08/02/05 第4回特別用途食品制度のあり方に関する検討会議事録 ○田中(平)座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第4回特別用途食 品制度の在り方に関する検討会を開会いたします。  委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中御出席いただき、誠にありがとうご ざいます。  議事に入る前に、事務局より本日の委員の出欠について報告をお願いいたします。 ○玉川室長 委員の出欠状況でございますけれども、本日は内田委員が所用により御欠 席されております。 ○田中(平)座長 それでは、事務局から本日の配付資料について確認をお願いしたい と思います。 (配付資料確認) ○田中(平)座長 ありがとうございました。配付資料についてはよろしいでしょうか。  それでは、議事次第に従って、今後の特別用途食品制度の在り方について御議論いた だきたいと思います。前回の検討会では、それぞれの対象食品に関係する団体等の方か ら御意見を伺う機会を設けましたが、その結果も踏まえまして検討に当たっての具体的 な論点、資料1に沿って御検討いただきたいと思います。  本日の予定としましては、「2.現状に対応した対象食品の見直し」につきまして再度 御議論いただいた後、「3.対象者への適切な情報提供」について御議論いただくことを 考えております。  初めに、「2.現状に対応した対象食品の見直し」についてですが、この問題に関しま しては、これまでの検討会における議論といたしまして、新たに特別用途食品制度の対 象とすべきものとして、濃厚流動食を考えるべきではないかと。それから、低ナトリウ ム食品や低カロリー食品等、栄養表示基準で対応可能なものについて、なお制度の対象 とする必要があるのか。これが一つ大きな問題となるのではないかと思います。それか ら、病者用組合せ食品や宅配病者用食品について、実態に照らしてどのような対応を講 ずべきか。それから、高齢者用食品について名称や対象範囲について見直しが必要とな るかといった点について御意見をいただいたと思います。  こうした点につきまして、前回の意見聴取等も踏まえまして再度御議論いただきたい と思いますが、低ナトリウムや低カロリーという表示に関し、病者用食品の対象から外 れた場合の取扱いについて疑義がありましたので、この点について改めて事務局から説 明をお願いしたいと思います。 ○玉川室長 それでは、資料2に基づきまして御説明させていただきたいと思います。  前回の団体等からの意見聴取の際、取扱い等について御質問がありました低ナトリウ ム等の表示等の取扱いでございますけれども、これにつきましては、健康増進法に基づ く特別用途食品制度と栄養表示基準制度というもので、栄養の成分について定められて いるところでございまして、個別の条文につきましては資料2の3ページに同法の第26 条と第31条の写しをつけております。また、それぞれの制度自体がどういう目的であ るか、手続や流通方法について書いていますが、ここでは、具体的にどういう場合に適 用となってそうしたものを表示することができるのか、あるいはその際どういう文言な のかということについて、代表的な議論の対象となっていたと思われます低ナトリウム の場合と低カロリーの場合を抜き出しまして、特別用途食品と栄養表示基準で対比して 御説明させていただきたいと思います。  まず、低ナトリウムについてでございますけれども、病者用食品の中で規格がさまざ ま定められておりまして、詳細につきましては第1回の資料2−11にあるんですけれど も、ここで関係するものといたしましては、ナトリウムが通常の同種の食品の含量の 50%以下であることというのが規格となっております。この場合どういうことが表示で きるかというのは、高血圧に適する旨といった、まさに病者の用途とともに、低塩、減 塩など、低ナトリウムを意味する文字が表示できるといいますか、必要な表示事項とし て記載しなければならないこととされているところでございます。  一方、一般の方々を対象といたしました栄養表示基準の場合でございますが、単に栄 養の成分量を書いているということではなくて、強調している表示というカテゴリーが ございます。その中でカテゴリーがあるわけですけれども、「低い旨」の表示、「何々よ り低減された旨」の表示、それから「含まない旨」の表示という3つのタイプの表示例 がございます。  表示の例といたしましては、例えばナトリウムの場合でございますけれども、低い旨 といたしますと「低ナトリウム」「低塩」「塩分控えめ」。それから、何々よりも低減され たということですと「減塩」とか「食塩何パーセントカット」。それから、含まないとい うことですと「無塩」とか「ナトリウムレス」ということになるわけです。この場合、 どういう場合にそうした表示ができるかというのは、基本のルールといたしましては 100g当たり、液状のものについては100ml当たり、低い旨であれば120mg以下であ ること。それから、低減されたものであるということであれば、100g当たり120mg以 上が減少していること。それから、含まないということですと、100g当たり5mgに満 たないことというのが原則のルールでございます。  しかし、例外と言いますか、特別な取扱いが設けられているのが、注2でございます。 ナトリウムにつきましては、しょうゆの場合は低減割合が20%以上ということになって おります。比較的対象食品が多いものとしてしょうゆ等があるわけでございますが、しょ うゆの場合ある程度塩分量がありますので、低いないしは含まないというものは該当す るものがほとんどなく、結果的に(2)のパターンがほとんどということになると思うんで すが、その場合ですと、同種の標準的なしょうゆに比べて20%以上減少していることが 必要です。塩分量が比較的多いものですから、120mg以上減少している製品の数という のは、かなり多いことになりますので、20%以上減っている場合に初めて減塩が名乗れ るということになっております。  それから、説明の順番が逆になってしまいましたが、注1で通常の食品の場合50%以 下であることということでございますが、しょうゆの場合はこれについても例外的な取 扱いということで、100g当たりのナトリウム量が3,550mg以下という基準が定められ ております。  注3でございますが、低減されている場合、(2)の場合でございますけれども、ほかの 食品と比べてこれがどれだけ減っているかという表示が必要ということであります。そ れがない場合は低い旨の(1)の表示と判断されるということになりますので、どれくらい 減っているかということが併せて表示が必要となります。  また、注4でありますが、これは減塩といって「塩」という文字が出てきているんで すが、基準上はナトリウムで見ておりますが、表示としては減塩といった取扱いができ るということになっているものでございます。  こうしたものを満たせば、一般の方向けの表示といたしまして、強調表示で減塩とい うことを名乗ることができます。勿論、その際には病者用ではございませんので、「高血 圧に適する」ということを表示することは当然できませんが、「減塩」という文言に限っ てみれば、こういうものをクリアしていれば名乗れるという状況になっております。  それから、低カロリーの場合でもう一つ御説明したいと思います。低カロリーの病者 用の食品でございますが、これにつきましても通常の同種の食品のカロリーが50%以下 であるということが主な規格となっております。穀類の製品については75%以下という 例外的な取扱いとなっているところでございます。  その際の表示の例といたしましては、糖尿病に適する旨とともに低カロリー、低エネ ルギーを意味する文字というのが同じく必要的な表示事項となるわけでございます。  では、一般の方向けの栄養表示基準の中で低カロリーというものがどういう場合に表 示できるかということでございますが、これも「低い旨」、それから「何々より低減され た旨」「含まない旨」と3種類の表示が可能でありまして、それぞれ「低カロリー」「カ ロリー控えめ」「カロリー何パーセントカット」、「ノンカロリー」「カロリーゼロ」といっ た表示になるわけでございます。その際基準といたしましては、食品100g当たり、液 状100ml当たり40kcal、液状の場合には20kcal以下であること。低減されているとい う場合ですと、それ以上減少していること。含まないということでございますと、100 g当たり5kcalに満たないことといった基準値を満たせば、これらの表示ができるとい うことになっております。  いずれの場合におきましても、これらの表示をする場合には低ナトリウムの場合です とナトリウムの量、それから、低カロリーにつきましてはカロリーの熱量の値につきま しても、併せて表示しなければならないということになっているところでございます。  以上、御説明させていただきました。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明を踏まえて「2.現状に対応した対象食品の見直し」に ついて御発言をお願いしたいと思いますが、とりあえず先ほども申しましたように、低 ナトリウム食品や低カロリー食品等、栄養表示基準で対応可能なものについては、特別 用途食品の制度の対象とする必要があるのかどうかということについて、まず御発言い ただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  基準値で括弧の中の値がありますね。例えば、低ナトリウムですと「食品100g(液 状100ml)当たり120mg(120mg)」というのがありますね。カロリーの方は「40kcal (20kcal)」とちょっと数字が違いますね。この括弧の説明をしていただけますか。 ○玉川室長 括弧内は液状の場合の取扱いでございまして、結果といたしましてナトリ ウムの場合は同じということでございますけれども、カロリーの場合につきましては液 状の値が違っているところがあるということでございます。 ○田中(平)座長 括弧同士が対応するという意味でございます。  どなたか御質問・御意見ございませんか。低ナトリウム、低カロリーはもう外してし まうというような意見もあったわけですが、そういった点についていかがでしょうか。 ○藤谷委員 もし、例えば低ナトリウムを外した場合には、しょうゆは特に高いので、 栄養表示基準では減塩しょうゆが売れないから、栄養表示基準の方を変えて、栄養表示 基準に何らかのしょうゆに関するコメントをつけていただかないと、今、減塩しょうゆ として病者用食品で売られているものが減塩で売れないということですか。 ○玉川室長 栄養表示基準を満たすものについてですが、しょうゆであっても恐らく(2) 「〜より低減された旨」に該当するものがございまして、それは減塩のしょうゆとして 栄養表示基準に基づいて減塩の表示ができるものでございます。  若干詳しい数値について補足説明をさせていただきますけれども、食品の標準成分表 上は、しょうゆの場合100g当たり5,700mgというのが標準的なナトリウムの量という ことになります。特別用途食品の場合でございますと、100g当たり3,550mg以下とい うのが現在(1)に基づいて認められている表示の内容ということになろうかと思います。  通常の食品でございますと100g当たり120mg以上減少していることと言いますと、 もともとの標準的が5,700mgですから、そこから120mgを除いた数字というのが通常 なんですが、もともとかなりナトリウムを含んでいるものでありますので、余りナトリ ウムを除去したことにならないというので、同種の標準的なしょうゆに比べて20%以上 ナトリウムが減っている場合には、栄養表示基準に基づいて減塩が名乗れるということ になっております。したがいまして、単純に5,700mgに80%を掛けますと4,560mg未 満であれば、栄養表示基準の中で減塩として名乗ることができる。勿論パーセントとか 何とかということも、どれくらい低減されているかということを名乗らなければならな いわけですけれども、そういうことを表示することができるということであります。  ただ、今までですと高血圧に適するとか、そういう病者用の表示もあったのが、そう いうものがなくなって単純に減塩ということと、あとナトリウム量だけが表示されると いうことになりますので、そうしたことで対応ができるのか、あるいは今までの病者用 のような特別な取扱いがなお求められるのか、こういうところについて御判断をいただ ければと思います。 ○田中(平)座長 具体的に言いますと、資料2で現在は例えば、低ナトリウムでした ら(1)特別用途食品と病者用食品にあったものを、(2)の栄養表示基準にしようというこ とです。 ○中村委員 2つの問題を検討していただきたいんですが、1つは、どちらの制度にし た方が品質がより担保できるかということです。つまり、栄養表示の制度にしたときに、 本当にナトリウムの量がこのぐらいになっているのかをどのように担保していくかとい うことが1つ。  もう一つは、表示の方法で病者用食品のカテゴリーに入れておきますと、高血圧等に 適するとか、低カロリーにしていた糖尿病や肥満等に適するという、消費者側としては 適用の具体的なものが非常にはっきりするわけですが、栄養表示にしていきますと、単 に低ナトリウム、低カロリーというので、どういう人たちがこれを使えばいいのかとい うことが情報として伝わらないという危惧はないでしょうか。  以上の2点です。 ○玉川室長 2点について御説明させていただきたいと思います。まず、表示の内容が 中身に対して担保されたものとなっているかどうかという点でございます。1つは、特 別用途食品の場合は許可の申請が上がってくるときに、当該食品に対応いたします資料 が上がってまいりますので、そうした手続きの中で事前にチェックをするということは 可能となっております。  それから、実際に市販後、許可内容どおりものが流通しているかどうかということに つきましては、特別用途食品については健康増進法に基づいて厚生労働大臣または都道 府県知事が収去することができることとなっておりまして、国立健康・栄養研究所で試 験を行うことになっております。ただ、収去の規定に関しましては、単に特別用途食品 の場合のみに収去ができるものではありませんで、健康増進法の第32条第3項という ところで、栄養表示基準に基づいて表示をされている食品についても対象となっており まして、市販後市中にあるものについては収去して検査するということは可能となって おります。勿論、栄養表示のある食品の量・種類というのはかなり多うございますので、 どこまで実効性を持って見ることができるかという問題はあるわけですけれども、一応 こうしたことによって表示の内容の申請性の担保ということを図っているところでござ います。それが第1点目の御質問の答えになろうかと思います。  もう一点の御質問でしたが……。 ○田中(平)座長 糖尿病等あるいは高血圧等の病名がある方が、一般の人々にはわか りやすいのではないかという御質問でしたね。 ○玉川室長 失礼いたしました。勿論表示の中身として、そうしたものが一つの手かが りとなるという面はあるとは思うんですけれども、初めに、その食品をとってそれから 栄養管理を受ける、あるいは医師の指導を仰ぐというよりも、そもそもそうした栄養指 導という関係が既になされている中でどういう食品が適するのかという選択があって、 その際にどこまで表示されたものであれば選択に資するのかという関係に、恐らくもの の順序としては展開していくのだろうと思います。ですから、栄養管理とか指導の際に どういう表示内容があれば、そうしたものに資するのかというところから御判断を賜れ ればと思います。  以上です。 ○田中(平)座長 もう一つは、日本は先進国の中でも食塩摂取量が高いわけですよね。 そうすると、別に高血圧者でなくても日ごろから低ナトリウムということは高血圧の一 次予防につながるという意味合いもありますよね。そういったところからも出てきたの ではないかと思われるわけです。日本人には、できるだけ食塩摂取量を日ごろから減ら すのがいいですよという保健知識が広く普及してきているのです、高血圧者だけでなく て、低カロリーの場合も同じように、通常であれば不必要に摂取量が多い、つまり消費 量に比べて摂取量がはるかに多いわけですから、日ごろから低カロリーのものが望まし いだろうというような意味も大きいのではないかと思います。 ○中村委員 もう一ついいですか。気になっているんですが、恐らく栄養表示制度の方 に移行すると、製品が通常のマーケットに出てくると考えていいですね。 ○玉川室長 既に栄養表示基準に基づいて、減塩として通常のマーケットで売られてい る製品はかなりあります。そういうものもあるのですが、その一方で人形マークを付け たものもあって、かえって混乱をしているような事態になっていないだろうか。むしろ 本当に押さえるべきところというのは、実際に何カロリーなのかとか、単に減塩かどう かという文字だけではなくて、食塩の量としてどれくらいなのかというところをコント ロールすることなのではないか。その方が、むしろ「減塩」という文字だけを見るより も、実際には、指導の中であれば、なかなか難しいところなのかもしれませんけれども、 より御本人の状態に応じたものなのではないかと思います。  ですから、そうしたものが市中のマーケットで一般の方も対象として流通していると いうことであれば、対象者も多分多いので、アクセスということから考えても、もし使 えるものであれば御本人にとってもそれは利用価値があるものなのかもしれません。本 当にそういうものでは不十分なのかどうかということが問題でありまして、商品として は既に出ているというのが実態であります。 ○中村委員 病者用食品をそもそもつくったときのきっかけというのは、例えばナトリ ウムの量を普通のしょうゆの半分にするために、NaClをKClに換えて、おいしさを 維持しながらナトリウムの減塩効果を見いだそうというのが減塩食品なんです。低ナト リウムによって血圧を下げようとすればkの量が多くなるわけです。そうすると、腎疾 患を起こして高血圧を起こしてくると、この減塩しょうゆを使えば使うほど腎障害が悪 くなってくる。例えば、低カロリーにおいても当時、還元麦芽糖などを使ってといたと きに大量にとると下痢をしてしまうのです。通常の食品よりも成分を人工的に加工して いるわけで、使い方によってはその食品自体がリスクを背負ってしまうのです。だから、 医師や管理栄養士の指導のもとに野放しで販売できないように病者用の食品ですよとい うので、この制度はつくられたと私は理解しています。  だから、これは利用者にとって手軽に利用できるというメリットの部分も出るんです が、リスクもあまねく広まってしまうという両方を考えていかないと、まずいのではな いかとの心配はあります。 ○田中(平)座長 そうしたら、浜野先生、コーデックスの強調表示というのはクレー ムのことでしょうけれども、それはさておきまして、栄養素の含有量表示には、絶対的 なものと相対的なものがあるわけですね。それから、もう一つが栄養素の機能の表示と いうことで、我が国では、栄養機能食品で採用されています。コーデックスの栄養素含 有量表示は、特に、相対的表示は特別用途食品的なものなのか、栄養表示基準的なもの なのでしょうか。 ○浜野委員 コーデックスにおいても同様の低ナトリウム食品の基準というのがありま して、この場合の規格基準はまさに特別用途食品と栄養表示基準を合わせたような考え 方なのです。コーデックスの場合は、通常の食品の50%以下であり、かつ、食品100g 当たり120mg以下というのが基準です。  更に、その場合の表示に際してですが、中村先生のご懸念のように、必ずカリウムの 量を記載することということが基準の中で決められております。それ以外にしょうゆや みそのような、もともと通常の食品で塩分の高いものというのは基本的にはコーデック スでは対象として考えてはおりません。日本独特の食品ということで、たしかヨーロッ パもほぼ同じだったと思いますが、ちょうどいい参考となるようなものというのはなさ そうに思います。先ほどのカリウムの件は、仮に中村先生の言われるようなご懸念があ るとすると、特に減塩しょうゆ、その他では、カリウムの部分というのは考慮の余地が あるかなと思います。 ○田中(平)座長 特別用途食品、コーデックスはFood for special dietary use みたいに書いていますよね。そういう方向でなくて、コーデックスはどちらかというと 栄養表示基準的な要素ですね。 ○浜野委員 その通りです。基本的には栄養表示基準、低カロリーの場合もそうです。 ○田中(平)座長 国際的にはそういう流れですね。アメリカやヨーロッパは、ナトリ ウムよりもむしろlow fat(低脂肪)の方を非常に気にしておりますけれども。  中尾先生、御専門の立場から。 ○中尾委員 私は特別用途食品は病者の管理ということで、この食品を使わなければ病 気のコントロールが格段にしにくくなるというような食品とか、あるいはその食品を使 わなければ生命の維持が格段に難しくなるというようなものだけに絞った方がいいん じゃないかと思います。  先ほど中村先生から、低ナトリウム食品はカリウムが入っているから危ないというよ うなことをおっしゃいましたけれども、実はカリウムの入っているような食品、サプリ メントというのは世の中にたくさん出回っていまして、そういう安全性というか逆の面 を取り上げて、この特別用途食品の中に包含するとなると、物すごく範囲が増えてしまっ て、目的を逸脱するというような感じになりかねないなと思います。ですから、病気の コントロールあるいは生命の維持に、それを使わないと格段に困難だというものに限っ た方がいいんじゃないかと考えているところです。 ○田中(平)座長 ほかにどなた御意見ございませんか。 ○浜野委員 低ナトリウムも低カロリーもそうなんですが、いわゆるこの食品が対象と している高血圧の人あるいは糖尿病、肥満の方という、まさに病者用食品の対象として いる方たちの使用比率は、該当する商品全体の中では少ないのだろうとは思いますが、 一方では、こういう表示が、勧める側にとっても、それから、使用する側にとってもど うしても必要、あった方がいいというのであれば、その範囲内でやはり残さなければい けないのかなという部分もあると思います。一般論としては、私もなくてもいいと思い ますが、これがあることでそういう人たちの役に立つということがあれば、それは一考 の余地はあるかなと思っております。 ○田中(平)座長 山田先生、いかがでしょうか。 ○山田委員 私としては、一般の方、消費者の方への教育普及啓発というものが最初に 来た方がいいのではないか。こういう低ナトリウムあるいは低カロリーという、これか らのごく普通の生活において食生活を見直すという考えであれば、減塩しょうゆも確か にスーパーで売られています。それを一般の方々が購入される場合に、医師あるいは管 理栄養士の管理のもとにというところと相矛盾するような形が現状であるというのは、 少し不可思議ではあるなと思います。勿論先ほどのカリウムの件は非常に重要でありま す。しかしながら、商品設計をする場合に、製造者、販売する方々がこのようなキャッ チフレーズで、特定の人たちだけというよりは、ごく普通の人々が栄養表示を見て自分 で考えていくというようにする方が大切と考えます。特に組み合わせ食品あるいは本当 にそれぞれの特別用途食品を必要とする以外にとっては、一般の方々にも考えながら選 んでもらうという方向にいく方が妥当であると私は考えています。 ○田中(平)座長 井上先生、臨床医の立場からいかがでしょうか。 ○井上委員 非常に難しい返事の仕方になると思いますけれども、実際の現場で病院が どう使っているかということを考えたときに、余り特別用途食品として使っていないと いう現状がありますので、その辺も考えてみたらどうかなという意見です。それ以上は わかりません。 ○田中(平)座長 ほかにどなたかございませんか。 ○小池委員 質問なんですけれども、栄養表示基準に載せるようにつくったがゆえに生 じるリスクというのがあるわけですよね。先ほどのカリウムをナトリウムの代替で使っ たから、逆にリスクが出てくるという場合に、リスクについて警告するような規制があ るのか。それがないので特別用途食品という制度を使ってリスクに対応するとか、別の 制度を別目的に使っているような気がするので、特別用途食品から外して、ただ、リス クについては別の形で対応するというのができれば、それでいいと思うんですけれども。 ○玉川室長 今の栄養表示基準というのは一般的な食品全般についてのルールというこ とで定めているわけですけれども、注3とか4を見ていただければわかりますように、 個別の食品ごとに応じて幾つかの例外といいますか、特則みたいなことを設けておりま す。そうした中で、場合によって必要があれば、そうした例外的な取扱いで担保すると いったことによって、より幅広い対応をするということは可能だろうと思います。  ただ、念頭に置きます個別のリスクについて、それ以外にもあって、例えば流通の一 般な話とか、栄養指導の局面において、そもそも病者用という形態でなければそれが担 保できないということであれば、そもそも枠組みとして病者用の中からなかなか抜けら れないのだろうと思いますけれども、例えば、カリウムの取扱いということですと、個 別の対応については、こうした例外的な取扱いを見直すということで考えられると思い ます。 ○田中(平)座長 ほかにどなたかございませんか。  低ナトリウムを直ちにカリウムで補っているというわけではないですよね。そういう ものもあるということです。別の言い方をしますと、先ほど言いましたように、従来の 低ナトリウム食品などの特別用途食品はハイリスク・ストラテジー的なものだった、高 血圧の患者さんのための食品とか糖尿病の患者さんのための食品ということだったので すけれども、このことに加えて広く国民が減塩を認識してもらう、低カロリーのものを 認識してもらうというような意味でポピュレーション・ストラテジー的な方向もあるの かもしれませんね。広く一般の人に普及していったらいいだろうというところから出て きた話です。  ほかにどなたかございませんか。 ○中尾委員 この特別用途食品制度は形骸化していて、余り普及していないということ があるんですけれども、これは企業側にとっても余りメリットがないという点と、ユー ザーというか患者さんにとっても、申請されていないものを使っても、あるいは申請品 を使っても差はないということがあるのではないかと思います。ですから、その病気に 対してどうしても使わなければ特段に食事療法がやりにくくなるというような食品群も あるわけですから、それについては特別用途食品として認めて、それを使わなくてはい けないような病気の人に補助・保護すると。健康保険制度との連携とか、あるいは補助 金のような制度が一緒にできればいいんじゃないかと、患者さんにとっても有利になる のではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。 ○田中(平)座長 犬伏委員はどうでしょうか、消費者側から。 ○犬伏委員 すごく難しくてあれなんですが、今、中村先生がおっしゃられたカリウム、 例えば、最初に言いましたけれども、高齢化されていますし、在宅でいらっしゃる方々 はたくさんおりますから、特別用途食品がドラッグストア等で売られているとしたら、 介護する人間にとってもすごく便利になるのかなという気もしていたんですが、おっ しゃられるように高血圧の方にはいい減塩であったとしても、それが私たちは勝手に 思ってしまうというのがありまして、「減塩だ、全体的にナトリウムを減らさなければい けないんだ、だからこれ」と買ってしまって、その実、腎機能が落ちていた人だったと いうようなことがあると、自由に買えるところに売られているという部分であるなら、 先ほど表示というお話がありましたけれども、小さな表示があって、どれだけその方が 目をそこにつけるかというのが問題な気がするんです。そこにドラッグストアなりスー パーなり病者用の食品を置いているコーナーがあって、そこから買う限りは、必ずお医 者さんからの指導があった人がとってくるのだというカバーがあるならばいいんですが、 それも面倒な話ですから、自由にとれるとなったときどうなのかなと。後になってから 失敗というのが出てきたら、先ほど山田先生は教育とおっしゃられたんですが、教育と いう部分がどこまでいくのかなという杞憂ばあさんとしては杞憂を感じてしまいます。 ○田中(平)座長 むしろ広く一般に低ナトリウム食が普及していくときには、なお一 層、管理栄養士の活躍が期待されるわけですね。いわゆる広い意味での栄養教育・指導 というようなことで。  低ナトリウムは直ちに危険だと、そんなことはないわけで、ある意味では腎疾患の人 にとってもプラス面があるわけです。しかし、ナトリウムがカリウムにすべて置き換わっ ている場合もありうる話で、その場合は、腎疾患の患者さんにとっては問題となるので しょうけれども。  ほかにどなたかございませんか。ここで結論的なものはなかなか出しにくいようです けれども、塩化カリウムが塩化ナトリウムの代替として入っている食品、そういうもの がどれくらいあるか私も把握しておりませんが、多いんですか。そんなに多くないんで すか。 ○玉川室長 しょうゆについてはカリウムはもともと使用されていないとお聞きしてお ります。その他で塩形態のものがナトリウムに代わってカリウムに置き換わった製品が あるやに聞いております。 ○田中(平)座長 いわゆる食塩ですか。食塩、すなわち塩化ナトリウムが塩化カリウ ムに置き換えられている食品ですけれども、そういうぐらいのレベルですか。  ここでは、そういったことが懸念されたということにしておきたいと思います。  ほかにどうですか。現状に対応した対象食品の見直し。濃厚流動食の問題、病者用組 合せ食品や宅配の病者用食品、それから、高齢者用食品についてはいろいろ意見を聞か せていただいて、そんなに大きい問題はなかったようには思うんですが、どなたか追加 しておきたいという意見がございましたら、ちょうだいしたいと思います。よろしゅう ございますか。ありがとうございました。  「2.現状に対応した対象食品の見直し」についての議論は、この辺りまでといたし まして、次に「3.対象者への適切な情報提供」について御議論いただきたいと思いま す。前回の関連団体等からの意見聴取においては、病者用食品等の情報提供等に関する 事項も含まれておりましたので、そういったことも踏まえまして御議論いただけたらと 思います。  3の項目としましては、在宅療養を行う病者等の栄養管理の適正化を図る観点から、 適正な栄養管理に関する知識や目的に合った食品選択を支援するための情報の普及を進 めるべきではないか。それから、摂取対象者における栄養管理に関する基本的な知識の 普及と、専門職員双方による適切な栄養管理を推進するため、特別用途食品の製品情報 及び最新の知見や文献に基づく栄養療法(疾患等ごとの栄養管理や食事管理等)に関す る情報のデータベース化などを進めてはどうか。それから、特別用途食品の利用方法等 に関する摂取対象者の適切な理解を深め、特別用途食品を利用した適切な栄養管理を行 いやすくするという観点から、特別用途食品の表示、宣伝広告や流通の在り方等を見直 すべきではないかといった事項が挙げられておりますので、順番に御議論をいただきた いと思います。  最初の在宅療養を行う病者等云々というのがありますが、その辺りから議論をお願い したいと思います。いかがでしょうか。これはやはり中村先生から話していただいた方 がいいかもしれませんね。 ○中村委員 今、大きな問題になっているのは、在宅に行ったときに食事療法や栄養管 理をどうやって継続できるかということだろうと思うんです。こういう病者用食品を在 宅で自由に使えるということは、継続するために大変便利になっていくだろうと思うん ですが、そのためにはそういう教育・指導というのが必要なわけであります。実は今、 後期高齢者医療制度の中で議論されていることが一つあるのですが、退院する前に必ず 家に戻ったときの栄養食事管理や指導を診療報酬としてみとめることが検討されており ます。だから、病者用食品を在宅でうまく使うということにおいても、やはり入院中に 使っていたものと同じように、退院する前に必ず栄養指導を義務付けるというか、それ が制度に乗っかるような仕組みをつくったらどうかなと私は考えております。 ○田中(平)座長 ほかに御意見ございませんか。  ある意味では当然のことかもしれませんね。情報の普及を進めていくべきであると思 いますが、何か具体的な案でもありましたら御提言願えたらありがたいんですけれども。  犬伏先生はどんなことを期待されますか。 ○犬伏委員 入院をしないままに在宅で栄養管理をしなければいけないというもので大 きいのは糖尿病なのかなという気がするんですね。糖尿病で在宅でいらっしゃる方々に、 今はいろいろな宅配というものがあって、糖尿病用の食材を届けてくれるというものも あるわけですけれども、おうちで、しかも、もしかしたらお一人でいらっしゃる方々へ、 どうやったらいいのかと。今は簡単にネットと言われてしまうことが多いんですが、ネッ トですとかそういうものでは、なかなか現場にまで届かないのかなという気がします。 そこをどうやって届かせてもらえるのか。保健所もなかなか皆さん足が重いという気が しますので、掛かりつけのお医者様での教育というのが一番かなと私としては思うんで すが、あるいはドラッグストアとか、そんなところでしょうか。 ○藤谷委員 私の患者さんなどはネットもできないし、カタログを見ても通信販売すら も面倒でできない方々もとてもとてもたくさんいらっしゃるので、退院したときだけは 保険適用になるとやるんですけれども、しゃべるだけしゃべってしまって、患者さんが 結局守れるかどうかまでのフォローをしないことも事実上はすごく多いし、それから、 今回もヒアリングで実際にどのくらいかわかったので、情報を伝えることも大事ですけ れども、逆に言うと、例えば、在宅の方に指導した栄養士さんなどから、実際に特別用 途食品がどのくらい使われているかとか、なぜ使えないかとか、理由は何かとか、そう いう問題点を吸い上げる仕組みなりをある程度つくらないと、次の対策が立てにくいか なと思います。掛かりつけ医と犬伏委員がおっしゃったのは確かにいいと思うんですけ れども、では、実際に在宅療養の患者さんたちが栄養療法を十分にできなかった場合の 阻害因子は何なのかということが、今わかっていない状態のまま推測で言ってもしよう がないかなと思います。 ○中村委員 実は、掛かりつけ医のもとで栄養指導がされていないというのが最大の問 題だろうと思っているんです。要するに、診療所に栄養士・管理栄養士がいない。とこ ろが、多くの慢性疾患の患者さんは、診療所に通っていらっしゃるんですね。診療所に 管理栄養士をどのように配置するのか、この仕組みをどうやってつくっていくかという のが、大きな課題です。各都道府県の栄養士会が中心に、医師会と連携して掛かりつけ 医のところに管理栄養士を派遣するとか、掛かりつけ医が週に1〜2回ぐらい管理栄養 士を雇うとか、部分的にはそういう運動が起こっているんですが、国の政策としてやら ないと、いつまで経ってもこの問題は解決しないのではないかと思います。栄養の管理 がうまくいかないで、例えば、腎臓の患者さんなどは特にそうなんですが、進行して透 析に移ってしまうというような現状の打破ができないのではないかと、この問題は本当 に心配しています。 ○中尾委員 中村先生のおっしゃるとおりでありまして、ただ、この場で医薬食品局食 品安全部が今、中村先生のおっしゃったような政策に対してのアクションを具体的にど ういうふうに起こせるのかというところが聞きたいんですけれども。 ○玉川室長 直接には表示の許可制度ということで、特別用途食品の在り方を検討して いただくのがこの検討会ということになりますけれども、そうしたものが実効性を持っ て使われるためにはどういう基盤づくりが必要なのか。その中で、勿論当部の所掌に属 しないこともありますから、そこは調整どころかもっと大きなビジョンに基づいた形で 進めなければならないことかもしれません。けれども、特別用途食品が適正に使われる には、こうした条件づくりが必要だというのは、それはそれでこの検討会として御指摘 いただければ、それが直ちにどういうタイミングで実行に移せるかというのは、ここの 許可制度の見直しほど速やかに動きがないかもしれませんが、また他の制度全体を見る ときの一つのアクションにつながっていくかもしれません。そうした観点からこういう ことも必要だということを複合的に見ていただくことについても御議論いただければと 思います。ただ、どこまで実行できるかというのは、また別のステップが絡む話になる かと思います。 ○田中(平)座長 みなさんからは、採用される意見を出してもらいたいですけれども。  ほかにどなたかございませんか。 ○井上委員 今の中村先生のやり方がどんどん広まれば予防医学も進むと思うんですけ れども、話は簡単であって、診療報酬をつければ済むことなんですよね。確かに病院の 中におりましても、例えば、糖尿病とか腎臓病の場合には、医師が指示を出して食事指 導にいく場合が結構あるんですけれども、それ以外の場合にはほとんど栄養士さんが関 与せずに病院は動いていますから、その部分で例えば、特別用途食品をきっちりと定義 して使うという方向の指導ができるようになれば、またちょっと違う動きができるかと は思いますけれども。 ○田中(平)座長 例えば、糖尿病の患者さんならば、通常の栄養教育指導は管理栄養 士も医師の指導のもとにやっているわけですね。その中で、特別用途食品をどうしたら いいかといった話だと思うんですけれども、その辺り、中村先生いかがですか。 ○中村委員 今でも多くの栄養士・管理栄養士たちは、栄養指導の中でこういう特別な 食品があるからこれを使いなと指導していると思うんですが、井上先生の御意見は栄養 指導そのものも、全員に機能していないのではないかと心配をされているわけです。そ れは管理栄養士の絶対数が少ない、しかも、管理栄養士の配置基準が明確にされていな いために、こういう現状が起こっているのだろうと思うのです。今回のこういう議論が きっかけになり、やはり、まず栄養指導をするというのが前提であるという方向性が出 れば、また少し状況は変わってくるのかなと思っています。 ○井上委員 1回目の資料2−8で、病者用食品と特別用途食品の実態調査をしていま すよね。そのときに病者用食品と今、実際に認可が下りている特別用途食品の間の差が 明確でないというか、特別用途食品はこういうプライオリティがあるんですよというと ころが実際の現場で生きていないところが、特別用途食品制度が形骸化している一つの 原因ではないかと思います。そのところを明確にしないと、一般的に企業が病者用食品 と呼ぶと、それもいいんだという感じになっているところに何か大きな問題があると私 は思うんですけれども。 ○田中(平)座長 実際上は差がないとおっしゃっているんですね。 ○井上委員 そうです。 ○田中(平)座長 しかし、両者よく似たものをサンプリングして中身を測ってみたと いような話もないんですね。品質管理ですね。 ○玉川室長 それは、まさに実態調査の中で、考慮するかしないかというところで受け 止め側から、企業表示を信頼して選択しているというのが実際には現れているのだとは 思います。ただ、病者用といってもさまざまな食品がございますので、かなりセンシティ ブな商品から、先ほど議論があったように、もっと対象がポピュラーなものまである中 で、どういうものを具体的に念頭として置かれているのか、そういうところによっても 違うのだろうと思います。  井上先生がおっしゃるように、この調査では中村先生のところで病者用食品と特別用 途食品という形で集計をしましたけれども、許可されているということについてはっき りと対象を絞って、この範囲は必要ということをもう一回見直して、その代わりそこに ついてはしっかりと見ていく、ということであれば、それ以外のものは、勿論許可を取っ ていないのですから特別用途食品と名乗ってはいけないわけですし、そのようなすみ分 けをはっきりさせた上で、制度の理解の普及啓発に努めていかなければならないと思っ ています。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。 ○藤谷委員 さっき井上先生から保険をつければという診療報酬のお話が出ましたし、 その場合、糖尿病や腎臓に関しては既に診療報酬の裏付けがあるわけですけれども、例 えば、嚥下障害に関しては現在、病院でも嚥下障害者用の食事をつくることは診療報酬 の裏付けはないので、いわんや指導をやということになるわけですね。  それから、もしこれに、名前は何にせよ濃厚流動食がついた場合には、今NSTとい う形で漠然とそういうものはありますけれども、濃厚流動食の選び方あるいは褥創予防 等の食事指導に関する診療報酬も、実はNSTという形で漠然に対応は可能かと思いま すけれども、そういうこともあるので、とにかくそれらの診療報酬の基本的なところが あって、その後更に処方箋がどうのという話にいずれなると思うので、今せっかく特別 用途で選んでいるのに診療報酬になっていないものに関しては、なってほしいという提 言を書いたりした方がいいんじゃないかと思います。 ○飯島委員 実際に我々薬剤師も在宅に行っているケースが結構あるんですけれども、 現状を言いますと、医師、看護師、薬剤師で共同でカンファレンスをして、いざ誰が行 くかというと、服薬支援であれば薬剤師が行ったりとか、診療の部分ではお医者さんが 行ったり、その後手助けで看護師さんが行っていろいろな面倒を見ると。 ○田中(平)座長 管理栄養士は入っていないんですか。 ○飯島委員 たしか入っていないと思うんですよね。それは例えば病院の中で、失礼な 言い方ですけれども、お医者さんの管理下の中で管理栄養士さんがやっているというよ うな状態だと私は思っているんです。だから、それも出してしないと、薬をしっかり飲 んでも栄養の部分がしっかりいかなかったら重症化予防にはならないと私は思うんです けれども、その辺は国が考える仕組みだと思いますので置いておいて、しっかり食事が うまくとれるような仕組み、栄養管理ができるような仕組みというものを、例えば、地 域のボランティアであったりとか、民生委員さんであったりというところでうまくつく れば、こういうような食事はうまく供給ができるのではないか。別に保険を使わなくて も多分できるのではないかと思います。ただ、今の仕組みの中では、なかなか入りづら い部分があるのではないかと思います。話がうまくまとまりませんけれども。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。  そうしますと、2ページのデータベース化、勿論相互関係がありますので、情報普及 も意見を述べていただいて結構でございますが、情報のデータベース化について御意見 を伺いたいと思います。  山田先生の国立健康・栄養研究所では、広い意味で健康食品のデータベース化をされ て、情報発信されていますが、特別用途食品についていかがでしょうか。 ○山田委員 ただいま特別用途食品の部門は私たちの情報ネットの中では準備中という ことで、今のところ議論はしていないです。しかしながら、昨年、今年、来年度に向か ってオープンしようということで、準備を私どものチームが厚労省の新開発食品対策室 と協力しながらやっております。実際には、幾つかの現在の特別用途食品に関する情報 について、食品を作成された企業さんにいただいて、こちらである程度まとめながら、 そして、いろいろな科学的根拠あるいはそれ以外のことについてもお知らせしたいと考 えています。このことは一般の消費者に向かってということも勿論あるのですが、それ よりももう少し医療に特化した方々に判断根拠としていただくためということを中心に 進めているところです。 ○田中(平)座長 もう一つは、学会ではどういう現状なのかということも、また中村 先生とか中尾先生から、もしございましたら教えていただいきたいんですけれども。例 えば、臨床栄養学会とか病態栄養学会、それから、静脈経腸栄養学会とかいろいろある わけですけれども、学会などでは現状はどういう状況なんでしょうか。あるいはこうい う面でのデータベース化とか、そういう動向はないんでしょうか。 ○中尾委員 腎不全については、そういう食事療法をした群としない群の前向き試験と いうのが世界中で何回か行われておりますけれども、結局、薬品のようにうまく2群に 分かれない。どうしてかというと、薬剤の場合はプラシーボを飲んでもらうと。それで 実薬との群で分かれやすいんですけれども、そういう栄養療法と、特に在宅における栄 養療法になりますと、生活の場で患者さん自身がそういう治療を実践してもらわなけれ ばいけないものですから、どうしても2群に分かれにくいんですね。結局余りいい結果 が出しにくいというような状況になっています。 ○田中(平)座長 文献を集めてデータベース化したものを、学会のホームページから 発信するとかそういうものはまだないですか。 ○中尾委員 そこまで体系的には学会としては取り組んでいないです。 ○中村先生 私も、臨床栄養関連の学会に少しかかわっているんですが、まだ学会が主 体的にデータベースをそろえているということは聞いておりません。  ただ今回、田中先生の別の研究班で栄養療法や、食事療法の文献検索をしているので す。幾つかメタアナリシスをやったデータもありまして、低カロリー、低タンパク、減 塩というような食事は、全般的には意味があるのではないかと言ってもいいのではない かと思っております。 ○田中(平)座長 ほかにどなたか御意見ございませんか。 ○井上委員 私は静脈経腸栄養学会の理事をやっていまして、ガイドライン作成委員会 で栄養療法全般に関するガイドラインもつくって本にして出していますけれども、とに かく栄養療法が大事だということはデータとしても出ているといいますか、一般的な概 念としてできていると思っているんですけれども、一番大事なことは今NSTという概 念で栄養療法が大事かなという雰囲気が出てきておるんですが、やはりドクター全般に 関して栄養療法に対する関心が薄いというか、それはどうしても否定できないんですよ。 医師自身に栄養に対する興味が薄いから、それで栄養士に指導しなさいとか、そういう 概念が薄いところが根本的な問題ではないかと私はずっと思っています。その部分をど うやって上げるかということで、NSTという道具を使って医療機能評価機構に入れた り、診療報酬がつくかもしれないという動きをしているんだけれども、一部は動いたけ れども、やはり体制が動いていないというのが現状ではないかと思います。それと特別 用途食品と合わせるとやはりプライオリティを出さないといけないと。特別用途食品を 使って栄養指導をすれば、日本の医療はすべてそうなんですけれども、保険点数がつく という動きをしないと、うまいこと動かないのではないかと私は思っていますが。 ○田中(平)座長 日健栄協の方はおられますか。橘川先生いかがでしょうか、データ ベース化、協会等もそういうことに御関心がありやなしやと言うのはなしですが・・・。 ○橘川委員 まだ私どもは全然準備はできていませんので、そこまでは手が届かないと いう状況にあります。 ○田中(平)座長 今後もやられませんか。やはり健康食品が主体ですか。 ○橘川委員 そうですね、ちょっと人員的な部分もありますので、協会の主としては健 康食品にならざるを得ないというのがあります。 ○井上委員 こう言っては何ですけれども、特別用途食品の情報のデータベース化を図 ると言っても、特別用途食品自体ほかの定義の食品とどういう層別化ができているかと いうことが出ていない限り、幾らデータベース化しても特別用途食品の意義は広がって こないんじゃないかと私は思うんですけれども。 ○田中(平)座長 だから、この検討会で制度の在り方を検討しているんです。 ○井上委員 だから、データベース化の前に特別用途食品のプライオリティは一体何か ということを決めないといけないのではないかと思います。 ○田中(平)座長 浜野先生、国際的な情勢はいかがですか。 ○浜野委員 国際的な情勢という視点からは、なかなか適切な意見というのは出しにく いんですが、この検討会の最初のころの議論にもあったと思いますが、まさに特別用途 食品というものをどう位置付けるのか、別の言い方をしますと、今回議論にもなりまし たように、低ナトリウムとか低カロリー、比較的一般化された食品も含めた比較的広義 な形にするのか、もっと絞り込んで本格的な意味の病者用食品という位置付けにするか という、多分そこの部分を抜きにするとこの議論にはならないのかなと思います。かな り特化したといいますか、専門的な病者用食品という位置付けができればある意味、保 険適用という道も開ける可能性があるという意味で、この検討会の域を少し超えるかも しれませんが、少なくとも意見としてはそういう方向でというのも一つの在り方かなと いう気はいたします。やはり私も、どうしてもそこのところに戻ってしまうような気が します。 ○玉川室長 事務局から補足させていただきます。こうした項目を論点として出した理 由でございますけれども、まさに特別用途食品自体の意義をどう考えるかというところ に結びつくものでありまして、通常の食品では対応が困難な特別用途向けの食品群があ るというのは絶対そのとおりであるわけですけれども、それをどの範囲で考えるのかが 問題なわけです、健康増進法に基づきます特別用途食品の制度というのは、表示の制度 となっておりまして、この制度が念頭に置いているのは最終的には消費者自身が手に とって購入するんだけれども、その際には、こういうものに適しているということで栄 養指導を受けながらそれを選択していくという形なのです。専ら院内で消費されている ような食品については、病院自体が購入者になっていますので、表示の制度でそこを見 るというよりも、病院自体がさまざまなバックデータなどを基にして、前回のヒアリン グの中でも研究会とかそういうところでいろいろ情報を得ているというお話がありまし たが、そのようにして選んでいるところがあります。  消費者が選択して購入するには、専門的な方々による栄養管理についての指導があっ て行うということになりますが、そこは「はい、お願いします」というのでは、なかな か普及にもつながっていかないのではないだろうか、と思うのです。関係する知識・情 報がどんどん日進月歩で出てきているわけですが、それらについてある程度まとめたも のを用意して、こういう場合にはこういうものが使用しやすですよ、といということを データベースとしてまとめることが、栄養指導についても取り組みやすくなるし、それ を受けて聞く方についてもわかりやすいものになるのではないかと思うのです。これに よって、最適な食品が選択されることにつながることが期待されるわけです。  では、その際にはどういう内容がそこに盛り込まれていてほしいのだろうか、あるい はどういうところまで、例えば、特別用途としての表示の許可を取っているものに限ら ず、その周辺情報なども含めて、栄養指導全体の中からこうした情報提供がなされなけ ればならないのかどうか、そうしたところについても併せて御検討いただければという 気持ちで、この項目を出した次第であります。 ○田中(平)座長 1と2で、そういうところもいろいろディスカッションはされてき たと思います。  順番の都合上、3つ目の特別用途食品の表示、宣伝広告や流通の在り方等を見直すべ きではないかということでございますが、いかがでしょうか。この辺りも踏まえて御意 見をいただけたらと思いますが。どなたかございませんか。情報提供も広く考えていた だいて。 ○中村委員 この場合に、病者用の特別用途食品の中の最も重要な議論は、病名が載せ られるかどうかというところだろうと思うんです。私は食品であるかもしれないが、消 費者の立場からいくと、やはり病名が載せられるような形で検討していただければあり がたいと思っております。 ○田中(平)座長 それに関連しますと、個別評価型か規格基準型かという意味合いも 出てくるんですけれども、その辺りについてはどうでしょう。 ○中村委員 個別評価型の場合は、恐らくその疾患に特異的に開発された食品になると 思うので病名を載せないとだめだろうと思うのですが、規格基準型においてもできれば 適用疾患、対応疾患のような形で幾つかの病名も載せていただければ使いやすいのでは ないかと思います。 ○田中(平)座長 非常に難しい問題ですけれども、やはり病名ということになってく ると、かなり多くのものが個別評価型になるのかもしれませんね。そうすると、個別評 価型がかなり増えてくるかもしれない。また、そういう調査部会をつくらないといけな いかもしれませんが。  いかがでしょうか。山田先生、何かございませんか。 ○山田委員 大変難しい議論だと思います。個別評価型で特別用途食品を何例かこれま で見てきた場合においては、その製品がある程度食されることによって、ある状況が軽 減したということをきちんと証明されなくてはならないということがあります。先ほど の議論の中でも医薬品に関しての評価というのは、そういう意味からすればやりやすい ということと、答えが総体的に見つかりやすい。しかしながら、いわゆる栄養療法は食 事にということに関して言えば、プラセボがとりにくいということ、あるいはどこをも って効果とするかというところで明確なエンドポイントというのが見つかりにくいとい うことです。個別評価型で病名ということになれば、特別用途食品の普及ということか らすれば非常に小さくなるのではないかと思います。これは私が最初の会で申し上げた と思いますけれども、栄養素のバランスといいましょうか、そういうことによってある 疾病状態に抗するか抗さないかというようなことで考えれば、基本的に今議論されてい る特別用途食品というものは規格基準型でしかあり得ないだろうと思います。このよう な食事が今までの多くの科学的な根拠からしてプラスであるということが知られていれ ば、そこで規格基準という形で見るべきであるし、また、広告あるいは宣伝ということ に関しては、多くの学会の食事のガイドラインとかいろいろなことで一定の事柄がわ かっているということで判断していくべきではないかと考えています。 ○田中(平)座長 ほかにどなたかございませんか。主として表示、宣伝広告、流通の 在り方を中心として、情報の提供ということで。 ○飯島委員 私は薬局経営をしていて、今言った特別用途食品の例えばアレルギーで あったり、低タンパクの乳幼児用のミルクを提供しているんですが、非常に対象者が少 なくて、なおかつ製品は高くて、なおかつ使用期限が非常に短い、商品がすぐにだめに なるということがあるんですね。そういうものを広くあまねくいろいろな形にうまく安 定的に供給するというのであれば、やはり規格基準型ということである程度宣伝をうま くしていくと、うまく広がっていくのではないかとは思います。そうなると対象者が広 くなる可能性もあるだろうし、価格も落ちるだろうし、宣伝の仕方もある程度垣根が取っ 払われて、うまくいくのではないかと私個人的には思っているんですけれども。 ○田中(平)座長 これに対しては犬伏委員からご意見があるはずですね。かなり一定 の基準を満たしておれば、自由に販売せよという御意見ですが。 ○犬伏委員 私たち一般の人間は、読んではならない行間を読むのが宣伝広告に対する 性質なんですね。ですから、余り大きく包括的な宣伝などですと、どうしても自分にい いように、いいように考えてとってしまう、そういう可能性があるような気がします。 そのとき、先ほどのカリウムではないですけれども、逆効果を起こす可能性はないのか なと、また杞憂をしてしまうんですが、その辺がどうクリアできるのかなというのが心 配です。 ○飯島委員 その辺は、例えば薬局で管理栄養士さんを雇ったりとか、薬剤師がそれな りの勉強をして、そういう消費者には的確な情報提供をするという役割を持たせればい いのではないかと思っておりますけれども。 ○田中(平)座長 ほかにどなたかございませんか。 ○井上委員 先ほど医療関係者の栄養管理に関する例をお話ししましたけれども、多分 ある程度の疾患名、例えば、これは腎機能の悪い患者さん用とか、糖尿病の患者さん用 とか肝不全用とか、そういうある程度の適用疾患を書いてやらないと、実は理解できな い、説明できないというのが日本の現状ではないかと思うんです。成分だけを見て、こ れはこういう患者さん用にというレベルではない。ということはある程度、適用疾患を 表示するようにした方が普及するのではないかと私は考えます。 ○田中(平)座長 先ほどの低ナトリウム、低カロリーというのは一般的に普及していっ たらいいだろうという意見は前回までも出ていたと思います。今おっしゃっているよう な病者用のものは、そういう表示をしていく上においては、規格基準型ではいかがなも のかいう意見ですね。個別評価も必要だろうという意見だと思います。  ほかにいかがでしょうか。 ○藤谷委員 宣伝広告に関しては、この宣伝広告も大事なんですけれども、つまりほか の類似品が結局似たような商業ベースで、ほとんどまがいもののごとき広告をしてしま うことで、何をつくっても紛らわしく追随してきて、そっちが売れてしまうということ が常に制度の問題点としてあるのかなと思って、でも、それはなかなか止めがたいなと 思い、難しい問題です。  先ほど病名というお話がありましたけれども、病名または病態名ではないかと。例え ば、嚥下障害とか褥創、低カロリー状態等、病名または病態名にした方が、全体的に病 者と健常者とある意味分けにくく、予防も大事あるいは軽いうちからの予防も大事とい うような時代にだんだんなってきているので、病名または病態名の方がいいかなと思い ます。  あとは、ほかの広告をいかにシャットできる権限がほかの法律にあるかということも 大事ではないかと思います。 ○田中(平)座長 ほかにどなたかございませんか。 ○浜野委員 表示というのはわかりやすいということが必要だと思います。これは選ぶ 側も使う側も。そういう意味では、薬事法というハードルはとりあえず置いておいて、 できる限りわかりやすくという意味では、その辺は専門ではないのでわかりませんが、 疾患名の方がわかりやすければそうであるし、病態であったり、できるだけ選ぶ側がわ かりやすい表示をするべきだと思います。欧米には薬事法があるからだめという論理は ありませんので、食品は食品の表示としてこういう人のための食品ですよということで、 できる限りわかりやすいということを考えるべきだろうと思います。 ○玉川室長 事務局から、病態か病名かというところについて補足説明をさせていただ きます。第1回の資料2−11にありますように、個別の食品群ごとに規格基準型でもど ういう用途表示が許されているかというものを示しているわけでありますが、その中で は太字になっている部分ですが、文言として病態的な表示であっても申請があれば、そ れが適しているということであれば、認められる余地はあります。ただ、どこまでそれ を具体的に認めるかどうかというところについては自ずと範囲があると思いますし、そ れから、個別の病態をすべて網羅的にということもなかなか難しいのかなと思います。  そうした中で、表示という枠の中でどこまでできるのか、更には先ほど言ったような 物自体に出ているもの以外の形も含めて詳細な情報をある程度伝えるようなバックアッ プデータみたいなことも併せて整理しなければならないと思っているんです。その際、 その辺でどこまで商品自体に、手にとったときに情報としてなければならないのかと いったことも課題なのだろうと思います。これで許可している部分については、勿論健 増法に基づいてそういう表示が認められるということです。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。 ○井上委員 まだ決まっていないんですけれども、濃厚流動食を特別用途食品とすると いう考え方でいきますと、濃厚流動食は実際に病院で物すごく使われています。例えば、 カロリーを上げたりとか、低タンパクとかアミノ酸、タンパク質の内容を変えたりして 肝不全用とか腎不全用とか医薬品でないのに、食品で特別用途が認可されていないんだ けれども、何となくこれは腎不全用ですよとか、これは肝不全用ですよとか、そういう ニュアンスで実際に使われているものが結構あるんですよね。それをちゃんと用途を明 確にしてやるということは、非常に医療上も意味があるなと思うんです。だから、病態 にせよ、病名にせよ、そういう表示をしてやると非常に動きやすくなると私は思います けれども。 ○田中(平)座長 何かニュアンスでそうしていると言われたので、びっくりしている んですけれども。 ○井上委員 ありますよ。名前を出していいのかな、例えば、肝臓の悪い患者さんには ヘパスとか。そうすると、ヘパティック何とかだから肝臓かとか、そういう感じの名前 があったり、腎不全用とはっきり書いていないけれども、そういうものは確かにいろい ろあります。 ○田中(平)座長 栄養素の表示はあるわけでしょう。どういうものが入っているかと いうことは。その辺りは、中村先生、追加はありますか。 ○中村先生 缶に栄養表示はあるが、疾患名は書いていないわけですよね。だから、こ れはこの缶詰はどういう病気に使っていいかわからないというのがあります。それが今 は一般の食品のカテゴリーとして扱われています。病者用特別用途食品でもないし、特 別治療食としての、診療報酬の加算からも外されているのです。 ○藤谷委員 それについてですが、結局いろいろとるよりも、そういうふうにして別個 宣伝してうまく乗せてしまった方が、つまり井上先生とかNSTの先生とかみんなが 買ってそれで回っているから、許可を取らずにやって、ただ宣伝だけを絶妙な、「大きい 声では言えませんが」とか「アメリカでは通っていますが」とか言いながら売り込んで 通っているのが濃厚流動食の現状だと思います。問題は、これを特別用途食品にしたと きに、今の濃厚流動食で売られている人たちが全員諸手を挙げて入ってくれればいいん ですけれども、入らないままで売った方が楽だし、それでも売れるんだよという状態だ と、また同じことになります。 ○中尾委員 結局、現実で余り不都合が出ていないわけですね。 ○藤谷委員 いえ、現実だと知っている人は知っていて勧めるけれども、やはり知らな い素人はもっとはっきりと書いてもらわないと買いにくい。だから、病院では使いやす いけれども、では、それをカタログを見たときにカタログには何も書いていないので、 カタログでカリウムと何とかの、あるいはタンパク質の何とかの比から、これが呼吸症 にいいはずだとかわかる素人はめったにいないので結局普及しにくい。また、それにお 金を高く払う気に本人・家族もなれない、あるいは病院側も予算の問題で出せないから、 病院ではせっかく努力してやっても、どこか転院した先では普通のものになってしまう というような弊害が出ていると。 ○中尾委員 あくまでも病気を治す、あるいはコントロールする食品ということになれ ば、余り患者さん自身がそういう成分を見て、何の食事指導、管理栄養士さんの指導も 受けないで買うということ自体は、逆に問題があるんじゃないかと思いますし、ですか ら、この特別用途食品病者用というのは本当に絞り込んで、何かメリットをつけるとい うのが、売る方も使用する方も、それによって楽になるというような制度になれればい いかなと思うんですけれども。 ○田中(平)座長 今のニュアンス的にそれらしき名前がついているものを使うという か、それがあって何ら弊害もないのでというような話もあるんですけれども、もしも、 制度的にあれば、そういったものは厳しくかどうか知りませんが、ある程度規制をする とかしないとかということもあり得るんですか。 ○玉川室長 許可ということになれば事前に申請が上がってくるわけですから、その段 階で内容については審査するということになって、内容的にかなりセンシティブなもの についてもチェックすることはできるかと思います。ただ、実際に形状だけでどこまで こういう疾患に適しているということが言えるかどうかという問題はあると思いますの で、規格基準を定めたときに、どこまで対応して拾えるのか。先ほど先生が言われたよ うな個別の疾患名については、今でも申請が出てくれば見ることができる個別許可と同 じ世界になって、個別にこの疾患に適しているかということをチェックしないと、なか なかそこまではうたえない可能性もあると思います。  今もそういう意味では申請の途が開かれているはずなんですけれども、逆に上がって きていないということですので、基準が限られたマーケットだけでそれに勝負するとい うことがどこまでできるのか。逆に、そういうプロセスを経ているということが患者さ んを含め安心につながってということであれば、一挙にそうしたものに対しての理解と いうものも進むと思います。そこは許可された製品を手にとって見る側の考え方もある と思いますので、枠組みとしてはそういうこととなろうと思いますが、なかなか反応が 読みがたいところもあります。 ○田中(平)座長 個別評価にしろ、規格基準にしろ出てきたとしても、今、井上先生 がおっしゃっているようなニュアンスでいけるというような話が出てくると、また形骸 化するかもしれませんね。  中村先生、いかがですか。いろいろ実態調査をしていただいたんですけれども。 ○中村委員 実はうまくいっているのかどうかということも検証されていないわけです。 実は。だから、何の制度がなくたって治療食が適正に動いていくかどうかというのは、 はっきりわからないのです。もう少し精度管理をきちんとやって、こういう人形マーク がついたものしか使わないのだと管理栄養士たちが決心して、それだけ使えばもっと精 度の高い治療食が提供でき、治療効果は上がると予測できます。でも現在では、例えば、 タンパク40gで制限して出していると言っても、企業表示だけをベースにしてつくって いるのです。 ○中尾委員 今の御発言は、企業表示の信憑性に対する疑問ということでしょうか。 ○中村委員 いわゆる適正なチェック機能を持っていないということですね。 ○中尾委員 だけれども、現実には、この間のヒアリングやその他市場調査では、企業 表示を信用して管理栄養士さんたちが食事指導の現場に持ち込んで広く使っているとい う現状があるわけですよね。それでいて、また弊害も余り出ていないという現実もある わけなので。 ○中村委員 日常の臨床場面では食事療法の評価がまだ十分におこなわれていないので、 弊害が出ているかどうかもわからないのだろうと思います。信用しているというよりも、 ほかに方法がないわけですから信用せざるを得ない状況なのだろうと思うのです。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。なかなか難しい現状のようですけれども。 ○井上委員 要するに、基準がないから今、流動食というものは、ちょっとこれが効く ということになると、すぐ商品化されて出てきて、それに意味があるかどうかわからな いけれども、先ほどのお話ではないですが、見せ掛けでこれは効きそうだというような 成分のものがどんどん出てくるんです。それが弊害かどうかというのは、私もそこまで 厳しくチェックしていないのでわかりませんけれども、やはり信頼できるものというの を出して、その上で管理していかないと、今後何か起こってくる可能性はあるんじゃな いかと思うんです。最近のいろいろな食品の安全性の問題から考えると、流動食という ものもやはり国としてこういうものはちゃんと認めるという形を出していかないと、今 後危ないことが起こる可能性は大いにあると思います。本当にすぐ新しい製品が出るん ですよね。それはちょっと問題ではないかと私は思っているんです。やはり先ほど藤谷 委員が言われましたように、外国でも臨床データを持って、日本では医薬品として採用 できないから食品として出しているものとか、日本で特別に認可も要らないから、こう いう雰囲気のものをつくって出したというものと一緒になるとか、そういうところもや はり問題があると私は思います。 ○田中(平)座長 ほかにございませんか。  それでは、ただいま御議論いただいた対象者への適切な情報提供に密接に関連する事 項として、規制改革推進のための3か年計画に取り上げられた低タンパク質米等の取扱 いがあります。この問題について、改めて事務局から資料3に基づいて、ご説明をお願 いいたします。 ○玉川室長 資料3でございますけれども、第1回の検討会のときにも提出いたしまし たが、規制改革推進のための3か年計画というものがありまして、ここで病者用食品も 密接に絡む事項が入っておりますので、その取扱いについて御検討いただきたく御説明 いたします。  この計画の中の農林水産業の分野で、生鮮食品の栄養成分の表示について提言があり ます。その中では、健康増進法に基づく特別用途食品というものがありまして、これに ついては厚生労働大臣の許可に基づいて使用されているのですけれども、これによって 具体的には機能性米について低タンパク質米等の表示を行う場合には、特別用途食品と 混同されるおそれがあることから、許可なく表示することは適切ではないという指導が なされているという記載がございます。具体的にはこの資料の2ページ目に、現行制度 における指導というのが厚生省の公衆衛生局長時代の通知で出ておりまして、そちらの 方では、以下のものが表示された食品が無許可で販売されることがないようにというこ とで指導することになっております。  その中身といたしまして(3)で「許可対象食品群名に類似の表示をすることによって、 病者用の食品であると印象を与えるもの」というところがございまして、許可対象食品 群というのは低タンパクでございますとか、それぞれのカテゴリーごとのものでござい ますので、ここに類似の表示をするようなものは許可を持っていないものについてはし ないでくださいという指導をしております。  しかしながら、この規制改革推進の計画の中におきましては、低タンパクについては、 例えば、清酒の原料用としての需要喚起もあり得るし、病者の食事療法といった以外に、 タンパク質が低減されているものについても利用の余地があるので、すべての食品につ いてそうした表示を全く認めないということをするのはいかがかと。具体的に言うと、 病者等に特別用途食品であると誤認させるようなことは防がなければならないけれども、 そうでないような断り書きを書いた上であれば、低タンパクといった表示についてもそ こまで、特別用途食品の制度の中で厳しい表示制度の運用が行われているというのは見 直しをすべきではないかというものです。具体的には、1つは特別用途食品、病者用食 品ではないということを明記していること。それから、栄養の成分量についても明示し ていること。更に、低タンパク質と言って、それがどれくらいかというのも、例えば、 通常の米の何パーセントといったところまで書いていることそういうものであれば、そ うした表示を認めても構わないのではないかといった指摘がなされております。  2ページ目について、先ほど指導の内容については御説明したのですが、実は許可の 対象食品群の中で、低タンパク以外にも低カロリーとか低ナトリウムとか高タンパクと いった食品群があるんですが、実はカロリー、ナトリウムについては、先ほどの資料2 でも御説明しましたように、栄養表示基準の中で低カロリーとか低ナトリウムという表 示が可能です。タンパクについても、高タンパクについては表示が可能となっておりま す。栄養表示基準がなぜそうなっているかと申しますと、国民の栄養摂取の状況という のを調査しているわけでございますけれども、その結果、過剰な摂取が国民の健康の保 持増進に影響を与えると考えられるもの、どちらかというととり過ぎと思われるような ものについては、適切な摂取ができるための表示をすることができるとなっていまして、 「低」とか「ゼロ」「ノン」といったものが先ほど説明したような一定の基準のもとに表 示ができることとされておりまして、これに合致している部分についてはそうした表示 が可能ということになります。  タンパク質について申しますと、むしろ欠乏が国民の保持増進に影響を与えるとされ ているカテゴリーでございます。したがいまして、高タンパクについては栄養表示基準 の中で表示をすることが可能でありますが、むしろ欠乏ということですので、一般の方 については高タンパクというのがあるわけですけれども、低タンパクということを栄養 表示基準の中で表示することができないといったこととなっています。したがって、上 記の指導のままということであったわけですが、一定の条件のもとにそうしたものにつ いても運用を見直してはどうかというのが閣議決定された計画の中身でございます。  ちなみに、低タンパク質食品としてどういうものであれば許可されるかというのを下 につけてございますけれども、通常の同種の食品の含量の50%以下というのがタンパク 質の含量となっておりまして、その際には許容される特別用途表示の範囲といたしまし て、タンパク質摂取制限を必要とする疾患、腎臓疾患などに適するという旨が併せて表 記されることになっているところでございます。  政府としては、これを平成19年度に検討して結論を得て、その結論の結果に基づい て措置をするというのが閣議決定された中身となっているわけでございますが、実際に こうしたものをどう考えていいのか、こういうものが出てきたときに、例えば、今の病 者等に対しても、説明なども含めてどうすればいいのかといったところを御検討いただ ければと思います。 ○田中(平)座長 ありがとうございました。  それでは、この問題について御意見等よろしくお願いいたします。どなたかございま せんか。 ○藤谷委員 事務局に質問ですけれども、お米に関することで誰が決定するかわからな いんですが、既存の表示制度の運用の見直しをどこかが決めるということですか。 ○玉川室長 具体的には、この通知でそうした指導を行っておりますので、この指導通 知を改定するような、こうこうこういう表示ができている場合については、この限りで はないとか、具体的な書きぶりはまだ検討しておりませんけれども、一定の条件のもと に例外を更に規定するということになろうかと思います。 ○藤谷委員 では、781号の厚生省公衆衛生局通知の(3)の変更バージョンが出るとい うことですか。 ○玉川室長 形式的にはそういうことになろうかと思います。 ○藤谷委員 その後、低タンパクだの何だのが、みんな病者用食品ではないけれども低 タンパクだよとか、病者用食品ではないけれども何とかだよと言えば、全部OKになっ てしまうということなんですか。 ○玉川室長 基本としては栄養表示の基準があるものについては、そこで先ほど言いま した低カロリーとか低ナトリウムというのはすべて基準がありますので、そこに当ては まっていないものについてはそうした表示ができません。ですから、そこについてはそ のルールに従ってやっていただくことになると思いますが、低タンパクについてはそう したものがありませんので、寄るべきところがないわけですが、そこのところに一定の 条件をつけた上で、それに合致するものについては指導対象から外すということになろ うかと思います。 ○藤谷委員 今までは、何か発売されたときにチェックして御指導されていたというこ となんですか。 ○玉川室長 これは許可の申請が上がってくるものではありません、そうした低タンパ クという表示がついたまま市中で販売されているという情報があれば、これについては 許可対象食品群に類似のものなので、病者用食品という印象を与えるからそういう表示 はしないでくださいという指導で、それを改めていただくという取扱いにしておりまし た。 ○田中(平)座長 いかがでしょうか。ほかに御質問ございませんか。  藤谷委員は、低タンパク質食と言うと、やはり腎疾患の患者さんのためのものという イメージを持っておられるんでしょうね。しかし、農水省側はかなり自由に販売させよ と、低タンパク質米という表示を広く使ってもいいのではないかという考え方ですね。  中尾先生、いかがですか。 ○中尾委員 機能性米というのですか、詳しい成分表示などがわからないんですけれど も、現実的に特別用途食品として認可されているものは、ほんの数品目しかないのだと 思いますが、それと同じような構成成分であれば現実的には健康被害が発生するという ことはないわけでして、それは単なるメンツ論を言っているにすぎない話になってしま うので、現実的ではないということになりかねないと思いますけれども、いかがでしょ うか。 ○玉川室長 現在の許可基準は、基本的に通常の同種の食品の含量の50%以下というの が特別用途としての基準ですけれども、必ずしも例えば清酒原料とかそうしたものも含 めて、その含量以下に抑えているということではないようです。ただ、その割合は必ず こういう形で何パーセントということは記載するということだそうです。 ○中尾委員 基準に合っていないというのでしたら、勿論こういうふうにうたうのは混 乱を招くことになろうかと思いますけれども、一応、特別用途食品として申請している のと同じような成分でありながら、そこのところを規制するというのは余り現実的な話 ではないなと感じた次第です。 ○玉川室長 食味とかそうした観点からも、タンパク質が抑えられていると付加機能が というような説明もありまして、実際にどういう用途でというのはさまざまなことも考 えられるようでありますけれども、いずれにしろ病者用として販売するものとして意図 していないので、その旨は明記するということだそうです。 ○田中(平)座長 先ほどの低ナトリウム、低カロリーとは、またかなり違う側面もあ りますね。低タンパクと言うと、治療的な意味合いが強いということで特別用途食品の 制度に抵触するという考え方がある一方、通常の米の何パーセントだから自由に販売さ せるという考え方の両者があるということですね。  いかがでしょうか、よろしゅうございますか。 ○小池委員 お米の話で通知などを改定したときに、ほかのところに波及するというこ とはないんでしょうか。米で低タンパクのケースは例外を認める、それ以外で低ナトリ ウムであろうが、低カロリーであろうが、こういう形の個別の例外を認める余地を今後 を開くことになるのかどうかと。ニーズはないのかもしれませんけれども。 ○田中(平)座長 そこで既存の表示制度運用の見直しを検討してくれということでしょ うね。そこに低ナトリウム、低カロリーも入ってくるのでしょうね。だから、特別用途 食品でないということを書いて、自由に販売して、要するに低タンパク質という言葉を 使えるようにせよという考え方ですね。 ○玉川室長 この計画自体は、農林水産業の振興というところから付加価値のついた米 をということを念頭に置いているものでありますけれども、ただいまありましたように、 見直しをした場合、それ以外のものについてもということがあるかということでござい ますが、先ほど栄養強調表示の中で認められているものについては、引き続きそこのカ テゴリーが合致すると思いますので、それに基づいた表示ということになろうかと思い ます。それ以外のところ、低タンパクについて米以外のものについて、そうしたことが あるかということですけれども、米以外に病者用ではないとまで名乗って売り出すこと を考えているものが現段階であるかというと、必ずしもそういうものはお聞きしてはい ません。ただし取扱いとしてはここまでも同じような断り書きをするのであれば、一般 論としては同じような取扱いも考えられるということです。今、承知している情報の中 では、念頭に置いているのは、専ら機能性米ということで出てきた話だとお聞きしてお ります。 ○犬伏委員 病者用ではないよと断り書きがあるならば、低タンパクと言っても構わな いじゃないかというのは、それでいいかと思うんですが、いろいろなあれで農水省は機 能性米をつくっているのだと思うんですが、もし50%未満の低タンパクをつくられたと きには、これはどっちを名乗ってもいいということですか。50%未満にタンパク質を削 減できたならば病者用と言ってもいいわけですよね、今の状況では。そうすると、また 杞憂になるんですが、同じ低タンパク米と大きく書かれているところに、片や病者用で はない、片や病者に使ってもいいから、あえて書かないけれども50%を切っているよと いうのが出てきたとしたときに、そんなものを選ぶ人は余りいないと思うんですけれど も、もしも病気で低タンパクというのを選びたいという人が間違ってしまう可能性があ るかなと。杞憂ばかりで申し訳ないですが。 ○玉川室長 現実には50%以下のものというのは今の段階ではないようでありまして、 先ほどの食味みたいなところからいって50%以下まで落とすのはどうなのかというの もいろいろあるのだろうとは思います。仮に、特別用途としての許可申請が上がってき て、許可基準を満たすということでありますれば、米の場合は生鮮食品ということもあっ て、その品質や何かがちゃんと期限内に保持されるとか、そうしたことも必要となって くるわけでありますけれども、制度として許可の対象として除外しているわけでは全く ありませんので、許可基準を満たせば、それは許可をするということにはなろうかと思 います。そこは逆に指導するような立場も含めて、情報提供ということをしっかり確か められるようなシステムにしておかなければならないと思っております。 ○田中(平)座長 現実には低タンパク質食品はないんですか。今のお話では50%以下 のものはないということですか。 ○玉川室長 病者用でないという形で既存のルールで一般の食品として売るというのは ありますけれども、それはまさに病者用ではない世界であります。それと別で、病者用 として個別に成分を確かめられて申請が上がってきたら、特別用途食品の許可を出さな い理由はないということです。 ○田中(平)座長 そういうことですね。  一応時間も過ぎましたので、本日の議論はこの辺りまでとしたいと思います。  これまで4回にわたり検討会を開催し、制度の在り方の大枠について、かなりの議論 を重ねることができたのではないかと思います。当検討会の開催に当たっては、藤崎食 品安全部長より、本年3月をめどとして中間取りまとめを求められております。このた め、次回の検討会では、これまでの議論を事務局において整理したものを基に、中間取 りまとめについて御議論いただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○田中(平)座長 ありがとうございました。  それでは、予定の時間が過ぎましたので、本日の検討会はこれで終了することとした いと思いますが、次回の検討会の日程は3月14日金曜日、午後4時から開催したいと 思います。場所は調整中でございますので、委員の皆様方には改めて事務局から連絡を させていただくこととしたいと思います。  それでは、なかなか難しい問題で、まだまだ御意見があるかと思いますけれども、本 日はこれをもちまして閉会といたします。どうもありがとうございました。 照会先 医薬食品局食品安全部基準審査課新開発食品保健対策室 調所(24 58)、中村(4270)