08/06/09 第33回社会保障審議会障害者部会議事録 第33回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年6月9日(月)14:00〜16:24  場  所:金融庁 共用第2特別会議室  出席委員:潮谷部会長、高橋部会長代理、嵐谷委員、安藤委員、井伊委員、       伊藤委員、岩谷委員、大濱委員、川崎委員、北岡委員、君塚委員、       小板委員、坂本委員、櫻井委員、佐藤委員、新保委員、副島委員、       竹下委員、堂本委員、広田委員、福島委員、星野委員、箕輪委員、       宮崎委員、山岡委員       小澤専門委員、生川専門委員、浜井専門委員       荒参考人、花井参考人 ○潮谷部会長  それでは、定刻になりましたので、ただ今から第33回社会保障審議会障害者部会を開会 いたします。  委員の皆様方には、お忙しい中にお集まりをいただきまして、ありがとうございます。  議事に入る前に、事務局から委員の出席状況、資料の確認等々をお願いいたします。 ○川尻企画課長  まず、本日の委員の出席状況でございますけれども、仲野委員、野沢委員、三上委員か ら、都合によりご欠席というご連絡をいただいております。  それから、鶴田委員の代理として、日本IBM株式会社の荒参考人、長尾委員の代理と して、社団法人日本精神科病院協会の花井参考人にご出席をいただいております。  本日は、就労支援がテーマになっておりますので、事務局側といたしまして、職業安定 局の障害者雇用対策課、それから職業能力開発局能力開発課の担当者も出席をしておりま す。  どうぞよろしくお願いいたします。  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。  事務局側の資料といたしましては2種類ございます。  大きく「資料」と書いたもの、それから参考資料としてこれまでの部会における主な議 論という2種類の資料を用意をさせていただいております。  それから、各委員がご提出いただいた資料は順不同でございますが、千葉県の封筒に入 りました堂本委員からの提出資料、箕輪委員からの提出資料、これは白黒刷りのものとカ ラー刷りのものと2種類ございます。また、それに関連して厚生労働省のほうのパンフレ ット、「障害者の雇用支援のために」というパンフレットも用意をさせていただいており ます。  小板委員からの資料、これは3ページものでございますが、こういうものが提出をされ ております。  以上、お手元にありますでしょうか。  では、部会長、よろしくお願いいたします。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、本日の議事に入らせていただきます。  本日の議事につきましては、議題内容それぞれ相互に関係がございます。しかし、議事 をよりよい形で進めさせていただきますために、前半と後半、こういった形に分けさせて いただきまして、とりわけ密接に関係をしております「地域移行と住まい」、それを前半、 「就労支援と所得保障」、これを後半という形に分けて議論を進めたいと考えております。  まず、事務局のほうから資料につきましては、一括してご説明をお願いいたします。 ○川又企画官  企画官の川又と申します。よろしくお願いいたします。  資料に基づきまして、ご説明させていただきます。  なお、事前に資料を送付させていただいておりますが、若干数字の精査をした部分がご ざいますので、恐縮ですが、本日お配りしております資料をお願いしたいと思います。  まず、「地域移行・住まい」に関する資料でございます。2ページをお願いいたします。  2ページは障害者の方々がどこにお住まいかということで推計をしたものでございます。 障害者の数全体として724万人というふうに推計しておりますが、このうち施設及び病院 という形でいらっしゃる方が56.8万人、その他が在宅ということで667万人ということで、 在宅にいらっしゃる方が約92%でございます。  施設・病院という内訳でございますが、身体障害者の方が8万7,000人、知的障害者の 方が12万8,000人施設に入所という形、精神科病院への入院が35万3,000人でございます。  在宅のほうでございますけれども、これは各種の調査によりまして、同居の有無という ことで割合が出ておりますので、それを基に案分をして推計したものでございますが、家 族と同居されている等の方が575万7,000人、お一人でお住まいの方が88万4,000人、グル ープホーム、ケアホーム、2.5万人、ちょっとこれは古いデータですので、現在は4万人 近くになっております。福祉ホーム、0.4万人でございます。  3ページをお願いいたします。  こちらは施設サービスの状況の都道府県の比較でございますけれども、3ページは知的 入所更生施設につきまして、人口10万人当たりの施設でございます。最大となっておりま すのが秋田県の209人、最少が東京都の29人、平均が92人という状況でございます。  4ページをお願いいたします。  こちらは精神科病床の都道府県比較でございます。同じように人口10万人当たりのベッ ド数でございますけれども、最大は鹿児島県の573床でございます。最少は神奈川県の162 床、平均は326床という状況になっております。このように地域間でかなりのばらつきが ございます。  5ページをお願いいたします。  障害者自立支援法による地域移行の推進ということですが、これは各自治体が障害福祉 計画という形で目標値を積み上げた数字でございます。左側は福祉施設から地域生活への 移行ということで、23年度末までに1万1,000人の減少を目標としております。右側は退 院可能な精神障害者の減少、地域への移行ということで4万9,000人のうち23年度末まで に3万7,000人が地域で生活できるようにしていくという目標でございます。  6ページをお願いいたします。  こちらは2,500余りの施設におきます調査をしたものでございますが、施設への入所者 がどのように地域に移行をしているのかということでございます。平成17年10月現在の入 所者が13万9,009人でございましたけれども、2年後の19年10月1日現在で13万8,620人と いうことで、この2年間で差引きで389人、入所者が減っているわけでございますけれど も、その内訳が2番のところでございます。右側のほうにございますように、退所された 方が1万8,945人おりますけれども、新規に入所された方が1万8,556人いらっしゃいます ので、先ほどのようにプラスマイナスで389人の減少でございます。2番の一番左側でご ざいますけれども、地域生活に移行された方が9,344人でございます。3番のところにこ の9,344人がどこに行ったかということで内訳を下の表に示しております。共同生活介護、 ケアホームが24.3%、共同生活援助、グループホームが17.8%、右のほうにいきまして一 般住宅、11.5%、公営住宅2%、自宅(家庭復帰)、39%などとなっております。  7ページをお願いいたします。  7ページは在宅の障害者の方のお住まいの状況でございます。各種実態調査からのデー タでございますが、身体障害者につきましては、自身の持ち家、51.7%、家族の持ち家、 30.6%、民間賃貸、6.4%などとなっております。知的障害者につきましては、18歳以上 ですが、自宅の家やアパートが82%、会社の寮、0.3%、グループホーム、8.9%、精神障 害者につきましては、家族と同居、76.8%、ひとり暮らし、17.9%などとなっております。  8ページをお願いいたします。  こちらは居宅系サービスのうち、グループホーム、ケアホームの入居の状況でございま すが、下半分の円グラフをご覧いただきたいと思います。  グループホーム、ケアホーム、それぞれ障害の種別ごとの内訳割合でございますけれど も、グループホームに関しましては、知的障害者の方が55%、精神障害者の方が44%とい う割合になっております。同じくケアホームにつきましては、知的障害者、84%、精神障 害者、11%となっております。右側、施設入所支援、新体系の施設入所支援でございます けれども、身体障害者が41%、知的障害者、58%等となっております。  9ページをお願いいたします。  9ページはグループホームの整備の今後の計画、これも計画でございますけれども、平 成23年度までに8万床のグループホームの整備を目指すということでございます。真ん中 辺の平成19年度のところの上に実績値がございますけれども、平成20年1月現在のデータ でグループホーム、ケアホーム、4万1,201人というのが現在の実績でございます。  10ページをお願いいたします。  このグループホーム・ケアホームの整備推進につきまして、とられている施策の現状で ございます。  一番上のほうがグループホーム・ケアホームの実施についての係る敷金・礼金の助成で ございます。これは18年度からの補正予算で特別措置で都道府県の基金による事業でござ いますけれども、入居者1人当たり13万3,000円まで敷金・礼金等の助成を行う仕組みで ございます。  下はグループホーム・ケアホーム整備費の助成でございまして、今年度予算から開始を しております。施設を整備する場合、1グループホーム当たり2,000万円以内の補助とい うことでございます。  11ページをお願いいたします。  グループホームに関連をいたしまして、公営住宅等を活用してグループホームを整備し ていこうということを行っております。平成8年に公営住宅法を改正いたしまして、社会 福祉法人等がグループホーム事業を実施する場合に、公営住宅を活用することができると いう措置でございます。対象となる事業主体は記載のとおりでございます。下に活用実績 がございますが、19年3月末現在519戸ということでございますが、この辺につきまして は住宅部局との連携により、さらに活用を図っていきたい分野であるというふうに考えて おります。  12ページをお願いいたします。  こちらは市町村が実施しております居住サポート事業の実施状況でございます。保証人 がいない等の理由によりまして、入居が困難な障害者に対しまして、入居に必要な調整、 家主への相談・助言などを行ってサポートするということでございますが、実施状況のと ころにございますように、約82%の市町村がまだ未実施ということでございます。その下 に支援の実施者数が310人ということで、まだまだちょっと取組が遅れている分野であり 一層の普及が課題であるというふうに考えております。  13ページ以降が就労支援及び所得保障についての資料でございます。  14ページをお願いいたします。  雇用施策の対象となる障害者数/地域の流れということで、一番上でございますけれど も、障害者全体724万人のうち、働くということで年齢で18歳から64歳という方を考えて みますと、360万人の方がいらっしゃいます。現状、どのような形で一般企業への就労の 流れがあるかということでございますけれども、一つは特別支援学校から一般企業への就 労でございます。これは一番下に特別支援学校という箱がございますけれども、卒業生が 年間1万7,779人おりますけれども、そこから右側の矢印で就職という形で3,148人、年間 にということで、この卒業生のうち約25%しか一般企業のほうに就労に結びついていない と。上に矢印がございまして7,769人、約60%の方は福祉施設等への入所、通所というよ うな形になっております。  それから、この社会福祉施設等から一般企業への就職の流れにつきましては、法定社会 福祉施設という真ん中の箱から右側のほうに、一般就労移行2,387人とございますように、 全体の約1%から2%ぐらい、福祉施設の利用者の1%から2%ぐらいしか、年間企業へ の就職ができていないという状況でございます。  このほか、右側の企業等の箱の中にハローワークからの紹介就職件数4万5,200人とご ざいますが、これは1年間にハローワークを通じて企業への就職に結びついた件数でござ います。  15ページをお願いいたします。  15ページは就労系の施設の全国の事業所の状況でございます。国保連の今年1月のデー タでございます。  事業所数というところをご覧いただきますと、小計というのが3つございますけれども、 上から3つ目の小計が訓練系のサービスが事業所が808カ所、それから真ん中辺で雇用系 サービス、これは雇用契約に基づくものですけれども、327カ所、それから一番下のほう が非雇用系、いわゆる福祉的な就労の事業所数ですけれども、4,729ということで、全体 で5,864カ所、利用者人数としては12万6,150人という状況でございます。  16ページをお願いいたします。  16ページは障害者自立支援法におきます就労支援事業の説明でございます。一番左が就 労移行支援ということで、65歳未満の方で通常の事業所に雇用されることが可能と見込ま れる者に様々な実習、訓練を行いまして、一般就労に結びつけていくものでございます。 就労継続支援にはA型とB型と2つございまして、A型のほうが雇用契約に基づく就労、 B型のほうが雇用契約に基づかない就労ということでございます。箇所数等は一番下の欄 にございます。  17ページをお願いいたします。  こちらはいわゆる福祉的就労に係ります工賃の月額の調査でございますけれども、18年 度の実績の調査をしたところ、調査の結果というところでございますけれども、工賃倍増 計画対象施設におきます月額の工賃は1万2,222円というふうになっております。右下に その分布図のグラフがございますけれども、平均値といたしましては1万2,222円ですが、 ご覧いただきますようにピーク、一番多いところは1万円弱というところに山が来ている のがご覧いただけるかと思います。  18ページをお願いいたします。  こちらは授産施設におきます利用者の作業時間、作業日数の調査、社会就労センターの 調査でございますけれども、左のほうに週の労働時間が記載しておりますけれども、18時 間から24時間程度、精神障害者の方々の就労時間がやや短くなっている状況でございます。  19ページをお願いいたします。  こちらは従業員規模5人以上の民間事業者におきます所定労働時間と賃金の状況でござ います。左側の棒グラフが所定労働時間でございますけれども、3障害通じまして概ね30 時間以上というところが8割方おられるという状況でございます。右側のほうがその労働 時間ごとの賃金の状況でございますけれども、身体障害者の方が比較的高い状況が見てと れるかと思います。  20ページをお願いいたします。  先ほども1万2,222円と出てきましたけれども、「工賃倍増5か年計画」ということで、 この福祉的就労の賃金を平成19年度から23年度までの5カ年で倍増させようという取組を 行っているところでございます。  内容といたしましては、経営コンサルタント、企業OBの受け入れによる経営改善であ りますとか、企業的な経営感覚の醸成、一般企業と協力して商品開発を行ったり、市場開 拓を行ったりという事業でございます。  21ページをお願いいたします。  これは「工賃倍増5か年計画」を税制の面からも後押しをしようということで、今年度 から税制改正で実現をしたものでございます。詳細な説明は省略させていただきますけれ ども、障害者の働く場に対します発注を前年度より増加させた企業につきまして、その増 加分、固定資産の割増償却を認めるという形で法人税の優遇が受けられるという制度でご ざいます。  22ページをお願いいたします。  こちらは先ほど出てきましたハローワークを通じまして、障害者の就職の状況でござい ます。年々増加をしております。平成19年度では4万5,565件ということで、特に精神障 害者の方の就職が増えているというふうに承知をしております。  23ページをお願いいたします。  これは今の22ページの件数を都道府県ごとに見たものでございます。左側の棒グラフが 実際の就職件数でございまして、折れ線グラフが人口10万人当たりの件数ということでご ざいます。多いところから10番の右下のほうに表で掲載をしております。  24ページをお願いいたします。  こちらは就労移行支援でどのようなプロセスの中で一般就労につなげていくかというこ とのモデル的な流れの図でございます。左のほうから就労移行支援事業によりまして、種 々のいろいろな訓練を行い、ハローワークとの連携の下に就職する。就職した後も様々な 支援を行うということで、障害者就業生活支援センターでありますとか、あるいはジョブ コーチによる支援によって、一般就業を定着をさせていくという流れでございます。  25ページ目から所得保障の関係で何枚か資料がございます。  25ページは障害児・者の所得保障の構造ということで、いろいろな制度がございますの で、その状況でございます。  上が障害者の制度でございますけれども、障害基礎年金2級が6万6,008円、月額でご ざいます。80万4,000人の受給者がございます。右側が1級の基礎年金でございます。67 万人、障害基礎年金1級になりますと8万2,508円、それに加えまして、重複の障害をお 持ちの方には特別障害者手当、在宅の方ですけれども、支給がございます。これを合わせ ますと10万8,948円ということになります。下のほうは障害児でございます。特別児童扶 養手当の2級、3万3,800円、1級が5万750円、障害児福祉手当を合わせますと6万 5,130円ということになります。  26ページは障害基礎年金の概要でございますので、説明は省略をさせていただきます。  同様、27ページは先ほどの各種手当の一覧表でございますが、こちらも説明につきまし ては省略をさせていただきます。  28ページをお願いいたします。  これは前回のシステムのデータでもご覧いただいたんですけれども、自立支援法のサー ビスを使っている方の所得区分ごとの割合でございます。生活保護の方が9.77%、低所得 1、20.38%、低所得2、39.41%ということで、これら3つが市町村民税非課税世帯とい うことになりますけれども、約7割の方が非課税世帯という状況でございます。  なお、来月からこの所得の把握が個人単位ということで、ご本人と配偶者の方という形 で見ることになりますので、若干非課税世帯というところがもう少し今後は増えていくの かなという気がしております。  29ページでございますが、これは前回提出資料と同じでございます。前回、書き方に不 手際がございましたけれども、棒グラフ全体がそれぞれの所得区分ごとの1人当たりの自 立支援法のサービスの費用でございます。それと、右側の黒くなっている部分がそのうち 利用者負担として利用者が負担をしている部分でございます。負担率は総費用に対しまし て、自己負担の割合が何%かということを示したものでございます。  最後になりますが、30ページには昨年の与党プロジェクトチームの報告のうち、今回の テーマに関連する部分の抜粋でございます。事業者の経営基盤の強化の中にはグループホ ームなど、住まいの場の確保、それから就労の支援、所得保障の在り方につきましても、 ご覧のような提言をいただいているところでございます。  説明につきましては、以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ただ今から、皆様方のご意見をちょうだいするわけですけれども、2回目までのところ で、やや皆様方の中では論議が深まらないというお気持ちをお持ちの方もいらっしゃるの ではないかと思います。ただ、前回も部長、局長のほうからもお話がございましたように、 この審議会の性格というのは、まずは障害者自立支援法、これが施行された後の検証をき ちんとやっていこう。そして、それぞれのお立場の中から客観的な評価、こういったもの をちょうだいしながら、今後よりよい障害者自立支援法の在り方や障害行政を取り巻いて いくものをこの中から見出していこうということでございますので、どうぞ皆様方、そう いった意味では忌憚のないご意見をお出しいただきたいと思います。  そして、さらには部会における論点整理、これも出されておりますので、自分が言った 論点、意見がどのように集約をされているのか、落ちていないのか、こういった点もご覧 いただきながら、それぞれの審議会の中身につなげていっていただければと、このような お願いをまず皆様方にさせていただきます。  それでは、どなたからでも結構でございます。  伊藤さん。 ○伊藤委員  ご質問の前に、ただ今の資料の説明をいただきました。  ちょっと確認なのでございますが、8ページの居住系サービスの実施状況についてでご ざいます。  3種別、身体障害者、知的、精神と縦に入っていまして、横にグループホーム、ケアホ ームとありますが、現在この今の法律下の中では身体障害者については、このグループホ ームとケアホームについては、よしとなってないかと思うんですが、要するに依拠されて ないじゃないかと。にもかかわらず、この数字が入っていることについて、ちょっとご説 明をいただきたいと思います。  以上でございます。 ○潮谷部会長  どちらからでも結構でございますが。 ○蒲原障害福祉課長  お答えいたします。  ここの数字につきましては、基本的には制度的にはケアホーム、グループホームという のは、精神、知的の障害の方々を対象にした制度があるわけでございます。ただ、一方で それぞれの個々の方を見ますと、重複をしている方がおられるというふうに考えられます。 その関係で、実は一定の重複のある方は現行制度でもそれぞれ身体の知的、あるいは精神 障害があるということで、入っているということでございますので、その関係でここが一 部そういうふうになっているというふうに認識しております。 ○潮谷部会長  伊藤委員、よろしゅうございますでしょうか。  資料について、皆様何かございますか。 ○浜井専門委員  私は意見のほうなので、ご質問があればほかの方に……。 ○潮谷部会長  意見ですか、ちょっとすみません。 ○竹下委員  ちょっと資料の関係で確認させていただきたいんですけれども、1点、都道府県ごとの 数字を出す場合に、人口10万人当たりで出していることの理解ができないんです。すなわ ち各都道府県における障害者数、すなわちニーズとの関係でどう対応しているのか、全く これでは私のほうでは理解できないので、これはもっと資料を全部分析すれば分かるとい うことなのか、少しその点のご説明をお願いいたします。 ○潮谷部会長  23ページに関わるご質問だと思いますが、事務局のほう。 ○川尻企画課長  資料は恐らく3ページとか4ページのことをご指摘いただいたのかと思います。  おっしゃるとおりでございまして、本来であればそれぞれの障害者の人数を、きっちり 把握できていればいいわけでありますけれども、冒頭ご説明をいたしました全国身体障害 者実態調査を始めといたしまして、それぞれ全国数は出ているんですけれども、都道府県 別までブレイクダウンするだけのサンプルを持ってないものですから、不十分だとは思い ますけれども、総人口に対する割合という形で表記をさせていただいております。各都道 府県がそれぞれ細かなデータをお持ちの場合に、そういう障害者数に合わせた加工はでき るかもしれませんので、もしそういうことが必要であれば、追って資料は用意させていた だこうと思います。 ○竹下委員  それは人数把握の上では重要じゃないんですかね。最後は意見になるので、置いておき ます。 ○潮谷部会長  資料に関してございませんでしょうか。  どうぞ、星野委員。 ○星野委員  15で前回私が就労継続支援事業B型の平均費用月額、1人当たりが大変低いという話を させていただいておりますが、16ページについて、単純なミスかなと思いながらですが、 配置基準がB型もA型も就労移行支援事業の支援員、職員の配置基準が6:1になってお ります。それは大変うれしゅうございますが、それにしては単価が随分低いなと思いなが ら、そこは大丈夫ですか。6:1、間違いないですか。 ○潮谷部会長  配置基準の問題、事務局。 ○蒲原障害福祉課長  大変申しわけございません。私どもの資料の作成の過程で大変申しわけございませんで した。人の配置のところにつきましては、10対1ということでございます。就労A、就労 Bのところは10対1と。  ただ、これは委員のご指摘のとおり、就労移行支援とこのA型、B型の単価のところに ついては、確かに就労移行支援のほうが一定の範囲で高くなっているということでござい ます。大変すみません、ここの配置基準のところは大変申しわけございませんでした。 ○星野委員  残念です。 ○潮谷部会長  皆様方、訂正よろしくお願いいたします。  ほかに資料に関してございますでしょうか。  花井参考人でございますかね。事務局、参考人の方からでございますが、一応後で、よ ろしゅうございますか。  じゃ、どうぞ。 ○花井参考人  精神障害の件について、ちょっとお伺いしたいんですが、まず資料の8ページなんです が、居住系サービスの実施状況の右の上のグラフで、旧入所施設(3障害別利用者数比 率)となっていまして、精神がゼロというふうな数字になっておりますが、これは左のほ うではグループホーム、ケアホーム等が書かれておりますけれども、旧の体系で言うと、 精神の場合には例えば生活訓練施設であるとか、福祉ホームBとかというのは、調査の対 象にはこれはならなかったんでしょうかということが1点と。  それから、6ページ目の入所者の増減内訳なんですが、入所者数減の内訳は病院、 2,474人というのは、この2年間で在院患者数が減った数をここに挙げているというふう に理解すればよろしいんでしょうか、この2点お願いします。 ○潮谷部会長  事務局、よろしくお願いいたします。 ○蒲原障害福祉課長  8ページの件でございます。  ここは全てこれは国保連のデータの平成20年1月というのをベースに作成をいたしてお ります。20年1月のデータについては、これはいわば従来の精神で言えば補助金によると ころというのがここには入っておらないということになってございます。その関係で、今 おっしゃった精神の幾つかの入所と言っていいんでしょうか、一定の形で入所的に利用さ れているところについては、ここのデータとしては入っておらないということになってご ざいます。そういった関係で、こういう整理になっているということでございます。  それと、6ページ、ここはこういう整理でございます。  もともと右肩に書いてございます約2,600施設というところからの回答をベースにつく ってございます。この2,600施設と申しますのは、福祉の施設ということでございます。 したがって、ここで書いてございますところについては、福祉の施設に入っていた約13万 9,000人がどういう形になったのかということをとっています。したがって、福祉系の施 設から病院に行った数というのがここで言う2,474名ということになってございます。し たがって、これはすみません、確認ですけれども、福祉系の施設からの移行の状況という ふうにとらえてもらえればいいと思います。 ○潮谷部会長  花井委員、よろしゅうございますでしょうか。  どうぞ。 ○君塚委員  14ページのところの雇用のところで、企業から施設のほうの矢印に離職者がありますけ れども、この年間離職者数の数というのは分かるでしょうか。 ○蒲原障害福祉課長  大変申しわけございません。手持ちで今すぐは分かりませんが、少し調べてまた後ほど ご回答したいというふうに思ってございます。 ○潮谷部会長  君塚委員、よろしゅうございますでしょうか。  ほかに資料に関して。  井伊委員、よろしくお願いいたします。 ○井伊委員  日本看護協会の井伊と申します。  9ページの障害福祉サービス見込量の推移で、居住系サービスでグループホームが17年 度から提供されるサービスの総量としては伸びるという数になっておるのですが、グルー プホームの件数が増えているのか、何が増えているのかがちょっとこのままだとよく分か らないなと思いますので、教えていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  サービスの総量のところで、括弧のところでは人数分の資料が出されておりますけれど も、事務局のほうで何か。 ○川尻企画課長  今のご質問の9ページの資料につきましては、あくまで利用人数ということであります ので、グループホームの部屋数ではなくて、実際に利用されている人数が何人になるかと いう下のほうが計画値でございます。上のほうに書いてございますのが実績値ですので、 実際にこれだけの人数が利用されているという、そういう表でございます。 ○潮谷部会長  井伊委員、よろしゅうございますか。 ○井伊委員  お答えについては理解しました。  こんなに施設数自身が増えているような実感が余りなかったものですので、こんなにう まくいくのかなとちょっと思いましたので、失礼しました。 ○潮谷部会長  皆様、そろそろよろしければご意見、今日のテーマに入らせていただきたいと思います が、どうしても資料でここだけが分からないと意見が言えないというような方がございま すならば。  それでは、今日のテーマの前半の地域移行と住まいについて、ご意見を賜りたいと思い ます。  高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員  精神障害者の方々の地域移行ということで、ケアマネジメントのことと関連して幾つか 意見を言わせていただきたいと思います。1つは現実地域移行がなかなか進まない理由の 一つは、受け皿が少ないためだろうと思います。もう1つは退院の準備期間からケアマネ ジメント的なアプローチができると随分違うんじゃないかと思います。ところが、現行で は退院してからでないと自立支援法の制度が使えないし、ましてケアマネジメントになる と、支給が決定してからではないと使えないということで、退院を準備するプロセスから のケアマネジメントをぜひご検討いただきたいと思うんです。  それと関連して、ケアマネジメントでは、相談支援員との信頼関係というのが一番基本 にあるもので、それをつくり出すには非常に期間がかかると、時間がかかると。ですから、 その部分にも費用的な面の手当てをしなければいけないんだろうと思うんですけれども、 実際にアセスメントをするプロセスでは、費用は手当てできない状況であり、支給が決定 されてから利用計画書をつくって、ケアマネによって始まると、そこから費用が出るとい うプロセスになって、もっと早い段階からケアマネジメントが始められるということが重 要なのではないかと思います。  それに関連して、もう1つ実際にケアマネジメントが行われて、今度利用者の方がグル ープホームに入られるとか、あるいは訓練等給付に移ると、そこでケアマネジメントがス トップしちゃうんですね。要するに、サービス管理責任者の方に移りますから、そうなる と利用者の方のケアマネジメントが分断されるということが往々にして起こります。それ はケアマネジメントの本来の姿から言うと、非常に好ましくないと思います。ですから、 最初のプロセスから最後まで信頼関係が構築できた同じ支援者の方が支援できるような、 そういったシステムをぜひ検討していただきたいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ただ今のことに関しましては、これは入所施設側から何かございませんでしょうか。非 常に重要なケアマネの役割ということでございますけれども、一方施設の管理的な立場、 あるいは施設外における指導、処遇の観点から、高橋委員のほうからはむしろケアマネの 分断ではなくて、そこを何らかの継続性の中でというようなお話でございますが、今のこ とに関して何か施設側等々の中での論議はございませんでしょうか。  はい、どうぞ。 ○伊藤委員  伊藤でございます。  今のお話を伺って、全くそのとおりだとまず思っております。地域移行を進める上で、 施設側と相談支援を行っている事業者が緊密な連携をとっていくということは、とても大 事でございますし、そのために実はこの地域移行を目指す施設の中で生活している施設の 利用者に対する支援についても、入っている段階からサービス利用計画作成費というもの をもう少し広げて、拡大していけば、うまく除去できるんではないかなと、このように思 います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  北岡さん。 ○北岡委員  私も今、ケアマネジメントに対する考え方はそのとおりだというふうに思います。入所 施設を今利用されている人たちも含めて、全てのサービスの利用者にケアマネジメントが 行われると。しかもそれがかつ適正に、適切に実施されるかどうかと、そういうことをさ らにモニタリングまでして、地域に移行して、地域で暮すという理念に沿った支援の質を そこでもチェックするといいますか、そういう仕組みが必要ではないかと、そういう仕組 みを持って地域生活へ移行していくものだというふうに考えています。  それと、2つ目がこれはちょっとケアマネジメントとは違うんですが、千葉県の堂本知 事のほうから今日用紙が出ていますけれども、親の安心感というものが確かに重要だろう というふうに思っておりまして、親の安心感の一つとしてケアホームなどの夜間の支援体 制をきっちりと厚くしていくことが必要ではないのかと。  例えば、障害が重たい方がケアホームで暮す場合、場合によっては夜勤の体制が必要に なるかと思います。この辺の仕組みが非常に弱い部分がありますので、併せて検討してい く必要があるのではないかというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかに。  新保委員、お願いいたします。 ○新保委員  今のケアマネジメントに関してでございますけれども、事業を運営している者の立場か らちょっとお話しさせていただきます。  例えば、事業運営者の中で、いわゆるケアマネジメントに近い形での活動を行う者が2 名います。1人がサービス管理責任者、そして1人がサービス提供責任者なんです。それ ぞれが個別支援計画を立てているんですが、サービス管理責任者からサービス提供責任者 へのいわゆる移行管理ないしはつなぎというものがしっかりとしてないんですね。したが って、その部分をしっかりとしませんと、サービス提供責任者が行っているいわばマネジ メント過程で、例えば居住支援の中で生活訓練を受けていたとします。ようやく生活リズ ムもついて、何とかアパートに行けそうだとか、いや、グループホームに行けそうだとい うような状況が生じてきたときに、このことをサービス管理責任者とサービス提供責任者 がどのようにして、どこの時点でしっかりと話し合って、よりよい支援をしていくのかと いうのが現状では欠けているんですね。そういう意味では、実はプロセス管理をしっかり とできるようなケアマネジメント従事者がいるという必要があるんだろうと思うんですね。 したがって、複雑な状況に今なり過ぎているのかなという気がするんですが、ケアマネジ メント従事者とサービス管理責任者とサービス提供責任者、それぞれが個別支援計画を担 うことになっていますので、ここの整理を一度して、しっかりと利用者に必要なサービス が提供できるようなマネジメント過程というものをもう一度見直す必要があるだろうと思 います。もちろんこれまでのというか、ケアマネジメントの在り方等からすれば、そうい ったことが本来はできるのかなというふうに思いますが、現状ではかなりぎくしゃくして いるという実態があります。  したがって、そうしたぎくしゃくとした実態の中で、例えばこんなことが起きています。 ケアホームに入居している利用者が65歳になりました。そして、介護を要するような状況 が生まれてきた。しかし、本人ができれば仲間と一緒にケアホームでもう少しいたいとい う状況が出てきています。  それと、本来ならばその利用者の思いをくんで、ケアホームにいられるような支援をす ればいいんだろうなというふうに思うんですが、たまたまこのサービス提供責任者は65歳 で介護のほうの必要性が出てきたんだから、介護支援サービスに切り替えるべきだという ふうに主張をするんですね。それがいいか、悪いかは別なんですが、そうするとそれが今 度はサービス管理責任者との間で意見の違いが出てきてうまくいかないとかというのが現 実の課題としてありますので、いわゆるケアマネジメントに関わるプロセス管理をどうす るかということは、緊急の課題だというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかにこのケアマネジメント、あるいはサービスということに利用者側に立ったご意見。  小板委員、お願いいたします。 ○小板委員  私は今日文書で出してきているわけですけれども、最初に座長のほうから言われたとお り、前回障害者自立支援法が施行されてから、今の状況を考えてみると、様々な問題点が 出てきていると、その問題点を取り上げて、どうしていったらいいのかということを今後 検討するべきであるというふうに言われたわけですけれども、どうなのかなという中で、 一番の基本になっているのは、この障害程度区分というこれが実はこの法律の中の最も根 幹に関わることではないかと、この混乱が実は今のような混乱につながってきているとい うふうに理解をせざるを得ないというのがあります。  先ほどのケアマネの話ではないんですけれども、この障害程度区分では3障害の人たち そのものの的確なケアマネにかわるものではないはずなんですね。要するに、支援という 支援の度合いをはかるということではなくて、将来に向かって度合いをはかるんじゃなく て、これは明らかに財政的な部分というか、そういうところをねらってきたものだろうと いうふうに思うわけです。  その仕組みが実は法の中で、例えば利用者の人たちの利用について制限をしたりとか、 それからまた事業のほうでいけば、財政を少し楽にするための仕組みをつくったりとか、 そういう中で来ているので、ここの部分では相当な混乱があるだろうというふうに見ざる を得ないと。ですから、私としては、障害程度区分というものがどこに欠陥があって、ど こにどういうふうになっていくかと。将来的には、明らかにケアマネという、そういう手 法が必要だろうというふうに思います。  利用者の人たちがその今の状態をはかって、どれだけ今支援しているか、どれだけのお 金を払うという、そういう形ではなくて、将来一般生活ができるような人にするためには、 どのような支援が継続的に必要なのかという、そこのところをきちっと図っていかないこ とには、利用者の人たちの将来的な生活はあり得ないというふうに思うわけです。ですか ら、そこに焦点を当てていったときに、果たして今の報酬にリンクするようなことでいい のかどうか、これは法の根幹に関わる問題だろうというふうに思っておりますで、その辺 のところは私としては最優先に議論すべきだろうと。そして、それがある一定の方向性が 出てきた中で、今の制度そのものの様々な例えば地域移行にしても、入所施設そのものが 今実際にはグループホームとか、いろいろなものをつくっておりますから、施設全体でほ とんどのグループホームは入所施設でやっているわけですね。それが適切かどうかという ことは、まだ分からないんですね。適切にするためにはどうするかということも必要なん ですね。  神奈川県でグループホームが火災に遭ったんですけれども、これはどの程度まで本当か どうか分かりませんけれども、人災として考えた場合には、ただ単なる施設をこれは福祉 施設だから、防災的なことをやればいいということではなくて、もう少しグループホーム がどういった条件でもってつくっていかなきゃいけないか、あるいはグループホームに行 く人たちはどんな人たちになっていかなきゃいけないのかということをきちんと考えてい かなければ、こういう問題はまだまだ続くだろうというふうに思っておりますので、その 辺のところも根幹としてお願いをしたいというふうに思います。  それから、もう1点ですけれども、この障害者自立支援法の中の4条4項というのがあ るんですけれども、ここには障害程度区分のことが書かれておりまして、これが実は政省 令のつまり6の人たちはどういう形で調査をして、何点出たら6のランクにいくという障 害程度区分の認定のことが全部書かれているわけですね。これが実はどうなのかというこ とも含めて、考えていかなきゃいけないのではないかなというふうに、ですから言ってみ れば法律をまずきちっと精査をすることが必要だと思いますし、それによってそこから出 てきている政省令というのはどういうものかということも含めて、そうしないと本当に安 心できるような、そういう法律にはならないんじゃないかというふうに考えていますので、 ぜひともその辺のところは議論の場をつくっていただきたいと、そのためにはそれぞれの 障害、3障害あるわけですから、3障害の関係の人たちでもって、小委員会なり何なりつ くって、そこで徹底した議論がされることが私は望ましいだろうと。そして、そういう中 でもって、この障害者部会が機能していくのではないかというふうに思っております。ど うかその辺のところをよろしくお願いしたいと思います。 ○潮谷部会長  小板委員の一つの提言という形で受け止めさせていただきます。それぞれのお立場の中 からの議論を通して、先般言われましたように、この障害者の自立支援法が大規模な形で 考えられて、体制という形で考えられていくのか、マイナーチェンジという形でいくのか、 それはこれからの皆様方のご発言にも関わりを持ってくると思います。一つの提言という 形で受け止めさせていただきたいと思います。  ほかに皆様、ございませんでしょうか。  嵐谷委員。 ○嵐谷委員  どうもすみません。  私のほうは、どちらかといえば身体障害のほうで、3障害共通と言われるんですが、非 常に共通するというような部分が少ないわけなんです。知的、精神と身体、身体の中でも 3つ、聴覚、視覚、身体と分かれて、全部共通するということは考えられないんです。そ の中にあって、地域移行、あるいは住まいというテーマの中で、いろいろ考えているんで すが、障害者の中でも知的、精神の方は比較的グループホームということが大体整備され ているといったら、ちょっと言葉が違うかも分かりませんけれども、ある程度事業的に位 置づけられておる部分があって、この中で表の8ページ、明らかにグループホームにして 身体障害、228、知的、9,845、精神、7,979、このようにかなりの格差があって、これは 一体どうなのか、利用者が少ないのか、あるいはその必要がないのか、そういうところが かなり問題かなというふうにも思いますが、身体の方でも一応そういう形で地域移行とい うことを望まれる方もあろうかと思いますが、それには訓練の場としてグループホーム等 が必要であろうというふうにも思います。  そういうことで、何か3障害が非常に難しいところへ来ておるので、そこらをきちっと 整理してからでないと、この論議が前へ行かないような感じがいたします。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  櫻井委員、どうぞ。 ○櫻井委員  ちょっと今日は途中で退席しなきゃならないものですから、早目に発言させていただこ うと思うんですが、制度論ということで言うと、公営住宅の話が出てまいりましたけれど も、国の住宅政策という観点から見ますと、公営住宅については非常に大きな活用の余地 があるだろうというふうに思うんですね。一昨年でしたっけ、住生活基本法という法律が できて、それからまた今回は法律がどうも成立しないようなんですが、200年住宅の法案 が出ていたりしていて、一般の住宅政策は非常に大きな転換点にあります。  そうすると、公営住宅みたいなものについてはどういうふうに活用していくのか、ある いは国がそこに関与する必要があるのかというようなことも含めまして、大きなブランク がある意味できるのかなというのが住宅政策一般の中での基本的な傾向だろうと思うんで すね。  そうすると、そういうのをもっと連携というふうにおっしゃったんですけれども、もっ と大胆に使う余地があるだろうということが言えると思いますし、そのことと地方分権の 関係はどうなっているのかというのを私もちょっとよく自分なりに考えが整理できていな いんですが、今回の第1次勧告でも、公営住宅についてはたしかリストに中に入っていた かと思うんですけれども、全体としてどういうふうに理解したらいいのか、もし事務局の ほうで感触があれば伺いたいなというふうに思います。  それで、私は実態については必ずしも詳細は存じないんですけれども、開放型の地域で 住む地域生活に移行するということなんですが、そうすると住む場所というのは一番重要 なんですが、それが施設ではなくてある種の中間形態にする。施設ではないし、それから 完全に個人の住宅でもないという中間的なものというのは、恐らくいろいろな意味で重要 性を持ってくるのではないかなというような、やや素人考えなんですけれども、そんなこ とを考えておりまして、そういう意味でも国交省さんとの関係ということになるとは思う んですが、ここは重点を厚労省さんのほうに移動してしかるべき領域なのかなというふう に考えております。  それで、多分次の議題なんですけれども、一言だけ申し上げたいのは、もう1つは働く 場という点について、企業のところで税制改正の話、税制の話、議論がちょっと出ていま したけれども、企業にも支援して、働く場を提供するということについては、企業に対し てどういうアプローチをとっていくのか、そしてその環境整備をどういうふうにしていく のかというのが非常に重要だと思うんですが、行政は何かやたらと税金をいじるのが好き なんですよね。それ以外の手はないのかというふうにいつも思っておりまして、税制は余 り政策的に使うのは本来は好ましくないわけで、そこはどういうふうに知恵を絞ったらい いのかというのは、私自身も必ずしも思いつかないんですけれども、何かそれ以外の企業 支援と、働く場を提供するということをこれは何か知的な産みの苦しみで考える必要があ るのではないかなというふうに思っております。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  公営住宅が今後地方分権ということで、それぞれの行政体、地方行政体に移行されてい くという、そういったことと関連して、何かありましたら。  それと、もう1つは企業支援ということについては、次の論議になってまいりますけれ ども、今後税制以外のところでの企業支援ということを要望として受け止めていただけば と思います。前段について、事務局のほうからございますならば。  それと、大変失礼いたしました。嵐谷さんのご発言に関連してということで、竹下委員 から関連の声が挙がっておりましたんですが、私は櫻井先生、もしかして関連というふう にとったものですから指名をしてしまいましたが、その後で竹下さん、よろしくお願いい たします。  それでは、事務局からお願いいたします。 ○蒲原障害福祉課長  障害福祉課長でございます。  住宅の話が出ました。おっしゃるように、これから障害がある方の地域での暮らしとい ったことを考えたときに、従来から割と頭に置いてやっているグループホーム、ケアホー ムだけじゃなくて、むしろ幅広く住宅政策との連携をしながら、そういう場所を確保して いくということが非常に大事だと思っています。その意味で言うと、先ほど説明の中にあ りました。一つはグループホーム、ケアホームをつくるといった意味で公営住宅を活用す るというのがありまして、これは一応今ある程度いっていますけれども、ただこれは実際 にもっともっと広めていくためには、そういう連携のノウハウ、これは実際には都道府県 レベルで、地方レベルでの福祉行政と住宅行政の連携の中で、実際にこのグループホーム、 ケアホームの人たちが借りやすく、使いやすくなるようなマニュアルなんかも整備してや っていくということが非常に大事だというふうには思っています。それが一つ。  もう1つは、住宅政策そのものについて言いますと、これは公営住宅といったものを活 用する方法として、今いろいろな直接設置しているような公営住宅というのは当然あるわ けですけれども、公営住宅のいろいろな設置の形態というのは、いろいろな形があるとい うふうに国土交通省からも聞いております。そういった意味では、街中で住むといういろ いろな我々が考えている理念に合うような公営住宅の供給の方法といったことも、これか ら国交省とよく整理をしていきたいと思っています。国交省と今随分意見交換をやってい ます。  先ほどちょっと触れました地方との関係で言いますと、これは国レベルで一定の枠組み というか、これは政策、あるいは法律に係ることもあるかもしれません。そういうのをつ くった後で、ただ実際は確かに県営住宅、市町村営住宅になると思いますので、その意味 で言うと県レベル、市町村レベルでの福祉行政との連携、これはちょっと抽象的に言って 申しわけないんですけれども、実際上、福祉部局の人がちゃんと住宅部局の人とよく顔を 合わせて、自分のところの地域のところに障害者のためにどういうふうに活用するかとい うことをそれぞれのところでやってもらうようなことで、これは我々国交省と連携した上 で、いろいろな施策をつくって県、市町村に丁寧に流していくのが大事だなというふうに 思っております。 ○潮谷部会長  関連ということでございましたので、竹下委員に戻ります。 ○竹下委員  資料で言いますと、施設入所者の地域生活への移行に関する状況についての3のところ ですけれども、これは僕は嵐谷委員と全く同じ意見なんですけれども、この統計は僕は非 常に不完全でちょっと誤解を招くと思うんですよ。なぜなら、例えば地域生活への移行と いうところに、問題はグループホームなりケアホームへの移行というのは数字で出てくる わけですが、身体障害者は対象になりますか。ならないんじゃないですか。  すなわちどういうことかというと、この統計を見ていると、障害別の移行というのは全 く見えてこないし、誤解を招く統計ではないか、誤解を招く数字のとり方じゃないかと思 うわけです。そのことは何を意味するかというと、地域移行を考えるときに、知的障害者 と精神障害者と身体障害者、その特性に応じて制度上も全く違う体系をとってきているわ けですから、それに応じた統計も出さないと、その後の政策的な分析ができないんじゃな いかと思うわけです。  しかも先ほど小板さんもおっしゃったけれども、全くそこも同感で、障害程度区分とい うものが障害者自立支援法が持ち込んだわけですから、それとの関係で入所要件もあれば、 地域移行の条件が違ってくるということは、多分そこに想定されているはずであります。 そのことと地域移行が現実にどういう対応になっているのかということについてあらわさ ないと、政策提言にまで結びつかないんではないかと思います。したがって、3のところ の統計はもう少し正確な統計を出して、9月からの議論に結びつけていただきたいという のが1点。  それから、もう1点、2のところの入所者数の増減の内訳でありますけれども、これは 平成17年から19年を出してくることがさっぱり僕には統計として意味が理解できません。 なぜかといいますと、障害者自立支援法は平成18年4月の施行だというふうに思いますの で、そうすると政策的ないわば効果としてそれ以前とそれ以後はどう変化しているのかと いうのが大事なんだろうと思うんですね。  しかも増減を見ていると、数字が三百何人の減少となっているけれども、これはずっと 平成10年代なりから見てきたときに、自然的な変動だけ、すなわち入退所者が変動してい ることと、政策的な位置づけによって変動したものとがどう違うのかということも出して いただくことが9月からの分析にはどうしても必要ではないかと思いますので、その点の 一度数字も出していただきたいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  一応、今のところで6ページに関わって、地域生活へ移行したということに関わっての 詳細分析、それから入所者の推移というところの中で、起点のとり方と増減の関連性、こ こ辺りを9月には明確にしていただきたいという嵐谷委員、小板委員の発言に関連してで ございましたので、事務局、今後よろしくお願いをいたします。  堂本知事が関連ということでございますので。 ○堂本委員  ありがとうございます。  先ほど北岡委員のほうからちょっとご紹介いただきましたが、私ども紙を入れさせてい ただきました。  そこで主張したいことが2つございまして、家族がなかなか今の段階では特に知的障害 の場合なんかは、グループホームで夜間はどうなのかとか、最終的に年を取ってからどう なるのかということで、安心感が持てない。そのためには、地域での生活が十分に確保で きるということが親の安心できるようにすることが必要だろうというふうに考えておりま す。  その場合に、入所施設が果たすべき役割というのが明確であるべきだろうということで ございまして、そこに書かせていただいておりますけれども、強度行動障害の方、あるい は高齢で知的障害をお持ちの方とか、それから触法経験のある障害の方、そういったよう な方たちへの支援が現状では地域での支援が大変難しいということがございます。それが 今の段階では、現場の職員の使命感で支えられているというような状況にありますので、 そこのところを余り大まかではなくて、そういった方たちの処遇をどうするのかというこ とを施設の問題と一緒に考えていただきたいということでございます。  もう1つは精神障害者の方たちの退院促進についてなんですけれども、長いこと入院を しておられた方が退院なさるときの支援ということが大変難しいのです。それで、家族か らの支援を期待することが大変難しいので、社会全体で支えていくことが大変大事だろう と思っております。  前回もちょっと話させていただきましたけれども、地域医療体制と連携を図りながら、 再入院を予防するためにも、一時回避的に利用することができるクライシスハウスのよう な社会資源がぜひ必要じゃないかと。この前発言はさせていただいたんですが、具体的に 数字を申し上げませんでしたけれども、千葉県市川市でクライシスハウスを県の単独事業 でやっております。平成19年度の実績でございますけれども、補助金は県からの補助金な んですが、これは350万円です。それで利用された方は何と延べ1,300人もおられる。  精神の場合には、そこでもう1つ大事なことは、いきなり病院ではなくて、そういうこ とがあることによって、非常にピアカウンセリングが重要視されるということで、ピアの 方たち、ご自分が経験した方たちがそこで大変重要な役割を果たしているということもご ざいますので、そういったような社会資源ができるともっとスムーズに退院をし、そして 地域への移行ということができるのではないか。したがって、それぞれの障害別、それか ら障害の中でのまたいろいろな高齢者の身体的な病気を抱えてしまう方とか、それから強 度行動障害の方とか、そういったいろいろな障害によっては細かいところにも配慮がとて も必要だろうと思っておりますし、それからただどこか出るだけではなくて、先ほどから ご意見がるる出ていますように、どうやって本当にケアマネジメントを継続的に施設の中 から地域へ、あるいは病院の中から地域へというところのケアマネジメントが確立できる ような、そういった方策を今度は確立をしていただきたいというふうに思って出させてい ただきました。  ありがとうございました。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  堂本委員のほうからは資料が出されておりますので、ぜひ皆様目を通していただきたい と思います。事務局のほうにも夏休みに現地調査ということもございますので、ぜひ千葉 県のクライシスハウス、それから熊本県にございます地域の縁側づくりもございますので、 ぜひ現地を見ていただいて、今後の施策、地域移行ということでの観点も深めていただけ ればと思います。  佐藤委員、何か前半のことで。  じゃ、最後にさせていただいて、後のところの部分も皆さんの論議を承りたいと思いま すので、よろしくお願いいたします。 ○佐藤委員  ありがとうございます。  では、簡単に。  まず、グループホーム、ケアホームのことですけれども、一番大きな問題は単価だろう と、これに尽きると思います。例えば、今日東松山市の市長の坂本委員も来られています が、東松山市では社協が、埼玉県は療育手帳、最重度の方はマルA、重度の方はAという ふうに言いますが、マルAとAの手帳所有者だけを限定したホームを立ち上げました。数 年前です。  私自身も隣の街で同じように、私が当時関連していた社会福祉法人でマルA、Aの手帳 を所持する重複障害のある方たちをも含むグループホームをその当時ですけれども、立ち 上げました。  そうしますと、両方とも当時から市役所の場合は一般財源を投入しなければいけないし、 私が関連していた法人もいろいろやりくりをしながら、法人全体でバランスをとるという 運営をしていました。  ところが、自立支援法になってさらにその状態は深刻になって、恐らく東松山市の志も 我々も志も同じだったと思いますが、地域で生活をするということは障害の重い、軽いに 基本的には全く関係ないことだと。どんなに重い障害があっても、その人が地域で暮すと いうチャンスを得て、そしてその人がそちらのほうを選んでいくというようなきっかけを 提供すべきだと。  そういう意味では、実験だと思って始めたわけですけれども、実験は実験のまま、実験 を維持するのが精いっぱい、これ以上増えていかないという状況になっていまして、少な くともイコールフィッティングだけは約束すべきだと思います。つまりどこにいようとも、 その人が同じような障害を持っているとしたら、そこだけはまず保障すべきだと。そして、 その上でこれは障害程度区分とは余り関係なく、ケアマネジメントの思想をきちんと入れ て、その人がその人なりに自立した生活を営むためにどういう支援が必要か、これは私は 前にも発言しましたけれども、実は日本は1970年の障害者基本法によって、つまり、40年 近く前から障害者とは障害を持つ人、障害のある人のことではなくて、障害のために日常 の生活ができない状態になっている人たちを言うということを言っているわけですから、 ケアマネジメントの思想というのはまさにそこに出発点があるはずですので、そこに立ち 戻って考えていけば、今のような単価でよいはずはないと思います。  それはさらに近年ICFの考え方を入れますと、例えば施設にいること自身がその人に とっての障害だという理解だって成り立つわけですよね。つまり障害がこういうふうに重 いから、施設にいなきゃいけないということは恐らくICFの基本的な理念から言えば成 立しないと思います。まさに環境との関係性そのものを評価するということになれば、そ れは施設にいるということ自身が障害という理解も成り立つわけでありまして、この問題 は、すなわち地域で生活をするということは、非常に根源的な問題も含んでいるわけで、 ぜひとも今度の改正に当たっては、この自立支援法の根幹を守るために具体的にはどうい う政策をしたらいいかを考えるべきです。  最後に一言だけ申し上げると、私は基本的に行政にやってほしいことは利益誘導だと思 っています。多くの事業者がどっちを一生懸命取り組んだら、事業として多くの人々に喜 ばれ、しかも生活も安定するか、そういうことを考えていただいて、行政施策を展開すべ きだろうと。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  佐藤委員を最後にと申し上げたんですが、ちょっとすみません、ここは一言東松山市長 のお話も伺わないといけないかなと思いますが、いかがでございますでしょうか。 ○坂本委員  私は、東松山市長に就任して14年になりますけれども、私たちの街では、ノーマライゼ ーションの街づくりを全ての政策に掲げさせていただいております。「障害」を「生活の しづらさ」と捉えると、私は障害のないという人は思っておりますので、ノーマライゼー ションの街づくりは、全ての市民にとって住みやすい街づくりであると考えています。  もし、1軒の家に住む家族の中に障害を持つ子どもがいたとしたら、家族はもちろん一 緒に寝て、一緒に食事をして、一緒におふろに入るわけです。同じ町内、同じ地域でも基 本は同じだと思います。障害のある子どもも、地元の保育園や幼稚園、小学校、中学校に 通って育つのが当たり前だということです。  私は、これまでの障害者福祉の根幹にある問題というのは、障害のある人を分けてきた 教育にあると思っています。それで、全国に先駆けて教育委員会にあった就学支援委員会 を廃止をして、希望する全ての子どもが、どんな障害を持っていても地元の学校に入れる 仕組みに変えました。自分のお兄ちゃんやお姉ちゃんが行った学校、弟や妹が通う学校に、 障害のある子どもも通うことができるべきであると。選択をするのは障害のあるその子自 信にあるのだということを、東松山市では実践をしてきました。  以前の学校教育法施行令には「心身の故障」というような文言がありましたけれども、 そうやって卒業した子が今の特別支援学校を出て、今度は社会で置き去りにならないよう に、そういう子供たちが、親が先立った後に安心して地域の中で生活ができるように、重 度障害者のグループホームに行政が組むべきだというふうに思っています。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、大濱委員、お願いいたします。 ○大濱委員  今の佐藤委員、それから坂本委員のお話の数字は、いみじくも今日のデータに出ている と思うんですが、要は6ページで実質的に地域移行した人が約400名弱、389名しかいない わけです。あと、これは実際の前のページに国としての計画があるわけですが、これです と年間1.3%、施設から地域に出ることになっていますが、実際には本当に地域に出てい ません。  何で地域に出てこられないのかということですが、これは私どももいろいろ幾つかの市 町村などにヒアリングをかけています。今いみじくも単価のお話とか、そういう報酬のお 話も出たわけですが、これは国庫負担基準の問題や障害程度区分の問題が非常大きく影響 していると思っています。そして、私どもは今データを幾つか持っているのですが、今回 出させていただいていません。  たまたまこれは私が関わって相談を受けた事例ですが、高校のときに柔道で怪我をした 子のご両親からの相談でした。その子が病院から自分の住んでいた市町村に戻りたいとい うことで、市町村に申請したのですが、それが非常に小さな市町村だったわけです。そう すると、この子の場合は呼吸器をつけていますから、ほとんど24時間介護が必要なわけで す。そうなると、小さな市町村では障害程度区分が6なので国の国庫負担基準29万数千円 ということに縛られて、一日6時間しか出ないとその市町村から答えが返ってきました。 そうなると、その子はその街では実質的には住めません。  それで、いろいろな相談を受けまして、やむを得ず東京にこの子を連れてきました。で すが、私どもがその子を連れてきた市町村から非常に嫌がられて、今後二度とこういうこ とはしないでくれよと、もともと自分たちの住んでいる市町村ではない人を受け入れたと、 そういうことをしないでほしいと、はっきり言われている状態になっています。これは国 庫負担基準の問題や障害程度区分ごとの単価の問題が非常に大きくて、地域に実質的に移 行できないということです。  1年間に直すと約200名程度、2年間で400名という数字しか移行できてないという数字 がデータに出ています。将来的に23年度までに1.3%移行できるかというと、恐らく無理 だろうという状況です。ですので、今後自立支援法はどうあるべきか、本当に地域移行と いうことをきちんと目指すのであれば、それなりの資金とか、また障害程度区分の判定に ついて、本当に必要なニーズをどうやって判定していくのかも含めて、9月以降はきちん と考えてもらわないと。そうでないと今までの自立支援法について、この程度の制度だっ たのかということになってきますので、ぜひ根本的、抜本的な見直しをしていただきたい と思っております。以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  大濱委員、お願いですが、ぜひよろしければそのデータをお持ちの部分に客観的な意見 等々もお含めいただいて、差し支えなければ今後提供していただくと、事務方にとっても とてもよい資料になるんじゃないかと思いますので、よろしくお願いをいたします。  広田さん、今の2つに関してでございましょうか。 ○広田委員  住まいです。 ○潮谷部会長  住ですね。  じゃ、広田委員ので終わりにさせていただいて、次のに移らせていただきたいと思いま すので、皆様方よろしくお願いいたします。 ○中村社会・援護局長  大濱委員のご意見は大変貴重なものだと思いますけれども、ただ資料の読み方について ちょっと誤解があるようなので、一言申し上げますが、平成17年10月1日と19年10月1日 で389人、これは減っておりますが、これは地域移行がこれだということではなくて、地 域移行は9,344人あったけれども、施設なりの定員が減っていないので、新たに新規入所 の方が1万8,556人あったので、入所者数が変化していないということでございますので、 自立支援法に対するご批判とか、そこは結構ですけれども、ちょっとデータの読み方だけ は訂正させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○大濱委員  局長、そのあたりは分かっていまして、確かに純減がこういう形だというのは分かって います。九千三百何人減った、九千三百何人が地域に移行したということはよく分かって いるのですが、実質的にはその方たちからの差引きの数で八千何人が新たに施設の中に入 っているわけですね。  これはどういうことかというと、施設の待機者が相当多い。そのあたりも基本的に問題 があるのではないかと。施設の待機者がそのまま施設に流れ込んでいるために、なかなか 施設から地域に移行できないと。本来だったら、そのあたりの仕組み、要するに施設の待 機者も含めて、仕組み自体もう一回見直していただきたい。そういう意味合いで私は申し 上げているつもりなのですが、よろしいでしょうか。 ○中村社会・援護局長  そういう意味合いでおっしゃっているのであれば、そう言っていただいたほうがいいか と思いますし、そういう話と例えば障害程度区分云々の話とか、そういったことはよくつ ながらなかったものですから、申し上げた次第です。 ○潮谷部会長  それでは、広田委員、お願いいたします。 ○広田委員  皆さんがおっしゃっているように、障害程度区分は精神障害のほうから言わせていただ いても非常になじみのない、いわゆる項目が多過ぎますので、これはやり直していただき たいというふうに思っています。  それと、精神障害者が精神病院から退院するにしろ、親元から離れて自立するにしろ、 住居の問題はとても大きくて、おとといでしたか、神奈川県の川崎市に行ったんですけれ ども、今まではサテライト方式のグループホームが認められていたのに、厚生労働省の施 策によって川崎市がつくれないようにしたということなんですね。そういうことがもしあ れば、さっき公営住居をいわゆるグループホーム化しようとしているわけですから、その 辺のことがどうなっているかというのをひとつ聞きたいのと。  それから、例えば公営住居の場合は保証人なしで入れていただけるのかどうか、分かり ませんけれども、民間を借りる場合には必ず保証人が必要になったときに、親が高齢化に なり、そして兄弟に頼りたくないと思うときに、公的保証人制度をいわゆる地方自治体で 横浜市などはつくっておりますが、地方自治体でそういう制度化できるようなことを厚生 労働省としてやっていただきたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  1点目のサテライト方式に対してブレーキがかかっているということ、2点目の居住サ ポート事業の実施、これが資料の中にも一応出されておりますが、ここを広田委員からは 何かもう少し深めてということでございましょうか。  それでは、お願いいたします。 ○蒲原障害福祉課長  1つは、サテライトのところについてはもともとグループホーム、ケアホームというの は幾つかのところに分散して、全体としてできるという整理をしております。したがって、 今の事実関係はきちっと確かめたいと思いますけれども、我々としてみると何か、1カ所 にはあると思いますけれども、幾つかのパターンで分散型というものはできるというふう に認識しておりますので、個別の事実関係については確かめたいというふうに思っており ます。  それから、保証人の話がございました。これは確かに入居するときにいろいろな支援を するといった意味で居住サポート事業はあります。ただ、先ほど話したとおり、全体で20 %弱の実施予定も含めてということなので、これは居住サポート事業の中でそういうこと ができるように、現行でもできるところがあるでしょうし、さらに国交省とのいろいろな 連携の中で、例えば高齢者についての保証人の制度について、やられている措置をさらに 勉強して、少なくとも障害と高齢と何か差があるようなことがないようにやっていかなき ゃいけないというふうに思っていますので、そこは対応する方向で考えていきたいという ふうに思います。 ○潮谷部会長  どうぞ市町村事業に対して、ぜひ県民の皆様方に事業内容をきちっと届ける、広報する、 こういった役割を担っていただかないと、せっかくの施策が届いていないということにも なろうかと思いますので、その辺はよろしくお願いいたします。  それでは、「就労支援と所得保障」に入らせていただきたいと思います。  どうぞ。 ○浜井専門委員  すみません、どこで発言しようか、かなり迷っていたんですが、専門委員の浜井です。  私は専門委員なんですけれども、恐らくある業界を代表しているのかなというところも ございまして、今日のテーマが地域移行と就労支援ということで、どちらも関連している ということなので、問題意識を共有していただきたいというか、とりあえず頭出しという ことで発言させていただきたいと思います。  私は専門が刑事政策、あるいは犯罪学、犯罪社会学ということで、もともと犯罪者の処 遇というのを専門にいたしておりまして、先ほど堂本委員のほうからも触法経験のある障 害者への支援ということが問題提起とされましたけれども、皆さんある程度はご存じだと 思いますが、刑事司法の中、特に刑務所と言われている刑事施設の中にはかなり多くの障 害者の方がいらっしゃいます。顕在化された方もいらっしゃいますし、潜在的に障害を持 っている方、知的障害の方、精神障害の方、身体障害の方、それぞれかなりの数いらっし ゃいます。  これがどうしてそういうことになるのかというのは、恐らくこの法改正をどうしていく のかということと関連づきますし、そこを話し始めると非常に長くなるので、そこは何か 別の機会があればということにしたいと思います。もちろん、障害者の方々が犯罪を起こ しやすいわけではなく、刑事司法の枠組みが障害を持つ方々を前提として作られていない ため十分な支援が行われていないことに原因があるわけですが、ぜひこの今回の法改正、 それを考える上において、例えば2ページ目、あるいは14ページ目のところに、病院だと か地域だとか企業、いろいろ書いてありますけれども、刑務所にいる障害者の方も釈放さ れるといずれこういうところに関わってくることになるわけですけれども、刑務所などの 刑事施設の中にいる方々を、障害者福祉の枠組みの中で、どういうふうなルートを経由さ せて社会で生きていくことを支援をしていくのかという、その辺の仕組みも含めて法改正 を考えていただければというふうに思っております。  とりあえず今日は頭出しということで。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかに皆様。  箕輪委員、どうぞ。 ○箕輪委員  箕輪ですけれども、よろしくお願いいたします。  企業の者ですので、就労のところでたくさん話をさせていただきたいと思っていたんで すけれども、事前に今日いらっしゃっているIBMの荒さんと、今日はちょっと残念なが ら事情があって来られない鶴田さんともお話をさせていただいた関係でお話なんですが、 まず前提として自立支援法で企業の考えるところで言いますと、障害のある方ご本人が自 立をするための支援を考えるというところに絞って、事業者の方の事情は別に置いておい てこれからお話をさせていただきたいと思っています。  前回も少し最後のほうでお話ししたんですが、地域移行のために努力をされている地域、 それから事業者はたくさんあると思うんですが、その結果、今までのサービスとこれから 先ますます進んでいったときに、提供するサービスというのが質も量も随分変わってくる はずだと思います。本当にそれこそ就労移行が進めば、ゼロになることはないかもしれな いんですが、そういったところが地域に移行していますので、送り出すというよりは移行 した後のフォローとか、そういったところになってくると。  そういった場合に、若干事業者の方の話をするとすれば、必要に応じて事業そのものも 新しいサービスに移行していく必要が出てくるかと思いますので、今のまま抱え込むよう なことにならないように、新しい事業にスムーズに移行できたりとか、場合によっては福 祉のずっと関わって来られた方の新たな働き先とか、そういったものが保障されてくると、 また一段とスムーズに加速するところもあるのかなと少し思っています。  堂本委員の資料にもあったんですけれども、障害者手帳というのは福祉とか年金をいた だくためのものだと思うんですけれども、雇用が進むという意味では雇用率のカウントが できればいいということになりますので、そういった意味では今、手帳を取りにくい発達 障害の方とか、いろいろな方のために含めて、雇用率のカウントされるための障害がある ということを表に出して就職できるような何かそういった仕組みというか、サービスが用 意できると、さらに雇用というのは入社後のサポートも含めて受けられるのかなと思いま す。  また、就労に向けた支援とか訓練というのは、今日もご同席いただいていますけれども、 福祉だけではなくて、労働部局、それから能力開発部局、そして今日いらっしゃってない か、特別支援教育、そういったところでも本当にここ数年でそれぞれが加速的に学生さん なり、失業者の方が就職するための仕組みをたくさんつくっていますので、今日冊子も配 られていますけれども、そういったところも含めて、大分同じような仕組みとか制度が重 なってきた部分があると思うんですね。ですので、こういったものをいま一度全部並べて みて、整理した上で、強化すべきこととか、抜け落ちてしまっていることとか、そういっ たものを決めていったほうがいいと思うんですね。今後、福祉の中だけでまたやっていく と、実は重なっていたり、本来福祉のところでやるべきところが薄くなってしまってとい うことも出てくると思いますので、まずは全てを並べていただくということも一つ、それ から新しいものを考えられたらいいなと思います。  本当に国民の税金は限られていますので、有効に使うためには、無理とか無駄とかない ような状態で、不足するサービスを補完する形で今後話し合えたらいいなと思っています。  例えば、能力開発であれば委託訓練とか、一般の能力開発校に障害のある方を受け入れ るコースというものをできるだけ一般のところに障害のある方が受け入れられるようなこ とを考えられていたりですとか、特別支援学校のほうも地域の学校で受け入れられるよう にとか、とにかく地域、地域ということを意識して、皆さんでより一層そういったところ が連携をとりながら、ですから例えば民間の専門学校が地域の中にありますね。そういっ たところを今はなかなか協力がもらえないとか、あるならばそういったところを通えるよ うなところを強化していくとか、そうしますと出向いていってサポートをするというふう な、若干もしかすると逆にお金がかかることがあるかもしれないんですが、そういったこ とを考えていくとか、人材紹介会社なんかも、障害のある方の就労について、相当支援を し始めていますので、そういったところとうまくやっていけたらいいなと思います。  また、一つ数字のところなんですが、教育関係のほうにも、文部科学省の審議会のほう に出ているんですけれども、特別支援学校の入学者が急増していると。いろいろな事情は あるとは思うんですけれども、今まで多分特別支援がちょっと敬遠されていたりとか、市 域が高かったり、逆に下に見られたりするのがあるのかもしれないんですが、ここへ来て かなりの人数が入学をしてきていると。それから、新しい障害の区分というのもできてい るかもしれないんですけれども、そういった意味では今後ますます卒業時に福祉のほうに 一時的に関わっていただく、支援していただく必要が出てくるかなと思います。  その中で、先ほど企業の側の事情なんですが、4月に採用する人ばかりじゃないんです ね。過去に18年度だったでしょうか、年間の就職者数が約4万件という数字があったと思 うんですが、そのうちの4月に採用した数ってほんの十数%で、80%を超える数は5月以 降、6月までの間に随時採用しているんです。そういった意味では、学校がすごく頑張っ てくださっても、卒業時にタイミングが合わなくて、準備ができても就職できない人とい うのがこれからますます増えてくるのかな。学校が頑張れば頑張るほど、タイミングが合 わなくて、準備ができているけれども、一時的に地域で待つという方が出てくるかなと。 そうすると、何が起こるかというと、福祉のほうでは準備ができているので、さらに質の 高いサービスというのが求められてくると思います。ですので、準備が不足したために就 職ができづらかった方と準備が万端だったんだけれども、タイミングを待つといったとこ ろも大きく分かれてくるのかなと思っています。  また、これまでずっといろいろ福祉の現場のほうの就労系、それから作業所等をたくさ ん見学をさせていただいているんですけれども、学校も含めて施設とともに地域の企業等 で普通に働けると思われる、十分に働ける方がもっともっとたくさんいらっしゃるはずだ と思います。ただ、先ほど佐藤委員のほうから環境の話が出たと思うんですけれども、そ ういった意味では、訓練内容とか仕事の内容そのものに課題があったり、環境が不十分で サポートし過ぎたために自立がうまくいかないという方、そういった方もいらっしゃると 思うので、ぜひ第三者がヘッドハンティングというのもあれなんですけれども、もう少し この人は十分に働けるということを見つけて、ご本人に選択肢をそれを無理に引っ張ると いうことではなくて、選択肢を広げるようなことをやっていただきたいと思います。  あと収入増のところなんですが、企業が福祉の現場に発注をする発注増進なんかも出て いるんですけれども、実際に食材とか、いろいろな部分で今動きがありまして、年間を通 じて数多くの安定して品質のよいものを仕入れたいというふうな話をした場合に、どうし ても単独ではこなし切れない。ですから、年間を通じた安定したものに対応するには、集 団である程度個々のものをつくっているところはあると思うんですけれども、それを地域 に任せるのがいいのかどうか、分からないんですが、とにかくまとまった形であれば、大 きな注文に対応できるのかなと思うので、そういったところも評価していただきたいとい うことですね。  それから、一番大きいところなんですが、介護が必要な方、特に食事とか移動とかトイ レとか、そういったものが自分では困難だという方がいらっしゃると思うんですけれども、 そういった重度の障害の方も今の食事と移動とトイレを介助さえしていただければ、企業 に通ってきていただいて、同じ職場で働くということが可能な、例えば口でくわえたパソ コンを操作していただくとか、いろいろなことができる方がいらっしゃるんですが、今の 状態ですと、福祉のほうにも労働のほうにも、そういった介護が必要な方を通勤を前提と して就労するということが考えられてないように思います。ですが、在宅よりもはるかに 通っていただくほうが労務管理とかキャリアアップの部分、収入の増も含めて、可能性が 大きくなりますので、とにかく慣れるまでではなくて、永遠に続く、働ける間じゅう必要 なものというのを支援できるような仕組みというのを考えていただけたらいいなと思いま す。とにかくまとめて選択肢を増やしていくのと、本人が選択をするといったところを重 点に強化していただければなと思いました。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  幅広い観点の中からのご発言でございましたし、この中で事務局のほうで省庁間の状況、 施策、就労ということに関して施策が今横にどのように連携されていっているのか、そう いった状況等がもし何か皆様方にご報告できるような状態がありますならば、省庁間の連 携はこういうふうになっている。それから、制度と制度の隙間は今こういうような状態で 埋めようとしているとか、あるいは障害者の潜在能力ということ、こういったことも含め て、こんな方向性の中で今あるというようなことがもしあれば、ちょっとだけ出していた だければと思います。  はい、どうぞ。 ○蒲原障害福祉課長  これから具体的な連携については、皆さんの意見をもらいながらやっていきたいと思い ます。  現在で言いますと、1つは労働との分野で言いますと、いわば福祉の側から就労の側に 移るときの相談支援、あるいはサポートを一貫してやろうといった意味では、就業・生活 支援センターという制度がございまして、これは現在今年度で大体200カ所ぐらいを目指 しておるんですけれども、将来的にはこれを400カ所に増やしていきたいといったことで、 福祉と労働との間で一つ連携を図っております。  一方で、先ほど箕輪委員からございましたとおり、現在の就労移行支援といういわば自 立支援法における体系でやっている一般就労への移行のサービスと、先ほど話がございま した能力開発行政でやっているいろいろなものとの関係整理、さらに言えば、労働側でも 現在いろいろな助成金、あるいは納付金財源のお金を使って、一般就業の場でいろいろな サポートをしております。そうしたことと我々福祉の側でやっていることの施策がどうい う関係なのかということは、これからよくその在り方を考えていかなきゃならないという ふうに思っています。  もう1点、教育のところについて申し上げます。  これは障害があるお子さん、あるいはそうじゃないお子さんをできるだけ一緒の場でい ろいろ学んでいけるようにする、あるいは就学前であれば幼稚園、保育園でもそういうふ うにしていけるようなことにすべきでないかという声が幾つかのところから伝わってきて います。現在、障害児についてもいろいろな検討の場で検討しておりますけれども、そう した中で、例えば中高生、高校生ぐらいになったときに、いわば早目、早目に地域での暮 らし、あるいは就業といったことをできるだけ多く体験していく。これは特に長期休暇な んかのときに、いろいろな活用をすべきじゃないかといった声がございます。こうした声 を頭に置きながら、文部科学省とよくその辺のところで何ができるかということは、これ から考えていきたいというふうに思っております。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかに。  どうぞ。 ○宮崎委員  今、課長からお話があった教育に関して14ページのところに関連してお話をさせていた だきます。箕輪委員が提出をしていただいた資料の乳幼児期から青年期前期までの幾つか にまたがる領域の動きについての特に教育に関わる部分ですが、特別支援学校の卒業生が 年々増えて、これは高等部卒業生だと思われますが、1万名程度から1万3,000名ぐらい。 年によって若干の人数の変動はありますが、今、全国1,000校の特別支援学校から卒業し ていると思います。  今から二、三年前ぐらいまでは、就職率が23%ぐらいまで下がったんですが、また増え つつあります。現在は25%程度。県によって随分差異もあるんですが、3,000名を超える 卒業生が就労をしている現実があります。  箕輪委員からお話があったように、卒業時点での企業就労にはもう少し時間が足りない というようなお子さんに関しましては、厚生労働省のほうで障害者の試用雇用、トライア ル雇用の仕組みを作っていただきましたので、それを活用して就労をするという率も高ま っております。今後、さらに就職率が高まっていくのではないかと期待しております。こ のこととかかわって、高等部段階の生徒たちに関しましては、教育支援計画の中で移行支 援計画というものを作成しまして、企業、ハローワーク、その他関係機関と連携をして、 社会に出すという仕組みをつくっております。特に支援のための職業支援センターなどの 指導員の方がインターンシップ(職場実習)のときに付き添ってくださったりするなどの 動きも出ておりまして、それが就労にかなり有効な手だてになっているかと思います。ま た、ハローワークさんの最近の動きも大変活発で、ハローワークで実習を受け入れてもら うといったようなことを積極的に進めていただいているというような動きなどがございま す。  ただ、今日のテーマでいきますと、家庭的になかなか難しい問題がある場合の生活支援 をどうしていくのか、つまり居住に関する問題でクリアしなければ社会自立できない生徒 たちが結構おりまして、いわゆるグループホームに即移るとかというようなことはなかな かできませんので、余り増えていないんですが、生活寮でありますとか、通勤寮といった、 学校から即企業に移る場合の住まいの保障といったような問題についてどんなふうに支援 をしていくかということが大きな課題になっています。  通勤寮が実は3年程度ぐらい企業就労した生徒たちの支援をしているんですが、今後住 まいの保障という点で企業就労する場合に大きな役目を果たしていくのではないかなとい うふうに思っております。学校教育の中で企業就労への支援体制を組んでいる関係から申 し上げますと、様々な施策展開の中で居住保証の視点が強く求められるというふうに思っ ております。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  宮崎委員からの実態に即した今後への提言だったと思います。  どうぞ、星野委員。 ○星野委員  1つは、今お二人からの話でまず企業就労を目指すべきという意味で言えば、労働施策 がいろいろ力を出し始めていただいていますけれども、福祉施策と連携というよりも本当 に統合した舞台をぜひつくっていただきたい。そのときはもっと高い雇用率の数値を目標 に掲げていただきたい。日本は今1.8%ですけれども、その制度の後発のお隣の韓国でさ え、日本より高い雇用率だと聞いています。3%とかですね。2かなと思っていたら3と いう話も聞いていますから、ちょっとそこは確認したいと思います。ヨーロッパ辺りにい きますと5%、6%。本当に働きたいという障害のある方々の数、気持ちをきちんと整理 しながら、そういう方向性をつくっていくということが大事なのではないのかなと。そし て、そこをきちんと向かっていくということがまず一つ。  それから、雇用率をそれだけ高めて向かっていても、なかなか一般企業で働けない方々 も実際にはいらっしゃる。働きたいと願っても困難な方々も多くいらっしゃるわけで、そ ういう意味で20ページで福祉的就労の底上げという言葉が出てき、工賃倍増計画という話 で5か年計画という話が出てきたり、あるいはその後押しで今日のご説明にもありました けれども、企業の発注促進税制とか、いろいろ幅広めに支えの仕組みを言ってくださって いらっしゃる。また、国会では官公需の優先発注制度等の提案も出てきたということで、 働きたいと願う方々の幅広めの受け皿をきちっとつくっていくには、仕事がないと働けな いという実態があります。それともう1つ前回、あるいは今日の前半でも少しお話しをし ましたけれども、そこを支える弱さが非常に今回の自立支援法では目立ちます。とりわけ 就労継続支援事業B型については、今日の数字でもお一人につきの支援の平均値が出てい ますけれども、これまでの旧法の授産施設の本当に4割減ぐらいの数字になっております。  そこで、工賃倍増計画と言われても、もう職員は息が上がっております。それに加えて、 なかなか職員のなり手がいないというところもあって、大変つらい思いをしております。 ここら辺の基本的な見直しをいただきたい。  それから、堂本知事のメッセージの中にもおっしゃっていますが、一般就労移行支援事 業で実はまた職員のほうで息が上がってしまって、あるいは事業としても息が上がってし まっている事態が来て、出せば出すほどつらい事業になっている。さっきも4月で就職な んていうのは本当に少ないという話が数字で出たわけですけれども、職員の配置基準は前 年度の利用者数によって配置が決められます。10名ぐらいが就職していくと、その後がす ぐいるわけではない。就労移行支援事業は今のやり方ではなかなか難しいという話が出て きておりますので、その辺も検討が必要だなというふうに思っております。  最後ですが、どう考えても働く場で利用料というのはおかしい。直接利用者がその気持 ちが強いというところを繰り返しになりますが、お伝えをしたいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、福島委員、お願いいたします。 ○福島委員  就労と所得保障ということですけれども、意見を申し上げる前にちょっと感想を。  前半のこれまでの話を伺っていて、私は大濱さんが出された事例というのは非常にシン ボリックだなと、象徴的だなというふうに感じますが、私が持っている障害とは異なりま すけれども、呼吸器をつけて24時間、地域で暮らそうとする場合、確かに相当の財政負担 が必要なわけですけれども、だけれども住み慣れた地域で暮すことができないので、ほか のところに引っ越すことになっても、引っ越し先で本音としては迷惑がられるということ、 これはさらっと聞いちゃいましたけれども、これは考えたらすごいことですよ。  要するに、あなたの命は迷惑だと言われているのと同じことで。私たちは自立支援法で あるとか財政の在り方などを冷静に議論しなければいけないんですけれども、一方では例 えばこういう事例を聞いてどう感じるか、私たちの感性や感受性というものが問われてい るんだろうと思います。私自身は、個人的には自立支援法は例えばこうした事例に対応で きない仕組みになっているのであれば、抜本的な見直しないし改正、あるいは来年には間 に合わないかもしれませんが、将来的には発展的解消も含めた展開が必要なんだろうなと 思っております。  その上で、ここでは今の枠組みにのっとって意見を申し上げると、所得保障というのが 非常に重要になってきますが、これは就労の支援とセットでというのはもちろんそのとお りだと思います。ただ、例えば今日の資料で抜本的見直しの報告書の抜粋でも出ています が、例えば工賃倍増計画、5か年計画ですか、今日の事務局のご説明だと、ターゲットと する平均的な工賃が1万2,000円ぐらいだというお話があって、その1万2,000円という設 定自体もやや高いように思いますが、つまり実際はもっと少ない人も多いと思いますけれ ども、それにしても1万2,000円が仮に2万4,000円になったところで、これは働いた対価 として十分と言えるのかというのは答えは明らかなわけで、所得保障の部分、具体的には 障害基礎年金等の充実がどうしても必要だろうと思います。見直しの案がありますように、 障害基礎年金を2級を1級にするとか、1級を10万円に引き上げる、あるいは住宅手当を 新しく設けるといったことを検討するというふうに課題が書かれていますが、これはぜひ 検討というレベルではなく、実現の方向で進めていっていただかないと、工賃を倍にした ところで、そのことは大変すばらしいことなんですが、絶対レベル、絶対額が少な過ぎる ので、何とかそこを尽力いただきたいなというふうに思っており。  以上、感想と意見です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  今の点についてよろしゅうございますでしょうか。事務局のほうで何かございますでし ょうか。 ○川尻企画課長  所得保障の関係につきましては、年金制度の話もありますし、あるいはそれから財源の 話もありますので、この障害者部会でご議論いただくこともあると思いますし、ほかの部 会でご議論いただくこともあると思います。  それから、大きくは社会保障全体に関わる話ですので、社会保障国民会議というのも動 いております。そういう大きな流れの中で、私ども特に障害者行政として何ができるかと いうのをここでご議論いただいて、それを関係のところにもつないでいくということを丁 寧にやっていきたいと思っております。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それから、事例が持つ真実性というのは、ここにおいでの委員の皆様方は大変問題視、 あるいは共感性の中で拝聴をさせていただいていらっしゃると思いますので、その点につ いてもよろしくお願いいたします。  川崎委員の後に副島委員という形でいきたいと思いますが。 ○川崎委員  精神障害者の就労、雇用について少し意見として申し上げさせていただきます。  実は精神の人の就労、雇用につきましては、大変に制度的にも、支援的にも遅れている のがまだ現状であります。しかし、ここでやっと法定雇用率1.8%に加算されるというこ とで、今回のハローワークのデータでも精神の人が増えているという実情がありますけれ ども、なかなか実際問題、企業側としてはなかなか精神の人の大変に難しい対応が、それ でこの1.8%の中になかなか精神の人が入っていないというのが実は現実ではないかと思 っております。そこで、ぜひともこの1.8%の中に精神障害者を実数としてちょっと入れ ていただきたいなというのが一つの私の意見です。  それと、実はハローワークで精神の人の雇用が伸びたということは、実はジョブコーチ とか地域での支援体制、そういう十分な体制、言ってみれば人的な支援があっての達成率 だったと思っております。実際、今精神障害者でこの自立支援法につながっているといい ますか、使っている人は8%弱です。20%ぐらいの人しか使われていないという、8割弱 の精神の方が言ってみれば引きこもり的な形で家庭で家族が対応しているという、こうい う人たちを何とか仕事をしたいという声が大変大きいもので、私たちも就労につなげたい と思うんですけれども、今回の自立支援法のように、就労を大きな目玉にして就労移行、 就労援助事業が立ち上がっておりますけれども、なかなか今まで福祉的な就労、例えば作 業所に行って、言ってみれば一日行っても何もしなくてもいいような、そういう環境が今 までありました。  それはとても精神の人にとっては大切な場でして、家から出られる。3時間でも4時間 でも作業所に行って、そこでいわゆる社会参加ができていた形だったと思うんですが、今 回なかなか自立支援法ではそういう精神の人のいやしの場的なものがなくなっておりまし て、実際今回の支援法につながっていない人がかなりいるということもデータでして、こ のような引きこもりの人を何とか自立支援法につなげるためのこれは先ほどからもケアマ ネジメントということが言われておりますけれども、そういう在宅の方へのケアマネジメ ント、それは例えばホームヘルプ事業だけでなく、相談も家族が望んでおりますことは来 てほしいということなんですね。自分たちが向かうのでなく、困っているときに来てくれ る相談、それは24時間体制の電話相談でもいいんですけれども、そういうものが欲しいと いうのが非常に家族の立場から出ております。  今回、自立支援法の中でもかなり居宅事業を進めるとか、往診の話とか、いろいろと相 談事業も拡張されるということですけれども、24時間見守り体制、それが恐らく精神だけ でなく、知的の人にも、それからそれを抱えている家族にも大変に必要なことではないか と思っておりまして、少し精神の側としての意見として申し上げさせていただきました。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、副島委員、そしてその後に小澤委員が挙げてらしたと思います。小澤委員は いいんですね。じゃ、生川委員、そして伊藤委員、それから君塚委員、こういう順番でち ょっとやっていきたいと思いまして、その後は時間をということで皆さんにお諮りをさせ ていただきます。よろしくお願いいたします。 ○副島委員  知的障害の分野からお話をさせてもらいます。  特に所得保障については、就労という問題もあるんだけれども、その前に生きていくた めの所得保障というのがどうしても必要です。障害基礎年金だけでは生活ができないとい うのが実態です。福祉サービスを利用することによって、生活するその上に利用者負担が 発生したということになると、当然障害基礎年金だけでは地域では生活できない。そうい うような状況がまず一つあります。  それから、今の所得保障の中にも、先ほど言われました家賃補助、家賃の手当て、これ を何とか具体的な方法をとっていただければ、少しでもプラスになると思います。  それから、就労についてですけれども、障害の程度に関係なく就労できるというのが我 々の考えだし、先ほどの委員の方からもそれが出たことはうれしいことです。ただ、問題 は障害者の就労に対して、本人も親も含めて支援者、企業、社会、それぞれの就労に対す る意識がどうしても低いと思います。もちろん自立支援法に対しての就労支援の取組にし ても、そこは十分じゃないと思うし、特に学校を卒業して福祉施設に入る人が結局は多い です。福祉施設に入った後の就労に向けての取組は、本当に1%から2%というのは、こ れは一体何が問題なのかということをしっかり考えていかなければならないと思います。  その時、問題は就労の継続ということを考えたときに、生活の安定がどうしても不可欠 です。生活の安定をするためには、生活支援というのがそこに伴ってないといけないと思 いますので、就労支援と生活支援はまさに本人の自立に向けての両輪であるということを 考えて取り組む必要があると思います。  それから、もう1つは地域の生活と今の就労に向けての取組で共通部分があります。そ れは生きていく上での権利というのがなかなか社会の中で認められてないということです。 すなわち障害者権利条約、ここにおける就労とか地域で生活するとかというところに対す る本人の権利をどう保障していくのかということも絡めて、この問題と一緒になって考え ていく必要があると思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、生川委員。 ○生川委員  生川です。  先ほど来、お話を伺っていまして、私自身ケアマネジメントというか、これの重要性を 前から感じていたんですけれども、今日前半からお話を伺っていまして、その重要性をま すます感じるというようなところがあるんですが、例えば先ほど就労支援ということがあ りましたけれども、いろいろな仕組みがあって、それを利用して就職をされる方は増えて いるということなんですが、実際に私は今教育学部の教員をしていますけれども、その学 生の中で大学院生として、特別支援学校からいわゆる私のところに来ている学生さんがい らっしゃるんですけれども、その方はしばらく特別支援学校で就労担当というか、それに 当たっていた方なんですね。その方の話を聞きますと、就職をしたはいいんだけれども、 その後フォローしなければいけないと、それをだれがフォローするかといったら、結局学 校の教員と我々全てのもちろん人じゃないんでしょうけれども、例えば自分だったら自分 がかなり学校時代に就労に対して関わったので、私がやらなければならないと。ならない というか、やっていますと。  そういうことを何年も続けていますと、そういうケースというのをどんどん、どんどん 抱えることになっていますというようなことを今私のところに聞いている学生からそうい う話を聞くんですけれども、そういうことを聞くにつけましても、もしそういう方のケー スをうまくマネジメントしてくれるようなケアマネージャー、もしくは就労支援マネージ ャーというんですか、そういうような方がいらっしゃれば、学校の先生が何年も、何年も にわたってやる必要もないというか、助かると思うんですね。  それと、あと今日箕輪委員のほうから配られていました資料ですが、このライフデザイ ンというようなものがありますけれども、これなんかも就学前の段階から、例えば障害者 手帳、療育手帳なり身体障害者手帳なり、そういう手帳を交付した時点で、これは夢のよ うな話かも分かりませんけれども、ケアマネジメントというか、ケアマネージャーという か、支援マネージャーというのがあなたのこれから先マネジメントをしてくれる方はこの 方ですよという支援マネージャーなりケアマネージャーなりというのがきちっと定まれば、 その方に相談に行けば、ちょっと困ったときは助かるというようなことでいけると思うん ですね。  それで、例えば特別支援学校なんかに入学しますと、就学した時点で個別の教育支援計 画というようなものが立てられるかと思うんですけれども、そういうときにはもちろん支 援マネージャーといいますか、ケアマネージャーは関わって、どういうふうに個別に教育 支援計画が立てられるんだと、あるいは高等部辺りになって、移行支援というんですか、 そういう移行支援計画というようなものを立てるときにはもちろん関わると。  さらに、卒業して就労してからも、個別の支援計画、そのときの作成にも関わるという ことで、一貫したケアマネージャーというんですか、あるいは支援マネージャーという方 がこれは障害の重い、軽いにかかわらず、そういう方がいらっしゃれば、障害のある方が 戸惑うこともなく、なおかついいといいますか、その場合に支援マネージャーというか、 ケアマネージャーの力も大いに関係してくるかと思いますけれども、その点ではちょっと 話が横道になるかも分かりませんけれども、社会福祉士という仕組みが今ありますね。社 会福祉士の方はいっぱいいるんですけれども、その社会福祉士の方を十分に生かせてない というか、介護福祉士の場合は結構介護福祉士を持っていることが仕事につながっていま すけれども、社会福祉士の方の場合にはケースワークというか、そういうところで十分に 生かされてないような気がしますので、そういう支援マネージャー、もしくはケアマネー ジャーと言える方は社会福祉士を持っている方が当たるとか、そういうような仕組みにな ってくれれば、随分また変わるのではないかと思われます。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  皆様方に少し諮ってまいりたいと思いますが、予定されていた時間は4時まででござい ますが、先般少しオーバーしてもいいんじゃないかというような暗黙の了解もございまし たけれども、皆様いかがでございましょうか。先ほどお手を挙げてくださいましたあとお 二人がいらっしゃいますが、そこまでいってよろしゅうございますか、それとも……。 ○竹下委員  延長していただきたいと思うんですけれども、長時間じゃないと思うので、私も若干発 言をしたいので。 ○潮谷部会長  そうしますと、今予定されている方が伊藤委員、君塚委員が予定をされておりますので、 それから安藤委員ですね。ここ辺りまででよろしくお願いいたします。  伊藤委員、2回目ですので、だれかに譲る気はありませんでしょうか。 ○伊藤委員  実は第1回目のときに部会長にお話ししたとおり、欲求不満で帰ってしまいましたので、 申しわけございません。しかも先ほどの地域移行や住まいのところでも、実は積み残しが ございました。  そこで、2点なのでございますが、1点はどうしてもこれを言わないと自分たちのとこ ろの協議会に戻れないという深刻なものを背負ってまいりました。それはぜひとも地域移 行、住まいの確保ということで身体障害者のグループにもぜひともケアホーム、グループ ホームを早急にお認めいただきたいということが第1点でございます。  第2点目は先ほどいろいろな委員の方から話がございました、マネジメントといった相 談支援の事業が極めて大事であるということに加えまして、居住サポート事業というもの をもっと全国的に強力に推し量っていただければと、かように思っているところでござい ます。  そして、先ほど大濱委員のほうからありました呼吸器をつけてという話がございました。 実は私ども前身というか、もとは重度更生及び療護施設という、ここが母体なのでござい ますが、現実に私の施設にも現在ALSの呼吸器をつけた方が2名おります。もう三、四 年になりますでしょうか、お一人の方が呼吸器をつけて、最後は我が家でという家族の思 いもございました。本人は全く自己決定できません。ナースコールを押すことさえできな い状況でした。  さて、これでどうしたものかということで、いろいろ行政にも相談をし、関係機関にも いろいろなところに相談しました。まずは医師会、看護師協会、支援センター、そして東 京電力、人口呼吸器に電源が必要でございますので、そういったところのご協力をいただ いて、やっとこさっとこ地域にというか、地域移行じゃなくて在宅でございました。  そういったことを思いますと、本当に重ねてでございますが、施設もそうですし、ご家 庭、ご本人を含めてのマネジメント、ケアマネジメントをどう立てていくのかということ の相談事業というのをしっかり確立していかなければ、お互いに悶々として、なかなかご 本人の意に沿った形を整えることはできないと、こういうふうに思います。  そして、所得保障でございますが、私どもの施設の中にも年金の未受給者という方が何 人かおります。ぜひとも今回給付の在り方、あるいは給付の水準の問題、あるいは給付の 要件の問題、こういったことを踏まえて、利用者の生活の実態というものを十分に踏まえ て、総合的にご検討、見直しをいただきたいと思います。  最後に、私どものこういった施設の中には、養護学校から高等部を卒業されて日中活動 等々、利用される方が増えてきておりますが、その中で特に思いますことは、高等部を卒 業されて障害児の方が自立していく中で、最初から福祉の枠組みの中で守ってしまうとい うことよりも、なるべくできることなら一般企業での就労を少しでも進めて、そしてそう いった生活の部分を福祉が支えるという、こういった少しかじ取りもこれから必要なので はないかと、かように思います。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  それでは、引き続いて君塚委員、お願いいたします。 ○君塚委員  最初に離職者の数を聞いたことと絡みますけれども、自宅から一般就労している脳性マ ヒとか二分脊椎の方々が過労とか人間関係とかで、職場をやめざるを得なくなった、そう いう方を外来で何人もフォローしています。不眠ですとか自殺念慮とか、うつ状態が長く 続いて、結局辞めてしまいますが、それでも後もなかなか対応できないという難しさがあ ります。  先ほど箕輪委員からフォローアップが大事だ、生川委員からも養護学校からのフォロー の話がありましたけれども、本当に頑張ってやっと就職したのにつぶれてしまっていると いう現実をぜひ認識して、就職後もバックアップすべき体制を見直してほしいと思います。  文部科学省の話が出ましたけれども、文部科学省には養護学校の先生方に卒業3年後を 中心に夏休みを利用してフォローしてはいかがかと議論もありました。今、生川委員のお 考えは逆だったんですけれども、しかし、昔はずっと養護学校の先生方がフォローしてい たのですが、今はできなくなっていますが、フォローの一つの方策としては、そういうこ ともあるかなと思います。  もう1つは、浜井委員から触法者の犯罪社会学という話がありましたけれども、子供の ときから自尊感情とか、自分がこういうことができるということの自信をつけるという予 防的な早期介入が基本的に重要だと思います。家族への、あるいは本人への心のケアとい う形での障害の受容ということが核になると思います。障害児の在宅に障害者自立支援法 が導入されました。その中で、現在、重度の短期入所の方を受け入れられるだけの施設側 の能力が不足していて、お断りせざるを得ないという状況があります。それから幼少ほど 障害が重度複雑化しておりまして、そのためにNICUから出られない重たいお子さんが たまってきていて、大きな問題になっていると思います。  そうした中で、一方では虐待も増えています。そして、措置と契約かを検討する時に、 措置率が各県でばらばらというのもありますけれども、一方で私たちの全国の施設で平均 未収金が6%に上がっていて、これから増えていくという懸念があります。そういうこと も障害者自立支援法における課題として、2点ほどあります。  これは委員の意見に対する反論なので、余分かもしれませんが、施設に入っているのが 障害なのだというご意見があったのですがそんなことはなく、自宅から肢体不自由児で養 護学校に通っているお子さん方の全国の肢体不自由児の1万8,000人のうち毎年50人に一 人が病気で亡くなられております。在宅です。そういう意味で、施設入所が障害であると 短絡的に考えるのはおかしいと言うべきであり、利益誘導という話も、一般的にまだ社会 資源のほうが強者であるので、危険を含む面もあり、利益誘導でうまくいけばいいかもし れませんけれども、むしろ危惧すべきではないかと思っていますので、補足させていただ きます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  それでは、最後でございますが、安藤委員、よろしくお願いいたします。 ○安藤委員  ありがとうございます。  まず、就労の確認ですけれども、14ページに一般就労の現状、特別支援学校から一般企 業への就労が25%ありますね。この特別支援学校というのは、ろう学校も入るわけです。 盲学校、養護学校も入るわけですね。養護学校ですね。だから、この25%について、障害 児別々の分析が必要ではないかということですね。  もう1つは地域別々の分析が必要ではないか、企業と産業基盤がしっかりしている地域 と地方ではこんな就労においては大きく変わってくると思うんです。地域差があるという ことで、障害別、地域別に検討が必要だということです。  それと、自立支援法の一番の問題は、障害者や家族、それと施設関係者に大きな負担を かけているということです。その負担をどう軽減するかについてを福祉行政の中でも一生 懸命取り組まれておりますけれども、どう軽減するための環境を実現するかが非常に大切 になってくるのではないかと思うんですね。  例えば、雇用施策についてもハローワークもさっき出ましたけれども、ハローワークの 障害者対策というものは全く進んでいない感じです。たとえて言いますと、聴覚障害者の 就労に関してですが、ハローワークの手話協力員については、予算的にも全面的に減らさ れる一方で、昨日まで私たちは福井で全国ろう者大会を開いていたんですけれども、そこ でハローワークの手話協力員をどう補充していくかが大きな課題になっているわけなんで す。福祉行政がいろいろ努力されていますけれども、労働行政できちんとこの雇用施策を 中心的、重点的な施策としているかどうかが非常に大切な問題だと思うんです。  それと、地域生活への移行という面ですけれども、6ページの地域生活へ移行した者の 住まいの場の内訳がありますね。その中で一番パーセントが大きいのが自宅ですね。括弧 で家庭復帰になっていますけれども、家庭復帰というより家庭引きこもりじゃないかと思 うんですけれども、つまり施設に自己負担とか、そういった負担でいられなくなって、出 なくてはならない。家庭に帰らなくてはならないという現状もあるんではないかと思うん ですね。地域に移行する場合でも、ちゃんと移行できる環境というものをどのように進め てきたか、その環境をこの2年間でどう支えてきたかというようなデータというのが見え ない感じですけれども、現状を数字で出すだけで、2年間にわたってよく支援方法を障害 者とか、家族とか、社会的にも納得される方法で、行政にとってどんな環境をつくってき たかというようなデータが見えない感じですけれども、いかがでしょうか。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ただ今安藤さんから言われたことに関しまして、ページ14とページ6ですけれども、1 つは地域への流れの中で、もう少し内訳的に詳細に養護学校等々からの状況も含めて出す という方向をお願いします。  それから、6ページのところに関して、もし地域移行へという困難性の中で、環境との 連携と、連動というようなものがあるとするならば、そういった点も含めて明らかにとい うことでございましたので、もう一度その点のことを次回によろしくお願いをしたいと思 います。  皆様方もそれぞれ委員の方々からのご意見に対して、自分の立場からの意見をしっかり と出したいと、こういう思いにかられていらっしゃる方、挙手を何回もされたと思います。 すみません、1回か2回で本当に終わらせてしまいましたけれども、どうぞ多くのお立場 からのご意見を賜りたいという気持ちがございますので、論議が深まらないとお思いにな らないで、今後につなげて事務局はいくという信頼感の中で、ぜひご了解をいただきたい と思います。  私の役割はここで終わりにさせていただいて、事務局にバトンタッチいたします。よろ しくお願いいたします。 ○川尻企画課長  本日はご熱心にご議論いただきましてありがとうございました。  部会長からのご指示いただいた資料につきましては、できるだけ間に合うものは次回に 用意をしたいと思います。  それで、次回は第34回目になりますけれども、6月30日の月曜日14時からということ で予定をしております。正式なご案内は追って差し上げたいと思います。  以上でございます。  どうもありがとうございました。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022)