08/05/28 第32回社会保障審議会障害者部会議事録 第32回社会保障審議会障害者部会議事録  日  時:平成20年5月28日(水)14:01〜16:18  場  所:金融庁 共用第1特別会議室  出席委員:潮谷部会長、高橋部会長代理、嵐谷委員、安藤委員、井伊委員、       伊藤委員、岩谷委員、大濱委員、北岡委員、小板委員、櫻井委員、       佐藤委員、新保委員、副島委員、竹下委員、鶴田委員、堂本委員、       長尾委員、仲野委員、野沢委員、広田委員、福島委員、星野委員、       三上委員、箕輪委員、宮崎委員、山岡委員       小澤委員、生川委員、浜井委員       (林参考人、柳迫参考人) ○潮谷部会長  ただ今から、定刻でございますので、第32回社会保障審議会障害者部会を開催したいと 思います。  委員の皆様方には、本当にご多用な中に参画をしていただきまして、ありがとうござい ます。  議事に入る前に、まず事務局から、専門委員の紹介、それから委員の出席状況、資料の 確認をお願いしたいと思います。 ○川尻企画課長  企画課長の川尻でございます。部会長のご指示に従いまして、議事に入る前に幾つかご 連絡等をさせていただきます。  まず、専門委員のご紹介でございますが、社会保障審議会令第1条第3項におきまして、 審議会に専門の事項を調査させるために、必要があるときは専門委員を置くことができる というふうにされておりまして、この専門委員の方々につきましては、ご審議には参加を いただきますけれども、議決には加わらないという決まりになっております。  それでは、本日の資料1の委員名簿の下に3人のお名前を書かせていただいております が、順にご紹介をいたします。  まず、小澤温委員です。 ○小澤委員  東洋大学の小澤と申します。 ○川尻企画課長  生川善雄委員です。 ○生川委員  千葉大学の生川と申します。よろしくお願いします。 ○川尻企画課長  浜井浩一委員です。 ○浜井委員  龍谷大学の浜井です。よろしくお願いいたします。 ○川尻企画課長  続きまして、本日の委員の出席状況でございますけれども、坂本委員、川崎委員、君塚 委員からご欠席のご連絡をいただいております。坂本委員の代理として林参考人に、君塚 委員の代理として柳迫参考人にご出席をいただいております。  続きまして、本日の資料の確認をさせていただきます。  厚生労働省の茶封筒の中に資料が入っていると思いますけれども、資料1から3まで、 それから参考資料が1から3までございます。  資料1が、障害者部会の委員名簿でございます。  資料2が、障害者部会の今後の進め方についてという1枚紙の資料でございます。  資料3が、少し厚めの資料でございますけれども、障害者の範囲、サービスの利用状況 (利用者負担を含む)、相談支援、権利擁護という資料でございます。  参考資料1が前回部会における主な意見。  参考資料2が、前回部会の議事録。  参考資料3が附帯決議の実施状況という形になっております。  それから、事務局の資料ではございませんけれども、千葉県の封筒に入っているものは 堂本委員がご用意いただいた資料という形になっております。  以上、お手元にございますでしょうか。もし不足等あればお伝えください。  それから、本部会の議事録の取扱いについて確認をさせていただきたいというふうに思 います。第31回、前回の議事録につきましては、事務局のほうから各委員のほうにご確認 をさせていただきまして、既にご了解をいただいているところでございます。今後の議事 録の取扱いといたしましては、各委員のご了解がいただけた時点で随時ホームページ等で 公表していくということにしたいというふうに思っております。  以上でございます。どうもありがとうございました。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  最後の項目のところで、今、委員の皆様たちのご了解が得られれば、議事録の内容を随 時公表と、そういうことでございますが、皆様その点についてはまずよろしゅうございま すか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  引き続きまして、今日の議題に入らせていただきます。  まず、事務局から、本部会の今後の進め方について、説明をお願いいたします。 ○川尻企画課長 (資料2を説明)  引き続き、資料2のご説明を私のほうからまずさせていただきます。  障害者部会の今後の進め方についてということでございますが、この資料につきまして は、前回、事実上再開後第1回目のこの部会の場でも、議論が余り散漫にならないように ということのご指摘がございました。そういうことで、部会長ともご相談をしました結果、 これから3回につきましては、それぞれテーマを分けてご議論いただきたいということで、 3回分の主なテーマを書かせていただいたものでございます。  本日、第32回につきましては、主として、利用者側から見ていろいろなご議論をいただ くということでございますが、障害者の範囲、サービスの利用状況(利用者負担を含む)、 それから相談支援、権利擁護、という議題にさせていただいております。  それから、次回、第33回につきましては、自立支援法の中で明示をされました方向性に 係るものといたしまして、地域移行あるいは就労支援、住まい、所得保障といった議題を 提示をさせていただいております。  それから、34回、次々回でございますが、こちらは利用者を支えるサービス側から見る というようなことでございまして、障害児の支援、サービス体系全般、あるいは地域生活 支援事業等々という形にさせていただいております。  この予定でございますと、大体6月まではこういう形で委員の間でご議論をいただきま して、7月から8月にかけましては、2回程度というふうに想定をしておりますけれども、 関係団体のほうからご意見等をいただくというヒアリングを実施して、そして9月になり ましたら見直しに向けて本格的なご議論をいただきたいと思っております。  なお、9月のころになりますと、現在、いわゆる報酬の改定の関係で事業者の方々に経 営実態調査表を配っているところでございますが、そういう事業実態についてもデータが 出てくるかというふうに思っておりますので、そういうものも踏まえまして、本格的なご 議論をいただき、年内までに一定の方向をまとめていただきたいと、こういうようなこと を考えているところでございます。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  今後はこのような進め方でということでございますけれども、委員の皆様方よろしゅう ございますでしょうか。ありがとうございます。  どうぞ、大濱委員。 ○大濱委員  このスケジュールについてですが、これはそれぞれ今日の課題にしても、個別の課題が 4点、次の33回にも4課題があって、34回にも4課題があります。それぞれ相当時間を相 当要する課題だと思います。ですが、それを2時間の中で今日4点課題をやって、また何 日間もたたないうちに次の4つの課題をする。特に、次回は地域移行や所得保障、住まい の問題、就労支援、かなりこれは大きな課題だと思いますね。その間の期間の問題も非常 に短すぎるので、もっと期間を空けてもらいたいということと、こういう形でさらりと課 題をこの場で議論して、本当に議論できるのかなというのは非常に疑問ですが、そのあた りはいかがでしょうか。 ○潮谷部会長  今の点についてお願いいたします。 ○川尻企画課長  かなりタイトなスケジュールになっていて申しわけないと思うんですけれども、まず、 今回、今日から3回ご議論いただきますことにつきましては、自立支援法の抜本的な見直 し等々につきまして、特に論点としてどういうものをこれから大事にしていくのかという ことをお出しいただくための場ということで考えております。ですから、結論を出すとか というのはもう少し先になりますけれども、どういうことを議論するか、あるいはどうい う観点で議論するかということをお出しいただくということで、できるだけ広範に各委員 の先生方からご意見をいただきたいというふうに思っております。  9月になりましたら、具体的なところはできるだけ詰めて、これは委員の皆様方とご相 談しないといけませんけれども、頻度を頻繁にやるのかどうかということも含めてご相談 を差し上げたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  大濱委員、いかがでしょうか。 ○大濱委員  みんなそれぞれ各団体の会員をバックに持っているので、例えば、今回28日で、その 次が9日となりますと、団体内での議論の余地というのはほとんどないですよね。そこら 辺がちょっと心配ですが、もう少しこれ最低でも2週間ぐらいの期間をあけて会議を持っ ていただきたいなというお願いです。今から6月9日で修正できないということであれば、 今後はそういう形でぜひ検討をお願いしたいと思います。団体内での議論の時間が本当に ないものですから、そのあたりご配慮願えればと思います。 ○潮谷部会長  何かそれに関連してでございましょうか。  小板委員、よろしくお願いいたします。 ○小板委員  小板ですけれども、実際、今、大濱委員さんのほうからも出ましたけれども、やはり前 回もこの部会について議論がなかなかされなかったというのが実態の中にあって、それで 様々ないろいろな問題が発生したということだけは事実でありますので、やはりそれぞれ の団体とか、あるいはそういったところでの議論がきちんと煮詰まっていくことが大切だ というふうに理解をいたしております。そうしないと、現実にこの委員会の中でどれだけ の議論ができるかということは非常に難しいと思いますので、そこのところを見きわめな がらやっていただくということが大切だというふうに思います。 ○潮谷部会長  実は、皆様方にお配りされております今後の進め方の中で、見直しに向けた具体的な議 論が9月以降というふうになっておりますけれども、それまでは、一体これまでの状況の 中で何が問題点であったのか、あるいは今後どのような観点の中で進めていかなければな らないのか、そういったことをまずしっかりと出していただき、厚労省のほうにも傾聴し ていただき、それから委員の皆様方にも同じ共通認識の中に立っていただいて、この9月 以降というような形でございますが、ぜひそういう点のご理解も含めてよろしくお願いし たいと思いますが、団体の皆様方の中で、それぞれの組織の意見を聞く時間的な余裕がな いので、今後少し余裕をということについてはいかがでございましょうか。たまたま今回 は間隔が短こうございますが、次回は少しあきますけれども、その点について何かござい ますでしょうか。 ○嵐谷委員  日身連の嵐谷です。  先ほど、大濱委員の言われるように、ここの6月9日というのは時間的に機関決定とい うのか、団体へ持ち帰って意見集約というのがちょっと時間的に足らないようにも思いま すが、できれば中ごろまでちょっと延ばしていただけたらありがたいなというふうな感じ でおります。  そして、このテーマも4つの問題を2時間のうちに審議するということは、審議という のか要望をそれぞれ出すというのは非常に難しいと思いますが、私もこの審議会を最初か らやっておりますが、もうちょっと中身を詰めた論議ができたらいいなというふうに思い ます。何かこの制度そのものがまるっきり舗装のないでこぼこ道をちょっと土をならして 走っているような感じで受け止めております。どうかその点よろしくお願いいたします。 ○潮谷部会長  事務局のほうから、何か日程的なことを含めてございましたら。 ○川尻企画課長  日程につきましては、各委員の皆様方ができるだけご出席をいただける日ということで 押さえているものですから、これは事務局からのご提案ですけれども、もしある項目につ いて、意見がまとまらないとか、間に合わないということであれば、それは例えば6月9 日の議題を一部6月30日に言っていただくとかという形でさせていただければなと思いま す。  恐らく、各委員の皆様方も6月半ばぐらいまでの日程というのはかなり詰まっていると 思いますので、恐らく6月の半ばですと、多くの委員の先生方が出席いただける日がない のではないかなと思います。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますでしょうか、皆様。  どうぞ、福島委員。 ○福島委員  事務局からいただいたアンケートには、可能な日をそれぞれ書いているわけですけれど も、どれぐらいの期間、何回するかという、全体的な日程への展望は必ずしも議論されて いないだろうと思いますし、9月以降のこともありますというお話でしたが、その9月以 降がどうなっているのかが分からないので、それを前提とした6月の位置づけが分からな い、そういったことが委員の皆様方の不安につながっていると思います。  確定できない分はあるとは思いますが、現時点で、事務局や座長のお立場で、今年度一 体どういうタイムスケジュールでイメージなさっているのかを最後のほうまで、まずその ストーリーというか流れをおっしゃっていただいて、その中で今回の6月のものがどうい う意味かということをおっしゃっていただけるとより分かりやすいのかなというふうに思 いますが。  あと、ついでに2時間というこの時間にはそれなりの理由があるのだろうとは思います が、かつて京極先生がなさっていたとき、議題によってはもう少しゆっくりとったことも あるのではないかなというふうに記憶しておりますので、場合によっては、皆さん大変で はありますが、2時間というのをもう少しゆっくりとることも考えてはどうなのかなとい うふうに個人的には思っております。  やや質問的なことと提案です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  全体のロードマップの中での位置づけ、それともう一つは、時間的な量の問題がござい ましたが、事務局側から何かその点についてございますでしょうか。 ○川尻企画課長  まず、1回ごとの時間でございますけれども、これにつきましては、各委員の先生方か ら、もう少し長くしたほうがいいのではないかということであれば、例えば2時間半とか 3時間とか、そういう形でできるようにしたいというふうに思います。今日も、ですから 2時間たったら切るということではなくて、ご都合ある方いらっしゃるかもしれませんけ れども、少し時間の余裕をもって会場も押さえているところでございます。  それから、これからの全体のロードマップという話ですが、繰り返しになるかもしれま せんけれども、これから3回につきましては、まず何かを決めるということではなくて、 どういうことが制度の見直しに関して議論すべき課題なのか、その視点はどうなのかとい うことをそれぞれ3回に分けてお出しいただきたいということでございます。その後は、 各委員の先生方だけではなくて、幅広く意見を聞くということで団体ヒアリングをしたい というふうに思っております。それを踏まえた上で、あるいは経営実態調査のデータも踏 まえた上で、9月からは、もう少し頻度も加えた上でやりたいと考えています。  いずれにしましても、私どもとすると、全てが21年度からという形になるかどうかは別 でございますけれども、法律を改正する場合には21年の通常国会に、法律案を出すという 前提で考えております。そういう意味では、予算も含めますと12月の比較的早いうちには 一定の方向性を出していただく。もちろん細かい法律案の内容ですとか、あるいは報酬の 関係でありますとか、そういうものにつきましては、年が明けてからの議論という形にな ると思いますけれども、12月の初めぐらいの間までに一定の方向性をお出しいただきたい というふうに考えております。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますでしょうか、皆様。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○潮谷部会長  それでは、ただ今、様々なご意見を賜りましたけれども、今後、皆様方の意見、そうい ったものも参考にしながら、柔軟に日程的なものを含めて対応するという了解の下で進め させていただきたいと思いますが、引き続き事務局のほうから資料3以下について、ご説 明をお願いします。 ○川又企画官  障害保健福祉部企画課の川又と申します。  お手元の資料3に基づきまして、表紙に掲げてあります本日のテーマ、4項目につきま して説明をさせていただきます。  本日、時間も押しておりますので、できるだけ皆様からのご意見をいただく時間を確保 するために、説明資料はごく基本的なもののご紹介とさせていただきます。  1ページ目をお願いいたします。障害者の範囲に関連いたしまして、障害者の定義に関 します現行の法律上の規定を整理したものでございます。1ページ目の上は、障害者基本 法、現行法上では最も幅広い定義となっております。身体障害、知的障害、精神障害によ りまして、継続的に日常生活、社会生活に相当な制限を受ける者ということでございます。  障害者自立支援法におきましては、それぞれの法律を引用する形で定義がなされており ます。1ページ目、一番下が身体障害者福祉法でございますけれども、別表におきまして、 障害の状況と程度と決めておりまして、その別表に掲げる身体上の障害があるということ が1点。それから、身体障害者手帳の交付という2つの要件がございます。  2ページ目ですが、精神保健福祉法に精神障害者の定義がございます。発達障害者支援 法におきましては、発達障害の定義が規定されております。  なお、一番下に知的障害者福祉法を参考で掲げておりますが、法律上の知的障害者とい う定義というものはございません。定義はございませんが、目的の中で知的障害者という 形で出てきておりまして、実態としては、療育手帳の交付対象者がサービスの対象者とな っているところでございます。  3ページ目ですが、こちらは身体障害者手帳の概要でございます。身体障害者福祉法15 条に基づきまして、そこにまた別表の中身を引用しておりますが、その別表に掲げる身体 障害がある者につきまして交付をされております。1級から6級までの等級がございます。  4ページ目は、知的障害者に係ります療育手帳の概要でございます。児童相談所または 知的障害者、更生相談所におきまして、知的障害と判定された者に対しまして交付がされ ております。障害の程度、重度(A)とそれ以外(B)という形で区分がされております。 交付者数等は掲げてあるとおりでございます。  5ページ、精神障害者保健福祉手帳の概要でございます。これは精神保健福祉法45条に 基づきまして、そこの交付対象者にあるような形で1級から3級までございます。  6ページ目に、これは前回の資料にもございましたけれども、手帳の交付者数をまとめ ております。身体障害者につきましては489万人、療育手帳が72万7,800人、精神障害者の 関係が40万人余りとなっております。  7ページ目をお願いいたします。これは自立支援法の附則の検討規定でございますけれ ども、来年、施行後3年を目途としての検討規定、その中に障害者等の範囲を含めて検討 を加え、その結果に基づいて必要な措置という規定がございます。  また、昨年12月7日に、与党のほうの障害者自立支援法の関係の抜本見直しを検討した プロジェクトの報告書におきましても、発達障害者をはじめとする障害者の範囲について 引き続き検討すべきとされているところでございます。  8ページ目からがサービスの利用状況に関する資料でございます。8ページ目は復習に なりますけれども、自立支援法によりまして、サービスの体系が左側のようなものから新 サービスのほうへ移行したという状況をお示ししております。  9ページをお願いいたします。これも復習になりますけれども、自立支援法の1割負担 という形でなっておりますけれども、月額の限度額がございます。所得の区分に応じまし て月額の上限を決めておりますけれども、(1)から(3)まで、自立支援法が施行されたときに は介護保険と同様の限度額でございましたが、昨年4月からの特別対策、それから今年の 7月からでございますけれども、緊急措置という形で、ご覧のように月額の負担上限額が 引き下げられるということでございます。  また、併せまして、吹き出しのところに書いておりますけれども、所得の区分を見る単 位につきましては個人単位ということで、本人と配偶者の方の所得を基本にして所得を見 るという形で、7月から変わる予定でございます。  10ページ目は、障害児に係る保護者の所得の限度額が同様に緊急措置まで引き下げられ てきた経緯でございます。1点、障害者と異なりますのは、緊急措置のところでございま すけれども、4,600円という限度額のところの幅が拡大をしております。現在は、所得割 16万円、3人世帯にしますと年収にして約600万円程度でございますけれども、これが所 得割28万円ということで、3人世帯で890万円程度の収入ベースの方まで軽減対象を拡大 したということでございます。  11ページ目をお願いいたします。これは、平成20年度、今年度の7月からの緊急措置を 実施した後の姿をベースに、満年度、12カ月を通じてみると負担率がどのような形になる だろうかという形で、予算の数字をベースにした推計でございますけれども、1割負担と いうことでございますが、平均すると全体で3%程度になるのではないかというふうに見 込んでいるところでございます。  12ページ以降は、前回も、一部、19年12月分のみ資料をお出ししておりますけれども、 国保連の審査支払いのシステムによりましてデータをとったものをご紹介しております。 前回は19年12月分のみの数字でございましたけれども、今回補足をしてございますのは、 昨年9月分から今年の1月分までの推移を加えたこと、それから障害種別ごとのサービス の状況をというようなお話も前回ございましたので、その点を補足しております。  12ページの1番の表は総費用と利用者数の9月から1月までの推移でございます。若干、 費用、利用者数とも増減がございますけれども、5カ月分ということと、あと、年末年始 なども含まれておりますので、もう少しデータを注視していきたいというふうに思ってお ります。  2番の所得区分ごとの利用者数と費用額と、これは前回資料では12月分を出しておりま すけれども、1月分におきましても、ほぼ同じ状況になっております。全体の負担率4.26 %も変わっておりません。  13ページ、細かい表になって恐縮でございます。サービスごとの利用状況といたしまし て、利用者数と総費用額の推移を示したものでございます。前回は12月分のみでございま した。個々のサービスごとの推移でございますけれども、今後ともデータにつきましても、 もう少し注意をして分析をしていきたいというふうに考えております。  14ページでございますが、今回、前回の意見にもございましたので、身体障害者、知的 障害者、精神障害者の種別ごとにサービスの利用の状況が分かるようにということでつく ったものでございます。  なお、前回、事業所数の箇所数のところで重複等が見られたということで、その点につ きましては、今回はそこを精査いたしまして、重複がないような形で事業所数は整理をさ せていただいております。  15ページは、これらの数字の前提でございますが、1点留意をしていただければと思い ますのが、障害児の施設の給付、障害児施設の通所・入所のシステムの請求がまだ始まっ ておりませんので、このデータが含まれていないこと、それから、精神障害者の生活、訓 練施設等に関するデータも含まれていない、あと、償還払いでありますとか、紙で直接請 求されている部分、その辺り、データに抜けている部分があるということをちょっとご承 知おきいただければと思います。  16ページ以下は、今は数表だけでございましたので、今の表を基に、幾つかの観点から、 切り口からグラフ化をしてみましたのでご紹介をさせていただきます。  16ページですけれども、これは平成20年1月分のデータにつきまして、左側の円グラフ は障害種別ごとの利用人数でございます。全体のサービス利用人数の中でどの障害種別が どれぐらいの割合を占めるかということでございます。身体障害者が27.9%、知的障害者 52.7%、精神障害者8.9%などとなっております。  右側は、それを費用別に、使ったお金の費用のグラフでございます。身体障害者が33.7 %、知的障害者60.1%、精神障害者3.1%などとなっております。  なお、障害児、精神障害者の割合がかなり少なく出ておりますけれども、先ほど申し上 げましたように、例えば、障害児では、施設の入所・通所の非常に大きな部分を占めるも のが含まれておりませんので、かなりその辺は過小評価されていることをご留意いただけ ればと思います。  17ページでございます。こちらは、同じように人数と費用につきまして、サービスの種 類別に大くくりに分類をしてみたものでございます。下に表がございますように、訪問系、 日中活動系等々を大くくりにサービスの種類を区切って割合を見たものでございます。左 側の円グラフで、利用人数ベースで見ますと、訪問系が18.9%、日中活動系29.7%等々と なっております。旧体系の入所施設は24.9%、右側はそれを費用で見たものでございまし て、訪問系が11.7%、日中活動系20.3%など、ご覧のとおりとなっております。  18ページをお願いいたします。これは先ほどの12ページの2番目の表にありましたもの を基に、所得の区分ごとに1人当たりの費用、それから利用者負担を見たものでございま す。左側にあります生活保護から、低所得1、2、一般1、2という所得の区分ごとに、 この棒グラフ全体の長さがその区分の方が1カ月に使う総費用を示しております。1人当 たりの1カ月の費用でございます。  棒グラフの右側でちょっと黒くなっている部分が、そのうちご本人が利用者負担として お支払いをしている部分ということで見ていただければと思います。1人当たりの費用が 低所得1、2がかなり高めになっておりまして、一般の方が低くなっておりますけれども、 恐らく入所系の方が低所得1、2の辺りに多いのではないかというふうに思われますが、 今後さらにちょっと分析をしてみたいと思っております。  19ページ、お願いいたします。これは平成20年1月分のサービスの種類ごとに総費用を 棒グラフにしたものでございます。どのサービスの種類がどれぐらいの費用を使っている かということでございます。ご覧いただければ思います。  以上がデータのご紹介でございますが、20ページからは、次の項目にございます相談支 援事業についての説明資料でございます。20ページは相談支援事業全体像でございますけ れども、上のほう、一般的な相談支援と書いてございますのが、これは市町村が中心にな って行っている相談支援でございます。基本的には、相談支援は市町村の業務となってお ります。それにつきまして、地域生活支援事業でありますとか、あと、都道府県に積んで おります基金の事業などによって機能を強化して支えているという形でございまして、右 側に都道府県とありますけれども、都道府県が広域的・専門的な支援を行うという形にな っております。  下半分、サービス利用計画費の支給とございますが、こちらは自立支援法上の個々人ご とのサービスの給付として支給をされるものでございまして、右下の※印にございますよ うに(1)、(2)、(3)といった方々についてサービス利用計画費が支給される仕組みとなってい るというところでございます。  次の21ページ目も同じ話ですけれども、支給決定のプロセスの中で、市町村の相談支援 事業、あるいはサービスの利用計画作成費がどのような形でどの場面で関わってくるかと いうものを図にしたものでございます。  22ページでございますが、市町村の一般的な相談支援事業の中で、地域自立支援協議会 というものが大きな役割を果たすというふうに考えております。主な機能といたしまして は、主な機能のところの(1)から(3)に掲げてありますように、関係機関のネットワーク、困 難事例への対応等々を行うために関係者が介していくネットワークをつくっていくという ものでございます。  23ページ目に、相談支援事業の主なものにつきまして実施状況をまとめた数字を掲げて おります。市町村の相談支援事業でございますが、実施主体、市町村直営が25%、委託58 %等々ご覧のとおりでございます。  また、2番目の都道府県自立支援協議会の設置状況につきましては、47都道府県中45カ 所ということで、宮崎県と富山県がまだだというふうにお聞きをしております。  3番目ですが、市町村につきましては49.6%、ただ、これは昨年12月の数字でございま すので、20年度の今の時点ではもう少しいっているのではないかというふうに思っており ます。  4番の相談支援の事業者数は2,523、それから、先ほどの個別給付であるサービス利用 計画作成費の支給人数は1,429人、これは前回も少ないのではないかというふうなご指摘 をいただいているところでございます。  24ページ以降は権利擁護に関する資料でございます。24ページは、虐待防止法制の概観 ということでございますが、平成12年から児童虐待防止法、平成18年から高齢者虐待防止 法が施行されております。障害者という観点での虐待防止法制は現在ないところでござい ますけれども、児童につきましては、現在、国会でまさに審議をされておりますけれども、 福祉施設の中における虐待防止の仕組みをつくる改正案が審議されているところでござい ます。障害者の虐待防止法につきましては、(注)にございますように、現在、議員立法 に向けて各党で検討が進められているところであるというふうに承知をしております。  25ページでございますが、これは障害者の虐待防止法というものはないわけですけれど も、現在の法律の規定の中にも障害者の虐待防止という観点での様々な規定があるという ことのご紹介でございます。自立支援法を例にとって申しますと、自立支援法の2条とい うところに、市町村の責務として、障害者等に対する虐待の防止、早期発見等々の規定が ございますし、事業者の責務といたしましても、43条で基準をつくるということになって おりまして、その基準の中に利用者の人権の擁護、虐待の防止等々のものを定めることに なっているところでございます。  26ページ目からは、これはご参考ということで、高齢者虐待防止法の概要を26ページか ら3ページにわたって掲げております。26ページ目は、全体の法律のスキーム、基本的に は、家庭内におきます養護者による虐待と介護の福祉施設におきます虐待を対象としてい るところでございます。  27ページには、どんな虐待を定義しているかということでございますけれども、身体的 虐待、ネグレクト、心理的虐待、性的虐待、経済的虐待と、この5類型の虐待を対象とし ているところでございます。  28ページ目は高齢者に係る通報と対応のスキームでございますけれども、家庭内におけ る虐待につきましては、市町村が通報の窓口になっておりまして、通報を受けた市町村が 立入り等々を行うという形で本人の保護を行うということになっております。それが左側 の流れでございます。  右側のほうは、介護の福祉施設内におきます流れでございますけれども、通報は市町村 が受けますけれども、その情報が都道府県に行き、都道府県がそれぞれの福祉施設に持っ ております権限、立入りとか改善命令とか認可の取り消しとか、いろいろな権限を用いて 適正化を図っていくという流れになっております。  29ページでございますが、これも先ほどの与党のプロジェクトチームの報告書の中に障 害者に対する虐待の対応の明確化などの制度をつくる、検討するという形で報告がなされ ております。  30ページは、成年後見制度の概要でございます。ご覧いただいたとおりでございますけ れども、なお、一番下にありますとおり、身寄りがないなどの理由で申立人がいない場合 には、市町村が申し立てる仕組みがございます。  最後、31ページになりますけれども、成年後見制度の利用実績でございます。左側の棒 グラフの一番上が後見の開始の申立件数でございますが、一番大きい棒グラフでございま すが、平成18年度で2万9,380件の申立てが1年間ございました。このうちグラフの中の 四角の中の※印にございますが、市町村が申し立てた件数が1,033件、全体の3.1%、ただ、 対前年比で申しますと55%増えているということでございますが、そういう状況でござい ます。  右側が男女別、年齢別の成年後見の被申立人の状況でございますけれども、残念ながら、 障害者というカテゴリーではデータが取れないわけでけれども、年齢を見ていただきます と、65歳以上が男性で33.7%、女性で54.9%でございますので、残りの方は65歳未満の比 較的若い方ということで、この中に障害者の方もかなり含まれているのではないかという ふうに思っているところでございます。  すみません、駆け足になりましたが、説明は以上でございます。よろしくお願いいたし ます。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ただ今、企画官のほうからは、前回の会議の中で皆様方から数字的な要望等々のご質問 がございましたので、それを踏まえての説明と、さらに今日のテーマに関わる説明がござ いました。参考にしていただきながら、今日予定されております議題について皆様方から ご意見を賜りたいと思います。  お願いですが、たくさん意見をお聞きしたい、だけど、お一人お一人は簡潔に短くとい うことでよろしくお願いいたします。どなたからでも結構でございます。  どうぞ。 ○山岡委員  今、資料をいただきましてありがとうございます。資料について説明というか分からな いところがありまして、お聞きしたいんですけれども、11ページと12ページです。  11ページのほうに、利用者負担の割合が概ね3%となっているとなっておりますけれど も、これ2と1と5を足して3であると、大体3になるのは分かるんですが、そういう計 算では加重平均されているかということです。  12ページの一番下の表でいくと、負担率4.26%が加重平均されたもので、時期が違うの で違うのかもしれませんけれども、どちらかというと4.26ではないかというのが1つ。  次に、18ページの表ですけれども、そこの負担率が、例えば低所得者のところで1.90% とされているのは、分母を152,156としているので、外に置いておられますが、内に持っ てくるのが正当ですね、これ、表としては。見た目は比率が低く見えますけれども、外側 に持ってきておられるのは間違いではないかと思うんですが、その2点です。 ○潮谷部会長  事務局、ご説明をお願いいたします。 ○川又企画官  11ページの3%につきましては、当然これは費用で、それぞれの人数に、居宅、通所、 入所にかかります全体の費用で割合、全体の費用のうち利用者負担の割合という形で推計 をしたものでございます。そういう意味では、全体が費用、お金の面で加重平均されてい ると言えるのではないかと思います。  それから、12ページの2の4.26%でございますが、先ほどの3%というのは今年7月か ら実施をいたします緊急措置実施後の1年間、年度ベースの数字でございますので、こち らは緊急措置実施前という形で4.26%となっているのではないかというふうに思います。  18ページのご指摘につきましては、そのとおりでございます。数字としては、棒全体の 長さを示したつもりだったわけですけれども、この利用者負担の黒い部分は内数でござい ます。ですから、そこはご指摘のとおりでございます。失礼いたしました。 ○潮谷部会長  それでは、皆様、ほかに。よろしくお願いいたします。  どうぞ、櫻井委員。 ○櫻井委員  虐待防止法制についてちょっとお伺いしたいのと、あと、意見を申し上げたいんですが、 24ページになりますが、この表を見ますと、障害者に対しては、家庭内のものについては そもそも法制度がないということで、かつ福祉施設については議論があるというお話だっ たんですが、議論というのは法案の提出がされているということですか。どのぐらいの議 論があるのか教えていただきたいということが質問です。  それで、意見なんですけれども、この虐待防止法制の問題については、行政法的な観点 からいいますと、いずれにしても、家庭でも施設でもそうなんですけれども、密室にだれ も助けてくれないような状況の中でどんなことが行われるか分からないというときに、第 三者が入るという、そういう仕組みがあるということはとても重要だと思うんですね。そ れは、まず第三者が出入りするということ自体が、二次的な抑止効果で結構強力な抑止効 果になっていて、そのことによって何か発見するとか発見しないということ以前に、そう いう効果が非常にあるので、まず立入り等々ができるということ自体が非常に大きいと思 います。  法制度的に見ますと、この児童虐待防止法という法律が平成19年に改正されましたけれ ども、非常に踏み込んだ仕組みになっていまして、従前の立入りですね。いわゆる一般的 な行政調査に加えて、大体枝番がついているわけですけれども、臨検とか捜索が裁判官の 令状を得てできるというようなところまで踏み込んだ仕組みになっているわけです。  本来、一般的な行政調査権限が適切に行使されると、相当程度抑止効果があったはずで すから、本当はそれでもいいのかもしれないんですが、実際にはなかなかそういうことは 人的な問題もありますし、それからいろいろプライバシーに対する配慮とかというような こともあってできないというので、そうすると非常に悲惨なことが起きるということから、 そういう臨検なんかが入るようになったということで理解しているんですね。  これはもともと余りこういう法制というのはなくて、出入国管理及び難民認定法と、そ れから私が知っている限りですと、犯則調査ですね、税務調査の厳しいものです。あのぐ らいしかなかったにも関わらず、児童虐待防止法についてはそういう仕組みを非常に踏み 込んだ形で入れたということなので、恐らく法制度的にはこれが一番進んでいるのだろう と思います。  そういう観点でいきますと、高齢者虐待防止法という法律を見ると、これまた何かつく り方がそれぞれ違うので、何と評価していいのか、何を考慮してこういうふうに違う法制 度になっているのかというのは、私は必ずしもよく分からないんですが、高齢者の虐待防 止法については、そういう仕組みからすると、かなり緩やかな形での仕組みにとどまって いるということなので、もし何か特殊な事情があってこうなっているのであれば、それを ぜひお伺いしたいということと、あと、本来であれば、目指すべきは児童虐待防止法みた いな仕組みということになるのだろうと思います。そういうことで、議論されている障害 者自立支援法もそうですし、それから、法の欠けつがあるところの議員立法を考えられて いるという部分については、あるいはそういう方向性で考えるということが必要かなとい うふうに思っています。  もっとも、児童虐待防止法が新しい法律になってどのぐらいちゃんと動いているのかと いう問題も踏まえないといけないと思うんですけれども、そういったことについて、実態 等もしご存じであれば教えていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  1つずつやりとりはどうかと思うんですが、実は、権利擁護の部分の虐待に関わって対 象者が違うということによって抑止、そこの部分が非常に差があるのではないかという、 非常に根本的なご質問でもございますので、できましたら何か分かるところがあれば。 ○川尻企画課長  児童虐待防止法、あるいはその改正、あるいは高齢者虐待防止法の全て議員立法という ことですので、私どものほうから確定的なお答えはしにくいところがございますし、それ から委員ご指摘の24ページの資料の下にございますように、まさに今18歳から64歳のとこ ろを中心に欠けている障害者の虐待防止法制についても議員立法の動きがございます。こ れはまだ条文になったということではないんですけれども、今国会中にも提出の予定とい うことで、与党、野党、それぞれが今具体的な案を練っておられる、そういうような状況 でございます。  櫻井委員からのご意見をちょうだいした上でいろいろな形で反映をさせたいというふう に思いますけれども、特に家庭内の虐待について、どこまで行政、特に福祉部局という形 が関われるかということにつきまして、本当に市町村の担当者がどこまで家庭内に入れる かというようなことで考えられて、法制度ができていったのだというふうに思います。  高齢者虐待防止法ができましたときには、それまで家庭内にはいわゆる市町村の福祉部 局の職員が入ることができなかったところを、ぎりぎり立入調査ができるような最小限の 権限は入れました。施設内につきましては、これはもともと施設といいますかサービス事 業者には指定という権限が、高齢者の場合ですと市町村ないし都道府県でございますので、 そういうような権限をバックにいろいろな監査指導をやっておりましたので、それでもっ て入れるだろうということで、そういう意味で立入調査権限は家庭内のほうだけ入れたと いうような法制になっているということでございます。  児童虐待防止法は一度改正されておりますので、その議員立法の過程でいろいろな議論 がなされたのだろうというふうに思います。そこを踏まえて、今回の障害者虐待防止法案 という議員立法に恐らくなるのだろうと思いますが、どうなるかというような流れになっ ていくかと思います。 ○潮谷部会長  先生よろしゅうございますか。  どうぞ。 ○櫻井委員  理論的に言うと、行政調査の話というのは、福祉行政と同じ話で日本の法制の中に欠け ている部分なんですね。それは内閣法制局のご方針かも分からないんですけれども、議員 立法でしかこういうのができないというのは、まさに行政内の議論が戦後レジームから脱 却できていないといいますか、目的との関係で合理的な仕組みというのを本来つくってほ しいと思っていまして、ですから、ぜひ引かないでご検討いただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  部長からおねがいします。 ○中村障害保健福祉部長  以前、児童虐待防止法の問題に関わっていたことでちょっと補足をさせていただきます と、櫻井先生からご指摘のあったような規定というのは、実は非常に課題になっておりま して、具体的な事件といたしまして、ご家庭に行ってもチェーンをかけてあけてもらえな いと。それで、現実にその中で虐待が行われている場合には、警察官職務執行法で、即座 に現実に虐待があるわけですからチェーンを切ってでも入れるんですけれども、行った時 点では虐待はされていないという場合のケースにどう対応するかということが、平成16年 の改正で議論になりまして、そこは検討課題になっておって今回の改正で入れられたとい う経緯というふうに承知しております。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  新保委員、どうぞ。 ○新保委員  ただ今の議論、大変重要な議論だというふうに思います。私どもは現場で相談支援事業 をやっていますが、つい最近こんな事例があったんです。某病院に外来で通院している患 者さんが性的虐待を受けている。そこで、私どものショートステイを使いたいという相談 でした。  当然のように、ショートステイを使えるように早速手配したいということで相談をお受 けして、ニーズにこたえようというふうに考えたんですが、ショートステイの利用には市 町村の認定が必要なんです。したがって、すぐに使えないのです。しかも、障害程度区分 が幾つかによって支給決定額が異なってくるとかいろいろな問題があるんですね。  今、現に親御さんから性的虐待を受けているわけですから、すぐにこの親子を離してあ げるということが大事なのに、制度上すぐにショートステイの利用ができないという実態 があって、やむなく任意でやっている正規の業者ではないところのお部屋をお借りして、 親御さんと離したという形をとらざるを得なかったということです。  このことは、実は、相談支援事業者が緊急性の高い相談を受けたときに、どういうマネ ジメントができるのかといった大きな課題だろうというふうにも思うんですね。  もちろん、一方で、先ほどのような議論は重要ですが、しかし現場では、目の前で起き ていることについて、相談を受けても相談支援ができないという実態がある。しかもそれ は虐待防止や人権問題に関わる大変重要な課題です。こういったことにいわば目の前で関 わっている者としては、いわゆるショートステイが基本的には冠婚葬祭などのときの利用 など、定められた枠の中でしか見ることができないことが、緊急性が高く、ショートステ イの利用が必要な利用者を拒む要因になってしまっています。しかし、緊急性の高いもの については、しっかりとショートステイも使えるようにしていかなければいけないのだろ うと思います。特に、精神に障害を持つ方々というのは、虐待に係わらず、精神的課題か らショートステイの活用を緊急で必要とする状況が多々あるわけですね。ですから、そう いったことにぜひこたえられるようなシステムが必要だというふうにも思います。  併せて、ハードな資源とソフトな資源、様々な事柄についてケアマネジメントできてい けるためのシステムというのが今の事柄一つをとってみても、市町村と相談支援事業者と の関わりの関係の中でしっかりとシステム化されていないというようなことが見えてまい りますので、ぜひ、今、虐待防止や人権問題に絡んでですが、こういったことについても ご検討いただきたいというふうに思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  相談支援に関わって、非常に実態として援助しづらいということのお話もございました が、ほかに皆様ございませんでしょうか。  すみません、こちらからちょっとよく見えないので。 ○伊藤委員  伊藤でございます。よろしいでしょうか。  今、いろいろお話を伺って、やはり障害者の権利擁護というのはとても大事なことだと 私も思っておりますし、ご承知のとおり、先般、例の大阪で報じられたような事件が後を 絶たない、こういうことも現実でございます。  そういった意味では、障害者が尊厳を持って生きていけることができるような虐待だと かあるいは権利擁護について、何らかの法的な措置が必要ではないかと私は思っておりま す。  以上でございます。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  堂本知事。 ○堂本委員  千葉県の封筒をもしあけていただけると大変ありがたいのですが、最初からお話しする のではなくて、その2ページ目をあけていただきたいと思います。  今のご意見で虐待を受けた障害者の支援についてでございますけれども、私どもも自治 体として法的整備が大事なんですけれども、同時に、そういったサービスの利用計画、こ の四角の中で現状と課題というふうに書かせていただいておりますけれども、3番目の○ のところで、サービス利用計画作成費、これがどうしても必要だということで、財政的な 裏打ちがぜひとも必要だというふうに思っております。ですので、国としても、ここの点 を十分に配慮していただきたいというふうに思っております。  それから、その次のページになりますけれども、権利擁護の問題につきまして、千葉県 でも、「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」という条例を制定 いたしました。障害者への誤解とか偏見をできるだけ減らそうということで取り組んだの ですが、昨年の7月から本年3月までの間に約300件の相談が寄せられております。その 多くは、やはり障害に対する理解あるいは誤解といったようなものに基づくものでござい ます。こういった中で、約1割程度が虐待と疑われる相談も入っているということもご報 告したいと思います。  そこで、下の提言でございますけれども、障害者への誤解や偏見を解消するための取り 組みを通じて、ぜひとも偏見を取り除くための広報啓発だけではなくて、障害者を保護の 対象ととらえる固定的な障害者観を変えていくということが重要だと私どもは考えており ます。  私たちは、ユニバーサル社会の形成という視点から、国民の共通認識をつくるための方 法として有効だというふうに思っておりますので、国連のほうでも、みんな障害者に対し てのドキュメントが採択されたと聞いておりますので、日本でもやはり法律の整備をして いく必要があるだろうと思っています。  ここの部分で申しますと、権利擁護を行うための法律と財政的な支援と両方を併せてつ くっていただきたい。これ書いたものがあるので、多くの時間を取りたくないと思います が、1に戻っていただきたいんですけれども、その場合に、前回のときも議論になりまし た障害者の範囲についてでございます。  この提言のところをいきなり読ませていただきますけれども、現在ほとんどの支援サー ビスのない発達障害、それから高次脳機能障害、それから支援体制がほとんどない非常に 弱い難病の人たち、最近私は小児がんの学会があって、そこで神経芽腫というほとんどの お子さんが亡くなるんですけれども、そこの子供のサバイバーたちが集まったのを見まし たけれども、本当に大変な生活です。ちゃんと障害者手帳が手に持てればいいんですけれ ども、そうじゃなくても非常におびやかされて、そして支援を必要とするんですが、なか なかそういう中に入ってきていないというところがあると思います。そういった心身の機 能障害を理由として社会生活上困難を来している、そういった子供や障害者の定義をやは り見直すべきであろうと。  その場合に、私は2のところに書いてございます、これが一番大事なんじゃないかと思 っているんですけれども、中長期的には、WHOや外国で障害者の範囲を踏まえて現行の 医学的な機能に着目した医療モデル、これは今までの日本の法律は大体こういう形でやら れていると思いますけれども、そこからやはり障害は個人の社会環境の中で生じていると いう社会モデルへの転換をそろそろ考えなければ、そこから抜け落ちてしまう人たちがい っぱいいるのではないかというふうに考えております。  ですので、そこのところを、新しいことなので難しいかもしれませんけれども、日本が 多分採択することになるんだと思いますけれども、障害者への差別を禁止することを採択 するのであれば、それを機会にぜひそういった大胆に今までの考え方にとらわれずに飛躍 していただけたら大変うれしいと思います。  最後につけ加えさせていただきたいのは、精神障害者への相談支援なんですけれども、 どうしても引きこもっている精神障害者はなかなか相談に行きません。ですので、精神障 害の人については、やはり違った形で実際に尋ねていくといったような形での継続的な相 談支援を行っていただくことがとても大事だろうというふうに考えていることをつけ加え て、質問というよりも今、法制化したほうがいいとどなたがおっしゃったか私見えなかっ たんですが、それに対してつけ加えさせていただきたいと思います。よろしくお願いいた します。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  千葉県のほうからは、去る5月3日に発行した権利条約に絡んで、やがて日本の批准も されるであろうという前提条件の中での様々な地方からの提言がなされたところでござい ます。ぜひ皆様、ペーパーのほうを後で詳細にご覧いただきたいと思います。  ほかに皆様方。  どうぞ、副島委員。 ○副島委員  今の権利擁護、虐待防止ですが、我々知的障害者の団体の育成会からすれば、法制化を お願いしたいんです。というのは、知的障害の方々が結構いろいろなところで施設の中で もそうだし、企業の中でもターゲットになり、虐待につながっているんですね。ところが、 そのときの親の姿勢は、問題に気がついているんだけれど、うちの子はどうしても手がか かる子だ、もしもそこから預かることを断りますとか、家庭に引き取ってくださいと言わ れることがこわいために親の動きがとまっていくケースが多いんです。そういう面では、 やはり親ではできない人権擁護関係を、法律で最低限は守っていくという方向をぜひお願 いしたいのが1点です。  それから、もう一つは、相談支援の事です。ここの中には書かれていない乳幼時期の相 談のところ、つまり大人になって障害の部分を論じるよりも、早期発見・早期療育という 言葉がありますが、早期発見・早期相談というところの取り組みが解決していないために、 結局、子育てのところで心配しているんです。医者に行ったらがんと言われることが怖く てなかなか行けない、できれば手短に自分のそばに自分の子供のことを本当に気楽に相談 ができる機関はなかろうかと思います。  例えば、保健師なんかの取組みも、乳幼時期からの取組みでありますけれど、保健師の 取組みでもまだまだ十分には末端まで行われていないんですね。だから、この相談支援の ところに乳幼時期からその人のライフサイクルにつながった相談支援体制が必要なのです。 そのためには障害だからという相談ではなくて、障害の有無に関係なく、自分で子育てが 心配であれば、すぐ相談ができるような体制があれば、恐らく大人になってから大きな問 題につながっていかないのではないかと思うんです。ぜひそこのところまでを議論の中に 入れていただきたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  嵐谷委員、先ほどから手をお挙げでございましたのに、失礼いたしました。 ○嵐谷委員  障害者の定義というのを非常にかたいあれが出ておりますが、障害者のいわゆる障害者 手帳を受ける人、年齢的な制限というのが全く今のところ設けられていない。特に、身体 障害の部分、肢体不自由という正式名になるんですが、80歳を超えて障害者手帳をもらう というようなことが多々あるんですが、これはいわゆる加齢による障害というのか、目が 見えにくくなった、耳が聞こえなくなったとかということで障害者手帳が交付されている ということが非常におかしいなと我々は感じるところです。  そしてまた、障害者とイコールで高齢者というような形の考え方が常にあるように思っ ております。この自立支援法の前に、やはり介護保険と統合というのもそこら辺りから出 てきたような感覚で私は思っておりますが、そこの障害者手帳の交付には、年齢制限的な 何歳以上はもう駄目ですよというようなことができないものかどうか。それと、障害児は、 いわゆる児童福祉のほうである程度カバーできる部分もあるのではないかなと私は判断し ておるんですが、その辺りは分かりません。  そして、今回の予定の中に程度区分に関する審議をする時間帯が設けられておらないん ですが、どんなものかお伺いしたいなと思います。  相談支援事業の地域生活支援事業の中で、各市町村のいわゆる仕事というのか、ところ が、悲しいかな市町村によってお金がなければ余りそういうところまで力を入れてもらえ ないという状況が今は出てきております。これは完全に地域間格差ということが言えます。 これは予算的には義務的経費でないというところにこういうひずみが出てきておるのだろ うと判断はいたしますが、こういうことは、1回聞いたら、地方分権で国のほうはそうい うところまで口を挟めませんというような返事をいただいたのを記憶しておりますが、そ ういうことも今後いろいろと詰めていただきたい、そのように思います。  また、相談事業に関しても、特に、障害者であれば、障害者の相談員というのが一応認 められておるので、そういう人たちを十分活用して、相談事業が行えるような形の組織を つくり上げていただけたらいいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ここ辺りで、今はそれぞれの立場からの要望、ご意見ですが、何か事務局のほうでござ いますか。 ○川尻企画課長  ほとんどご意見ということだったと思いますので、もし何かこれだけは答えてほしいと いうことがありましたら別ですが、ご議論を続けていただければと思います。 ○潮谷部会長  分かりました。  広田委員。 ○広田委員  障害者の範囲ということで資料が出ていますが、精神障害者のほうだと、精神保健福祉 法と手帳の数字が出ているんですが、いわゆる厚生労働省が出している障害者白書では、 精神科医療に入通院している数が出ているんですが、ここには載っていないんですね。  それから、私も神奈川人権センターの人権ケースワーカーとして精神医療サバイバーの 立場で多くの相談に乗っていますが、例えば、DVの被害者で精神障害者だったりという ような相談もあります。相談事業のことは出てくるんですけれども、相談員の資質とか質 ということが出てこないんですけれども、そういうことが今問われているということで、 それに対応して、やっぱり精神障害者の多くは精神医療の中で人権を傷つけられた体験を 持っていますので、ぜひそういうPSWなどの相談員が精神病院の中で入院したりして実 習を重ねていただきたいという意見は精神の検討会のほうで言っていますので、そこは端 折りますが、そういう意見です。  それと、前回、私が生活保護の移送の話をちょっとしたら、中村局長のほうから生活保 護はここになじまないという、ちょっと待ってという形で発言をされたんですけれども、 やはり精神医療を必要としている人というふうに考えたときに、身近な医療ということで は済まされなくて、初診で行った病院の先生を信頼していて、市がまたがっていてもそこ を使いたいという患者はたくさんいます。  私自身も、先日、20年間のカルテの開示をしたんですが、カルテをそこに担保しておく ということから考えても、身近な医療機関に変えることができない仲間がたくさんいます ので、ぜひそれを白紙撤回していただきたいという意見を申し上げたいということをつけ 加えたいと思います。  それと、これは私自身の個人的なお話なんですけれども、ここに30人おられる委員の中 で、恐らく生活保護制度のコンシューマーは私1人だけだと思うんですけれども、いわゆ るお金が振り込まれないので、生活保護に収入申告できなくて困っていますので、4月の 委員会の分はぜひ5月に入れていただきたいと、5月の委員会は6月に入れていただいて、 生活保護は憲法25条に基づいた権利であると同時に、収入申告するのは当然のことながら 作業所に行っている工賃であれ、給料であれ、私のようなこういうところでいただくお金 であれ、収入申告は義務でありますので、ぜひ早く口座に振り込んでいただいて、私が明 朗会計をちゃんと申告できるように協力していただきたいと。これだけのいわゆる議事録 を作成できる能力とともに、ごめんなさい、大変ですけれどもよろしくお願いしますとい うことです。よろしくお願いします。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  中村局長、前言のことに広田さん触れられたんですが、後でよろしゅうございますか。 それとも、ここで前言のことについて、ちょっと少し時間が急いでいますので、もしよか ったら後で局長とやりとりをしていただきたいと思いますが。 ○広田委員  とにかくみんなが困っているということです。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  では、局長、後ほど……。 ○広田委員  個別にやるの。 ○潮谷部会長  いかがでございましょうか。何か局長のほうから、今、前言取り消しをということでご ざいますが。 ○中村社会・援護局長  前言取り消しということではなくて、その方針を撤回しろというご意見でございました ので、そのご意見はご意見として承りたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  何かほかに。 ○竹下委員  3点について意見を述べたいと思います。  今ちょっと話題になっていた権利擁護の点から申し上げますけれども、障害者虐待だけ が日本の法制度の中で欠落していることは明確だと思うんです。児童虐待と高齢者虐待と、 あえて言えば女性の虐待、全部不十分ですけれども法制化されました。しかし、障害者に 関しては、私の認識する限りでは、知的障害者の関係で知更相による緊急措置の規定があ るぐらいかなというふうに思うんです。  問題なのは、2点申し上げておきたいと思うんですが、虐待の場合に、だれがどういう 方法で認定するかということが一番法制上難しいんだろうと思うんです。高齢者虐待防止 法はそれがないから、非常に使いにくくて実を上げてこられないという制度になっている と思うんです。  そうなってくると、少なくとも今日の部会との関係でいいますと、障害者虐待の場合に、 どういう調査権限とどういう認定方法によって、どこがその権限を持つかということを含 んだ法制化が緊急の課題として必要だろうというのが1点です。  もう一つは、先ほど堂本知事も触れられましたけれども、やはり障害者権利条約の関係 では、虐待ということも必ず出てくるわけでありますので、当然のことながら、権利条約 の批准に当たっては、障害者虐待防止ということの法制化は避けて通れないというふうに 思いますので、この点について、本当に先ほどの課長の答弁だと、議員立法の動きがある のでというのは、それで任しておくということなのか、それが厚労省の姿勢だと言われる ともっと胸が痛くなるんですが、そうではなくて厚労省自身が障害者虐待についてもっと 積極的にどういう制度化が必要かということについて方針を持つべきではないか、そのた めの議論を我々も含めてすべきではないかというのがまず2点目です。  次は障害者の範囲の問題です。これも障害者の権利条約との絡みがあることについて私 はもうあえて触れません。ただ、問題は、日本の法制度の中で、障害者の範囲というのは 法律によって全部ばらばらなんです。例えば、身体障害者に限って言いますと、身体障害 者福祉法による手帳の範囲、それから年金の範囲、それからそれ以外の各種の給付との関 係では、全部制度の下で重なったり重ならなかったりするというふうに認識しています。  とりわけ今日の資料で紹介されている関係でいいますと、障害者基本法と自立支援法と いうのは間違いなく範囲が違うわけです。課長の説明によっても、基本法のところでは広 いという言い方を使われたけれども、まさにそのとおりなんですね。ただ、基本法におい ても、身体障害者、知的障害者、精神障害者云々というのが頭に来るわけですが、では何 をもって、この場合に、身体障害者、知的障害者、精神障害者というかというのはあいま いで、それに入らない人は幾ら日常生活に支障を来しても障害者基本法の対象になるのか ならないのかというのは不明確なんですよね。  その点、障害者自立支援法はもっと狭くて、非常に問題なのは、障害者自立支援法の理 念として、地域における社会参加の自立ということを明確な理念にしているにも関わらず、 3つの法律、身体・知的・精神障害者保健のいわば範囲外、手帳の交付対象になっていな い人については、社会参加、自立の対象から外しているというのは極めて問題であること は見直しの条項にあるわけですから、そのことは今さら論議は要らないはずですから、具 体的にどういう基準で、どういうニーズを調査して、そのニーズに基づいてどういうサー ビスが必要か、そのための定義をどうするかという議論を必ず我々の場でする機会がほし いというのは範囲の問題です。  最後に、利用者負担の問題であります。今日の資料に出ておりますが、特別措置だ、緊 急措置だということで、実質的な負担率が3%という数字が包括表のところで出ているわ けですけれども、これは何を意味するかについての説明はございません。これについて論 議を本当はしたいと思うんですが、私の意見を一言にして言えば、現在の1割負担に問題 があるからそうなっていると見ざるを得ないと思うんです。問題がないなら、幾ら政治家 がどう言おうが本来の法の建前でやるべきはずなんですね。その法の建前が貫けないから こそ、名前はともかくそれを変更する形で3%ということになっている。それは、とりも なおさずそこに矛盾がある、あるいは制度に不備があることの裏返しだろうと思うんです。  したがって、この利用者負担の問題を見直すときには、単に緊急措置だとか臨時的な措 置という話ではなくて、現行法に矛盾があるからそういう是正措置を講じているという前 提に立ってこの利用者負担の在り方を考えていただきたい。  とりわけ、今回の名前が応益負担から定率負担、名前を変えたところで中身は変わらな いはずでありますが、私個人的には利用者負担全部反対でありますから、それはさておき ましても、重要なのは、障害者サービス、障害者福祉の給付に当たって、その種類やその 持つ意味を考えずに、一律に、あえて言葉は汚いですが、みそくそ一緒にして、一律に1 割負担とするのは全く無策であると言わざるを得ないと思うんですね。  ですから、利用者負担を仮に導入することが、そこに正当性があるとしても、その利用 者負担を課することの合理性、正当性があるものに限るべきだということを、時間がない ので中身はカットして、提言申し上げておきたいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ほかに皆様ございませんでしょうか。今まで発言なさっていらっしゃらない方でどなた かございませんでしょうか。  井伊委員、どうぞ。 ○井伊委員  日本看護協会の井伊と申します。私は保健師です。  先ほど相談機能の強化ということにつきまして、市町村の保健師のことについてのご指 摘がありましたが、これは母子保健法による保健事業での支援相談が主です。市町村の中 で、保健師の相談機能を質的にも量的にも強化できるかどうかというのは非常に市町村の 格差が大きいだろうなと思っております。これは今の私の現状認識です。  1つお尋ねしたいのは、前回の資料にあったのかもしれませんが、サービスの利用状況 についてです。13ページのサービスの利用状況の表を見てみまして、単純に見ますと19年 9月から20年1月で利用者数は少しずつ増えているというふうに見えますので、十分利用 できる人が利用できているような印象を受けます。しかし、地域で具体的な事例を聞いて おりますと、かつて作業所なり、あるいは福祉工場なりに出かけておられた方々の中で、 支援法制定後にはその利用ができなくなった事例も聞いております。  ですので、このサービスごとの利用状況をお示しいただくのに、この数だけではなく、 このサービスの利用ができない人たちの現状があるのであれば、そういうことについて教 えていただきたいというふうに思いました。今後、関係団体のヒアリングの中でそうした ことが出てくるのかなとも思いますけれども、支援法下の新サービス適用にならなかった 人たちのデータを伺いたいと思います。  以上です。 ○潮谷部会長  ほかに皆様ございませんでしょうか。  どうぞ。 ○星野委員  先ほどの相談支援事業の話で、一言だけですが、相談支援事業を受けてやっていても、 毎年、市町村予算が減らされて、仕事は増えるけれども予算は減っていくばかりで、もう 音を上げているという実態が大分強く出ておりましたので、本当に入口の大事なところで すから、そこを検討しなきゃいけないなというふうに思います。  それから、今日の資料で、13ページを見ながら少しゆゆしき数字を感じるものですが、 先ほど事務局のほうから、報酬の件は年が明けてからの議論というふうにおっしゃったの を記憶しているんですけれども、年が明けるともう21年度予算は決まっているわけですか ら、それはちょっと問題があるのではないのかなと。  とりわけ13ページで見てみますと、就労継続支援の部分で横に足していくと、総利用者 数とそれに対する総費用という額が出ています。そこを割り返していくと利用者1人の費 用が単純に出てくるわけですね。就労継続支援のところで見ると、1人1カ月8万8,000 円という数字が出てきます。その下の旧法の授産施設の利用者1人当たりの費用とこの8 万8,000円を比較しますと、この下の旧法のほうは13万6,000円という数字が出てきますか ら、マイナス35%というかなり大きな減となっています。  私ども本当に人材の確保というところが困っております。先ほど経営実調がもうすぐ出 てくる話がありましたけれども、この間、幾つかの法人の決算理事会で聞く話は、昨年度、 職員が雇えなかった、その分人件費が浮いたというか、そこが経営実調でどういうふうに 出てくるのかというのは大変心配するところです。ですから、職員の雇用が難しい状況と なった、あるいは魅力を薄くしてしまった、報酬の部分を年が明けてからという話ではち ょっと困るなということが1点です。  それから、11ページの利用料のところなんですけども、ここは7月からの緊急措置実施 後という数字で出ております。今回、個人単位を基本としたということで、そこの考え方 の変化というのは、私どももそこについては評価しますけれども、実際まだまだ資産要件 がここに残ったままでこれをやっているんだろうと思うんですが、預貯金が一定額以上あ ると緊急措置による利用者負担の軽減の対象にはなりません。しかし、この数字の中に、 資産要件によって利用者負担の軽減とならない人の分がどのぐらい加味されているのか知 りたい。試算根拠としている人数を示してほしいと思います。  実は、何を言っているかというと、利用者負担のところで、一定額まで使い切らないと 軽減措置にならないという話は、実態を見ていると実費負担とか医療費の負担がかなりか ぶさってきていて、この問題だけではない非常に重い部分があるんですね。ですから、そ の辺ちょっと知りたいものですから、資産要件によって、利用者負担の軽減にならない人 の分、その加味されている分について分かる範囲で教えていただきたいなというふうに思 います。  以上です。 ○潮谷部会長  事務局、いかがでございますでしょうか。今、この席でなくてもよろしゅうございます か、後できちんと資料をつくってという形でも。  答えられるところはありますか。  どうぞ。 ○川尻企画課長  報酬の関係の議論は、もちろん今からでも、あるいは特に9月から経営実態調査結果が 出てまいりまして、そこからご議論いただきたいんですが、例えば、医療のほうの診療報 酬を見ましても、大きなご議論とそれから個別サービスごとの個別の点数をどうするかと いうのと少しタイムラグがございます。  そういう意味で、年が明けても報酬の細かな内容であるとか、あるいは法律案を出すと したときの法律案の細かな内容であるとか、そういうものは年が明けても議論いただきた い訳ですが、年末の12月の頭ぐらいまでに大きな方向はお出しいただきたいというふうに ご説明差し上げたつもりです。 ○潮谷部会長  そのほかのことについては、資料的なものを次回含めてよろしくお願いいたします。  どうぞ。 ○岩谷委員  岩谷です。  先ほどから障害の範囲の話がございましたけれども、この際、ぜひ手帳の意味というも のをもう一度考えていただきたいと思います。手帳により認定された資格により、社会の 支援であるとか手当であるとか、生活保障であるとか、さまざまな公的サービス、補償、 補助、手当などが利用できることが多いのですが、手帳の認定を定める法律(身体障害者 福祉法など)とさまざまな公的サービスを定める法律の目的は異なっています。つまり、 身体障害者手帳制度での認定基準を他の制度における障害認定に準用しているというのが 現状です。したがって、手帳そのものの障害等級認定基準を議論していきますと、身体障 害者福祉法の障害認定基準としては適当であっても、他の制度における認定基準としては 適切でないということがわかってきます。  したがいまして、皆様方からは手帳が欲しいというご希望が常に出てくるわけですけれ ども、ぜひ手帳の意味をもう一回議論をしていただく、考えていただくことが必要ではな いかというのが私の意見でございます。  それから、もう一つ、堂本委員がおっしゃいました医療モデルから社会モデルにという のは、これはまさにそのとおりなのでございます。医療モデルで全ての福祉の問題まで解 決を図ることが間違いであって、医療モデルが必要な部分がありますので、その辺は極端 にならないようにご議論を進めて、ご意見をいただきたいと思っております。 ○潮谷部会長  どうぞ。 ○堂本委員  ありがとうございます。私も医療モデルを否定しようということではございませんけれ ども、先ほども竹下さんおっしゃいましたように、国連の障害者権利条約が日本で批准に されようとしていますが、この国連のほうの条約というのが医療的にはモデルに入らなく ても、社会的にその人のニーズがある場合にはそれを範囲に入れるということをうたって います。それで、日本の場合は、今まで障害者基本法を初めとする障害者の今手帳のこと も幾つもあるとおっしゃったんですけれども、そういった法律の中で、医療が必要だから というような社会的な必要性からの発想での決められ方、範囲を設定はしてこなかったと いうことがございます。  ですので、これから、日本国として批准するのであれば、最大のチャンスであるという ことで、さっきも私は小児がんのお子さんのことを例に挙げさせていただいたんですけれ ども、小児がんではなくてもなかなか入らない人たちが多いです。特に、対人関係の苦手 な自閉症のお子さんたちに対する支援の在り方として、子供に合った環境をつくるという ようなことが大変大事で、また、実際に随分現場で見ていると、そういったお子さんたち は、サービスを受けている例もあると思いますけれども、そこには法的な裏づけはござい ません。ですので、条約を批准するのを機会に、国として整理をしてはいかがなものかと いう意見でございます。  ありがとうございました。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますでしょうか。  北岡委員。 ○北岡委員  2つのことについて意見を申し上げたいと思いますが、まず、厚生労働省の先ほどこの 会議の進め方で日程的なご説明がありましたが、正直言ってこの会に出された資料が、厚 生労働省が例えば相談支援事業についてどういう方向観を持っていこうとしているのかと いうのが全く読み取れないということがあって、確かにフリートークの場で今後こういう ことを基に見直しに向けた具体的な議論が9月ごろから始まるということですが、ちょっ と時期がゆっくりし過ぎていないかなという感じがまずします。  相談支援事業についてなんですが、私が所属している法人では、7つの都道府県からア ドバイザー事業の委託を受けていまして、出かけていっていろいろと自立支援協議会の立 ち上げについてやっておりますけれども、やはり自立支援協議会がちゃんと機能している ところは、市町村の相談支援事業がうまく動いているんですね。これが機能していないと ころは全く相談支援事業が停滞しているか、皆無に等しいというようなことがありまして、 これから障害の方の地域生活を確かに推進していくために、この自立支援協議会の機能は すごく重要になってくると思いますので、やはり充実が必要だと。  そのために何が必要かということで、私たちで考えたことは2つで、1つは財源の確保 が極めて重要だと。一般財源化になってから、事業所についても、先ほど星野委員からの お話もありましたけれども、非常に仕事は増えるけれども財源は減るというような中で、 これまでの活動を継続していくということが極めて困難な状況にあるので、改めてこの相 談支援事業についての財源を含めた再構築が必要だろうというふうに思っています。さら にその中のアイデアの一つとして、サービス利用計画費の対象者の大幅な拡大ということ は可能なのかどうか、そのこともやはり議論しておく必要があると思います。  2つ目は、その地域自立支援協議会の法令上の位置づけが非常にあいまいになっており ますので、これをやはりきちんと明確化しておく必要があると。そういうことを通して、 市町村の中で相談支援事業が実施され、そして自立支援協議会が動いていくというような 流れをつくっていく必要があるのだろうというのが私の相談支援事業に関する意見です。  2つ目は、もう一度、会議の進め方で、先ほど日程的な問題については何人かの委員の 方もおっしゃいましたが、それに加えて、団体の方からこれからヒアリングを聞くという 機会があるというように、今日ご報告をいただきました。そのときに、様々な団体の方が いろいろなご意見を言われると思うんですけれども、その意見をおっしゃっていただくと きに、その意見の背景にある政策的な根拠みたいなことも同時に示してもらって、それに 基づいたそういう政策的な根拠を背景とした意見であるということをぜひお願いをしたい と。  そして、多分、各団体の中では意見が異なる場合もあるのではないかと思いますので、 そういうどこがどういうふうに違うのか、それはどういう政策的な根拠に基づいて違うの かということを徹底して議論していく場が審議会としても重要になってくるのではないか と。この審議会でおおまか方向が決まったことと、また12月や3月以降に出てきた具体的 な施策が矛盾するようなことがないように、この審議会で大いに議論した流れで、各団体 がここに参加して議論するわけですから、大いにその議論を惜しまずにやりたいというふ うに思います。  今、いわゆる施設で暮らしている人と地域で暮らしている人においては、施設で暮らす 人については2万5,000円の補足給付があって、地域の方は、場合によっては家族が仕送 りをして、ケアホームでの暮らしを確保するということがありますので、せめてこういう 自立支援法の理念に相反するような政策的な流れがこれから起きないように、せめてイコ ールフッティングであるというようなこととか、法律で言っています地域生活に向けてい くんだというのであれば、そういうインセンティブを持った政策の方向観の議論の場にし たいというふうに思っておりますので、各委員の方にどうぞご理解をお願いしたいと思い ます。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  佐藤委員。 ○佐藤委員  この審議会のミッションは、自立支援法の見直しということをどういう方向でやるかと いうことであろう。ただ今、北岡委員の発言の中に方向観という言葉がありましたけれど も、ここにいる委員は、それぞれに立場も違えば意見も違う、そういう中で自立支援法の 評価も直ちに廃止すべきだという方もいれば、抜本的な見直しをすべきだという方もあれ ば、部分的な見直しでいいのではないかという方もあればいろいろだと思います。  そういう状況であるにも関わらず、会議の方向観として、あるいは、これは厚生労働大 臣の諮問機関ですから、厚生労働省としてどういう方向感覚を持って議論を進めようとし ているのかというのが見えないということで、先ほどからいろいろなご意見を伺いながら、 どこで自分は発言をしたらいいのだろうということがなかなか見つからなかった。私は、 基本的に、今日起きている問題、いろいろ自立支援法の不備があったとは思います。  是正しなければいけないところは是正しなければいけないとは思いますが、まず第一に、 例えば与党プロジェクトが介護保険との統合を前提としないといいますけれども、自立支 援法は、明らかにだれがどう見ても将来、あえてこういう言葉を使っていいと思いますけ れども、ユニバーサルな介護・福祉システムをつくっていく上で、介護保険との統合とい うものを視野に置いていたことは間違いないと思います。  それがもう全く立消えにしてしまって議論をせよというのかという問題もありますし、 それから、自立支援法のまさにエッセンスであるところの地域で自立した生活を支援する ということに関しても、与党プロジェクトでは、前の厚生労働大臣は施設から追い出すよ うなまねはしませんということを言いましたけれども、追い出すなんていう話は全然違う と思うんですね。地域で生活できるように、地域の福祉、今まで相対的に遅れていた地域 の福祉をどういうふうに進めていくかということが重要な課題であって、にも関わらず、 その問題もあいまいになってしまっていると。  自立支援法の前段でいろいろ議論された中で、精神障害者の入院患者さんの20%、すな わち7万人は社会的入院であるからして、受け皿をつくって退院支援をしようと。知的障 害の方々の施設の場合は、基本的に医療施設ではないわけですから、言い換えれば、全員 が社会的入所なわけですから、この精神障害者の方の退院支援ということで言うならば、 知的障害者の方については100%が退所支援という文脈でなければならないはずです。  そういうことをうたっているからこそ、私は自立支援法を支持してきましたし、今でも なお、この可能性があるならば支持し続けるべきだと。そういう観点からいろいろ議論を 進めていきたいというふうに思っているんですけれども、割とふだんおしゃべりなほうで すが、前回も今回もずっとしゃべる機会を失っていたのは、それぞれがそれぞれの思惑で いろいろなことを言っても、どこでどういうふうにまとまっていくのか分からないと思っ て議論ができませんでした。  それぞれの委員の皆さんがそのスタンスを明確にして、例えば今日の障害者の範囲の問 題にしても、議論を始めると、私は昭和45年、1970年の各障害者基本法の水準に、せめて その水準に各知的障害者福祉法も身体障害者福祉法も追いつくべきだと思います。つまり、 非常に原初的にはあるけれども、1970年当時の心身障害者対策基本法は、障害があること が障害者であるわけではない。そのために、通常の社会生活、日常生活が困難になってい る人たちのことを障害者という、というふうに規定しているわけです。であるとすれば、 介護保険だって、その他の様々な法律だって、理由は何であっても、そのために通常の社 会生活、日常生活が当たり前な人間としてできにくくなっている人たちを支援するという ことでいえば、ユニバーサルに広がっていく可能性があると思うんですね。  ここで方向性を間違えると、いろいろな障害を次々につくり出して、この障害はこの障 害はと、またそれに対していろいろな専門性、専門性というふうにしていくと、せっかく それなりの必然性を持って進んできた。そして、国連との関連で言えば、国際的な流れも そういう方向になっているときに、我々はどうも内向きの議論しかできなくなって、そし て結果的には当座のそれぞれの団体、あるいは障害分野がこれまでのいろいろな意味の運 動や闘争の中で勝ち取ってきた権利をまさに既得権益化するだけであって、さらに新たに 発展させるということが難しくなるのではないかと。  ちょっと抽象的なことを申し上げて恐縮ですけれども、まず、一致できないとは思いま すけれども、一致できないなら一致できないなりに、さっき北岡委員もおっしゃったけれ ども、基本的な立場を明確にした上で、であるからしてこう考えるという議論をせめてし ていただかないと、ちょっとどこから入っていいか分からなくなる。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  これまでのところの中で、実は、嵐谷さん、それから竹下さん、岩谷さんのほうからも、 障害の範囲と手帳ということの関連の問題が言われておりますし、それから、そこから派 生して、障害者の広がりの中で財源は大丈夫だろうかという問題の指摘も出てきておりま すし、交付税という現実論が施策と非常に方向性を押さえているのではないかというよう なお話も出てきておりまして、さらに、今、北岡委員、佐藤委員のほうからは、自立支援 法の見直しの方向性、方向観あるいは落ち着くべきところというようなことでしょうか。 そういったものに対してのお話も出てきておりますので、そういったことに絡んで、厚生 労働省としては、プロジェクトチームから出されているその中身を受けて、現時点でどの ような方向性を持とうとしているのかという、この辺に、何かお話、今の時点で。  この会議の中では、皆さんたちが自立支援法をめぐってどういう思いを抱いていらっし ゃるのか、問題点認識をしていらっしゃるのか、あるいはそれぞれの組織の皆さんたちの 検証がどうなっているのか、そこを十分に傾聴して、そしてというようなお話のやりとり を少しさせていただいたところですが、厚生労働省、課長のほうから少し、あるいは局長 のほうからでしょうか。  中村部長、お願いします。 ○中村障害保健福祉部長  一番最初、前回の冒頭のご挨拶でも申し上げたかと思いますけれども、今回の作業とい うのは3年後の見直しということで、法律上は、障害者の範囲それから児童の福祉サービ スの在り方をどうするか、それから就労を含めた所得保障という項目が上がっております けれども、自立支援法につきましては、大変大きな法律の理念を掲げ、地域移行あるいは 就労支援ということであったわけですけれども、その中で様々なご意見が出てまいりまし て、特別対策あるいは緊急措置ということで実施したこともありまして、恐らく先ほど来 のご意見の中でもありますように、皆様方、部会長にも言っていただきましたけれども、 いろいろなご意見をお持ちの点もあろうかと思いまして、進め方としてここから3回はそ れぞれの項目についてご意見をまずはいただき、そして夏の間には、関係団体からもきっ ちりお話を伺った上で、秋にいただいたその論点を整理した上で、それぞれの項目につい て議論を深めて、先ほど課長から申し上げましたように、12月初めぐらいには全部をまと めていただいて、それで予算で対応すべきものは21年度の予算で対応し、そしてその報酬 改定もその中で考えていかなきゃいけないということが決まっておりますので、それをや っていくと。  それから、法律に関わることについては、21年度国会に法律を出したいと、そういうス ケジュールでありますので、まずは方向観という話もございましたけれども、私どもとし ては、自立支援法について、特別対策それから緊急措置ということで、法の考え方の定着 ということをそういうことを通じてやってきているつもりでございます。 ○潮谷部会長  どうぞ。 ○宮崎委員  障害者の範囲ということで少しお話しさせていただいてよろしいでしょうか。 ○潮谷部会長  もしそういう新しいご意見ですならその前に、確認だけ皆様にさせて下さい。  ただ今、中村部長のほうから方向性についてのお話がございましたけれども、皆様、論 議の根本に関わることでございますので、ただ今のような方向の中でこの会を進めていく ということでご了解いただいてよろしゅうございますでしょうか。 ○福島委員  もう一度繰り返してください。ただ今の方向というのはすなわち何でしょうか、座長の お言葉で。 ○潮谷部会長  今、中村部長のほうから言われましたことは、法律に関わっていく大きな部分は21年と いうことでなしていくということでございますし、それから、現状の中で特別措置、緊急 措置、こういったものが定着する方向で動いていくということで今歩んでいるということ でございます。  さらに、これから8月までの間は、皆様方からの意見を十分に拝聴して、そこでそれぞ れの相違だとか、あるいは政策的にこのように展開したほうがいいとかといった課題、そ の具体的な中身については、9月以降そして11月ぐらいまでを目指してまとめていくとい う、こういうようなお話がございましたので、そういった中村部長の方向性の論議で進め たいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。 ○福島委員  それは予定というニュアンスであって、例えば、先ほど佐藤さんがおっしゃったような いわばベクトルの話ではないんですよね。方向性という、つまりどちらを向くのかという 話ではないという、今後こういう予定でやりますよというふうに理解していいんでしょう か。  介護保険の統合を前提とするようなスタンスでいくであるとか、あるいは自立支援法が よい法律なのであって、マイナーチェンジ、微調整は要るにしても、大きく変えるという ことはしないのだといったような、例えばそういう価値観は共有しないと議論ができない ということではなく、最初の第1回目でも、フリーハンドだ、自由だというご議論があっ たと思いますが、私たち委員がそれぞれの委員個人、あるいは団体の立場で自由に物を言 っていいというふうに理解していいんでしょうか。  その方向性という言葉がまさに方向性を意味するというベクトルということではなくて、 ロードマップ的な運営で、こういう順番でやろうと思いますという意味で理解していいん でしょうか。 ○潮谷部会長  私は、ロードマップ的なことの中でまずはやっていくということが大事ではないかとい う形で今進めさせていただいておりまして、抜本的な部分というのは、その後にというふ うに考えて進めさせていただいておりますけれども。  この点につきまして、中村部長、何かございましたら。 ○中村障害保健福祉部長  先ほど申し上げたことをもう一度繰り返しますと、今回の障害者部会を開くに至った経 緯といたしまして、3年後の見直しという作業を政府に課せられております。その宿題と して、法律の中に書いてありますのは、障害者の範囲と、それから障害児のサービスの在 り方と、それから就労支援を含めた所得保障についてどうするかと、この3つが宿題とし て上がっておりますけれども、障害者自立支援法につきましては、地域移行あるいは就労 支援と非常に大きな改革であっただけにいろいろなご意見が出てまいりましたので、この 間、特別対策であるとか緊急措置であるとかを講じておられたわけですけれども、それら を通じて、私どもの考え方としては、法律の定着をそうした措置を通じて講じてきたとい うふうに考えておるわけですが、法律をめぐってはまだ様々なご意見がございますので、 これから6月ぐらいまでの間については、そうしたご意見をよくよくお聞きした上で、そ れから障害者の施策というのは、やはり団体の方のご意見を聞くということが非常に大事 であろうと思っておりますので、その辺についてもきっちり作業した上で論点を整理し、 それを9月ごろから深めていきたいと。  そういう過程の中では、結果でき上がるものとしては、報告書をいただきますれば、一 つは予算的なものとして21年度の予算、特にこの中ではもう既に報酬の改定という方向性 が出ておりますので、そこに反映をさせていただきますし、それから法律的な手直しが必 要なものについては、21年度国会に法律を出していきたいというふうに考えております。 ○潮谷部会長  よろしゅうございますでしょうか。そのことに関してでございましょうか。もし違うよ うでございますなら、先ほど発言をしようとなさいましたので。  宮崎委員、よろしくお願いいたします。 ○宮崎委員  宮崎です。  障害者自立支援法の見直しを図るという、そういう意味では、障害者の範囲であります とか障害者支援サービス体系をきちんと見直しをしましょうということになって、ここで 大きな課題になるのだと思うんですが、その際に一番重要になるのが先ほど佐藤委員がお っしゃったような問題、あるいは竹下委員がおっしゃったことと関係することではないか なというふうに思うんです。  実は、発達障害者支援法ができたときに、この国会論戦の中で、これも時限立法で3年 たったら見直しを図ると。その際に、障害者福祉法全体の整備を図るというようなことに ついて、当時の塩田局長が発言をなさっているんですよ。塩田部長さんでしたか、すみま せん。  それは置いておきまして、先ほど障害者基本法のところにもう一回立ち返ろうというお 話があったんですが、その後にできた法律でいきますと、例えば発達障害者支援法などは この法律の中では第2条の中には読み込めていないわけですよね。  私が申し上げたいのは、身体障害者福祉法、あるいは精神・知的といったようなものを 少しワーキンググループなり、あるいはプロジェクトチームなりを含めて全体一度ローラ ーにかけて統合という言い方は余り適切ではないかもしれませんが、そういったような整 備をする必要はないだろうかということです。  つまり、障害者自立支援法に係る問題というのは、障害者の定義から含めて整備をする 今こそ必要なのではないかと。その際に、先ほど堂本委員がおっしゃったようなICFの モデルといったようなことが検討されていかなければいけないと。  具体的な事例を申し上げますと、たしか昭和42年ですか、43年ですか、小児慢性特定疾 患について、厚生労働省は大変ご苦労なさって整備していただいているわけです。この方 々に関しましては、障害者手帳を持っている人と持っていない人がいるわけです。ここで いきますと、継続的な社会生活に相当する制限があるようなことがずっと継続しているよ うな人たちも結構いるわけです。しかし、手帳は持っていない。  それから、例えば身体障害者手帳制度の中で、内部疾患の方々はかなりいらっしゃるん ですが、その中でも持っていらっしゃる人と持っていらっしゃらない方がいる。これは次 回に話が出てくる就労支援などとの関係がすごく大きいんですよね。つまり、社会で自立 をして、課題がありながら、通院しながら就労をなさっている人たちの支援という観点か らいきますと、企業も含めて何らかの対応がされてしかるべきだというような思いがする んですよ。  こういうことなども、併せて法律の中でどう読み込むかというような問題も含めて、私 は検討する必要があると。これは時間的な制約がかなり厳しいので、そこは置いておいて ということもあるかと思うんですが、そうしないと、またこの問題はいろいろな禍根を残 すことになるのではないかというふうに思うんです。  ですから、私は法律の専門家ではないので言いっ放しになっちゃうんですけれども、そ ういった検討もそろそろする必要があるのではないかということを申し上げます。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ほかにございませんでしょうか。  どうぞ、長尾委員、お願いいたします。 ○長尾委員  大きな論点から述べられている中で、ちょっと違ったことで、先ほど佐藤委員からいみ じくも7万2,000という精神障害者の社会的入院という言葉が出ましたので、若干これは 誤解があるので、それについてお話ししておきたいと思いますが、7万2,000という数字 は、いわゆる病院調査における主治医に対して、条件が整えば退院が可能な、という何の 条件ということも示されない中で、ただ主観的な状況で言われた退院可能な数字というこ となんですね。  それが全て社会的入院だというふうにとらえられているのは、そういう誤解があるとい うことをちょっと申し添えておきたいと思いますし、あの中には3割以上が大体1年未満 のまさに退院しようとする人も含まれているわけなので、全て7万2,000人が社会的入院 という言葉で置き換えられるものではないということをちょっと話しておきたいと思いま すし、極論すれば、条件が整えば退院可能という言葉を使うのであれば、三十数万人入院 している人が全て退院可能であると私は思っておりますし、7万2,000というほうが逆に おかしいというふうに思っております。  それから、もう一つは、相談支援事業のことに関しては、いろいろこれも出ております けれども、相談支援事業者というのは非常に限定されておりますし、数はやはり少ない。 特に、一応相談支援事業者として名乗りを挙げることはできるけれども、指定される委託 されるところは限定されて、そこにお金がつくかどうかということになると思いますし、 精神に限っても限定されたところへ相談しに行くというのは非常に難しい面がある。それ から、アクセスの問題とか様々な面で、もう少し小さくとも、ある程度多くの相談支援事 業所ができて、そこで近くで相談ができるような体制というのが本来はやはりあるべきだ ろうと思いますし、特に精神で言えばPSW等がそういったいろいろな経験に基づいて相 談支援をしていくということが非常に望ましいと思います。  ですから、もう少しこういった枠を広げていくような方向というものも考えていくべき だろうと思いますし、もう一つ言えば、これも前回も出たかと思いますけれども、いわゆ るサービス利用計画というのは、これを立てる対象者というのは、いわゆる訓練等給付や 介護給付を受けている人は対象外なんですよね。ですから、本当にサービス利用を行う人 というのは非常に限定された人しかされない。こういうことをもっと広げていかなければ、 本来の相談支援やらケアマネジメントという地域のサポートする力というのは全く育って いかないということがありますので、こういう面をもっと財源を確保してきちんとやるべ きだというふうに思っております。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  そろそろ時間も迫っておりますけれども、箕輪委員どうぞ。あと何名かの方でお願いい たしますが、簡潔によろしくお願いいたします。 ○箕輪委員  私は、企業という立場なので、実際には次回にたくさんお話しさせていただきたいんで すが、残念ながら次回予定が入っていて出席することができないかもしれないので、ちょ っとお願いも含めてなんですが、一つは障害者の範囲というところで言いますと、いろい ろ環境によって、障害に制約が場面が変わってくるというお話があったと思うんですが、 まさに例えば働くということであれば、お金というかそういったものは要らないんだけれ ども、働くチャンスとか、働く上で配慮をしていただきたいのでということで、雇用促進 法のほうにある「障害がある」という判定だけを求めてそういったことをしている方もい らっしゃるので、障害者ですよというふうなことがあるんですが、福祉の置かれた別の部 分で範囲として認定されることを望んでいる人もいらっしゃるということが1つと。  それから、サービスの利用状況なんですが、これも自立支援法の施行とか就労のことで 言えば、雇用促進法に関すると、かなり全国的には障害のある方が働くということが進み ました。そういった中で、今現在の利用者数だけを見ると、サービスの質が向上したため に、福祉の現場から地域のほうに移行したために、今、数が少ないという、プラスの数が 減ったという数字もあるかもしれませんし、逆に、さっき質とありましたけれども、質が 悪いためにサービスは使いませんと、自分で何とかしますという形で撤退された方もいら っしゃると。マイナスの理由というのはあると思うので、数字だけではなくて、その背景 が何なのかを示していただくことによって、今後どうすべきかということが見えてくると 思いますので、ただ単に、今少ないとか多いではなくて、その現状を背景をぜひ示した上 でデータをつくっていただけると、それは事務局の方にお願いしたいと思います。  それから、全体的な議論のところで、今日、時間やっぱり短かったかなと思うんですけ れども、いろいろな立場の方がいらっしゃると何名の方がおっしゃっていたんですが、立 場もそうなんですけれども、今、主語が障害のある方のために本当に話しているのか、そ れともサービスを提供する事業者の事情のことを話しているのかというのを分けて進行し ていかないと議論の方向が散漫になってしまうので、今後そういったいろいろなテーマが あると思うんですが、テーマごとに障害のある方を中心にそこを主語にしていくのか、事 業者を主語にしていくのかとか、団体のというのがあると思うので、そこを整理していっ ていただくとなおいいのかなと思います。  それから、ヒアリングのところなんですけれども、これも、今、概ね満足している方の こうすればもっとよくなるというマイナーチェンジのご意見がある方と、今、概ね不満が あって、非常に不満があるから全部見直す必要があるという方と、それぞれ必ずいらっし ゃると思うので、そこはバランスよくヒアリングをしていただければなというふうに思っ ています。  次回なんですが、出席できるかどうか分からないんですが、リクエストとして、就労に 関しては、労働部局と能力開発の局と、それから送り出す側には福祉以外に教育の部隊の 方がいらっしゃると思いますので、そういった方にも特別な参加という形でぜひご同席い ただけるといいなと思いました。  以上です。 ○潮谷部会長  ぜひ次回は何らかの形でペーパーをお出しいただければとてもうれしいと思います。  それから、利用者と事業者を分けてというのは、これは双方関連がありますので、論議 をされる皆さんたちが裏表の関係だというふうな形で認識していただければと思います。  それでは、最後ぐらいのところで、どうぞ。順番に宮崎さんのお隣からどうぞ。 ○山岡委員  山岡でございます。  日本発達障害ネットワークという団体を代表してここに出てきておりまして、これがな ければいけない立場なんですけれども、障害者の範囲ということで、今回が議題になって おります。  今回、資料に出ておりますが、附帯決議の第1項目にこの範囲の見直しということが出 ていると思いますが、前回も大濱委員がおっしゃっていただいたり、今回、堂本委員がお っしゃっていただいたりしておりますけれども、難病、高次脳機能障害あるいは発達障害 について、まずぜひこの範囲に入れることを検討いただきたいということが1つでありま す。論拠としては、附帯決議にあるということ、しかも付帯決議の第1項目ですね。  それから、発達障害者支援法というのは、議員立法ですが法律でございまして、この中 で、発達障害に対する支援は国の責務というふうにうたってございます。法律にうたって あることでございますので、ここでご検討いただくことが妥当というふうに考えておりま す。ですから、この第4条に項目、きちんと定義していただくことが第一の要望でありま す。  それから、第4条の中に、きちんと発達障害、高次脳障害とか難病とかうたえないので あれば、この第4条は対象をばしっと限定的に書いてございますけれども、その他にも何 らかの認定とかによって対象とするということを定めるべきというふうに考えます。  それから、今度、発達障害だけの話になりますけれども、精神保健福祉法の中で、定義 がここにも示されておりますけれども、精神疾患という言葉がありまして、発達障害につ きましては、基本的にこの精神疾患の定義の中に含まれるというふうに考えております。 ここは定義としてそうではないとおっしゃるのであれば別なんですけれども、ここを使わ せていただくということができないかということであります。  ですから、発達障害につきましては、基本的に全部を入れてくれということを言うつも りはありませんが、できればニーズに応じて、きちんと必要に応じて対象に入れられるよ うなことができないかということをぜひご検討いただきたいと思います。  以上でございます。 ○潮谷部会長  最後に、小澤委員、お願いいたします。 ○小澤委員  本日の議題なので、障害者の範囲という点で、ちょっと私のほうから1点、まず課題と しまして、障害者の範囲というテーマ設定の仕方なんですが、これは障害者の範囲ではな くて、サービスの必要性の認定の議論、それから社会参加施策への参加要件の議論、基本 的に今まで何十年となく全てが混乱をしていたと私は思うんですね。要するに、サービス の必要性という議論をどう考えるか、それを認定するという作業をどうとらえるか、それ に対して社会参加という幅広い活動に対する何らかの施策の対象にするにはどうしたらい いか、これらが全て渾然一体としていたということが非常に議論を困惑させているのでは ないかが1点目です  それから、もう1点は、次に、仮にサービスの必要性の認定という議論をしたときに、 1点目は、標準化の議論をするのか、個別化の議論をするのかによって、また相当に方向 性が違う、先ほど方向性の議論という話があったんですけれども、もし標準化の議論をす るとしたら、これは多分、程度区分の議論とか手帳の在り方というのは、多分その方向性 では必要な議論だと思うんですね。  ただ、例えば、千葉の堂本委員がおっしゃっていたように、もしICFのようなものを 使うとすれば、私の立場から言えば、これは極めて個別的なんですね。なぜかというと、 余りにも要因が複雑なので、非常に個別ごとに必要性の判断をせざるを得ない。したがっ て、そうなってくると、これはどちらかというと相談支援やケアマネジメントの在り方に 直結していく議論と、この辺りがちょっと私は方向性を共有して議論をするか、あるいは 方向性自体を検討するかによって相当に変わってくるだろうと。ちょっと私の立場から意 見ですけれども申し上げさせていただきました。  以上です。 ○潮谷部会長  ありがとうございました。  ただ今の意見も踏まえながら、何かコメントございますでしょうか、事務局のほうで。 ございませんか。 ○堂本委員  ちょっと今のに答えていただきたい。いいですか、委員長、一言。  方向性を共有するのか、それとも方向性について議論するのかということですよね、今 おっしゃったのは。さっき福島委員からもそれから佐藤先生のほうからも同じようなご質 問だと思うんですけれども、そこのところをはっきりしていただかないと、これから大変 難しいかなと思うので、ぜひお答えください。 ○潮谷部会長  中村局長。 ○中村社会・援護局長  今のように、今日の議論の中でも障害者の範囲、サービスの利用状況(利用者負担も含 む)、相談支援、権利擁護とテーマがあります。今まさに最後の障害者の範囲について、 小澤委員からご提案がありましたし、論理的というか問題の構造的な整理をしていただい たわけですね。  それで、まさにまず障害者の範囲といった場合についても、それぞれのお立場から、例 えば、発達障害についてぜひきちんと障害者の範囲に入れてほしいというようなご意見も 出ていますし、いろいろご意見も今の整理の仕方によっていろいろなところのレベルに位 置づけられるんだと思います。そういう整理をまた私どもでした上でお出しをしていきた いと思います。  その際、例えば、今のお話で言えば、標準化の方向に向かうのか、個別性を重視するの か、それについてそれが二者択一なのか、ある場面では標準化を目指さなきゃならないけ れども、ある場面では個別性を重視するという両立することも可能なのか、その辺もご議 論があると思いますので、まさに方向性といった場合も、本当に相入れない方向性なのか というようなこともあります。  例えば、標準化のほうについて言えば、全国の市区町村で実施していただくといった場 合に、一定の標準化が必要だという要請もあると思いますし、お一人お一人の障害者の方 が最善のサービスを受けるといった場合に、理想のケアマネジメントがあって、理想的な ケアプランができて、理想的なサービス事業者がいて、そういうものが達成されれば、そ れは理想的な方向であるということも分からないわけではないので、そのところが現実的 に、今の我々の行政の成熟度なり、事業者さんのサービス料の問題とか、様々なそれこそ 利用する障害を持った方の状況などから、どういう組み合わせが最善なのかというような ことについて、例えば今は障害者の範囲を一つの例として申し上げましたけれども、もう 少し我々も、論点の整理なり、問題の構造化に努めますけれども、この議論を先ほど来、 部長からお願いしていますように、団体からのヒアリングも含めて、8月まではちょっと そういう作業をさせていただいて、必ずや私どもも論点を整理し、また、それぞれについ て、私どもの方向性ということについて、私どもは方向性を伺いいただくて実はこの部会 をお願いしているつもりでございますが、役所の方向性が聞きたいということであれば、 私どももそれなりの整理をして申し上げたいと思います。  今、我々が使命として負っておりますのは、とにかく障害者自立支援法のこの間の検証、 データに基づいた検証を我々としてはさせていただきたいと、まだまだ不十分ですけれど も思っておりますし、ぜひ関係の委員の皆様方においても、そういうデータベースなり、 それぞれの分野でのご見識に基づいて、まずその評価をしていただいた上で、我々として は障害者自立支援法あるいは障害行政というものを発展させたいと、よりよいものにして 発展させたいというふうに思っておりますので、その直し方の規模が大規模なものかマイ ナーチェンジかというようなことは、それはまたこの部会での議論が進む中で決まってく るのではないかというふうに考えておりますので、我々は、予断を持つことなく、余り大 きな改革をしたくないとか、お金がかかることはしたくないとか、そういうようなことで はなく、あるべき姿をまず議論していただいて、これだけお金がかかると、それは我々獲 得できるかどうかはまた別の問題ですけれども、まずこういうものが要るのだということ であれば、そのことをお出しいただいたほうがいいのではないかと、そういうふうに思っ ておりますので、何とぞよろしくご審議をお願いしたいと思います。 ○潮谷部会長  ありがとうございます。  ただ今、局長の発言内容については皆様方お聞き及びのとおりでございますので、どう ぞ率直に次回もご意見を短く簡潔にそれぞれお出しいただいて、本当にこの会やってよか ったねと、そういうような形で終わりを迎えたいと思っておりますので、今後ともご協力 方よろしくお願いいたします。  皆様、今日は本当にありがとうございました。 ○福島委員  確認です。今後の日程と時間……。 ○潮谷部会長  皆様、ちょっと静かにしていただいてよろしゅうございますか。  大濱委員が最後に一言。 ○大濱委員  実は、私、最初に発言して、そのとき全体の進め方のことについて意見を言わせていた だきました。ですが、実際に個別課題についての発言については、委員が多いということ で発言する機会がなくて、手を挙げても委員長のほうから他の委員を先にということで発 言できなかったわけです。時間が本当に少ないので、3時間に延ばすことも考えていただ きたいというのが第1点。  それで、もしも発言できない場合、追加としてペーパーを出させていただきたいとか、 そういうことも少し検討していただきたいと思いますが、お願いします。 ○潮谷部会長  そういう要望でございますので、事務局のほう、今後よろしくお願いいたします。 ○川尻企画課長  ご案内をするのが遅れましたけれども、次回は6月9日、2時からということでござい ますが、時間的には今お話がありましたように長めに、一応3時間ぐらいは会場は確保し ておきたいというふうに思います。  それから、今日、堂本委員からペーパーが出たりいたしましたけれども、もしご意見を 言っていただくことについて、ペーパーがあったほうが説明がしやすい、あるいは各委員 のご理解がしやすいということであれば、そういう形でお出しいただければ、私どものほ うも必要部数は用意したいというふうに思います。  それから、もう1点だけ。6月は、先ほど出ましたようにあと2回予定をさせていただ いておりますけれども、7月以降もいろいろお忙しい委員の方々ばかりでありますので、 早目に日程調整をしたいというふうに思いまして、お手元に日程調整表を置かせていただ いております。この場か、あるいは後でファクス、郵送していただくなりして、できるだ け皆様方がご参加いただける日を早いうちに確保したいと思っておりますので、その点も よろしくお願いします。  どうもありがとうございました。 (了) (照会先)     社会保障審議会障害者部会事務局                     厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部                       企画課 企画法令係(内線3022)