08/04/30 平成20年4月30日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所   平成20年4月30日(水)  14:00〜 厚生労働省専用第18〜20会議室 2.出席委員(15名)五十音順    新 井 洋 由、 飯 沼 雅 朗、◎池 田 康 夫、 庵 原 俊 昭、    上 原 至 雅、 岡   慎 一、 守 殿 貞 夫、 竹 内 正 弘、    田 村 友 秀、 土 屋 文 人、  早 川 堯 夫、 ○堀 内 龍 也、    前 崎 繁 文、 三 瀬 勝 利、 山 口 一 成   (注)◎部会長 ○部会長代理    欠席委員(1名)   溝 口 昌 子    3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、 豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、 川 原   章(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)、 丸 山   浩(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター次長)  森   和 彦(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 定刻となりましたので、「薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会」を 開催させていただきます。本日は、お忙しい中、また連休の中御参集いただきましてあり がとうございます。現在のところ、当部会委員数16名のうち14名の委員に御出席いただ いておりますので、定足数に達しておりますことを御報告申し上げます。岡委員は、御出 席という御返事をいただいておりますが、何らかの都合で遅れられているのだろうと思い ます。また、溝口委員からは、御欠席という御連絡をいただいております。  それでは、部会長の池田先生、議事進行をよろしくお願い申し上げます。 ○池田部会長 それでは、本日の審議に入ります。まず、事務局から配付資料の確認と資 料作成並びに利益相反等に関する申出状況について報告をお願いします。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席表、当部会 委員の名簿を配付しています。議事次第に記載されている資料1〜6をあらかじめお送り しています。このほか、資料1-2「医薬品ゾシン静注用2.25g、同4.5gの添付文書(差 し替え)」、資料7「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料8「専門委員 リスト」を配付しております。  続きまして、平成13年1月23日の薬事分科会申合せ、及び昨年4月23日の薬事分科 会申合せに基づきます、資料作成、利益相反等に関する申出については、次のとおりです。 議題1「ゾシン静注用」につきましては、退室委員はいらっしゃいません、議決には参加 しない委員は竹内委員です。議題2「アイセントレス」につきましては、退室委員はいら っしゃいません、議決には参加しない委員は池田委員、堀内委員、前崎委員です。  したがいまして、議題2につきましては、薬事分科会規程第5条第1項において、部会 長及びその職務を代理する者のないときは、当該部会員のうちから選任された者が、仮に 議長として会議を開くことができるとされておりますので、御選任をお願いいたします。 ○池田部会長 第2議題については大変御迷惑をおかけしますが、どなたか自薦、他薦は ございますでしょうか。 ○事務局 事務局としては、早川委員にお願いしてはどうかと思いますが、いかがでしょ うか。 ○池田部会長 早川委員に議題2の進行をお願いしたいということですが、よろしいでし ょうか。それでは、早川委員に議題2の進行をお願いいたします。  本日は、審議事項が2議題、報告事項が4議題となっております。  それでは、議題1に入ります。議題1について、総合機構から概要を説明してください。 ○機構 議題1、資料番号1、医薬品ゾシン静注用2.25g、同4.5gの生物由来製品及び 特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒薬又は 劇薬の指定の要否について、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。  なお、本品目につきましては、送付いたしました添付文書に誤りがございましたことか ら、本日、机の上に、新しい添付文書をお配りさせていただいております。  本剤は、β-lactamase阻害剤であるタゾバクタムナトリウムと広域ペニシリン系抗生 物質であるピペラシリンナトリウムを1:8の比率で配合した抗菌薬です。  本邦では、ピペラシリンの承認用量は、1回投与量として1〜2gであったこと、また、 ヒトにおいて各種細菌のβ-lactamaseを阻害するのに必要なタゾバクタムの投与量が 0.25〜0.5gであったことから、タゾバクタム/ピペラシリンの配合剤は、配合比1:4の 製剤として開発され、2001年4月に敗血症、腎盂腎炎、複雑性膀胱炎の効能・効果で承 認されております。一方、海外では、ピペラシリンの承認用量は1回投与量として2〜4 gであったことから、配合剤は配合比1:8の製剤として開発が進められました。  本邦では1:4製剤による承認が取得されているものの、その後、国内におけるガイド ライン、臨床現場でのニーズ、治療方法などの現状を踏まえまして、申請者は、既承認の 1:4製剤を1:8製剤、本剤に全面的に切り替えるとともに、肺炎などの効能・効果の追 加を目指した開発を行うに至っております。  なお、海外では、現在までに、本剤は成人並びに小児に対して呼吸器感染症、尿路感染 症、腹腔内感染症を含む9つの効能・効果について、約94か国で承認されております。  本剤の専門委員としましては、資料8にありますとおり、守殿委員、前崎委員を含めて 8名を指名し、御意見を賜りました。  機構は提出された資料に基づき審査を行った結果、本剤は1:4製剤に比べ、ピペラシ リンが増量されることから、1:4製剤と同等ないしはそれ以上の有効性が得られると考 えられ、かつ国内外臨床試験成績を踏まえて総合的に判断した結果、敗血症、肺炎、腎盂 腎炎、複雑性膀胱炎に対する本剤の有効性は確認されており、安全性についても承認にか かわる大きな問題はないと判断いたしました。  しかしながら、申請効能・効果のうち、適応症としては、感染性心内膜炎、適応菌種と しては、モルガネラ・モルガニー、バクテロイデス属、プレボテラ属に関しては、審査報 告の85ページで議論したとおり、本剤の適応症及び適応菌種とすることは適切でないと 判断いたしました。  また、本剤の投与対象は、臨床試験成績から、原則として感受性を確認し、β-lactamase の関与が考えられ、本剤に感性の起炎菌による中等度以上の感染症である場合に投与され ることが望ましいと判断いたしました。  さらに、本剤の小児に関する安全性、有効性、用法・用量に関する情報、高齢者や他の 抗菌薬との併用時の安全性及び有効性に関する情報については限られていること、またピ ペラシリンと本剤の相互の使い分けについては明確でないことから、これらの点について は製造販売後に情報収集する必要があると考えております。  これらの点につきましては、申請者に指示をしており、申請者もこれを了承しておりま す。  機構は、以上のような審査を行いました結果、本剤を審査報告書3〜4ページにありま す効能・効果、用法・用量にて承認して差し支えないと判断いたしました。なお、再審査 期間は6年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬に該当せず、生物由来製品又は特定生物由来製 品にも該当しないと判断しております。  薬事分科会では報告を予定しております。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 ○池田部会長 ありがとうございました。ただ今説明がありましたように、既承認のタゾ シン、タゾバクタムとピペラシリンの1:4を1:8に全面的に切り替えるという、ゾシン 静注用2.25gとゾシン静注用4.5gについてお認めいただきたいということです。委員の 先生方から御質問、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。 ○庵原委員 小児の投与量が112.5mg/kgとなっていますが、欧米では90mg/kgです。異な る投与量が2本走る形になるのですが、これはどちらを使ってもいいということになるの ですか、それとも、欧米のガイドラインに従って90mg/kgを推奨するというふうに解釈し ていいわけですか。この点の解釈をお願いします。 ○機構 本邦での小児用法・用量としては、年齢にかかわらず112.5mg/kgとさせていた だいております。欧米では低年齢小児に関して曝露量が20%くらい上がるために90mg/ kgというチョイスもあるのですが、本邦では、安全性と有効性、特に忍容性については問 題がなく、国内の小児に関する臨床試験ではすべて112.5mg/kgが投与されていたという ことから、本邦での小児用法・用量としては112.5mg/kgとさせていただいております。 ただし、症状、状態に応じて適宜減量することを考慮する、というような形で情報提供も させていただいております。 ○土屋委員 今の点と同じなのですが、9か月未満の者に対し、実際は、「小児における 臨床試験成績及び薬物動態の情報提供をした上で、適宜減量を検討する旨の注意喚起をす ること」ということで、専門委員も最終的にはOKという話になっています。現実として、 この添付文書からそういうことが読み込めますか。  9か月未満という話は、添付文書から読み込むのはなかなか難しいのではないか。我が 国は112.5mg/kgでずっとやってきたし、そうだというのはいいのですが、この「適宜減 量を検討する旨の注意喚起をすること」というのは、どういうことをもって注意喚起とし ているのかが気になりました。 ○機構 御指摘の点につきましては、添付文書の「用法及び用量」の項の「小児の用量に ついて」というところで、「小児の「臨床成績」及び「薬物動態」を参照のこと」とは記 載されていますが、9か月未満では減量すること、という具体的な記載はありませんので、 御指摘を踏まえてもう少し分かりやすい記載にするようにさせていただきます。 ○土屋委員 具体的にどうするのですか。用量をチェックするときに、「適宜増減」とい うのは今までも普通に使われている言葉であって、数字の根拠について我が国でどうかは 別として、具体的な数字が世の中には出ているわけです。それについて、そういうことは 一切示さなくていいのですか。 ○機構 今、議論となっている点については、審査報告書の76ページ〜77ページにかけ て記載しているところです。私ども、今の添付文書に90mg/kgという数字を明確に書いて いない理由の一つとしては、90mg/kgを推奨する根拠となるデータが、示唆はされている ものの、充分なエビデンスと言えるかどうか、そこが不十分ではないかと判断しておりま す。  したがって、今、提供できる情報としては、添付文書に書いたような情報で、今後新た に臨床の現場において、それから国内外を含めて動態の成績などが集められていく中で、 しっかりとしたエビデンスとして90mg/kgが推奨できるようになりましたら、もっと明確 に添付文書に記載するようにしたいと考えております。  本当に112.5mg/kgでいいのかというところですが、先ほど申し上げましたとおり、国 内臨床試験において112.5mg/kgという用量を使い、安全性上の問題は起こっていないこ とから、安全性の問題がないのであれば、抗菌化学療法の基本として、高曝露で短期間に 治療するということから考えましても、112.5mg/kgを使うことで差し当たり大きな問題は ないのではないかということで、現行においては112.5mg/kgということだけを前面に出 して、今後新しいエビデンスが積まれ、そのエビデンスとしてしっかりしていくことにし たがって、添付文書も変更していくようにしていきたいと考えております。 ○堀内部会長代理 先ほどの説明で、この薬の1:8になったものは、中等度以上の敗血 症、肺炎等に使用するのが望ましいということでした。添付文書では、その点については 全く触れていないのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  もう一つ添付文書で言いますと、「効能又は効果に関連する使用上の注意」というのが、 1ページの左側の下の方の四角に囲ったところにあります。「本剤のメチシリン耐性黄色 ブドウ球菌に対する有効性は検証されていない」と書いてありますが、「検証されていな い」ということは、いかにも効く可能性があるというような表現だと思うのですが、この 点についてはいかがでしょうか。 ○機構 一点目の、推奨される投与対象についてですが、「効能又は効果に関連する使用 上の注意」の二つ目に、「投与に際しては、原則として感受性を確認し、β-lactamase の関与が考えられ、本剤に感性の起炎菌による中等症以上の感染症である場合に投与する こと」という形で情報提供させていただいております。 ○池田部会長 今言われたのは、「効能又は効果に関連する使用上の注意」の2.ですね。 ○機構 はい、2.の内容です。 ○池田部会長 ここで、「中等症以上の感染症である場合に投与すること」と言っている ということですね。 ○機構 はい。 ○池田部会長 1.の方はどうですか。 ○機構 1.の方については、確かに検証はされていないのですが、適応症の「本剤に感 性の」というところで読んでいただければと思います。 ○池田部会長 ちょっと聞き取れなかったのですが。 ○機構 MRSAのところですが、基本的にMRSAを対象とした臨床試験が実施されて おりませんので、MRSAの感染症に効くというエビデンスが今は得られていない状況で す。しかしながら、以前にも同じようなことをお話したかと思いますが、「本剤に感性の」 というところのブドウ球菌のところで、MRSAと申しましても各菌株ごとにその感受性 等は若干違ったりすることがあります。したがって、感受性試験を実施し、このピペラシ リン/タゾバクタムで十分な効果が得られると考えられるメチシリン耐性のブドウ球菌で あれば、それに対して使用することを不可とするものではないと考えております。  したがって、ブドウ球菌属という中に、本剤に感性であれば、通常MRSAと定義され る株も含まれて差し支えないと審査チームは考えております。 ○堀内部会長代理 そうしますと、効く可能性がある、というニュアンスを残しているこ とになるわけですね。そうすると、これは一般的に医療現場で考えると、MRSAに効く 可能性がある場合に、これを使うということになるわけです。医療の場で実際に何を選択 するかという場合に。エビデンスがないわけですから、それはやはり、効くというエビデ ンスはないという明確な言い方をしていただかないと、いかにも効く可能性があるような 含みを持たせるのは妥当ではないだろうと思います。 ○機構 御指摘ありがとうございます。表現方法については、堀内先生の御意見を踏まえ まして変更させていただきます。 ○池田部会長 よろしいでしょうか。それでは、1.のところを少し表現を変えて、相談 をしていただきたいと思います。 ○堀内部会長代理 これは、既に1:4のものがタゾシンという名前で出ているわけです。 今度は、審査報告書を見ますと、メーカーは切り替えるように話をしていますが、後ろの 方では、併存するので間違いがないように薬剤師等が気を付けるようにという表現になっ ています。これは、量が違うものも含めて4種類になるということで、名前は確かにゾシ ンとタゾシンと極めて似ていますから、どのくらいの時間をもって切り替えるのか、でき るだけ短期間で切り替える措置が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○機構 御指摘を踏まえまして、短期間での切替えを検討したいと思います。今、御意見 がございましたところは審査報告書の80ページにありまして、こちらについては、切替 えを前提にして、ある一定の期間のみ併存する場合ということで述べさせていただいてお ります。 ○池田部会長 ちょっと聞き取れなかったので、もう一度お願いいたします。 ○機構 申し訳ございません。基本的に切り替えるのか切り替えないのかという点から申 し上げますと、切り替えることになります。したがって、現在タゾシンという名称で販売 されている薬剤はなくなることになります。しかしながら、そうは申しましても、ある一 定期間ゾシンとタゾシンが併存する期間があるということで、その間に取り違え等の事故 を起こさないためにどのような対策が考えられるか、ということを記載したのが審査報告 書の80ページにあるところです。  今、堀内先生から御指摘いただきましたとおり、その併存期間については可能な限り短 くすることが私どもも適切と考えております。ただ、余りに急ぐことにより医療現場が混 乱することもあってはならないと思いますので、関連する医療現場の先生方の御意見等も 踏まえながら、可能な限り短期間で切替えができるように検討していきたいと思います。 ○堀内部会長代理 切り替えないよりも、切り替えた方が混乱しないのではないかと思い ますが。 ○池田部会長 ゾシンを納入した施設は、その時点でタゾシンを引き揚げることは推奨で きないのですか。 ○機構 80ページに記載をしておりますが、新しい製剤ゾシンを納入した機関からは、 タゾシンは切り上げる、即日入替えを検討しております。また、複数の医療機関で勤務な さっている医師もいらっしゃると思いますので、大学病院等においては関連病院等も含 め、適切な情報提供をするということも、私どもから申請者に指示をしているところです。 ○土屋委員 名称のことで言いますと、現在の名称チェックシステムのフローチャートに 従えば、これは変更不要ということになっています。頭の文字が一緒ではないということ で認めている形になります。実はフローチャートはメーカーの方には不評なのですが、こ のような1文字違いの、誰が見ても似ているものでも変えろと言っていないということを よく理解しておいていただいて、あれで変えろというのはよほどの例を変えろと言ってい るのであって、不要だからといって変えなくていいということではない。私は、このよう な名前を付けるのは品位に欠けるのかなと思います。今の名称で変えさせる分類でいけば 品位に欠けると思います。いわゆる医療事故が起きやすいにもかかわらずそれを出すの は。  もう一つ似た名前でゲシンというのもあります。そういうことからいけば品位に欠ける のですが、品位の判定は我々ではなかなかできなくて、当局が品位があると思えばそれで いいのかと思います。とりあえず、今の名称チェックシステムでは、類似性はあるけれど も、変更は不要となっているということは申し上げておきます。  名前でついでに言えば、タゾシンがそうなっているからだと思いますが、この配合剤に おいて、最後に「g」を付けるのは私は反対です。論理的に足し込むものではないので、 配合剤に「g」という名前を付けるのは少し変だと思います。どうせ今度切り替えるので あれば、せめて新薬は「g」がないようにしておく方が、少なくとも外から見て恥ずかし くない。これも品位かもしれませんが、この部会で誰もそういうことは言わなかったのか と、またそれを疑われるといけませんので、そういうことは避けた方がいいと思います。 配合剤については足し込むというのは常識ではないのです。ただ、これは2品目あるし、 ほかとの関係でこの数字が必要だということは分かっておりますので、そこだけは注意し ていただきたいというか、できれば変更していただきたいと思います。 ○審査第一部長 御指摘ありがとうございました。言い訳ではないのですが、私ども、こ の販売名についてはさらりと認めたわけではありません。かなり議論をさせていただいた ということだけは一言申し上げたいと思います。その中で、ルール、そのほか過誤の問題 でタゾシンの「タ」を抜いただけという問題もありましたので、我々としてかなり慎重に した結果こうなっているというところは御理解いただければと思います。  「g」の話につきましては、ほかとの関係も調査しながら、一方で識別性といいますか、 2剤型あるというところの識別も考えなければいけませんので、御指摘を踏まえまして、 販売名につきましては再度、機構の方で検討させていただきます。 ○土屋委員 ただ、今回、80ページに書いてあるように、納入したところでは「回収(返 品)する」と明記したということは素晴らしいことだと思います。ですから、今後、これ を前例としてそういうやり方をしていただきたいと思います。今まで返品するということ を書いたことを見なかったので、ここは踏み込んでいると思います。また、スパラとアス パラとか、1文字違いというのは、実際の薬でいくと千何百あります。ですから、変える ことを要求していないというのはそういうことですので、現実としてはそういう対応で、 識別からいっても2.25gと4.5gで、「g」があるとかえって類似性が出てきてしまうと いう気がいたしますので、注意していただければと思います。 ○池田部会長 そのほかにいかがでしょうか。ここでは、名称の類似性から見て、切り替 えることを徹底させるということを、委員の先生から御意見いただいて、そのように指示 をするということでお認めいただけたらと思いますが、それはよろしいでしょうか。ほか に、特段御意見がなければ、議決に入ります。なお、竹内委員におかれましては、利益相 反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。  議題1のゾシン静注用2.25gなどの製造販売承認の可否等について、承認して差し支 えないということでよろしいでしょうか。御異議がないということですので、承認を可と しまして、薬事分科会に報告とさせていただきます。  続いて、議題2に入ります。議題2の審議については、先ほどお認めいただきました早 川委員に進行をお願いいたします。 ○早川委員 議題2に入ります。機構から概要の説明をお願いいたします。 ○機構 議題2、資料番号2、医薬品「アイセントレス錠400mg」の生物由来製品又は特 定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定、並びに、毒薬及 び劇薬の指定の要否について、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。  本剤、ラルテグラビルカリウムは、米国メルク社により開発された初めてのHIVイン テグラーゼ阻害剤であり、既存の抗HIV薬に耐性を示すHIV-1変異株を含む、種々 のHIV-1変異株に対して広い活性を示すとされております。  本剤の臨床開発は、□□□□において□□年□月より開始され、二つの第II相試験、二 つの第III相試験が実施されております。第III相試験では、核酸系逆転写酵素阻害剤、非核 酸系逆転写酵素阻害剤、及びプロテアーゼ阻害剤の3クラス各々の系統の薬剤に1剤以上 耐性を示すことが確認された既治療例に対する有効性が確認されております。この結果を もって、米国では2007年4月に承認申請がなされ、2007年10月に承認されております。 なお、EUでは2007年12月に承認されたほか、2007年12月現在、海外30か国で承認 されております。  本剤の専門委員としては、資料8にありますとおり、岡委員ほか9名を指名し、御意見 を賜りました。  本剤の承認申請に際しては、米国申請資料が提出されました。機構は、これらの資料に ついて審査を行いました結果、海外試験成績より日本人HIV感染患者に対する本剤の有 効性・安全性は期待できると判断いたしました。  既存療法の治療に失敗した患者においては、次に選択する抗HIV薬が制限されること から、交叉耐性は大きな課題であるとされております。本剤は、HIVインテグラーゼ阻 害作用という新たな作用機序を有することから、他の抗HIV薬と交叉耐性を示さず、現 行の抗HIV治療を補完する有用な薬剤となると考えております。ただし、現時点では、 審査報告書54ページにも記載しましたとおり、本剤に対する耐性ウイルスの出現を可能 な限り回避するためにも、ファーストラインとしてではなく、他の薬剤が使用できない場 合等に使用すべきであると考えております。  なお、日本人を対象とした臨床試験は実施されていないことから、製造販売後において 日本人における薬物動態を確認すること、及び、日本人における本剤の有効性・安全性に 関する情報を早期に収集することは必須であると機構は考えております。  以上の審査の結果、本剤の有効性・安全性は確認できたと判断し、審査報告書の3ペー ジに記載しております承認条件を付帯した上で、本剤を承認して差し支えないと判断いた しました。なお、再審査期間は10年とすることが妥当であると判断しております。また、 原体・製剤共に劇薬に該当し、生物由来製品又は特定生物由来製品に該当しないと判断し ております。  薬事分科会では審議を予定しております。よろしく御審議のほどお願いいたします。 ○早川委員 今まで三つのクラスの抗HIV薬が出されておりますが、第4の新しいメカ ニズムに基づく抗HIV薬ということです。委員の先生方から、御質問、御意見をお願い いたします。 ○堀内部会長代理 この薬剤は、これまでの抗HIV薬と違った新しい作用メカニズムと いうことで、HIVのウイルスのDNAストランドをホストのDNAに組み込むところを 阻害しようということですので、作用機序としては全く違います。  ところが、使用の場合には、今報告があったとおり、何か違う薬剤を投与し、耐性の出 てきた者に対して投与することになっています。これは、早い時期に投与することにより、 ウイルスを陰性にするということは難しいと考えるのでしょうか。 ○機構 これまで、本剤の承認申請に際して実施された臨床試験が、既存のHIV薬に対 して有効性を示さなかった患者に対して検討された、というエビデンスがあります。未治 療の患者に対してのエビデンスは、今、臨床試験を実施していて、今後、未治療の患者に おける有効性・安全性が評価されていくものと考えております。  今、得られているエビデンスがそのような既存の治療では有効性が示せない患者ですの で、機構としては、早期に使用することで耐性が発現し、本剤が使えなくなるような状況 を回避するためにも、そのような対象に臨床試験が実施されたことを医療現場に情報提供 を行い、適切な使用が行われるように努めていければと考えております。 ○堀内部会長代理 よく分からないのですが、どちらが適切な使用なのでしょうか。抗H IV薬を未使用の患者、使用して他剤が効かなかった患者については有効というエビデン スがある。けれども、使っていない患者にも当然有効性があると考えられるのです。です から、最初に、進行しないうちに叩いてしまうという考え方もあると思うのです。複数の 抗HIV薬、作用メカニズムの違うものを投与して叩いてしまうという考え方があると思 うのですが、これは後まで取っておいて、だんだん耐性が出てきたら使いましょうという 考え方でいいのでしょうか。 ○岡委員 まさに御意見のとおりでして、これは認可の手順から言うと、米国で多剤耐性 のウイルスに対してまず使った、ということでこういう形になっていますが、実際には新 しい系統で非常に期待されています。当然ファーストラインで出てくる薬剤だろうと思い ます。  それから、今までの3系統はどうしても長期毒性、慢性毒性が問題になってきています ので、こういう薬を初めに使って、慢性毒性を回避できれば、ファーストラインで使って いく薬だろうと思います。確かに全然エビデンスがないのでこういうものが付いているの ですが、エビデンスが上がってくれば、できるだけ早く使用上の注意を切り替えていった らいいのかと思います。 ○堀内部会長代理 なぜこのようなことを言うかというと、違う薬剤に耐性があった場合 に使いなさいという話になると、保険の場合にはこれは蹴られるわけです。これはそうで はないということで。比較的早期から使ったということで。ですから、できればそういう 表現がない方が、医療現場としては有り難いのではないかと思います。その中で、インフ ォメーションの提供をやるのは結構だと思います。 ○岡委員 そこもかなり議論になりまして、実はもっと厳しい条件が付いていたのです。 初めは、3系統すべてに耐性でないと使えないと、そういう条件だと、最後に一つしか残 らなくて、本当のこれの有効な使用ができなくなってしまうのではないかという危惧もあ って、少しトーンダウンしたところです。もちろん、これは初回で使えばよりよく効くだ ろうと思っていますので、エビデンスが出次第加えてほしいと思います。  保険の件は、私も非常に気になっています。やはり、そういう制限が付いてしまうと、 実際に使ったときにどんどん削られてしまうということが起こらないような文面にする 必要はあるだろうと思います。 ○上原委員 今のことに関連してですが、これは、事前にほかの薬を使っていなくても、 初めて使う患者でも、耐性診断をやって、ほかの薬では耐性であることが分かっている変 異があるものについては使ってもいい、というふうに私は審査報告書の54ページのとこ ろを読んだのです。そういう方は5%くらいいるのだと思うのですが、そういう方に対し て、今の議論を聞いていてどうなのかなと思いました。使っていいはずだと思うのですが、 どうなのでしょうか。確認したいと思います。 ○機構 今、先生方から御指摘いただきました点について回答を申し上げます。結論から 申し上げますと、ナイーブの患者に対しても、この薬は十分な効果を有するのではないか と考えております。ただ、エビデンスとして出てきた臨床試験成績が、先ほど申し上げた ようなところであって、ナイーブの患者に対する臨床試験が、現在、米国等において実施 中です。したがって、その結果が出た段階で、本剤の投与対象についてどのように考えて いくのか、ということは検討したいと思います。  そういう状況にございますので、私どもといたしましても、「効能・効果」という箇所、 すなわち申請をして承認をするという事務手続を踏む場所ではなく、「効能・効果に関連 する使用上の注意」というところで、新しいデータが出たときに、タイムリーに検討をし、 適切に変更ができる場所に、使用制限という言葉が適切かどうか分かりませんが、投与す べき対象の患者を記載しているという状況です。  上原先生から御指摘いただきました点については、添付文書(案)の1ページの「効能・ 効果に関連する使用上の注意」の一番目に、「他の抗HIV薬にて十分な効果が期待でき ない場合、又は忍容性に問題があると考えられる場合」と記載しております。上原先生か ら御指摘いただきましたところについては、前の方に記載のあります「他の抗HIV薬に て十分な効果が期待できない」、例えば薬剤感受性検査をやって、明らかに耐性だという ことが分かっているのであれば、初めての投与でもここに該当することから、本剤の投与 対象とすべきではないかと考えております。  しかしながら、そこでナイーブの患者すべてに今の段階で投与が推奨できるかどうかと いうところは、私どもといたしましても判断すべき情報が十分でなかった。堀内先生に御 指摘いただきましたところは、最近、抗菌薬等で言われているヘテロジェネイティの話だ と思いますが、そのヘテロジェネイティをやっていくことが、今あるデータで我々として 推奨できるのかどうか考えたときに、今提示されたデータのみでは難しいと考えておりま す。  したがって、抗HIV薬については、米国DHHSのガイドライン等が治療決定をする ときに大きな影響を与えるものと聞いておりますので、そういうガイドライン等を踏まえ ながら、臨床の現場の先生たちが使えるような薬にしていきたいと思い、現在のような添 付文書(案)にしているという状況です。 ○岡委員 ちなみに、添付文書の使用上の注意の変更については、どのくらいの時間とか 手続がかかるのでしょうか。 ○機構 今、話題になっているところの話で申しますと、米国の臨床試験成績が提出され 次第、投与対象については検討を行おうと思っております。数か月のレベルで、早ければ 改訂をすることも可能ではないかと考えております。 ○岡委員 もし企業が変更申請を出せば、その段階で速やかに変更できるということです か。 ○機構 もちろん提出されたデータを確認し、その妥当性を検討してということになりま すが、速やかに対応はしたいと考えております。 ○早川委員 最終的には、実際のエビデンスに基づいているということと、もう一つは、 これ自体、より大事に使いたい。これの耐性がどうなるかということもありますので、そ ういう使い方をしたい。しかしながら、ナイーブな人に対して有効であるという実際のエ ビデンスが出てくれば、できるだけ早く検討して使えるようにしたいということですが、 よろしいでしょうか。 ○竹内委員 「効能・効果」のところで、「HIV感染症」ということになっております が、HIV-2については、非臨床試験で効果がサジェストされるということで、まだ臨 床試験では出ていないと思います。海外では、抗体があったHIVの患者ということで結 構縛ってあります。今回の場合は、HIV感染症でよろしいのでしょうか。 ○機構 従来、日本での抗HIV薬の審査においては、臨床試験でHIV感染患者のみを 対象にした臨床試験のエビデンスが得られなくても、非臨床試験成績でHIV-2のウイ ルスに対して有効性が示唆される場合には、HIV感染症として効能・効果を付けさせて いただいておりましたので、今回の品目についても同様とさせていただきました。 ○竹内委員 先ほどから議論になっていることなのですが、現在、未治療に関しては、海 外で臨床試験が行われている。そういう場合に、日本からの患者は参加されているのです か。今回提出された資料に関しては、全く日本の患者が参加されていなくて、向こうの臨 床成績で効能・効果を判定するということだと思うのです。  ただ、今回この分野に関して、CD4カウントですとか、ほかのサロゲートマーカーを 使いながら開発をしておりますし、CD4カウントについても非常に経時的なデータがあ って、そこで開発戦略がFDAで非常に議論されたと思うのです。そこに日本の企業の方 が一切入っていなくて、こういう資料を提出してきて、多分、回答も本国の方がされてい ると思います。  今後、日本の薬剤を承認していく場合に、海外のデータを入れていく場合には、やはり 日本の企業の方が一応ヘッドクオーターの方と一緒に開発していく姿勢を見せていただ ければ、そういう議論の際にFDAの審査官等と話ができて、開発戦略等も立てられると 思いますので、その辺は、厚生労働省から企業へ、入れという指導をしていただきたいと 思います。  今回の未治療の場合も、現場の先生方から欲しいという声がかかっているにもかかわら ず、入っていないというのはおかしいと思いますので、そこは、海外と同じレベルで日本 の支社の方も入っていただきたいという要望です。 ○早川委員 大変重要なテーマだと思いますが、何かございますか。 ○審査管理課長 開発の現場の話、また申請をする会社の話ですので、一概にここでお約 束するわけにはいきませんが、そういう御指摘があったということを念頭に、業界に話を してみたいと思います。 ○土屋委員 確認ですが、これは新薬だから当然、投与日数に14日の縛りはあるのです よね。 ○審査管理課長 医療保険上の問題ですが、恐らくそうなるのだろうと思います。 ○土屋委員 以前、添付文書に「本医薬品は新医薬品なので」うんぬんと書いてあったと 思うのですが、今回の添付文書(案)には載っていないので、そういうことは書かなくても いいのですか。  もう一つは容れ目の話です。日本は、せっかく薬が良くても保険の縛りがあって、この 薬で言えば28錠しか出せないのです。60錠というのは、1か月投与になった暁には、1 年経った暁にはいいのですが、その間、28錠ずつで出していきますと、たとえ1か月来 たとしても、4錠は常に余ってしまうのです。1か月投与ができるようになっても、昔の 4錠はどうするのだというときに、4錠は新しいものに詰め替えて2ロットにしろという のかというようなことになる。  向こうは、ボトル調剤といって、調剤の仕方が日本とは全く異なる、あるいは保険制度 が異なるために出てきている話なので、こういうときに当初の容れ目をある程度考えてい ただけないと、現実として、この1錠が結構高い値段になったときに、現場としては困る 話になるわけです。  60錠というのは、1年経った先の話ではいいかもしれませんが、こういう容れ目がち ょっと嫌だなというのは、必ず後からそういう意見が出るものですから、開発当初の1年 間だけでも、せめて違う容れ目のものを置いていただくとか、そのようなことを今後、相 談のときに一言でも二言でもメーカーの方に言っていただくと、現場に優しいのかという 気がいたしますので、お願いいたします。 ○審査管理課長 御指摘はごもっともだと思います。一方において、このような患者数が ある程度限られたものについて、どのような形で物を供給できるのかということも考えて いかなければいけませんし、グローバルに供給されているのに対し、国内だけの供給をお 願いすることができるのかできないのか、またそれが経済的なベースで成り立っていくの かということも念頭に置きながら、今後とも検討してみたいと思います。 ○土屋委員 その場合に、それは特殊な例かもしれませんが、14日の縛りをしてしまっ ているということを変える、というやり方もあると思います。そこは恐らくゼネラルルー ルとして駄目だという話なのだろうと思いますが、何も製薬企業にだけそのようにやれと いうだけが一つの対策ではないということは、一応申し上げておきます。 ○審査管理課長 言うまでもないことですが、ここは14日ルールを議論するような場所 ではありませんし、科学的に有効性・安全性を議論していただく場所ですので、お答えは させていただかなかったところですが、そういう御意見があったということを医療課には 伝えたいと思います。 ○早川委員 ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、いろいろディス カッションしていただきましたが、議決に入ります。なお、池田委員、堀内委員、前崎委 員におかれましては、利益相反に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いた だくことといたします。  本議題について、承認を可としてよろしいでしょうか。ありがとうございました。御異 議がないようですので、承認を可とさせていただきます。なお、本剤は新有効成分であり、 既存の類薬がありませんので、薬事分科会に上程し、審議することとさせていただきます。 ○池田部会長 早川委員、どうもありがとうございました。報告事項に移ります。順次説 明をお願いいたします。 ○機構 報告事項について御説明いたします。  議題1、資料3「医薬品フルダラ静注用50mgの製造販売承認事項一部変更承認につい て」報告いたします。本剤は、アデニンヌクレオシド誘導体の抗悪性腫瘍剤であり、現在 は、「貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病」の効能・効果で承認されており ます。今般、日本シエーリング株式会社(現 バイエル薬品株式会社)から、「下記疾患に おける同種造血幹細胞移植の前治療 急性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、慢性骨髄性 白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫」の効能・効果を追加する製 造販売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。医薬品医療機器総合機構におけ る審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断いたしました。  議題2、資料4「医療用医薬品の再審査結果について」です。一般的名称は「パクリタ キセル注射液」、販売名は「タキソール注射液30mg他」の医薬品再審査確認等結果通知 書です。この品目につきまして、市販後の使用成績調査、市販後臨床試験、特別調査の成 績等に基づいて再審査申請が行われ、審査の結果、薬事法第14条第2項第3号に掲げら れている承認拒否事由のいずれにも該当しないこと、すなわち、効能・効果、用法・用量 等の承認事項について変更の必要はない「カテゴリー1」と判定したものです。  議題3、医薬品優先対面助言品目指定の結果について、資料5で御説明いたします。優 先対面助言品目指定制度は、薬事法で規定する「医療上特に必要性が高いと認められるも の」となることが期待される開発中の薬剤について、他の品目に優先して医薬品医療機器 総合機構が対面助言を行うものです。優先対面助言品目は、優先審査品目の選定の考え方 に準じて、指定の時点までの国内外の試験成績を見て、「適応疾患の重篤性」と「医療上 の有用性」を総合的に評価することにより選定されます。  今回の資料でございますが、三菱ウェルファーマ株式会社のMP-424(Telaprevir)でご ざいます。優先対面助言の対象効能といたしましては「C型慢性肝炎におけるウイルス血 症の改善」です。本薬は、C型肝炎ウイルスが複製するために必須であるNS3-4Aプ ロテアーゼを阻害する新規作用機序により、抗ウイルス作用を示すものであります。本薬 は、Genotype1型のC型慢性肝炎患者を対象とした海外第II相試験におきまして、重篤な 発疹及びそう痒感が高率で認められましたが、本薬(12週間)/PEG-IFN/RBV(24週間) 群の投与開始24週後HCV RNA陰性化率は、標準治療(PEG-IFN/RBV)と比較して、 平均的に高い有効性が期待でき、さらに、□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□と判断し、安全確保に十分な配慮をしつつ慎重に開発を進めていくこと を前提として、優先対面助言品目に指定したものです。  議題4、資料6、新キットの承認について御説明いたします。昨年度、新たに承認され たのは1品目で、有効成分を抗破傷風人免疫グロブリンとするCSLベーリング社の「テ タガムP筋注シリンジ250」でございます。これは、現行のアンプル製剤「テタガムP」 をプレフィルドシリンジ製剤としたものです。サンプルと添付文書につきましては、数は 少ないですが、所々に置かせていただきましたので御参照ください。  報告事項は以上になります。 ○池田部会長 報告事項四つの議題について説明がありましたが、一つずつ先生方から御 質問、御意見を伺います。最初に、フルダラ静注用50mgについて、同種造血幹細胞移植 の前治療として効能・効果を追加しようということですが、これについてはいかがですか。 ○庵原委員 27ページのところですが、小児における適用についてはどう読めばいいの ですか。使ってもいいけれども、症例数を集めなさいという解釈でいいのですか。 ○機構 小児に関しましては、今回の申請資料中では、推奨できるだけの明らかなデータ がありませんということで、申請者の方に、小児に関してデータを今後蓄積するように指 導しております。 ○庵原委員 臨床試験をするということですね。 ○審査管理課長 25ページの「4)製造販売後の調査について」のところを見ると、使用 成績調査の中から小児について層別解析を行う旨の記載をしていますか。 ○機構 試験をすぐやれということではありませんで、当然小児にも、用法・用量、エビ デンスはないわけですが、使用される可能性はあるだろうと考えておりまして、その中で 出てきたデータを見て、必要があれば試験等も考えていただきたいと会社にはお願いして います。 ○庵原委員 この薬は、外国では小児の用量は大体設定されていて、その用量に応じて日 本でも一部の施設で使っているということを聞いています。そうすると、そのデータを集 めた上で再検討するという解釈でよろしいですか。 ○機構 そのように考えております。 ○池田部会長 使うことに関しては差し支えないということで、しかし、データは収集し てくださいと、そういう理解でよろしいということですか。 ○機構 はい。 ○審査管理課長 先ほど来、使うことを禁止するとか、使えないとか言われますと、答弁 に窮するところがあります。要するに、先生方は医療保険上の扱いをおっしゃっておられ て、それにはなかなかお答えできない。極論を申し上げますと、小児に対して使うことが、 特に安全性が危惧されるのであれば小児を禁忌にするとか、そのような形にしているので あれば、使うのはおやめくださいと言えるわけです。  ただ、データが不足していて何とも言えないという状況を、薬事法上どのような形でお 答えすればいいのかという点が悩ましい点で、いろいろなお答えを申し上げている点で す。そういう意味で申し上げますと、この品目もそういう範疇のものだということで御理 解願えれば有り難いと思います。 ○池田部会長 一般的に、小児に対してやられていないときには、このような書き方をほ かの薬剤に関してもやっていると、それと同じように考えてよろしいということですね。 ○堀内部会長代理 薬価を付けるときに、分母をどのくらいにするかという場合に、薬価 の考え方が変わってきてしまうのです。薬価算定組織の資料としては、あるいは医療課の 方へ行くのは、審査報告書だけしか行っていないのです。ここでの議論の内容は行ってい ないので、できればここで行われたような議論についても報告をしていただいて、薬価を 付けるときの参考にしていただきたいと思います。 ○審査管理課長 ここでの議論も重要でしょうし、あるいはそれ以外の情報も重要だと思 います。薬価を付ける側から見解を求められれば、審査管理課として見解を述べるという のは当然だろうと思います。  通常、このようなケースにおいて、先生がおっしゃったような分母にかなりの数が含ま れるというのは、ちょっと想定し難いのかと思います。そうかといって、この場合に、禁 忌等で小児への投与を避けろと言っているわけではありませんから、ある程度の例数が含 まれることを前提に製造販売後の調査、という形で書いているわけですから、我々として もそこは考えているということなのだろうと思います。いずれにしても、その情報を密に 交わしていくということは、先生がおっしゃるとおりだろうと思います。 ○池田部会長 ちなみに、これは公知の事実ということで議論が進んだのだと思うのです が、海外ではこの承認そのものは取れているのですか。 ○機構 移植の適応につきましては、海外で承認されている国は全くありません。 ○池田部会長 そのほかにいかがですか。よろしいですか。それでは、フルダラ静注用 50mgについては御確認いただいたものといたします。  次に、パクリタキセルの再審査結果について御質問はございますか。特にないようです ので、パクリタキセルの再審査結果についても御確認いただいたものとさせていただきま す。  次に、優先対面助言品目の指定についてということで、三菱ウェルファーマ株式会社の MP-424、Telaprevirについて御質問はございますか。 ○岡委員 これは、優先対面助言品目になると、今後はどのように進むのですか。 ○審査第一部長 優先対面助言というのは、機構が独自にやっております治験相談を、通 常の申込み以外に、優先的に受けられるというメリットを付与するものです。それ以外の いろいろなこと、将来の優先審査とかそういうものとは別で、あくまでも対面助言を優先 的に受けられるというメリットがあるということです。 ○池田部会長 そのほかにいかがですか。ほかにないようでしたら、これも御確認いただ いたものとさせていただきます。  最後に、新キットのテタガムについて御質問はございますか。特にないようですので、 これについても御確認いただいたものとさせていただきます。  報告事項については先生方に御確認いただいたということで、本日の議題は以上です が、事務局から何かありますか。 ○事務局 ありがとうございました。次回の部会は、既に御案内のように、5月23日(金) 午後2時から開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長 それでは、本日の第二部会はこれで終了させていただきます。どうもあり がとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 河野(内線2734)