第5回今後の仕事と家庭の両立支援に関する研究会
議事要旨

日時:平成20年1月21日(月) 16:00〜18:00

場所:経済産業省別館1012号会議室(10階)

出席委員:佐藤座長、岩品委員、大石委員、大津委員、久保委員、中窪委員、両角委員、脇坂委員(座長を除き五十音順)

議事:

有識者等からのヒアリング

(1)有期契約労働者の育児休業について(独立行政法人 労働政策研究・研修機構 就業環境・ワークライフバランス部門研究員 池田心豪 氏)

(社団法人 日本人材派遣協会 事務局次長兼企画広報課長 河邉彰男 氏)

(2)両立支援制度の利用側の視点から(ムギ畑 代表 勝間和代 氏)

議事概要:

○ 池田氏・河邉氏発表後の主なやりとり

・ 有期契約労働者の育児休業について、就業継続の保障の面と所得保障の面を区別して考える必要がある。

・ スウェーデンでは有期契約労働者は更新の見込みに関わらず育児休業の対象となっており、日本でも、同じ職場に復帰しなくても一定期間内に再就職すれば育児休業給付が支給される仕組み等を検討してもよいかもしれない。

・ 日本の有期雇用の場合、9割くらいは契約が更新されているが、育休を取れば更新されないと思ってしまうことがある。

・ 有期の場合、過去に勤務したことは明白に分かるが、将来更新するかしないかが当事者にもよく分からない部分が大きい。

・ 派遣労働者に対する制度の周知方法で工夫されているものはあるか。

→ 制度の周知がうまくいかない原因は登録している派遣労働者が多いこと。大手派遣会社では、一律に説明会が開けないので、個別に対応することになり、周知には時間がかかる。

・ 有期契約労働者の育児休業取得要件のうち、「子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること」を柔軟に解釈すべきではないか。

・ 子どもがいる派遣労働者の派遣先の開拓などはしているか。

→ 個人情報の問題もあり、していない。

○ 勝間氏発表後の主なやりとり

・ 働き方を変えることと一体で両立支援の制度を考える必要がある。

・ 出産後、仕事を続けようと思っても辞めてしまう原因は何か。

→ 第一に、体力が持たないということ。第二に、周囲の理解が得られないということ。第三に、うつ病が多いことももっと問題にすべき。

・ 社会の意識を変えるためのムーブメントを起こすための仕掛けには何があるか。

→ 第一に、家族がもっと父親を大事にしなければムーブメントが起こらない。家庭よりも職場の方が居心地がよいので帰宅せずに残業をするという面がある。第二に、飲酒に寛容な日本の風土を変える必要がある。

・ ワーキングマザーにおける転勤の割合はどうなっているか。

→ 夫が転勤する場合、補助職の女性はほとんど辞めてしまう。総合職の女性が転勤する場合は、子どもを連れて転勤というのが非常に多い。総合職の女性でも夫が転勤する場合に、行った先に職を用意してもらうというケースも増えている。


トップへ