07/12/14 中央社会保険医療協議会総会平成19年12月14日議事録 07/12/14 中央社会保険医療協議会          第118回総会議事録 (1)日時  平成19年12月14日(金)11:22〜12:35 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 庄司洋子委員  前田雅英委員       対馬忠明委員 小島茂委員(代 飯倉) 勝村久司委員 丸山誠委員        高橋健二委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 鈴木満委員 中川俊男委員(代 石井(正)) 西澤寛俊委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員 黒崎紀正専門委員       <事務局>       木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官 磯部薬剤管理官 他 (4)議題  ○平成20年度薬価制度改革の骨子について       ○平成20年度保険医療材料制度改革の骨子について       ○後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子について       ○平成20年度診療報酬改定について (5)議事内容  ○土田会長  ただいまより、第118回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、石井委員、白石委員、坂 本専門委員及び大島専門委員が御欠席になっております。また、小島委員の代理で連合生 活福祉局部長の飯倉裕之さん、中川委員の代理で日本医師会常任理事の石井正三さんがお 見えになっております。  また、保険局長は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それから、お手元に中医協の総会・各小委員会・各部会の名簿を配付しておりますので、 ごらんください。  それでは、議事に入らせていただきます。  最初に、「平成20年度薬価制度改革の骨子(案)」について議題としたいと思います。  本件については、本日の薬価専門部会において取りまとめが行われました。同部会の部 会長である遠藤委員のほうから報告をお願いいたします。 ○遠藤委員  薬価専門部会におきましては、本年5月から合計9回にわたりまして薬価算定基準につ いて審議を行ってまいりました。審議に際しましては、実際に新医薬品の薬価算定を行っ ております薬価算定組織の加藤委員長から御意見をいただくとともに、日本製薬団体連合 会、米国研究製薬工業協会(phRMA)、欧州製薬団体連合会(EFPIA)及び日本 医薬品卸業連合会の内外の関係団体から2回にわたりまして御意見を聴取いたしました。  それらの意見を踏まえつつ検討を進めてまいりましたが、本日、その検討の結果を中医 協総−1のとおり「平成20年度薬価制度改革の骨子(案)」として取りまとめましたの で、御報告をいたします。  それでは、事務局に「骨子(案)」を説明していただきたいと思います。よろしくお願 いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。委員の皆様におかれましては、先ほど薬価専門部会で1カ所 修正がございましたので、「差換え」と頭に書いた資料をお配りさせていただきました。 そちらをごらんいただければと思います。  修正部分は、3ページの「3 その他」、(1)で、「不採算品再算定」とございます。 そこの2行目のところで、「平均的な営業利益率(現在5%程度)まで認めることとす る。」と。その「まで」のところを、「平均的な営業利益率(現在5%程度)を上限とし て認めることとする。」と。「まで」を、「を上限として」ということに修正をさせてい ただいております。  また、1ページ目に戻っていただきまして、概略、簡潔に御説明をしたいと思います。 この「制度改革の骨子」、大きく「基本的考え方」と「具体的内容」に分けさせていただ いておりまして、「具体的内容」として、新規収載品の問題、既収載品の問題、その他と いうふうに区分けして記載をさせていただいております。  「基本的考え方」、最初にございますけれども、これは本年4月にまとめました「革新 的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」を踏まえまして、「革新的新薬の適切な評 価に重点を置き、特許の切れた医薬品については、後発品への置き換えが着実に進むよう な薬価制度としていく」、これを基本的な考え方に置きまして、現行の薬価算定方式を基 本としつつ、以下の点について改正を行うということでございます。  1ページ目の新規収載医薬品の問題でございますけれども、特に類似薬効比較方式の問 題につきましては、現在新薬の算定薬価が外国平均価格と比べてまだ低い現状にかんがみ まして、その比較薬のとり方、加算率、加算の要件、小児加算・市場性加算の加算率、ま た傾斜配分については、1日薬価でなく市場規模で考えるということが適切と考えられる ことから、傾斜配分の廃止、こういったことについて盛り込んでございます。  それについての具体的な率につきましては、別紙の5ページ、6ページに記載をさせて いただいております。それを御参照ください。  それから、また1ページに戻っていただきまして、原価計算方式につきましては、これ がほぼ外国平均価格の算定になっているという状況にかんがみまして、既存治療と比較し た場合のメリットに応じましてメリハリをつけた算定方式とするということにさせていた だいております。  2ページへ行っていただきまして、そのほか、新薬の関係におきましては、規格間調整 の問題、キット加算の問題、それから薬価算定組織における企業の意見陳述の問題等につ いて改正を行うということにさせていただいております。  それから、既収載医薬品の薬価改定でございます。一番議論がございました市場拡大再 算定の問題でございますけれども、その点につきましては、大きく2つの改正点がござい ます。まず、市場拡大再算定の対象になったその類似品も一律引き下げの対象になるわけ でございますけれども、その類似品の範囲につきまして、現在その対象品が比較薬になっ ているものが対象になってございますが、それをすべての薬理作用類似薬に拡大をすると いうことでございます。  それから、その市場拡大再算定の対象になった場合の補正加算について、その傾斜配分 方式につきまして、従来の1日薬価から市場規模で行うということにしております。これ につきましては、2つの大きな改正がございますので、それについての激変緩和の観点か ら、今回の薬価改定に限りまして、その対象になるすべての品目につきまして、市場実勢 価格から算定される改定率と市場規模拡大率から算定される市場拡大再算定の改定率の平 均値をとって改定をする。なお、またその今回の新しいルールでの傾斜配分を用いた補正 加算率から計算される加算率、それと比較していずれか小さいほうということにさせてい ただいております。  そのほか、そもそも論として、市場拡大再算定につきましてはイノベーションの阻害に なっているのではないかという指摘と、それから3ページへ行っていただきまして、また、 公的保険制度の薬剤費の適切な配分メカニズムになっているのではないかという機能と、 両方かんがみまして、特に使用実態の著しい変化ということをどのように判定していくの かということを含めまして、その在り方について引き続き検討を行い、次々期の薬価制度 改革までに検討を進めたい、こういうものでございます。  それから次の2番、後発品のある先発品の薬価改定につきましては、現在、後発品が初 めて薬価収載された先発品の薬価改定につきまして、市場実勢価格により算定される額か ら、さらに追加で引き下げを行っておるところでございます。これについては、平成18 年度の薬価制度改革で、それまでの4〜6%を2ポイント拡大し、具体的には6〜8%の 追加の引き下げを行っているところでございますけれども、今回の後発品促進策をいろい ろ具体策をまとめたこと、それからこの先発品薬価の引き下げが後発品との薬価差を縮小 させて、後発品への置き換えが進みにくくなるという御指摘があったこと、これを踏まえ まして、16年の段階におきます引き下げ率の4〜6%にとどめることとするということ でございます。なお、今後も後発品の状況等を踏まえまして引き続き検討するということ でございます。  そのほか、先ほどちょっと修正ございましたけれども、不採算品再算定についての製造 業の平均的な営業利益率を上限として認めることですとか、最低薬価を見直すこと。  それから続きまして4ページでございますけれども、市販後において、小児適応、希少 疾病の効能追加、それから市販後の真の臨床的有用性を検証した場合については補正加算 を行うということ。  それから、その他といたしまして、そもそも論として、新薬の薬価算定について、競合 品のない新薬でも薬価が下落する状況をかんがみまして、特許期間中の新薬の改定方式、 それから、そもそも新薬としての算定方式、特許期間終了後の薬価の在り方なども含めま して、引き続き総合的な検討を行うこと。  それから、薬価改定の頻度については、流通改善懇談会の緊急提言を踏まえて、その状 況を受けて引き続き検討を行うこと。  それから、後発品の薬価基準収載頻度についても、今後引き続き検討を行うこと。  また、後発品の流通量の増大を想定されるということから、薬価調査の充実をさせる。  そういったことを盛り込んだことをまとめさせていただきました。  以上でございます。 ○土田会長   どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。  御質問ないようでしたら、中医協として、ただいま説明いただきました資料総−1のと おり、「平成20年度薬価制度改革の骨子」を了解したいと思いますが、よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○事務局(磯部薬剤管理官)   1つだけ。ちょっと事務的なことでございますが、この今の差換えの資料につきまして、 傍聴の方にはお配りしてございませんけれども、これについては後日ホームページに掲載 いたしますので、そちらをお使いいただければというように思います。 ○土田会長   わかりました。よろしいでしょうか。傍聴の方、よろしくお願いします。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「平成20年度保険医療材料制度改革の骨 子(案)」について議題としたいと思います。  本件につきましては、本日の保険医療材料専門部会において取りまとめが行われました。 部会長の遠藤委員のほうから報告をお願いいたします。 ○遠藤委員  保険医療材料専門部会におきましては、本年5月より合計7回にわたりまして保険医療 材料算定基準について審議を行ってまいりました。審議に際しまして、実際に新規収載品 の基準材料価格算定を行っておられる保険医療材料専門組織の松本委員長から御意見をい ただくとともに、関係団体、具体的には、日本医療機器産業連合会、在日米国商工会議所、 米国先進医療技術工業会、欧州ビジネス協会、欧州医療機器産業連合会の内外の関係団体 から意見を聴取をいたしました。  それらの御意見を踏まえつつ検討を進めてまいりまして、本日、その検討の結果を中医 協総−2のとおり「平成20年度保険医療材料制度改革の骨子(案)」として取りまとめ ましたので、御報告をいたします。  それでは、事務局に「骨子(案)」を説明していただきたいと思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。それでは、資料総−2をごらんいただきたいと思います。 時間の関係がございますので、簡潔に説明させていただきます。  「第1 基本的な考え方」に続きまして、「第2 具体的内容」というのがございます が、まず、新規の機能区分に係る事項でございます。1つ目、イノベーションの評価につ いてですが、まず、アとしまして、迅速な保険導入ということで、今回改定におきまして は、決定区分C1と決定された医療機器につきまして、これまで「保険適用開始月の3月 前の末日までに決定されたものに限る」とされておりますけれども、これにつきまして、 「1月前の末日までに決定されたもの」というように短縮することとしたいということで ございます。  続きまして2ページでございますが、イの補正加算の見直しについてでございます。こ れにつきまして、新規医療材料及び改良型医療材料の開発や実用化に対するインセンティ ブを高めるため適切に評価することとするということでございまして、これは別紙をつけ てございますが、5ページのほうをごらんいただきたいと思います。  まず、新規材料につきまして、この画期性加算、現行40〜100%というものを50 〜100%というように、10%引き上げる案となっております。また、先ほどの2ペー ジの2つ目の白丸に当たるのですけれども、有用性加算につきまして(I)と(II)とい うように分かれておりますが、これを統合整理いたしまして、有用性加算5〜30%、そ れからその改良につきましても評価するということで、今回改良加算というものを設けさ せていただいたということでございます。  続きまして、また2ページのほうにお戻りいただきたいと思いますが、補正加算の3つ 目の白丸でございます。原価計算方式におきましては、さまざまな材料の業界があるとい うことで、業界の実情を踏まえつつ、革新性の程度に応じて営業利益率を±50%の範囲 内で調整し、メリハリをつけた算定方式とすることとするということでございます。  続きまして、価格調整についてですが、これは「外国価格の相加平均の2倍以上の場合 に2倍の価格」としておりますけれども、来年の4月1日からは、この「立会いに関する 基準」というものが実施されることを踏まえまして、次々回改定時にはそれぞれ1.5倍 ということをにらみつつ、今回の改定では、「外国価格の相加平均の1.7倍以上の場合 1.7倍の価格」とするということとしたいということでございます。  続きまして、既存の機能区分に係る事項でございますが、まず1つ目、市場実勢価格加 重平均値一定幅方式による価格改定方式ですけれども、ダイアライザーが11%、フィル ムが5%という一定幅が設定されておりますが、これを今回の改定では、ダイアライザー 7.5%、フィルム4%というように縮小を行うこととしたいということでございます。  続きまして、3ページの(2)、再算定でございますが、まず、アのほうですけれども、 「平成20年度改定においては、再算定の該当性を検討する区分の対象をより効率的に設 定することとする。」となっておりますが、これは前回18年度改定におきまして281 区分について再算定の該当性を検討したということでございますが、今回は、区分の数を 減らしながら、そのシェアが多いほうから順番に検討するということで、検討する区分の 数は減らしながらそのシェアはほとんど減らさないというようなやり方をするということ によって、効率的な設定をしたいということでございます。  続きましてイでございますが、これは、そのページの上のほうに、「2倍以上であるか、 又は1.5倍以上であって」云々と書いてありますけれども、これを今回新規の場合と同 様に、「次々回改定時には1.5倍とすることをにらみつつ、次回改定では、外国におけ る国別価格の相加平均値の1.7倍以上であるか、又は1.5倍以上であって」というよ うに修正をさせていただきたいということです。  それからウでございますが、これもこのページの上のほうにございますように、現在、 アメリカ、連合王国、イギリス、ドイツ及びフランス、この4カ国について参考にしてお るわけですけれども、「他の先進国における医療機器の流通や購入の状況等について、次 年度以降調査を行うことの必要性も含め、引き続き検討を行う。」ということでございま す。  続きまして、(3)の既存の機能区分の見直しについてですが、まず、アでございます けれども、利用実態等を踏まえて、該当製品の存在しない機能区分については経過措置を 行うなどして順次削除する。また、供給が著しく困難なものについては、その見直しに当 たって一定の配慮をするなど、より適切なものとなるよう検討したいということでござい ます。  続きまして4ページでございますが、イですが、価格や機能に差がなくなっている複数 の機能区分については、合理化を検討する。  ウですが、一つの製品が複数の異なった機能区分に属しているため、異なった価格で償 還されている、こういったものについては区分を見直すこととするというふうになってお ります。  そして、最後の項目、その他でございますが、まず(1)としまして、現行では、製造 販売業者は新たな保険医療材料の決定区分案に対して、不服意見書を提出した場合に限り、 保険医療材料専門組織に出席して意見を述べることができるとなっておりますけれども、 次回以降は、製造販売業者が希望する場合につきましては、決定区分案が決まる前に保険 医療材料専門組織に出席の上、意見表明を行うことができるようにしたいということでご ざいます。  (2)は、在宅医療の普及・促進にかんがみ、こういったものについても適切に評価を するということでございます。  (3)は、内外価格差につきまして、我が国特有の流通システムや審査期間等が材料価 格に与える影響の把握等を踏まえながら、適正な内外価格差の範囲や内外価格差の是正に 向けた取り組み等についての検討を今後とも行っていくということでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御意見、御質問等ございましたら、どうぞ。 ○邉見委員  今回でなく、次回への検討の要望として一つつけ加えていただきたいと思います。病院 医療は、医療機器、保険材料を使う比率がだんだんと高くなっております。特に、患者さ んの低侵襲といいますか、痛みをできるだけ少なくするために、腹腔鏡手術とか、そうい うものがたくさん増えております。それの中で、手術の点数の中にこういう機材が含まれ ておりますので、手術が採算割れといいますか、だんだんと厳しくなっておりまして、病 院がまた手術から撤退するという、今の救急医療と同じような現状はこの手術の分野でも だんだんと起こっております。そういう中で、外国の材料を使っているところが多いもの ですから、ぜひこういうところの内外価格差を少しでも縮めて、少ない医療資源の配分を うまくやってほしいということを、外科系団体を中心とした病院団体の意見として申し上 げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○土田会長  どうもありがとうございました。次期改定の際には、ぜひただいまの意見を含みながら 検討していただきたいと存じます。  ほかにございますか。 ○勝村委員  同じような意見になるかもしれないのですけれども、「基本的な考え方」に、「内外価 格差を是正する観点から」となっておって、「具体的内容」では、「その他」に今後検討 するということになっていて、実質、今回内外価格差というのは、簡単に言うと、どの部 分で減らさなければいけないということなのか、「不合理な」とまで書いてあるわけなの で、どんなふうにこれは、その不合理をなくす努力が今回の改定ではなされているのかと いうことをちょっと教えていただきたいと思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  具体的な内外価格差の是正の方策でございますが、まず、今の資料の2ページをごらん いただきたいと思いますけれども、「(2)価格調整」というのがございます。これは、 新規の材料についての価格調整ですけれども、「外国価格の相加平均の2倍以上の場合に 2倍」にするというふうになっているものを、2倍まで行かないけども、今回は1.7倍 以上であれば調整をするという対象にしております。そしてさらにその次の改定のときに は、1.5倍以上も対象にするということで、一層内外価格差というものを縮小しようと しているというところでございます。  そして次に3ページでございますが、この再算定については、ちょっと説明を飛ばしま したが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの4カ国の相加平均と比べまして、2倍 以上あるいは1.5倍以上の場合に再算定をして価格を低く抑えるということでございま すけれども、まず、アとしまして、再算定の該当性を検討する区分、これについて、前回 281区分について、その価格を比較して、非常に高いものがあれば抑えるというような ことをしたのですけれども、そういったことを今回もより効率的なやり方で続けるという ことがアでございます。  そして、イについては、先ほどの新規の場合と同様に、2倍という部分を1.7倍とい たしまして、さらにその次には1.5倍というようなことをにらむということで、一層そ の価格差を縮める努力をしたいということ。  それから、ウで、これは、今の英、米、独、仏の4カ国だけではなくて、ほかの先進国 についても参考とするかどうか、調査を行うかどうか、その辺について検討していきたい ということでございます。  以上でございます。 ○土田会長  ありがとうございました。よろしいですか、勝村委員。 ○勝村委員  「基本的な考え方」にも「不合理な内外価格差を」と書いてあって、これは以前の議論 で、やはり実際に数字を見て、なぜこんなにもと思うような価格差だったと思うのですよ ね。これをやはり、そもそも従来から問題とされてきているわけなので、今回そういう努 力をしていただいているということはよくわかるのですが、安易に、その他の(3)のよ うに、ある程度やって先送りにするのではなくて、やはり今回の改定でも、「具体的な内 容」のところとかでより具体化していく中や、ほかにもいろいろできることがあるならば、 僕はここはもう本当にダイナミックにできるだけやっていただきたいと思います。できる だけ先送りするような感じで、その先のことまで、1.7倍、1.5倍になっていってい ますけれども、やれることはぜひ今回からダイナミックにやるような案をどんどん出して きていただきたいというふうにお願いしたいと思います。 ○竹嶋委員  基本的には勝村委員の意見と一緒ですね。私、診療側も、ずっとこの内外価格差の問題 はできるだけ縮めるということを要請してきましたが、今回数字として、2倍が1.7倍 に、次回にと今企画官がおっしゃいましたね。具体的にこの中医協の中でこれをしっかり 担保することができたということで、切り口を一つつくったということで、私どもは評価 したいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  ほかに御質問などございますでしょうか。  いろいろ意見を承りましたが、基本的に今回説明いただきましたような内容で骨子を了 解していただきたいと思いますが、よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは続いて、「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子(案)」について議題 としたいと思います。  本件につきましては、診療報酬基本問題小委員会において長く議論を続けてまいりまし て、先週の5日の小委員会で骨子が一応まとまりました。そのことを御報告申し上げると ともに、その内容につきましては事務局の方から説明をお願いいたします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)   資料は、中医協総−3−1でございます。あと参考で3−2もございます。この資料に つきましては、今会長のほうからお話しございましたように、12月5日の基本問題小委 員会に出した資料と同じ資料を、まとめていただいたものをそのままお出ししております。 そこからの変更点はございません。  まず、「基本的考え方」でございますけれども、18年度の改革で「後発医薬品への変 更可」のチェック欄を設けて、後発医薬品の使用促進を図ってきたところでございますけ れども、今回いろいろ検証をさせていただいたところ、変更された処方せんの割合はまだ 低いという状況でございます。  それを受けまして、「処方せん様式の変更」、それから次のページへ行っていただきま して、「「変更不可」欄に署名等がない処方せんに記載された後発医薬品の薬局での銘柄 変更調剤」ということでございますが、これについては、5ページでちょっと御説明した いと思います。  5ページに、「新たな処方せんの様式(案)」というのをおつけをしております。備考 欄に、現行ではここに「後発医薬品への変更可」というのが書いてございまして、処方医 が先発医薬品を後発品に変更してもいいという場合に、署名または記名・押印をしていた だくわけでございますけれども、今回の改正では、逆に、後発医薬品に変更不可の場合だ け以下に署名する、記名・押印も当然いいと思っておりますが、そういう形に変更を考え ているところでございます。  それから次の6ページをごらんいただきまして、後発医薬品への銘柄指定の処方せんが 多いということがかなり薬局の負担になっているという御意見を踏まえまして、別紙2に ございますけれども、では、後発医薬品の銘柄指定の処方せんの場合、処方医が変更不可 とした場合は、「変更不可」と書けば、それは処方医の判断として薬局ではそのまま調剤 をするということでございますけれども、そうでない場合については、改めて処方医のほ うに確認せずとも後発医薬品の銘柄を変更することができ得るということでございまして、 恐縮でございますが、また2ページに戻っていただきまして、その場合、処方医の指定さ れた銘柄がかわり得るということもございますので、この場合については、患者に対して きちんと説明をして、その同意を得ることを前提にそのようなことを考えてはどうかとい うことでございます。  2ページの下のところでございます。薬局のほうの調剤料の関係でございますが、「調 剤基本料の見直しと後発医薬品の調剤率を踏まえた評価」ということでございまして、薬 局での後発品調剤を促進する観点から、その後発品調剤のコスト負担にかんがみまして、 その調剤基本料を見直した上で、その後発医薬品の調剤率が30%以上の場合を重点的に 評価することとするということでございます。  3ページへ行っていただきまして、「後発医薬品を含む処方の処方せん料の見直し」と いうことで、これについては、通常の処方せん料に2点加算をしているところでございま すが、それについては見直すこととする。  それから、薬局において患者さんの後発品に対する不安を和らげるため、特に長期処方 のような場合に、短時間まず後発品を使ってみるというようなことについて、新たにそう いった場合の分割調剤について点数上の評価をするための追加をするということでござい ます。ただ、その場合にも、当然、分割調剤を行った場合については、保険医療機関にそ の旨の連絡をするということを条件とするというものでございます。  それから、先発品から後発品への変更、また後発品間の銘柄変更調剤、これを行った場 合については、後発医薬品調剤加算の算定要件といたしまして、保険医療機関にその旨情 報提供するということを原則とするということでございます。  4ページへ行っていただきまして、後発医薬品の使用促進を目的といたしまして、いわ ゆる薬担規則、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則、また療担規則、保険医療機関及び 保険医療養担当規則等の改正ということで、特に薬担規則につきましては、特に処方せん の中で後発医薬品にかえ得る場合、実際には当該先発医薬品に既に後発医薬品が薬価収載 されておりまして、また、処方医が後発医薬品への変更不可としていない場合については、 患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行っていただく。その上で、保険薬局は、 後発医薬品の備蓄など、後発医薬品の調剤に必要な体制を確保するよう努めていただくと ともに、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない、こういう規定を設けることと してはどうかということでございます。  また、保険医のほうにつきましては、できる限り後発医薬品の使用を考慮していただき たいということで、その療担規則におきまして、保険医は、投薬、処方せんの交付または 注射を行うに当たりまして、後発医薬品の使用を考慮するよう努めなければならない旨を 規定してはどうか、こういったことを盛り込んだところでございます。  私の説明は、以上でございます。 ○土田会長  ありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見などございますでしょうか。  よろしいですか。それでは、御質問ないようでしたら、中医協として、資料、総−3− 1のように、「後発医薬品使用促進のための環境整備の骨子(案)」を了承するというこ とにしたいと思いますが、よろしいですか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。  続きまして、「平成20年度診療報酬改定」を議題としたいと思います。まず、これに 関連しまして、1号側委員より平成20年度診療報酬改定に係る具体的な見直し項目につ いて、意見書及び資料が提出されておりますので、最初に説明をお願いいたします。 ○対馬委員  私ども1号側7名の連名でございますので、本来読み上げるべきかというふうにも思う のですけれども、時間の制約もございますので、ポイントだけにさせていただければと思 います。  冒頭のところは基本的な考え方ですけれども、丸の1つ目のところは、勤務医の負担の 大きさでありますとか医師不足等の問題等々を踏まえまして、「健康は国民一人ひとりが 自ら守る」ということで、「安心と納得の医療を早期に実現するよう一層努力したい」。 ここは私どもの心構えです。  2つ目は、先般お話しさせていただきましたけれども、「医療保険の財源を適切に再配 分することによって医療における資源配分の歪みやムダを是正することを中心課題とすべ き。」と考えている。  丸の3つ目のところですけれども、急性期病院にできるだけ手当てしたいということと、 あと診療所の中でも相対的な収益の格差がありますので、そこは経営改善努力を前提とし て財源の再配分ということが必要ではないかということであります。  丸の4点目ですけれども、ここでは、また改めて病院勤務医の負担軽減策、産科・小児 科・救急医療等々についてを重点的に評価していきたいということを記載してございます。  それから2ページ目ですけれども、情報の開示でありますとか点数表の電子化、こうい ったことも進めていく必要があるだろうということです。  それから各論に入りますけれども、まず、「1.病院・診療所の役割分担の財源配分の 見直し」でございます。  (1)、特に再診料につきましては、まだ14点の格差ということでございますので、初診 料と同様の格差是正を図っていくことが必要であろうかと思っております。  (2)、有床診療所の評価ですけれども、ここは、位置づけ・役割を明確にした上での評価 ということだろうと思います。  (3)、勤務医の負担軽減、さまざまな対策を複合的にしていかなくてはいけないだろうと 思います。その中では、例えば事務作業等々についても、適切な要件を定めて評価すると いうことも考えなくてはいけないだろうと思います。それから、産科・小児科についても、 改めてここでは強調してございます。  (4)、DPCについてですが、正確かつ十分なデータの確保でありますとか、包括払いの 拡大に向けた検討等々が必要であろうと思っています。  (5)、慢性期医療です。医療の質を評価する指標の早期導入を図っていくべきだろうとい うことと、包括評価については、急性期以外の一般病床、一般病床の中にも急性期以外が 随分入っておりますので、ここにも拡大してはどうかということであります。  それから3ページ目の(6)、7対1看護については、今議論されている方向での議論を深 めていくということが必要だろうというふうに思います。  (7)、これも今現在議論をされているような方向の中で、例えば早期リハビリを評価すべ きであろうというようなことが記載されております。私どもの主張であります。  (8)、がん対策ですけれども、緩和ケアの問題、それから外来の放射線治療等々について は適切に評価すべきだと。  (9)、心の問題対応についても評価すべきだと。  (10)、手術に係る施設基準。これについては、再導入に向けての早急な検討が必要だと。 また、ニコチンの問題ですけれども、やはりここはさまざまな問題がございますので、ぜ ひ年明けにも改めて検討していただければ、こういうふうに思います。  それから、「2.医療連携の強化」ですけれども、まさにここでは実効性ある連携とい うのが必要だろうと思っています。  それから、「3.居宅医療の推進」ですけれども、これも今現在議論されている方向性 での私どもの認識であり、概ね一致しているのではないかというふうに思います。推進し ていくべきだろうと思います。  それから4ページ目、「4.歯科診療報酬」ですけれども、私ども患者のほうの視点を できるだけ含んでいただきたい。わかりやすさでありますとか情報提供ということをお願 いしたいと思います。  それから、「5.調剤報酬」。これも概ね現在議論されている方向だろうというふうに 思います。調剤基本料の見直しでありますとか、あと一包化ですけれども、これについて は厳正に運用する必要があるだろうと思います。  それから、「6.後期高齢者医療の診療報酬」について。(1)、ここはまだ議論のあると ころだろうと思います。私どもとしては、総合診療医といいますか、高齢者総合担当医と いいますか、そういったことが要であって、非常に重要であろうと思っております。  (2)では、「お薬手帳」の活用推進策といったこともやっていきたいと思います。  それから、「7.薬価・保険医療材料」ですけれども、今日、骨子のお話がございまし て、ここも概ね骨子と私どもの意見が合致しているのではないかと思っています。  それから5ページ目、(3)、後発医薬品の使用促進。これも早期に達成する必要があると いうことですけれども、内容については、今日、環境整備の骨子ということでお話がござ いましたけれども、概ね合致していると。そういう方向での努力が必要だろうと思います。  (4)、保険医療材料についても同様でございます。  それから、「8.医療情報の開示と透明化」ですけれども、(1)は、早期に明細書つきの 領収書の無料交付の義務づけ、ここが重要であろうかと思います。  (3)ですけれども、ここは今診療側の意見もざっと目を通したのですけれども、このあた りは合致しているのかなと。「複雑な診療報酬体系を簡素・合理化」ということでありま す。レセプトの様式でありますとか、記載要領、これは非常に重要ではあるのですけれど も若干細かくなりますので、内容は割愛させていただきたいと思いますけれども、ぜひ推 進してまいりたい。また御理解も賜ればと、こういうふうに思います。  ありがとうございました。 ○土田会長   どうもありがとうございました。  引き続いて、2号側委員より同様に資料が提出されておりますので、説明をお願いいた します。 ○竹嶋委員  それでは、竹嶋より7人を代表いたしまして、診療側の私どもの意見を申し述べさせて いただきます。時間がこれもありませんので、かいつまんで申しますが、まず医科、つま り病院と診療所というのと、歯科、そして調剤、その3つの分野がございますが、これは 私どもも合意といいますか、協議いたしました結果、ここで一括して出させていただいた と、わかりやすくそれぞれ分けて列記しているということを御理解いただきたいと思いま す。  まず、医科のほうでございますが、「基本的考え方」としましては、そこにありますよ うに、地域医療の崩壊が今現実化していると私どもはとらえております。このままでは、 国民に安心で良質な医療を提供することはおろか、最低限の医療提供も困難となるという 認識を持っております。  次年度の診療報酬改定に当たりましては、産科医療・小児医療・救急医療をはじめとし た地域医療の崩壊を何とか食いとめたい。安定的な医療提供を可能とする体系の再構築が 必要であり、財政中立による診療報酬改定や政策誘導的な診療報酬改定は認められないと いうことを基本的に考えております。  そのためには、国民皆保険体制のもと、現物給付をまず堅持するということを前提に、 以下に示す事項を基本方針といたしましてとらえて、その実現に向けて取り組むことを求 めたいと考えております。  そこに7つほど柱を、「医療提供コストの適切な反映」以下挙げておりますが、お目を 通していただくほうが早いと思いますので、私の口頭での説明は省略させていただきます。  次ページでございますけれども、以下「具体的検討事項」をここに挙げさせていただき ました。主な項目、8つほど挙げさせていただいておりますが、まずは、昨年度来、この 中医協の中で私ども議論を随分してまいりました。平成18年度改定で大きな問題を起こ して医療を混乱に陥れました不合理があったと思いますが、その是正ということで、そこ にありますように、7対1入院基本料のほか5つほど私ども述べさせていただいておりま す。  2番目は、これはもう恒常的な私どもの課題でございます。医療の安全確保ということ をそこに挙げております。  3番目は技術料評価。これも私ども言い続けておるのでありますが、それの診療報酬の 体系の確立ということを挙げさせていただきまして、そこにも5つほど具体的な項目を掲 げさせていただいております。  3ページに行きまして、4番目に、御議論をずっとしていただきまして、御賛意も随分 得てまいりましたが、小児医療・産科・救急医療等への対応ということで、また具体的に 3つほど挙げております。  5番目、これはもう1号側からも出ました後期高齢者医療制度。この在り方につきまし て、ここに4つほど私どもの意見を述べさせていただいております。  6番目、先ほど御議論ございました後発医薬品の使用促進ということで、ここに私ども の考えを2つほど述べております。  7番目に、医療機関機能の明確化及び連携の強化に対する診療報酬上の対応。これも1 号側から出ましたけれども、病診連携体制の再構築ということをはじめ今実施されている いろいろな施策、これにつきまして対応をしっかりやっていく。  8番目に、当然でございますが、医業経営基盤の安定確保。国民の医療、地域医療をし っかり担保するためにこの安定確保を進めていきたいということで、ここにも具体的な私 どもの要望といいますか、意見を挙げております。  最後に、その他ということで、8つほど羅列しておりますが、いずれもぜひお目を通し て御賛意を得たいと考えております。  続きまして歯科のほうでございます。5ページの「基本的考え方」。過去3回の診療報 酬マイナス改定によります歯科医療費の大幅な減少ということが起こりまして、歯科の医 業経営を直撃して、国民への安全で安心できる歯科医療の安定的提供を困難なものにして いるという認識であります。とりわけ前回改定の結果、歯科医療費は、具体的には前年度 比700億円の激減をしたという状況、国民歯科医療体制はこういう状況の中で今危機に 直面しているという認識です。  歯と口腔の機能を回復・維持して国民の生活を支えて健康寿命の延伸に寄与する歯科医 療の適切な評価と、安定的提供のための歯科医療機関の経営基盤の確保を図るために、以 下の事項を次年度、平成20年度の診療報酬改定において実現することを要望させていた だくということで、そこに具体的に、「歯と口腔の機能を回復・維持する歯科医療技術を 適切に評価すること」以下6項目の柱を挙げさせていただいております。  次のページでございますが、その柱に関しましての「具体的検討事項」でございますが、 まず1番目として、歯科医学・医術に則した歯科医療技術の適切な評価を求めたいという ことでございます。初・再診料の引き上げほか、そこにもありますように、7つの具体的 な要望項目を挙げております。  2番目に、これは先ほど医科のほうでも申し上げました医療安全の確保。当然のことで ございますが、これにつきまして4つほど私どもの意見を述べております。  3番目も、これも同じように、後期高齢者歯科医療の適切な評価ということで、在宅歯 科医療の評価の見直しということをはじめといたしまして、そこに5つほど具体的に意見 を述べさせていただいております。  7ページ、4番目でございます。歯科医療機関の経営基盤の安定確保。それは最初の柱 のところで私は述べました。そこに5つほど具体的に挙げておりますので、ぜひ御賛同を 得たいと思います。  5番目、新技術、新治療指針に合致した診療報酬体系の構築ということでございます。 日本歯科医学会提案のそういうことを受けましての具体的な措置といいますか、対応とい うことでございます。  その他に、同じく3つほど挙げておりますので、御高覧いただきたいと思います。  最後に調剤でございます。8ページ。「保険薬局における調剤報酬関係」ということで 締めくくっておりますが、まずは「基本的考え方」、1番目に、患者さんにわかりやすい 調剤報酬体系の確立。2番目に、かかりつけ薬剤師の役割を評価してほしい。3番目に、 患者さんのニーズに対応した技術の評価を求める。4番目に、医薬品適正使用の推進。こ れをやっていきたいということでございます。  それから2番目でございますが、これは同じく「具体的検討事項」をそこに個別に掲げ させていただいております。まずは、かかりつけ薬剤師の役割を踏まえた薬学的管理指導 の評価をぜひしてほしいということで、あと、2、3、4、5、6、7というふうに柱を 掲げておりますので、これも御高覧の上、ぜひ御賛意を得たいと思います。  それから、先ほど保険薬局に限って申し述べましたけれども、今度は最後に、病院と診 療所、当然のことですが、そういう施設との薬剤師との円滑な業務関係ということでの 「基本的考え方」でございますが、1番目に、薬物療法におけます患者さんの安全確保の 評価。2番目に、病院・診療所薬剤師の役割の評価。3番目に、チーム医療におけます薬 剤師の役割の明確化。4番目に、医薬品適正使用の推進、これは先ほども述べました。  これを踏まえまして、「具体的検討事項」。まずは、入院患者に対する薬剤管理指導業 務の拡充・評価以下5つの具体的な検討事項をここに挙げさせていただきました。  中医協土田会長には、御善処のほどをどうぞよろしくお願いしたいと思います。  以上であります。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいま1号側、2号側から資料の説明がございましたが、これに関連して 質問などございますでしょうか。 ○勝村委員  補足というか、あわせてお願いなのですけれども、私どもも意見を出させていただいて いるわけですが、これらはすべて一応方向性というものを出していただいているわけで、 それぞれ、どれほどの量的なものをということまでは言えていないわけなのですけれども、 2年前の改定から、もう既に議論になっておって、問題として中医協の中で共有されてお りながら、今回まだ解決できていなくて、さらにやはりこの問題を是正していくためにと いう形で残っているようなものに関しては、繰り返すようですが、今回こそダイナミック な形というものをやってほしい。  よく、激変緩和とか言って、ゆっくりやることがいいのだというような話もあります。 通常、目の前にそんなに危険がないのであれば、ゆっくりブレーキを踏んだほうがいいの でしょうけれども、例えばさっきの医療材料でも、何でこんなに内外価格差があるのかと いうときには、例えば日本独特の流通システムの問題ということも書かれるくらい原因が 指摘されているならば、先送りせずに、そこにすぐにメスを入れていってほしい。何しろ、 目の前に危険があることがわかっているときにはかえってきちんと急ブレーキを踏んだほ うが現場はしっかりと健全を保てるわけで、ゆっくりゆっくりそれを直していこうとする ことが、2年、4年、6年と、ずっと同じ問題について、同じ方向性でと議論を続けてい るだけでは、結局現場が大変になってしまう。現場には、医療者もいれば、患者もいる。 こういうことになってしまいますので、そのあたりへの配慮をしてほしい。  1点だけ変わりましたとか、3点だけ変えましたとか、だけど本質的にダイナミックに 変えることができなかったから、結局2年後ももう一度その問題が残って、また同じよう な議論をしなければいけなくなりましたということがないようにお願いしたいと思います。 方向性を出している意味というのは、やはり1点だけやりましたとか、そんなのではだめ なのです。特に今回の柱というのは、勤務医がやめて開業医になっていっている、そのこ とで救急医療、周産期なんかが特に必要としている救急医療が更にいいかげんになってき ている、この問題を何とかしなければいけないと随分議論されていたけれども、少しやり ました、とか、方向性はそっちですよと、だけど量が足らなかったから全然現場は解決で きていませんねと、また2年後もやりましょうと、そうならないような、そんな覚悟を決 めたような思いをぜひこの意見につけ加えてお願いしておきたいと思います。 ○土田会長  ほかにございますか。 ○小島委員(代理飯倉氏)   すみません、小島の代理でございますが、発言をお許しいただきたいと思います。  今勝村委員も申しておりましたように、今回の改定においては、もちろんその財源等も 限りがある中で、やはりその必要な医療をきちっと提供していくということでのメリハリ をつけた評価というのがやはり必要だというふうに思っております。そしてあわせて、こ れも支払側の意見書の中では明記をさせていただいている内容でありますけれども、例え ば、在宅ですとか居宅系施設における医療の推進という点も大変重要な視点であると考え ておりまして、一方の中では、平均在院日数の短縮ですとか介護療養病床の転換といった ような課題もあるわけですから、それでは、その先にある在宅における受け皿をどれだけ しっかり整備できるかという点も非常に大きな課題になってくると考えてございます。  具体的に申し上げますと、例えば、訪問看護ステーションなりを有効に活用していくた めに、その訪問看護の評価、そういったものを適切に行っていくとか介護施設との連携と か、そういったいわゆる医師の部分だけではない、医師と連携を図る、そういったところ についても、その地域における連携体制の整備ということとあわせて適切な評価が必要だ と考えておりますので、ぜひこういった点も御留意いただければと思います。  以上です。 ○土田会長  ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。 ○遠藤委員  ただいま受け皿対策の話が出て、訪問看護ステーションの話が出たのですけれども、私 もその受け皿対策は非常に重要だと思っております。とりわけ、ある意味で医療ニーズの ある程度高い人たちが在宅に流れるというような方向でありますから、もちろん医師によ る診療所の対応というのは重要なのですけれども、同時に、訪問看護の重要性というのは 非常に高く増すだろうと思っております。ちょっと調べてみましたら、訪問看護ステーシ ョンというのはあまり増えていないようなのです。しかも地域格差もかなりあるというよ うなことでもあります。また、業界団体の調査によれば、かなり人手不足があって、人手 不足がゆえに利用を断るというケースも多々あるということも統計的に出ているようなと ころもありますので、受け皿の一環として訪問看護というものを少し支えるというような、 そういうようなことは非常に重要だということで、ただいまそういうようなお話がありま したものですから、私も同感であるということを述べさせていただきました。 ○丸山委員  今2号側の診療側の御意見、竹嶋先生が御説明いただいて、ほとんど一致するというか、 このとおりだなと思うのですが、ただ1つ違うのが、これは当たり前ですけれども、財源 の問題です。支払側と診療報酬をお受け取りになる側との意見の違いというのは当然出て くるのだけれども、やはりこの中医協というのはそっちのほうが主体で、治療の方向性や 医療の在り方の基本的なことというのは、1号も2号も非常によく一致していると思うの です。問題は財源で、しかも、非常に余裕のない財政の中で財源の枠が決められていると いう中で、この重点課題というのは、1号も2号も認識し合っているところだと思うので す。何を今やらなければいけないか。重点課題を非常に厚めに対応しようとすると、今の 勝村さんのお話のように対応するのならもっとダイナミックにしっかり対応しようという 御意見だろうと思うのですが、厚めに対応しようとすると、どうしても財源というものの 枠の中で、その他の部分である程度の見直しバランスをはかり、ある程度痛みを分かち合 っていかなければいかぬ施策も必要だということで、こんなことを私が言わなくても十分 御承知のことだと思いますが、だれも言わぬというわけにはいかないので、一言、そこの ところで、どこかで折り合いのつく形でみんなが痛みを分かち合って日本の医療制度を維 持しやっていく、こういう姿勢が必要だと思います。  2号側の意見を見ると、確かに技術を評価するというのは結構なのですが、初・再診料 の引き上げというのを医科も歯科もおっしゃっているので、そういうことが財源的に可能 ならばいいのですが、重点課題対応のためには、やはりバランスをとっていかざるを得な いのではないかと思います。 ○竹嶋委員  個別の議論は、また来年に持ち越すだろうと思うのです。それで今のお話の中で、1つ だけ私発言しておきたいのは、支払側・診療側というふうな表現の中で、何か労使交渉み たいな、そういうのではないと思うのです。当たり前のことだけれども、国民の皆さん方 の医療あるいは社会保障をどうするかというのがバックにあって、それが残念ながらここ で議論されないでほかのところでやられるというもどかしさはありますが、常に私どもは そこを背負ってこの場で御協議していくと、私どもそういうスタンスでまいりたいと思い ます。 ○邉見委員  病院、特に急性期の病院医療に温かい御配慮をいただきまして、ありがとうございます。 一応2号側はこれでまとまっておりますので、特に異はございませんが、今日は討ち入り の日ですので、一言だけ。  3回連続、やはり診療側が痛みをずっと、合理化とか配分のゆがみとか、いろいろなこ とで、どちらかというとずっと痛みを受けてきたわけですね。今回支払側の方々も、かな りそれをわかっていただいて、痛みを分かち合おうという感じが出てきておりますので、 それの御好意に甘えることなく、我々も一所懸命、改革とか、無駄なところがあればやめ ていきたいと思いますけれども、もうここであまり厳しくなりますと、地域医療がもたな いような気がずっとしているのです。その辺のところをぜひ御配慮いただきたいと思いま す。  事務局というか厚生労働省も、最近メディアの方々に、終わった後にいろいろな説明を されておりますね。ああいうことが非常に大事で、国民がやはり医療のことをちゃんと考 えるという、その場をつくっていかないといけないと私は思います。例の参議院選挙、私 はどっちが勝ってもいいから、政治とカネとかの次に国民がちゃんと一回でも考えてほし い医療が来ていたのに、社会保険庁とか閣僚の失言とかで全部飛んでしまった、これが私 は一番残念であった。みんな健康でかなりぜいたくになってしまって、戦後の結核とか栄 養失調の時代のように健康を考えなくなってしまっている、それが一番残念なように思い ます。一言つけ加えて、厚生労働省の最近のメディア対策には感謝をいたしております。 ○土田会長  どうもありがとうございます。 ○古橋専門委員  大変崇高な御意見が出た中で少し恐縮でございますが、先ほどお二方の委員から、訪問 看護につきまして御意見をちょうだいいたしまして、私としても、本当にありがたいと思 っております。訪問看護ステーションは今経営に本当に苦慮しておりますので、こうした 御意見でナースたちは勇気をいただいて、また、在宅療養者の方々のケアのために、努力 もし、頑張っていくだろうと思いますので、ぜひとも点数ということにつきましては、き っちりしっかりとした評価をいただいて、20年度から新しく始まる制度のためにも、そ うした評価をちょうだいしたいなと思っております。本当にありがたいと思っております ので、よろしくお願いしたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○対馬委員  1点だけです。私ども今回政府のほうからは、750億円ほど負担してくれと、こう言 われているのです。ですから、そのこと自体がいいか悪いかとか、そういう話ではないの ですけれども、いずれにしろ大変厳しい状況の中に置かれながら、1号側、2号側ともに、 日本の医療を何としても支えていく、よくしていくということが必要だろうと思いますの で、お互いに血を流すところは流す、守るところは守るということで、建設的な議論をし ていきたいと思います。どうぞよろしくお願いしたいと思います。 ○勝村委員  すみません、もう1点だけいいですか。 ○土田会長  はい。 ○勝村委員  訪問看護ステーションの推進は、僕も賛成だということで意見を表明しておきたいこと と、それから、昔の報道を思い出すと、15年ほど前だったと思いますけれども、看護師 さんが看護師をやめて別の職業になるというのがすごくあって、看護師さんの勤務条件に 関する対策が問題だというような議論が一時かなりなされていたような記憶があるのです けれども、今問題になっているのは、お医者さんがやめて別の職業になっているのではな くて、勤務医をやめて開業医になっていくということが問題だというのが2年前の改定前 からあったと思うのです。  だから僕は、一方でどれぐらいの総額が必要なのかという丸山委員がおっしゃる議論は 議論であっていいと思うのですけれども、それとは別に、より今直面している大事な問題 は、やはり経済実態調査なんかを踏まえて、どこに少し余裕があり、どこが非常に苦しん でいるのかというところのメリハリをきちんと正したいということを思いますので、特に 救急なんかで邉見委員とかが、再三意見を言っていただいたことに共感なのですけれども、 そのことでだから、全体が一様に一律に増えていくということであったら、勤務医をやめ て開業医になるという流れがとめられないと思うので、できれば勤務医さんと開業医さん の代表のほうで、きっちりどれだけその動きについて話し合いができるのかというような 論点に目を向けてもらわないといけないと思います。そこのメリハリはやはり今回、例え ば初・再診料の問題とか、こういう格差をなくしていく問題としてどこに着目するのが一 番いいのかいろいろと意見はあると思いますが、はっきりそこに手をつけないと、本当に 救急医療は守れないのではないかと僕は思いますので、ぜひその点もお願いしたいと思い ます。 ○松浦委員  私は、国保税の徴収事務を受け持っている立場から申し上げますが、これは言うまでも なく、我々がお支払いするお金は公金でございますから、不適切な診療行為があった分野 については、特に厳しい対応をひとつお願いしたい、これが私の意見でございます。 ○土田会長  ほかにございますでしょうか。  どうもいろいろありがとうございます。御意見承りましたが、この続きは年明けという ことで。今日は討ち入りだそうですが、どこに討ち入るのか、方向は大体見えているので すけれども、なかなか難しい状況だろうと思います。  年明けになりますが、これからの議論の進め方について事務局のほうで説明をお願いし ます。 ○事務局(原医療課長)  中医協総−4の資料をごらんいただきたいと思います。「今後の検討の進め方について (案)」というのがございます。  年内は、今日で総会をおしまいにいたしまして、年明け、1月16日から再開をしたい と思っております。最終的なところは4月1日に改定の施行をするということになります ので、そこから逆算していきますと、2月の中旬には中医協で結論を出していただくとい うことをお願いしたい。1月16日、早々に、この予算編成の過程の中で決まってきます 改定率と、それから前回御紹介しました両部会で決められた基本方針、また後期高齢者の 骨子、それに基づいて点数の改定案を作成するように、これはいわゆる白紙諮問といいま すか、その形でお願いすることになろうかと思います。それを受けていただいて、年明け は週1回ぐらいの開催を予定しておりますが、場合によっては2回ということもあり得る かと。  前回の改定のときも同様でございましたけれども、一応の骨組みができた段階でパブリ ックコメントを募集するという形をとりたい。またあわせて、1月の下旬ごろには、これ は場所はわかりませんけれども、公聴会を開催してはどうかというふうに考えております。  議論を深めていただきまして、最終的に2月の中旬に答申をいただくという形をお願い したいと思っております。  説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明について。 ○松浦委員  一つ要望をちょっと。できれば週2回を週1回にして、時間をちょっと昼から延びても いいからやっていただけたらありがたいですね。お願いします。 ○土田会長  いいですが、ただ、非常に難しいという状況だろうと思います。 ○松浦委員  要望でございます。 ○勝村委員  パブリックコメントと公聴会に関して、ちょっと要望というかお願いなのですけれども、 2年前に初めて、中医協改革だということもあって、患者の視点の重視だということで、 非常にお忙しい中というか、御苦労されていたと思いますし、今年も、厚労省の皆さん、 一番お忙しい時期に更にお忙しくなるだろうと思いますから、それだけに非常に意義ある ものになればいいなと思っております。  私は2年前の公聴会に実際に参加させてもらった印象が、ちょっと自分のイメージとは 違って違和感を感じたことがありました。公聴会で話をされた方に、医療関係者、医師の 方とかがかなり多かった印象があるのです。医師会の皆さんが集まって議論する場とか、 病院協会の皆さんが集まって議論する場とかが、いろいろとあると思うのですが、私は行 ったことはないのでよくわかりませんが、そういう中では、同じ病院に勤めている人や同 じ医師会の会員の方でもいろいろな意見を持っている人たちが意見交換された上で代表の 方がこういう場に来られているのだと思います。そういう、それぞれやはり中医協に委員 として参加して意見を言う場を一応もらえている業界の人とか医療関係者の人たちの意見 をあえて公聴会で聞くということよりも、パブリックコメントや公聴会というのは、一般 の国民というか、患者のサイドが情報公開されたホームページとかを見て、自分たちとし てはこういう実情なんだ、こういう思いなんだという、こういう場に意見をどうしてもな かなか吸い上げることのできないような人たちのためのパブリックコメントであり、その ような趣旨のパブリックコメントの中から、特にこういう人たちの意見をさらに詳しく聞 いてみたいなということで公聴会を開く、というような位置づけであってほしいと思いま す。だからといって、医療関係者の人を全部排除してほしいとか、そういうことではなく て、そのような立場の人の中にもいい意見があったり、もちろん公聴会で聞くに値する、 言ってほしい意見もあるとは思いますけれども、先に申し上げたような趣旨の強いもので あってほしいということです。  それから、前回も言いましたけれども、パブリックコメントを国民の側がするのは非常 にしんどいわけです。医療関係者の方で、ふだんから医療費をどんなふうにして病院の経 営をしていったらいいかとか考えておられる方ならばすぐわかるのでしょうけれども、国 民は何しろ、中医協で議論している単価、つまり、自分たちが医療を受けた明細に関して は、今でも請求をしないともらえないわけです。また、自分が受けてもいない診療報酬の 分厚い一覧表を見たところで、レストランでメニューを見ただけでその値段が健全か不適 切かどうかというのはわからないわけで、食べてみて初めてわかると同じように、やはり 医療を受けるたびにその明細書をもらえて初めて中医協の議論にも参加できる。  前回の改定の際には、そういう単価を見ていないのに国民が意見を言えるわけがないと いうことで、僕はちょっとパブコメに対して否定的な言い方をさせていただいたと思うの ですけれども、今年に関しては、少なくとも請求をすればもらえる、そういう努力義務が 医療機関に課せられているということなので、僕はわかりやすい言葉で、パブリックコメ ントされる際に、中医協で決めている単価に関しては、今、医療機関には請求すれば基本 的にもらえるようになっていますというようなことも含めて、そういうようなものを見て いただいた上で、何かふだんから感じられることの意見もあわせて、今回の議論の論点だ けではなくて、そういうふうなものを広く国民から吸い上げていってもらう中で、僕らが それも参考にして話ができるような形をお願いできればと思います。いろいろお忙しい中 に、より無理をお願いしているかもしれませんけれども、そういう方向に近づく形でお願 いしたいと思います。 ○土田会長  どうもありがとうございます。  公聴会に関して一言申し上げますと、あれは前回事務局と私が選んだのですが、あれは 申し込みがありまして、申し込みの中から選んだわけですから、したがって、その申し込 みが、患者さんのほうが極めて少なかったことは事実ですし、ですから、そういうことに 応じてやっていますので、医療関係者を特に選んだということではありません。それで、 僕も、基本的には日本医師会とかそういう方たちの申し込みについては、ここに代表が出 てきておりますから、そういう方たちを公聴会でも選ぶということは一切しておりません ので、そこの点だけは御了解を得たいと思います。  それでは、これで今年の総会は終わりにします。約1カ月間という非常に長い休暇に入 りますが、また年明けでお元気な姿を拝見したいと思います。どうぞ皆様よいお年をお迎 えください。終了します。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)