07/12/27 第4回 薬剤師国家試験出題制度検討会議事録 薬剤師国家試験出題制度検討会議事録(第4回) 1.日時及び場所   日時 平成19年12月27日(木)13:00〜    場所 厚生労働省専用第18〜20会議室 2.出席委員(19名)五十音順   赤 池 昭 紀   市 川   厚   井 上 圭 三   大 野   勲   大和田 榮 治   加賀谷   肇   木 津 純 子   柴 崎 正 勝   白 神   誠   須 田 晃 治   永 井 博 弌   林   正 弘   樋 口   駿   平 井 みどり   望 月 眞 弓   森   昌 平   山 岡 由美子   山 元   弘   吉 富 博 則   3.欠席委員(2名) 工 藤 一 郎   山 本 惠 司    4.行政機関出席者   関 野 秀 人(薬事企画官)他 5.備考   本検討会は、公開で開催された。 ・ ○薬事企画官 定刻前ですが、予定された先生がお揃いですので、これより第4回薬剤師国家試験出題制度検討会を始めます。  まず、事務局からの連絡事項です。傍聴される方に対してカメラ撮りを認めていますが、議題に入る前までとしますので、その旨よろしくお願いします。  それでは座長、よろしくお願いします。 ○座長(井上) ただいまから、「第4回薬剤師国家試験出題制度検討会」を開会します。先生方におかれましては、ご多忙中ご出席いただきまして誠にありがとうございます。まずは議事に入る前に、本日の委員の出欠状況について、事務局から報告をお願いします。 ○薬事企画官 本検討会は21名の委員がいらっしゃいまして、市川委員は半ばからお見えになる予定です。工藤委員、山本委員はご欠席で、そのほか現時点において18名の先生方に出席していただいています。オブザーバーの文部科学省の医学教育課長も、少し遅れると連絡が入っています。後ほど見えると思います。以上です。 ○座長 次に、事務局から配付資料の確認をお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料を確認します。議事次第の下に資料1として各大学にお送りしている私どもからの意見照会の文書。資料2は、「国家試験のあり方に関する論点とその考え方(案)」。資料3と資料4が入れ替わった形になっていまして、お手元にお配りしている資料3は議事次第に書いてある資料一覧の4に当たりますが、「出題の具体例(イメージ)」です。議事次第のほうが間違っています。お詫びします。資料4は、「『出題分野』の構成(案)」で、1頁目にトリコロールカラーのような形で書いてある資料です。そのほか参考資料として、これまでもお配りしています資料を一通り、名簿から始まりまして今後のスケジュール、過去に使いました資料を適宜お使いいただくために用意しています。  先ほどお配りしましたのが、平成20年度医薬分業推進関係予算案の概要ということで、この12月に政府が取りまとめました予算案の中で、薬剤師あるいは薬学教育の関連のものを抜粋した資料を用意しています。検討会の議題とは関係ありませんが、ご参考ということで配っています。以上です。 ○座長 ありがとうございます。よろしいですか。それでは、議事に入ります。本日は出題基準に関する報告のほか、これまで議論してきた方向性のさらなる具体化に向けて、出題方法あるいは出題数などについて検討したいと思います。  議題1、「新たな出題基準について」です。これは、前回の検討会において出題基準の中心を成す「出題の範囲」について各大学から意見を聞くことになりましたので、その状況について事務局から報告していただきます。どうぞ、よろしくお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料1をご覧ください。前回の検討会でもお話しましたが、5頁から始まる部分が第3回の検討会でお配りした資料です。これを用いまして、事務的にモデル・コアカリキュラムに即した形で「出題の範囲」というタイトルを付けて作った資料で、これに関して1頁にあるような厚生労働省からの手紙を付けてすべての薬系大学にお送りしまして、それぞれの分野ごとに率直なご意見をいただければということで、現在意見照会中です。12月13日に文書を発送しまして、ご意見は、1枚目の下に書いてありますが、平成20年1月30日までにいただくことになっていまして、2、3頁に示してあるような様式に沿ってそれぞれいろいろなご意見をいただければということで、現在意見照会を行っている状況です。以上です。 ○座長 ありがとうございました。ただいまの件について、何かご意見などはありますか。 ○大和田委員 大学の各教員に宛てて出しているものなのでしょうか。それとも、大学である程度まとめて返答するような形を取るのでしょうか。 ○薬事企画官 資料1の最初の頁にありますように、厚労省から学長あるいは学部長に宛てていまして、それに基づきまして2、3頁の様式を書かれるのは、おそらく各分野の一人ひとりの先生だと思います。その先生方お一人お一人のお名前を様式の中に書き込んでいただくのですが、こちらにお送りいただくときは大学名ということでまとめていただくほうがありがたいと思っています。 ○座長 ほかにはいかがですか。よろしいですか。  議題2、「国家試験のあり方に関する論点とその考え方」について検討します。前回も資料に沿って、出題に関する考え方などについて非常に活発に議論を交わしていただきましたが、今回はある程度具体的なイメージを持ちながら検討するということで、事務局のほうで前回の議論を踏まえながら、少し踏み込んだ内容の資料を用意していただいています。まず、この資料2に基づいて、前回に引き続き国家試験制度全般に関する考え方を議論したいと思います。「出題分野」の構成のモデルあるいは「問題数と試験時間」のモデルも用意されていますので、具体的な活発な議論ができることを期待しています。これまでに議論されてきた複合問題などの出題のイメージについては、議題3としてあとで議論することとしたいと思います。  それでは薬剤師国家試験のあり方に関する考え方について、出題分野と問題数・試験時間を中心に資料に基づいて事務局から説明していただきまして、その後意見交換し、方向性を見出せるものであれば見出していきたいと思います。それでは、事務局よろしくお願いします。 ○薬事企画官 資料2をご覧ください。この資料は表形式になっていまして、左側が前回の検討会の資料の内容です。前回は縦長の資料で用意しましたが、それをここにすべてそのまま切り貼った形になっています。そして、前回ご議論いただきましたので、そういった内容も踏まえつつ、さらにいま座長からお話があったように、ある程度具体的な形に持っていくために少しといいましょうか、かなり踏み込んだ形で右側の修正案が出来上がっています。したがって、予めお断りしておきますが、前回の議論を踏まえた部分もありますが、それ以外のところであえて明確化をこれから図っていくことを前提に、事務局からの提案というものにも該当しない、議論のための1つの記述ということで見ていただければいいですが、そういう形でかなり具体的な内容で記述をしているということで、まずご理解いただきたいと思います。ですので、右側の部分を中心に説明いたします。  出題分野と問題数についてです。出題分野に関しては、最初の○は前回も確認された内容ですので、説明は省きます。2つ目の○にありますとおり、出題分野に関しては薬学教育改革の趣旨を踏まえた新たな出題分野を構成することとするといったようなことが議論されていますので、こういう記述にしています。3つ目にありますような医師の国家試験についても少し紹介しましたので、それに近いような区分の仕方もあるのではないか。その際には各分野との調整も不要という点でのメリットなどもあるので、そういった方向で考えてはどうかということで、このペーパーは整理しています。  具体的に、どういう構成をするかは下から2つ目の○から始まる部分です。薬剤師として必要な基本的知識、技能、態度について「必須問題」とする。そして、実務実習を含む薬学教育全般から広く出題することとして、一問一答方式という形を取ってはどうか。そういったやり方が適当であると、ここでは少し言い切らせていただいています。これはまだ議論の最中ということで、語尾はあえて「適当である」と言い切っていますが、そういうものだということでご理解ください。それに加えて、薬学全般にわたる知識について必須問題とは違う形で「一般問題」として出題することと、2頁の実践に即した知識、技能及び態度を「実践問題」として出題することとするという構成になります。ここで恐縮ですが、資料4をご覧いただくと少しわかりやすいかと思います。3色で分けていますが、いま申し上げた3つのタイプがここに示されています。問題数については後ほどの議論になりますので、ここでは無視していただいていいですが、必須問題、一般問題、実践問題の3つから成るイメージで先ほどの文章が出来上がっています。  資料2の2頁の最初の○で、まず一般問題に関して複数の知識、計算問題も含めた形での出題をしてはどうか。最初の右端の「出題が」は「を」の間違いです。申し訳ありません。「複数の知識を問う問題を含めることとし」となります。実践問題についても、実地に関連した出題とその基礎を成す知識、技能、態度を複合的に問う出題が、いままでも議論されています「複合問題」と言われていましたが、ここでは実践問題という言い方をする場合を想定しまして対等の言葉遣いだと紛らわしいと思いましたので、実践問題の中にそういった問題を含むということで「複合的問題」と少し表現を変えています。こういったものを含めることが適当であるという書き方をしています。一応、こういう形で分野と言うには今後ふさわしくなくなるかもしれませんが、大きく3つの出題問題のタイプを形成してはどうかということです。  説明は全部通して、後ほどご議論するときは分けていただいて、次の「問題数」に移ります。これに関しては2つ目の○にありますとおり、現行は1問あたり2.5分です。こういったものについては、今回見直しに伴って改めることが適当というご意見があったかと思います。問題数に関しては形式にかかわらず、少なくとも現行の問題数以上の数を確保してはどうかということで書いています。そして各分野ごと、これは今後は「出題の範囲」になってくるかもしれませんが、その分野ごとで見た場合は現行の問題数を下回らないようにすることも考えた上で、全体の問題数を考えていく、あるいは時間配分というものを考えていくということで、まずは議論を始めてはどうかということでしています。  下から2つ目の○からが、個々の3つの問題の種類に分けた記述になります。まず必須問題は、広く薬学全般から出す形になりますが、基礎的な知識を問う問題ですので1問当たりここでは○○分としていますが、先ほど出てきましたように一問一答のような形で時間配分もある程度考えていくことでどうかと思っています。一般問題に関しては必須問題と同じ、あるいはそれを上回る問題数が必要になってくることを仮定しまして、こういう記述にしています。  3頁のいちばん上の実践問題に関しては、一般問題の問題数と併せた数が現行の、ここでは「医療薬学」を1つの例として書いていますが、決してこれに限定する必要はないかもしれません。医療薬学の問題数を上回ることが適当ということと、ここでも複合問題が1題あたり2つの答えを求める2問を構成すると限定していますが、これは後ほど「出題の具体例」でも出てきますが、決して2問に限定する必要がないことにもなるかもしれません。このあたりはまだ流動的ということで、見ていただければと思います。  複合問題の時間配分に関しては最後の○にありますとおり、問題数は○○分という形にしてありますが、回答時間もどのぐらいが適当かということを後ほど1つのモデルを例にご議論いただければと思っています。ここまでが、本日ご議論いただくメインの部分になりますが、資料全体を通してまた確認も含めて、その下の部分も一気に説明します。  出題基準については2.です。これに関しては2つ目の○にありますとおり、今後についても出題基準は必要だろうということでこれまでも議論されていますが、新しい基準を策定することが適当という書き方をしています。その内容ですが、モデル・コアカリキュラムの各項目・ユニットのすべてを出題範囲の対象とするということで、最後の○に書いています。  4頁の上から2つ目の○です。出題基準においては出題の範囲、そのほか基本的考え方、留意事項、適用時期、改定時期、出題方法(出題方針)を盛り込んだ形で構成するということで、前回1枚紙でお配りした資料に沿ってこういう書き方をしています。そのほか、出題基準において、いま申し上げた項目から成るわけですが、どういう書き方をするのかが上から4つ目の○になります。・で結んであるのが、出題基準の中に具体的に書かれると思われる事柄を少し並べてみたものです。先ほど紹介しました必須問題を出すこととか、一般問題、実践問題も出し方としてあるということも書く。あるいは、「もの」と「ひと」の両面を意識したということを留意点として書くかどうかということで議論がありましたので、ここに書いてあります。そのほか創薬の部分、さらにはヒューマニズム、不健康な人の心情、服薬した後のトラブルといった部分についても必要だろう、出題をするということで、この辺は議論を踏まえてこういう形で羅列しています。  5頁の下からが、試験の実施方法です。まず形式と問題の作成についてですが、筆記試験とすることが適当という、これまでの議論があったかと思います。さらに6頁は実技の部分ですが、「技能」「態度」をどうするかの点に関しては、実技試験を通じて確認することは現実的でないということですが、筆記試験による実地問題や組み合わせた総合問題、本来であれば実践問題と言うべきかもしれません。そういった形で出題することで一応確認はできるだろうということを前提にこう書いていますが、またご議論をいただければと思います。  解答形式の1つ上の○も「総合問題」と書いていますが、「実践問題」という言い方のほうが適当かと思います。その実践問題の中の複合的問題ということになると思いますが、それに関しては「基礎」「医療」、この表現も適切かどうかはいろいろご意見があると思いますが、複数の専門家が共同して作成することが適当ということで書いています。  解答形式は選択方式。3つ目の○にあるような全解答肢正誤選択方式。これは表になった形で正誤、正誤という組合せで正しいものを選ぶという問題ですが、これに関しては必須問題が導入されると一問一答という問題が増えてきますので、こういった方式をどうするかは、また具体的な実行面での議論が必要かと思っています。それから、必ずしも正答が1つでない問題も加えることが適当ということで議論がされていたと思います。  最後の部分で、貸し出した出版物を横に置いて解く問題はどうかということです。これは前回といいますか、現行の240問の制度ができたときの検討をした際に将来の課題として残っていた部分ですので、これはフォローしておかなければいけないので何らかの記述が最終的には必要ですが、過去3回の議論では実務上の負担が多大であるということで現実的でないということだったかと思います。  7、8頁にあります合格基準については、今日直ちに議論する必要はないかもしれませんが、まとめるに当たっては必ずこの部分も重要になってきます。難しい問題ではありますが、いずれ議論をしていただく必要があるということで、これまで議論がありませんので空欄で、項目だけを書いている状況です。  資料4をご覧ください。先ほど3つのタイプの問題ということで書いたのが、1頁の真ん中の図です。くどいようですが、予め検討のためのモデルでありまして、問題の配分も含めて別途検討が必要ということで、この部分のエクスキューズが本来は強調された上で議論しないと、この資料自体が非常に不安定なものだと思っています。下の括弧で括ってある現行の出題分野に沿った問題数ということで書き分けていますが、これもあくまで現行の出題分野に沿って分ければ、必須問題が全体90問を成すのであれば、その内容はこういう配分を1つのモデルとして用意しまして、これが成案ではないと捉えていただいた上で1つの軸にして、これから大きくする、小さくする、いろいろな形でどこかに基点を定めませんと議論が具体化しないかと思いましたので、あえてこう書いています。  この数字については、2枚目以降にご覧いただくと少しわかるかなと思います。2頁はあくまでモデルで、青い部分の「医療薬学」を真ん中に置いて、ほかの分野との「実践問題」の中の複合的問題を組み合わせて書いた絵です。ですので、実際にいま議論している内容のごく一部を取り上げたもので、方向性としては医療薬学とその他の分野の複合のみならず、衛生薬学と制度・法規の組合せも当然あると思います。一方で、基礎と衛生もあるかもしれません。いろいろな形で組合せがあると思いますが、紙に平面で書くには無理がありましたので、あくまでモデルとして医療薬学とそのほかの組合せに限ってこの絵はできていることで、ご理解いただきたいと思います。その上で現行の配分数、240問をベースとしますと、それぞれ医療薬学とその他の分野が半分程度、実践問題の中の複合的問題ということになった場合を前提に、こういう書き方をしています。具体例でピンクの部分の「基礎薬学」で申し上げますと、実践問題でかぶる部分が30問。ただし、これは医療薬学的な内容を答えてもらうのが30問、加えて基礎の答えを求めるのも30問ということで、純粋な意味で30題がここで確保できていることになります。一方で、一般問題が30問、現行60問のうちの半分が一般問題でいいではないかということで考えればここが30になりまして、それ以外に必須問題を15問程度設けることによって75問程度になることになります。こういうような一応同じような考えで、それぞれの分野で数字を置いてみますと、トータルで330問になります。  3枚目は、いま申し上げた1つのモデルを例に、それこそ必須問題であれば時間配分を1問当たり1分とするか1.5分とするか、いろいろなケースがあり得ると思いますが、いくつかの形で置いた上で計算したのがこの資料になります。ここは、また問題数のところで少しご議論いただく際に具体的な説明を踏み込んでしてもいいかとは思っていますが、あくまでここに書きました1問当たりの時間数が適切かどうかは度外視していただきまして、仮に黄色い部分で数字をそれぞれ置いてみた場合、330問で630分になりますので、これであれば2日で収まるということで、ある程度の感覚をつかんでいただくためのものだと捉えてください。一方、紫のほうは1問当たりの時間をそれぞれの形で設定した場合に810分になりますので、このぐらいの時間設定でやった場合には2日では収まらないことになるということで、ある程度両端といいましょうか、いろいろなケースの1つの軸ということで、これよりも右寄りか左寄りかの1つの切っかけとして、この資料を見ていただければと思います。問題数についてもいろいろな議論がありますので、必ずしも時間配分だけということではありません。少し複雑ではありますが、材料として用意したものということです。わかりにくい点が多々あったかと思いますが、以上です。 ○座長 ありがとうございました。大変刺激的なたたき台の案をご提示いただいたということで、これで当然かなり活発な議論をしていただけると思います。いろいろな問題点があると思いますが、まずは出題分野について少し意見を交換します。「出題分野」という言い方が本当に正しいかどうかは、あまり正しくないような気もしますが、ここで言っていることは資料4の必須問題、一般問題、実践問題と分けていくことがメインに書かれているような気がします。こういう問題について、どうぞ活発にご意見をいただければと思います。 ○大野委員 出題分野といいますか、配分のことです。資料4の2枚目です。色分けして、現行の分野に応じて分けていますが、1つの提案ということでしたのであえて別な意見を申し上げますと、下の4つの色は現行のカリキュラムに基づいた分野であって、いま論じているのは6年制の教育後の国家試験で、先ほどの国家試験のあり方にありましたように6年制のコアカリを中心に考えるということであれば、コアカリに合わせてコアカリそのものをいくつかに分けて、それに合わせて配分したほうがいいのではないかと思います。  具体的には、ここでいえば基礎の薬学の化学・物理というのはコアカリでいえばCの1から7くらいに入るでしょうし、基礎薬学の生物というのは8、9あたりですか。そうやって考えると、足りないものがまた見えてくると思うのです。4年制と6年制のカリキュラムの大きな違いは、Aの患者心理、実務実習が旧来のカリキュラムにはないところですから、それを意識して問題を作ることも必要でしょうし、そうなると現行の分野に基づいて分けるのも1つの方向かもしれないけれども、新しいカリキュラムに基づいて分けていくほうがいいのではないかなというのが1つ。そうしますと、もう1つの結果としてどういうことが出てくるかというと、実務実習というのは先ほど事務局からお話のあった実践がそこに入ってくると思いますが、そうするとそこは薬物と薬物療法と患者心理と制度・法規が現場では一緒に動いているわけですから、そういう複合問題も考えやすくなるのではないかと思います。以上です。 ○座長 事務局は、たぶんいままでのものにあえて当てはめてみると、こんな感じということをおっしゃりたいのだと思います。いま先生がおっしゃっているような方向でもちろんこれから先の作業としてやっていくけれども、いままでのものを当てはめてみればこんな感じというつもりで事務局は提示されているのだと思います。ほかにいかがでしょうか。この必須問題と一般問題の区分というのもなかなか難しいのではないかという感じがしますし、必須問題を一問一答方式にするとCBTとかなりオーバーラップするだろうという気もしますが、それはそれでCBTを意識する必要はないということだとは思いますので、いいと思います。問題を作る側としてはCBTがあるのに、また同じような問題を作るのかなということもあるかもしれません。その辺はどうでしょうか。 ○永井委員 私も、いま座長のご意見のことを少し考えていたのですが、330問という問題数になるといままでの国家試験あるいはCBTの問題と重なる部分が非常に増えてこないかという心配があります。それは、もちろん重なってもいいと思いますが、いままでの240問を330問に増やすことには、明らかに教育期間が延びたのですから賛成ですし、また実践問題が必要になるというのも賛成ですが、従来やってきた薬剤師国家試験の意味としては当然同じレベルで優秀な薬剤師を作るという意味でやってきているわけですから、新しく6年制で加わってきた部分の検討はかなり慎重にしなければいけないのと、いままでのところはある程度生かしていいのではないかという気がします。もちろん分類を変えていくのは、新しいコアカリキュラムに沿った形で変えなければいけないと思います。  実際に実務実習のコアカリキュラムを出題の範囲の中でやっていくということですが、実務実習の中のコアカリキュラムに入っている中でできないところもいろいろあったりする。例えば在宅とか、そのほかのことがなかなかやりにくいところもあって、その辺は出題者あるいは全体のバランスの中でそれをどう扱うかは少し、実際の担当者のレベルでディスカッションをする必要があるだろうと思います。もちろんバックとして、すべてコアカリキュラムが範囲であるというのは大賛成です。 ○座長 ありがとうございました。 ○樋口委員 これはまだ先の審議ということですが、先ほど合格基準のことにお触れになりました。ここに書かれている各試験区分というのは、いま言った必須・一般問題を想定してプランニングされているのですか。各出題区分ごとに、一定割合以上の正答率になったときに、みんなおしなべて一緒にするのか。これは将来のことですが、いまの必須問題や一般問題の捉え方ですが、当然重みを変えるとか、そういうのを先の議論で想定しているのか。その出題分野というのは、いま言った必須問題、一般問題という形で出題問題を捉えているのか。そこら辺を少し頭の中にイメージしておいたほうがいいのかなというのがあります。 ○座長 いままでの議論からすれば医学のことを見習うというか、そこを考えるのであれば必須は足切りが8割とか、そういうことをイメージするのではないかとは思います。それ以上には、まだそれほど議論は深まっていないと思うし、一応必須という限りは何らかの重みはあるのではないかと思います。それを8割にするのか、7割にするのかはまたあとのことになると思います。 ○森委員 先ほどの、実習ですべてのモデル・コアカリキュラムの内容は実施できないことがあるということですが、薬剤師会としてはなるべく全て学生が体験できるように努力しています。その中で、例えば医学部の実習でもそうだと思いますが、この病気を勉強しようと思っても患者が来なければできません。そういうときは別の方法を考えながら学習できるようにしたいと思っています。ただ、それでもできないことがあるかもしれません。実習はあくまでも学校で習ったことを現場で確認することです。そこはうまく大学と連携を取りながらやっていきたいと思います。 ○大野委員 必須、一般、実践のことですが、先ほど実践のイメージとしては「実務」ということで、現時点の案として配分の分野のそれぞれに実践問題があるというのがありますよね。実践が実地だとすると、例えば基礎薬学の実践というのがうまくイメージできなかったのですが、半分が実践問題複合のうち、先ほどの話で誤解しているかもしれませんが、1題2問ですか。1問が基礎で1問が実践ということで私は解釈したのですが。 ○座長 そうではなくて、たぶん例題みたいなものがありますね。 ○大野委員 例題がありましたが、あれは本当に典型的な実践問題で、試験するのにとても良い問題だと思いますが、そうすると基礎薬学の実践というのが。 ○座長 たぶん、私が解釈するには実践、臨床、薬局の問題等にしても、そこには当然非常に基礎的な問題もあるはずであって、そういうものをイメージしているのではないでしょうか。 ○大野委員 私も、それをイメージしています。実践で処方箋が出て、その薬の調剤とか根治するときの問題とか分析の問題もあるでしょうし、薬の基礎的なところでも実践では当然出てきますから、実践としてまとめて考えることによってそれぞれの基礎薬学の問題の数も変わってくるのではないかと思ったのです。色塗りの変更ということになるかもしれませんが。 ○座長 ただ、全体的にはある程度の線を絞っておかないとイメージがつかみづらいし、実際問題を作っていく上においても現実的になかなか難しいので、こういう区分をとりあえず考えてみたらどうかということだろうと思います。 ○大野委員 それを否定するものではなくて、総数としてもこれから必要だと思いますし、問題を整理するときに結局実地問題、実践問題を作るときに、先ほどおっしゃいましたように基礎薬学の分野から医療薬学の分野からみんな必要になるわけですから、そうであれば実践問題というのはむしろ1つの分野に偏らない実践問題という形で分類したほうが数えやすいのかなと思っただけです。以上です。 ○座長 ありがとうございました。 ○薬事企画官 1つ例として、後ほど全体の説明をしますが、資料3でいま話題になった関連のタイプの出題をご紹介します。資料3の13頁をお開きください。実践問題のうちの複合的問題のイメージの(2)の下の青い所にありますように、この出題は2問から構成されています。問1は基礎を知っていることで答えられますが、実践の面でアスピリンと炭酸水素ナトリウムが配合不適であることを知っていても答えられるかもしれません。ただ、一方で問2にありますようなその原理、根拠がどこにあるかということで酸-塩基反応の部分は従来の出題分野でいいますと基礎薬学という捉え方をすれば、ここでいう2問から成る1題というところがまさに複合的でありまして、問1が医療薬学で従来出していた。問2が従来でいう基礎薬学から出てきたということでそれぞれ1問1問という数え方になります。  これが資料4に立ち返りますと、実践問題の青い所の下の括弧の部分ですが、いまのケースの問2の部分が基礎薬学の30問の中に含まれてくる問題で、問1が医療薬学の60問の中の1問を構成するということで、それらを組み合わせてトータルでいうと1つの複合的問題が出来上がっている。そういうふうに資料4の下の括弧を見ていただくといいのではないかと思います。 ○座長 なかなか難しいですね。 ○大野委員 とてもわかります。たぶん、いまの資料4の1頁の実践問題の基礎薬学というのは、このような字を見ると誤解してしまうかもしれないけれども、薬学が医療に生かされているから、そういう意味では医療薬学ですよね。そういうことを言いたかっただけです。 ○加賀谷委員 資料3の25頁に、態度を確認する出題という問題があるのですが、態度というのはこの分類でいくとどこになるのですか。例えば、実践している臨床の場面で必要になるような態度みたいなものもあったりするわけですね。一般的な教養的な態度だけではなくて。いまのイメージでは、どこの分野にこの態度というのは入っていくのでしょうか。  もう1つは、禁忌肢というのがこういうことに当たるのか。イメージとしては、こういう問題が禁忌肢ということでお考えなのかを教えていただければと思います。 ○薬事企画官 これもこの検討会でご議論いただくところだと思いますが、私が個人的に思っているのはパターン6に関しては捉え方にもよりますが、1つはヒューマニズムという捉え方をすれば、そのヒューマニズムをどこに含めるかにもよりますが、一般問題という形もあり得るかもしれません。  一方で、黄色い部分の最初の3行にありますように、1つの症例というか事例に基づく出題ですので、実践問題という捉え方をするのも1つではないかと思います。どちらかではないかと思っています。 ○座長 むしろ新しい考え方としては、すべての分野に複合できるような形ということですね。 ○薬事企画官 はい。 ○山岡委員 いま、たまたまヒューマニズムのところが話題になりましたので、私も医療薬学の中でのヒューマニズムの位置づけ、コアカリとの関係というのは非常に気になるのです。私自身の考え方としてはこのパターン6というのは、どちらかといえば現場に即した問題であろう。ヒューマニズムの中でもコミュニケーションの理論という部分がかなりありますので、それは必須なり一般の部分である程度は出していかないと、患者の基本的な考え方やコミュニケーション技術の中でも基本的な用語や概念というものは必要であるので、それは一般的な知識として出題すべきものではないかなと思っています。ですから、両方の分野にわたってきちんと出題すべきもので、数が多いわけではないのですが、こういうものも必要なのだよという意味では両方で何らかの形で、いまみたいな分け方をするとなかなかわかりにくいですが、先ほどおっしゃったみたいにコアカリでどこの部分という感じで出していけば、たぶんうまく表現できるのではないかと思います。 ○座長 ありがとうございます。 ○白神委員 最初に指摘があったように出題分野、私が関係している薬事関係法規などで、コアカリでいうとCの番号が大きくなる部分ですが、かなり雑多なものが入っています。ですから、イメージ的にまず出題分野はどういう範囲を1つの分野とするかをかなり議論していただかないと、あとのほうで問題数なども現行の分野を下回らないと書いてありますが、おそらく不可能になるのではないかと思います。特にCの15以降をどうするかを、ある程度早い段階でご議論いただければと思います。 ○座長 それは、いずれにしてもいまアンケート調査をしているわけですので、アンケートの調査の結果は比較的に早い段階で出てくると思いますし、そういうことを踏まえながら次回以降新しい分野を考えて、こういう範囲みたいなことも考えていかなければいけないだろうとは思います。 ○吉富委員 例を挙げて質問してもよさそうなので聞きます。8頁を見ると必須問題と一般問題というので、これはこういう聞き方をされても内容は基本的には同じなので、単に一問一答式で答えられたら必須になって、選択肢になると一般問題になるというイメージになると、問題の質のグレードや何かが一緒に問われないと混乱するなと感じたのです。 ○座長 これは全くのたたき台で、非常にシンプルに必須は一問一答としただけで、本当の意味での必須というのは意味が違うと思いますので、それは吉富先生がおっしゃるとおりに考えていかなければいけないだろうと思います。 ○大和田委員 説明を読んだ限りでは一般問題と実践問題のカテゴリーについてはわかりますが、必須という言葉そのものもわかりにくいのです。必須というのは、一般的な薬学と実践的な薬学の両方において必須という意味だと思いますが、読んだ限りでは出題時間が短いとか、例を見ますとあまり薬学的に何も言わない。ただ、要するに一般的な知識として、この知識は必要だからという聞き方だと思います。そういう形の必須というのは特に必要ではなくて、一般問題の中にも時間的な配分みたいなことでカテゴリーがいるのだったら、一般問題AとかBとカテゴリーを分けて。これを見ますと基礎薬学が特に多いわけでもないですから、そうすると普通に見た限りではどこが違うのだという感じを持って。 ○座長 たぶん、ここの必須問題というのはそんなに深く考えたわけではなくて、先ほどもおっしゃったように一問一答のようなものをということでこうされただけで、必須問題というのはどういうものが必須になるかということをきちんと考えていかなければいけないだろうと思います。それを考えれば、いま先生はそういうことも考える必要はないとおっしゃっているのか。必須というのは足切りが80%として少し重みを変えたほうがいいのではないかという議論は前からあったと思いますが、その考え方に従えば必須問題というのがあっても然るべきかなと思いますが、その辺は先生は必要ないと。 ○大和田委員 こういうカテゴリーのほうが職能ライセンスとしてはとてもわかりやすいので、昔の分野ごとに出題するよりは良いと思いますが、一般問題と実践問題だけでいいような気がします。あえて分けている理由の説得力がないかなという気がしています。 ○薬事企画官 言い訳になってしまうかもしれませんが、いまは例で資料3の8頁にあるような先ほどご指摘いただいた問題でいえば、青く記した必須問題というのは形式的に見て一問一答になっているところがポイントです。いままでの黄色い部分で出していたようなやり方は、一つひとつの必須問題から答え方を組み合わせて答えさせているので、1つの問題で複数の知識を問うている形になっているわけです。それが選択肢の作り方によって、すべてを知らなければ解けないかというと、組合せの中からある程度絞込みができる余地もある。それを排除してまで、これだけは知っておいてもらいたいというものを今後は必須問題と一般問題に分けることによって、これだけはというところを必須問題として出題することによって、確実にそれを身に付けているかどうかが確認できるといったメリットが多少はあるのかなと思います。 ○赤池委員 確かにここの部分は非常にわかりにくいところはあると思いますが、出題者の立場に立っていろいろ考えますと、カテゴリーが分かれたほうが作りやすいのではないかと思います。現行の薬剤師国家試験の問題が悪いというわけではないのですが、一応均等に作らなければいけない。ただ、実際にはそうやって作った中でも、ご存じのように90%ぐらいの正答率になってしまうものから、逆に非常に低いものですと20〜30%ぐらいのものまであるわけです。それは、もちろん中身そのものにもよるかもしれませんが、これだけは知ってほしいというかなり基礎的な問題が出たり応用的な問題、計算問題もそうかもしれませんが、いろいろなものが入ってきて、いまはそれが区別なく基本的に240問が均等に出ているということがあるわけです。実践問題というのはまた別のカテゴリーとして今度できると思いますが、そういうものでなくて作られる部分についても、ある種の必須問題と一般問題という名前がベストかどうかは別にして、そういう意味で非常に正答率が高くなることが予想される「これだけは知ってください」という基礎的な内容のものと、もう少し考えたり場合によっては少し高度な問題というか、難しいものも含めてより専門的といったものを問うようなカテゴリーがあったほうが、実際に問題を作る側から言うと作りやすいと思いますし、たぶん解答する方たちにとってもはっきりとそれが分かれているほうが、均等に見えていても実際には易しかったり難しかったりがばら撒かれるよりはいいのではないかと思います。これは少しプラクティカルからの点ですが。 ○須田委員 なんとなくイメージとして、必須問題というのは暗記中心的なイメージが強くて、できればそういう問題はこの資格試験から避けてもらえれば現場の教育はやりやすくなるので、そういう意味で逆にばらけさせたほうが。いわゆる総暗記で、いままで薬剤師が最も応用性がなくて現場で役に立たなかった部分を打破できる1つの契機にはなるのではないか。我々が実際に大学で教えていて本当にそれは感じるのですが、こういう問題になってくると暗記だけなのです。これでも、あちこちに散ってしまえばそういう手は効かなくなってくると思うので、もう少しファンダメンタルに勉強しようという気にはなると思います。これは私の感覚なので何とも言えませんが、どちらかというとそういうことがあって、一般問題と実践問題の中に埋没させたほうがいいのではないかと思っています。 ○白神委員 ほかの分野はわかりませんが、私の分野でいえば必須問題と一般問題はおそらくどういう業務に関わろうが、知っておかなければいけない知識が必須問題であって、例えば薬局の薬剤師だったらここまでは知ってほしいねというのが一般問題というような、私には比較的にわかりやすかった説明なのです。ですから、いまおっしゃったように必須問題だったら暗記ということは少なくとも私の分野ではないので、これで問題ないだろうと思います。 ○須田委員 問題の解答時間について、いまは便宜上1分とか2分と考えていますが、薬剤師の重要な業務の1つに量関係をはっきりさせる。計算能力といったことが、実務の面でも生活の面でも要求されると思うのです。ここに物理系薬学に関係する例題がないのでイメージがはっきりしないのですが、こういうものはかなり時間が取られると思うのです。例えば5分近くかかるような問題があるとすれば、それは全体の時間の中でこなすという考え方を取っているのか、あるいはこの複合問題のような中でもって例文の中で、時間配分を考えればいいような基本的な考え方を持っておられるのか、そのあたりはどうなのでしょうか。 ○薬事企画官 その点については、まずは1問当たり何分と決めなければいけないかどうかという問題もあります。前回ご紹介した医師のケースでいうと、毎年微妙に問題数と時間数が違っていることがありますから、ある程度の目安として何分程度の問題を作ろうという方針を決めておいて、あとは出来上がった問題を見て実際に何分かかるかで試験の時間割りを決めていってもいいのかなと思います。そういう解決方法が1つはあるかと思います。それ以外であれば、実際に1問当たりの時間数を延ばして設定しておくやり方のどちらかだと思います。 ○加賀谷委員 先ほどの議論で言うべきだったかもしれませんが、いまいろいろと問題を見ていると、大学の学長先生や学部長先生にだけ意見を求めているわけですが、職能団体の日本病院薬剤師会も現場で教育を担うわけですから、そこの意見が全く入らないというのも問題があると思うので、是非そこにも出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。 ○薬事企画官 これについては、私の考え方ですと聞かないという意味では全くありません。ここにお集まりの先生方もそれぞれ所属の大学があるわけですが、いらっしゃらない先生方も含めてすべての分野、個々の分野、専門分野をお持ちの先生方に見てもらおうということで、各大学にお送りしているのが今回の意見照会の目的です。病院薬剤師会と日本薬剤師会に関しては、先生方がここにいらっしゃるということもありますし、こういう文書として流さなくともいろいろな形での意見を聞く機会というのはあるかと思いますので、文書を出さないことをもって全く聞かないと線引きをしているわけではありません。それぞれの代表で委員に入っていただいていることもありますので、そこは加賀谷先生を通じてでも構いませんし、またお声掛けをいただいて何らかのメンバーに集まっていただいてお話をすることがあってもいいと思っていますので、そういったところでうまく意見を反映といいましょうか、検討材料にしていければいいかと私どもは考えていました。 ○森委員 前回にたしか同じように言われたので、この中で出すのかなと思っていました。日薬は日薬でこれで検討します。 ○樋口委員 ちょっと教えてください。私自身はここに出された提案の出題分野の構成は、出し入れ等は当然いまからあるでしょうが、バランスは取れていると思いますし、各分野の考え方も、非常に私はいいと思います。  ただ、先ほど必須問題のことでいろいろと出ましたが、医師のほうは「必修問題」になっていますが、これは何か使い分けがあるのですか。 ○薬事企画官 あえてというか、違いを持たせただけでして、そこはこれからいろいろ適切な言葉にしていただければと思います。 ○樋口委員 ありがとうございます。 ○薬事企画官 捉え方だと思います。必須というと、薬剤師として必ずこれはエッセンシャルに知っておいてほしい、あるいは身に付けてほしい。必修というと、これは必ず大学で教えているという観点が入りますよね。どちらかというと、国家試験であれば必須かなという多少の思いはあります。 ○座長 ほかにはよろしいでしょうか。 ○山元委員 今日のディスカッションの初めのころに、1分1問だとCBTと同じようではないかというご意見があったのですが、ご承知のようにCBTというのは、実務実習に行く前に必要な最低限の学習しておくべきことを知識として問う問題であって、それ以上に5年生、6年生でモデル・コアカリキュラムに△を付けたフィールドがいっぱい残っていますので、それはきちんとどこかで試験をしなければいけないわけです。ですから、部分的にCBTとよく似た問題が出てくるかもしれませんが、問題としてはかなり質的に違うものが作られるべきであると思いますので、あまりCBTは意識しなくてもいいのではないかと思います。 ○座長 ただ現実のCBTは、いま委員がおっしゃったように現場に出て行くための最低限というのは少し超えているような気はするので、その辺をちょっと心配しているということだと思います。ほかにはいかがでしょうか。 ○吉富委員 私も基本的に骨組としては非常にいいと思うのですが、必須問題と言ったときに、何が必須かという基準をどこでどのように決めていくつか提示するのかというところを、こういう問題の枠を作るときにどこかで決めないと、一般問題となるとある程度出す人の裁量でできるのですが、それが必須でトータルで8割でないと足を切られるとか言われると、そこのプレッシャーがCBTと比べるとはるかに厳しくなりそうな気がするのですが、どうすればいいのかが具体的にわかりません。 ○座長 そうですね。医師の国家試験では、どのようにそこはなっているのでしょうか。 ○薬事企画官 今日の参考資料5が医師の国家試験の概要で、第2回の検討会でお配りした資料です。ここで示されている最初の頁の表がありますが、表のラインのほうの必修、医学総論、医学各論といったところは、こういったタイプの問題をそれぞれこれだけの問題数出すことだけが決められています。  一方で、一般問題、臨床実地問題がカラムになっている部分ですが、その内訳がそれぞれこうなっていることになります。そしてどういう分野がそれぞれどこの問題として出されるのかに関しては、むしろ行のほうの医学各論、医学総論について、同じ頁のいちばん下にある「ブループリント」という形で、重み付けも含めて整理がされています。具体的にご覧いただくと、5頁以降です。  ちょっと説明が足らなかったのですが、「必修の基本的事項」で、5頁から始まっている表があります。そして7頁まで書いてあるものが、まさに必修問題として出す範囲というか項目になっていて、8頁からが医学総論、そして10頁からが医学各論ということで、最初の頁の表で言いますと、行のほうの区分けで、それぞれの範囲が定められている。あと、それを一般問題とするか臨床実地問題とするかは、いまご紹介した表の中からどの分野について出すかによって、問題の出し方で臨床実地に見合った問題に仕立て上げていく、そういうやり方だと思います。ですから、何らかの形で必修問題の範囲は決めるというのが、医学の形で採られているルールです。 ○望月委員 私も必須問題と一般との区別がよくわからない部分があったのですが、医学のほうを見ると比較的わかりやすいかなと思ったのは、縦軸が必修問題と医学総論、医学各論になっていて、横軸で実践的な問題か、まず知識を問うレベルの一般問題と、臨床実地問題という分け方をして、それをクロスさせている形になっているのです。  私がイメージしていた必須問題は、薬剤師として絶対これは知っておいてほしいものが必須問題になって、その形式は一問一答方式でなくても絶対にこれは知っておいてほしいというものは、形式は問わなくてもいいのではないかと思っていますので、医学のほうが私としては、比較的理解をしやすかったのです。 ○座長 たぶん一問一答というのは1つのイグザンプルとして出てきているだけですので、一問一答でなければならないことは、全然ないはずだと思います。 ○望月委員 結局何となくイメージが、もう資料4の1頁目は、最初見たときはとてもよくできていると思ったのですが、必須問題と一般問題の違いが、資料2の説明、1頁の4つ目の○で、薬剤師として必要な基本的知識、技能及び態度については「必須問題」とし、実務実習を含む薬学教育全般から広く出題して、解答時間数を少なくして一問一答方式とするという提案がなされています。  もう一つ、次の○になりますが、薬学全般にわたる知識について一般問題として出題するとともに云々という書き方になってしまっていましたので、必須問題というのが問題形式をイメージさせるようなものに、いまはもうなってしまっているような気がするのです。そこは少し整理をしていただいて、問題形式ではなくて、あくまでも絶対必須なのだという目的だという意味で整理をしていただいた上で、こういう出し方がありますよという提案のほうがいいのかなと思ったのです。 ○座長 大変もっともなご指摘だと思います。 ○薬事企画官 まさにご指摘のとおりでありまして、私の能力の限界もあって、とりあえずこのような書き方しかできなかったのですが、そういう意味では、資料2と資料4の全体のコンセプトは、いまのところは揃ってはいて、まさに形式の違いが文章にもなっているし、絵にもなっているので、これは必ずしも正しいわけではありませんから、いまのご意見等を踏まえてシャッフルして、構築し直していただければと思います。 ○座長 ほかにはいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。  それでは、次の問題数という所もいまの問題とかぶってきますので、(2)の問題数に行かせていただきます。問題数が330、これも全くのたたき台ですので、問題を増やす意味があるのかも含めて、ご議論いただければと思います。 ○白神委員 新しいコアカリだといままでよりも範囲が増えていますから、その部分のために問題を増やすともし考えるとすると、従来の部分の問題数は増えないことになるのではないかというのが、読んだときの印象です。でも何かこの例ですと、それぞれの分野が1.25倍ぐらいになってということだと、結局どこで吸収するのかなと。 ○座長 だからこれではなくて、コアカリに従ってもう少し考えていったほうがいいのではないかというご意見だろうと思うのですが。 ○白神委員 そうですね。 ○座長 ほかにはどうでしょうか。 ○赤池委員 なかなかカテゴリーも含めて完全に決まっていないところで、全体の問題数がどのぐらいというのは、非常に難しいところだろうと思うのです。ですから、私も330問が妥当かどうかというと、その辺は非常にわからない。  ただ、少なくとも従来の現行の240問では圧倒的に足りないことは事実だろうと思います。たぶん例えばそれを260や280と少し増やす程度では、到底モデル・コアカリキュラムプラス、実習モデル・コアカリキュラムはカバーし切れないと思います。そういう意味で、330という数字にフィックスするかどうかは別にして、おそらく300問題には増やさないと、いずれにしろ全部収まらないのではないかと思います。ただそれを330がいいのか350がいいのかというのは、たぶん時間配分も含めて、もう少し議論をして決めていかなければいけないでしょう。  あまり増やしすぎますと、当然2日では収まり切れなくなる。もちろん3日でいけないことはないかもしれません。学生さんの負担等も考えると、2日で収まるのであれば2日で収まる範囲のほうがいいのかなと思いますし、その中での問題数になると思います。基準として330ぐらいに固定するという意味では、妥当かと思います。 ○座長 ほかにいかがでしょうか。 ○森委員 私も白神委員がおっしゃったように、2年間教育が延びた部分をきちっと評価して、問題を増やしていただきたいのが1つ。  あとちょっと細かいことを言いますが、3頁の複合問題で「1題当たり2問を原則」と書いてあるのですが、ここはとらわれないほうがよいのではないでしょうか。 ○座長 それは全くそうですね。 ○森委員 医学部の国家試験を調べていたら、複合問題は3題の連問でした。ここはあまり限定しないほうが作りやすいのではないかと思います。 ○座長 330というのは全然あれではないので、300題ぐらいには少なくとも増やさなければいけないだろうという赤池委員のご発言だと思いますが、それはあまりご異論はないのではないかと思いますが、ほかにいかがでしょうか。 ○薬事企画官 1つ参考までに、先ほど説明し切れなかったので補足させていただきます。いまの国家試験の出し方が、1つの問題で3つ、4つ、5つの知識を1つの答えとして通っているわけです。それを1つひとつ分解することによって、1問が5問にもなってしまうことにもつながってきますので、その辺のカラクリがあることを先ほど説明し忘れましたので、触れておきたいと思います。 ○座長 ほかに問題数については、いかがでしょうか。配分に関しては、先ほどからの議論にありましたように、いまは必須、一般、実践の3分類がもうちょっと違った形になってくるのではないかと思いますので、配分はいまあまり議論してもしようがないかもしれないと思います。  必須問題と一般問題という区分にも多少問題があるというご発言がありましたので、この辺も今後さらに考えていかなければいけないだろうと思いますが、出題分野及び問題数のところは、大体この辺りでよろしいでしょうか。 ○平井委員 私の理解が十分にできていないのだと思いますが、実践問題というのは、医療の現場で患者さんの治療を前提にした、そういう複合問題にいまはしていると私は理解していたのです。だからその中で基礎薬学、医療薬学、衛生薬学、法規というように分けてしまうと、例えば法規の中で複合問題というと、どのようになるのかなと。ちょっとその辺をすみません。 ○薬事企画官 資料4の1頁をご覧いただきたいと思います。青い部分の下に書いてある括弧の所で、少し説明させていただきます。  括弧の中の読み方は、あくまでこれはモデルとしての150問で実践問題が成り立っていることが前提になりますが、医療薬学単独での問題を30問出すというのが、「30問プラス」です。残りのプラスのあとの60問、これは解答数と捉えていただいて、60個の答えを求めるという意味での60問です。  問題としてはこの60が、ほかの残りの基礎薬学、衛生薬学、法規の所をそれぞれ足すと60になりますので、医療薬学の1問とその他の分野の1問を足して、ここはあくまでも先ほど否定されましたが、1題2問から構成することを前提とすれば、医療薬学の答え1つとその他の領域の答えが1つで組み合わさって1題を構成しているというモデルになります。ですから、基礎単独で実践問題が存在しているわけではなく、必ず医療薬学に書いてある60問のうちの1つずつが基礎薬学の1つずつと組み合わされた形で1題ができている、このように見ていただきたいと思います。 ○平井委員 はい、わかりました。 ○赤池委員 いまの平井委員の質問とも関連するかと思うのですが、医学部の参考資料5の表があります。ここですと一般問題と実践問題というカテゴリーで、これは先ほど望月委員のおっしゃったことと重複するのかもしれませんが、それに対して必須問題と医学総論、各論ということで分けていますし、いまのご説明だともしかすると実践問題のうちの独立した30問というのは、こちらの医学で見ると必修に入るのかどうかはわからないですが、それに近いようなカテゴリーに入るように思います。そうすると、例えば一般と実践を上に置いて、必修と総論・各論的な形でもう1つ置いて、分類をするともう少しわかりやすくなるのかと思いますが、いまの入れ方というのは、そのような考え方でもよろしいのでしょうか。 ○薬事企画官 いろいろあると思います。 ○座長 何となくここでの皆さんの感じは、そちらの考えではないかなと思います。医学と基本的には近いということでよろしいですか。それは違うだろうというご意見があればどうぞ。 ○大野委員 違いはないと思いますが、ちょっと違うのかわかりませんが、テストの違いのパターンも医師と薬剤師の臨床の役割の違いだと思います。  どこが違うかというと、1つは医師のほうは臓器別で、薬剤師はすべての臓器疾患を対象にします。そうすると、医師のほうの分け方としては、最終的に各論にいって各臓器別になっていますが、その前の一般、必須というのは、この中身を見ると全科共通だという考えだと思います。  ただ薬剤師の場合には全科が対象で、ただそのときの使うツールが生物系と薬と生物ということで、それが合体してすべての臓器が対象になるということだから、私も赤池委員と同じことを言っているのかもしれませんが、実践問題の考え方として、医療薬学がポツンと浮いてプラス60問ではなくて、基礎薬学から法規制度まで全部入ったものが実地問題、実践。実践はそうですね、医療現場はこれが全部入っていますから。だから必須、一般問題をこの分野がいいかどうか、コアカリで分けるのかどうかはわかりませんが、必須、一般は、各分野別になると思うのです。  また先ほどの議論に戻ってしまいますが、必須と一般の違いは、実践問題はすべて入るものと。だからあえて医療薬学をポツンと浮かすことはないのではないかと。結局浮かしていたのがいままでの教育であって、これからの教育はこれを合体させて臨床で対処していこうということだと、私は理解しているのです。 ○白神委員 また先ほどの分野の話に戻るのですが、コアカリを基に分けたとすると、ここで言っている複合問題というのは、何と何の複合になるのかがイメージとしてわからなくなったのです。 ○薬事企画官 いま資料4の1頁で示してあるのはあくまでごく一部分ということで、医療薬学とその他の分野の複合のケースと書いてあります。先ほども同じ資料の2頁で説明したとおり、こういった分野で出題分野が構成されることでなくなれば、衛生と法規の組合せにもすべてのパターンが存在してくることにもなりますので、あくまでモデルとしてこの資料に関して言えば、医療薬学とその他の組合せという意味での複合にはなりますが、実際の試験制度の中では、すべてのパターンを取り得ることでの整理もあるのではないかと思います。 ○白神委員 いまの説明をコアカリで言い替えると、どういう形になるのですか。 ○薬事企画官 A、B、C、Dのそれぞれのユニットというか項目があるとすれば、Cの基礎でいうとCの7と後段のCの13ぐらいのところですか。違いますね、13は薬理のほうですね。そのような組合せになります。 ○白神委員 ただコアカリはそれほどきちんと分かれてないですね。それが跨るから複合問題だというのは、何かちょっとイメージが。前の話ですと医療という何かこう実践的な問題のものと基礎、あるいは法規の部分で、それの組合せはイメージとしてわくのですが、極端なことを言うと、それこそコアカリでばらしてコアカリを跨いだら複合だという言い方ですね、コアカリの塊でもいいのですが。 ○薬事企画官 その具体的なイメージづくりの意味で資料3があるのですが、ある程度実践の面から捉えた上で起こる現象、さらにそれを遡れば個々の1つひとつの基礎から成り立っているところを組み合わせる。それは結果として見てコアカリキュラムに沿って言えば、それぞれの項目を跨いでいる形になってくると思いますので、項目を跨いだところから入るのではなくて、実際の問題があって求める答えが結果的にどこの項目に該当しているかという捉え方をすれば、おそらく複合問題ということで出来上がってくるのではないかと。 ○白神委員 何がわかりにくいかというと、衛生にしても法規でもそうだと思うのですが、その分野自体が実践的な内容を含んでいることがあります。だからすごくわかりにくいのです。  例えば基礎だったら、基礎には実践的な分野は少なくとも入っていない。入ってないというのは頭の中にはないという意味ではなくて。だからすごくわかりやすいのですが、それでちょっとわからなくなってしまったのです。 ○森委員 実践問題は例示として挙げられてはいるのですが、基礎、衛生、法規に対して医療薬学が60問です。ちょうど参考資料5医学部の国家試験の問題の19頁を見ていただきたいのですが、せっかくの実践問題なので、こういう形で薬剤師向けに変えて実践的なものを問う連問形式の問題数が、この原案だと減ってしまうのではないかと。実践問題なので、こういう形で1つの症例か何かを挙げて、現場でどういう対応をするかという問題を、考えていただければと思います。あまりにも基礎などとの複合ばかり考えると、現場でのこういう形の問題に関して問題数が減るような気がして、ちょっと心配です。 ○平井委員 いま現場で出るというのは。 ○森委員 いま150問用意されている中で、120問がそういう基礎などとの連問の形で出されたときには実務の連問が残り30問しか問えないとなってくると、こういう形で出せるものは、割合とするとちょっと少ないのかなと。 ○座長 いま森委員がおっしゃったのは、問22の7頁、19頁のことを言っているのですね。 ○森委員 そうです。 ○座長 この内容は、必ずしも医療薬学というか、問によっては基礎薬学に入ると思えば、必ずしもいま委員が危惧することにはならないのではないですか。 ○森委員 もちろんそうですが、たまたまこちらの資料3の13頁の問題を意識すると、現場での対応という問題が減るような気がして、ちょっと心配だったのです。 ○平井委員 でも現行よりは増えるのですよね。 ○森委員 現行よりは増えます。 ○平井委員 医療薬学の30問は、30問だからそうですよね。 ○森委員 そう、30問しかないということです。 ○平井委員 私は答えと問題数をごっちゃにしていて、こういうものが30個あったらそれはいいと思ったのですが、そうではないですよね。 ○森委員 ええ、そうです。 ○平井委員 そうすると、やはり。 ○柴崎委員 現場からの直接的な問題が減るというのは、例えば具体的にはどういうことでしょうか。 ○森委員 減るというか、いまでいうと30問は少ない。 ○柴崎委員 現場での問題というのは、すべて結論は基礎的なところから理解できるわけで、そういう議論をずっとしているわけですから、現場からの問題が減る云々というのは、私には理解できないです。 ○森委員 何というか、より実践の場を想定した問題数です。 ○柴崎委員 より実践の場を想定しても、最終的には基礎的に理解しているかどうかを問いましょうというのが、この会議のコンセンサスです。 ○森委員 そうです。そこは十分に理解しています。 ○柴崎委員 現場の問題をたくさん出しても基礎的な問題につなげればそれでいいことですよね。 ○森委員 そうですね。 ○薬事企画官 いまは問題数の議論をしているところですので、たぶん森委員の意見は、実践についてある程度問題数が確保されるべきということなので、具体的な数字がこれから出てくれば、もう少しウエイトの議論につながっていくと思いますので、まずはそういう意見だということで捉えておきたいと思います。  資料4の読み方がおそらくまだわかりづらいのだと思いますが、資料4の1頁の下の括弧の所で、医療薬学が30問しかないという捉え方ではなくて、プラス60は、単純に足し算で90あると思っていただいて結構です。その60に対して基礎薬学との複合問題を作ったときに、60から30問が取られるのではなくて、60問のうちの30問と基礎薬学の30問が組み合わさって1つの問題にはなりますが、求める答えは2つありますので、60が30に食われて30になってしまうということではなくて、医療薬学の側面から見れば、単独で出題する30問と複合問題の中で答えを求める60問ということで、90あるというように捉えていただいていいと思います。お互いが侵食し合うという意味で、ここの数字があるのではないと見ていただければいいと思います。これはあくまでモデルです。 ○望月委員 私も資料4の1頁目を見ていてよくイメージがわかなかったので、次の頁を先ほどから見させていただいているのですが、こちらのほうがもう少しイメージがわいて、決して医療薬学を問う問題が減るのではないというイメージがわくのではないかと思うのですが、関野さんにこれを説明してもらったらいいかなと思うのですが。 ○座長 よろしいですか。部分的にどちらがわかりやすいということもないし。 ○望月委員 すみません、イメージ的に、減ってないというイメージがわくかなと思ったのです。 ○座長 森委員、いまのはわかりにくいですか。いまのは関野さんの説明で、一応納得できるのではないかなと思いますが、完璧に医療薬学だけの問題は出しにくいということをおっしゃっているのだと思いますが、それは問題の捉えようによってであって、その問の中のどれかは基礎薬学でいえば基礎薬学、あるいは衛生薬学といえば衛生薬学というように考えれば別に、本当に医療薬学だけで構成される問題というのは、実はそんなにはないのかもしれないと思います。 ○市川委員 議論をずっと聞いて少しわかりにくくなったのは、必須問題と実践問題の中で、特に医療薬学に関する必須問題と実践問題に関して、先ほどどなたかがおっしゃったことと重なりますが、いずれにしても薬剤師にとって必要なことが、医療薬学における必須問題ですね。それで同じく実践の場における実務に関する問題に特化したことにおいて、後ろのほうの実践の医療薬学30問が出てくると。さらに言うならここの60問足す30問のところが非常に切分けが難しくなってくるのかなと思う。だからむしろそれを足して考えてもいいということで、非常に重みが厚くなっている項目ではないかと思います。  例えば問題として、8頁で必須問題の下のほうの黄色は医療薬学の問題です。9頁は、実践問題のイメージとして医療薬学が出ている。これを実践の場として考えた場合に、確かに後ろのほうは実践の場であるような気がします。これは私の専門ではありませんが、前も実践であれば実践のような気もするということで、このような形は少しその辺が限りなく灰色になってくる可能性があると。  私は別にこれでいいということを言いたいのですが、例えばその代わりに衛生薬学と医療薬学を組み合わせるのはどうかというと、これはたぶん新しくできると思います。私は衛生薬学のほうですが、そんなにこの問題とは重複しない格好になる可能性があるのでそこは設置して、薬剤師の活動として現場において使うかどうかは、何人かの人は使うかもしれないから、そういう問題として仮に10問や20問があるのは複合問題としていいことであると考えますので、この構築は私自身は、非常にわかりやすいです。  要するに、必須と実践の中での医療薬学の切り口に関しては、ちょっとわかりにくいのかなと。実際に出す人にとっては、これが前の問題でこれが後ろの問題であるとどうやって判断してやっていくのかが、わかりにくいと思います。 ○大野委員 いま市川委員がおっしゃったように、医療薬学という言葉、あと概念を整理しないといけないと思うのです。コアカリの中で、基礎医学や衛生医学や法規制度は非常によくわかりやすいのですが、医療薬学をよく見ると、薬物治療、薬理、製剤、病態、疾病が全部入っているのです。  いちばん右側の実践で出てくる医療というのは、たぶん医療現場のことを言っていると思うのです。実践問題というのは医療現場の問題だから、医療現場の問題にはA、B、C、D、Eが全部入ってくるのです。  例えば患者さんがある処方箋を持ってきて、病気のことを聞かれて説明する。あと薬の調剤をするときには基礎的、化学的な知識も必要で問われるし、そのときに患者さんが内服を拒否したときの対応、すべてがこの「医療」には入ると思うのです。その問題を扱うのが実践問題ですので、実践問題がどの分野をカバーするのかというご指摘が先ほどありましたが、それは強いて言えば、薬物療法と患者心理と法規の、医療現場の3要素である。ですから、下の実践問題というタイプの問題を考えるときに、分野、どこをカバーするのかは自ずと実践・臨床なのだから、それは決まってくるのではないかという気がするのです。  ですから、必須・一般のタイプの問題の分野を考えるときには、基本的にはこれでいいと思いますが、そのときの医療をもう少し細かく分けるか何かしないと。それはコアカリに基づいて分けるのがいちばんいいのかなという気がします。実地、実践が医療なのだと、医療には全部含まれるということでいいのかなと。たぶん薬剤師会の方も、そういう考え方だと思うのです。そうすればそこにすべての薬学が、医療に応用されるところが、すべて絡んでいかなくてはならないと思います。 ○山岡委員 基本的にいまのご意見に賛成ですが、医療に対しての医療薬学という言葉に対して持っているイメージが、皆さん違うのではないかと。  例えば必須問題の中にDは入りませんかというと、入りますよね。Dというのは要するに現場での技術もすべて入り込んできているわけですし、OTCの問題も服薬も、全部必須問題の部分の範囲としても入ってくるわけですから、医療薬学という言葉で一括りにすると、どうしても範囲の受けとめ方が人によって違ってきているような気がするのですが、その辺りはいかがでしょうか。 ○薬事企画官 おそらくいま大学、あるいは関係団体から意見を求めて、これから作っていこうとする出題の範囲がある程度見えてくればわかりやすくなってくると思うのですが、とりあえず暫定的に整理したものが、1枚紙の参考資料7です。これは2回目の検討会に使った資料です。縦に切って左と右に分けているのですが、左側が現行の出題基準で、それぞれ基礎薬学から法規まで、4種類の色で分けています。これは便宜上、カリキュラムを同じように、どの現行4分野に近いかなということで色分けしたものですので、このような大まかな括りの中で議論をしていくのが、まず現時点では可能な範囲かもしれません。  ただ一方で、色付けをした括りがこれからも重要かと言われれば、本来であればモデル・コアカリキュラムである枠で囲った四角の部分で、それぞれが1つずつ独立した形で、従来でいうところの「分野」という捉え方もできるのではないかと思いますので、現行ではこれを参考に、何か少しでもお役に立てばと思います。 ○柴崎委員 真剣に考えられているのはよくわかるのですが、今日議論が複雑になっているのは、実践問題という命名が、これまでのこの会での議論では複合的な問題ということで議論されてきたと思うからです。そこを実践問題という名前にしているので、何となくわかりづらくなる。一般問題でも必須問題でも、さまざまな医療の現場の問題も出てくるはずです。  くどいようですが、今回実践問題として位置づけられているのは、強いて言えばその問題を基礎的な点まで理解しているかどうかを問う問題ですね。そこがちょっと議論が複雑になっている原因ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 ○薬事企画官 私の最初の説明が足らなかったところでもあるので、いま。 ○柴崎委員 それは今回の会議で議論している6年制の薬剤師の国家試験の最大の特徴です。現場と基礎を総合的に理解できているかどうかを問うということです。 ○薬事企画官 その要素を取り入れた形での複合問題を、今回は「複合的問題」と表現させていただいていますが、それをあえて大きな3つの区分、タイプでいうところの「実践問題」と置き換えたかというと、現行の4分野が跨るような複合問題だけかと言われれば、もしかしたら現行でいう医療薬学の中に入る問題が組み合わさった形で問うような問題があることに少し気づいたものですから、とりあえず議論のためのたたき台ということで、その部分が複合問題とは別な形で少し出たと。 ○柴崎委員 多面的複合問題はどうですか。 ○薬事企画官 それであれば、含まれてくると思います。 ○柴崎委員 はい、わかりました。 ○薬事企画官 具体的に言うと、資料3でまた後ほど登場しますが、おそらく森委員もご指摘の部分だと思います。11頁に挙げた問題は、医療と基礎の複合問題ではない、おそらく医療の中で一通りこれまで問うてきた問題なのです。ですから、これは複合問題と呼んでいいかどうかの悩ましさがありましたので、とりあえず便宜上は実践問題という少し広めな言葉で置かせていただいています。 ○赤池委員 先ほどの繰返しになりますが、本来2次元に展開すべきところを1次元に入れてしまっているのでややこしくなっているのではないですか。ですから、そういう命名がいいかは別にして、必修と実務か実践とかいうカテゴリーと、もう片方は必修と複合という分け方ではめ込んでいったほうが、いままでお話になっていた内容が全部入るかどうかはわかりませんが、かなり無理なく入れられるように思うのです。 ○座長 時間が切迫してきましたので、一応そういうことを踏まえて、また次回にそのようなことについてはさらに議論していただいて、次の残りの部分を議論したいと思います。  次は、議題3番の「国家試験問題の出題方法について」、少し検討させていただきます。資料があるので事務局にまず説明していただき、そのあと意見交換をしたいと思います。よろしくお願いします。 ○薬事企画官 お手元の資料3をご覧ください。すでに議題2でこの内容に踏み込んでいますので、時間を取らないようにしたいと思います。どのような資料になっているかの性格づけを中心に説明します。  1頁目に書いてあるものを1つのサンプルにしますと、これは3区分でいうと必須問題のイメージです。下にある黄色い部分が、現行の国家試験の問題をそのまま使っています。こういった問題を1つの材料にして、黄色い部分はかなりの知識、いわゆる5種類の知識を問う形で答えを求めているわけですが、これの1つを切り出した、まさに一問一答ということでただ単純に切り出したものが青い部分で必須問題として書いてあると、このような見方をしていただければと思います。  そして、間に括弧で結んで枠の外側にある記述は、こちらのほうで問題を見て、適切か不適切かは別にして、現行の出題基準に照らすとどういうものかというのが黄色の上の部分にある、いわば出題基準のどこに該当するかといったところを、能力の限界もありながら書かせていただきました。  一方で青い所は、これも便宜上モデル・コアカリキュラムのどの部分に近いかを絞り込んだもので、適切ではないと思いますが、このような資料だということでご覧ください。  2頁以下もしばらく必須問題が続きます。8頁までが必須問題のイメージで、8つほどパターンを用意しています。いずれも現行の国家試験の問題を材料にして、組合せの答えを求めるところを、1つの知識を答えとして求めるように部分的に断片を切り出したので、青い部分の必須問題ができています。  必須問題と一般問題の違いは、先ほど見事に指摘されたように問題の出し方の違いだけということでこの資料が出来上がっていますので、国家試験の問題のような出し方をした場合には一般問題になるのではないかということで、黄色の枠で囲っている所の右下に、一般問題のイメージと書いてあります。  9頁以降が実践問題の部分です。ここは2つに分かれまして、いろいろなご意見がありますが、とりあえず資料としては、複合的な問題以外の実践問題という例を2つほど付けています。これについては、9〜10頁にあるイメージ(1)、そして11頁にあるイメージ(2)の2種類を用意しました。ここは現行の出題分野では、他分野と跨る複合ではないだろうということで、従来の医療薬学の中で完結しているものと考えて、とりあえず複合的問題以外の実践問題のタイプとして用意しました。  13頁以降が、実践問題の中の複合的問題のイメージ、例題で、19頁まで続きます。これに関してはいろいろな専門の先生の協力を得て出来上がっています。例を申し上げますと、12頁出題(1)の問1が、実際の乳糖とイソニアジドに対しての変色の問題、これは比較的実習も含めた意味での実践に近い部分かなと。その理由となれば基礎的なところを知らなければいけないので、ここには化学の分野が必要になってくるという形での複合問題の1つのイメージです。このような問題がそのあと続いていますので、非常にイメージしやすい問題だと思いますので、また1つひとつ後ほどご覧いただければと思います。  20頁からが、少し色遣いが変わっています。これに関しては医師の国家試験でいろいろな目的性を持って出されているいくつかの典型的なパターンを1つずつ例にして、8つほど付けています。点線で囲ってあるのが医師の試験の実際の問題です。それを薬剤師に置き換えた場合に、どういう問題にコンバートできるかなということで、勝手に使ったものが黄色い所ということでご覧ください。これについては必須か、一般か、実践かという区分けは、この資料の中ではしていません。医師の国家試験を1つの材料にして、薬剤師版を作るとどうなるかということで、8つほどモデルを用意しております。  これらはあくまで短時間の中でとりあえず創作した問題ですので、問題の質についてはご勘弁いただきたいところが多々ありますので、よろしくお願いします。以上です。 ○座長 イメージということで捉えていただいて、このような問題はいかがでしょうかということですが、何かご意見はございますか。 ○白神委員 問題の中身を問うなというお話だったのですが、いまここに挙げられた複合問題を見ますと、1つひとつの問はかなり易しいように思います。つまり必須問題のレベルに近いような感じがしますが、イメージとしてはそういうものでよろしいですか。 ○座長 例えば。 ○白神委員 例えば14頁でカンデサルタンの適応症は何かというのは、どう考えても必須問題に近い易しい問題のような気がするのです。その次もプロドラッグを問うのは、どちらかというとCBTに近い問題のような気がしますが、イメージとしてはそのようなイメージを持ってよろしいのですか。 ○薬事企画官 これに関してはいろいろなご意見があるとは思いますが、問題の難しさを国家試験に求めるのか、あるいはこの問題が本来問うている本質的なところは、例えばここの出題にあるカンデサルタンが他の薬剤でも答えられるかどうか。場合によっては架空の薬剤であってもメカニズム、原理原則に沿って見れば答えられるぐらいの知識としての基礎があってもいいのかなという捉え方もできます。知っていて当然なものはすべて必須に入れなければいけないかと言われれば、そうではないと思っていますが、いろいろな意見があると思います。 ○白神委員 イメージ的にこれは現在の国家試験でいうと、右と左を結び付けて正しいのはどれかという問題を、ばらして問1、問2にしたように見えるのです。そうすると、イメージがずいぶん違うなという感想です。 ○柴崎委員 よろしいですか。強いて言えば私が近い分野なので、確かに比較的易しい問題だとは思います。  例えば私がもしこの問題の難易度をもう少し高くしようとしますと、問4を付けて、これはプロドラッグに関して非常に重要なエステラーゼ、酵素が持っている機構まで問うと。なぜ酵素は簡単にエステルを加水分解するのかと。そこまで聞いたらそんなに易しいとは言われなくなるのではないかと思います。ですから、これはあくまでも具体例、1つの案であって、若干易しいという印象を持った場合には、それを難易度を高めるような問題を少し付け加えることは、ケースバイケースで比較的容易だろうとは思います。 ○座長 これはたぶん他分野に跨って無理して化学的な構造を問う問題でない問題としたら、どんな問題ができるかという1つの例として挙げているので、確かに問1、問2は非常に易しいことにはなると思いますが、全体として見れば化学的な構造なり何なりを、それなりに知っていなければ問えないという問題を、イメージとして考えたいということです。 ○柴崎委員 いまの井上座長のコメントだと、化合物の構造まで問うという問題となると、これは難しくなりますよね。 ○座長 はい、たぶんね。 ○柴崎委員 ですから、それは井上座長でもできない可能性があると思います。 ○白神委員 もちろんそれはよろしいですが、例として挙げたものがこの程度だというのがちょっと気になって、何か問題にすると、むしろ「高血圧症に使用されるカンデサルタンはプロドラッグであるか」と問題文の中に入ってしまうものを、わざわざ分けて聞いているぐらいのレベルというようなものであるので。 ○座長 それは、無理してそのようにしたというだけです。 ○白神委員 そうですか、わかりました。 ○座長 ほかにどうでしょうか。是非こういう類の複合になるような問題を委員の皆様にも是非作っていただいて、こんな問題はどうだろうかとご提言いただければと思います。 ○赤池委員 これまでの議論で、問題解決能力や思考力もなるべく問いたいという議論があったと思います。もちろんこれはあくまで例示として出ていることですので、これはこれでそれ以上のことはないと思います。ただ、そういう意味では医学部の問題でも、長文で複合問題を作っているケースがかなりあると思いますし、かなり長い文章が入っていて、それについていろいろ考えて解いていただくことをしますと、これまで議論されてきたような思考力が問えるようになると思います。そうすると、今日の初めのほうでも議論された、単純に知識をとにかく覚えればいいということからもかなり脱却できると思いますので、実際のこういう複合問題を作るときには長文問題ですね。これは基準というよりは出題委員の先生方という問題になってくるのかもしれませんが、そういったものもなるべく入れることを何か要請としては入れておいたほうがいいように思います。 ○座長 他にはいかがでしょうか。 ○大野委員 多分これは1つのたたき台とか例だと思いますが、実践問題の最初のほうの国家試験のあり方で述べたような実地の考え方としては、例えば23頁にありますように、症例が中心の例題だと思うのですが、先ほど赤池委員が言われたように1つの症例から心理的なことも聞けるでしょうし、他にテオフィリンなどが入っていれば、20頁のような、血中濃度を測ったらこうだったけれどもどうするとか、症例を持ってくればそういう他方面の実務実習を問う問題ができるのではないかと思います。1つの例でしょうが。あと事務局で申しましたように1つの問題ができないと次の問題もできなくなる問題ではなくて、いろいろな分野の問題がちりばめられていれば、そこで総合的に、お互いの情報を使って解けるような問題は症例問題だとできると思います。 ○座長 いまの大野先生のようなご提案は皆さんも当然考えておられるだろうと思いますが、そういう問題がたくさん取り込まれていくだろうということは、容易に想像はできますし、そこに基礎の先生も加わって、症例から浮き上がってくる基礎問題もあるのではないかと思います。症例に深く関わっておられる専門家の先生だけだと基礎的な問題はちょっとどうかと思われるかもしれませんので、そういう意味では複数の方が関わって問題を作っていく方向を考えなければいけないのだろうと思います。ただ、そうするといままでに比べてはるかに労力も大変になりますし、国家試験の委員の方の負担が非常に大きくなることは容易に予想されますが、それはどうしても必要になるのではないかと思います。その辺についても含めて、何かご意見ございますか。 ○平井委員 いま井上先生がおっしゃったとおりだと思いますが、あまり難しい問題を、解けないような問題を作ることはやめて、赤池先生が先ほど言われたことはすごく賛成で、文章をきちんと読み切れて、それで答えは単純な答えでもいいと思います。ただその文章を読み切れて、その中の問題点が理解できることを測定できるような問題にすれば、そんなに答え方の選択肢をすごくいじったりとかしないようにして、実際的な問題に即した問題を出せばいいのではないかと思います。例えば長文読解的なものを結構出すといいのではないかと思いますが。 ○赤池委員 まだこれは先の話なのかもしれませんが、やはり複合問題を作っていくのは相当な労力になってくると思うのですね。医師の国家試験の出題委員の先生を存じ上げていて、少しお話を伺ったことがあります。医師国家試験ではプール問題をためておいて、これは出題委員の負担を減らすためだろうと思いますが、そこからいろいろな問題を、もちろんそれをそのまま使うわけではないでしょうが、資料として使われていると伺っていますし、やはり新しい国家試験の中では複合問題がかなり比重が多くなると思いますので、そのためにはその材料になるようなプール問題を集めるといいますか、そういったことも具体的にどこかの段階では始めたほうが、するかどうかということをまず決めなければいけませんが、もしできれば、なるべく集めていって、変な言い方ですが、国家試験の出題委員の方が持ちネタを非常に多くしておいて、その中からある程度選んでできるというようなことをするとよりよい問題ができてくるのではないかと思うのですが。 ○木津委員 いまの赤池先生のご意見、非常に賛成ですが、やはり現場での問題点というところで、日病薬とか日薬の先生方にもご協力をいただいて、現場でそれが、基礎的な部分からこういうことを知っていてほしいというような、いろいろな協力をしていかないと、大学教員の頭でこの長文問題を作るのは。それと事務局に少し教えていただけますか。出題の具体例の、2頁目のところで例えば正しいものはどれかというのは、解答が2つあるものがありますね。こういうものは、わざわざ2つずつというような形でお考えになったのですか。 ○薬事企画官 こういうのもありということではないでしょうか。その分問題としては難しくなるわけですが、これを必須問題として、こういう問題がふさわしいかどうかというのは議論は別だと思うのですね。必須問題に正解を2つ選ぶような問題をやるのが適当かという問題ももちろんあると思います。 ○木津委員 非常に難易度がものすごく変わってくると思うのです。「2つ選べ」というのと、「正しいものを選べ」で付けていくというのは、結構難しいので、非常におもしろいかと思います。ありがとうございました。 ○座長 いままでのご議論で、今後検討すべき課題はまだ非常にたくさんありますし、実際の試験が始まるまでまだ2年はあるわけですので、その間にいまおっしゃっていたことも含めて今後の検討をしていかなければいけないと思います。  少し時間切れになっておりますので、今日の議論を踏まえてもう少しまた事務局のほうで整理していただいて、また、1月になりますか。 ○薬事企画官 まだそこまでは日程が決まっておりません。 ○座長 来年の早い段階で、また次の会議を持ちたいと思います。全体を通じて何かここでどうしてもご発言しておきたいことなどございますか。 ○平井委員 すみません、資料2のほうに戻ります。ちょっと教えていただきたいのですが、すごく懇切丁寧に隅々まで書いていただいて非常にわかりやすくていいと思ったのですが、ここの3頁目の一番下の○のところで、各大学において独自に行っているカリキュラムについても云々と書いてありますが、この辺の判定とか、そういうのはどうなのでしょうか。 ○薬事企画官 それが各大学に意見を照会しているところで、いろいろな意見が出てくると思います。それをこの検討会の場で紹介させていただいて、ローカルという言葉はあまりよくありませんが、日本全国どこでもある程度やっている、あるいは非常にいい内容だということであれば、国家試験の基準範囲の中に入れていくというのもあり得るという意味でここの部分がございます。ですので、大学からのどういう意見が出てくるかにもよりますが、取りあえずいまの段階での考え方は、そういうこともあるのではないかという可能性という意味で、こういう書き方をしてあります。 ○平井委員 そうしたらそれは出題基準とかに明記されるようになるということですか。 ○薬事企画官 そうなります。 ○平井委員 はい、わかりました。 ○座長 それでは本日の検討会はここまでにいたします。事務局からの連絡事項をお願いします。 ○薬事企画官 ありがとうございました。今日いろいろな形で例題みたいなものも示させていただきましたので、是非それぞれ先生方もご専門の分野に近いところで材料を提供いただければ、それが誰の問題かは言わずに事務局の問題という形で次回出してもかまいませんので、いろいろな材料が多ければ多いほどいいので是非ご協力いただきたいと思いますし、また先生ご自身ではなくとも大学の他の先生の協力なり、お願いをして、そこからいろいろな問題を集めていこうと思いますので、何卒、その部分のご協力をお願いいたします。 ○林委員 私どもは自分の大学に出さなくてよろしいのですか。 ○薬事企画官 この場に出すほか、私がいただいてこちらの資料として準備をするやり方もあります。 ○林委員 自分の大学には非常に出しにくいのです。いろいろな意味で。 ○薬事企画官 あくまで個人としてと言いますか、こちらからのお願いに対してボランティアのような形で材料がいただけたらありがたいという意味です。 ○林委員 わかりました。 ○薬事企画官 そういうことで次回また今日の議論の続きをしたいと思いますのでよろしくお願いします。日程は、調整させていただき、ご案内いたします。  本年はどうもいろいろとお世話になりましたが、来年も引き続きよろしくお願いいたします。 ○座長 どうもありがとうございました。