08/05/15 第2回 フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会議事録 第2回フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検 討会                   日時 平成20年5月15日(木)                      10:00〜                   場所 厚生労働省専用第21会議室 ○室長(田原) ただいまより「第2回フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等 発症患者の症状等に関する調査検討会」を開催いたします。吉澤先生が少し遅れている ようですが、後ほど参加していただけることとなっております。本日、事務局を務めさ せていただきます医薬食品局総務課医薬情報室の田原と申します。よろしくお願いいた します。報道関係者の方々については大変申し訳ありませんが、頭撮りはここまでとい うことでよろしくお願いいたします。  本日は新しく本委員会の構成委員になられた先生をご紹介させていただきます。東京 大学医学部附属病院感染症内科の教授でいらっしゃる小池和彦先生です。 ○小池委員 よろしくお願いいたします。 ○室長 事務局のほうも私を含めまして、秋野、松崎というように、人事異動等により メンバーが一新しておりますので、よろしくお願いいたします。  前回、第1回を開催して調査票を発送してからだいぶ経ちましたので、今回の検討会 の目的について確認させていただきたいと思います。今回の検討会については、418リ ストの患者さんの実態を把握するとともに、国が製薬会社のほうから2002年7月に418 リストを受け取ったわけですが、そのときに速やかにご本人たちに製剤投与の事実をお 知らせしていれば、その後の治療等の開始が遅れずに済んだのではないか、そのような ことをきちんと検証することが目的であります。今回の議論を踏まえ、次回は取りまと めに向けて作業を進めていきたいと思っています。  それでは座長の宮村先生、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。 ○座長(宮村委員) それでは今日の委員会の進行を務めさせていただきます。いま、 事務局から説明がありましたように、この調査会は昨年の11月に発足をしましたが、 その後、いろいろな状況が変化しました。目的は非常に限定され、粛々と調査をしてい くべきものであります。つまり、418例の症例のケースに関して、2002年7月に速やか に通知をしていたならば、もう少し違った対応があったのかどうか、これらの方々の現 状分析をする調査会です。事務局の説明にありましたように、いま調査が進行している 過程で、今回と次回を目途に、最終的な調査会の報告をまとめたいと思っています。ど うぞよろしくお願いいたします。  まず、本日の配付資料の確認を事務局からお願いいたします。 ○室長 「配付資料一覧」という1枚紙があります。それを見ながら資料の確認をして いただければと思います。資料1は取りまとめについてのたたき台です。資料2は資料 2-1と2-2に分かれており、「単純集計結果」のご本人様が資料2-1、ご遺族様が資料2-2 です。資料3は「個別症例の分析について」です。参考資料として別ファイルを2冊用 意させていただいています。個々人から戻ってきた調査票をそのままコピーしています。 右上の赤いところに1、2など数字が書いてありますが、これが418リストの症例番号 になっています。詳しくご確認ということであれば、調査票まで確認していただければ と思います。以上が用意させていただいた資料です。 ○座長 それでは議事(1)に則り、「調査の集計結果について」に入りたいと思います。 本件については資料1、資料2-1、及び資料2-2が用意されています。まず、事務局から 資料についてご説明をいただきまして、それから皆さんからご意見をいただくという具 合にしていきたいと思います。ご協力をよろしくお願いいたします。それでは事務局よ ろしくお願いいたします。 ○室長 資料1、資料2-1、資料2-2に基づき、調査の集計結果を簡単にご説明させてい ただきます。事前に皆様方に資料をお送りしておりますので、簡単にさせていただきま す。資料2-1、資料2-2については部厚いので、資料1の前半部分を中心にご説明させ ていただきます。  資料1の1頁です。(4)に書いてありますように、平成20年1月16日から調査を開始 しております。4月17日現在で81人の回答があります。回答結果については40代、 50代の方が多く、男性、女性で見ますと女性が多い状況になっています。  2頁です。具体的な「調査結果」です。「肝炎ウイルス疾患の状況」を表にまとめさせ ていただいています。この表についてはお送りした資料と若干変わっていますので説明 させていただきます。感染している可能性が高いという感染の状況と疾患をクロスさせ て表にしています。感染している可能性が高いものについては51人おります。そのう ち慢性肝炎の方が32人と非常に多くなっています。肝硬変、肝がんまでいった方は1 名ずつの状況になっています。  感染していない可能性が高いところですが、※が付いている部分、右の3頁で「感染 していない可能性が高い」と回答の19名のうち17名については抗体検査が+(プラス) で、感染した後、治癒したとみていいのではないかと考えております。19名のうちの残 り2名については抗体検査が−(マイナス)なので、もともと感染したことのない可能 性が高いのではないかと思われます。17人の内訳を見ますと、15人が治癒しています。  4頁です。お亡くなりになった方が16人いるのですが、そのうち肝炎に関連する疾患 によって亡くなられた方については5名となっています。その5名について詳しく亡く なった原因を見ますと、中には急性心筋梗塞というのもありますが、これについては後 ほど調査回答者等に聞いて、きちんと補正していきたいと考えています。1人、劇症肝 炎で2カ月で亡くなった方がおりますが、その他の方は約20年近く生存されてから死 亡している状況になっています。  その下の表ですが、現在の「肝炎の診療状況」です。治療中・治療歴有りが62人と 多くなっています。  5頁の治療方法ですが、インターフェロン関係を使っているのが22名となっています。 治療の結果、治癒した人が6名おります。経過観察は27名と多くなっている状況です。  6頁で2002年ごろの診療状況についても聞いており、これも治療中・治療歴有りが 33名で多くなっています。あとは過去のことということで、無回答も30名と多くなっ ています。その下の表ですが、肝炎ウイルス感染の認知時期の分布です。これを見ます と、86、87年から90年前後までが非常に多くなっていて、フィブリノゲン投与後速や かにウイルス感染を認知したという方がかなりいるという状況かと思われます。  7頁です。ウイルス感染の認知事由としてその他が36名と非常に多いのですが、他の 病気で検査を受けたときにわかったのが19名と多くなっています。検診のときにわか ったのが9名となっています。その下の表ですが、フィブリノゲン投与の認知時期につ いてですが、前回お送りした資料の数字が間違っていて若干変わっています。2007、2008 年のところの直近で認知した方が非常に多い状況になっています。  8頁です。製剤投与の認知事由です。今回のお知らせで知ったのが34名と非常に多く なっています。すでに知っていた方では治療を受けた際に知ったが多くなっている状況 です。  9頁です。「フィブリノゲン製剤の使用状況」です。製剤を静注で使用が52人で多く なっています。具体的には産中、産後の止血で出産関係の者が30人と多くなっていま す。糊として使用も12人という状況です。  10頁です。輸血歴の有無で、あった方が54人で、そのうち下の表ですが、フィブリ ノゲン製剤投与時に輸血した方が41名となっています。  以上のような状況を全般的に見ますと、今回対象となった81人のうち、ウイルス感 染の可能性が極めて高い人が51人です。そのうち生存されている方が44人で、肝硬変、 肝がんまでいっている重症の方はそれぞれ1人ずつで、大半が無症候性キャリア、ある いは慢性肝炎となっています。現在の診療状況については不明の12名を除いた69人の うち68人が医療機関のフォローを受けている。2002年ごろについても無回答の31人 を除いた50人が、治療の有無にかかわらず医療機関のフォローは受けているというこ とが言えるのではないかと思います。医療機関のフォローを受けている人が多いことも あって、ウイルス感染の認知時期については、不明の25人を除き、2002年7月より前 に知った方が46人と不明を除くと82.1%で早期から認知している方が多かったのでは ないかと思います。  一方、フィブリノゲン製剤の認知時期については、不明の13人を除くと68人になり ますが、そのうちの27人、39.7%が2002年以前に知っており、ウイルス感染の認知よ りもだいぶ遅れています。特に直近の2007年7月以降に認知した人が38人と多い状況 になっています。  治療状況については治療歴がある62人で無回答の19人を除く41人のうち、半分ぐ らいの22人がインターフェロンを使っていたという状況です。  次に、資料1の17頁です。418例の症例一覧表からも若干集計できる項目があるの で集計させていただいています。フィブリノゲン製剤の種類については加熱が200を少 し超えて多くなっている状況です。(2)、(3)の初回投与日、最終投与日を見ますと、1987 年前後が投与の時期として非常に多くなっています。  18頁です。フィブリノゲン投与を受けた年代別に輸血していた人と輸血していない人、 赤が輸血したことがない人、青が輸血したことがある人で、その推移を見ますと、右の 図でご覧いただくと、1987年ぐらいにはフィブリノゲン製剤のみによって症状が発症し ている方が45人と多くなっている状況です。下の(5)の肝炎関連症状ですが、症状につ いて書いていない117例を除き、301例について、症状を複数書いている人がいるので、 症状の総数としては557になりますが、そのうち肝臓に特異的な異常があると思われる 症状が436ありました。C型肝炎といったのが62人、その他のところで非A非B型肝 炎61人という状況になっています。 ○座長 これについてご討議をお願いいたします。まず、いまの時点で有効回答数が418 例分の81人ということで、限定された回答ですが、これからの見通しはどうですか。 ○室長 418人の方皆さんに調査票をお送りできているわけではありませんで、418人 の方に対して、まず本人の特定作業を行っています。製薬会社のほうから毎週報告して もらっているのですが、直近の5月7日の段階で199人の方が本人を特定できたという 報告を受けています。199人の方について医療機関を通じて調査票を送る作業をさせて いただいています。最近の動向を見ますと、本人の特定がどんどん増えれば、送れる数 も増えるのですが、本人特定の数はだいぶ伸び悩んでいる状況にあるので、調査票を新 たに送れる人というのはあまり増えていないということです。  我々としては、いずれにしても81人の回答では少ないので、特定できた方について しかできませんが、督促等のお願いもして、回答を増やすことも考えていきたいと考え ています。 ○八橋委員 199人の方にはすでに連絡をしてあるということですか。 ○室長 199人の方は本人が特定できたので、医療機関を通じてその方に送ってくださ いとお願いしました。 ○八橋委員 199人の方は医療機関に連絡が行っている。 ○室長 医療機関はカルテとかがあって本人がわかっているわけです。また同じルート を通って、厚生労働省から製薬会社にいって、製薬会社から医療機関に調査票をお渡し して、それを医療機関から本人にお渡しするということです。 ○八橋委員 調査票の渡し方は製薬会社を介してなのですか。 ○室長 そうです。 ○八橋委員 これをいつまでに送ってくださいという、何か締め切りみたいなものは。 ○室長 締め切りは受け取った日から3週間ぐらいを目途に送っていただけるとありが たいと書いております。 ○八橋委員 医療機関から患者に連絡が取れない、そういういろいろな事情もあるので しょうね。 ○室長 若干あるやにも聞いています。 ○八橋委員 いま通院してない人とか。 ○室長 できるだけ病院に行って検査をして送ってくださいとお願いをしています。 ○八橋委員 そうですか。 ○座長 最終的にはうまくいって、患者がわかって医療機関を介して、この調査票がい って、そして記入するのは2002年当時の主治医の方、今の主治医の方と患者の3者が 成立して、はじめて調査票の答えとしてバックされてくるということですね。 ○中野委員 そうすると、製薬会社に199送って、製薬会社から病院に送って、これが いくらか減ってということですか。 ○室長 医療機関からご本人にお知らせできた患者に、製薬会社、医療機関を通じて、 調査票を送付している。 ○中野委員 いくらか減って。そして、そこから返ってきたのが、無効回答というのが あったかどうか知りませんが、要するに81、この辺りのチャートは書けますか。つまり ドロップアウトを解析するのも中心の仕事になるのだと思うのですね。 ○室長 チャートですか。 ○中野委員 数字を持っていらっしゃるかという意味にとらえればよろしいのではない ですか。母数が418で、こんな調査がいっていない方がはっきりしているのだから。そ れでわかっているのが次にはっきりしていて、あとドロップアウトしていくでしょう。 その理由を推して知るべしみたいな、何かこういう世界をイメージできるかなと思うの ですが。 ○室長 ほぼ199人の方には調査票が行っているという理解でよろしいと思います。本 人にお知らせというのはフィブリノゲン投与のお知らせ等をして、受診勧奨まできちん と医療機関でやっていますので、きちんと連絡がついている方です。その方には調査票 を送付しています。 ○中野委員 いや、アクセスの問題ではなくて、意思、マインド、ウイルの問題だと考 えるのです。 ○室長 そうですね、患者が送ってくれるかどうかというのがいちばん大きな問題です ね。 ○中野委員 くどいけれども、数字はちゃんと持っていらっしゃいますね。標本数が推 移していく数字は持っていらっしゃいますね。 ○室長 数字は我々の所できちんとあるのは、199です。 ○中野委員 数字は。 ○室長 そうです。製薬会社を通じて、医療機関がきちんと渡してくれていると考えて います。 ○小池委員 医療機関が患者の現住所がわからない例がかなりあるのではないかと思う のですが。 ○室長 それは本人特定の中には入っていないのです。199名は住所まできちんとわか って、連絡先がわかっている数字ですから。 ○小池委員 わかっている人で、医療機関からは行っているはずなのですね。 ○室長 行っているというのは。 ○小池委員 199人に対して。 ○室長 はい。 ○座長 それでこの時点で81というのは、これから努力しても非常に難しいような気 がするのですが、その見通しはどうですか。 ○室長 そこは先ほども申しましたように督促のお願いをして、できるだけ希望として は大台に乗せたいという思いはあるのですが、いずれにしても任意協力で強制的にとい うものではないので、あくまでもお願いベースの督促をかけて、そこで少し回答が増え るかどうかというところです。 ○座長 そうすると、この調査の目的である、このときのお知らせが、速やかになされ ていたならば、もっと別の方法もあったのではないかということを個々の例について検 証するのが目的ですが、そういう本当に検証しなければならないような人、その対象に ついての調査の回答がよくないことになるような気がするのですが。 ○室長 一般的な任意協力の調査ですから。 ○座長 だから、これの限界のような気がするのですが。 ○室長 ええ、199分の81だと5割までいかないですが、4割はたぶん超えているよう な状況です。一般的な任意協力の調査の回答率を見ると、非常に高いと言えるかと思い ます。ただ、限定した調査ですので、確かに回答率は少し努力していかないといけない ことはあろうかと思います。 ○中野委員 くどいようですが、もう一度同じことを繰り返します。調査の結果が示さ れたとき、これではあまりうまくなかったのではないか、いや、これしかできないとい うのがどこまで強く言えるかが、こういう調査のポイントなのですね。したがって、先 ほども言った418が規定されているところからスタートすることができますので、これ は非常にありがたいです。いくつかに仕分けしていかれたでしょう、Aグループ、Bグ ループと。Aならいけそうだ、Bは駄目だ。Bはまた2つに分けられましたね。それは 難しいかな、どうかなという、どういう仕分けでせざるを得なかったかというプロセス、 その中に数字が入り込むというのはいちばん重要な基本データだと思うのです。その上 でこういう理由のものだけがこうして残っていますよとか、何とか標識しないことには 進めないような気がするのです。先ほど言いましたみたいに数字を持っていらっしゃる かという意味を。少し準備として資料作りをお考えになったほうがいいのではないかと 思います。 ○座長 結局、その数字はこの中にあるわけで、1枚のチャートに先生の言われたよう なまとめがどのようにできるか。まとめることはできるわけですよね。 ○中野委員 私が言いましたのは418分の199、199分の81ということができるでし ょう。418分のその残りですね。これは最初から無理だというのもあったでしょうし、 そうでないのもあったでしょうし、問題はそこだと思うのです。社会的なアグリーメン トが必要なのですね。 ○室長 製薬会社のほうから418のうち、その間がいろいろあって、本人までいったの が199ということなのです。そういう資料も毎週出していますので、それについてのも のがあるので報告させていただきたいと思います。 ○中野委員 あるのですね。 ○審議官 中野先生のご指摘ですけれども、資料1のいちばん後ろの表、フローチャー トのようなものがありますが、ここで418がトップにきて、そのうち個人が特定できる ものというのを入れていくというイメージでということですか。 ○中野委員 はい、そうです。 ○審議官 はい、わかりました。それでドロップアウトされた方々の理由についてでき るだけ調べて、それが社会的にアグリアブルなものかどうかがポイントですよというの が先生の。 ○中野委員 はい、そうです。 ○座長 そのドロップアウトもかなりカテゴライズされるかもしれないですね。 ○審議官 なるほど。 ○小池委員 199分の81が、もう少し待つともっと増えるのですか。要するにどのく らい、いちばん遅い人でいつごろ通知が行っているのか。例えば私の患者などで投与さ れたことがある人は、もう必死になって元の病院に押し掛けて行って、カルテを探して くれと言っているのです。そういう心理を考えると、届いているのにそんなに返事をく れない、これしかくれないのは、何となく不思議な気がするので、届いてからの期間が まだ非常に短くて、これから届くのかどうなのかという単純な疑問なのですが。 ○大臣政務官 本人まで199名が特定できて、いま81名返ってきている。残り118名 ですが、何か返ってきにくい問題点みたいなものは特にないと判断しているのですか。 別に費用がかかるわけではないですね。労力だけですよね。 ○室長 ただ、少し高齢の方には難しいというか、そもそも普通に返送する調査票では なくて、本人はもらってから今度は自分がいまかかっている医師の所へ行って、いろい ろ書いていただくとか、さらに2002年にかかっている医師が違うと、またそこにもコ ンタクトを取って、2002年当時かかっていた医師にも書いてもらい、それで本人の所に まとめて送るということになるので、少し難しい調査ではあるのです。時間もかかりま すし、だから本人が相当意欲を持っていただかないと、なかなか書けないということで す。 ○八橋委員 本人が書く所と医師が書く所がありますので、これが全部揃わないと回答 できないようになっているのですか。患者の部分だけでも部分的に届けてもらうという ことにはなっていないのですか。 ○室長 調査票1がいちばんメインで、いまかかっている医師に記入していただくもの です。そこの部分がないと全然意味がないのです。だから、最低いまかかっている医師 の所には行っていただく。2002年の調査票2は同封されていないケースもあります。 ○八橋委員 調査の目的とすれば全部揃っていないと調査はできないのですが、患者自 身は自分の記入する所は書いたけれども、どうしても医療機関が何らかの形で協力して もらえないということがどれくらいあるのか。あとは、もともとあまりアンケートには 答えないという、患者の意思が働いている方もおられる。患者自身は調査しようと思っ ているのに医療機関が協力していないパターンと、患者自身がもう終わったことだから ということで出していないのとが出ていない方は混在しています。その辺が、少しでも わかることが、部分的に患者の調査だけでも届いていれば、医療機関が揃っていないと いうことなので。アンケート自体は全部揃わないと解析できない。内訳という意味では 調査が揃わない理由がいくつかあるのかなと思います。 ○室長 調査票1までは皆さん同封してきていただいています。だからもしかしたら、 いまの医療機関に行ったときに少してこずっている例もあるのかもしれないです。 ○八橋委員 調査票1だけ送られてきたのもあるのですか。 ○室長 基本的には、2002年の所は病院に全然行っていないとか、あるいは2002年も ずっと同じ所だったのなら一度に一緒に書いていただけますので。 ○八橋委員 不備のあるのは81人には入っていないのですか。 ○室長 不備のあるものも入っています。集計では無回答ということになって入ってい ます。 ○八橋委員 それも入れての数ですか。 ○大臣政務官 そもそも何かいっぱい届いたけれども、よくわからないと言って、置い ているおじいちゃん、おばあちゃんもいますね。今回の一連の医療制度の問題でも、そ の辺が問題になっているところもあるので、それは現実マンパワーとしてどこまでやれ るのですか。その辺をはっきり言わないと。 ○室長 マンパワーとしては同じルートで製薬会社、医療機関を通じて、返送の督促の お願いのお手紙で、調査票を出してくださいということでお願いするしかないです。 ○大臣政務官 あくまで書面がお家に届くのが限度で、電話までして「いや、実はこう いうのを送らせてもらっているのですが、見ていただけましたか」みたいなことはしな いのですか。 ○室長 個々人の住所はわかっていません。製薬会社のほうもわかっていないので直接 はできません。医療機関に頼んで、宛て名書きをして送ってくださいというしかできな いのです。 ○座長 これはここでまとめたいと思います。今日の時点でこういうことになっている。 そうすると、これから努力するとしても、その理由の如何を問わず、回答が199にはな かなか届いていかないだろうという限定の中で、こういうデータが得られたものについ て解析をしますということで、その回答率の努力はこれでよろしいですかね。もう理由 がつけばしようがないのですかね。 ○室長 回答率アップの努力はさせていただきます。あと、いろいろ世間からご批判を 浴びたので、あまり時間が経たないうちに、中間的なものでも、ある程度こういう状況 でしたと答えていかざるを得ないかと思います。 ○座長 ということでよろしいですか。 ○中野委員 もうそれは。先ほどの押さえるところは押さえるということをご理解いた だければと思います。いまの問題が済んだら、この論文そのものについての話もしてよ ろしいですか。 ○座長 今日の時点では81例ということで、この後は個々のケースに入りますが、そ れ以外にいま資料1に基づいてご説明いただいたことの質問をよろしくお願いいたしま す。 ○中野委員 つまらない言い方をしますが、まず論文の構成と用語、解析の3つを簡単 に申し上げます。構成は、これはたたき台でいまからお変えになると思います。1番目 に調査の目的と研究の方法、対象等があります。2番目は調査結果が出てきて、結構で す。フィブリノゲン製剤の使用状況が4番にきます。11頁から分析が始まります。ここ からが位置づけがよくわからないのです。そして、最後の頁が振っていないところの4、 考察が出てきます。用語は考察でも分析でもいいのですが、考察を見てみると、フィブ リノゲン製剤の種類、投与日などあまり収束していくような方向でないところの考察の 図表が入っています。最後の頁は輸血の割合、年代別の話とか、肝炎の関連症状とか、 これは非常に重要な話なのですが、少しノイズを抱え込んでしまって考察という考え方。 ここは考察としては文章がいまから入るのでしょう。おそらく書けないと思うので、あ まり発散させないほうがいいかということを読んでいて感じました。 ○室長 頁を打っていないのですが、17頁の考察までが本文で、その後は参考資料で後 ろに付けるみたいなイメージです。 ○中野委員 ここでおしまいのですね。参考資料1からは後ろに付けるという感じです ね。 ○室長 参考資料からは後ろに付けるという感じです。 ○中野委員 わかりました。 ○座長 だから、空白になっている「まとめ」のところが、実はいちばん大事なのです。 ○中野委員 それにしても関連の症状等で症例をレビューされていますね。先ほど冒頭 でありました討論の関連からも、こういった収集状況を含めた文献は考察に入れないと いけないだろうと思います。単なる参考ではない。続けさせていただいてよろしいです か。 ○座長 はい。 ○中野委員 というような構成に対する気がかりな点が1つあるので、これはたたき台 として修正していかれたらよろしいだろうと思います。続いて11頁の分析の話ですが、 分析で結構なのですが結果を分析したという意味ですね。結果を分析しましたというの をそれぞれ分けているのですね。これはこれでユニークでよろしい。ただし、何を分析 したかというと、治療状況が未治療であった者の詳細をピックアップして、文章がずっ と書いてある。症例報告ですね。この中から読み取りなさいという形をとっていらっし ゃる。その辺が少し心配なのです。ちょっと気になったものだから、前にいただいた事 前配付の資料で13頁の○○番をちょっと見てみようと思って、たまたま見てみました ら、何かちょっとおかしいなと思ったのです。これは1986年3月に肝炎の発症の診断 が出ていますね。非A非Bでしょうね。そうしておいて、1987年にたしかフィブリノ ゲン製剤が投与されているのです。 ○大臣政務官 どの資料のどこをいま言われているのですか。 ○座長 資料1の13頁の○○番です。 ○中野委員 13頁の症例番号○○番、C型肝炎については1986年3月に発症診断を受 けて非A非Bである。この症例は別の記載によれば1987年にフィブリノゲン投与を受 けているのです。間違いありませんね。No.1の終わりころです。 ○室長 あと、資料3の9頁目を見ていただくと、そちらのほうがまとまっています。 ○中野委員 それはご確認いただけるものとして、このような書き方だけでとどめるこ とはできないというか、診断が先にあって投与が後にあったという症例なのでしょう。 極めて例外症例も解析の対象として使いましたよというのであれば、ほかの症例と並べ ての記述は、ちょっと引っかかるなと。分析ということでピックアップされた症例の一 覧表としては、若干問題含みだということを指摘しておきたいと思います。  いま構成の話をしておりますが、もう1つ続けてよろしいでしょうか。次は用語の話 でいちばん気になったのがお方様とかお方、方とか丁寧な言い方をしているのに、終わ りのほうになったら、者の、やれ何のというような、どちらも正しい日本語なのだけれ ども、この辺りは字句に気をつけられたらよろしいと思います。  3番目は解析の話で、これは先ほども例示しましたので、もう申し上げません。以上 3つ、構成と用語と分析に関してです。 ○座長 例えば具体的に○○番のようなことについて、ほかにもこういうのがあるのか、 個別にこれからやっていく、そういう作業になります。 ○中野委員 はい、そうですね。 ○座長 それで、結局報告書は、中野委員はレポートと論文と言われましたが、こうい う形で調査報告書が出ていくためのたたき台だと、そのように理解してよろしいですね。 ○室長 はい。 ○座長 それではこの内容について、コメント、ご質問をいただきたいと思います。 ○小池委員 すみません、もしあれでしたら、症例の話も出ているので、全部説明して いただいたほうが。 ○座長 個別報告に入りますか。その前にずらっと見て、いまの中野委員のようなコメ ントをいただきたいと思います。 ○室長 17頁の418症例の一覧リストから、若干修正したものがあるのですが、17、 18頁はこれから何が言えるかというのを参考みたいな位置づけにしたのです。もしそう いう分析みたいなものを手がかりに書けるのであれば、これは418全員分ありますので、 情報としては非常に少ないですが、1章立てて分析することはあり得るとは思います。 ○中野委員 いまの○○番、くどいですが本人から返ってきたというのでしょうか、資 料を見ていたら。4番目、現在の健康状態、調査票1の8頁。○○番の調査票1、8頁 です。 ○座長 1987年3月頃。 ○中野委員 はい、問11、1987年3月に感染発症と書いてあります。昨日の資料と若 干違うのですか。発症の診断と発症の時期がずれているのです。これはどこで、1986 年の発症というのは。 ○補佐(秋野) これは1987年の間違いだと思います。 ○中野委員 どちらがですか。 ○補佐(秋野) 集計表のほうです。こちらの資料3の。 ○中野委員 わかりました。そうしたら、すべての疑問もなくなりました。1987年に投 薬を受けて、そして発症したと、そうですね。こちらのほうが単なるミスプリントです か。 まあ、たまたま私が見たのに限っての話でしょう。 ○座長 そういうこともあるので注意して、個別ケースをやっていきましょう。それで、 この報告書のパターンになってくると、81例の集積と、最後の参考資料の418の集計 が混ざっているので、81例のものについてまずやって、それからいわゆるリザルト、結 果のところはこの参考資料の1というのも大切なので、そういう形で作成していくこと が必要だと思います。  今日の話の要点は個別の検討ですが、その前にくどいようですがこのまとめ方につい て何かコメントはありますか。もしなければ個別の検討に入りたいと思います。  11頁以降の文章で書いてある何番というのは、すべての人についてのサマリーが書い てあるということですから、個別のところで、これが適切かどうか再検討していくこと になりますね。 ○八橋委員 2頁の現在の状況で、現在感染していない可能性が高い方が19名おられま す。そのうち治癒の方が15名おられるわけですが、その中で、結局自然に治癒したの か、インターフェロンとかで治療をして治癒したのかという内訳は、パッと見ると後で インターフェロンで治ったのが6例と書いてあるので、15例中6例が治療によって治っ て、9例の方は自然治癒かなと思ったのですが、そのような理解でよろしいのでしょう か。 ○補佐(秋野) 9例の中には治療歴が書いていないものもありますので、それがイン ターフェロンの治療を受けていたりする可能性もあります。インターフェロンで治癒し た人はいまのところは6名ということです。 ○八橋委員 インターフェロンで治癒を確認した人が6例で、それも含めて15例なの ですね。 ○補佐(秋野) はい、そういうことです。 ○八橋委員 9例の中にインターフェロンの治療で治った人もいるかもしれないけれど も、かなり自然治癒の人が含まれているということですか。 ○補佐(秋野) そうだろうと思っております。 ○八橋委員 わかりました。 ○座長 それは十分考えられることですね。 ○八橋委員 考えられると思います。急性肝炎で自然治癒した例ということだと思いま す。それと、もともと感染していない集団もあるわけですよね。 ○補佐(秋野) C型肝炎のウイルスの抗体自体が陰性の方が2名混じっておりまして、 不明な人もおりますのが、少なくとも2名いることになるかと思います。 ○八橋委員 フィブリノゲン投与されたのは確実だけど、C型肝炎の感染そのものがな かったのではないかという方が2名いる。 ○補佐(秋野) いわゆるC型肝炎の抗体が消えてしまった例が含まれていると。 ○八橋委員 そうかもしれないですが、全くC型肝炎にかかっていない可能性もありま すよね。 ○補佐(秋野) はい。 ○八橋委員 普通は一度かかると、10年20年では消えないので。わかりました。 ○座長 これから個別の検討に入りますが、そういう具合で2002年にお知らせを受け なかったために、もっと別の方法があったかもしれないという一般的な不安というか、 知りたいことの中で実際にこうやって治っている人もいますと。それから、治療をして ウイルスが排除されている人もいますということは、1つのインフォメーションとして、 この調査の大事なところではないかと思います。お知らせしなかったことを正当化する わけでは決してなく、現実としてC型肝炎はそういうものであるという1つの現実を示 していくという作業です。  それでは次の議事に入りたいと思います。個別症例の分析です。本件についてはいま の資料1と資料3が用意されていますので、こちらについて事務局から説明いただきま して、皆様のご意見を賜りたいと思います。それではお願いします。 ○補佐(秋野) それでは最初に資料1の11頁、先ほどもご議論をいただいたところ ですが、81の症例のうち、本来であれば製剤投与の時期が2002年7月以降の方を中心 に見るところですが、いわゆる肝炎の治療につながる観点から、特に今日集中的にご議 論いただきたいのは、まず、11頁の二の(1)、上の表になりますが、2002年7月以降 に感染を知った10名のグループに遅れがなかったかという観点が1つ大事であろうと いうこと。これに関して感染の認知について情報が全くない、不明又は無回答の中の25 名の方、2002年7月までに感染を知った患者の中で、特に1994年のころにC型肝炎が 進行性である、いわゆる肝硬変、肝がんに進みうる病気であるという周知、大体の認識 がなされた時期であろうという仮定の下で、改めてお知らせをしたら何らかの効果があ ったかもしれないのではないかということで、1994年以前に感染を知った40名の方も 集中的にみていきましょうというのが(1)の表です。その中でも、(2)の表になりま すが、2002年ごろの治療状況とクロスして、この時期に先ほど申し上げたグループの中 から、未治療であった方々、すなわち2002年7月までに感染を知ったグループのうち、 1994年以前に感染を知った方で、なおかつ未治療であった8名の方、そして2002年7 月以降に感染を知り未治療であった方の2名、そして不明又は無回答であり、2002年 が未治療であった2名の方、併せて2002年の治療状況が不明又は無回答と答えられて いる方々について、症例の提示をさせていただいています。  資料1の11頁以降の症例提示については、資料3の2頁以降に順番に付けてありま すので、1例ずつ説明をさせていただきたいと思います。  まず、資料3の2頁です。これは感染の認識が2002年7月以降で2002年の治療状 況が未治療であった2人の方がここに示してあります。表の見方ですが、○○番の、い わゆる時系列のところに、まず製剤投与の認識がいつであったか、製剤の初回投与がい つであったか、という情報が載せてあります。  それから肝炎については、肝炎の発症を診断された時期、それから肝炎のウイルス感 染について知った時期を載せております。その図の上のほうに、直近のC型肝炎抗体の 結果、HCVコア抗原の結果、HCV核酸増幅検査の結果を、HCVRNAとして書いてお ります。隣が結果で日付を載せております。  時系列の、いちばん右の現在のところの真下に四角で囲ってあるところに、調査票の 資料2-1の15頁の問10に「肝炎ウイルス疾患に関する現在の状況」と主治医が書いた 情報を付けています。その下の「感染していない可能性が高い」というコメントについ ては、9頁の問7の判定結果のところで、現在もしくは死亡時に、C型肝炎ウイルスに 感染している可能性が極めて高いか、感染していない可能性が極めて高いか、という情 報をここに付けていて、できるだけ多くの情報を中段の四角の中に加えました。その下 のいちばん下段にコメントと書いてあるところが、先ほど来報告書と言われているたた き台の中の分析のところに付けているものです。  ○○番から説明をさせていただきます。肝炎の発症については1987年4月に診断を 受けていて、この時点では非A非Bだと思いますが、2002年のころは主治医より、治 療をする必要がないとの診断であり、現在もC型肝炎のウイルスに感染をしていないと いった診断を受けて、経過観察となっている症例です。診断については不明となってい ますので、こういうところは先生方にご相談させていただきます。  ○○番は、1987年9月に、肝炎の発症の診断を受けております。2002年の時点では、 医療機関において経過観察という診断で、現在もウルソによる治療を受けております。 2005年の検査の結果、抗体については高力価で+(プラス)、コア抗原については情報 がありません。核酸増幅検査については陽性という結果になっております。主治医のコ メントは、現在慢性C型肝炎、感染している可能性が高いとされているものです。  3頁の○○番については、2002年ごろの治療状況は不明又は無回答の患者になります。 この患者も1988年1月に、肝炎の症状発症を受けていて、この患者は残念ながら2002 年の治療状況は不明です。2003年7月にC型肝炎の感染を認識しておりますけれども、 現時点では経過観察という診断です。検査結果は、HCV核酸増幅検査のみで陽性、2005 年のものです。現在の状況として、主治医は慢性C型肝炎、感染している可能性が高い と言われているものです。  ○○番は、1988年3月に、肝炎の発症について診断を受けており、2002年の治療状 況は不明であり、患者自身2004年6月に肝炎のウイルス感染の認識を行っております。 2007年5月より、インターフェロン+リバビリンによる治療が行われております。検 査結果として、抗体は陽性、RNAについては2007年1月の時点では+(プラス)です が、2007年8月以降ウイルスが陰性化されているものです。主治医の診断は、いまの ところ慢性C型肝炎ということですが、先生方にご相談したいところです。現在は感染 していない可能性が高いという診断を受けているものです。 ○座長 ずうっとやってから相談しますか。 ○補佐(秋野) 戻らせていただいて、2頁の○○番の症例は、現在のところ診断は不 明となっているものです。主治医は、感染していない可能性が高いという診断を付けて くれています。この症例について、不明のままでよろしいかというのがご相談したい内 容です。先ほど申し上げましたように、資料2-1の15頁の問10のところで、治癒とか、 無症候性キャリア、もしくは慢性肝炎といった診断を付けてくれてなく、不明という診 断を付けているものです。C型肝炎のウイルスが陰性化しているという情報はこの1ポ イントだけです。 ○小池委員 抗体価が5.03で、HCVRNAも定性法で−(マイナス)のようですから、 自然治癒と判断していいようです。 ○八橋委員 この方は、1987年にフィブリノゲンだけ投与されていて、2,000ぐらい肝 機能異常があるのですけれども、1987年には正常化しています。そのときにウイルスの 検査はされていないのですが、現時点でこの通知が行って、今年の3月にウイルス検査 をしたら、抗体弱陽性で、ウイルスはいないということですから、過去の病歴と、今年 3月の検査所見を総合的に判断すると、治療は行われていないのですが、自然治癒した のだろうと考えます。 ○小池委員 この人はそれでいいと思います。 ○座長 これは○○番のケースですけれども、こういうデータがあって、報告書にまと めるたたき台のところでは、資料1ですけれども、いまのたたき台では○○番、肝炎に ついては1987年4月に肝炎の発症の診断を受けており、この時点では非A非B型肝炎 の診断であったと思われる。2002年の時点では、治療する必要はないと診断されており、 現在もC型肝炎ウイルスに感染していないとの診断を受けているということですが、こ の最後のところはいまの形で自然治癒したということです。  そういうことを、これから一例一例やっていきますので、事務局ではそれをまとめた ものを次回提示していっていただきたいと思います。これから粛々と時間内にいけると ころまでいきたいと思います。 ○補佐(秋野) コメントの中に、「自然治癒した症例と思われる」といった形のコメン トを追加させていただきます。  ○○番は、現在ウルソにて治療中です。診断自体は、慢性C型肝炎、感染している可 能性が高いということで、おそらくよろしいのではないかと思っております。 ○八橋委員 全般的になのですが、患者がC型肝炎と認識した時期と、医療機関で実際 にC型肝炎で治療を受けていたのとずれが生じています。どちらかというと、医療機関 にはカルテが残っていますし、記録も取っているでしょうから、食い違っている場合は 医療機関の記録のほうがより正しいのではないかと判断します。  それから、このアンケートの内容を見ると、「フィブリノゲンをいつ投与されましたか」 という問が最初にあって、3番目ぐらいに「いつC型肝炎と認知しましたか」という順 番になっています。だから、最初にフィブリノゲンの認知を2007年と書いてしまうと、 C型肝炎も2007年と誘導されるような感じを患者は受けるのではないか。そういうの も踏まえると、患者がフィブリノゲンの投与を知った時期イコールC型肝炎と診断され た時点と勘違いされている可能性があるのではないかと思います。  ○○番に関して、本人は2007年ということですが、実際は2002年前後に医療機関に かかっていたので、いわゆる病気で医療機関にかかっていたということだろうと思うの です。だから、患者の記述と医療機関の記述とにずれが生じている場合、どちらを優先 するかとか、どちらが本当なのだろうかというところで、後の問題はかなりクリアでき るのではないかと思います。  ○○番に関しては、2007年に通知が行ったからといって、医療機関にかかっていなか ったわけではないので、診断も治療も遅れてはいなかったのではないかと思うのです。 ○補佐(秋野) ○○番と○○番については、治療の遅れはなかったという整理でよろ しいですか。  ○○番は、現時点においても経過観察という形で診断を受けている症例です。 ○八橋委員 この方は、2002年に病院へ行っていたかどうかはわからないのですか。 ○補佐(秋野) 2002年はわからないです。 ○八橋委員 2003年には病院には行っていたのですね。 ○補佐(秋野) はい。 ○八橋委員 だから、1年早く病院に行った可能性はあるということでしょうか。 ○補佐(秋野) 現時点において経過観察ということですので、現時点においても治療 が導入されていないということから、治療に対して遅れはなかったのではないかと考え ている症例です。 ○小池委員 これは、当時も今も肝臓専門医が診ています。遅れはないと判断していい のではないでしょうか。 ○補佐(秋野) ○○番は、C型肝炎の核酸増幅検査で、2007年8月以降陰性化してい る症例です。主治医の診断は慢性C型肝炎となっています。 ○小池委員 治療中ではなくて、これは投与中ではないのですか。 ○補佐(秋野) まさに、現時点で受けているかどうかのフォローができていないもの ですが、調査時点では治療中ということです。 ○小池委員 だから、感染していない可能性が高いとは言えない。投与が終わって、6 カ月経っても陰性だということがわからないから、「現在感染していない可能性が高い」 と書いてある文章は根拠がないでしょう。ほかに投与が終わったとは書いていない。 ○八橋委員 まだ治療中の可能性が高いというか、まだ効果判定ができていないという ことだと思います。 ○補佐(秋野) コメントのところですが、「2007年8月以降ウイルスは陰性化してい るが、効果判定中と思われる」ぐらいの形になるでしょうか。 ○小池委員 2007年5月16日から開始していますから、48週だと打ち終わったのが今 年の4月ですから、まだです。 ○八橋委員 効果判定中ぐらいです。 ○小池委員 効果判定もまだ終了していないぐらいです。 ○補佐(秋野) 慢性C型肝炎のままでよろしいということですか。 ○小池委員 現時点ではそうです。 ○補佐(秋野) それから、現在感染していない可能性が極めて高いか、現在感染して いる可能性が極めて高いかの2択になっているのですが。 ○八橋委員 それは言えないです。 ○小池委員 陰性化している時期も12週目ぐらいですから、確率でしか言えないです。 ○八橋委員 言えないから、コメントできないと思います。 ○補佐(秋野) 2007年8月以降陰性でも言えないということですか。 ○八橋委員 言えないです。 ○補佐(秋野) この2人の症例ですが、治療の遅れはなかったということで。 ○八橋委員 治療の遅れはなかったというと、結構踏み込んだコメントになります。病 気を認知していたか、していなかったか、というのは比較的客観的かと思います。治療 が適切だったとか、遅れていたとか、遅れていなかったというのは、この文章上では読 めないです。そこまで言及しないといけないのですか、コメントしないといけないので すか。 ○補佐(秋野) 最終的には、そこがたぶん分け目だと思うのです。 ○八橋委員 著しく治療を受ける機会を逸したとは思われないと思います。 ○小池委員 2002年で47歳で、今は53歳の女性で、要するに若いほうが効きやすか ったとかそういうことはあるけれども、そこまでは言えません。 ○中野委員 先ほどの2例は、なかったか、あったかで決めたのでしょう。明らかに違 うファクターがいっぱい入っていてそうは断じがたいと思います。先ほどの人みたいに、 認識があったか、なかったかというのは客観的な事実に近いからそれは出せるのだけれ ども、ディスカッションとしては、それはこう解釈できるというのがもっと率直なので はないですか、データの延長でこれはないというよりも。気持はわかるのだけれども、 ちょっとどうかという気がします。どうですか、先ほどの2例もそういう扱いに戻され たほうが。 ○補佐(秋野) 治療の機会というのを入れない表現ということでしょうか。 ○中野委員 治療の機会があって、本人が全くやる気がなかったらなんとも言えないの だけれども、認知がそれより前だったとか、実際は治療の前だったとか後だったという 分類にとどめておいて、その表をどう解釈するかという2つの段階に分けたほうがいい ような気がします。 ○八橋委員 認知されて、この時期に治療されているという事実にとどめるべきではな いか。それに対してこの委員会が、適正だったとか、いや適正でなかったというのは言 えない。 ○補佐(秋野) このコメントの中に、治療が遅れたということを書くつもりは毛頭な いのです。いわゆるまとめとか、考察のところには何らかの。 ○中野委員 それはあり得ます。 ○補佐(秋野) 総合的には話をしなければいけない可能性があろうかと思います。 ○中野委員 それは十分あり得るけれども、いまやっているのはデータでしょう。 ○補佐(秋野) 最初のところについては、効果判定中と思われるとか、あるいは自然 治癒した症例と思われるといったような文言の追加にしかならないと思いますので、こ こに関しまして治療が遅れとか云々ということは書かないようにしたいと思います。  4頁の○○番の症例です。2001年にC型肝炎の発症を診断され、2002年は感染の確 認がなされた上で治療が行われておりません。2007年9月からインターフェロン+リ バビリンによる治療を受けているということです。直近のデータは2007年9月から 2008年1月までの間、C型肝炎の核酸増幅検査が陽性という症例で、主治医は慢性C 型肝炎、感染している可能性が極めて高いとされているものです。 ○八橋委員 本人の回答は別にして、2002年に病気として認識して医療機関にかかって いたと。かかっていたか、かかっていなかったかということのカテゴリーで、どちらか に仕分けしてしまえば、少なくとも今回の告知が遅れた云々ということの問題はかなり 解決するのではないかと思います。だからその1点だけで、2002年の時点で肝疾患に 関して医療機関にかかっていたかどうか、というところの有り、無しでいけばいいので はないかと思います。この方は、医療機関にかかっていたわけですね。 ○補佐(秋野) はい。次は○○番の症例です。1987年4月の診断、2002年、それか ら現在も経過観察という診断です。検査は抗体、コア抗原、核酸増幅検査すべて陽性と いうことで、主治医は慢性C型肝炎、感染している可能性が高いというコメントです。 ○八橋委員 これも、医療機関にかかっていたということですね。 ○補佐(秋野) はい。次は5頁の○○番の死亡症例です。○○番、○○番は、2002 年の時点で既に亡くなっておりますので、解析に関しては飛ばしたいと思います。 ○八橋委員 解析の必要なしではなくて、解析ができないということではないでしょう か。 ○補佐(秋野) 失礼しました。6頁の○○番です。この方は、2002年の治療状況は不 明です。現在は経過観察中と診断を受けているものです。検査は、HCV抗体が低力価の 陽性、核酸増幅検査は陰性のものです。主治医の診断は不明、現在感染していない可能 性が高いとされています。 ○八橋委員 これも、この状況だけから見ると、自然治癒していると判断します。 ○補佐(秋野) 「不明」のところを、「治癒」と変えさせていただいて、コメントの中 に「自然治癒した症例と思われる」といったコメントを付けさせていただきます。  ○○番の症例の患者も2002年の治療状況は不明で、現在は経過観察とされています。 C型肝炎の核酸増幅検査は陽性で、主治医は慢性C型肝炎、感染している可能性が高い、 極めて高いと診断しているものです。 ○八橋委員 ○○番は、2002年の時点で通院していたか、C型肝炎を意識していたかわ からないという判断ですか。ただ、手紙に何か書かれていて、2002年ごろは、治療・通 院は中断していたと。本人がいろいろ手紙を書いているみたいに思ったのですが。2002 年ごろは中断していたので、お願いするのが大変でしたと。ただ、医師の記録上は記載 がないので、これは不明になるのでしょう。 ○補佐(秋野) はい。次の頁は、いずれも死亡症例で、解析ができないのでその次の 頁に移ります。○○番は、2002年の時点での治療状況は不明です。現時点においては治 癒という診断を受けているものです。検査結果は、HCV抗体が低力価の陽性、コア抗原、 核酸増幅検査はいずれも陰性、これは2008年2月です。主治医の診断は治癒、感染し ていない可能性が高いとされているものです。 ○八橋委員 いいと思います。 ○補佐(秋野) 自然治癒でしょうか。 ○八橋委員 自然治癒だと思います。 ○補佐(秋野) ○○番です。この症例も2002年時点の治療状況は不明です。現在は 感染していないという診断を受けているものです。検査結果は、抗体が陽性、核酸増幅 検査は陰性です。主治医の診断については無記載で、感染していない可能性が極めて高 いとされているものです。 ○八橋委員 これも、自然治癒している可能性が高いと思います。 ○補佐(秋野) これも自然治癒で、「無記載」のところを「治癒」に訂正させていただ きます。  次は、先ほどご指摘いただいた○○番です。1987年3月に発症の診断ということで す。1992年にインターフェロンとグリチルリチンによる治療を受けております。インタ ーフェロンは副作用で中断しています。2002年の時点、それから現時点の治療状況は不 明です。2008年2月の検査は、抗体が高力価の陽性ということで、ほかの検査はあり ません。主治医の診断は、慢性C型肝炎、感染している可能性が高いとされているもの です。 ○八橋委員 この方は1992年に肝炎の治療を受けているので、C型肝炎である認識は 2002年の時点でされていたと判断します。先ほどのは、無記載のところを治癒に直して はいけないのではないか。コメントをそう書くべきで、調査用紙の記載自体は変えては いけないのではないかと思います。 ○補佐(秋野) はい。これが資料1の前半のところの集計に関連してくるところで、 そこの扱いはどのようにしたらよろしいでしょうか。そこも、無記載は無記載のままで、 例えば資料1の2頁の表に関連してくるところです。 ○八橋委員 調査内容は調査内容として出すべきで、それをこの委員会としてこのよう に解釈したということで、別途並列して出したほうがいいのではないかと思います。 ○補佐(秋野) ○○番も解析ができないので飛ばさせていただきます。10頁の○○番 の症例については、1987年に肝炎の症状を発症ということで、死亡原因は肝がんである ということが遺族からの情報として寄せられております。死亡原因、死亡時期、治療状 況に関して主治医等からの情報は一切ありません。 ○八橋委員 不明なのですか。 ○補佐(秋野) はい。○○番に関しては解析できないので飛ばさせていただきます。 11頁の○○番も同様で飛ばさせていただきます。○○番は、2002年の治療状況は不明 です。現在は、医療機関において経過観察中のものです。検査結果は、2008年1月の 時点では、HCV抗体は高力価の陽性、HCV核酸増幅検査は陰性ということで、主治医 の診断は不明、感染していない可能性が高いとされているものです。 ○八橋委員 これだけから、自然治癒した例と判断しますか。 ○小池委員 原簿には、抗体検査低いと書いてあります。 ○八橋委員 となると、自然治癒している可能性が高いというか、自然治癒と思われる でしょう。 ○補佐(秋野) はい。12頁の○○番の症例のコメントは1つだけです。C型肝炎の抗 体検査の結果は陰性というものです。主治医の診断は不明です。 ○八橋委員 ○○番の、HCV抗体の検査結果は陰性、というのは確認が取れているので すか。 ○小池委員 主治医が文章で書いているのですが、その前の頁のところには○を付けて いないです。○が付いているのは、HBS抗体のほうなのです。主治医が何か勘違いして いないだろうかということで心配です。 ○八橋委員 そうですね。これは要確認です。その後の状況がよくわからないわけです。 ○補佐(秋野) C型肝炎の抗体検査の結果の確認ということですか。 ○八橋委員 そうです。 ○補佐(秋野) ○○番は飛ばさせていただきます。13頁○○番の患者は、2002年、 それから現在においても経過観察という診断を受けています。検査結果は、2007年2 月及び7月のものですが、抗体検査は高力価の陽性、核酸増幅検査も陽性ということで、 主治医の診断は慢性C型肝炎、感染している可能性が高いとされているものです。 ○小池委員 2002年に医療機関にかかっているということでいいのではないですか。 ○補佐(秋野) ○○番の患者は、B型肝炎、それからC型肝炎の両方の診断を受けて いる症例です。C型肝炎については、2005年にインターフェロン+リバビリンによる治 療の後治癒という診断を受けております。検査結果は、C型肝炎の抗体は低力価の陽性、 核酸増幅検査は陰性ということで、現在B型肝炎の無症候性キャリアという診断で、C 型肝炎については感染していない可能性が高いとされているものです。 ○八橋委員 これは、2002年の時点でC型肝炎と認識されて、2005年で治療を受けて 治癒した症例ということでいいと思います。 ○補佐(秋野) 14頁の○○番の患者は、2002年ごろ医療機関にかかっていて、イン ターフェロンの治療の同意が得られなかったため、インターフェロンの治療は行ってお りません。現在も経過観察という診断です。検査結果は、2008年2月のものです。C 型肝炎の抗体が高力価の陽性、コア抗原、核酸増幅検査は両方とも陽性です。主治医の 診断は、慢性C型肝炎で、感染している可能性が高いとされているものです。 ○八橋委員 これは、2002年に医療機関へ通っていたということでいいと思います。 ○補佐(秋野) ○○番の患者は、1986年の肝炎症状発症があります。1994年にイン ターフェロンによる治療を受けておりますが、このときにウイルスを消失していないよ うです。2002年及び現在は経過観察です。検査結果は1995年の結果ですが、抗体が陽 性、核酸増幅検査は2008年3月も陽性で、主治医の診断は慢性C型肝炎、感染してい る可能性が高いということで、2002年も今も医療機関にかかっているものです。 ○八橋委員 2002年の時点で医療機関にかかっているということでいいと思います。 ○補佐(秋野) 15頁の○○番は、C型肝炎については1994年3月に認識ということ ですが、その前に1992年、1993年にインターフェロンによる治療を受けております。 2002年、それから現時点においても医療機関にかかっておりますが診療内容は不明です。 検査結果は、2008年1月のものですが、抗体は高力価の陽性、核酸増幅検査も陽性と いうことで、主治医の診断は慢性C型肝炎、感染している可能性が高いというものです。 ○八橋委員 これも2002年で医療機関を受けていたということでいいと思います。 ○補佐(秋野) ○○番は、1989年1月にC型肝炎の診断を受けているものです。2002 年に医療機関にかかっておりますが診療状況は不明です。現時点は瀉血療法を行ってい るそうです。検査結果は2005年のものしかありませんが、C型肝炎の抗体は高力価の 陽性、核酸増幅検査は陽性、主治医の診断は慢性C型肝炎、感染している可能性が高い とされているものです。 ○八橋委員 2002年は記載がないのですか。1989年の医療機関と、今の医療機関が同 一ということは確認が取れていないのですか。 ○補佐(秋野) 調査票の関係上、本院又は他院の診療録でということになっています。 ○八橋委員 わからないのですか。 ○補佐(秋野) はい。 ○補佐(松崎) 表の2頁の問3の(1)に1989年の受診日とありますが、こちらの医 療機関と(2)と現在は同一となっております。 ○八橋委員 書かれていないけれども、同じ医療機関にかかっていたのではないかと推 定されます。それは、証明の確認はないのですけれども。 ○室長 1995年は○○に行っています。 ○八橋委員 ○○になっていますね。おそらく、2002年の時点でもC型肝炎であるこ とは認識されていたと思うのです。 ○補佐(秋野) 16頁の○○番の症例は、2002年の診療状況としては治療の必要はな いということで、現在もウルソによる治療を受けているものです。検査結果は2008年2 月のものです。抗体は高力価の陽性、コア抗原も陽性です。核酸増幅検査については、 1997年のデータですが陽性ということで、主治医の診断は慢性C型肝炎、感染してい る可能性が高いというものです。 ○八橋委員 いいと思います。 ○大臣政務官 ちょっとすみません、○○番はどういう判断なのですか。2002年ごろ、 医療機関にかかっていたとまでは言えない。 ○八橋委員 おそらく1990年以降にC型肝炎と診断されていて、診断法も確立されて います。この記載は1989年前後のデータしかないので、本当にC型肝炎と診断されて いたかどうかはちょっと疑問なところがあるのですが、○○なのです。医療機関として はしっかりしているので、1989年は非常に初期の段階ですけれどもC型肝炎と診断し ていて、本人も1989年1月ごろにC型肝炎と認識したと記載しているので、C型肝炎 という認識はあっただろうと思います。  1989年と今も○○ということからいうと、2002年も○○に通院しているのではない かと推定するのですが、2002年の記述がないので不明とするのか、おそらくはかかって いたと思うか、その判断だけなのですがどうでしょうか。 ○補佐(秋野) ○○に確認するのも、2002年の診療録で、ないから出してこなかった のかはわからないのです。 ○大臣政務官 いずれにしても、先ほど来、データについては客観的に記述しようとい う話で進んでいますから、もしそこが確定できないのならどこまでいっても不明は不明 ということにせざるを得ないと思います。 ○審議官 先ほども1件あったと思うのですが、大変重要なものであって、フォローア ップで、もしわかるようなものであれば少し努力して、さらにその確実さを高めいって ご判断を仰ぐという方法も残しておくのはどうでしょうか。前にありましたが何番でし たでしょうか。 ○補佐(秋野) 要確認ということで。 ○審議官 要確認と。 ○小池委員 この方は、2002年にどうだったかを○○に確認してください。 ○八橋委員 通院していたことをですね。 ○補佐(秋野) 通院歴があるかの確認を取ります。16頁の○○番です。C型肝炎につ いては1990年1月の認識です。1992年、1993年にインターフェロンによる治療はさ れていませんが、2002年には患者の同意が取れず治療ができなかったそうです。現時点 において、インターフェロン+リバビリンによる治療を受けているものです。C型肝炎 の核酸増幅検査は2007年に陽性、主治医の診断は慢性C型肝炎、感染されている可能 性が高いとされているものです。 ○八橋委員 いいと思います。 ○補佐(秋野) 17頁の○○番の症例です。2002年の治療状況は不明です。現時点に おいては、グリチルリチンによる治療を受けているものです。2008年2月の検査結果 は、抗体が高力価の陽性、コア抗原、核酸増幅検査も陽性のもので、主治医の診断は慢 性C型肝炎、感染している可能性が高いとしているものです。 ○八橋委員 これは、製剤投与を知った日が2002年10月というのは間違いないのです か。 ○大臣政務官 2002年10月に聞いたと出ています。 ○八橋委員 これは、医療機関にかかっていたかどうかは別にして、フィブリノゲンの 投与は知っていたと認識されていますよね。 ○小池委員 そのときに、C型肝炎は知っていたのでしょうか。 ○八橋委員 わからないです。 ○小池委員 1986年は、非A非Bであって、その後はわからないですね。 ○八橋委員 わからないです。ずっと医療機関にかかっている可能性はありますけれど も、記載がないのでなんとも決められないけれども、本人は2002年にフィブリノゲン 投与を認識していたということだと思います。ちょっと変わったケースです、情報とし てです。 ○審議官 この時期、厚生労働省の調査があって、その際フィブリノゲンを導入した医 療機関からその患者に伝えてほしいという努力をしておりました。その時期と相前後と いうのはどうでしょうか。要するに2002年10月ということで、出産したクリニックで すから、通常は出産の後はそんなに用事はないと思うのです。何かそういう働きかけが あって行っているということは、その際に当時お伝えしていただくようにお願いをして いた経過もありますので、その辺りについて調べてみます。 ○補佐(秋野) ○○番は、2002年、それから現在の治療状況は不明です。検査結果は、 2008年3月のものですが、抗体は高力価の陽性、コア抗原、核酸増幅検査は陽性とい うことで、主治医の診断は無症候性キャリアということで、C型肝炎、感染している可 能性が高いとされているものです。 ○八橋委員 この症例も含めてですが、2002年のころは不明としかコメントができない と思います。 ○補佐(秋野) 18頁の○○番の症例です。1987年3月に非A非Bで感染を知ってお りますが、インターフェロンの治療を受けて治癒ということで、時期は不明ですが診断 を受けております。検査結果は2008年2月が低力価の陽性と、コア抗原、核酸増幅検 査はいずれも陰性で、主治医の診断は治癒、感染していない可能性が高いとされている ものです。 ○八橋委員 時期は不明だけれども、治療で治癒したと。 ○補佐(秋野) はい。○○番の患者は、C型肝炎について認識したのが1993年とい うことです。2002年の治療状況は不明です。現時点では、無症候性キャリアの診断でイ ンターフェロンの治療を受けています。検査は抗体が高力価の陽性、核酸増幅検査も陽 性です。 ○八橋委員 2002年以前にC型肝炎と認識していて、2002年の通院状況は不明である という解釈だと思います。 ○大臣政務官 基本的なことをお聞きしますが、いまおっしゃったように、2002年以前 にC型肝炎に感染していることは承知で、2002年時点で治療の状況は不明といった場 合はどういうことなのでしょうか。 ○八橋委員 おそらくは通院されているのではないかと思うのです。ただ、あえて記載 していないか、2002年の医療機関が調査に協力していない可能性が高いのではないかと 思います。 ○小池委員 1990年ごろまでは通院したけれども、以後通院はしていませんと。本人の 記載に混乱がありますね。どこかの病院へ行ったんですね。まあ不明ですけれども。 ○補佐(秋野) 19頁の○○番の患者も、2002年ごろの治療状況は不明ということで、 現在も経過観察という診断を受け、検査結果は2007年12月のものですが、抗体が高力 価の陽性、コア抗原も核酸増幅も陽性で、主治医の診断は慢性C型肝炎、感染している 可能性は高いとされているものです。 ○八橋委員 これも一緒ではないですか。 ○補佐(秋野) ○○番は死亡症例です。患者は1987年5月に非A非Bと思われます が発症の診断を受け、感染について認識をしているものです。2001年3月に肝硬変を 発症し、2005年11月に肝細胞がんの診断を受けており、2007年12月に亡くなった症 例です。12月の抗体の結果しかありませんが、高力価の陽性です。 ○八橋委員 医療機関にはかかっていたということで、病気としては進行しています。 ○補佐(秋野) 20頁の○○番は飛ばさせていただきます。○○番は、「2001年ごろに インターフェロンの治療を受けており、治癒という診断を受けており、その後もHCV は」という表現ですが陰性であるということです。2007年11月に抗体が陰性というこ とで、主治医の診断は治癒、感染していない可能性が高いということです。 ○八橋委員 これは、治療によって治癒したという判断かと思います。 ○補佐(秋野) 21頁の○○番は、2002年ごろの治療状況は不明です。現時点では、 慢性肝炎の診断で経過観察という診断を受けているものです。検査結果は、抗体が高力 価の陽性、核酸増幅検査も陽性、いずれも2005年のデータです。主治医の診断は先ほ ど申し上げましたが、慢性C型肝炎、感染している可能性は高いとしているものです。 ○八橋委員 はい。 ○補佐(秋野) ○○番の患者も、2002年の治療状況は不明です。無症候性キャリアの 診断で経過観察の診断を受けているものです。抗体が2007年8月で高力価の陽性、主 治医の診断は無症候性キャリア、感染している可能性が高いとされているものです。 ○八橋委員 C型肝炎と認識しているけれども、2002年の状況は不明であるということ かと思います。 ○補佐(秋野) 最後の症例は割愛させていただきます。個別症例の分析は以上です。 ○座長 いまのディスカッションを踏まえ、メールか何かでこのまとめをできるだけ早 く委員に送っていただき、そして再確認をしていただきたいと思います。そういう形で 資料1に戻りますと、個々のケースをこういう形でサマライズしたポーションがあり、 最後にまとめを書こうということになります。この次までにできるだけたくさんといい ますか、できる限りケースを増やして、同じような解析をした上でまとめることになり ます。  それから、一人ひとりのプレゼンテーションは、最終的には個別症例の検討という形 で、文書に書いて、図で示すのは資料として残しておくという感じになります。 ○小池委員 戻りますけれども、○○番は2002年に受診していると書いてあります。 ○補佐(秋野) 受診しており、治療の状況は。 ○小池委員 2002年にもフォローアップしている、と病院の人が書いています。受診し ているということです。 ○八橋委員 いろいろ見させていただくと、肝炎を発症しているのは、おそらくC型肝 炎にかかっているのは間違いないと思うのですが、10数年前に自然治癒した例と、治療 によって2002年なり2008年の時点にはウイルスが消えてしまっている。自然治癒ない し治療で治癒した例。あとは2002年の時点で医療機関にかかっていたことが確認でき た例と、確認できていない例。ただ、2002年が医療機関で確認できていない例でも、C 型肝炎と認識されているというのはかなり多かったと思うのです。そういう方は、2002 年の時点で通知が遅れたからといって、それほど情報がないということで著しく不利に はならなかったのではないかと私は解釈するのですが、どのようにカテゴライズしてま とめるのがいいのかと思うのです。  客観的なところでやらなければいけないのと、本人の申告と医療機関の情報が食い違 っている場合は、基本的には医療機関の情報を優先して解釈すべきかと思います。 ○小池委員 また戻りますが、○○番はよく見ると、その当時通った病院が廃院になっ てどうのこうのとあります。当時の受持ちが○○先生だと書いてありますから通院して いたのではないですか。 ○八橋委員 そこまで書いてありますか。 ○小池委員 ○○先生が主治医だと書いてあります。○○は2005年に廃院になってい るから、もうカルテはないけれども、当時は○○先生にかかっていたと書いてあるから、 通院していたのではないですか。 ○室長 カテゴライズとして、2002年に医療機関にかかっていたかどうかが重要という アドバイスもいただいたので、事務局のほうで検討してみたいと思います。 ○座長 それは是非検討してください。 ○室長 中野先生から、断定的に言うのは難しいという話もあるのですが、ただこの委 員会としてある程度何か言わざるを得ないということもあり、確かにこの情報からは難 しいというのはあります。その辺のご意見をいただければ、今後まとめていく作業に役 立つと思うのですが、どうでしょうか。 ○中野委員 この委員会の1回目にそこを理解していなかったのです。つまり、2002 年当時に行政責任がどうあったか、ということを調べる委員会であるというスタートは 切っていないと思います。したがって、そういう調査になっていないという中から、そ れを引き出すのは無理だと言ったのです。室長が言われたように、2002年当時に、既に 病気のことを本人が知っていたか、治療はどうしたかというエビデンスがあるわけです。 それで、あった者となかった者とでは大きく違うではありませんか。そして、それがど ういう分布になるか知りませんけれども、そのなりゆき等で、ディスカッションでいろ いろと考え、それを記載するということは当然あるべき道ではありませんか。だから、 2つに分けなさいと言っているわけです。  私にとっては、若干だけ付加目的のような気がするのです。2002年で区別して左右に しなさいというのは。しかし、それはあってもよいことだと思うのです。くどいけれど も、事実として表せる部分と、それから引っ張り込んで解釈される部分というのを分け て、しかし両方とも書くということは可能だと思います。 ○座長 それはそうだと思います。 ○中野委員 冒頭で申し上げましたように、なにゆえ我々はこの時点で、これだけの症 例をまとめることができるのかということを書くのがいちばん重要ではなかろうかと思 うのです。冒頭での討論がありました。こういう資料に基づき、こうこうこうなって、 これはおそらく手に入る資料のほとんどではなかろうかと思われるとか、したがってこ こでまとめることの必然性があるというのは非常に重要だと思います。それをひとつお 忘れなくお願いしたいと思います。 ○審議官 具体的には医学論文の書き方がありますが、大体こういう順番で書くという のがあります。方法、それから結果、最後に考察というような形で、考察をきちんとや るということで。 ○中野委員 これは社会科学に近い論文の書き方なので収束しませんよね。だから、あ まり形式にとらわれることは要らないと思っています。だけど、我田引水的な書き方に なってしまってもいけないだろうと思いますので、その辺は気をつけたほうがいいと思 っています。 ○審議官 ご趣旨も踏まえて作業を進めさせていただきます。 ○座長 本日はそんなところでまとめたいと思います。最後に、政務官から一言お願い いたします。 ○大臣政務官 先生方、お忙しい中さまざまなアドバイスをいただきましてありがとう ございます。いずれにしても、これは過去の検証ということを通して、できればそこか ら得られたさまざまな知恵を借りて、最終的には厚生労働省としてこの先、こういう薬 事行政はどうあるべきかというところが導かれることが、これに取り組んでいるスタッ フにとってはある意味で支えにもなります。  忌憚のないご意見を頂戴し、これから先にも何か活用していけるようなお知恵を拝借 できればと思いながら議論させていただいています。大変お忙しい中、いつも長時間頂 戴して恐縮ですが、これからもお力添えのほどよろしくお願い申し上げます。 ○座長 次回の日程はどうなっていますか。 ○室長 次回は、6月に予定させていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたし ます。あまり長い時間もかけられないので、取りまとめに向けて議論できればと思いま す。その過程で先生方に、特に個別症例関係で、また追加で分析しなければいけないも のが出てきた際に、いろいろお知恵を拝借すると思いますのでよろしくお願いいたしま す。 ○座長 6月を最後にするということで、その前にできるだけコミュニケーションを取 ってまとめていく作業に入りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。本日 はどうもありがとうございました。 連絡先 厚生労働省医薬食品局総務課 TEL  03-5253-1111