもないですね。絶対的な安全性が保証で きないのは、安全性の確認のこの部分であると明確に特定できれば問題の解決につながり ます。医薬品については非常によくこの点の検討が進められているわけですけれども、食 品についてはこういう点が少し不十分かなと思いますので、この安全性確保の検討会を きっかけにして健康食品についても、そういう点をきちんとまとめる必要があるんじゃな いかと思います。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。  絶対的な安全性を保証するものではないと言うと、先生がおっしゃるように、すべての ものについてそういうことが言えるわけですね。やはり現時点での科学的な知見に基づい て安全性を確認したとか、そういうことの方が。 ○林委員 そう思いますが、やはり法律の方が厳密に書こうとすると、こういうふうにな らざるを得ないのではないかと思うんです。私たちが書くと、また別な書き方になると思 いますけれども、そうするとわかりやすいけれども、ちょっと厳密が欠けるということに もなりますので、どういう表現をするかということは難しいと思います。ですから、これ はこういう表現にしておいて、解説書を別に設けるということも一つかなと思います。 ○玉川室長 実際に何をやっているかはキーワードの解説に一応書いておりまして、そこ まで併せて読んでいただければというのがこちらの気持ちでございます。いろいろと本文 の方で注釈を加えるというやり方もあるのでしょうけれども、そこには限界もありますの で、キーワードの解説といったところも併せ読んでいただければと思っております。 ○大濱委員 今のことに関連するんですけれども、ゼロリスクはあり得ない、あるいは 100%安全性はあり得ないというのは、科学的にも常識的にも確立している考え方だと思う んです。安全性というのは閾値という視点で本当は見なければいけないので、消費者に伝 わる情報というのが、その観点まで果たして及んでいるかどうかは、かなり重要で難しい 問題だと思います。  今、玉川室長は解説をつけてあるのでとおっしゃったんですけれども、多分、安全性を 認証して、それを消費者に理解してもらい、消費者が選択をする際の基準にする上では、 相当しっかりした説明というか、解説を消費者に対して出していかないと、恐らくわから ないと思います。林先生がおっしゃるように、私もそういうものをつくる努力というもの も、後の作業の中でやるべきではないかと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。私もそのとおりだと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○永留委員 ちょっとまた別の話になるんですけれども、4ページの「このような評価が」 という第2パラグラフでございますが、ここでは事業者自体において調査能力の水準確保 ということで、これを促進するための取り組みが事業関係者全体において講じられること も重要であると述べられております。これは業者間格差といいますか、そういった調査能 力による大きな差というのは否定できないことでありまして、これは今後業界としては努 力していくべき問題だと思います。  あと、もう一つ9ページになりますが、これは3つ目のパラグラフで「また、市販後の 苦情対応、相談窓口等の機能の充実により、製造時の安全性確保へのフィードバックも期 待される」と書いてありますけれども、これも業者さんによってはこういった相談窓口と か苦情対応がまだ十分でないところもございますし、また、あってもいわゆる苦情があっ たときに、ただ企業防衛に走るといいますか、本当の原因究明という面の努力がなかなか 足らないところも多分あろうかと思います。こういったことも業界全体でレベルアップを 図るといった取り組みが必要かなと思います。これは2行ほどで簡単に書いてございます けれども、業界としては深く受け止める問題かと思います。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○宗林委員 1点確認ということですが、10ページの第3パラグラフになりますが、「消費 者による過剰摂取を避けるためにも、『健康食品』における正確な成分表示を前提として、 適切な摂取目安量の表示や注意喚起表示が理解されるような取り組みが必要であり」とあ ります。これまでこういう公式的な文書の中で「正確な成分表示を前提として」という言 葉をお見かけしたことがなかったような気がしましたので、私は大変評価しておりますが、 書かれた事務局側の方に健康食品は成分表示を前提としているんだというところを確認さ せていただきたいと思います。 ○玉川室長 適切な目安量だけということではなくて、そのところについては誤った成分 の表示ということであれば、そうした前提も崩れてしまいますので、情報として表示する に当たっては、なるべく正確な情報を提供する。その際には、成分ということについても 新しい情報を、書き方については医薬品との関係でいろいろなルールがあることはござい ますけれども、その範囲内でちゃんと書くべきものについては、しっかりとした新しい表 示をするということが大前提だろうと思っております。 ○宗林委員 ありがとうございました。 ○鬼武委員 私もここは大切な部分だと思います。それで、正確な成分表示とは、例えば 栄養成分表示を含めてという一般的なこともあるのかということ、もう一つ、例えば、成 分表示を行おうとしても、まだ定義が定まっていないとか、分析が定まっていなくて本当 は正確にしたいのだけれども、例えば、大豆イソフラボンと言っても今分析法が幾つかあっ て、多分違う形で表示は一般的にはされていると思うのですけれども、そういう場合は何 をもって正確な表示と言えるか、ちょっとこの辺は疑問があると思いますがどうでしょう か。これは何を指しているのでしょうか。 ○宗林委員 ここは、私が読み間違えていなければ、正確な成分表示を前提として適切な 摂取目安量の表示や注意喚起表示が理解されるということなので、いわゆる一般的な栄養 成分、ということではなくいわゆるそれ以外の特有な成分についてという意味で理解して おりまして、大豆イソフラボンの場合は勿論それが栄養でもあり、機能性の成分でもある かと思いますが、栄養というよりはその商品に含まれる機能性を持つ、特有成分のことを 前提としているのかなと思いましたが、鬼武先生も同じような意味でしょうか。 ○鬼武委員 どっちか確認したかったのです。 ○玉川室長 栄養成分表示が排除されるものではありませんけれども、健康食品特有とい う意味で言いますと、まさに何が含まれているのかというか、まさに栄養的な観点という よりは、原料といいますか、どういう成分から成っているかというところについての話だ ろうと思います。 ○大野座長 そういう理解でよろしいですか。 ○鬼武委員 はい。 ○大濱委員 今の正確な成分表示のところなんですけれども、私もちょっと気になってい まして、やはり正確な成分表示をするというためには、何らかの基本的な考え方が示され て、ルールがないとできないと思うんですね。それも解説とか説明のところで十分に書け ばいいのかもしれませんけれども、ただ、正確な成分表示を前提とするということだけだ と、実際には実態がなくなってしまうという心配があります。 ○玉川室長 こちらの文章で書きたかったことは、ややもすると健康食品の場合、虚偽の 表示とか、入っているにもかかわらず一部のものについては入っていないという形でやっ ているものもなしとは言えないといったようなところから、そうした正確な表示が前提と なってということを言っているものです。したがって個別の成分についてのルールなどを 詳細に報告書で別表などにして書くつもりはありませんので、そこは御理解いただければ と思います。 ○大野座長 成分表示というと、ケミカルに細かいものまで記載しなければいけないとい うことは、同定できないからできないだろうというのが鬼武先生の御意見ですね。  原材料、例えば、大豆がどのくらい入っているかとか、そういうレベルの成分表示、大 豆の中のイソフラボンが幾ら入っているかという、ケミカルな部分の成分表示と両方入っ ているわけですね。両方を含んだ表現ということですよね。そこのところが成分表示と単 に書いてしまうと、ケミカルにとらえてしまう可能性がある。それは必ずしも対応できな いという。その表現は若干考える必要があると。 ○玉川室長 そこはいろいろな方から御意見をいただいております。たしか宗林先生から も御意見をいただいたと思いますけれども、むしろ具体的にどのような意味で使われてい たのかを確認させていただければと思いますが。 ○宗林委員 私は健康被害という観点から、過剰摂取等を避けるために適切な摂取目安量 の設定ということを各事業者さんがされて、それを目安に消費者が飲んでいただくための 成分表示というような観点で私は受け止めたいと思っております。そういう観点では、い わゆる関与成分、機能性のある成分を多量に飲むようなことはないというような観点で、 なるべくは成分といってもケミカルな意味の関与成分表示に近づけていただくような形の 表示を期待しております。実際の表示は今まだ大分ギャップがあります。原料としてこの ぐらいエキスが入っていますよという表示から、今ここで話している非常に厳密な成分表 示という意味では、数値自体大きな差になります。それをどこまで近づけるかという問題 はございますけれども、基本的には健康被害を避けるという観点からは、なるべくケミカ ルな成分表示という観点でお願いしたいと思います。 ○松本委員 今の点なんですけれども、そもそも認証の段階で原材料の安全性確保につい て認証するということですよね。それをするためには当然、原材料が安全かどうかについ ての認証基準というのができていなければならないわけで、その認証基準が一体どういう レベルでつくられるものなのかが、恐らく先ほどの成分表示のところに連動してくるはず だと思うんですよ。認証していないようなことについてまで表示で出せるわけはないで しょうから、したがって、原材料のどのレベルで、ケミカルなレベルでの安全性の認証を やっているのであれば、そのことになるんじゃないですか。当該原料の大豆に何か微生物 が一緒についていて病気になるというのは別の話ですよね。 ○玉川室長 ポイントとしては2つありまして、1つは、認証の段階でどこまで見ている かという問題と、もう一つはそれとは別に実はここの部分というのは一般的な健康食品の 普及啓発のところですので、認証を経ていない製品の場合であっても摂取目安量というこ とは健康食品については表示していただくよう求めているところでして、認証がとれてい ない製品についても情報提供に努めていただかなければならないということがございます。  また、そもそもの認証のところでどこまで見ているかという話ですと、原材料自体がど ういう特性を持っているかということをしっかり見ていただくというのと、それから、そ れがGMPの段階で製造工程管理としてどういう管理がなされていくかというところです ので、その管理のポイントの中にどこまで具体的に見ているかという問題が引き続き残る と思うんですが、そこはむしろ実務に携わっておられる方の方から補足のコメントがあれ ばと思います。 ○林委員 私は、宗林先生の言われたこと、非常に細かいことを言えばいろいろあると思 いますけれども、とにかく成分表示を前提として適切な摂取目安量表示、あるいは別のと ころで書いてありましたが、使用法、注意喚起表示が理解されるような取り組みが必要だ ということは受け入れていいんじゃないかと思っております。  ただ、問題になりますのは、このような目安量の表示とか注意喚起の表示となりますと、 しばしば食薬区分の問題に絡んできます。大事なことは、こういうような表示を、従来は 薬事法違反であるかもしれないという立場で行政官が扱う例が多かった。今後は、健康食 品の安全性確保の推進に役立つかどうかという立場から見るという方向にシフトする考え 方を持っていっていただきたいと思います。薬事法違反になるかもしれないという立場と は別に、健康食品の安全確保の推進という立場から表示を見直すということ、これは行政 官の方、特に地方自治体の委員の方にお願いいたしたいと思います。  以上です。 ○永留委員 今の部分なんですけれども、正確な成分表示ということに加えて、適切な摂 取目安量とは安全性に関する科学的根拠に基づいているという視点も入れていただければ、 よりおわかりになるのではないかと思います。 ○大野座長 もう一度よろしいですか。 ○永留委員 単なる成分表示を正確にしても、それが過剰な配合設計量であれば安全性は 確保できないわけなので、安全性に関する科学的根拠に基づく摂取目安量という意味合い があるかと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○松本委員 1点質問ですが、先ほどの話に戻るんですが、原材料の安全基準に関する認 証基準の中に、この成分についてはこれだけ摂取すると危険であるというのは入るんです か。つまり、摂取量自体が安全基準の中に入っているんですか、入っていないんですか。 ○大濱委員 本質的には入っているんじゃないですか。 ○松本委員 入ってくるのだとすれば、それが表示にも当然連動すべきものでしょうね。 ○玉川室長 そもそも製品の設計として、一般にはそういうところに安全率をかけたもの 以下でそうしたものが設計される必要があると考えております。あとは、どこまで表示す るかということで、逆に言うと、微量に含まれ得るものがネガティブに入っていないとい うことをどこまで書く必要があるのかとかいうことにもつながるとも思いますけれども、 機能性など前提としているものであれば、それが一定のレンジであるということが成分な どのところで提供すべき情報に入るのかもしれません。 ○宗林委員 私もこの会議が始まってからずっとこの部分については、今、表示に特化し て表現されているような形になっていますが、このところで何度も発言しているんです。  本来はいわゆる健康食品の持つ原材料から抽出あるいは濃縮してきたような特有成分に ついて、原材料あるいはGMPというところでもそうかもしませんが、製品をつくる段階 で安全性を確保するのに関与成分の適切な量というものを、きちんと科学的根拠に基づい て担保するということが盛り込まれることをずっと希望してきたんです。それが、最後ま で明確な文章にならなくて、ここの表現で摂取目安量を適切にすることで、それを担保し ますというような表現になっているかなと思って受け止めましたので、そうですねという 確認をさせていただきました。  その前に、厚生労働省さんの方では摂取目安量についてのガイドラインとか、適切に安 全性の担保をするために医薬品でも同じ成分が使用されることのある成分については医薬 品成分量を超えないようにとか、あるいは特保に関しても食品安全委員会で出されたもの もありますので、それを表現としては表示のところで集約されたのかなと受け止めてはい たんですが、本来は、いわゆる安全性を担保する上での途中の段階、原材料とかGMPの 段階で、いわゆる特有成分・機能性を有するというようなものについて、安全性を担保す るためにどのようにしていくのかというところで、大きく本当は書き込んでいただきたい と思っておりました。ただ、ここで一応は担保されているなという確認をさせていただい たということです。 ○大野座長 原材料の安全性評価と製造工程での安全性にかかわる評価、それは当然やっ ていると。最後の確認をここでということになると思うんですけれども。  ほかにいかがでしょうか。 ○金谷委員 今の10ページの3段落目の最初の方の話に立ち返って恐縮ですけれども、 「『健康食品』における正確な成分表示を前提として」というところが間に入るから非常に わかりにくいのではないかと思います。ここでは、消費者に対しても適切な摂取目安量を ちゃんと守るということを伝えることが大事で、そうしないと過剰にとり過ぎてしまった りする場合もあるので、そういうところをきちんと消費者にも知っていただき、製造段階 できちんと守ることが事業者に求められるという話ですから、「『健康食品』における正確 な成分表示を前提として」というのは、あえてこの間には入れずに、例えば最後の方で、 このようなことを適切に実施するためにも、事業者によるGMPに基づく適切な製造と正 確な成分表示が大事であるというような話を別の文章で書いていただいた方がわかりやす いのではないかと感じました。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○田中委員 私は、これは苦肉の策だと理解しております。例えば、この成分というのを 栄養素ではなくて、非栄養素、いわゆる関与成分というものですか。先ほどもイソフラボ ンでありましたように、表示がある程度できるものもあれば、全くできないものもあるの ではないかと思います。もし、明確にそれがあって、しかも、有効性を得るに適切な目安 摂取量というのがわかれば、はっきり言いましてそれは特保ですよ。これは特保を除く健 康食品ですから、そういうことが非常に難しいのではないか。成分もどれくらい同定され ているか、とれくらいの量が入っているか、あるいは分析法の問題もあると思います。で すから、適切な摂取量も、過剰な摂取量と過剰にならないようにするにはどうしたらいい のかというのも多分わからないのではないかと思います。  例えば、栄養素でさえも適切な摂取量、要するに必要量というのがわからないものがま だあるんですね。新しい食事摂取基準を前回策定したわけですけれども、その上限量につ いても栄養素でさえも非常に難しい現状であるわけです。ですから、私はある意味では玉 虫色表現的なことで、これで十分ではないかと。これ以上の表現は極めて難しいと思いま す。だから、宗林委員がおっしゃっているように、ここで押さえておかないと収拾がつか ないのではないかと考えております。 ○宗林委員 私も表現自体はこれで。ただ、いろいろな要素がありますので、盛り込んで いただいたことを評価するのと同時に、お話をさせていただいただけです。 ○田中委員 だから、そういう意味では書けるものは書いてくださいねというような意図 だと思いますが、そうしたらみんな書かなくてもいいのかということになってきますので、 まさに適切な表現と言わざるを得ないと思いますね。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○林委員 先ほど金谷先生から正確な成分表示を前提としてということがわかりにくいと いうことで、ある面ではそうなんですね。ところが、正確な成分表示を前提としてという ことがあるから、この文章が生きてくるという面もあります。もう少し正確に言いますと、 これは健康食品について正確な成分表示を前提として設定された適切な摂取目安量あるい は注意喚起表示という意味なので、この成分表示というのは今までの厚労省の文書の中に はなかった、苦肉の策かもしれないですけれども、いい表現だと思いますので、これは残 していただいた方がよろしいなと思います。  ただ、「前提としてつくられた」とか「前提として設定された」とした方がわかりいいか もしれないと思います。 ○大野座長 皆さんの御意見は、この内容は残すと。ただ、若干表現は変えた方がいいか もしれないということでよろしいでしょうか。  ほかに御意見ございますか。 ○鬼武委員 10ページの4つ目のパラグラフで、アドバイザリースタッフについて言及さ れています。7回目か8回目にアドバイザリースタッフについていろいろ議論されて、た だ、かなり二重団体がいっぱいあるということと、私がここで感じているのは、やはりア ドバイザリースタッフについては、まず、どこに所属するかもあるのですが、整理はされ ないといけないと思っていまして、そのことが前提にあって、消費者に認知されることが 必要という以前の問題が、まず、アドバイザリー制度については今、日本の中ではまだ混 乱した状態にあるのだったら、そこの整理が必要であると一つは感じています。  あと、もう一つ足りないとすれば、このアドバイザリースタッフというのは、例えば店 舗では指導とかいろいろな形でできるのでしょうけれども、圧倒的にいわゆる健康食品と いうものはどちらかというとインターネットやテレビショッピングで購入している人が多 いので、そちらの規制については今回余り話にならなかったのですけれども、やはり今後 はもっとそういう点に注意するなり、規制当局が規制をかけていく必要が私はあるのでは ないかと思いまして、もし可能ならばそういう点も書いていただくか、もしくは今後の課 題と入れていただければと思います。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかにございますか。 ○大濱委員 今まで安全性認証についてはたくさんの議論がなされてきて、いろいろな形 でのコンセンサスに近いものは得られているのだろうと思うんですけれども、私はまだ マークについて一つ心配があって、なかなかその心配がとれないんです。マークというの は先ほども議論にありましたように、安全性認証は絶対的な安全を保証するものではない という情報も含まれなければいけないと。その安全性を確認する手法がきちんとなされた ということの結果として示されるマークであるとすれば、やはりマークが持っている意味 合いというのはかなり深いんですけれども、マークというのは極めて単純な視覚的な認識 手段であって、そこからいろいろな意味をくみ取るというのは非常に難しいと思うんです ね。そういうことから考えると、消費者はかなり抽象的な印象的判断をマークからせざる を得ないかもしれない。その結果が、さまざまなミスリードにまで及ぶ可能性があるよう に思えてならないんです。そういう意味では、むしろマークではなくてもっと明示的な文 章で安全性認証の持っている意味と限界を、簡潔ではあっても明示的に示した方がいいの ではないかという疑問が、いまだに払えないでおります。今後、具体的な第三者認証のた めの協議機関といった作業にこれから移っていくと思うんですけれども、この問題もそこ まで含めて、あるいは専門家たちの作業に委ねる方がいいのではないかという気がいたし ておりまして、マークの問題については、やはりその心配があることを申し上げておきた いと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  マークについても今回は原材料のことと、GMPのことと2つ新たに付け足しているわ けですね。それを一本化するということはできないんですか。 ○大濱委員 私の考えでは一本化はできないと思います。というのは、品質水準を規定す るマークと、安全性というもっと複雑なニュアンスを含んだものを示すマークとは全く次 元が違うと考えていますので、一本化はできないんです。品質水準についてはある程度の 基準を設けて一定のところを満たしているということで、品質を確実的に評価をすること はできると思うんですけれども、安全性に関しては安全性という言葉が持っている意味の 深さから考えると、そう簡単には片付かない問題ではないかという心配を感じています。 ○玉川室長 マークの表記については、いろいろと御議論があると思います。逆に言うと、 この報告書全部を使っても語り尽くせぬところがあるわけでして、今言ったように安全性 とGMPと両方の課題がある中で、どこまで簡潔な文言で製品上に書けるのかという問題 もあると思います。したがいまして、マークを表示することが消費者への情報提供として アルファであり、オメガであるというものでは決してございませんで、その意味について は認証機関あるいは認証協議会で十分な周知ということをやっていかなければならないで すし、行政もそうした取り組みを一緒になって普及啓発に努めるべきものと思っています。  製品上に簡潔に2行で書けるのであれば、むしろその方がいいのかもしれませんけれど も、なかなか実際に取り組みを書くとなると、用語集をつくってみても1行で書くという のもまた難しいところです。免責条項みたいなものは書けるのかもしれませんが、それが 本当の意味で消費者に伝わるものかどうかというのもよくわかりません。周知のあり方は 実際の協議会なりが立ち上がった場で具体的な取り組みとして御議論いただければと思い ます。 ○大濱委員 今の点ですが、おっしゃるとおりだと思いまして、文章で書けばすべてが明 らかにされてきちんと消費者に伝わるかというと、それはかなり大変なことだと思います し、1〜2行で簡潔にすべてを言い尽くすことはできないと思うんですが、いずれにして もマークというものは非常に抽象的な表現でしかないということになりますので、その危 険性はマークの方が私はより大きいのではないかという感じです。おっしゃるように、こ の問題というのは協議会等でもっともっと詰めないといけない問題だと思いまして、そう いう宿題はどうしても今後の課題として残していかなければいけないと思っています。 ○大野座長 先ほど指摘があった第三者認証の透明性の確保とか、そういうところにもつ ながってくるのではないかと思いますので、そういうところできちんとやればマークの意 味も一般の人が知りたいところだけ確認できるということでいいのではないかと思います。 ○田中委員 今、認証協議会が出てきましたが、色刷りの4ページに載っているんですけ れども、具体的にはどんなイメージなんですか。法人みたいなものにされるんですか、厚 生労働省の審議会の中の一つの部会のようなものにされるんですか。それとも、林先生の 日本健康・栄養食品協会の下につくられるんですか。イメージ的にはどういうことを事務 局は考えておられるんですか。 ○玉川室長 一応これ自体は民間の取り組みということですので、認証機関から代表者に 出ていただいて、更に外部の委員として学識経験者でありますとか、消費者目線のわかる 方、あるいは製造事業者、こうした方も加わっていただいた形で認証機関の共通ルールを つくるというもので、実際には認証機関が事務的な作業をある程度負わないと、実際の運 営ということは難しいかと思っております。 ○田中委員 法人的なものではないんですね。 ○玉川室長 随時常設の事務局を置けるかどうかというのは、その事務量にもよると思い ますし、とりあえず準備会みたいなものを認証機関の関係者と立ち上げるような形で、実 際にどういう規模のものを用意するか検討していきたいと思っております。最終的に法人 格がとれるかどうかというのはあると思いますが、余りここのところで過剰なコストがか かるようなことは避けたいと思っておりますので、スリムな組織で、でも、しっかりと見 ていただけるようなことを、相矛盾するようなところもありますけれども、よく関係者と 調整を図っていきたいと思います。 ○大野座長 時間が迫ってきたんですけれども、言い残したこととかもしございましたら お願いします。 ○梅垣委員 制度ができたとき、一番問題になるのは普及啓発のところなんですね。いい 制度をつくっても、消費者に伝わらなければ全然意味がない。マークにしてもそうです。 そういう意味で、栄養研究所が行っているNRやアドバイザリースタッフの質をきっちり 担保して、そういう方を介して情報を消費者に伝えるというルートが重要です。この報告 書自体は非常によくできていると思いますから、今後の取り組みとしてそういう取り組み を考えていただきたい。せっかくつくったものに実効性があるかどうかということにか かってくると思います。今後そのような取り組みを積極的に推し進めていただけるような 後押しをしていただければと思います。 ○内田委員 私の方は健康被害が実際に出たときの情報収集の現場にかかわるということ で、田中先生にも協力していただいて、医師会の中でそういうシステムをつくっていこう と思っているんですけれども、やはり現場の先生たちの認識がなかなかそこまで回らない といいますか、忙し過ぎるというのもあるんでしょうけれども、情報が足りないというの も一方であると思っておりますので、その辺の取り組みを行政とも連携しながら進めてい かなければいけないということと、もう一つは、消費者が実際に健康食品をこれから使う という機会がどんどん増えていく。情報も宣伝広告も非常に多いですし、さまざまなルー トがこれから出てくると。先ほどインターネット話もありましたけれども。そういうとこ にどこまでこのシステムをつくってかかわっていけるかというところが非常に大きな現場 での問題になってくるかなと思いますので、後手後手にはなるけれども実際に被害が出て から、そこへの対応、そこから情報を収集して、それを集約して、また情報提供につなげ る、あるいは今後の対策予防につなげるというところの取り組みも一方で非常に重要だな ということを感じております。よろしくお願いします。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかにございますか。 ○鬼武委員 9ページの「4.消費者に対する普及啓発」の2パラグラフ目の「健康な食 生活の基本はバランス」ということが一番重要なことだと思います。それでいきますと、 一般的に消費者は疾病の予防とか回復まで期待する人が多くて利用しているのです。です から、「なしとはいえない」というより「少ないとはいえない」と、もっと多いように私は 思ったものですから。その表現があった上で「しかしながら、重要なことは健康な食生活 の基本はバランスのとれた食事である」ということで、厚生労働省がいろいろな形で特保 もそうでしょうし、一般的には基本は食生活である言っていますから、その点を少し強調 するような文章にしていただければ幸いです。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかにございますか。 ○林委員 内田先生にお聞きしたいんですけれども、先ほど現場の先生の認識が少し薄い ということを言われましたけれども、どういう点の認識が薄いのか、どういう情報を提供 すれば関心を持っていただけるのかということを教えていただけますか。 ○内田委員 現場の先生方は、やはり健康食品そのものについても余り御存じないです。 それから、そういうものによる健康被害の実態ということに関しても、まだまだ情報は周 知されていないです。ですから、田中先生にも御指導いただきながら、いろいろな情報提 供もやっているんですけれども、一応、情報収集システムは3万人ぐらいの先生方にかか わりを持っていただいていることにはなっているんですが、その中で情報が集まってくる のは昨年度で30件ぐらいで、それも非常に限られた先生しか出していただけないという状 況なんですね。実際にはもっともっとすごい数で、健康食品をとったため何らかの症状が 出て医療機関を受診したという方がいらっしゃると思うんですが、診療するときにそうい うものが頭の隅にないと、これは本当に健康食品とか食品から来ているものかという情報 の最初の段階でのかかわりがつくれないという現状があるのではないかと思っています。 ○林委員 医師会の先生とお話ししたときに、忙しいから見開き2ページで理解できるよ うな、作用メカニズムを中心とした情報を提供してくれと、そうすれば我々はわかるとい うことを言われたんですけれども、そうでしょうか。 ○内田委員 そういうところは確かにあるかと思います。実際に診察室においてぱっと手 にとってすぐわかるというようなガイドライン的なものがあれば、非常に有効だと思いま すので、それも今後検討させていただきたいと思います。 ○大野座長 よろしくお願いいたします。 ○宗林委員 内田先生にもう一点。例えば、初診でかかる場合に、ほかに服用しているお 薬を書かれる部分が必ずあると思いますが、最近、健康食品なども対象にちょっとされて いるかなと思う場面がありますが、その辺はいかがでしょうか。 ○内田委員 これは薬剤師会の取り組みでもお薬手帳というのがありますから、それは非 常に普及してきておりますけれども、健康食品についてまで言及した患者さんの方から情 報提供していただくというシステムは、今のところないですね。問診で聞くことはありま すけれども。 ○宗林委員 最初にかかるときに、現状でどこが痛いですかと書く紙の中にも全くなかっ たでしょうか。 ○内田委員 健康食品に関しては今のところないと思います。 ○宗林委員 ありがとうございました。 ○東洋委員 薬剤師会の方は、今、内田先生がおっしゃったように、お薬手帳の中で健康 食品についても最初の問診で全部報告いただいて、関連があると思うものはドクターに フィードバックするというような指導を今しています。数的には少ないかもしれませんけ れども、数日前の例で言えば、逆流性食道炎の方が多くなっておりますが、原因としてカ ルシウム拮抗剤による影響や高齢化だけではなく、発症がたまたま健康食品を飲まれた時 期と一致していて、原因がそのカプセルによるゼラチンだったとか、コラーゲンだったり、 コンドロイチン硫酸などによってもともと胃の弱い方が逆流性食道炎を訴えているという ようなケースがあり、それをドクターに報告し、服用を中止することによって治ったとい うケースもありました。 ○内田委員 私の認識が足りなくて申し訳ありませんが、お薬手帳を持ってきていただく 患者さんはかなり増えてはいるんですけれども、我々がチェックするのは直近で何を使っ ているか、何を飲んでいるかというところを見るのが主であって、健康食品だからどこに 記載するかというところを工夫していただいて、また、健康食品に関しても情報収集して いるということをアナウンスしていただくといいと思います。 ○東洋委員 わかりました。 ○大野座長 ありがとうございます。  ちょっと細かいところなんですけれども、3ページの第1パラグラフですが、「自主点検 や適正な製造工程管理に関するガイドラインが厚生労働省において作成され、提示されて きたところである」というところ、こういうことが書いてあるとそれを見てみたいなと思 う人が出てくると思うんですけれども、引用を入れられないかなと思うんですが。名前が あるとインターネットですぐ探せるんですけれども、入っていないと探すのに非常に苦労 するので。 ○玉川室長 わかりました、引用を入れておきます。 ○大野座長 お願いします。  ほかにございますか。それでは、いろいろ御意見をいただいて、私もなかなかまとまり がつかないところが多かったんですけれども、今までいろいろいただいた御意見を基に修 文を事務局と一緒にさせていただきたいと思います。細かい点については、私と事務局に お任せいただけたらと思います。もし大きなところがあったら、先生方に持ち帰って御検 討いただくことになるかしもれませんけれども、そういった形でまとめさせていただきた いと思いますが、よろしいでしょうか。 ○鬼武委員 その点はいいと思います。ちょっとお願いがあるのですけれども、キーワー ドの解説というのが別紙でついています。事務局がいろいろ選ばれたと思うのですが、ど こまで書くのかというのが個々まで見切れなかったのと、あと平仮名でルビを振っている のですが、何となく奇異な感じがします。それと、むしろキーワードの解説というより、 別紙4のポンチ絵といいますか、概要といいますか、こういうフロー図を解説する後ろに 添付資料としてあった方が私はいいと思います。その点は座長と事務局にお任せしますの で、できたら報告書にさせていただくにはその点も参考にしていただければと思います。  以上です。 ○大野座長 ありがとうございます。その点よろしいですか。それでは、私の方で事務局 と一緒に相談させていただきます。  時間になりましたが、これでよろしければ、細かい文面の整理が済んで確定し次第、ま た皆さんに送付させていただくことになります。それを基に、確定したところで公表にな ります。とりあえず皆さんとこうやってフェース・トゥ・フェースで議論していただく場 は今日でおしまいということになります。皆さんに厚くお礼を申し上げたいと思います。  藤崎部長よりごあいさをお願いいたします。 ○藤崎部長 食品安全部長の藤崎でございます。一言お礼のごあいさつをさせていただき たいと思います。  昨年7月から本日を含め9回の会議を開きましたけれども、先生方には本当に御熱心に 御審議いただきまして、誠にありがとうございます。本日、私もいろいろと先生方のお話 を聞かせていただきましたが、大変に貴重な御指摘あるいは御意見をいただきました。報 告書そのものは比較的簡潔にまとめていくということですので、すべてが盛り込まれると いうことになかなかならないかもしれませんが、先生方の御議論いただいた内容は議事録 にきちんと記載されるということでございますので、多くの方が今後この報告書と併せて、 議事録等を通じて先生方の深い洞察あるいは経験にも基づきます、あるいは学識に基づき ます深い御見解を十分に理解いただけるのではないかと確信いたしております。  大変難しい課題が多くございまして、これはやはり健康食品というものが持つ本質的に 難しい問題があるのだろうと思います。そういうところから発しているのだろうと思いま すけれども、この報告書の初めにございますように、国民の健康に対する関心の高まりを 背景にして、健康食品というものが利用されていく、また、それぞれの食生活の状況に応 じて適切な選択ができるために、さまざまな工夫が必要であるということでございますの で、そういう意味で先生方のこれまでの御労苦というものが、このような目的に向けて本 当に活用されていくのではないかと考えております。  先生方に改めてお礼を申し上げまして、また、特に大野先生には大変難しいテーマにつ きまして座長として適切に御差配いただき、取りまとめに御尽力いただきましたことを併 せて御礼申し上げます。今後は、私どもこの報告書を基に、行政としてできることを全力 を挙げてやってまいりたいと思いますが、また、同時に、国民の皆様方に健康食品を適切 に利用していただくためには、今日お集まりの先生方がそれぞれのステークホルダーの立 場から、今後ともさまざまな御尽力、御協力をお願いいたしたいと思っております。どう かよろしくお願い申し上げます。  最後になりますが、先生方のこれまでの御尽力に改めて御礼を申し上げまして、お礼の ごあいさつとさせていただきます。本当にどうもありがとうございました。 ○大野座長 どうもありがとうございました。  私の不手際で議論が長引いたり、整理がなかなかつかなかったりして、事務局、または 委員の先生方に御迷惑をかけました。それにもかかわらず、いろいろ御協力をいただいて ありがとうございました。また、この会議を進めるに当たって、国民の皆様や業界の方々 にいろいろ御意見をいただいたことについてもお礼を申し上げたいと思います。どうもあ りがとうございました。  本日は、これをもって閉会とさせていただきます。どうもありがとうございました。 照会先 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 調所(2458)、松井(247 9)