08/03/31 第5回 薬剤師国家試験出題制度検討会議事録 薬剤師国家試験出題制度検討会議事録(第5回) 1.日時及び場所   日時 平成20年3月31日(月)13:00〜    場所 経済産業省別館第1020会議室 2.出席委員(19名)五十音順   赤 池 昭 紀   市 川   厚   井 上 圭 三   大 野   勲   大和田 榮 治   加賀谷   肇   木 津 純 子   柴 崎 正 勝   須 田 晃 治   永 井 博 弌   林   正 弘   樋 口   駿   平 井 みどり   望 月 眞 弓   森   昌 平   山 岡 由美子   山 本 惠 司   山 元   弘   吉 富 博 則   3.欠席委員(2名) 工 藤 一 郎   白 神   誠    4.行政機関出席者   関 野 秀 人(薬事企画官)他 5.備考   本検討会は、公開で開催された。 ・ ○薬事企画官 事務局より連絡いたします。傍聴されている方におかれましては、カメラ撮りは議題に入る前までとさせていただきますので、その旨よろしくお願いいたします。 ○井上座長 ただいまから、第5回「薬剤師国家試験出題制度検討会」を開会いたします。先生方におかれましては、ご多忙の中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。まずは、議事に入る前に、本日の委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いいたします。 ○薬事企画官 本日は、工藤委員、白神委員からご欠席という連絡がございました。 ○井上座長 事務局より、配付資料の確認をお願いいたします。 ○薬事企画官 お手元の資料、机上にご用意しています。資料の確認をいたします。資料1は「出題の範囲(案)に対する意見の整理」、資料2は「出題の範囲(案)に対する追加・削除の意見の概要」、資料3は「薬剤師国家試験制度のあり方に関する方向性(たたき台)」、資料4は「出題形式別の問題数(過去10年)」です。資料5は、委員の先生方にはカラー刷りになっているかと思いますが、「出題分野と試験問題数(検討のためのモデル)」です。  以下、委員の先生方には、参考資料1から7ということでお配りしています。このうち、参考資料1から5に関しては、過去にお配りした資料をもう一度お配りしていますが、参考資料6と7に関しては、今回初めてお配りする資料です。歯科医師国家試験の制度改善検討部会がまとめた報告書、これは前回の検討会の直前、平成19年12月26日にまとまっておりますので、お配りしています。獣医師の国家試験に関しても、この3月17日にまとめられたものがありますので、これらについては委員の先生方には参考資料としてお配りしております。資料は以上です。 ○井上座長 よろしいでしょうか。これから議事に入ります。事務局から、連絡事項はありますか。 ○薬事企画官 先ほど申し上げましたとおり、これより議事に入りますので、傍聴の方々におかれましてのカメラ撮影に関しては、ここまでとさせていただきます。ご理解とご協力、よろしくお願いします。 ○井上座長 本検討会も5回目になりましたので、そろそろ意見を整理して、新しい制度の方向性を明らかにしていきたいと考えます。まず、議題1として「薬剤師国家試験の出題の範囲(案)」に入ります。この議題については、昨年12月に厚生労働省より、全国の薬科大学・薬学部に意見照会をしております件ですので、事務局から資料に基づいて説明をしていただきたいと思います。 ○薬事企画官 議題1に関して、資料1と資料2をご用意ください。この資料に関しては、座長からお話がありましたとおり、年末から年明けにかけて各大学に意見照会をして、資料1にまとめたようなかなりの量といいますか、非常にたくさんのご意見をいただきましたことに関して、まずお礼申し上げたいと思います。  とりあえず各大学からこういった意見が出されてきているということで、大学名、あるいは先生のお名前は伏しておりますが、すべての意見をモデル・コアカリキュラムでいうところのA、B、C1、C2といった項目ごとに分けて資料としております。本日は、この資料一つひとつ、意見を確かめて確認していくという作業を行うという意味でお配りしているわけではありません。このさまざまな意見を、後ほどいろいろな意味で活用していく1つの方針と、主立ったところを少しご紹介します。それに関して、これから出題の範囲を作っていく上で、1つの方針として確認していただきたい点がいくつかありますので、それらに関して今日ご検討いただければと思っております。  具体的にお話しますので、資料1をサンプリングという意味で説明します。それぞれかなり厚い資料ですので、最初の頁にカリキュラムに沿った項目別に何頁から始まっているかを一覧としておりますので、必要な場所等ありましたら、この頁に従ってご覧ください。サンプルで1つご紹介すると、1頁はモデル・コアカリキュラムのA「ヒューマニズム」に当たるところです。この表のいちばん左側に書いてある行番号が1089から始まっています。これは、これまでこの検討会で使っている「出題の範囲」の資料で言うところの整理番号です。「出題の範囲」の作り方がこのAが最初に来ておりませんで、C専門分野の項目から出来上がっている関係上、このAが途中に出てきていたため、この資料が1089から始まっています。少し見づらいかもしれませんが、そう見ていただければと思います。  この表の作り方は、いちばん左のカラムがそういう整理番号で、その右側、左から数えて2つ目、3つ目、4つ目に関しては、出題の範囲に示した項目、あるいは事項で見ていただいて、右から数えて2つ目の「意見の種別」は、各大学の先生方から寄せられた項目に関する意見になります。ですので、最初の1089という番号の振ってある「生と死」、「生命の尊厳」といった1つの項目に関して、これは特に細かい記載に関して、もともと「人の誕生、成長、加齢、死の意味を考察し討議する」という表現だったものを、いちばん右のカラムにあるように、「人の誕生、成長、加齢、死の意味などの役割」といった表現に改めてはどうかという変更の意見ということで、こういう資料の整理の仕方をしております。  同じ頁の4行目、整理番号1090、「生と死」、あるいは「生命の尊厳」の項目の中の「誕生に関わる倫理的問題の概略と問題点」という項目が、こちらから意見を照会した内容です。これに関しては、「倫理的問題は、時代・社会情勢の変化により変動するものであり、普遍性はない」ということで、国家試験の問題とすることは適当でないというご意見だと思います。そういう意味で、意見の種別のところが削除というご意見です。これはあくまで例示で、こういう形で資料を見ていただければということです。  本日、少しご議論いただきたい点に関して、例として専門分野の所で1つ紹介したいと思います。9頁の専門領域に関するC1の「物質の物理的性質」を1つの例にしますが、最初にあるとおり、ここの行番号が1となっているのは、「出題の範囲」で最初に出てくるということです。このうち、いちばん上の行ですが、「物質の構造」の「化学結合」という項目で、「化学結合の成り立ち」という項目に当たりますが、これに関して削除という意見が出ております。その理由としては、共用試験の「CBTでの確認で十分だと思う」という意見があります。これに関して、「CBTで含まれているから十分だ」、あるいは「削除でいいのではないか」という意見がほかの項目も多数寄せられております。まず、今日この検討会でご議論いただきたいのは、CBTとの関係で、以前からご議論がありますとおり、CBTでやっているから、国家試験の範囲に含めなくていいかどうかといったご意見について、ある程度方針を議論したいと考えております。  もう1つ、ご議論いただきたい点ということでご紹介するのは、追加意見に関する部分です。追加の意見に関するサンプルとしては、これも例えばということになりますが、28頁のC3で「生命分子の姿・かたちをとらえる」の項目のいちばん左の行番号128に、1つ追加ということで意見があります。ここは「赤外・ラマン分光スペクトルの原理、生体分子の解析への応用例」といった項目が既にあるわけですが、それに対して追加ということで、いちばん右の欄にあるとおり、「化学発光・生物発光測定法は、HPLCの検出法のほか、イムノアッセイやドライケミストリーにも用いられており」ということで、原理や応用例をまとめて勉強するほうがよいという言い方で、ここに少し追加という意味合いでの意見が出てまいります。  ほかのサンプルのほうがわかりやすいかもしれませんので、もう1つ例を申し上げます。31頁のいちばん上、行番号136です。ここも「X線結晶解析の原理」の項目について、いちばん右の欄にあるとおり、「結晶の理解」という項目を加えてはどうかという意見があります。こういう形で、それぞれの項目に関して、いくつか明示されていない表現やこういった領域、項目に関して、明示をしたほうがいいという意味での追加、あるいは項目自体を1つ独立して起こしてもいいということの追加の意見もありました。  この辺の取扱いに関して、一つひとつ追加すべきかどうかをいずれは見ていく必要があると思いますが、この場でご議論いただきたいのは、こういった追加の意見に関して、いちばん厳しいと言いましょうか、極端な意見は、こういったものはとりあえずは考慮しないというものであるのか、また考慮するにしては、どういった観点に沿って、どういったものを考慮すべきかということと、追加する場合にあっては、それが全国の共通の試験問題としてふさわしいか、どういう形で確認していくかといった行為が必要になってくるかと思いますので、その辺をどのようにやればいいのかを含めて、そういった1つの方針というレベルでご議論いただきたいと思います。  事務局が考えているのは、いくつか、これは必要だろうと思われるものは追加するとした場合には、出題の範囲について大学への意見照会を行ったやり方と同じやり方かどうかは別にして、もう一度改めて追加した状態で各大学の意見を聞くことが、方法論としてとれると思っておりますが、まずは追加の意見に関して、追加する必要があるかどうかというところで、ご議論いただければと思っております。資料1に関しては、そういう形でサンプルのご紹介と、今日ご検討いただきたい点について触れさせていただきました。  次に、資料2に関しては、いまご紹介した資料1で寄せられた意見を、とりあえず追加と変更、あるいは削除といった項目について、これまで議論してまいりました「出題の範囲(案)」の中に組み込んでみたものです。言い換えれば、資料1の意見を「出題の範囲」の整理表の中に埋め込んでみたものです。資料の見方としては、これも左から3つのカラムに関しては、現行のこの検討会で議論している「出題の範囲(案)」です。そして、左から4つ目ですが、追加・変更意見は、先ほどご紹介したような意見に沿って、項目として入れ込むとしたらこういうことだろうということで書いたものです。いちばん上にあるのは文言の整理だけで、「静電相互作用」が意見として出されておりますが、その左側が「静電相互作用(例示)」という表現になっております。ここの意見はあくまで変更の意見ですが、「(例示)」という言葉を取ったらどうかという意見です。そのぐらいの変更意見を含めて、すべてここに網羅しております。  その右側にあるカラムは、追加の意見の場合には○、削除の場合は×ということで、一覧できるように、ここに○×を入れたのと、その追加ないし削除の意見の背景にある理由付けの中で主立ったものを、右から1つ目、2つ目に○を付けてあります。特に右から2つ目のカラムに関しては、「CBTの確認で十分」という意味で、主に削除という意見が寄せられた部分に関して、ここに○が付いております。そして、「国家試験として不適切」という、また別な理由をもって削除を求めている意見もあって、いちばん右側のカラムに○が付いたものは、そういった意見が少なくとも1件は寄せられているというものです。また一つひとつの善し悪しに関してはご覧いただくとして、今日は先ほど申し上げた2点を中心に、ご議論いただければと思っております。以上です。 ○井上座長 「出題の範囲(案)」については、この検討会で一つひとつの記述について議論する時間はありません。したがって、ある程度、全体の構成、あるいは骨格に当たる部分の体系について、できたら方向付けをしておきたいと思います。いまご説明いただきましたように、各大学から寄せられた個別の意見は資料1、それを出題の範囲に組み込んだのが資料2ということで、事務局に用意していただきました。あらかじめ、個別の意見について目を通されている先生方もおられるのではないかと思います。これから議論に入りたいと思います。意見あるいはご質問など、何でも結構ですので、どうぞご発言ください。最初は、例えばCBTとのオーバーラップの問題、これはもう既に前回、前々回でもCBTとのオーバーラップをどう考えるかという議論は、ここでもだいぶしてきたと思うのですが、いかがでしょうか。ここで資料2を見ると、CBTの確認で十分であると。したがって、国家試験には必要ないというのがずらっと載っているわけですが、この辺については。 ○大和田委員 聞き漏らしたのかもしれませんが、資料2の網掛けの部分はどういう。 ○薬事企画官 これは、この検討会で当初から出されている資料の中で、「技能」と「態度」に関連する部分を、色を変えて従来から扱っていますので、ここは特段、今回大学からの意見によって網を掛けている部分ではありません。紛らわしいかもしれませんが、そういうものです。ちょっと見づらいのですが、タイトルの横に※で書いてあるとおり、「網掛け部分はモデル・コアカリキュラムの到達目標において『技能』、『態度』が記されているもの」ということで、これを意味するものです。 ○井上座長 いかがでしょうか。このオーバーラップの問題ですが、ここでの意見はどちらかというと、CBTとはインディペンデントに問うべきであるという意見が大勢を占めていたように思うのですが、何かご発言がありますでしょうか。 ○柴崎委員 CBTの確認で除くべきだというのが、特に有機化学のほうでは相当ありますが、これをやってしまうと、大学4年時で有機化学のある分野はもうとにかく終わりだという傾向になってしまう危険性があって、あくまでもCBTというのは中間テストですよね。ですから、再度私がお願いしたいのは、重複があったとしても、重要な問題は再度、国家試験でも聞いて然るべきではないかと思います。 ○大野委員 CBTで十分だという意見は、コアカリAとかBにもたしかあったと思います。「CBTで確認したから十分だ」というのは行き過ぎだと思うのです。しかし、これから議論が出てくるのでしょうけれども、複合問題、実践問題の所まで全部必要なのかなという気もするのですけれども。例えば出題形式の中で、必須、一般などでは、たとえCBTで出たとしても、もう一度確認する。実践はもう少し実践的なところを基に考えて、必ずしもすべてCBTで確認で十分だということは駄目だと。CBTで出たものは全部やるのだとしても、そのあとの扱い方ですね。必須、一般までにするのか、実践までするのかということも、内容によっては違うのではないかと思うのです。 ○樋口委員 例えば6年と4年のある学校と、6年だけの所と、その辺で温度差はなかったですか。うちの学校は、いまのこの最初の部分は、有機化学の先生たちが「もうこんなのは要らないよ」と言って削除する意見が多かったのです。それで、何かほかで温度差があるかないか、意外とあるのではないかと思ったのですが、そんな印象はなかったですか。 ○薬事企画官 あくまで感覚的には、大学単位で捉えにくいということを、まず1つお断りをさせていただかなければいけません。というのは、大学で一本化した意見としてまとめて出していただいている所もあれば、大学に所属する先生方がお一人おひとり、お考えを述べているという形でこちらに寄せてきていただいている場合もあって、むしろそちらのほうが多いかもしれませんので、大学をもって傾向をつかむのは、なかなか難しいかと思っております。一部のといいましょうか、ある大学では、比較的大勢の方が、お一人、お二人の先生方がCBTとの絡みで不要だと言っているのではなくて、そういった意見が寄せられた先生が属している大学は、複数の先生方がそう思われている嫌いはあるかなというのは、何となくわかります。 ○市川委員 CBTとの棲み分けということを、こういう国家試験のときにあまり考えるべきではないのかなと私は思います。要するに、CBTというのは、4年時に、極端に言うとそこでの実習に出かけるための知識・技能・態度を確認することであって、薬学という流れから言えば6年なわけです。そのことから考えると、その試験をすること自身と、それからまたずっと薬学として、6年間積み重ねる知識ですね。言うならば4年のところで実務実習に行って、それから戻ってくる。さらに、それが磨きがかかってくるということは、ベースにおいては本来、薬剤師として備えなければならない、4年間において備えなければならないレベルの知識も、そこに入っているわけです。もちろん内容によってでしょうけれども、当然それは6年目においてはまた確認されるべきである、ということが1点です。  第2点としては、私もちょっと携わっていますが、CBTそのものの試験問題の作成からいくと、どの問題が出る、出ないというのは、非常に難しい問題です。これをカットすることはほとんど難しいわけです。990近くあるSBOの中で、あれは基本的にはSBOでいっているわけですが、実際には全部問題が揃ったとしても、そこから3,000問、ある程度の問題を作り上げていくための方法としては、いまちょっとあれですけれども、実際に難しいです。ですから、これはカットしましょう、この内容はカットしましょうということは、ほとんどできない。基本的には、6年間の全体に必要なことがこのモデル・コアカリキュラムであるという概念でいくと、モデル・コアカリキュラムということだと。その深みをどう考えるかは、それぞれの大学、あるいはそれぞれの先生が自分の学校の学生に対して、ふさわしい内容で考えていけばいいのではないかと。だから、どれをこれをという選別は、少なくともCBTに関しては難しいと思いますし、また薬剤師にとって必要だとか何とかいうご意見もありますが、それも私は本来あるべき議論ではないと思っています。 ○赤池委員 薬剤師国家試験の問題として、これまでも議論されてきましたように、もちろん基礎的な知識を問うと同時に、薬剤師として必要ないろいろな問題を解決していく能力も問うべきである。ですから、やはり複合問題がかなり入ってくると思うのです。その場合に、もちろん臨床、あるいは医療的な内容の複合問題もあると思いますが、基礎と臨床、医療という複合問題も入ってくると。そういった場合に、かなり基礎的な内容と応用的なものと組み合わせることが生じてくると思います。そういう意味で、国家試験の出題、少なくとも範囲として、CBTとの棲み分けなどということで、あまり制約が入らないほうが私は望ましいと思います。  実際の出題の中で、ある程度の工夫は出てくる可能性はあると思いますが、国家試験でどこまで出しますかという場合には、極端な話、やはり1回生からいろいろと教わってきたものが、総合的にあの出題の中で活かされてくるということでなければ、やはり薬剤師国家試験として出題も難しいと思いますし、また受験生の方も相当混乱するのではないかと。それでもってできた問題が、良い薬剤師を出すという言葉が良いのかどうかわからないですが、そういう上でもやはり重要な役割を果たしてくるのではないかと思います。 ○井上座長 除外すべきであるという意見は、この検討会では少なくとも非常にマイノリティだと思うのですが、あえて。 ○吉富委員 私はこのアンケートのときに、「CBTの確認で十分だ」というのを、たくさん付けたのです。それはCBTの分で出たところを全部省くという意味ではなくて、一旦、実務実習に行って、学生が患者や医療に目を向けたときに、CBTで確認した知識は、もう一度そういう問題に出会えば、また参考書を見て、専門家に聞いて解決できたらいいだけで、非常に高いレベルの基礎知識のところを、改めてもう一度勉強し直すというのは、ちょっとエネルギーの無駄ではないかというのがあったのです。当然、患者を見るために必要な知識という部分は、CBTとオーバーラップしても絶対出すべきですが、省くものは省くようにしても構わないのではないかというのが、私は印象としてはあったのです。だから、一つひとつについて、またそういう議論をするわけにはいかないですが、棲み分けという日本語は妙な日本語で、必要な部分は出すというだけでしょう。不必要だと思えば、CBTで出ておこうが出ておくまいが、国家試験に出さなければいいわけです。それは何が不必要かと言われると、一旦、医療のほうに踏み込んだ学生にとってということを、ちょっと念頭に置かないとまずいのではないかと私は思ったのですけれども。 ○山元委員 いまの吉富先生の話ですが、医療にいくと、薬剤師国家試験を受けた人は、すべて薬剤師として社会で活動するということを前提に話しますと、薬剤師として必要な知識ではないなど、いっぱい書いてあるのです。そういうことではなくて、薬剤師資格を持って、社会でどうやって活躍していくかというのは、必ずしも薬剤師だけではない、医療の分野だけではないということを考えると、やはりこの卒業していく学生が持っているポテンシャルを最大限に引っ張り上げて、いろいろな多様性を確保していくというのが大学人の使命だと思います。  本来、CBTの問題を作るときに、国家試験とどういう連動をしていくかということをCBTの委員会で議論はしましたが、国家試験の委員会でCBTがこれだけ影響するなんて、とても想像していなかったのです。我々は6年かけてどういう学生を育てていくかという原点に立ち返りますと、やはりCBTと国家試験は全く別の問題として扱っていただきませんと、ちょっとまずいかと。 ○吉富委員 私はCBTの4年間の分で、多様性の確保は、もう一定程度担保されていると思っているので、あと2年間のところで、もうちょっと医療のほうに入っても、またこれは議論は大昔にやったのと同じですから、申してもしょうがないですけれども、と思っています。 ○井上座長 CBTは違法性の阻却が本来の目的だとすれば、やはり1年から4年までCBTをやったら、もうあとはそれに関する問題を出さなくていいという議論は、ちょっと違うかなと私は思うのですが、いかがでしょう。 ○平井委員 CBTで十分ということは、たぶんないと思うのですね。けれども、モデル・コアカリキュラムの文章を見ると、例えばヒューマニズムの所で、「薬剤師と共に働く医療チームの職種を上げ、その仕事を概説できる」と書いてあるのですが、こういう書き方だとしたら、何か箇条書きにして、それは何、それは何というだけで、すごく知識的な感じですよね。そういうようだったら、やはりCBTの範囲内ではないかという感じがします。国家試験になると、もう少しそれが実際に活動できるような、複合問題が増えるだろうと赤池先生はおっしゃっていますが、たぶんそういう形で出ていく、そういう出題の仕方をしなければいけないと思うのですね。そういったときに、例えば字面どおりだと、そういう何か羅列みたいな問題を出せばいいのかという感じになってしまうので、そうではない出題のやり方を何か決めるような文章を作っておかないと、出題のほうが迷うことになるのではないかなと思いました。 ○井上座長 いずれにしても、細かい微調整は相当必要だとは思いますが、大体この辺でよろしいでしょうか。もしなければ、次は先ほどからの追加をするべきかどうか、あるいはするとしたら、どういうコンセプトの下に追加項目を考えるかということだと思うのです。いま非常にラジカルな考えとしては、今回は基本的には追加は取り上げないと。そろそろコアカリキュラムそのものを見直すという時期にも来ていますから、そこで追加等を考えるとして、今回は追加はあまり考えないで、先に進むというのも1つの考え方だとは思いますが、その辺のことに関して何か。 ○赤池委員 これまでの議論で、別に金科玉条のごとくやる必要はないかもしれませんが、やはり原則論としてはモデル・コアカリキュラムを出題範囲とするということで進んできていましたし、あくまで範囲ということですが、範囲としては私はそれでよろしいのではないかと思います。ただ、モデル・コアカリキュラムが作られてもう既にかなり年限が経っておりますので、例えば法律の部分とか、場合によって疾病関係でも少し変わってしまって、実情に合わないところがないわけではないので、そういったところは指摘もされているようですから、現状に合わせることは必ずしなければいけないと思います。現状に合わない部分は合わせるということで、それ以外については、やはりモデル・コアカリキュラムとある程度連動させて考えるほうが、よろしいのではないでしょうか。 ○森委員 実は日本薬剤師会として、出題範囲に関する意見照会のときに具体的なことは意見を出していませんでした。常に自分たちの環境や医療は進んでいて、それを個々にこの中で反映するのは非常に厳しいと思います。ですから、モデル・コアカリキュラムの中で、現場で定着した業務だとか、法律が変わったことに関しては、常に読み込んだ中で出題をしていくという形で進まないと、例えば4年に1回、5年に1回の出題範囲の見直しということになると対応が遅れます。そこはきちんと大項目・中項目なりで読み込んだ出題の方向であるべきだと思います。 ○望月委員 私もいま赤池先生と森先生がおっしゃっていた、法がいろいろ変わっていく、それから医療自体も変わっていく中で、ある程度もう定着しているものが、いまのモデル・コアカリキュラムの中には反映できていない部分は、実際にいくつも存在すると思うのです。それは薬剤師としての仕事をしていく上では、きちんと知識として持っているべきものが、かなり入っていると思います。それが国家試験の基準の中にある程度読み込めるような形の基準になっていないと、それを問えないままに薬剤師になっていってしまわれるのも困るかなと思うものが、かなりあると思うのです。学問的に、もう体系立っていて、ほとんど原理・原則が変わらない部分、固い部分はいいのですが、現場に即したところではすごく柔らかい部分があって、常に変動していきますので、そこを常に反映できる形の読込みができる基準の設定の仕方が必要かなと思います。 ○赤池委員 現行のモデル・コアカリキュラムは非常に丁寧に、細かく良くできているのですが、そういう意味で考えると、ちょっと細かすぎるのです。ちょっとした変更でも、必ずそれが変更しないといけなくなってしまうほど、かなり詳細に書かれています。すみません。これはちょっと余分なことです。 ○林委員 私も追加のところで意見しますけれども、現場に即したときには、これでは全然働けないというのがあって、追加項目を書いた記憶があるのです。そういうのを取り上げるかどうかなのです。やはり問題の大きな枠組みを見たときには、必須と実践と、とにかく薬学の理論的なものを問うということと、実践的なものを問うなどあるではないですか。実践的なものに関しては、これではおぼつかないなというのは、印象はあったのですね。それで、何人かで意見をまとめて、ちょっと追加項目に書いた記憶があります。だから、現場から見たときには、そのような部分が出てくると思います。だから、それの取扱いなのです。それが半年間で感じた印象なのですけれども。 ○須田委員 私どもの大学において、やはり……のほうはあまり問題にならなかったのですが、現場の先生方から出ているコアカリキュラムのままでは、ちょっと実際にそぐわないようなこともあるのでということでご意見をいただいて、少し基礎のほうと実際の現場の問題とは分けて考えなければいけないのかなとは思っておりました。 ○井上座長 基礎はそれほど問題ないとして、実践に関しては、現状、あるいは追加も、場合によっては必要であるというご意見だとは思うのですけれども。 ○市川委員 私は特にいまの反論とか賛成ではないのです。要するに、これで見るとSBOの段階ですね。そこに書いてある要望ということに対しては、先ほどのご意見もずっとそうですが、変更が必要になってくるわけで、モデル・コアカリキュラムそのものも、時代が変わってくると、それはどこかで変えていかなければいけないというのはあります。その問題は、この場合には別個に考えたほうがいいのではないかと。先ほどちょっとおっしゃられた、この書いてあるSBOの中に含まれている内容ですね。それが時代とともに少し変わるならば、作成のときに、それはいままでも少しやっているわけです。大体2年間ぐらいだったら、仮に法律が変わったら、法律が変わったというような段階の処置をある程度やっているわけだし、十分に対応できるのではないか。だから、いまの時点で、このSBOを変えても、仮に数年後には変わってしまう可能性もあるわけなので、むしろそういうSBOの取扱いでやらないで、作り方ですね。何か枠組みを少し検討するのが、ここの検討会では非常に大事なことではないかと思います。  確かにモデル・コアカリキュラムを作ったあとからも、いろいろな指摘がありました。これはもういまの時点ではおかしいというのは明らかにあるのですが、それにいちいち対応していくと、もう無限に対応していかなければいけないということになって、例えば問題作成のときに、もし現場のニーズとして、これはこういうことは何々というような注釈を入れて、それを残しておけば、それはそれで対応できるのではないかと私は思いますけれども。 ○樋口委員 私がそういう印象を持ったのは、C13の「薬の利くプロセス」という所です。この中の後半に「薬物の体内動態」が出てくるのですが、ここはあくまでも理論的なものだろうと思ったのです。15にいくと、今度は「情報を活かす」で、具体的にその理論を使って治療するなどとなってくるわけですね。そこが非常に足らないなと思ったのです。ですから、私の頭の中では13は理論ということで、項目が重複しているのです。そういう意見もいっぱい出ていましたが、私が捉えたときに13は理論的なものを問う範疇として適切だなと思って、15の情報を活かすところでは、もっと具体的に解けるような、答えを出すような、その辺まで踏み込んだほうがいいのではないかという気はしました。そういう印象はありました。 ○井上座長 この辺を議論していると、どんどん時間が経ちすぎて、重要な項目がたくさんありますので、とりあえず。 ○薬事企画官 いまいろいろご意見をいただきました。CBTとの関係については、ある程度整理できているかと思いますが、追加に関しては、おそらくコアカリキュラムのSBOに関係する記述を、今回の出題の範囲の中でも、いちばんレベルの下の小項目と呼んでいいかは別にして、そこで提示をして、それに対する意見が多かったわけです。追加意見をもう一度、こちらで一つひとつ見させていただいて、もともと大項目、中項目で読める範囲であれば、それは場合によっては出題の範囲に出てきてもいいという解釈もできると思います。全体の体系を変えるほどの大きな追加意見であるならば、またそれを具体例として提示をして、先生方に確認していただくということで、次回以降、作業をステップアップさせていただきたいと思います。 ○井上座長 場合によっては、事務局のほうから専門の分野の先生方にお尋ねすることがあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。  議題の2、「問題形式、出題方針等について」検討します。この議題では、これまで議論してきたことの要点をまとめた資料を基に、試験制度の大枠を検討し、また出題の仕方を含めて、議論を具体化していきたいと思います。本日も、事務局に資料を用意していただいていますので、まずはこの資料について説明していただきます。 ○薬事企画官 資料3、資料4、資料5ですが、説明は資料3を中心に行います。これまでの議論を含めて、一定の方向性に関して、たたき台ということで、多少言い切り調になっており、トーンが強いところもあるかもしれませんが、そこはご容赦ください。ある程度議論を踏まえた内容として整理をしているものですので、資料3に書かれている内容を中心に、このあとご検討をお願いしたいと思っております。また、資料4、資料5は資料3の説明の中で部分的に出てくるところでもありますので、説明自体は資料3、資料4、資料5をまとめていたします。  資料3の1頁です。いくつか検討の項目が分かれておりますが、1として「出題の分野」ということで取り上げています。これに関して、全部説明する時間はありませんので、少し間を飛ばします。まずは、医療人として求められる資質を的確に確認するにふさわしいものに、国家試験そのものをしていこうという全体論、方針があります。それを踏まえて、これまでこの出題分野もご議論いただいておりました。3つ目の○のとおり、薬学の全領域を対象とした「出題範囲」として整理することとしてはどうかという提案で、現行の出題基準に関しては、3つ目の○の1行目のとおり、薬学の科目・領域別に分かれた形になっております。基礎薬学、衛生薬学、医療薬学、そして薬事法規という制度法規の4分野でしたが、これらに関して、要はこの分け方を見直すことになるかもしれませんが、今後はこういった科目・領域別に分けた形ではない方式をとってはどうかということです。そして、その基本になる範囲は、モデル・コアカリキュラムに則ったものが適当であるという書き方をしております。  4つ目の○ですが、そういうことで考えると、出題の範囲の中から、どういう出題をしていくかということで考えた場合には、まずは薬剤師として必要な基本的な知識、技能、態度を「必須問題」として出題をする。また、薬剤師に求められる臨床に係る実践的な能力に関しては「一般問題」として出題してはどうか、という大きな分け方です。  ここに関して補足として、資料5があります。1頁に示してあるのは、モデルとして問題数、あるいは現行の4分野に即した問題の配分、言い方を換えれば、C1、C2を含めたモデル・コアカリキュラムの項目の面で見た配分になりますが、そういうところも書かれております。まず、いまのこの段階では、大枠のところだけの説明にこの資料を使います。具体的に言うと、緑で示してありますが、試験問題を大きく2つのタイプに分ける。1つがAということでの必須問題、そしてBということでの一般問題という分け方です。まず、必須問題に関しては、当然、出題の範囲は薬学全般ということで、先ほどご議論いただいた出題の範囲全般にわたる中から、当然、必須と言われるからにはエッセンシャルな、これだけは基本的に押さえておいていただきたいという類の問題を、必須問題という位置づけで出してはどうかというものです。問題数等に関しては、また後ほどの議論ですので、ここでは飛ばします。  もう1つが一般問題ですが、この一般問題を2つに分けております。aということで薬学の理論に関する問題、bということで薬学の実践問題という分け方です。これまでの議論によると、実践的な問題は、実務に関することと、さまざまな基礎分野に跨がることなど、いろいろあるので、複合問題にしてはどうかというご議論があったかと思いますので、このbは基本は複合問題を念頭に置き、その一部は実務だけにかかわる問題も入れてはどうかと思います。基本的には、基礎分野と実務にかかわる分野がいろいろな部分に跨がった、全般的な問題構成になると考えております。すべてそういった複合問題にできるかと言われれば、なかなか難しい問題もありますので、それは一部、別な知識、技能、態度を問う問題については、薬学の理論という形で細分化して、この薬学理論では複合問題という形式を決してとる必要もなく出題をし、そのうちの何問かをbの実践問題という形で複合問題にしてはどうかということも含めて、一応、一般問題をaとbに分けているものです。まず、この全体の体系だけ紹介しました。  資料3に戻ります。この資料3に関しては、各項目ごとに区切ってご議論いただくことが良いと思っておりますが、事務局からの説明は全部通しでいたします。1頁の下から2つ目の○ですが、いま申し上げた2つに分かれるうちの1つである必須問題についてということの記述ですが、「薬学の全領域を対象とし、薬剤師に必要な基本的知識、技能、態度について、一問一答形式のような問題として作成することにより、その知識、技能、態度を確認することが適当」という書き方をしています。また、一般問題に関しては、薬学の全領域を対象として、実践に即した一般的な知識、技能、態度、そこで言うところの範疇には「問題解決能力を含む」という言い方をしています。こういったものを1つ出す。その範囲が薬学実践問題ということで、言葉として置いております。加えて、「薬剤師として必要な薬学の理論に基づく一般的知識、技能、態度」、この中には問題を解釈する能力が含まれるかと思うのですが、こういったものも含めた範囲を薬学理論問題と、とりあえず言葉を置いて、こういう分け方をしてはどうかというものです。  2頁の最初の○ですが、「薬学実践問題」については、複合問題を作成するということで、「実践に即した資質を確認することが適当」という書き方をしております。この項目で言うところの出題分野という意味合いとは、またちょっと趣を異にして、問題の出し方と言いましょうか、大枠ということにもなりますが、4分野に区切ったやり方をしている現行制度に基づけば、この部分は出題分野という呼び方をしておりますので、この項目の中にこういった体系付けることに関して、資料上記載をしております。  次は、2の「問題数」です。これに関して、最初の○にあるとおり、いろいろな情勢を踏まえれば、現行の問題数240問を上回る数を確保してはどうか、という提案です。2つ目ですが、問題数の設定に当たっては、当然、試験時間に影響しますので、その辺りを念頭に置く必要があるのではないかということも、これまでの議論にもありましたので書いております。一方で、3つ目の○には、1問当たり何分相当ということを考えていく中で、時間数が決まってまいりますが、トータルの時間数としては、現行行っている2日間という日程を維持する範囲で考えてみてはどうか、という提案です。  次からは、一つひとつ先ほど申し上げた問題の種類というか、タイプ別に書かれている記述で、最初の必須問題に関しては、全体の問題数の中で一定数確保するということが、まず書かれています。加えて、1問当たりの時間配分としては、○○という形で空欄にしてありますが、一問一答であれば、現行の1問当たり2.5分というほどの時間は必要ないのではないかと考えております。この何分程度が適当かといったことは、とりあえず現時点では空欄にしておりますが、大体この辺りの時間配分も、試験の日程、あるいは全体の試験時間を考える上では、ある程度明らかにしていく必要があると考えております。  3頁です。いま必須問題について述べましたが、ここでは一般問題という所で、2つの○に分けて記載してあります。最初の○は、「一般問題」の中の「薬学理論問題」で、これについての考え方としては、全試験問題数のうち、「一定数確保することが適当」という記述に始まり、2つ目のパラグラフでは、現行240問のうち、何割程度がこの理論問題に置き換わっていくかということで、どのぐらいの割合が適当か、これからはっきりさせていく必要があると考えております。また、1問当たりの時間配分についてもご議論いただきたいと思います。一問一答形式を基本として考えた場合には、大体何分当たりが適当かという記述をしておりますが、一問一答形式が妥当かどうかも含めて、議論があるところだと思います。  次は、「一般問題」の中のもう1つである「薬学実践問題」です。これについても、まず全体の問題数のうち、どの程度の割合をこの問題が占めるかといったところの議論があって、加えて、なお書きの所ですが、「1問当たりの時間配分」ということで、何分当たりが適当かということになります。ここは複合問題などを念頭に置けば、ある程度ほかの理論問題、あるいは必須問題と比べて、1問当たりの時間は多少多めになるのではないかと考えております。  次は、「出題基準」に関する大きな項目です。これは最初の1と多少絡む部分ですが、最初の○に現行の出題基準についての記述があります。現行の出題基準の目的は、妥当な出題の範囲とほぼ一定の問題水準、毎年毎年、格差がないようにと、この水準を保つために作られており、5年を目途に見直しが行われているということです。これを踏まえて、今後どうするかということですが、まず、同様の役割を果たすものとしては、何らかの出題基準が必要ということを書いたあと、4頁の上ですが、今回の6年教育になったことを踏まえて、新たな基準を策定することが適当ということです。過去にこの辺のご議論がありましたので、とりあえず議題1にあった出題の範囲をまさに議論しているということだと思います。  4頁の1つ目の○ですが、カリキュラムの全体を対象とすることが適当ということ。2つ目の○にあるとおり、独自に行っているカリキュラム、これもモデル・コアカリキュラムが全体の7割で、残り3割は各大学でという話もありますので、当然その残りの3割の部分は、全国共通の国家試験として行うには、ある程度適切と判断されたものに関しては追加していくことも必要ではないかということで、こういう記述になろうかと思います。次の○ですが、体系としては、モデル・コアカリキュラムの項目及びユニットをもって、現在この検討会で示されている出題の範囲が出来上がっておりますので、一応ここにそれに即した記述をしているということです。また、出題基準はイコール出題の範囲ではありませんので、現行の出題範囲と同じように、出題する範囲というか、項目を示すとともに、基本的な考え方、留意事項、そのほか改定時期、この辺りも盛り込んだものとして、最終的な全体の基準になってくると考えておりますので、こういう記述をしております。  次は、「試験の実施方法」です。その中の1つとして、「問題の形式・問題の作成」ですが、国家試験問題は筆記試験ということで、これまでどおり続けていくことが適当という記述が最初です。そして、実技の試験を入れるかどうかも、最初のころの検討会でご議論いただきましたが、現実的ではないということで、実技に関する内容は、今後、実務に関する必須問題、実践問題といったところで確認していってはどうかという書き方で、とりあえずたたき台を作っております。  5頁は、問題の形式といいますか、作り方になりますが、これまでは正答のみを答として求めておりました。今後は、実践の場で考え得る対応が多様化している部分もありますので、正答だけで現場での問題解決につながる場面ばかりではないかと思います。ある程度正答のみを求めるという形式ではなくて、少し幅を広げて、問題に設けられた選択肢の中から最も適切なものを選択する問題とか、明らかに誤りである対応、あるいは重要性が低い対応を選択肢として設けて、それが正答につながっていくといった問題作りも必要ではないかということで、こういう書き方をしております。問題作りは、専門性を有する教職員、医療・医薬関係者、行政関係者により行うことが適当ということで、これは現在行っているやり方と同じことを念頭に置いて、こういう書き方をしております。また、複合問題を取り入れるのであれば、作成の初期の段階から、複数の作成者がかかわることが適当ということも入れております。  「解答形式」に関しては、現行の方式は、原則として多肢選択方式という方法をとっております。これについて、現在の回答様式について、具体的に示しておいたほうがよいかと思いますので、資料4があります。2頁にいくつか例題ということで、合計8題、パターンとしては7パターン用意しています。これらに関して、2頁の問1のように設問があって、それに合う答を1つ選ぶという問題もあれば、問2のように1から4までの記述のうち、正しいものを選んでもらうという問題もあります。  3頁です。問1の変形かと思いますが、文章があって、その中の穴埋めの言葉として入れるに正しいものを選んでもらうという問題です。問5として示してあるのは、aからeまでの記述には、正しいものと間違っているものが混在しているわけですが、このうち正しいもの、この場合ですと自ずと1から6まで見ると、必ず2つあるということがわかるわけです。aからeまでのうち、どれか2つが正しい記述であるので、その正しいものを選んで、その組合せを答として求めているというやり方です。  4頁の問6も現行行っている方式です。aからdまでの記述のそれぞれについて、正しいか間違っているかをまず頭の中で考えていただき、その順列を答の1から5までのうち正しい組合せを選んでもらうという出題です。  5頁は問7、問8です。それぞれの問題に設けられているaからd、それからアからエ、それぞれに対して対応のさせ方として正しいものはどれかという選び方です。問8も組合せを答として求めているものです。  この資料に書きました、それぞれのパターンの間に挟んであります表に関しては、とりあえずこういうパターンの問題を過去10年遡ってみて、全体240問のうち大体何問ぐらいがこのパターンに即しているかを調べたものを、それぞれの問題のパターンの間に表として入れております。いままで、どういうパターンの問題が、何年ぐらいにはどのぐらいの割合で出ているか、ということの参考にしていただければと思います。  1頁は、全体の整理表ということで数字だけを並べたものを用意いたしました。いずれにしても、これまでの国家試験というのは、少なくとも過去10年に限ってはこういうパターンのうちどれかに該当するものが出題されている状況です。  資料3の5頁に戻ります。5頁の「解答形式」のところは、いま申し上げたような形式で現状は出題されております。それに関し、今後はいま申し上げておりますような正答の組合せで答えていくのか、さらにそれを一つひとつ分解し、3つ目の○にあるような、原則正しいか間違っているかも含め、一問一答形式にしていくことも1つの考え方かと思います。この辺りはどのように捉えていくか。  4つ目の○にあるように、答が必ず1つでなければならないか、というところも含めて複数の正答があるような問題を医師国家試験等では取り入れていますので、この辺りを取り入れてはどうかということで、とりあえずここでは適当であるという言い方をさせていただいています。  いちばん下の○ですが、出版物を試験の際に使って解答するということも、前回の制度改善検討会のところで宿題になっておりましたので、ここの検討会でも1回目に議論させていただきましたが、ここに書いてあるように、あまり現実的ではないということでしたので、そういう書き方をここではさせていただいています。  6頁では「合格基準について」、項目を起こしていて、これは当初から検討事項として掲げさせていただいておりますが、まだここまで議論が辿り着いておりませんので、関連の記述はいまのところ書いていない状況でこの資料を作らせていただきました。資料3から資料5については以上です。  この議論を行っていただくに当たり、本日用意いたしました参考資料6の歯科医師の国家試験と、参考資料7の獣医師の国家試験ですが、まさにこれから歯科医師と獣医師の国家試験がこういう形で進んでいくだろう、というこれからの方向性が示されたものですので、必要に応じて議論の際に使っていただきたいと思います。  時間をだいぶ超過いたしましたので、1、2点だけ触れさせていただきます。参考資料6の歯科医師のほうの2頁には、問題数ということで365題と書かれています。参考までに問題数を紹介させていただきます。3頁には問題形式について触れられております。5肢択1あるいは択2ということで、答が2つあるものも含めて現在も問題が出されているということです。(4)には合格基準が書かれています。必修問題については絶対基準で、何パーセント以上答えなければ駄目と書かれています。一般問題と臨床実地に関しては、平均点と標準偏差から求めているということで、この辺は薬剤師とは取扱いが違うところです。  参考資料7の獣医師のほうで2カ所紹介させていただきます。3頁から4頁にかけて、必須問題の導入が書いてあります。獣医師に関しては必須問題を導入していく方向性にあることがわかります。その結果、問題数は330となり、現在は300題で行っていますが、今後は330に増えていることがこの辺りの記述からわかります。  6頁の大きな3の(1)に出題の形式があります。ここでAタイプは一問一答、Kタイプはいくつかある正答の組合せを答えるということで、薬剤師に多く取り入れられているものです。このKタイプの出題に関しては記述があり、部分的な知識によって正解が導かれるデメリットがあるということで、どちらかというと減らす方向だということがこの辺に書かれています。この辺りが参考になるのではないかと思い、本当に部分的ですが紹介させていただきました。  ほかにも関係のあるところがあると思いますので、お時間の許す範囲で見ていただければと思います。長くなりましたが以上です。 ○井上座長 資料3を中心に議論をいたします。まず、1番の「出題分野」です。ここでは、必須問題を導入したらどうか。一般問題は、薬学理論問題と薬学実践問題に、それをさらに分けていくという話でした。大変重要な部分ですので活発な議論をよろしくお願いいたします。 ○大野委員 資料5の出題分野と試験問題数で、右側の問題配分の項目に、基礎とか衛生と書いてあります。たぶん、これは従来の分類を参考にしてやられたと思います。いちばん上の実務のところで(A、B、D1、D2、D3)と書いてありますが、このAとBは独立させるべきではないかと思います。  6年制になった理由というのは、いままでは自然科学的なことだけを教えて、国家試験も自然科学だけでした。ただ、医療は自然科学+人文科学ということもあり、6年制の柱の1つがヒューマニズムだと思うのです。コアカリキュラムでもそのAとBが独立しています。そういう意味でこのAとBの問題数をいくつかにするかはわかりませんが、法規ぐらいでいいのかもしれません。例えば、ヒューマニズムという形で概念として独立させたほうがいいのではないかと思います。今回の国家試験の本来の目的からするとそのように思いますのでお願いいたします。 ○加賀谷委員 私もいまの意見に賛成です。薬剤師国家試験が、医療人を育てるということに関しては非常に大事な項目だと思いますので、是非そのようにしていただけないかと思います。 ○薬事企画官 いまのご意見は、最終的にどういう分野から、どのぐらいの出題数を確保するか、ということにつながっていくと思います。とりあえず資料5では、初めから新規の項目を設けてしまうと、現行の240問の問題配分との兼合いで少しわかりにくくなるかと思いました。ここの場所が適切か不適切かという意味では不適切だというご意見をいただいたことになるのかもしれません。実務の中に入れさせていただき、問題配分として現行の4つの出題分野に分けた場合には、このぐらいの配分として今後組み変わっていくのではないか、ということをあえて見やすいように新規の項目を立てなかったということがあります。  AとBが独立したほうがいいということであれば、最終的に問題配分の議論がなされた上で、AとBがそれぞれ何問程度必要かという議論は今後できるかと思います。 ○大野委員 医師の国家試験も、当初はコアカリキュラムができる前は、人文科学は全く無視の状態だったと思うのです。コアカリキュラムに患者心理とかが入ってきて、今回の国家試験の資料を見ても4、5%入っているということです。数はまだあれなのでしょうけれども、例えば法規のように5、10、5ぐらいだとちょうどそんな感じになるのか。必須問題5、一般問題10、実践5ぐらいやるとバランスもいいのかということです。  別なことですが、ここで「実務」というのが出てくるのですが、医療の実務を考えたときに3つの要素で、薬物治療、法規、ヒューマニズムです。コアカリキュラムの実務D1、D2、D3の3つは、私は実務の定義がよくわからないのですが、国家試験検討委員会の実務の定義がはっきりしないのです。D1、D2、D3が実務のコアカリキュラムだとすると、3つの要素は全部入っているわけですね。  そうすると、後で実践問題を作るときにどのように考えるのかわかりませんが、実務+法規、実務+薬物治療というのは、実務というのは、そもそも薬物治療と、法規と、ヒューマニズムが入っているものであって、そこに、さらに薬物治療というのを加味するのかという、その実務の取り方です。 ○薬事企画官 資料の説明が不十分で申し訳ありませんでした。ここに何回か出てまいります「基礎」という言葉と「衛生」という言葉、さらにいまご指摘のありました「実務」という言葉、そのほかにもいくつもの言葉が並んでおりますが、これは便宜上現行制度と比べるために見やすく用いているものです。今後は、こういう分野の壁を取っ払って全域に、ということでもし仮に方針が決まれば、自ずと現行のいま議論しております出題の範囲に示されているC1、C2といった記述にすべてが置き換わっていくと思います。  ただ、一方で問題配分を議論するときに、現行の4区分に照らしたときに、それぞれがどこに対応するかがわかったほうがいいかと思いまして、こういう言葉遣いをさせていただいているというのがまず1点です。  そのときに、ここで使っている「実務」という言葉は、本来「医療薬学」という言葉を使うべきかもしれませんが、そのレベルでは議論が細分化できませんでした。ここで使っている言葉をもう一度説明いたしますと、現行でいう「基礎薬学」は、この資料でいう「基礎」という言葉に置き換わっています。「衛生薬学」は「衛生」という言葉とイコールです。「制度」と「法規」に関しては「法規」という言葉で1つにまとまっています。残りの「医療薬学」に関しては中を分け、「薬理・開発」「薬剤」「薬物治療」「実務」の4つから現行の医療薬学が成り立っているというふうに見ていただくことになるかと思います。 ○大野委員 現時点での考え方としては、「実務」というのは、実際の薬物治療の業務一般を含めてと理解してよろしいのですか。 ○薬事企画官 はい。 ○大野委員 いまの分け方の医療薬学の中で、「薬理」「薬剤」という分け方はいいと思うのです。疾病の中に薬物治療、この色付きの表だと医療薬学のところの必須問題に「疾病」と書いてあって、薬物治療という言葉はないのですが、資料5の別の表だと「薬物治療」という言葉が出てきて、疾病という言葉が消えています。これは、先ほどのコアカリキュラムのいろいろな意見の中で、C14がこの薬物治療に当たると思うのです。ほかの大学の意見をいろいろ見てみると、疾病と薬物治療は別ではないかと確かにそうは思うのです。  しかし、例えばC14を見ますと、何とか何とかの病態生理、治療薬及び使用上の注意となると、確かにこれは薬物治療で、つまり薬物治療の中に病態と、薬理と、使用上の注意、つまり薬剤と薬物動態学と4つも入ってくるわけです。疾病というのは薬理、あるいは薬剤と同じレベルで考えてもいいのではないか。  特に、そこが今回の6年教育の目玉の1つだと思うのです。疾病という項目は必要だとして、薬物治療というのを、また別個に薬理、薬剤、疾病の複合問題みたいな形で、医療薬学の中に、薬物治療というのを別に設けたほうが、これからの医療により貢献する薬剤師としてはここが必要なのではないかと思います。 ○薬事企画官 資料5の2枚目のカラー刷りのところで使っている「疾病」という言葉は、1枚目でいうところの「薬物治療」と同じ意味で、とりあえずこの資料上は使っております。そこは、資料の整合性が取れていなかったということでお詫びさせていただきます。  もう1点お詫びがあります。この図式化された2枚目の、青いところの「医療薬学」のところの大きなタイトルが白抜きのところで触れられています。括弧の中にA、B、C14と書いてありますが、C13がここに入ってこないとおかしいので、これは単純ミスです。C13がここに抜けていることをお詫びいたします。 ○樋口委員 いまのところに関係するのですが、C13からずっと見ていってC15ぐらいで、「動態」とか「TDM」という言葉がいっぱい出ていて、まとめたらどうかという意見もかなり書きました。問題のバランスから見ていくと、薬剤と、そこに動態というのをどこかに置かないとよくないのかと思ったのですがいかがでしょうか。私の印象です。 ○薬事企画官 細かいところの意見は本日いただこうかと思っていたのですが、確かにC13のところが、モデル・コアカリキュラムを見ますと、動態がこの中に入っていますので、表現としてはC13の一部という形で分けてしまったのですが、その辺は適切な分類があるのかもしれません。 ○森委員 いまの関野さんのお話では今回意見をもらうということだったのですが、法規はC18となっていますが、C18の中には3つのユニットがありコミュニティファーマシーも含まれています。  コミュニティファーマシーは重要なところなので、ここでの20問ではなく是非どこか、実務のところに入れるなど、横出しでお願いします。 ○木津委員 薬学のところで教えていただきたいのですけれども、実践問題のところの問題配分で、実務15問+基礎15問で30問という基本的な考え方を教えていただけますか。 ○薬事企画官 資料5の説明だと思います。資料5の1頁の薬学実践問題に関しては、ここでいうところの実務にはAとBを含めてしまっていますけれども、A、B、D1、D2、D3の中から、とりあえず実務に関する問題を30問出していただくということが最初に書いてあります。  それ以降2行目からは、いわゆる実務15問、基礎15問という書き方になっています。これは、問題としては1題を形成するわけでありますが、いわゆる複合問題として、実務に係る知識、技能、態度を問いかける部分と、前回いくつか例を出しましたが、その実務に係る部分であっても、その根底にある基礎という部分を必ず問うような問題を組み合わせて、もう1問答を求めるということで、答える側から見れば2つの答が求められているという問題作りです。  いわゆるここの読み方は、実務と基礎の複合問題を15題出します。それが、答えをする側から見れば30問分に相当するという意味で30問という言い方をしています。本質は、実務のところと基礎のところの複合問題という意味で読んでいただきたいと思います。 ○永井委員 質問ですが、最終的に基礎とか衛生とかで表されないわけですね。いちばん下のところの表し方としては、実務の代わりにAから始まってD3まで書いて、基礎の代わりにC1からC10まで書くという形で表されるわけですね。 ○薬事企画官 はい。もう少し言いますと、出題の範囲の中で、これは全部羅列される形で表になります。出題基準のところの記述ぶりの中で、何問程度A、B、D1、D2、D3の範囲と、C1からC10の間の問題が組み合わさった問題を何問程度出す、という1つの方針が書かれるというイメージかと思います。 ○山岡委員 その場合に、最初の30問というのは、例えばAとD2が組み合わさったような問題というイメージはないのですね。 ○薬事企画官 この資料からいいますと、その辺は浮かび上がっておりません。答える側から見た30問に関しては、いま言ったように組み合わせて問題を作ることは、作成の段階であり得るとは思っております。 ○山岡委員 Aというのは症例があって、それに対してのAというものが来たほうが、国家試験としてはふさわしいのかというイメージがすごくあります。A、Bの扱いがどうなるかというのもよくわからないので、その辺りも含めて少しご検討いただけたらと思います。  もう1つは、BとAというのがすごく異質なのです。CBTの問題でもそうなるのですけれども、Aというのは非常に扱いやすいのです。現場ともわりと密接した問題も多いのでやりやすいのですけれども、Bというのは薬剤師とは何かとか、薬剤師の職能とは何かという問いかけでずっときます。AとBを一括りにすることについて、私自身は疑問を感じています。どういうふうに分けるかはこれからの問題だと思いますけれども、そこの部分は少しお考えいただけたらと思います。 ○薬事企画官 D1からD3とA、あるいはBというものを一緒にしていることについてご批判を受けておりますが、Bは早期体験学習ということを念頭に置けば、かなり実務に近いというか、卒業間際の出来上がりのことを早期体験ということからすると、現行の出題分野の4つのうちどこかに入れるとすれば実務かな、ということで入れさせていただいております。 ○山岡委員 現行だと実務だろうとは思います。ただ、最後の表記の段階でどういうふうに考えるか、というところをうまく考えないと混乱するのではないかと思います。 ○大野委員 話を聞いていると、まだ実務の定義がきちんと決まっていないような気がします。コアカリキュラムを見ると、医療の実務だからAとC18の法規と、いわゆる基礎を基にして薬物治療が実務だと思うのです。どれが欠けても実務はできないと思うのです。そういう意味で、実務D1、D2、D3と考えたときに、これこそが複合問題すべてを含んでいるのではないかと思うのです。つまり、実務の中にAが含まれるのであれば、当然薬物治療の法規も含まれてくるはずです。現場の医療行為を考えればそう思うのです。少なくとも、実務のところにAが入っているけれども、これは実務から外すべきではないのか。 ○山岡委員 私は、Aが実務に含まれるというのは、現行の試験体系の医療薬学の4つに分けた後の4番目に含まれていますねという意味合いであります。出題基準という格好でくるときには、実務という言葉はこないで、例えばAはここですよ、D1、D2は、D3はこうですよ、という形でくるのだろうと思うのです。現行の実務という言葉と、将来の実務という言葉とは分けて考えたほうがいいのではないかと思います。 ○井上座長 議論がそちらのほうへばかり行ってしまっているのですけれども、必須問題というのは何が必須問題なのか、あるいは必須問題はどう定義するのかということも少し考えなければいけないのだろうと思うのです。  参考資料の歯科、あるいは獣医師のほうを見ますと、ヒューマニズムであるとか、倫理であるとか、法規であるとか、そういうのが必須問題であるという定義をしているのもあります。薬学で、我々がここで必須問題にしようとしているのは、ここに書いてあることからしますと、基礎もあるし、すべての領域から重要だと思われる項目を必須問題とするとしていますからちょっと違う分類といいますか、必須問題の定義もちょっと違う。必須問題の仕切りをどのぐらいにするのか、という辺りも考えないと、必須問題のイメージが明確に伝わらないのだと思うのですが、その辺に対してご意見はありますでしょうか。 ○薬事企画官 いま座長が言われましたのは、獣医のケースですので、参考資料7の3頁に、獣医が考えるところの必須問題に関する記述があります。 ○山岡委員 この必須問題が出てきたのは、たぶん医師の国家試験を横目で見ながら出てきたと思うのです。その場合には、合格基準との兼合いで出てきたのではないかと思うのです。だから、絶対にこれだけは取ってほしいという部分を問題として出すのが必須問題の考え方ではないかと思うのです。 ○井上座長 ここでの議論だと、大体そういうイメージだと思います。具体的に仕切りを何パーセントにするのか、70%なのか65%なのか、その辺はもう少し具体的な提言を厚生労働省に出していただいて、それから議論したほうがいいのかもしれません。特に、必須問題の定義などでご発言があればここで伺っておきます。 ○樋口委員 確認したいのですけれども、モデル・コアカリキュラムの中から問題の範囲を示していますが、先ほど来出ておりますような、ヒューマニズムとか倫理という言葉を載せるというのは問題ないのですね。問題が出る範囲はここだけれども、その中でこういう項目を必須にしているとか、それは十分に可能性はありますね。そういう書き方をするとか、どうなのでしょうか。 ○薬事企画官 そこは、まだ決めていないです。 ○樋口委員 私は先ほどから言っているように、やはり何かあったほうがいいような気がするのです。獣医師の場合、今回倫理が30問増えたのでしょう、違うのですか。事故を起こしてから。 ○薬事企画官 必須問題の部分を加味して問題数が30問増えたということで、必須問題だけが30問増えるかどうかはこれから、この報告書を受けてどういう運用にしていくかということだと思います。それを加味して、プラス30問という方向にいまはあるということだと思います。 ○樋口委員 はたから受ける印象としては、いまここで議論していることが見えないです。やはり、モデル・コアカリキュラムからのナンバーリングだけだったら。特に、どういうところを意識してこれを設定したか、というのが見えるように言葉を付けたほうがいいような気がします。私はそう思います。 ○薬事企画官 必須問題の議論に関していくつかポイントを申し上げます。必須問題を設けるかどうかという点に関しては、山岡先生がおっしゃったとおり、合格基準と関係してくると思います。しなければ一般問題と変わらず、全領域から出せばいいということになりますから、あくまでここだけはエッセンシャルな知識、技能、態度だということで、別に必須問題を設けるということは、自ずとこの出題の意図としては必須問題に該当するものに関しては、ほかの問題と比べてそれなりの正答なりを求めざるを得ないという意図があるのだと思いますので、必須問題をほかの問題と分けて、独自に柱として立てるのであれば、合格基準とも連動する議論になってくると思います。  どういう範囲が必須問題に該当するかという議論に関しては、獣医に書いてありますような考え方として示すやり方もあれば、いちばん極端な例としては、出題の範囲のそれぞれのSBOsに立ち返って、この部分、この部分ということを全部ポジティブリスト化するやり方もあります。ただ、それはあくまでいま理論的な意味で申し上げているわけで、どの辺に必須問題の範囲をどういう形で示すか、というのはもうちょっと議論していただいてもいいかと思っています。 ○赤池委員 逆のほうの少し極端な意見を申し上げさせていただきます。必須問題というのは、基本的には問い方の問題であって、項目ごとでどれが必須で、どれが一般であるというのは、モデル・コアカリキュラムをもともと基準として考えた場合に、モデル・コアカリキュラムとどのSBOは必須ですよ、これは必須ではありませんよと言ってしまうようなものですから、少し自己矛盾になるのではないかと思います。  もちろん、樋口先生がおっしゃるようなヒューマニズム等、これはここで非常に議論されたことですから、それがメッセージとして伝わるような工夫は必要だろうと思います。ただ、逆にそれを必須に入れましたと、逆に必須はヒューマニズムですと言ってしまうと、それでは実務の技術的なところは必須ではないのですか、という議論は当然出てくると思います。  そこは、医師国家試験、歯科医師国家試験等では、少なくとも私の知識では項目立てで、これが必須であり、これは一般であるというような分け方はされていないです。やはり、医療職ということを考えた場合に、それはどれが必須であるとかそうではないという分け方は、努力をすれば全く不可能ではないのかもしれませんけれども、あまり努力に値しないと言ったら言いすぎかもしれませんけれども、なかなか大変な作業になります。それよりは、ある程度全体として必須と。その中の問い方として、基本的な知識を問うということで進めたほうが実質的ではないかと思います。  特に、これは出題委員の立場から申し上げますと、これは是非こうしていただきたい。いまも結構ご批判がありますけれども、どうしても組合せ問題が国家試験の場合にはメインになっています。もちろん現行制度が悪いという意味ではないのですが、そういう区別がないために、どうしてもCBT的な一問一答形式というのを出すのが、少なくとも私個人としてはためらわれます。やはり、1問2点という重みを持って考えた場合にいろいろ考えていただきたい。単純な知識だけではなくて、ある程度考えた結果として、解答を導いていただきたいという気持があると、組合せ問題とか、1つの選択肢の中に2つの意味を持たせてしまうということが、どうしても作業としては入ってしまいます。  そういう意味で、必須問題と一般問題という形にメリハリを付けていただきますと、少なくとも必須問題の問題形式としてはCBTに近いような、これだけはしてほしいというところを単純な形で問う。そういう意味でさらに先まで申し上げて申し訳ないのですけれども、合格ラインもかなり高いところに。これから合格基準がどのぐらいに設定されるのかわかりませんが、それと同等か、それ以上ぐらいのところを足切りという形で作っていただく。  それと一般問題、特に応用的な問題と少し分けて考える。これは、作る側の意見ばかり言っても受けるのは受験生ですからそちらも考えないといけないのでしょうけれども、少なくともより適切な問題が作りやすくなるのだろう。それは、結果としては受験される方にとっても、ある種の利益が生ずるような問題が作れると考えます。 ○井上座長 必須問題を設定することに関しては、特にご異論はないかと思います。微妙なところに関しては少し調整といいますか、もう少し考えていかなければいけないと思います。  もう1つの複合問題といいますか、特に薬学実践問題の実務30問、その下に実務+基礎というのは、とりあえずこのように考えてみたということだと思うのです。こういう複合問題を考えていくというスタンスはこれでよろしいのだと思うのです。例えば、こういう分類にでもしてみないと、実際の問題を作る具体的な作業に入れませんから、こういうことが必要なのだと思うのですが、この辺は特にご議論はないでしょうか。 ○赤池委員 全体の問題数というのはかなり重要なポイントだろうと思うのです。これは、問題を作る側としてもそれによってかなり縛られてきますし、受験される方の労力も当然問題数に比例してきます。そういう意味で医師国家試験が500問、これはあくまで相対的に見たらということですけれども、歯科医師国家試験が365問、獣医師国家試験が300問ということですので、やはり薬剤師国家試験も300問台、これは6年制の学部の資格試験ですので、問題数としては300問以上が妥当ではないか。現行の240問というのは、6年間の成果を問うには問題数として少なすぎる。ですから、増やすべきだろうと思います。  345問が妥当という根拠はなかなか難しいのだろうと思いますけれども、いまの比較から言うと、医師の国家試験の500問、歯科医師の365問という比較から見れば350問前後が妥当かなという印象で見たのですが、その辺はいかがでしょうか。これは、皆さんに伺いたいと思います。 ○井上座長 いま、赤池先生は少し先回りしてしまいまして2番の項目です。時間もあまりありませんので、2番の「問題数」に入りたいと思います。赤池先生のお話にあったように、問題数は345問というのが適当であるかどうか、あるいはこの全体の数も含めてこれでいいかという辺りはいかがでしょうか。3日間にはしないという辺りは、いままでの議論の中にもなんとなく2日間で収めたらという感じではあったかと思います。そうしますと340問ぐらいというのは、たぶんマキシマムな数になるだろうと思います。 ○薬事企画官 先ほど、問題数を議論していただく際の説明の仕方をいたしませんでしたので、もう一度資料5の2枚目をご覧ください。資料5の作り方は、先ほど赤池先生がおっしゃられたように、345問という全体の問題数になっております。それぞれ現行制度と比べてどうか、という比較の説明をさせていただきます。  色使いをしている科目の順番でいきます。ピンクの基礎薬学のところに関しては、必須問題に相当するのが15問、一般問題の中の理論のほうが30問、薬学の実践問題との複合問題として出すのが15問相当ということで、合計60問ということですので、現行の240問で行っている試験と同数ということになります。  緑色の衛生薬学についても、必須問題として10問、理論として20問、実践問題とのコンビネーションで10問ということで40問になりますので、これも現行240問で行っているうちの40問が衛生薬学ですので、これもいまと変わらないという資料です。  法規についても同じように20問ということですので、240問で20問行っているときと同じ数になります。そのうちの5題相当分が、実践問題との複合問題という形になります。  ですから、医療薬学の部分の問題数が増えた部分が、複合問題あるいは単独の問題という形で増えてきているという構図になります。そういう置き方をした上で配分をしてみたものがこの資料に1つのモデルとして示しているということでご覧いただければと思います。 ○永井委員 教えていただきたいのですが、歯科医師と獣医師の関係で時間の問題としては、2日間のトータル10時間で240問。こちらは2日間でトータル何時間ですか。 ○薬事企画官 何時間というところまでは調べていませんでしたが、日数で2日間です。 ○永井委員 345問に増やした場合には、10時間以上に延ばしても何も問題はないわけですね。 ○薬事企画官 粗い計算といいますかシミュレーションした感じでは、必須問題のようなところを1題1分ないし1分半、90秒と置いたときに、朝から晩まで午前・午後を使えば2日間で入る、というのが345問です。1問当たり何分使うかにもよりますが、一応入るかなということを念頭に置いております。 ○永井委員 私も計算してみたのですが、一般問題の理論と必須問題で1日かかって、その後実践問題で1日かければできるかと思いました。実際の時間は長くならなければ駄目ですね。 ○薬事企画官 いま行っている午前・午後2.5時間ずつの1日当たり5時間では収まらないと思いますが、もうちょっと終わる時間が遅くなれば2日間の内には入るかと思っています。ちなみに、医師だけが500題で3日間なのですが、歯科医師と獣医は2日間です。 ○林委員 いまおっしゃっていたカラー刷りですけれども、*の複合問題は、トータルで60題120問ということです。グリーンに奇数がありますが、これは全体が組み合わさるからという意味になるのですか。表の読み方が間違っていますか。5問とか15問という*がありますが、これは*を全部足すとという意味ですね。 ○薬事企画官 はい。資料5の2枚目のいちばん下に書いてある*の部分は、この絵でいうと4種類のところから集めてみると120になるということです。 ○井上座長 これでは多すぎる、というような議論はあまり出ていませんでしょうか。 ○林委員 出ています。やはり、実践は多いかなと、私の経験では思います。なかなか難しい問題ができそうな恐れがありますが、やってみないとわからない部分です。学生にとっては厳しいかなという感じはします。 ○井上座長 これからどういう作業をしていくかにもよりますけれども、ともかく問題をこういう感じで作っていったときに、これではちょっと無理だということになるのかもしれないとは思います。ある程度たたき台を作って具体的にやっていってみないと、問題点は浮き彫りにされないような気はします。 ○赤池委員 私も、林先生と同じような印象を持ちましたけれども、ここの委員会自体の議論としても、新しい制度下での薬剤師を判定する国家試験ということでずっと進んでいました。そういう意味では、このぐらいの問題数がないと説明はできないのではないでしょうか。あくまで正論です。 ○森委員 細かいことなのですけれども、法規の出題はいままで20問だったのが、今回も20問ということになっています。1つは、薬剤師というのが法律にきちんと位置づけられており、今回、薬局も医療提供施設として医療法に位置づけられました。そして介護保険法などさまざまな法律とか、療担、薬担などが業務を行ううえで関係するということを考えると、もう少し法規に関する出題を増やしていただきたいと思います。20問と言わず25問でも結構ですが、ここはちょっとご検討いただければと思います。薬剤師として働く上で法律を知っていることも重要ですが、それを解釈することが必要になってきますので、是非そのことをご検討いただきたいと思います。 ○薬事企画官 いまのご意見は、独立した問題数の確保、という意味での法規をそのままにしておくのか、それとも実践のほうに全部組み入れて割合をもうちょっと増やすのかということで言うとどちらでしょうか。 ○森委員 実践のところで読みきれるのかもしれないのですけれども、全体としての法規という枠の中で少し考えていただければと思います。 ○望月委員 いまのことに関連してですが、先ほどのBのほうでC18の法規というのが、法律のことと、制度のことと、コミュニティファーマシーのことと3つまたがって整理されている部分なのです。ここの2つ目のイメージ図の「制度・法規[C18]」というのが、その3つまたがったものであるとすれば、私も薬学理論として10問というのは少ないのではないかと思います。 ○井上座長 それは、厚生労働省のほうで微調整といえば微調整だと思うのですけれども。 ○薬事企画官 いまの段階で結論を急ぐつもりはないのですけれども、問題の数がすべてなのか、もともとあらかじめ試験に臨む段階で勉強してくるわけですので、その問題数をもって勉強の仕方が変わるのかと言われれば、もともと出題の範囲にすべて含めている以上、そこは問題数の多い少ないにかかわらず知っておいて、あるいは教育を受けておいてしかるべきという捉え方もあると思うのです。やはり、そこは問題数の多い少ないというところが勉強のし具合に影響する、という意味で捉えるべきなのでしょうか。 ○望月委員 たぶん影響すると思います。 ○井上座長 それは、しますよね。それは、ある程度考慮せざるを得ないだろうと思います。時間が迫ってきていますので、この点はもう少し検討させていただくことにして、次は「出題基準」です。この部分は、既に出題の分野の中で議論しました。したがって、今回ここのところは飛ばしまして、4番の「試験の実施方法」、それから5番の「合格基準」をまとめて全体として意見交換をさせていただきます。まず、4番の試験の実施方法のところです。これも、いままで結構議論してきました。医師国家試験等の例から、ここでもいろいろ議論してきたわけですが、この辺のことについていかがでしょうか。  問題の形式として、最初のほうに書いてある「筆記試験とすることが適当である。実技試験はなかなか現実的でない」という辺りは全く異論のないところだと思います。5頁には結構重要なことが書いてあります。正答のみならず、最も適切なものを選ぶような問題、あるいは明らかに誤りであるものを見つけるような問題、あるいは重要性が低いといったかなり微妙なことを問う問題も、薬剤師の新しい国家試験としては考えていったらどうかという提言です。これは、いままでここで議論のあったとおりだと思います。  あとは、実際具体的に作ってみたときに、これは問題として不適当だとか、そういうことは当然出てくるだろうと思います。この場では、こういうところまでが許容範囲である、ということでよろしいのではないかと思うのですがいかがでしょうか。これはまずい、というようなものがありますでしょうか。 ○薬事企画官 前回、医師の国家試験のパターンを見据えまして、それを薬剤師に置き換えた場合にどうなるか、というのをモデルとして示しています。ここは、誤りを答える問題を何問以上作らなければいけない、というところまでは規定せずに、あくまで作成の段階でそういったことも入れていくという範疇ではないかと思います。 ○井上座長 かなり難しくなる方向ではあるだろうと思います。ここの部分はよろしいでしょうか。2番目の○の「問題作成は、専門性を有する教職員、医療・医薬関係者、行政関係者が行う」というのは従来どおりです。その下に書いてある、「複合問題については、問題作成に係る検討の初期の段階から共同で行うことが適当である」、この辺は全く従来はなかったことですが、これも、ここで何回も議論があったと思いますので、こういうことができれば、また実際にこういうふうにやっていかないと良い問題にはならないと思いますので、この辺は特にご議論はないと思いますがよろしいでしょうか。  2番の「解答形式」については、多肢選択方式、というのはこれしかないだろうと思います。「設問の肢数は、原則、○○以上とすることが適当である」となっています。これは、一問一答だと必ずしも5つから選ぶとすると、例えばCBTの経験からすると、5つの選択肢というのは結構無理な問題もありますので、この辺はどうでしょうか、必ずしもいくつ以上であるというふうにする必要はないような気がするのです。 ○薬事企画官 それも、可能だと思います。 ○井上座長 いかがでしょうか、この辺についてご意見はございますか。ないようでしたら、これも少し検討させていただきます。次の、いまの現行制度の全解答肢の中の正誤の選択方式については非常に問題があるということで、原則一問一答形式に改める必要がある。これは、確かにいままでのところの正誤のような問題に関しては、すべてを知っていなくても十分答えられるという辺りは大きな問題だったわけですから、これはこれでよろしいかと思います。 ○薬事企画官 なるべく客観的な議論という意味で一言言わせていただきますと、獣医のところでも述べましたように、この組合せのやり方ですと、確かに部分的な知識で答えられてしまうというデメリットがあります。一方で、出題数の確保という意味で捉えれば、いままで1つの問題で、5つの選択肢があれば、5種類の知識に関しての正誤を一応問う形にはなっています。これを、一問一答に切り出すということは、その5つの知識を1題で問うという効率性がなくなって、1問当たり1つの知識を問う方向になりますので、試験の中で確認している知識の範囲という意味では多少減少する方向にもなります。ただ、確実にその知識が身に付いているかどうかを確認できるというメリットもある、というところでの考え方だと思います。 ○樋口委員 ものすごく小さいことですが、5頁の上から2つ目の○の「専門性を有する教職員」というのは教員と考えていいのですか。 ○薬事企画官 表現の仕方は適切な表現に改めさせていただいてもいいと思います。いま毎年行っている作成委員会を構成しているメンバーの先生方というイメージで捉えれば、確かに教員です。 ○樋口委員 「職員」という言葉が入ると、事務方が入るという意味に捉えがちなのです。 ○薬事企画官 いままでは、大学のそれぞれの分野の教授の先生をはじめとした、講義をされている先生方がこの表現のイメージにありました。もし、明らかに事務の方が入るということであれば、言葉を「教員」に置き換えてもいいと思います。 ○樋口委員 皆さんにお聞きしたいだけなのです。私たちでは教員と言います。 ○井上座長 大学で教職員といった場合、教員+事務職員というイメージのところもたぶんあるだろうと思います。すっきりさせるために、ここは「教員」としても全然問題はないはずだと思います。 ○薬事企画官 「専門性を有する」という言葉で、国家試験の問題に馴染まない方は入らないと思うのですけれども、より適切な表現にしたいと思います。 ○井上座長 ほかになければ解答形式です。これの2番に「設問肢数は原則、○○以上とすることが適当である」というのはいいわけですね。下から2番目に「正答の設問肢が一つでない問題を加えることも適当である」。例えば、正解が2つあるという設定にすると、選択肢ははるかに多くなります。 ○吉冨委員 「設問肢が一つではない問題を加えることも適当である」という上は、一問一答形式ですね。 ○井上座長 そうです。必須問題は一問一答で、一般問題などで、以下の問題であれば正解が2つあるような、より選択肢が多くなるという問題も場合によっては加えてもいいのではないかというぐらいの感じではないでしょうか。 ○薬事企画官 資料4をご覧ください。1つのパターンでご紹介いたします。問題の中身と、いま私が申し上げることは一致していないことをお断りしておきます。問1は答が1つあって5なのですけれども、仮に問1が全く別の問題で、いわゆる5だけが正答の作り方をこれはしていますので、これはまさに一問一答であり、かつ正答が1つという例になります。1から5までの選択肢のうち、この設問に当たるような正答が2つ埋め込まれているような場合を想定した場合に、例えば答え方として1と5が正答だ、という答え方をするというイメージが、正答の選択肢が1つではない問題ということになります。 ○吉冨委員 そのときには、1、2とか1、3というものから1、5を選ぶというのではなくて、解答欄にマルを2つ付ける可能性があるということですね。 ○薬事企画官 技術的にはそのパターンをとるか、あるいは一通りの選択肢と、2つの組合せの選択肢をすべて選択肢として用意し、その中から選ぶという答え方もあると思います。 ○井上座長 そうすると、16通りあると、マークシートではたぶん不可能になりますね。 ○薬事企画官 大体がそうです。1つの問題で、2つの塗り潰した所を読み取ってもらえるようなシステムが必要になろうかとは思います。 ○井上座長 それは、技術的な問題だと思います。5頁のいちばん下の「出版物などを使ってというのは無理だ」ということだったのですが、あのときの議論では、出版物でなくても、出版物をコピーしたような資料を用意することはできないのか、という議論はあったかと思います。そのことについては、それも絶対にできない、ということにはたぶんまだなっていないかと思いますが、その辺の検討余地はあり得るのではないでしょうか、難しいですか。 ○薬事企画官 ここでいう出版物を持ち込むというのは、その場で問題を見て調べながら答えることを意図していて、それはなかなか難しいのかと。検討会でご議論いただいた後我々も思ったものですから、「現実的でない」という答え方をしています。  ただ、出版物を引用し、それを設問の中に入れるということは、場合によってはもともと問題を作る段階でそういう問題にすることは可能だと思っています。その場で調べながらというようなやり方は難しいという意味でここでは、「現実的でない」という言い方をさせていただきました。 ○森委員 1つ気になるのは、資料4の1頁を見ると、第84回平成11年の国家試験から平成12年の国家試験に移るときに、出題形式がだいぶ変わっています。問1のAパターンのものが半分になって、X2が倍になったり、問6のKタイプが減っていたりしています。もしかしたら、平成11年のときに何か出題形式に関して議論をし、方向性か何かが出て変わったのか。今回いろいろ提案されているところは確かにごもっともだと思うのですけれども、このときからガラッと変わっていますので、もしわかれば教えていただきたいのですが。 ○薬事企画官 いまのご指摘は、資料4の1頁の表の平成11年と平成12年以降の傾向が違っていて、平成11年は問1の割合が比較的多いけれども、それ以降減って、一方問5のようなものが増えているという意味ですね。 ○森委員 はい、そういうことが現実にあるのか。 ○薬事企画官 これは、歴史的な経緯を辿ると、平成10年は出題基準の見直しをやっている時期です。平成10年の見直しが、直ちに平成11年の試験、あるいは平成12年の試験にすぐ反映されているとは思いにくいというのがまず1つあります。  一方で、問1と問5を1つの例にすれば、この違いというのは2頁以降それぞれのパターンをご覧いただくと、問1はまさに1つの知識を1つの問題で問うている問題です。問5のような問題であれば、先ほども少し触れましたが、1つの問題で5つ程度の知識を1度に問うてしまおうということで、むしろ1問当たりの問う知識をより充実させて見たほうが、いろいろな知識を確かめられるのではないかということで、そういう方針でこのパターンが変わってきているとは思います。  あくまで出題は、その都度の方針の中でどれだけの知識を1題当たりの中で問うか、というところでこの辺りが少し転機だったのではないかと思います。主だった大きな制度改正ということが、ここに反映されているというわけではないと思います。 ○井上座長 最後の5番の「合格基準」については、まだ議論の段階に入っていないと思います。最後の○の禁忌肢をどうするかというところも、まだ議論を煮詰めているわけではありませんので、この辺は引き続き検討していくということでよろしいでしょうか。時間も過ぎておりますので、本日のところはこのぐらいにしたいと思います。全体を通じてご意見はございますでしょうか、もしよろしければ本日の検討はこれまでとしたいと思います。事務局から連絡をお願いいたします。 ○薬事企画官 ありがとうございました。いろいろ議論を重ねてきていますので、ただいまの合格基準のところに関しても、できるだけ具体案といいましょうか、たたき台のようなものを提示し、今後できるだけ明らかになるように議論をしていきたいと思っております。井上先生とご相談しながら、どういう資料にするか考えさせていただきたいと思います。  次回以降ですが、また日程調整させていただきたいと思います。4月中が難しければ5月に入ってからということになりますが、いずれにしても4月から5月にかけてお願いしたいと思っております。日程調整のご案内をさせていただき、それを見てご連絡させていただきます。 ○井上座長 それでは、これで本日の検討会を終わります。どうもありがとうございました。 〈照会先〉 厚生労働省医薬食品局総務課 TEL:03−5253−1111(内線2715)