08/02/01 中央社会保険医療協議会総会平成20年2月1日議事録 08/02/01 中央社会保険医療協議会          第123回総会議事録 (1)日時  平成20年2月1日(金)9:30〜13:15 (2)場所  全国都市会館ホールB (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員  前田雅英委員 庄司洋子委員       対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員        高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員(代 天本) 鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員 黒崎紀正専門委員       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 八神保険医療企画調査室長 他 (4)議題  ○在宅自己注射について       ○平成20年度診療報酬改定について (5)議事内容  ○土田会長   ただいまより、第123回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、石井委員と坂本専門委員、 それから大島専門委員が御欠席になっております。  また、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さん、竹嶋委員の代理で日本医師会常 任理事の天本宏さんがお見えになっております。  それでは、議事に入りたいと思います。  初めに、「在宅自己注射」について議題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協総−1の資料をごらんいただきたいと思います。「在宅 自己注射指導管理料の対象注射薬の追加等について」ということでございます。  第1、肝炎治療に係る在宅自己注射でございます。肝炎総合対策の推進の中で、今後お おむね7年間で、インターフェロン治療を必要とする肝炎患者すべてが治療を受けられる 機会を確保するということになっておりまして、それに関連しまして、在宅自己注射の要 件を以下のとおり緩和するということにしております。  1つ目は、インターフェロンアルファ製剤に係る、現在C型慢性肝炎のみに適用になっ ておりますが、これをまずは2週間に1回の外来の診療を求めておりますが、これを外す ということと、さらにHBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝 炎のウイルス血症を対象疾患に加える。適用範囲を広げるということと、それから回数を 緩めるということであります。  もう1点は、グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L−システイン塩酸塩配 合剤と言われるものですが、これについては、慢性肝疾患における肝機能の異常の改善を 目的として頻回投与が必要だということで、これに対しまして、在宅自己注射の対象とし てはどうかということがございます。  それから第2として、現在関節リウマチの治療薬であるエタネルセプトにつきましては、 発売直後ということもありまして、14日間の投与しか認められないということになりま すので、2週間に1回の外来診療が必要であったと。その後の市販後の調査で、安全性等 も証明されているということで、今回2週間に1回の外来診療等を求めないという形で、 これも回数の緩和をしていってはどうかと、この2点でございます。  2ページ目以降、参考に現在の在宅自己注射指導管理料の対象薬剤でありますとか、在 宅自己注射に当たっての留意事項、もちろんこれはそれぞれ個人でやる、自分で注射をす ることになりますので、その留意事項でありますとか、あるいは関係の学会等から出され ております関連の要望書を添付しております。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございますでしょうか。 ○邉見委員  特に反対とかいうことではございませんが、お願いが1つございますので、申し上げて おきたいと思います。  静脈内注射といいますのは、筋肉内注射とか皮下注射と違いまして、空気の混入とか、 スピードとかいうことで、やはり危険というものはあります。今回グリチルリチンという 副作用のほとんど全くないようなお薬ですので、そういうことはないかとは思いますけれ ども、つい最近まで医療界では、静脈注射というのは、看護師も医師の指導の下という厳 密な手技でございました。そういうことがございますので、後ろにある4つの留意事項を よく守っていただくと。特にC型肝炎は感染症でもありますので、廃棄物のこともござい ますので、この辺のところを当局に十分御指導をお願いしたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  医療課長、よろしいでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  今回恐らくこれの対象になられる方は、HIVの感染症の方とか、多くは、今も血液凝 固因子製剤を打っておられますので、これも静注剤でございますので、そういう意味では、 静注という手技についても慣れておられる方が主として対象になるだろうと。  あわせまして、今邉見委員の御指摘の留意事項については、さらに徹底するように留意 をしていきたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  ほかにございますか。 ○古橋専門委員  本日の具体的本題と少しずれるかもしれませんが、この在宅自己注射指導管理料につき ましては、訪問看護師に関しましては評価がございません。実際には、医師の基本的方針 と指示・指導の下でこれが始まるわけでございますが、現実の状況を見ておりますと、習 熟度が不十分で、現行の診療報酬内ですと、回数を超えて訪問したり、あるいは在宅の現 場で一緒にやったりとか、それから今回課題の感染絡みでの廃棄物の指導とか、こうした ことがございまして、訪問看護に関しまして、この自己注射事項は基本療養費という形で くくられております。今後は、こういう状況が増えていくとするならば、訪問看護の実践 に関しても評価をいただくということが非常に重要と思っておりますので、今回間に合え ば御検討いただきたいし、今後の課題にしていただきたいと思っております。 ○土田会長  重要な指摘だと思いますが、事務局のほう、いかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  基本的には在宅の自己注射ですので、自己の責任になるのですけれども、恐らく今御指 摘の内容については、基本的には看護の、まさしく看護技術そのものですので、訪問看護 は何をするのかという中の基本的な部分に入るのではないかなというような感じがいたし ました。 ○勝村委員  同じような話になるかもしれませんが、患者の立場に立ってこういうことを進めていた だくことは非常によいことだと思っております。あわせて、それであるだけに、邉見委員 からありましたように、安全性の問題とか、また実際に今古橋委員のほうからありました けれども、利便性ということがやはり患者にとってとても日常生活に欠かせないというこ とが大事になってきますので、今回の改定以降も、綿密に柔軟に患者の声をよく聴いてい ただいて対応していただくということでお願いしておきたいと思います。 ○土田会長  よろしいですね、そういうことで。ほかにございますか。  ほかに御質問ないようでしたら、本件につきましては中医協として了承するということ でよろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは次に、「平成20年度診療報酬改定」について議題としたいと思います。  事務局より水曜日に提出されております資料に加えて追加の資料が提出されております ので、あわせて説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  1枚だけ表裏でついていると思いますが、中医協総−2−2を先に少しごらんいただき たいと思います。これは、前回、平成18年の改定のときの答申書からの抜粋でございま す。ここでは何をお示ししたかったかと言いますと、これはこの答申書に分厚い点数がず っとつくわけなのですけれども、その別添に附帯意見がついているということで、裏返し ていただきますと、前回は1から6までの附帯意見ということで御意見をちょうだいいた しました。やがて今回の改定項目が決まって、答申をいただく際に恐らく附帯意見として いろいろ出てくるかと思いますが、それについて文言等を調整する必要もございますので、 各側からそれぞれ御意見を後でまたちょうだいしたいと思っております。  それから、では本体のほうの説明に入らせていただきます。中医協総−2−1の資料で ございます。これは、前回議論をいただいたものに加えて、それから前回の決着を見た再 診料等の問題についても、実はこの中に該当する場所に入れてありますので、編成がちょ っと変わっておりますことを留意いただきたいと思います。  それで、目次を飛ばしまして3ページから、緊急課題のところをまず説明させていただ きます。  3ページ目、「ハイリスク妊産婦管理の充実・拡大」ということで、ここの項目では3 点ございます。ハイリスクの分娩の管理、これは子どもさんが産まれるというものが附帯 しているわけですが、その分娩の管理。それからハイリスクの妊娠の管理、これは新しく、 分娩に至らないけれどもハイリスクの状態の妊娠上の管理ということです。それからあわ せまして、それらに伴いますノンストレステストという必須の検査がございますので、そ れの対象の拡大ということでございます。  細かく見ていきますと、ハイリスク分娩管理加算につきましては、この評価を高くする。 点数評価の引き上げとともに、対象を、この下線が引いてありますが、拡大をしていく。 あわせまして、ここでは、産科の勤務医の負担を減らすということで、病院の場合の、 「病院勤務医の負担の軽減に資する体制が整備されていること」、この体制の整備という のは、具体的にはこの負担軽減のための計画を医療機関に作成してもらうと、こういうこ とを考えています。  それから、妊娠管理加算は、対象疾患がこのようなもの、このような疾患を合併してい る妊婦さんということで、入院期間中、こういう状態の場合で入院が必要な場合にはその ための入院に対して加算を設ける。  それから、ノンストレステストでございますが、従来も対象者、回数、それぞれ定まっ ておりますが、これの拡大と、回数についてももう少し頻回にできるように広げておりま す。  5ページをごらんいただきたいと思います。「産科医療に係る地域ネットワークの機能 に関する評価」ということで、総合周産期母子医療センターなどを中心といたしまして、 周産期医療のネットワークというものが整備が進められております。この中で、連携のと ころをしっかりやっていただくということで、ハイリスク妊産婦共同管理料というものが 定められております。ここは、この妊産婦について通常担当していただく、例えば診療所 等、そこから緊急に病院のほうでお産が必要だとか、そういうような場合に患者さんを、 妊婦さんを送ると、そのときの連携料でございます。共同管理ですので、この場合に、今 で言いますと、送る側の医師が実際に病院のほうに出向いて診察をするということが必要 になります。それに対して、もちろんそれの対象疾患も先ほどのと同様に広げていくとい うこととともに、送り出す側も当然ほかの妊産婦を抱えておりますので、実際に医師が出 向くというのはなかなか困難だというようなことがありますので、その場合にはしっかり とした情報を提供していただこうということで、情報提供料の加算を設けていきたいと考 えております。  それから、妊産婦緊急搬送入院加算、これは緊急分娩で救急車等で突然運ばれてきた、 そのようなときに受け入れ側では非常にリスクとともに細心の注意が必要だということも ございますので、受け入れをしっかりしていただこうということで、これについて加算を 設けるということにしております。  7ページをごらんいただきたいと思います。「小児の手厚い入院医療の評価」というこ とで、現在の小児入院医療管理料1といいますのは、常勤の医師が5名ということでござ いますので、ある意味で言えば非常にたくさんの小児科あるいは小児外科の医師を抱えて やっているいわゆる子ども病院にとっては基準が緩すぎるということで、その高い水準の 子ども病院について評価をしていこうということで、新たに現在の水準より高い管理料を 設けたいと考えております。  ここの下の条件のところで、常勤の小児科または小児外科の医師が20人以上というこ とを想定しております。また、当然ながら、診療内容としては、入院での手術が年間20 0例以上。それから看護配置ですけれども、当然7対1以上を想定しますが、特に夜間、 例えば36人ぐらいの入院患者がいた場合に、それで4人体制をとると、いわゆる9対1 以上、夜間においても9対1以上をそろえていただくということを要件にしたい。平均在 院日数についても21日以内ということにしたいと思います。  8ページ、「障害を持つ小児への手厚い医療の評価」ということで、現在も超重症児 (者)入院診療加算、あるいは準超重症児(者)の加算がございますが、これについて、 特に状態が不安定な乳幼児期について加算を引き上げるということで、6歳未満の区分を つくるということが1点でございます。  それから、この肢体不自由児(者)等を専ら入院させておられる施設についての配慮と いうことで、9ページ目でございますが、現在障害者施設等入院基本料が10対1の区分 までしかございませんが、特に超重症児等が入っている割合が高いところ、ここでは3割 以上を考えておりますが、そういう施設におきましては、7対1入院基本料の区分を設け たいということで、そこでの看護について評価を設けたいと思います。  10ページ、「障害児等のリハビリテーションの充実・拡大」でございます。障害児 (者)リハビリテーション料というものが設定されましたけれども、若干この評価が低い のではないかということで、この評価を引き上げるということ。それにあわせまして、必 ずしもこの施設、いわゆる肢体不自由児施設等、こういう施設だけではなくして、そこと 連携をして脳性麻痺等の患児を見ているというリハビリテーション施設がございます。そ ういうところも今回のこのリハビリテーション料の対象に加えていきたいということ。  それから、障害児への言葉の訓練ということで、言語聴覚士と患者が1対複数でやるコ ミュニケーションですので、原則リハビリテーションは1対1でしたけれども、ここでは 集団でやる、特にコミュニケーションの場合には集団でやる必要があるということもあり ますので、集団のコミュニケーション療法というものを新たに設定していきたいと考えて おります。  緊急課題−2でございますが、12ページ、「勤務医の負担軽減に資する地域での機能 分担の促進に係る評価」ということで、ここでは、病院の勤務医の負担軽減のために、診 療所の医師に診療時間を増やしていただくということを考えているということで、これは 説明を既にしておりますが、初・再診料の中に夜間や早朝等の加算を設けていこうという ことであります。これは、従来のいわゆる時間外、休日加算、深夜加算等につきましては、 開業時間を超えて、いわゆる診療応需体制がなくなった後、診療所を閉めてしまった後患 者さんが来られたときに診療を再開しないといけないということで、そのための加算を設 けているということなのですが、今回のこの夜間・早朝等加算といいますのは、開業時間 内であっても、当然ながらこの加算が算定できるという形にしたい。これは、夜間等の開 業に対する評価、そこに診療所の開業時間を延長していただきますと、病院のほうの負担 も軽減できるようになる、その目的を持ったものでございます。  13ページですが、「小児の時間外等の外来医療の評価」ということで、1つは、休 日・夜間診療所等、あるいは病院等での夜間・休日診療について、地域の診療所の医師が そこへ出向いて診療するということに対する評価であります。これについて、やはり地域 の中で病院あるいは診療所一体となって、特に小児科の救急に対して協力していただこう ということで、この評価を引き上げたい。さらに、小児科の外来についてもこの外来診療 料というものについて評価を引き上げていきたいと思っています。  14ページでありますが、「地域で中核となる病院に勤務する医師の負担軽減の評価」 ということで、ここでは、地域の中核病院、まさしく中核になるところは専ら入院を中心 にやっていっていただきたいということで、できるだけ外来は減らして勤務医の負担を減 らしていこうということで、今現在入院時医学管理加算がございますが、これを一たん現 在のものを廃止して、新たにこの考え方でもって組みかえるということにしております。  ここでは下に要件がございますが、一番重要な要件は、3番目にございます外来診療を 縮小するための体制の確保、これを外来縮小計画というものを策定してもらいます。さら に、病院勤務医の負担軽減に資する計画、これらも策定していただいて、これらを職員に 十分周知していただくことが必要だと思っております。それからそのほか勤務等の、例え ば連日の当直は行わないシフトを組むとか、このようないろいろなこと、こういうものに ついて計画をつくっていただこうと思っております。  病院として想定されますが、大体ここでは全身麻酔検査を年に800件以上、その他の 条件も考えておりますが、かなり大きなところではありますけれども、そういうところで はやはり専ら入院を中心にしていただこうというための加算を設けたい、こういうことで ございます。  15ページをごらんいただきます。ここでは、ちょっと先ほどのように骨子で出てきて いないもので、「10対1入院基本料の見直し」でございます。これは以前2号側委員か らもいろいろと御発言がありましたけれども、地域医療のいわゆる急性期、先ほどの急性 期よりも一般的な急性期になるかと思いますが、そういうところの医療機関の状況といい ますのは、非常に最近はそういうところでも在院日数が減少してくる、短期間でより多く の患者を診なければいけない、患者さんの回転が速くなったといいますか、そういう状態 になりまして、こういうところでも勤務医の負担が大きいということから、この10対1 入院基本料の評価を引き上げていくということで、関連の入院基本料すべて10対1につ いては加算を引き上げるということにしたいと思います。  これによりまして、昨年から話題になっている7対1入院基本料と10対1入院基本料 の差が少し縮まるということで、いわゆる7対1に対する看護師の積極的な確保、人数だ けでの確保というような方向は若干弱まるのではないか。それとこの10対1をしておら れる地域の急性期病院での評価ということを考えていきたいと思います。  16ページ、「特定機能病院等の評価」。これも骨子では出ていませんでしたが、説明 いたしましたが、先ほどの地域の中核病院のいわゆる外来縮小のため、勤務医の負担軽減 の入院時医学管理加算等につきましては、特定機能病院については対象としておりません。 そのかわりに、特定機能病院というものの特性にかんがみて、その全体の内容からいって、 ここではそれのかわりに入院基本料について14日以内の加算部分があるのですが、これ について引き上げると。そこで特定機能病院の評価を考えていきたいと思います。  17ページでございますが、「勤務医の事務作業を補助する職員の配置の評価」という ことで、いわゆる医療クラークと言われているものでございます。ここでは、18ページ を見ていただくといいのですが、第三次救急医療機関から第二次救急医療機関、主として 救急を中心に地域の中で大変そうなといいますか、そういうような病院を対象にしたいと いうことであります。  50対1、ここでは患者数対比でいくとなかなか患者の数が揺れ動きますので、一応病 床対比で考えていきたいのですが、それぞれすべてのところで50対1まではとれると。 50ベッドに対して1人の医療クラーク。それから第三次救急医療機関と総合周産期母子 医療センターと小児救急医療拠点病院につきましては25対1までその配置を認めていこ うと考えております。  特にこの医療クラークの業務範囲というのが18ページにございますが、例えばこれに 限るわけではございませんけれども、診断書などの文書作成の補助、下書きをするといい ますか、清書をするといいますか、そういう後で確認をして医師がサインをする。あるい は診療記録への代行入力。特に電子化されている場合などの代行入力でありますとか、あ るいは例えば診療に関するデータ整理でありますとか、医師の教育や臨床研修のカンファ レンスがありますが、それらの準備作業、こういうふうなことに業務をしていただこうと。  2番目に書いてありますように、医師以外の職種の指示の下に行う、例えば診療報酬の 請求事務でありますとか、窓口・受付業務でありますとか、こういう分野についてはこの 方を使ってもらっては困ると、そういうような形で、勤務医の事務作業を直接的に補助し ていただくということを要件としたいと思います。  19ページでございますが、緊急課題の最後は、「救急医療の充実に係る評価」という ことで、ここでは現在、入院料について7日以内とそれ以降について分けてありますけれ ども、特に早期の3日以内のところはやはり非常に大変だということもございますので、 3日以内の期間の入院料について引き上げを行うということを考えております。  緊急課題については、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  これから、ただいま説明いただきました内容について御議論を進めていただきたいと思 いますが、最初に医療課長のほうから話がありましたように、あまり多くの時間が残され ておりませんので、いつもは附帯意見を改めてお聞きするということにしておりますが、 今回はその場その場で附帯意見的な意見がありましたら、あわせて御発言いただきたいと 思います。もちろん最後に改めて附帯意見の検討をいたしますが、そういう形で進めてい きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  それでは、ただいま説明がありました緊急課題につきまして御質問、御意見等ございま したら、どうぞお願いします。 ○対馬委員  15ページの10対1の入院基本料の見直しの問題です。これは、7対1で今回看護の 必要度等から、結果的にそこに対象にならないところに対する移行措置といいますか、そ れに対する手当ての話は大分やってきたのですけれども、この10対1の入院基本料その ものを上げようかどうかというのは、確かに2号側委員から要望的な話はありましたけれ ども、実際議論はほとんどされていないと思うのです。私どもとしましては、先ほども申 し上げました7対1との絡みにおける議論というのはよく分かりますけれども、10対1 をどうするかというのは、まさに入院基本料の全体をどう考えていくかということにかか わってきますので、非常に唐突感があって問題ではないかと、こういうふうに思います。 ○邉見委員  対馬委員のおっしゃることはもっともなのですが、私も12月14日に申し上げました ように、やはり実際に地域の救急医療等を、地域医療を担っている病院はほとんど7対1 がとれていないという状況がございます。その中で、この10対1だけでは、どんどんと 地域医療が崩壊していくというふうなことで、ぜひこれはお認めいただきたいと1号側の 委員の先生の御理解をいただきたいというふうに思います。 ○土田会長  この問題は、たしか最初に西澤委員から発言がありまして、それから邉見委員がそれに 追加されたという、一番最後のほうの議論のことだと思いますが。 ○西澤委員  今邉見委員が言ったことと全く同意見でございます。それに加えまして、これは7対1 との問題で、やはり点数の差があって、経営的なことを考えて7対1のほうへどんどん移 行していくというのはあります。ここで10対1の点数を上げていただくことによってそ こに抑制がかかるのではないか、そういうことでは唐突ということよりも、7対1を考え る上での一つの形でもあると思いますので、ぜひお認めいただければと思います。 ○土田会長  確かに対馬委員が発言されましたように、こういう形で出てきたのは初めてですので、 したがって、十分御意見を承りたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○古橋専門委員  このことに関しましては、前回までは7対1から看護必要度導入により10対1に落ち るところへのみ激変緩和策としての補助料という形で議論がございました。ただ、そうい うつけ方は、前回会長が「診療報酬とは」というあたりで3つのことをおっしゃいました が、医療現場の納得という点では、それを受けられるところは大いに歓迎でありましょう が、同じ10対1でやっているつかないところへの説得力に非常に欠けるわけでございま して、提供している医療の状況ということから見ますと、今回このように出されたことが 医療現場の納得面で非常に受け入れられることではないかと思います。同じ10対1で格 差があるということのほうが疑念も発生するのではないかと、現場的の立場から思います ので、このように提案されておりますことを非常にありがたく思います。 ○小島委員  現場の皆さんのそういう御希望は分かりますけれども、これまで7対1の基本料の見直 しで新しい看護基準というか、それに基づいてもう一度見直すということで、それで7対 1がとれなくて10対1に落ちた場合の経過措置として看護補助者の配置といったような ものをつけて、そこをなだらかにするということですけれども、それとこの10対1の引 き上げということ、ここは両方そうするとやるということになりますので、その辺の関係 をもう一度整理をする必要があるのだろうと思います。 ○土田会長  整理をする必要があるというのは、具体的にはどういうことですか。 ○小島委員  今までは10対1については特段議論していなかった、手をつけていないということで、 それを前提にして7対1から10対1に落ちたところについては経過的に激変緩和するの だということがありましたので、今回は10対1のほうも上げるという議論になりますと、 そこの激変緩和が本当に必要かどうかということも含めて、これは検討が必要ではないか と。 ○西澤委員  たしかこの基本問題小委の議論の中で一番最初に出てきたときは、7対1から条件をク リアできなくて落ちたところだけではなくて、すべての10対1のところに看護補助とい う案で出たはずです。それが途中ですべてではなくて、7対1から落ちるところだけとい うふうに狭まれたと。そこで私は意見を申し上げて、そうではなくて、現在10対1の病 院に対して何らかの評価をしていただきたいということを申し上げて、その結果だと思っ ています。ですから、議論の流れからいうと、決して唐突だとは私は思っておりません。 ○対馬委員  今言われたような議論の経緯はあったというのはそのとおりなのですけれども、そうす ると激変緩和の措置は要らないということなのですか、それとも激変緩和もやって引き上 げもやれということだと、一体どういった点数の順番になるのでしょうか。順番付けとい うと、例えば7対1が従来同様の看護の必要度等があって7対1に残るところは当然出ま す。それから7対1から落ちたところの激変緩和措置のほうが上になるのか、それともこ ちらの引き上げのほうが上になるのか、そのあたりについても全くよく見えません。そう いう中でここを議論しろと言われても、ちょっと議論のしようがないというところもある のです。 ○事務局(原医療課長)  7対1から、例えばいろいろな条件が合わなくて10対1に落ちる、落ちるといいます か、10対1になるというところについての看護補助加算についてはそのままつけていく というふうに考えております。ちょっと資料は後になりますけれども、53〜54ページ に7対1の入院基本料の見直しがありまして、その中でこの看護補助加算について2年間 に限り算定できますという形で、また後ほど説明させていただきたいと思います。  それとは別に、ここの10対1というのは、そもそも非常に幅広くとられている入院基 本料の中では一番多いランクなのですけれども、まさしく地域の中で急性期医療を一番や っておられるところでございますし、実は、この部分が医療経済実態調査でも一番収益率 が悪いところでございます。そういう意味では、非常に患者さんの回転が速くなり、そう いう中で経営的にも非常に苦しいところだろうという観点もございます。  それからもう1つは、先ほど言いましたように、7対1をつくったときに、7対1と1 0対1の点数格差が大きいために、必ずしも必要でないところまで看護師を集めて収益を 上げられるというような構造になっていたので、その点数格差をできるだけ縮めたいとい うことで、方法としては、再診料の話ではないですけれども、同じように上を下げるとか 下を上げるとか、いろいろとあると思いますが、今回はこの下のほうを少し引き上げて、 その格差を是正したい。それによって必要のない看護師確保というものも少しは緩まるの ではないか、そういうような目的もあわせて持っているところでございます。 ○対馬委員  質問と答えが…… ○土田会長  対馬委員の質問とはちょっと違っている。もう一度質問を。 ○事務局(原医療課長)  初めに申しましたように、補助加算については7対1から落ちたところにはそのまま引 き続き、それは別として考えております。 ○対馬委員  補助加算をつけるというのは、これは読めば分かりますけれども、点数の上下関係とい うのでしょうか、一番上に7対1があって、その次に激変緩和があって、その下に10対 1があるのか。それとも10対1を上げてしまうので、10対1と激変緩和が同じように なるのか、そのあたりのことを聞いております。 ○事務局(原医療課長)  当然ながら、点数として10対1が上がりましたら、それに対して補助加算が、当然そ こからスタートの加算ですので、順番は7対1、経過措置、10対1という形になります。 ○邉見委員  理論的とか話の進め方では1号側の特に対馬委員の言われることになかなかこちらから はっきりした反論はできづらいのですけれども、この緊急課題の「病院勤務医の負担の軽 減」の緊急課題−1、2、3、4すべてにこの10対1が絡んでくるというふうにお考え いただければ、私は一番御理解していただけやすいのではないかと思います。ぜひお願い したいと思います。 ○対馬委員  前回のときに財源の議論がございましたが、1,500億相当分で400億云々という 議論もしたのですけれども、そのときに、今回公益の先生方の裁定でもって200床未満 のところの病院の再診料を引き上げることとなりました。そのときも同じように、やはり 中堅どころの地域を支えている病院に対して、急性期だけではないのかもしれませんけれ ども、そういうお話があって、それと今の話というのはかなり重なっているようにも思う のです。そういうことを含めてどうも何か議論の進め方がよく見えないといいますか、そ ういう感じがするのですけれども、そこはどうなのでしょうか。むしろ事務局に聞いたほ うがよろしいですね。 ○事務局(原医療課長)  病院の再診料の話は、あのときの議論からいって、いわゆる勤務医対策としてのもので はないという理解をしております。再診料における点数の病診格差の是正を図ると、それ が直接勤務医対策になるわけではありませんので、病診格差を縮めるというためにそれは 引き上げるのだという理解をしております。ですから、あの部分が前回示しました約1, 500億円の中に入れているわけではない、それとは別であるということです。  実はそのときにも少し触れましたけれども、中小病院と診療所というのは、点数の構成 といいますか、それは比較的似ております。したがいまして、診療所で例えば評価を引き 下げるという項目がありますと、中小病院も引きずられて引き下がっていきます。それか ら、あの約1,500億円の多くは比較的大きな急性期のところにつけておりますので、 中小病院は、診療所と同じように評価が下がった分、病院で対策でつくかというと、必ず しもそれほどつかないということで、中小病院のところは一定程度手厚く見ていく必要が あるというふうに考えております。したがいまして、先ほどの再診料のところもそれにも 資するし、それからこの実は10対1入院基本料もそういう点では考えていく必要がある のだろうと思っております。 ○松浦委員  私もちょっと唐突感があるといいますのは、7対1の入院基本料を見直さなければいか ぬというときに一番問題になったのは、7対1をとっている病院にはいろいろな病院があ る。だから、まじめに急性期・救急をやっている病院以外にもいろいろな病院がたまたま 看護師をたくさん入れてこの7対1をとっている、こういうようなことがあったと思うの です。それで、7対1の入院基本料の基準の見直しの中に、具体的な内容と、それから医 師配置基準を満たさない場合には減算する、こういうような看護必要度基準、それから医 師配置基準、こういうようなことが議論に出てきたのです。今度の10対1の場合には、 10対1の病院にも同じようなことが言えると思うのです。いろいろな病院があると思い ます。だから、そういうような基準というようなものについての議論が全くなされていな いでいきなり点数が出てきたというのは、私はちょっと唐突感があるのです。そのあたり をもう少し議論して詰めておく必要があるのではないかという気がします。 ○土田会長  いかがでしょうか。基本的には先ほど医療課長が話をしましたように、7対1に対して 看護必要度ということで医師のファクターを設けたわけですが、そこで落ちてくる病院が あるということに対して激変緩和を設けると、そこは御同意いただいたわけですけれども、 その前後から10対1そのものに対しては一体手をつけないのかというような西澤委員を はじめとする意見がありまして、そのときに、10対1の病院が経営上は非常に一番苦し いのだというような発言であるとか、あるいは先ほど医療課長から話がありましたように、 今回は主に大病院を中心として手当てをつけているけれども、地域医療に最もよく関連し ている中小病院に対して何らかの対応が必要ではないかと。そういう医療側あるいは病院 側の意見に対して今回配慮したというふうに僕は理解しております。  ただ、確かに時間がなかったことがありますが、ちょっと唐突であるということは確か でありますけれども、ここで、唐突であるからどうのこうのということで認められないと か認めるとかと、そういうことではなくて、そのことが必要であるかどうかということで、 もう一度きちっと御理解を得たいと思いますが、いかがでしょうか。 ○対馬委員  この問題については、私どもとしてはこれまでの審議の過程等から見ますと、やや違和 感や唐突感があるので、今日これで結論を出すのではなく、次回がまたあると思いますの で、例えば7対1と10対1はどれだけの点数格差があるかなど、そういった全体感の中 での議論になればと思います。また、これが財源的にどのぐらいかと。例えば前回の1, 500億円の中には、こういったことは全く入っていなかったので、この分は一体どこか ら出てくるのだろうと、こういった話もあるわけです。ですから、もう少しこの問題につ いては次回資料等をお出しいただいて、そこで一定の結論を得るということでいかがでし ょうか。 ○土田会長  いかがでしょう、よろしいですか。そういうほうが僕も適切だろうと思います。  ただ、1点だけ確認しておきます。その10対1のこの予算というのは、先ほどの1, 500億から出るかどうかというのは、そういうふうに出てこない話ですよね。そういう ことだと思います。一応それだけ確認した上で、ここはほかの10対1以外の資料も含め て、次回再検討したいと。それで、次回に必ず決めたいと思いますので、そういう方向で よろしくお願いしたいと思います。次回というのはもう来週の金曜日ですね。よろしいで すか。それでは、そういうことにしたいと思います。一応ペンディングにしておきます。  そのほかにございますでしょうか。 ○古橋専門委員  ハイリスクの分娩管理の加算のことでございますけれども、今回は改正案としては、対 象者が丁寧に吟味されてかなり増えてきたことを大変いいことと思っておりますが、さら に例えば精神科疾患を併存しておられて、分娩に際してそのための治療薬を服用なさる方 とか、あるいはこのBMIは初産婦だけに限る問題ではないのではないかとか、あるいは 分娩の時点でも前回の分娩歴で子宮内胎児死亡の御経験があるとか、染色体異常児を出産 なさったとか、このようなこともやはりハイリスクとして専門の産科医や助産師からは御 意見が出ております。そういう点では附帯事項になりますかどうか、この対象者について はより一層検証が要るということと、できれば「等」という整理をして、レセプトに詳し く説明がなされている場合は対象者として認められていくというようなこともあっていい のではないかと考えておりますが、そのあたりをどのように受けとめていただけますか、 伺います。 ○事務局(原医療課長)  このそれぞれのハイリスク分娩とか妊娠とか、それからネットワークのところもそうで すが、これらはどのようなものをハイリスクとして考えていくかということについては、 関係学会と十分何度も打ち合わせをして決めてきたものでして、それは対象を広げれば広 げるほどたくさんなるかもわかりませんけれども、ここにおいては、この範囲でいいとい うふうに私どもは理解をしております。 ○土田会長  いかがでしょうか、よろしいですか。 ○勝村委員  少し前のこの場でちょっと御検討をお願いしたのですけれども、周産期のハイリスクの 患者がなかなか受け入れ先がないということは非常に悲しいことで、それを何とかしてい く一助をぜひお願いしたいということなのですが、周産期の場合は母親以外に子どものほ うのリスク、ハイリスクが命にかかわるということもあるわけで、小児科、特に新生児科 の医師たちとへの配慮というのを同時にしていただかないと、ということをお願いしまし た。ハイリスクの医療に長年かかわっておられる新生児科医の人たちと話をさせてもらう と、妊産婦を受け入れるけれども、すぐに新生児だけまた別の病院に搬送しているという 医療機関が少なからず出ていて、子どもの命を守る立場に立てば非常によいことではない ということで、一部ではあるのだけれども、やはりハイリスクの分娩を受け入れる体制と いうものには、新生児のハイリスクもできる環境があるということが要件にあるのだとい うことをぜひ確認しておく必要があるのではないかということで、その点、何らか施設基 準に盛り込んでいただくことの御検討をお願いしたわけです。  例えばこの3ページのハイリスク分娩管理加算の下の施設基準でも、「病院勤務医の負 担の軽減」がということになっているのですけれども、もう少し患者の立場に立った施設 基準、やはりそのハイリスクの周産期の母親、子どもにきちんと対応できるというような 形をとっていただけないものでしょうか。  6ページのほうなのですけれども、「妊産婦の患者を受け入れる十分な体制」という算 定要件になっていますが、こちらも、妊産婦だけを受け入れて子どもだけ別の病院に搬送 しているということが事実起こっているようで、一つや二つではない、多くもないけれど も少なくもないということがあり、その際に結果として、新生児だけを受け入れたところ にはほとんど診療報酬がつかないというようなことになっているということを、今の段階 で問題が少し出始めているということなので、何とか未然に防ぐような施設基準をぜひ御 検討いただきたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  ハイリスク分娩管理加算等、それから後で出てきますネットワークのところなのですけ れども、そこで総合周産期母子医療センターという、そのものを中核として、あと地域の 母子医療センターというものをネットワークにしていこう、そういう構想で全体が動いて おります。その中のこの母子医療センターですので、必ず小児科も含めて、産まれてくる 子どもへの対応も含めて、こういうところが当然担っていくということが多くなっており ます。  それから、NICUのところで以前少し資料があったと思いますが、最近は単独でNI CUがあるだけではなくして、いわゆる周産期母子医療センターの中のNICUの割合が どんどん増えてきている、そういうような形の中で、周産期の領域で小児科領域も充実し てきているというふうに考えております。  そういう中で、ハイリスクの分娩管理とか、こういう部分については、そういうところ は主としてとられていくというふうに考えておりまして、そういう意味では新生児のほう も対応ができているのだろうと思います。 ○勝村委員  同じように医療の安全を考えてやっていただいていると思うのですけれども、表現です よね、そのニュアンスというのがやはり間違ってとらえられているような医療機関があっ てはならないと思いますので、その3ページの下の施設基準のところでも、総合周産期母 子医療センターとか、そういうところがどうなんだということが分かりやすいと表現をお 願いしたい。特に僕は今言っている意見でいえば6ページのほうにちょっと行きますけれ ども、この加算がついたからということで、変な話ですね、妊産婦を受け入れるけれども、 すぐに新生児だけ別の病院に送るというようなことが起こり始めていることがこのことに よって更に増えしまうというようなことがあってはならないということで、そのあたりを 戒める表現というものを盛り込んでいただけたら安心できますので、そういうお願いなの で、ぜひ御検討いただきたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  すべての体制ができたところだけに加算をつけるというのはなかなか多分難しいのだろ うと。体制ができていれば全部そこでやればいいと思いますけれども、そうでなくて、分 娩をしっかりとやるけれども、お子さんの場合は送らなければいけないという医療機関も 恐らくあると思います。それは送る体制をしっかり持っていくという必要はあるのでしょ うけれども、その場合は、やはりそういうところも活用してハイリスクの分娩をやってい かないと多分難しいのではないか。その体制が全部そろっているなら、両方そろったとこ ろでやりましょうということができると思うのですが、そこは全部がその数自体は多分ま だ十分ではないだろうと、だから整備中だと思います。  だから、そういう意味では、現時点においては、分娩をしっかりやるけれども、新生児 のところは、もし異常があれば他院へ転送するという場合も恐らくあるでしょうけれども、 ただ、その場合にも、やはり分娩の部分についてはこの加算の対象と考えていったほうが いいと思います。 ○勝村委員  それであるならば、この妊産婦の救急医療というのは、命が2つあるわけですよね、二 つの命がかかわっておるわけで、それであるならば、新生児の緊急搬送の入院加算という のを同じように別途つくっておいていただきたいという、そういう趣旨なのです。2人分 の命がある中で、どっちか1人だけが重視されて、どっちか1人が軽視されているという ふうな問題が起こっていると現に聞いておりますので、こういうことが本当になくなるよ うに、新生児も大事にされるように、当たり前のことですけれども。今起こっているよう なことが止まるということを感じることができれば安心ということなので、そういう御配 慮をいただきたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  病院間の、患者さん、お子さんの搬送については、医師が同乗していく場合に救急搬送 診療料というものが現在項目としてございます。そのあたりについて、点数は650点、 6,500円ですので、それほど高い評価ではないので、そういうところをしっかりと見 ていくとか、そのあたり、ちょっと検討してみたいと思います。 ○土田会長  よろしいですか、そういうことで。 ○勝村委員  そのあたりのお話も僕らもさせてもらっていた上で、それでもやはりこの点はというふ うに感じています。実はあまり長い話はできないのですけれども、そう思っておりますの で、それで大体ではなしに、やはりこれはこの問題としてやっていただく必要があるとい うふうに、いろいろお話を聞いた中では感じておりますので、ぜひ前向きに御検討いただ きたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  次回までにちょっとそのあたり、資料をつくってみたいと思います。 ○土田会長  ということで、次回もう一度議論したいと思います。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、緊急課題の項目については2つ一応ペンディングになっておりますが、それ は次回改めて議論するということで次に進みたいと思いますが、よろしいでしょうか。  それでは、次のIの項目のほうに移りたいと思います。最初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  20ページをごらんいただきたいと思います。「医療費の内容の情報提供について」と いうことで、「明細書の発行の義務化及び電子化加算の見直し」ということであります。  ここは議論されてまいりましたけれども、いわゆる療担規則の中で、レセプトオンライ ン化が義務化されるというところの医療機関については、「患者からの求めがあった場合 には、明細書の発行を義務付ける」。この際に、これは議論をまたしていただく必要があ ると思いますが、「発行の際、実費として費用徴収を行うことを可能とする」。このあた り、議論があったところでございます。  それから、電子化加算についてでありますけれども、現在いわゆる明細書の発行を要件 としてこの加算をとっている医療機関もたくさんございます。この際、一応原則として4 00床以上の病院についてはオンライン請求の電子化加算の目的が達成されるということ で、400床以上の病院につきましては、この電子化加算の対象外とするということにし ていきたいということでございます。  なお、その400床未満の病院等につきましても、この電子化加算をこの明細書発行を 要件として届け出る場合においては、その明細書を発行しますよということをしっかりと 院内で分かるように掲示していただくということは要件に加えたいと思っております。  21ページをごらんいただきたいと思います。これは前回議論をしていただきましたと ころの話で、病院と診療所の点数格差の問題ということで、これについて格差是正を進め るべきという御指摘もございましたので、病院の再診料の引き上げを行うということを考 えております。  22ページでありますが、「外来管理加算の意義付けの見直し」ということで、ここも いろいろ議論がございましたが、外来管理加算につきましては、処置やリハビリテーショ ンや一部の検査について、それらを行わずに医学管理を行った場合に加算される、このよ うな規定になっております。なかなかその内容が分かりにくいということがございました ので、ここでは、今回は外来で継続的な治療管理を要する患者に対して、医師が患者の療 養上の疑問に答え、あるいは疾病や病状や療養上の注意を説明する、このような懇切丁寧 な診療について評価をするという考え方にしていきたい。  具体的には、ここの下にざっと書いてありますが、問診をして、これこれどうですかと いうようなこと、それから診察をしっかりとするということ、それから理学診療ですね、 身体的な診察をするということ。それから、それを踏まえて症状の確認や、あるいは病状、 療養上の留意点について説明をし、その要点は診療録に記載していただく。それから、そ の他、患者のその他の疑問や不安にもしっかりとお答えしていただく。このような取組を 下のような発言、何かシナリオチックに書いてありますが、こういうようなことをやりま すと、基本的には十分な時間をかけますとやはり5分以上はかかるだろうと、そういうよ うな目安になるのではないかというふうに考えております。  極端に言いますと、例えば次のような受診、いわゆる私もそうなのですけれども、慢性 疾患の場合はしばしばございますけれども、来院をされて先生の前に行って、「調子どう ですか。お変わりありませんか」と、「ありません。いつもの薬を下さい」と、「では、 処方せんを書きましょうね」と言って患者に渡す。これだけでお薬だけをもらいに行くと いうような場合にはやはりこの外来管理加算については算定できないというふうに考えて いきたい、そのように思っているわけであります。ですから、やはり丁寧な説明や丁寧な 診察をしっかりしてもらう、こういうようなところについてこの加算を考えていきたいと 思います。  23ページでございます。「疾患別リハビリテーション料の逓減制の廃止等」でござい ます。ここでは、昨年の4月に中間時に改定をいたしまして、逓減制というものをとって おりましたけれども、それについて廃止を図る、逓減制は廃止ということです。それから あわせまして、今回は脳血管疾患等のリハビリテーション基準に(III)という少し緩い 基準を設けていきたい。  それから、現在いわゆる算定上限を、日数の上限を超えるという場合の医学管理料につ いては、これは将来の介護保険への移行を見据えて今回はその上限日数を超えたものにつ いては、1カ月当たり13単位まで算定可能という、その回数で制限を加えていくという 形にしていきたいと思っております。  それから、リハビリテーションにつきましては、早期のリハビリテーションが非常に重 要だということで、例えば、脳卒中の発作等の発症から30日間に限ってこの早期のリハ ビリテーション加算というものを設けていきたい。それから現在ありますADL加算とい うのは廃止をしていきたい。それからリハビリテーションの計画評価について、非常に飛 び飛びの月にやっておりますが、一応このあたりは月に1回という形に直していきたいと 思っております。  26ページは、「1手術当たりの支払方式の試行的導入」ということでございます。こ れは前回説明いたしましたが、15歳未満の鼠径ヘルニア手術という場合、多くはいわゆ る2泊3日の形で手術の前日に入院していろいろ検査をして、手術を当日やって、その次 の日に退院される、そういう形がほとんどでございましたので、1手術当たりの包括払い にしたいということで、包括対象は入院基本料等、それから検査、画像診断、投薬、注射、 あるいは1,000点未満の処置、このようなものについては1手術当たり何点という形 で点数設定をしていきたいと考えております。  27ページですが、これも病理学診断に関してということで、「病理学診断の重要性に 着目した評価」。病理診断の項目、現在「第3部 検査」の一部として入っておりますが、 これを独立して「第13部 病理診断」の項目をつくります。あわせまして、その中の細 かなところについては必要な改正を行っていくというものでございます。  あわせまして、この検査料は検査の中に入っておりましたので、特定入院料等でも包括 をされておりました。今回これを外へ出していきますので、以下に書いてあります特定入 院料につきましては、病理学的検査について、特に急性期病床であるA300からこの下 の分、これについてはやはり病理診断というのは非常に重要でありますので、この分はい わゆる出来高でこの包括範囲から外していくというふうに考えております。  29ページ、「生活習慣病管理料の普及に向けた取組等」。これは、結果検証部会でも 議論がありましたが、その中で、やはり患者の3割負担という中で、この生活習慣病管理 料、非常に高い点数に設定されているのでなかなか普及しにくいのではないかということ もございましたので、今回は普及拡大を目指すためにこの点数を少し下げさせていただく ということ。  それからあわせて、糖尿病対策としましては、まずは血糖の自己測定器、自己測定をや っているのですが、この加算の回数の緩和といいますか、拡大というものを考えていく。  それから、1型(「2型」と後で訂正)糖尿病と言われる患者さんについて、これはイ ンスリンを使っていない人についても血糖の自己測定というものをしていただくことによ るコントロールが必要だということでこの加算を設けている、このように考えております。 具体的には、その下のところと30ページにありますところでございます。  31ページ、「糖尿病の重症化予防に係る評価」であります。これは、糖尿病の重大な 合併症であります網膜症でありますとか、腎障害、神経障害にあわせまして、糖尿病の足 病変というものが非常に重要な合併症でございます。これにつきましては、適切なケアを することによって、自分でケアをしていただくわけですが、そのようなケアによって足病 変の悪化を防止できるということから、そのような悪化防止のために必要ないろいろなケ アの方法等についての指導・管理を行った場合、この管理料を新設する。  32ページでございますが、「人工腎臓に係る時間評価の導入」ということで、これも 議論ございましたが、4時間と5時間のところで区分いたしまして、時間において3段階 の点数の設定を行うということにしております。  33ページでございます。「検査の評価体系の見直し」ということで、ここでは特に 「生活を重視した医療」ということですが、患者さんに特に関係ありますのは、1番目に 書いてあります「外来迅速検体検査加算」、これは外来に来られて検査をして、その日の うちに検査結果が出てちゃんと指導してもらえる、そのような形の場合の加算でございま す。現在ここの評価、1検体1点と非常に低いということで、この点数を引き上げるとい うこと。その一方で、実施料との兼ね合いもございますが、検体検査判断料については相 対的な問題として今回は引き下げるという方向で考えたい。  それから、特に院内検査体制が非常に弱くなってきて、緊急時も困るというようなこと もございますので、院内検査体制の充実という意味で、現在検体検査管理加算というもの が2区分ございますが、その間にもう1区分入れまして、1よりももう少し充実した形の ものを考えていきたい。それは臨床検査を担当する常勤の医師が1名以上いるということ を要件としていきたいと考えております。さらに、当然ながら、緊急検査ができるとか、 精度管理を行っているという条件は付していきたい。  新しい(III)になりますけれども、これにつきましては、臨床検査を専ら担当する常 勤の医師と、それから常勤の臨床検査技師が4名以上いる、かなり大型の病院でしっかり した体制のところ、こういうところについては評価を考えていきたいということでござい ます。  36ページでございますが、「遺伝カウンセリングの評価」。ここは、遺伝学的検査が 大分保険にも導入されてきておりますので、その際に、しっかりとしたカウンセリングが 必要になるだろうということで、遺伝カウンセリングの体制、遺伝検査にあわせてカウン セリングをしっかりしていただこうということで、ここでは検体検査判断料の加算として こういうものを設定していきたいと思います。  37ページでありますが、「保険薬局の機能強化」ということで、これは先ほどの出ま した診療所等の夜間・早朝等の拡大に伴いまして保険薬局のほうも拡大していただくとい うことで加算を設けるというものでございます。  先ほどの29ページでございますが、糖尿病の生活習慣病管理料のところでございまし たけれども、申し訳ございません、先ほど私は言い間違えまして、この下の表の中の注、 改正案のほうですが、「【生活習慣病管理料】(1月につき)」、「2 1以外の場合」、 「中等度以上の糖尿病(2型糖尿病に限る。)の患者対し血糖自己測定」を行う。これが 非インスリン型でございます。それから、先ほどのインスリンをやっているのが1型のほ うでありまして、それが30ページに書いてあります3の「月100回」以上。これはち ょっと私は用語を間違えました。それだけ訂正させていただきます。 ○土田会長  ありがとうございました。  それでは、「I 患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療 を実現する視点」という項目について説明いただきましたが、どうぞ御質問、御意見等を お願いいたします。 ○対馬委員  数点ありますけれども、1つは20ページの明細書の発行、ここは勝村委員のほうから 後ほど御発言いただければと思います。  それから、22ページの外来管理加算も随分議論はしたのですが、診療内容等を詳しく 書いていただいていますが、「このぐらいやっているよ」と言われると、その一言で終わ るのかなという感じもちょっとあるのです。それで、例えば9時から12時ぐらいまで患 者さんを診療所で診るとして、1時間に8人でも10人でも、例えば3時間で30人診る と、全体的には5分以上になっているので、例えば3分しか診なかった、2分しか診なか った患者さんがいても全体として診ていればいいということなのか。それとも5分が目安 なので、2分、3分の人は除いてくださいということなのか、これを読んでもちょっと分 かりません。それで、もし2分、3分の方もいるかもしれないけれども、基本的には5分 以上はきっちりやっていると、10人いれば8人、9人までは5分でやっていると、それ はすべて総合してということであるのであれば、5分の目安とさらに例えば1日当たりは 100人を一つのめどにするなど、1日当たりの要件も入れないとどうなのかなというふ うに思うが、そこのあたりはどうなのでしょうか。この要件だけだとちょっと見てもどう いう意味なのかよく分からないということです。 ○土田会長  ほかの質問はまた次ですね。そうしましょう、順番に。  それでは、今回の外来管理加算について今対馬委員より質問が出ましたが、いかがでご ざいましょうか。この問題についてほかに御意見ありますでしょうか。 ○松浦委員  私も同じことなのですが、これは例えば結局「最低でも5分の時間を要すると考え、診 察時間の目安とする。」と、こうなっていますから、これ、解釈しようと思ったら、いく らでも、これは無理でしょうというような話ができません、チェックするときに、審査、 レセプト点検をやるときに。 ○土田会長  単純に考えれば5分だとすれば、1時間12人ですよね。それ以上やっていた場合はこ れは5分かけていないのではないかというようなチェックは可能かと思いますが。 ○松浦委員  その場合に、それでは5分を12人と、一応数値を決めて、それ以上やったら、もう出 ている場合には、これはもうだめですよと切ってもいいのですか。そういうような…… ○土田会長  ただ、僕はそう思っただけで、詳しいことは分かりません。それでは、ちょっとその辺 どうなのか、医療課長。 ○事務局(原医療課長)  どこまで疑うかということになってくるのだと思うのですけれども、例えば今言った最 大値は当然決まってきますし、それから診療時間というのは届出がありますので当然分か っているわけです。それに対して当然ながら5時までと言っても5時に終わらないで6時 ごろまでやっておられる先生はたくさんいますが、前後は少しはあるのでしょうけれども、 おおよそマキシマムというのは決まってくるだろうと。それを明らかに超えている事例、 こういうような場合についてはそれは指導の対象になるのではないかというふうに考えま す。  ですが、そういう意味では、例えば薬だけ欲しいという患者さんもたくさんおられます ので、そういう方については、恐らく先ほど言いましたように時間がかかりませんので、 そういう方にこういう加算をどんどんつけていきますと相当な数が出てまいりますが、今 回はそういうものはやめていただきたい。  しっかりと診察をしていただく、それから十分なお話を聞く、あるいは説明する、その 説明等の要点についてはカルテに記載していただく、こういうようなことを考えているわ けです。そうしますと、おのずと5分という時間は最低限かかるだろうと。だから、前回 5分という時間について、時間だけではなしにということがありましたので、こういうよ うな内容をしっかりやってもらう。それで、診察内容についてすべて審査の段階で分から ないと言われても、そこはちょっと現実的には診察内容を何をしたかまで全部明細書に書 くわけに多分いかないと思いますので、そこは信頼していただく。だから、ある意味では、 もう1つの一方でだから時間がかかるでしょうということで5分ということを提案させて いただいております。 ○鈴木委員  この問題は、私の理解は、土田先生が説明されるときに、アメリカの医療費は別といた しまして、十分な診察料を払った上でのことなのでしょうけれども、最後に必ず何か質問 があるかどうかの確認をするというふうにおっしゃっていましたので、私どもはカルテを 記載するときに、当然のことながら患者さんの状態、いろいろな意味で必要なことは記載 いたします。それに加えて、その患者さんからの質問があったかないか、あれば、どうい うことを具体的に説明したのかというようなことを書き加えるという理解でございました ので、時間の目安はそうしていれば、もう恐らく1分、2分では終わらぬだろうという理 解でありますが、いけませんでしょうか。 ○土田会長  僕もそう、それにもともとこの話は庄司委員から聞いたものなので、庄司さん、お願い します。 ○庄司委員  この件は、私も大変関心があるのですが、特に22ページで申しますと、この時間の目 安の根拠になるポイントが5点ほど挙げられておりますが、この中で、特に1と4という のが非常に重要だと思います。それはどういう意味かといいますと、患者のほうが医師に 対して説明をするとか質問をするとか、要するに、そういうコミュニケーション関係が診 療の現場で成り立っているかどうか、そういう観点で見ますと、もともと歴史的に見ても、 患者から見ると医療の世界というのは分からないもの、分かろうとしてはいけないもので ある時代もあったように思います。例えば自分に今何が起こっていて何が行われているの かとか、そういうことを例えばカルテ上見ることができるのかとか、そういうことに対し て非常に患者は外されてきたということを考えますと、私は、70年代ですけれども、ア メリカの医療現場の話をちょっと聞いたときに大変衝撃を受けたわけです。特に4点目で すね、医師が患者に「何か質問がありますか」ということを聞かないと非常に問題になる。  ですから、あえて特に先生方、医療者の側に意識していただくとすれば、1点目、そし て最も重要なのが4点目で、今鈴木委員がおっしゃられましたように、そのことをやはり 記録にとどめるということです。それがありませんと、後のいろいろな問題に対する対処 もできないし、そういうことを通じて医療現場の前進といいますか、そういうことも起こ らないのではないか。  そういうことから、特に、これはちょっと長くなりますので、ここで終わりにしますが、 明細書の発行のこととも関係ありまして、やはり患者が、自分が受ける医療がどういうも のであるのかというのを知っていくということも非常に重要ですし、そういう中では、患 者は教わりたいし、知ろうとしていろいろ質問してもよいのだと、そういう印象を持って いくことがとても大事だと、私はそういうふうに考えております。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。 ○松浦委員  私、ちょっと疑り深いやつだなと思わぬでください。私はもともとここへ出てきたのが 国保から出てきていまして、国保の業務の中には審査の中に中医協に関すること、ずっと こういうことがあるのです。ですから、審査の立場というのが私はニュアンスが非常に強 いものですからあえて申し上げるのですが、ですから、これを読みますと、この1時間1 2人ですね、こういうことは一つの基準であって、審査というのはチェックして不当なも のはのけなければいけませんから、だから、これはそういう基準にはなじまないという基 準ですか、どういうことなのでしょうか。 ○土田会長  ちょっと松浦委員の質問の意図が分からない。基準には合わないというのはどういう意 味ですか。 ○松浦委員  ですから、1時間12人を基準に置いて、例えばそれをオーバーしたものはもうだめで すよと、こういうことにはなじまない規則なのですか、これは、そういう意味です。 ○事務局(原医療課長)  結局、例えば診療時間が6時間のところでざっと計算すると72人ですね、今の計算。 ところが、そこの診療所から日々150人分の加算がもし出てきたとしたら、それはどの 人が5分を説明してどの人が説明していないかというのは、審査上は多分分からないです ね。だから、その場合はやはり実際の現場に行ってもらわないといけないということで、 やはりそれは指導のほうと連携していただくしかないのだろうと思います。  それで、当然指導に行きましても、これ以外にもいろいろと多分指導事項はあるでしょ うし、だから、そういう意味では極めてこの5分というものを書くことによる抑止効果と いいますか、それはかなり強いものだと思っていますので、それをしっかりと診察した人 にだけ多分書かれるだろうと、そういうふうに思います。だから、そこはやはり指導との 連携が多分必要になるだろうと思います。 ○丸山委員  いや、今お伺いしていて、素朴な疑問なのですが、今のそういう説明だとすると、外来 管理加算の見直しということで、出てくる原資はたしか200億でしたか、そういうあい まいなコンセプトで200億という現実のお金が浮くのかどうか、どうして浮くのかその 手法をお伺いしたいのです。素朴な疑問です。 ○事務局(原医療課長)  先ほど言いましたように、診療時間、私どもの医療課で夜間に延長するときの都道府県 調査をやりましたので、その診療時間というものは当然分かっておりますので、総診療時 間にそれこそ12を掛ければマキシマムは出てきます。そことあとは先ほどアローアンス がありますので、そこを差っ引いて現在の金額からそこを引くと当然それだけ出てくる。 ○土田会長  前回も申し上げましたが、これは事務局のほうに確認したいのですけれども、再診料の 約51%といいましたか、そのぐらいについてきているということですから、そこから計 算していくと一応の金額が出てくるというふうに理解しております。 ○鈴木委員  この外来管理加算についてですが、時間の目安であれば5分ということで、1番から5 番を満たしていればいいという、そういうことでよろしいのですよね。 ○土田会長  5番というのは、5番に5分の時間が入っていますが、それも含めてということですか。 ですから、これは先ほど庄司委員が話がありましたように、視点は患者の立場なのです。 患者にとってメリットがあるということでここに手を加えようとしているわけですから、 患者にとってメリットがあるということは、先ほど言ったように、患者が質問がある場合 はちゃんと聞いて、それでそれに対してきちっと医師側は答えていくというコミュニケー ションをいかに重視するかということですから、それをきちっとやっていくと、医療課長 が言うには5分以上はかかるはずだという説明なわけです。ですから、あいまいといえば あいまいですが、でも、そのことが極めて重要であるということもまた重要なので。 ○松浦委員  今ね…… ○土田会長  松浦委員は何か先ほど国保の代表と。 ○松浦委員  今は違いますよ。 ○土田会長  いやいや、そうではなくて。今まで認識されていなかったのではないかなと思いました ので。どうも失礼、どうぞ。 ○松浦委員  今丸山委員がおっしゃったように、やはり200億というのはこれで出さなければいか ぬわけですね。そうすると、これから基準から逸脱した者は厳しいチェックをかけていか なければいけない。だから、我々はその基準が本当は欲しいわけです。それが非常にあい まいもことして、この一つのルールというものがきちっとできないという、その苦しみは、 これは非常にジレンマを感じるのです。この公の席で、これは本当にもう、今2号側の皆 さんに対してきちんと良心的に守ってくださいよと、我々保険料の税も集めなければいか ぬわけですから。そういうことで済ませていいものなのか、ちょっとその辺が私は今困っ ているわけです。 ○土田会長  改めて、5分というのはやはりそのために入れてきたと思うのです。本当のねらいは1 番から4番なのだけれども、それだけだとはっきり分からぬところが出てくるので、だか ら、5分という時間のファクターを入れれば、そこは監査なりなんなりの一応の基準にな り得ると。だから、重要なのは1から4ですよね、先ほど庄司委員が話をされましたよう に。だけど、それをきちっとやるためにはやはり5分という時間のファクターを入れてき たというふうに僕は理解しております。そういうことですよね。 ○松浦委員   それでは、一応ここで我々としては、中医協の雰囲気は、やはり5分という時間のファ クターをきちっとこだわるべきだと、こう理解していいわけですか、5番の中に入ってい るわけですから。だから、それを持って帰って、私も国保の審査部にきちんと伝えます。 それは5分というものはだてに書いているものではないよと、厳しいチェックをかけてい かなければ200億は出てこないよと、こういうことを伝えていいわけですね。そういう ことで了解しておきます。 ○邉見委員  実は、私は国保の審査委員を16年ぐらいやっておりますが、それはちょっと実際には 難しいですね。だから、私はこの問題は非常に大事な問題で、国民が医療に参加するとい うことの一番の大前提だと思うのです。ここでしか参加できない。医療の側と一生懸命話 す、皆さんほとんど5分以上話しています、普通は、よっぽど急ぐからと言う人以外は。 もう対話は5分以上たっていると思うのです。  私は、医療費が安いか高いかとか、これ、ここでちゃんといい関係ができない限り、こ れは安いほうがいいに決まっているということになってしまうと思うので、ここは非常に 大事なところだと思うのです。だから、例えば健保連にしても、国保連合会にしても、こ の辺のところは自分のほうで国民のほうへ知らせるという周知、こういうことがあります というのをちゃんとやっていただいて、やることが私は将来的に医療費を無駄に使わない、 あるいはいい医療ができるということの一番の根本的なところだと思いますので、我々も 5分以上ちゃんとやるようにしますけれども、やはり診療を受ける患者さん側のほうにも 周知していただくことをぜひお願いしたいと思います。だから、この5分がどうというの でなく、全体的にやはり信頼関係をつくるということだろうと思います。 ○松浦委員  それでは、長くなりますからもうこの辺でおさめますが、私は一つは5分というファク ターはちゃんと書き込まれたファクターであると。今邉見先生がおっしゃったことも、2 号側委員からはそういう話があったと、こういうことを伝えておきます。一方では審査と いうやはり一つの仕事がありますから、御理解をいただきたいと思います。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。 ○対馬委員  ここで書いていることは、今現在の状況下よりは前に進んでいるのだろうと思うのです。 ただ、これが先般の財源の議論の200億になると考えると、条件を厳しくきっちりチェ ックしなければいけないではないかと、こういう議論になってくるわけです。そうします と、例えば、5分ということに決まったからということで患者さんに言えば、患者さんは 「ああそうか」と、「私は3分だった。おかしいではないか」と、窓口でもめますよね。 ですから、そんな議論をやるのでしょうかねというところなのです。ただ、これは何度も 議論してなかなかいい策が出ませんでしたから、私どもとしては、もうここまで来ますと、 これでやっていただいて、ただし附帯意見をつけて、初・再診料と外来管理加算について はもう一回見直すのだということで、改めてまた議論したいと思うのですが、いかがでし ょうか。 ○土田会長  結構だと思います。  それから、僕は今回の改定のときの、別にこれはマスコミを批判するわけではありませ んが、批判になるかもしれませんけれども、再診料ばかり取り上げていますが、外来管理 加算に今回改定の手を加えたということは極めて重要な話なのです。つまり、先ほどから 話がありますように、医師と患者の関係を、あいまいにとらえていたということに対して きちっと見直しますよというメッセージですから。もちろん200億円という金額の話も ありますが、患者と医師との関係ということにおいては極めて基本的なファクターなので、 ここに対して今回改革の手を加えたということの意義は十分に評価していただきたいと、 もう一度改めて申し上げておきたいと思います。 ○西澤委員  ちょっとしつこいようですけれども、やはりこの1から5で大事なのは、1から4だと 思うのです。要するに、私たちと患者さんとの信頼関係であって、対馬委員が言ったよう に、それは時間のほうが優先されると、黙っていても5分座っていればいいのかとか、そ ういうふうに行ってしまうので、やはり時間というのをあまり強調されると逆によくない。 そうではない、1から4が大事で、結果としてこういうことをするのならば、目安として こうなのだと、やはりそういう、どちらを重要視するかというと、1から4が大事だとい うことはぜひ強調していただきたいと思っています。 ○丸山委員  言われることはよく分かるのです。分かりますけれども、200億出さなければいかぬ ということを考えると、具体的管理手法を厚生労働省としては持つべきで、これで、大混 乱になるというのはまことにおかしいことだと思うのです。 ○西澤委員  ですから、お金を下げることが第一という考えは、やはり少しどうかと思います。ただ、 私は決して200億のことがどうでもいいとは言っていません。1から4を我々がしっか りすることによって、結果として、やはりそれなりの時間を私たちがかけると、では結果 として出てくるということですから、最初から中身はどうでもいいよ、金だよという話で はなくて、きちっとしたことをやる結果として金と、やはりそういう順序でお互いに考え ていければと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。本当に基本はそこにあるというふうに私も認識しており ます。 ○勝村委員  今、3時間待って3分診療と言われて久しくて、では5分ならいいのかという話だと思 うのです。だが、その5分でさえ加算対象となる時間としては短いと思うのですが、まる で何かそこの1から4までを5分以下でやれてしまえるかのようなお話というのは納得で きないので、やはり皆さん、ここにおられるお医者さんたちはきちんとこれだけのことを やったら5分以上かかるのがスタンダードで、患者の立場に立てば、再診料、基本ばかり 上がってしまって、こういう加算が下がっていくというのは、逆に一人一人を短くして数 多くやればよいというふうな力が働いてしまうというのは僕は心配なので、本来なら、基 本は下げておいて、5分やれば、30分やれば、1時間やればというふうに一人一人必要 な時間を大事にしてくれることの方が、それぞれの患者にいい医療をしたいと思っている お医者さんにとっても、すごく合理的なシステムだと思うのです。  基本的に、この1から4は大事だということは、もうお医者さんとしてもっともだとお っしゃっていただいているのだったら、これは僕は本当に逆に5分でできるのかなという 気持ちなので、5分さえちょっと疑念を呈するというよりは、僕はもう少し7分とか、1 分でも上げてもらって、必要な人には一人一人大事にしてあげることで、それだからそれ に加算をきちんとするのだと、それが患者のニーズだと思います。そういう方向に今後さ らに動いていってほしいというふうに思っています。 ○土田会長  たしかこの議論をする前に実態調査の調査結果では大体10分以上が非常に多かったで すよね。5分以下というのは極めて少なかったと認識しておりますので、その辺は今の勝 村委員の御指摘を受けて…… ○勝村委員  もう1つ。 ○土田会長  同じ課題ですか。 ○勝村委員  はい。それと、審査の仕方に関して私もよく分からないので、いろいろ工夫していただ きたいと思うのですけれども、これを新たに意義付けが変わったという広報に関しては、 本当に庄司委員がおっしゃったように、ここの1番、4番というのは当たり前のようでや はりそこが一番大事なのだということが本当にきちんとコンセンサスが得られているかど うかということが大切なので、今回からこの加算に関しては1番、4番の趣旨が必要条件 になっているのだということの告知というか、広報というか、その辺はぜひしっかりお願 いしたいと思います。 ○土田会長  非常に重要な指摘だと思います。ぜひよろしく、医療機関だけではなくて、患者サイド に対してもきちっと広報活動をしていただきたいと思います。  いろいろ御意見承りましたが、そういうことで、ここは一応基本的に合意をいただいた ということでよろしいですか。  どうもありがとうございます。それでは、次の項目に移りたいと思います。 ○対馬委員  1つは32ページの「人工腎臓に係る時間評価」、これについては、随分議論しました ので、今後もできるだけ学術的な観点でのさまざまな御努力をよろしくお願いしたいとい うことであります。  それから、先般の「現時点の骨子」の中には、患者から見て分かりやすい医療、患者中 心の医療ということですけれども、診療報酬項目について非常に分かりにくい項目がある ので、それは内容との関係でもって点検をいたしますということが書かれています。それ が今回ざっと見た感じでは、一体どこにどうあらわれているかが全く見えないのです。今 日でなければまた次回でもいいので、そういう簡素化とか名称の検証、その結果がどうか ということもぜひ出していただきたいと、こういうふうに思います。 ○事務局(原医療課長)  例えば先ほど説明した27〜28ページの「病理学診断の重要性に着目した評価」の、 この病理診断の項目を独立させたときに、「病理学的検査実施料」というのを「標本作製 料」とか、これはストレートな名前に変えていった、そこは1つあります。もう1つは、 後で出てまいりますけれども、特殊疾患療養病棟入院料というものがありますけれども、 特殊疾患療養病棟は、実は療養病床がなくなりましたので、極めてちょっと名前が適切で はないということで、そこは特殊疾患病棟という形に直すとか、そのあたりを、ちょっと 今思い浮かぶのはございません。まとめてちょっと全部を私も頭に整理ができていないの で、整理できた分について御提示したいと思います。 ○土田会長  よろしいですか、次回提示していただくということにしたいと思います。 ○勝村委員  20ページの明細書発行の件なのですけれども、これ、以前に小委員会での議論が終え られて、公聴会への骨子(案)を出すという段階の総会で、この件に関して私は3点だけ 意見を発言してその後私用で退席させていただくという失礼をしましたけれども、その3 点についてもう一度改めて順にお願いしたいと思います。  1点目は、ちょっと確認というか、ここで言う明細書というものの定義というか、その 点なのですが、DPCについてです。今回400床以上となっていますが、DPCをして いる医療機関があると思うのですけれども、その場合には、DPCの中身も今全部コンピ ューターには入っているということで、DPCの場合の医療費、DPCとして幾らという のはもちろん書かれるのですが、それ以外にも本来の詳細な医療の中身もきちんと書いて いただくというのが明細書だという確認でいいのかということです。今日はちょっと来ら れていないのですけれども、大島専門委員が国立の院長さんをされているということで、 ちょっと前に雑談でお聞きしたら、当然だろうとおっしゃってくださいましたし、国立病 院部の人に聞いても、それは中医協で確認をしていただければ物理的にはすぐにできるの だというのは以前にお聞きしてはいるのですが、1点その辺を確認をお願いしたいと思い ます。 ○事務局(原医療課長)  DPCの場合は、入院基本料と包括して評価するということですので、明細書にも当然 包括の点数しか出てこない。これはそういう体系なので、それをさらに何をやったかと、 その内容まで示せというのであれば、明細書というよりはカルテ開示ということと同義だ と思いますので、ここで言う明細書の場合にそこまで求めることは非常に難しいのではな いかと思います。 ○勝村委員  カルテ開示とは違う趣旨です。というのは、国民に対してこれだけの医療を包括する形 にしているということを伝えるわけですよね、医療費を知るようにするということは。そ の包括している医療費、中医協で決めている医療費が適切かどうかということを確認して もらうという趣旨では、その中には実はこういうものが入っているのだと。現にだから今 厚労省に対してもDPCは本来の出来高だったらどうなのか、包括したらどうなのかとい う、両方情報が出されていると思うのですけれども、そのあたりを一緒に見てもらうとい うことです。例えばばら売りをしているものもあれば、一括してまとめて売っているもの もあるけれども、その中身にはどう入っているのかということですね。  さらにここは特に大事だと思うのは、今食品とかの大きなニュースでも安全性というの が非常に求められているわけですよね。それで、例えば医薬品も食品も体の中に入れるも のは同じなのですけれども、まとめて売ってある、いろいろなものが入っているものは、 すべて食品ならば原材料名とかそういうのが書いてあって、それが添加物の正式名称が一 応書いてあるわけです。だけど、それはカルテ開示に当たらなくて、もっとカルテ開示と 言うならば、どこでつくられたものでどんな過程があってとか、どんな味つけをしてとか、 そういうことではなくて、やはりこの部分、特に薬名なのですけれども、どういうものが ちゃんとここに入っておって、それを総括してどういう検査をしてということをちょっと 書いていくということは、必須だと思います。できないことを無理言うのは気がひけます けれども、簡単にできるというふうに聞いていますので、ぜひそれをスタンダードにして いただきたいと思うのです。 ○対馬委員  たしかDPCについてはEファイル、Fファイルの中にいろいろなデータが入っている ので、それは今のお話のとおり審査が難しいので、Eファイル、Fファイルから一定のデ ータなどを取り出してきて、それで審査等々ができるような検討をしているというふうに 伺っているのですが、そうではないのですか。 ○事務局(原医療課長)  また後ですぐDPCのところが出てまいりますけれども、これはDPCの診断群の分類 そのものがいいかどうかについて補助的な情報としてそのものをつけてもらう、そういう 整理をしているわけでありまして、内容がどうのこうのよりも、そのいわゆる出来高相当 の情報が出てきて、それを見れば今現在診断群がこの患者さんはこのグループでいいだろ うということを見ることができる。今の形で、もちろん手術によって分かる部分もありま すけれども、分からないときもあるということで、それを今回つけていただこうというふ うに考えている。それはあくまでも現在の診断群が正しいかどうかをちょっと見るための 情報にすぎないということであります。  それから、繰り返しになりますけれども、包括の支払方式というものは、どういう薬が どれだけ使われるか、すべて、それはもちろん患者さんと医師との関係で当然ながらお伝 えはしているでしょうし、入院中にこういう薬をあなたは飲みますよということは、それ はお伝えするのは構わないのですけれども、それを明細書というのは保険の請求をするも のですから、その請求の中身としてそこまで書く必要はないのではないか。要するに、書 いたとしても、ある薬をこの人は朝、昼、晩飲みました、違う人は朝、晩飲みました、そ れはどっちでも構わないわけです、患者に合わせてやればいいということですから。それ はだから請求金額にはかかわらない情報なので、そこまで求めるというのは、だから、診 療行為そのものを開示しろということだから、カルテの開示につながるのではないかとい うふうに説明をさせていただきました。 ○対馬委員  38ページにDPCがありますけれども、「(1)算定ルールの見直しについて」のイ に、「DPCにおける診療報酬明細書の提出時に、包括評価部分に係る診療行為の内容が 分かる情報も加える。」ということで、「明細書の提出」ですから、我々保険者がチェッ クできるように、そういった内容も入れるのだと、こういうことにしか読めないというふ うに思うのです。 ○事務局(原医療課長)  ここは先ほど言いましたように、診断群分類の分類が正しいかどうかを見るための補助 的情報としてこれを出していただこうと、こういうことをねらいにしているわけでありま して、その中身そのものがいいとか悪いとか、そういうものを考えていただくという情報 ではないということであります。 ○対馬委員  あまりここで時間を費やしていかがかと思いますが、これは医療課というか、お役所の ほうに出していただくというだけなのですか。そうではなくて、我々支払側に出していた だくのではないのですか。 ○事務局(原医療課長)  審査のために出していただくということですので、当然審査機関のほうに出していただ くということになります。 ○対馬委員  ということは我々のほうに来ます。それは、当たり前の話ですけれども。ですから、そ の中身でもって我々は従来は包括で幾らとしかなかったのが、ここに「包括評価部分に係 る診療行為の内容が分かる」ということになっているので、今よりは進んでいくと、こう いうことだというふうに思うのです。 ○事務局(原医療課長)  これは当然分かると思いますけれども、だから、それはその個々の患者さんごとにその 明細書ということで出せというのとはちょっと話が違うというふうにさっきから言ってお るのですけれども。だから、それはあくまで、それをなぜ添付していただくかというのは、 中身をいいか悪いかとか見るためではなくて、この患者さんがこのグループかどうかとい うのをちゃんとチェックするための情報である。例えばこういう薬を使っているから、こ の薬はこのグループではないよねということであれば、その診断群そのものがおかしいわ けですから、それは返戻をしてチェックをしてもらう。そのためにつけてもらうのだとい うことなのです。 ○対馬委員  改めて議論させていただきたいと思います。 ○土田会長  改めてと言うと、どういうことですか、ペンディングということですか。 ○対馬委員  いや、改めて議論というのは、別途個別に医療課のほうと私どももよく話し合わせてい ただきたいということです。 ○土田会長  わかりました。 ○勝村委員  極めて当たり前だと僕は思うのですけれども、そのいろいろな観点が、今までも繰り返 しになりますけれども、2年、3年間、ずっとこれの意義をお話ししてきた。僕なりには 大きく分けて3つぐらいの意義があるのですけれども、すべてDPCの中身を見せてもら うことが大事だと。特に、何度も言っていますけれども、中医協は患者の視点に立って、 中医協が決めている医療費の在り方がこれでいいのかを国民からも聞こうではないか、患 者からも聞こうではないかということをうたっているわけですよね。それで公聴会なりパ ブリックコメントなり。実は、こういうものに関しては、これだけで包括ということでこ ういう単価をつけています、でも、中身はこうですと。本来なら、こういうふうに単価が ついていたものを1つにまとめて今回はこういうふうな形になっているのだと。一個一個 で買えばこうだけれども、これだけまとめればこうなのだというふうな単価を示すという ことを、単価を示すということの基本だと僕は思います。  要するに、僕は従来から言っていますけれども、健康保険組合の保険者と被保険者に渡 すものを違うようにしないでほしい。7割を支払う人に対して、3割を支払う人に対して 同じものを出してほしいということを僕はお願いしてきているわけです。なってほしくな いですけれども、同じではなくて5割と5割になったらどうするのか。同じものなので、 それを出してほしいということなのです。患者はこの程度でいいだろうと、患者は何も考 えないだろうと、保険者はいろいろ考えるだろうと、何かそういう先入観があるのでした ら、患者にも保険者にもいろいろな意味で同じ医療費に関して請求する、明細を見せると いう立場なら、普通の大人の感覚でこういうものは見ていきたい、一緒にいい医療を考え ていきたいというためには自分の医療の中身を、医療費というものを機会にして得られる 範囲の情報であればそこで得ておきたいなということが僕は当然だと思っています。  ここで議論が長くなるのでしたら、2年前は最終日に非常に時間がなくなって、また次 回にでしたので、今度はあとまだ2回ぐらいあるかと思いますので、これはあまり同じこ とばかりやってもと思いますが、一応いろいろな人の話を聞いて当たり前のように言って もらっていたので、僕はこれはぜひちょっとこだわりたいと思います。 ○西澤委員  今の勝村委員の意見ですけれども、私はちょっと勘違いしたかもしれません。受けてい る医療の中身を知りたいから明細書の発行というふうに私は思っていたのですが、医療費 の内容を知りたいと。要するに、医療の中身を知りたいというのと医療費の中身を知りた いとはちょっと話が違うので、私は最初のほうの医療の中身だという思いでちょっと議論 に加わっていたので、今後機会があればまた発言させていただきます。 ○土田会長  いや、私も西澤委員と同じような趣旨で聞いておりました。ですから、先ほどカルテ開 示と同じではないかという話も、それはそうだろうなというふうに受けとめているのです が、その辺を含めて、どうしましょう、これはもう一回改めて議論するようなテーマなの か、あるいは同じ議論は繰り返したくないという感じはいたしますが。 ○松浦委員  私、こういういわゆる要件とか基準とか、こういうようなものというのは、今までどち らかというと実調が出てからダダダッと積んでくると。それまでは極めて時間が、もう議 論をする機会がなかったですね。だから、私はこれで、透析の基準にしたってそうなので すが、こういう基準をどうするこうするという話は今回にもう間に合わぬと思います。だ から、これはもう次回に備えていろいろ持ち越している要件、基準、こういうものはまと めてずっと議論していくようにしたらどうですか。実調が出てからまたガタガタやったら、 また同じことですよ、次回の改定も。 ○土田会長  いや、このDPCについては前に議論しましたように、今回幾つか定め切れないところ がありますので、次回の大きな課題になっているということなのですが、ですから、そう いう形で議論は積み重ねてきているというふうに私は認識しております。ただ、ここのD PCというのは、確かに包括払いなので、したがって、包括払いであることのメリットと いうのは、出来高と違うのだという話です。ところが、今恐らく勝村委員が求めているの は、データとしては比較の対照上、あるいは研究上の必要性もあるかと思いますが、確か に出来高でも出ていることは出ているということで、それを見せて欲しいということだろ うと思います。それを求める理由が、どういう診療内容を行っているかということであれ ば、カルテなり対応の仕方があるのですが、そうではなくて、それぞれの医療にどれだけ の費用を使っているかというところをもう一回出来高でやるということは、包括の意味が かなりなくなってくるというようにも考えられますので、そこのところはちょっと難しい。 勝村委員が聞きたいのは一体各個別の金額を聞きたいのか、実際に各医療内容を聞きたい のか、そこは明らかに違うので…… ○勝村委員  医療費の中身。 ○土田会長  各個別の内容に医療費を聞きたいということは、これは全く出来高に戻るということに なってしまいますから、それはちょっとできないだろうと僕は思います。 ○勝村委員  僕がイメージしているのは、一部やってくれている医療機関もあるのですけれども、包 括だったら、何々と、その包括の名前が書かれてあって、その後ろに点数が書いてある。 その下に括弧付けか何かで、その包括にかかわる保険者には出す情報とか厚労省には出し ている情報、それを付記していただくという趣旨なのです。これは、そういうことを並行 してやらなくなる時代が来たり、保険者にはもう出さないということであるならば面倒な 作業かも知れないのですけれども、今は現に両方とも出してコンピューターに入っていて、 保険者のほうにもそういう情報も出しているという段階ですから、患者側にもそれを出し てほしい。  趣旨はそういうことで、特にカルテ開示というのは大層なのです。大事なときにはもち ろん開示請求がされるでしょうけれども、それはもう検査結果から、診療の経過から、時 系列の経過から、いろいろ全部書いてあるわけですけれども、そうではなくて、そこに使 われたものというか、そこに使われたカテゴリーの分類とか、そういうようなものが一応 全部書かれているというイメージです。例えばそこで使われた薬の正式名称とか、そうい うようなものが付記されているというものをお願いしたいという、そういう趣旨です。  とりあえずお願いしているものはそういうことだということで一たん切りますが、その ことの意義に関しても幾つか、ちょっと話せば長くなるのですけれども、幾つか述べたい 意見を持っています。 ○土田会長  それでは、一応これはもう一回扱います。もう一回扱いますが、次は結論を出しますの で、したがって、今のような議論ではなくて、まあ、僕としてはもう一回やっても同じだ ろうというイメージなのですが、主張は主張としてありますので、ですからもう一回取り 上げるということで進ませたいと思いますが、よろしいですか。 ○事務局(原医療課長)  ここで多分議論しているのは、医療費の内容が分かるということで議論してきた。だか ら、その明細書の形式の、形式といいますか、それが分かるように項目を書いてください という話をしてきたのだと思います。  そうすると、医療費の中身としては、DPCだったら、何々何々の点数の何日分という のがその医療費の中身ですので、それ以上を求めるというのなら、それは医療費の内容で はなくて医療の内容ではないかというふうに先ほどから思っているのですけれども。 ○勝村委員  いや、だから、今僕はそれに対して何を言っているかといったら、今DPCは試行的に されているという理解が僕にはあるわけです。試行的だから、一応両方を見比べている、 試行的というのはそれを進めていっている過渡期だからです。出さないということだった らそういう情報は保険者にも出さないでほしい。 ○土田会長  これは、つまり、出来高から包括に変わっていく中で、果たして包括が適切かどうかと いうことは医療のほうのいわば技術的な話で僕は進んでいるというふうに思います。した がって、医療の標準化なり医療の情報の標準化なり、そういう形で進んでいるわけですか ら、各医療内容の点数が適切かどうかという判断には恐らくならぬだろうと思うのです。 ○勝村委員  それだけ言えばならないですけれども、それはなるかならないかという議論ではなくて、 今、1つだけ例を言ってしまいましたけれども、あまり時間をかけたらいけないと思って いるので、とりあえず、そういう面もあるということを言っているのであって、だから、 DPCの額の合計額だけということであるならば、ある種、今そういうことが進んでいっ ていることは、一定そのことを評価するとか批判するということではないですけれども、 今はまだ出来高の場合だったらどうなのかとか、その中身はどうだったのかと、実際DP Cとしてこういう要件を付している、この中身はどうなのだということを、今はまだいろ いろ伝えていきながら、両方見ながらという段階だと思っているし、なおかつ実務的にそ れがすぐできる状況だから、とりあえず今の段階ではやるべきだと思います。いずれ、そ れができなくなる時期が来たりなど、いろいろなことがありうると思いますけれども、今 ある簡単に出せる情報を無理に出さないということを逆にあえてする必要もないというこ とで、僕はぜひ、特に薬名などが正式名称で出てくるということが非常に大事だと思って います。その情報を元に、さらに必要があればカルテ開示とかの請求になってくるかもし れませんけれども、まず基本の情報をどこまで必ず出していくのかという、医療費を受け 取るときの明細という形でということであれば、少しでも情報が多いにこしたことはない ので、一々全部カルテ開示かと言われると全くそうではないのですけれども、同じコンピ ューター、医療費請求の関係のコンピューターの中に入っているデータを一通り出すとい うことをぜひお願いしたいという趣旨なのです。 ○事務局(原医療課長)  診療報酬の項目の中身を出せということになりますと、例えば手術料、何々手術何点と ありますけれども、では、糸代がどうだとか人件費がどうだとか、そういうことと同じだ と思います。 ○勝村委員  いや、そんなことは言っていません。 ○事務局(原医療課長)  だから、診療報酬の項目としては、DPCとしては包括請求の項目があるわけですから、 それを示して、それ以上の情報というのは、だから請求行為の基本的には必要ないわけで す。審査のために今回は出してもらうと言っているだけなのです。 ○勝村委員  議論だけ整理しておきたい。 ○土田会長  いや、議論の整理……。ですから、つまり勝村委員の聞きたいのは、医療の内容が聞き たいわけですよね。 ○勝村委員  いや、もっと端的に言うと、では、保険者にはDPCのときに、38ページに書いてあ る、どんな情報を加えるわけなのですか。 ○事務局(原医療課長)  基本的には、診断群が正しく分類されているかという情報を見るためにつけていただこ うと。実は、必要なものだけを区切っていろいろとやっていこうとしたら、そのほうが面 倒臭いから全部出そうということになっているわけでして、その目的は、診断群の分類が 正しいかどうかの審査のために出してくださいと言っているわけです。 ○勝村委員  だから、僕はそれと同じものを出してくださいと言っているわけです。 ○土田会長  勝村委員の言うことは全面的に分からぬわけではありませんが、ただ、DPCなり包括 払いというものの性格からいって、それは恐らく趣旨の違う質問だろうと、要求だろうと いうふうに僕は思います。ただ、医療の内容を知りたいのだったら別の方式があるわけで す。それから保険者に出しているから被保険者すべてに出せという話もまたおかしな話で す。ですから、そこのところは、趣旨は分かりますよ、しかし、今いきなり言われて「は い、そうですか」と認めるわけにいきません。したがって、そういう要求があって、それ でもしこれからいろいろな医療技術の進展なりあるいは患者の要求なりあるいは医療機関 の対応なり、そういうことが変わってくればそういうことはあり得るかもしれぬというこ とは十分認めますけれども、今回は、そこは恐らくできないだろうという……。 ○勝村委員  いえ、まだあと2回ありますので、それが同じように時間がとれるとは思いませんが、 ちょっと僕、今、自分が主張する理由がうまく伝えることができていないなという実感が ありますので、何を求めているかというのは、本当に時間をかけていただいたおかげで大 体分かっていただけたのかもしれないですけれども、あと2回ありますので、ちょっとこ れはペンディングにしていただけませんか。 ○土田会長  ペンディングにしますけれども、ただ、僕はまだ勝村委員の求めていることが十分納得 できないという点は一応申し上げておきたいと思います。  それでは次に移ります。 ○勝村委員  ちょっと一人で長くしゃべり過ぎて恐縮なのですけれども、同じ20ページであと2点 お願いしますが、1つは20ページの1の3行目の「患者から求めがあった場合」という ことと、4行目の「実費として費用徴収を行うことを可能とする」という、この2点なの ですけれども、「患者から求めがあった場合」ではなしに、結論を言いますと、全員に原 則発行してほしいということをこの前もお話ししました。もう1点は、実費を徴収するの ではなくて、無料で発行してほしいということです。これはもうまたその理由をいっぱい お話したいことがあるのですけれども、逆に言うと、全部しゃべってきたという感じもす るのですが、少し簡単にお話しして、誤解のないようにしなければいけないと今思いまし た。  1つ目のまず全員発行ということなのですけれども、これは2年前にも言っていました けれども、現に大きな病院でやっているところは複数ある。その事務の人たちと話をする と、請求があった場合に発行するというやり方をとると、事務員を本当に1人増やさなけ ればいけない。京都のある大きな病院でも、事務長と先日話をしましたら、請求があった ときに開示をしているけれども、そのために事務員を事実1人増やしていると。これは全 員発行ができたら1人減らせるということは言っていました。全員発行というのは2枚発 行するのではなくて、発行しているところはそうですけれども、今義務付けられている小 計の明細書の形式をその紙に合わせて両方を一気にプリントアウトしてしまうということ をされているということなのです。皆さんのように医師の立場と事務職の現場で働いてい る立場と違うと思うのですけれども、事務職の立場の人たちはそういうふうにおっしゃっ ているというのは、僕が聞いている事実であります。  実費徴収の件なのですけれども、実費徴収なども、公益委員の皆さんが調査していただ いた結果検証部会でいろいろかなり詳しいデータを出していただきましたけれども、現に 医療機関全部でも、あの段階の調査でも9割ほどが無料で発行していたということ。逆に 一方で、一部の医療機関では何か手数料として5,000円とか請求しているところがあ ったわけです。これは、やはり無料がスタンダードというふうになってきているのではな いかと。現に2年前の5月ですか、前の診療報酬改定が終わった直後の国会でそのときの 厚労大臣が、無料か有料かは中医協が決めることだから、一応中医協に決めてもらうとい うことで、中医協の範囲を超えた発言はされませんでしたけれども、少なくとも自分で判 断できる国立は無料でやるのだということも既に発言されているわけです。だから、ここ で今改めて実費徴収可とすることは、そういうことをされると、欲しくてももらいにくい 雰囲気を作ってしてしまっている一部の医療機関を残してしまうことになるので、これは もうぜひ3,000円とか5,000円とかいうのではなくて、無料発行してほしい。  特に、つい最近またこれも大阪の公立病院なのですけれども、前回以降この明細書発行 に1枚につき20円取っていたところがあったのです。それを最近また無料にされたので すけれども、その病院にお話を聞くと、これは明らかに誤解なのですけれども、きちんと 通知を読めていないと思うのですけれども、何か実費徴収しなければいけないと思ってし まって20円取っていたとかいうようなことも言っているわけです。そんなデータなども 含まれていたことを考えると、やはりそれでも前回の検証部会の調査などでも9割方無料 で既に発行しているということがあれば、ぜひ情報開示を進めていく観点からも無償で発 行をしてほしい。  1つ前の話とこの2つについて、結局僕はそれらを進めていっていただきたいのは、薬 害の被害者の方、公聴会でもお話されていましたけれども、カルテやレセプトというのは 保管義務が非常に短いわけです。レセプトは5年と言いながら3年で破棄している保険者 もかなり多いのです。だから、10年たって20年たってというときに、そのときはカル テまで欲しいと思わなかったけれども、欲しいと思ったときには破棄されてしまっている わけです。基本的にルーチンでもらっておくものというものが、実はそれが服薬証明にな る。PMDAという医薬品の副作用等を扱う機構がありますけれども、そこも、やはり請 求・明細書みたいなところに薬名が書いてあるというのだったら、それだけで投薬証明と して補償できるけれども、そういうものがないのだったらということで、副作用被害救済 ができないでいる。一々一々全部カルテ開示ということにはなかなかならないので、最低 限に、常に渡していく情報の中にできるだけそういうものを入れていただき、かつそうい うものができるだけ、そのとき患者が請求しなくても当たり前に渡されていくという意味 では、求めがあった場合とか実費徴収というのは非常に抵抗があると思いますので、僕は ぜひ全員に無料発行を実現してほしいとお願いします。 ○土田会長  これは事務局でお答えください。 ○事務局(原医療課長)  全員にやる必要があるのかというのは、いろいろ議論はあるでしょうけれども、全員に 発行しているところもあるのでしょうけれども、それがどれだけの効果があるのかと。そ れから、実は相当数の紙の量になるだろうと思います。それから、請求するときは月に1 回ですけれども、患者さんが何回も来られて、そのたびに全部何回も何回も同じものを出 すと。その量からいって、やはり求めがあった場合に出すという形、事務的にどうされる のかは、そこは病院にお任せするのでしょうけれども、求めがあった場合に出すという形 で、義務付けとしてはそういう形に反映をされたい。  それから、9割のところが実際に徴収しておられなかったのですから、ただ、残りは逆 に言うと1割のところなので、そこに無理やり無料化しろということまで言うのは、コス トが一定発生する以上、そこはやはり難しいのではないか。だから、そこは逆に実態とし て、ほとんどのところは無料でやっておられるならば、その実態のほうを大事にしたい。 残りのところも、それを見ながら無料化されるところも恐らくあるのではないかと思いま すけれども、そこを絶対的に無料化しろと言うなら、では、そのかかる費用についてどう 考えるのかということも何らか考える必要があると思いますので、ここは実費を徴収する ことはだめとは言えないという形の表現ということで「可能とする」ということを書いて ある。 ○土田会長  この問題については、この間、勝村委員が発言されて、帰られた後で、一応僕としては もう結論を出したというように理解しています。それで、方向としては、確かに勝村委員 の発言されるような内容ですし、それで、前回は領収書の義務化、それから明細書につい ては努力義務ということだったのですが、今回一歩進んで、400床以上については請求 があった場合は必ず出さなければいけないという義務化で一歩進みました。それから、実 態調査でも、先ほど課長から話もありましたように、9割ぐらいは無料で出しているとい うことで、恐らく次の改定のときにはすべての医療機関に対して無料という話も、断定は できませんが、恐らくそういう方向に向かうであろうということから考えれば、前回改定 と次回改定のちょうど中間としてとにかく一歩進んでいると僕は認識しておりますので、 したがって、今回は実費負担ということで決定したいと申し上げて、ここで一応同意をい ただいたというふうに僕は理解しております。ですから、御意見としては、全く趣旨はよ く分かりますし、気持ちは全く同じですが、決定としてはそういうふうにしたということ で御理解いただきたいと思います。 ○勝村委員  この件の重要性に関してはほかの案件とはレベルが違うと僕は思っていますので、だか らそれがうまく皆さんに伝えられていない自分のもどかしさというか、それを非常に悔し く思いますけれども、僕は新幹線の中で2年前の議事録をまた読み直したりしてきたので すけれども、会長に思い出していただきたいのですけれども、2年前のときからこれはか なりこだわってきました。DPCの話も今初めて言ったのではありません、僕は既に言っ てきました。  それで、本当に2年前の改定では、今回はちょっと時間切れなのだということでした。 2年前は、次の改定のときにはきちんと議論するから、今回は一歩前進ということでくん でほしいと、私の目をしっかり見られて、会長は言われました。それで私は2年間待って きたわけです。小委員会での議論が終わって、骨子(案)を出して、公聴会も聴いて、さ あ総会でようやく2年間待って来たこの議論が始まるのだ、という思いです。やっと今回 は終わってしまう3日前から議論に入れたと僕は思っているわけで、にもかかわらず、今 の段階でもう既に結論が出ているというような話は、僕は全く納得できないし…… ○土田会長  いや、この間はあなたは、あなたと言っては悪いか、とにかく発言だけして帰られたと いうことで、その趣旨は僕は十分酌み取ったというふうに思っておりますし、それから、 ここで議論したとしても、僕はやはり繰り返し同じことを申し上げるしかないと。つまり、 ワンステップ進んで、次は恐らく勝村委員の要求するような方向に、あるいは着地点に到 着するであろうということを予測しながら言っているわけで、それで一挙にそこまで行く というのは、いろいろなことが、例えば今400床未満は非常に難しいという状況もあり ますので、したがって…… ○勝村委員  いや、今回は400床以上だ、ということに対しては意見を言ってないです。 ○土田会長  それで一歩前進で、恐らく有償のところは1割ぐらいであろうし、どうも聞いたところ によると100円か200円ぐらいだという話ですから、それは無料化してもいいだろう と言えば、そうかもしれないというように言いますが、ただ、全体の流れからみると、無 料でもいいよという話でほとんど9割ぐらい進んでいるわけですから、次にもう一歩進ん で、それで全部無料にしますという着地点は大分見えてきたというように僕は理解してお ります。したがって、ここであえてそこにこだわる必要はないというふうに僕は思ってお ります。 ○小林委員  今会長と勝村委員がおっしゃったことというのは、両方ともよく分かるのです。それで、 勝村委員がおっしゃっていること、やはり中医協としてスタンスを示したほうがいいとい うことだと思うのです。つまり、ここで勝村委員がおっしゃったとおり、指摘したとおり、 「患者からの求めがあった場合」ということになると、医療側と患者側との情報の非対称 性というのが、患者が踏み出さないとそれがイーブンにならないということだと思うので す。それで、しかもその「実費として費用徴収を行うことを可能とする」ということの書 きぶりだと、これは実費は徴収していいのだということ、徴収できるのだということです から、では、その実費をどうやって算定しているのかということの根拠もあいまいだと思 うのです。だから、5,000円を徴収しているところもあるし、無料で発行していると ころもあるということだから、「実費として費用徴収を行うことを可能にする」というの と、「患者からの求めがあった場合には」という2つの文言が、かなり、患者重視という よりは、患者がかえって前に出なければいけないという書きぶりになっているということ だと思うのです。こういうふうに進んできているという、そういう無料化して明細書の発 行というものを義務付けるという方向性というのは、ステップとしてもあると思いますの で、ここの部分で、例えば将来確実にそういうふうに進むのだというような方向性を明示 するということは重要なことなのではないかと思います。 ○勝村委員  僕もちょっと今日はうまく思いを伝えられていないと思いながら、小林委員の話に重ね てなのですけれども、小林委員がおっしゃっていただいたことはありがたい話で、それを 最終日には、もし、僕の意見が全く通らなかった場合のせめてもの最低限の担保として、 ぜひ小林委員とか公益の皆さんで担保していただきたいと思います。  ただ、僕はちょっと土田会長と違うのですけれども、前回の途中退席させていただいた 時の議論は、僕はあくまでも公聴会に出す段階での骨子(案)をつくる話だと思っていま した。それから、公聴会の御意見も聴いて、それで改めて議論していくのだと思って、今 日が僕は議論のスタートの日だと感じておるので、ちょっとそこがもしかしたら何か中医 協のしきたりを知らない素人と思われているのかもしれませんけれども、僕としてはそう いう感じで思っています。 ○土田会長  いえいえ、スタートは、確かにあのときは骨子ですから、骨子としては結論を出したと いうことで、骨子の段階で全部決定したという意味ではありません。 ○松浦委員  私は、議論の進め方として、1つのことにこだわられるのは、それは分かりますよ、分 かりますけれども、これだけ長い時間をかけてどん詰まりになってこういうことをやって、 それでまだ2回も3回もやっても、私は同じことを言うと、ぜひ入れてくれと、こういう やり方というのは私は…… ○勝村委員  いや、今の議論をまとめようと、小林委員が発言していただいたことを受けて最後にま とめようと思っているので、ちょっとお願いします。  それで、あと2回ありますから、今日はペンディングにしていただきたいと僕は思って いるのです。その議論の進め方なのですけれども、少なくとも今回、今日1つのことにこ だわり過ぎだとおっしゃいますけれども、僕としては全く議論がされていないし、関心の ない人には全く関心がないのかもしれませんけれども、十分な議論をしていただきたいし、 僕としては、公益委員の皆さんにも、いろいろな委員の皆さんにも、どう思われるのかを 発言をお聞きしたいし、2年前になぜああいうふうな結論にしかならなかったのかという ことも僕は納得できていませんし、なぜだめなのかという説明で納得が僕は得られていな いということがあります。  次回以降の議論の進め方で1点だけお願いしたいのですけれども、今回は400床以上 と以下と分けて出てきているのですね、そこは2年前と違うところです。だから、400 床以上に関してどうするのか、今、僕としては3つ議論してほしいのですけれども、DP Cの場合、それから全員発行か求めがあった場合か、それから実費徴収をするのかしない のか、今回は400床以上に関してそれをどうするのかということをまず議論していただ いて、またそれとは違って、400床以下、つまり今までどおり、前回はすべてが400 床以下と同じ扱いだったし、それが今回は例えば掲示をしろとか変化が出てきていますけ れども、今までどおりの400床以下のことに関して改めて実費の問題、それから全員発 行かの問題、その辺とかを議論していただいて、このそれぞれについてちょっときちっと 整理をして議論をお願いしたいと思います。 ○土田会長  ですから、これはかなりもう、私の認識としては今回初めてではなくて、400床のと きに出たときから議論してきておりますので、勝村委員のおっしゃる意味は十分分かりま すけれども、ただ、診療報酬全体について審議する枠がありまして、その中のバランスを 考えながら最終的には何日で終わらなければならないという時間配分を考えて進めていく ということがどうしても必要です。したがって、まだまだ合意に達しないからもっと議論 したいという気持ちは分かりますけれども、そう言ったらもうどんどん出てきて、結局時 間が間に合わないということになります。  それで、ただ1つ今勝村委員がおっしゃったことでもう一度事務局に答えていただきた いのですが、400床未満はどうかという話がありまして、その点だけちょっと確認した いと思いますが。 ○事務局(原医療課長)  電子化加算のところに書いてあります。400床未満のところについては従来の電子化 加算と同様と考えております。ただ、前回の検証のときに、それこそ勝村委員からござい ましたけれども、出せる体制はあるけれども、患者が知らなければ求められないというこ ともありましたので、そのあたりは明細書を交付する旨の掲示をしっかりとしていただく ということはつけ加えた形にしたいと考えております。 ○勝村委員  400床以上の部分を今は義務化しようとしているわけですよね。義務化しようとして いるところと努力義務のところと分けて2本の議論があって、それぞれに応じて無理のな いお願いをしたいと僕は思って意見を言いたいと思っているわけですけれども、ちょっと そういう整理の前の段階から前に進まない感じなのですけれども、そういう整理をして話 をしたいと本当は思っていたわけです。  400床以上の場合で言うならば、前の検証部会の感じであれば、現に本当に有料で発 行しているところはどれぐらいあるのかと思うわけです。今回は400床以上を義務化す るということでやっているわけですから、その400床以上に関して言うならば、本当に どれぐらいなのかとか、そのあたりをしっかり見ていただきたいというか、僕としては、 患者の視点の重視ということの項目がもうほとんどこれ一本になってきている感じがあり ますので、僕はぜひちょっと…… ○土田会長  患者の視点はこれ一本では決してありませんから、それは誤解です。だから、逆に言う と、そこに視点だけ向けられても困るという気持ちがします。ただ、先ほど言いましたよ うに、データとして、400床以上についてやる以上はどのぐらいかということはもちろ ん出してもらうことは可能ですので、次回出してもらいますが、とりあえずそういうこと でよろしいですか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長です。検証のときのデータ、病床規模別で出せるかどうかちょっ と分かりません。少なくとも今申し上げますと、費用徴収に関しましては、病院で申しま すと明細書を出しているところの82.8%では費用を徴収していない、徴収していると ころが13.9%という数字は出てございます。 ○勝村委員  いやいや、それは検証部会のデータで出ていましたよね、それはもちろん知っているの ですけれども、400床以上だけだったらどうなのかと。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  ですから、申し上げたように、病床別でこのデータを分けられたかどうかちょっと分か らないので、お求めの答えが出せるかどうか、ちょっと分かりかねるということです。 ○勝村委員  とにかく、僕と事務局、僕と会長ばかりやり合っているという感じとかだけでなくて、 僕は皆さんに、この議論は長すぎるとおっしゃる方もいらっしゃって、もうやめたいです けれども、ぜひ皆さんの御意見をお聞かせいただきながら、前回は実費徴収してもいいと 言った直後に国会で国立は無料だと言って、スタンダードになってきているわけですよね。 にもかかわらず、また実費徴収可だというわけですか。400床以上の病院だけの話をし ているのに、実費徴収可だということをやっていると、本当に一歩前進と言えるのかなと。 この2年間積み上げてきた前進がまたその言葉で逆に後退しかねないのではと僕は危惧し ていますので、ちょっともう一度議論の時間を、400床以上と以下と分けていただける とありがたいです。 ○松浦委員  これは一番最後にやりませんか。この次も、全部終わってから。それでやらないと……。 ○土田会長  わかりました。前回改定もこの議論を論じまして、それで、全体のバランスがちょっと あれかなというふうに僕も感じておりますので、確かに松浦委員の提案を受けて、一番最 後にこれを議論するということにしたいと思います。  ほかにございますでしょうか。  僕自身がちょっと1つ聞きたいことがあるのですが、26ページの、この支払方式の短 期滞在型手術基本料ですが、これは、日帰りとかそういうのは最初に出てきまして、それ は定額でいいと。それで、先ほどの前の話もそうでして、今回もそうですが、2泊3日程 度、あるいは1泊2日程度という話でしたけれども、これを見ますと4泊5日まで延びて いますよね。これは4泊5日まで延びるとかなりの手術がここに該当するので、DRGの ようなことをイメージしながらやっているのかなという感じがしないでもないですが、い かがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  今回のものは、先ほど言いましたように、標準的には2泊3日で完結している手術が、 この15歳未満の鼠径ヘルニアですね、多くの病院でそうだと。ただ、中には若干延びて いる人もいるというデータがありますので、その場合、5日までの入院の場合はこの手術 基本料3というものをとっていただく、それを超えた場合にはその出来高の形でやってい ただく、そういうふうに考えております。 ○土田会長  分かりました。  ほかにありますか。予定ですと、もっとずっと進む予定だったのですが、これからIIに 入るとまた説明と時間ということで、大分延長する可能性もありますが、特にIのところ で、ただいまの生活を重視した視点と患者を重視した視点というところでほかにございま せんでしょうか。  それでは、Iのところでは、結局ペンディングになったのがこの明細書のところだけで すか。そうですね。事務局に確認したいのですが、ちょっと僕はメモが十分ではないので、 この「分かりやすい」というIの項目で、先ほど提案がありましたように、明細書につい ては残りもう一回やりますが、ほかに何かペンディングになったものはありましたか。 ○対馬委員  ペンディングというほどではないのですけれども、分かりやすいということの項目の整 理は、宿題というか、事務局のほうにお願いしたい。 ○土田会長  そうですね、項目の整理です。  ほかによろしいですか。 ○事務局(原医療課長)  日程の都合上、ちょっと延びますが、次のIIのほうもやっていただいて、来週は金曜日 だけになりますので、できるだけ今回、今日もう少し延ばしてやっていただきたいと思い ます。 ○土田会長  わかりました。それでは、よろしいでしょうか。すみません、僕は時間管理が下手なも ので。  それでは、次の「II 質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を 推進する視点」というところの説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  ここは項目が非常にたくさんございまして、時間の関係もありますので、できるだけ短 く説明をしたいと思います。  38ページの「DPCに係る制度運用の改善」ということでございます。これにつきま しては、以前から言ってまいりまして、今回の対象病院については、(データ/病床)比 が10カ月間で8.75という要件を加えて、2年間のデータをしっかり出してもらおう と、こういうようなことにしたということであります。これは今まで説明したものと変わ っておりません。  それから、先ほど話題に出ておりましたが、第2の2の(1)のイのところに、これは、 診断群分類のチェックをするために、その包括評価部分に係る診療行為の内容が分かる情 報についても提出をいただこうというふうに考えております。  それから、新しい見直しというところは、これも以前に説明したとおりでございます。  39ページの調整係数につきましては、2年間のデータを用いて、それから全体として マイナス0.82%という改定率がございますので、この部分を反映させた係数にする。 それから、入院基本料がベースにありますので、10対1入院基本料と特定機能病院、専 門病院における14日以内の加算の見直しに伴う係数、このあたりは新しい点数を反映し た形にしたい。その他のところは従来の点数で式をつくっていくということになっており ます。  それから、ちょっとはしょりまして40ページ、「急性期後の入院機能の評価」。これ は前回説明いたしましたが、急性期の医療が在院日数がどんどん短くなってきている関係 上、その後の状態の、家へ帰る前の状態の方を入院を受け付ける急性期後の入院というこ とで、亜急性期入院医療管理料の新しい分類をつくりたい。  41ページですが、「特殊疾患療養病棟等の役割に着目した見直し」ということで、こ こにつきましては、これは2回ほど議論していただきましたが、特殊疾患療養病棟入院料 1、2、ございますが、それぞれの中から、いわゆる重度障害者の中で脳卒中の後遺症の 患者さん及び認知症の患者さんについては除外、外していくということを考えています。  それから、経過措置についてでありますけれども、現在、平成18年7月から新しい療 養病棟の入院基本料ができましたが、それに対しまして、この特殊疾患療養病棟からそち らへ移った患者さんにつきましては経過措置をとっておりましたが、それについては引き 続き、仮性球麻痺の患者さんを除きまして、20対1以上の比較的手厚い看護配置をとっ ている病棟においてはその経過措置の延長を認めるということにしております。  それから、障害者施設等入院基本料も同様の改定を行いますとともに、ここでは、7対 1入院基本料の区分を設けることとしております。  45ページ、「感染症対策の拡充」ということで、これは最近説明しましたが、血友病 を伴うHIV患者さんの包括されている病棟での出来高算定ができるようにするというこ とで、血液凝固因子製剤あるいはHIV感染症の効能を有する抗ウイルス剤、こういうも のについて出来高のほうで請求できることにする。  それから、B型・C型肝炎患者さんにつきましては、インターフェロン製剤あるいは抗 ウイルス剤、これにつきまして包括外で算定できるようにするということ。  それから、新規として、二類感染症患者療養環境特別加算ということで、特別な結核の 患者さんについてこれを設けるというのは以前説明いたしました。  47ページ、「有床診療所の評価」でございます。有床診療所につきましては、いわゆ る48時間規定がなくなりましたことに伴いまして、夜間看護体制等について新たな評価 をしていくということにしております。  48ページ、「回復期リハビリテーション病棟に対する質の評価の導入」。これにつき ましても説明いたしましたが、要件のところでございますが、ここでは新しく1と2を設 けるということで、回復期リハビリテーション病棟入院料1のほうは下の要件になります。 1で、「当該病棟において新規入院患者のうち1割5分以上が重症の患者であること」。 重症か軽症かにつきましては、生活機能の測定をするということで以前御説明いたしまし たが、その中の10点以上の人を重症として、その方が1割5分以上いること。2で、 「当該病棟において退院患者のうち、他の保険医療機関への転院した者等を除く者の割合 が6割以上であること」。いわゆる基本的には自宅あるいは居住系の施設、そこへの退院 が6割以上である、そういう病棟については入院料1として、これは評価を引き上げます。  そのほか、逆に、その病棟において重症者回復加算として、その病棟において重症者が 1割5分以上いるのですが、さらにその重症の患者が3割以上が退院時に改善している、 そういう場合にはさらに加算を設ける。  それから、そのほかのところについては、回復期リハビリテーション病棟入院料2とし て、若干評価を引き下げます。その評価を引き下げる理由としましては、下にありますよ うに、医師要件、今現在かかっております「専従の医師」となっておりますが、そこの部 分を「専任の医師」、そこにずっといなければいけないということではないという形にち ょっと緩めるということから、その評価も引き下げていきたい。  それから、ここの評価の測定をする必要がありますので、この1と2は新たに設けるの ですが、現在回復期リハビリテーション病棟入院料の1,680点を算定している病棟に おいては、半年間そのままの形で算定することを認める。もちろん回復期リハビリテーシ ョン病棟入院料1及び2については、回復期リハの状態像をはかるのに半年かかるだろう ということで、10月1日の実施を考えているところでございます。  50ページ、「医療療養病棟等の評価に係る見直し」。これについても随分議論がござ いましたけれども、評価方法の簡素化ということで、毎日状態測定するのを変化時に変え るということ。それから、医療区分の見直しについては前にも議論いたしました。  それから、認知機能障害については、このコストの差がなかったということから加算を 廃止します。  そのかわりに、ADLの低下や、いわゆる褥瘡の評価をしていただく必要があるという ことで、特に褥瘡の可能性の高いADL区分3の患者さんについて、この褥瘡の評価実施 加算というものを新たに設けたい。  それから、そのかわりに医療の質の評価に向けた取組として、すべての病棟で治療・ケ アの質が反映できる事項について測定・評価をしていただくことにしております。  それから、全体に対しては、この評価を引き下げるということ。ただ、医療区分1・A DL区分3については配慮をするということにしております。  52ページ、退院調整加算でございますが、この療養病棟のみならず、そのほかのとこ ろで長期にわたる場合がございますが、その場合の計画を立案して退院促進に向けようと いうことで、計画立案時と退院時にそれぞれ点数を設定をしていきます。  53ページですが、「7対1入院基本料の基準の見直し」。先ほども出ましたが、ここ では、54ページのほうに書いてありますこの重症度・看護必要度、一般病棟用のものを つくりまして、いわゆる処置等が入っておりますA得点が2点以上、それから患者の状態 像、状況ということでB得点がございますが、それが3点以上。A得点が2点以上でかつ B得点が3点以上の基準、その患者さんが1割以上入院していると、そういう病院を考え ていくということ。それから除外規定はそこに書いてあるとおりです。  それから、急性期の入院医療であるということから、医師の配置基準ということで、医 師の、これはそれほど強い条件ではありませんが、ここにある医師の要件を付加していく。 これが満たせない場合は減算ということを考えております。  それから、経過措置として、10対1入院基本料に落ちる場合については看護補助加算 をその病院については認めるということにしたい。  55ページ、「在宅療養支援病院の新設」ということで、ここは在宅療養支援診療所等、 近くに医療機関がないという場合に、その病院を、ここで要件にありますように、半径4 キロ以内にないという場合には、その病院を在宅療養支援病院として、在宅療養支援診療 所等と同じように在宅時医学総合管理料等がとれるようにするということでございます。  56ページ、在宅医療の推進、「円滑に地域移行を進めるための退院時の情報提供の在 り方の見直し」。退院時の情報提供については、病院が基本的に入院、それから地域の診 療所で外来と、こういう形を考えているわけですが、そのときに、退院した後地域の医療 機関へ移っていただこう、そのための紹介料の加算なのですが、これについて、退院後し ばらくは自院で何回かはフォローアップするだろうということで、この情報提供料につい てその退院の翌月でも構わないというふうに緩和する。  57ページ、「療養病床から転換した介護老人保健施設における医療の充実」というこ とで、これも以前説明しましたが、基本的には、この転換した介護老人保健施設について は、緊急時に必要な処置等がかなり従来のものと比べて違ってくるだろうということで、 医療保険で算定できる項目の創傷処理等、こういう拡大をするということ。  それから、夜間とか休日におきます老人保健施設での対応のため、このときに、老人保 健施設の医師が対応できないということ等がありました場合に、その求めによって併設保 険医療機関から医師が往診した場合の料金として緊急時施設治療管理料というものを設定 いたします。  59ページ、「地域移行を支援する取組に係る評価」。ここから精神障害者の領域です が、長期にわたって入院が長引いている精神障害の患者さんについて、できるだけ退院が できて地域で生活ができるようにということで、1つ目が、退院に向けての指導料に対し まして、この(1)に書いてあります要件に該当する場合に移行支援加算というものを加 算する。それから、その病院で5年以上入院している患者が、最近1年間に5%以上減り ました、しっかり退院していきましたと、もちろん死亡退院はだめですけれども、そうい う場合についてはしっかりとした退院への取組ということを評価をして、精神科地域移行 実施加算ということで、この精神病床全体に加算を設ける。  それから、入院早期からの退院支援ということで、退院前の訪問指導料を入院後から算 定できるように広げる。それから精神病棟のその部分としては、半年を超える入院のとこ ろの加算については現在よりも引き下げるということにしております。できるだけ早期に 持ってくる。  それから、退院後の支援ということで、地域での生活の中で、少し悪くなったときにい きなり病院の再入院ということでなくして、地域でもう少し生活を続けるためには、精神 科の訪問看護指導が必要になりますので、その必要な場合について緊急時には週に7日ま で認める。毎日認めるということにしております。  62ページ、「認知症に係る医療の評価」。これにつきましては、まずは全体の流れは 鑑別診断をしっかりやる、周辺症状にもしっかり対応する、それから身体合併症への対応。 そこで、鑑別診断につなげるための評価としまして、認知症患者紹介加算ということで、 診療情報提供料の加算を考えております。  それから、周辺症状に対する手厚い医療への評価ということで、ここにつきましては、 やはり認知症疾患治療病棟の入院早期といいますか、90日以内の部分の状態のところを 引き上げる。そのかわりに、91日以降については引き下げると、そういうようなことを 考えている。それから名称でありますけれども、老人性だけではありませんので、「認知 症疾患治療病棟入院料」とする。  64ページ、「身体合併症に対応した取組に係る評価」でございますが、これはさまざ まな、さまざまといいますか、精神疾患と身体疾患、これについてどう考えるかというこ とですが、精神科におきます身体合併症管理加算ということで、ここでは下の算定要件の ところに書いてあります病棟におきまして、急性に何か身体疾患が悪くなる、あるいは発 症する、急性期の状態ですね、そういう場合に発症後7日間のみだけこの加算を設けてし っかりと対応していただこうということであります。  それから、肺血栓塞栓症の予防管理料というのがありますが、これを術後、絶対安静を 必要とする場合でありますとか、精神の場合は拘束する場合もございますので、そういう 場合の病棟においても算定が可ということに考えていきたい。  66ページでございますが、「外来等における精神療法の適正化と評価の充実」という ことで、通院精神療法につきまして、これに所要の改定を考えたい。精神療法、非常に長 くなる場合がございますので、30分以上の区分を設けて、30分以上のところの評価は 高くする。それから30分未満は低くする。さらに、やはり精神療法でございますので、 これは通常の先ほどの外来管理加算ではありませんが、当然ながら5分以上はかかるだろ うということで、5分を超えたときに限り算定する。5分以下の場合はどうするのかとい うのは、また後で出てまいります。それから、20歳未満の子どもの心の診療の充実とい うことで、ここの加算の算定可能期間を1年間に延長する。それから、通院精神療法と言 っておりますが、実は、精神科の場合、在宅への往診等も必要になってきますので、そう いうときの精神療法というものも新たに算定できるようにする。名称を「通院・在宅精神 療法」に変更する。  それから、先ほど言いました少し短い時間のときにどうするかということで、精神科継 続外来支援・指導料、これを精神科の医師がやった場合は行い、それから保健師等による 援助がある場合には援助加算を行います。  それから、これもやりましたが、短期間の処方しか認められていないものについて、安 全性等もありますが、一定必要なものについて30日間の処方を可能としたいということ にしております。  69ページ、「精神科救急医療に係る評価」でございますが、ここは、精神科救急入院 料の施設基準がかなり厳しくて、地域的に非常にアンバランスがあったということがあり ます。そういう意味で、その地域の人口当たりの発生状況等も加味しまして、その要件の ところを少し緩和をしていくということにしております。  それから2つ目が精神科救急・合併症入院料ということで、これは救命救急センター等 でこの自殺企図等で入ってこられた方に対して、当然身体的な治療とともに、そういう精 神的なケアをしていく、そのための入院された場合にはこの精神科救急・合併症入院料と いうものを考えていくということにしております。  以上です。 ○土田会長  時間の関係がありますので、II−6の歯科医療、それからII−7の調剤報酬については 次回に回させていただきたいと思います。それで、この「II 質の高い医療を効率的に提 供するために医療機能の分化・連携を推進する視点」というところは極めて重要な項目が たくさん含まれておりますので、これから時間を、先ほど相談しますと、1時半ぐらいま でかかりそうだということです。まあ前回は2時過ぎまでやっておりましたけれども、で きるだけそんなに時間をかけないで進みたいと思いますが、一応リミットを1時半ぐらい に置きまして、その前に終わればいいと思いますが。  それで、進め方ですけれども、ただいま医療課長のほうから説明いただきました項目は、 目次のところを見ていただきますと、II−1からII−5までございます。とりあえずII− 1の、48ページからあります回復期リハ等々の前の47ページまでですね、そこの項目 について最初に御議論をいただきたいと思います。DPCから始まって、急性期後の入院 医療、特殊疾患療養病棟、感染症対策、それから有床診療所の評価という項目がございま す。38ページから47ページまでの範囲でございます。ここにつきまして御意見、御質 問ございましたら、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  40ページの亜急性期を2つに分けたという視点で、超急性期とその間の橋渡しという ことで2つできたということは評価できると思います。しかしながら、この新しい亜急性 期入院管理料があまり在宅支援といった視点に立たれていないと。要するに、入院からD PCの超急性期のほうからのみの視点ということがちょっと強すぎるのではないか。やは り在宅からの急性増悪といったことでの受け入れということでの亜急性期、まあ全日病な どは地域一般病棟といったようなことでも示されましたけれども、それにはやはり地域を 支援する、在宅医療を支援するといった視点が強かったと思います。今までのものはそれ ができるということなのですけれども、やはり亜急性期入院医療管理料2においてもそう いう在宅医療を支援するといった視点が重要ではないかと私は思います。 ○事務局(原医療課長)  在宅医療のケアはそれぞれ当然やっていただいているのですが、今回のこの入院医療管 理料の評価は、急性期から来る人だけについての部分を見ているということで、その病院 でどういう医療やほかの医療をやってはいけないと言っているわけではありません。在宅 医療からの受け入れについては、在宅医療からの受け入れの項目が後でまた出てまいりま すので、そういうところで評価をしていく。だから、亜急性期という言葉、若干紛らわし くて、今言われたような2つの、急性期からの後の状態を亜急性期と言ったり、その在宅 医療で急性増悪した方を引き受ける部分は亜急性期と言ったり、その両方で現在は使われ ておりますけれども、今回考えているこの病棟といいますか、このユニットは、あくまで 急性期の病院からどんどんそちらでの患者のいわゆる回転が速くなりますので、それの受 け皿としてこれを機能してほしいという点に着目した点数ということです。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  その視点の中に、やはりその超急性期からの受け入れとそれから在宅医療からの急性増 悪への両方の視点というのは、この亜急性期の考え方に私は必要ではないかという意見を 述べさせていただきます。  したがいまして、この視点にできればこの新しい点数、しかも60日を限度ということ で、早く在宅に帰すという視点を、在宅医療のバックにも考慮していただきたいというこ とを主張します。 ○事務局(原医療課長)  前に議論したときも出しましたけれども、もし名称が悪いなら、「急性期後入院医療管 理」でもいいです。それを考えているのであって、在宅からのものは在宅のところで別に 考えるということなので、それをあわせ持たなければいけないという形にはしたくない。 この200床未満のところの約3割までのユニットについては、その急性期から来る人だ けを見るのだと、そういうユニットにしたいということなのです。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  そうすると、在宅患者の急性増悪時は、主にDPC対応ということで考えられていると いうことですか。在宅の場合に急性増悪した場合に、本当に定額制で、しかも亜急性期の 点数で十分対応できる急性増悪というのは多くあるわけですので、これから在宅医療を推 進するという視点ということでこういうものができ上がっているという視点から意見を述 べております。 ○事務局(原医療課長)  急性増悪になられるのはどういう状況かというのはさまざまだと思います。それは、だ から入院をしてはいけないと言っているわけではなくて、今回はこの部分を評価している と。在宅からの急性増悪の部分を評価しろと、実は新しい項目なので、そこは今ここと絡 めてちょっと議論していただくのはどうかなと思います。 ○土田会長  今天本委員のほうから話しがありました在宅から急性増悪してそこでどうするかという ことについては、今まで十分やってきたあるいは別途今回新しく講じているということで すか。 ○事務局(原医療課長)  例えば、後期高齢者の外来患者緊急入院加算というのが後でまた出てまいりますけれど も、要するに、在宅医療をしておられる患者さんが悪くなったときに行き先がないという 話では全然ないわけでして、病院があるわけですから、あるいはここのユニットでない7 割以上のところは普通の病棟なわけですから、そこに入院されても一向にそれは構わない わけです。だから、それを改めて別途評価しろというと、それは別の議論をしていただか ないといけない、そういう説明です。先ほど言ったように、後期高齢者ではそういう在宅 患者の緊急連携をしながら帰ってくる場合の加算というものを設けておりますので。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  もちろん出来高で受け入れることは十分対応可能なわけですけれども、亜急性期的な最 初にできた発想の下で在宅を支援するという視点も入れてほしかったということでとどめ ておきます。 ○土田会長  わかりました。どうもありがとうございます。 ○対馬委員  今、「とどめて」ということですから、あまり申し上げることもないかなと思ったので すけれども、我々の議論もやはり急性期からということで議論してきましたので、亜急性 期全般についてどうするのだというのは別途の議論としてはあり得るのだろうと思うので す。リハなどもある意味関連してくるのだと思うのですけれども、それはそれとして、ぜ ひまた今後議論をしていきたいと思うのです。今回この在宅からのものをやるとなると、 亜急性期というのは一体何なのだという基本議論をやる必要がでてくるのでなかなか難し いのではないかと、こういうふうに思うのです。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  意見をとどめておくというのは、これからやはり在宅医療を推進するには、そういう機 能のところが必ず病院というものに必要であるということは、中医協としてもきちっと認 識しておいていただきたいと思います。 ○土田会長  よろしいでしょうか。次の項目に移っていいですか。何かございますか、ただいまの件 について。 ○西澤委員  今の亜急性期というところは、課長がおっしゃったように2つの役割があって、今回は ポストアキュートに集中したということですので、今の議論の総括どおりで、今後もう1 つのほうの形をどうつくるかということをぜひお願いします。 ○土田会長  ほかにこの項目で、この項目というのは、つまり四つ五つの項目ですが、ございますで しょうか。 ○西澤委員  2つというのは、今の既存の亜急性期入院医療管理料が1つはポストアキュートであっ て、片方は在宅から成っていますので、そちらの後者のほうという意味でございます。 ○土田会長  そういうふうに受けとめております。よろしいですか。 ○西澤委員  はい。 ○土田会長  それでは、次の48ページ以降ですが、「質の評価手法の検討について」ということで、 回復期リハと、それから医療療養病棟、2つございますが、いかがでしょうか。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  それではまず回復期リハで48ページで、「他の保険医療機関への転院した者等を除く 者の割合が6割以上であること」ということで、老人保健施設など、亜急性期においては、 それも在宅としての一部の、というのは、高齢者の場合に、非常に長期間在宅への受け入 れに準備が必要だということがよくあります。そういう意味で、この回復期リハビリテー ションにおいてもけっこう時間がかかって、もう少し老人保健施設でリハビリをするとか ということなどがありますので、ここの中にこの老人保健施設が含まれるのかどうなのか。 ○事務局(原医療課長)  含まれません。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  そうしますと、やはり老人保健施設で骨折とかいろいろな事故が多いわけです。その方 が手術を受けて、そしてリハを受けて、また老健に帰るという、これはよくあるパターン でございます。そういう人たちがこういう回復期リハビリテーションが使いにくいという ことにもつながりますので、しかも、亜急性期などは老人保健施設、在宅復帰という中に 含まれているということからして、やはりそちらとの整合性も考えてぜひ老人保健施設な ども入れていただきたい。 ○事務局(原医療課長)  別に老人保健施設に帰ってはいけないと言っているわけではなくて、自宅等に帰れる人 が6割、これは若干緩めかなと思っているぐらいなので、逆に言うと、4割近くは老健施 設に帰られても残りの人が自宅へ帰っていれば一応クリアできる。現状として、今老健施 設に実際退院されているのが5%程度というふうに聞いております。ですから、別に帰っ てはいけないとか、そういうことを言っているわけではなくて、ここの回復期リハビリテ ーション病棟は基本的には機能を回復してやはり自宅等へ帰るのでしょうということを考 えていますので、やはりそこの率を6割以上ということで保っていきたい。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  時間などもありますから、老人保健施設というものもいろいろな意味で、これは特定施 設に少しずつ近づいてきていると。そして特養とかそういう「終いの住みか」の待機場所 になっていて、そのために老人保健施設を活用されている人たちもいますので、これは、 これでスタートするとしても、今後例えば2年間でもいろいろな意味での追跡調査をして いただきながら、今後も含めて多様な住宅にだんだん老健施設も近くなってきております ので、そういうことも含めて今後の課題として議事録にきちっと残しておいていただきた い。 ○土田会長  わかりました。  ほかにございますでしょうか。 ○古橋専門委員  50ページでございますけれども、改正点といたしまして、この「医療区分・ADL区 分の評価方法の簡素化」、これは非常に効率的で、改善点と考えておりますけれども、こ の「患者病態の変化時に」と書かれております、これが各現場のとらえ方によりまして温 度差が出てくる可能性もございます。そういう点では、どうか解説の中に例示などをして いただきたいと思います。当然専門職であれば分かるといえば分かるのですが、病態の変 化というのも、急性疾患ではございませんから、緩やかにあるのですけれども、それをど のようにとらえるかの測定者の判断がありますので、ぜひともあまり差がないように、も う1つ、県によって社会保険事務局等のとらえ方の違いも往々にして医療現場が経験する ところでございますので、統一性と、例示等を示して分かりやすくしていただきたいと思 っております。 ○事務局(原医療課長)  難しいのですが…… ○古橋専門委員  現場毎の判断でいいのか。 ○事務局(原医療課長)  例えば脱水に対する治療を実施しているかどうかというような項目がありますけれども、 これは脱水に対する治療をした場合には当然チェックするわけで、始まったときに一応評 価して、それから終われば評価する、そういうような意味ですので、こういうようなとこ ろは多分紛れがないのだろうと思います。あと、できるだけ客観的な形で評価できるよう にはしておりますし、その基準についても一応細かくその評価の意味、それに該当するか どうかの評価も出しておりますので、それを十分検証していただければと思います。 ○古橋専門委員  よろしくお願いします。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  療養病床のことなのですけれども、療養病床については、前回も意見を、エビデンスに 基づいていないと述べました。特に18年2月15日の土田会長の下での答申書の裏のと ころに、やはりきちっとした実施状況というものを検証すべきだということで、議論は、 前回私もしっかり議論も述べましたから差し控えますけれども、この意識障害、全介助レ ベルの方で経管栄養、胃瘻、吸引の方々が政策的に介護保険の施設あるいは在宅ケアに誘 導しているわけですが、しかし現状は介護労働の場において、私が聞いている限りは、介 護労働者として不安が強いというような小島委員から連合からの報告もあったし、それか ら特養でもこのような医療処置というものを介護労働者がせざるを得ないということで不 安に迫られているというのを聞いております。さらに政策的に継続して医療処置などの人 たちが介護のほうに流れていくということについて、受け手としての介護労働者の代表で もある連合を代表する小島委員に、どのように受け取られているか、意見をぜひお聞きし たいと思います。 ○小島委員  では簡単に。その点についてはここの中医協の場で直接触れていなかったのですけれど も、ほかの審議会等では発言をしておりますけれども、今回の全体の療養病床の見直し・ 再編という流れについては、基本的にそういう方向での見直しというのは必要だろうと思 っております。特に介護保険の介護療養病床、これについてはもう既に法律でもなくすと いうことになっていますので、それのための受け皿として、今一つ療養病床から転換型の 老健へということで議論をされている話でありますので、その際に、その転換型の老健の 受け皿として今入居されている方の医療ニーズにきちっと対応できるような、そういう体 制整備というのは当然必要だろうということで、私が入っております介護給付費分科会の ほうでも議論されておりますので、そこではそういう観点から、介護報酬の見直し、それ に対応できるような体制整備、看護師の夜間配置ということも含めて転換型のそれなりの 報酬の在り方ということも、そういう観点から発言をしておりますので、そういう受け皿 はきちっとやはりしていく。それと在宅、地域医療ですか、その辺のバックアップ体制と いうこともあわせてここは整備をしていくということで、この療養病床の再編に伴う転換 型あるいは地域医療・在宅医療の充実、そういう総合的な整備が必要だろうというふうに 思っております。それで本当に可能かどうかということは、まさにそこはこれからの努力 次第だろうと思っておりますので。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  それは今政策的ないろいろなことをおっしゃったわけですけれども、一番重要なのは、 介護労働者の労働環境というものがこれから整備が非常に重要であって、その中に、やは り医療処置などの技術、法的な整備、そういうものが未整備の形で介護労働者の方々が不 安を持っているということは小島委員も御存じなはずで、そこを聞きたかったわけです。 政策的なことをどうのこうのを聞いているわけではないです。 ○小島委員  失礼しました。そこは介護施設の介護従事者、特に介護職の仕事の仕方といいますか、 今医療行為と、それから介護・ケアのところが、実際は医療行為というふうに言われてい るところが介護職の皆さんが実質的には担っているというような部分もあるということが 現実的にはありますので、その辺はやはりこれから整理は必要だと思っております。とい うようなことを含めて体制整備というのが必要だろうと思っておりますし、それに伴う、 それはやはり介護報酬の問題というところに当然かかってくると思いますので、そういう ことでの整備というのは、従来から私は主張しているところです。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  要は、拙速的にこの経管栄養とか医療処置が多い人たちが介護の現場に流れていくこと を非常に私たちは心配しているわけです。  第2点として、今度は利用者、ここに入っていらっしゃる人の受け手が、これは対馬委 員にお聞きしたいのですけれども、被保険者としての、要するに、利用者さんの御家族と いう方々が行く場所が現時点では老人保健施設も法的には可能な受け皿となっていますけ れども、現在の稼働率とか今の看護師さんとか、そういうことがなかなか受け入れてもら えないという状況であるし、利用者さんからも、ぜひ病院で入院を継続してほしいという 声を強く聞いている。これはサービス提供側からそこを主張しているわけですけれども、 それを称して我々は「医療難民」と言っているわけですけれども、御利用者さんからはそ ういう不満というのは、不安というのが私は非常に強く聞くのですけれども、その利用者 の被保険者の方々、そういう点については介護でいいというように思われているのでしょ うか。 ○土田会長  ちょっとこれは政策にかかわる話でして、この場で議論するのはどうでしょうか。もち ろん一言答えてもらうのはかまわないのですが、ここでこうやっても、認識は分かります、 重要な視点であることは分かりますが、ただ、中医協のこの場で…… ○竹嶋委員(代理天本氏)  中医協で私がそれを言うのは、前委員のようにあまりしつこくは言いませんけれども、 要は、ここが政策的に医療の必要性がないという判断であまりにも多くの医療の必要な 方々が、これからも一般病床からもどんどん増えてくるわけですので、認知症のいろいろ な方で、前のところで障害者とかいろいろなところで認知症を省くとかということがある わけです。そういう人たちが介護に行った場合に、利用者さんの御家族は非常に不安を持 っていらっしゃる。医療処置ですから、当然医療で提供すべきだと、そこはつながるわけ ですので、意見を述べさせていただきました。それで、配慮だけでは非常に大変だという、 サービス提供側も経営できないという意見も御理解願いたいと思います。 ○対馬委員  やはり中医協の議論では、これをやり出すと、しかも個人ごとに意見を言ってください というのは、ちょっとそれはどうかというふうに思います。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  いや、個人というよりも…… ○土田会長  さまざまな立場の方がおられて、さまざまに悩みを持っておられるということは我々も 十分承知しています。それを今回新しい政策の中で今都道府県ごとに計画をつくっており まして、それが一体どういったことになっていくかというのはこれからですけれども、そ ういった状況の中ではできるだけ、介護のお世話になる方でありますとか、医療のお世話 になる方、こういった方が困らないようにするというのは基本だろうというように思うの です。  ただ、それはそれとして、やはり大きな方向性として変えていくときには、どうしても ぎくしゃくするところもありますし、摩擦も出てきますから、そこをできるだけ小さくし ていく、そういった努力をしていく、こういったことが必要だろうと思います。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  失礼しました。今回私がなぜあえて言うかというと、介護療養病床の廃止の廃止という ことで、10万人以上の人たちが集まったのです、反対という。そういうことが大前提で、 今回もこの診療報酬も進んだものですから、やはり御利用者さんの声、というのは、中医 協というのはやはり患者さんのためにということですので、私たちはこの領域は患者さん というように考えているということを理解してほしく、こういう発言をしました。 ○土田会長  今の天本先生の発言は、基本的には非常に重要な領域を含んでいるということは十分認 識しておりますし、それで、診療報酬でかかわるところはできるだけかかわっていきたい というスタンスでおります。  それから、介護保険との関連性も、前にいろいろ問題がありましたので、そういうこと も今回はあまり抜け落ちたところがないように対応していきたいというように思っており ますので、その辺は改めて介護のほうの担当者に、中医協がこういう意向であったという ことはお伝え願いたいということで、とりあえずここはおさめたいと思います。 ○松浦委員  ただ、まとめてくださいね、もし中医協の意見としてよそへ出すのであれば。いろいろ な意見があると思いますから。 ○土田会長  今の天本委員の発言は、ここであえてまとめる意図は私はありません。 ○松浦委員  では、結構です。 ○土田会長  議事録にとどめて、それでここで担当者もおりますので、そういう意見であったという ことを申し上げておくにとどめたいと思います。よろしいでしょうか。  ほかにございますでしょうか。 ○遠藤委員  49ページ、リハビリの重症者の回復加算でありますけれども、これは10月からとい うことで、まだ少し時間があるわけですが、ここで重症の患者の日常生活機能が改善して いることを評価するということですけれども、この重症者の定義であるとか、あるいは生 活機能の改善といいましても、いろいろなADLの指標があるわけですけれども、それに ついては何か腹案があるわけですか。 ○事務局(原医療課長)  改定資料集のほうでいきますと161ページにございまして、昨年の11月30日に出 した資料です。「日常生活機能指標」と書いてありまして、これは現在のハイケアユニッ トの重症度・看護度のほうの介護のB得点に当たるものを抜粋した。これは日常生活、ど ちらかといえばADL評価のほうがぴったりきますので、この得点でもって何点。このう ち、10点以上を重症者というふうに今考えているということでございます。 ○遠藤委員  実は、なぜこれを申し上げているかといいますと、このいわば医療のアウトカムを報酬 と結びつけようという試みは、我が国の診療報酬体系の中でも初めての試みだということ でありますので、外国などでは最近ペイ・フォー・パフォーマンスとかいって、医療の質 と報酬とを関係付けようとする動きがあるわけでありますけれども、その中でも、医療の 質といいましても、ここで言うアウトカムだけではなくて、どちらかというとペイ・フォ ー・パフォーマンスといっても、アウトカムによる評価というのは少数派だと思っており ますので、そういう意味でアウトカムを評価するということはなかなか難しい問題を含ん でいるわけでありますから、ここはあくまでも試行的に行ってみるというところを非常に 強調されて、間違いなく検証の対象にするということをぜひお願いしたいと思います。意 見でございます。 ○土田会長  僕のほうから一言言いたいと思っていたのですが、ここは患者選別があるという、そう いう懸念も聞こえてきますので、そこに対する対応策としてはどういうことを設けている のでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  ですので、要するに、今回新しくつくる入院料1のほうなのですが、そこではだから新 規入院患者のうち1割5分以上が重症の患者、だから、15%以上はここに、先ほどの項 目で10点以上というのはかなり動けない人なので、そういう人を少なくとも15%以上 は引き受けてください、なおかつ自宅等へ6割以上帰しなさい、なおかつ、さらにこの重 症者の回復度合いがいいとさらに加算がある、そういうような仕組みにしておりまして、 初めのところの15%のところでかなり受け入れが進むと考えています。 ○土田会長  これは遠藤委員の発言と重なりますが、やはりこれはあくまで試みですので、検証を進 めながらこの成果主義については十分慎重に対応していただきたいということを伝えてお きたいと思います。  ほかにございますか。 ○対馬委員  今の評価のところにも少しかかわってくるのですけれども、療養病床についての評価を どうやっていくかということで、51ページの「(5)医療の質の評価へ向けた取組の促 進」は病棟単位での現実的な意味での測定・評価ということを言われているのでしょうけ れども、学問的といいますか、手法というか、例えばクオリティー・インディケーターと かいったことも含めていろいろ工夫なり御尽力をいただければと思います。 ○土田会長  これは御意見ということでよろしいですか。あるいは要求ということで受けとめたいと 思います。ほかにございますか。  よろしいでしょうか。それでは、「質の評価手法」については以上にしておきたいと思 います。ここは特にペンディングにされたということはありません。  II−3の「医療ニーズに着目した評価」ということで、53〜54ページだけですね。 7対1入院基本料ですが。 ○中川委員  54ページの「「医師配置」基準を満たさない場合」の減算というところがありますが、 医療課長、これはどのぐらいの減算を想定していますか。答えられる範囲で結構です。 ○事務局(原医療課長)  7対1と10対1のこの間ぐらいに書いてありますが、別にそこまでひどくやるつもり はございません。逆に、あまりこの減算幅が大きいと、それこそ看護師ではないですけれ ども、医師の確保にまた走ったり、そういう要素も出てきますので、それほど大きなもの は考えていません。 ○中川委員  7対1、言うまでもないですけれども、建議の趣旨は、医師要件ということは、何か非 常に唐突に出てきて違和感があるのですが、会長がおっしゃった現場の納得という視点か らみると、これは非常に難しいだろうと思うのです。それで、この医師不足のときに医師 要件を入れてきたということに対しては、今我々、私はいろいろな現場から意見を聞きま すけれども、非常に混乱しています。その上で「特定機能病院には適用しない。」とあり ますが、もしこれを適用したとしても、特定機能病院は問題ないわけです。いわゆる医師 要件に関しては。そこで、やはりこの診療報酬の決め方として、医師要件を唐突にこうい うふうに入れるというのは、非常に現場に対して冷たいと思うのです。特に地方の中小病 院、へき地ではなくて。  そこで、この医師要件に関してやはり少し一工夫していただきたいなと。例えば医師の 奪い合いということが起こる可能性があるので、一工夫していただきたいなというふうに 強く思います。例えばこの「医師数が当該病棟の入院患者数に対して10分の1以上であ り、かつ、医療法標準を満たしている」というふうに、2つの要件があるのです。これ、 両方とも満たさなければだめだではなくて、例えばどちらかをクリアしていればいいだと か、そのぐらいの余裕というか、配慮があってもいいのではないかと思いますが、いかが でしょうか。 ○土田会長  ここに、「へき地等に所在する病院については、特別な配慮を行う。」というただし書 きがありますので、これに対応するのかなと僕は受けとめておりましたが。 ○中川委員  へき地というのは、会長、ごくごく限られた部分ですので、困っているのはへき地だけ ではございません。地方の一般の中小病院は特に大変困っております。 ○土田会長  これについてはいかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  これは前にも説明しましたけれども、この7対1入院基本料の病院については、急性期 の入院医療というものに限っていこうという話で始まっております。したがって、看護か ら見た看護の必要度というものを入れて、それを一定以上のいわば急性期の人が入ってい ることを見る。それから、急性期の入院医療をする以上は、それは看護師だけではなくし て、やはり医師がいないと急性期医療はでき得ないわけでして、ここで言っている医師数 の入院患者数に対して10分の1とか、あるいは医療法の標準というのは、それほど厳し いものとは思っていません。ですから、7対1入院基本料を急性期入院医療というふうに 限定的にとらえていく以上、この医師の要件は適切なものというふうに考えております。 ○土田会長  これは僕のほうにも幾つか意見等々が出てきておりますが、この結果、医師の不足等あ るいは医師の移動が過剰に起こらないかというような心配な声も聞こえてきておりますけ れども、それについてはいかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  7対1入院基本料をとるために医師を獲得するということがよく分かりませんけれども、 逆に言うと、こういう看護必要度のような状態の患者さんがいるところで医者がいないと ころのほうが問題だと思います。だから、それは必要なら、この基準というのは、別に急 性期医療の最低といいますか、ほとんどだから条件にならないぐらいのところと思ってい るわけでして、医療法標準ですからせめて守ってくださいというところの話なのです。 ○土田会長  いかがでしょうか。分かりましたか。 ○中川委員  最低という、だから、課長、そういう発言は現場の状況を知らないというふうに思われ ますよ。医療法標準と、外来も含めて、病棟も含めて、そこのことで医師数が1人減り2 人減り、ぎりぎりのところで地方の急性期病院は頑張っているわけですよ。例えばこの要 件に10分の1以上は満たしているけれども、医療法標準にはちょっと欠けるだとか、そ ういうところの配慮をしてあげていただきたいというふうに申し上げているのです。これ は最低の基準だとおっしゃいますけれども、その最低の基準ができなくて地方の現場は非 常に困っているのです。それは配慮に欠けた発言だと私は申し上げたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  医療法標準の出し方はいろいろ今議論もされていると聞いていますけれども、やはりこ こは全病院の中で、入院基本料で7対1を、非常に高い点数ですので、そこまで該当する ならば、しっかりとした急性期医療をやっていただく病院だと思います。だから、そのた めには、やはりその医師の要件というのは、急性期医療と言う以上、医師がいなくていい ということには決してならない。だから、そういう意味でこうやっているということであ ります。入院患者10人に1人というのは、これはある意味医療法標準とほとんど同じぐ らいの話、外来患者は数えていませんので、同じぐらいのレベルだと思いますし、多くの ところでざっと見ましたけれども、これで落ちるところはほとんどないというふうに聞い ています。 ○中川委員  今のはいいですけれども、「かつ」の後はどうですか。「かつ」以下の「医療法標準」。 これは外来患者は関係あるのですね。 ○事務局(原医療課長)  医療法標準は、当然ながら外来患者に関係あります。 ○中川委員  それで、私は一度調べました。全国の7対1をとっている公立病院、これの大体3分の 1強は、これはクリアできなくてだめになりますね。そういう実態を御存じの上でおっし ゃっているのかどうか。 ○事務局(原医療課長)  多分地域差があるのかなというふうに思いますけれども、今考えておりますのは、この 減算措置について、医師数において今でもいわゆる入院基本料の減算措置がございます。 そこの基準は7割を切ったときに初めて減算がかかるというルールがございますので、そ のあたりを考慮はしていきたいと思います。 ○土田会長  よろしいですか。 ○中川委員  ぜひよろしくお願いいたします。 ○西澤委員  看護必要度の基準のほうですが、A得点2点、B得点3点の患者が1割以上という条件 でございます。この条件でもって今回落ちる病院は調査上どれぐらいあるのでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  およそ2割の病院というふうに聞いております。 ○西澤委員  分かりました。確かにふさわしくない病院が入っているとか、いろいろな理由で今回入 れたので、入れる方向はここで合意されたのでいいのですが、2割というとかなりの数だ なと思って、どういうふうな影響があるか、ちょっとすぐに頭の中で整理できないのです が。  もう1つ、「特定機能病院には適用しない。」と書いてございますが、特定機能病院で この看護必要度をクリアできないところはあったのでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  特定機能病院についてすべてデータを持っておりませんのであれですけれども、持って おるところについては大丈夫です。 ○土田会長  すべてクリアしているということですね。よろしいですか。 ○対馬委員  ちょっと技術的というか、マイナーな話で申し訳ないのですが、54ページの移行措置 がちょっとよく分からないのです。54ページの上のところに移行措置が書いてあって、 基本的には7月1日を念頭に置きながら移行措置をしていくのだと。したがって、7対1 で看護の必要度を満たさないところは7月1日から10対1の入院基本料というのを 「◇」の3つ目に書いていますね。ところが、看護補助加算については4月1日からつけ ると書いていますが、これはどういう意味なのでしょうか。4月1日から6月末までの間 は、従来同様ずっとやっていくので、看護の補助加算をつけるまでもないと思うのですけ れども。 ○事務局(原医療課長)  これは恐らく7月になれば7対1でいられない、あまり必要ないけれどもとりあえず集 めてしまったという病院もあると思います。そういうところは、できるだけ早く、必要以 上の看護師さんがおられるなら、できるだけ他の病院に行っていただく。無理やり首にす るという意味ではありませんけれども、そういうような形で、最終的には看護師の数を多 分減らしていかれるのだろうと思います。それを早いこと進めるために、そこで早くから 7対1を割っていく場合があります。要するに、将来看護師がいるだけでは7対1の基準 はクリアできない病院がありますので、そういう病院は早くから看護師の移動を進めてい くと、7月を待たないうちに7対1の基準を割ってその補助加算というものをつけてあげ る、そういう形になる。だから、移行をスムーズにできるだけ早くしていただく、そうい うような意味です。 ○対馬委員  従来同様の7対1の入院基本料は4月1日から6月末までもらえて、さらに看護師さん がやめる場合に備えて退職金相当分の看護補助加算をつけると、こういうことですかね。 それはちょっと…… ○土田会長  いや、違うみたいです。医療課長、どうぞ。 ○事務局(原医療課長)  7対1のときに補助加算がつくわけではなくて、7対1から看護師が移動していって、 7対1の基準を満たせない、既に例えば8対1ぐらいになりましたと、そうなると10対 1に当然落ちなけれはいけない。10対1に落ちたときに、2対1部分ですか、その部分 に加算をつける。 ○対馬委員  分かりました。了解しました。 ○勝村委員  1つ、経過措置の1つ前の議論なのですけれども、7対1を導入していくとか、僕は看 護基準、助産師基準とかも、いろいろ医師の数とか、施設基準、いろいろなところにたく さん、やはり大切なところには大切なだけ、必要なだけ人が集まっていくというふうに変 わっていく必要があると思っています。だから、特に現状をというのだったらば、勤務医 が開業医に毎年1,000人以上とか流れていっているという、そういう現状を変えてい かなければいけないので、何か変化が出ると現状維持できるだろうかというふうに、経営 をしている方が思われるかもしれませんけれども、やはりあるべき姿に変わっていくとい うことのメリット、それはもちろん7対1ということで、基本料、入院基本料がそういう ふうにたくさん与えられるのであれば、やはりそこには救急、慢性期ではない救急、看護 師さんだけではやはりできないというところにきちんと医師がいるという当然のことを、 価値観として持つべきで、きちんとした価値観は明示していくという方向でやっていただ きたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。ほかにございますか。 ○古橋専門委員  細かいことで恐縮ですが、53ページの、前回までは「特定機能病院には適用しな い。」というふうに言い切られておりましたが、今回、括弧のただし書きが書かれており ます。特定機能病院も看護の必要度に係る評価を実施するとなりました。私はこの看護必 要度が広く普及して、そして内容の検証を受けながらも熟成されて、各医療現場のデータ として標準値になるということも大いにやっていかなければならないと思っております。 したがって、特定機能病院も当然看護管理者は、出されたこういう評価を使って自病院の 配置計画を立てるためには測定すべきと思っておりますけれども、診療報酬関係で特定機 能病院も評価するのだよと、それは届出もするということにつながると思うのですが、こ うなりました何かわけが出てきたのかどうか、そこをちょっと教えておいていただきたい と思います。 ○事務局(原医療課長)  特定機能病院をここで外したのは、地域の急性期入院医療という体系の中とは別の評価 をしていこうということで、先ほど特定機能病院の14日までの入院基本料に対する加算 のところで手厚くしていきます。ここの看護の必要度のところの問題は、やはり特定機能 病院なり、ほかのところも一応どういう状態かはいずれ調査をしていきたい、そういうこ とがあります。特定機能病院で7対1入院基本料をとるときに、届出は当然必要になりま すので、その施設要件としてこういう評価をすることは入れていきたい、そういうふうに 考えております。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますか。 ○西澤委員  要件にはなっていませんけれども、特定機能病院で今後調査するのであれば、そのデー タというものを出していただければありがたいと思います。 ○土田会長  よろしいですね。  ほかにございませんでしょうか。よろしいですか。  それでは、ここの7対1のところは以上にしまして、次の「在宅医療の推進について」 ということで、在宅療養支援病院のところから始まって、3つの項目ですね、58ページ まででございますが。在宅療養支援病院と退院時の情報提供、それから転換老健ですけれ ども、よろしいでしょうか。  それでは次に、59ページから70ページまでですが、「精神障害者の療養生活支援」 についての項目を議論したいと思いますが、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  まず、64ページの精神科身体合併症管理加算、これはついた意義は大きいのですけれ ども、現在認知症の方々で一般病棟でいろいろな方々を治療したりする、その際の、認知 症があるということでの看護師さんの負担が非常に強くなったりしております。そういう 意味で、これを一般のところでの認知症の身体合併症を管理した対応というのはないです よね。これはやはり拡大すべきではないかと。例えば白内障の手術とか、いろいろなこと などで、やはり一般病棟でそれが介護施設であってはならない抑制とか、そういったよう なことにもつながっております。そういう意味においても、この精神科だけという視点よ りも広く、しかもこれは一般病棟でも短期間だろうと思いますので、そういう考え方での 対応はいかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  新しいテーマですので即答はできないのですけれども、例えば療養病床でコスト分析か らいって、一応認知症、医療区分1のところは逆に言うと少しあったのですけれども、2 のところは逆になかったということで、今回認知症の加算を外しました。  そういうところからいくと、それがどれぐらいの加算が必要なのかというのは、やはり かなりデータを集めてみないと分かりませんし、恐らく今後その加算をとる人がかなり増 加してくるだろうと。だから、そこの財源をどうするのかという問題もありますので、ち ょっと、今回それを導入するというのは困難というふうに思います。 ○古橋専門委員  61ページでございますけれども、退院後の支援で、改正案では、精神科訪問看護・指 導料というものについて綿密に吟味をされております。訪問看護ステーションのナースた ちにも聞きますと、ここ数年、精神科関係の方の訪問依頼がかなり増えてきていて、かつ それは非常に課題も大きい。きちっと丁寧にフォローしていかなければならないというこ とです。ここでは指導料でございまして、地域にあります訪問看護ステーションが行く場 合については、この評価が全部外されております。例えば複数人数での訪問等につきまし ても、精神科病院からデリバリーで訪問看護がなされる場合には評価されるのでございま すが、地域にあります訪問看護ステーションの訪問看護基本療養費では認められておりま せん。こうした事実に、訪問看護ステーションの看護職たちはひどく葛藤しておりまして、 これはかなりな差別ではないかと思います。訪問看護ステーションへの精神科の依頼も増 えておりますので、訪問看護の基本療養費の対象にぜひともしていっていただけないかと 思っております。そのあたりはいかがでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  精神科、在宅というのはどういう表現、入院外と言ったほうがいいのかも分かりません が、この精神障害者の方に対するこういう体系を、基本的には、精神科病院から行ってい ただくのが多分普通なのだろうというふうに考えてこういうふうに考えているわけでなの です。やはり、精神科の場合は入院医療がしっかりとバックアップしてあげないといけな いという意味で、そういう意味では病院から出るということを中心に考えている。単独の ステーションに依頼をしてやる場合もないことはないのでしょうけれども、そういう意味 では基本的には私は病院から行くのが通常の形だろうというふうに思います。ですから、 そのステーションのほうでどうしていくかと、そことの連携ももちろんないことはないと 思いますので、そのあたりはちょっと今後の検討課題にさせていただきたいと思います。 ○古橋専門委員  趣旨はそこから始まったと思います。それと、訪問看護の知識や技術も精神科病院に属 していることがベースとして求められたと思いますが、現実は、地域にくらす精神科の方 に対し、訪問看護ステーションが動き出しておりまして、この診療報酬の設定の差に苦慮 しております。訪問看護ステーションの経営等に関しても、ここのところを課題として背 負っておりますので、ぜひともそこへの御検討を進めていただく時期が来ていると思って おります。 ○土田会長  医療課長が検討してみたいということですから、一応検討課題として今回は対応させて いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。  ほかにございますか。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  63ページなのですけれども、認知症の、先ほども言いましたけれども、特殊疾患療養 病棟とか障害者何とかから認知症を外すということで、長期にわたって精神科あるいは入 院医療を必要とする場がいろいろな意味で狭まってきております。ここの認知症の治療病 棟というのでは、薬物療法もありますけれども、正しいケアといいますか、専門的なかか わり方ということでの環境で落ちつくというものがありますので、これは以前でも6カ月 というぐらいの評価をなされていたぐらいなのですけれども、長期にわたってここの環境 の下で療養されているということがあるもので、この評価を引き下げるというところがい かがなものか。行き場があれば、そういうような次へ次へというものがあるわけですけれ ども、その点について御意見を。 ○事務局(原医療課長)  基本的には、落ちついた後は介護のグループホームでありますとか施設のほうで、ある いは在宅でということを考えているわけでして、病院という形で絶対ずっと長期に見なけ ればいけないという人は、恐らく少数ではなかろうかというふうに思います。そういう意 味で、病院として対応すべきところとしては、やはりいろいろな症状の激しい時期という ことで、初めの3カ月分について評価を上げるということです。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  認知症の一時期そのような過程の人もいらっしゃるのですけれども、タイプとして本当 に長期にわたってかなり専門的な看護師さんの人数で対応する群があるということで、そ れは介護施設でも対応しにくい群があるということで意見を述べさせていただいています。 ○事務局(原医療課長)  やはりもちろんある程度落ちついて退院されて施設におられて、また悪くなるときも当 然あるでしょうけれども、それは再入院していただくしかないのだろうと思うのです。本 当にずっとこの精神病棟で見続けていくのかという問題もありますし、そこのあたりは、 落ちついた段階ではやはり介護のほうへという流れで考えたいと思います。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  基本的にそういう形で体制整備しなければいけないのですけれども、かなり医師と看護 師で対応しなければいけない、しかも長期にわたって対応していかなければいけない方が 今ここに入っていらっしゃる現実というものは、やはり直視していただきたいということ で、これで意見を終わります。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○対馬委員  ちょっと事務的で申し訳ないのですけれども、名称を見直すという話がありましたね。 それで、これを見ますと、「老人性認知症疾患治療病棟入院料1」と極めて長いので、今 回少し短くしますということですけれども、例えば「認知症疾患」の「疾患」みたいなも のを入れなければいけないのですか。何となく素人考えですと、「疾患」を入れればすべ てに「疾患」がつくような気がしますし、「疾患」を外せば外せるのではないかと、こう いう感じもします。別にここだけ直せというのではなくて、そういう目で見た場合にとい うことで、ちょっと見直しをお願いしたいということです。 ○事務局(原医療課長)  専門的なので私もあれですが、認知症疾患で、認知症というのは、ある意味状態像で、 そのベースにほかの疾患が当然あるので、認知症に係る疾患を治療する。認知症というの は、何といいますか、物忘れとか、そういう症状群です。だから、そのベースに例えば脳 血管障害があるとかアルツハイマーとかあるわけですから、それの疾患の治療をするとい うことです。 ○土田会長  課長の言うのは分かりますけれども、ただ、常識的に言えば対馬委員の指摘がもっとも だと思います。僕は診療報酬についていつも感じるのですが、いろいろやっていくと分か ってくるのですね。それで分かって、ああ、こうなっているのかというのが本当にいいの か、最初に見て一体これは何だと思う感覚のほうがいいのか、よく迷うのですが。でも基 本的には分かっていても、もっと分かりやすくして欲しい。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  やはり認知症というのは疾患だということです。ですから、我々も早期発見をしなけれ ばいけない。早期の医療のかかわりが必要です。ですから、決して年のせいでも状態像で もないわけですので、認知症に「疾患」をわざわざ入れる必要はないというのが意見です。 ○土田会長  どうぞ御検討ください。それで、できるだけ簡単な分かりやすい名称にしていただきた い。 ○勝村委員  以前、名称に関してある程度見直してほしいと僕も何度も言ってきて、今回ちょっと前 向きな御回答もいただいたと思うのですけれども、名称というのはやはりかなり大事だと 思いますし、今まで厚労省の方にお任せにしていたらこんな名称になってしまったという 面があると思いますので、何かやはりちょっと最終回になって初めてこうなると、出てき たりか、終わってから実はこうしましたというのではなくて、いろいろお忙しい中ですが、 できたら事前に、こういう名称に変えていきたいみたいなのをお見せいただいて、一個一 個チェックが要るわけでもないでしょうけれども、もう少しこういう趣旨の名称にならな いのかというような議論もあり得るかと思いますので、ちょっとあらかじめ見せていただ いきたいなと、今の議論を聞いて思いました。できればお願いします。 ○土田会長  これは今すぐできるわけではありませんので、ただ、基本的には、今発言がありました ように、できるだけ分かりやすい名称にしていただきたい。つまり、正確をあまり期そう とすると分からなくなってしまうのですよね。ですから、その辺は、あいまいに言うとま たしかられるかもしれませんが、しかられてもいいですから簡単にしてください。  ほかに御意見ありますでしょうか。よろしいですか。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  66ページの時間の問題が、やはりこの外来管理加算の議論と同じように、まさに外来 管理加算で示された1から4という視点ほど精神科では非常に重要な視点でもあるわけで ございまして、ここに外来管理加算と同じ対応という形での目安とか、そういう形で明確 にここに時間を想定するというのは、医療に対するすべての、特に精神科治療の場合には、 当然受容するとかいろいろなお話を聞くということで時間がかかることですので、特に前 に書かれたものとの整合性という視点で整理していただけることを期待します。 ○土田会長  よろしいですね。いかがですか、今の。 ○事務局(原医療課長)  そもそもやはり精神療法とは何かということになるのですけれども、一応対象疾患も限 られていますけれども、「医師が一定の治療計画のもとに危機介入、対人関係の改善、社 会適応能力の向上を図るための指示、助言等の働きかけを継続的に行う治療方法をい う。」と、このようになっておりまして、基本的には初診時には30分以上かかるだろう、 その場合にのみ算定できる。そのようなものを精神療法というふうに考えているわけであ りまして、特に精神科の患者さんの場合は恐らく医師と患者との言葉のやりとり、そうい うものが非常に重要だろうと思いますので、ここで目安で5分でいいとはとても思えない というふうに考えております。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  やはり医療というものは、精神科治療もこの外来管理加算も同じ整合性を持つべきだろ うと思われますので、さらに1から4の視点というものを、この30分以上というのはま だしも、5分とかそういうようなものを入れること自体は、全く外来管理加算の考え方と 同じ意見を主張しておきます。 ○事務局(原医療課長)  外来管理加算は基本というのは52点ですけれども、これは病院で330点、診療所は 360点という極めて高い点数です。そこに5分というものでいいという目安ではやはり 今回はちょっと困るなというふうに考えております。 ○対馬委員  こちらも外来管理加算と同じようにということであると、我々としてはむしろこの表現 はいいなと、これを外来管理加算にしたらいいのではないかと、こういうこともあります ので、まあどうなのでしょうか。 ○竹嶋委員(代理天本氏)  まあ、言葉のやりとりはこの辺で終わらせていただきたいと思います。 ○土田会長  ほかにないようでしたら、最悪1時半までというふうに申し上げましたが、1時15分 で一応終わりになったと思います。  それで、次は71ページからの歯科のほうに入るということで、今日はここまでにさせ ていただきたいと思います。長時間、9時半からですからすごいですね、どうもありがと うございました。  次回の日程をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  次回は、来週2月8日の金曜日でございます。場所はちょっと未定でございます。 ○土田会長  それでは終了いたします。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)