08/01/23 中央社会保険医療協議会総会平成20年1月23日議事録 08/01/23 中央社会保険医療協議会          第120回総会議事録 (1)日時  平成20年1月23日(水)10:22〜11:05 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        前田雅英委員 庄司洋子委員       石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員          高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員(代 天本) 鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <参考人>       吉田英機医療技術評価分科会長       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官        上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○医療技術の評価・再評価について       ○既存の先進医療に関する保険導入等について (5)議事内容  ○土田会長  ただいまより、第120回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、竹嶋委員の代理で日本医 師会常任理事の天本宏さんがお見えになっております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「医療技術の評価・再評価」について議題としたいと思います。  本件につきましては、先ほど開催されました診療報酬基本問題小委員会において了承さ れましたので、その内容につき事務局より資料の説明をお願いいたします。  なお、先ほどの基本小委でご説明いただきました分科会長の吉田先生が時間があるとい うことで、ずっと同席されておりますので、質問などございましたら、どうぞよろしくお 願いいたします。  それでは、企画官、どうぞ。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。それでは、資料総−1をごらんいただきたいと思います。  こちらに「医療技術の評価・再評価について」ということで、本日御出席いただいてお ります吉田分科会長のお名前で資料が出ております。こちらにございますように、これま で診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会において、学会等から提出される提案書に 基づきまして、保険導入に向けて評価をしていただいたところでございます。  申し訳ないのですが、資料1ページ目の「WG6」ですけれども、修正をお願いしたい と思います。「筋骨格筋」と書いてございますが、これは「筋骨格」でございます。最後 の「筋」は不要でございますので、訂正をお願いします。申し訳ございません。  この6つのワーキンググループに分かれまして評価をいただいたというところでござい ます。  1枚おめくりいただきまして、2ページのところに評価結果がございます。  3ページのほうに図でもう少しわかりやすく示してございますので、3ページをごらん いただきたいと思いますが、今回関係学会等の提案が、全体で812件来たのですが、重 なっている部分を抜きますと681件ございました。  そして、1次評価におきまして引き続き検討する、つまり、2次評価に回すと判断され たものが233件、その他の技術、これはそれ以上評価しないと判断されたものが345 件、それから、基本診療料、指導管理料等、そもそもこの分科会の対象ではないというも のは103件ございました。  そして、1次評価で残りました233件につきまして、さらに2次評価で御議論いただ きましたところ、まず一番下の[5]ですが、この技術評価分科会ではなくて先進医療専門家 会議のほうで議論されるものだというこの5件が外れました。  そして、残りの新規技術及び既存技術につきまして御議論いただきまして、まず新規技 術につきましては、保険適用する優先度が高いというものが42件、その他、それよりは ちょっと低いというものが69件、それから、再評価につきまして導入の優先度が高いと 考えられるものが62件、その他が55件となってございます。  そして、この再評価についてですが、これは資料の2ページの表の一番下に書いてござ いますが、再評価の中には、点数を増やすべきだというもの、減らすべきだというもの、 項目自体を廃止すべきだというもの、それから、要件について見直しをすべきだというも の、すべてが入ってございますので、必ずしもこの再評価というのはすべて増点だという わけではございません。  それから、この優先度が高い、それから「その他」という書き方でございますが、基本 的には優先度が高いと判断されたものにつきましては保険導入の方向でと考えられますが、 予算の状況、その他によりまして、例えば新規技術の42件の中でも漏れる可能性のある ものもございますし、また、「その他の新規技術」という中から保険のほうに行くものも あり得るということでございます。  続きまして、4ページ以降にそれぞれの具体的な技術について記述がございますが、先 ほど小委員会のほうで、一番右側の「概要」がわかりにくいということで、次回からはも う少しわかりやすく書かせていただきますが、これらの中で、一番最後の14ページに、 2つだけですけれども、技術につきまして少し詳しく説明させていただいたものがござい ます。  1つ目は、ベッセルシーリングシステムというものでございまして、手術を行う際に止 血をするということですが、これまで例えば太い血管であれば糸で縛るとか、そういうこ とがあったのですけれども、この内視鏡手術で安全な止血を行うために、コンピューター で自動制御された内視鏡手術用の電気メスの一種なのですけれども、これで止血を行う。 こういった分野での新しい技術ということでございます。  それから、2番目の頸動脈狭窄に対する血管拡張・ステント留置術でございますが、こ れは心臓のほうなどでは認められていたものですけれども、今度、新たに頸動脈のほうに ついても導入するということになっておりますが、その下の左側の図のほうで、これはわ かりやすく書いてございますけれども、血管が詰まって細くなってしまった部分に、 (3)ですけれども、カテーテルを入れて、(4)でバルーンを膨らませて血管を膨らま せる。一番右側に写真がございますけれども、そこにステントというものを入れて、広げ た血管をその状態で維持するというものですけれども、この頸動脈の場合、特に血栓が脳 内に飛びますと非常にさまざまな合併症を起こしますので、そういったものが脳内に飛散 するのを防ぐという措置も講じた上でこういうことを行う、そういった手術でございます。  以上、2つだけですけれども、紹介させていただきまして、説明は以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。 ○坂本専門委員  私は全く素人でわかりませんけれども、さっき小委員会を傍聴しておりましたら、今回 の報酬改定の範囲におさまるように考慮するということだったのですけれども、そういう ことが量がないとできぬのではないかなと感じるわけなのですけれども、そういうことは 言い切れるものでしょうかというのが1点。  学会がほとんど申請団体になっていますけれども、それ以外のところのエントリーとい うのはないものでしょうか。そういうことをちょっとお願いします。 ○事務局(宇都宮企画官)  まず、1点目の予算の範囲内でおさめられるかというようなお話ですが、当然我々とし ても、大体影響額について計算いたしまして、物によっては、この技術を利用するときの 要件を少し厳しめにして回数を抑えめにするとか、そういうのも含めまして調整をさせて いただいておるところでございます。もちろん、実際にそれがどの程度当たるかというの もあるのですけれども、我々は一定のこれまでのものを生かしてそういう計算をした上で させていただいております。  それから、学会ばかりというようなお話がございますが、基本的には学会なのですけれ ども、例えば内科系学会社会保険連合(内保連)とか、外科系の外保連とか、そういった ものが入っております。そのほかに看護系の社会保険連合とか、そういったものも入って おるところでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  先ほど吉田先生が手を挙げ……。どうぞ、お願いします。 ○吉田分科会長  一応外保連、内保連、それから看保連が中心ですけれども、窓口は広く開けてあります。 厚労省のホームページに載っていますので、要するに医学関係団体ですと何とか医会、何 とか研究会、すべて提出できるようにしてございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。 ○邉見委員  基本的には賛成ですけれども、先ほど吉田先生がおっしゃいましたけれども、材料、糸 の話は、いと難しいとか言っていました。本当は、例えば我々の仲間で近くのある市立病 院が、血管造影のときに、そのもの自体は体の中に入らないのですけれども、接続のディ スポーザブルを何回も使っていたというふうなことがありました。やればやるほど赤字に なるのです。だから、そういうふうなものがたくさんあるのです。  だから、今患者さんからいろいろなクレームとか、リスクを下げるということと、経済 的な面から、そういうふうな侵襲的な、外科的な分野に進む人が減る。インセンティブが 経済的にもないし、社会環境上いろいろなリスク、逮捕・送検というふうなことも考えら れるということです。外科系への配慮ということは、特に「もの」は分離していただかな いと、「技術」で生きようという職人かたぎの外科系の人間がどんどん減っていくのでは ないかということを一言申し上げたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  後で議論が出てくるかと思いますが、もちろん手術料についてはこの診療報酬の中でも 十分対応していきたいというふうには一応皆さん考えているところでございます。事務局 のほうも対応しようとしております。  ほかにございますでしょうか。よろしいですか。  それでは、ただいま説明いただきました件につきまして、中医協として了承するという ことにしたいと思いますが、御同意いただけますでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは、次の議題に進みたいと思います。「既存の先進医療の保険導入等」について 議題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  それでは、資料総−2をごらんいただきたいと思います。  先進医療専門家会議の猿田座長のお名前で、保険導入についてということでいただいて おります。こちらに書いてございますように、既存の先進医療の98技術につきまして、 保険導入について検討をした結果というものが示されておるところでございます。  「1 優先的に保険導入が適切であると評価された先進医療」としまして、1ページか ら2ページまでの24項目の技術が書いてございます。それぞれにつきましてもう少し詳 しいものについては3ページ以降に書いてございます。こちらは「技術の概要」は先ほど よりもう少し詳しく書いてございますので、よろしくお願いいたします。  それから、「2 削除が適切であると評価された先進医療」については、やはり2ペー ジ、15項目ございます。これらについても、もう少し詳しい資料は6ページ、7ページ のほうにございますが、今回は評価に当たりまして、特に過去の高度先進の時代から続い ておりますような10年以上の技術というものがけっこうございましたけれども、そうい ったものについて継続の可否について、これ以上継続するのか、まず保険に収載するのか、 あるいは古い技術であれば廃止というようなことを明確にしたということでございまして、 そういったこともありまして、今回削除の技術が15ほどあったということでございます。  それから、具体的な技術につきまして幾つか御紹介ということで、8ページ以降、特に 導入が適当な先進医療の例として何項目かございます。9ページのほうから御説明いたし ますが、まず1つ目は「自動吻合器を用いた直腸粘膜脱又は内痔核手術」ということで、 これまでの痔核手術よりも侵襲性の少ない技術ということなのですけれども、これは専用 の自動吻合器を用いて、痔核そのものを切除するのではなくて、痔核の上方にある脱出し た直腸粘膜と血管を環状に切除、吻合して、痔核を縮小させるというようなものだそうで ございます。  それから、2番目の「強度変調放射線治療」、がんの治療で用いる技術でございますが、 この直線加速器の高エネルギー放射線を用いるときに最適化計算というものを利用しまし て、100門以上の複雑な形状の照射野を複数の方向から照射して、がんの部分に集中的 にこういう放射線を当てて治療するというような、そういう新しい技術でございまして、 周囲の正常な組織への照射を少なく抑えることができるということで、患者さんの体の負 担を軽くしながら、効果的な治療ができるというようなことでございます。  それから、歯については、後ほど歯科医療管理官からお願いしたいと思います。  4番の「画像支援ナビゲーション手術」でございますが、これはあらかじめ手術の前に 患者さんにマーカーを設置して、CTやMRIで撮影して、臓器の位置についてコンピュ ーターに記憶させて、それをもとにカーナビゲーションのようにそれぞれの位置を適切に 映し出して、その手術の視野に重ねて実際の手術を行うというようなものでございまして、 実際に大きく広げてやらなくても、切り口は狭くてもできるということで、患者さんの負 担をかなり軽減できるというようなものでございます。  5番目は「生体部分肺移植術」でございまして、これは健康なドナーお二方からそれぞ れの肺の一部を移植するというような技術でございます。  それから、12ページ、13ページは、御参考として、先進医療の保険導入についての 流れ等を書いてございます。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  引き続きまして、10ページ目のところにございます3番の「歯周組織再生誘導法」に つきまして説明をさせていただきます。  歯周組織再生誘導法というのは、これは高度な歯周疾患にかかっている患者さんにつき まして、そもそも歯を残すのがなかなか難しいような場合につきまして歯周外科手術とい うのが通常行われておりますが、その際に、ここにございますとおり、GTR皮膜なる皮 膜を中に入れまして、そういう吸収性または非吸収性がございますが、こういう皮膜を使 った下で歯周組織の再生を行わせようとする手術でございます。これによりまして、通常 の従来の手術よりも歯周組織再生なり歯の保存がやや有利になるという技術でございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして、御質問などございますでしょうか。 ○対馬委員  確かに先ほどの件に比べますと技術の概要はわかるのですけれども、私が申し上げてい るのは、技術そのものも確かにベースになりますのでそれは必要ですけれども、これをな ぜ先進医療から保険導入にするかということがこれではわからないではないか、こういう ことを申し上げているのです。具体的なケースや技術の説明はございました。これは恐ら く先進医療に認めるときにこういった説明があったのだろうと思うのです。その後に、恐 らく保険導入するに当たっては、技術が成熟したとか安全性が確保されたとか、いろいろ な要因があって、今回保険適用したいのだということだと思うのです。そのなぜ保険適用 したいのだという根拠が全く書かれていませんし、全く説明もないということは極めて問 題だろうと思うのです。  御承知のとおり、先進医療については「いわゆる「混合診療」」の問題等々がございま して、随分議論してまいりまして、また現在でも議論がいろいろ起きている、こういうこ とでございます。特に先進医療にするかどうかというのは、規制改革会議等との関係でも って大分議論があったということは承知していますけれども、保険適用を審議するこの場 は、私ども中医協委員のまさに仕事場、汗をかく場だと思うのです。この技術がどういっ た形でもって保険適用がされるようになったのか、それが何ゆえにということが全く書か れていなくて、また、説明もないというのは極めて問題ではないかと私は思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  先ほどちょっと説明をはしょってしまいましたが、資料の12ページをごらんいただき たいと思います。これは9月11日に先進医療のほうでお示しさせていただいた資料なの でございますが、保険導入に当たって、「2.保険導入案」の丸の2つ目に書いてござい ますけれども、この先進医療を保険導入するに当たって考慮すべき事項として、有効性、 安全性、技術的成熟度、社会的妥当性、普及性、効率性、こういったことを考慮して、先 進医療専門家会議の中で御議論いただきまして、その結果、今回の導入が適当であろうと 認められた技術が24技術ということでございます。ですから、単純に有効だとか安全だ とかいうだけではなくて、社会的妥当性とか、そういう面も含めて議論されたものである ということでございます。 ○対馬委員  それはもちろん承知しているわけですけれども、ただ、専門家会議はより技術的な検討 の場なのです。その報告を受けて、中医協において保険導入する技術を決定するというこ とになるわけです。したがいまして、なぜ保険導入するのかということがないと、議論は 難しい、こういうことになるのだろうと思うのです。  例えばどういったことを申し上げているかといいますと、別紙1の「優先的に」という ものがあります。その中に例えば5とか6、これは昭和60年とか61年に既に先進医療 として適用されているわけです。それから今20数年たっているわけです。20数年たっ て、なぜ今、こういうことがありますといった説明がやはり必要だろうと思いますし、ま た逆に、24なんかですと昨年の1月に先進医療を認められたものがすぐに保険適用にな るというのはいかがかといいますか、どういう理由なのだろうというのがあります。技術 そのものもありますけれども、なぜ今保険適用するのか、こういったことがこの場の議論 だろうと思うのです。 ○事務局(宇都宮企画官)  先ほどの説明で少し触れましたように、今回は特に規制改革会議等との議論の話もござ いまして、そういった「混合診療」から保険導入へという道筋をもうちょっとクリアにす べきであろう。それから、特に保険導入がふさわしいものについては速やかに導入へと持 っていくということが重要であるというような、そういった議論に基づきまして、今回、 特にそういうことを意識しながら評価をしていただいたということでございます。  そして、特に古い技術につきましては、まさに10年も20年も先進としてやっていて、 本当に必要なものなのか、必要なものであればきちんと保険導入すべきであるし、そうで なければこの技術については廃止、削除すべきであるという観点から、特に10年以上の ものについては集中的に御議論いただきました。その結果、この昭和60年、61年とい う古い技術でございますけれども、適当であるというような評価になったということでご ざいます。  そして、特に症例数の少ないような非常にまれな疾患等に行う技術につきましては、あ る程度症例なりデータが積み重なってからでないとなかなか判断も難しいということもあ ると思いますので、例えば5の顔面骨あるいは頭蓋骨の観血的移動術というのも年間当た りの症例数というのは非常に少ないということで、やはりデータの積み重ねに時間がかか ってしまったというようなこともあると思います。  それに対しまして、24の眼底三次元画像解析につきましては、非常に新しい技術なの ですが、かなり多くの医療機関のほうで実際実施されまして、そういった普及性などの状 況を見ても、これはかなり普及度が高く、また、安全性などについても問題ないというよ うなことから、早期の導入ということが評価結果として適当であると判断されたというこ とでございます。 ○土田会長  ちょっと関連して、7ページで、例えば平成17年に承認されたものが今回削除されて いるというようなところは、先ほど言った実施例が少ないとか、そういう理由によるもの かどうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  これは、実際届け出られておりながら症例数が非常に少ないような例でございまして、 こういう場合には当該医療機関のほうにも確認して、実際に行うニーズがあるかとか、そ のようなことを聞いております。その上で特に必要ないというようなことで削除されたと いうことでございます。 ○土田会長  対馬委員から提起されました問題はやはり非常に重要な御指摘だと思います。したがい まして、今回はこれで締めさせていただきたいと思いますが、次回以降は、先進医療専門 家会議の議論を踏まえて、なぜこれを入れるか、あるいはなぜこれを削除するかというよ うなことをもうちょっと詳しく記入した資料を提出していただきたいと思います。 ○勝村委員  今会長がまとめられる前に質問すべきだったのかもしれないのですけれども、1つは、 12ページの有効性、安全性、技術的成熟度、社会的妥当性、普及性、効率性、その他と いうのがあるとしたら、そのうちのどの項目が特に重かったのかとか、つまり、そういう 技術が総合的に評価して有効ではなくなってきたとかいうことであるかと思いますけれど も、「安全性」という項目もあったりするわけですから、どの項目がそれぞれどういうふ うに評価されたのか。個々の項目についてそれぞれきっと議論されているのだと思います から、それぞれがどういう形で評価されたから総合的にみて、どう判断したのか、どの項 目の評価が特に大きな理由となった削除という判断なのか、あるいは保険適用なのかとい う、そこの議論の論理が健全に進められているかどうかというのをやはり確認するべきだ と思うのです。だから、報告は、そういうことがわかる形式をとってほしいということ。  その中の議論のこのことに関しては、そこのホームページを見れば全部出ているわけな のですか。 ○土田会長  最後の質問はいかがでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  まず1点目でございますが、何が特にどの項目が重いのかとか、そういうことにつきま しては特に定めてございません。ただ、当然保険導入するのですから、有効でなければい けないし、安全でなければいけないし、それに加えまして、ちゃんと普及性があるかとか、 そういうものをあわせて見ておるというところでございます。そして、特に例えば安全性 の場合につきましては、経験年数何年以上とか、あるいは施設要件をつけるなどしてちゃ んと担保するということも含めて検討されておるところでございます。  それから、そもそもこの会議は公開でございますし、また、議事録等につきましても、 あるいは資料につきましても、ホームページで公表されております。 ○勝村委員  保険導入とは別に、削除されているものもあるわけですよね。そのときに、先進医療と いえば、期待もあるが、ちょっと不安もあるというところで始まっていって、一定期間が 経って削除される場合に、逆にそれが、そういう先進医療がなくても別の医療で十分でき るようになったというような、より良い意味のケースもあるでしょうし、ある種先進医療 を受けていた患者というものとか、いろいろな立場から見てみると、それが評価された理 由というのが特に専門家会議の中でどうだったのかというのがぱっとわかりやすいような 表現というのもお願いしたいし、一方で、安全性とか、社会的妥当性とか、技術的成熟度 とかを踏まえて、削除された理由というのは、患者からすればちょっと気になるような理 由とかはなかったのかという心配もあるので、その辺も、もし簡単にコメントいただける ようならお願いしたい。 ○事務局(宇都宮企画官)  削除されたものにつきましては、そもそも現在ほとんど行われていない技術でございま して、その意味では、患者さんに対する影響というものはほとんどないと認識しておりま す。そして、理由としまして、先ほど勝村委員がおっしゃいましたように、既に新しい技 術ができていてこの技術はもうほとんど使われていないとか、あるいは有効だろうという ことでやってみたけれども、症例を積み重ねていくと必ずしも有効性ということがどうか わからないとか、そういったさまざまな理由がございますが、当然患者さんのほうへの影 響ということはないようにということは考えております。 ○渡辺委員  これの開催の時期なのですけれども、こうした導入の技術の検討がこの改定の本当に押 し迫った中でぽっと出てきますと、十分な検討が難しい。それからあと、改定率等におけ る影響、それを取り入れたときの影響をどう読むかということも難しい時期だと思います ので、できるだけ中医協の余裕があると言ってはなんですが、改定直前ではない時期に検 討ができれば、そこでの十分な協議がまたできるのではないかというふうなことなので、 この問題の御報告、提案がもう少し早い時期であることを希望したいと思います。 ○事務局(原医療課長)  新しい技術を先ほどのものも含めてどれだけ入れられるかというのは、全体の枠が決ま ってこないと見通せないというところがありまして、それとあと、先進医療についてはデ ータをずっと集めてきて、その実績等を含めて、個々の技術、今回対象になっているのは 98技術ですけれども、それを3人のそれぞれの専門家の先生に詳しく分析をしていただ いて、その評価票をつくってという仕組みでやっていきますので、その作業だけでもやは り半年近くかかる。その中で、あとは全体の枠の中で優先的にどれからやっていこうかと いう中で一応決めていきますので、時期的にはやはりこの時期になるのかなと思います。  ただ、先ほどから出ていますように、保険導入に当たっての視点、例えば先ほどの社会 的妥当性等も含めて、いろいろな項目について、それぞれが例えば二重丸であったとか、 定量的には難しいかもわかりませんが、定性的にでもそういうものがお示しできるような 形で今後工夫をしていきたいと思います。ただ、時期的にはあまり早くはちょっと難しい ということは御理解をいただきたいと思います。 ○小島委員  これは質問ですけれども、総−2の資料の1ページ目の「優先的に保険導入が適切であ ると評価された先進医療」のその下に、「ただし、技術の集約及び適応症や実施する施設 等について適切な条件を附すこと等が必要であると考える。」というただし書きがありま すので、いわば今回の新しい24技術を保険適用する場合には、既存の保険適用されてい る技術との集約とか、その辺はこれから検討するという話なのだろうと思いますけれども、 最後にあります「施設等について適切な条件」というのは、先進医療で認めるときに条件 としていた専門医の経験年数とか、あるいは医療機関の看護配置基準といったような要件 を前提に先進技術として認められているということなのですけれども、今回、これを保険 適用する場合も、先進医療として認めたときの要件というか、条件、それを前提にするの か、あるいはもう少しこれは緩和されるということなのか、その辺はどういう感じなので すか。 ○事務局(宇都宮企画官)  当然これまでの要件ということを前提、踏まえるということになります。  それから、集約の話につきましては、例えばこの24個の中にも、言葉でぱっと見て、 抗がん剤感受性試験等が3カ所ぐらいに出ておるような、届け出られたときにはそれぞれ 別個なのですけれども、もう少し整理したほうがいいようなものがあるので、そういうも のを整理した上で、最終的には収載の方向にということでございます。 ○大島専門委員  新しい先進的な技術が出てくれば、当然古くなる技術もあると思うのですが、先進医療 として申請されたものを、もうこれ以上は意味がないという判断だけではなくて、既に保 険収載されている技術で非常に古くなっているもの、新しい技術が出てくれば当然それの 対比として議論が進むと思うのですけれども、そういった古くなった技術についてはどう いう考え方で進められているのか、お伺いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  今の御質問に対しましては、先ほどの総−1の資料の「医療技術の評価・再評価」とい うところで、まず学会側から、これはもう廃止したほうがいいとか、あるいはもうこんな 高い点数は要らないとか、そういった要望というか提案というか、そういうのもいただい ておりますので、そういうのを踏まえながらこちらとしても対応しておるところでござい ます。 ○大島専門委員  ということは、ほとんど使われていない技術であっても、申請がなければそのまま放置 というのが現状だと理解してよろしいですか。 ○事務局(宇都宮企画官)  このルートとは別に、学会等からいただいている御意見などもございまして、そういっ たものについて、例えば小委員会のほうで出させていただいておるようなものもございま す。 ○土田会長  というような回答ですが、大島専門委員、よろしいですか。  保険収載されたものが減っていくのが少ないことは確かだと思います。  いろいろ御議論をありがとうございました。先ほど対馬委員あるいは勝村委員から発言 がありましたように、ここのところについては、次回以降、もう少し工夫をされて資料の 提出をお願いしたいということを再度申し上げたいと思います。  一応そういうことを前提とした上ですが、今日説明いただきました件につきまして、こ こで御了解いただくということでよろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  本日用意されている議題は以上2件ですが、これで閉会になりますけれども、その前に、 ちょっと幾つかの点について私のほうから申し上げたいことがございます。  次回の改定に向けた議論といたしましては、これまで診療報酬基本問題小委員会におき まして精力的に議論を重ねてまいりました。その結果、先週の金曜日に中医協として「現 時点の骨子」ということをまとめました。その取りまとめに当たりまして、1号側委員と 2号側委員の御協力をいただきまして、多くの項目において改革の方向性という点につい て合意をいただいているところでございます。  しかしながら、一方で、再診料、外来管理加算、デジタル加算につきましては、1号側 委員と2号側委員との間で主張の内容に隔たりが残っております。一応両論併記という形 でパブコメにかけておりますが、私としては、これを踏まえて、議論を尽くした上で協議 を進めていきたいと思っておりますが、この残された論点に関しまして、次回の公聴会の 終了後の時間を利用して、1号側委員及び2号側委員より、それぞれの主張について、も う少しポイントを絞って御意見を承りたいと思っております。  といいますのは、いろいろ作業内容から言いましてそろそろタイムリミットが近づいて おりまして、1号側委員と2号側委員があくまでも意見が違っているという場合は、公益 側で一定の方向性を示すということになるかと思いますが、そういうことを踏まえまして、 できるだけ1号側と2号側の合意を形成したいと思っております。そういうことを含めて、 ポイントを絞った御意見を次回、つまり前橋で公聴会を行いますが、その後に総会を開い て、そこで御意見を承りたいと思っております。  したがいまして、あと金曜日まであまり時間がありませんが、再診料と外来管理加算及 びデジタル加算の3点が違っておりますので、その3点に絞って御意見をまとめていただ きたいということでございます。御了解いただけますでしょうか。よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは、今日の総会はこれで終了したいと思います。  次回の日程につきまして。 ○事務局(原医療課長)  次回は1月25日の金曜日、今会長のほうからお話がありました群馬県前橋市の前橋市 民文化会館小ホールで総会を開催させていただきます。公聴会を行って、今お話がありま したように引き続き若干の議論をしていただく場を設けたいと考えております。  以上です。 ○土田会長  それでは、終了します。どうもありがとうございました。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)