第7回今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会
議事要旨

日時   :平成20年3月11日(火) 15:00〜17:00

場所   :経済産業省別館 1036号会議室

出席委員:佐藤座長、岩品委員、大石委員、大津委員、中窪委員、脇坂委員(座長を除き五十音順)

欠席委員:久保委員、両角委員、

議題:個別課題についての検討

概要:

(男性の育児参加について)

・ ならし保育の期間に1か月ぐらい育休を取得させる方法もある。

・ 時間管理能力がアップするなど、育休を取得することによるメリットは実証されている。本人と企業と両者にメリットがある。

・ 育児参加は、親なのだから当然のこと。「参加」という言葉が疑問。必要だからやるのではなく、親として当然の責務。仕事も育児も両方行うのが自然。

・ 男性が育児しないのは、女性の就労の阻害要因になる。

・ 妻が専業主婦であっても、産褥期は特に、上の子の送迎など父親の協力が必要。

・ 男女ともに子育てすることが前提であり、「女性だけが育児を担わされると、こういう問題が生じる」という論点のたて方のほうがよい。

・ 現行でも産後8週間は、男性も育休がとれるが、短時間勤務もそうすべき。

・ 特別な事情がなければ育休の再度取得ができないのは疑問。例えば育休は、諸外国のように8,9歳までの間で何年間とれるなどとしてよい。

・ 仕事も家庭もという著名人など30代のモデルになるような人で、ムーブメントをつくるとよい(若い父親の後押しになるように)。

・ 育児への関わり方はカップルによって違う。育休以外のバリエーションも重要。育児参加は当たり前という前提でも「育休を取らないといけない」とするのか、「取りたい人が取れるように」するのか、考え方に幅がある。

・ 子育てしたことのない人も育児に参加することで視野が広がる。働き方を変える意味でも強制まで考える必要もある。また、休業だけでなく、短時間勤務や看護休暇などその間を埋めるバリエーションが必要。

・ 女性でも育休を取得しない人もおり、男性に強制するのは難しい。

・ 短時間勤務の所得保障も検討が必要。

・ 男性は休みにくいが、産後8週間の時期は、現行でも取得可能なことを周知徹底し、育児を経験してもらうべき(例:東京都調査(潜在的ニーズ層で34%とあるが、産後8週間は男性も取得できることを知ると7割にもなる))。

(子の看護休暇について)

・ ある企業では、子一人につき5日の休暇があるが、年休を活用するため、実際はほとんど使わない。年休が有給なので、無給の看護休暇は使わない。年休を使い切ってしまった人が使うぐらいで、労働者のためになっているかは疑問。

・ 自分の時は制度がなかったが、よく休んでいた。無給なので、かえって休みやすいという面もある。半日・時間単位の取得も柔軟性が増してよい。子どもの人数によって比例しないと不公平感がある。

・ 年休については、長期休暇、保養のための休暇というのが本来の趣旨であったが、分割、半日単位という流れになっている。看護休暇という形で突発的な事情に対処するというのは、年休を本来の趣旨に戻すという意味がある。

・ 国費の負担も考える必要があるが、安心して休むにはある程度の所得保障が必要。

・ 配偶者が病気になった場合も必要。「育児」だけでなく「家族」についての休暇としたらよい。子育てに限らなければ、子どもがいない人たちに対して遠慮しなくてすむ。

・ 介護のための休暇とセットで検討することも必要。

・ 「子一人あたり」と増やしても、女性ばかりが取得する恐れ。当面は子2人以上は10日とするとよい。

・ 育休よりは看護休暇のほうが男女の取得率の差が小さい。

・ 年休と違い使用者に時季変更権がなく、当日の朝、急に申し出ても休めるので、企業にとっては負担が大きい。

・ 制度によって対象年齢が違うが、就学前に集中している。それぞれの制度の性質を精査、検討する必要がある。

(育児休業の再度取得について)

・ 「再度取得できる特別の事情の範囲の見直し」と「1歳6か月まで延長できる要件の見直し」の2つの論点がある。

・ 1歳半までに再度取得が必要となる事態はあまり想定できない。

・ 資料にある例示の理由による再度取得を認めることでよい。

・ 企業側の人員計画等の負担となる。

・ 今までは親(労働者)の事情しか想定されていなかったが、子どもの事情も考えるべきということが規制改革会議の議論。

・ 再度取得を何度認めるかも論点。

・ 1歳6か月までの延長は、待機児童に対応するための例外的な措置。延長できる理由を増やすことは、休業期間を「1歳まで」から「1歳6か月まで」に拡大する議論につながる。

・ 「6歳までの間に1年間」育休取得できるという方法もある。

(期間雇用者の育児休業取得について)

・ 「結果として更新」という場合が多い。会社によっては後ろの要件(子が1歳に到達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること)を緩く見ている会社もあり、後ろの要件を外せないか。

・ 育休は契約の更新を制限せず、育休中に契約を更新しているのが実態。

・ 更新しないことが明らかである場合以外は取得可能としてはどうか。

・ 後ろの要件が問題となり、あいまいだから認められないなど、労働者の不利益になっている場合がある。

・ 結果として更新していることが多いが、育休から戻ってきたときに仕事があるかどうかは予めは言えない。

・ 戻ったときに仕事がない場合には、雇止めできるとすればよい。

(在宅勤務について)

・ 法律上、勤務時間短縮等の措置として位置づけてもよい。

・ 勤務時間短縮等の措置の中から短時間勤務は抜き出して、選択肢の一つとして在宅勤務を新たに位置づける方法もある。

・ 政府としてテレワークを推進していることからも、法的に位置づけてもよい。「なじまない」という調査結果があるが、「やろうとしていない」又は「やり方がわからない」ということではないか。導入している企業もあり、選択肢の一つとして位置づけるべき。

・ 年休、看護休暇、短時間勤務制度がしっかり利用できれば、在宅勤務したいと思わないかもしれないが、今はそのフレキシビリティがなく、在宅勤務ができれば助かる。

・ 「仕事がなじむか」という点と、「自宅でできるか」という点で、一般化は難しいが、オプションとしてはありうる。

・ 子育てのための在宅勤務は、一般の在宅勤務よりも時間がかなり不規則になるので、時間管理が難しい。

・ イギリスでは、労働者が希望すれば使用者は明確な理由がないと拒否できない。


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