08/04/22 平成20年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会議事録 平成20年度第1回薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会 1.日時及び場所   平成20年4月22日(火)18:00〜20:00   中央合同庁舎5号館共用第8会議室 2.出席委員及び参考人(7名)五十音順  【出席委員】 土屋 文人、中澤 憲一、◎松本 和則               (注)  ◎座長  【参考人】   秋葉 隆、大屋敷 一馬、許 俊鋭、山口 照英 3.行政機関出席者   黒川 達夫(大臣官房審議官)   松田 勉 (安全対策課長)   倉持 憲路(安全使用推進室長)   川原 章 (独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 技監・安全管理監)   新見 裕一(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 品質管理部長)   田中 克平(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 生物審査第1部長)、他 4.その他の出席者  【意見陳述者】   西澤 良記(社団法人 日本透析医学会理事長)   山崎 親雄(社団法人 日本透析医会会長)   大柳 治正(日本静脈経腸栄養学会理事長)   堀内 龍也(社団法人 日本病院薬剤師会会長)   楠本 万里子(社団法人 日本看護協会常任理事)  【ヘパリンナトリウム製剤の製造販売業者の代表】   小熊 彰(テルモ株式会社)  【低分子ヘパリン製剤等の製造販売業者の代表】   田口 哲(ファイザー株式会社) ○ 事務局   定刻になりましたので「平成20年度第1回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安 全対策調査会」を開催いたします。本日の調査会は、従前の取扱いと同様、公開で行うことと しておりますが、カメラ撮りは議事に入る前までとさせていただきますので、マスコミ関係者 の方々におかれましては、ご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。また、傍聴者 におかれましては、傍聴に際しての留意事項、例えば静粛を旨とする、喧そうにわたる行為を しないこと、座長及び座長の命を受けた事務局職員の指示に従うことなどの厳守をお願いいた します。   本日ご出席いただきました先生方におかれましては、お忙しい中お集まりいただき、ありが とうございました。本日ご出席の先生方をご紹介いたします。まず、安全対策調査会の委員で あります、東京医科歯科大学歯学部付属病院薬剤部長の土屋委員。国立医薬品食品衛生研究所 薬理部長の中澤委員。国際医療福祉大学臨床医学センター教授の松本委員。   続きまして参考人をご紹介いたします。東京女子医科大学腎臓病総合医療センター血液浄化 療法科教授の秋葉先生。東京医科大学内科学教授の大屋敷先生。埼玉医科大学名誉教授の許先 生。国立医薬品食品衛生研究所生物薬品部部長の山口先生です。   続きまして意見陳述者のご紹介をいたします。社団法人日本透析医学会から西澤理事長。社 団法人日本透析医会から山崎会長。日本静脈経腸栄養学会から大柳理事長。社団法人日本病院 薬剤師会から堀内会長。社団法人日本看護協会から楠本常任理事。ヘパリンナトリウム製剤の 説明者として、テルモ株式会社の小熊様。低分子ヘパリン製剤説明者として、ファイザー株式 会社の田口様。   引き続きまして事務局側をご紹介いたします。大臣官房審議官医薬担当の黒川。安全対策課 長の松田。安全使用推進室長の倉持。監視指導室長の山本。独立行政法人医薬品医療機器総合 機構から、安全管理監の川原。品質管理部長の新見。生物審査第1部長の田中です。  これより議事に入りますので、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。以後の進行を座 長の松本先生、よろしくお願いいたします。 ○ 松本座長   先生方にはお忙しい中、また遅い時間にお集まりいただき、ありがとうございました。まず 事務局から、資料の確認と利益相反に関する報告をお願いいたします。 ○ 事務局  それでは確認をさせていただきます。議事次第の3枚紙がいちばん上にございます。資料1 は「ヘパリン製剤等に関する経緯等について」。資料2は「ヘパリンナトリウム製剤」。資料3 は「低分子ヘパリン製剤、ヘパリンカルシウム製剤について」。最後に参考資料がございます。 以上ですが、過不足等があれば事務局にご連絡をお願いいたします。   本日ご出席いただきました安全対策調査会の委員及び参考人の先生方には、ヘパリンナトリ ウム製剤、低分子ヘパリン製剤等の国内製造販売業者計23社との関係で、過去3年間のヘパ リン製剤関連業者からの寄付金及び委託研究費を受けていないかということをお尋ねいたしま した。薬事分科会申し合わせに基づき、利益相反等に関する申し出について報告いたします。 「審議不参加」に該当する委員はございませんでした。「決議不参加」に大屋敷参考人が該当 しておりますので、議決に際しては参加をご遠慮いただくことになります。以上です。 ○ 松本座長   それでは議題1「ヘパリン製剤等の取扱について」に入ります。事務局から、本会議の進め 方について説明をお願いいたします。 ○ 事務局  進め方について、簡単にご説明を申し上げます。まず事務局より、資料1に基づきましてヘ パリンナトリウム製剤に関する経緯などをご説明申し上げます。次に資料2、3に基づきまし て、ヘパリンナトリウム製剤と低分子ヘパリン製剤の製造販売業者を代表いたしまして、それ ぞれの製剤に関する品質検査、供給状況、今後の対応等についてのご説明を各々10分程度し ていただきます。その後、学会などからご出席いただいております先生方から、医療現場の現 状や要望などについて、それぞれ5分程度意見陳述をいただくことを予定しております。 ○ 松本座長  この会の進め方について事務局から説明をいただきましたが、委員の先生方、参考人の先生 方、このような進め方でよろしいでしょうか。それでは、そのようにさせていただきます。事 務局より、資料の説明をお願いいたします。 ○ 事務局   資料1と参考資料に基づいて説明を申し上げます。   まず、今回取扱いについてご検討いただくヘパリン製剤等ですが、参考資料の27頁にこれ らの製剤の一覧が載っております。成分といたしましては、ヘパリンナトリウム。ヘパリンナ トリウムは(1)標準ヘパリン製剤、(2)透析用ヘパリン製剤、(3)ロック用ヘパリン製剤と、 大きく3種類の製剤がございます。その他のヘパリン関連製剤として、参考資料の28頁にあ るヘパリンカルシウム、それからヘパリンを低分子化した低分子ヘパリン製剤がございます。 これにはダルテパリン、パルナパリン、レビパリン、エノキサパリンの4つがございますが、 これらが今回ご検討いただく対象とご理解をいただければと思います。   資料1に戻りまして、本件の経緯などについてご説明を申し上げます。まず経緯の概要です が、ヘパリン問題の発端は米国で起こっております。米国のFDAによれば、昨年12月以降、 米国バクスター社のヘパリンナトリウム製剤を投与した後に、アレルギー反応の副作用の発生 の増加が認められたといった経緯があり、本年1月以降その対象を拡大しながら、2月の末以 降は、米国バクスター社製のヘパリンナトリウム製剤全製品が自主回収されております。なお、 米国バクスター社製のヘパリンナトリウム製剤について、日本には同一のものは輸入されてお りません。   (注1)にアメリカでの副作用の増加の状況が記載されております。先週ですけれども、4 月17、18日にFDAが各国に呼びかけ、FDA主催のヘパリンに関する国際会議が開催されて おります。日本からも、厚生労働省、医薬品機構などが参加をしております。その資料によれ ば、今年の3月31日までに771件の副作用報告がされており、そのうち346件が重篤、81 名が死亡とされております。なお、81名の死亡につきまして、因果関係は必ずしも評価した ものではないということでした。   また、米国の副作用報告の大部分は、大量のヘパリンナトリウムをボーラス投与、これは迅 速な作用を期待して静脈内に高用量の薬物を短時間で投与する方法ですが、そのような投与に より起こっているということです。米国の場合、5,000〜5,0000単位のヘパリンを数分で投与 するといった方法が一般的で、そういった投与の後に起こっているものが大部分であるといっ た報告がございます。   米国での会議の資料につきまして、資料1の4頁以降に、参考までに抜粋を載せております が、これは米国FDAの了承を得て転載したものです。時間の関係もありますので簡潔に申し 上げますと、7頁目に米国での副作用報告の状況がグラフにされております。7頁の上のグラ フですが、左側の2つの棒が去年の1月から3月までの間の副作用の報告件数です。左側がト ータル、右側が重篤なものです。それと比較いたしまして、2008年が右側の2つの棒ですが、 昨年の同時期と比べて報告数が非常に増えていることが分かります。   7頁目の下のグラフは、イベント(副作用)の発生日ベースで、月ごとに副作用の症例数を 集計したものです。いちばん左側が2007年1月で、いちばん右側のいちばん白い、棒が高く なっている所が今年の1月のものです。このように、発生時期で見ますと年末から徐々に増え ています。2月の棒の上の所にBaxter Heparin Recallと書いてありますが、2月28日からバ クスターの全製品がリコールされており、それ以降、副作用の発生は非常に減少しているとい った状況が見られます。   8頁の上のグラフが副作用の報告日ベースで集計をしたものですが、このように今年の1月 から増え始めて、3月に発生のピークが来ているといった状況がFDAより報告されておりま す。その下は報告の件数ですので、先ほど申し上げた内容と同様です。   9頁の上の表が、771例の副作用報告につきまして、副作用の内容ごとに分けたものです。 上から悪心、低血圧、呼吸困難、嘔吐、血圧低化、めまいなどの副作用報告が多く見られてお り、これらが過敏性アレルギーによるものと報告されております。以上がFDAから報告され ている米国の状況です。   資料1の1頁目にお戻りください。一方、日本における状況ですが、日本におきましては、 ヘパリンナトリウム製剤による副作用報告の増加は、これまでのところ認められておりません。 アレルギーなどの副作用は、ヘパリンナトリウム製剤に重大な副作用としてすでに記載されて いるものですので、報告件数は少ないのですが、ございます。しかし、米国で見られたような 増加といった状況にはございません。   一方で、米国のバクスター社の原薬のヘパリン、これは精製ヘパリンと言われておりますが、 米国のSPL社と中国のSPL社という2社が製造しているということで、米国のSPL社で精 製されたヘパリンナトリウム原薬が使用されているという会社が3社ございます。そういった ことから、厚生労働省は、この3社に対しまして3月7日に指示をいたしました。3月7日の 時点では、米国における副作用の原因など、FDAがまだ原因究明をしているという状況であ り、まだ原因が分からないので、同じ製造所で原薬が使用されていることに鑑み、この製剤の 使用に対して十分な注意をするよう医療機関に情報を提供すること、といった指示をし、3社 は情報提供を3月8日より開始しております。   また、米国ではバクスター社の製品がすべてリコールされているといった状況に鑑み、副作 用の増加といったことは見られておりませんが、予防的な対応として、3社は3月8日より順 次自主回収を実施しております。この自主回収のときの発表資料は参考資料の1-1に掲載して おります。時間の関係で説明は省略させていただきますが、後ほどご覧いただければと思いま す。   また、3月10日には都道府県及びヘパリン製剤を製造する製造販売業者につきまして、ヘ パリンナトリウム製剤の品質の確保、それから安全性に関する情報の収集・提供の徹底につき まして厚生労働省から指示をしております。こちらの指示の通知文書は、参考資料の1-2とし て載せておりますので、そちらも後ほどご覧いただければと思います。   資料1の2頁目です。この情報提供などの指示、それから自主回収の開始と前後いたしまし て、3月6日にFDAから、バクスター社製のヘパリンナトリウム製剤に使用されている精製 ヘパリンに、ヘパリンに似た物質が混入しているといったようなことが発表され、また、その 検査方法が示されております。この検査方法はNMRと電気泳動によるものですが、その後、 示された検査方法を使用して各国でその不純物の検査が行われ、不純物が検出された原薬、及 びそれらの原薬を使用した製剤の回収が行われているといった状況です。先週開催された FDA主催の会議におきましては、米国を含めて11カ国でこのような不純物が検出されるヘパ リンが発見されているといったことが、FDAから報告されております。   これが時間的な経緯ですが、これらのヘパリンナトリウムの安全性及び自主回収に関する各 国の状況について、これまでのものを「2」以降にまとめております。まず、ヘパリンナトリ ウム製剤ですが、副作用の発現状況については、この問題の発端となった、いまご説明を申し 上げた米国のバクスター社における製剤の問題のほか、ドイツでRotexmedica社という会社 のヘパリンナトリウム製剤で、副作用の増加が見られたということで自主回収が行われており ます。いまのところ、この2社の例が世界的なものであります。   日本におきましては、先ほどご紹介を申し上げた3月10日の事務連絡で、各製造販売業者 に、医療機関への聞き取り調査を改めて実施していただきました。その結果、これまでのとこ ろ、副作用の増加は認められていないといったことが確認されております。   いまご覧いただいている資料の15頁に、日本における副作用をまとめた表が掲載されてお ります。「薬事法に基づく副作用報告の状況」ですが、平成19年度、四半期ごとに報告件数を まとめておりますが、米国で見られたような副作用の増加はございません。ただ、薬事法に基 づく副作用報告は重篤なものに限られておりますので、重篤でないものも含めて、改めて医療 機関への聞き取り調査を各企業が実施しております。その結果が2ですが、この製剤の使用に よると思われるアレルギーの副作用が増加しているといったことが確認された施設はございま せんでした。   前に戻っていただいて資料1の2頁目です。(2)の副作用の原因究明です。米国FDAと米国 のバクスター社が共同で協力をしながら原因究明を進めておりますが、3月の中旬に、不純物 は「高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸」であり、人工物であるといった発表がなされて おります。この物質とアレルギーの因果関係につきましては、現在米国で基礎試験などが行わ れておりまして、検討中でございます。   不純物の検出による自主回収ですが、米国で検査法が示されて以降、米国SPL社、中国 SPL社、つまりバクスター社に原薬を提供していたもの以外からも不純物が検出されており まして、検出されたものがロット単位で自主回収されているという状況です。  なお、バクスター社のヘパリンナトリウム製剤につきましては、先ほど申し上げましたとお り、検査法が示される以前から、副作用の急増ということから全ロットが自主回収されており、 現在もその状態が継続しております。   国内では、厚生労働省が3月10日付けの通知により各企業に指示し、各企業が検査をして おります。これまでに出荷された製剤の原薬からは不純物は検出されていないという報告を受 けております。なお、まだ製剤化する前の段階ですが、国内の輸入業者が保管していたドイツ のCKW社という所が製造したヘパリンナトリウム原薬からこの不純物が検出されましたが、 製造開始の前であったという例が1例ございます。   表に「ヘパリンナトリウム製剤・原薬の主な回収事例」をお示ししております。先ほど申し 上げたとおり、FDAによれば、アメリカを含め11カ国があるということですので、この表に ないものもまだございますが、このような回収が行われております。ここにお示ししていると おり、米国バクスター社とドイツのRotexmedica社を除いては、基本的には、不純物が検出 されたロットのみが自主回収されておりまして、日本で3月に自主回収した製品につきまして は、改めて検査を実施いたしましたが、不純物は検出されていないという状況です。   次に低分子ヘパリンについて次にご説明を申し上げます。日本におきまして、ヘパリンナト リウム製剤同様、各企業で検査を実施しておりますが、これまでに出荷された製剤に使用され た精製ヘパリンからは、この不純物は検出されていないという状況です。なお、低分子ヘパリ ンにつきましても、製造する前の原薬について遡って調べたところ、その原薬の製造に使用さ れた精製ヘパリンから不純物が検出されたというものがございましたが、こちらもまだ製剤の 製造開始前でしたので、このものは製剤に使用しておりません。   海外におきましては、イタリア等におきましてエノキサパリンナトリウムが、不純物が検出 された精製ヘパリンを原料としていたということで、自主回収されたという例が報告されてお ります。また、低分子ヘパリン及びヘパリンカルシウムによる副作用発生の増加は、国内外を 含め、報告されてはおりません。以上がこれまでの経緯などです。   参考資料1-3と1-4に、本年4月14日に厚生労働省から発出された通知が掲載されており ますが、このような状況を踏まえまして、品質を再点検すること、それから、原料供給元を複 数確保するなど、安定供給のための措置を講じていただきたいといった趣旨の内容の通知を発 出しております。また、本日新聞報道がございましたが、昨日FDAが、GMP上の問題があ るとして、中国のSPL社に対してウォーニングレターを出したという情報があり、これらに つきましては今後詳細を確認の上、適切に対応していくこととしております。以上です。 ○ 松本座長  ただいま事務局から、これまでの経緯等について説明をいただきましたが、委員や参考人の 先生方、意見陳述人の先生方、何かご意見等ございませんか。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  不純物は高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸ということですが、これの含量は全体とし てどのくらいなのでしょうか。全体の中の割合、それから、ロットによって含量についても大 きな差があるのでしょうか。 ○ 安全使用推進室長  参考資料1-1の2頁の真ん中ほどに(4)として、3月6日付けの米国FDAの発表によれば、 「通常のヘパリンには含まれていないヘパリン様物質の混入(5〜20%)が確認された」とさ れておりまして、過剰に硫酸化されたコンドロイチン硫酸が5〜20%含まれているということ です。ただ、副作用の増加との関係については、現在米国FDAにおいて調査中ということで ございます。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  副作用が現れ始めた今年の初め以前の製剤については、どうだったのでしょうか。あまり含 まれていなかったと考えてよろしいのでしょうか。 ○ 安全対策課長   昨年の早い時期以前のものをいろいろ調べていますが、出ていないというのが状況です。 ○ 松本座長  ほかにご意見等はございませんか。よろしいようでしたら、ヘパリン製剤等に関する企業か らの説明に移ります。質疑は企業からの説明終了後に一括して行いたいと思いますので、ご協 力のほど、よろしくお願いいたします。まず、ヘパリンナトリウム製剤の代表として、テルモ 株式会社の方、よろしくお願いいたします。 ○ テルモ(小熊氏)  ヘパリンナトリウム製剤の製造販売業者10社を代表してご報告させていただきます。なお、 先ほど詳細に経緯のご説明をいただき、多分に重複しているところがありますので、概要を報 告させていただきます。  「1.主な用法・用量」から「9.今後の対応案」まで順次提案させていただきます。まず 「1.の「主な用法・用量」でございます。国内の人工透析における1処置当たりのヘパリン 使用量の総量は2,000〜6,000単位。これは2003年12月の透析学会の資料から引用しており ますが、90%がこの範囲で使用されていると記載されています。内訳としましては、初期投与 で1,000〜3,000単位、時間当たりの持続投与で500〜1,500単位という内容です。   もう1つのヘパリンロック、これは血中に留置されたカテーテルの中の凝固を防ぐための使 用方法ですが、1処置当たりヘパリンロック用のプレフィルドシリンジ製剤を使用した場合に 50〜1,000単位という用量でございます。先ほどご報告いただいた、米国で重篤な副作用が起 こっている使用方法としては、短時間でのボーラス投与、5,000〜5,0000単位という高単位投 与で多発しているというご報告をいただきました。ここに挙げます国内での使用状況から見ま すと、かなり大量の投与がされて発生していることがうかがえます。   「2.自主回収に至った経緯」ですが、先ほど詳細にご報告いただきましたように、2007 年末に米国バクスター社製のヘパリン製剤で副作用が多発して以後、以下に書きました情報を 入手して対応を進めてまいりました。以下の内容で、右側に出典を書いてございます。出典の 詳細については末尾に一覧表で添付させていただきましたので、後ほどご参照いただければと 思います。   1月17日、バクスター社が9ロットのヘパリン製剤を自主回収。その後、回収した製剤の 原薬は中国のSPL社製であるということが報道されました。2月28日、米国バクスター社が、 ヘパリンロック用製剤を含めて全ロット回収を開始いたしました。3月5日、米国バクスター 社の発表資料から、中国SPL社製と米国SPL社製、2社の原薬が使われている。その原薬に ヘパリン様物質が混入していたことが1H-NMR法とキャピラリー電気泳動法(CE法)で確 認された。従来の試験法では、このヘパリン様物質は確認不能であった。ヘパリン様物質と副 作用の因果関係は調査中である、という報道がなされました。米国バクスター社が回収した製 剤に使用している原薬の製造所の1つが同一であるために、予防的な安全確保措置として、米 国SPL社製原薬を使用している国内3社(大塚製薬工業、テルモ、扶桑薬品工業)が自主回 収を決定し、3月8日、9日から情報提供を開始いたしました。   ここにはFDAが公表しました2つの試験法を記載させていただきました。1つが1H-NMR 法(核磁気共鳴分析法)、もう1つの方法がキャピラリー電気泳動分析法です。上段に書きま したのが適合品、つまり不純物の混入のないもの。下に書きましたのがヘパリン様物質由来の ものがコンタミネートしているもののチャートです。上段の適合品は、NMR法におきまして は2.04 ppmにヘパリンのピークが現れる。たまに2.08 ppmのところにdermatan硫酸が検 出される場合がある。そしてキャピラリー電気泳動法では約5.7分のところにシングルピーク が現れる。それに対して、ヘパリン様物質が入っているものはNMR法で2.15 ppmのところ にヘパリン様物質を表すピークが現れる。CE法におきましても、シングルピークではなくて 二重ピークになって現れるという結果が提示されております。   4番目は「各国の主な回収状況」です。ここは先ほど詳細にご報告いただきましたように、 アメリカ、カナダ、欧州等11カ国で不純物が入ったものが確認され、不純物の入っている原 薬を使った製品が回収されているという状況です。   6頁は「本邦での対応」です。ここも先ほどご報告がありましたように、FDAのヘパリン 様物質の検出方法が公表され、それを受けて、厚生労働省から事務連絡が下記のように示され ました。(1)に、製剤及び原薬の製造所における製造管理及び品質管理の方法について、原材料 の品質管理等、その適合状況を確認すること。(2)に、FDA公表の試験法に基づきヘパリン原 薬を確認し、ヘパリン様物質の混入が認められた場合は自主回収等を実施すること。この(2)に 関しましては、我々10社でいま使っている原薬から前に遡りまして、過去1〜3年間に製造に 供したヘパリンの確認を終わりましたが、それについて、ヘパリン様物質の混入は認められま せんでした。今後出荷するものについては、供したヘパリン原薬について同じ試験を実施し、 確認の上出荷を図っております。副作用の発生状況も、先ほどご報告がありましたように、増 加傾向は各社とも認められませんでした。   7頁は「製造の流れ」です。国内の製造業者10社をいちばん下段に「ヘパリンナトリウム 製剤製造販売業者」として記載させていただきました。そして、この10社が使用しておりま すヘパリン原薬が「精製ヘパリンメーカー」と書かれました中段の6社です。このうち米国 SPL社、ドイツCKW社、イタリアOpocrin社の3社は、ヘパリン様物質が1ロット以上検 知されたと報告されているメーカーです。この6精製ヘパリンメーカーは粗ヘパリンを原料と しておりますが、その粗ヘパリンは中国、スペイン、ブラジル、デンマークの4カ国から提供 されているという調査結果が出ております。なお米国、ドイツ、イタリアのヘパリン様物質が 確認されたメーカーから日本に入ってきておりますが、日本に入ってきた原薬はいずれもシン グルピークであって、ダブルピーク、つまりヘパリン様物質が検知されたものは使用されてい ないという確認がとれています。   次は「品質管理について」です。(1)の原材料の把握といたしまして、使用するヘパリンナト リウムについて、動物の原産地、組織の入手方法、原材料作製機関名等を調査の上、把握に努 めてまいりました。   (2)は製造業者等に関する管理監督であります。従来、製造販売業者は、製造業者(輸入業者 を含む)における製造管理及び品質管理が適切に実施されていることを確認してまいりました。 受入れ時には、ヘパリン原薬製造所が実施した出荷試験成績書等をロットごとに確認してまい りました。今後は、ヘパリン原薬製造所の実地監査を定期的に行う等、適切な原材料の品質管 理が行われているかを含め、製造業者に対する管理監督を強化してまいります。   (3)のヘパリン原薬の受入れ試験の強化ですが、承認書等に規定される事項の確認に加えまし て、不純物の混入がないことを1H-NMR法とCE法で確認をしてまいります。   8番目は「供給について」です。現在自主回収を行っております3社においては、ヘパリン 原薬製造所の追加、変更等の準備を進めているところです。また、他社におかれましては増産 を実施して対応を進めていただいております。   (2)に、自主回収を行った3社のヘパリンナトリウム製剤の製造・出荷がこのまま再開できず、 医療機関がいままでどおり使用された場合、規格によっては、将来的には供給不足の可能性が あると判断いたしております。   「今後の対応案」ですが、1)として、ヘパリン原薬の品質確保のため、ロットごとに下記 (1)(2)(3)の基準に従い合否判定を行って、使用の可否判断をしていくようにしたいと考えており ます。(1)は、承認書等に記載された事項の適合確認をすること。(2)は、1H-NMR法で2.04± 0.02 ppmにシングルピークがあること。2.08 ppmに稀にdermatanの小さなピークがあって もよい。それから、2.15±0.02 ppmに目視可能なピークがあってはならないという3つの基 準をベースに置きたいということ。(3)のCE法におきましては、約5.7分のところにシングル ピークがあること。この(1)(2)(3)の基準を、ヘパリン精製メーカーにかかわらず、原薬ロットご とに試験をして、使用可否の判定をさせていただきたいと考えております。   2)には、アレルギーの原因について調査中であることを踏まえまして、引き続き医療機関 に対しまして副作用への注意喚起を行うとともに、情報収集に努めてまいりたいと考えており ます。以上です。 ○ 松本座長  テルモ株式会社の方、どうもありがとうございました。続きましてファイザー株式会社の方 に説明をお願いいたします。 ○ ファイザー(田口氏)  低分子ヘパリン製剤及びヘパリンカルシウム製剤について、中段以下に記載しております 14の製造販売業者を代表して説明させていただきます。内容といたしましては、1.有効成分 における主な用法・用量、2.製造の流れ、3.品質確保と安全性確認、4.各社の検査結果、5.供 給について、6.今後の対応策となっております。   まず「.各有効成分における主な用法・用量」について。ダルテパリンナトリウムの効能・ 効果として、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析)です。用法・用量につきまし てはここに記載しており、時間の都合上、細かい説明は割愛させていただきます。   パルナパリンナトリウムの用法・用量ですが、効能・効果として、血液体外循環時の灌流血 液の凝固防止(血液透析、血液透析ろ過、血液ろ過)です。同様に、用法・用量の説明は割愛 させていただきます。   レビパリンナトリウムの効能・効果といたしまして、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止 (血液透析)となっております。   6頁は、エノキサパリンナトリウムの用法・用量です。効能・効果といたしまして、下肢整 形外科手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制。用法・用量はここに記載してあると おりです。   次にヘパリンカルシウムですが、主な効能・効果は、血液体外循環時の灌流血液の凝固防止 (血液透析)となっております。   9頁にいきまして「2.製造の流れ」です。多数のと畜場から多数の処理工場を経て粗ヘパ リンが製造されております。   ダルテパリンナトリウムについて、粗ヘパリン製造所はすべて中国です。精製ヘパリンは、 中国のSPL社とアメリカのA社の2社です。中国のSPL社から低分子ヘパリン原薬を中国 のB社で製造し、製剤化されている所が3社。低分子ヘパリン原薬を中国のC社から得てい る所が4社。中国のC社で粗ダルテパリンが製造され、日本のD社で精製され、製剤化され ている所が2社。精製ヘパリンをアメリカで製造し、スウェーデンで低分子化し、製剤化して いる所が1社となっております。   10頁はパルナパリンナトリウムの製造の流れです。粗ヘパリンの製造メーカーは、中国と アルゼンチンです。中国のF社で精製ヘパリンが製造され、イタリアのG社で低分子原薬を 製造してから製剤化されている所が1社。アルゼンチンで精製ヘパリンと低分子ヘパリン原薬 まで製造し、製剤化されている所が1社ございます。   レビパリンナトリウムの製造の流れですが、粗ヘパリンメーカーは中国、精製ヘパリンはド イツと中国のJ社、K社の2社で、ドイツで低分子原薬が製造され、製剤化されている所が2 社ございます。   エノキサパリンナトリウムについて、粗ヘパリンメーカーは北米と欧州、精製ヘパリンは同 様に、北米と欧州の3社、低分子ヘパリン原薬がフランスとシンガポールの2社で、製剤化さ れているのが1社ございます。   次はヘパリンカルシウムです。粗ヘパリンメーカーは中国です。中国で精製ヘパリンが製造 され、イタリアでヘパリンカルシウムに製造されてから製剤化されているのが1社。それから、 イタリアで精製ヘパリン及びヘパリンカルシウムまで製造され、製剤化され、またはイタリア のG社からヘパリンカルシウムを導入して製造されている所が1社ございます。   「3.品質確保と安全性確認」。まず「品質確保」について、(1)原材料の把握ということで、 原材料として使用しているヘパリン原薬について、動物の原産地、組織の入手方法、原材料作 製機関名等を把握してまいりました。   (2)は、製造業者等に対する管理監督。従来から、製造販売業者は、製造業者(輸入業者を含 む)における製造管理、品質管理が適切に実施されていることを確認してまいりました。また 受入れ時には、低分子ヘパリン原薬及びヘパリンカルシウム原薬製造所等が実施した出荷試験 成績書等をロットごとに確認してまいりました。今後は、低分子ヘパリン原薬及びヘパリンカ ルシウム原薬製造所等の実地監査を定期的に行う等、適切な原材料の品質管理が行われている かどうかを含め、製造業者に対する管理監督を強化していく所存です。   (3)は、精製ヘパリン受入れ試験の強化です。承認書等に規定されている事項の確認に加え、 不純物の混入がないことを1H-NMR法(核磁気共鳴分析法)及びCE法(キャピラリー電気 泳動分析法)にて確認をする所存です。低分子ヘパリンにつきましては、現在のところ、その 試験法が確立されておりませんので、精製ヘパリンの段階で確認するということを行っており ます。   次は「安全性確認」です。副作用の発生状況について聞き取り調査を実施した結果、アレル ギー等の増加傾向は認められておりません。   15頁、「4.各社の検査結果」ということで、FDAの公表している試験法に基づいて、精 製ヘパリン原薬を試験しております。まず、ダルテパリンナトリウムにつきましては検出して おりません。パルナパリンナトリウムにつきましては、注1の下のほうに記載しておりますが、 1社に関して、パルナパリン原薬でNMR法及びCE法を実施されておりますが、不純物のピ ークは認められていないと報告されております。レビパリンナトリウム、エノキサパリンナト リウム及びヘパリンカルシウムにつきましては、すべて検出はされておりません。   「5.供給について」。各社とも低分子ヘパリン製剤等につきましては、当分いままでどお りの供給量を継続できる体制です。   「6.今後の対応策」については、先ほどヘパリンナトリウムで説明した内容と全く同じで すが、原薬の品質確保のためロットごとに下記基準に従い合否を判断し、使用いたします。ま た、品質確保のためには、最新の情報に基づき適宜対応する所存です。   (1)として、承認書等に記載された事項の適合を確認いたします。(2)は、NMR法とCE法の 測定をこのような基準で行いますが、これに適合した精製ヘパリンを用いて、低分子ヘパリン 原薬及びヘパリンカルシウム原薬が製造されていることを必ず確認してから、出荷するという ことを今後いたします。   2つ目、として、アレルギーの原因について調査中であることを踏まえ、引き続き医療機関 に対し副作用への注意喚起を行うとともに、情報収集に努める所存です。以上です。 ○ 松本座長  ファイザーの方、どうもありがとうございました。ただいま関連企業から説明をいただきま したが、これに関しまして、ご質問ご意見等がございましたら出してください。 ○ 山崎会長(日本透析医会)  ヘパリンナトリウム製剤のところでお話されました点ですが、資料2の9頁目の8「供給に ついて」。実際に透析施設で供給がストップしますと、えらいことになるのです。まず(1)の 「ヘパリン原薬製造所の追加、変更等の準備を行っている」という話があるのですが、これに 関しては、まだ公式的に動いていないのかどうか。それから、他社から、例えばいま自主回収 されているところのものを供給することができるほどの増産が行われているかどうかという問 題。3番目の問題は、もし製造や出荷がうまくいかないときには、本当に供給不足が起こる可 能性があるのかどうか、それが第1点目の質問です。   もう1つ、これはどなたに伺えばよいのか分からないのですが、先ほど来出ている不純物と 呼ばれているものが、例えば抽出の過程で、あるいは精製の過程で混入するルートだとか、混 入する必然性が本当にあるのかどうか、きちっとそれを止めることができるかどうかという点 について質問させていただきます。 ○ テルモ(小熊氏)  第1点目のご質問、原薬メーカーの変更についてですが、いま3社がリコールをかけていま す。いずれも米国SPLの原薬ですが、これに対していまリコールをかけて止めています。そ して米国SPL以外のメーカーの迅速審査をお願いしておりまして、現在各メーカー、契約に 向けて準備を進めているところです。正直に申しまして、メーカーによっては、世界レベルで 供給がタイトになってきていますので、長期的な安定供給の約束をいただいていない所もある ようです。当社もいま現地に赴いて契約を結ぶところで最大の努力をしている状況です。   増産につきましてはヘパリンロック、透析用、標準ヘパリン、この3つのジャンルがあるわ けですが、我々3社のリコールを受けまして、その他の会社に最大限、設備能力一杯いっぱい の生産をお願いし、実施していただいている状況です。   テルモはヘパリンロック製剤のみを製剤しているものですから、ヘパリンロックの状況を申 しますと、テルモと大塚製薬で約6割強の市場を占めております。そこがいまリコールをかけ ているものですから、その他のメーカーにいま最大限努力していただいておりますが、これが 長引くと、正直、供給上の問題は避けられないのではないかと思っています。現時点では各病 院に、誠に勝手なお願いで申し訳ないのですが、院内調剤、昔の状態に切り替えていただく、 それから他社製のものに切り替えていただく。ある病院では、生食ロックに切り替えていただ くという緊急対応をとっていただいている状況です。透析用の供給状況については、扶桑薬品 の方からコメントをいただきたいと思います。 ○ 扶桑薬品  いまテルモ株式会社の方がおっしゃったような感じなのですが、ご存じのように、我々の場 合は当初2社購買をしておりました。米国SPL社製のものが使用できないということで、今 もう1社他社のものも使っているのですが、我々は2社購買で潤沢な安定供給をしていた手前、 現状、今週ももう1社に飛んで調達の交渉をしています。基本的には2分の1でしか調達でき ない現状です。まだ、大塚さん、テルモさんに比べると製造できて、実際に販売は4月から実 施しているのですが、先ほどの話のように医療機関にお願いして、もしくは増産の依頼も必要 だというのが現状の状況です。我々の2分の1しか原薬を使用できない、現状はそういう感じ であります。潤沢に安定供給をいままでのようにできるという状況ではありません。以上です。 ○ 松本座長  ありがとうございました。こちらは大変大きな問題なのですが、山崎先生、よろしいですか、 これに関連した質問はありますか。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  透析医学会の西澤です。いまのお話ですと、そうすると先ほどの「供給について」の(1)につ いて、「原薬の製造所の追加、変更」ということは現実にはほとんど期待できないという意味 ですか。 ○ テルモ(小熊氏)  少々時間はかかっても、原薬の追加は可能ではないかと思っています。ただ、いま世界中で この問題が起こってしまっているものですから、供給側が1回シャットダウンしているような 状況です。要するに、既存のメーカーも量を多く仕入れに入ったり、ちょっと混乱しています。 もう少し落ち着くと、需給の調整を精製メーカーの方で明確にして、供給をしていただけるの ではないかと思っています。   これは今後も踏まえますと、厚生労働省からご指導いただいているように、こういう重要な ものは複数原薬をキープするというのが基本だと思います。今回のことを経験にして、複数原 薬を持つように努力はします。ただ、当面、目前にある安定供給を考えると、いま米国SPL の原薬を3社ストップしているのですが、いま持っているのはいずれもシングルピークであっ て、偽ヘパリンの混入はないということが確認できております。今日、ここでご審議いただい た先ほどの判定方式に従って、いま持っている米国SPLのシングルピークのものを使って生 産を再開することが、優先順位としては安定供給としてはいちばん最初の手段だろうと思って います。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  ありがとうございます。いまの後半の話はよくわかるのですが、前半の話、原薬の製造所の 追加や変更がもし可能であるとするならば、それはどのぐらいの準備期間が想定されるのでし ょうか、例えば3カ月とか半年とか。 ○ テルモ(小熊氏)  厚生労働省のほうにも迅速審査をお願いしていて、こういう状況を鑑みての超迅速審査を検 討いただいています。何カ月ということは明言できないのですが、迅速審査をいただくにして も、我々がまず継続的に、本当に安定的にそのものを購入できるという裏づけがないと、審査 をしても何の意味もないわけです。まず、我々メーカーはそのルートを早く確立するというこ と、いま最優先でさせていただいています。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  ありがとうございます。世界的に非常に難しい状況があるのはよくわかった上での話なので すが、何しろ安定供給というのは元の場所がなければ話になりません。よろしくお願いいたし ます。 ○ 松本座長   よろしいですか。山崎先生のもう1つの質問は事務局ですか。混入ルートの点です。 ○ 安全対策課長  混入ルートについて、どこの段階で混入されているかについては、正直申し上げてまだわか っていないという状況です。ただし、先ほどちょっと説明しましたとおり、混入されているも のがどうも化学的に作られた硫酸化されたコンドロイチン硫酸だということなものですから、 製造過程で発生するとかという話ではないのではないかと思います。いずれにしても、どの段 階で入っているのかというのは調査中という状況です。 ○ 松本座長   山崎先生、よろしいですか。その辺までだろうと思います。ほかにご意見はありますか。 ○ 楠本常任理事(日本看護協会)  不勉強ですので教えてください。このヘパリンの原薬が安全かどうかという確認を、購入し たメーカー以外に行う所がないのか。要するに、国民患者感情からすれば、申し訳ないですが メーカーが本当に信じられるのかという感情はあると思います。仕組みとしてそういうものは ないのでしょうか。 ○ 松本座長  大変難しい問題です。これは事務局から答えますか。第三者的にチェックすることですが、 必要性があるかどうかということもありますけれども、どこか答えられますか。会社が責任を 持ってチェックしているということですので。 ○ 大柳理事長(日本静脈経腸栄養学会)  近畿大学の大柳です。私どもの薬学部の教授に聞いたら、ちゃんとできるという話でした。 やる気があれば、厚生労働省は第三者機関に出すことは可能だと思います。やはり、製薬メー カーの方がきちんとやってくれていることと同時に、どこかでそういうことでやられれば、先 の質問には答えられると思います。NMRはそれほどお金がかからないと思います。 ○ 松本座長  そうですね、チェックするだけであれば難しくはなさそうです。できる・できないとは関係 なさそうな部分もあると思います。ほかにご意見ありますか。 ○ 秋葉参考人   東京女子医科大学の秋葉です、参考人として出席させていただいています。後半の低分子ヘ パリン、メーカーが羅列されています。これは全部、日本の低分子ヘパリンを網羅していると 考えていらっしゃるのでしょうか。その上で、全メーカーがシングルピークであるというよう におっしゃっているのでしょうか。 ○ ファイザー(田口氏)  低分子メーカーはすべて、精製ヘパリンの段階でNMRとCEを実施しています。その結果、 異常なピークは認めていないと報告を受けています。 ○ 秋葉参考人  私どもの病院では、3月7日にドラッグ・インフォメーションを出しまして、ダルテパリン ナトリウム、ヘパクロンからフラグミン静注への切替えを院内で実施しました。前者はアルフ レッサ・ファーマー、エール薬品株式会社というところから出ている低分子量ヘパリンです。 これのリストにないのですが。 ○ ファイザー(田口氏)   製造販売メーカーとしては、エール薬品という形になっています。 ○ 秋葉参考人   そうすると、同じものと考えてよろしいのですか。 ○ ファイザー(田口氏)   製造販売の責任を持っているという形でここに出しています。 ○ 秋葉参考人  わかりました。それから、シングルピークと副作用との関係はわからないというのがFDA の現在の見解であるというように理解しています。それをあえて、シングルピークであれば安 全であるというような、論理的な言い換えがされているようですが、どういうところに根拠が あるのでしょうか。詳細をお尋ねいたします。 ○ ファイザー(田口氏)  いちばん最後の頁に、アレルギー等の原因については、現在、まだ調査中というようになっ ています。まだ、これがアレルギーの原因だということは特定されておりません。したがって、 引き続き、医療機関に対して副作用の注意喚起と情報収集に努めるという形で進めたいと考え ています。 ○ 山口参考人  試験法でまずNMR-CEをやるかどうかということなのですが、まずバクスターの供給を止 めたあとは発生はしていないというか、その後に死者は出ていますけれども、それは病気が長 引いたということであろう。おそらく、バクスター社製のものがこういうことを起こしたとい う蓋然性は、非常に強いのかなと思います。ただ、NMRをやればすべていいかというと、現 時点で先ほど説明なされたようにそれ自体は言えない。ただ、NMRをやらないでいいという 話にはたぶんならない。要するに、不純物が含まれているということ自体は、検査していかな ければいけないのだろうと思います。   先ほどちょっと説明があったように、NMRで2.15 ppmに過硫酸化されたものと、もう1 つ、キャピラリー電気泳動分析法のツーピークにならないことを確認する。先週の会議では、 NMRで1%以下であるという確認はできる。それ以下にはコントロールできる。それで安全 という保証はもちろんないわけですが、いま現実取り得る解析方法としてはそれしかないので はないかと思います。   短期的には今これでやらざるを得ないのかなと思うのですが、長期的にはもう少し考える必 要があるのではないか。あくまでも、これは確認試験ですので、長期的には不純物の限度試験 という形で設定していく必要があるのではないかと思っています。USP(米国薬局方)もEP (欧州薬局方)もそういうような方向で考えておられるようなので、複数のことが考えられる と思いますので、それをちょっとメーカーなりで。もちろん、我々もそれを検討したいと思い ます。供給された我々も解析をしていますので、その辺について提案ができるものがあれば提 案していきたいと思います。 ○ 松本座長   ありがとうございました。 ○ 許参考人   私は臨床医なので、臨床的な観点から少しお伺いします。硫酸化されたコンドロイチン硫酸 というのは、動物実験等でどれぐらいで致死量になるのかということが1つです。それから、 実際にトラブルの起こった症例は、ボーラスを数分で、5,000から5万という単位の量を数分 で打つ。それをゆっくり打てば問題ないのかどうか、あることが問題なのか。そういう基礎的 な、高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸であるとして、それがどれぐらいの生命にかかわ るものか、量的に分析されているか、もしわかったら教えてください。   もう1つ、先ほどから供給がいまのままでは途絶えてしまうという話でした。実際、いま国 内で全メーカーがお持ちになっている安全なものでやったとして、どれぐらいの期間、いまの 臨床使用のスピードで大丈夫なのか。あるいは、どれぐらい以降は本格的に手を打たないと日 本の患者が困る、医療機関が困るという事態が生じるのか。その辺、量的な供給のことについ て、わかっておられる範囲で明らかにしていただければありがたいと思います。 ○ 松本座長   基礎的なものに関しては事務局から答えますか。 ○ 安全対策課長  たしか、硫酸化されたコンドロイチン酸LD50とかいうような点は、まだわかっていないと いうのが状況です。ただ、現在FDAの方でいろいろ基礎的な試験をやっているということを 伺っています。それもそれほど遠くない時期に、ある程度わかるようなことも聞いていますの で、そういったところで分かるのではないかと思います。 ○ 許参考人   ボーラスで打たなければ死亡例は出ていないわけですか。 ○ 安全対策課長  いままでの報告では、主なものがボーラスということであります。ボーラスでなければ必ず 起きないのかは、メカニズムが明らかでない状況では、はっきりわかっていません。ただ、起 きているものはほとんどボーラス、それも高用量のボーラスだったという状況です。   供給云々の話ですけれども、先ほどちょっとお話がありましたように、規格によっては早め になくなる云々というお話もありました。ただ、ヘパリン全体で見れば、とりあえずここ数カ 月程度のシミュレーションなどもやっています。その中ではすべての剤がなくなるという状況 では決してありません。 ○ 許参考人   すぐには心配しなくていいわけですか。 ○ 安全対策課長   そういうことです。 ○ 許参考人   わかりました。 ○ 松本座長   よろしいですか、ほかにございませんでしょうか。 ○ 秋葉参考人  いまの供給の問題ですが、お話ですと全体としてのヘパリンの製剤用の配分をうまくやれば、 すなわちプレフィルドシリンジ製剤やロック用の製剤が不足している。バイアルのものはそれ ほど不足はないというイメージでした。そうすると、バイアルで売っている製剤の出荷を少し 止めて、ロック用のシリンジを作っている会社に原材料を供給してもらえば、その生産量を増 やせば全体としての供給は十分できるとお考えなのでしょうか。 ○ 安全対策課長  会社間同士で原材料を融通するという話でなく、先ほど申し上げたとおりヘパリンは標準的 なヘパリン、透析用、ロック用というようになっています。標準的なヘパリンというのは透析 用にも使えれば、ロック用にも院内で調整していただければ使えないことはない。それぞれ、 医療現場のほうでお手を煩わすことになりますが。そういったところで、先ほど申し上げたと おり、全体で見ればそんな数カ月でなくなってしまうような状況では決してない。また、一方 で低分子ヘパリンもあります。そちらも透析等では使えるわけですので、そういう状況だとい うことでございます。 ○ 松本座長   よろしいですか。 ○ 秋葉参考人  趣旨としては、そうすると製剤間で原材料を供給し合えばよいということですね。会社を超 えて。 ○ 安全対策課長  原材料を会社間で融通ということではなくて、この会社の承認はここの原薬で、というのが 先ほどご説明したとおり承認を取って決まっています。すぐさま、ほかの会社の原材料を持ち 込んでいいかというと、それは難しいところがあります。いずれにしても、ヘパリン全体とし てはすぐさまなくなる状況ではない。そこは例えば医療現場のほうでも、透析用がないという のであれば、標準的なヘパリンを使っていただくとか、最悪の場合、そのようなことも当然想 定しています。そこはご理解いただければと思います。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  メーカーの方に2つお尋ねします。1つは10社で1年から3年前のロットについて全部チ ェックしたところ、コンドロイチン硫酸様のコンタミネーションがなかったというお話でした。 これはどういうことなのでしょうか。米国で使われたロットについてもしたけれども、入って いなかったという意味なのか、それとも米国の最近のロットはまだ日本に入ってきていないの でしょうか、どちらでしょうか。 ○ テルモ(小熊氏)  過去、国内で1年から3年遡って使った原薬ヘパリンについては、国内メーカーで確認をし て混入はありませんでした。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  米国で副作用が出たロットについては、日本に入っているのですか、どうですかということ をお聞きしているのです。 ○ テルモ(小熊氏)  入っていません。3社がリコールをかけています米国SPL社で、過去、日本に輸出したも ので、2004年から全部NMRの試験を実施いただきました。その中には1ロットも偽ヘパリ ンの混入は認められませんでした。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  そうすると、コンドロイチン硫酸が入っているもので副作用が起こっているわけですので、 それについては日本には入っていないと考えていいということですか。 ○ テルモ(小熊氏)   はい、そうでございます。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  もう1つは低分子ヘパリンの場合、ヘパリンをいろいろな形で、亜硫酸分解したり、アルカ リ分解したり、過酸化水素で分解したり、メーカーによっていろいろ分解の仕方が違うみたい です。仮にコンドロイチン硫酸様のものと、ヘパリンとの分解のされ方の違いはありますか。 ○ ファイザー(田口氏)   そこまではちょっと確認しておりません。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)   なぜ確認しないのですか。 ○ ファイザー(田口氏)  まだ低分子ヘパリンについては副作用が認められておりません。まず最初に、精製ヘパリン の段階でNMRをすべて、市場にあるものを検査した結果、すべて異常が認められていないと いうことでしたので、そこまでの検査はまだしていないという段階です。 ○ 土屋委員  ちょっと聞き落としたのかもしれません。資料2の7頁、ここで精製ヘパリンメーカーで網 掛けをしてあるところは、要するにツーピークのもので作っているか作っていないかの時期的 なものはあっても、それはツーピークがあったものが網掛け、そうでないものが白になってい るということでしょうか。 ○ テルモ(小熊氏)  網掛けしてある3社は、1ロット以上偽ヘパリンの混入が認められたという精製メーカーで あります。ただ、日本に入ってきているものには、偽ヘパリンの混入したものは入ってきてい ませんということです。 ○ 土屋委員  それから、ここには国内でヘパリン製剤を出している所がそれぞれ供給されている先という のは、この6社以外はないわけでしょうか。 ○ テルモ(小熊氏)  我々のヘパリンナトリウム製剤に使っているのはこの6社、原薬として使っているのはこの 6社のものです。 ○ 土屋委員  いま、結局、日本ではまだ米国SPL社のものではないが、それについてはシングルピーク であっても自主回収をしている。あるいは、そのもの以外のものは、ほかの隣の2つ、ドイツ とイタリアは結局事前に見つかっているから大丈夫だという格好で、回収にもなっていないし、 使えることが保証されているように見ろということなのですか。 ○ テルモ(小熊氏)  先ほど申しましたように、米国SPL社は我々3社がリコールをかけた時点では、2つの試験 法によるヘパリン原薬の安全性の担保データが不十分だったのです。その時点で先ほど言いま した、予防的な安全確保措置、8日、9日の時点では先ほどご報告いただいたように原因がど こにあるか全然わからなかったので、もし精製工程に原因があった、要するに米国SPL社の 工程に原因があったとすると、とんでもないことになる可能性があると。それが否定できない、 否定するだけのデータがまだそろっていなかったものですから、その時点ではやはり安全確保 を優先すべきということで、リコールをかけさせていただきました。   現時点では海外の情報とか、FDAの選別方法等の試験法が定着しましたので、その試験結 果に基づいて、いまの時点で安全が担保できるというデータがそろいましたので、リコールを 解除させていただきたいというものです。それを行えば、早急に生産を立ち上げれば、市場に 対して供給面でのご迷惑をかけることは回避できると考えています。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  いまのお話を聞くといろいろ感じます。要するに、予防的にリコールをかけて、予防的に副 作用が起こることを恐れてということなのですが、投与方法が明らかに違いますよね、ボーラ スをやっているのと。血中の濃度が一時的に極めて高くなっている。そこのことについてはど う考えたのですか。それから、ヘパリンロックの量というのは極めて少量ですよね。それも含 めて、予防的にリコールをかけることの意味をどう考えたかについてお聞かせください。 ○ テルモ(小熊氏)  おっしゃるとおり、当然リコールをかけるとき、我々メーカーとしては供給責任があります ので、代替の確保をしてからリコールをかけるのが通常です。アメリカで大量発生しても、確 かにヘパリンロックでの発生というのは米国の報告の中にありませんでした。ただし、原因が わからない。ショック症状が量に起因して重篤度が決まるかどうかということすら分からなか ったものですから、その事実がわからない時点では安全側によせておくべきだろう。まことに 利用施設の皆様には、安定供給ができないことによって迷惑をよせてしまったというのは、本 当に申し訳ありません。我々3社としては、安全確保をこの際優先すべきということで、一時 的にかけさせていただいたというのが正直なところです。 ○ 大柳理事長(日本静脈経腸栄養学会)  日本静脈経腸栄養学会の理事長をやっていますが、私の学会員、会員がいちばんよくヘパリ ンロックは使っていると思います。そこで安定供給をお願いしますという話をしたわけです。   先ほどの標準ヘパリンを勝手に院内で作りなさいと。現在、我々も作ろうとしているのです が、歴史を考えると、それをやったためにたくさんの感染症とか、いろいろなことがあって大 変困ったわけです。それを考えると、元へ戻すというのは邪道だと思います。やはり、薬の安 全性は担保しなければなりませんけれども、利便性とか、将来の患者の安全性を考えたら、こ れを元に戻すとまたたくさんの感染症、あるいは生食中へ原液を入れて使い回していた間にた くさんの感染症が起こるという、非常に苦い経験がありましたのでこういうものを作ったわけ です。そういう意味では、やはりできるだけ早く再開してほしいと思います。   もう1つは、日本でヘパリンロックの場合は起こっていないだろう。あるいはシングルピー クで、絶対に安全だという保証はないかもわかりませんが、いままで日本で起こらなかった、 あるいはアメリカほどは高くなかった。アメリカでは急に起こったということです。  それにツーピークのものがあったとすれば、いままでのもので安全性が一応担保されている ならば、シングルピークのものは安全、特にヘパリンロックの場合は安全だと考えてできるだ け早く。我々もいまボツボツなくなってくるので、自分たちで作ろうとやっています。私の病 院も1,800ぐらいありまして、その病院でたくさんロックされますと大変なことになります。 そういうことも考えた、安全ということを絶対に担保しながら、なおかつ今までのものが安全 であったら、必ずしもリコールと言わないでほしい気がします。 ○ 秋葉参考人   検査法についてです。各社にはポジティブ・コントロールの検体は配付されたのでしょうか。 ○ 安全対策課長  いや、そういうことはしていません。アメリカなどでも、副作用が起きていなかった時期と 副作用が起きてからの時期のヘパリンを比べてピークが違うというところで分析法の検討の中 でやられているところであります。別にポジティブ・コントロールがなくても、出来ると思い ます。 ○ 秋葉参考人  私は検査法には疎いのですが、知らされた条件だけでシングルピークになったダブルピーク になったと、装置の分解能や細かい前提もなしに言えるのでしょうか。 ○ 山口参考人  これはメーカー、どれだけ引き込まれているか、要するにバリデーションをたぶんやってい ただかないといけないのだろうと思います。試験法のバリデーションをやった上で必要であれ ば。ただ、原料というか、ポジティブをどう手に入れるかが1つの問題です。私どもに原材料 として供給いただいているものがあるのですが、その辺で使えるのだったら、それをデリバー することも考えられると思います。 ○ テルモ(小熊氏)  実は当社、研究用として一部コンタミしたものを入手いたしました。データも持っています。 確かに、FDAの設定された試験法でやると、あれと同じピークが出るというデータを持って います。一部、先生のほうにお渡しして、バリデーションをやっていただけたらと思います。 ○ 山口参考人  一応、我々も500MHzのNMRでピークを確認しています。ただどれだけ希釈、要するに 1%というところ、バリデーションをちゃんとしないといけない。これは我々だけやるのでは なくて、メーカーできちんとやっていただく必要があるかと思います。USPは300MHzの NMRをと提案しているのですが、会議の中ではやはり500MHzを使うべきではないか。日本 のメーカーは、外注かもしれませんが割と500MHzを使っていただいていたようです。その 辺、きちんとしたデータが出るのであれば。ただ、標準品の有無で、バリデーションが無理で あれば標準を使わないといけないでしょう。その辺は試験法をどう設定するかに依存するかと 思います。 ○ テルモ(小熊氏)   また、先生と協議させていただいて、そこはスタンダディゼーションを図ってまいります。 ○ 松本座長   よろしくお願いします。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  ヘパリン様の物質というのは、これはシングルピークでも、どこから出てきても同じものが 1つだけしかないわけですか。物質として。 ○ テルモ   ヘパリンそのもののピークは1つです。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)   いや、そうではなくて。 ○ テルモ(小熊氏)   偽ヘパリンという意味でしょうか。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)   はい。いま同定されているものは1つだけですね。 ○ テルモ(小熊氏)   そうです。過硫酸化コンドロイチン硫酸という、検出されたものは1つです。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  それがいま問題になっているということですね。原物質、粗ヘパリンの供給は中国ないし他 の所でも同じものが出ているわけですか。そういう意味ですね、1カ所から出ているという意 味ではないのですか。 ○ テルモ(小熊氏)   ないです。粗ヘパリンの製造メーカーが1社であるということはないです。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)   いや、原材料という意味です。 ○ テルモ(小熊氏)   粗ヘパリンですね。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)   複数あるということですね。わかりました。 ○ 山口参考人  不純物のピークは、これに関しては2.15、もう1つ、我々は0.25で出しています。 dermatan硫酸が2.08、それについてもアメリカで出されたものにはちょっと多いものがある ので、それも不純物として入れるべきではないかという議論もあったようです。 ○ 松本座長  よろしいでしょうか。よろしいようでしたら、学会等からのご出席である先生方の意見陳述 に入りたいと思います。企業からの説明と同様に、質疑は一括して行いたいと思いますのでよ ろしくお願いいたします。まず、社団法人日本透析医学会の西澤理事長、意見陳述をお願いし ます。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  現在の状況からお話すると、先ほどからお話がありましたように、透析療法ではボーラスは 用いておりません。ほぼ、2,000から5,000単位、1回の透析で用いているということであり ます。現在、副作用報告等は知られておりません。代替品の入手が困難な施設もあるわけでし て、そこではやはり患者への告知を含めて従来品の使用も行っていますが、特に患者の動揺等 はないということでございます。   私どもとしては、安全な透析療法が行えるヘパリンの量と質の確保ということを当然求めて いるわけです。今後とも、そういったことが行えるようにしていただきたいということでござ います。今回のこのことに関しては、一応シングルピークであれば使えるのではないかという 想定になっていますから、それに沿って、ともかく現在の透析療法が現実的に実施できるとい うことをお願いしたいと思います。   ただ、先ほどもありましたが、会員からちょっと話があったのですが、100 ccのボトルを分 注して用いるということもかなりの施設でやっておられるようです。これに関しては先ほどお 話がありましたけれども、感染症の増加といった危惧も当然考えられるわけです。現時点でそ のような問題はないと思いますし、感染というのは今回に限ったことではないのですが、そう いった危惧もあるので、是非従来どおりの形ができればしていただきたいと思います。いまま でのところ副作用は知られていないということですので、それほど私たちは心配しておりませ ん。よろしくお願い申し上げたいと思います。 ○ 松本座長   ありがとうございました。先生、「感染」というのは院内感染のことでしょうか。 ○ 西澤理事長(日本透析医学会)  そうです、同じボトルで共有した場合にということです。通常のやり方であれば当然起こら ないと思います。 ○ 松本座長  ありがとうございました。続いて、社団法人日本透析医会会長の山崎先生、よろしくお願い します。 ○ 山崎会長(日本透析医会)  3月10日でしたか、自主回収に関する記者会見がありました。そのときにも申し上げまし たが、当初、かなり大混乱が起こるだろうと予想していました。しかし、その時点で、代替品 の供給が安定するまでの間は従来製品に気をつけながら、患者に告知しながら使用していいと いうお話が出たものですから、かなり混乱が緩和されたかなと思っています。   ただ、問題は、自主回収に入りますと、当然のことながら供給そのものが停止され、従来の ものを使うにしても、代替品が出てくるまでの間、基本的には院内の在庫でしか使えないわけ です。3月10日に記者会見があり、3月11日の火曜日にはもう在庫分がなくて透析ができな くなるというお話が聞こえてきました。急いでそのことに関してご相談申し上げ、自主回収中 ではあるけれども、ストックされているものに関しては、代替品が出てくるまでの間の供給も やむを得ないかというご判断が出たのだろうと思います。   現時点に至るまで、一応、従来のものを、非常に気をつけながら使っていることは間違いあ りません。ただ、問題なのは、いま出てきておりますように、どのヘパリンに限らずに、ヘパ リン全体で言うならば、当分の間供給は制限される可能性があるというお話ですが、いま出て きている感染の問題、例えば血液透析の患者でも、院内で集団感染するC型肝炎などですと、 かなり多くがこのヘパリンを共同で使用することに関連するものではないかという報告もあり ます。  もう1つついでに言わせていただきますと、例えば低分子ヘパリンが確かに安全だというこ とで、もし現時点で従来のヘパリンが使用できずに、低分子ヘパリンですべて透析をやった場 合、現時点では2割ぐらいが低分子ヘパリンを使っていると思いますが、残りの8割が従来の ヘパリンだと思います。これがもし低分子ヘパリンに切り替わると、なんと、たぶん300億か ら400億ぐらい、医療機関が持つヘパリンの費用が持ち出しになることになります。たぶん従 来の使い方で言うと1,000円ぐらいの差があるはずですから、お一人年間156回透析があって、 1,000円で20何万人と掛け算するとそういう形になります。それはとても非現実的かなとい う気がします。是非、安全は考えながら、従来のヘパリンの供給を安定的に出していただくよ うなバックアップが必要かと考えています。 ○ 松本座長   ありがとうございました。続いて、日本静脈経腸栄養学会の大柳理事長、お願いいたします。 ○ 大柳理事長(日本静脈経腸栄養学会)  私どもの学会というのは臨床の栄養管理、あるいは静脈栄養管理をやっていますので、いつ も術前術後から点滴をやったり、あるいは高カロリー液の点滴をやっています。いちばん多く ヘパリンロックをやっている学会だと思います。ヘパリンロック製剤がなくなるとなった途端、 会員のほうから「少なくとも、安全は当然必要なのでしょうけれども、安定供給ということを 頼んでほしい」という要望が出てきました。   ヘパリンロックというのは断続的に点滴を行う場合、毎回針を刺すのは嫌ですので、留置針 あるいはカテーテルの中にヘパリンを入れて止めておこうということです。ヘパリンは非常に 少ない量を入れているだけです。いままで、ない場合は生食の中に原液を入れて、そこから取 り出して行いました。皆様ご存じのとおり、たくさんの院内感染が起こったという事実があり ます。プレフィルドシリンジをつくっていただいて、そういう事がだいぶなくなってきたとい う事です。確かに、なくてもいままでどおりやれば出来ないことはないわけですが、そういう 心配がある。   もう1つ、3月25日時点でもしヘパリンを自主回収したら、どの程度なくなるのか試算を お願いしました。確かに、よその会社が増産など踏み切った場合でも、おそらく1、2カ月以 内に176万本ぐらいは不足するだろう。それは院内で作ってもらわなければ仕方がないと言わ れました。それをやると大変なことになるだろうと思います。   ヘパロックの場合は入れている量も少ないし、いままでもあまり問題はなかった。安全とう ことが前提であれば、やはりいままでどおりに戻していただきたい。もう一度、自主回収され た商品を全部、それこそNMRとかいろいろなことをやっていただいて、安全ということにな れば、もう一度治療に戻してほしいと思います。以上です。 ○ 松本座長  大柳先生、ありがとうございました。続きまして、社団法人日本病院薬剤師会の会長の掘内 先生、よろしくお願いいたします。 ○ 堀内会長(日本病院薬剤師会)  病院の立場でお話させていただきます。このヘパリン製剤は大体どのぐらい使われているか というと、例えば私は3月まで1つの大学病院におりましたが、ヘパリンフラッシュが月に1 万本、100ユニットのものが1,000本、ヘパリン1万単位が800本、5,000単位が400本とい うぐらい、たくさんの量を使っています。   特にヘパリンロック用の製剤については、もともと看護師が病棟でやっていたのですが、大 変危ないということで、薬剤部でクリーンベンチ等を使って調整をするようになってきていた わけです。2001年に早期承認をということで、要望も日本病院薬剤師会からもしており、製 剤として承認はされているわけです。したがって、こういうものをまた病棟で作るということ は、そこへはバックできないことだろうと思っています。   医療安全の立場から考えると、もしやるとすると薬剤部でやる。ところが、薬剤部ですべて 今のような量ができるかというと、いろいろな業務がありますからなかなか難しい状況になっ てきていると思います。そういうことが1つです。   ですから、こういう必須な薬剤を安易に回収するということは、やはり今後十分に注意をし ていただきたい。医療現場で必須の薬剤、特に日本国内では副作用が現れていないものを予防 的に回収するということについては、十分に検討していただきたいと思っています。特に、日 本ではボーラスはほとんど行われていませんので、その点、よろしくお願いしたいと思ってい ます。   そういう面で、今回のものについては、日本においては先ほどからのお話で、不純物は入っ ていないということですので、今回のものについては安定供給かと。もう1つ、回収をすると いうことは製造を中断する、中止することになるわけですので、それが開始されても実際のル ートに乗ってくるにはやはり3週間、1カ月かかることになります。そういうことも考えてい ただければと考えています。以上です。 ○ 松本座長  堀内先生、ありがとうございました。最後になりますが、社団法人日本看護協会の楠本常任 理事に意見陳述をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 ○ 楠本常任理事(日本看護協会)  発言の機会をいただき、ありがとうございます。この問題については、看護の現場はかなり 混乱しています。特にヘパリンロック製剤については、先ほどお話がありましたように取り違 えの事故があり、それに引き続いて院内感染で10名もの方が生命を落としました。そういう ことがあり、他団体とも連携・共同して、早期製品化をお願いした経緯があります。私が理事 に就任して最初の仕事でしたので鮮明に覚えています。   そのことができ、現場にはあっという間に普及をいたしました。取り違え防止や院内の感染 防止、それから看護の業務の効率化には大変寄与している製品であります。今回、自主回収が 始まりました。ただ、自主回収が始まったという情報とともに、よく説明して使ってもいいと いう解釈も流れ、現場のリスク・マネージメントが混乱いたしました。中では幹部会議をお開 きになって再三検討なさって、よく説明して使えばいいではないかという所と、末梢に関して はとりあえず生食ロックに変えようという所。それから、病棟単位で医師と相談しながら使え というような、標準化できない状況が続きました。   生食ロックは詰まりやすいものですから、患者に大変ご負担をおかけしましたし、いままで 詰まらなかったのにこんなに詰まるということは、お前の技術が下手なのだろうと言われるナ ースもありました。それから、患者のQOLを高める意味で、行動制限がないよう、1日10回 ぐらい止める方もあります。そうすると、何十本も使うという状況でした。   そういったことで、いまは先ほど来出ていますようにこれを薬剤部に戻して、またバイヤル で現場で作るという、この悪夢に戻すのは是非こらえていただきたいと思います。ある現場か ら、500名の患者のうち400名に点滴を施行していて、そのうち50名が24時間持続点滴と いう状況のとき、1日1回ヘパロックをする患者が250人、1日2回、時間指定の注射のため にという人が100名というとき、延べヘパロックの実施回数は450回になります。これの準 備や確認に1回当たり2分というと900分、15時間の時間がかかる。これだけ看護師に業務 負担がまだかかってくることになります。   是非、原製剤の安全性をきちんと確認していただいた上で、先ほど言ったメーカーだけでい いのかというのは私の素朴な疑問でありますが、その上で、安定的なヘパロックの供給を是非 よろしくお願いしたいと思います。 ○ 松本座長  楠本先生、ありがとうございました。ただいま、5人の方に意見陳述をいただきましたが、 ご質問はありませんか。安定供給を望む声ですので、特に質問はないとは思います。全体を通 じて、先ほどもいろいろな意見を聞きましたが、ご意見はありませんか。 ○ 安全対策課長  先ほど、楠本先生のほうから、分析がメーカーだけでいいのかと、国民感情云々からすれば という話もありました。一義的には物の品質の管理ということですので、そこは企業にやって いただく問題だと思っています。ただし、先ほど山口先生から話がありましたとおり、実は国 立医薬品食品衛生研究所のほうでもいろいろご検討もいただいています。全く、全部メーカー 任せというわけでは決してありません。   あと、先ほど先生からもありましたとおり、アメリカなどで局方など、国で決めている規格 の中でどう位置づけるかみたいな検討もされています。これらの点は、状況を見ながらまた検 討していくことになると思います。決してメーカーばかりでということではありませんので、 ご理解いただければと思っています。 ○ 松本座長  楠本先生、よろしいですか。これだけはっきり疑うものがある場合、それを無視する会社が あるとは思えません。その辺は安心できるのではないかと思っています。ほかに全体を通じて ご意見はありませんか。 ○ 土屋委員  先ほど、堀内委員がおっしゃった回収のことです。実は平成11年「医薬品、医療用具の回 収に関する研究」の主任研究者を務め、現在のクラス分類などのベースがありました。最近の 回収を見ていると極めてばらつきがあって、ここでは回収でなく現品交換でいいというものま でも回収で、しかもクラス2というものがいっぱい出てきています。必要な回収は当然すべき だし、無駄な回収はしないということも必要だと思います。それから、そもそもこの回収とい うのは、不具合があることを前提にしていたと思います。  今回のものというのは予防的な回収、ということは当時は想定をあまりしていなくて、実際 不純物が入っていたとか、異物が入っていたとかといったものを前提に作った覚えがあります。   ただ、前文に書いてあるところをよく読んでみると、結局いまも何も変わっていないなとい うのがある。クラス分類もずいぶん変になってきた。結局、各都道府県に判断が行くために、 最初のときには説明会もしたのですが、その当時の人たちがもういなくなったがために変なク ラス分類になっている部分もあると。だから、一度こういうことを含めて、もう1回回収につ いての徹底を図ること。   もう1つ、「予防的な回収」を別のランクにしてはどうか。というのは、自主回収をしてい るのに使っていいというのは、医療機関にとっても非常に抵抗があるのです。現在あるワクチ ンが、自主回収だけれども使っていいよと言われると、回収ということについて正しい知識は あまり持っていない。そうすると、そこには混乱だけが生じてしまっているのです。そのよう なものは使ってはいけないだろうということになっています。やはり、回収ということについ て、もう少し医療機関に対してどういうようになっているかの説明をする。また、予防的回収 についてはクラス分類を分けるとか、予防的回収はこうですと、そのときの措置はどうしたら いいか、ということの手段を検討されたほうがいいのではないかということは思います。 ○ 松本座長  ありがとうございました。よろしくお願いします。ほかにご意見はありませんでしょうか。 ないようでしたら、概ね意見も出尽くしたようですので、この辺で本調査会としてのまとめを 行いたいと思います。いま出された意見を踏まえ、これから私と事務局とで当調査会としての まとめ(案)を作成します。その間、15分ほど休憩とさせていただきます。意見陳述をして いただいた先生方、どうもありがとうございました。大家敷先生には取りまとめはご遠慮いた だくことになっていますので、よろしくお願いいたします。それでは、しばらく休憩させてい ただきます。 (休憩) ○ 事務局   ただいまから会議を再開したいと思います。松本先生、よろしくお願いいたします。 ○ 松本座長   会議を再開します。事務局、取りまとめ(案)を読み上げてください。 ○ 事務局   それでは、取りまとめ(案)を読み上げさせていただきます。   平成20年4月22日、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会。ヘパ リンナトリウム製剤等について。ヘパリンナトリウム製剤、ヘパリンカルシウム製剤、ダルテ パリンナトリウム製剤、パルナパリンナトリウム製剤、レビパリンナトリウム製剤及びエノキ サパリンナトリウム製剤(以下「ヘパリンナトリウム製剤等」という。)については、我が国 においてはこれまで副作用発生の増加は認められておらず、また、これまでに国内で出荷され た製剤に使用された精製ヘパリンからは不純物(高度に硫酸化されたコンドロイチン硫酸)は 検出されていないとの報告を受けた。   米国等におけるアレルギー等の副作用発生増加の原因は現時点においては解明されていない が、ヘパリンナトリウム製剤等は救命的な目的に使用される等医療上重要な医薬品であること に鑑み、当調査会は、ヘパリンナトリウム製剤等について、当面の間、以下の対応をとること が適当であると考える。   1.品質管理の徹底について。(1)厚生労働省は製造販売業者等に対して、ヘパリンナト リウム製剤等の品質管理の徹底を図るよう、以下のとおり改めて指導すること。ア.取り扱っ ている医薬品及びその原材料について、安全性確保の観点から品質に問題がないかを、その製 造業務が適正な製造管理及び品質管理の下で行われていることの確認を行うこと等により、速 やかに点検すること。イ.ヘパリンナトリウム製剤等の製造等にあたっては、承認書等で規定 される事項の確認に加え、原料として使用される精製ヘパリン等について、当面、米国FDA が公表した試験検査方法を参考として、ロット毎に適切な試験検査によって不純物が含まれて いないことを確認すること。(2)厚生労働省は、欧米の規制当局と連携しつつ、国立医薬品 食品衛生研究所の協力も得て、上記(1)イの試験検査方法について、製造販売業者に対し、 適切な指導を行うこと。   2.安全性に関する情報の収集・提供の徹底について。厚生労働省は製造販売業者に対して、 1(2)より確認されたヘパリンナトリウム製剤等について、以下の内容を医療関係者に情報 提供し、注意喚起の徹底を図るとともに、副作用等の情報の収集について徹底を図るよう、改 めて指導すること。また、関係学会等の協力も得て、注意喚起に努めること。   ・ ヘパリンナトリウム製剤等の添付文書の重大な副作用に記載されているショック等の副 作用に十分注意の上使用することとし、使用中及び使用直後は、血圧低下や意識低下など のアナフィラキシー様症状の徴候が見られないか患者を慎重に観察すること。 ・ 米国の副作用報告の大部分は、高用量(5,000〜5万単位)のボーラス投与(迅速な作 用を期待して静脈内に高用量の薬物を短い時間で投与する方法)によるものとされている ことから、ヘパリンナトリウム製剤等を使用する際は、投与量、投与速度について留意す ること。   3.厚生労働省は、引き続き、ヘパリンナトリウム製剤等に関する国内外の品質・安全性に 関する情報の収集に努め、必要に応じ、迅速かつ適切な対応をとること。   訂正ですが、2頁目の2.、「1(2)により確認された」とありますが、1(1)イの誤り ですので訂正させていただきます。 ○ 松本座長  ありがとうございました。この取りまとめ(案)に関して、ご意見等はありませんでしょう か。よろしいですか。もし、特段ご意見がないようでしたら、承認していただいたものとさせ ていただきますが、よろしいですか。 (異議なし) ○ 松本座長  どうもありがとうございます。この調査会としては、この取りまとめ(案)を了承していた だきました。どうもありがとうございました。   本日ご出席いただいた委員、参考人、意見陳述人の皆様におかれましては、お忙しい中を調 査会の場においでいただき、ありがとうございました。その他、事務局から何かありますか。 ○ 事務局   ありません。 ○ 松本会長  ないそうです。それでは、本日の議題はすべて終了いたしました。本日はこれで閉会とさせ ていただきます。どうもありがとうございました。 照会先:厚生労働省医薬食品局安全対策課 電話:03−5253−1111