08/02/12 第22回労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会議事録       第22回労働政策審議会労働条件分科会最低賃金部会議事録 1 日 時  平成20年2月12日(火)13:30〜15:15 2 場 所  社会福祉法人品川総合福祉センター        知的障害者福祉工場 福祉工場しながわ 3 出席者   【委員】 公益委員   今野部会長、勝委員、武石委員、田島委員、中窪委員  労働者側委員 勝尾委員、加藤委員、高橋委員、中野委員、横山委員        使用者側委員 池田委員、川本委員、原川委員、横山委員、吉岡委員   【施設側関係者】    岩野事務局長(社会福祉法人品川総合福祉センター)                  加藤統括施設長(品川区立心身障害者福祉会館)                日高施設長(知的障害者福祉工場 福祉工場しながわ)               間部総務課長(社会福祉法人品川総合福祉センター)    【事務局】厚生労働省  氏兼勤労者生活部長、吉本勤労者生活課長、               植松主任中央賃金指導官、吉田副主任中央賃金指導官、               吉田勤労者生活課長補佐    4 議事次第   改正最低賃金法関連省令について(最低賃金適用除外許可の実情視察) 5 議事内容   ○今野部会長  時間になりましたので、ただ今から、第22回労働条件分科会最低賃金部会を開催いた します。本日は、野寺委員、高石委員、岡田委員が欠席です。本日は、社会福祉法人品 川総合福祉センター知的障害者福祉工場 福祉工場しながわのご協力により、部会として 現場を拝見できるという大変貴重な機会を設けることができました。部会を代表いたし まして、福祉工場しながわの皆様に心より感謝申し上げます。 まず、福祉工場しながわからのご出席者につきましてご紹介させていただきます。社会 福祉法人品川総合福祉センター事務局長の岩野政彦様。 ○岩野事務局長  岩野でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○今野部会長  品川区立心身障害者福祉会館 統括施設長の加藤久明様。 ○加藤統括施設長  加藤でございます。よろしくお願いします。 ○今野部会長  社会福祉法人品川総合福祉センター知的障害者福祉工場 福祉工場しながわ施設長の 日高昭芳様。 ○日高施設長  日高でございます。よろしくお願いいたします。 ○今野部会長  社会福祉法人品川総合福祉センター総務課長の間部雅之様です。 ○岩野事務局長  ちょっと遅れてまいります。申し訳ございません。 ○今野部会長   ではまた後から。いらっしゃいましたら。  本日の部会の流れですが、まずは福祉工場しながわの方から、こちらの施設の事業概 要等についてご説明をいただきます。その後工場の方へ移動して、実際の作業の現場を ご説明いただきながら、最低賃金適用除外制度の運用の実態についてお話を伺うことに いたします。その後、質疑応答・意見交換をさせていただいて、最後に、前回、中野委 員と中窪委員からご要望のありました資料について事務局から説明をいただき、終了と いう風にさせていただきます。  それで、もうひとつ。本日の会議の公開についてですが、今回は通常の会議と異なり、 福祉工場しながわの施設内の場所をお借りするとともに、工場の作業現場を拝見させて いただくという形となっております。また、最低賃金の適用除外許可制度の運用の実態 について伺うということから、ここで働く方々のプライバシーに関することも話題にな ることが想定されます。今回の会議の公開については、第1回会議における議決により まして、原則公開となってますが、公開することによって個人情報保護に支障を及ぼす おそれがある場合、個人、あるいは団体の権利利益が不当に侵害されるおそれがある場 合、あるいは率直な意見の交換、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある場 合には、部会長は会議を非公開とすることができることとされております。本日は先程 申し上げました事情によりまして、非公開とするケースに該当することから、非公開と したいという風に思います。事前に事務局からご意向を伺っていると思いますが、よろ しゅうございますか。                 (異議なし) ○今野部会長  それでは、そのようにさせていただきます。  それでは、前振りを長々とやりましたが、やっと、本題に入ります。  それでは、本施設の事業概要等について、まずご説明いただければという風に思いま す。よろしくお願いいたします。 ○日高施設長  それでは、私、こちらの社会福祉法人品川総合福祉センター知的障害者福祉工場の施 設長をしております日高でございますが、まず、私どもの事業体の法人の方のご説明を させていただきます。法人の事業概要について、私どもの法人の岩野事務局長よりご説 明いたしたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○岩野事務局長  私ども、社会福祉法人品川総合福祉センターは、昭和58年4月1日に、このちょっと 先に八潮という団地がございますが、そこに誕生いたしまして、それから約25年経って ございます。当初は高齢者と障害者の施設、特に本部には知的障害、身体障害、特別養 護老人ホームという3つの入所施設が入っております。それを主体にいたしまして、そ の後、事業拡大をいたしまして、現在、高齢者、障害者、それから児童というところで 保育園を運営してございまして、現在、約20の施設を品川区内で運営している法人でご ざいます。従業員数で言いますと約400人でございまして、雇用形態で言いますと、正 規の職員が約250人、工場で知的な障害のある者を雇用していますので、その方々が40 名、残りの方が非常勤というような職員の構成になってございます。そういったような 形でもって、20の事業を運営してございます。一番当初の設立の経緯が、障害者の親な き後の施設をつくるということでもって、日本で最初に都市型の複合施設ということで オープンいたしました。そうしたオープンの経過もございまして、私どもが一番大事に しているのは、地域とともに歩んでいくということでございまして、品川福祉工場につ いても、そういったような地域の、障害者と一緒に通ってくださる保護者の方とともに 色々な事業を組み立ててございます。そういったような具体的な事業内容については、 これから福祉工場長の日高の方からご説明いたしますので、どうぞよろしくお願いいた します。 ○日高施設長  それでは、お手元にございます、今日配布していただいた資料の中で、資料1という のがございますが、そちらの方が私ども、福祉工場しながわのパンフレットになります。 一番最後の方に、評価表というのがございますので、こちらの方も合わせてご覧いただ ければと思います。まず、福祉工場しながわのパンフレットに沿ってご説明をさせてい ただきたいと思います。私どもの知的障害者福祉工場は、都内に1箇所の知的障害者の 方を雇用しております福祉工場でございます。開設の方が、平成10年の4月1日、設置 運営が社会福祉法人品川総合福祉センターでございます。法人認可は昭和57年3月31 日、それから法人設立が、昭和57年4月30日となっております。現在、ここに従業員 と書いてございますが、混同してしまうといけませんので事前にお伝えしておきますが、 従業員というのは、障害をお持ちの方のことを、主に従業員と呼ばさせていただきまし て、我々の方は、職員と呼ばさせていただいております。まず先にご説明いたします。 現在、障害者40名、職員数が9名、こちら8名と書いてありますが、9名となっていま す。それから設立の経緯ですが、先程もお伝えした平成10年4月1日に、後ほどご案内 いたしますが、福祉工場しながわのプチレーブというパン工場の方と、それから製陶工 場の方と隣接しています区立品川児童学園というところの2階を利用いたしまして、定 員20で開設いたしました。それが、平成11年の12月、新規事業として品川児童学園の 敷地内に区の補助金を得て、店舗建設パン製造販売業務を開業しております。平成12 年4月、定員、これは先程言った従業員の方でございますが、定員30名に変更いたしま して、職員の方が6名という体制になりました。その後、平成15年の12月、新規事業 といたしまして、製陶工場の方、主に骨壺の生産をしておりますが、製陶工場の方を建 設、開業しております。そして平成16年の4月から定員39名に変更になりまして、そ の1年後、定員40名、現在の40名になっております。平成18年4月、昨年度でござい ますが、品川区旗の台というところに、パン工房プチレーブという、今ご覧いただくと ころが1号店なのですが、2号店というところが、旗の台にオープンしました。平成19 年4月、平成19年度でございますが、4月から事務所の方が、元々先程お伝えした製陶 工場のところにあったのですが、事務所だけ移転してきたということになっております。 こちらの知的障害者福祉工場の目的、運営理念、支援方針を書かせていただいています が、この中で運営理念ということで、そちらの方だけ述べさせていただきます。法人の 設立理念に従い、知的障害者の福祉と地域生活支援を目的とします。顧客を第一とした、 真心と誠意ある経営姿勢をもち、経営の自立性の向上を目指します。従業員の労働者と しての権利の行使に配慮し、労働を共有する中で、社会人としての生活を支援いたしま す。一定の社会貢献ができる事業所のあり方を希求する姿勢を持ち続けます。というこ とで書かせていただいております。  それで、その次のページ、2ページから3ページ、4ページということで、5ページ までが主な事業概要でございますので、こちらの方、簡単にご説明をさせていただきま す。まず、見開きの2ページでございますけれども、主な事業内容が書いてございます。 こちらの方が、第1,第2,第3業務と、かなり見にくいかもしれませんけれども、第 1業務というのは、主に清掃業務でございます。こちらの方は、公園、区内の公園清掃 の方を12箇所ほどやっておりまして、今もちょうど、今日は火曜日なんですが、昨日祝 日だったため、今日は月曜日課ということで、今、午前も午後も公園清掃に行っており ます。こちらの公園清掃の方と、それから建物清掃と書いてございますが、区立の児童 センター5箇所、またその他、法人の中の建物ですとか、その他諸々の建物清掃を行っ ております。それから、第2業務の方ですけれども、こちらの方がパン製造、パンの販 売というのをやっております。こちらの方に書いてございますが、パン工房プチレーブ にてパンの製造販売を行っております。それから、第3業務ですが、こちらが先程お伝 えしました、製陶業務になります。こちら、製陶、骨壺の製造及び納品業務の方を行っ ております。雇用条件というところで、その下に載ってございますが、先程言った、第 1,第3業務、公園清掃と製陶業務につきましては、午前8時に出勤していただきまし て、休憩1時間取っていただいて、午後4時までの作業ということになります。それか ら第2業務、パン製造の方はですね、こちらは午前7時から午後7時の間で交代制の勤 務を取っております。従業員の方なんですが、早番の方は7時から3時、それから遅番 の方は、11時から夜の7時ということで交代の勤務という風にさせていただいておりま す。それから、休日は、週休2日、祝日、年末年始ということになっております。それ から、当然、加入保険ということで、雇用の形をとっておりますので、雇用保険、労災、 健康、厚生保険ということで加入となっております。それから福利厚生ですけれども、 行事の方ですが、1泊旅行ですとかそれから忘年会なんかも開催をしています。こちら の福祉工場しながわは、看護師設置基準がございますので、健康管理ということで書か せていただいております。その次の3ページの方が、先程言った清掃業務の主な回って いる箇所ですね、業務内容ということで、区内の公園清掃や建物清掃ということで、主 に品川区内ですけれどもこちらの方に通っているということです。これは従業員の皆さ ん、職員の車で一緒に送迎いたしまして、公園清掃したり、それから建物清掃では、各 建物の方で降ろしてですね、午前中なら例えばお昼前に迎えに行き、ここに戻ってきて ご飯を食べて、午後の清掃に行く形になります。それからですね、4ページ目にまいり ますが、パン工場の方になりますけれども、こちらの方は、事業の内容ということで、 パンの製造・販売ということで、先程申し上げましたとおり、交代勤務の方でさせてい ただいております。業務内容につきましては、勿論、店舗の中のパンの製造販売もいた しますけれども、その他に委託販売とそこに書いてございますが、品川区役所売店です とか、他法人の喫茶店、ここに「ぽこあぽこ」と書いてございますが、こちらの方に、 いわゆるできた商品を納品したりという作業の方も、必ず従業員、障害のお持ちの方と、 職員と一緒に行ってということで配達作業も一緒に行っています。その他、出張販売と いうことで、こちらにも書いてございますけれども、お祭りもたくさんございますので、 出店をいたしまして、これも必ず職員と従業員の方と一緒に行ってございます。これが、 パン工場の事業概要でございます。その次にまいりますけれども、5ページ目ですが、 こちらの方が製陶事業ということになります。開設が先程言いましたとおり、平成15 年12月1日ということで、現在指導員1名という体制で行っております。事業内容です が、先程お伝えしましたとおり、骨壺の製造・販売、これを品川区に臨海斎場というと ころがございまして、そちらの方に納品をしているのですが、後程見学していただくと お分かりいただけますが、斎場といいますと、お待ちになっていただくお客さん用に、 おつまみを提供させていただくんですね。そのおつまみの仕入れをいたしまして、それ をセットで組み合わせをいたしまして、臨海斎場の方へ納品させていただいております。 この買い出しとか、おつまみをセットする作業も従業員の方々にしていただいておりま す。これが、一応私ども福祉工場の事業ということでお話をさせていただきました。  それでですね、施設の紹介ということで、今、設立経緯ですとか、事業内容、それか ら事業規模、職員数等をお伝えしたんですけれども、施設における労働の実態というこ とで、こちらの方も先程出勤時間何時という形でご説明させていただきましたが、最低 賃金適用除外許可の対象となる方について、どういった方が対象となるのか、それから 業務をどのように比較するのかというところがございますので、そちらの方を簡単に口 頭で説明させていただきます。評価の方なんですけれども、先程お伝えしたとおり、評 価表の方を例としてご覧いただき、お名前等は伏せさせていただいておりますが、今現 在使用しています、評価表になります。評価の方なんですが、同じ仕事の内容の方で、 1名が例えば最低賃金の方、今現在739円なんですけれども、もう一人の方が、除外の 方であるとしますと、作業の様子というのは、日々職員が必ず付きますので、その職員 が比較をして見ております。その他、例えば公園の作業といいますと、地面を熊手で砂 場をならすという作業がありますが、必ずこれ公園の地面の清掃には入ってくる作業で すが、面積を決めて、先程言った、対象者の方と、そうでない方を見させていただきま して、丁寧さとか早さとか手順等を見させていただいたり、それから公園清掃も入って まいりますので、ゴミ集めというのが必ず公園清掃に入ってまいります。そのゴミ集め についても、分別の仕方、方法、確実さ、早さ、手順等ができているかというところを 時々、これは四六時中ではなく、時々見させていただいているということです。その結 果、最低賃金の方と作業を比較して、把握した上で年間の評価の参考としています。こ の評価表というのは、紙をご覧いただければ分かるとおり、単独の職員ではなく、3名 以上の複数の職員で必ず評価をするようにしております。これは、評価の偏りがないよ うにするということで複数の職員で評価をしております。ただ、私ども福祉工場しなが わということで、福祉を謳っていますので、まず前提として知的障害をお持ちの方を雇 用しているというところを、一般企業的ではなく、福祉的就労という側面を非常に大事 に持っておりまして、個別支援計画というのを皆さんそれぞれお一人お一人作っている んですね。この個別支援計画等に基づきまして、本人の、例えば知的障害といっても、 様々な障害をお持ちの方がいらっしゃいますので、その障害とか特性とかを十分理解す るところからまず始めます。そして、仕事中にも、例えば、人によっては、様々な障害 をお持ちの方によっては、不穏な行動を取ってしまったりすることもございますので、 個別のケースごとにこちら看護師もおりますので、指導員とか看護師、それからご家族 とも連携をした形で支援体制というのを組んでおります。  賃金の方なんですが、実はその評価表を長年続けて使用しておりまして、今後ですね、 評価表というのを、先程お伝えした福祉的側面からというところで見直して、例えば経 験年数なんかも雇用ですので、加味したような、評価項目に入れるなどというようなこ とで今後していきたいという風に思っています。すみません、長くなりまして。それか らですね、その次に最低賃金除外の方の、集中的な支援についてどのようにしているか について説明をさせていただきます。皆さんもいろんなところでお聞きになっていると 思いますが、ジョブコーチというような一連の手法を取り入れてですね、一対一で教え るときには、先ずは、職員が手本を数回見せるんですね。で、その後実際に皆さんに実 践をしていただいております。これをまず繰り返し、繰り返し行います。その後、徐々 にその方が習得できたなというところで、これは人それぞれ違いますけれども、習得で きたというところになりましたら、徐々にその場から職員が距離を置いて、徐々に離れ ていくということをしまして、見守りながら必要に応じて支援をさせていただくという ようなことをしたり、それから、その時には職員も一緒にやっているところの現場に入 って、一緒の作業をして、それをまた見ていただいて、どの位上達しているのか、それ かあとは、今までできなかったんですけれども、ここはできるようになったというとこ ろを少しでも発見していくという方針でやっています。必ずですね、今までできなかっ たんですけれども、新たにできるようになった部分につきましては、しっかりご本人に 言葉で伝えて、そして誉めて、やっぱり人間誉められると嬉しいものですから、誉めて 喜びとやりがいとを十分に感じていただきながら、できない部分への評価をさらに図っ ていくというのが私たちの支援の仕方という風に思っております。それで、現在、させ ていただいております。以上でございます。 ○今野部会長  それでは、ご説明いただきましたので、ご質問等をいただきたいと思いますが、その 前に間部さん。今お一人ずつ紹介したものですから。間部さんは、社会福祉法人品川総 合福祉センター総務課長ですね。ご紹介いたします。 ○間部総務課長  すみません。遅れましてどうも申し訳ございませんでした。品川総合福祉センター総 務課長をしております間部と申します。私どもの方が、人事関係とかその他諸々の採用 関係を所管しておりますので、何卒後ほど意見交換の際はよろしくお願いいたします。 ○今野部会長  それでは、先程の説明について、ご質問がありましたらよろしくお願いします。 ○勝尾委員  すみません。別表2の個人総合評価表は、これはこちらの社会福祉法人としてお作り になっているということでよろしいでしょうか。   ○日高施設長  はい、そうです。 ○加藤委員  第1業務から第3業務まで従業員はそれぞれ業務を固定しているのでしょうか。異動 ということはあるのでしょうか。 ○日高施設長  そうですね、最初に入ってきた時にですね、先ず、ご本人にご希望をお聞きするんで すね。例えば、ここは、清掃とパン工房と製陶がありますと。その中でまずご希望を聞 いた上で、まず、実習などをしていただいた後に、ご希望のところでそのままやりたい と、できるからやりたいということでご本人が希望された場合はそちらの方にいていた だいて、もし、それを最初の時点で希望したけれど、やはりちょっと違う仕事をしてみ たいなという時は、選択をしていただいて、もう2つの業務どちらかに移って、またそ こで経験をしていただくような感じで回っていただいて、最終的に自分に一番合ってい るものはどれかということで、考えていただいているというところでございます。 ○池田委員  こちらに来られている方は港区の在住の方が多いのでしょうか。 ○日高施設長  品川区在住です。 ○池田委員  最低賃金以上もらっている方もいらっしゃるんですか。 ○日高施設長  はい、いらっしゃいます。 ○池田委員  総合評価でどのようになっているんですか。 ○日高施設長  今ご覧いただいているこの点数表によって、何点から何点、何点から何点、というこ とで、現在のところは、例えば30点だとすると最低賃金であるとすると、例えばそれの 上の評価点であったとすると一段階上の等級ということで対応しております。 ○池田委員  一番高い方の賃金は。 ○日高施設長  一番高い方で、754円です。ちなみにですね、今現在最低賃金除外を受けている方は、 4名ほどいらっしゃいます。 ○中野委員  こちらの工場は、独立採算制でやっていらっしゃるんでしょうか。 ○日高施設長  はい。 ○今野部会長  それでは皆さんまだご質問があるかと思いますが、現場を見てからもう一度お話聞い た方がよろしいかと思いますので、これから、実際に工場を見させていただきたいと思 います。それで、人数が多いので、A班とB班に分かれて。割り振り表がどこかにあり ましたよね。 ○日高施設長  お手元の資料の座席表によってAとBとに分かれておりますので、その場所までは皆 さん一緒にご案内いたしまして、その後、A班の方がこちらの加藤の方がご案内いたし ます。こちらの方はパン工房の方から御覧いただきます。B班の方が私、日高がご案内 いたしますので、こちらの方は、製陶の方からご覧いただきますのでよろしくお願いい たします。 (工場見学)    ○今野部会長  では、再開いたしましょうか。見学を終わりましたので、それも踏まえて何かご質問 がありましたらお願いします。  先程、見させていただいた方で、適用除外になっている方は、骨壺の方と。 ○日高施設長  はい、製陶の方がお一人と、今、清掃に行かれている方がいます。3人が清掃で1人 が製陶の方です。3名のうち、1名は、別の建物の清掃です。 ○勝委員  適用除外は障害等級別に決まるんではなくて、あくまで熟練度で賃金が決まるのでし ょうか。 ○日高施設長  障害等級別に決まっている訳では決してございません。例えば、障害等級が低い方で も、手先が器用だとか、東京では愛の手帳と言いますが、等級が3度や4度の方がたく さんいますが、3度とか4度の方でも、等級に関係なく、優れているところを見出して いくというスタンスです。 ○加藤委員  そうすると、毎年評価をするのでしょうか。毎年評価する中で、経験年数などで熟練 していき、適用除外を外すことはありますか。 ○日高施設長  今までのケースで、当初適用除外になっても、徐々に熟練していく中で、適用除外か ら外れて最低賃金の適用になった例もあります。 ○岩野事務局長  少し補足をさせていただきますが、我々としても、もう少し、形態を変えた方がいい のではないかという検討に入っていまして、中には、いわゆるアセスメント方式でやっ た方がいいという方もいらっしゃいます。そのあたりの指導に重点をおいてやっていき たいです。また、私どもの法人は、知的障害者の施設では、入所の更正施設が1箇所、 通所型の更正施設が2箇所、通所の授産施設が1箇所、更正施設は重度の方ですが、授 産施設は中度の方が中心で、もっと軽度の方ですと福祉工場というになり、一連のケア ができるという特徴があります。 ○中窪委員  ここで働きたいけど、待っていらっしゃる方はいらっしゃいますか。 ○日高施設長  今現在はいらっしゃらないです。ただ、私ども、定員が40名でして、105%の42名ま で受け入れられますので、希望があれば、こちらの就職の希望は、ハローワークを通じ て伺いますので、求人を募集して、ハローワークから紹介をいただいて、障害をお持ち の方なんですが、福祉工場で是非働きたいという方がいらっしゃれば、きていただき、 面接をさせていただくという形を採っています。 ○原川委員  まず2点くらい聞きたいのですが、一つは、どういうきっかけで骨壺の事業をやられ るようになったのでしょうか。 ○間部総務課長  骨壺につきましては、納入先が固定しておりまして、大田区にあります臨海斎場が発 足する際に、これは品川、大田、世田谷など5区で作る一部事務組合なんですけど、な るべく障害者の雇用を促進しようと。屋外清掃は大田区の授産施設、品川区は骨壺をや りましょう、という役割分担しまして、受注した経緯がございます。そういうこともご ざいまして、納入に関しては随意契約を結んでいます。 ○原川委員  それは、障害者の方の職種として向いているという判断なんでしょうか。 ○間部総務課長  この件については、私どもも事業を開始するに当たりまして、岐阜県に工場がござい まして、そちらの技術指導を受けまして、最初の土から作るものと、半製品から作るも のとで程度があるんですが、最初は半製品からやっていたんですが、今では徐々に土の 段階から、ここ5年くらい経ってきまして、職員のスキルも上がってまして、将来的に はすべて作れるようにしたいと思います。 ○高橋委員  お辞めになる方もいらっしゃると思うんですが、こちらを辞められた方の理由はどの ような理由でしょうか。 ○日高施設長  辞められた理由は様々ですが、一番の理由として、健康上の理由です。年齢が高くな ってきて、夏も冬も作業がございますので。それと、今は自立支援法になってございま すので、一般企業へステップアップというか、そちらへの就職が主な理由です。 ○中窪委員  この方は地域別最低賃金額を下回ります、と労働基準監督署に行ったときにすんなり 許可は出るんですか。それとも相当適用除外の説明をしなければなりませんか。 ○日高施設長  除外の説明というのは施設の所定の資料がありまして、実際にこういったことで除外 の申請をするんです、ということで資料をお持ちします。この方は最低賃金以上の方と 同じ業務をやっていただくと少し技術的に足りない、ということを事前にお伝えして、 その後、実際実地視察に来ていただき、適用除外に該当するということで判断していた だいています。その場合には、労働基準監督署と額はどうこうというやりとりを何度も することはないです。 ○今野部会長  ちょっと乱暴な仮定ですが、適用除外の人全員に最低賃金を払ったら、どのようなこ とが起こりますか。あるいは無差別に最低賃金を払うとなると、運営できませんか。 ○間部総務課長  現行でも単体でみると赤字の状況です。当然一般の労働者の雇用と同じでして、使用 者負担がございます。厚生年金や社会保険なども適用になりますので、通常の一般職員 であれば、14〜15%の使用者負担がございます。最低賃金を払った場合にはその分の跳 ね返りが当然ありますので、そういう考えに立つのであれば、行政その他の一般的支援 が必要になろうかと思います。事業の継続性を担保するのであれば多少やむを得ないか なと思います。 ○間部総務課長  一般労働者でもそうですが、定期昇給があれば頑張ろうというのは障害者の方も全く 同じでして、たとえ10円でも20円でも賃金が上がるというのが励みになり、やる気に もつながりますので、そういった意味で、まだまだ上がる余地はあるというのを示す必 要があると考えています。 ○今野部会長  公園の清掃を受託されていますが、みんなが頑張ってやっていると、清掃のクオリテ ィが上がり、ずっと綺麗になると思います。そうすると発注元の区は料金を上げてくれ ますか。そうじゃないと、給料ばかり上がってしまいますが。 ○岩野事務局長  難しいところでして、純粋にマーケットとして考えると、福祉的なもので区から受託 していますから、民間の企業であれば安上がりになるけど、福祉的な側面という事もあ りますので、区で一定の施策としての配慮をいただいた形でお金をいただいて、受託し ていますので、どうもこれまでの受託だけであればなかなか上げられない。先程総務課 長から説明がありましたが、実は単体ですと赤字になっている。そうなった場合に、企 業の方のCSR活動とか新しい業務展開をしていく中で、もう少し付加価値を付けるの かどうか、従業員の方たちの賃金を上げていくような形にしたいと考えておりまして、 もしそういうことが可能であれば適用除外もなくなるので、そういうところを目指して いきたいとは思っています。 ○池田委員  就職が非常に少ないというところで、障害者でも仕事のない人達はたくさんいらっし ゃいますよね。そういう方々は勤めたくないのか、最低賃金以下で働いている方がいら っしゃいますが、親御さんの気持ちなんでしょうか。本人は分からないでしょうから。 ○間部総務課長  親御さんにしてみれば、当然、自分の子供は最低賃金をもらえる力量があると思うで しょうが、当然、申し訳ございませんという風にしていきます。当然、お互いのコミュ ニケーションを良くして、通常からお子様の個別支援の中で目標を定めて、達成できた かできないかで判断させていただく形になろうかと思います。こういうのは、一方的に 行いますと、非常に感情を害される方が多くおりますので、配慮をしていただくことが 重要です。先程事務局長が申し上げたんですが、私どもは、行政に偏った受注になって いますが、これから清掃なんかも、社会一般から、我々に発注していただけるようにす るために、私どもは法定雇用率は達成しているんですが、法定雇用率をクリアしていな い事業所がクリアしている事業所に発注した場合には、クリアしていることにする。そ ういった方向に行政が誘導するような政策をしていただきたいと日々感じているところ です。 ○中野委員  モチベーションがあるということですが、給与明細はお一人お一人、本人に渡ってい るのでしょうか。 ○日高施設長  毎月、明細は本人に渡っています。 ○加藤統括施設長  職員と従業員の方と定期的な個別面談も実施しますし、当然障害者の方ですので、ケ ースワーク的なものも発生しますのでご家族との連携も必要です。 ○今野部会長  それでは全体の質疑はこのくらいで終わりにしたいと思います。  最後に、前回、中野委員と中窪委員から要望があった件について事務局からお願いし ます。 ○吉本勤労者生活課長  すいません。この場を借りて、時間が超過していて恐縮でございますが、資料2−1、 資料2−2についてご説明したいと思います。資料の2−1をご覧いただきたいと思い ます。前回、中窪委員の方からご質問がございましたが、労働基準法第41条の適用除外 と最低賃金法第8条の適用除外許可についてです。以前も申し上げましたように、上の 労働基準法の適用除外は、事業場単位であること、また特に有効期間というのがござい ませんので、数が積み重なっている一方で、最低賃金の方は個人単位ということで、単 純に比較できませんでしたので、下に注が書いてありますが、平成18年に新たに適用除 外許可申請が出てきたもののみを調べました。結果として、断続的労働につきましては、 労働基準法の適用除外を受けているものの約7割が最低賃金の除外許可を受けています。 監視につきましては、約4%です。断続的労働につきましては、この前も申しましたが、 手待ち時間が含まれている、労働時間が長いことで、結果的に一時間当たりに換算しま すと、どうしても最低賃金を満たさないということで除外申請が出される例が多いと聞 いております。  もう一つ、資料の2−2ですが、最低賃金の適用除外に係る事例ということで、中野 委員の方から、前回ご指摘がございました。今日もお話がありましたように、事業場の 方で個々の能力の判定等を行っていただいて、適用除外をしなければならない例につい ては、こういった形での申請が出ております。これは労働基準監督署の方で確認をして、 許可を出しているところでございます。先ず、一つ目につけておりますのが、障害者の 例です。クリーニング業でございますが、洗濯物の折りたたみをしている事例でして、 右下にありますように、事業主より、健常者の方から50%程度の労働能力ということで 除外申請が出てきています。次のページをみますと、こちらにあるように、障害の程度 を表すものや、タイムカード、賃金台帳などとともに、作業実績に関する資料というこ とで、この例ですと、1枚折りたたむのに何秒くらいかかるといったものをあらかじめ 測っていただいた上で添付して申請をしていただく。その次に、労働局長から出した許 可書を添付していますが、申請に基づきまして、労働基準監督署の方で現地にまいりま して、実際に申請のとおりかどうかということで、直に確認をいたしまして、この例で すとそのとおりだということで、許可が妥当という流れになっています。  その後にも、3つほど例を添付していますが、手続きの流れとしましては同様でござ いますが、4ページでございますが、軽易な業務ということで、2つ付けておりますが、 最初はいわゆる高齢者のいわゆる生きがい労働のようなものです。前回数字をお示しし ましたように軽易な業務については、年間数十例位しかございません。本当に例外的で 軽易な業務に限られているという前提でご覧いただければと思います。これは段ボール の加工の工場なんですが、その業務ではなく、高齢のためにその作業が困難だというこ とで、その事業場内にある清掃やゴミの分別ですとか、草むしりとか、清掃といいまし ても、他の従業員の方が行っている清掃とは別に、気がついたときにゴミを集めるとか 分別するとか、ノルマのない非常に軽易なものだと。これも実態を確認しまして、60% に相当する額で許可されています。  それから7ページですが、軽易な業務のもう一つの類型として、監視の業務がござい ます。労働基準法上の労働時間規制の除外許可を受けていることを前提ですが、その中 でも最低賃金の適用除外があるものは、これも非常に少ないと申し上げましたが、そう いった例外の事例を探してお付けしています。守衛といっても様々ですが、身体とか精 神の緊張の度合いが非常に少ない業務ということで、次の8ページに労働の態様という ことで示していますが、4人の方が交代でローテーションを組んでいるという例です。 具体的な内容としては、受付や緊急時の電話応対もほとんど数がないということで、工 場内の定時巡視も危険なことはないということで、これも実態を個別に見まして、守衛 の中でも軽易ということで許可をしたものです。  最後に10ページですが、断続的労働に従事する者ということで、これも典型的な例で、 寮の管理人の例を付けています。断続的労働ですので手待ち時間が非常に長いというこ とで、結果的に労働時間は長くなっていますが、11ページに記載していますが、労働の 態様で書いておりますが実際の実働は合わせて4時間くらいです。郵便・宅配便の配布 であるとか、夕刊の配布といったものでありまして、そのような労働の態様ということ で、全体からみますと62%ということで許可したということです。 ○今野部会長  ご質問等ございますか。 ○勝尾委員  すいません、単純な質問なんですが、この施設の方も申請を出したときに 必ず労働 基準監督署が来てみていただいたとおっしゃっていましたが、こういう事例があったと きに必ず全部行くようになっているんでしょうか。 ○吉本勤労者生活課長  そうです。 ○加藤委員  最終的に支払う許可金額ですが、1ページを見ますと、もともと445円の申請で、申 請した額で許可がされていますが、今までは申請した金額で許可をしていたんでしょう か。それとも現場を見て減額率を決定してきたのでしょうか。 ○吉本勤労者生活課長  もちろん、申請のとおり許可している例ばかりではなくて、実地調査したところの能 力よりもさらに低い申請の場合は許可の対象になりませんので、もっと高いところでと いうことで申請をお出し直しいただくケースもございます。ただし、この申請をみます と、健常者に対して50%程度の能力ということでありますので、実地調査を行った結果 の労働能率がこのとおりであれば、この前ご覧いただいた許可基準に照らせば、50%以 上払っていただければ許可基準には達していますが、この例であれば支払おうとする賃 金が61%相当ですので、それを上回る額ということで許可をしています。 ○今野部会長  よろしいでしょうか。私、時間を30分間違えていたようで、オーバーしていました。 それでは次にいきます。次回の予定について事務局からお願いします。 ○吉本勤労者生活課長  次回は省令の案の要綱についてお諮りしたいと思います。日程は速やかに決めて、改 めてご案内したいと思いますので、よろしくお願いします。 ○今野部会長  本日の部会はこれで終了いたします。議事録の署名ですが、高橋委員と吉岡委員にお 願いいたします。福祉工場の方、ありがとうございました。それでは終わります。                    【本件お問い合わせ先】                      厚生労働省労働基準局勤労者生活部                      勤労者生活課最低賃金係                       電話:03−5253−1111                               (内線5532)