08/04/23 第8回「健康食品」の安全性確保に関する検討会議事録 ○大野座長 それでは、2時になりましたので、ただいまから第8回「健康食品」の安全 性確保に関する検討会を開会いたします。  委員の先生方におかれましては、お忙しいところ御出席いただいて大変ありがとうござ います。  議事に入る前に、前回の検討会以降、新たに御就任いただいた先生がいらっしゃいます。 事務局より本日の委員の出欠と併せて御報告してくださるようお願いいたします。 ○玉川室長 初めに、新任の委員について御紹介させていただきます。日本薬剤師会常務 理事の東洋委員でございます。  委員の出欠状況ついてでございますけれども、本日は大濱委員、坪野委員、松本委員よ り所用により御欠席との連絡を受けております。また、田中委員と寺本委員は遅れてお見 えです。 ○大野座長 それでは、田中先生と寺本先生がまだですけれども、議事に入りたいと思い ます。  まず最初に、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。 (配付資料確認) ○大野座長 ありがとうございました。配付資料は皆さんございますでしょうか。  それでは、本日の議題ですけれども、健康食品の安全性確保の方策についてということ を中心に議論していただくわけですが、前回の検討会において委員の先生から論点整理の 「2.健康被害情報の収集及び処理体制の強化について」に関連して、製造事業者による 健康被害情報の報告について情報を整理して提供してほしいという御依頼がございました。 それについて事務局から説明をしていただいて、それから、資料2と資料3、栄養情報担 当者の認定制度についてと、食品保健指導士について関係者に説明いただいて、それから 報告書骨子案について議論していただきたいと思っています。  それでは、まず、製造事業者による健康被害情報の報告について、事務局から御説明い ただけますか。 ○玉川室長 それでは、資料1に基づきまして御説明させていただきます。  前回もこの論点につきましては、幾つか口頭で御説明いたしましたけれども、整理をし てということですので、前回と若干重複する内容もございますけれども、資料としてまと めさせていただいております。  この問題につきましては、製造事業者が情報を報告するかどうかということを制度とし て導入するかどうかという際に、次のような事項について考慮する必要があるものと考え ております。  まず、現行の食品に関するルールがどうなっているかというところでございますが、食 品衛生法の第3条というのが事業者の責務について規定しているところでございます。通 常、私どもが安全性の確保について事業者の責任と言っている場合、(1)の通常の措置とい うところで出てきております原材料の安全性確保の具体化をどうするかというところで、 今までの議論でも何度かかかわってきたところでございますが、それ以外にも、事業者に 対しては幾つかの事項が責務として定められているところでございます。  具体的に申しますと、記録の作成・保存というのが第3条第2項にございまして、これ は必要な限度において、仕入れ元の名称等の記録の作成・保存に努めることとなっており まして、こうしたことによって食中毒等が実際に発生した場合には、原因究明や被害の拡 大防止に活用できることとなります。更には、実際に危害が発生した場合につきましては、 こうした記録を国・自治体への提供、廃棄等の措置を適確・迅速に講ずるよう努めること、 こうしたことが事業者側がなすべき、取り組むべき事項として定められているところでご ざいます。したがって、現在の食品衛生法の世界でいいますと、さまざまな形での被害の 情報があったときに、事業者の方でちゃんと記録をとっていて、それによって原因等を究 明するときに役立つようにちゃんと対応すべしというのが、食品全体についてのルールと してでき上がっているところでございます。  次に、特定保健用食品についてということで、この検討会の直接の検討対象からは若干 ずれるところがあるんですけれども、特定保健用食品の場合は、許可を与えた製品につい て、その後の取扱いとして許可等を受けたものに対して、安全性等に関する情報収集を通 知の中で求めております。1つは、許可等後の科学的知見の集積等によって、当該製品の 有効性・安全性に問題が生じていないか確認に努める。それから、実際に販売者等として 製品が流通していくわけですので、そうしたことによって手にとった消費者から寄せられ た健康影響に関する苦情等があった場合、そうしたものの処理経過も含め、ちゃんと記録 して保存するよう努める。ある意味では、食品衛生法の第3条第2項を具現化したような ものでございますけれども、こうしたものを端緒として安全性等に関する情報収集に努め るということを個別の製品について見ているところでございます。  以上が、現行の食品の世界のルールということでございますけれども、他方翻ってみま すと、医薬品の世界では製造事業者等からの副作用等の情報提供がありますので、こちら がどうなっているかを見ていきたいと思います。医薬品については、薬事法の第77条の4 の2第1項におきまして、医薬品の製造販売業者は、製造販売しております医薬品の副作 用によると疑われる疾病、障害または死亡の発生等を知ったときは、厚生労働大臣に報告 しなければならないというルールが定められております。こうしたルールを実効性あるも のとするために、第77条の3というところで、医薬品の製造販売業者というのは、医薬品 の有効性・安全性に関する事項、その他医薬品の適正な使用のために必要な情報を収集・ 検討するとともに、これを提供するように努めなければならない。特に前段のところ、情 報を収集・検討するということがあって、これが報告につながっていくわけでございます。  では、食品について同じようなことが考慮できるのかどうかということでございますけ れども、医薬品の副作用等に関する情報もさまざまなものがあるところでございまして、 一つは医療機関等、直接製造販売業者が流通させていったところから得られるものと、も う一つは、国内外の文献情報といったようなものもありまして、さまざまなものがあるわ けでございます。一方で、医薬品の場合は医療機関に対して製造販売業者が行って、そこ から何かあったときに情報を収集できるといったところがあるのに対して、健康食品ある いは食品一般の場合について申しますと、こうした形で医療機関等と結びついているとい うことがなくて、直接治療関係者ではなくて、消費者のところに製品が渡るパターンが多 いといった事情があります。  また、販売のルートにつきましても、処方箋ということになりますと薬局等、基本的に 薬事法上の許可を受けたようなところから販売されておりますが、食品の場合にはさまざ まな形で製品が流通しているといった事情がありまして、こうしたところで事業者にどこ まで情報収集という形で情報が得られるかといったところも、実効性のことを考えると考 慮する必要があるのだろうと考えております。  また、医薬品の場合は、当該成分について、まさに治療の目的ということで作用がわか りやすい形で出てくるということだろうと思いますけれども、健康食品の場合については、 さまざまなものがございますが、一般論として申しますと、より緩慢な形で作用が現れて くるといったことから、当該に製品に関係するかどうかということが、なかなか専門の医 療機関等々でなければ判断が難しいような事例ということも多いのだろうと思っておりま す。  こうしたことを踏まえてこの問題については考える必要があるのだろうということで、 現在の制度の状況あるいはこの問題を考えるに当たっての要素をまとめさせていただきま した。  資料の説明は以上でございます。 ○大野座長 ありがとうございました。  これについて御意見・御質問ございますか。 ○鬼武委員 資料1は事務局が作成されたものだと思うのですが、健康食品については一 般的に医薬品として緩慢なものもあるのでしょうけれども、一方で、輸入された健康食品 の被害というのは危害が大きいものもあるわけですが、これは表現としてはどういうふう に解釈したらいいのでしょうか、適切なのでしょうか。要するに、健康食品というのはや はり危険性が高いから今回のような検討会があるわけですし、一般的にそれが緩慢で見逃 すものが多いというか、なかなか判断しにくいと言い切っていいものなのでしょうか。疑 問に思いましたので、意見として言わせていただきます。 ○玉川室長 先生御指摘のとおりでありまして、そうしたことについてはどこまで一般と して言えるのかということはあろうかと思います。ただ、健康食品として売られていても、 結果的に医薬品となるものが多いということと、むしろそれ以上に問題なのは、緩慢とい う言い方がいいかどうかというのはあるんですが、そのもの自体どういう成分かというこ とがきっちりとわかりがたいところがあって、要は、製造事業者というところでどこまで 情報として整理をしてつなぐことができるのかというところで、現行の医療機関と保健所 によって集められている情報システムに比べて、事業者のルートをつくったときに、どれ くらいのその道というのが有効なのかということです。「緩慢」という表現については、不 適切であれば訂正したいと思います。 ○田中(平)委員 やはり健康食品は、あくまでも食品であります。つまり成分は安全で なければならないし、また、本質的には、あるいは通常の使用量であれば安全であるわけ です。医薬品は主作用と副作用があって、必ず健康障害が多かれ少なかれ出るという前提 です。そのバランスをとって主作用を重んずるのか、副作用を重んずるのか、成分の立場 から言えばそうなんです。副作用よりも主作用を重んずるから医薬品は使用されるわけで す。  したがって、健康食品の安全性というのは、やはり他のものとコンタミネーションを起 こすということがまず第一だと思います。例えば、意図的に医薬品を入れているからとい うことですね。あるいは製造過程中何らかの不具合が起こって、金属なりその他有害物質 で汚染されるという面でありますし、また、いつも梅垣先生が言っておられるんですけれ ども、例えばダイエット食品であれば、消費者側としては「早くやせたい」ということで 一気に飲んでしまうとか。だから、消費者側に問題がある、大量にとる、あるいは長期間 にわたってとるということでありますから、私は本質的な話としては、「緩慢な」という表 現は妥当であると、食品側からはそのように思います。ちょっと医薬品と次元が違うとい うことですね。 ○大野座長 いかがでしょうか。 ○東洋委員 食品衛生法と薬事法を一緒に議論していくところに無理があるんじゃないか と思うんです。今、先生がおっしゃったこともそうなんですが、食品だから必ずしも安全 だということにはならなくて、基本的には食べるものも薬も体の中に入って薬理作用があ るわけで、それを期待してやっているわけですから、一刀両断にぽんと食品は安全であり、 問題は製造段階のコンタミだけの話です、ではないと思います。これは法律ができた歴史 的な背景がそれぞれ違うので、それがだんだん似通った状況になってきてしまっていると いうこともベースに考えていかないと、健康被害の問題を解決するのも議論するのも、な かなか難しいのだろうなと思います。これから議論をまとめの中で出てくると思いますが、 それを議論すること自体も難しいのではないかと思います。途中から参加して基本的にか かわるようなことをお話しするのは申し訳ないんですが、過去の御議論の議事録を見させ ていただきましたが、法律そのものが不備ではないんですけれども、でき上がった背景が 違うので、それを今こういう状況の中で従来使われていなかったものが使われたり、食べ られたりするようになってきた中で非常に難しくなってきている。体に入るものは、食品 であれ薬物であれ、基本的には薬理作用・相互作用が当然あって、体の中でいろいろ変化 していくものですから、ただ栄養だからいいとか、薬物だからだめという問題ではなく、 基本的には薬理作用・相互作用があるものをとっているという前提で注意して掛からない と、まずいのだろうなと思います。 ○田中(平)委員 薬理作用という用語は、やはり食品の場合は使ってはならないと思い ます。栄養素、ミネラルであれ、健これは人間にとって必要欠くべからざるものであるか らです。ただし、先ほども言いましたように、過剰摂取したときにはたとえビタミンであ れ、ミネラルであれ、康障害、過剰症を起こすのは確かです。だから、食品に対して薬理 作用と言うと、それこそ薬事法に違反する話にもなりますので、お使いにならないでほし い。 ○宗林委員 今「作用がより緩慢で」というところで議論になってますが、ここの部分は 特段何か結論に結びついているわけではないので、健康食品の特徴として「健康被害が当 該製品に関係するものか判断し難い場合もあり得る」という記述でいかがでしょうか。た しかに作用はより緩慢だとは思いますが、とりあえずその議論は議論として、ここに記述 する内容としては健康食品の何に起因するものか判断しがたいということだけを残してい ただければいいのではないかと思います。 ○大野座長 このことは後の報告書の骨子案に絡んできて、そのイントロに何を書くかに かかわってくるんですけれども、食品は安全であることは前提ですけれども、今までの食 経験があるもので安全が確認されたものだけでは、必ずしもそうではないわけです。新た なものが入ってきたりとか、原料として不適切なものが入ってきたりとか、そういったこ とによって健康被害も実際に起きているわけなので、そこも一言入った方がいいのではな いかと私は思うんです。それを後の骨子のイントロにも入れることによって、今回の研究 班で報告書をつくる意義ができてくるのではないかと思います。  ほかに御意見ございますか。 ○林委員 「医薬品一般と比較すれば」という言葉がありますし、作用がより緩慢という のは通常そうですし、健康被害の事例もありますが、その大半は意図的に何か加えられた もの、あるいは製造工程で入ったもの、あるいは腐敗したもの、あるいは使用法を間違っ たものなので、それ以外の健康被害の例は、ほとんどないと思います。ですから、この文 章は決しておかしくはないと思います。以上です。 ○大野座長 この場では、この報告の文書案を修正するということはしなくてもよろしい のではないかと思いますけれども、今、御議論いただいたことを基に、後で骨子案をつく るときに議論していただければと思います。それでよろしいでしょうか。 ○永留委員 ちょっと付け加えですが、実際に消費者の方々から寄せられる苦情というの は、特に食品の場合は何となく食べて具合が悪くなったとか、苦情の対象食品もその間に 食べた食品の中の一つであるといった場合もありまして、本当に上げられてくる苦情を見 るとノイズが多いといいますか、本当にその食品が原因かというのは特定不能な苦情も多 いということで、医薬品よりもそういった意味で因果関係を特定するのは難しいという実 情がございます。 ○大野座長 ありがとうございます。よろしいでしょうか。  それでは、次に、前回の検討会において論点整理の「3.消費者に対する普及啓発につ いて」に関連いたしまして、アドバイザリースタッフの活用についての議論がございまし た。それについては、第3回の検討会で実施したヒアリングにおいて、そうした取り組み の一つとして健康食品管理士の紹介がございましたけれども、更に、養成や活動の実態に ついて把握するために、所属団体において養成が行われている委員の方から御説明をお伺 いして理解を深めたいと思います。  まず最初に、栄養情報担当者、NRと略しているようですけれども、それについて梅垣 先生から御紹介をお願いいたします。 ○梅垣委員 それでは、NR(栄養情報担当者)について御紹介します。先ほど議論になっ たのですが、医薬品と食品の違いで、医薬品は医師・薬剤師とか医療関係者がしっかり管 理して利用できるという環境が整備されているわけです。一方、健康食品の場合は食品に なっていて、消費者が自由に使えるもので、利用環境が整備されていません。そのような 意味で、しっかりした利用環境を整えたいということで、栄養情報担当者という方を我々 の研究所で認定しています。これは実は田中先生が理事長としていらっしゃるときにつく られたものです。  まず、資料2−2をごらんください。細かく書いてあるのですが、まず、健康食品等に 関する正確な情報・知識を有し、消費者に対して適切な情報提供をできる人材の育成を目 的として、この制度ができております。研究所が指定する民間の養成講座において、研究 所が策定した教育内容に従って、必要な単位を取得し、講座を修了した人に対して研究所 が試験を行い、その試験に合格した人をNRとして認定する制度です。  平成16年から実施しておりまして、現在の認定者は2,682名となっております。  NRを養成する講座、これは外部ですが37講座ありまして、その中で22講座は大学な どになっています。  これができたのは、平成14年2月に厚生労働省から出されたアドバイザリースタッフの 養成に関する基本的な考え方の中に、養成講座の実施主体については、組織・運営等が適 切である民間団体が養成の実施主体となることが適切であると述べられています。このよ うな考えに基づいて、養成講座を実施する際のノウハウや教材の提供、更に、試験の実施 という側面的な支援を通じて養成されるアドバイザリースタッフ(NR)の質の担保と量 的拡大に寄与する目的で研究所が関与しています。あくまでも民間団体を側面から支援す るという立場で行っているわけです。  資料2−2の2ページ目が、NRの取得の流れです。NRの受験資格は2つのパターン があります。まず、保健医療従事者、管理栄養士、栄養士、薬剤師、保健師、医師、それ から、学校で生命科学などに従事した方で、NRの養成講座で必要な単位を取得した方。    こういう方が基本的な対象です。ただ、それ以外に、例えば文化系などを出た方で、会社 などで勉強されている方もいらっしゃいますので、そういう方のために、NRの本試験を 受ける前に資格確認試験というものを行い、それでしっかりとした知識を習得されている というのがわかれば、先程ご説明しました専門的な知識を有する管理栄養士や薬剤師など の方と同じような経路でNRの本試験を受けることができるということになっています。  3ページはどういう科目を実施するかということで、若干時代とともに変わっています けれども、平成18年度以降でいえば、11項目を習得していただくということになっていま す。特徴的なのは9番のNR倫理です。NRというのは販売促進が目的というのではなく て、正しい知識を消費者に提供して、消費者が最終的に利用の判断をするという考えで動 いています。  次が資格確認試験です。先ほど言いました、もともと生命科学などをやっていない方の 試験です。これは毎年12月に実施しています。  本試験は毎年6月に実施しています。試験に受かって登録した方は、3年ごとに更新の 手続が必要です。4ページ目に更新の手続ということで、研究所が指定する健康・栄養・ 食品に関する情報を扱った研修・講演などで受講するとか、学会発表する、論文発表する ことで単位を認めるということです。3年間で12単位をとっていただきますが、3年目に 12単位のうちの4単位をとっていただくことになっています。そのようにして、常に新し い情報を習得していただくということで対応しています。  次のページ、養成講座のところですけれども、養成講座は講習会方式と通信教育方式の 2つがあります。養成講座の指定は、外部の先生を入れた指定委員会がありまして、そこ で審議していただいて、最終的に研究所の理事長が指定するということになっています。  6ページはNRの合格者の割合です。2の栄養情報担当者認定試験は今まで4回行って いまして、大体合格率が50%程度です。  NRの合格者の割合の中では、管理栄養士が25%、薬剤師が46%と、特に薬剤師の方が 多いという実態になっています。  男女比でみますと、女性の方が71%いらっしゃるという状態です。  7ページからは養成講座の一覧がずっと並んでいます。こういう養成講座で実施されて いるということです。  最後のページは、研修の説明です。研究所が主体となって年に何か所かで研修を行って います。平成19年度は東京、大阪、岡山、仙台、名古屋、福岡と各地で行っていまして、 研究所の中の者と外部の先生に来ていただいて、最新の情報をお話しいただき、栄養情報 担当者の資格を取った人が常に新しい情報が習得できるようなシステムにしてあります。  資料2−1は、今お話ししたのを図に描いたものです。アドバイザリースタッフを研究 所で認定していること、養成は外部の団体が行っていること、研究所はアドバイザリース タッフのテキストブックとか、参考資料を出していること。それから、健康食品の情報の ページが研究所にありますが、そのような情報でNRの資格を取った人、または取る人を サポートするという体制をとっているという内容です。  一般の消費者の方が健康食品に対して正しい知識を持ち、適切に利用できる利用環境が 整えば、間違った利用をしないということが言えます。そして、健康食品で危害を受ける ことはないだろうということで対応しているという実情です。  次のページは、今話した全体像です。  以上です。 ○大野座長 どうもありがとうございました。関連する内容として、林先生から食品保健 指導士について説明いただきますので、その後御質問・御意見を伺いたいと思います。  それでは、林先生、御説明をお願いいたします。 ○林委員 資料3と添付してあります募集要項というパンフレットをごらんいただきたい と思います。  まず最初に、私たちの協会が行っております食品保健指導士認定制度の経緯を申します と、平成12年に厚生科学特別研究事業として、保健機能食品に係る指導・相談専門家の育 成及び指導・相談体制の整備の在り方に関する調査研究が行われたわけです。これは細谷 先生が主任研究者で、田中先生も加わっておられたと思います。そこで、消費者に対して 正しい情報を提供する提供者が必要だということになったわけです。それを受けまして、 平成13年10月に当協会認定のための第1回目の食品保健指導士講習会が開催されまして、 以後6年間22回の講習会が行われております。このときの食品保健指導士の認定制度の目 的とか、具体的な認定手続はパンフレットをごらんいただければおわかりと思います。  次に、講習会の内容ですけれども、講義の具体的な内容につきましてはパンフレットの 一番後ろに書いてありますし、もう一つは、平成14年2月20日付の薬事・食品衛生審議 会新開発食品調査会報告書をごらんになりますと非常に詳しく書いてありますので、私た ちのところはそれに準拠して具体的な教育内容が決められております。  平成19年度までは管理栄養士、薬剤師などの国家資格保有者と、協会が認定した実務経 験者を対象として、これに対して64こま、1こま60分の2週間にわたる集中講座を実施 していましたが、2週間連続ということになりますと、かなり受講者に負担が掛かるとい うことで、平成20年度から食品保健指導士は生涯学習を必要とする専門職であるという前 提に立ちまして、管理栄養士、薬剤師等の国家資格を持っている方々、それから、協会が 認定した実務経験者を対象とした20科目4日間の講習と、協会が提供する標準教科書によ る学習及び年2回程度の最新情報についての追加講習と通信による資料の配付ということ に変更しました。  3番目の食品保健指導士の現状ですけれども、平成20年3月31日現在を見ますと、人 数は813人、女性が426人の男性が387人。地域を見ますと、関東甲信越が非常に多い。 あと、近畿、中国、四国、九州、沖縄とかなり広い範囲にわたっていますけれども、やは り地域的には関東が多いということです。  次のページを見ていただきますと、現在その813人の方々はどういう職業に就いておら れるかについてですが、健康食品関連業界、これは研究開発あるいは流通、販売も含めて、 598人、73.6%。それから、薬局・薬店が30人、病院・診療所が54人、介護施設14人、 官公庁が31人で3.8%。大学の先生が中心ですが、教員が12人ということです。そのほか に検査機関とか美容、マスメディア、人材派遣会社が35人で4.8%。職業にきちんと就い ておられる方が813人のうちのほとんどです。不明というのが39人ですけれども、ほとん どの方がキャリアを生かした仕事をなさっておられるとのことです。  この813人の中の公的資格を持っておられる方が347人で42.7%。やはり管理栄養士、 栄養士の両方合わせて22〜23%。やはり薬剤師の方が非常に多いです。医師、歯科医師、 獣医師が14人、保健師、看護師、准看護師ということです。そのほか、臨床検査技師、診 療放射線技師、理学療法士などということで、中には学位を取得しておられる方が20人、 2.5%おられます。  私たちのところでは、食品保健指導士に認定された方は、一応、食品保健指導士会とい うOB会がありまして、認定者による情報交換、研修、親睦の場として日本食品保健指導 士会をつくっております。この中では現在、日本食品保健指導士のいろいろなアンケート などの調査もしております。  次に、食品保健指導士あるいはもっと広く、保健機能食品あるいは健康食品のアドバイ ザリースタッフについての将来課題と対策を考えてみますと、今までのアンケート調査の 結果等から見まして、まず消費者への適切な情報提供という観点からの課題が幾つかあり ます。1つは、人材の確保です。やはりこういう職種の方を消費者は望んでいるんだけれ ども、人材の確保という点でまだ十分ではないだろうとのことです。現在の人数として800 人。知識・経験のレベルも問題になります。私たちのところで、公的な資格を持たずこう いう仕事をなさっている方の35%ぐらいから、知識・経験のレベルが低いので不安だとい うようなアンケート調査も出ております。  それから、やはり専門職としての社会的認知度をもっと向上させなければいけないとい うことも一つの問題です。その問題解決の具体策としては、一つは専門職としての国家認 定、これはなかなか難しいかもしれません。あるいは自治体認定、あるいは国あるいは自 治体が認めた第三者機関による認定ということ、これは今のNRもそうですし、私たちの ところもそういうことですけれども、それをもし国・自治体の方でそういう機関として認 めていただけると、かなりいいのではないかと思います。  もう一つは、各種のアドバイザリースタッフ認定制度、これはいろいろなものがありま すけれども、これを統一化するということも重要なことではないかと。可能ならば、学会 形式の組織を設立するということ。これはアドバイザリースタッフの社会的認知度も向上、 専門性を向上にも役立ちますし、あるいはアドバイザリースタッフのレベルアップ及び専 門職としての意識の向上を図ることができるのではないかと思っております。  以上です。 ○大野座長 どうもありがとうございました。  それでは、梅垣先生と林先生から御説明いただいた内容について、御質問・御意見があ りましたら、お願いいたします。 ○宗林委員 今2つのアドバイザリースタッフに関する制度の御説明があったんですけれ ども、林先生からもお話があったように、今の2つ以外にも非常にたくさんのアドバイザ リースタッフ養成研修が実際にはあります。今の2つの資格制度の中でも研修内容のプロ グラムによって、例えば、表示まで含まれているのか、あるいは法的な側面まで触れるの か等、差異もすごく大きいですし、また、ほかの認定制度を見てみますと、その内容はよ り一層差が大きいのが実態です。消費者から見たときに一定の要件として研修を受けた方 というような形で、わかりやすい一定のものにしていただきたいなと思っています。  それと同時に、これも今お話がありましたが、薬剤師さんの名札の励行という話があり ますけれども、それと同じように認知度、どういう人がそういう資格を持っていて、この 人に聞けばいいということがきちんとわかるような形になること。この2点を是非この制 度についてお願いしたいなと思っております。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかに御意見ございますか。 ○神田委員 私も同じようなこともありますが、そもそもの目的との関係で、実態が研究・ 開発、流通が73.6%ということになっていますけれども、それは一体どうしてそうなって しまっているのか。目的との関係ですと、例えば、薬店等で私たちが買うときにアドバイ スをしてくださるというようなイメージを持っているわけですが、現実は全く違うような 活躍の場になっているということは、もしかしたらカリキュラムの問題があるのか、ある いはそのほかの問題があるのかわかりませんけれども、その辺はどう分析なさっているの かなということが一つ。  実際に、どこにいるのかわからない、少ないからわからないと思いますが、今、宗林委 員もおっしゃいましたけれども、誰がそういう人なのか見分けもつかないですし、それか ら、具体的にどういうアドバイスをしてくれるんでしょうか。商品知識なども持ち合わせ てしてくれるんでしょうか、その辺が消費者のニーズというか、望んでいることとフィッ トしているような形でなされているのかどうか、その辺が今疑問に思ったんですけれども。 ○大野座長 ありがとうございます。  林委員、梅垣委員、いかがでしょうか。 ○梅垣委員 消費者にアドバイスするというのは、例えば、国が保健機能食品制度をつくっ ていますが、保健機能食品とそれ以外の食品とのは明らかに違うと思います。その違いを 伝えていかなければいけない。大体問題になるのは違法にインターネットなどで購入した 違法な薬物を添加したようなものです。そのような製品で健康被害が起こることがありま すから、まず、全体像をまず伝えるというのが1点です。  NRの場合、しっかりとした食生活をしてほしいといった、基本的なことも栄養問題で すから伝えていけるようにしています。ただ商品を売ればいいというもので動いているわ けではないと考え、我々も対応しています。ですから、例えば、お客さんが薬局に来て調 子が悪いと、では、すぐにこういう食品を勧めるというわけではないのです。お客さんの 話を聞いて、薬と食品の違いとかを説明する。利用するメリットとリスクの両面があると 思うんですが、そういうことも説明してほしいということです。説明するには、やはりあ る程度の知識がないとできませんから、そういう知識をNRの方には習得してほしいとい うことで思っています。 ○林委員 最初に宗林委員がおっしゃったいろいろな講習会、講座でのカリキュラムの見 直しといいますか、カリキュラムをもう少し統一した方がいいだろうと思います。これは 先ほど申しましたように、平成14年2月20日付で新開発食品調査会報告書が出ています が、その中に、食品保健指導士あるいはアドバイザリースタッフは持たなければならない という知識が一応まとめられているんですね。それに準拠することは大切です。  ただ、平成14年と今との違う面があります。たとえば、具体的にやってみますと、リス クコミュニケーションの問題が、その当時よりも今の方が非常に重要視されています。  それから、先ほど神田先生がおっしゃったように、店頭での説明が重要なんですが、実 際に講座への応募者をみますと、食品企業の方が多いです。しかし、企業からの応募者の 中には流通やコンサルタントとして仕事をしている方が多いので、実際には店頭で仕事を される方も多いと思います。そこで、実は私たちのところでは健康食品の企画や開発の問 題、製造工程の問題を一つのカリキュラムに組みまして、そういう方が店頭で御説明する ときの一つの知識を学んでいただいております。ですから、宗林先生がおっしゃったよう に、カリキュラムを統一することの他に、時代に即してカリキュラムの内容を改正するこ とも大切です。以上です。 ○大野座長 ありがとうございました。  ほかにございますか。 ○宗林委員 これは今すぐにということではないのですが、やはり消費者から見ますと、 販売時に具体的な商品について教えてくれる方を本当は切望しているわけです。そういう 観点から言いますと、商品側の問題として商品の表示に余りにも情報がないものですから、 成分として、あるいは一日の栄養としての説明は、勿論いろいろな知識をお持ちの方でし ていただくことはできると思うんですが、本当の意味でのAという商品とBという商品の 違いなどをその場面で製品を説明するのが困難な状況にあるんじゃないかと切に感じてお ります。  ですから、アドバイザリースタッフの認定制度自体をこれから充実させていただきたい と思うのと同時に、その方たちが十分力を発揮していただけるように、商品の表示の問題 を整えていかないと、本当の意味での消費者にとっての説明責任を負えないんじゃないか と思っております。一応、意見です。 ○大野座長 ありがとうございます。  ほかにございますか。 ○東洋委員 こういう認定制度をつくられるのは、すごくいいことだなと思いますが、今、 御議論があったように数が少ないのと、資格者をどういう形で配置するのかという強制力 がないと、こういうものは普及しないのだろうなと思います。  今、現場のお客さんの一番の質問は、要するに、健康のためにと意識を持って飲んでい るものが、自分が今ほかに飲んでいるものと一緒に飲んで大丈夫なのとか、先ほど薬理作 用の話がどうのという定義的な話をされましたが、そのとおりなんです。実際の現場では、 私は今高齢者でもありいろいろな薬を飲んでいますが、この薬とこの健康食品を飲んでい いのでしょうかとか、今飲んでいるんだけれども大丈夫かとか、そういう相談が圧倒的に 多いんです。ですから、そういう意味で、薬理学であるとか血行体内動態学であるとか、 医師・薬剤師などそれを専門にやっている人間じゃないと判断がつかない、そのレベルま での話をこういう中でするのか、そういう意味で法律的な2つ同時は難しいんじゃないか という話をしたんです。  ですから、製造的な安全性、原材料が安全かどうかというのはGMPの問題で十分足り ることだと思いますけれども、議論が2つごっちゃになってしまっているような気がする んです。分けて考えないと難しいのではないかと思います。 ○田中(平)委員 日本で出版されている書籍等での健康食品の有効性及び安全性につい ての記述の出典は、元になっているのが、本質的にはアメリカの『Natural Medicines  Comprehensive Database』というものです。これには、いわば関与成分、素材について ほぼ全部網羅されておりますし、最近では日本の特保についても掲載されるようになって きています。この本の特色は、いわゆる化学名、通称、一般にはどういう目的で使われて いるかも書いてあります。そして、それぞれについて有効性のレベルが書いてあります。 日本語は「多分」とか「恐らく」というのが非常にあいまいですので、大変申し訳ありま せんが英語で言いますが、Convincingであるか、あるいはLikely、あるいはProbablyと 言っていいかもしれません、そしてPossibly、そして、Insufficientというようなことで、 安全性も有効性と同じようにランクづけが明確に書いてあります。今おっしゃったような 体内動態の話も書いてあります。作用についてのメカニズムも書いてあります。更に、医 薬品及び他の健康食品との相互作用も書いてあります。非常に丁寧です。  この本の一番の特色は、アメリカで100人以上の主として薬剤師の方が、新しく出てき た論文をレビューして、出るたびに更新していて、その情報についてもインターネットで 開くことができます。ハードコピーは物すごいボリュームです。日本の本は大体それを参 考にしています。  もう一つの特色は、100人ぐらいの薬剤師がレビューしておって、全く中立的な立場に 立っています。いわゆる業者側にも寄っていませんし、消費者側にこびを売るということ もしていません。まさにエビデンス・ベースドの本であるというのが非常に評価されてい ます。FDAも公認している書物の一つです。  もう一つの特色は、先ほども質問がありましたように、商品と結びつけることができる。 この成分はどの商品に含まれているとか、この商品はどの成分を含んでいるということが、 利用者から行き来できるようになっています。日本語訳も内田先生の御尽力で日本医師会 監修、薬剤師会もそうだと思うんですけれども、推薦という形でも出されておりますが、 そういう訳本が出ております。そういった科学的根拠に基づいた内容を私は消費者側に提 供できる人であると、健康食品を選ぶときでも科学的根拠に基づいて、これはどういうレ ベルのものであるのか、有効性についても安全性についても、そして、医薬品を飲んでい る人はどうしたらいいのかといった情報を得ることのできる資料で、私は高く評価してい るものです。これに勝るものは現時点ではちょっとないように思います。そういう情報を 流すのがNRの使命であるというような気持ちで、この本の翻訳書をつくったわけです。 ○大野座長 ありがとうございます。  今の2つのシステムの目的というのは、特保とかそういうレベルのものの説明のために つくられたと理解してよろしいんでしょうか。 ○田中(平)委員 特保だけではないです、広く健康食品全般についてです。 ○大野座長 そうすると、今回の対象であるそれ以外のもの、いわゆる健康食品というも のに対しても教育が行われていると考えてよろしいんでしょうか。 ○林委員 はい。 ○大野座長 ありがとうございます。  それから、1つ質問させてください。NRの倫理ということを教えていただいていると いうことですけれども、倫理に基づいて何かおかしなことをした場合には資格を剥奪とか そういうことはあるんでしょうか。 ○梅垣委員 それはできないと思います。どうやっているかというのはわかりませんけれ ども、基本的にしっかり説明ができる人を養成して、その人が科学的根拠に基づいて、現 時点でわかる根拠に基づいて説明する。最終判断は消費者がするということです。だから、 勧めるというのはいろいろな問題もあるのですが、最終判断は消費者にしてほしいという ことです。それを説明するのは、あくまで科学的根拠に基づいた判断でやってもらうとい うことです。変なことをしたからNRの資格を剥奪するということは無いと思います。 ○大野座長 日本トキシコロジー学会で、認定トキシコロジストをつくったときも、やは りそれがちょっと話題に上リまして、剥奪というところまで……。 ○田中委員 取り消すというような表現ですか。 ○大野座長 たしか、そういう形のものができるようにしたと思っています。 ○田中委員 資格が失効するという表現だったかもしれません。 ○松永委員 新しい論文、新しいデータが続々出てきて、田中先生のお話でも常に更新さ れているということですので、御活動しておられる方々には私も敬意を表します。その上 で、更新制度をどうお考えなのかということをもう少し詳しくお聞きしたいんです。つま りNRも更新試験は行っておられない、それから、林先生の日本健康・栄養食品協会でも 試験は行っておられなくて、もう少し厳しくされた方が、より信頼度が高まる、そして、 知識としても説明スキルという意味でもアップしていくと思うんですが、今後どのように お考えなのでしょうか。 ○林委員 更新のことは、私は一番重要視しているんですね。これは新しい知見に常にフォ ローしなければいけないということで、更新するためには、しかるべき単位を常に1年間 にどのくらいとらなければいけないということがあるんです。これは、やはり生涯学習を 前提とする専門職だという立場で、これは年2回の最新情報の講習会に出ていただかなけ ればいけませんし、関連する学会がいろいろございますでしょう。日本健康科学学会とか 日本トキシコロジー学会でもよろしいですし、それに出ると単位がとれて、それを更新の 条件にするんですね。ですから、その単位が満たされていない方は更新の申請ができない ということです。ですから、新しく試験をするというよりも、やはり積極的に知識・経験 を身につけておられるということを証明できれば更新できるという立場をとっております。 ○大野座長 ありがとうございます。日本健康・栄養食品協会の資格についても、更新制 度があるということですね。  ほかにいかがでしょうか。 ○寺本委員 私は余りこの制度をよく知らなかったんですけれども、最初お聞きしていて よくわからなかったのは、この方たちがどういうことを一番メーンにするのかということ がお話を聞いていてよくわからなかったんですが、要するに、消費者に向かって説明する ような立場ですね。消費者に向かってこういうものを説明すると考えたときに、本来であ るとどれくらいの人がどういう位置にいるべきなのかという辺りの設定がないと、例えば 二千何人という数字というのは本当に少ないのか、多いのかも私はわからないんです。そ うすると、この方たちが例えば企業に勤めてしまうと、やはり向かっている方向が違うの かなという気がしますし、そういう方たちが店頭に出るのだということになると、数が極 めて少ないという感じがしますし、その辺のこういう方たちの認定の意味というか、どこ にこの人たちが位置するのかという辺りの御議論はどうなっているんでしょうか。  それと、我々も今回、内科の認定医のことなどを考えていて、人数がどれくらいいるべ きなのか、要するに認定すべきなのかという辺りを計算したことがあるんですけれども、 そういう目的によってどれくらい人数が必要かということはあるんじゃないかと思うので、 その辺はいかがでしょうか。 ○梅垣委員 人数的には多分足りないと思います。我々が把握しているのは、例えばドラッ グストアで実際にNRの資格を取って、お客さんにいろいろな対応をしているということ です。NRを取られている方の半分ぐらいが薬剤師なんですね。ですから、現場でそうい う対応をされているというのは大体見えていますが、人数的には多分かなり不足している と思います。  一番の問題は、いろいろな認定機関が現在は乱立している状態なのです。もしNRがこ ういうものだと消費者が認識すれば、NRの資格を取ろうという人もかなり増えると思う のですが、今の状態ではなかなか難しいと思います。どこが違うかというのが消費者に見 えないというのが一番の問題です。 ○寺本委員 私が理解していなかった一つの理由は、要するに、これに似た認定制度がいっ ぱいあるということなんですね。 ○玉川室長 御説明しますと、厚生労働省の医薬局の食品保健部長通知で、キーとなるコ ンセプトについては、さまざまな健康食品について正しい情報を提供して、身近で気軽に 相談できる人材を養成することが大切だということで、こういう考え方のもとにあるべき だということは、審議会の調査部会の結果をお示ししております。ただ、実際にそれをど こが担うかという話については、民間の方でそれを養成して、実施主体としてそうしたと ころが養成講座を行っていくべきだという考え方でやっておりますので、さまざまなとこ ろがその後出てきました。今までこういう仕組みがなかったということもあって、さまざ まなところが出ているんですが、私どもの方もコンセプトを出したままになって、こうし たコンセプト自体は大事だということは、その後も言ってきたんですけれども、若干その 後の状況の把握で言いますと、所管法人などは割と情報は入るわけですが、実態の把握が 遅れているところがありますので、そうしたものについてもしっかりとつかんで、今後ま たどうあるのかということについて問題を確認して、このコンセプトについても見直しが 必要なのかどうかということを並行して進めていかなければならないと思っております。 ○宗林委員 さきほど松永先生の方から継続の研修の話がありましたけれども、今日御紹 介いただいた2つのところは研修内容が特に充実したところだと思います。一方、数時間 研修を受けるだけというものもあるのではないかと思います。いわゆるアドバイザリース タッフという定義がないものですから、そういったところも含めて多分、10〜20ぐらいあ るんじゃないでしょうか。インターネットで検索しますとかなり出てくるような状況があ りますので、そこ自体が先ほど私がお話ししましたようなプログラムの統一性であるとか、 どのくらいの要件を満たすという意味では、今日お話を聞いた以外のところも含めて統一 性が必要ではないかという意見です。 ○梅垣委員 そういう状況もありまして、研究所がある程度、アドバイザリースタッフの 質を担保する、こういうカリキュラムで、こういうふうにやらなければいけないという方 向性を研究所として出しているというのが現状なんです。この先どのように展開するかは わかりませんが、乱立してレベルの異なる養成認定機関があります、このレベルにしてほ しいという方向性みたいなものを出すというのが、研究所がNRの事業を行っている一つ の意味と私は認識しています。 ○大野座長 ありがとうございます。  大体アドバイザリースタッフの制度についての実態が御理解いただけたかなと思います。 先に進んでよろしいでしょうか。  それでは、今までの検討会で論点整理に従いまして御議論いただいてきましたけれども、 一応それぞれについて御検討いただいたと思います。これからは、検討会としての報告書 を取りまとめる必要がございます。本日は、事務局に報告書の骨子案を作成していただき ました。これを基に議論していただきたいと思います。  ただ、骨子案を先生方に送ったのは多分昨日の夜で、十分な検討をいただいていないの ではないかと思いますので、事務局から丁寧に説明をいただいた上で御議論していただけ ればと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○玉川室長 座長からありましたように、資料の送付が遅くなりまして申し訳ございませ ん。報告書を最終的に作成するために、その骨子となる大枠について骨格ということで、 今回は骨子案という形でたたき台を提出させていただきました。本日は、こうした骨格に 大枠として、このような方向性でよろしいかということと、その骨格を基にした上で、実 際報告書にどこまで具体的なことを書き込んでいくかというのは非常に悩ましいところが あるわけでございますけれども、実際に肉付けをすべき事項として、こういう事項につい て触れるべきだということがあれば、そうしたことを御指摘いただいて、その骨格に肉を 乗せていって、報告につなげていきたいと思っております。  見ていただければわかるんですが、特に健康被害情報の収集及び処理体制の強化と、消 費者に対する普及啓発というのは、今日、補充の議論をいたしましたけれども、前回の検 討会でほとんど議論を終えていたようなところもありまして、具体的な展開というものが 薄くなっているところがございます。したがいまして、こうしたところも含めて御議論い ただければと思います。  それでは、内容を紹介させていただくということで、私の方から読み上げさせていただ きたいと思います。 (資料4「報告書骨子案」朗読) ○大野座長 ありがとうございます。  それでは、骨子案について御説明いただきましたけれども、順次項目ごとに先生方の御 意見を伺いたいと思います。  まず「はじめに」というところについて御意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょ うか。 ○鬼武委員 具体的な進め方なのですけれども、骨子案が出て、次に報告書案が出て、全 体の進め方はどうなるのでしょうか。今日1回で全部ざっと見て、骨子案が出て、それか ら、最終報告書みたいな形がもう一度出て、それについて議論するのか、その辺をまず説 明してもらえませんか。それによって我々の意見の仕方が違うと思います。 ○玉川室長 進め方でございますけれども、まず、骨子という形で骨格について方向性に ついて本日御議論いただきまして、付け加えるべき問題点等について御指摘をいただきま して、本日時間も限られていることでございますから、この後持ち帰っていただいた上で、 更にお気づきになった点等について、先生方からまず1回で寄せていただきます。それを 基にもう少し最終報告に近い形での素案をおつくりいたしまして、その段階でまた先生方 に見ていただきまして、その調整を踏まえた上で次回の検討会にもう一回お出しして、そ れで最終的に全体的に見て適当なものかどうかということでおまとめしたいと思っており ます。 ○鬼武委員 わかりました。 ○大野座長 よろしいですか。 ○宗林委員 これまで原材料からの安全性確保のガイドラインの御説明がいろいろあった と思いますけれども、この扱いはどういう形になるんでしょうか。 ○玉川室長 具体的な報告書といいますか、どこまで書くかというのは我々も悩んだとこ ろでございますけれども、具体的なガイドラインそのもの、フローチャートそのものを報 告書の一部にまで取り入れる必要があるのかどうかというのも、私ども悩んでおります。 現行のガイドライン等で、例えば、第三者認証を前提としたような記述が現在のガイドラ インには全くございませんし、そうしたところで今の部長通知を改めなければならない、 行政的に通知などの改正は必要だと思っておりますけれども、今御議論いただいたもの自 体を報告書の例えば別添みたいな形でつける必要があるのかどうかところについて悩んで おりまして、今の私どものたたき台といたしましては、そこまでは入れないけれども、あ あいうものを前提に今後こういう行政を進めていくという理解のもとに報告書を組み立て るという形で出そうかと思っております。 ○宗林委員 そうすると、既存の自己点検フローチャートがございますよね。それとの関 係はどういうふうに整理されるんですか。 ○玉川室長 既存のフローチャート自体の考え方というのは、それほど間違っているとい うものではないと思うんですけれども、それを事業者において実施する段階において、よ り実践的で取り組みやすい形ということで業界でまとめたものがあると思っております。  したがいまして、実際にあれを実施する段階において、そういう現場の取り組み等も加 味してつくったものとして、こういうことによって進めていけば、実質上ステップの見る 順番というのは若干違っているんですけれども、全体として今の自主点検フローチャート で見るべき内容が満たされるといったようなことをブリッジするような通知を例えば出す ことなども考えられると思っております。 ○大野座長 よろしいですか。  それでは、今回の議論を踏まえて、後で報告書の案をつくっていただいて、それを皆さ んに見ていただくと。次の会議がいつになるかまだ決まっていませんけれども、その前に 余裕を持って配っていただいて、その上でまた意見をいただいて、修正したものについて 次の会議で更に検討するということを前提に、この骨子案について御議論いただきたいと 思います。  まず「はじめに」について御意見を伺いたいんですけれども、いかがでしょうか。 ○林委員 最初に、注のところで「健康食品については」が記載されていますが、この注 は、最後まで残るものなんですか、消えてしまうものなんですか。 ○玉川室長 これは、このまま最終的な報告書においても入ります。何を対象としたのか という入り口の議論が今までもずっとございましたので、まさに検討会の名前にもかぎ括 弧つきで出ているところですから、それは入れなければならないと思っています。 ○林委員 では、これは最後まで残るということですね、わかりました。 ○宗林委員 このかぎ括弧は消えるんでしょうか、消えないんでしょうか。 ○玉川室長 検討会の名前自体にかぎ括弧がついているので、最初に引用するときには「健 康食品」ということでかぎをつけております。ただ、最後までそれで通しますとかなりく どいというところがありますので、注の後についてはとっております。 ○林委員 私がここで申し上げたのは、以前にも健康食品という用語が使われていながら、 そのうちに一般食品と同じ扱いになってしまったという経緯があるんですね。そうすると、 こういう文章が残ればいいんですけれども、そうでないと、再び特保以外は一般食品に属 するということになりまして、健康食品というのは法規的に存在しないものであるという ことになってしまう可能性がありますので、ちょっとお聞きしたわけです。 ○宗林委員 もし、こういうふうにかぎ括弧つきでの定義を注として載せられるのであれ ば、最後まであくまでもかぎ括弧つきの健康食品の記述なんじゃないでしょうか。 ○玉川室長 どうしてもということであれば、この報告書の中で全部つけるということは あり得ると思いますけれども、そこまで必要かなとは思ったんですが。  いずれにしろ、この報告書の中で行うものについての範囲というのは、ここで一応明確 にしたつもりです。 ○大野座長 一番最初にきちんと書けば、あとはわかるんじゃないかと思うんですけれど も、一つずつ書かなくても。 ○宗林委員 であれば、かぎ括弧なしで「ここでの健康食品は」と定義付けるべきなんじゃ ないでしょうか。「健康食品」で定義付ける場合は……。違いますでしょうか、皆さんの御 意見を聞いていただいて。 ○大野座長 私の理解だと、最初のパラグラフでかぎ括弧をつけて全体的に広くとってい るので、次もかぎ括弧をつけたら、それと同じになってしまってまずいんじゃないかと思っ たんです。注につけて健康食品とはこういうものだと定義したので、その後はかぎ括弧な しでやる方がいいんじゃないかと思います。ほかの先生方の御意見も伺いたいですけれど も、いかがでしょうか。 ○東洋委員 先ほど林先生が言われた意味がよくわからないんですが、どういう意味なん でしょうか。いわゆる健康食品というのは。 ○林委員 それは、過去20年ほどの歴史を追っていかないと理解できないので、簡単にご 説明します。最初に健康食品とは、健康の保持増進に資する食品として販売利用されてい るもの全般を指しているというニュアンスの定義がなされていたんです。それが1993年に 特定保健用食品という制度ができたときに、特定保健用食品以外のいわゆる健康食品は一 般食品、すべて健康の保持増進というものを標榜することは許されない一般食品の中に入 れられてしまったのです。逆に言いますと、健康の保持増進に役立つということを示すた めのいろいろな研究努力というものが全く特保以外は無視されてしまったという経緯があ るんです。健康食品というのは法律的には日本には存在しないということになってしまっ たんですね。それが今までの経緯ですけれども、同じことを繰り返さないように、かぎ括 弧がつくかつかないかは別として、健康食品という概念は残してほしいという意味で注を 残してほしいと申し上げたのです。 ○東洋委員 そうすると、下の方に書かれているような「その一方」ということで十分説 明がされているのではないかと思ったんですが。かぎ括弧に余りこだわらなくてもいいん じゃないかと思ったんですが。 ○林委員 そうですね、私もそう思います。  かぎ括弧をつけた理由を、もう一回御説明いただけますか。 ○玉川室長 この検討会自体の正式名称が『「健康食品」の安全性確保に関する検討会』と いうことでして、健康食品というものはさまざまな意味で使われている中で、広い意味で 言いますと、特保みたいなものについても健康食品の機能を果たすようなものとして議論 されることもあるものですから、そこを区切るということもあって、検討会の名称として かぎをつけております。  開催要項の検討課題の中でも『「健康食品」における安全性の確保について』ということ で今までやってきたので、そうした会の成り立ちなどからいくと、これを議論したんだと いうことを最初に示さなければならなかったんです。さすがに全部入っているのはどうか なと思ったんですが、なお誤解がされる余地があるというのであれば、また別途文言は考 えます。 ○林委員 私はかぎ括弧をつけてあっても余り違和感はないと思うんです。というのは、 健康食品の中で特定保健用食品を除いたものとなっておりますので、余り違和感はありま せん。勿論ないにこしたことはないかもしれないですけれども、以上です。 ○大野座長 実質的な追加等についても御議論いただきたいと思うんですけれども、私が 気になったのは、イントロのところに原材料の安全性の確保が重要であるということを 言っていて、製品の安全性については、後でそういう意味のことは入っていますけれども、 それは触れていないんですね。先ほど不適切な製造とか原材料に変なものが入ったとか、 本来起きるはずのない状況においてそういう問題が出てくるんですけれども、そういうこ とも含めて製品の安全性の確保も目的に入った方がいいんじゃないかと思ったんです。い かがでしょうか。  そのほかの先生方から御意見ございますか。 ○松永委員 今回この検討会を通じて、一般の消費者にいかに理解していただくかという ことが重要な点だろうと思うんです。これは「はじめに」に限ったことではないんですが、 この報告書骨子案全体がかなり難しい。一般の消費者にはちょっと難しいなと言わざるを 得ないというのが全体を通じての印象なんです。  例えば「はじめに」というところを見たときに、「食経験がない」とか、「これまで一般 に飲食に供されることがなかったものや特殊な形態」とか、特殊な形態というのは、つま り量の問題を言っているのかなと、いろいろ読みとれるんですね。恐らく一般の消費者が これを読んだときに、何を具体的に言っているのかということがイメージできないのでは ないかと思うんです。報告書は、誤解がないように非常に厳密に書いていかなければいけ ないということは勿論ですけれども、やはり今回の問題は一般の消費者にきちんと理解し ていただくということも重要なので、もう少しわかりやすく具体性を持って「食経験がな い」という一言で書くよりも、「一般に食べられてこなかった」とか「食べていたとしても 通常摂取しなかった量をとる」とか、もう少し具体的に書いていただいた方がいいのでは ないかなという印象を受けました。 ○大野座長 ありがとうございます。御検討をお願いします。  ほかにございますか。  これについての御意見ですけれども、この中に含まれている表現は最終的な案をつくる ときの材料ですので、この中の細かい表現については今議論しても仕方がないので、内容 として骨子として入れるべきものとか、これは要らないとかそういうことについて御意見 をお願いいたします。  では、「2.製造段階における健康食品の安全性の確保を図るための具体的な方策」の「(1) 基本的な考え方」について御意見をお願いいたします。いかがでしょうか。 ○神田委員 3つ目の「○」の「しかしながら」というところなんですけれども、「消費者 が把握し難いものとなっていることから」とあるんですが、製造事業者において、こうし た取り組みが十分なされているか否かの判断はなかなかできないというのが現状であると すれば、それは何も消費者側が把握しがたいものではないと思いますので、その辺は「現 状が把握されるような状況にないので」ということで「以下」にいくのではないかと思う んですね。逆に言えば、消費者が把握していないだけであって、行政なり何なりは把握で きているのでしょうかというところです。そこがちょっとあいまいなので、余りあいまい にしない方がいいかなと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。  それでは、「(2)原材料の安全性の確保」について御意見をお願いいたします。ここにつ いては、先ほど宗林先生がおっしゃった安全確保の考え方について、注か何かにするか、 添付資料としてつけるか、それも検討していただくということですか。 ○玉川室長 そうですね、かなり具体的に、本当にこういう仕組みによって担保できるの かどうかということをわかっていただくためもあって、事業者の細かい取り組みまで全部 この検討会でお見せしましたけれども、そこを検討会自体として内容がいいのかどうかも 含めて、裏書きするような形で添付するのが本当にいいのかどうかというところもありま す。かといって、あそこまでいろいろと議論しながらあっさりというのも悩んだところな ので、骨としては多分こういうことだと思うんですが、具体的にどの辺までこの会自体と して、ここまでは要望するよという形で盛り込んだ方がいいのか、むしろイメージを教え ていただければなと思っております。 ○林委員 この報告書は、どういう立場のなんですか。通知とか通達とか、どういうこと ですか。 ○玉川室長 これ自体は、有識者が食品安全部長の私的懇談会ということで、かくあるべ しということでまとめたものであって、その提言を受けて具体的に指摘された事項の中で 行政として、幾つかこういうことをやるべしということがまとまると思うんですが、それ ぞれについて、例えば、こういう通知改正をしましたという個別の措置をやって、指摘さ れても中にはひょっとしたら実現が難しいものもあるかもしれませんけれども、それに対 しては行政としての説明責任は掛かってくるという性格のものだと思います。 ○林委員 そうしますと、この文章の中に、例えば、ここで安全性の評価ガイドラインと か第三者認証の問題もありますけれども、それについてのこれからでるはずの文書との関 連性を少しわかるようにした方がいいと思うんです。例えば、3つ目の「○」、例えば基原 原料を中心としつつも最終製品も視野に入れて実施すべきものであるとありますが、とす れば、これについてはそのガイドラインの中で詳しく書かれていますので、そこを参照す るようにといった、ほかの資料との関連を少し書いてあると、その資料も生きてくるし、 この報告書ももう少し具体化されるのではないかと思いますけれども、そういう添付され るべき文書との関連性を少し考えた方がいいかなと思います。 ○大野座長 その辺を文献を引用するとか、そういう形ではどうですか。 ○林委員 この報告書を文献とみなしていただいてもいいですし、例えば、何年に出た安 全性評価ガイドラインとか、そういうように関連を書けばいいと。大体、報告書の中に文 献が引用されるということが割合に少ないことが多いので、文献として引用されてもいい と思います。そうしないと、今までのいろいろな苦労が全然生きてこないということにな りますね。 ○永留委員 上から3つ目の「○」の最後の文章で「その評価は、基原原料を中心としつ つも最終製品も視野に入れて実施すべきものである」とありますが、「その評価」というの が安全性の全体的な評価なのか、同等性の評価なのかちょっとわかりにくいところがござ います。今、林先生からもありましたように、業界で検討しておりますガイドラインでは 原材料の安全性を評価し、その原材料を使った最終製品の安全性も評価するといった流れ で準備しておりますので、そのニュアンスを入れていただければと思います。 ○大野座長 よろしくお願いいたします。  ほかに御意見ございますか。 ○田中委員 今の林先生、永留先生の意見もそうですけれども、やはり先ほど室長が言わ れたように、どこまで書くかというのは非常に難しいと思うんですね。今そちらから出さ れたものが資料として出たら、それがすごく引っ張られてくると思うんです。どこで検討 するかは知りませんが、GMPのガイドラインなりがあるとすれば、それはもう少し詰め ていかないと、ここで出されているのがどの企業でもいけるとも限りませんし、それが消 費者にとって本当にプラスになるのかどうかもまだわかりませんから、余り特別なフロー チャートなりガイドラインなりをここでつけるのは、やはり私も悩むところです。 ○大野座長 ありがとうございます。  次の「(3)製造工程管理による安全性の確保」について御意見を伺いたいと思います。い かがでしょうか。 ○鬼武委員 まず、3ページの下から始まるGMPについては、いわゆる今回の製造工程 管理における安全性のGMPの定義を書いているのですか。「製品の均質化を図り、信頼性 を高めるために、原材料等の受入れから最終製品の包装・出荷ら至るまでの全行程におけ る製造管理・品質管理の体制を整備すること」をGMPと呼んでいると、そのままの文章 ですか。 ○玉川室長 概念としてはそうです。 ○鬼武委員 わかりました。そうしたら、それに関連して、原材料の安全性については、 いわゆる安全性ですから、最終的に4ページの3つ目の「○」の「消費者の信頼性の確保 に」、この辺は余り要らないのではないかという気がします。消費者の信頼性については幾 つか全体を通じて文章で出ているのですが、原材料とかいろいろなところにぽつぽつと同 じことが何度も何度も繰り返されているのですね。それに対して、一つにまとめて最後の 消費者の啓発とか普及について、消費者から見ても原材料等がきちんと管理されているも のを買って、それが信頼性になるとか、1か所でいいような気がしますので、何箇所か「信 頼」という言葉が出ますが、前後がよく読めていませんけれども、ここはやはり安全性の 確保という前提の会議ということで最初から提案されていますから、そこを重視した報告 書の方がいいと思います。御検討をお願いします。 ○玉川室長 そこは多分この検討会の考え方の基本にかかわるところだと思うんですけれ ども、今まで各社において内部的には社内や何かで管理体制をやってきてこられたという ものを、ある意味今回、外部の目が入ることによって検証できる仕組みに変えていこうと。 それによって医薬品ほどではないにしても、製品の製造過程をばらして、それによって製 品としての信頼性にもつながっていくものにしようというのが、検討のかなり重要なコン セプトだったと思うんです。その話というのは、ある意味一体不可分であると私は考えて おりまして、安全性は安全性の会社の中での話だけということになってしまいますと、要 は外部の目が見たことが更に消費者がわかると。そうしたことによって、外部にさらされ ながらつくっていくということが、全体としての安全性のフィードバックという意味でも 重要だと思ってきたんですが、それははっきり截然と分けるべきであるというのが検討会 の総意なのかどうかということを改めて問いたいと思います。 ○大野座長 ここのところは私もちょっと気になったんですけれども、これは消費者の信 頼性を確保すればいいのかということで、本来の目的は安全性を確保するということも あって、その結果として、消費者の信頼性の確保につながるという表現の方がよろしいん じゃないかと思ったんですね。  ほかに御意見ございませんか。 ○永留委員 4ページ目の上から2つ目の「○」ですけれども、「GMPが行われず製品に 一定の品質が確保されなかった場合」と文章が続きますが、この場合GMPだけでなくて もISO等で製造工程管理をされている企業もありますし、GMPでなければそれは確保 できないというのは、少し書き過ぎかなと感じました。 ○大野座長 ありがとうございます。  ちょっと私の理解が弱いのかもしれませんけれども、原材料そのものの安全確保とかそ ういうものはGMPの対象外ということですか。 ○玉川室長 原材料は原材料の話でして、GMPは何をつくるかということがわかってい た後で、ちゃんとつくるというプロセスのところだけを定めたものです。ですので、先ほ どの説明が間違っていれば……。 ○大野座長 例えば、原材料の中に水銀が混じっていないかどうかとか、そういうものは GMPの対象外ということなんですか。 ○玉川室長 そもそも水銀だと材料として必要だと思う人はいないと思いますけれども、 怪しげな物質を入れていいかどうかというのが原材料のところだと思うんです。設計図と いうかこういうものをつくろうというものがあったときに、それを手順書としてばらして、 原材料の受け入れから、つくって包装するところまでのプロセスということが、ほかのも のが混入してこないかとか、濃度がちゃんとなっているかということを全部確保していく プロセスということがGMPということになるかと思います。 ○大野座長 受け入れるときですか。例えば、GMPだと動物を入れるときに、動物その ものが健康であるかどうかとかチェックする段階からGMPになるんですけれども。 ○玉川室長 詳しくは補足していただければと思いますが、受入れの規格基準みたいなも のが工程管理か何かで、あるいは手順書などで定められていて、それにのっとってちゃん と行われているかという、基本はそういうことだろうと思います。 ○田中(平)委員 健康食品という商品を作る前に、原材料をつくるとしたら、原材料自 身にもGMPが要るわけですよ。その次に、原材料を集めてきて健康食品という製品を作 るという場合には、そこでのGMPも実施するということで、二つを分けて記述している ように私は理解しています。まず、原材料をつくるんでしょうね、次にいろいろな原材料 を集めて健康食品を製造するわけですが、それぞれの原材料をつくる過程においてもGM Pはやるべきでしょうね。アメリカのGMPはそのように実際しておるようですから。 ○永留委員 実際、サプリメントメーカーさんでGMPをとられているところはかなりあ ると思いますけれども、サプリメントではなくて一般食品形態のいわゆる健康食品といっ た場合に、GMPをとっている工場があるかというと、なかなか難しいのではないかと思 います。私は知識はございませんけれども、一般食品と同じ製造工程でつくっている場合 もあろうかと思いますし、勿論そういった企業さんでは独自の受入れ基準だとか、製造基 準といったものをつくられていると思います。場合によっては、ISOを取られている企 業さんもあるということで、一般食品形態の場合には、ちょっと考える必要があろうと思 います。 ○大野座長 ありがとうございます。 ○田中(平)委員 特保の圧倒多数は通常の食品の形状をしていますが、それはGMPを やっていないんですか。 ○永留委員 やっていないと思いますよ。 ○田中(平)委員 そんなばかなことはないのと違いますか。業者の人は怒ってもいいん じゃないのかな。飲料水タイプをつくっているでしょう。特保なんか圧倒多数が飲料水タ イプ、通常の食品形態じゃないですか。それでGMPをやっていないんですか。 ○永留委員 今は特保のことを言っているわけではなくて、普通の健康食品のことを言い ました。 ○東洋委員 健康食品もそういうものが必要だという話を今されているんじゃないですか。 ○國枝課長 過去の資料を見ましたら、大濱先生が出されているGMPの第三者認証の中 には、いわゆる製品としての健康食品のGMPだけではなくて、原材料のGMPと、あと 輸入の場合のGMPがあります。GMPの場合は最終製品をつくる場合と、その基となる 原材料の場合と概念が幾つかありますが、今日、大濱先生がいらっしゃればご説明された んでしょうけれども、私の方から補足させて頂きました。 ○大野座長 私は、この記述で原材料の受入れから製品をつくるまでに限定しているよう な書き方だったので、ちょっと気になったんです。 ○田中(平)委員 (3)はそうだと思います。(2)が原材料までの話ですよね。今、課長が おっしゃったとおりだと思います。 ○大野座長 わかりました。 ○宗林委員 このGMPも含めて2点お話ししたいんですけれども、GMPがこの検討会 の中で御説明があったときに、GMPマークの内容の範囲に大分違いがあったように思っ ています。最終的には安全性全体を包括した一つのマークになるのか、GMPのマークが 残るのかどうかわかりませんが、もしマークが残るのであれば、その範囲を一緒にするか、 あるいはどの範囲なのかということは明確に統一してもらいたいということが一点目です。  それから、二点目は、「4.消費者に対する普及啓発」というところに書いてあるんです が、過剰摂取を避けるためにも、適切な摂取目安量の表示を消費者に普及啓発しましょう というところに書かれているんですが、私は製品側の表示という観点からも適切な使用量、 適切な目安量を表示すべきであるというところまでが、安全性確保に該当するのではない かと思っています。  一番最初のときから、例えば、関与成分が医薬品成分と同じような場合、今回コエンザ イムQ10の販売後の調査結果が出ておりますけれども、特保の場合は医薬品成分を超えな いようにということもありますので、安全性確保のための啓発だけではなくて、製品とし ての安全性確保のための関与成分を中心とした表示という項目も是非骨子案もは書いてい ただきたいなと思っております。 ○大野座長 ありがとうございます。それについては、どこに入れるかは検討していただ きたいと思います。  それでは、時間が迫ってしまって申し訳ないんですけれども、「(4)実効性の担保を図る ための具体的な仕組み」について御意見をお願いいたします。  私がちょっと気になったのは、認証機関の指定とか認証基準の設定とか、そういったと ころに対して行政機関の指導とかそういうものは必要ないのかと思ったんですけれども。 ○玉川室長 「設立や運営に当たっては」というところで、まだ腰が引けているのかもし れませんが、「情報交換や支援、連携」という文言、どこまで強い表現ができるのか検討さ せてください。 ○大野座長 お願いいたします。  ほかにいかがでしょうか。 ○松永委員 5ページの最後に「原材料の安全性評価やGMP一般に対する普及啓発等を 進めることを条件として、マークを付与することとすべきものと考える」とあるんですが、 これは、原材料の安全性評価とGMPと情報提供という3つをもってマークを付与すると いう理解でよろしいんでしょうか。ちょっとここの意味がよくわからないんですが。 ○玉川室長 原材料とGMPを必ずしも同じ第三者認証の機関でやる必要はないと思って います。ここで強調したかったのは、意味もわからないまま安全を示唆するようなマーク をつけて、消費者を惑わすようなことがあってはならないので、その意味するところを認 証機関がしっかりと普及・広報をして、GMPというのはこういう取り組みで、これで重 要なんです、それが終わっている製品なんですよと。あるいは原材料機関のテストという のは、こういうことが重要なのでということをやったものがこれなんですよという、普及 啓発をしっかりやってくれということであって、原材料とGMP自体は別の機関というこ とがあり得ます。 ○大野座長 いかがでしょうか。 ○金谷委員 今のに関連して追加でお聞きしたいんですが、例えば、安全管理やGMP、 原材料の安全性評価に対して積極的に取り組んでいくというところでは、当然、安全性が 今後一層確保されていくこととは思いますけれども、恐らくそうではないというか、そこ まではなかなか取り組めなくて、結果的にはこのような安全性確保が十分ではない、それ から、製造工程の管理等も十分ではないにもかかわらず、これは非常に有用であるという 広告をするというようなことも今後もずっとあるのではないかと思うんです。そういうき ちんとした取り組みがなされるところと、そうでないと言っては語弊があるかもしれませ んが、その違いということの普及啓発も今、室長がおっしゃったGMPの普及啓発とかこ ういうところに含まれると考えてよろしいんでしょうか。 ○玉川室長 ここ自体は、意味自体がわからないまま消費者にということがあってはなら ないということで書いたものでありますけれども、例えば先ほどありました、行政がどれ くらい関与するかというところ、行政当局も十分な情報公開や支援というところで、こう いう取り組みをやっているところとして、こういうことがあるという情報提供は我々はし ていかなければならないと考えておりまして、そういう団体の取り組みであるかどうかと いうことが、ある程度総体としてわかるようになればと思っております。 ○神田委員 下から2番目がよくわからないんですが、1つは言葉の問題で「安全性確保 に係る過程を経たものであることを確認しているに過ぎず」、1つは言葉の問題で「絶対的 な安全性」という表現はどうなのかなと。絶対的な安全性というのがあるのかどうか、言 葉としては「絶対的な」は要らないと思いますが、安全性を保証するものではないと。安 全性確保に係る過程を経たものであることを確認しているにすぎずということと、安全性 を保証するものではないということの……、どう受け止めていいのでしょうか。そして、 優良誤認を招くおそれがあるということですが、どういった優良誤認を招くのかというの は、ちょっとわかるような気もするんですが、はっきりと教えていただきたいと思います。 ○玉川室長 原材料の安全性評価とGMPというのは、製品の安全性を上げるためには必 要なプロセスだと思いますけれども、それをもって考えられるすべての食品リスクという ものが除外されているものではございません。特に、以前の検討会で坪野先生がおっしゃ られたと思うんですけれども、別に健康食品に限られないことだと思いますが、ある食品 をとったときに、その食品をとった摂取群がとっていなかった群と疫学的に調査してみた 場合にどういう傾向が出てくるかということでは、いろいろな状況があり得ることもある のでしょう。現在の原材料安全性確保の評価システムでありますとか、GMPの工程とい うものは、そうしたリスクを直接対処するようなものではないので、そういう意味で製品 の絶対的な安全性、逆に言うと、食品に絶対的な安全性というものはないわけですから、 絶対安心とか安全というのは本来あり得ないのだと思うんですけれども、こういうマーク をつけること自体が短絡に受け取られてしまうことがあるので、そこはこの検討会として もちゃんと足をとめて、このマークが意味するものはこういうものなんですと。更に、そ れをちゃんとわかってもらうようなこと自体を認証機関にしっかりとやってもらわなけれ ば、そもそもマークの付与という手段自体をとるべきではないのではないかという御意見 もあったと思うので、そうした認識を入れているものです。ちょっと表現が難しいので、 また御意見を具体的にいろいろいただければと思います。 ○國枝課長 私のイメージとしては、最初の原材料の安全性評価というのは、先ほど田中 先生からお話がありましたが、例えば、原材料が一定の手続において安全だという形になっ ても、その中の一定のものが非常に高められて、しかも、過剰摂取されやすいことになれ ば、それは安全性の評価がされていても製品としての安全性という意味でどうかという問 題もあります。  それから、GMPというのは、製造管理と品質管理を分けて、しっかりと行うという、 いわゆる手続的なものですから、例えば、原材料の安全性評価がちゃんとされていなけれ ば、あるいは製品としてきちんとした安全性評価がされていなければ、GMPとして手続 的には大丈夫でも問題がある可能性があるので、そういった面で、その製品が安全である と言ったものではないという意味ではないかと思っております。 ○大野座長 もう一つあると思うんですけれども、一般消費者にとってはGMPだから安 全だよだけではなくて、有効だよと言われる可能性もあると思うんですね。そういったこ とも誤認がないようにしていただかないといけないと思うんですね。 ○田中(平)委員 特保マークとは違うということですね。 ○大野座長 そうですね。  先に進んでよろしいでしょうか。「3.健康被害情報の収集及び処理体制の強化」。時間 が過ぎて申し訳ないんですけれども、もう少し時間をいただいて御意見を伺いたいと思い ますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。 ○宗林委員 この被害情報の収集に関して、いろいろな形でやられるということについて は大賛成なんですが、一番最初にもありましたように、健康食品の場合、因果関係が非常 に特定しにくいこともあります。7ページに「収集した健康被害情報の分析によって得ら れた新たな知見があれば」という形でまとめられておりますが、ここの分析あるいは追跡 というようなことをどのくらいきちんとやる体制をとれるのかというところを、もう少し 書き込むなり、あるいは体制をとられることが大切かと思います。例えば、私どもの国民 生活センターでも、年間少なくとも600件以上の健康食品についての危害事例があります。、 それについて今、一元化といいますか、内閣府を通じて各省庁にも全部送れるようになっ て情報共有がされているんですが、それを生かしていくという意味で、解析したり追跡す るというところが弱いということがあります。是非とも集めただけでは仕方がないので、 もう少し体制づくりをお願いしたいと思います。  あと、3つ目の「○」に「重篤な症状」という言葉がございますが、私どものところは 「重篤な」という場合は、1か月以上の治療を要する場合ということで一応の定義がござ いますが、ただ、健康食品の場合は、短時間で回復してもアナフィラキシーのように一時 的には大変重いものもあったりしますので、この辺りをもう少し丁寧に分けるなり、ある いは記述していただいた方がいいと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  ちょっと私が思ったのは、NRにそういう情報があった場合に、どこかに提供するよう な教育をするというのはいかがなんですか。義務化はちょっと難しいかもしれませんが、 こういうところにこういう手続を踏んで情報提供すべきだとか。 ○梅垣委員 基本的に、危害があったら保健所に言って、その情報が厚生労働省に上がっ ていくというルートができています。それをNRの段階でいろいろ行ってしまうと混乱を 招く可能性があります。そこで例えば、我々のところに実際に危害報告などがあるときは、 我々は必ず厚生労働省の方に言って、申し出た人には保健所にまず連絡してくださいと 言っています。ちゃんとしたルートがあるので、やはりそこは重視しないと混乱すると思 います。 ○大野座長 例えば、NRの段階でそういうクレームが来たときに、それを保健所に連絡 するとかそういうことをすべきだということですね。 ○梅垣委員 それは、ちゃんと厚生労働省が出されている対応要領に書いてあるはずです。 ○鬼武委員 私も3のところは例示がないとわからなかったのですが、最初のパラグラフ も、例えばどういう事例であったけれども、迅速にやって果たしてきたとか、法令の名前 だけ載っていて、これを読んだだけで処理体制が果たされているのか。文章全体の流れも あるのでしょうけれども、何か例示みたいなものが入らないとわからないという気がしま す。ちょっと難しいかもしれませんが、特筆されたような事例があれば是非検討していた だけないでしょうか。 ○大野座長 よろしいでしょうか。骨子を基に膨らませていくということですから、必要 なものを入れていただくということでお願いします。  ほかの点でございますか。ありがとうございます。  それでは、「4.消費者に対する普及啓発」について、御意見をお願いいたします。 ○東洋委員 今の情報収集とも関連すると思うんですけれども、8ページの1つ目の「○」 に書いていますが、先ほどお話のあったNRなどの養成は大変すばらしいプログラムだと 思いますけれども、現実問題として数が少ないということで、管理栄養士さんだとか薬剤 師さんとか、勿論何かあったときは医師に相談しなさいということですから、医師も含め たところにせっかくの情報をどうしてもっと流さないのかと。流して済むことではないの でしょうかという議論はなかったんでしょうか。新しいものをつくってやるよりも、実際 に実効性、早く効果を出させるために、何で今ある健康被害の情報というものをもっと速 やかに、栄養士さんや薬剤師さんやお医者さんに提供されていないのかなというのが疑問 なんです。実際の消費者の方はその辺に相談されますよね。されたときに適切に答えが返っ てこないから困っているという話ですね。更にまた別に専門家を養成するというのは、し かも、それは数が全然足りないわけで、実効性から言うと、今いる人たちを有効に利用し た方がいいんじゃないかと思うんです。そういう議論はされなかったんですか。 ○大野座長 得られた情報や解析した結果は、当然NRだけではなくて薬剤師なり医師な り、そういった人に対して情報提供するものだと思うんです。 ○東洋委員 実際に薬局・薬店というのは4万軒あるんですね。ドラッグストアも入れた らもっとすごい数です。そういうところに行かれる方が数十人、数百人ですか、これから 養成してもとても間に合わないだろうと思うんです。ですから、何かそういうところに問 い合わせるシステムをつくって、そこから情報を発信するとか、何かのときはそこに聞く とか、そういう形で十分ではないのかなと思うんですが。 ○大野座長 そういう人であっても健康食品について十分な知識がなければだめなので、 そういう人についてもアドバイザリースタッフみたいに勉強していただいて、更にレベル を上げると対応がよくなるんじゃないかと思います。当然、先生がおっしゃるように、薬 剤師会とか医師会を介して、重要なことは情報提供しなければいけないと思います。 ○梅垣委員 今おっしゃったことなのですが、私どもの研究所で健康食品の安全性・有効 性情報というページがあります。これは厚生労働省と一緒に作成しているものなのですが、 そのページはNRだけを対象にした情報を出しているわけではありません。いろいろな人 を対象にして被害情報とかを全部出しています。医薬品との相互作用のデータもすべてわ かっているものは出しています。健康被害の事例というのはかなり出ているんですけれど も、それも全部網羅して出しています。そういうものを専門職の人が見てもらえれば、何 も資格を取らなくてもできるわけですよね。そのような対応も別途とっていますから、全 く何もやっていないというわけではありません。 ○東洋委員 勿論やっていないのではなくて、それは知っておりますし、すばらしいデー タが載っておりますけれども、そこが利用されないということが問題であって、それをもっ とPRするとか、積極的に医師会も薬剤師会も看護協会も、もっともっと広めるというこ とを併用されてやらないと、実効が出てくるのに時間が掛かり過ぎるのではないかという ことを言いたいんです。 ○梅垣委員 そうです。薬剤師会も多分ページはリンクされていますし、医師会もリンク されています。一番問題なのは、消費者にはわからないということですね。そこを何とか しなければいけないというのは、恐らく今の重要な課題だと思います。 ○玉川室長 東洋先生の御指摘は6ページの一番下の「○」で、私どもが先生のような御 関心を含めて、実際の重要性とか実際に起きた事例の話を消費者向けのところで入れてい るということでございます。 ○大野座長 ありがとうございます。  そのほか御意見ございますか。 ○松永委員 食品は、やはり製造事業者の自らの責任においてきちんと安全性を確保し、 品質も確保するというところを改めて押さえておいていただきたいので、最後の「消費者 に対する普及啓発」というところにも、企業が自主的な責任においてきちんと情報提供す るということを付け加えていただけないかなと思います。 ○大野座長 ありがとうございます。  それでは、大分時間が過ぎてしまいましたが、いろいろ御意見を先生方にいただいて、 それに基づいて報告書の案を事務局につくっていただきたいと思います。最初にお話が あったような手続を踏んで、報告書案をまとめていただいて、先生方に御意見をいただい て、次の会議で更に議論するということにさせていただきたいと思います。  それでは、次回については一応、最終的な検討会になると予定しています。その日程に ついては、先生方の御都合をお伺いして、なるべく多くの方に出席していただける日を調 整いたしたいと思います。  事務局から何かございますか。 ○玉川室長 先ほど申しましたように、この場でとても集約できなかったこともあると思 いますので、先生方からできればメールないしFAXという形で具体的な意見をお寄せい ただければと思います。最終的には次回の検討会までに随時、反映させなければならない と思いますけれども、一応一つの形をある時点でつくらなければなりませんので、そうは いってもゴールデンウィークを挟みますから、5月15日辺りを一つのめどとして、それま でに1回まとめたいと思います。早ければ早いにこしたことはないんですけれども、その 辺で1回いただいて、たたき台という形にした上で調整を進めたいと思いますので、よろ しくお願いいたします。 ○大野座長 どうもありがとうございました。  それでは、本日はこれをもちまして閉会といたしたいと思います。座長の不手際で時間 が延びて申し訳ございませんでした。御協力ありがとうございました。 照会先 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 調所(2458)、松井(247 9)