08/01/17 社会保障審議会介護保険部会第23回議事録          社会保障審議会 第23回介護保険部会議事録           ○ 日時及び場所    平成20年1月17日(木) 10時00分から11時57分    霞が関東京會舘(シルバースタールーム) ○ 出席委員    貝塚、岩村、天本、石川、石原、井部、植木、小方、勝田、川合、木村、木間、   齋藤、櫻井、高橋、野呂(代理:渡辺参考人)、桝田、山本、吉田の各委員    土居、松本の各委員は欠席 ○ 議題    介護事業運営の適正化について ○ 議事内容 ○依田総務課長 定刻となりましたので、ただいまから、第23回「社会保障審議会介護保険部 会」を開催させていただきます。  本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。  本日は、土居委員、野呂委員、松本委員の3名の委員が所用により御欠席との御連絡をいただ いております。なお、野呂委員の代理としまして、渡辺参考人に出席いただいております。  まず初めに、前回の部会を御欠席された4名の委員につきまして、御紹介させていただきます。  石川委員でございます。  石原委員でございます。  岩村委員でございます。  小方委員でございます。  それでは、貝塚部会長に議事進行方、よろしくお願いいたします。 ○貝塚部会長 それでは、議事に入りたいと思います。  まず、事務局から資料の確認をしていただいた上で、前回の部会で皆様からいただきました御 意見を事務局でとりまとめていただいておりますので、その説明をお願いいたします。 ○古都振興課長 それでは、お手元の資料について確認をさせていただきます。  議事次第、配席表、委員名簿の次に、資料1「第22回介護保険部会における主な意見(案)」。  資料2「介護サービス事業の経営の安定化・効率化と介護労働者の処遇向上を図るための今後 の検討課題について」。  資料3「介護サービス情報の公表制度の概要」。  資料4「介護サービス事業者に対する指導監督の概要」。  そのほか、これら説明資料に加えまして、先回もお出しいたしましたが、参考資料1「介護事 業運営の適正化に関する有識者会議報告書」。  参考資料2「今後の介護労働力問題に関する対応について 参考資料」。  参考資料3「介護保険施設等の指導監督について(通知)」を配付させていただいております。  資料の不足がございましたら、お申し付けいただけますでしょうか。  特にございませんようですので、まず、お手元の資料1について御説明させていただきます。  資料1は、本日も配付いたしております前回の議事要旨と併せてでございますが、前回、部会 長の方から御指示がございましたように、各委員から御発言をいただきました意見などを事務局 の方で要点をまとめ、整理をさせていただきました。  大きくくくりますと、今回御議論をいただいております事業者規制全般についての御意見と、 それに関連するといいましょうか、付随するその他の意見の2つに事務局の方では整理させてい ただきました。  最初の事業者規制についてでございます。まず介護事業運営の適正化全般につきましては、1 つは、予想外の事態が発生しました。  コムスンという全国的な企業が処分されたわけでございますが、このような予想外の事態が発 生し、それに対応するためさまざまな行政指導を行ったわけですが、そういう点は法制度の成長 という観点から極めて健全なことであって、適切な法改正がなされることの方が重要ではないか という御意見がございました。  「介護事業運営の適正化に関する有識者会議」の報告書には、おおむねの問題点が含まれ、整 理されているのではないかという御意見がございました。  前回、事業運営の適正化、再発防止ということで御説明いたしましたが、それに対する御意見 といたしまして、営利法人は現在、介護保険事業で一定の役割を担っている。そういうことを踏 まえまして、やはり営利法人の役割はこれからも必要だろうという意味で、営利法人が入りやす い、しかし、不正を行いにくいスキームを設定することが重要ではないかという御意見でござい ました。  法律論といたしまして、内部的な話ではなくて、外部から見ても規制の根拠が明らかである仕 組みにする必要があるのではないかということでございました。これが全般に関わる御意見では なかったかと思います。  各部門につきましては、法令遵守等に係る体制の整備ということです。事業者につきまして、 大きいところがあれば、小さいところもあります。監査指導の内容もそれぞれでしょうという御 意見がございまして、事業者の規模に応じて、適正な指導監督ができるように配慮すべきではな いかという御意見に整理しました。  今回、いろいろ規制を整備するということでありますが、事後規制だけでは、健全な事業者の 育成に即つながらないのではないか。したがって、育成につながるような方法も必要ではないか という御意見でございました。  組織的な不正行為を減殺するという観点から、事業者に対する規制及び立入調査等はやむを得 ない、必要ではないかという御意見がございました。  監査指導につきましては、複数御意見がございましたけれども、自治体の監査指導について、 例えば県レベルで見ると、各県ごとにおいても、あるいは監督官ごとにおいても、ばらつきが見 られるので、これらについては標準化する必要があるのではないかという御意見がございました。  2ページ目ですが、不正行為の抑制対策に今後、力を入れていく必要があって、その際、第一 線で介護保険制度を運営されております保険者、市町村あるいは広域連合といった保険者機能の 強化を図るべきではないかという御意見がございました。  監査全体といたしまして、介護保険制度につきまして、国民の信頼を回復するためにも、適正 かつ厳正な監査指導の実施あるいは法律の厳格な適用が必要ではないかという御意見をいただ いております。  指定・更新に係る欠格事由の見直し、いわゆる連座制、過去の取消処分等が新たな指定や更新 に関連するという意味での連座でございますが、連座制は必要である。ただ、1事業所が悪いと 機械的に全部の事業所が悪いという仕組みについては、やはり改める必要があるのではないかと いう御意見をいただいております。  それから、さらなる議論ということでございましょうが、指定・更新の欠格事由につきまして、 原則指定・更新を拒否し、例外的に裁量で指定・更新ができるようにするのか、あるいはある程 度幅の広い裁量が残るのか、どういう仕組みにするのかという御質問もございました。  国、都道府県、市町村との間で十分な情報共有と連携を図るべきではないか。ばらばらであっ ては困るという御意見だったと思います。  介護事業者に対する不正抑止のためには、今、申しました過去の取消処分等がきちんと新たな 指定や更新に関わる連座制の仕組みは堅持すべきである。おおむねこういう御意見だったと思い ます。  事業廃止時におきます利用者へのサービス確保対策につきましては、これも複数御意見をいた だきました。利用者のサービス確保は何よりも重要である。その上で、事業者が自らの責任で対 応すべきであるけれども、どうしてもできない場合も出るだろう。最後は行政が事業者を支援す ることが必要ではないかという御意見がございました。  これも複数御意見がございましたが、従業員が安心して働けるよう、雇用確保への配慮が必要 ではないか。必ずしも問題を起こした事業者の従業員一人ひとりに問題があるわけではございま せんという御意見も含め、こういう配慮が必要ではないかという御意見でございました。  サービス確保では、いろいろ状況が変化していくわけでございますので、ケアマネジメントの 徹底を図っていくべきだという御意見がございました。  情報公表に関連いたしまして、情報公表は一次的な基本情報である。それに加え、処分された 事業所名の公表など、利用者が事業者を適切に見極めることができるような追加的な情報と申し ましょうか、そういったことがわかるような工夫も必要ではないかという御意見がございました。  以上が、事業運営の適正化全般で報告書を基本に御説明した際にいただいた御意見でございま す。  その他といたしまして、この問題に直接ではございませんが、介護労働力の問題について複数 の委員から御指摘をいただいているところでございます。  1つは、コムスンの不正事案というものの背景には、介護労働力不足の問題や報酬の問題があ るかどうか。こういったことについてきちんと分析する必要があるだろうという御意見だったと 承知いたしております。  介護報酬というものについては、そもそも介護保険制度は、不況の時期にスタートいたしたわ けですけれども、現在好況の時期にある中で、経済の情勢において、ある程度弾力的にいろいろ なものが動かせるようにする必要があるのではないかという発言がありました。  3つ目には、介護労働者の賃金は非常に低い。労働分配率の実態把握など、できることから早 急に行って、介護労働者の労働条件・労働環境を改善する必要があるのではないかということを 御指摘いただいたところでございます。  もう一点、介護サービス情報の公表制度につきましても、介護サービス情報公表制度、あるい は第三者評価制度等々いろいろな透明性確保の仕組みがございますが、ある程度こういうものを まとめるべきではないかという御意見もございました。  介護事業者の自主的な取組みを促すという観点で、現行の介護サービス情報公表制度だけでは 不十分ではないのか。もう一つ何か要るんではないかという御意見もあったところでございます。  このようなことが今回の議論に関連いたしまして、御発言があったということで、前回の意見 等として整理させていただいております。 ○貝塚部会長 どうもありがとうございました。  引き続きまして、前回の部会で一部の委員の方から、介護労働者の確保の問題、介護サービス 情報の公表制度、介護事業者に対する指導監督についてなどに関連する御質問がありましたので、 それぞれについて、事務局から現状を御説明願いたいと思います。  最初に、老人保健課長、よろしくお願いします。 ○鈴木老人保健課長 老人保健課長でございます。  資料2「介護サービス事業の経営の安定化・効率化と介護労働者の処遇向上を図るための今後 の検討課題について」と、横長の参考資料2にいろいろなデータが入ってございますので、取り 混ぜながら簡単に御説明をさせていただきたいと思います。  まず、資料2でございます。  これは、社会保障審議会介護給付費分科会の下に、介護サービス事業の実態把握のためのワー キングチームというのを設けさせていただきまして、10〜11月にかけて3回、介護事業者の団 体、労働者の団体等9団体からヒアリングを行いまして、その結果を12月10日におまとめい ただいたということでございます。  基本的認識は、1ページ目の1の1つ目の○に書いてございます。  介護労働者というのは、極めて厳しい実態にあって、なかなか経営者の観点からしても人材の 確保が難しいという基本的認識に立ちまして、現在利用できる資料等を活用するとどういう状況 にあるのかということを少し分析していただいたものでございます。  分析の中身は、参考資料2を用いながら御説明したいと思います。  2ページ目は、介護労働者、全産業の方も含めた年齢、給与等について、統計上の調査結果を 示したものでございます。  上の方が全産業、福祉施設、ヘルパーさんという家庭に行かれる方です。例えば男性に限って みましても、確かに決まって支給する現金給与が、全産業に比べて福祉系はやはり安いというこ とにはなってございます。  ただ、幾つか全産業と異なる特性というのもございまして、例えば男女の構成比でいきますと、 全産業ですと7割が男性ですけれども、逆に福祉系ですと女性の方が圧倒的に多いということに なります。  勤続年数も、全産業は男性ですと13.5年ですけれども、介護関係は、介護保険制度が平成12 年にスタートしたということもありまして、4年ないし5年と比較的勤続年数が少ない方になっ ております。  また(2)ですが、介護関係の労働者の方の中でも、施設系はやはり正社員の方が3分の2程 度おられますけれども、逆に訪問系ですと非正社員が3分の2程度ということで、中でも構造が 異なっているということになります。  3ページ目は、有効求人倍率という、求人に対してどのぐらい求職があったかということを見 たものです。  平成11年もしくは13年ぐらいの非常に不況なときですと、0.5前後と非常に職自体が少ない という状況であったのに対して、平成18年になりますと1を超えるという状況になっておりま すので、かなり売り手市場にはなってきている。  ただ、全産業と社会福祉専門職、介護専門職を比べますと、全産業より社会福祉専門職もしく は介護専門職の方が人集めが大変だということになると思います。  下のところをごらんいただきますと、東京都と沖縄県の比較が出ています。上の表は全国です けれども、県別に見ますと、東京は2.8、沖縄は0.7ということで、かなり格差があるというこ とになろうかと思います。  5ページ目は、離職の分析でございます。  これはヘルパーさん、訪問介護事業所について見たものですけれども、一般的に見ますと、平 均的に離職の率が全産業より高いということは事実としてはあるんですけれども、中身をよく見 てみますと、「離職率の分布」の全く変わらない安定の0%をよく見ると、やはり6、7割ござ います。  それから、30%以上離職してしまうという、非常にターンオーバーが激しいものが、やはり 15%、20%ございます。  実はその間というのは、かなり少ないということでございますので、訪問介護の事業所を見ま すと、やはり非常に安定しているものと物すごく人の出入りが激しいものの二極化をしているの ではないかということが伺われます。  7ページ目も、訪問介護の事業所サービス市場を少し分析させていただいたものです。  左上は、受給者数、つまりお客さんの数でございます。図を見ますと、恐らく17年4月ぐら いからほぼ伸びどまり、もしくは若干減っているような状態になっています。  しかしながら、右上は、サービスを提供する主体の事業所、提供者の数というのは、右肩上が りに増えているということになります。最近、伸び方は少し減っていますけれども、増えている。  したがいまして、1事業所辺りの受給者数を計算いたしますと、14年の8〜10月ぐらいにか けてがピークで、それ以降は下がっているという状況にございます。  これと8ページ目をごらんいただきますと、1事業所当たりのお客さんの数が減っていること が記載してあります。  上が、どのぐらいサービスを提供したかという、1事業所当たりのサービス回数。  下が、当然ながら1事業所当たりの費用額ということで、これは保険から給付される額と自己 負担としていただく額と合わせた額ですけれども、その両者を合わせた額がやはり同じように 14年10月ぐらいをピークに下がっているということでございます。  ですので、この訪問介護事業所だけを見る限り、点数改定の影響というよりは、むしろサービ ス事業の市場の特性として、需要に比べて供給が多いという状況になっていて、それが減収に結 び付いているんではないかという分析ができるかと思います。  最後、9ページ目は、サービス事業所に対して、今、何がいろいろ課題なんでしょうかという ことをお伺いしたものでございます。  右の方は「訪問系」として、若干数字が異なりますけれども、トップ5というか、ワースト5 というか、大きな5点のうち、点線で書いたものは、やはり人の確保が大変だとか、お金が大変 だということでございます。  ただ、2位と5位をごらんいただきますと、書類作成が繁雑だ、もしくは介護報酬の請求事務 が繁雑だというところも多い割合を占めておりますので、この辺も今後きちっと考えていく必要 があるんではないかというところで、これがデータに基づいた分析でございます。  恐縮でございますが、また資料2にお戻りいただきたいと思います。  そういうことを踏まえますと、介護労働者の方と申しても、なかなか一様ではない。中身をよ く見て、きちっと分析をする必要があるんではないか。  2ページ目「2 基本的な考え方について」の2つ目の○をごらんいただきたいと思います。  (1)〜(8)までございますけれども、これは介護労働者の処遇もしくは事業者の経営に与える影響 はさまざまあるのではないか。勿論、報酬の水準というのは(1)にございますが、そのほかにも、 先ほどちょっと申し上げた規制の在り方、基準の在り方。  介護保険サービスでどこまで見るかという範囲の問題。  利用者のニーズと供給の関係、市場の問題。  事業者のマネージメント。  労務管理、有効求人倍率で表されるような労働市場の問題。  (8)としては、一番最後のデータでお示ししましたような事務負担の問題というものが、労働者 の処遇、事業者の経営に影響を与えているのではないかということで、題にございますように、 このペーパーはあくまで今後どういう道筋で検討していったらいいかという検討課題をお示し いただいたものでございますけれども、おおむねの結論としては、その次の○にあるような、介 護報酬の水準のみでは事業者の経営や労働者の処遇に係る根本的な問題の解決につながらない のではないか。したがって、さまざまな要因について十分分析を行って、幅広い観点から対策を 講じることが必要ではないかということが一応の結論でございます。  3以降、細かく事項がございますが、時間の関係で省略をさせていただきます。  以上です。 ○貝塚部会長 それでは、振興課長からお願いします。 ○古都振興課長 私の方からは、資料3「介護サービス情報の公表制度の概要」を御説明させて いただきたいと存じます。  介護サービス情報の公表制度というものは平成17年の制度改正で導入いたしまして、全事業 所にサービスごとに共通の項目を公表していただくということをやっております。  2ページ目は、主旨でございます。  介護サービス情報の公表を行う主旨は、どういう制度かというところで書いてございますが、 利用者の選択に資する情報を事業者に出していただきまして、更に内容については、その一部を 第三者が客観的に調査・確認をして、定期的に公表するという仕組みを導入いたしたものでござ います。  ただ、世間で言われているミシュランのような評価、格付をする趣旨ではございません。あく までもサービスの選択といいますのは、自ら例えば訪問介護であれば訪問介護を利用したいか。 では、どういうサービスが行われているかという情報を複数取って、東京に住んでいる方に北海 道から来てもらうというのは非現実的でありますので、自分の住んでいる千代田区の近郷近在に どのような事業者さんが何件あるのか。それを客観的に比較する情報としてまず得ていただくた めの基礎情報、参考情報、一時的な情報だと思っております。  その上で、やはり最後は御自身でお話を聞かれたりということを含めて、最終的な選択をする ものでございますので、そういう形を支援するのが情報の公表だということを御説明させていた だきたいと思います。  その上で、本とかという媒体ではなくて、いつでも、どこでも、だれでもということで、やは り現代においてはインターネットの活用が一番合理的だろうということで、インターネットでの 情報開示を基本といたしております。勿論、これは、そのままインターネットを見るだけでなく、 近郷近在のケアマネージャーさんがそれをプリントアウトして御説明されるとか、市町村が地域 ごとにプリントアウトして備えられるとか、さまざまな方法で御活用いただくという前提ですが、 情報提供のインフラストラクチャーとしては、インターネットという形にさせていただいており ます。  そういうことによりまして、利用者が事業所を比較・検討することを支援するものです。  逆に言いますと、全事業所がサービスごとに同じ項目で公表されますので、自助努力がきちっ と反映されて、世の中の人にそれがわかるということも併せて支援をしたいと考えております。  その結果といたしまして、利用者さんが主体的に適切な事業所を選択することを支援したり、 あるいは事業者さんは、よいサービスの事業所が選ばれていくだろうということから、質の向上、 自助努力も期待されるということで設けた次第でございます。  3ページ目は、実際にこれをどのようにやっているかということでございます。  情報内容は「基本情報」。例えば施設の住所。これはもう動きようがございませんので、そう いう基本的な情報とか、利用交通手段だとか、職員がどういう体制になっているか。中には、職 員の資格がどうなっているのかとか、勤続年数がどうかといったこと等も含めまして、まず客観 的な情報として「基本情報」を挙げます。これは事業所さんの報告をそのまま公表します。  一方、もう一歩踏み込んで、介護サービスに関するマニュアルをもって、サービスの職員の質 を一律化していますよ。あるいは身体拘束を廃止するという取組みをやっていますよ。そういっ たものはどのようなものでやっておられますかという確認作業をさせていただいております。こ こに専門家等の調査員が入って、確認をするということでございます。  ただ、あくまでも私どもはマニュアルのよしあしを評価するわけではございませんので、そう いう意味では、ストイックに基本的なものとして、マニュアルはあるかないかというところの確 認にとどめさせていただいております。そこから先のことをやろうと思いますと、また違う仕組 みが私どもは必要ではないかと思っておりますが、まずは基礎情報として、この2つの情報を情 報公表のセンター等に御報告いただきまして、年1回程度、全事業所さんについて出させていた だいております。  この事務は、基本的には都道府県の事務として構成いたしておりますが、実際上、指定情報公 表センターということで、知事が指定される機関、あるいは知事が指定される調査機関によって、 調査、公表等が行われているということでございます。  こうしたことで、インターネットに最終的に載せまして、利用者さんの方に参考情報が提供さ れるという形になります。  なお、当然これは中立公正でなければならぬということで、こういったことはもろもろお願い いたしているところでございます。  4ページ目は、実態でございます。  情報公表センターは、県直営でおやりになっているところは6県ほどございますが、41自治 体では、社会福祉協議会あるいは国保連合会等々を指定されております。  調査機関は、昨年の7月現在で273機関ございますが、NPO法人が最も多く活用されている。 そのほか、株式会社、社会福祉法人、社団法人等々が活用されてやっておられるということでご ざいます。  5ページ目は、どのぐらいの人員でということでありますが、この右の方に「情報公表対象事 業所数」を書いてございます。19年7月現在で全国に11万ほどございますので、これにすべて 基本的には公表していただく。あるいは、小規模なものは除きますけれども、基本的には対象に なっていただくことになりますので、常勤、非常勤を合わせて大体9,000人程度の方々に調査を やっていただいているということでございます。  前回も勝田委員からございましたように、勝田委員にもこの調査の中でいろいろ御協力をいた だいているのだろうと思っております。  この制度は18年4月から行ったものでございますし、日本の福祉サービスの中でも初めての 試みでございますので、当然、実施に当たって生じるさまざまな現実の問題も処理していかなけ ればならぬと思っております。  6ページは、公表制度の課題についてですが、今後私どもとしては処理したいと思っておりま す。  介護サービスは、要介護者に対するサービスと要支援者に対するサービスと新たなサービスも 18年4月からできておりますので、順次項目を専門家あるいは消費者団体の代表の方も入った 委員会で出していただいて、それをモデル事業で実施してみて、それを委員会にフィードバック して、最終的に決定させていただいております。  ただ、余り恣意的にならないように、できるだけ客観的な情報ということに努めさせていただ いているところでございます。  それらを逐次やっておりますので、私どもの予定といたしましては、18年から始まった予防 サービスなどにつきましては、20年度から実施に移したいということで、最終的には18、19、 20年の3ヶ年かけまして、20年度中には全サービスの公表の体制を最終的に整えるということ でやってございます。  その上で、1つ目でございますが、利用者に対して制度の周知が不十分ではないのか。あるい は項目が選択に十分資するものになっているかどうかという御意見がございます。  現状でございますが、公表画面のアクセス数は、システムの不具合等がまだございまして、抽 出ができない4県を除くデータですが、22万件ほどアクセスがございます。勿論、県によって も多いところと少ないところがございますが、やはりまだまだ私ども、利用者への制度の普及啓 発に努めていかなければならぬのではないかと考えております。  初年度は、どうしても調査の体制を整える、あるいは事業者の御理解をいただくような準備作 業に相当かかってしまいましたので、利用者への取組みをより本格化させるのは今年度辺りから ということでございますが、引き続き、ここは努めていきたいと思います。パンフレット、チラ シ等もいろいろ活用させていただきたいところでございます。  更に、当然国だけではできません。自治体にも御協力をいただいたり、実施者である都道府県 に御指導をいただいたりしながらやっておるわけですが、その他、地域包括支援センターあるい はケアマネ、事業所、市町村といったところで、利用者の相談に応じるいろいろな主体に活用に ついてお願いをしてあるところでございます。  更に項目につきましては、18、19、20年度で一巡いたしますので、一定の評価を速やかに行 いまして、21年度以降、更にどのようにしていくのか。追加する項目はあるのか、あるいはも う十分皆さん実施されているから、むしろ選択の要件にならないという、溶け込んでいるものは 見直すとか、そういう作業を今後やる必要があると考えております。  2つ目は、いろいろ寄せられますが、調査機関等々の事業運営の透明性が不十分ではないか。 これは当初より、やはり運営状況の開示はお願いをしますということで、お願いいたしたところ でございます。  現状でございますが、20の都道府県につきましては、運営状況の開示をしていただいており ます。一方、27県については、まだこれからとなっておりますので、この点につきましても、 昨年の秋の全国会議など、何度も各都道府県に県のホームページなどを活用して、事業運営の公 表を行っていただいて、やはり何よりも国民あるいは事業者の御理解を得られるようにしていた だきたいということでお願いいたしておりますので、来年度も引き続き進めてまいりたいと考え ております。  最後7ページは、手数料の水準です。当初、私どもが事業を実施する際に、どのぐらいのコス トがかかるのか。一定のモデル事業とかの手間がどのぐらいかかるか等々からガイドラインをつ くっておりますが、過剰ではないかという御意見がございます。  そういう意味では、現状でございますが、各都道府県におかれまして、事業所に対する調査体 制あるいは地理的条件。例えば北海道のように大変広い等々ございますので、それを踏まえて算 定していただいて、条例を定めていただいております。  現在、全国平均は5万4,000円で、内容としては、調査事務の手数料、情報公表事務手数料を 合わせた平均値でございますので、県によってはもっと低い水準のところもございますし、これ より高いところもございます。  ただ、当初考えておったよりも、相当調査の効率化をも図られているのではないかということ が明らかになってきておりますので、そもそも18年の秋、あるいは昨年度も全国の担当会議等 におきまして、可能な限り実態把握を進めていただいて、手数料水準の妥当性についても検証し ていただいて、国民の理解が得られるようにしていただきたいとお願いをいたしております。  昨日の都道府県全国厚生労働関係部局長会議においても、再度同様のお願いをいたしておりま すし、私ども事務方といたしましても、12月4日には、現在自治体の方で、来年度の予算審議、 条例審議とございますので、対外的に妥当性についての理解が得られる水準に引き下げるなどの 見直しをお願いしたいということで、要請を重ねてお願いいたしているところでございますので、 そういった方向で各都道府県それぞれの事情を踏まえながら御検討をいただいていると理解い たしております。 ○貝塚部会長 どうもありがとうございました。  それでは、3番目としまして、介護事業者に対する指導監督について、介護保険指導室長から お願いします。 ○中井介護保険指導室長 それでは、資料4につきまして御説明をさせていただきます。介護保 険指導室の中井と申します。よろしくお願いいたします。  資料の3ページをお開きいただきたいと思います。  3ページは、行政処分等の事務の流れでございます。法的にどういうふうになっていたかとい うことにつきまして、事前に少し説明させていただきたいと思います。  一番右側にございますように、監査を実施する、ないしは調査を実施する場合に、都道府県に よる調査権限のみが従来の規定上ございました。  一番左側の最後に「指定取消し等の処分」ということで、取消処分だけが基本的な形として法 的に位置づけられていたという状況でございます。この間、従来は行政指導という形で改善を求 めていたというのが実態でございます。  今回の法律改正に基づきまして、赤い枠組みが入っています。  1つは、任意ではなく立入りをして、強制的に行うことができる。  市町村による立入調査権限も新たに導入し、基準違反についての摘発もできるようにした。  基準違反に対する改善勧告、改善命令、それぞれの内容について指定の効力の停止等の方法を 新たに導入したというところでございました。これが17年の制度改正で新たに入ったところで ございます。  2ページに戻っていただきたいと思います。  従来の指導監督は、先ほど言いましたように行政指導が主体でございますので、行政指導の場 合の指針というものを国としてガイドラインを出させていただいております。12年以降、具体 的なやり方としましては、従来の各サービスの制度状況を踏まえまして、集団指導、これは事業 者を集めて講習会方式でやる。大体都道府県で多い場合は1〜3回程度やっておられます。  集団指導で来ていただけないところ、ないしは実地を受け入れないところについては、書面指 導という形で、主眼事項及び着眼点に基づいて確認をするということになっています。  通常の場合でございますが、施設サービスにつきましては2年に1回、居宅サービス事業所に つきましては3年に1回、おおむね主眼事項及び着眼点に基づき、遵守状況についての確認を行 ってきたところでございます。  この結果、実地指導上問題がある場合については、監査に切り替えをして、摘発をするという 形になっているわけでございますが、現行は前回の資料で取消処分等多数出ているところがござ いましたが、そういうところにつきましては、1年ないし2年近くかけて行政指導をしながら、 最終的にお聞きいただけないところについて、取消処分という形をとらざるを得なかったという 状況が先般の結果でございます。  今回の17年度改正におきまして、先ほど申しましたような中身が新たに入ったわけでござい ますので、右側の指導監査の在り方という形で、大きく2つに分けております。  1つは、指導指針で集団指導。これは従来どおりですが、より強化をいただきまして、指定の 新しい制度、事後規制の理解、それぞれの問題点に対応するような周知徹底、指定基準遵守、報 酬請求上の過誤なり不正防止というものについて、事業者側に対して都道府県が十分な指導を行 えるようにという形をとらせていただくことにいたしました。  実地指導でございますが、従来のようなノルマという形で行っていたものが、結果的にはノル マ優先になってしまいまして、不適正ないしは不正な事業者が出た場合について、臨機応変に対 応できなかったというところがございます。  こういう点を反省いたしまして、まず実地指導は2つに分けております。今回の法改正で、質 の向上が大変重要な課題となりました。また、虐待防止法という法律も新たにできたということ がございますので、身体拘束の廃止や虐待防止についての取組みの指導を強化するということで ございます。  結果、監査に至る指導の前置という形はやめていただいて、十分な指導が行えるようにお願い をしています。その内容についても、常時実施をするようにお願いをしています。  具体的な従来の行政指導はずっとチェックをしていくわけでございますが、どちらかというと、 その項目数がすべての基準に該当するかどうかということに着目をされ始めまして、機械的ない しは形式的なチェックになってしまうところが往々にしてありました。大多数の事業者の方々に ついては、特に大きな問題がないわけでございますが、一部の事業者について問題があったとい うことで、摘発をされていくわけでございますが、こういうふうに十分きちんとやられている 方々のことも踏まえまして、チェック型の指導というのは廃止をさせていただき、事前に提出さ れている細かいチェック用の資料については、不要とさせていただいたところでございます。  今回の制度改正では、報酬関係につきまして、各種加算、減算が多様に盛り込まれたものでご ざいますので、請求の不適正な取扱いがないように、こういうことについての指導を十分点検す るようにお願いをしているところでございます。  一方、監査指針の方につきましては、先ほど申しましたような基準違反については、的確な確 認を早急にしていただいて、徹底した監査を行う。  市町村の監督権限の付与によりまして、監査体制の強化を図った。  従来の取消処分の大多数が、告発でありますとか、苦情、事業者自身の内容点検において問題 があるときの事業者側、保険者側からの通報であるとか、そういうものがございまして、その立 入検査等によって機動的な監査を実施するように、改めてお願いをしているところでございます。  以下、問題が起きた場合については、改善勧告、改善命令、停止という行政処分を実施するよ うな強化の仕方をとっているところでございます。  4ページ目は、今回のコムスンの不正事例につきまして、19年度中に広域の指定訪問介護事 業所についての監査を実施するようにということが指摘されましたので、これについては8月中 までに2,177事業所について監査を実施して、46事業所の取消し等が行われているところでご ざいます。  一方、営利法人につきましては、平成24年度までの間、すべての営利法人の事業所について 指導監査を実施するようにということが求められておりますので、これについても今後24年ま での間にどのようなやり方をするかということについて、きちんとした対応の仕方をしていきた いと考えているところでございます。  5ページ目は、今まで施設系サービスについて2年に1回、居宅系サービスについては3年に 1回程度入るということをお願いしていたわけでございますが、おおむね都道府県、市町村を含 めまして、12〜17年度まで、上から4行目の施設系サービスについては、実地指導と書面指導 でおおむね5割近い、要は2年に1回ほとんど入ってきていただいている。  居宅系のサービスについては、下から2行目のところでございますが、25%程度。トータルで は大体4年に1回程度になっておりますが、一部、真ん中の訪問リハビリテーション、居宅管理 指導、訪問看護事業につきましては、医療系サービスのところで十分見られている内容でござい ますので、ここについては少し率が低くなっています。これを除きますと、大体3割程度が行わ れていて、都道府県の実施体制は十分確保されていたという状況でございます。  6ページ以降は、各都道府県どのような体制で行われていたかということでございます。  本庁職員、専任、兼務合わせまして、8,758人が直近の報告時点の数字でございまして、約9,000 人弱の人員で行っていただいているという状況でございます。  都道府県が2,500人体制、指定都市が約400人、中核市が460人、18年度から新たに市町村 に権限が下りたわけでございますが、一般市町村は約1,800市町村のうち5,500人程度で実施を するという状況になっているところでございます。詳細は後ろの方にございますので、見ていた だければと思います。  基本的にそういう状況で行っておりますので、以上、若干ですが報告いたします。  以上です。 ○貝塚部会長 どうもありがとうございました。  それでは、ただいまの御説明について、御質問、御意見がありましたらお願いしたいと思いま す。できれば問題の性質上、介護労働者の確保の問題というのは大分広い範囲の問題で、後の介 護サービス情報の公表あるいは介護事業者に対する指導監督というのは、ある意味では裏と表の 部分もかなりあります。多少それを意識して御質問をいただければありがたいと思います。どな たからでも御自由に御質問、御意見がありましたお願いいたします。  高橋委員、どうぞ。 ○高橋委員 4つありまして、第1点目は、資料1の一番最後の○にあります実際の監督指導に ばらつきが見られるということです。これは大変大きな問題だと思います。特に都道府県等によ る本部への立入調査がこれから行われるということであれば、是非標準化を強力に進めてほしい ということが第1点。これはお願いでございます。  第2点目は、資料1の2ページ目の連座制の最初の○です。これについては、この意見のとお りだと思いまして、連座制を画一的に適用するのではなく、介護施設の実態をよく踏まえて、各 自治体が判断してやる必要があるというのが、2番目の意見でございます。  第3点目は、資料1の1ページ目の法令遵守に係る体制の整備のところです。事業者の規模別 規制をやるべきだということが最初の方に書いてありますが、法令遵守そのものは規模に関わら ず、皆さんやらなければいけないことだと思います。法令遵守規制を規模別にではなくて、遵守 の体制を実際上どうするかについては、規模ということも関係すると思いますので、具体的な中 身をもう少し詰めていただければと思っています。  第4点目は、資料2の3ページ目の「(1)各事業に共通する事項について」の「(3) 事業者 の業務について」というところです。先ほども指摘がありましたが、書類が非常に多いという話 を事業者からも聞いております。これは事業者負担だけではなくて、利用者にも非常に負担にな っています。書類が多くて、記入者負担が非常に重いものですから、何とかしてほしいという意 見が非常に強いのです。是非、利用者利便ということも考え、利用者の記入者負担を軽減すると いう観点から、何らかの措置を考えてほしいと思います。この点は議論としては、介護給付費分 科会の領域かもしれませんので、その場合はそちらの分科会の方で検討していただければと思い ます。  最後の点ですが、多分これは法律改正を通常国会に間に合わせることを考えられているんだと 思いますので、その場合は、しかるべきタイミングで意見をまとめる必要があると思います。  ここはお聞きしたいんですけれども、通常国会に法案を提出される予定なんですね。 ○古都振興課長 先回も御説明しましたように、私どもとしては、明日から始まります通常国会 に出させていただきたいと思っております。 ○高橋委員 であればそれに間に合うように意見の集約をお願いしたいと思います。  以上です。 ○貝塚部会長 ただいまの件で、何か御質問に関わる点でもし事務局の方からございましたら、 簡単にお答えいただきたいと思います。 ○古都振興課長 冒頭の監査のばらつきは、委員が前回に御指摘をいただいておりますので、十 分その辺は踏まえてまいりたいと考えております。  法令遵守のところでございますが、私どもは規模という表現にいたしましたが、先回も高橋委 員からも御指摘があったように、まずは法令遵守の義務は大きいか小さいか関係なく、皆さん義 務はありますね。ただ、そのときに、指導監査などを行う場合は、例えば上場されているような 大きな企業さんと1法人、1事業所さんとでは、おのずと課す内容も変わってくるでしょう。あ るいは法令遵守を達成する手法も変わってくるでしょうという趣旨でございますので、今の御意 見は十分踏まえて、運用を考えていきたいと思います。 ○貝塚部会長 山本委員、どうぞ。 ○山本委員 不正行為があったものに対しては、かなり努力をされているのは、先ほどからの説 明でよくわかりますが、文句で書くとこういうのは随分上手に書けるんですね。ですから、その とおりに実施されれば一番問題はないけれども、そう簡単にはいかないようなので、その点につ いてお願いを申し上げたいと思います。  この介護保険法では、不正なことをやった場合、その返還金を求めるんですけれども、事業者 の方が簡単に「はいそうですか」とそれに従わないという実態があります。ですから、それをど うすればいいのか。しかも、介護のお金というのは、国の金と被保険者の皆さんたちのお金で成 り立っているということは御承知のとおりなんですね。  ですから、そういう不正行為を起こした事業者に対しては、保険者が例えば財産を差し押さえ るとか、そういう処分をされるような権限がありませんので、回収の方法としては、民事の裁判 でもやらなければ、最終的に回収ができないということがあるわけです。  ここの辺りをどう考えているのか、先ほど資料4で随分そういうことが書いてありましたけれ ども、そのとおりにいけば心配はないわけです。ですから、もう少しそこら辺りを突っ込んで検 討していく必要があるんではないかと思いますので、もし現行法のままでいくとするならば、こ れはなかなか回収は不可能なんですよ。不正行為を行ったところの回収をしなければならぬ費用 については、なかなか難しいんです。  ですから、民事しかないわけですから、民事の手続をしますと、私ども保険者は、まず議会な どがございます。議会の承認をいただくなどをやらなければできないわけですから、時間や手間 やしかも経費がたくさん係るということになりますので、現在余りそういうことについてはやっ ていないんですね。介護保健法も同じではないかと思いますので、ひとつ今から申し上げること について、御検討をいただきたいと思います。  先ほど、もう国会に出しますからということを言っているようですけれども、不十分なものを 今から実施していきますからいいかということでは、私ども保険者としては非常に困るわけでし て、もう少しそこら辺りの打ち合わせをした上で、なぜ国会に出すなら出すようにしないのか。 今、そう言われたからそういうふうに考えるんですけれども、こういうことについては、少し慎 重でなければならぬと思います。あなた方が国会に出すんだから、もう何を言ったって聞きませ んよということになれば、こんな会議はやらなければいいですから、やらなければ、何もそんな ことを聞く必要もなければ、考える必要もないわけですね。  ですから、これからはそういうことをやっていくならば、この会を解散したらどうですか。私 はそういうふうに思います。もし解散をしないなら、私どもの言う意見を十分聞いていただくと いうことが大事ではないかと思います。その点を今日は聞いていただきたいと思います。  しかし、私は、皆さんたちの気に入らないことを言うかもしれませんが、そんなのはもう国会 に出しましたから間に合いませんから、そのままですよということで流されるんなら、もういら ぬことを言わない方がいいと思いますが、どちらですか。先にそれを答えてください。 ○貝塚部会長 どうぞ。 ○古都振興課長 私が舌足らずでございました。ここできちんと御意見をいただいて、それを反 映させた形で、最終的には法案という形にする。ですので、今、山本委員のお話もきちんと踏ま えて、検討して行きたいと思います。  先ほどの返還金については、有識者会議等でも御指摘をいただいているところでございますし、 まさに自治体の一番困っておられる点だということでございますので、そういうことをきちんと 踏まえて準備させていただきたいと思います。 ○山本委員 わかりました。  それでは、その不正行為をやった事業所の元は全国に展開されているわけですから、例えば私 の県に全国展開でやっている事業所があるとします。それを不正行為をしたからといって、その 会社全部が悪いとは言えないと思います。ですから、その調査、いわゆる本部なら本部の調査が、 今のこの法令ではできないわけですね。私どもの県からよその県に行って調査をするということ はできません。それはもう御承知のとおりですから、そこを一体どうするのか。その調査をやる のに、国と県と保険者が一緒になってやる仕組みをつくらないと、全国展開をやっているような 事業所は検査、調査あるいは指導をするということは難しいのではないでしょうか。そこら辺り を考えてもらいたいと思いますので、大規模な、いわゆる全国展開をやっているような事業所に ついては、国と地方が共同で検査、あるいは立入調査をするということなどができるよう、法改 正すべきだと思いますので、そこら辺りを考えていただければと思います。  ですから、同じ会社で各県にまたがっている場合で、私の県の分だけが悪いから、隣の県の同 じ会社の分は悪いという判断をするというのは、間違いなんです。隣の県にあるのは十分よくや ってある。しかし、私の県にあるのは余り上等でないという場合、同率に並べていくということ はできないわけです。  したがって、全国的な調査ができるようにするためには、国と保険者が一緒になって調査がで きるように、そういう仕組みを法改正すべきだと思います。そこがまず1点目としてお願いをし たいと思います。  それから、不正をしているわけですから、私のことは余り言いたくないんですが、あなた方の 方から返せと言われているのが、今14事業所あるわけです。ところが、不正受給しているのが トータルで幾らになるのかといいますと、1億7,000万なんですね。ですから、これを返せと言 われると、1,000万は返せるんですけれども、1億6,000万円はもう返してくれないんですね。 今の法制のままでしたら、この金は恐らく戻ってこないと思いますよ。  ですから、返還の意思のない、そういうことをやろうとしない事業者に対して、これからどう したらいいのかというと、同じように強制執行ができるようにすべきなんですよ。同じお金でし ょう。国民の皆さんたちみんなで出しているお金なんですよ。ですから、そのお金を勝手に自分 たちが使って、そして返さないというのは、税と一緒ですよ。税と同じような措置をすることが 必要だと思いますね。  ですから、強制執行、差押さえができるようにすることが大事ではないでしょうか。そうしな いと、今、申し上げた私のところで14事業所がこういうことで、1億6,000万円も今、払って いないで止めているわけですよ。それでもいいというんなら、かえって皆さんに払わなくていい よとついでに私が言いますよ。  だから、強制執行ができるよう考えるべきではないでしょうか。それをこの介護保険法の中に 入れるべきだと思います。これは異質なものだから、それほどする必要はないというお考えで、 恐らくこれは除外したものであると思いますけれども、結果としてそういうものが出てくるわけ ですから、言うならば、制度の未熟さにあるわけです。ですから、この際制度を強化すべきだと 思いますので、税金だとか国民健康保険料などといったものと同じようなやり方で、不正行為で 受領したものについては、強制的な返還ができるように法制度を変えることが必要ではないかと 思います。そこの辺りをひとつ考えていただきたいと思います。  もう一つは、供託金制度を設けたらどうかと思うんです。各事業者に対して、供託金の制度を 設けるといいと思います。もしこういう不正行為があって、あなた方はやり過ぎだから、これだ け返しなさいということになった場合、供託金を出しておりますと、それだけ手助けになるわけ ですから、供託金制度をつくったらどうかなと思います。  そこまでやる必要はないと言われれば、それまでですけれども、供託金は強制権はありません けれども、そういうふうにやっていけば、かなりの返還金に対しての融通がきくんではないかと 思います。供託金をもしやれるということであるとするならば、考えていただければと思います。  以上、申し上げましたように、この介護保険法で同じように、他の税金や国保の保険料などと 同じような取扱いができるようにすべきだと思います。今のまま放置しておりますと、結局は金 額は1億6,000万ですけれども、だんだんこれがほかに類を及ぼしていくということになってい くのと、介護サービスがそのために落ちていくということにもなりかねない。波及効果が極めて 大きいと思いますので、あなた方の方で、そこら辺りをどういうふうにお考えになっているのか、 そしてどうするのかを、今日お答えいただきたいと思います。  私からお願い申し上げたい、指摘することは、以上です。 ○貝塚部会長 ただいまの御質問にお答えいただきたいと思います。要するに、介護保険制度は、 私などが見ていますと、やはりいろんな事態が起きたときの対応の仕方について、何せ最初の制 度でありますので、その辺のところが、多分他の制度に比べると甘い部分があるんではないかと 何となく思いますので、今の点はいかがですか。 ○古都振興課長 参考資料1の有識者会議報告書の4ページの(3)の一番下の方にも、まさに 市町村保険者の代表であります山本委員の御指摘のとおりで、介護報酬の返還あるいは加算金の 支払いが十分でないというのは、まさにそのとおりでございますので、確実に徴収できる仕組み を検討する必要があるという御指摘もいただいております。  この有識者会議の報告に加えまして、今の山本委員がおっしゃったような返還金がきちっと取 れる仕組みにする必要があるということは、まさに公金の取扱いとしては大変重要な点だろうと 思いますので、私どもはそれを十分踏まえて、今後、法制化に当たっては、十分きちんと踏まえ ていきたいと考えております。  それから、もう一点、全国展開の事業所で、国と都道府県と保険者の協力、共同が必要である。 それをきちんと法制化すべきという趣旨の点につきましては、やはり有識者会議の方でも、その 旨を3ページの業務管理体制に関する指導監督のところでも、連携をしてということでございま す。3ページの上から3つ目の○のところでございますが、規制については、事業者に対して広 域的には国が、市町村域を超える場合は都道府県が主体となって、関係自治体、まさに国、都道 府県、市町村が緊密な連携をとってやるのだということを言われておりますので、今の山本委員 と有識者会議の御意見を踏まえながら、法制化に当たって、十分配慮していきたいと考えており ます。 ○山本委員 供託金についてどうですか。 ○貝塚部会長 供託金の問題についてお願いします。 ○古都振興課長 まず、有識者会議の報告の方では、いろんな規制がある中で、罰則だけではど うかなという御意見がございました。そういう中で、今、申しました返還金を確実に取るのは有 効な方法ではないかということでございました。  供託金については、今、委員がおっしゃいましたので、供託金というものが他法、他制度でど うなっているのかということも踏まえながら、どのように仕組んだらうまくいくのか、あるいは それがこの事業にとって有効かどうか。場合によっては、参入をかなり厳しくするんではないか ということもございますので、そういったいろんな条件を踏まえながら、供託金制度につきまし ては、うまく今回の適正化のスキームに乗るかどうか。一方でいい事業者にも入ってもらわなけ ればいかぬということで、少し別途検討させていただくことにさせていただきたいと思います。 ○貝塚部会長 山本委員、どうぞ。 ○山本委員 今、地方分権の話がどんどん進んでいるわけですね。そうすると、今は国と地方が 一緒になって調査をやるというのは、分権に反することになるわけですね。そこら辺りを考えて いきますと、特別なやり方を考えてやらないと、うまくないんではないかと思います。  雑な言い方をしますと、そういう国が持っている権限は外せ、そして地方へ渡せと言っている のが地方分権なんですね。そうすると、今から共同でやるということは、地方分権に逆行するこ とになるわけですよ。だから、そこら辺りがどういうやり方をすれば、趣旨としては、国と地方 が一緒になって調査ができる、あるいは思案できるということにしてもらえば一番いいんですが、 どういう方法でやれば地方分権に反しないかを十分検討していただくことを、是非お願いしてお きたいと思います。 ○貝塚部会長 石川委員、どうぞ。 ○石川委員 山本委員さんと重なる部分もあるかと思いますけれども、4点お願いしたいと思い ます。  まず、1点目につきましては、今回のこの会の大きな課題であります、連座制の見直しの問題 でございますけれども、確かに1事業所が悪いということで、すべての事業所が取消しになると いうような、これについてはやはり問題はあるだろうと思っております。  ただ、全国展開している事業所に対する、不正に対する抑止策という意味では、非常に連座制 というのは、制度としては重みがある重要な制度だろうと思っていますので、根幹的な連座制の 在り方そのものは、やはり堅持をしていただきたいと思います。  2点目につきましては、今の山本委員さんと全く同趣旨なわけでありまして、不正事業者が変 換すべき返還金及び加算金を確実に徴収する仕組みが今までなかったわけでありますので、それ を是非この際確立していただきたいと思います。  特に、医療保険と異なりまして、在宅サービスにおいては、多様な主体によって、多くの参入 が促進してきたこともありまして、指定取消等の処分を受けた事業者から返還金を回収すること は非常に難しいというのが実情でございます。  こういう中で、きちんと返還がされるような手法については、是非、今、御提案が具体的にあ りましたけれども、そういうことも含めて検討していただきたいと思います。  それから、監査指導の関係で、資料4の2ページの右下のところで、言わば、市町村と都道府 県の関係で、17年改正で76条等によって、市町村も立入検査等々の権限も実際には位置づけら れたわけでありますけれども、実際のところ、自治体によっては、とてもそこまで手が回らない というところもたくさんあるわけでございます。私どもの自治体でも、実はこれをきちんとやり なさいよといったときに、なかなか実務的には難しい。  前回も御提案をさせていただいておりますけれども、基本的には都道府県にきちんと市町村か ら申し入れをして、それを受けて都道府県がそのことに対して調査をして、市町村に報告をする。 こういうことについては、当然この法律の枠の中ではできるということになるんでしょうけれど も、実務的にこういうことが定着してやれるような、是非、都道府県、市町村あるいは国との具 体的な手法等の整理についてきちんと指導していただきたいと思います。  最後ですけれども、今回の中身を見ますと、そんなに大きな争点があるというふうにも思えな いわけですし、不正請求に関わる返還金の問題等々も含めて、あるいは今、連座の問題について も非常にきつくなっているわけでありますので、そういうことを含めて、改正できるものについ ては、なるべく早期に改善をしていただくというようなことを、是非この際お願いしたい。  勿論、議論をきちんとした上で、当然のことですけれども、早期に改善できるものについては、 なるべく早く改正をしていただきたいと、このことを改めてお願い申し上げたいと思います。  私の方は以上でございます。 ○貝塚部会長 ただいまの御質問は、先ほどの山本委員の御質問とかなり重なりますね。  それではほかの委員の方、どうぞ。  桝田委員、どうぞ。 ○桝田委員 3点ほど少し付言させていただきますけれども、まず、1つは利用者保護の立場、 不幸にしていろんな事件が起こった場合にどうするか。その取消し等によってサービスを受ける 方が突然サービスの提供がなくなっていくという部分が、やはり一番問題になってくると思うの ですけれども、ただ、行政がサービス提供に対してどこまで関与できるか、やはりサービスを持 っていないということになると、行政ではなかなかできない。そこで反対に、健全な事業者育成 の立場から考えると、やはり各サービス種別の事業者団体というのも、まず育成をしていって、 そこでコンプライアンスについての研修会等、いろんな情報交換もするような形をつくり上げて いく。それから、いろんなそういう事件が起こった場合に、行政とそういう団体が協力をして、 利用者保護につなげていく。そこの部分に着目していかないと、いろんなトラブルが起こった場 合に、行政だけではとても無理ではないかなという思いがございます。民間事業者の団体の組織 化というのは、全部加入というのは非常に難しいかもしれませんけれども、やはり行政から指導 するだけではなくて、団体としても、やはり自分たちのやるべきこと、法的に守らなければいけ ないことというのは、やはりちゃんと同業者間の指導体制、言わば研究、研修体制というものを つくり上げていく必要があるのではないか。そういう面の育成を少しお願いしたいと思います。  もう一つは、連座制の問題の中で、居住系サービス、通所・訪問系のサービスとやはり内容的 な部分がかなり違ってまいりますので、指定類型について、適正化の有識者会議の方でも出てい ますけれども、少し指定類型の見直しが必要ではないか。そこの部分、検討していただきたいと 思います。  もう一つは、各サービスを提供している事業者にとって、指導監督、情報公表、第三者評価、 事務量が今回の加算の部分でも非常に増えていまして、事務過多に陥ってきている。それで、そ ういう部分の指導監督、情報公表等についても非常に時間をとられていく。ここら辺りもどうに か一つにまとめていただけないかというのが事業者側の意見です。もう1つは利用者にとって必 要な情報を提供していく。それは当然必要なことですけれども、同じようなものが幾つもあると いうのは、非常に煩雑でわかりにくい構造になりつつありますので、そこらの一元化をどうにか していただけないかというのが意見でございます。 ○貝塚部会長 今の点は、いかがですかね。お役所が公表の書類を出してくるということで、相 当大量になるというのは、私ども文部科学省との関係がありますけれども、大体そういう傾向が あって、簡素化というのを同時に考えていただくのが必要じゃないでしょうか、これは個人的な 意見です。 ○古都振興課長 今、桝田委員からもございましたように、関係多方面からいかに事務負担を減 らすのかと。書類というのは、一つひとつの目的で、一つひとつきちんと考えて、この申請には この項目が要るとしてつくられておりますけれども、確かに横断的に見たときに、いろいろ応用 できるものもあるのではないかというような御指摘がまさにあるところでございますので、私ど も現場の意見をよく伺って、実務上どうなっているのかということをしっかり把握した上で、で きるだけ負担の軽減あるいは無駄のない仕組みになるように努力をしていきたいと考えており ます。 ○貝塚部会長 それでは、石原委員どうぞ。 ○石原委員 前回欠席いたしましたが、有識者会議の報告書は読ませていただきまして、きちん とできているのではないかと思いました。  私たち事業者も不正の無いように監査は厳しくあってほしい。質を高めるためにはやはりきち んとした監査ができていないといけないと思います。しかし、事業者が申請をするときでも、そ れから監査を受けるときでも書類だけなんです。例えば申請時も建物の寸法を厳しく測りますけ れども、そこでどのような人が働くかということには全く関心が無いのです。  私たち現場の人間であっても、公的な制度で公的なお金を使うのですからしっかりとした事務 処理をし法令遵守するのは当たり前のことですが、現場は人が動いてサービスが成り立っていま す。  そういう意味からいっても現場に対する理解を深めていただきたいのです。自立支援といって もそれがどのようなことか分からず、書類のみで指摘を受けますと、現場の人間は欲求不満が高 まります。  介護の現場を監査するという事は行政としては難しいかもしれませんが、オーストラリアなど では、きちんと成されていますし、それらを参考にしたり、情報開示や第三者評価などを上手に 組み合わせて、制度と現場が整合性のある、また、現場に余り負荷をかけない無駄の無い監査シ ステムを構築していただきたいです。  もう一つ、今回の制度の見直し、適正というテーマとは外れるかもしれませんが、介護保険の 理念の1つに、選択の自由があります。利用者が選択ができるということは、介護の質が高まる ということとイコールだと思いますが、特に施設が地域密着型ということになって、施設利用に 枠ができて、選択の自由が失われてきていますので、どこかで見直していただきたいです。 ○貝塚部会長 ただいまの点、何か事務局でお答えがありますか、どうぞ。 ○古都振興課長 先ほど来と同じような御意見で、監査のやり方等々の御意見がございますが、 情報の公表と、例えば第三者評価というものと、監査と、それぞれ役割も分担して趣旨が違うと ころもございます。監査であれば、基準を満たしていないものを行政権力で強制執行してやって くださいという部分でありますし、第三者評価はどちらかというと、そういう基準を守った上で、 更に事業者努力で一生懸命やっている部分がどこなのかということでありましょうし、情報公表 は、その中でも主観的なものを除いて客観的なものを広く見ていただくというようなこともござ います。ただ、そのように幾つかの制度があるわけでございますので、うまく工夫をしていくと いうことです。  もう一つ、実際2つ目に監査をやる現場の職員の方々、こういった方々がどういう観点で監査 をやっていただくか。先ほど室長から説明いたしましたように、相当ガイドラインをつくったり とか、職員の皆さん方にこういう視点でやっていただきたいと努力をいたしておりますけれども、 更に引き続き、そういったことをやって、監査職員の見る目がある程度標準化されるということ と、それから資質が上がっていくということは、これから引き続き自治体の方々と協力して取り 組んでいきたいと考えております。 ○貝塚部会長 櫻井委員、どうぞ。 ○櫻井委員 幾つか申し上げたいことがあるんですけれども、御意見を伺っておりまして、ごも っともだなと伺っております。  まず、資料1の1ページの一番最後の○のところなんですが、監査指標についてばらつきが見 られるから標準化するという議論なんですが、先ほど地方分権の議論もございましたが、昨年の 11月に出された中間とりまとめの中では、標準化に関して、ナショナル・スタンダードなのか ナショナル・ミニマムかという議論があって、これは多分行政としてはナショナル・ミニマムで はなくて、むしろスタンダードの部分を提示してもらいたいというのが現場からの御意見ではな いかと思っております。  それで、地方分権というのは、一般論として、スローガンとして言っているだけのことでして、 私は中間とりまとめはやはり個別の議論が非常に素人くさいところがあって、もっとちゃんと詰 めて、事務ごとに適切な形で、国やら都道府県やらが関与するということで、地方分権ももっと 成熟しないといけないと思うんですけれども、いわゆる地方分権、スローガンだけが言っている ものですから、おおよそナショナル・スタンダードであれば、そういう標準化というのは、地方 分権に反するから要らないんだというのが論調なんだけれども、そこはそうではなくて、むしろ そういう要請があり、強制するものではないとしますと、そういうものを提示していくというこ とに有意義な点があるのではないかということは、正面から論陣を張っていっていただくと、む しろ国民にとってより便益を生むんではないかというふうに思っております。  2ページ目ですが、これも先ほど御意見が出ましたが、指定・更新の欠格事由の見直し云々の ところで、連座制と、指定・更新の欠格事由の議論に2つ○がございますけれども、これについ ては、少し前回も議論があったようなんですが、根本的に言うと、連座制みたいなものというの が、本当に合理的な仕組みなのかというのは、また考える余地はあると思うんですが、差し当た り現時点で連座制は維持するという議論の中でスキームをつくろうということでありますので、 そうすると、指定・更新についての裁量制の問題というのは、基本的にはやはり更新はしないと いうルートがまずあって、しかしながら特段の事情がある場合には、自治体独自の判断余地を認 める必要があるだろうというふうに、恐らく制度の基本的な考え方としてはつくっておかないと いけないんではないかと思います。  それで、この連座制関係というのは、風俗営業法とか廃棄物処理法なんかも、スキームは少し 違うんですけれども、大きく言うと、似たような問題が、横ぐし的なものがあって、その辺が随 分言われているところで、そのときには丸ごと自治体が裁量でできる規定をつくってしまって、 やっていいですよという形で投げてしまいますと、これが結構裁判がきつくて、比例原則に反す る、合理性を欠くとか、過重規制になるというふうに、現実に取り消されたりしているケースも ございまして、ですから丸ごと「できる規定」にするというのは、多分テクニカルな意味でも好 ましくないだろうということと、裁量をつくるのであれば、裁量基準を今度どうするのかという ことについても更に、これは国がやっていいかどうかという問題がまた別途あるんだけれども、 それを乗り越えたとしますと、そういう議論を立てていただくということが必要ではないかと思 います。  3点目は、先ほどから指導監督、監査の議論が出ているんですが、検査体制そのものについて は、これは行政法的には非常に大きなテーマであると思っているんですけれども、やはり民間事 業者がサービスを提供していて、それにかぶるような形で行政が指導監督するということになり ますと、1つは、非常に業務が広くなってしまうということと、どこまでできるのかという問題 があると思うんです。  それで、一般的には、今、言われたような議論でよろしいんだと思うんですけれども、建築確 認のときに、まさに問題になったみたいに、実は検査する側と、検査される側というのがいたら、 検査する側は、検査される側よりも能力が高くないといけないわけですね。そうしないと仕組み が成り立たないはずなんですが、建築偽造のときには、実は行政側の能力の方が低かったという ことが、むしろわかったようなところがあって、本当に制度の根幹が覆されるような大きな問題 提起がされたんですけれども、介護の場合についても、当たり前のことなんですが、行政側も、 先ほど5,000人とか2,000人とかというふうに人員をかけてやっているんですが、本当に検査す る側の能力というのは大丈夫なのかということと、それから手間暇をかけて、そこまでやってい くということがもう一つ合理的なのかどうかということを合わせて考える必要があるんだと思 います。  似たようなことを考えてみますと、食品偽造のケースも似ていたんです。これはJAS法の議 論で、農水省がGメンというのをつくって、むしろ本当の専門家というのは、それほどたくさん いるわけではないので、精鋭の人を募って、国なら国にそういう人を置いておいて、そして機動 的に派遣する。それで、抜き打ち的に実施調査までするというふうにやると、コストの面からし ても、それほど膨大にならないで、しかし、機動的で効果的なそういう検査というものを考える 余地というのはあるんだろうと思うんです。  ですから、介護事業者に対しても、多分そういう突き出たような検査みたいなことも、少しお 考えいただくと、よろしいのではないかと思っております。  最後なんですが、参考資料1の有識者会議の報告書のところで、3ページ目は地方分権の話な ので、原理的ではない地方分権をやっていただければいいと思うんですが、4ページ目の(3) の保険者が確実に徴収できる仕組みというのは、これも会議のときに申し上げたと思いますけれ ども、本当に確実に徴収できる仕組みというものに対して、法制度は非常に関心をもってこなか ったところがあって、放っておきっぱなしだったところも現実にあるわけですね。  確実に徴収するというときに、純粋に行政的な行政徴収にすればいいのかというと、それが機 能不全に陥っているというのも、一方で事実なので、では民事訴訟がいいのかというのは、また 1つの大きな問題で、よりましな仕組みというものを、本当に動く仕組みをつくるということが、 恐らく重要であろうと思いますので、この辺は是非新しい領域なので、新しい仕組み、考え方と いうものを、法執行という観点からお考えいただけるとよろしいのではないかと思います。  以上でございます。 ○貝塚部会長 それでは、渡辺参考人。 ○渡辺参考人 連座制の方の関連で、今回は少し要望というようなことになるかと思いますが、 自治体が判断をする場合の、先ほど櫻井委員が言われましたように、その判断基準といいますか、 そういう基準をどうするかというのを明確にしていただきたいと思います。  監査あるいは不正の事実の方の確認、そういう事実についての説明責任、それはやはり県とか 市町村ということになろうかと思いますが、それに基づきまして、どういう対応をするか、更新 をどうするかということについての物差し、それが具体的に要るだろうと思います。  これから議論ということでございますが、組織的な関与、組織的な関与というのは、大体どう いうものを言うのかと、あるいは関与がある場合は明確だと思うんですけれども、ない場合ある いはわからない場合は、どういうようなことをするのかというようなことを、これからいろいろ 事例も検討されて、尺度をお示しいただきたいと思います。  あるいは、先ほど来、櫻井委員が言われましたけれども、基本は更新をしない。それで特別な 場合は認めるというような方向で、もしも行くのであれば、それはむしろ組織的な関与の事実の 確認というようなことではなしに、特別な場合というのは、こういうことだというようなことを 例に挙げていただく、それに基づいて自治体の方は判断ができるようにしていきたいと思います ので、よろしくお願いしたいと思います。  そのときに、各県あるいは市町間の情報の共有ということですが、情報の共有につきましても、 やはり県をまたがる場合につきましては、これは一つ国の方の責任で十分情報共有ができるよう な仕組み、そういった仕組みづくりをお願いしたいと思います。  以上です。 ○貝塚部会長 川合委員、どうぞ。 ○川合委員 まず、資料1に関しまして、3点と議論をお聞きしての留意点、計4点について発 言します。1ページの一番下、監査指導について、ばらつきが見られる、これを標準化する。  それから、2ページ目の指導見直しのところの3つ目の○、国、都道府県、市町村では十分な 情報共有を図っていただきたいということ。  3つ目は、3ページの公表制度等というところの1つ目の○、介護サービス情報公表制度や第 三者機能評価等をまとめるべきではないかということを改めて申し上げたいと思います。  それで、議論をお聞きしておりまして、ちょっと発言を追加させていただきたいと思います。  「指導監査」との発言が多く見られました。櫻井委員の方から「監督」という言葉が使われま したけれども、我々医療業界においては、監査というのは死活問題であります。ですから、ここ で議論をされる場合は、やはり監督という言葉をお使いいただけないかなと思います。議事録も 監査、監査と書かれると、いろんなサービス事業者が萎縮をしてしまうような気がします。櫻井 委員、的確な言葉をお使いいただいたと思います。「監督」です。  私、個人的なことを言わせていただくならば、指導監査とあります、資料4にもありますけれ ども、先ほど桝田委員の方から業界団体のコンプライアンスを高めてはどうかというお話があり ました。まさしくそのとおりなんですが、ただ、もしそれであるならば、実施指導の「指導」と いう言葉、櫻井委員がおっしゃった「裁量」ということも含めて、まだお上は我々を羊のように 見ておられる。我々は、やはり主体性を持って行動して、コンプライアンスを持って、自立的に サービスを向上していく団体でありたいと思っておりますので、「裁量行政」に関して前回も申 しましたけれども、ある担当者の好き、嫌いで更新ができないという都道府県があった、現在も あるとは言いません、あったということに関しましては、私は前回抗議申し上げました。それは 改良されつつあると、私は感謝しております。けれども、そういう意味ももって、言葉の使い方、 殊にこういう審議会関係では「監査」という言葉が議事録でおどってしまいますと、この審議会 は官製でしょうけれども、その点、言葉の使い方は、「監督」ということでやっていただきたい。 実施指導も、我々がコンプライアンスを高めていく方向性の芽を摘ままないでいただきたいと思 います。「裁量行政」で我々が、グットスリーピングかできないような状況というのはリスクマ ネジメント上では、暗黒社会ですから、我々のコンプライアンスの維持向上に期待をかけていた だきたいと思います。  以上であります。まだ、言い足りない点はいろいろありますけれども、これで止めます。 ○貝塚部会長 私は、個人的には、要するに国のやる話というのは、ある種のスタンダードを提 示するということで、やはり何かスタンダードがあるということは必要ですから、それからどの 程度、あるいは各自治体がそれぞれの事情において変えていけばいいという、そういう程度の話 でないかと思います。そういう意味で、そういうふうな感じを私は持っているということです。 どうも失礼しました。  どうぞ。 ○天本委員 今回事実としてあったのは、コムスンの在宅の分野、これからいろんな意味で参酌 標準とニーズとの現場のミスマッチあるいは政策的な誘導として多様な住まいというところの 施設サービスというものが増えてまいります。そこでの、これからの、ここに書いてある予想外 の事態が発生したと書かれておりますが、これからは予想外とは言えない問題が私は多々あると 思います。  といいますのは、大都会ほど多様な住宅ができておりますし、大都会ほど人材の供給というも のが非常に不足しているといったこと。それから経営的にもチェーン化している。大規模なとこ ろがやっている。  そうしますと、1つの事業体と本部機能というものというのは、やはり効率性という見地から かなり現場と本部との関係が密接となります。その辺の取り締まりをどのようにするかという問 題。  もう一つは、介護サービスというのは、住まいというものの上に入っておりますので、介護サ ービスというところのものが取られると、すぐ住まいへの影響が、1人だけではなく、大勢の方々 に影響を与える。ある意味では、いろんなことが想定されるわけですので、第一歩としては、こ れでいいんだろうと思いますけれども、これからはやはり施設系サービス。  特にここの資料4の5ページなどを見ましても、やはり指導の実施率は非常に低いんです。指 導、果たしてこういう意味で監査指導もありましたけれども、本来は、やはり予防という意味で、 この指導の充実ということは、非常に後片付けの問題よりも、事前に指導して、なるべくクリア ーしていただくということで、勿論主体的なものも重要なんだろうと思いますけれども、そうい う意味において、施設での居住系サービスにおけるいろんな意味での、まだまだ少し不十分かな と、具体的にどういうことかというのは、私も専門外で難しいことですけれども、そういう面も 予想外ということではなく、いろんなことを想定しながら対応を考えていただきたいと思います。  以上です。 ○貝塚部会長 ほかに、どうぞ。 ○木村委員 情報公表について、少しお話ししたいと思います。先ほど説明がありましたが、今 の情報公表制度は、インターネットで見るので、非常に高齢者にとっては見づらいというのが現 実であります。  しかし、先ほどアドバイスがあったとおり、地域の介護支援専門員がそれを印刷等して、具体 的に解説しながら、それを運用するということは当たり前で、進めなければいけないことだと思 います。  我々、日本介護支援専門員協会は、更に情報公表制度そのものを国民にわかりやすい漫画、パ ンフレットをつくって、今、活用しているところです。次回、ここに提示したいと考えています。  一方、情報公表制度は、先ほど説明がありました資料4の3ページの一番右側のところにあり ます、通報情報、または利用者等からの苦情や通報情報、ここのいわゆる通報情報の1つとして、 情報公表の公表している内容に虚偽があるというときに、地域住民が市町村または県に対して、 通報情報をすることができるという仕掛けにもなっているわけです。  しかし、そのことが全然わかっていないんです。ですから、国民に対して、確かに主体的に利 用者が介護サービス事業所に関する情報を得るということもありますが、事業所の自らやってい る内容を公表するということに対しての責任について、国民が自ら目安箱として、この情報公表 制度を通してやれるんだということを、やはりマスコミ等を通じてきちんと国民に説明すること でも、この情報公表制度というのは、今後、利用者にとっても事業者にとっても非常にいい制度 になっていくと思いますので、そのような御指導というか、運営等を含めて進めていただきたい と思います。  もう一点、先ほど指導監査担当職員の内容が都道府県ごとに示されましたが、やはり兼任が多 いということ。それから、各委員からも御指摘がありましたが、専門性というものを問うたとき に、有識者会議のときに、私どもが提案させていただきましたが、やはり、介護保険制度の中で、 ケアマネジメントそのものをきちんと理解した指導官が養成されなければ、施設にしても通所に しても、訪問系にしても、的確な指導監督、先ほどの監督ということができないと思います。  ですから、ケアマネジメントも十分理解している資格となると、介護支援専門員の資格を持っ た指導監督という形、そういう人たちがきちんと配置されて動いていくべきと思いますので、そ の辺のところの検討もよろしくお願いいたします。 ○貝塚部会長 吉田委員、どうぞ。 ○吉田委員 有識者会議の報告書に沿っての方向でまとめていくという方向性に大方賛成なん ですが、2点問題意識を持っております。  まず第1点目、労働契約の承継についてでございます。良質なサービスの確保という観点から は、事業の承継におきましては、なじみの関係にある労働者の承継、労働契約の承継というもの が非常に重要になってくると考えております。  コムスンの問題にしましても、介護労働者不足というものが背景にあったと理解しています。 本分科会のワーキングチームの報告書に書かれている賃金または辞めていく人の率を考えます と、やはり介護労働者の労働環境は悪と考えています。  介護労働者に対して誠実ではない事業者が、例えば保険者だとか、利用者に対して誠実である わけがないと考えます。  そこで、承継先事業者を考えるときには、労働関係法の遵守または労働組合法では確実に近い 将来使用者になる事業者に対しては、そういう団体交渉を応じる義務というものもあり、そうい った労働関係法、勿論こういう部分というのは、介護行政、介護保険法の守備範囲ではないとい うことは重々承知しているんですが、介護保険法だけ守っていれば、例えば労基法だとか、安衛 法を破ってもいいという問題ではないと考えます。  例えばある地方公共団体では、安衛法とかの重大な違反があった場合は、入札から除外すると いう例も聞いておりますので、本部会としましても、介護保険法だけ守っていればいいんじゃな いと、被用者に対しても誠実であるべきという点を、やはり喚起していくべきだと考えておりま す。  2点目は、サービスの確保と雇用の確保における行政責任の問題でございます。有識者会議の 報告を見ていますと、行政の責任は、継続する第一義的な責任は事業主にある。行政はそれを支 援するとあるんですが、やはり支援するだけでは、文言的に非常に弱いと思うんです。やはり行 政と保険者の責任の下、利用者保護、労働者保護の観点から事業承継というものを確実に行って いく、または事業主の責任、事業主がちゃんと責任を遂行していくことを保証するというのは、 やはり行政の責任であると考えます。  今後、第2のコムスンの発生を防止するためにも、事業者規制の強化、そのための行政機能、 とりわけ本部への立入などの行政権限を担保するために、制度改正法案の提出というのを、早急 に進めるべきだと考えております。  以上です。 ○貝塚部会長 どうぞ。 ○勝田委員 前回皆さんで論議されたんですが、事業者規制や法令遵守につきましても、利用者 の不安感は大きい。例えば今回、コムスンの問題で、グループホームが、ほかの事業者に引き継 がれました。  聞くところによりますと、その引き受けたところそのものがやはり問題点を抱えているやにも 聞いております。そういう点では、コムスンで、これで法規制を強めたらそれで終わるというこ とでは決してないと思います。  また、例えば先ほど石原委員がおっしゃいましたけれども、実際、認可するに当たって、数字 だけで、これだけの人がそろっていますよということで認可されるわけですけれども、コムスン のときも、実際に人がいないのに別の事業所の名前が使用されていたり、人がきちんと充足され ていないのに名前だけだとか、実態が伴わないのに認可されているわけです。  特に、私どもは日常の対応のグループホームにつきましても、今日お出しいただいた参考資料 2の中の離職の状況につきましても、特に認知症の方々が入られる、認知症対応型の共同生活介 護の中で、職員の離職率も1年未満が6割と高い。そこら辺も併せてやっていかないと、片一方 で事業者規制ばかりを強化していっても、なかなか利用者の不安感は解消されない。是非法制化 をされる中で、そのことも併せてやっていただきたいということをお願いしたいと思います。 ○貝塚部会長 どうぞ。 ○川合委員 今、コムスン問題、コムスン問題と言われているんですが、この全体の会議の運営 なんですから、やはり介護給付費分科会ではなくて介護保険部会ですね。介護保険をこれから全 体的にどうしていくのかということも将来的に議論をお願いします。今日は、こういうことで終 始していますけれども、次回からは全体的な議論をお願いしたいと思います。 ○貝塚部会長 今の点について、私も同感でして、要するに、もう少し広い視点から問題を、少 なくとも最小限そういうものを置いて、そして今までのいろんな有識者の会議の結果を書き込ん でいくというのがいいんではないかと思います。  どうぞ。 ○小方委員 前回欠席をしておりますものですから、ただ、有識者会議の報告あるいは前回の議 事録も拝見した上で、もう時間もあれなので簡単に申し上げたいと思いますが、いろいろ本日も 含めて御意見、御議論があるわけでございますが、基本的に私は、今回はコムスンという不幸な 事件が起きたということへの対応ということで、現状の制度に問題点があるのか、ないのか、そ の点を問題提起をした上で、その改正案ということで、今回の部会は開催をされたという認識を しておりましたものですから、そういう意味からしますと、有識者会議、それから本日の意見も 踏まえて、おおむね私は賛成でありますし、既に皆様方からも御意見がありますように、できる ことなら、第2のそういう事件が起きないように、早く本件だけの対応という意味でのことであ りますが、早く処理をして、法制化をし、国民に周知をするということも大事な点かなと思いま す。  そういう意味で、おおむね賛成でありますが、今、勝田委員からもお話がありましたように、 前回のときにも、議事録を拝見しまして、私も全く同感でありますが、この今回の改正だけでそ ういう不祥事が、あるいは不正行為が防止できるということではないと思いまして、そこには根 深いものがあると、前回、たしかそういう御発言をされていたというように私は記憶をしており ますけれども、まさにそのとおりでありますし、それが今度スタートしておりますワーキンググ ループでの議論のテーマになるのかもしれません。今のお話では、この部会でもう少し広い視点 で検討すべきという御意見もあったように認識しておりますので、是非そちらの部分も議論を深 めていただいて、来年、再来年度になりますか、改正の時期もあるわけでありますから、それを 踏まえて議論を深めていっていただきたいし、ワーキングチームでの前向きな議論の方向性も是 非期待をしたいと思います。  以上、意見を申し上げさせていただきました。 ○植木委員 私は医療側なんですけれども、介護というのは、非常に大変なんです。みんな嫌が る分野なんです。  それで、この場合に、実際に介護をやられる労働者の方も、それから事業者の方に、私は一回 聞きたいんですけれども、今の制度で大体成り立って幸せなのか、その辺が、要するに労働者も 介護をやる人も大体嫌な仕事を、事業者みんながうまくいっていないというのなら、これは根本 的に考えなければいけなくて、医療というのは、どちらかというと、面倒くさいのはみんな介護 に押し当ててしまうんです。  そういう実態がありますので、生命をどう考えるかという根本を考えないと、多分けしからぬ。 コムスンの場合、私の理解だと、元来余り適切でない方が、異様に富のアンバランスがあって、 それが話題になったんではないかと思います。現行法でも本当はできたんではないか。  もう一つは、自治体とかの役人の問題のキャッチ能力が余りないだろうと思います。つまり、 ここの施設のレベルが低いとか、いろんな問題はばっと行くでしょうけれども、恐らくは大体様 子を見るのではないか。それで大問題が出ると話題になるということです。  ですから、多分余り規制を強めても、現場のキャッチ能力のある役人は育ちませんから、むし ろお金を確実に取るとか、介護費をどうやったら増やせるかという方の議論の方が、それで罰則 は必ずやる。  日本という国は、フランスなんかでも、エイズや何かをやった役人なんかは、禁固80年とか になりますけれども、日本は絶対に罰則がない国なんです。ですから罰則は出す。だけれども成 り立って事業者も職員も幸せになるような方向でつくらないと、何をやったって多分だめだと思 います。 ○貝塚部会長 かなり悲観的な見通しをおっしゃって、医療の現場で見ておられると、そういう 感想もお持ちになると思いますが、いずれにしても、私は経済学者ですので、やはり待遇その他 をそれなりによくするぐらい予算措置が必要ですが、そういうことを含めて、それから先ほど来 労働者が集まらないという話ですが、私の予想では、アメリカの不況が相当ひどくなると、日本 もだんだん銀行を中心に変になってくる可能性はかなりの程度ありますので、経済というのは、 やはりいいときと、悪いときがありますので、その辺のところも割と冷静に判断していただいた 方がいいんではないかと思います。これは蛇足です。  どうぞ。 ○天本委員 事業運営上の問題点の中に、医療とか介護、重介護の人たちのことが問題点として 取り上げられていないんですけれども、社会保障上、今まで老人病院がある程度担っていた、介 護療養病床、介護施設が担っていた方々の、むしろ重い方々がずっといれるということで民間の 住宅サービスに、今、どんどん入っていらっしゃる。そこでの今後の医療、介護の問題というの は非常に大きいと思います。  というのは、そこの介護の民間だけを批判をするとか、取り締まるということではなく、やは り社会保障全体の制度が、流れが急速に動くことによって、その受け皿が、営利企業が、逆にむ しろ大変な人を見るということでキャッチフレーズで受けているという現実が少しずつ、じわり じわりと広がっておりますので、そこの問題というのは、やはり直視すべきで、やはり制度の療 養病床の再編とか、いろんな問題においても、やはり受け皿をきちんと整備しつつ、対応すると いうことも重要であるという視点というものを是非忘れないでいただきたいと思います。 ○貝塚部会長 時間がもうほとんどございません。最後に、座長代理からお願いします。 ○岩村部会長代理 前回欠席させていただきましたが、後日御説明を伺い、また、今日、意見を まとめたものを拝見しましたし、今日の議論を伺っても、この参考資料1の有識者会議の報告書 の線で、おおむねコンセンサスがあるのかなと思いますので、この方向でやっていっていただい てよろしいのではないかと、私自身は思っております。  ただ、先ほど櫻井委員が御指摘になりましたように、法制的には詰めるべき点というのはあろ うかと思いますので、その辺は事務局の方で詰めた議論をしていただいて、法制化に向けての作 業というのをやっていただければと思います。  もう一つ、コメントですけれども、今回の有識者会議の報告書の内容、それから今回の介護保 険部会の2回の会合というのは、基本的にはコムスンの事件を発端として、事後規制の部分をど うするかというのが主たる議論のテーマだったと思います。  ただ、ほかの委員の方々からの御意見もありましたように、私自身も行政的な事後的な規制な り監督というものには、やはり限界があって、それだけで、例えば介護のサービスの質の向上と いうものが図れるというわけでもないので、どうやったら介護のサービスの質の向上がはかれる のか、例えばもう少し市場の機能というものが発揮できるような形で質の向上が図れるのかとか、 そういった点も含めて、最終的には、先ほど御指摘がありましたけれども、介護保険制度全体の 在り方というものとの関係で、今後少し幅広い見地から検討する必要があるのかなと思っており ます。  ただ、今回のテーマに関して言えば、有識者会議の報告書の方向で、是非事務局の方でも御検 討いただいて、早急に法制化の方向で進めていただければと思います。  以上でございます。 ○貝塚部会長 大体時間がまいりまして、前回、御議論いただいたことに、更に補強するあるい は少し違った問題もいろいろここで議論した方がいいのではないかという御発言もかなりあり ましたので、その趣旨に沿いまして、今後、この会の運営をしたいと思います。  今後の予定について、事務局の方からお願いします。 ○依田総務課長 次回の部会でございますけれども、2月6日水曜日、14時からを予定いたし ております。  議題についてでございますが、前回、今回とさまざまな御意見もいただきましたので、これら の御意見を踏まえまして、事務局の方で部会としての意見案を作成しまして、これについて、ま た御議論をいただきたいと考えております。  なお、場所につきましては、追って事務局より御連絡いたしますので、よろしくお願いいたし ます。 ○貝塚部会長 それでは、本日の部会はこれで終了させていただきます。  どうもありがとうございました。 【照会先】  厚生労働省老健局総務課総務係 東(あずま)   TEL 03−5253−1111(内線3913)   FAX 03−3503−2740 30