気候変動枠組条約(UNFCCC、192ヵ国・地域) 1992年採択

究極目的: 温室効果ガス濃度を、気候システムに対して危険な人為的干渉を
        及ぼすこととならない水準に安定化させる

原 則:   共通だが差異のある責任、及び各国の能力に従い、気候系を保護

全締約国の義務:  排出目録の作成、削減計画の立案等

先進国等の義務:  排出量を1990年の水準に戻すことを目的に削減活動を報告

先進国の途上国支援義務:  資金供与、技術移転、キャパシティ・ビルディング等

京都議定書(Kyoto Protocol、176ヵ国・地域) 1997年採択

「共通だが差異のある責任」 原則に基づき:

(1)先進国全体で1990年比で少なくとも5%の削減を目標。

(2)各国毎に法的拘束力のある数値目標設定(途上国は削減約束なし)

(3)柔軟性措置として、京都メカニズムを用意

京都議定書(Kyoto Protocol、176ヵ国・地域) 1997年採択

我が国は2002年6月4日
に締結し、議定書は
2005年2月16日に発効。


世界全体のCO2排出量と今後の予測
世界全体で温室効果ガス排出量の大幅な削減が必要
エネルギー・経済統計要覧 (2007年版) 今後のCO2排出量の予測

出典: Kainuma et al., 2002: Climate Policy Assessment,
    Springer, p.64.


G8ハイリゲンダム・サミット〜気候変動が主要議題に

日程:2007年6月6〜8日 

参加国:G8(日米加英独仏伊露)及び新興諸国(中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ)

1.気候変動
安倍総理の新提案「美しい星50」に基づき、各国に理解と協力を呼びかけた





☆2050年までに現状に比べ世界全体の排出量を半減、

☆ポスト京都議定書の3原則((1)主要排出国の参加、(2)柔軟で多様性のある枠組み、(3)経済と環境の
  両立)、その実現のための新たな「資金メカニズム」、エネルギー効率向上など、

☆国民運動の展開






合意事項

(1)2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を
  少なくとも半減することを真剣に検討

(2)主要排出国を含む2013年以降の包括的な合意達成に向け、
  本年12月の国連気候変動会議への参加呼びかけ

(3)主要排出国による会合(少数国会合)を通じて、2008年末までに
  新たなグローバルな枠組みのための具体的な貢献を行う

2.その他環境問題 ・・・気候変動とも密接に関連

●森林減少の抑制による排出の削減と持続可能な森林経営の促進

●生物多様性の保全と持続可能な利用の重要性


気候変動が主要な議題となる今後の外交日程 気候変動が主要な議題となる今後の外交日程図

我が国の温室効果ガス排出量

2006年度における我が国の排出量は、基準年比6.4%上回っており、
議定書の6%削減約束の達成には、7.0%の排出削減が必要。

図:我が国の温室効果ガス排出量

7.0%の排出
削減が必要

森林吸収源対策で3.8%

京都メカニズムで1.6%

の確保を目標


部門別エネルギー起源二酸化炭素排出量の推移と2010年目標

単位:百万トンCO2

部門別エネルギー起源二酸化炭素排出量の推移と2010年目標グラフ

単位:百万トンCO2

部門別エネルギー起源二酸化炭素排出量の推移と2010年目標表

地球温暖化対策の推進に関する法律の要点

京都議定書目標達成計画

・政府は、地球温暖化対策の推進に関する基本的方向、各主
体の講ずべき対策、事業者の計画等について定める
京都議定
書目標達成計画
を策定。

地球温暖化対策推進本部

・地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣
総理大臣を本部長、環境大臣等を副本部長、全閣僚を本部員
とする地球温暖化対策推進本部を設置。

国・都道府県・市町村の実行計画

・国・都道府県・市町村が、それぞれの事務・事業に
伴い排出される温室効果ガスについて自らが率先
して削減努力を行う計画
を策定

取組の例

地球温暖化対策地域推進計画

地方公共団体が、その区域の自然的社会的条件に応じて、
室効果ガスの排出の削減等のための総合的かつ計画的な施策
を策定

<その他>

○京都メカニズムの推進・活用に向けた取組
(クレジット(算定割当量)を管理する割当量口座簿を整備)

○地球温暖化対策地域協議会の設置

○日本全体の総排出量の公表

○森林整備等による温室効果ガス吸収源対策の推進

 

温室効果ガス排出量の算定/報告/公表制度

・地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)に基づき、
室効果ガスを一定量以上排出する者に温室効果ガスの排出
量を算定
し、国に報告することを義務付け、国が報告された
データを集計・公表する制度。

温室効果ガス排出量の算定/報告/公表制度

(全国・都道府県)地球温暖化防止活動推進センター
地球温暖化防止活動推進員

(1)全国センター:地球温暖化対策に関する普及啓発を行うこ
と等を目的として、環境大臣が設置。

(2)都道府県センター:地域における普及啓発を行うこと等を目
的として、都道府県知事が設置。

(3)推進員:温暖化対策の知見を有し普及啓発等の経験に富
む者が、都道府県知事の委嘱により住民への啓発や助言等
を行う。


京都議定書目標達成計画

6%削減約束を達成するために必要な対策・施策を盛り込んだ「京都議定書目
標達成計画」を2005年4月に閣議決定。

1. 京都議定書の6%削減約束の確実な達成

2. 地球規模での温室効果ガスの更なる

    長期的・継続的な排出削減

21世紀は「環境の世紀」地球温暖化は人類の共通課題

我が国は、世界に冠たる環境先進国家として、地球
温暖化問題で世界をリードする役割を果たしていく
ことを目指す。


京都議定書目標達成計画の骨子

(平成17年4月28日閣議決定、

平成18年7月11日一部変更)

基本的考え方

○環境と経済の両立

○多様な政策手段の活用

○技術革新の促進

○評価・見直しプロセスの重視

○すべての主体の参加・連携の促進(国民運動、情報共有)

○国際的連携の確保

目標達成のための対策と施策

1-1. 温室効果ガスの排出削減、吸収等に関する対策・施策

(1) 温室効果ガスの排出削減対策・施策

[1]エネルギー起源CO2 

・技術革新の成果を活用した「エネルギー関連機器
 の対策」「事業所など施設・主体単位の対策」

・「都市・地域の構造や公共交通インフラを含む社
 会経済システムを省CO2型に変革する対策」

[2]非エネルギー起源CO2

・混合セメントの利用拡大   等

(2) 温室効果ガス吸収源対策・施策

・健全な森林の整備、国民参加の森林づくり  等

[3]メタン

・廃棄物の最終処分量の削減   等 

[4]一酸化二窒素

・下水汚泥焼却施設等における燃焼の高度化  等

[5]代替フロン等3ガス

・産業界の計画的な取組、代替物質等の開発  等

1-2. 横断的施策

○排出量の算定・報告・公表制度  ○事業活動における環境への配慮の促進  ○国民運動の展開

○公的機関の率先的取組       ○サマータイム            ○ポリシーミックスの活用(※環境税等も検討)

1-3. 基盤的施策

○排出量・吸収量の算定体制の整備   ○技術開発、調査研究の推進   ○国際的連携の確保、国際協力の推進

2. 京都メカニズムに関する対策・施策

○海外における排出削減等事業を推進    ○クレジット取得に関する取組

推進体制等

○毎年の施策の進捗状況等の点検、2007年度の計画の定量的な評価・見直し ○地球温暖化対策推進本部を中心とした計画の着実な推進


目標達成計画に基づく対策・施策の進め方
目標達成計画に基づく対策・施策の進め方の図

京都議定書目標達成計画の評価・見直しスケジュール

・中間報告(平成19年8月10日)で示された方向に従って、自主行動計画
の拡大強化や関連制度改革等の追加対策の具体化、削減効果の算定

・国民各層への働きかけを抜本的に強化すること等により、既存施策につ
いて見込み通りの効果の実現を図る。

京都議定書目標達成計画の評価・見直しスケジュール

9月以降、中環審・産構審合同審議会による審議

今後の予定

自主行動計画について

京都議定書目標達成計画においては、自主行動計画が、「産業・エネルギー
転換部門における対策の中心的役割を果たすもの」
と位置付けられている。

産業・
エネルギー転換部門
日本経団連の環境自主行動計画の他、
51業種が策定。日本経団連加盟業種の
計画で、我が国の産業・エネルギー転換
部門の排出量の約8割をカバー。
民生業務部門 28団体・企業が策定
運輸部門 17団体・企業が策定

自主的手法の特長

・業種ごとに定量的に目標を設定

・事業者の専門的知識や創意工夫をいかした、迅速かつ柔軟な対処が可能

・継続的な技術革新への誘因、関係者の環境意識の向上につながる


「京都議定書目標達成計画」(自主行動計画部分)

c.オフィス・店舗等の業務施設の省CO2化

○自主行動計画の着実な実施

 自主行動計画の目標・内容についてはあくまで事業者の
自主性にゆだねられるべきものであることを踏まえつつ、社
会的要請にこたえ、その透明性・信頼性・目標達成の蓋然
性を向上していくことが極めて重要であり、関係審議会等に
おいて定期的にフォローアップを行う必要がある。

 また、私立病院、私立学校等の未策定業種においても、
自主行動計画を策定し、特性に応じた有効な省CO2対策を
講ずることが期待される。


自主行動計画の更なる改善に向けて

1.自主行動計画の深掘・対象範囲の拡大等

(1) 未策定業種に対する自主行動計画策定の働きかけ促進

  自主行動計画の未策定業種(特に、サービス(非製造)分野など。私立病院・私立学校等を含む)に対し、
その策定を促すべき。

(2) 定性的目標の定量化等の促進

  自主行動計画を策定していても、数値目標を持たない業種(経団連非加盟業種、特に業務・運輸部門)
に対し、目標の定量化を促すべき。

(3) 政府による厳格なフォローアップの実施

  議事公開の下での審議会等プロセスの活用など、透明な手続きの下、厳格なフォローアップを実施すべ
き。また、毎年度の実施により、直近の正確な実態を把握すべき。

(4) 目標引き上げの促進

  厳格なフォローアップにより、業務・運輸部門の業種も含め、目標の引き上げを促進すべき。その際、現
時点の実績水準以上の意欲的な新目標を設定すべき。

2.目標未達成業種の目標達成の蓋然性の向上

今後の対策内容とその効果(京都メカニズムの活用を含む。)を定量的・具体的に示すべき。

3.CO2排出量の削減を一層意識した取組の推進

 原単位を目標としている業種を含め、各業種はCO2排出量の削減を一層強く意識した積極的な取組を行うべ
き。原単位のみを目標指標としている業種は、CO2排出量についても併せて目標指標とすることを検討すべき。

4.業務部門、家庭部門及び運輸部門における取組の強化

 民生・運輸部門への経団連等による業種横断的な取組を促すべき。具体的には、経団連加盟業種・会員企
業による(1)本社ビル等オフィスの削減目標設定や、(2)社員宅における環境家計簿の利用拡大。

「目達の評価・見直しに関する中間報告」
(19年9月中環審・産構審合同会合)

未策定業種に対する自主行動計画策定の働きかけ促進

【対象業種】ぱちんこ、ゲームセンター(警察庁)、信用組合、信用金庫、証
  券(金融庁)、学校(文科省)、病院(厚労省)、情報サービス、リース、特
  定規模電気事業者、家電量販店、大規模展示場(経産省)、産業廃棄
  物処理、ペット小売り、新聞(環境省)

定性的目標の定量化等の促進

【対象業種】生保(金融庁)、通信、放送(総務省)、外食(農水省)、倉庫、バ
  ス、タクシー、港運、舟艇(国交省)

政府による厳格なフォローアップの実施

【対象業種】銀行、生保、損保(金融庁)、ビール酒造、たばこ製造(財務省)、
  製薬、生協(厚労省)、LPガス、商社(経産省)


目標引き上げの促進

【対象業種】食品製造(農水省)、化学、石油、セメント(経産省)、トラック、
  住宅生産(国交省)

自主行動計画の深掘り・対象範囲拡大等各所管業種の進捗状況 自主行動計画の深掘り・対象範囲拡大等各所管業種の進捗状況表

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