08/04/15 『介護保険料の在り方等に関する検討会』第6回議事録 日時:平成20年4月15日(火)15:00〜17:00 場所:全国都市会館 第2会議室(3F) ○大澤介護保険課長  定刻よりちょっと早いんですが、実は駒村委員は少し遅れて来られるということと、台委員は 急用で欠席とのことですので、今日、おそろいの予定の委員がおそろいでございますので、 少し早いんですが、これから始めさせていただいてもよろしいでしょうか。  ただいまから、第6回「介護保険料の在り方等に関する検討会」を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。  本日の委員の出席状況でございますけれども、今、申し上げましたように、台委員は急な所用で 欠席と承っております。  また、駒村委員は、多少遅れて来られるようです。  なお、局長、審議官、総務課長におきましても、国会用務のため、欠席または遅れて来ることが あろうかと思いますけれども、御容赦いただきたいと存じます。  それでは、田中座長、よろしくお願い申し上げます。 ○田中座長  皆さん、こんにちは。それぞれ自治体の方々、遠くからありがとうございます。  では早速ですが、本日の議題に入ります。  本日の議題は、ここにありますように「今後の保険料制度について」と、割と一般的な名前が付 いています。  初めに、事務局から資料の確認と説明をお願いします。 ○大澤介護保険課長  まず、配付させていただいている資料の確認をさせていただきます。  座席表、議事次第の後、資料1−1として「前回提出したアンケート結果の追加資料」。  資料1−2として「シミュレーションにおける各保険者の所得段階別被保険者数加入割合」。  資料1−3として「他制度における賦課限度額の考え方について」。  資料2として「賦課ベースについて(保険料)」。  資料3として「これまでの御意見の整理」。  参考資料として「今後検討すべき主要な課題(第3回提出資料)」。  最後にメンバー表。  以上でございます。不足がございましたら、お申し付けいただきたいと思います。 ○田中座長  ありがとうございました。  最初に、資料1が3つに分かれていますが、これについて説明をお願いいたします。 ○大澤介護保険課長  まず、資料1−1〜1−3につきまして御説明をさせていただきます。  これらは、いずれも前回のこの会議におきまして、お求めになりました資料について整理をさせ ていただいたものでございます。  まず、資料1−1は、前回提出いたしました各保険者に対するアンケート結果についての追加資 料でございます。  これについては、そこの設問と結果にございますように、現在の介護保険料の賦課方式について、 どのような認識をお持ちかによって、3の(1)であります現在の賦課方式(段階別定額制)を見 直すべきとの意見について、どのような相関関係があるかというお尋ねがございましたが、それに ついてクロス集計をさせていただいたものでございます。  中ほどの帯グラフをごらんいただきますとおわかりのとおり、まず、住民の間に定着しており、 特に問題はないと思われている保険者のうち、89.2%の方が「現行のままでよい」という御意見で ございました。  他方、住民の理解を得にくい点も多く、問題があると思う保険者のうち、73.5%が「見直すべき である」という御意見で、現状認識によって、今後の見直しについての御意見は、御説明したよう な傾向を確認することができました。  資料1−2は、前回御説明をいたしましたシミュレーションにおけます各保険者の所得段階別被 保険者数の加入割合についてお示しをしたものでございます。上から「A保険者」「B保険者」 「全国平均」「C保険者」「D保険者」と並んでおります。  「A保険者」は被保険者数40万人以上、「B保険者」は30万人以上、「C保険者」は5万人以上、 「D保険者」は1万人以上ということでございましたけれども、中ほどに「全国平均」がございま す。第1段階から第4段階まで、すなわち市町村民税本人非課税者の方の割合は、全国平均を足し ますと63%になるわけでございますが、被保険者数の規模が大きくなるに従いまして、この第1段 階から第4段階までの市町村民税本人非課税者の割合が減少する傾向を確認することができます。  ちなみに、A保険者の場合は、第1段階から第4段階までが54.3%、B保険者は61.8%という ことになっております。  他方、C保険者、D保険者と被保険者数の規模が小さくなるに従いまして、市町村民税本人非課 税者の第1段階から第4段階までの割合が大きくなっておりまして、それぞれC保険者の場合は 65.3%、D保険者の場合は71.3%になっております。  なお、注釈にございますように、第5段階以上の課税者の所得金額の刻み方については、A保険 者からD保険者までそれぞれ若干金額を異にしておりますので、御注意をいただきたいと思います。  続きまして、資料1−3でございます。こちらは、他制度における賦課限度額の考え方について お尋ねがあったことに対するお答えとして用意させていただいたものでございます。  「(1)国民健康保険料(税)」は、賦課限度額の医療分47万円、後期高齢者支援金分12万円、介護 分9万円、合計68万円という水準になっております。これは奥様が153万円以下の年金収入の場合の 夫婦世帯における賦課限度額でございますけれども、その考え方は、そこにございますように、仮 に受益の程度とかけ離れた応能負担が課せられた場合に、納付義務者の納付意欲にかえって悪影響 を及ぼし、ひいては制度や事業の円滑な発展を阻害するおそれがあることから、この賦課限度額に つきましては、限度額を超える世帯の割合を全世帯の4%台とすることを1つの目安として設定し ておられるということでございます。  他方「(2)後期高齢者医療保険料」の場合は、個人単位で賦課限度額は50万円となっております。 こちらは、ただいま申し上げました国保の賦課限度額の水準を参考にして、国民健康保険でちょう ど限度額を負担する年収の水準の層について、国保の限度額と同程度までの負担を求め、所得割の 傾きをなるべく緩くして中間所得層の負担を抑制するために、このような賦課限度額が設定された と聞いております。  以上が、資料1−1〜資料1−3までの御説明でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○田中座長  ありがとうございました。今、説明いただきました資料1−1〜1−3について、御質問や御意 見はおありでしょうか。  後期高齢者医療保険料が50万円のときには、介護分というのは別枠で残っているわけですか。 ○大澤介護保険課長  こちらは65歳以上の第1号被保険者でございますので、別途普通徴収の対象者ということですか ら、ここにはカウントされない。つまり、64歳未満の方については、医療保険料と合わせて徴収さ せていただくということですので、国民健康保険の被保険者の場合は介護分も載せておりますけれ ども、高齢者医療保険料の場合は75歳以上でございますので。 ○田中座長  1号被保険者だから、ここにはカウントされないという理解ですね。 ○大澤介護保険課長  さようでございます。 ○田中座長  ありがとうございました。確認できました。  どなたかが質問なさった結果のデータをずっとそろえていただいたのですが、よろしいですか。  では、続きまして、資料2の賦課ベースについても説明をお願いいたします。 ○大澤介護保険課長  資料2「3 賦課ベースについて(保険料)」をごらんいただきたいと思います。  1ページは、賦課ベースについて、現行制度、他制度の現状について説明をしたものでございま すけれども、参考資料を御確認いただきたいと思います。後ろから2枚目の資料でございます。  こちらは、第3回目の会合におきまして提出させていただきました資料でございますけれども、 「今後検討すべき主要な課題(案)」ということで、「1 制度の基本設計に関する事項」のうち、 (1)と(2)の問題は前回までに御議論いただきましたが、今回用意させていただいております のは「(3)賦課ベースをフローでみるか、ストックも含めるかどうか」という論点に関する資料 として準備をさせていただいたものでございます。  資料2に戻っていただきまして、まず「(1)現行の介護保険料の算定に当たっての対象」でござい ます。  そこにございますように、地方税法に規定いたします「合計所得金額」を用いておりまして、資 産は対象としておりません。ただし、土地などに係る事業所得や株式などに係る譲渡所得などは対 象にしております。  なお、介護保険料の段階別設定につきましては、個人住民税均等割の課税状況を用いているわけ でございますけれども、均等割の対象所得も「合計所得金額」となっております。  次に「(2)他制度の資産賦課」でございます。  御案内のように、国民健康保険の場合、資産割を含む賦課方式を採用している保険者がございま す。そこにございますように、国民健康保険といたしましては、4方式から2方式までございます けれども、4方式の中に資産割が含まれているわけでございます。平成17年度末時点、この4方 式を採用している保険者は全国で1,518保険者、率にして82.3%ということになっております。  この資産割については、右端にございますように、固定資産税額による算定方法を採用しており ます。ただ、保険者といたしましては、8割を超えるところが採用しておりますけれども、被保険 者の数でいきますと約2,369万人ということで、率にいたしますと49.5%、5割を切る状況になって おりまして、どちらかといえば、都市部等については、3方式以下の方式を採用されているのかな という状況でございます。  また、後期高齢者医療については、資産賦課はございません。  次に「(3)他制度の賦課対象所得」でございます。  国民健康保険で多く採用され、また後期高齢者医療でも採用されております、いわゆる「旧ただ し書方式」。小さい字で恐縮でございますけれども、注釈がありますように、基礎控除後の総所得 金額を算定基礎とした保険料算定方式でございますが、この旧ただし書方式の場合は、総所得金額 等から各種所得控除を行いませんので、本文方式と言われているものが所得控除といたします関係 で、賦課対象が本文方式と比べると広くなっているということでございます。  また、合計所得金額は、旧ただし書方式と比べますと、純損失の繰越控除等が認められていない などの違いもございます。  以上、申し上げたことを一覧表にしたものが、2ページの一覧表でございます。御参照いただけ ればと存じます。  資料3の6ページを見ていただきたいと思います。  「(3)賦課ベースをフローでみるか、ストックも含めるかどうか」について、実は前回までに も既にこの点について、各委員から御意見をちょうだいしております。これについて、御参考まで に御紹介させていただきたいと存じます。  かいつまんで御説明いたしますと、国民健康保険は、申し上げましたように、資産割とかストッ クの方にも目を向けた仕組みがあるけれども、介護保険料について、そういった部分をどう考えて いくのかという問題提起がございました。  1号保険料に限っての話でいうと、世代間の移転ではなくて、高齢者の間での費用負担の分配と いうことからすると、給付をたくさん受けることによって、たくさん資産が形成されるという観点 からのストックに着目しての負担の導入というのは少し難しいのではないかという御意見。  また、事前に賦課する前に、ストックをすべて調べて、それに基づいて保険料を賦課するのは、 実務上不可能である。介護保険の中だけで資産まで見て保険料を安くするのかどうかというのは、 生活保護など、ほかの部分にも足を突っ込むような感じになるのではないかという御意見がござい ました。  また、仮に資産を取られる場合には、現実的には固定資産を尺度とせざるを得ないものと考える わけですが、この場合には、(1)固定資産のみでは十分な公平を図り得ない可能性がある。(2)遠隔地 に固定資産を有する場合などにおいて、実務に支障が生じる可能性がある。(3)固定資産に関する課 税政策の変更や、大規模な評価替えなどが行われた場合には、今回と同様の混乱が生じる可能性が あるという御指摘もございました。  また、ストックに関して、後期高齢者医療には入れずに、介護保険だけに入れるというのは妙な 感じがするという御意見もございました。  7ページの上から3つ目の○ですが、ストックについては、費用負担の公平という観点と、社会 保障制度の多くの部分では大規模に世代間扶養が行われていて、後世代の非常に重い負担を受けて きた高齢者がたくさん資産を残すということについて、それが妥当だろうかという議論の仕方もあ る。そういう意味では、なるべくストックというのは考えていった方がいいし、相続の段階という のは魅力的であるという御意見も一方ではございました。  説明は、以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございます。では、今の部分も併せて議論をしていいのですね。 ○大澤介護保険課長  はい。 ○田中座長  では、資料2についての説明と資料3の6、7ページにかけて、御質問や御意見がありましたら お願いいたします。  これまでの意見では、ストックベースの介護保険料負担は難しいという意見がほとんどで、スト ックに着目するとしても、相続段階であるとの御意見が2つ書かれているということですね。これ について、更に付け加える点があれば、お願いいたします。  どうぞ、お願いします。 ○菊池委員  これは自治体の方にお伺いした方がよろしいのかもしれないのですが、資料1−1の2つ目、保 険者の規模によって保険料の各段階のパーセンテージがちょっと違ってくるということと関連して いますけれども、国保で資産を見ている。それは恐らく、総体的には規模の小さな自治体で行われ ていることとの関連で、介護保険の方でも、資産を見るという選択肢を残した方が好ましいという 御意見というか、そういう自治体の皆様のニーズはないのかなというのを確認的にお聞きしたいと 思います。 ○田中座長  どうせ国保でも資産割しているのだから、こちらではできないのか、あるいはしないのかとの質 問ですね。資産割が行われている自治体について、これは森岡さんか藤さんの方がいいですね。 ○森岡委員  国保の方は、資産割を含んだ4分割でやっておりますけれども、介護保険の中で見れば、フロー の部分(所得割)でやっていくのがいいのかなという気がしております。 ○田中座長  その資産を入れても、特段に大きな変化は起きないということですか。それとも難しいとの意味 ですか。 ○森岡委員  資産の捕促が難しいです。 ○田中座長  どうぞ。 ○藤委員  一度発言させていただいたと思いますけれども、他の国保にしても、固定資産税の要素を入れる 際にどれだけ把握ができるのかなというのが、我々職員の側にあります。そういうことも含めて、 資産割というのが国保の賦課の中身からなくなりつつあるのがそういう意味だろうと思いますので、 特に固定資産税だけをとらえて、介護なり国保に入れるのは、ちょっと制度的というか、実務上難 しいなという実感はしています。 ○田中座長  どうぞ。 ○南方委員  国保の資産割は、先生方も御存じだと思いますけれども、国保というのは、第1次産業中心の医 療保険制度で、当時はそんなに日本の状況が、所得の発生するような人ばかりでなかったというこ とがあって、資産割というのは、どちらかというと所得割を補完する意味で入れられたものだと認 識しています。それが時代の流れとともに、資産が所得を生み出す場合は所得として把握されます ので、純然たる固定資産だけをどうするかというのはいろいろ議論があります。結局所得の総額だ けではカバーできないから捕捉するために資産を入れたのですが、都市部では所得だけで間に合う ようになったんで、だんだん資産割がなくなって、結局規模の小さなところとか、農山村地帯が相 変わらず所得だけでは間に合わないので、資産割が残っているんだろうとひとつ認識しているわけ です。  それから、都市部の場合はもう一つ問題があって、土地の高騰等もあり、最低限の自分が住んで いる家とかマンションの1室とか、そういう資産はあるけれども、その評価額を資産割にして加え てしまうと、実際にはそこでは何も金員を生み出さないので、それで計算されてしまうと保険料が 払えないという人がいっぱい出てきてしまうということもあって、都市部では資産割をどんどんな くしてきたんだろうと思います。  1つ例を言えば、駅前のマンションにおじいちゃん名義のマンションがあって、そこにおばあち ゃんが住んでいて、そこはえらい評価が高いんですけれども、その資産税額を評価してしまうと保 険料はものすごく高くなるのに、実はおばあちゃんはおじいちゃんが残してくれたマンションに住 んでいるだけ。都市部ではこういった例がたくさんあって、そうやって資産割の果たす役目は違っ てきているなということで、都市部ではどんどん廃止して、その流れで、今では大きな規模の市町 村よりも小さな規模の所だけが残っていると思うのです。  介護保険が始まったときに世の中の情勢がどうだったかというと、国保ができたときとは全然情 勢も違うし、医療費のようにべらぼうに給付費も保険料も高くないし、そんな中で資産割を入れる ことは必要ないだろうという議論もあったように記憶しています。  ですから、その辺の流れを考えると、むしろ資産割というのはなくなってきている方向にあるの で、やはり所得割で十分カバーできるのであれば、あえて資産割を入れなくてもいいのかなと思っ ています。  ただ、それは固定資産ということで考えるとそうなんですけれども、年金受給者等がサービスを 利用することによって資産を形成していくといいますか、有価証券とか現金がたまっていくことに ついて、どうするかというのはまた別な議論なんだろうと思いますけれども、それを把握して、保 険料の基礎にするというのは、自治体としては完全に捕捉できないので、これはなかなか難しいと 思います。そういう2つの考えがあるのかなと思っていました。 ○田中座長  歴史と現実から説明いただきましたが、よろしいですか。  駒村委員、どうぞ。 ○駒村委員  事務局に確認なんですけれども、資料1−3に後期高齢者医療制度の考え方がありますが、中間 所得層の負担を軽減させるという思想があったんだと書いてありますね。今、前回資料を見ている んですけれども、我々が検討しているような応益、応能のコンビネーションをやった場合には、ど の所得層の負担が重くなっているのか。これはいろいろなパターンがあるし、今、まさに議論して いるA〜Dの地域によっても、どの所得層の負担が大きくなるかというのは変わってくると思うん です。  こちらの方は、どちらかというと、階段のどこにいるかによっても違いますけれども、中間所得 層が今よりも負担が大きくなってしまうという理解をしていいんですか。皆さん、前回の資料がお 手元にあると思いますが、シミュレーション概要の35ページとかでしょうか。第5、第6段階が現 行制度よりも高めになってしまって、一方、高所得者の方は、この制度設計でいくと、比較的軽減 されると見えるんです。  これがいいかどうかというよりは、後期高齢者医療制度は、負担に対してそういう欠落があった のかどうかという整合性みたいな話です。 ○大澤介護保険課長  ごらんいただいております35ページのシミュレーションの図から見ますと、この場合、赤い賦課 限度額のところが1.65倍で設定されているわけですが、これは第3期の介護保険事業計画の給付見 込みを前提として、現在の階段式のものを定額制に変えた場合にどうなるかということをやってお ります関係上、上限額は2ぐらいから1.6まで下がっている形になって、その分、第3段階とか第 5段階のところにしわ寄せがきているような結果になっておりますが、後期高齢者の場合に、上限 設定の度合いによって、中間所得者層の負担感が違ってくるという意味は、この35ページの赤いと ころでいきますと、この賦課限度額をどのレベルにするかによって傾きが変わってきてしまいます ので、そこで第4期ないし第5期、将来の介護保険事業計画のときに見込まれる給付を賄うための 保険料を計算するときに、この賦課限度額というのが1つの論点になってくるわけですけれども、 この賦課限度額をどこに設定するかによって、中間層の傾き方の具合、すなわち中間所得層の負担 感が変わってくるところをどう考えるかということなんだろうと思います。  したがって、国保の場合は4%台ということのようですけれども、介護の場合、そこの賦課限度 額層をどれぐらいの負担にするのかとか、あるいは中間所得層の方々の負担をどの程度にするのか という、幾つかの要因をどう解析するかということだろうと思います。 ○田中座長  よろしいですか。賦課限度額を低くすると、中間層の負担が増えるし、高くすれば中間層の負担 は減る。それをどう考えるかを言ってほしいということですね。  どうぞ。 ○駒村委員  多分、これは後期高齢者でも問題や誤解もあるかもしれませんけれども、現行のシステムから大 きく変えていますので、そういう意味では、後期高齢者の方は大きな混乱が起きている部分もあろ うかと思います。  年金も大変厳しくなっている中で、高齢世代の中のどの階層に少し頑張っていただくのかという 議論が1つ重要な論点で、めちゃめちゃな賦課限度額というのはあり得ないとは思いますけれども、 8,000円という段階でシミュレーションをしていますが、もう少し工夫の余地があったり、あるい は応能、応益がシミュレーションの中では、これも議論が前回あったかどうか記憶があれですけれ ども、4:6というコンビネーションはありますけれども、逆に6:4というコンビネーションだ ってあるんだろうとは思います。社会保障全体の中で、手取りの年金の価値の意味も含めて、どの 所得階層に少し頑張っていただくのかという議論も必要なのかという問題提起です。 ○田中座長  問題提起としては、そのとおりですね。すぐ答えはないかもしれませんが、今日はあたかも最初 に後期高齢者医療保険料を引かれている日なので、重要な点かもしれません。  ほかによろしゅうございますか。  介護保険料の金額からすると、南方委員がおっしゃったように、ストックまで考えて事務処理は 大変である。  他方、全体として最後に残ってしまった資産をどうするかは別の話である。それはしかし、介護 保険の外側の話ですね。介護保険に取り戻す話ではないでしょうから、社会全体としてそういう資 産をどこまである程度返していただくかどうか。  では、残りの時間は、資料3について、事務局がこれまでの意見を課題別に整理していただいた ので、これを基に今日新たに付け加えることがあれば、委員の先生方の御意見を伺いたいと思いま す。一通り資料3を説明していただけますか。 ○大澤介護保険課長  それでは、資料3を御説明させていただきたいと思います。  今、座長からお話がありましたように、従来もこれまでの御意見の整理をまとめさせていただい ておりましたが、今回の資料は、前回の会議での御意見を加えましたのと、多少小見出しを付けた ところが変わっております。いずれにいたしましても、参考資料として配付しております「第3回 提出資料 今後検討すべき主要な課題(案)」の論点に従いまして、事項ごとに、これまでの主な 御意見を整理させていただきました。  それでは、資料3の1ページから、かいつまんで御紹介をさせていただきたいと思います。  まず1点目の「1 制度の基本設計に関する事項」の「(1)定額制か、定率制か。あるいは混 合型か」ということですが、まず「(1) 現行の所得段階別定額制の問題点」でございます。  現行の第1号被保険者1人当たりの保険料は、区分ごとの間差額も大きくなり、収入に大きな差 異がないにもかかわらず保険料負担が大きく異なる場合がある。  第4段階が「本人住民税非課税」という点について、住民の理解が得られにくい。  国民健康保険と後期高齢者医療と介護保険の保険料算定の仕組みが異なるというのは、住民の理 解が得られにくくなる可能性がある。  課税、非課税という段階基準では、収入の額が変わらないにもかかわらず、税制改正によって保 険料が大幅に上がるという現象が起こりやすい等々の御意見がございました。  次に「(2) 今後の制度設計に当たっての基本的考え方」でございます。  第1号保険料の在り方については、次の視点を基本として検討すべきということで、公平、簡素、 負担者にとってわかりやすいものであること、類似ないし隣接制度とのハーモナイズを志向するこ と、実務に適することを挙げていただいております。  2ページの2つ目の○ですが、これまで各改正が相次いで、高齢者の所得保障、所得水準がある 程度厳しくなっていく中で、応益原則を中心にしながら、この制度が持ち得るのかどうなのかとい うのが重要な論点である。高齢者世帯内での所得再分配の必要性が高まっているのではないかとい う御意見である一方、垂直的な再分配というのは、こういう保険料のシステムの中では余りやるべ きではなくて、水平的公平を含む公平の概念に応じた整理が必要ではないかという御意見もござい ました。  少し飛んで下から2つ目の○ですけれども、制度創設当初は「第1号被保険者は基本的に稼得年 齢層ではなく、高齢者世代内での所得移転の政策的必要性は必ずしも高いとは言えないため、定額 制を採用した」ということであるが、現在は、収入やストックにおいて高齢者間で格差が大きくな り、高齢者世代内で一律にみんな同じだという状況は異なってきている等々の御意見がございまし た。  3ページ「(3) 具体的方向性」でございます。  定率制だけでは、拠出と給付の関連がある社会保険制度として難しく、定額制だけでは現状の問 題点が明らかになっているので、定率と定額を組み合わせるほかないという御意見です。  1つ飛んでいただいて、定率制を実施するとしても、70%もの構成比率からなる非課税者には均 等割を導入しなければ給付は賄えないし、残りの課税者に対して定率制を導入した場合も現状の所 得分布では高額所得者にかなりの負担が強いられることになる。したがいまして、累進課税制を導 入しなければならないと考えるが、所得水準の分布によっては結局、現行第4段階の者に限らず、 第2・第3段階の者に対しても一定の負担が必要になることになるという御意見でございます。  それから、地域の選択制という御意見と、均等割として、国保料で言うような「応益負担」とし てではなく、介護保険制度という相互扶助システムへの参加の証、会費的なものとして、被保険者 全員が共同かつ最低限の負担を行うことが望ましい。  1号保険料は、所得割と均等割の2要素によって構成し、所得割において「旧ただし書方式」を 採用することが望ましい。  旧ただし書方式は、外形標準的な賦課であり、今回の議論の契機たる税制改正や景気変動に対し て鈍感である。また、負担者によって予測可能性が高まるとともに、保険者にとっても収入(およ び実務)が安定するといった利点がある。  旧ただし書方式は、高齢者医療及び国保制度の動向に沿うものであるとともに、算定方式が比較 的簡素であり、実務に乗りやすい。  前回のシミュレーションの結果、実現可能性があるパターンは、控除額80万円のパターンだと思 われるという御意見がございました。  4ページ、所得割賦課の上限については、低・中堅所得層の負担軽減の観点からいえば、できる 限り高く設定すべきだという御意見がある一方、負担上限は、今の2倍もしくは2.5倍ぐらいのと ころでないとなかなか理解が得られないのではないかという御意見。  また、総費用で見ると、介護と医療はけたが違うので、限度額は医療よりも低くてもいいと思う けれども、国保のように限度額に達している人を全体の何%とするかは、バランスの問題だという 御指摘もございました。  「(2)賦課を個人単位で行うか、世帯単位で行うか。個人単位の場合、世帯の負担能力をどう 考えるか」という論点については、まず「(1) 現行制度の問題点」でございます。  基準額が本人非課税・世帯課税という要件になっていることから、世帯分離が増加していると言 われている。  現行制度は収入が年金のみの世帯など、いわゆる逆転現象が生じるケースが考えられる。  個人単位での保険料賦課にもかかわらず、その算定に当たっては、世帯概念を導入していること について非常に説明しにくいし、市民から理解されにくい。後期高齢者医療制度と世帯概念が異な るのも、市民の感覚から理解されにくいという御意見がございました。  5ページ「(2) 今後の方向性」でございます。  高齢者の自立をサポートするという介護保険の理念から言って、保険料についても個人単位で課 していくというのが自然で、理屈の上ではすっきりする。  高齢期に入れば、働くという単位では、夫婦が役割分業をしているという状態ではなくなるので、 そういう意味では、原則個人単位と見ていく方法もある。そのうちで、消費の限界の問題があるの で、世帯に着目して、一定所得以下については、世帯に着目した減額制度というのも入れていくこ とが整理できるのではないか。  基本は、応益部分と応能部分がある個人単位とし、特別に減額する場合は、世帯単位に着目する という御意見がありました。  最後の○ですが、言わば共通の安心を得るための1つの受益に対する負担という発想に立てば、 個人単位で保険料を課すというのは十分あり得る。一方で、応能をどういうふうに測るかというと きに、例えば諸外国などでは、経費の部分で世帯で負担能力を測る仕組みが導入されていて、ある 程度応能的な考えで課される部分については、世帯概念というものも部分的に盛り込まざるを得な いのではないかという御意見がございました。  6ページの(3)は、先ほど御説明をいたしましたので、省略いたします。  7ページの「(4)その他」でございます。  「(1) 保険料の設定期間」でございますけれども、事業計画期間が1年の方が、より実態に即し た保険料設定ができ、環境の変動にも対応するように即応性があるという御意見がある一方、事業 計画期間が3年でいいのか悪いのかは別問題として、あくまでも一定の期間内における給付に見合 う保険料なので、その辺からも議論しないといけないという御意見もございました。  8ページ「(2) 低所得者に対する配慮」でございます。  給付がこのまま推移していけば、低所得者にとって介護保険料の負担はますます重くなり、定率 制を導入しても納付能力以上の保険料となる可能性は大きい。一方、給付適正化や介護予防の効果 はすぐには現れてこないと思われる。負担の在り方について、全面的な検討が必要であるという御 指摘でございます。  低所得者に対する軽減については、公費を入れて他の被保険者の負担軽減を図るようにお願いを したいという御意見。  1つ飛んでいただいて、定額制の場合、減額というのは不可避になってくると思うので、特に財 源がどこからというのは、かなり社会保険の本質に関わるような問題である。減額の税源としての 公費の扱いについては、公費が5割を超えるということと、社会保険という仕組みをとっているこ とをよく考えなければいけない論点であるという御指摘もございました。  9ページ「(3)調整交付金の在り方」でございます。  調整交付金について、5%という枠内で調整し切れているかは検証の余地がある。25%という全 体の枠を維持しつつ、所得水準に対応する調整枠を拡大すれば、所得水準の低い地方の保険料負担 を更に軽減することができ、負担に対する被保険者の理解を得やすくなるのではないか。また、広 域自治体たる都道府県の負担についても調整交付金を設け、所得水準の格差の是正を強化すること を検討してはどうかという御意見など、定率制にする場合に、調整交付金の在り方については、大 変関心かあるという御意見もございました。  「(4)保険者の裁量」については、単純に市町村といっても、大規模な都市、小規模な町村がそれ ぞれ抱えている保険の状況は違っていて、負担の在り方についても、地域地域の状況によって何が 望ましいのか、何が一番その地域で合意を得やすいかということが異なってくる。定率制度にした ときに、どこまでをナショナルな規定として設けて、どの部分を保険者の裁量で調節できるように するかが、国のルールをつくる上での1つのポイントであるという御指摘がございました。  10ページ「2 改正に当たって考慮すべき事項」でございます。  「(1)所得捕捉、システム変更等に係る保険者の事務負担について」でございます。  保険料を算定する際には、保険者が独自に収入申告をさせるという手法は、市町村にとって大き な事務負担となる。したがって、保険料を算定するに当たっては、既存の市町村民税の課税・非課 税情報を活用するのが効率的であるという御意見がございます。  11ページですが、「旧ただし書」による計算方式も平成15年の税制改正が行われて、簡素化され たので、制度創設当初よりは事務負担は幾分軽減されているとか、あるいは電算処理システムも加 速度的に改善されているので、制度創設当初よりはよくなっているという御意見もございます。  4つ目の○、65歳以上の所得の把握ができていない方の分をどうやって把握するかという問題で すけれども、75歳以上の方は後期高齢者医療で把握は可能であるし、65歳から74歳までの方も、8 割近い国保加入者の所得把握はしている。  65歳から74歳の国保に加入していない2割の方の所得把握は、少なくとも年金以外のデータにな ると、税の方からもらわないといけないが、税申告の要らない程度の少額年金の方でも、年金情報 は社会保険庁から各市町村に送られてくるので、既存の範囲でかなりの部分の所得把握は既に確保 されているという認識でいるという御意見がございました。  また、電算システムの変更・修正、市民への周知に相当な時間がかかるので、何か事を起こすに 当たっては、市町村の意見を十分聞いてほしいことと、周知やシステム改修のために時間を十分い ただきたいという御意見もございました。  一番下の○ですが、定額制だと所得が少し変わってもある程度の範囲でおさまるので、事務的に 余り負担ではないけれども、定率制にすると1円違っても全部処理しなければいけないとか、年金 の特別徴収がストップしてしまうので、やり方によっては事務負担が増えるという御意見もござい ました。  12ページ「(2)経過措置」につきましては、いわゆる激変緩和措置のことなのではないかと思 いますが、それを受けている本人にしてみると、保険料が毎年上がるので、経過措置はできれば避 けたいという御意見。  「(3)他制度への影響等について」につきましては、特定入所者介護サービス費において、世 帯の課税状況を判断基準としているので、世帯分離が増加していると言われる等の御意見がござい ました。  かいつまんだ説明で恐縮ですけれども、以上でございます。 ○田中座長  ありがとうございました。小見出しを入れて整理いただきましたので、これについて質問よりは、 むしろ追加意見、あるいはかつて言ったことを更により強く主張なさっていただいても結構です。  せっかく小見出しを付けていただいたので、順番にいきましょうか。  最初に、1の「(1)定額制か、定率制か。あるいは混合型か」が、4ページの中ほどまであり ます。ここについて新しい意見でも結構ですし、既に載っている意見を更に裏書きする、ないし強 める御発言でも結構です。お願いいたします。  森田委員、どうぞ。 ○森田委員  8ページの「(2) 低所得者に対する配慮」で、恐らく65歳以上の方ですから、基本的には年金生 活ベースの方が多いと思われるわけですけれども、この8ページの(2)の2つ目のところで、財源を どうするかということがあって、その軽減について、公費を入れて、他の被保険者の負担軽減を図 るようにというのがあるわけですけれども、これまで今の6段階制という中では、国の方の1つの 行政指導みたいな形で保険料の軽減の3原則というんですか、公費を入れず、個別審査で一律にや らずに、無料の免除はしないという指導を受けてきた経過もありまして、そういう中で、5割を超 えるかどうかというところもあるんですが、公費の使い道を慎重に議論する必要があるという感じ がします。  国保などでも法定軽減はありますし、今回の後期高齢者の保険料でも法定軽減はありますけれど も、その財源は、今は三位一体で地方の負担になっていますので、都道府県が3、市町村が1とい うことで、全国地方負担で軽減をされるという仕組みに変わっています。後期高齢の軽減の地方負 担というのもかなりの額になるわけですね。そういう部分から、どういう財源でもって介護保険料 の低所得者に配慮をすべきか。  ちょっと財源論になるので、この研究会の方向とは少しテーマが違うのかもしれませんけれども、 自治体の人間としては、そこのところは慎重に御議論いただきたいと思います。 ○田中座長  ありがとうございます。今の御意見は、8ページについてです。  南方委員、どうぞ。 ○南方委員  私も森田委員と同じなのですけれども、定額をベースとして、その上に定率部分を載せることに なりますが、今までの流れからすると、この定額部分を幾ら下げても、必ず政治情勢とかいろんな ことがあって、更に減額しろという話は必ず出てくるのです。  例えば今、一番下が0.5ですから、0.3ぐらいでやっているところもありますけれども、その定額 部分を0.3にしたとしても、更に減額という話が必ず出てくるのですね。そのときに、そこの財源を どこに求めるかという話なのですね。  例えば今、保険者間の財政調整というのは調整交付金で、そこの市町村民の所得の分布状況とか 年齢構成によって多くなったり、少なくなったりするというのはやっていますけれども、それとは 別に、本当に低所得者の人をどうサポートしていくかという話なのです。  私は、例えば低所得者が多くいることは、そこの市町村の責任なのかと言いたいわけです。それ は違うだろうと、それは別なところで見るべきだと思っています。そのときに、国民健康保険であ れば、今、森田委員が言われた基盤安定制度で7割、5割、2割の軽減のところを、実は国費を入 れてやっていたのですけれども、最近は都道府県が3で市町村が1の負担配分でやらざるを得なく なってきたということが1つあって、低所得者を支援すると国が言って、結局その支援をしている のはだれかというと、都道府県民であり、市町村民であり、国は何をしてくれているのということ を言いたいのがまず1つ。  それから、もう一つは、どちらの先生がお話しされたのかわかりませんが、公費が5割を超える ということに関して、社会保険制度は一般的にはそうだとは思うんですけれども、非課税者がそも そも7割もいるような保険制度をつくっておいて、国費・公費が5割を超えてはいけないというの は、どういう理屈なのかなというのかよくわからないところがあって、そこら辺、どなたか先生方 で教えていただければありがたいと思います。 ○田中座長  なるほど。市町村の観点からすると、所得の極めて低い方たちの減免分をだれが負担するのが公 平で、理論的にも正しいかが重要である。それは国費なのか、都道府県のお金なのか、別枠の会計 なのか、そこを問いたいとの御意見が出ています。  どうぞ。 ○藤委員  今、南方委員が言われた考え方が、私どもとしても賛成の意見なんですが、特に私どもの組織に おいては、生活保護の方がいらっしゃいます。特に旧産炭地域ということで、何度も国の方にお願 いを申し上げているんですが、国の施策で炭鉱事業をやられた。それが今、旧産炭地として残って いるわけですので、その分を保険者たる市町村が面倒を見なくてはいけないのかというのは、常々 考えているところでありまして、特に国の方にもお願いをしているんですが、やはり国保とか後期 高齢者と同じように、私どもは生保の方が多くいらっしゃいますので、この方の分については、被 保険者の対象から外すという大胆な考えでもって、要は保険料は国からいただいて、給付に関して は、1割国が払って、残り9割を保険者が払っているということになりますので、その部分を含め て、低所得者対策としては、国の施策の中で見ていただければいいのかなと考えているところです。 ○田中座長  どうぞ。 ○森岡委員  私も南方委員の意見には賛同いたします。というよりも、私が話さなければいけないことを言っ ていただいたのかなという気はしておりますけれども、やはり低所得者対策というのは別枠で組み 立てていかないと、保険料の中でそれを吸収するというのは、ちょっと乱暴過ぎるのかなと思って おります。  うちの4段階までは本人非課税になります。約71%ですというところで、あとのその部分での吸 収も当然無理ですし、実際面の傾斜を本当にうまい具合にできるのかなというのが、今、一番問題 になっておりまして、その上にまたそれをかぶせていくというのが成り立つのかなとは思っておる ところです。 ○田中座長  自治体側の意見は皆さん共通して、低所得者の部分を市町村の中だけの保険料配分では解決する ことは難しいので、そこを何とか考えてほしいとのご主張です。  国側は、反論はないのですか。 ○大澤介護保険課長  なかなか反論するのは難しいのですけれども、1つは、税源のバランスというんでしょうか、国 と地方の税源のバランスというのも1つあると思うんです。ですから、税源移譲というか、そうい うことも大きな流れの中であって、どこに負担を求めるか、それに対する財源がどこにあるかとい う全体のスキームも一方で見る必要があると思いますので、なかなか局所的に言うのも非常に難し い論点だと思います。 ○田中座長  だれが負担するかを問う前に、介護保険の中で割り振るのか、それも介護保険の外側で更にそれ が市町村なのか、県なのかとは別な議論ですね。それも踏まえないと、そう簡単に決められない。  低所得者を介護保険から外せとの主張は、すごい意見ですね。それはまた別の視点です。  沼尾委員、どうぞ。 ○沼尾委員  ここの会議で検討することから更に外れてしまうかもしれないんですけれども、今の議論でいい ますと、勿論保険者の話もなんですけれども、今度地域の包括支援センターなどの運営経費につい ても1号保険料で賄うという、今まで一般財源でやっていたものを1号保険料でという枠がどんど ん増えてきていて、本来の保険料で賄うべき介護保険事業としての施策の枠と従来の高齢者福祉の 一般財源でやるべき施策の枠のところも、かなり保険料負担にしわ寄せがきています。それを更に その地域の中で所得階層別で負担を割当てていくというやり方で負担していくのは、果たして妥当 なんだろうかという点は議論の必要があると思います。実際に保険料で充当すべき施策の内容のこ とも含めながら、公費と保険料の負担割合を見ていく必要があると、今、お話を伺いながら感じま した。 ○田中座長  ありがとうございました。 ○沼尾委員  それから、もう一点よろしいですか。ちょっと話がずれてしまうかもしれないんですけれども、 一番最初の定率か定額かということですが、定額制度の問題点として、税制改正の影響による老齢 の年金控除の話で、自治体ではその当時大変だったというお話があったと思うんですけれども、私 も状況を詳しく把握していないのですが、今度、住民税の寄附税制の新しい控除の仕組みができて、 今までだと10万円以上寄附した場合でないと控除されなかったのが、たしか5,000円以上が控除の 対象になったかと思うんです。あれで例えば課税か非課税かというぎりぎりぐらいの方が、近くの ところで福祉で活動しているところとか何かにぼんと寄附をしてしまって、その分所得控除で住民 税が非課税になることで、例えば全体で見るとプラスマイナスその方が保険料が安くなって、そち らの方に寄附もできて、サービスもよくなるということで、保険料までのプラスマイナスを見て、 寄附の方に走ってしまうということは考えなくてよいのかどうかということが気になったのです。  そういった問題は出てこなければいいんですが、そういうことがあるんだとすると、定額方式で さまざまな税制改正の影響を受けてしまうという問題が出てくる恐れがあるので、課税・非課税を 基準とした方式ではなく、定率ということで考えていく必要があると思いました。 ○田中座長  国の所得税も所得控除ですね。認められた寄附は所得から引けます。そうすると、所得を引いて うまくしてゼロにしてしまうと、保険料が変わってしまうかもしれない。 ○沼尾委員  私もちょっときちんと調べてくればよかったんですけれども、その前は住民税が10万円だったの ですが、それが5,000円になるので、だったら5万ぐらいぽんと寄附して、非課税にしてしまえば いい。 ○南方委員  そういうことも所得控除であればあり得ますね。 ○田中座長  所得控除であれば。 ○田中座長  菊池委員、どうぞ。 ○菊池委員  社会保険の本質という話ですけれども、私はやはり本来的には、社会保険という仕組みをとって いる以上は、公費の割合的な限界というものはあると思っています。それは保険者自治とか、そう いったことにも関係すると思うのですが、現実に今こういう状況にあるというのは、むしろ、社会 保険という仕組みを、現状のような被保険者の範囲と保険者の組み方でやっていることの問題なの ではないかと私は思っています。  国保等も含めて、歴史的には十分意味のあったことでも、現状においては、いろんな点において 制度的に無理がきている。現状にそういう認識があるものですから、本質みたいな話をしてしまい ましたけれども、現状の保険者の組み方と、被保険者の範囲を前提にした場合には、何が何でも5 割というのは無理がある話で、とりわけ後期高齢者の制度などは、どこまでを公費で見るかという 余地はあるにしても、もうそこを突き抜けているわけです。  ただ、現状を前提にした場合には、介護保険の理念からいっても、個人単位という方向性に私は 賛成しますので、そうすると、給付の単位としても、負担の単位としても個人ベースで考えいく。 そうすると、少しでも負担をして、保険の中に参加をしていく。それがないと社会保険という仕組 みを使う意味はないと言ってもいいわけですから、だからこそ、賦課ベースはできるだけ広げて、 多くの人に参加してもらう。  ただ、どうしても、先ほど南方委員からお話があったように、絶対に軽減という話は考えなけれ ばいけないわけで、そのときに公費と高額所得者のどちらを優先するかというときに、まずは保険 集団内部で高額所得者の方からどれだけ払っていただけるか。それは優先して考えるべきではない か。でも、そこには限界があるというお話がここにも書かれていますので、その次の段階として、 公費の負担を考えていかなければいけないだろうと私も思います。  調整交付金という話も出ましたけれども、それだけでは済まないとすれば法定軽減の形で、願わ くはというか本来的には、実際の運営はできるだけ保険者が主体的にやるとしても、それと財源は また別で、本来であれば国が入っていくべき事柄ではないか。現実の制度との関係では、そういう ふうに考えております。 ○田中座長  ありがとうございます。  それぞれ重要な問題提起で、沼尾委員からは、政管健保や年金では、保険給付以外にお金を使う なという動きがあるのに、介護保険は逆ではないかとの御指摘がありました。  菊池委員からは、低所得者層の対策は考えるけれども、社会保険の本質を失うがゆえに社会保険 を変えるとの意見は、言わば話が飛び過ぎていて、低所得者の対策が必要だけれども、それはもし かしたら、保険者とか被保険者の組み方のところで解決する方が、本来の考え方ではないかとの御 指摘をいただきました。  駒村委員、お願いします。 ○駒村委員 今の点と同じような見方なんですけれども、この議論をずってやってきて、やはり狭 い地域の中での保険料を通じての所得再分配というものは、かなり限度にはなっている。ベストま で尽くすべきだと思いますけれども、かなり水かさが上がってきて、もう限度になっている。これ から保険料そのものも上がっていく、総額が上がっていく中で、限度になっていくのは間違えない。  1つの方法としては、調整交付金をもっと生かすかどうか。それでも多分限度は出てくると思い ます。今の低所得者対策、先ほども低所得者を入れる自体は、自治体の責任になるのかとありまし た。高齢期の低所得問題というのは、国の施策としてあるわけですから、これは一種、保険料補助、 ある意味、年金給付の補助とか、所得保障ですから、これは国の施策として、所得保障政策と表裏 一体の話になってくると思います。そこに入れてきた公費というのが、五分五分に入っている公費 とは、全く別枠の整理をしている。所得保障政策のために入れている公費は、別枠なんだという整 理もしていかなければいけないと思っています。 ○田中座長  そこは介護保険会計では、あくまで保険料と計算するということですね。 ○駒村委員  そうですね。保険料補助をするということですけれども、その部分を公費としてカウントするの ではないんです。 ○田中座長  介護保険会計の外側で、低所得者に保険料を補助しているわけですね。 ○駒村委員  そうです。これは国の政策としてです。 ○田中座長  そういうものも重視すべきではないかとのご意見です。  森田委員、どうぞ。 ○森田委員  公費を入れてくれと言ったわけではなくて、もしも公費を入れるのであればという議論でスター トしたのですが、今、地方も国も財政が非常に厳しい中で、公費を社会保険制度の中に入れる。そ れはいろんな理由がついて、50%を超えるような形で入れるとしても、先ほどの優先順位というん ですか、本来の組み方がいいのかとか、もう一つは、今、給付の適正化という話も随分国の方から 指導がありますけれども、やはり介護保険の使い方とか、費用の使われ方に無駄がないとか、そう いうものがきちんとあって、その上でどうしても給付が伸びざるを得ない。この枠組みの中で、ど うしても一定の低所得者対策なり、国家的に全国共通でやらなければいけないことがあって、そう いう整理の中でやむを得ず公費というような優先順位、プライオリティーみたいな部分が何かある のか。そういう意味で、慎重に御検討くださいと申し上げたんですが、そういう意味でございます。 ○田中座長  駒村委員、どうぞ。 ○駒村委員  私は、むしろ、積極的に、介護保険がどうであろうが、年金制度の方が非常に厳しくなっている わけで、高齢所得保障政策の一環としてという見方で、積極的な意味もあるだろう。要するに、公 費の使い方として、どこに入れるのかという意味で、逆に、私は介護保険がどうという問題よりは、 むしろ、本来あるべき姿として、保険料補助というものがもっと普遍的に、あらゆる制度に対して あった方がいいのでないかという意味で、その一種として、介護保険が例示されている。  ちょっと切り口は違うんですけれども、公費がほしいということの論理を受けているよりは、ち ょうど研究をやっているんですけれども、今後の高齢者の所得分布をシミュレーションしていくと、 かなり深刻な状況になっていくというのは予想できているわけです。 ○田中座長  格差が広がる。 ○駒村委員  そうです。その準備をしなければいけない。その1つの取っかかりとして、このケースがあった んだと見ています。 ○田中座長  ありがとうございます。  南方委員、どうぞ。 ○南方委員  先ほど強く言ってしまいました。まだ何も決まっていないのに強く言ってしまったので、ちょっ と反省をしておりますが、意味はよく考えないとだめですという話だったんです。もう一つ、ここ の場ではないのかもしれませんが、ついでに申し上げますと、先ほど保険者間の財政調整で調整交 付金というものが5%の枠でありますが、これもこのままでどこまでいくのかというのが1つあり まして、実は調整交付金を全然もらえないところは、それだけで700円か800円保険料が上がってし まうという市町村も聞いたことがあるのです。このまま上がっていきますと、その差はますます上 がっていくので、もしかすると、そこの市町村の住民は、調整交付金がこないだけで、1,000円ぐ らい負担をしなければいけない。理屈上はよけいに負担しなければいけないことになるのだと思い ます。  先ほど、確かに所得の分布とか、後期高齢者の年齢構成などと言いましたけれども、果たしてど こまで許されるのかという感じがするんです。自分のところにそういう人が少ない、あるいはお金 持ちの人が多いというだけで、そこの市町村が1,000円全国平均よりも余計に負担をしなければい けないみたいな話になっています。それはいいのだろうかという話があって、そのことも含めてな んですけれども、やはり調整交付金については、先ほどの50%超えという話とまた絡むのですけれ ども、調整交付金を内側でやっていることがいいのかというところに、また戻ってしまうんです。 ここの検討会は保険料の在り方ではありますけれども、実態がそういうところもありますので、や はり調整交付金なども加味しながら、保険料の在り方というのは議論していく必要があると思って いましたので、つけ加えさせていただきます。 ○田中座長  25のうちの5の部分が内側にあることの問題点、少なくとも市町村の側から見た問題点は、介護 給付費分科会でも市長会代表がずっと訴えられていて、厚労省は返事をしたことがないようですが、 改めて言っていただきました。  菊池委員、どうぞ。 ○菊池委員  先ほど駒村委員がおっしゃったので、それに便乗してというか、先ほど私は公費を入れるという 話をしましたけれども、入れ方は社会保険の中で保険料負担を軽減していくということもあるでし ょうし、前回、私が申し上げたのですけれども、生活保護との関連といいますか、所得保障施策と して見ていくというのは、多分、駒村委員の先ほどのお話と重なると思って伺っていました。それ は生活保護制度の在り方とか、その他の社会保障政策の在り方に関わります。  そういうことで、この会の枠から外れますし、直ちに可能性があるという話でもないとは思いま すが、方向性としては、そういった形で所得保障の枠組みから、今みたいに被保険者の負担にアプ ローチしていくこともあり得るという印象は、私も持ちます。 ○田中座長  こういう委員会や検討会に課せられた課題で、それに応える部分もあるけれども、それを超えた 意見を言っても、別に間違いではないからいいと思います。世の中に問題提起をそれぞれの方にし ていただいていますから、課題を超えたから発言しないとの対応ではもったいないですので、大い に結構だと思います。  ほかの点はいかがですか。低所得者に関わる減免分を介護保険の中で見るのか、外に持っていく のか、所得保障で見るのかをめぐる議論が、今、皆さん方から一番重要な課題だとの御意見が強く ありました。  ほかの点はいかがでしょうか。どこでも結構です。  南方委員、お願いします。 ○南方委員  7ページなのですけれども、保険料の設定期間で、これは国の方も御担当ではないんだと思うの で、教えていただきたいのですけれども、今は3年に1回保険料を変えています。これから、例え ば定率制などをやっていくとすると、所得の見込みが大きくぶれる可能性がかなりあるので、個人 的には1年ごとに変えたらどうだという意見を持ち合わせているんですが、後期高齢者は2年に1 回になりましたね。あの理屈を教えていただけますか。 ○大澤介護保険課長  なぜ3年ではなくて2年なのかというのは、にわかにお答えできません。 ○田中座長  定率の部分が多くなると、所得はそんなに毎年安定していないから、どこかの年がたまたま高か ったり、たまたま低かったりすると、それが3年続く欠点はあります。こういう問題提起で結構で す。定率が増えると、3年でいいのかという問題はどうしても出てきますね。  森田委員、どうぞ。 ○森田委員  今の南方さんの議論の絡みで、今は3年ごとの改定なのですけれども、市町村の立場から3年が 本当にいいのかどうか。長いのか短いのかということから見ますと、国の介護報酬の改定があって、 その中身がよくわからないまま市町村は介護保険の3か年の事業計画をつくっている場合がありま すから、実際の計画値と実績の給付費というのは、計画どおりいかない場合があります。それは、 計画値を超える場合、予想外の給付もあれば、もっとそれを下回る場合もあったりして、恐らく今 は全国的に、当初予想したよりも介護予防の効果とかいろいろあって、計画を下回っている傾向が ある。そうすると、1年目から計画値を少し下回っているんだけれども、それをわかったまま2年 目、3年目と3年間ずっと続くことが、いいのかどうかということもあると思います。実務をして いる方から言うと、3年はちょっと長いという感じがあります。  それは予想外の給付で、計画値よりも給付が超えれば、やはりそれは財政的には早く手当をした いということがあるんですけれども、制度としては途中の値上げもできるそうですけれども、なか なかそういうことがいきにくいことがあったりして、いろいろ変動が大きかったり、国も制度改正 などで、かなり市町村給付に影響する要素がありますので、ちょっと長いという感じがします。 ○田中座長  どうぞ。 ○南方委員  結局、足りなくなると、都道府県の財政安定化基金から借りる仕組みはありますけれども、3年 後の改定で返す分を上乗せしなければいけないのです。ところが、介護保険は、短期保険です。そ のときに入っている人は、そのときの保険を使っているわけなので、3年後の加入者がそのときの 分まで負担をするのもちょっとひどいと思って、1年ぐらいのずれなら仕方がないと思うので、そ の辺はちょっといろいろあると思いました。 ○田中座長  国の予算的なことについてですね。自治体の側から見ると、文句がある。  厚労省側から、ここはもう少し皆さんの意見を聞きたいところはありますか。 ○大澤介護保険課長  前回、保険者の方で御欠席の方々が多少いらっしゃったので、11ページの辺りに書いております けれども、もともと介護保険が始まったときには、保険者の事務負担を軽減するという観点で、今 のような保険料算定方式が導入されてきていますけれども、所得の捕捉方法について、例えば旧た だし書き方式のようなものがありますが、それを導入する場合の事務負担面で、後期、国保、同じ ようなやり方をとっておられますので、前回の御意見でも紹介しているように、それほど大きな事 務負担増ではないと思うんですが、そこら辺りについて、もし異なる意見等がありましたら、ある いはもう少しこういう点について、慎重に考えた方がいいという御示唆がありましたら、お聞かせ いただければと思います。 ○田中座長  これは少し実務的な点ですね。所得把握に関する事務負担について、ここに書かれていること以 外、あるいはここに書かれてとおりだとの御意見はいかがですか。  どうぞ。 ○南方委員  前回欠席したので、済みません。このとおりだと思います。今は旧ただし書きに変えても、総所 得金額から33万円を控除して、あと繰越純損失を引いて、山林所得などを足すだけなので、しかも 手でやるわけではなくて、勿論、電算がやってくれますので、税から純繰越損失のデータとか山林 所得のデータをきちっといただけるということであれば、捕捉はそんなに難しくはないと思います。 ○田中座長  昔と違ってデータがくるようになりましたからね。 ○南方委員  昔は専従者控除などといろいろあって、青色の専従者とか白色の専従者を1回所得に戻したりし て、所得を計算しなければいけないとか、すごく複雑なことがあったんですけれども、最近はそう いうものがなくなりました。 ○田中座長  どうぞ。 ○大澤介護保険課長  その点は、町村部や広域連合も同じだと思っていいですね。 ○藤委員  この場で発言することではないかもしれませんけれども、後期高齢者の制度ができて、昨年まで は社会保険庁と私ども広域連合で直接データのやりとりができたわけなんですけれども、今回の後 期高齢者の採用に伴って、情報が社会保険庁から国保中央会、国保連、そして、私ども広域連合で はなくて市町村にいくということで、市町村の国保のデータと我々が持っている広域での介護のデ ータを入れて、また国保連、中央会へ戻す作業ができたわけです。その辺は、ちょっと単独の保険 者の方と違って、私どもは物すごく日にちを迫られて、本当の実務の話なんです。  ここで発言することではないかもしれないんですけれども、そういうことで、実際、実務に日に ちが迫られているということで、今まで直接やれていたものが、何でやれないのか。これは他の制 度ですので、余りここで言うべきことではないかもしれませんけれども、そういう実際の実務とし て、今、戸惑っている部分はあります。 ○田中座長  新しい制度の初年度は、常に戸惑うところもあるかもしれませんけれども、そういう変更が起き ている。  森岡さんは、いかがですか。 ○森岡委員  同じ連合ですので、実務の中では1か月ぐらい時間がかかるような形になっておりますが、基本 的には福岡の連合さんと、同じような形で問題なく動いています。 ○田中座長  そういうことだそうです。  社会保険庁自体が、間もなく、なくなってしまいますから、それもまた変更ですけれどもね。  どうぞ。 ○沼尾委員  これは実務に携わっていらっしゃる方にお伺いした方がいいのかもしれないんですけれども、最 近ですと、例えば個人住民税の徴収のことで、前年の所得に課税する場合に、一時的な所得が変動 する場合があって、前年の所得があったんだけれども、今年は所得が非常に限られていて、なかな か納税が厳しいということで、これを現年課税に移行していくべきではないかというようなことが、 検討されておりますが、国保であるとか、今後、介護保険についても、例えば所得の定率というよ うなことを入れる場合に、前年の所得でというようなことで問題ないのでしょうか。ほとんどが年 金所得の方ばかりだと思うんですけれども、こういった株式に係る譲渡所得とか何かまで含めて考 えるときに、その辺りの難しさというのは、ネグってしまって問題ないのか。何か対応策というも のを考えておく必要があるのかという辺りは、何かあれば、教えていただきたいです。 ○田中座長  お願いします。 ○森田委員  例えば保険料というのは、去年の所得で今年の保険料を計算するから、去年はすごくもうかって、 所得、お金があったんだけれども、今年は株で全部すってしまって、お金がない。そうすると、今 年の保険料が払えないみたいな話がよくあるんですけれども、それは市町村が独自で減免制度など を設けている例がありまして、所得激減減免といって、所得が去年より今年の方が半分以下になれ ば、減免をするとか、実情なかなかお支払いしていただけそうにない状況を考えて、独自で国保な どでもそうですし、介護はなかったと思いますけれども、国保は減免制度があります。ですから、 その辺は、本来は去年の所得なんですけれども、今の負担能力というものも勘案しようということ がありますけれども、それは町がそういう制度をつくるかどうかなので、国のこの中にはビルトイ ンされていないです。 ○田中座長  金額が医療保険の方がずっと大きいですから、それは入れざるを得ないのかもしれないですね。  ほかはいかがでしょうか。  今までの意見でも12ページ分を読むと、結構一つひとつそれぞれの意見がありましたし、今日も また新しい問題提起があったので、これを基にまた事務局で考えていただくことになると思います。 特になければ、少し早めに終わってもいいと思いますが、付け加えることがあればお願いします。 ○駒村委員  これは一応、意見のとりまとめを行って、何かレポートみたいなものを出されるという理解です か。それともこの状態でおしまいですか。 ○田中座長  課長、お願いします。 ○大澤介護保険課長  前回、シミュレーションを4保険者さんの御協力を得てお示ししましたが、すべての保険者さん に対するアンケート調査結果も一方で御紹介しましたけれども、保険者アンケート結果によります と、どちらかといえば保守的といいましょうか、しばらく現状のままでいいのではないかという御 意見が相当あったと認識しております。  ただ、定額制、定率制とした場合のシミュレーションについて、具体的に各保険者さんにおかれ て実際に計算をしてみていただいて、具体的な影響を見た上で、ではどうなるかということも、い ま一度確認してみたいと思っております。  とりあえず、先ほど御紹介した参考資料としてお配りしております「今後検討すべき主要な課題 (案)」については、全体を通じてほぼ各委員の御意見はお聞かせいただいたと思いますので、今 後、シミュレーションソフトを全保険者に例えば配付させていただいて、相当数の保険者さんから の御意見を確認させていただいた上で、改めてもう一度その結果と、今後の方向性については御議 論をいただいた上で、一定の方向性について、必要があればとりまとめていただくということで、 現時点では、とりあえず全体を見ていただいたというところで、少しお時間をいただきたいと考え ております。 ○駒村委員  御質問をしたのは、今のあれだと割と羅列的というか、同じレベルになってしまっているので、 なぜこういった議論を我々はやっているのか。今、今年、来年と非常に短い視点、あるいは介護だ けの視点ではなくて、税制も社会保障全体もある程度中期的な見通しも含めて、そのとり方に関す る整理をやっているんだというのが伝わるような、ややめり張りがあるというか、実態的な並び方 にしたらいいのかなと思います。  ただそれは、これが何らかの形で報告書とか、各地域に何かこういうことをやっていますよと連 絡することを示す場合には、なぜこれをやって、今、これはなぜ重要だと思っているのかというこ とを伝えるためには、内容にめり張りというか、今は平面に並んでいる状態ですから、そういうの が必要かなと思っていたんで、これが報告書というファイナルとか中間報告みたいな形で、とにか く外に対して問いかけるようなものでなければ、今のままでもいいかと思っています。 ○田中座長  ありがとうございます。報告書ではないけれども、そういう意味で1つの答えを書くわけではな いけれども、並べ替えかもしれませんが、基本、例えば先ほどの社会保障制度の本質とか、そうい うのが先に来た方がいいのではないかとかという意味ですね。議論はばらばらでもいいけれども、 自治体の方々からは定額、定率よりも、低所得問題の方が表に出てきたので、言わばめり張りのつ く並べ方の話ですね。一個一個の中身について、一定の方向をまだ言う段階ではないかもしれませ んが、項目立てについては、多少工夫があるかもしれない。  恐らくまた相談して、少し工夫してみましょうか。多少、整理する段階であるにしても、今日出 た御意見は入れなくてはいけませんものね。  ほかはよろしゅうございますか。  それでは、一通り資料に基づいて意見をいただきましたし、資料3については、どこが重要かは、 それぞれの方の発言からよくわかりました。更に、この検討会の課題の外側にもいろいろと言って おかなくてはいけないとの気持ちがよくわかりましたので、それをお聞きして、我々の頭の中にと どめて、問題として考えていきたいと存じます。  では、少し早いですが、今後のことについて、事務局から改めてお願いいたします。 ○大澤介護保険課長  次回の日程なり議題については、また追って御連絡差し上げますので、よろしくお願いいたしま す。 ○田中座長  では、本日の議論はこれにて終了いたします。どうもお忙しい中、ありがとうございました。 《照会先》 厚生労働省 老健局 介護保険課 森、原 03-5253-1111(内2262,2164)