08/06/20 第3回 フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会議事録 第3回フィブリノゲン製剤投薬後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討 会                  日時  平成20年6月20日(金)                      13:00〜                  場所  厚生労働省専用第21会議室 ○田原室長 定刻になりましたので、ただいまから「第3回フィブリノゲン製剤投薬後 の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会」を開催いたします。本日、事 務局を務めさせていただきます田原です。よろしくお願いいたします。本日、吉澤先生 は欠席と承っています。中野先生はお見えになるとの連絡を受けていますので、来られ ると思います。審議官も、間もなく参ります。報道関係者の方におかれましては、ここ までということでよろしくお願いいたします。 (報道関係者退室) ○田原室長 では、座長の宮村先生に以後の議事進行をよろしくお願いいたします。 ○宮村座長 それでは先生方、お忙しいところをどうもありがとうございます。まず、 本日の配付資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○田原室長 お手元の資料一覧に従い、本日の配付資料について確認いたします。資料 1は調査報告書(案)、資料2は個別症例分析一覧表です。資料3は陳述書で、これは、 6月5日に行われた薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬食品行政のあり方検 討会からのものですが、報告書で引用する関係で、参考のために全文をお配りしていま す。資料4は本人記入票の自由記載欄の全文ですが、これも一部調査報告書の本文に記 載していますので、参考としてお配りしています。以上です。 ○宮村座長 今回が第3回目の検討会です。前回の検討会以降に回収された調査票もあ りますので、前回の検討以降の個別症例の分析をこれから40分ぐらいやりたいと思い ます。まず、事務局から説明をお願いいたします。 ○秋野補佐 資料2をご覧ください。資料1の23頁に図表19として、感染の認知時期、 2002年頃の診療状況別にクロスをかけ、それぞれの区分を作っています。A〜kに分類 をしていますので、そこに基づいて症例をそれぞれ説明いたします。なお今回、追加と して56症例の説明を1例1例いたしますので、よろしくお願いいたします。  資料2の○○は新しい症例です。この症例は、2002年頃に通院している医療機関が ないということで、2002年頃の肝炎の治療状況は未治療ですが、2004年9月頃発症の 診断を受け、後にインターフェロンの治療を受けています。現在の主治医の判断は、C 型肝炎のウイルスに感染している可能性が高いということです。慢性C型肝炎の診断を 受け、グリチルリチンによる治療を受けている症例です。  続いて○○の症例です。これは、C型肝炎について2008年2月まで全く認識をする 機会がなかったという症例です。2002年の診療状況は不明であるが、現在の状況は無症 候性キャリアという診断を受け、経過観察がなされています。  ○○の症例は、1992年頃C型肝炎の発症に対して、グリチルリチンによる治療を受 けています。このときにC型肝炎の発症の診断がついています。2002年頃の診療の状 況は不明ですが、2006年1月に肝がんの診断を受けています。主治医に電話で確認し たところ、この肝がんは間違いないということです。2006年以降この主治医が診ている ということで、2002年頃についての調査票も、この主治医が書いているものです。現在、 C型肝炎ウイルスに感染している可能性が高いということで、肝がんの診断を受けてい ます。  ○○の症例です。この患者は2008年1月まで全く検診を受ける機会がなく、現在ま で無症候性で自覚症状もないということです。主治医の診断は、無症候性キャリアとい うことです。  ○○の症例です。C型肝炎については、いわゆる非A非Bと思われますが、1987年 8月に発症の診断を受け、1994年12月にインターフェロンによる治療を受けています。 現在は、C型肝炎のRNA陰性となっているものです。データは上に示していますが、 抗体が陽性の中力価、コア抗原、RNAはいずれも陰性のものです。主治医は、治癒の診 断をしているものです。インターフェロン治療による治癒と思われる症例です。  ○○の症例です。同じく1987年に非A非Bと思われますが、発症の診断をされ、1993 年1月にグリチルリチン、小柴胡湯、プロルモンといった治療を受けて、治癒の診断を 受けています。2002年頃、肝炎またはC型肝炎のウイルス感染が認められていないと いう診断を受けており、現在も、ウイルス消失により治癒の診断を受けています。これ は自然治癒に置くか非常に迷ったのですが、発症後6年経ってからの治療ということで、 ここに分類しました。「インターフェロンの治療の記載はないが、治療による治癒と思わ れる」に分類しています。  ○○の症例です。C型肝炎については、非A非Bと思われますが、1988年7月に発 症の診断を受け、1993年または1994年と2つの記載があり、インターフェロンの治療 を受けています。1998年頃肝硬変の診断を受け、2000年頃も医療機関のフォローを受 けていることが確認されています。2005年3月、急性心筋梗塞による心疾患を死因と して死亡しています。このときの肝臓の状態が肝硬変で、食道静脈瘤を合併しているも のです。主治医の診断は、死亡時にC型肝炎ウイルスに感染していた可能性が高いとさ れているものです。  ○○の症例です。1986年に非A非Bと思われますが、発症の診断を受け、1992年頃 キャンフェロンと治験薬を使って治癒をしたという診断を受けています。インターフェ ロン治療による治癒と思われる症例です。  ○○の症例です。1987年非A非Bで発症の診断を受けています。1992年頃、医療機 関のフォローの確認が取れているものです。2000年8月から10月にかけてインターフ ェロンによる治療を行い、その後治癒の診断を受け、それから以降C型肝炎ウイルスは 消失しているといった症例です。インターフェロン治療による治癒と思われる症例です。  ○○の症例です。同じく非A非Bと思われますが、1987年10月に発症の診断を受 け、1989年9月及び1992年4月頃、2回のインターフェロンによる治療の記録の記載 があり、いずれも治癒という診断を受けているものです。インターフェロン治療による 治癒と思われる症例です。  ○○の症例です。1988年1月に非A非Bと思われますが、発症の診断を受けていま す。1993年3月○○日頃インターフェロンによる治療後、治癒の診断を受けているも のです。インターフェロン治療による治癒と思われる症例です。  ○○の症例です。この症例も1989年7月の時点では非A非Bと思われますが、肝炎 発症の診断を受けています。1991年または1992年頃インターフェロンによる治療を受 け、その後1994年頃にC型肝炎ウイルスの消失という診断を受けている症例です。そ れ以降、肝炎の治療は一切受けていないということです。上にデータがありますが、2008 年3月現在もC型肝炎のウイルスRNAは陰性です。インターフェロン治療による治癒 と思われる症例です。  ○○の症例です。1998年頃発症の診断を受けた症例で、1999年7月頃インターフェ ロンによる治療を受けていますが、終了後再燃をしている症例です。2002年頃は治療を しておりませんが、2006年5月にインターフェロンとリバビリンによる治療を受けて います。このときも同じく終了後にウイルスが再燃している症例です。 ○宮村座長 いまのものは2006年に治療を受けたが、肝炎が再燃しているのですか。 現在は、無症候性キャリア。 ○秋野補佐 はい。 ○宮村座長 それで肝炎は? ○秋野補佐 これは、「肝炎が再燃」という記載だったと思います。すみません。終了後 にウイルスが陽性になっているもので、現在も引き続き無症候というものです。コメン トの最後のところを「終了後ウイルスが陽性化した」という形に変えさせていただきま す。  ○○の症例です。C型肝炎については1992年4月の発症の診断です。そのころにイ ンターフェロンによる治療を受けています。2002年頃の診療状況は不明ですが、現時点 では慢性C型肝炎の診断を受け、経過観察の形になっています。  ○○の症例です。C型肝炎については非A非Bと思われますが、1986年11月に肝炎 の発症が起きています。2002年頃の診療状況は不明ですが、2000年、2006年頃は医療 機関のフォローを受けていることが確認できています。2006年には慢性C型肝炎とい う診断を受け、現在ウルソによる治療を受けている症例です。  ○○の症例です。C型肝炎については1993年5月のところで抗体陽性を診断され、 2002年3月にインターフェロン治療を受け、C型肝炎ウイルスが陰性化しています。現 在も、経過観察中との診断を受けており、インターフェロン治療による治癒と思われる 症例です。  ○○の症例です。C型肝炎については非A非Bと思われますが、1987年に肝炎発症 の診断を受け、2002年頃ウルソとグリチルリチンによる治療を受けています。現在は無 症候で、経過観察との診断を受けています。  ○○は死亡症例です。2002年頃にグリチルリチンによる治療を受け、同時期に肺がん の診断も受けています。2003年頃、C型肝炎抗体陽性を確認しているということで、同 月に肝硬変を死因として亡くなられている症例です。  ○○の症例です。肝炎については1987年4月、非A非Bと思われますが、発症の診 断を受け、2002年頃にインターフェロンによる治療、2004年8月から2005年7月に かけてインターフェロンとリバビリンによる治療を受けています。C型肝炎のウイルス は2005年2月から2007年8月まで陰性のままということで、現在も医療機関にかか っているものです。インターフェロン治療による治癒と思われる症例です。  ○○の症例です。肝炎については非A非Bと思われますが、1987年7月に発症の診 断を受け、2002年及び現在も慢性肝炎の診断を受け、ウルソによる治療を受けています。  ○○の症例です。肝炎については、1987年、非A非Bと思われますが、発症の診断 を受けています。この1987年頃インターフェロンによる治療を受ける、との記載があ りました。2002年頃及び現在もグリチルリチンによる治療を受けている症例です。 ○小池委員 こういう人を無症候性キャリアというのはまずいのではないですか、慢性 C型肝炎ですね。グリチルリチンの治療を受けていますから。 ○秋野補佐 治療を受けているのは、慢性肝炎に変えたほうがよろしいですね。 ○小池委員 グリチルリチンをいま受けているのだったら、これは無症候性キャリアと は呼べないのではないでしょうか。C型慢性肝炎ですね。 ○秋野補佐 主治医が無症候としておりますのを、では、慢性肝炎のほうに分類し直し ておきます。 ○小池委員 そうしたほうがいいと思います。基本的には、やはり何も治療を受けてい ないのが無症候性キャリアだと思うのですけれども、どうでしょう。 ○八橋委員 無症候性キャリアと慢性肝炎と、ちょっと曖昧なところがあるのです。た だ、治療を受けられているので。主治医がそういうふうに明記されているのでしょうが、 やはり慢性肝炎としていたほうが妥当かと思います。 ○秋野補佐 現時点で無症候性と主治医が診断していても、何らかの治療があるものは、 慢性肝炎に分類し直すようにします。 ○審議官 ちょっと気づくべきだったかと思いますが、同じ症例の上の四角の3つ目の 「1987年5月○○日頃から2008年2月頃まで弛緩出血でDICのため、製剤投与」と いうのは、医学的にどこかが間違っていると思います。 ○八橋委員 1988年ではないのですか、2008年ではなくて。 ○秋野補佐 そうですね、はい。 ○中野委員 関連でいいですか。いまの症例とは関係ないですが、用語の話です。ずっ と見ると、一番最初の症例では「常位胎盤早期剥離」となっていますが、これが正式な 用語なのです。あとの「胎盤早期剥離」は略語です。承知してお使いになっているなら ば、それでよろしいと思いますが。  もう1つ、「常位胎盤早期剥離、腟壁裂傷等産中、産後の出血に対して製剤投与」と いう決まり文句がずらっと出てくるのです。これは、こちらからご指定ですか。 ○秋野補佐 いえ、そういうわけでは決して。 ○中野委員 向こうが書いてきたのですか。 ○秋野補佐 そうです。 ○中野委員 常位胎盤早期剥離が随分多いなというところから逆に。第一、常位胎盤剥 離は、緊急帝王切開で出します。それが全部腟壁裂傷を起こすというのはちょっと何か、 あまり起こり得ないことではないでしょうが、先方の申告、記載なのですね。こちらか らガイドしていませんね。 ○秋野補佐 そういうことは一切ありません。 ○中野委員 いかにも何か格好悪いですが、常位胎盤早期剥離だけは処理されたらよろ しいと思います。 ○秋野補佐 はい。 ○宮村座長 いま○○が終わって、次が○○です。 ○秋野補佐 ○○の症例です。C型肝炎については、1993年に肝炎の発症の診断を受け、 2002年頃グリチロン等の治療を受けており、経過観察との診断を受けています。現在は、 慢性肝炎の診断で通院中ですが、経過観察となっているものです。  ○○の症例です。肝炎については1987年10月に、非A非Bと思われますが、発症 の診断を受けています。2002年頃はグリチルリチンとウルソによる治療、2004年はイ ンターフェロンとリバビリンによる治療を受けています。現在、慢性肝炎の診断で、ウ ルソの治療を受けている症例です。  ○○の症例です。C型肝炎については、1992年12月頃感染の認知をしているようで す。2002年及び現在ともに、グリチルリチンによる治療を受けているものです。診断は、 慢性肝炎です。  ○○の症例です。肝炎については、1987年9月、非A非Bと思われますが、診断を 受けています。2002年、2006年の時点ではインターフェロンによる治療を受けている ことが確認されています。現在は、肝硬変の診断がついています。  ○○の症例です。肝炎については、非A非Bと思われますが、1987年11月に発症の 診断を受けています。2002年頃はグリチルリチンとウルソによる治療を受けています。 2003年6月からはインターフェロン、11月からはインターフェロンとリバビリンによ る治療を受けています。また現在は2008年1月よりインターフェロンとリバビリンに よる治療を受けています。診断は、慢性C型肝炎です。  ○○の症例です。1988年2月に非A非Bと思われますが、発症の診断を受け、2002 年及び2008年2月以降現在まで小柴胡湯による治療を受けています。主治医の診断は、 現在肝炎に感染している可能性が高いということですが、「その他」に主治医が分類して いるものです。 ○宮村座長 その他というのは、肝炎のマーカーに関しては? ○八橋委員 その他は、結構多いのですか。 ○秋野補佐 そんなに多くはありません。 ○八橋委員 この方は、実質はC型慢性肝炎です、治療も受けられているということで す。 ○秋野補佐 では、これはC型慢性肝炎とします。  ○○の症例です。C型肝炎については、1997年5月に発症の診断を受け、2002年頃 はグリチルリチンによる治療を受けています。現在(2007年11月時点)は、C型肝炎 ウイルスは陰性化しており、治癒の診断を受けています。2002年頃の治療がありました ので、「インターフェロンの治療の記載はないが、治療による治癒と思われる」に分類し ました。  ○○の症例です。C型肝炎については、1990年5月に発症の診断を受け、このときに 抗体も陽性の診断を受けています。2002年頃及び現在ともにウルソとグリチルリチン等 による治療を受けているものです。主治医のコメントが「慢性肝炎、その他」となって いますが、これも治療を受けているということで、慢性肝炎とすべきなのでしょうか。 ○八橋委員 慢性肝炎でしょうね。たぶん肝硬変に向かいつつあると伝えたかったので しょう。 ○小池委員 だから、これは肝硬変でも。 ○八橋委員 肝硬変というのはカテゴリーにあるのですか。 ○秋野補佐 肝硬変というカテゴリーはあります。 ○小池委員 移行中だから、その他にしたのですか。その境界だと、何かぎりぎりのと ころだという意味を主治医は主張したかったのでしょうね、たぶん。 ○秋野補佐 では、慢性肝炎で位置づけをさせていただきます。  ○○の症例です。肝炎については、非A非Bと思われますが、1986年に発症の診断 を受け、1988年4月から2000年7月までウルソによる治療を受けていたと確認されて いる症例です。2002年頃経過観察という診断を受け、現在は慢性肝炎の診断でウルソに よる治療を受けているものです。  ○○の症例です。C型肝炎は1991年に発症の診断を受け、2002年、治療内容は明ら かではありませんが、医療機関のフォローを受けているのが確認できます。2004年11 月から現在の医療機関にかかっています。2006年2月からインターフェロンとリバビ リンによる治療により、治癒との診断を受けています。インターフェロン治療による治 癒と思われる症例です。  ○○の症例です。C型肝炎は1986年10月頃発症した模様で、治療歴があり、1999 年10月には感染を認知している症例です。2002年頃及び現在ともに治療内容は不明で すが、いずれの時期も医療機関のフォローを受けている症例です。現在、慢性C型肝炎 の診断を受けています。  ○○の症例です。1989年2月にC型肝炎ウイルス感染を認知したというもので、1997 年7月にもC型肝炎の診断を受けています。2001年2月頃からインターフェロンとリ バビリン、あるいはインターフェロン単独による治療を受けています。2002年頃肝硬変、 2005年4月頃に肝がんの診断を受けるといったような形で、医療機関のフォローを受 けているものです。2007年2月、肝がんにて死亡されている症例です。  ○○の症例です。肝炎については非A非Bで1987年1月頃発症の診断を受けていま す。2002年頃は医療機関において治療する必要がないと診断され、現時点では慢性肝炎 の診断を受け、経過観察となっているものです。  ○○の症例です。肝炎については1987年1月頃に発症の診断を受け、2002年頃は医 療機関において治療する必要がないと診断を受けています。現在も、慢性肝炎の診断で、 グリチルリチンによる治療を受けているものです。  ○○の症例です。肝炎は1987年2月に発症の診断を受け、2002年以前の段階からグ リチルリチンによる治療を受け、2002年頃は医療機関のフォローは受けていましたが、 患者の意向で治療をしていないことがわかっています。現在は慢性C型肝炎の診断で、 経過観察となっています。  ○○の症例です。肝炎については1987年3月頃発症の診断で、2002年頃医療機関の フォローを受けていましたが、これも患者の意向で治療を受けていません。現在は、慢 性肝炎で経過観察の診断を受けている症例です。  ○○の症例です。C型肝炎は1990年6月頃感染を認知し、1994年5月から8月まで インターフェロンによる治療を受けています。しかしながら、これは副作用にて中断を した症例で、2002年頃及び現在を含め、長期にわたって医療機関のフォローを受けてい るものです。現在は、無症候性キャリアの診断です。  ○○の症例です。肝炎については1987年4月に発症で、1993年8月頃インターフェ ロンとグリチルリチンによる治療を受けています。2002年頃は経過観察ということで、 現在も慢性C型肝炎の診断で経過観察となっている症例です。  ○○の症例です。C型肝炎については1989年10月に発症で、本人は1996年5月に 認識をしています。1998年頃グリチルリチンによる治療を受けています。2002年頃経 過観察との診断で、現在も慢性肝炎で経過観察の診断を受けているものです。  ○○の症例です。C型肝炎については1987年10月頃、感染についての認識をしてい るものです。1989年3月頃グリチルリチンによる治療を受けています。2002年頃は医 療機関のフォローを受けていたが、患者の意向で未治療ということです。現在は慢性肝 炎と考えられ、医療機関のフォローを受けているが、治療内容は不明です。主治医の診 断は不明となっているのですが、上のデータのところに、肝機能等のフォローもずっと されており、若干動いているような感じもすることから、慢性肝炎に位置づけをしてい ます。  ○○の症例です。C型肝炎は1987年10月頃、非A非Bで発症です。2002年頃医療 機関において治療の必要性がないという診断です。現在も無症候で経過観察という診断 を受けています。  ○○の症例です。肝炎については1988年1月頃発症の診断で、1998年7月からイン ターフェロンによる治療を受けています。2002年頃も医療機関のフォローを受けていま すが、治療内容は不明です。2006年6月から2007年10月までインターフェロンによ る治療によりウイルスが陰性化しましたが、治療後ウイルスが再び陽性となっています。 現在、慢性C型肝炎の診断を受けています。  ○○の症例です。C型肝炎については1998年に、非A非Bであると思われますが、 発症の診断です。1988年から19年間、医療機関において経過観察の診断を受けていま す。  ○○の症例です。C型肝炎については2001年2月に発症の診断で、2002年頃は医療 機関でフォローを受けていますが、治療内容は不明です。現在は、慢性肝炎で経過観察 の診断を受けています。  ○○の症例です。C型肝炎は1989年6月の発症です。2002年頃は医療機関において 治療の必要性がないと診断されており、現在も無症候性で、経過観察になっています。  ○○の症例です。C型肝炎については1996年9月に検診にて認識をしたということ です。2002年頃は医療機関において患者の同意が取れなかったということで、治療を受 けていませんが、現在は慢性肝炎で経過観察の診断を受けています。  42頁からは、もともと感染していない可能性が高いグループです。  ○○の症例ですが、2001年5月及び2008年2月時点でHCV抗体が陰性という診断 です。  ○○の症例も、2002年のHCV抗体が陰性で、主治医の診断は不明となっていますが、 「感染していない可能性が高い」に分類しました。 ○八橋委員 ちょっといいですか。○○で、「1987年2月○○日頃、C型肝炎発症を確 認」というのは、明記されているのですか。 ○秋野補佐 これは肝炎発症の確認です。 ○八橋委員 肝障害ならわかるのですが、そのとき調査票に「C型肝炎」というふうに 書かれたのですか。もともと感染していない可能性の高い集団で、抗体陰性なので、肝 障害があったのならわかるのです。ここに「C型肝炎」という言葉があって、実際、1987 年はC型肝炎の診断ができない時期なので、確認をお願いします。 ○秋野補佐 調査票に「C型肝炎の感染あるいはその既往」という問いがありまして、 そこでは「1987年1月」となっています。非A非Bだろうと思われるのですが。 ○八橋委員 もう1つ、上に、「C型肝炎ウイルス感染について知った時期が2008年2 月頃」と明記されているのですね。患者さんがそう認識されているのなら、それでもい いのかもしれないですけれども。ちょっとこの表現は状況証拠的にはわかるのですが、 この言葉遣いはかなり。 ○秋野補佐 ここは、「肝障害を確認」と変えるべきですか。 ○宮村座長 だと思いますけれどね。このiシリーズですが、「もともと感染していない 可能性が高い者」という括りの中に入っていて、○○はそれと矛盾する記載があるわけ です。ここは丁寧に説明してください。ですから、○○は「C型肝炎の発症を確認」と いうのを、「肝障害を確認」に。それからC型肝炎ウイルス感染について知った時期と いうのも患者さんの記載だけであって、客観的なことではない。状況からすると、もと もとこの製剤にはウイルスがいた可能性はあるが、これによってC型肝炎に感染したと いうエビデンスはないということですね。 ○秋野補佐 はい。 ○宮村座長 そうすると、治癒ということはどうなるのですか。 ○秋野補佐 主治医が治癒と診断をし、治癒のところに分類をしています。 ○八橋委員 それは、主治医がフィブリノゲンでC型肝炎に感染したという前提で現在 の状況を判断したら、治癒したというふうに、抗体までも消えてしまったというふうに 判断したということですか。 ○秋野補佐 この問題は、自然治癒したということを書き込める調査票になっていませ んので、あるいはもともと感染していなかったということを欄外に書いていただいたり したので、このiのグループに位置づけられているものもあるのです。これは、主治医 がどのように判断して書いたか、ちょっとわからないです。 ○宮村座長 そうすると、この調査が全部そうなのですが、調査票を私たちで工夫して 作って、そして調査票の記載に協力していただいて、それをまとめたものがこの報告書 ですが、その調査票の記載を客観的に見ると、これはもともと感染してなかっただろう という結論なのだけれども、その主治医の記載と評価とにディクレパンシィがあるとい うことは、ここに出てきたわけですね。そこを正しく、客観的に第三者に対して説明す るのが、この調査委員会の役目ですから、適切に記載することが必要なのではないかと 思います。 ○秋野補佐 主治医の診断も含めて書いて、例えば、主治医は治癒と診断しているが、 もともと感染していなかった可能性が高いという記載になりますでしょうか。 ○宮村座長 そうですかね。 ○大臣政務官 いまの議論みたいなのを詳細に書いておくといいです。まず、正確に書 けば、報告書上は1987年にC型肝炎発症と書いてあるけれども、状況から類推すると、 これは肝障害ではないかとか。そこは正確に書かないと。どういう経過があって、最終 的に「もともと感染していない可能性が高い者」に入れたかをわかるように書いておく ということですね。 ○宮村座長 何と書いておくと、それがよくわかるのでしょうか。 ○八橋委員 パターンから言うと、C型肝炎にかかってないのでHCV抗体が陰性、と 我々は考えるのですが、C型肝炎にかかった、抗体も一時期陽性になった、だけども20 年ぐらい経ったので、もちろんウイルスも20年前に早期に消えて、抗体も消えてしま った可能性もゼロではないのです。それは極めて少ないと我々は考えるのですが、その 2パターンがある。圧倒的確率は、やはり1度感染すると、急性肝炎の症例を見ていて も、20年経っても消えていないのです。我々はそういうふうに考えるのです。 ○小池委員 厳密に言うと、このiのグループは、現在あるいは死亡時にはC型肝炎ウ イルスに感染していない症例ということですね。過去の20年前に一時的に感染してい たかどうかは、いま八橋先生が言われたように、絶対否定はできないのです。たぶん感 染していないのですよ。 ○八橋委員 たぶん感染していないと我々は解釈するのです。つまり、現時点でHCV 抗体陰性というのは、もともと感染していなかっただろうというふうに考えるのです。 考察としてはそう考えるのですが、抗体まで消えてしまった例はないのかと言われると、 あると答えないと。 ○小池委員 あるかもしれない。それは我々はわからないわけです。たしかに陽性にな って陰性化したものはありますね。少数ですがありますので、やはり絶対ないとは言え ないのです。 ○八橋委員 現在治っていることは間違いないのですけれども。 ○小池委員 そうなのです。 ○八橋委員 だから、もともと感染していない可能性の高い集団なのですけれども、感 染していないと100%断定はできないというところです。 ○小池委員 いいのですかね、可能性が高いと言うのだから。 ○八橋委員 高いと言うのだから、いいかもしれない。 ○小池委員 いいかもしれませんね。 ○宮村座長 つまりiの定義ですね。 ○小池委員 可能性が高いと書いてあるから、いいのかもしれない。 ○秋野補佐 iからkが一応、いま小池先生が言われた、現時点もしくは死亡時に感染 していないグープです。iが、もともと感染していない可能性が高い、jが自然治癒と思 われる症例、kはお亡くなりになっていたりするものもあるのですが。治療により治癒 したと思われるものは、「治療」のところで分類をしています。そういう意味で、iはも ともと感染していない可能性が高いという括りですので、この分類自体はよろしいです か。 ○小池委員 はい、いいと思います。 ○八橋委員 そういう認識で。 ○秋野補佐 それでは○○の症例について、もう少し説明します。この患者さんは、C 型肝炎の発症についてははっきりしなかったということでして、「術後の肝障害は一過 性」という記載もあり、2002年の検査でHCV抗体が陰性だったとされているものです。 主治医は、欄がなかったのかもしれませんが、不明としているものです。 ○八橋委員 いいと思います。 ○秋野補佐 ○○の症例です。1999年12月の時点でHCV抗体が陰性で、2002年の前 に亡くなっています。これについても、肝炎の状況ははっきりしないわけですが、1987 年6月頃に、いわゆる肝炎症状が発症したという記載以外は、特にありません。1999 年の時点でC型肝炎ウイルス抗体は陰性であったという症例です。  ○○の症例は、本当にC型肝炎ウイルスの抗体が陽性だったのか、調査票を書いてく れた人に確認をということで、○○病院の○○薬局長に確認をし、C型肝炎ウイルス抗 体は陰性確認されました。さらに、町内会の検診をずっと受けており、その中で少なく とも2回は抗体が陰性であったとの説明を聞きました。この薬局長の方から、感染自体 は起きなかったのではないでしょうかと、既に説明をしてあるというお話でした。診断 としては無回答になっていますが、「感染していなかった可能性が高い」に分類していま す。  44頁からは自然治癒した可能性が高い症例です。  まず、○○です。肝炎は1986年12月に診断を受け、2002年は肝炎あるいは肝炎ウ イルスは認められなかったと診断をされており、現在もC型肝炎ウイルスが認められず、 主治医からは、治癒の診断を受けています。データは上にありますが、中力価、抗体陽 性、コア抗原もウイルスも陰性です。自然治癒したものと思われる症例です。  ○○の症例です。肝炎については1987年1月の発症ということで、1990年頃までグ リチルリチンの治療を受けています。1996年5月、1997年4月、2003年11月、C型 肝炎ウイルスはいずれも陰性でした。2002年頃、経過観察ということになっており、現 在は治癒と主治医から診断を受けているものです。1990年頃の治療があったのですが、 2〜3年ということで、自然治癒したものに分類しています。  ○○の症例です。肝炎については1987年9月に発症の診断で、1994年他科を受診し たときに、C型肝炎の抗体陽性を診断されています。その後も、職場検診でC型肝炎の 抗体は陽性との診断を受けています。2002年頃の治療は、「脂肪肝及び糖尿病予備群に 対する」という記載があり、現在、主治医からは治癒の診断を受けています。自然治癒 したと思われる症例です。  ○○の症例です。肝炎については1988年11月に発症、この頃もグリチルリチンによ る治療を受けており、現在、経過観察の診断を受けているものです。2007年11月時点 で、C型肝炎抗体が低力価で陽性、C型肝炎RNA陰性ということで治癒の診断を受け ているもので、自然治癒したと思われる症例です。  49頁から、kは2002年時点ですでに死亡されていたグループになります。  ○○の症例です。1987年11月に肝炎発症の診断で、1992年にインターフェロンの治 療を受けています。2002年に敗血症を死因としてお亡くなりになっている症例です。  ○○は、1989年3月に肝炎を発症して、2002年時点では、直腸がん、転移性肝がん でお亡くなりになっている症例です。  ○○は、1987年9月に肝炎を発症、1996年11月に解離性大動脈瘤で死亡されてい ます。個別症例の分析については以上です。 ○宮村座長 これで新たな56例について、前回やったものに加えての分類別で、Aか らkまで分類されています。今回示されたものについて、2、3のコメントがありました が、分類についてはいかがでしょうか。 ○秋野補佐 いま先生方からご指摘を受けたのは、主治医が無症候性キャリアと診断し ていても、治療を受けているものは慢性C型肝炎の診断に変えるということですね。 ○宮村座長 はい。 ○小池委員 言葉の問題で、先ほどあったように1991年以前のところは、みんなC型 肝炎発症となっていますが、これは肝炎症状発症とか、非A非B型肝炎発症と、正しく しておいたほうがいいのではないですか。この時点ではC型肝炎は診断が付かないのだ から、それは直しておいたほうがいいです。 ○秋野補佐 わかりました。1991年より前のものをすべて直すということですね。 ○小池委員 1991年ですかね、C型の抗体がわかるようになったのは。 ○宮村座長 認可になって、輸血のスクリーニングが1989年ですから、1991年。 ○小池委員 1992年からインターフェロン治療が保険適用された。たしか1991年から はHCV抗体が計れるようになったけれども、それ以前は非A非B型肝炎と書いたほう が正しいし、誤解を招かないと思います。 ○秋野補佐 その時点では非A非Bだったのですが、あとからC型肝炎と診断される 例もあるものですから、C型肝炎についてはこのような書き方で。 ○小池委員 1998年とか、あとに発症した人はそれでいいのですが。 ○秋野補佐 そこはC型を落として、肝炎で統一しようと思います。 ○小池委員 そのほうがいいと思います。 ○秋野補佐 はい。 ○中野委員 用語の話ですが、「胎盤早期剥離、膣壁裂傷等の産中、産後の出血」とあり ますが、産科の医師というのは、胎盤早期剥離であって、膣壁裂傷を当時は起こしてい たのかと言われたら、もう立つ瀬がないです。先ほどお伺いしたら、これはこちらから 提案したのではないと言ったけれども、実は提案しているのです。 ○秋野補佐 どういう意味でしょうか。 ○中野委員 調査票の選択肢の(1)がこう書いてあるのです。したがって、それを書き写 したからこのようなことになったので、いまさらどうしようもないから、症例の記述の 胎盤早期剥離からは、カギ括弧を付けてこれは定型句だということを説明できるように しておかないと。 ○宮村座長 それは個々のケースで? ○中野委員 まとめてお書きになっても構わないのですが、これはいかにも結果ではな くて、原因でもないでしょうが、最初はどうだったのという話のときに。 ○宮村座長 どう影響するかわからないので、それは慎重にいくべきだと思います。 ○秋野補佐 調査報告書の中の症例分析の詳細という形で載っているものは、症例分析 票の中のコメントの部分だけが反映されるのです。 ○中野委員 これは表に出ない資料だと言っていらっしゃるのですね、わかりました。 それなら安心ですが、そうは言っても。 ○宮村座長 書いておいたほうがいいのではないですか。では、個別症例の分析はこれ でよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○宮村座長 次にまいります。議事1、調査報告書(案)についてです。まず事務局か ら説明いただいて、それから皆様からご意見をいただいて、今回で報告書をまとめます。 よろしくお願いします。 ○田原室長 1頁の「はじめに」ですが、座長にお願いしたところ、このようになって いますので、ご了解いただければと思います。  2頁の目次のところですが、前回、分析I、分析IIを一緒に書いていたのは座わりが 悪いので別にしたほうがいいという指摘があり、今回は、このように分けています。  2の5)に「患者及び遺族の思い」を入れています。分析IIの4)にも「患者及び遺族 の思い」を入れています。  補論は、前回は参考資料のような位置づけにしていたのですが、補論という形できち んと書いています。  3頁です。4パラグラフ目で、今回の検討会の目的が418症例の実態把握と、2002年 にお知らせがなかったことの影響の2本柱でやったほうが、全体のトーンがわかりやす いということで、ここに限らず、2本柱で全体のトーンを整理しています。  5頁です。3)の調査対象です。患者数222人になっています。  7頁から調査結果です。図表1については、先ほど議論していただいた結果、若干区 分が変わったので、ここの表については再整理させていただきますが、数字としてはこ のベースで話をさせていただきます。まず、C型肝炎ウイルスの感染について、感染す る可能性が高い人については62人、現在感染していない可能性が高い方が29人です。 感染している可能性が高い人のうち、いちばん多いのが41人で慢性肝炎となっていま す。無症候性キャリアが11人です。感染していない可能性が高い29人の内訳は、もと もと感染していない可能性が高いのが4人、治癒が24人です。下の注3に、治癒した 24人について、14人が治療による治癒、10人が自然治癒です。治療による治癒14人 のうち、12人がインターフェロン、2人がインターフェロンの記載のない治癒です。 ○宮村座長 これは非常に大事なところなのですが、図表に書くのではなくて、注釈で このように記載するということですか。後で出てくるのですか。 ○田原室長 後に分析のところで詳しく出てきます。 ○宮村座長 わかりました。 ○田原室長 8頁は死亡した者の状況です。図表2、死亡した方は17人で、肝炎に関連 する疾患で死んだ方が4人、関係ない疾病による死亡が10人となっています。  4人の内訳は図表3のとおりです。劇症肝炎-非A非B型の方が1人おられますが、 C型肝炎で劇症化する例はあまり一般的ではないということで、注に「一般的に劇症化 しないとされている」と書かせていただいています。  9頁の図表4です。現在の診療状況で、現在治療中・治療歴ありが79人で、81.4%と なっています。  図表5の治療方法ですが、インターフェロンを利用した人が24人です。インターフ ェロン以外の治療が23人、無回答が29人となっています。  図表6で治療結果を見ますと、治療による治癒が14人、経過観察が33人です。  2002年頃の診療状況ですが、当時診療が必要と考えられない者、例えばもともと感染 していない可能性が高い人、自然治癒した人、死亡した人を除いて集計しています。こ れは後ろの分析の表と一致させるために、あえてこうしています。そうしますと、73人 中、2002年頃に治療中であった・医療機関のフォローありの人が48人で、65.8%を占 めています。  10頁の下から、感染の関係です。まずウイルス感染の認知時期ですが、図表8のとお り、2002年7月前後で分けますと、2002年7月前が57人で82.6%、それ以降が17.4% です。  先ほど指摘のあった点につきましては、注2に「それ(検査法が確立する)以前に認 知している者については、当時、非A非B型と診断され、後に改めてC型肝炎ウイル スを認知したものと推察される」というコメントを付けています。  図表9は感染の認知事由です。これについては、検査の際に発見した人が12人です。 今回は特に「今回の製剤投与のお知らせ後の検査」で初めてわかった人を洗い出した結 果、5人でした。図表8の2007年、2008年のところで、3人ずつ計6人になっていま すが、そのうち5人が、製剤投与のお知らせを受けて、その後に検査を受けて初めてC 型肝炎ウイルス感染を知った人となっています。  図表10は製剤投与の認知時期で、圧倒的に2007年、2008年が多くなっています。 ○宮村座長 11頁の図表8ですが、2002年と、例えば1991年か1990年、この辺で大 きく局面が変わっているわけですから、そこの棒グラフの色を変えるとか、ここに矢印 を描いて、2002年以降と、1990年から2002年までと、1990年の前と、わかりやすく したほうがいいのではないですか。 ○田原室長 1990年のところは少し幅があるのです。2002年7月は線が引けます。 ○宮村座長 では、2002年7月の前と後で明らかにする。 ○田原室長 はい。そこは点線を入れます。それは図表10のフィブリノゲン投与のほ うも同じですね。 ○宮村座長 はい。それから、例えば図表10で、その上に「2007年10月以降に知っ た者は82人中44人である」と書いてありますが、この注を読むと37+9となっていま すが。 ○松崎補佐 注2に内訳があります。 ○宮村座長 わかりました。35+9なのですね、失礼しました。 ○田原室長 13頁ですが、図表11で見ても、今回のお知らせで知ったという回答は41 人で、多くなっています。  図表12は製剤の使用状況で、静注で使用した人が61人、そのうち胎盤早期剥離関係 で36人と多くなっています。糊として使用した人が12人です。  図表13は輸血歴の有無で、輸血歴のある人が67名です。図表14は製剤投与時に輸 血を併用した方ですが、併用ありが50人です。  14頁の5)ですが、患者及び遺族の思いに考えを致すことが重要との考えから自由記 入欄から抜粋しております。今回の資料No.4で全体をお示ししていますが、そのまま載 せることはできないので、「肝炎、治療に対する思い」「肝炎が及ぼした影響に対する思 い」「国の施策に対する思い」とに分けて、それに該当する部分を抜粋しました。番号を 括弧で括っていますが、同じ番号の人は同一人物です。  これを見ますと、肝炎、治療に対する思いについては、進行性の病気だということで 不安に思っている方が多かったです。あるいはインターフェロンの副作用について、非 常に苦しいという記述が多かったです。  15頁の(2)肝炎が及ぼした影響に対する思いについては、体がいうことを利かなくなる、 疲れやすく家族に迷惑をかけたという記述が多かったです。あるいは、仕事をやめざる を得なかったというような記述等もありました。  (3)国の施策に対する思いについては、安全な薬剤をきちんと提供してほしい、早期の 対処をしてほしかった、あるいは、厚生労働省としてもっと自覚をすべきだというお叱 りの声が多かったです。 ○宮村座長 せっかくこのような欄をつくって報告書に載せるわけですが、この自由記 載欄の中で取捨選択をしたわけですね。 ○田原室長 はい。 ○宮村座長 それには、特定のクライテリアがあるのですか? ○田原室長 14頁にありますように、31人から記述がありました。ただ、なお書きに あるように、症状のみの記載がありまして、そこは思いの部分がなかったものですから 引用できなかったのですが、思いの部分は基本的に引用しました。同一人物は同一番号 にしています。いちばん最後に23が付いていますので、合計31人中23人の自由記載 の引用をしています。 ○宮村座長 これは参考までに伺いますが、先ほど分類したところで、もともとC型肝 炎ウイルスに感染していなかったと思われる人もあるわけですが、そういう突き合わせ は私はしていませんが、何か誤解に基づいているものはありませんか? ○田原室長 若干あるように見受けられます。  18頁から分析Iに入ります。(1)は、年齢、症状の関係です。(1)は、日本のC型肝 炎の患者の状況を書いています。  (2)は、今回、97人のうち不明を除いて77人が持続感染の状態にあって、10人が自然 治癒しています。一般の傾向は7割が持続感染、3割が自然治癒ですので、持続感染の 状態にある人が多くなっていると推察されます。症状については、慢性肝炎の人が 66.1%で、非常に多いです。  それを図にしたものが図表15です。調査票回収は97人ですが、感染したことのない 人が4人、感染したことがある人が87人で、そのうち治癒が24人、うち10人が自然 治癒、死亡時も含めて持続感染中の人が62人で、内訳は慢性肝炎が41人と非常に多く なっています。  年齢別に見ますと、40代、50代の回答数が多かったのですが、この年代については、 肝硬変、肝がんまで進行している人はいませんでした。60代、70代は若干いる状況で した。  20頁は医療機関のフォローです。ここについては事前にお送りした資料では曖昧な推 計というか、病院にかかっている割合の推計をしていたのですが、あれは使えないとい うお叱りを受けまして、だいぶ先生からもアドバイスをいただいて書き換えています。 特に、新規C型肝炎ウイルス感染者の8割程度は、自覚症状などを示さない不顕性感染 ということで、医療機関のフォローをされていない例が多いと言われています。 ○八橋委員 原文と少し違っていて、8割の方がフォローされていないようなニュアン スがあるのですが、これは後で修正します。不顕性感染者は自覚症状がなくて、検診を 受けない限り医療機関を受診しない。このフィブリノゲンの人は副作用報告書で報告さ れた人ですし、輸血の方は血液製剤を投与された、明確に症状を得た人なのでフォロー がしっかりとできているというニュアンスなのですが、言葉の遣い方なので、これは後 で訂正します。 ○田原室長 (2)は今回回答のあった人の状況です。現在の状況あるいは2002年の状況 を見ても、治療中・治療歴があるとか、医療機関のフォローがある状況が高かったと思 えるのですが、これは先ほど言ったように、日本のC型肝炎感染者は自覚症状を示さな い不顕性感染者が多い一方、418例の患者は何らかの肝炎症状を発症している顕性感染 者ということで、発症後は医療機関の診療を受け、その後も適宜フォローを受けている ことが多いと考えられる。このような医療機関のフォローもあって、感染の事実につい ては早期に認定しているけれども、フィブリノゲン投与の認知は遅れているということ を、分析として書いています。  治療状況については、21頁の3)で、(1)ではインターフェロンの状況と、肝庇護療法 について書いています。(2)については、これが今回回答のあった人の状況ですが、イン ターフェロンについて見ると、1992年に認可されまして、すぐに治療を受けている人が 5人、1994年にも3人受けています。ペグインターフェロン+リバビリンの最新の療法 が2005年に認可されて、2006年に4件と増えていますので、それを活用していること が推察されます。以上が分析Iです。  引き続き、分析IIです。これについては先般の会議のときに、2002年頃に医療機関に かかっているものやフォローを受けているのは別途計上したらいいのではないかという 指摘もありまして、図表19の上から2つ目の「治療中・医療機関のフォローあり」と いうことで、そのような記述が症例分析の中であったものについてはここにまとめまし た。そこに48と挙がっているのですが、これは基本的に2002年頃医療機関のフォロー を受けていたので、お知らせしなかったことによる治療の遅れはないと考えられるので、 症例分析はするのですが、重要度としてはだいぶ低い分類になっています。  重要度の高い分類は、黒く塗っているところで、例えば2002年7月以降に認知して、 2002年当時未治療だったA、あるいは2002年の診療状況が未回答のB、認知時期がわ からないとか無回答の人で、2002年の治療状況が未治療であったC、あるいは過去に治 療をしたけれども2002年頃はやっていなかったD、無回答のE、この辺については治 療の遅れが出てくる可能性があるということなので、詳細に症例分析しています。他の ものについても症例分析はします。  斜めの薄い線の入っている分類については、2002年7月前に感染を認知しています が、C型肝炎が進行することをきちんと認知した上で、感染を認知しているかどうかと いう問題もありますので、そこについても、過去に治療をして2002年はしていなかっ たf、あるいは2002年頃の診療状況が無回答のgについて、症例分析をしております。  2002年頃に治療中・過去医療機関のフォローありというものについても48人と大量 にいますが、hということで、きちんと症例分析しています。回答のあった症例につい て、全部症例分析をして、報告書に載せています。  図表20ですが、図表19で除いている24人について、もともと感染していない可能 性が高い、自然治癒した可能性が高い、2002年時点で死亡ということで、2002年時点 でこのような状況にある人は、お知らせがなかったことによって治療の遅れはないので 図表19から除いているのですが、このような人についても何か特別な事情があったか もしれないということで、i、j、kと分類をして、最後に症例分析をしています。  個別に症例分析の結果を述べます。まずAです。感染時期は2002年7月以降、診療 状況が未治療という方が1人います。この人は、ずっと治療状況がなくて、2004年に いきなりインターフェロンの治療を開始していて、現在は慢性肝炎という方です。調査 票上からは、ずっと何の音沙汰も窺い知れない状況なので、2002年に知っていれば、も う少し早く始められた可能性があるのではないかということで、お知らせがなかったこ とによる治療への影響の可能性が否定できない症例ということで分類しています。 ○宮村座長 書き方ですが、例えばAの1、結論として「感染の事実の認知の遅れが、 治療の開始に影響した可能性は否定できない」とあります。その最終結論の適正な書き 方が報告書のいちばん大事なところだと思うのですが。 ○田原室長 書き方についてご説明させていただきますと、3種類の書き方をしていて、 影響があったかもしれないものについては、「治療の遅れに影響した可能性は否定できな い」としています。まず問題はないものについては、「治療の遅れはないものと考えられ る」としています。非常に可能性は低いものについては、「治療の遅れの可能性は少ない ものと考えられる」という3種類に分けています。 ○宮村座長 そうすると、「影響した可能性は否定できない」というのは、かなり・・・。 ○田原室長 もしかしたら、もう少し早く認知し、治療を開始できていれば、症状の悪 化が進行しなかったかもしれない。 ○大臣政務官 率直に言えば、「可能性がある」という書き方もあるということですね。 ○宮村座長 ここがこの調査会のいちばん大事なところですので、事務局の提案は提案 として、調査会の結論を出しましょう。あとあとまでの影響を考えて、慎重な討論をし ましょう。 ○大臣政務官 「可能性がある」という書き方と、「可能性を否定できない」という書き 方では、事実関係は違うのですか。 ○田原室長 あくまでも調査票からしか判断できませんので、そこであまり「可能性が ある」みたいに強く言うのもどうかと、単にそれだけなのです。 ○宮村座長 私の言いたいのは、それを入念に議論した上で、この書き方を決めましょ うということです。 ○田原室長 それは是非議論をしていただければと思います。あくまでも調査票なので、 いろいろ聞いたらまた状況が違ったりするのかもしれません。調査の限界もあるので、 こういう書き方にしています。 ○八橋委員 可能性といったときに、8〜9割なのか、5割なのか、3割なのか、1%な のか、多い少ないとか、高、中、低という表現ならわかりやすいのですが、これは微妙 ですよね。「少ない」という表現を使っているところもあるし、「ない」というところも あるし、「これは否定できない」ということで、量的なことは全くなくて、どちらかとい うと低いことを言っているのかなと。3つの言葉の遣い方が、ロジックとして受け入れ られるかなという気がするのです。 ○小池委員 「可能性は否定できない」と、「可能性は少ない」と、「可能性はない」と、 もう1つ「判断が難しい」というものがありました。 ○田原室長 それはもう全然状況がわからない症例です。 ○大臣政務官 少なくとも、可能性が少ないものと考えられるよりも、可能性が否定で きないものが多いということですか。 ○田原室長 多いと認識して書いています。 ○大臣政務官 それを最終的には公表するわけですから。それで、「可能性が否定できな い」と書いてあるのは、今後どうするのですか、と聞かれるとどうなりますか。 ○田原室長 それは、報告書の最後の方まで飛んでもよろしいですか。 ○大臣政務官 ざっと聞かせてください。 ○田原室長 41頁で、結論のところは「今後の国の姿勢」で、2人は治療の遅れがあっ た可能性も否定できないということで、そういうことを受けて、「国としては患者・被害 者への配慮を絶えず自覚すべきであるという点を肝に命じて、今後の行政運営を進めて いく」という形でまとめています。 ○大臣政務官 現時点ではそれ以上は書きようがないですね。技術的な観点からいくと、 どう書くのが正しいのでしょうか。報告書である以上はそこは曲げられないというか、 医学的な知見から見て、これが正しい表現だというのはあり得るのでしょうか。 ○宮村座長 難しいですが、可能性があると断定はできないでしょうし。 ○中野委員 私も言えないと思います。これは、「中学生であったことを考えると」など は考えなくてもいいのですが、「感染の事実の認知が遅れ」というところまでは、ある程 度エビデンスでしょうね。それから後に入ってくるのは、本人の価値観とか、環境がな す受療行動のあれこれといったことに左右される要素が非常に多いのであるが、その結 果として遅れた可能性も否定できない、ということに実はなるのでしょう。これを正確 にするなら、いろいろなバージョン、例えばこれに対しては、これに対してはというよ うに個々の状況をずっと表すことをせざるを得ない、そうしないと駄目ですね。要は玉 虫色にして、それがいかに国民に対するレスポンシビリティを表すことになるかという 目から見ていただくことではないですか。 ○田原室長 いろいろに書き方を変えると、それぞれがどういう関係の位置づけとか説 明できるようにしておく必要がありますので、今回は高い順に3種類に分けています。 ○八橋委員 状況的には、ない人はもうないだろうと思うし、可能性は少ないという方 も極めて少ないです。否定できないという集団も決して高くはないと、私は全体を理解 しています。  「可能性がある」というと、50%以上はあるみたいなことになるので、10%ぐらいは 「否定できない」かなというニュアンスなのですが。むしろ数字では言えないです。 ○中野委員 それは人さまざまですね。「感染の事実の認知が遅れ」というところまでは、 一生懸命調べましたよね、タイミングまで推測して。ある程度想像は入っていても、エ ビデンスであると取った場合、これからあとどのようにするかは、この場で文章を1つ に統一できますか。今度は付加価値を付けたものとしての報告という活動に転じていく わけだろうから、自ずともっとよい言葉が出るのかなという気もするのです。この資料 は表に出さないのですね。 ○田原室長 個別症例分析一覧表は表に出しません。 ○中野委員 名前も入って特定できるからですか。 ○田原室長 詳しい情報で個人を特定できうるので。 ○中野委員 陳述書というのは、これは。 ○田原室長 陳述書はホームページに公開されている資料なので、これだけは大丈夫で す。 ○中野委員 それはともかくとして、陳述書を見ると、国が公表しなかったことがいち ばんのポイントなのです。私はこれは表に出してもいいと思うのですが、個人情報保護 の話があるならば別でしょうけれども。事務局にしろ、座長、どうしますか、この文章 をいまからここで決めますか。 ○宮村座長 決めたいですね。 ○田原室長 なかなか集まる機会がないので。 ○宮村座長 ここの「可能性が否定できない」という一番グレードの高いものがあると すると、その残りのほうで3種類あるわけです。「判断が難しい」「可能性は少ないと考 えられる」、それから「治療の遅れはないと考えられる」です。この3種類の分け方は いいのですが、最終のリザルトの表現です。 ○大臣政務官 現実的に考えると、もう1回やりますかという話ですか、あと10分で す。 ○田原室長 もしそういうことであれば、委員の先生にお諮りしたいと思います。 ○宮村座長 八橋先生は飛行機がありますので、どうもありがとうございました。 ○秋野補佐 3つの表現を考える場合にということでしょうか。例えば「治療の開始に 影響した可能性は否定できない」という分類がそれでいいということなら、その書きぶ りをどうするかということと、「少ない」というグループもいいということであれば、そ の「少ない」という表現をどうするかということと、おそらく「ない」はいいというこ とであれば、この2つの書きぶりの表現法を考えると。 ○宮村座長 4グループで、この3種類になることについては、よろしいのではないで しょうか。 ○中野委員 異存はありません。「治療の遅れの可能性」は「遅れた」にしたほうがいい ですね。これは1つのセンテンスでしょう。イコール1にするか、0にするかというこ とで、2つに分けるなら最初のものが1で、あとは00です。明快ですよ、1か0しかな いのですから。 ○大臣政務官 その間があると思いますが。 ○中野委員 それなら3つに分ければいいです。 ○大臣政務官 それで、3つのセンテンスで表現することはいかがでしょうかと。 ○中野委員 決まった文句、「治療が遅れた可能性」に対しては書き方を変えてはいけな いです。 ○大臣政務官 それがいま3つですよね。 ○中野委員 治療が遅れた可能性に対して、1か0.5か0にしようとしているのだから。 ○大臣政務官 具体的にどの文章でおっしゃっているのですか。 ○中野委員 いちばん上のものです。26頁の「感染の事実の認知が遅れ」まではともか くとして、「治療が遅れた可能性」のフレーズがいちばん重要な点で、これイコール否定 できないというのは1である。 ○大臣政務官 なるほど、「治療が遅れた可能性」というフレーズを全部固定してという ことですね。 ○中野委員 はい。 ○大臣政務官 そうすると、その前頁の25頁の真ん中辺りの「治療の開始に影響した 可能性は否定できない」というセンテンスは、「治療が遅れた可能性は否定できない」と すべきだということですか。 ○中野委員 この「遅れ」はまた違うものですか、開始ですか、同じことをしているの なら同じにすべきですね。 ○田原室長 ここは同じです。 ○大臣政務官 「治療が遅れた可能性」というセンテンスは固定して、「否定できない」 とか。 ○田原室長 全部同じにですね。 ○大臣政務官 そうすると同じ日本語になりますね。 ○中野委員 半定量でいくか、定性か、真ん中が小さいか。 ○大臣政務官 そういうことですね。26頁の「治療の遅れの可能性」というのは、「治 療が遅れた可能性は少ないものと考える」と、全部このようにすべきだと。おっしゃる とおりですね。 ○宮村座長 「否定できない」「少ない」「ない」の3つですね。 ○大臣政務官 そういうことですね。 ○中野委員 「否定できない」だと、もっと軟らかく文学的になりますよね。 ○宮村座長 文学的にやりますか。 ○中野委員 ≧と書きますか。 ○大臣政務官 さっき先生のおっしゃったように、「否定できない」という日本語は、す ごく幅を持った日本語なのです。先ほど八橋先生は、「否定できない」という日本語は、 そうは言っても少ないと。「可能性がある」という書き方をしたら、どの場合でも5割 は超えていく。「否定できない」というのは少なくとも5割を切って、少ない中に3種 類あるのだと。だから「否定できない」「少ない」「ない」という理解が共有できれば、 私はこれでいいと思います。 ○中野委員 賛成です。 ○小池委員 「可能性が少ない」というと、1とすると、0.1以下ですか。 ○大臣政務官 そこが難しいのです。 ○小池委員 「否定できない」というのは、0.1から1.0の間を全部含めると感じます。 決して少ないとは思いません。それは否定できないだけであって、「少ない」が、もし 0.1以下だというと、「否定できない」というのは0.1から1.0まですべて含む。決して 低いとは言えないというのが私の意見です。 ○宮村座長 そうした場合、この3種類くらいだと、うまくグレードを付けていったら どのような表現になりますか。 ○小池委員 「否定できない」というのは非常に幅が広いということです。治療の遅れ をもたらした可能性もあるわけですから、1かもしれないし、0.1かもしれないので、す ごく幅があります。 ○大臣政務官 ここは判断のしようがない。 ○中野委員 そう思います。 ○小池委員 いろいろファクターが変わってくるから、判断できない。 ○中野委員 「可能性を否定できない」という表現の中には日本語独特の曖昧さがあり ます。謙譲の美徳とか思いやりとか、すべての感情が込もった言葉として聞くと思うの です。それをどうかしなければというので、あえて定量的な話の仕方を私もしてしまっ たのですが。 ○大臣政務官 小池先生がおっしゃっていたように、「否定できない」というのは、例え ば数字に置き換えるなら1から0.1までの間をすべて含むとなると、なぜこれは「可能 性がある」と書かないのだと言われたときに、そうですねとなる。 ○小池委員 「可能性がある」だと、もっと下が上がってしまうような。そうではない ですか。 ○大臣政務官 なるほど。 ○中野委員 私もそう思います。 ○大臣政務官 「可能性が否定できない」というのは、確かに0.1から1まで入るけれ ども、そうは言ってもニュアンスとしては低いと。 ○中野委員 低いのであると。 ○大臣政務官 ということは共有できると。 ○中野委員 先ほど八橋先生もそうおっしゃっていました。 ○審議官 よろしいでしょうか。中野先生、小池先生のおっしゃられたように、受診行 動というのは、さまざまなファクターが作用する中で、この調査形式を基本に陳述いた だくとすればということで、中野先生がこれでよろしいのではないかとおっしゃられた ところに1つの定性が出るようなお話を承っておりますと。 ○宮村座長 こういう事例は他にもたくさんあると思いますが、このような提示の仕方 では世の中でうまく理解してもらえる部類に入りますか? ○審議官 もちろん十分な説明は必要ですが、医薬品の副作用の表現ではよく使われる ことでしょうね。 ○宮村座長 はい。3種類に分けると。原案どおりですが、フレーズを固定するところ を。 ○田原室長 A1の表現は同じにさせていただきます。 ○宮村座長 固定して、結論では「可能性を否定できない」と、それから「可能性は少 ない」「可能性はないと考えられる」。この3つに収斂をしていくということで。では、 続けてください。 ○田原室長 37頁にまとめをさせていただいております。3)ですが、2人が治療の遅 れの可能性が否定できないと。残る1人が判断できないということです。ただ、この調 査の限界として、調査票に回答のあった人は97人、医療機関と密接な人が多い可能性 がある、調査票には空欄なども多かったことについて若干言及させていただいています。 ○中野委員 ちょっといいですか。37頁の「このように」で始まる最後の段落の「2例 のみ」の「のみ」をお取りなさい。これは絶対格好悪いですね。 ○宮村座長 そうですね。そのようなものは、他にもうないでしょうね。 ○田原室長 きちんとチェックします。 ○中野委員 お願いします。 ○大臣政務官 まとめも、すべて先ほどのセンテンスは固定したほうがいいのですね。 ○田原室長 固定させていただきます。分析のほうはそれで終わりです。39頁に「患者 の思い」ということで紹介させていただいております。この人は91年ぐらいにインタ ーフェロン治療をやっていた人ですが、2002年に告知してくれればまた向かい合えたと いうことで、お知らせがなかったことが治療の遅れに影響したと書いておられます。分 析とはちょっと離れるのですが、患者の思いということでは重要ですので、あえて載せ させていただいております。これは、あくまで紹介です。分析とは全く関係ありません。 ○小池委員 それは何番ですか。 ○田原室長 この人は調査票の回答が来ていない方です。 ○小池委員 この人は、集計に入っていないですね。 ○田原室長 入っていないです。 ○小池委員 わかりました。 ○中野委員 いいですか。前に意見を申し上げたときに「思い」というのを私が見逃が したのですが、必要なのですか。これまで、どちらかというと、本当に調査票の結果に 基づいたものを解析して、その代わり一生懸命吸い上げて、2例に行き着いたのですね。 それとは話は全く別にポンとこれが出てきてしまう。論理性があまりないような気がす るのですが、それこそ、これを後ろにもっていってはいかんのですか。補論ではないけ ど。 ○大臣政務官 これは前回の報告書に基づいているのでしょう。 ○田原室長 もし、分析IIの中に入れないと位置付けが。 ○中野委員 いや、筋を通そうとすると、何か突然違うのが出てきたという感じは間違 いないのですよ。そして、前のほうもひょっとしたら、推して知るべしという部分はな いかと。 ○田原室長 書き方はいろいろ工夫できると思います。4)にしていますが、例えばこ の節の付記にするとか。 ○中野委員 ご理解いただいたら、それで結構です。 ○審議官 性格が違うものですから、たとえ重要なセンティメントであるとしても、並 びの中での。 ○田原室長 はい。時間も迫っているので、簡単に。41頁の5は「おわりに」というこ とで、結論です。まず、今回の調査票で40代、50代が多いということで、かつ40代 以降進行するということも言われていますので、本人特定及び受診勧奨、定期的な診察 やインターフェロン治療について考えていただくというようなことが重要であると書い ています。今後の国の姿勢については、2例あったということや、患者からのいろいろ な声もあったということで、被害者の視点で今後の行政運営を行うということを書いて います。  補論につきましては、418症例の一覧表からできる集計を行ったというところでござ います。時間もないので、こういう分析をしたということで説明を省略させていただき ます。もし何かあれば、また事務局に問い合わせてください。 ○大臣政務官 最終的に筆を入れたものを、その前に先生方に読んでいただくチャンス はあるのですね。 ○田原室長 ええ、そうさせていただきます。 ○宮村座長 そういうことで、今日いただいた先生方のコメントと、最終的に入念に検 討に検討を重ねた最終稿をメールで先生方にお渡しください。本日の議事は以上で終わ りますが、ほかに先生方から何かありますでしょうか。 ○小池委員 7頁で、この間私は、インターフェロン治療で治癒というのはウイルス排 除としかわからないと言ったので、これを付けてくださったのですね。 ○田原室長 はい、そうです。 ○小池委員 これは言葉の問題で、ウイルス排除の確認のみの場合という意味ではない ですか。排除のみというと、本当に治ったかどうかわからないという意味ですね。肝炎 はその時点でどのくらい進行したかどうかわからないという意味なので、「C型肝炎ウイ ルスの排除の確認のみの場合も含む」というふうに直してください。 ○宮村座長 はい。 ○秋野補佐 相談させていただきたいのが、19頁の図表15のタイトルは「現在又は死 亡時のC型肝炎ウイルスの感染の有無と肝炎ウイルス疾患に関する状況」で、調査票に 基づいた記載になっているのですが、この中の感染したことがある87人の中に持続感 染62人、その中で急性肝炎を起こして1人死亡で、※7に非A非B型-激症肝炎による 死亡というのがあります。これを「感染したことがある」というグループに載せるべき なのか、その下の「感染歴不明」のところに載せるべきなのか、C型肝炎の確認がない ままに非A非Bのままお亡くなりになった症例でして、同じようなものは慢性肝炎で 41人死亡、※4の敗血症による死亡1人、同じように非A非Bのままにお亡くなりに なった症例です。これはC型肝炎の中で分類すべきであるか、感染歴不明に載せるべき なのか。 ○小池委員 ※4の人は肝炎に感染したことはわかっているのですか。 ○秋野補佐 はい。 ○宮村座長 わかっているのだったら、この人は持続感染のほうに入るけれども、激症 肝炎の人は、もう87年に亡くなっていて、C型かどうかはわからないのだから、ここ に入れないほうがいいのではないですか。この「感染歴不明」のほうで、ただ激症肝炎 で死亡に入ると思います。データを客観的に解釈していけば。 ○宮村座長 ついでにこの図表のタイトルですが、「現在又は死亡時のC型肝炎ウイル ス感染の有無と肝炎ウイルス疾患」のところは、「肝疾患」のほうがいいのではないです か。 ○小池委員 そうですね。 ○宮村座長 それでは、今後の予定等につきまして、事務局からアウトラインを説明願 います。 ○田原室長 今日いただいた意見につきましては、修正案を先生方にチェックして頂き たいと思います。また、6月9日以降にも若干調査票が来ていますので、時間が許せば 追加集計することもありうることをお含みいただければと思います。その際には、症例 分析も含め、再度先生方にチェックして頂きますのでよろしくお願いいたします。それ から、報告書の修正をご了解いただいてからという話になりますが、来週中くらいに記 者発表できればと考えております。記者発表時に宮村座長の同席を事務局からお願いし たところ、ご了解いただきましたので、この場でお知らせいたしたいと思います。 ○宮村座長 そういうことですが、記者発表の時に是非委員の先生方、臨床のことにな りますと私は頼りないので、ちょっと同席いただければありがたいと思っています。よ ろしくお願いします。 ○小池委員 私は大丈夫です。 ○田原室長 来ていただける方は、後で事務局にご連絡をお願いします。日時が決まり 次第、ご連絡いたします。 ○宮村座長 今日が最終回です。この検討会は何とか先生方の献身的な努力でここまで くることができました。最後に当たりまして、政務官、一言お願いします。 ○大臣政務官 本当にお忙しい中、貴重なお時間をいただきまして、ありがとうござい ました。世の中はマスコミの報道が終わると同時に、こうした問題がすべて解決したか のような印象を与えておりますが、これからまだまだ為さねばならないことがたくさん あることでございますので、引き続き厚生労働行政にご指導いただければ何よりと存じ ますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。 ○宮村座長 それでは本日の第3回、最終の検討会を終了いたします。ありがとうござ いました。 連絡先 厚生労働省医薬食品局総務課 TEL  03-5253-1111