08/03/26 第81回労働政策審議会雇用均等分科会議事録 第81回労働政策審議会雇用均等分科会 議事録 日時:2008年3月26日(水) 10:00〜12:00 場所:厚生労働省 省議室 出席者:  公益代表委員   林分科会長、今田委員、奥山委員、田島委員  労働者代表委員   岡本委員、鴨委員、斉藤千秋委員、齊藤惠子委員、山口委員  使用者代表委員   川崎委員、吉川委員、松井委員、山本委員  厚生労働省   大谷雇用均等・児童家庭局長、村木審議官、高倉総務課長、安藤雇用均等政策課長、   高崎短時間・在宅労働課長、定塚職業家庭両立課長、小林総務課調査官、   大地均等業務指導室長、富田短時間・在宅労働調査官、阿部育児・介護休業推進室長    議事: ○林分科会長  ただ今から、第81回労働政策審議会雇用均等分科会を開催いたします。本日は、佐藤 委員、樋口委員、山崎委員が欠席されております。山本委員は後ほどおみえになります。  まず、お手元に資料No.1をお配りしていますが、この中で委員の交替がありましたので ご紹介いたします。労働者代表委員の龍井葉二委員が辞任されまして、新たに日本労働組 合総連合会副事務局長の山口洋子委員が任命されておりますので、ご紹介いたします。山 口委員、ご挨拶を一言お願いいたします。 ○山口委員  山口でございます。よろしくお願いいたします。 ○林分科会長  ありがとうございました。では、議題1に入ります。  「短時間労働者対策基本方針(案)」につきましては、3月25日に、厚生労働省大臣から 労働政策審議会長あてに諮問が行われましたので、これを受けまして、当分科会において 審議を行うことにしたいと思います。まず、事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○高崎短時間・在宅労働課長  おはようございます。短時間・在宅労働課長でございます。お手元の資料No.2を読み上 げます。 ○富田短時間・在宅労働調査官  私が読み上げさせていただきます。資料No.2の1枚目は諮問文ですので、次のページの 「短時間労働者対策基本方針(案)」から始めさせていただきます。  「はじめに」「短時間労働者の雇用管理の改善等に関しては、平成5年に短時間労働者 の雇用管理の改善等に関する法律を制定し、短時間労働者を労使双方にとって重要な就業 形態として位置付け、短時間労働者がその有する能力を有効に発揮することができるよう な条件整備を図る等によりその福祉の増進を図ってきたところである。もとより、短時間 労働者の福祉の増進は、法の施行等によって確保されるだけでなく、他の関係法律に基づ く施策等広範多岐にわたるものにより実現されるものである。これを円滑かつ効果的に実 施していくためには、短時間労働者職業生活の動向を的確に把握した上で短時間労働対策 の総合的かつ計画的な展開の方向を労使をはじめとする国民全体に示し、これに沿って対 策を講ずる必要があるため、法は短時間労働者対策基本方針を定めることとしている。こ の基本方針は、短時間労働者の職業生活の動向についての現状と課題の分析を行い、短時 間労働者の福祉の増進を図るため、短時間労働者の雇用管理の改善等を促進し、並びにそ の職業能力の開発及び向上を図るために講じようとする施策等の基本となるべき事項を示 すものである。本方針の運営期間は、平成20年度から平成24年度までの5年間とする」  「第1 短時間労働者の職業生活の動向」「1 短時間労働者の増加と属性の変化」「短時 間労働者の数は長期的には増加の一途をたどっており、『労働力調査』の非農林短時間雇用 者数(週刊就業時間が35時間未満の者)で見ると、平成19年には1,346万人となり雇用者 総数の24.9%を占めるに至っている。その内訳について見ると、女性が約7割を占める一 方で、近年では特に男性や若年者、世帯主の増加が見られる。短時間労働者が『パート』 としての働き方を選んだ理由としては、『自分の都合のよい時間(日)に働きたいから』が 50.3%、『勤務時間・日数が短いから』が38.1%を占める一方、『正社員として働ける会社 がないから』とする者も23.8%おり」。以下、特に断りのない限り『平成18年パートタイ ム労働者総合実態調査』を指しております。「自分の希望する時間に働ける働き方を求める 労働者のニーズに合致した面がある一方で、正社員への就職・転職機会が減少して非自発 的に短時間労働者となるものが増加しているという現状も存在している」  「2 短時間労働者の基幹労働力化、待遇の問題の顕在化」「短時間労働者の職場におけ る役割を見てみると、基幹的役割を担う短時間労働者の増加が見られる。例えば、事業主 の51.9%が『職務が正社員とほとんど同じパート労働者がいる』と回答しており、平成 13年パートタイム労働者総合実態調査での40.7%から増加している。また、責任ある地 位へパート労働者を登用している事業所が10.7%に達しており、特に、飲食店、宿泊業や 卸売・小売業で登用の割合が高くなっているほか、役職についているパート労働者の割合 も6.9%となっている。他方、そのような短時間労働者の待遇については、その働き・貢 献に見合ったものとは必ずしもなっておらず、平成17年調査では、すべての『職務と人 材活用の仕組みが正社員とほとんど同じパート』の賃金の決定方法が正社員と同じである とした事業所は14.4%にとどまっている。また、実際の賃金水準についてもほぼ同額であ るとする事業所が18.0%である一方で、6割程度以下という事業所も10.7%存在する」  「3 労働力人口減少社会の到来」「我が国は、平成17年から人口減少社会に転じ、将 来も一層の少子化・高齢化の進行によって、本格的な人口減少社会が到来する見通しとな った。人口減少により労働力人口が大幅に減少することとなれば、経済成長の供給側の制 約要因となるとともに、需要面で見ても経済成長にマイナスの影響を与えるおそれがある」  「第2 短時間労働者の雇用管理の改善等を促進し、並びにその職業能力の開発及び向 上その他短時間労働者の福祉の増進を図るために講じようとする施策の基本となるべき事 項」「1 短時間労働者という就業形態をめぐる課題」「第1で見たような動向の中で、短 時間労働者という就業形態をめぐっては、おおむね次の三つの課題を指摘することができ る」「(1)短時間労働者は、所定労働時間が短いことから多様な働き方となるが、その特性 に見合った雇用管理となっておらず、働き・貢献にかかわらず一律の待遇とされたり、他 方、個々の労働者の労働条件が就業規則のみによっては明確にならないなど、待遇が本人 にとって明らかでないといった場合がある」「(2)(1)のように、短時間労働者の働き方特有 の課題だけでなく、労働基準法等の基本的な労働関係法令が遵守されていない場合も依然 として見られる」「(3)正社員への就職・転職機会が減少して非自発的に短時間労働者とな る者も増加しているが、いったん短時間労働者となると、正社員への転職は難しく、その 就業形態も固定化されるおそれがある。なお、(1)から(3)までの課題のほか、税制や社会保 障制度については、労働需要・労働供給の両面にゆがみが発生することは、労働者の就労 機会や就労希望の阻害にもつながるという指摘もあり、働き方や雇用形態の選択に中立的 な制度であることが求められている」  「2 施策の方向性」「第2の1の課題に対する今後の施策の方向性は、次のとおりであ る。まず、法及び事業主が講ずべき短時間労働者の雇用管理の改善等に関する措置等につ いての指針により、短時間労働者について、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保、 納得性の向上を図るとともに、社会全体として、均衡のとれた待遇の更なる確保に向けて 取り組んでいくことが必要である。また、労働者に対して一般的に適用される基本的な労 働者保護法令の履行確保が改めて求められる。これらによって、短時間労働者がその有す る能力を有効に発揮することができるような就業環境の整備を図る。また、短時間労働者 については、通常の労働者への転換の推進やより高度な職務へのキャリアアップに向けた 支援を行っていく必要があるが、現状においては、短時間労働者から通常の労働者への転 換等を図ろうとしても、通常の労働者の働き方がフルタイム中心であるために、時間の制 約があって短時間労働者として就業している場合には実質的に転換を選択出来ない場合も 見られる。そこで、法の施行による通常の労働者への転換の推進とともにその支援を行う だけでなく、短時間正社員制度等、短時間労働者がより転換しやすい多様な働き方の選択 肢が用意される社会の実現に向けた取組を行う。これらにより、短時間労働者の福祉の増 進が図られるだけでなく、現在は就業していない者にとっても魅力的な働き方の選択肢が 提供されるようになるが、これは労働力人口減少に対する一つの対応策としても重要なも のである。国は、この方向性に沿って、短時間労働者の就業の実態を十分に踏まえつつ、 その福祉の一層の増進を図るための施策を総合的に推進するものとする」  「3 具体的施策」「(1)均衡のとれた待遇の確保等」「イ 法及び指針の周知による均衡 のとれた待遇の確保等」「短時間労働者について、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確 保、納得性の向上を図るためには、まず法及び指針の内容を事業主及び短時間労働者双方 が十分に理解することが必要であることから、パンフレット等の配付、説明会の実施等に より事業主及び短時間労働者双方に対して積極的な周知を図る。なお、周知に当たっては、 都道府県労働局において法及び指針の施行を担当する雇用均等室のみならず、労働基準監 督署、公共職業安定所の窓口等や、携帯電話でも利用できるインターネットサイトなど、 多様な手段を活用する。また、雇用均等室に配置する均衡待遇推進コンサルタントを活用 し、法の周知と併せて個々の企業の実情に応じた雇用管理の改善等に関するアドバイスを 行う」  「ロ 的確な行政指導の実施」「法第16条においては、法及び指針が定めている事業主 が講ずべき措置について、厚生労働大臣は、短時間労働者の雇用管理の改善等を図るため 必要があると認めるときは、短時間労働者を雇用する事業主に対して報告を求め、又は助 言、指導若しくは勧告をすることができることとされており、法及び指針の履行確保に向 けて、これに基づく的確な対応を行う」  「ハ 均衡のとれた待遇の更なる確保に向けた取組」「短時間労働者と通常の労働者と の均衡のとれた待遇の確保をさらに進めるための取組として、参考となる先進的な雇用管 理事例、職務分析の手法や職務の比較を行うための指標について国内外の情報を収集する とともに、事業主に対しそれらを提供するほか、給付金の支給等短時間労働援助センター の業務を通じて、通常の労働者との均衡のとれた賃金の決定方法とする事業主等を支援す る」  「(2)労働者に適用される基本的な法令の履行確保」「事業主が短時間労働者に対して適 用がある基本的な法令を遵守することについて周知徹底を図る。その際、特に、短時間労 働者の適正な労働条件の確保に関しては、労働基準関係法令に従って雇入れ時の労働条件 の明示、就業規則の整備、最低賃金額以上の賃金の支払い及び雇入れ時等の安全衛生教育 についての規定を遵守すること並びに期間の定めのある短時間労働者については、有期労 働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準が定めるところにより適正な措置を講ずべき ことについて、重点的に周知徹底を図る。なお、これと併せて、賃金、労働時間等主要な 労働条件を明らかにした『労働条件通知書』についてその普及促進を図る。また、事業主 は、短時間労働者について、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉 に関する法律の定めるところにより、育児休業に関する制度その他必要な措置を講ずる必 要があるとともに、雇用保険及び社会保険の適用については、それぞれ雇用保険法、健康 保険法及び厚生年金保険法の定めるところにより、被保険者となる短時間労働者について 必要な手続きを取らなければならないものであることについて、事業主に対し周知徹底を 図る。  「(3)短時間労働者が希望する就業形態への円滑化」「イ 法第12条に基づく通常の労働 者への転換の推進」「(1)イ・ロにより法第12条に基づく通常の労働者への転換の推進に関 する措置義務の履行確保を図るとともに、特に、通常の労働者への転換制度を創設し、実 際の通常の労働者に登用する事業主に対しては、給付金の支給等により支援を行う」  「ロ 能力開発、職業紹介の充実等」「短時間労働者及び短時間労働者になろうとする 者がその職業能力の開発及び向上を図ることを促進するため、これらの者の多様な訓練ニ ーズに応じ、公共職業能力開発施設における職業訓練とともに、民間教育訓練機関等を活 用した多様な職業訓練の実施を図る。また、短時間労働者になろうとする者については、 決め細やかな配慮をすることが必要とされる者が多いことから、公共職業安定所において は、短時間労働を希望するもののニーズを踏まえた雇用情報の提供やきめ細やかな職業相 談・職業紹介を行う等官民相まった適正な需給調整機能の充実を図る」  「ハ 多様な働き方の選択資料の実現」「就業できる時間に制約のある短時間労働者で あっても転換等が図りやすい働き方としては、所定労働時間が短いながら正社員としての 待遇を得ることができる短時間正社員制度の導入が期待されるところであり、その一層の 普及・定着に努める」  「(4)行政体制の整備等」「イ 行政体制の整備」「法及び指針の施行を中心とする一連の 施策の実施については、都道府県労働局雇用均等室を中心に、都道府県労働局内での緊密 な連携を図る。また、平成20年度から都道府県労働局雇用均等室に企業の雇用管理の専 門家を均衡待遇推進コンサルタントとして配置しており、その活用を図るとともに引き続 き行政体制の整備に努める」  「ロ 関係機関との連携」「短時間労働者対策については、国が実施するだけでなく、 都道府県等の関係行政機関及び独立行政法人雇用・能力開発機構等の関係機関の協力も必 要であることから、その実施に当たっては関係機関との連携を図る。法に基づき指定を受 けている短時間労働援助センターにおいては、短時間労働者を雇用する事業主又は事業主 の団体に対する給付金の支給業務等を実施するものであり、その実施に当たっては国の行 政施策との斉一性を保ちつつ、その適正かつ円滑な推進を図る」  以上です。 ○林分科会長  ただ今、読み上げていただきました「短時間労働者対策基本方針(案)」について、ご意 見・ご質問がありましたらお願いいたします。松井委員、どうぞ。 ○松井委員  5ページの「(4)行政体制の整備等」のところについて、一つ質問をさせていただきます。 他のところにもあったと思うのですけれども、ここのイに「均衡待遇推進コンサルタント を配置」すると書いてあります。これは来年度の施策ときちんと明記されていますけれど も、このような人は具体的にどのようなバックグランドをもっておられるのか、既にこの ような人が存在しているのか。あるいは存在している人に平成20年度は委嘱をしようと しているのか。そういうことをまず教えていただきたいと思います。それは、その前段で、 4月から施行されますパートタイム労働法を少し超えるようなことも書かれているような 気もしますので、この人たちに本当にきちんと新しい法律を理解してもらえるようになっ ているのか、既にどのような体制を整えているのか、まずそこをお聞かせいただければと 思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  お答えします。均衡待遇推進コンサルタントにつきましては、具体的には平成20年度 の新規の予算として、現在予算案を審議中ですけれども、成立した際に平成20年度から 委嘱するというものです。今、既にそのような人がいるということではありません。ただ、 どのような方に委嘱するかということにつきましては、松井委員からのご指摘にありまし たように、企業に対してパートの雇用管理について、法の遵守をさらに上回るような部分 についてのアドバイスをしていただくということですので、具体的にはそのようなノウハ ウや知見をお持ちの、例えば企業の実務経験者や中小企業の経営コンサルタント、あるい は社会保険労務士の方、そのような方たちの中でそういう能力のある方に委嘱していくと いうことを考えています。ただ、もちろんそういう人が今すぐたくさんいらっしゃるわけ ではないというご指摘の通りの部分もありまして、私どもとしてもコンサルタントを委嘱 した際には、例えばそういう方にはできるだけ資料の提供や、研修のようなものを都道府 県労働局の方でやっていこうと思っていますけれども、そこは民間のノウハウや知見を生 かしたいということですので、我々の希望としてはそういうことができる方にぜひ委嘱で きればと考えています。 ○松井委員  関連したことですが、全国でどれくらい委嘱しようとしているのか。そういう方々は例 えばどのくらい週あるいは月に働くのかなど、どのようなイメージを持っておられるのか。 もちろん予算が通ればという前提で結構ですので、その点も含めて教えていただければと 思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  一応、私どもが考えていますのは、とりあえず各都道府県の労働局の雇用均等室に1名 コンサルタントを配置したいと思っておりまして、その活動日数につきましては、当然委 嘱される方の事情等もありますし、フィックスしたものでもありませんので、事情が許せ ば、例えば月に20日働いていただいたり、そこまでいかなくても例えば月に12日という ように、月に1〜2日ということではなく、基本的には雇用均等室に席を置いて事業主を 訪問していただいて、申し上げたようなコンサルタント業務についていただくということ を考えています。 ○松井委員  ありがとうございました。 ○林分科会長  その他にご質問・ご意見等はありますか。 ○齊藤惠子委員  3点ほど質問させていただきます。まず1点目は、2ページの第2の2行目に「短時間 労働者の福祉の増進を図るために講じようとする施策の基本」と書いてありますが、この 「福祉の増進」の「福祉」というのは、どういったものを考えているのか。例えば、短時 間労働者を正社員と同じような均衡待遇にするということを福祉の増進と考えていらっし ゃるのかと思ったので、その部分についてどういったことなのか。  それから、その下の(1)の中で「短時間労働者は、所定労働時間が短いことから多様な働 き方となるが」と記載されていますが、短時間労働者だけが多様な働き方ではなくて、短時 間労働者が一律の待遇とされていることが問題なのであって、この記載の仕方では意味合 いがおかしくなるのではないかという感じがしました。  それから、5ページの(3)のロの7行目に「公共職業安定所においては」とありますが、 その文の最後に「行う等官民相まった」と記載されています。これは文章の流れから見る と公共職業紹介所の民営化を指すものかととらえてしまうので、どのように考えてこのよ うな文章にしているのか、質問させていただきたいと思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  お答えいたします。2ページの第2の「福祉の増進」という言葉は、非常に広い概念で ありまして、以下に書いてありますのはすべて福祉の増進の中の項目として挙げてあるも のですので、それは例えば最低労働条件を守るというところから始まりまして、均衡待遇 あるいは働き方が同質である均等待遇まで含めて、一番広く短時間労働者の方の待遇の改 善を一番大きな言葉としてとらえているのが、この「福祉の増進」ということで、労働関 係法令では「福祉の増進」という言葉は大体そのような位置付けで使っています。そうい う意味で、この基本方針も実は法律上はそういう福祉の増進を図るための方針と位置付け られていますので、そのようにご理解いただければと思います。  (1)の表現の部分につきましては、ここにあります具体的な表現は一昨年度末に取りまと めていただきました労働政策審議会の建議の部分の記載を引いている部分です。「所定労働 時間が短いことから多様な働き方になる」というのは、短いということはそれだけ働く時 間の多様性が広がるわけです。8時間の人よりも4時間の人の方が朝勤務、昼勤務、夜勤 務というように。本質的に所定労働時間が短いということは、それ自体が多様な働き方に なるという文脈で、審議会での議論等もあり、建議も踏まえまして、そういう表現になっ ています。齊藤惠子委員からご指摘のありました待遇の方の問題だという点については、 その2行後の「働き・貢献にかかわらず一律の待遇とされたり」という問題意識の方で残 させていただいていますので、その点についてはそのようにご理解いただきたいと。この 課題の分析については過去の審議会における議論の集大成的なものとして、ここに再度、 建議を踏まえて位置付けさせていただいているところです。  最後のご質問については、職業安定局から答えさせますのでよろしくお願いします。 ○職業安定局総務課  職業安定局の総務課です。ここのところは端的に言いますと、特に民営化ということで はなくて、民間も使っての需給調整ということです。例えば一例ですが、今、仕事情報ネ ットという仕組みをやっていますけれども、ハローワークの求人と民営職業紹介事業者の 求人情報とが一つで、ホームページですぐに見られるというような仕組みもやっています し、民間の相談員を活用するなど、いろいろとやっていますので、そのような意味での「官 民相まった」です。特に民営化という意味ではないです。 ○林分科会長  よろしいですか。その他にご意見、質問等はありますでしょうか。山本委員、どうぞ。 ○山本委員  遅参いたしまして、申し訳ありませんでした。山本です。  5ページの3のハです。「多様な働き方の選択肢の実現」というところで、実際に会社を 経営している側によっていろいろと感じ取る部分ですが、「正社員としての待遇を得ること ができる短時間正社員制度の導入」というように、ワードが一つに決められたような形に なっています。通常、就業規則のようなものがありますと、会社の場合にはその就業規則 に基づいて正社員が雇用されています。時間が短時間であるということが正社員と同等の 待遇を得ることができる方向へ向けての努力が期待されると読めるとしますと、若干無理 があるのかなという意見ですけれども、そう感じました。従って、そこのところは全く同 等ではなくても「正社員としての待遇」という意味が、非常に幅広い意味合いを持ってい るものだと思われます。ここのところは何か通常の正社員と全く同等のように読めるので、 一般の企業側から見ていきますと若干無理があるのではないかと感じますので、一応意見 として申し上げます。以上です。 ○林分科会長  松井委員、どうぞ。 ○松井委員  山本委員が指摘されたところで、まず意見と質問をさせていただきたいと思います。今 の5ページのハのところでは、短時間労働者であっても転換等が図りやすいというのは、 まず4月から施行されるパートタイム労働法で通常の労働者への転換というときには、短 時間の正社員が転換措置の対象となり得るのかどうかということを1点お聞きしたいとい うこと、これが質問です。  それともう一つは、山本委員が指摘されたことに少し付け加えて申し上げますと、パー トタイム労働法については、働き方や貢献度、責任などに応じて処遇の均衡を図ることと 書いてありますので、少なくとも、例えば2行目の「所定労働時間が短いながら」という ところについては、成果や役割、貢献に応じた対応を得るということをきちんと明記して おかないと、もしかしたら短くても同じだという誤解をしかねないという気がしますので、 一層の普及・定着を図るというのであれば、その定義もきちんとわかりやすく書いておく 必要があるのではないかと思います。最初の質問について、お答え願えればありがたいで す。 ○高崎短時間・在宅労働課長  法律に基づきます転換先として、いわゆる短時間正社員が対象になり得るかというご質 問に対しては、その通りです。  あと、山本委員、松井委員からいただきました意見に関しては、私どもはもちろん所定 労働時間が短くても正社員と全く同じ待遇を得ることができるということで、ここに書い ているわけではありません。結局、所定労働時間が短い正社員をどのような待遇に位置付 けるかというのは、企業に非常にバリエーションがあるといいますか、中にはいわゆるフ ルタイムのフルスペックの正社員と同じようにする、あるいは時間比例にする、あるいは 松井委員が言われていたように、そことは成果なり貢献なりが違うのであれば全く同じに はしない。そのようないろいろなバリエーションがある。それをすべて含めて短時間正社 員ということで、短時間正社員制度は法律上どこかに明確に待遇を含めて位置付けられる ものではなくて、どのような形で短時間正社員制度を導入するかという、企業ごとにいろ いろなバリエーションがあるというのは、そのような前提で、そのような考え方の下に書 いているということです。では短時間正社員制度の本質は何かというと、やはり短時間制 と正社員である以上は、正社員としての待遇が得られるということです。そこは端的に書 いているので、もしそのような誤解が生じやすいということであれば、そこはそのような 誤解等が生じることのないように、短時間正社員制度について、今までもそのようにやっ てきていますけれども、今後ともそこについては努力していきたいと考えています。 ○林分科会長  この点に関してご意見はありますか。どうぞ、奥山委員。 ○奥山委員  今の点をお聞きしていて、「所定労働時間が短いながら正社員としての待遇を得ることが できる」という、この表現なのだろうと思います。短時間正社員制度の普及については、 恐らく今松井委員も山本委員も基本的にそれは絶対に駄目だということでなくて、この書 きぶりだと、短時間ながらすべての点において正社員と同じような評価を受けてしまう。 そのように読まれると困るという趣旨のご発言だと思います。ですから、短時間制度を持 っている本当の、私自身は企業の規模や業種によって、このような短時間勤務制度をなか なか現実的には取り込みにくいところもあるだろうと感じますけれども、全体的としてこ のようなものが短時間労働者にとって働きやすい雇用形態の一つになれば、それは非常に 良いことだと思います。その誤解を避けるために、ここの表現は何か良い言葉があれば、 そのような言葉に変えることも一つの方法かと思います。「所定労働時間が短いながら正社 員としての待遇を得ることができる」というのは、全体として見ると、趣旨は今、高崎短 時間・在宅労働課長がおっしゃったように十分に理解ができますが、多分、山本委員がお っしゃったように、この文章が外に出てここだけが読まれたときにそのような誤解もあり 得るかなということは私も少し感じます。もし何か良いお知恵があれば、そこは工夫され たらいかがですか。 ○林分科会長  奥山委員の方で何か、良い案文という趣旨で何かご提案はありますか。  では、松井委員。 ○松井委員  例えば、今のところに所定労働時間が短いながら正社員としての成果や役割、貢献に応 じた待遇を得ることができるなど、もう少しこの趣旨を入れたらどうかと思います。やは り「役割」や「貢献」など、企業側としてはそのようなものを書いておいてほしいと。そ れはパートタイム労働法でも同趣旨のことが書いてありますし、例えば、ここの2ページ の下から10行目で「働き・貢献にかかわらず一律の待遇」というのは、働きや貢献があ っても一律だということから、こちらはきちんと働きや貢献に応じてきちんと処遇してい くということを、きちんと書いたらどうかという提案です。事務局により文章をもう少し ふさわしいものに直してもらえればと思います。いかがでしょうか。 ○高崎短時間・在宅労働課長  「成果」や「働き・貢献」というワードは審議会の議論においても、その辺のところに ついてはなかなか抽象的ですので、労働側からもご指摘があるのかもしれませんけれども、 そこは議論し出すといろいろとあるということで、そういう意味で原案は「全く」とはど こにも書いていないのです。正社員だから「正社員としての待遇が得ることができる」と 書いてあるところです。もちろん良いアイデアがあればそれでもいいと思いますけれども、 「成果」や「働き・貢献」ということで、正社員の中身として修文していくということは、 そこはそこで。繰り返しになりますけれども、働き・貢献による成果なら、そのようなも のをもちろん見てやる短時間正社員制度で当然構わないわけですけれども、逆にそれだけ ではない要素がありまして、その辺のところは、いわば最小限の本質的な部分だけで記述 してあり、その中身は当然先ほど言った通り、企業の規模なり業種なり、短時間正社員の 位置付けなり、あるいはフルタイムの正社員との働き方の違いなどによって、対応はそれ ぞれの企業の中で位置付けられるものだと思っていますので、行政としては短時間正社員 制度の普及・定着に一層努めていきたいと考えています。 ○林分科会長  松井委員の言われました「成果」や「貢献」というものは、労働者の労働の評価にかか わるものだろうと思いますので、ここの「所定労働時間が短いながら正社員として」の後 を、「適正な評価と公正な待遇を図られた働き方である短時間正社員制度の導入」と修文を するのはいかがでしょうか。というのは、昨年11月に男女雇用機会均等対策基本方針が 定められたときに、同じ文案を使って「『短時間正社員』の普及が期待されているところで ある」と入っていますので、それと同様に「適正な評価と公正な待遇を図られた働き方で ある短時間正社員制度」というような形で入れるというのではいかがでしょうか。  もう1回読み上げますか。よろしいですか。 ○労働者側委員  もう1回読み上げてください。 ○林分科会長  わかりました。ハの本文の3行目に「適正な評価と公正な待遇を図られた働き方である」 というものを入れて、その後に「短時間正社員制度の導入が期待される」という形にして、 松井委員のおっしゃった趣旨を、その中の適正な評価というところで読み込むという趣旨 です。 ○斉藤千秋委員  整理できていないかもしれないのですけれども、今の文章が入ってくると、短時間正社 員制度という、まだ法律でも定められておらず、企業の中の労使でこのようなものを作っ ていこうということを普及・促進・定着に努める段階にある時点で、短時間正社員制度が 正社員として適正な評価と公正な待遇を得るというような、この短時間正社員はそのよう なものですというものを、この基本方針の中に定めることによって、労使の短時間正社員 制度を作り上げていこうというところに、非常に階段が高くなるのではないかという感じ がしたのです。今の原案が短時間正社員制度の導入を推進していこうという、これからの 方針という中にあっては、非常に幅広く取れる原文だと受け止めていましたので、ここに 余計な修飾語が入ってくるというのが、短時間正社員制度の導入という働き方を広めてい こうという、これからの取り組みに対する一つの壁というか、障害になってくるのではな いかという気がしますので、私としては原文のままでいってほしいと思います。懸念され るところはわかるのですが、4月にパートタイム労働法の改正がされ、これから法律改正 で行政としてもきちんとした指導をしていこうという中にあって、ここの方針の中でいろ いろと修飾語が付いていくというのはあまり望ましくないという気がしますので、できれ ばこのままの原文でいってほしいという要望です。 ○林分科会長  山本委員、どうぞ。 ○山本委員  私は専門家ではないので、あまり適切なことを申し上げられないかもしれませんが、今 のところで、この「正社員としての待遇を得る」と断定的に書かれるところに、この文章 が独り歩きしたときに、どのように人が取るかという問題があるのかを懸念すると、素人 の考えですが、正社員としての「相応の」待遇というようなことで、そのようなワードを 一つ挟むことによって、勤務時間の短いということにふさわしい正社員としての待遇とい うようなことも含めて検討できる余地を入れてみたらどうかという意見です。 ○林分科会長  他にご意見はありますか。松井委員。 ○松井委員  少し元に戻って申し上げますと、やはり高崎短時間・在宅労働課長は、成果やそのよう なものは違うとおっしゃるのですけれども、それを言うのならば、まず2ページの下から 10行目のところに「働き・貢献にかかわらず一律の待遇とされたり」は、なぜそのように 書いてあるのかということについて、私としては、ここで書いてあるけれどもこちらでは 書けないという理屈をきちんと説明してくれないと、ここに書けないという理由がまず理 解できない。そこをまず回答してください。 ○高崎短時間・在宅労働課長  まさに今このように議論になっています通り、いわゆる正社員としての待遇ということ をどのように書くのかということについては、いろいろな法律を出す前からの審議会での 議論等もあって、いわば修飾語的なものは、それは駄目だということで書かないのではな くて、そのような部分ではないかということを申し上げたわけです。2ページと5ページ との本質的な差によって書ける、書けないということを申し上げているのではなくて、ま さに今このようになっていますようなことが審議会の場面においてもあったわけで、そう いった意味で先ほど申し上げたということであります。質問への回答は以上です。 ○林分科会長  松井委員。 ○松井委員  回答になっていないのではないかということを意見として申し上げます。  それならば、要するに前の2ページに書いてあることは働きや貢献などに対して、何も 見ないということを問題視しているところと理解しています。そこでいわゆる短時間正社 員ということで先ほど私が最初に質問したことは、転換措置の対象となるということは、 いわゆるパートタイム労働者については、その成果あるいは貢献に見合った評価もしない し、それに基づいた待遇もないというところの裏腹のことを、まず指摘されていることが あって、今回のパートタイム労働法が一歩進めるような形になったと私どもとしては理解 しているわけです。短時間正社員についても恐らく、ただこのような書き方にするのでは なくて、2ページに書いてあるのなら、先ほどと違うことを言うかもしれませんが、所定 労働時間が短いながら正社員としてではなくていいと思いますが、短いながら働き方や貢 献に応じて、先ほど山本委員がおっしゃったような、「相応の」待遇を得ることができる短 時間正社員と言えば意味合いは通じるし、そのような働き方、貢献に応じたものをきちん とやってくださいというのは決して悪い方向ではなくて、目指すべき方向だと思います。 そのぐらいの書きぶりは今後、労使が決めていくということであっても、方向性として間 違っていることではないと思います。 ○林分科会長  他の方は、ご意見はありますか。 ○川崎委員  私も先ほどから出ています山本委員、松井委員の意見に賛成ということで、少し述べた いと思います。今の書き方だと、かなり正社員としての待遇といったところが前面に出て いまして、その待遇そのものが働き方ないし、その働き方から来る貢献といったものに応 じた処遇をしていかなければいけないということが今回の趣旨だとしますと、やはりその 働き方に応じた相応の制度の導入が求められるといったようなことを組み入れた内容に、 この文章の変更をお願いしたいと考えています。 ○奥山委員  少し間違っているかもしれませんが、今、松井委員からご指摘いただいた最初の2ペー ジ目の「働き・貢献にかかわらず一律の待遇」というのは一つの問題提起で、実際にパー トタイムのような短時間労働者が現実には通常の労働者、正社員と同じような仕事・責任 等を持って働いているときにもかかわらず、パートタイマーだというだけで一律の、ここ は少し言葉がきつい言い方をしますが、一律の低い処遇を受ける。この問題性が指摘され ているので、こちらが今議論している「正社員としての待遇」というのは、それとは少し 筋の違ったものでありまして、これからの短時間労働者に所定労働時間が短くても正社員 としての働き方を広げていくような機会を提供しよう、制度を提供しようということです ので、内容的には違うことを言っていて、それは全然間違っているとは私は思わないので す。ただ、後半の「正社員としての待遇」というときに、基本的には時間が短くなっても、 従来の通常の労働者、正社員であっても、例えば時間が一時的に少し違ったり、成果が違 ったり、貢献が違ったら、同じ正社員の中でも処遇は違ってくるわけですから。ただ、そ れは実際にその処遇を評価しようとするときの具体的な判断基準ですので、このような大 きな基本方針を定めるところに成果や貢献などによって公正な処遇が出てくるという、こ のような「成果」や「貢献」を入れるのはあまり適切ではないと思います。ただし、他方 で使用者側委員のおっしゃることも私は個人的によくわかりますので、「正社員としての待 遇を得る」ということになりますと、所定労働時間が長さにもかかわらず一律に全部同じ にしろと読まれても、これは適切ではないとおっしゃっていると思うのです。ですから、 時間や成果、貢献というものが、このような基本方針のところでは広く書きにくいという ことはわかりますので、いわば公正な処遇が得られるような表現ぶりになるのが多分一番 望んでいらっしゃることだし、それをきちんと伝えられれば一番良いと思います。そこの 表現は今すぐに出てきませんけれども、恐らくそのようなところで行くのが一番良いので はないかと思います。 ○林分科会長  高崎短時間・在宅労働課長。 ○高崎短時間・在宅労働課長  今の奥山委員のご指摘を踏まえまして、労働側にもう一度ご考慮をいただきたいのです けれども、先ほど林分科会長から提案がありました「適正な評価と公正な待遇」というワ ーディングは、男女雇用機会均等法に基づきます基本方針の短時間正社員制度の内容とし て記載されている、いわばこの審議会では労使合意に基づいた表現で、適正な評価という のはまさに使用者側が言われている、きちんと評価をするのですよねという話であり、労 働側の方は、そうは言っても正社員としての公正な待遇が得られるのですよねという、い わば労使の両方のご主張をつなげた表現が「適正な評価と公正な待遇」というワーディン グです。これは、この審議会の過去の議論においてクリアされた言葉ですので、それであ れば、今の奥山委員のご主張を踏まえて、あるいは労働側、使用者側のご主張を踏まえ、 あるいは労働側を踏まえてということで、その言葉を労働側に再度検討していただければ と思います。 ○奥山委員  確認ですけれども、男女雇用機会均等法の基本方針にも短時間勤務制度がありましたよ ね。そのときの書きぶり、表現が今のような表現になっているわけですか。 ○高崎短時間・在宅労働課長  そうです。 ○林分科会長  今田委員。 ○今田委員  短時間制度についての処遇をどうするかというルールでずっと議論されて、このパート タイムの均衡ということが法律として成立したわけです。それがまさに「適正な評価と公 正な処遇」ということで、それを具体的にどう実現するかということのルールを作ったの が今回のパートタイム労働法のような均衡の処遇などです。いわゆる原理・原則を具体的 なルールとしてどうするかということが明記されたということなので、経営側がおっしゃ るような適正な評価と公正な処遇というのは、とっくに当たり前の原理・原則です。それ をまだここで言うということは、短時間正社員とあえて入れることはほとんど意味がない ということになると思います。要するに、ここの適正な評価や公正な処遇というのを、ど う実現するのかという具体的なルール作りが、このパートタイムをいろいろと区分して分 けて、個別にこのように処遇しましょうと言って、それが公正な処遇でもあり適正な評価 をしたというルール作りなのです。それによってパートタイムのいろいろと多様な働き方 に応じた処遇のルール作りができた。それは既に法律で書かれてしまっていることです。 あえてここで短時間正社員制度というのは、それをもう一度言い換えて、ここで確認する という作業ではないのです。事務局としては短時間正社員制度をあえてそうではない一つ の働き方、ある種の働き方として、ルール化、明記したいという意図がここにあって書か れていることなので、頭にそれを付けてしまったのでは、ほとんど短時間正社員の導入を 図ることの意味がないということにならないですか。  言っている意味がよくわかりませんか。もっとはっきりと言えば、短時間正社員は育児 休業のときに、普通に正社員が育児休業を取って、育児休業としての短時間を働くときに、 時間処遇やそのような形で適正な処理が行われるような一つのモデルとして、短時間正社 員の育児休業の具体的な一つのモデルとして現実にあるわけですけれども、実際にそれを これからどのように導入しようかということは、高崎短時間・在宅労働課長がおっしゃっ たように、それぞれの雇用管理の実態に応じて工夫をしましょうというのが今の現実なの です。その現実をそのままここで書いているだけだと思うのです。それなのに、あえて頭 のところで公正な処遇などを入れるというのは、パートタイムの中でも何度も言われてい ることで、そういうパートタイムの一般的な処遇をここでやりましょうということに過ぎ なければ、ほとんど何の意味もないということになると、そのように理解できませんか。 ○吉川委員  一般的には、やはり実際に法律でどのように利用していくかということが問題だと思う のですが、一般の人は前がこうだったからこの部分もこうだということはわかっていない のが現実だと思います。ですから、そういう意味では、今まで出ている正社員としての待 遇を得るということが独り歩きをしてしまうことの方が逆に本当に問題であって、委員の 方々は当然わかっていらっしゃいますから、それは当然書くべきもので当たり前だとおっ しゃいますけれども、実際に当たり前だということは、最近はほとんど当たり前として受 け取られないのが現実の状況だと思います。そういう意味では、正社員としての待遇とい うのはどういう方向なのか、ある種の目的というか、そういうものをある程度の大枠で明 記しておけば、その方向に向かって、これからどのような形で短時間の正社員を各企業で 取り入れることができるかということが方針になると思いますので、私はこの「適正な評 価」「公正な待遇」というものを入れることに対して賛成です。 ○林分科会長  使用者側の方の懸念もありますのと、そういうことを短時間正社員の前に入れることに 対する疑問等も提示されていますので、ここで5分間ぐらい休憩を取って、もう一度双方 でご検討いただきたいと思います。  その前に、岡本委員から。 ○岡本委員  それで結構ですので、もう一度きちんとした正文を教えていただければと思います。一 つは確認なのですが、「正社員として」というところは、そのまま残るということでいいの でしょうか。私たちとしては、やはり正社員と比べるところはどこなのかということがな ければなかなか納得ができないので、ここが残るという確認ができればまた議論させてい ただきます。もう一度きちんとした正文を教えていただきたいと思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  「正社員として」という言葉が入らないと「適正な評価」と「公正な待遇」は当たり前 だという話になりますので読み上げます。「所定労働時間が短いながら正社員として適正な 評価と公正な待遇が図られた働き方である短時間正社員制度」で、待遇については一切触 れていません。 ○林分科会長  では、5分間休憩します。 (休憩) ○林分科会長  では、再開します。先ほど高崎短時間・在宅労働課長からご提案があった修文としても う一度読み上げますと、2行目の「正社員として」の次に「適正な評価と公正な待遇が図 られた働き方である短時間正社員制度の導入が期待されるところである」と。この修文に 対して、各側の最終的なご意見をお願いしたいと思います。 ○山口委員  労働側は今の修文を受理します。 ○林分科会長  使用者側はいかがでしょうか。 ○松井委員  今のご提案の通りで結構です。 ○林分科会長  ありがとうございました。他にご発言はありませんか。では、鴨委員。 ○鴨委員  今の件ではありません。 ○林分科会長  わかりました。この基本方針(案)についてのご意見ですか。では鴨委員、どうぞ。 ○鴨委員  一つは表現のところです。1ページの第1の「1 短時間労働者の増加と属性の変化」の 下の3行です。「自分の希望する時間に働ける」から「存在している」までの文言で「自 分の希望する時間に働ける働き方を求める労働者のニーズに合致した面がある」と表現さ れています。これはある意味で、パート労働者の方がそういった働き方を自発的に求めて いる人たちがいるという意味をここに込めているのかなと思います。「正社員への就職・転 職機会が」というところは、これは特に今、若者等がパート化しているという現実の中で、 このようなことが入ってきているのだろうと認識しています。私自身はもう一つ、やはり パートの方たちが家庭責任を負っているが故に、ずっとパートで働かざるを得ないという ことが今もあるわけですから、そこで押さえる文章にした方がよいのではないかと思いま す。  もう一つは3ページの「施策の方向性」の「今後の施策の方向性」に「通常の労働者と の均衡」ということで、すべて「均衡」という言葉がそれ以降も入っています。これにつ いては、今回の4月からの改正のパートタイム労働法の中では条件が付いているとはいえ、 一応差別禁止ということが入ったわけですので、この表現を「均等・均衡」にしていただ きたいと思います。 ○高崎短時間・在宅労働課長  1の現状分析のところについては、鴨委員がご指摘のような事情もあると思いますが、 ここは一昨年以来の審議会における議論において、特に就業ニーズの部分については「平 成18年パートタイム労働者総合実態調査」に基づくデータを審議会として共有して、そ のデータに基づいて記載をしています。理由として多いのは「自分の都合のよい時間に働 きたいから」という方が50.3%、「勤務時間・日数が短いから」というのが38%、次いで 「正社員として働ける会社がないから」というのが23%と、上位の回答にこのような状況 がありますので、その辺を踏まえているということです。決して鴨委員が言われたような ことがないということではなくて、すべてを書き込むというわけにはいかないので、そこ は審議会なり建議なりで集約してきた動向についての分析ということで、ここはご理解を いただきたいと思います。  3ページ以降の「均衡」という言葉については、同じようにこの審議会においてもさま ざまな議論があったわけですが、私どもがそこで繰り返し申し上げました通り、「均衡」と いう言葉は最終的に同じ場合には同じという「均等」の概念を含んでいるということを繰 り返し申し上げてきましたし、それは経営側の方にもご理解をいただいています。「・」を 入れますと「均衡」に「均等」が入らないワードに置き換わるというになりますので、そ れはこの基本方針なりこれまでの議論を踏まえた中では難しいと考えています。「均衡」と いうことでご理解いただければ、もちろん鴨委員が言われた通り、同じ場合には同じとい う意味で「均等」という言葉を使うのですが、それは「均衡」の概念の中に入っていると いうことで共有している理解だと思いますので、ぜひともご理解をよろしくお願いします。 ○鴨委員  初めのところについては、どちらかというと「希望する時間で働ける」という前向きな 表現になっているということです。パート労働を前向きにとらえている人たちもいるかも しれませんが、現実的にはなかなか前向きにとらえられない人たちもいるわけです。その 辺をこの表現の中にどう含むのかということで言いました。  それから二つ目の「均等・均衡」という表現をというのは、やはり今までのパートタイ ム労働法の概念の中にも「均衡」は言葉として入っていたと思いますが、今回のパートタ イム労働法の中にはさらに差別禁止という概念が入ったわけですから、そこのところをぜ ひ、これからこの施策をもっとパート労働者が働ける方向性について出すということであ るならば、そこは「均等・均衡」という言葉を入れていただいた方が、働く側にとっては よりわかりやすい表現であると思っています。 ○林分科会長  この「均等・均衡」という問題に入りますと、また大議論になってしまうのではないか と思います。一応高崎短時間・在宅労働課長から、この「均衡」は従来の法制度の考え方 からすると「均等」も含めるということになっていますので、その点はそういう前提での 「均衡」だという趣旨でご理解いただけないでしょうか。 ○鴨委員  そうしますと、この表現は「均衡」という言葉になっていますけれども、その概念とし ては私が今、言っていますように「均等・均衡」がそこにすべて含まれて「均衡」である というふうにとらえるということでよろしいということですね。 ○林分科会長  はい。よろしいですか。奥山委員、どうぞ。 ○奥山委員  時間をとって恐縮なのですが、私は本当にもっと簡単な表現のところで、個人的なだけ かもしれませんが、2点ほど少しご説明いただければと思います。  一つは最初の「はじめに」の3行目に「短期労働者を労使双方にとって重要な就業形態 として位置付け」と書いてありますが、「重要な就業形態」につなげるのだったら「短時間 労働者」というのはおかしいのではないでしょうか。これは「者」を取って「短時間労働 を労使双方にとって重要な就業形態として位置付け、短時間労働者がその有する能力を」 と、「者」は要らないように感じます。それが1点。  ここは多分個人の感覚の違いだろうと思います。例えば2ページ目の下から2行目で「正 社員への転職」という言葉を使ってありますが、私の感覚だと「転職」という言葉は違う かなと。「はじめに」にも「正社員への就職・転職機会が減少」と書いてありますので、そ れとの関連も少しあります。それから、もう一つ同じような感じの表現で「通常の労働者 への転換」というのは法律の中でこういう言葉を使いますからいいと思うのですが、これ は何か「正社員への転職」と「通常の労働者への転換」は意識的に使い分けをされている のでしょうか。 ○高崎短時間・在宅労働課長  就業形態の位置付けについては、もしかしたら「者」を除く方が良いのかもしれません が、そこは今日これを認めていただいた後、最終的に精査して対応したいと思いますし、 後段の方についても同じように対応させていただきたいと思います。 ○林分科会長  それでは、他にこの基本方針(案)について、ご意見はありませんでしょうか。他にご発 言がないようであれば、今の文言等について事務局にお任せするということで、当分科会 としては短時間労働者対策基本方針(案)を概ね妥当と認めることとして、その旨の報告を 私から労働政策審議会長あてに報告したいと思います。これについて、事務局から案文が 用意されていますので配布願います。  報告文は、この案文通りでよろしいということでご了解をいただけますか。では、この 案文で、私から労働政策審議会長に報告いたします。  次は議題2に入ります。議題2は、平成20年度予算に盛り込まれた事項にかかわる案 件である「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について」です。これにつ いては3月25日、厚生労働大臣から労働政策審議会長宛てに諮問が行われました。これ を受けて、当分科会において審議を行うことにしたいと思います。まず事務局から説明を お願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  職業家庭両立課長です。資料No.3と資料No.4でご説明申し上げます。資料No.3は諮問と省 令案の要綱の中身です。資料No.4の方をまずご覧いただきたいと思います。  今回、育児・介護雇用安定等助成金の中に「子育て期の短時間勤務支援コース」を新た に創設するというものです。労働者に対して、こうした両立支援を行う企業に対しての助 成金としては、従来からこの育児・介護雇用安定等助成金の中に幾つかのコースを設けて おりますが、今般、従来から置かれていました「子育て期の柔軟な働き方支援コース」を 短時間勤務制度の促進に特化して、特に「『小学校低学年の子を養育する労働者を対象にし た支援』及び『中小企業の重点的な支援』」ということで、「子育て期の短時間勤務支援コ ース」という形での再構築をさせていただくという内容です。  新しいコースの支給要件としては、まずアで「小学校就学後、小学校3年生までの子を 養育する労働者が利用できる短時間勤務制度を新たに導入し、利用者が生じた場合」。こち らは大企業および中小企業の双方を対象とするものです。イは「中小企業が、3歳以上、 小学校就学前までの子を養育する労働者が利用できる短時間勤務制度を新たに導入し、利 用者が生じた場合」、ウは「中小企業が、小学校3年生までの子を養育する労働者が利用 できる短時間勤務制度の利用促進に向けたノウハウ習得を図るためにコンサルティングを 受け、利用者が生じた場合」です。  支給額は、アについて「最初の対象労働者が生じた場合」には、中小企業については50 万円。ただし次世代育成支援法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出がない場合には 40万円。大企業については40万円、同じく括弧内は30万円です。また「2人目以降の対 象労働者が生じた場合」には「5年間、1事業主あたり延べ10人まで」という上限が付い ていますが、中小企業については15万円、大企業については10万円です。次のページの イについて「最初の対象労働者が生じた場合」には50万円、括弧内は40万円です。2人 目以降の場合には15万円です。ウについては「最初の対象労働者が生じた場合」には30 万円ということです。  以上が内容です。その次のページに、平成19年度までの「子育て期の柔軟な働き方支 援コース」と、右側に平成20年度以降の新しい「子育て期の短時間勤務支援コース」と の比較表を掲げています。右は今ご説明した通りですけれども、上の表を見ていただきま すと、中小企業については、3歳以上小学校3年生までの導入・定着促進の助成金と3歳 未満を含むノウハウ習得促進の助成金。中小企業以外については、小学校就学後、小学校 3年生までの導入・定着促進の助成金を対象としています。支給額については先ほど説明 した通りです。  それでは、資料No.3に戻っていただきたいと思います。1枚めくっていただきますと、 省令案要綱が出てきます。省令案要綱は、今ご説明した内容を記述したものです。育児・ 介護雇用安定等助成金制度の改正として、まず「3歳から小学校就学の始期に達するまで の子を養育する被保険者に対し育児休業に準じる制度等を実施した事業主に対する助成を 廃止する」。これが従来の助成金の廃止です。「とともに、次に掲げる事業主に対して新た に助成するものとすること」ということで、今ご説明した1〜3を設けております。  次のページをご覧いただきますと、助成金の額について先ほど説明した通りの内容を記 載しています。  最後の3ページ目で、施行期日については平成20年4月1日からの施行を予定してい ます。以上です。 ○林分科会長  ただ今の事務局の説明を踏まえ、ご意見・ご質問がありましたら、どなたかお願いいた します。 ○斉藤千秋委員  この制度については、子育てをしながら働く男性・女性を含めてなのですが、短時間勤 務というのは非常に重要な働き方の一つだと思っていますので、このような形で新たに助 成金を創設していくということは非常に良いことではないかと思いますけれども、これを 広く普及させていくためには、やはりこういう制度を、中小企業・大企業を含めてPRし ていただくということと、申請していこうと思う企業が申請しやすいというか、助成金を 受けやすい制度にしていかなければいけないのではないかということもありますので、施 行に当たっては助成金の受給時の受付・手続きの運用についての工夫も検討いただいて、 ぜひ広く普及させていただきたいと思います。 ○林分科会長  他にご意見・ご質問はありますか。松井委員。 ○松井委員  今回のご提案は、支給対象となる制度がいわば狭まるものだと思います。まずこれまで の実績が、平成19年度のものはまだ出ていないのかもしれませんが、途中経過も含めて どのような形であったのかという説明を一つお願いできればと思います。  それから大企業と中小企業という整理になっていると思いますけれども、それぞれの支 給実績がどうなっているのか。それと、予算としては平成19年度に比べて新たな制度そ のものは総額を少なくするということを事前に伺っていますけれども、そのようにする理 由は何なのか。もともとそんなに利用されていないのか。あるいは対象が狭くなるから、 そのように考えているのか。制度をこのようにしていくことの理由・背景などを少しご説 明願います。 ○林分科会長  事務局の方で説明をお願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  まず、斉藤千秋委員のご発言については、今後の施行に当たって留慮していきたいと思 います。  続いて松井委員のご質問は、まず従来の助成金の実績について申し上げます。従来の「柔 軟な働き方支援コース」の実績は、平成18年度までの実績が出ております。平成18年度 については総額で3,105万円です。内訳を申し上げますと、中小企業の短時間勤務制度が 2,810万円、中小企業以外の短時間勤務制度が220万円、その他はいずれも中小企業です が、その他が175万円となっています。このように、平成18年度の予算額で約1億4,000 万円を用意していたところ、約3,000万円しか使われていないということで執行率が低い。 特に短時間勤務は今ご紹介したように、その中でも大半を占めていますが、他の制度につ いては非常に利用が低調だということも含めまして、短時間勤務制度に特化しという形で の制度改正を行うということです。  また平成19年度、平成20年度の予算額についてです。平成19年度の予算額について は1億1,195万円です。平成20年度の予算額については8,830万円となっています。平 成20年度の予算額が少なくなっている理由につきましては、一つはコースの対象を狭め たこともありますけれども、もう一つ新しいコースについては、新しく制度を導入されて から制度利用が6カ月以上と要件が付いておりますので、その部分を低く見積りをしてい る、初年度であるという特別の要因もあります。以上です。 ○林分科会長  よろしいでしょうか。他に。吉川委員。 ○吉川委員  今の支給対象となる制度の説明のところで、短時間労働が一番多かったということです けれども、全体的にどこまで周知徹底されているのかを考えますと、まだまだ知られてい ないということが大変多いのではないかと思います。中小企業においては特にそうだと思 いますし、もっとその辺が周知徹底されていたら、利用する本人の事情や会社の職種など、 いろいろによって利用の範囲が広がっていくと思いますので、中小企業にとっては、より 広い方がより有効的で現実的であるのではないかと思います。できましたら、この範囲を 少し考えていただけたらと思います。 ○定塚職業家庭両立課長  私どもも引き続きPRに努めていきたいと思っていますけれども、本日お配りした資料 の中の一番下に、助成金全体のパンフレットが入っていると思います。こうしたパンフレ ットを配布するなど、広報・啓発に努めているところです。このパンフレットをご覧いた だきますとわかりますけれども、先般改正するコースの他に7種類の助成金があります。 これらの助成金全体を見ましても、執行率はそれほど低くない。比較的順調に利用してい ただいているという助成金が大半である中で、今申し上げています子育て期の柔軟な働き 方支援コースの中の特に短時間以外のコースについては非常に利用が順調であるという実 態となっています。助成金については、利用が低いものについては整理をするということ が、やはり助成金全体の効率的な執行ということから不可欠とされていますので、今回の 改正もそのようにお考えいただきたいと思います。 ○松井委員  改定された趣旨は理解しないわけではないのですけれども、恐らく今、吉川委員が申し 上げたような形で、以前のままを残してほしいというのはもう難しい時期なのだと思いま す。それであるならば、このような段階でほとんど変えることができないような状況で提 案をされるのではなくて、事前に十分に中小企業団体、あるいは私どもも含めて意見を聞 いた上で、こういう制度改正をしてもらえればと思います。昨年の同じ時期にも同じよう なことがあったような記憶がありまして、1年経つと忘れてしまいがちなのですけれども、 大体、育児両立支援関係の助成金は直前になって、こういった審議会に諮問がなされて、 即日答申でお願いしますという形に結構なってきています。ですから、助成金を効率的に 運用していくということはもちろん理解しますけれども、本当のニーズがどのようなもの かをよく踏まえた上で、それからこれは雇用二事業から恐らく出ていると思いますけれど も、事業主側の意見もよく聞いた上で対応してほしいと思います。  それからもう1点、この助成金について申し上げるわけではなくて、一般的な意味合い で申し上げますと、労働基準局の勤労者生活部が所管しているような助成金とここの審議 会で所管しているような助成金は、表面的にはとても似ているようなものもありますので、 局を越えた形での効率的な助成金の運用を。もう一つ、作るならばきちんと事業主がわか るような形で周知・広報を図っていただきたいと思います。なかなか企業側からすると、 どこに行ったらいいのかわからないと。これは恐らく21世紀職業財団になるのだろうと 思いますし、勤労者生活部は似たようなものでもまた違う所に行くと。大体わからないと いうことがありますので、そのような執行に当たっての工夫もぜひお願いしたいと思いま す。 ○林分科会長  どうですか、定塚職業家庭両立課長。 ○定塚職業家庭両立課長  ご指摘いただいた通り、双方の助成金等について、私どもも言及してPRするなど努め たいと思います。なお労働基準局の助成金と当方の助成金については、十分に双方で検討 した上で重なることがないように整理をした上で予算要求をしています。  また松井委員のご指摘の最初の部分ですが、本審議会におきましても、予算要求の時点 で予算の概要についてはご説明をさせていただいていると存じています。 ○松井委員  予算の概要は伺っていますけれども、このような細かいものをこのようにやるという話 はその時点であまりなかったと記憶しています。確かに名称はそのように載っていたのか もしれませんけれども、通常配られる資料にはそこまで明記されていないのではないかと 思います。また、このように要件が変わってくるということまでも、私どもに十分知らさ れているとも理解をしていません。 ○林分科会長  どうですか、定塚職業家庭両立課長。 ○定塚職業家庭両立課長  ご指摘を踏まえて、今後適切に対応したいと思います。 ○林分科会長  この議題に関して、その他には。 ○川崎委員  平成20年度の育児の支援についてはこれでよろしいかと思います。もともとある支給 対象となる制度を見てみますと、主に育児期間に関して、仕事に従事する時間を少なくし ていって、子育てと仕事の両方をできるような制度が中心になっていると思いますけれど も、多様な働き方自体を支援していくという意味では、仕事に従事する時間を減らさなく ても育児ができるような仕組み。例えば在宅勤務といったようなことも入れている所があ るかと思いますが、今後は多様な働き方というところのバリエーションをもう少し増やし ていくようなものを、平成21年度以降、少しメニューとしての検討をしていただきたい と思いますのでお願いします。 ○定塚職業家庭両立課長  ご意見として承りたいと思います。 ○林分科会長  特に他のご発言はありませんか。  それでは当分科会としましては、諮問がありました「雇用保険法施行規則等の一部を改 正する省令案要綱について」は概ね妥当と認めることにして、その旨を私から労働政策審 議会長宛てに報告することとしたいと思います。事務局から案文を配布願います。  それでは、この案文で私から労働政策審議会長に報告いたします。報告文は案文通りで よろしいですね。では、私からご報告します。先ほどの案文についてはご異論ないという ことで、審議会長に報告いたします。  次に「その他」ということですが、昨年12月に取りまとめられた「子どもと家族を支 援する日本」重点戦略、仕事と生活の調和憲章、および行動指針、および今月国会に提出 されました児童福祉法等の一部を改正する法律案、さらに平成20年度雇用均等・児童家 庭局予算案について、事務局より報告があります。お願いします。 ○高倉総務課長  総務課長でございます。それでは貴重な時間をちょうだいしまして、資料No.5〜7と続き まして、ただ今、林分科会長よりお話がありました諸点についてご報告させていただきた いと思います。  まず、資料No.5-1、2、3です。これが一つ目のテーマで、「子どもと家族を応援する日本」 重点戦略です。この重点戦略については昨年ほぼ1年間にわたり、官房長官をはじめとし ます関係閣僚および労使の関係者を含む有識者等からなる策定検討会議において、議論を 重ねてきた上で昨年12月に取りまとめられたものです。また、その後直ちに、これは政 府全体としての少子化社会対策会議という全閣僚が参加している会議体があります。そこ の政府としての決定というものにも位置付けられています。  内容については、この資料No.5-1のポイントの資料でご説明させていただきたいと思い ます。全体が少子化社会への対応と、人口減少社会の到来を踏まえた少子化対策を推進し ていくという問題意識です。その一番上の「重点戦略策定の視点」にありますが、最初に、 今後労働力人口が急速に減少していくということ。そして一方で結婚あるいは出産・子育 てに関する国民の皆さまの希望を調査してみますと、希望は高いものがあり、現実と非常 に乖離(かいり)があり、さらに拡大していること。その上で、持続的な経済発展の基盤と して必要なこととしては、二つの点を同時に達成していくこと。一つは若者や女性、高齢 者の労働市場参加を実現していくということ。そしてまた他方で、国民の希望する結婚や 出産・子育てを実現していくということ。これが現状では二者択一構造になってしまって いる点が、他にもいろいろな原因がある中で、非常に大きな問題として解消していくべき 課題として整理されたということです。  この二者択一構造を解消していくためには、大きく2種類のことを平行して進めていく 必要があるという考え方が整理されています。一つ目は、働き方の改革により、仕事と生 活の調和を実現していく必要があるということがあります。もう一つは、そういった場合 に必要になります親の就労と子どもの育成を両立していくためのさまざまな仕組み、ある いはすべての家庭における子育てを包括的に支援していく枠組みです。そういった社会的 基盤を構築していくということ。これらを「車の両輪」と位置付けて進めていく必要があ るという構成になっています。  1点目の「仕事と生活の調和の実現」という大きなテーマに関しましては、この重点戦 略会議という検討会と、また特出しして別の形で、ワーク・ライフ・バランスの仕事と生 活の調和の取り組みを進めていくための憲章と、行動指針を策定するための別の会議体の 部会を設けて、そこで検討を重ねてきて取りまとめられたものを重点戦略の中に位置付け るというプロセスを経て策定されたわけですけれども、基本的な実現した場合の社会の姿 を明らかにしていく。今なぜ必要なのか、こういった社会をなぜ展望する必要があるのか ということ。また、どのようなイメージを共有して、そこに向かって歩んでいくべきか。 そういった考え方を整理したものとして、この憲章が取りまとめられました。  また、その憲章に向けて実際に世の中を変革していくための具体的な活動の手掛かりに なるための行動指針も同時に策定したということです。中ほどにありますけれども、この 行動指針の中では具体的な社会全体の目標を明確な数値で示せるものは基本的に数値で示 していこうということで、その代表例が左端にあります。例えば、就業率について現状か ら10年後に向けた具体的な目標設定をしているところです。  また「関係者が果たすべき役割」です。企業と働く者役割は何か、国・地方公共団体の 役割は何か。こういったことも整理をしたところです。  2ページに進ませていただきます。一方でワーク・ライフ・バランス、仕事と生活の調 和を推進していくとともに、他方でそのような社会の実現を支える給付・サービスの考え 方も整理しています。さまざまな給付・サービスがありますけれども、機能別に大きく3 分類しています。「親の就労と子どもの育成の両立を支える支援」では、例えば、保育サー ビス等ですが、そういった分野を(1)としています。(2)としては「すべての子どもの健やか な育成を支える対個人給付・サービス」です。一時預かり、あるいは経済的支援といった 分野です。また3番目には「すべての子どもの健やかな育成の基盤となる地域の取組」で す。社会のインフラに当たるような部分です。そのように3分類しまして、それぞれの課 題を分析し、今後目指すべき方向付けを行ったものです。  今回の一つの大きな特徴は、このような給付・サービスを整備していく上では、効果的 な財政投入が必要であるということを明確にして、具体的な所要額の試算も盛り込んで発 表しているところです。平成19年度の社会的コストとして、児童・家庭関連社会支出額 約4兆3,300億円ですが、これをこの重点戦略に沿って充実していく場合の推計追加所要 額として、一定の前提において計算しまして、1.5〜2.4兆円という相当の規模の効果的な 財政投入が必要であると打ち出しています。  また、その場合の基本的な考え方として三つほど白丸がありますけれども、とりわけ今 後は現物給付の実現に優先的に取り組む必要があるという観点。また2番目にこれらの追 加投入を単なるコストではなくて、「未来への投資」という位置付けで考えるべきであると いうこと。そして3点目としては、これらの費用は次世代の負担によって賄うことがない よう、その時点で手当てして行うことが必要である。このような考え方を取りまとめたと ころです。  これらを踏まえた今後のいわば宿題事項として、その下に二つ掲げられています。一つ は「具体的な制度設計の検討」ということで、さまざまな給付の性格や施策間の整合性、 連携を考慮しながら、費用負担の在り方も含めた具体的な新しい制度設計の検討に直ちに 着手する。また、大規模な財政投入が必要ということですので、その点については税制改 革の動向を踏まえつつ速やかに進めるべきだという整理がされています。またそれと同時 に、そのような大きな問題以前に「先行して取組むべき課題」ということで、後ほど触れ ます法案に盛り込んでいます具体的な幾つかの課題をいただいたところです。  このような枠組みの構築を目指していくと同時にIVで、ただ計画ということではなくて、 利用者の視点に立って点検・評価をしていきながら、それを反映させていくべきという、 いわゆるPDCAサイクルの確立という考え方が設定されたところであります。このような 新しい重点戦略の大きな2本柱を進めていくということに関する国民の理解、意識改革を 進めていくべきだという整理がされたところです。  少し駆け足で恐縮ですが、続きまして資料No.6を説明させていただきます。これはただ 今申しました重点戦略で、今後の宿題とされたうちの、先行して実施すべきという指摘に 対する一つの答えです。児童福祉法等の一部を改正する法律案というもので、別の社会保 障審議会の少子化対策特別部会での議論を経て、今月の上旬に国会に提出させていただい ているところです。  「主な内容」として大きく二つあります。「地域における次世代育成支援対策の推進」と、 もう一つは特に当分科会の働き方関係の「職場における次世代育成支援対策の推進」です。 大きな2くくりです。  一つ目の部分について、まず1点目は「新たな子育て支援サービスの創設」ということ で、いわゆる保育サービスの分野で家庭的保育事業(保育ママ)といったものを法的に位置 付けることをはじめとして、ここにあるような幾つかのサービスを法律上創設するという ものです。2番目には「困難な状況にある子どもや家庭に対する支援の強化」ということ で、里親制度などいわゆる社会的養護の関係の施策の強化を盛り込んでいます。3点目は、 法律上は児童福祉法ではなくて次世代育成支援対策推進法の一部改正ですけれども、次世 代育成支援対策推進法の下で、地域における子育て支援サービスの基盤整備をしていくた めの市町村の行動計画策定が規定されていますが、そこをさらに働き方の見直しを踏まえ た重点戦略に沿った基盤整備を図るため、行動計画策定に当たって参酌すべき標準を国に おいて定めることなどの見直しを盛り込んでいます。  2番目の柱は職場関係です。この点については資料3ページ目で若干の補足があります ので、3ページ目でご説明させていただきます。3ページ目の中ほど4番で「次世代育成 支援対策推進法の一部改正(2)」ということで、一般事業主の取り組みや促進につきまして は4の(1)にあります。現在、義務とされていますが一般事業主行動計画について策定・届 出義務の対象が300人超ということですけれども、これを中小事業主の一定規模以上、具 体的には100人超の事業主についての策定・届出義務に広げるという内容です。施行につ いては十分な準備期間を取って、支援を行いながら進めていくという考え方から、平成23 年4月の施行ということにしています。また(2)では、一般事業主行動計画について、作っ たものをきちんと従業員の皆さまにも知っていただくことが必要であるなどということか ら、行動計画の公表および従業員への周知の義務付けを盛り込むということを、改正案に 同時に盛り込んでいます。この点については平成21年4月の施行を予定しています。  最後の5番目です。これは次世代育成支援対策推進法の中で、別途公務セクター、国や 地方公共団体の長などが一般事業主行動計画に対応するものとして、法律用語として特定 事業主という計画の義務付けにしていますけれども、その部分についても職員への周知の 義務付けを盛り込むということ。そしてまた、行動計画に基づく措置の実施状況まで公表 を義務付けるというものを盛り込んでいるところです。以上が法律案の関係です。  最後に資料No.7で予算案の概要です。恐縮ですが、全体を通しましては2ページをご覧 いただけますでしょうか。全体で平成20年度予算案9,636億円、伸び率にしますと3.3% の分の予算案を提出させていただいています。厳しい財政事情の中ですけれども、必要な 伸びを確保して出させていただいたと考えています。個別の内容については時間の関係で 省略させていただきますが、特に働き方関係については8〜9ページです。  8ページをお開きいただきたいと思います。重点戦略においても、一つ目の大きな柱と 位置付けられた「仕事と生活の調和の実現」という主題の下に(1)〜(3)があります。「企業 における次世代育成支援の取組の一層の推進」、また「仕事と家庭の両立が図れる環境整備 の推進」、そして「テレワークの普及促進」。こういった項目について予算を計上している ところです。先ほどご審議いただきましたものは、この(2)の一つ目の白丸の「育児期にお ける短時間勤務制度の導入・定着支援の拡充」の後段に記載させていただいている部分で す。  また9ページは「公正かつ多様な働き方を実現できる労働環境の整備」ということで、 「持続的なキャリア形成の実現」のための施策。また「パートタイム労働者の均衡待遇確 保と短時間正社員制度の導入促進」の関係の施策。また「男女雇用機会均等の更なる推進」。 これらに関する予算を盛り込んでいるところです。大変かいつまんだ説明で恐縮ですが、 以上です。ありがとうございました。 ○林分科会長  ただ今の事務局からの報告について、ご質問等がありましたらお願いします。斉藤千秋 委員。 ○斉藤千秋委員  質問ではなく意見として発言をしたいと思います。資料No.6の「児童福祉法等の一部を 改正する法律案概要」についてです。家庭的保育事業を法律上位置付けるということは、 ここにも書いてありますけれども、保育所における保育を補完するものとして家庭的保育 事業を位置付けるということが基本となっていますけれども、現状の待機児童数の解消と いうものを中心に、労働者が復職したいときに、安心して預けられる施設をまず優先的に 造っていただきたいと思います。  さらに、今回の予算もありますので、もう一つ意見を言わせていただきたいと思うのは、 待機児童数が一向に解消されない中で、企業が事業所内託児所を設置して、何とか労働力 の確保に努めている現状の中で、事業所内託児施設の補助が5年で打ち切られるという制 度になっています。制度の助成金の趣旨は非常に理解しているのですけれども、待機児童 が解消できない中で、企業の福利費の考え方というのも、今は受益者である多くの従業員 に公平・公正に均てん化でやっていこうというような方針の中で、事業所で預かる託児所 の子どものために、そこの労働者のために多くの福利費を使っていくというのは、非常に 流れから反しているため、この助成金を使って託児所を運営している所が非常に多いので はないかと思います。しかし、5年たつと打ち切られてしまって、その後どうしていこう かと。地域の中の待機児童は一向に解消できない中で、路頭に迷う労働者もいるわけです。 そのような中で、来年度以降で結構なのですけれども、既にある事業所内託児施設の5年 間というところをもう少し長くしていただく、あるいは地域の中でそれに代わるような制 度も検討していっていただきたいと思っています。事業所の中で託児所を設置しなくても よいような状況をまずつくっていただきたいということでの要望と受け取っていただきた いと思います。 ○林分科会長  ご要望ですね。 ○高倉総務課長  貴重なご意見ありがとうございます。一言コメントさせていただきたいと思います。両 立を支援していくという上で、とりわけいわゆる待機児童という形で、かなりの人数の方々 に必要な保育サービスが提供されていないという状況は、非常に大きな問題であると考え ています。今回、この法律改正で多様なメニューを増やしていこうとしていますけれども、 基本となる保育所、保育サービスの着実な拡充ということをもちろんきちんとしていかな ければならないと認識しています。この待機児童の問題に関しては、先般いわゆる「新待 機児童ゼロ作戦」という名称でしていますけれども、さらに今後取り組みを強化していこ うということで取り組んでいるところです。  また、重点戦略を踏まえた全体の制度設計、そのシステムをどのようにするのかという 検討を、今後精力的に重ねていく段階になって取り組んでいるわけですけれども、そうい った検討の中でも本日いただいたご意見を含めてさまざまな指摘・ご意見があることを十 分に踏まえて、検討を急いでいきたいと考えています。 ○林分科会長  他にご意見はないでしょうか。鴨委員。 ○鴨委員  質問です。資料No.7の9ページの「公正かつ多様な働き方を実現できる労働環境の整備」 の3番「男女雇用機会均等法の更なる推進」の予算が減額されているわけです。これはど ういう理由なのか、教えてください。 ○林分科会長  安藤雇用均等政策課長。 ○安藤雇用均等政策課長  はい。この部分について若干予算が減っていますけれども、一番大きな減の要因は、平 成19年度から機会均等推進責任者に対しての情報提供の在り方として、メール配信とい うことを始めました。平成19年度はその切り替えのための予算が積まれていて、その配 信事業がスタートしたということで、いわば初期投資の部分が不要になったことによる減 というのが大きな要因です。あとは本当に細かい部分で節約をして積んだマイナスが出て いるということで、メニュー的な変更はありません。 ○林分科会長  よろしいでしょうか。 ○吉川委員  時間がなくなってしまった中ですみません。資料No.7の10ページの2番「地域の子育て 支援推進」の、三つ目の白丸の「総合的な放課後児童対策」の部分で、この放課後子ども プランというのは地域によって時間が非常にまちまちで、せっかく保育園のうちは頑張っ てお勤めをしてきたけれども、小学校に上がったら結果的にやめざるを得なくなっている という方が出てきているのが現状だと思います。ここのところをどのような状況でお考え になり、この予算をどういう方向で使っていきたいという思いを、ある程度説明できる範 囲内で結構ですので教えていただきたいと思います。 ○高倉総務課長  ただ今ご指摘いただきました小学校に就学した後の問題ですけれども、その部分が壁に なって、そこで必要な、例えば放課後児童クラブに入れないということで、就業継続を断 念するという問題が生じているということは、大変問題であると考えています。この放課 後児童クラブについては、未実施小学校区で早急に開始していきたいと考えており、また、 もう少し長い時間開設をすべきではないかといった多様なニーズに対応できる弾力的なサ ービスを提供するための支援措置を講じていって、必要な全小学校区に設置されるように ということを当面の目標として取り組んでいるところです。また先ほど少し言及しました 「新待機児童ゼロ作戦」という枠組みの中では、保育所だけではなくて小学校就学後の放 課後の問題等も解決を要する課題と位置付けて、10年後の目標を掲げて対応していこうと 考えているところです。 ○吉川委員  地域によって設置されている所とされていない所が、また設置されていても時間が非常 にまちまちだと聞いていますので、その辺りをフォローしていただきたいと思います。 ○林分科会長  では、他に。岡本委員。 ○岡本委員  予算に関して、労働関係全般に対する予算ということでもあるのですが、労働法の改正 が幾つも行われていて、また一方で企業の法令違反の問題対応ということで、都道府県の 雇用均等室であったり労働基準監督署であったり、そうした窓口機能の充実というのはこ れからより一層重要になっていくだろうと思います。また一方で、公務員の人件費などの 問題もあって、そういう専門家の方や窓口の方たちが少なくなっているという現状も聞き ます。特に4月1日から改正パートタイム労働法が施行されるわけですが、今日も思いが けずいろいろな議論が出たように、四つの分類をされていたことによる労働側と経営者側 の考え方の食い違いというものは、まだまだ解消されていないだろうと思いますし、実際 に能力、業績、意欲など、なかなかきちんとした指標が確立されていない分野で分けてい くことにもなるわけですので、そうした相談事なども今でも多いと思いますけれども、こ れからはますます実際には多くなってくるだろうと思います。平成20年度予算では、そ ういった部分についての重点的な配置というか、そういったこともぜひ検討していただき たいと思います。  それから中小企業への周知徹底ということで言えば、やはり経済産業省との連携の強化 がより重要になってくると思いますので、ぜひそういったところをきちんとやっていただ きたいということをお願いしておきます。 ○林分科会長  今の岡本委員の意見はご要望ということで承ります。  資料No.5〜7に基づいてご説明いただいた件については、当分科会としては報告をお聞き したということで終了したいと思います。  最後に本日の署名委員は、岡本委員と山本委員にお願いしたいと思います。皆さま、本 当にお忙しい中、ありがとうございました。これで本日の分科会を終了します。 29