07/12/13 審議参加と寄付金等に関する基準策定ワーキンググループ 平成19年12月13日議事録について 審議参加と寄附金等に関する基準策定ワーキンググループ  議事録 1.日時及び場所   平成19年12月13日(水) 19:00〜 厚生労働省共用第7会議室 2.出席委員(6名)五十音順     笠 貫   宏、 神 山 美智子、 永 井 良 三、 樋 口 範 雄、     日比野 守 男、◎望 月 正 隆 (注) ◎座長   欠席委員(2名) 岩 田   太、 西 島 正 弘 3.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、   中 垣 俊 郎(審査管理課長)  他 4.備  考   本ワーキンググループは、公開で開催された。 ○総務課課長補佐 定刻を過ぎております。笠貫先生から遅れるという連絡がありまし た。岩田先生、西島先生はご欠席の連絡をいただいておりますので、皆様お揃いでござ います。ただいまから第5回の審議参加と寄附金等に関する基準策定ワーキンググルー プを開催させていただきます。  本日は先生方におかれましては、年末でご多忙のところ、またこのような遅い時間に お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。座長の望月先生に議事進行をよ ろしくお願いいたします。 ○望月座長 議事に入る前に、配付資料の確認をお願いします。 ○総務課課長補佐 資料の確認をさせていただきます。座席表のほか、議事次第資料No.1 としてメンバー表、資料No.2がパブリックコメントの資料、資料No.3は「今後の対応案」 という1枚紙です。資料No.4は「意見募集を通じてこれまでに寄せられた主な意見等」 という1枚紙です。あと参考資料として報道の記事を付けています。以上でございます。 ○望月座長 議事に入ります。審議参加と寄附金等に関する基準(案)に関する議論に 入ります。その前に、本日のワーキンググループを開催することとなった経緯及び本日 の議論の後、どのように進めていくか等につきまして、事務局より説明をお願いします。 ○総務課課長補佐 資料No.3、資料No.4を中心にご説明します。資料No.3をご覧ください。 「本ワーキンググループ開催の趣旨」というのがあります。現在、12月3日からパブコ メを実施させていただいているところです。これについては、前回のワーキンググルー プが11月28日にあり、概ね合意いただいたことから、その後事務局で各先生方に内容 のうち調整すべきところを調整させていただいた上、パブコメの案を固め、進めさせて いただいたところですが、複数の先生から、時間もない中で確認をしたこともありまし て、再度確認、議論の必要があるのではないかという御指摘がありましたことから、本 日、このパブコメの案を基に、その改定の必要性も含めまして、今後の検討の方向につ いて議論をさせていただければというものです。  本日のご議論の結論に基づきまして、考えられるケースが3つほど想定されます。ケ ース1ですが、ご議論の結果、このパブコメの案のままで進めていっていいのではない かとなった場合には、今週末の12月16日がパブコメの締切となっていますが、じっく り議論をしたほうがいいということもありますので、パブコメの期間を通常の1カ月間 に延ばした形で、今後の検討を進めてはどうかというものです。  ケース2ですが、現在のパブコメ案について、骨格は変えないということですが、細 部について議論、検討する必要があるのではないかとなった場合です。その場合には、 本日も含めて、修正する案がまとまり次第、新たな案でパブコメを継続実施するという ことです。もちろん、新しい案をまとめるのに時間がかかるようであれば、12月25日 に予定されている次回のワーキンググループの活用も視野に入れるということです。そ の後1カ月間のパブコメを実施するものです。  ケース3です。現在パブコメを行っていますが、その骨格を変更するべきではないか という議論になった場合です。その場合には、骨格をいじることになり、本日結論を出 すのは難しいと思いますので、次回のワーキンググループで継続して内容についてご議 論していただき、その案がまとまり次第、新しい案でパブコメを続けるものです。  いずれの場合につきましても、年内では難しいという状況かと思いますので、3月末 の薬事分科会を目指して、このワーキンググループの結論を得るように努力をしていく という方向性でいいのではないかというのが、今後の対応案の資料です。  資料No.4ですが、ご参考までに、まだパブコメは継続中ですが、これまで寄せられて いる意見です。本日現在では4件です。そのうち3つのパブコメの内容をご紹介させて いただきます。  1番は「近年、大学等で奨学寄附金を含めた産学連携の仕組みがないと十分な国際的 研究活動ができないという状況がある」こととか、今の案には「トンネル寄附」という 言葉が使われているのが問題ではないかということもあります。今出されているパブコ メの案のような、厳しい開示を要求するという形にしますと、審議に参加する有識者に とってリスクを感じるということになって、審議に参加する本当の有識者が著しく減少 することが懸念されるのではないかというのが、1番目のご意見です。  2番目めのご意見は、基本的には賛成ということです。奨学寄附金は経理が大学の経 理事務で管理されているということです。そのため受領額と使途を含めて公開すること を条件に、今のような案の金額を除外するか、除外しないまでも例えば年間300万円以 下という条件を付けるという案に対しては賛成と。そうしないと、地道な研究が阻害さ れる可能性があるのではないかということです。  3番目は300万円と50万円の根拠は何かという意見。これが現在の状況です。  参考資料ですが、12月5日に日経新聞、東京新聞が現在のパブコメの案につきまして 報道しています。今後の対応案、現在の状況については以上です。 ○望月座長 ただいまの事務局からの説明について、ご質問等はありますか。 ○永井委員 今回の案の作り方ですが、あまりにも性急だったと思います。水曜日に委 員会が開かれて、木曜日に資料がメールで送られてきまして、金曜日の昼までに回答し てくださいと。私は出張で木、金と外にいまして、携帯電話のメールを見ながら対応し ていたのですが、その大事な書類が、長い文書のメールできて、返事を金曜日までにお 送りください。その下の尚書きでもう一つ後でメールが行きますみたいな話でしたが、 容量的に携帯のメールでは見られないわけです。  私の思い込みだったのですが、最初に来たメールがすべてだと思ってしまいまして、 尚書き以降の一番大事な最後の資料を見逃してしまいました。送り方は是非気をつけて いただきたいと思います。   ○望月座長 申し訳ございませんでした。他にございますか。ただいまの永井委員のお 話に基づきまして、本日のワーキンググループを改めて開かせていただいたわけです。 それでは、現在パブコメ中の基準案についてご議論いただきます。確認の意味で、前回 のワーキンググループでの議論の後、調整した部分を中心に事務局から簡単にご説明願 いたいと思います。 ○総務課課長補佐 資料No.2に基づいて、前回の資料からパブコメまでの間に調整した 部分を中心にご説明します。2頁の申し合わせ(案)の「はじめに」のところです。(1) で、「産学連携」だったのですが、「産学官連携」にしました。  (2)の(2)の3行目辺りですが、神山先生の御指摘ですが、引用する規程を単なる申し 合わせだけではなくて、薬事分科会規程第5条第4項に根拠がありますので、その規程 を記載しました。  4頁です。4.の(1)「審議不参加の基準」で、ここが前回お示しした資料では、A案 を書いていました。ここを前回の議論を踏まえて、奨学寄附金を除いた形で300万円と するという規定振りに書き直しました。  5頁です。併せて(2)「議決不参加の基準」です。先ほどと同様、奨学寄附金を除い た形での300万円ルールという形になるよう、表現を改めさせていただきました。  (3)ですが、これは新しく項立てをしましたが、奨学寄附金の取扱いについては前回 の議論を踏まえまして、「委員等本人又は家族が申告対象期間中に、審議品目の製造販 売業者又は競合企業から奨学寄附金の受取実績がある場合は、その奨学寄附金について、 企業名、受取額、使途を公開するものとする」という項を加えています。  (4)では、自己申告についての内容は変わらないのですが、前回お示ししたものでは 「寄附金・契約金等受取額等申告書に基づき」と書いてありましたが、そこを削除して います。  6頁です。注5で、前回の注6では奨学寄附金について記述した部分がありましたが、 それを削除した形になっています。  「終わりに」のところですが、ここは日比野先生からのご指摘を踏まえまして、ここ にあるような文言を加えています。すなわち「審議会の運営について、各委員等は、本 申し合わせの趣旨に則り、寄附金・契約金等の申告を適正に行う等、審議の中立性、公 平性の確保により一層努めることとする」という文言を加えています。  7頁の「なお書き」ですが、この2〜3行目に当たるところですが、神山先生からのご 指摘を踏まえて、「産学官連携の活動は国全体として推進されているものであって」と し、前回の案よりは少しトーンダウン、中立な形での表現に改めさせていただいたとこ ろです。本文についてはそのような形です。  9頁ですが、申告様式の関連です。(別紙1)が金額の階層分け部分ですが、前回お示 ししたものは500万円をベースにしていたので500万円になっていますが、これを300 万円に直した形で、チェック欄を改めました。さらには10頁、11頁とありますが、こ れは新たに加えた部分です。別紙2として、奨学寄附金の受取額とその使途についての 申告の様式となってます。収入の部分についての内容が10頁で、11頁は支出の部分で すが、これについては大枠の使途について、割合、パーセンテージを書けるような形で この支出欄も設けています。直した部分は以上です。 ○望月座長 ありがとうございました。ご議論いただきたいと思います。先ほどの資料 No.3のケース1、ケース2、ケース3のどれに当てはまるかも考えていただき、ご意見等 をお寄せいただけたらと思います。 ○神山委員 私は基本的にこのままでいいと思うのですが、確かにメールが来たときに 私も見落としたのだと思うのですが、6頁の(7)の評価のワーキンググループのところ で、前回のワーキンググループのときに課長が「もっと国民にも幅広くというような、 参加ができるような文言にしましょう」とおっしゃったと思うのですが、そういう文言 が入っていないと思うのです。つまり私が言ったのは、「この評価ワーキンググループ には被害者団体の代表も入れたほうがいいのではないか」という話をしたことに関連し てなのです。 ○望月座長 その件については事務局の方からお答えをいただけますか。 ○審査管理課長 それは前回私が答えさせていただいたのだろうと思っています。分科 会において評価ワーキンググループを設置する、その人選というのは分科会長が決定す るということですが、その決定をする際に国民の幅広い意見を反映できるようというこ とを考えるということを申し上げたのだと思います。  それを例えばここで反映するとなると、(7)の分科会に、国民の幅広い意見を反映で きるよう、評価ワーキンググループあるいは幅広く反映できることを念頭にとか、「文 章を工夫しなければいけませんけれども、そういった趣旨を入れることになると思いま す。 ○望月座長 それを改めて入れたほうがいいという神山先生の御意見ですが、そういう 文言を入れるということでよろしゅうございましょうか。 ○望月座長 ありがとうございます。他には御意見ありますか。永井委員お願いします。 ○永井委員 私が見落としていたのは別紙2以降です。こ書式については追々議論する のかと思っておりましたので、こういう形でよいのか議論が必要と思います。ここまで 細かく寄附金額を精密に書く必要があるのか、あるいはチェック方式にするのか。この 辺のフォーマットについて議論が必要と思います。例えば、数字が違ってあとで責任を 問われてもいけませんから、書式でリスクを背負うことには注意が必要です。私はおお よその範囲を示してチェックするぐらいでよいのではないかと思います。  それから支出には大学全体あるいは研究科等で、オーバーヘッドとして使っているわ けです。これはある程度公的な形で使われていることが見えたほうがよいと思うので、 オーバーヘッド分もパーセントとして出したほうがよいと思います。 ○望月座長 確かにオーバーヘッド分は分けて書いていただいたほうがわかりやすいで すね。それはご自分で使えない枠ですから。 ○神山委員 オーバーヘッドとは何ですか。 ○永井委員 組織に対する税金みたいなものなのですが。 ○審査管理課長 間接経費などです。 ○望月座長 それも見てもわからないです。間接経費と言われても何だかわからない。 ○永井委員 組織の徴収分ですからね。 ○望月座長 上前を撥ねるんです。 ○神山委員 組織の徴収分という方が解りやすいですね。 ○樋口委員 大学では大学全体での拠出額みたいな意味ですね。 ○永井委員 それもいろいろな段階がありまして、教室で取り、病院とか学部で取り、 そして大学全体で取りと。施設によっては合わせると20%ぐらいになっていると思うの です。 ○望月座長 最初に永井委員が言われた企業名、まず申請企業だけでいいのではないか と。競合企業については奨学寄附金は書かないのではいいのではないかと。その点につ いてはいかがでしょうか。 ○永井委員 奨学寄附金は金額より位置づけを考えようということであったのですが、 無制限でいいのかという話はもう少し議論が必要かもしれません。 ○望月座長 競合品を扱っている企業について、これはいかがお考えになるでしょうか。 発想として、競合企業、ほかのところもそうですが、奨学寄附金だけ競合企業を抜くと いうことも理由を付けるのが難しい気がするんですが、いかがですか。 ○永井委員 ここまで全て開示する必要があるかどうか。審議の委員の立場も考えない といけないと思います。もし数字だけが一人歩きして、いろいろと誤解を招くのであれ ば、委員はたぶんリスクとして感じると思うのです。 ○望月座長 今日のパブコメで寄せられた意見の1番にある程度そういう意見が反映さ れているのですが。 ○樋口委員 私自身は医学部に属していないので、奨学寄附金であれ実態がなかなか見 えてこないでわからなかったのですが、この審議の中でいろいろな先生に教えていただ いて、奨学寄附金だけではなく産学連携の実態のこととかですね。前にも申し上げまし たけれども、産学連携自体は、この文書のとおり適正に推進すべきものです。いい医薬 品をできるだけ早期に産み出したいという要請は絶対にあるわけです。しかし、一方で どうしても利害関係が入ると、個々の審査のところで、やっぱりどうだろうという疑い が兆すことも一方ではあります。  薬が発売されても、誰でも薬には副作用があることを知っているわけで、この産学連 携と、それに伴う利益相反状況というのは、一種の副作用で全く同じような状況だと思 うのです。  だから逃げることはできないので、何らかの工夫をして、副作用を少なくして、産学 連携を推進していることが、現在のところ主たる動きなのですから、それ自体は、私自 身はいいことだと思っているので、そのバランスをどうやって取るかということだと思 うのです。  それで、今回の議論を通じて、これは私の個人的な感覚なので間違っていると思いま すが、いちばん初めに議論に参加させていただいたときと、暫定ルールについての理解 が深まったとき、あるいは暫定ルールの状況と比べて、今回のパブコメ案というのは、 私なんかが予想していた、あるいは望んでいたよりもずっと先に進んで、やはり情報公 開が非常に進んでいると思うのです。それ自体はありがたいことだとは思っているので すが、いまおっしゃってくださったパブコメ等でリスクを感じることとなるようなこと もあるのかもしれないのです。どこがいちばんいいバランスなのかというのは、私が空 理空論で頭の中で議論をしていてもわからないことで、経験的に一歩一歩というほうが よろしい気がしているのです。  奨学寄附金自体は産学共同の連携の1つの象徴であって、それはそれで奨励したいと いう前提がある。企業のほうにも大学のことを応援してもらいたい。逆に大学のほうも 企業を応援して、いい薬をつくりたいというのは、それはそれで結構ということですの で、とりあえず暫定案からの第一歩であって、2歩、3歩と、非常に強調されたのでこう やって入ったのだと思いますが、評価のワーキンググループというのが毎年これをブラ ッシュアップしていくというのを考えると、いま問題になっているのは別紙2の奨学寄 附金についての公表の程度なのですが、これは例えば直接利害関係がもっと緊密だと思 われるものと同じく、受取額を1円まで公表することが将来は必要になるかもしれませ んけれども、現時点では、前のルールでは3段階、今度は300万円と50万円という話に はならないのかもしれないけれども、その中のどのぐらいのところにいるのですかとい う話の公表と、公表対象も、向こうが3つの競合企業だからここも3つ並べてあるのだ と思いますが、そこまで歩調を合わせる必要はなくて、薬事法上の新薬の申請の問題に なっている企業との関係等、1つぐらい、前のところで3つ挙げてもらうのでしょうか ら、主たるところ3つのうちのトップの競合企業からは、どのくらいというのはあって、 2つくらいの資料を提供していただくという手もあるのかなと考えております。  その程度で、この審議に参加する有識者にとってのリスクが、とりあえずは感じとし て少なくなるというのであれば、それはそれでという気はしますし、1年間それでやっ てみている間にどうだろうということが経験上よりはっきりするでしょう。大丈夫だよ、 もっと増やしてもいいよという話であれば、情報公開の度を上げていくという、そうい うステップ・バイ・ステップでいくのはあるのかなと思っています。 ○望月座長 非常にわかりやすいご説明だと思います。まだこういう形で情報公開する のに慣れないで、いきなりポンポンと細かいところまで出すというので、問題があるな しよりも、出すことでヘジテイトしてしまって、では審議委員をやめてしまおうという のが、いちばん難しい問題になると思うのです。 ○永井委員 現在の委員はこの条件で委員会に参加しているわけではないのです。もし 新しいルールが導入されるのであれば、これでよろしいですかということを問い合わす べきです。あるいは退任するも自由を認めなければならない。ただ、審査に影響が出な いように注意が必要です。とりあえず1年とか2年新しいルールでやってみて、いろい ろな意見を聞きながら少しずつ調整していけばよいのではないかと思います。 ○望月座長 始めるに当たって、始めにくいルールをいきなり作るのはいかがかなとい うことだと思いますけれども。 ○笠貫委員 私もディスクロージャーはルール作りの基本で、禁止ではないというこの 会の基本的なルールだったと思うのですが、その中で私が懸念していたのは、ディスク ロージャーの重さをまだ日本の中で十分に理解されていないのではないかとういことで す。  樋口委員もディスクロージャーの重みは強調していただいたと思うのですが、パブコ メあるいは新聞を見ていても、ディスクロージャーの重みについて必ずしも十分に理解 されていません。その重みというのは、公平性、公明性を担保するために、国民にとっ ても重要だという重みと、一方ではディスクロージャーする側から見たら、それによっ て何らかのリスクを背負うかもしれないという圧迫力もかかります。そういう意味で、 今回大きく踏み出したということで評価をしていただくためにも、ディスクロージャー を強調することが第1点になると思います。  もう一つは、例えば新聞報道を示していただいたのですが、寄附という言葉が混乱し て使われています。国民がこういった信頼性に対して、誤解を招くような表現が多いで す。  先ほどの奨学寄附金の寄附というのと、委託研究での寄附と、一緒に混ぜて解釈され てしまっています。  そういう意味で、先ほどの樋口委員の表現が非常にわかりやすいと思ったのは、奨学 寄附金は国として進めていることであって、これが個人の寄附という意味ではないこと を強調しておかないと、寄附というものが見出しで、「寄附上限年300万円」ととする と、委託研究を含めた奨学寄附金と誤解されますから、もっと奨学寄附金についての国 民の理解を得れるように表面に出してもいいのではないかという気がしています。  また、奨学寄附金が産官民の共同の研究にとって不可欠であり、しかも、それが機関 経理であって透明性があるということが理解されれば、誤解は解けるのではないかとい う感じがします。  国民もディスクロージャーする側も、ディスクロージャーを受けた側も、まだ慣れて いないことから、先ほどのステップ・バイ・ステップという形で進めていって、そこで どういった不具合が生じてくるかをチェックしながら、一歩一歩前進させることが必要 だと思います。ディスクロージャーが大事だという意味で、今回踏み出したところに重 点を置くことと、「寄附」という言葉について、国民の理解を十分に得られるような表 現の仕方がいいのではないかと思います。3番目は「ステップ・バイ・ステップ」と書 いたほうがいいだろうと思います。 ○望月座長 ディスクロージャするということは今回はあちこち入っていると思うので すが、情報の公開ということを明らかにすること。例えば5頁の(3)の奨学寄附金の取 扱いの中に、ルール申し合わせ案の中の奨学寄附金とはこのように考えるということ。 もう一つ、今回初めて申し合わせを作って、方向としてはより参加、審議しやすく、あ るいは国民の皆様に納得してもらえるような状態に一歩ずつ進めていく、その第一歩で あると強調すること。この3点だと思うのですが、ごもっともな意見で、それを何とか ここに活かしていきたいと思うのですが、いかがでしょうか。  具体的には、先ほどから出ている別紙2についてですか、1つ出たのは、「具体的な 金額よりも幅で示せばいいのではないか」という意見だと私は取ったのですが、永井委 員、それでよろしいですか。 ○永井委員 そうですね、あまり細かい数字まで出すと、それがもし違っていたら相当 大きな責任になるでしょう。 ○望月座長 幅で出してまずいことはないですよね。例えば50万円から300万円、300 万円から500万円、それ以上とか。 ○永井委員 もう1点ありまして、コメントの1に書いてある「トンネル寄附」ですが、 特定法人への寄附がいかがわしいことをしていると取れるような文章なので、かなり気 をつけて表現しないと、いろいろな問題を引き起こすのではないかと思います。 ○望月座長 公益法人というのは非常に厳しい条件で決められるのです。厳しい条件で、 公益性を謳っている法人でも、トンネル寄附があるのかと、私はここで目を開かされた ような気がするのです。公益法人となっているのだったら、そういうトンネル寄附など は入れなくても、公益性の高い法人であるから問題はないような気がしたのです。これ から公益法人のルールが変わりますが、その中でもトンネル寄附ができるような法人も 公益法人として認められるのでしょうか。話しは逸れてしまいますが。 ○総務課課長補佐 そこはこれからの話になるのだろうと思いますが、公益法人であれ ばそういうのはないのが本来なのだと思っています。ただ、一方でそういうのがあるの ではないかという指摘も、ヒアリングを行ったときにあったのは事実です。そのような ご指摘があることも全く無視することはできないということで書いているものです。も し、申し合わせに書くのが不適当であるということでしたら、別の方法で、Q&Aに落 とすとかは考えられます。 ○望月座長 少なくとも「トンネル寄附」という括弧の中は不必要かもしれません。他 にございますか。 ○笠貫委員 「単に」という表現ですが、公益法人なら、義務づけられたプロセスがあ りますよね、公益法人としての義務を果たさず委員にわたるという指摘があったことは 間違いないです。公益法人として義務を果たしていないお金の出し方は、いわゆるトン ネルになるのかもしれません。「単に」当該公益法人を介した形式でというのはわかり にくいかなと思いますので、もう少し具体的に悪いものはこうですよというものをきち んと書いたほうがいいと思います。 ○審査管理課長 ここはもう少し検討しなければいけないと思いますし、もう少し文章 は精査する必要があるのかもしれません。  おそらくいろいろと指摘されていますのは、公益法人を通す前に、あなたに寄附しま すよという約束があって、それをどこかの公益法人を介すると。約束が先にあってとい うようなことだけで言い切れるのかも含めて、少し考えてみないといけないのかなと思 います。  本来であれば機関に寄附していく形で処理できるのかもしれませんが、特段の理由も なく公益法人を介したというやり方で処理されるものと思いますが、そこは検討させて ください。 ○神山委員 トンネル寄附ですが、実態としてそういうものはないはずだということな のですか。 ○笠貫委員 そう思います。 ○神山委員 ヒアリングで指摘があったということは、現実にトンネル寄附があるのだ ということが前提なのかと思ったのですが。 ○審査管理課長 そこは公益法人の独立性というか、それをどのように考えるのかとい うことになると思います。いずれにしても公益法人である限り、ある会社から寄附があ った場合、その趣旨、その内容というのを公益法人のルール、場合によっては理事会に かけ、場合によっては理事長が判断するとか、それはその公益法人の定款によって定め られていると思いますが、それに則って適切なものと判断した上で、ある先生に寄附を しているのだろうと思います。そういう手続きは一応踏まれているのだろうと思います。  ただ、外部から見てみると、その手続きというのが、言葉は正確でないですが、例え ば偽装したように見えてしまう、というような指摘されているのだろうと思います。  ですから、そういう意味でここで指摘がされているトンネル寄附を定義づけるという のは、難しい作業になるのだと思いますが、もう少しそこは研究させていただきたいと 思います。 ○永井委員 かなり強い根拠をもってトンネルということを言わないと、財団からする と存在自体を疑われているような感じがするのではないかと思うのです。 ○望月座長 確か2年後ですかね、財団公益法人を全部組み替えて、全部総務省が担当 する。これは相当厳しいものです。私どもはいろいろ中間法人を持っていて、それを直 さなければいけないというので、みんな苦労しています。公益性を取るのはものすごく 大変だと言われているのです。そのために皆さんいろいろな工夫をして公益法人を取る のだったら、そのときに出来上がった公益法人は、こういうことはないだろうと私は思 っているのですが。 ○審査管理課長 多くの公益法人が、寄附というか研究費として先生方に配付している ものが、例えば財団法人ですと、財産の運用によって得られたもの、あるいは第三者か ら寄附されたものについて、多くの場合には公募をして、出てきた申請内容を審査して、 それで研究費として補助するというのが一般的なものです。  ところが、指摘されているものについて私の知っている限りで申し上げますと、その 財団はそういうことをやりながら、別のA社がB先生に対して寄附するという約束を事 前にやって、例えば100万円寄附するという約束を事前にして、それを財団法人にA社 から寄附をして、そこは手続きを踏むのだと思いますけれども、財団法人からB先生に 助成金がいけば、結果から見ますと、これは確かにB先生に100万円いっているという ようなものですから、通常の助成金のルートと違うルートをたどっていっているという ものが、いわゆるトンネル寄附と言われているのではないかと思いますが、もう少しそ こは研究させていただいて、永井委員ご指摘のような、正当なものというか、真当なも のというか、それがまぎれ込まないことを考えるしかないと思います。 ○望月座長 他にございますか。 ○神山委員 5頁の(3)ですが、「奨学寄附金の取扱い」というところに、「委員等本 人又は家族が」と書いてあるのですが、家族が奨学寄附金をもらうことはあるものなの ですか。突然家族が入ってきた気がして。 ○望月座長 それは取るべきですね。 ○審査管理課長 1つご提案なのですが、文部科学省に聞いたところ、昔の国立大学の 時代には奨学寄附金というのが正規のものとしてあったと聞いています。しかし国立大 学法人になって以来、一般に、いわゆる寄附金として一括されている。すなわち奨学寄 附金という特定のものというのは、いまは一般に存在しないと聞いているのですが、私 立大学あるいは公立大学等で、奨学寄附金という特定のものがあって、奨学寄附金とい う形にしておいたほうがいいのか、それとも、ここは寄附金として、注か何かで従来の 奨学寄附金等を含むのだというような手続きがいいのか。判断に迷うところがあるので すが、いかがでしょうか。 ○望月座長 私どもはまだ奨学寄附金というものがあって、それは学内で何々教授宛て の奨学寄附金で使途は自由です。受託研究費は何々教授宛てですが、内容はきちんと決 められた研究をします。もう1つは何もないもので、これは大学にポンと入ってきて大 学が自由に使える。その3つは私立大学は多分いまだにそうだと思うのですが、独法化 した国立大学はどうなっているのでしょうか。 ○永井委員 同じだと思います。名前がどうなったかですけれども、奨学寄附金で別扱 いになっていたと思ったのですが、変わっているのですか。 ○総務課長補佐 先ほど望月座長が申し上げたような形が原則だと思うのです。私の調 べたところでは、独法化した後でも、奨学寄附金という言葉を使っているのは、大阪大 学は奨学寄附金という用語を使った形で規定を残していたように記憶しています。  他のところ、例えば東京大学は奨学寄附金は内部規定上は出てこなかったように思い ます。いわゆる奨学寄附金ということで、内部規定では「寄附金」で一括していたかと 思います。 ○審査管理課長 なぜこの点を論点として挙げたかと言いますと、参考資料で配られた 新聞記事で、「医薬品審議委員への寄附上限300万円」、次の頁だと「審議委員への寄 附1社年300万円」となっていて、そういう意味から申し上げますと、奨学寄附金は別 扱いになっていますが、残りの寄附というのが残っていますので、こういう見出しにな ることもやむを得ないことがあるわけですが、大半は受託研究費だと思いますけれども、 そういう意味で申し上げたわけです。  また、もう1点は奨学寄附金というのは私の理解だと、寄附する方が使い道の制限を しない、見返りを求めないという意味で申し上げますと、それ以外の寄附金にあっても 趣旨としては変わらないというようなところがありまして、例えば大学に寄附するとき は、大学の教育、研究を応援したいという気持だろうと思いますから、趣旨的に奨学寄 附金とそれ以外の寄附金が変わらないのであれば、誤解をなくすためにも一括して寄附 金の扱いということでご議論いただいたほうがいいのかなとも思ったのですが、事務局 としては出過ぎてるという気がしますので、もうやめます。 ○望月座長 この両方の記事も、最後のほうに奨学寄附金の定義を「企業が広く一般的 な研究支援のために拠出する」としております。これは全く同じ文章なのですが、奨学 寄附金を定義しているので、これは見出しでは区別していなくても、ここまで読むと奨 学寄附金というのはそういう目的だったなと、分かるような仕組みにはなっているので す。奨学寄附金をどう扱うかがいちばん大きな問題なのですが、いかがでしょうか ○笠貫委員 ディスクロージャーについて十分な認識ができていないし、共通言語にも なっていないように、寄附行為についてのそれぞれの言葉の意味づけというのも、やは り共通言語になっていないのです。そこにギャップが出てきてしまっているのが、新聞 記事に表われていて、利益相反があっても国民の信頼性を得ることがいちばんの目的で すが、そのギャップが一人歩きして何となく寄附が悪というか、企業との密接な関係が あって、それが年に300万円というのは低すぎるのという議論になってしまうのです。 そこをどのようにこの議論の中ですみ分けをするかは非常に国民のコンセンサスを得る ためには大事なポイントだと思いますが、どういうふうにそれを整理したらいいか、い い考えが出てこないのです。  座長が言われたように、細かく見れば奨学寄附金は書いてあるけれども、一人歩きす るのは、見出しの寄附です。寄附のイメージは企業との癒着という意味合いで国民は取 ってしまうかもしれません。  ディスクロージャーする側も、される側も、それを受け入れていくという共通認識が できるまでに、また、寄附については最初は多少ギャップがあっても、きちんとした定 義をしていって、それを共通言語、共通認識として持っていけるまでに、ある程度時間 はかかるだろうという感じはするのですが、そこの定義はきちんとしておくべきではな いか、これはむしろ法律家の問題ですか。 ○永井委員 奨学寄附金というカテゴリーがなくなっているということは知りませんで した。そうすると、いろいろと誤解を招きやすいですね。いままでの議論と違ってくる ところがあると思います。 ○望月座長 この1点は確認する必要がありますね。奨学寄附金というのがいろいろな 大学でなくなりつつあるものなのか、なくなるときにはどちらの扱いになっているのか。 一般的に自由に研究に使える寄附金なのか、あるいは目的を持った寄附金なのかという のは大きいことだと思うのです。いずれにせよ、産学連携で、企業からの寄附というの がよい薬をつくるための1つの手段になっていることは事実ですので、それを抑えるよ うな取決めはおかしいと思いますし、逆に特定の薬のために企業から特定の目的を持っ たお金をいただくというのは、ある程度その中の審議参加の条件にすることはたしかな のです。その辺の見極めですべての寄附がよくないと取られるのは、問題であると思い ます。その辺りをわかっていただくためには、ある程度ステップ・バイ・ステップで基 準をつくって、それを見る国民も慣れるし、審議参加される先生方も、この程度だった ら当然書くものだというのが出てくる。また、評価ワーキンググループを丁寧にやるこ とによって何年か経つうちにきちんとしたものが出来上がると。そういう方向でやるし かしょうがないと思いますが、いかがでしょうか。 ○神山委員 6頁の注5に、「実質的に、委員等個人宛の寄附金等とみなせる範囲を申 告対象とし、本人名義であっても学部長あるいは施設長等の立場で、学部や施設などの 組織に対する寄附金等を受け取っていることが明確なものは除く。」と書いてあります ね。このことと、先ほどから議論している奨学寄附金とはどう関係があるのかというこ とが、今一はっきりしないということがあるように思います。  それからもう1つ、悪であるかのようにというのは7頁、終わりにの7頁に、「寄附 金・契約金等の多寡をもって委員等と企業との間に不適切な関係があるかのような誤解 が生じないよう希望する」と書いてあるので、そこはもういいのではないかと思うので すが。ですからこの注5の意味を奨学寄附金も含むような意味だとすれば、あとは奨学 寄附金という言葉を使うかどうかというだけのような気もするのですけれど。初めから 何々教授とか特定しないで、大学に寄附したなんていうものは、初めから対象にしてな いと思うのですよね。 ○望月座長 してないですね、確かに。ただ、その名前として、学部長の名前で寄附が 出ている。そのときそのお金が学部長個人に使う権利があるのか、やはり大学全体の代 表者としての学部長にいっているのかという、それの区別のために注5が入っていると いうことだけなのです。 ○神山委員 門外漢なものですから、奨学寄附金というのが今一イメージがつかめない ので、非常にわからないのですけれど。その奨学寄附金というものを学部長が自由に使 えるものなのですね。 ○望月座長 学部長個人としては自由に使えなくて、学部として自由に使えるものです。 ○神山委員 でも、例えば秘書の給与に使ってもいいとか、機械を買ってもいいとかと いうお話でしたよね。 ○永井委員 奨学金を受けた人もそうですし、場合によっては学部長のオーバーヘッド をとって、学部長の指示で使えるところもあるのですね。学部長の裁量経費にはなりま すね、何パーセントかは。 ○望月座長 難しいですね。学部長としては、学部全体のために使っていると思ってい ても、ほかの人から見ると自分のために使っているのじゃないかと思われかねないです。 ○永井委員 そういうことはないのですけど、みんなの仕事のために使うのです。 ○望月座長 そうですよね。ですから、そのほかに、個人に何々教授という形で、何々 講座何々教授ときた形のものは、やはりその講座主任の、主任ではないときもあります が、その講座のその先生のための奨学寄附金で、それはその人が自由に使えるという仕 組みだと思います。その点について、先ほどの(3)でしたか、もうちょっとはっきり定 義する必要があるのかもしれないです。 ○神山委員 少なくとも前回までは、奨学寄附金というのはこういうものという前提が あってやってきたと思うのですけれど、何かその前提が今日よくわからなくなってきて しまって。 ○永井委員 私もいま確認しております。 ○神山委員 奨学寄附金って何なのというところから始めなきゃならないような気がし ます。 ○審査管理課長 第1回目のこのワーキンググループで配付した資料を今コピーをとっ ておりますので、それを基にご議論いただくほうが正確になるのではないかと思います。 ○日比野委員 これ私が書いた記事ではないとはいえ、一般的には寄附といえば、こち らの寄附金・契約金のほうを普通はイメージするでしょうね。奨学寄附金という意味が 私も最初わからなかった。奨学金って何のことか。そういうものは例えば、講演料とか 何とかとどう違うのかなと、もちろんこのワーキンググループに参加して私はわかった のだけれど。たぶんわからないのが普通でしょうね、普通の人は、奨学とついていても ついていなくとも、寄附はこちらの寄附なのです。もう1つのカテゴリーの寄附という ように受け取るのだと思います。だからネーミングがそもそも悪いのです、奨学寄附金 というのは。 ○望月座長 奨学金にしてしまえばいいのですかね、寄附という文字がなくて。 ○日比野委員 ネーミングが悪いから迷うのではないですか。 ○総務課課長補佐 いまお手元にお配りしておりますが、1回目のワーキングのときに 東京大学の瀧田管理課長から、東京大学における奨学寄附金としての、いわゆる寄附金 の申込みについての説明のときの資料の一部です。先ほど私が申し上げましたとおり、 形上は、申込書上は寄附という形で受けているということです。それで、その真ん中辺 りにございますが、寄附の目的とか条件というところに、「学術研究の経費なのか、教 育・研究その他の事業の奨励・支援なのか、学生に給付・貸与する学資等々」そういう 目的を書かせるという形になっており、かつ、その寄附先を、その上のほうにあります が、診療科、これも病院ですね、診療科になっていますが、誰宛の寄附、具体的な配付 先、寄附先です。それも書くという形になっているということです。ですので、名前は 奨学寄附金という、奨学・寄附申込みという形ではないわけですが、この中の目的にあ りますように、教育・研究その他の事業の奨励・支援、あるいは学生への給付・貸与の 学資を目的に書いています。この目的の部分が、かつての奨学寄附金等を扱っていると 理解しています。あえて区別するとすれば、これはちょっと確認しなければいけません が、学術研究の経費というのが、もしかすると他の寄附と分ける部分なのかもしれませ んが、少なくともここでいう、下2つの分については従来の、いわゆる奨学寄附金の目 的と合致しているものではないかと考えています。 ○望月座長 そうすると、そういうような目的の寄附、並びにではおかしいですね。奨 学寄附金と分類されたこういう目的とした寄附については除外する、というような形を 入れ直せばいいわけですね。ちょっとわずらわしいですが、それがわかっていただける まではその形入れたほうが、むしろ正しく情報が伝わるかなという気がします。 ○神山委員 すみません、これは先ほど課長が言われた、国立大学法人になって変わっ てしまったという、変わった後もこういう形のわけでしょうか。 ○総務課課長補佐 これは現在のものですので、変わった後です。国立大学法人東京大 学のものです。かつては、先ほど申しましたように、文部科学省から奨学寄附金という 形でお金が配分されていたといいますか、それを規定する省令が当時は定められていた と聞いています。 ○望月座長 ただ現状でも奨学寄附金という名前を使っている組織、大学があるとした ら、その両方へ入れていかないと、うまく拾えないことになってしまいますので、ここ でわずらわしいかもしれませんけれど、5頁の(3)に、「奨学寄附金及びこれこれを専 ら目的とする寄附金」というような形に入れ替えていったらいい、加えていったらいか がでしょうか。  そうしますと初めから戻って考えていきますと、2頁のはじめについては問題ないか と思います。3頁についても問題ないかと思います。4頁で、このいちばん下、「委員等 が申請者等より寄附金・契約金等を受け取っている場合の取扱い」で、ここに審議不参 加の基準として、4のいちばん下の行、「4の(1)及び(2)においては、奨学寄附金を 除く」のところに、少し説明を入れる。より詳しい説明として5頁の(3)で、「又は家 族が」とります。ここに特別の使途を明示せずに、純粋に奨学を目的とした寄附と、こ こにあるような文言を入れて、奨学寄附金の定義をきちんとするとしたら、いかがでし ょう。  それで6頁の(7)の分科会のところに、先ほど出たような国民に幅広く委員を入れる とか、そういうことを念頭にした組織として、原則、年1回、当面年1回がいいかどう かわかりませんが、この問題が国民全体、それからあとは審議会に参加する委員、両方 にとってより、問題なく加わるような形を作るためのワーキンググループであるという 意味がわかる文言にして頂く。  その下の注4については、公益法人で、単に、この辺りは修文考えていただくという ことで、「いわゆるトンネル寄附」というのをあからさまに入れる必要がないのではな いかということです。  先ほど出ました注5の点で「委員等個人宛の寄附金等」それから「学部長あるいは施 設長として学部や施設などの組織に対する寄附金」、その区別をするということで。こ れはこのままではいけませんか、神山委員。 ○神山委員 いえ、そうではなくて、奨学寄附金についての注を1個つけ加える必要が あるのではないかと思うのですけれども。 ○望月座長 そうですね。それがあれば、これは特にこのままでよいということですか。 ○神山委員 はい。 ○望月座長 ということで、終わりにというときには、先ほど出た、とにかく公開、デ ィスクロージャを基本とするということと、それから段階的にこれをよりよいものにし ていくという、常によりよいものにしていくことを最後に謳っていく。これでこれっき り決まって、もうあと変えないんだということではない。当初は非常に短い、それこそ 半年に1回、1年に1回かもしれませんが、そのうち2年に1回、3年に1回というよう な形で落ち着いていく形になるかと思います。  あとは9頁の別紙の1、これは受託研究費・契約金等で、このまま今のところは異論 は出ていません。10頁の奨学寄附金については、これは収入について、ある程度範囲で 示していただき、そこに印、×をつける程度でよろしいのではないかと。競合企業につ いては、その名前としては既に別紙の1に出ているかと思います。それのうちのいちば ん大きいところぐらいに、同じような形で範囲で示して、それに×を入れる。  支出については、大学あるいは組織でとるオーバーヘッドの組織全体の拠出額という ことで、組織によっては10%で済むところと、大きい所は50%というところもあるかも しれないということですので、その割合もここに書けるような形にしてはいかがかと思 います。  今まで出た意見ですと、そのような形が先生方の意見かと思うのですが、どうぞ樋口 委員お願いいたします。 ○樋口委員 今の座長のまとめの仕方で、私自身には異存はないのですけれども、念の ために2点だけ。いちばん最後の14頁にQ&Aが13から14あって。いちばん最後の14 頁のQ4が、奨学寄附金とはどのようなものかというのは、ここに入れてあるのですね。 それを前のほうに持っていくという手ももちろんある。それから逆に、トンネル寄附云 々について、なかなか定義も本当は難しい。正当なものと正当でないものを見つけるの はなかなか難しいので、先ほど出ていましたが、6頁の注の4からは、一切それを取り あえずとって、参考資料の13頁か14頁のQ&Aに落とすという手もありえます。それで、 非常に典型的に悪そうなものだけとにかく例示する。同じ趣旨で供応接待、ゴルフの話 はこちらに移しましたのでね。そういう形にするのは一法だと思います。 ○望月座長 たしかにそのほうが格調も上がるかと思います。 ○樋口委員 多くのところで、まだこれ以上いじろうと思うなら、また様々に考えるこ とができますが。。 ○笠貫委員 6頁の注4になりますけれど、ここで、委員等が実質的な受取人として、 使途を決定し得る研究契約金・(奨学)寄附金と書いてあるのが、わかりにくい、誤解 を招くと思います。その前に、注4が「寄附金・契約金等」になっていますから、これ も「実質的な受取人として使途を決定し得る寄附金・研究契約金」とすると、この前に 含まれる寄附金の定義もはっきりしてきます。それからもう1つ、先ほどご指摘あった ように、後ろのQ&AのQ4をここの前に、奨学寄附金はこういうものですと入れておくと、 奨学寄附金の定義と、それ以外の寄附金の定義が明確になり、より理解しやすくなるか なという感じがします。 ○望月座長 ありがとうございます。いかがでしょう、それがわかりやすいと思います が、注4の奨学寄附金がむしろ定義がわかりにくくなっている1つの理由かと思います ので、これは使途を決定し得る寄附金及び研究契約金ですか。そのあとの「奨学寄附金」 というのは消していただくということですね。 ○日比野委員 これを注4の冒頭に、Q1にするならば、奨学寄附金と、例えば他の寄附 金とはどう違いますかというのはQで最初にやってしまったほうが、よくないですか。 ○望月座長 注の最初に入れたほうがよろしいですか。 ○日比野委員 最初に、奨学寄附金とその他寄附金・契約金とはどう違うのですか、と いったほうが。 ○望月座長 それは5頁の(3)で一応取扱いとしております。これは定義ではなくて取 扱いですが。 ○日比野委員 このQ&Aのところで。つまり、その区別がなかなかつかないから、わか らないから誤解されるのではないですか。研究者の人はたぶん分かるのだけども、世間 の人が誤解するのはそういうことではないですか。 ○望月座長 Q&AのQ1に奨学寄附金の定義をきちんとすることにします。 ○日比野委員 Q1で奨学寄附金と他の寄附金とはどう違うのですか、と最初から入れて しまったほうがすっきりするのではないでしょうか。 ○望月座長 委員の先生方、その点についていかがでしょうか。 ○樋口委員 重複をいとわずで、両方に入れたらどうでしょうか。 ○望月座長 たしかにそうですね、大事な点ですから。そういう考え方で事務局、よろ しいですか、重複をいとわず入れてください。 ○審査管理課長 先日ヒアリングしていただいた方々のご協力も得ながらそこを明確に したいと思います。今追加で配付さしていただいたもののように、一括してこういう形 でなっている現実の大学もあるようですから、そこをクリアーに分けることができるの かどうか、努力してみます。 ○望月座長 ほかにお気づきの点ございますか。永井委員はいかがでしょう、今までの をまとめてご意見をください。 ○永井委員 やはり文書にしていただいて、もう1回読ましていただきたいと思います。 ○審査管理課長 事務局があまりひっかき回す立場ではないと思いますが、10頁の上の 奨学寄附金の関係です。また今やっているパブリックコメントの中にも出てくるのだろ うと思いますが、競合企業を選定していくというのがなかなか難しい作業だというのは、 私も指摘されておりますし、私が考えてもそうなのだろうと思います。これは企業にや ってもらうことになっておりまして、そういう意味で申しますと、企業に大きなリスク がかかる。後でそれが正しくなかったとかいうような議論になってくるのだろうと思い ます。  2点目は、奨学寄附金についてこのような形でディスクロージャを図っていただいて いるわけですが、先ほど申しましたように、それ以外の寄附との性格、即ち見返りがな い無償のものであるという性格等々考えていくと、ここだけ、いわゆる上限がないとい うのが果たしていいのかというご意見もあります。さらには、これは大学の関係者から、 支出項目をこのような形で分離会計している実態が今ないので、これをやろうとすると、 ものすごい負担が生じてしまうというようなことも一部言われておるわけです。今この 場でどうこうという話ではありませんが、パブリックコメントの中にはおそらくそうい うことが言われてくるのだろうと思います。またその時点でご検討いただくのかなと考 えておりますが、現時点においていろいろな方から聞いているご意見も織りまぜて申し 上げたところです。 ○望月座長 ただいまの課長の意見ですと、競合企業の選定が結構難しい。企業がやら なければいけないことになっています。それから上限がなくて、果たしていいのかとい うことと、支出にこのような分類をしていない組織にとっては、改めてこのような分類 をするのは非常に大変なことではないかということですが、この点に関して、永井委員 いかがでしょうか。 ○永井委員 そうですね。特にこの支出というのは、別にその奨学金だけではなくて、 プールして使いますが、そうしていない大学や研究所もあるということなのですか。ち ょっと状況がよくわからないですね。 ○審査管理課長 コンピュータに入って、いつでも引き出せるような状況ではないと聞 いています。そこはもう少し聞かなければいけませんし、パブリックコメントの中でど のような形で出てくるのか、それにもよるのだろうと思います。 ○望月座長 予めこういうように分類した形では持っていないということなのですね、 個々の支出は出ていても、たしかにそういう可能性はあるかもしれないです。そういう 組織でも書けるような書き方というのはないのですか。 ○審査管理課長 研究しておりません。 ○望月座長 みんなその他になってしまいます。 ○審議官 パブリックコメントをいただいてみないとなかなか、今にわかにというのは ちょっと。 ○望月座長 ほかの点で、上限についてはいかがですか。奨学寄附金あるいは先ほどの 純粋な学術研究その他教育に関する費用で、それに上限をつけるというのはいかがでし ょうか。 ○永井委員 上限をつけるのであれば、一括しないといけないですね。足し算しないと おかしくなってくると思いますね。そこの考え方の問題だろうと思います。 ○望月座長 そうなのです。 ○樋口委員 とりあえず3点あったので、第1番目が競合企業1つだけというのがかえ って難しいのではないか、そうなのかもしれないですね。しかし、別のところのその本 体のほうで3つとにかく選べという話になっているので、はっきりいえば3つのうちの どれか挙げてくれればよろしいというだけなのです。申請企業だけではなく競合企業の ほうも入れようというのが、全体的な話としてまずあるので、それはそうだとは思うの です、利害関係ということを考えれば。だから、やはり1つはあってもいいのかなと私 などは思ったということなので、間違っているかもしれません。  2つ目が、支出の割合ですね。先ほど笠貫先生が本当にそのとおりのことをおっしゃ ってくださったのですが、やはりこういう情報を、とりわけ奨学寄附金等についてはき ちんとしたお金なのだよということを世の中に理解してもらうためには、こういう形で ある程度の、どういうところに使っているのかということも見えてきたほうがいい。だ から割合が32.5%とか32.48%なんていうのを皆が望んでいるわけでも何でもなくて、 大まかなものでよいのです。各支出項目の、だからここにあえて「大まかな割合」とい う大まかなというのを付けてもらってもいいぐらいなのです。こういうところへ使われ ているようなお金を、企業が援助しているということが見えてくればいい。その見えて くるということで、慣れてくると、これについては別に上限なんかなくてもいいじゃな いかという、本当の奨学ということの意味がわかってくださるといいのかなという意味 ですが。そういうふうにうまく、うまい方へ歯車が進んでいくかどうかは、ここで私が 空理空論で言っていてもしょうがないので、やはり1回できればやってみてという、こ んなに心配していたとおりになったじゃないかと言うのだったら、そこは後退せざるを 得ない。後退というのかわからないですが、当然変えざるを得ないという感想です。 ○笠貫委員 奨学寄附金を国策との関係において国民の理解を得るかというのは非常に 大事なことで、それをこの中で強調していることからいえば上限を設けるのは筋が通ら ないと思います。  そういう意味では、奨学寄附金を、きちんとした目的に見合った使い方をしていただ ければいいという、主張はあっていいと思います。支出はいま各機関でやっている分け 方で、いいのではないかという感じがします。競合企業を入れるかどうかは1つという のも折衷案としては第一歩かなと思います。というのは奨学寄附金は国策上きちんと運 用していればいいということであれば、競合も入れるという姿勢は第一歩であって、そ れがもし不十分だというのが出たら、2つ、3つと増やしていくのも1つの方法と思うの です。そういう意味で、奨学寄附金を出す側の企業も戸惑いはあると思います。あるい は奨学寄附金をもらっている方も、これを開示することの戸惑いはあると思うので、そ の戸惑いがいいほうに出るのか悪いほうに出るのか、それを国民が本当に信頼する方に とってくれるのか、そうではないのかというのも、この新聞を見て思ったのですが、各 々の受け止め方と我々が利益相反でよかれと思っていることとのギャップがあるという のをつくづく感じましたので、基本的に樋口委員の言われたことに賛成です。 ○望月座長 大体の方向が樋口委員がおっしゃったような形で、まとめていけると思い ます。細かい支出がいくらかかったということをチェックしたり、収入はいくらどこか らもらっているかとか、それが目的ではないのです。正しく奨学の目的に合っていると いうことがきっちりわかれば、それで十分ではないかという議論ですが、いかがでしょ うか。 ○神山委員 やはりパブリックコメントをやって、それで25日にまたワーキングをやっ て、26日の分科会にあげようということに無理があったのだと思うのです。 ○望月座長 ごもっともです。 ○神山委員 パブリックコメントを受けて、考え直す必要があるのは、パブリックコメ ントのご意見を踏まえてもう一遍検討するということで、26日の分科会に挙げるとかい う無理なスケジュールをやめればいいことではないかと思うのです。 ○望月座長 それはもうこのケース1、ケース2、ケース3もどれを見ても26日という のはできないことになっております。今までの議論からいって、事務局のまとめる方向 としてはどうなるか、ちょっとコメントいただけますか。今まで出た意見に沿って新た に修文していただくということですが。 ○総務課課長補佐 そういたしますと、大きな骨格は変わっていないという理解でよろ しいのではないかと思いますので、真ん中のケース2に該当するのかと思っております。 そういたしますと、基本的にはまた事務局のほうで案を調整し、まとまり次第新しい案 でパブリックコメントを継続してやるという形なのかと思うのですが。前回のこともご ざいますので、これは先生方にお諮りしたい部分ですが、一応次回25日を日程的には確 保させていただいておりますので、全体でまたご議論いただきながらやったほうが確実 ということでありますならば、25日までに事務局で作らさせていただき、それで全体で もう1回ご議論いただいた上で、その案でパプリックコメントを開始するというのも可 能と思います。 ○望月座長 という形で25日までに皆様に一応新しいというか、本日の議論に基づいた 申し合わせの新案を出していただき、それと同時にパブリックコメントに出た意見も一 緒に加えていただいて、それをもって25日ワーキンググループをもう1度開く。もしか したら、あっという間に10分で終わってしまうかもしれませんし、2時間かかるかもし れません。その後、新たにパブリックコメントを1カ月間実施する。これは最終的には、 いずれのケースも3月末の薬事分科会を目指してワーキンググループも結論が出るよう 努力ということですので、決して1カ月以内2カ月ということはあり得ないということ で、前回のようなことはないようにいたしたいと思います。こういうことでよろしいで しょうか。委員の先生はほかに何か、本日これだけは言っておかないとという点ありま したら。 ○永井委員 現在の委員の方々の意見をよくお聞きしていただきたいと思います。当事 者ですので。 ○望月座長 このワーキンググループの委員ではなくてということですか。 ○永井委員 ええ、現在の薬事の審査に関わっている方々ですね。委員にも意見を求め たらいかがでしょうか。 ○望月座長 それはいかがでしょうか。 ○審査管理課長 今やっているパブリックコメントにつきましては時間的に余裕がない と思いますが、その次のときに委託委員に文書を送るなりの工夫をして、ご意見を賜り たいです。 ○神山委員 薬事分科会に所属する委員全員に送られているはずだと思うのですけれ ど。 ○審査管理課長 今送っているそうですから、それをまたまとめて、間に合うようでし たら次回25日にそれも提出したいと思います。 ○望月座長 では、それを次回のワーキンググループで見せていただいて、そこで最終 的に、新たな案を決めたいと思います。それからまたもう一度それに基づいたパブリッ クコメントを実施し、その後は予定としては今のところまだ日程を組んでおりませんが、 必要があればこの会合を開くことになります。なければそのまま薬事分科会に出させて いただくということで、よろしいでしょうか。  それでは本日は非常に遅い時間まで長時間にわたりまして議論していただきまして、 ありがとうございます。以上で終わりにしたいと思います。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)      - 1 -