08/01/23 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成20年1月23日議事録 08/01/23 中央社会保険医療協議会          第120回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成20年1月23日(水)9:59〜10:18 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        前田雅英委員 庄司洋子委員       対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員(代 天本) 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員        山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <参考人>       吉田英機医療技術評価分科会長       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官 他 (4)議題  ○医療技術の評価・再評価について (5)議事内容  ○土田小委員長  ただいまより、第120回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催い たします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、竹嶋委員の代理で日本医師 会常任理事の天本宏さんがお見えになっております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「医療技術の評価・再評価」について議題としたいと思います。  医療技術評価分科会の吉田英機分科会長がお見えになっておりますので、最初に、医療 技術の評価結果について御報告をいただきたいと思います。 ○吉田分科会長  ありがとうございます。  実は、一昨日、この評価分科会を開きまして最終案をつくりました。中医協診−1の資 料でございます。この小委員会から命令されまして、昨年12月に、本分科会で医療技術 を評価しろということですので、毎週のように集まって評価しました。  1次評価ですけれども、「1 医療技術の評価・再評価に係る実施方法」では、下の6 グループに分けまして、あくまで保険診療について精通している専門家を集めまして、医 学、歯学、薬学、看護学等の代表が集まって検討しました。その結果、2ページにありま すように681件出たのですけれども、1次評価で検討が妥当だろうということが233 件ございました。  この233件につきまして、1ページに戻りまして、2次評価として、分科会の臨床系 の先生方に集まっていただきまして、さらに国民にとってどれが一番大至急導入が必要か ということを検討していただきまして、次の2ページの下にございますように、保険適用 する優先度が高いと考えられる新規技術が42件、その他の新規技術が69件、再評価と して点数の増減が必要だろうというものが62件、その他の既存技術が55件です。その うち先進医療に関するものがございましたので、5件については先進医療専門家会議に付 託してございます。  次、3ページがその大まかな件数の図でございます。  2ページ目、(3)、基本診療料、指導管理等、在宅医療に係る技術もけっこうありました けれども、これは本基本問題小委員会で検討いただくということで、103件を省いてご ざいます。  その結果ですけれども、まず新規技術は4ページ、5ページでございます。そこの42 件が新規技術として保険導入が必要であろうということですが、これは1から42まで優 先順位ではございません。すべて同じ順位で42技術についてお願いしたいということで す。  個々に説明しますと時間がかかりますので、主ものとして34のベッセルシーリングシ ステム、それから38の脳血管狭窄に対する血管拡張・ステント留置術。一番最後のペー ジに図を描いてございます。このようにベッセルシーリングシステムは内視鏡手術に非常 に必要な技術でございます。それから頸動脈狭窄に対する血管拡張術、これも極めて緊急 を要する技術ですので、この2つについて図をつけました。  6ページ、7ページには、一応重要ではないかなというものを羅列してございます。あ と右側には各提出の学会名を書いてございます。  8ページ、これは既存技術で点数の再評価を行おうということですけれども、この中に は、御存じのように、3に「廃止」という項目がございます。各学会から、こういうもの は使っていないからもう廃止をしようということで、3が廃止、16も廃止です。もうこ れは使っていませんので、臨床病理学会等から要らないということでございます。  9ページはございませんけれども、10ページの真ん中辺に、51、これは減点でいい のではないか。53も減点でいいのではないか。60も、臨床検査医学会から、これも使 っていないので廃止していいのではないかという意見で取り上げてございます。この62 件が既存技術で再評価を行ってはいかがかという項目でございます。  11ページからは、その他の既存技術で、それほど重要ではないというものを55件挙 げてございます。  13ページには、先ほど言いました先進医療のほうへ導入される技術として、これは先 進医療専門家会議のほうへ審議をお願いしたという事例でございます。  新規技術の優先順位がありますけれども、医療財源がございますので、この中ですべて 導入できるかというと、我々はわかりません。小委員会で検討いただきまして、ですので、 その他の技術、重要ではないと思われた技術でも、医療財源を考えて、この中から上げら れるものがあるのかなと。これは今日の委員会で御承認いただいて、総会で御承認いただ ければ、分科会長と事務局にお任せいただきたいと思います。  前も言いましたように、新規技術を前回41件お願いしたのですが、今回も55件と非 常にたくさんあります。古い技術も62件ありますので、104件につきまして、新しい 技術が導入されますと、当然臨床現場では古い技術がどんどん減っていくのです。ですか ら、前回対馬委員から言われましたように、こんなにたくさん導入して医療費がかさむの ではないかとございますけれども、実際の現場では違うのです。実際、古い技術はどんど ん減っていきますので、患者数はそんなに減りませんので、それほど医療費には影響はな いと思います。  以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、御質問などございましたら。 ○鈴木委員  これは事務局のほうがよろしいかもしれませんけれども、今前回の話が出ました。前回 は、今回の233件のような該当は何件ぐらいになったのでしょうか。 ○吉田分科会長  たしか800何件あったと思います。800何件あって、技術が41件、それから先進 医療から9件ですか、たしか50件出ました。 ○土田小委員長  事務局のほうの補足はございますか。 ○事務局(宇都宮企画官)  前回の資料がございましたので正確に申しますと、1次評価のほうに上がってきたもの、 重複分を除きますと618件です。それで、そのうち1次評価において引き続き、つまり 2次評価のほうに回したものが248件、その後、最終的に保険収載されたのは113件 となっております。 ○鈴木委員  前回マイナス3.16というようなことで113件が通ったそうですけれども、今回は プラスにはなっておりますが、233件ということでございます。この辺、バランスを考 えたことが必要だと思いますので、その辺はいわば各手術の点数等に対する配分というよ うなものは大丈夫であるならば、新しい技術というのはやはり国民に提供しなければいけ ないと思いますので、その辺を十分に踏まえて対応をお願いしたいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。 ○事務局(宇都宮企画官)  先生御存じのように、それぞれの技術の項目によって額もかなり違いますので、単純に 前回の件数と今回の件数を比較することはできないと思います。ですから、件数でごらん いただくのではなくて、結果として、金額として今回の改定に見合ったような金額でとい うことで考慮させていただきたいと思います。 ○鈴木委員  もう1点ですけれども、外科系から指摘されるのが、手術が逆ざやになっている。もの 代が高くなって、非常にアンバランスになっているということだと思うのですけれども、 その辺はこの再評価の部分には相当散見できるのでしょうか。 ○吉田分科会長  この問題もやはり分科会で提案されまして、実は、手術の中で最近非常に細かい詳細な 手術がありますので、6万円する糸とか、糸が非常に高いのです。それについては一応外 保連を通じて一覧表を出していただいて、それで医療課のほうへその資料を提出してもら っております。 ○対馬委員  まず1点確認、これは事務局でよろしいかと思うのですけれども、新しい技術、先ほど 来話もございますけれども、全体的に本体で0.38%で、医科で見ますと0.42%。 その中にこの再評価、新しく入れるものもあれば、また今回下げたり、ないしは削除する 項目もあるようですけれども、全体としてそこにおさまるように今からやっていく、こう いうことでよろしいのですね。 ○事務局(宇都宮企画官)  そのとおりでございます。 ○対馬委員  わかりました。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○対馬委員  中身の話ですけれども、技術の話ですので、私ども支払側としてはなかなかわかりにく いというか、理解が行き届かないところはもちろんあるのですが、特に保険適用する優先 度が高いという42の新規技術、さらに再評価が必要だという62の技術でしょうか、こ れが関心があるところなのですけれども、この別紙1、4ページからずっと書いてあるの です。確かにこれだけの技術についてどういった形でまとめるかということは、事務作業 としては大変だろうと思うのですけれども、全体に見ますと、左側に技術名があって、申 請団体があって、その隣に「概要」というのがあるのですけれども、「概要」というとこ ろを見ますと、おおむね技術名があって、そこに「の評価」をつけているだけ。これはい かにも形式的で、私どもは勉強しようと思ってずっと見ていきましたけれども、これでは 全くよくわからない。これは事務局として問題ではないかと思いますし、また、いろいろ 検討された先生方に対しても失礼ではないかと私は思います。  特に技術そのものというよりは、まさに保険適用するかしないか、再評価して上げるの か下げるのか、それは何ゆえか、ここがわからないと、私どもとしては判断のしようもな いということだと思いますので、今回はやむを得ないと思いますけれども、次回は、概要 というよりは、なぜ保険適用するのかというところを書いていただきたい。別に全てを詳 細に書かなくても、例えば技術としてはもう既に確定しているのだけれども、評価として いかがなものかとか、類似技術との関係でどうかとか、ないしは技術そのものが新しい技 術なのだ、したがって、今回評価しなくてはいけないのだというようなことが、わかるよ うなものとするよう、ぜひ事務局のほうに、次回以降対応をよろしくお願いしたいと思い ます。 ○土田小委員長  大変納得できる話だろうと受けとめておりますが、事務局のほうはいかがでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  確かに今回の資料はちょっと書き方があまりにシンプルすぎて、それは申し訳ございま せんでした。  ただ、この技術につきまして、どのぐらいの知識の方をターゲットにというか、つまり、 そもそもこの技術の内容自体の解説から始めて書くと、そして、さらにどういう意味で評 価と、そうしますと、資料も大変膨大になるということもあって、今回かなりシンプルに してしまったのですが、今回の御意見を踏まえまして、次回はもう少しわかりやすくした いとは思いますので、よろしくお願いいたします。 ○対馬委員  確かにどこまでというのはありますけれども、これはやはりあまりにも形式的。例えば 8ページ目をごらんになっていただきたいのですけれども、62の項目があるのですけれ ども、これもほぼ、おおむね、すべてと言ってもいいと思うのですけれども、「概要」の ところに「の再評価」というのを書いているだけなのです。これだと「概要」欄は要らな いということになります。ですから、もっと別なところを工夫していただきたい。別に膨 大な資料を要求しているわけではありませんので、そこはよろしくお願いしたいと思いま す。 ○土田小委員長  確かに医薬品の場合はあれだけ非常に詳しい資料が出てきて、それで採用するかどうか という検討に入るわけですが、ここは2年に1回の検討ですし、したがって、もう少し詳 しい資料を提供していただきたいということをここで一応皆さんの合意としてお願いして おきたいと思います。よろしいですね。 ○小島委員  これは事務局のほうに質問になるのですけれども、今の対馬委員が言われたことは、ま さにそういうことはこれからも必要だと思っていますし、それから、これはかつて何度か 私も先進医療を認める際について質問したのと同じようなことなのですけれども、新しい 技術を保険適用するということになりますと、従来は保険適用にしていなかったという話 ですね。そうしますと、今回保険適用に上がっている技術については、これはどういう扱 いを今まではされていたのか。ここはわかる範囲で結構です。 ○土田小委員長  これは各分野によって違うと思います。例えばでよろしいですね。 ○事務局(宇都宮企画官)  新規技術の場合については、今回薬事法承認を得て新たに出てきたものもございますし、 あるいは現在、例えば9なんかですと「食道内視鏡的粘膜下層剥離術」ですけれども、こ れは胃については前回認められたものを今回食道のほうにも応用したいと、そういう形で 出てきておるというものもございます。 ○小島委員  今回認めるのはそういうことだと思うのですけれども、では、従来はこの技術について のどういうような費用負担……。この技術にかかるところでは、全くの自由診療でやって いたのかどうかというところなのです。 ○事務局(宇都宮企画官)  自由診療で行われていたものもございますし、研究として研究費などを使ってというこ とです。それから、あるいは実質的にサービスという感じで行われていたものもあるやに 伺っております。 ○土田小委員長  よろしいでしょうか。ほかにございますか。 ○吉田分科会長  今の御質問ですけれども、確かにほとんどが各病院が持ち出しでやってきた技術なので す。この9についても、胃はあるのですけれども、食道はない。食道をやる場合でも、す べてこれは保険を請求しないで自前でもってやっている技術がほとんどです。ですので、 今回この新しい技術を評価いただきたい。  それから、先ほど言いませんでしたけれども、これ以外に財源のことがありますので、 検査とかいろいろなもので減点でもいいよというものがけっこうあるのです。それは医療 課のほうは知っていますので、財源を考えて、学会としてはこの技術については減点でい いよというのがけっこうありますので、御安心ください。  以上です。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ほかに御質問ございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、ほかに御質問がないようでしたら、本件につきましては、当小委員会として 了承することにしたいと思いますが、よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  今日の小委員会はこの1件だけでございます。吉田先生、長い時間、どうもありがとう ございました。  それでは、小委員会はこれで終了いたしまして総会のほうにかけたいと思いますが、そ の前に、次回日程につきまして、何かありましたらお願いします。 ○事務局(原医療課長)  現在のところ、未定でございます。 ○土田小委員長  それでは、終了いたします。しばらくお待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)