第8回今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会
議事要旨

日時      :平成20年4月3日(木) 10:00〜12:00

場所      :厚生労働省共用第8会議室(6階)

出席委員:佐藤座長、岩品委員、大石委員、大津委員、久保委員、中窪委員、両角委員、脇坂委員(座長を除き五十音順)

議題:個別課題についての検討

概要:

(男性の育児参加を進める仕組みについて)

(男性が育児休業を取得する際の妨げについて)

・  妻が専業主婦であったり育児休業を取得していたりすれば、男性は、育児休業を取得する必要がなくなるのか。

・  妻が専業主婦でも男性の育児休業は必要なのではないか

・     「育児休業制度がなかった」と回答する男性は、(1)制度を全く知らない、(2)会社の就業規則に記載していない、(3)誰も取得できないため制度が無いも同然の状態だったの三つに分けられるのではないか。

・  育児休業を取得「しなかった」の中にも「できなかった」から「しなかった」人もいるのではないか。

・  育児休業の考え方として、長期に1回しかできないものという考え方とするのか、何度でも分割できるものという考え方にするのか、育児休業の位置づけを検討する必要がある。

(特に男性の育児が必要な時期について)

・  出産前や退院したばかりの時期は、ベビーベッドの購入や部屋のレイアウト変更、出産後は料理や買い出し等を夫がすることが必要であり、年休等の短期の休暇が使われている。

・  例えば半日、一日といった短期の休暇が必要とする場合、育児休業以外の休業を別につくるか、育児休業を分割できることにするかという議論もある。

・  1週間の出産休暇を年休として取得するのは負担が重いが、育児休業の分割であれば取得しやすい。

・   産後8週間の育児休業を取得した場合に、無条件で再度の育児休業の取得を認めるという案もある。男性のみの特例を認めることについては慎重な検討が必要か。

・   男性の育児休業取得率が低いことに対応するため、育介法の過渡期の特例的な制度、ポジティブアクションとして認めることも可能なのではないか。

・  産前の休業であっても広い意味での子の福祉であり、育介法の枠組みの中で考えることも可能ではないか。

・  産まれる前について、現行の育介法の育児には含まれておらず、育介法の 考え方を変える必要があるのではないか。

・  産前の父親の休業が特に必要かはわからない。

・  例えば育児休業を取得可能な子の年齢を延長し、その中で1年間育児休業を取得可能とする制度は考えられないか。その場合、完全な休業だけではなく短時間勤務や週に数日休むとか柔軟な働き方とすることも必要でないか。

・  産前も出産時もその後も育児は大変であり、また働き方によっても育児に関われる度合いは異なるため、育児休業取得可能な子の年齢を延長(例えば就学前まで)し、その中で分割して取れるなど柔軟な制度としていく必要があるのではないか。

・  短時間勤務の場合の所得保障も必要ではないか。

(配偶者が子育てできる場合の除外規定について)

・  自社の場合、専業主婦の配偶者は有休を使っている場合もある。労使協定による除外規定を廃止したからといって、新たに育児休業を取得する者が出るかどうかは分からない。

・  配偶者が専業主婦であれば、例えば保育所に入所するときのように「保育に欠けない」ということから育児休業を取得できないこととする考え方のように思える。除外規定を外すことにより、男性も育児休業の取得が可能であるというアピールとなり、企業文化を変えたり、意識改革を行う起爆剤にはなると思われる。

・  制度は充実していても実効性が伴わないと意味がないため、次世代育成支援法の行動計画を作る際に労使の話し合いの中で除外規定の廃止を盛り込んだ場合もある。除外規定を外したら育休取得率が上昇したというデータもある。

(男性の育児参加が進まない現状を変える契機)

・  例えば諸外国で行われているパパクオータ制度のような仕組みが考えられないか。

・  育児休業を取得したい男性を支援するという社会的なインパクトという意味でパパクオータ制度を検討すべき。

・  男性の育児参加を考える上でも短時間勤務制度は重要。男性が短時間勤務を取った場合に何かメリットをつけてはどうか。

・  産後8週間の育児休業取得促進、配偶者が子育てできる場合の除外規定の廃止等は男性の育児参加を促進する上でのメッセージとなる。

・   

(仕事と介護の両立)

・  介護休業の分割ができれば労働者にとって使いやすい。その場合、現行の介護休業の日数から取得分減算していくこととするか。

・  介護のための単発の休暇をつくる場合は、介護休業の一部又は全部の分割とするのではなく、子の看護休暇と同様、年に○日というように介護休業とは別途措置すべき。

・  介護休業について、実態としては導入した趣旨である介護のための長期的方針を定める準備期間と考えていない人も多い。別枠の休業としてつくるべきではないか。

・  現行の介護休業についても、ある程度の期間の中で分割してとれたほうが良いのかもしれない

(実効性の確保)

・  不利益取り扱いの指針の内容が実態にあてはめる上でわかりにくいのではないか。

・  実行性の確保の観点を徹底するためには、不利益取扱いの基準を均等法に揃えるというのでよいのではないか。

・  現場としては、私傷病休暇は、「かわいそう」という同情があるが育児休業は「制度を利用したくて利用した」「休業中に第二子を出産するのではないか」と考える人もおり、公正な処遇がなされているか、というのは難しい問題。また、子どもが小さいうちは呼ばれて帰らないといけなくなることもあり、役職者につけることはできないと考えてしまう現場実態もある。

・  私傷病休暇は、給与もかなりの期間出している等高い処遇がされている実態にあるようだ。

・  私傷病と比較して不利でない場合は不利益取扱いにならないとすると、私傷病を低く処遇している事業所では育児休業を低く処遇することも認められることになってしまう。均等法ではそれでいいが、政策的に考えていく必要がある。

・  短時間勤務の場合の不利益取扱いについて、企業調査をした際に短時間勤務の者に対する評価について、仕事量に着目して評価するのか、仕事の質に着目して評価するのか分かれていた。何を不利益取り扱いにするのかは難しい問題

・  深夜業の不利益取扱禁止規定がないことは課題。


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