07/12/11 第18回がん検診に関する検討会議事録 第18回がん検診に関する検討会 議事録 第18回がん検診に関する検討会議事次第             日時:平成19年12月11日(火)10:00〜11:44             場所:全国都市会館第1会議室             紹介先:老健局老人保健課保健指導係(内線3946) 1.開  会 2.議  題   (1)市町村事業における肺がん検診の見直しについて中間報告(案)   (2)その他 3.閉  会 ○古元課長補佐 おはようございます。佐川委員より若干遅れていらっしゃるという御 連絡をいただいております。それ以外の委員の皆様はお集まりいただきましたので、こ れから第18回がん検診に関する検討会を開催させていただきます。  本日の検討会におきましては、平成19年6月から御議論いただいております市町村事 業における肺がん検診について、報告書の取りまとめに向け御議論をいただく予定とし ております。  それでは、垣添座長に進行をよろしくお願いいたします。 ○垣添座長 皆さんおはようございます。早朝から全国よりお集まりいただきまして、 誠にありがとうございます。  今、事務局からごあいさつがありましたように、この検診に関する検討会も回を重ね てきて18回、本日は5つのがんの最後になる肺がんの中間報告をまとめるということで ありますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは、まず、事務局から資料の確認をお願い申し上げます。 (配付資料確認) ○垣添座長 よろしいでしょうか。  それでは、議事に移らせていただきます。市町村事業における肺がん検診の見直しに ついての中間報告案の目次に沿って、順次議論をしていただきたいと思います。  最初に「I.はじめに」と「II.検討の視点」について、事務局から簡単に御説明い ただければと思います。 ○古元課長補佐 それでは、「I.はじめに」及び「II.検討の視点」につきまして御 説明させていただきます。  まず「I.はじめに」でございますが、従前の報告書の記載ぶりとほぼ同様の内容が 多うございますので、特に今回加筆・修正した部分につきまして中心的に御説明をさせ ていただきます。  内容といたしましては、5ページをごらんいただきたいと思います。下から2つ目の 「○」でございます。がん対策推進基本計画についての記載からが、今回主な追加部分 となってございます。第16回本検討会でも御説明させていただきましたとおり、がん対 策推進基本計画が閣議決定されまして、その中で一番下の「○」でございますが、がん による死亡者数の20%減少及びすべてのがん患者及びその家族の苦痛の軽減並びに療養 生活の質の維持向上を10年以内に実現することを全体目標としており、その中では、死 亡者数の減少に向けた方策の一つとして、がん検診に関する次の目標が掲げられている。  6ページの枠の中は、がん対策推進基本計画からの抜粋でございますが、がん検診の 受診率について欧米諸国に比べて低いことも踏まえ、効果的・効率的な受診間隔や重点 的に受診勧奨すべき対象者を考慮しつつ、5年以内に50%以上(乳がん検診、大腸がん 検診等)とすることを目標とする。  また、すべての市町村において、精度管理・事業評価が実施されるとともに、科学的 根拠に基づくがん検診が実施されることを目標とする。なお、これらの目標については 精度管理・事業評価を実施している市町村数及び科学的根拠に基づくがん検診を実施し ている市町村数を参考指標として用いることとする。  以上が「I.はじめに」の主な追加分でございます。  続きまして「II.検討の視点」につきまして御説明させていただきます。  「1.対策型検診と任意型検診について」。本検討会では市町村事業におけるがん検 診ということですので、主に対策型検診について議論をさせていただいております。 (「II.検討の視点」朗読) ○垣添座長 「I.はじめに」と「II.検討の視点」の7ページまで御説明いただきま した。「I.はじめに」は今回の新たな状況として、がん対策推進基本計画がつくられ、 その中に検診のことも目標が盛り込まれているということ。それから、検討の視点は対 策型検診として市町村をベースにした検診をどう行うかという2点を中心に御説明いた だきましたが、何か御発言あるいは御質問等がありましたら、お受けしたいと思います が。 ○斎藤委員 「II.検討の視点」で、今事務局から御説明がありました対策型検診を主 に検討するという記述をこの中に入れた方が、より明確になるのではないかと思います。 ここまでの文脈で自明ではありますが、はっきり入れた方がよりよいかと思います。 ○垣添座長 そうですね。今、斎藤委員が御指摘の点をもう少し明確にするということ は、特に御異議はありませんね。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょう。  がん対策推進基本計画の中に盛り込まれている内容は皆さんよく御承知のとおりです し、これに従って粛々と進めていくということと、対策型検診として対象集団の死亡率 を下げることを第一目標にして、この検討は進められてきたということで先に進んでよ ろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ありがとうございます。では、続きまして「III.現状と課題」の「1.肺 がんに関する現状」について、事務局から説明をお願いします。 (「III.現状と課題」「1.肺がんに関する現状」朗読) ○垣添座長 ありがとうございました。  「III.現状と課題」の「1.肺がんに関する現状」ということで、性質と罹患率、死 亡率、予後に関して御説明いただきましたが、何か御発言ございますか。 ○金子委員 この肺がんの自覚症状ですが、先にこれが出てくると、肺がんにはみな症 状があるように思われます。むしろ末期まで無症状だというのを強調していただきたい と思うんですけれども。 ○垣添座長 つまり、ここに書いてある症状は末期にならないと出てこないということ ですね。そのように修文することに関しては、よろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。  現状ですから、大体皆さん御承知のことだと思いますので、先に進ませていただこう と思います。  では、続きまして「2.市町村事業における肺がん検診の現状と課題」について、説 明をお願いします。 (「2.市町村事業における肺がん検診の現状と課題」朗読) ○垣添座長 ありがとうございました。  市町村における肺がん検診の現状と課題ということでございますが、いかがでしょう か。 ○西井委員 最後の競争入札のところですが、文言はこのままで結構ですが、できれば 市町村や検診実施機関の事業評価・評価結果の公表等を推進するという一文を追加して いただければと思います。岡山県において以前、県の生活習慣病検診等管理指導協議会 が各市町村からのデータを集計し、この協議会で公表して、市町村が発注している検診 機関を間接的に、発見率や精検率という数値を使って評価するということをやり、大変 好評でした。このことを文言に入れていただければ、生活習慣病検診等管理指導協議会 の活性化に大いに役立つと思います。肺癌学会の調査で各都道府県の協議会のあり方が ものすごく違うことが指摘されていましたが、その辺りをもし入れていただければ、非 常に心強いかなと思いました。 ○垣添座長 ありがとうございました。大事なポイントだと思いますが、佐川委員、何 か御発言ございますか。 ○佐川委員 あの調査は東北大学の遠藤先生が主軸になって行われた、去年かおととし ぐらいの調査がありますので、そちらの方などを参考にして、少し詰めてもいいのかも しれません。  あと、「必要がある」を見て思ったんですが、推進するのは誰だという文言がないん ですけれども、それはこういう文章には書かなくていいんですか。 ○垣添座長 いや、私もそれは大変気になっています。やはりここのところをもうちょ っと強くしないと実効が上がらないかなと思います。この重要性はかねてから指摘され ているけれども、「必要がある」ではちょっと弱いのではないかと私も思っているんで すけれども。 ○古元課長補佐 現在、がん検診事業の評価に関する委員会を同時進行で開催させてい ただいておりまして、その中では国、県、市町村及び検診実施機関の役割というものを 具体的に詰めていこうと。ステークスホルダーを集めた会議でやらせていただいており ますので、この書きぶりについては御相談させていただきたいと思いますが、当然、主 語は関係するあらゆるステークスホルダーということにはなると思います。 ○垣添座長 それと、今言われた事業評価の検討会も作業を進めているということも ちょっと書いておかないと、単に「必要がある」だけではお念仏になってしまう危険性 があるということでお願いします。 ○大内委員 この部分に関しましては、過去の乳がん検診、子宮がん検診でもそうだっ たと思いますが、事業評価に関して具体的に都道府県に設置されている生活習慣病検診 等管理指導協議会という文言があったと思います。今、本会とは別にがん検診の事業評 価に関する検討会が動いていることは確かですけれども、その結論を待ってから書こう としているのか、あるいはもう完全に過去のそういった文言も削除した上で、一から再 度検討するということなのか、非常にあいまいになっていると思います。一番重要な点 は、どこが責任を持ってこういった評価を行うか、恐らく市町村が単独で行っても見え ないと思います。したがって、基本的には都道府県等の責任については記載すべきでは ないかと思います。 ○古元課長補佐 誤解があったようであれば大変申し訳ございませんが、本検討会にお きましても、これまで精度管理につきましては相当精力的な御議論をいただいておりま すし、今年6月にも報告書を出させていただいたところでございますので、当然それを 全くなきものにしてということではございません。それがベースとしてあった上で、具 体の形をどうということを議論しているわけでございます。考え方はそちらに基づいて やらせていただきたいと思っております。 ○坪野委員 22ページの下の肺がん検診受診率ですけれども、がん対策に関する専門調 査だと男性が45.6%で、国民生活基礎調査だと16.7%と3倍の開きがあるんですが、ど ういう理由でこんな開きが生じていると分析されているのか。  あと、受診率の指標としてはどれを中心に据えていくということをお考えなのか伺い たいと思います。 ○垣添座長 私も、これはちょっと疑問に思っていて、3倍ぐらいの差があるという国 民生活基礎調査と内閣府のアンケート、この理由は説明できますか。 ○古元課長補佐 22ページの下のグラフでございますが、国民生活基礎調査及び世論調 査ともに、個々の方にヒアリングのような形で「過去1年以内にがん検診を受けられま したか」といった聞き方をしております。まず、n数が随分違いまして、国民生活基礎 調査は27万世帯を対象にした調査、がん検診に対する世論調査は、有効回答数が1,500 程度だったと。3,000人を対象としまして、たしか1,500〜1,600人の回収率だったと思 いますが、n数が違うということと、あとは質問の仕方といたしまして、国民生活基礎 調査の方が「肺がん検診を受けられましたか」というだけの聞き方をしておりまして、 場合によっては結核検診だという認識をされてがん検診と本人が思われていなかった方 も、もしかしたらいらっしゃるかもしれないということで、今後、国民生活基礎調査に おきましては「がん検診を受けましたか」という聞き方だけではなく、どういった検査 内容かということまで調査員の方から御本人に御説明していただいて、少し精緻なデー タをとっていく形にしたいなと思っております。今後、どういった数値をメルクマール にして50%に向けていくかということにつきましては、実はまだ検討中でございますが、 ある程度の規模の調査なりをする必要があろうということであり、しかも、50%という のは市町村事業の検診だけではなくて、企業検診も含めたもので50%という考え方です ので、イメージとしては国民生活基礎調査に近いようなものが一番近しいのかなとは考 えております。ただ、これをそのまま使っていくかということについては、まだ決定は しておりません。 ○坪野委員 回収率について確認させていただきたいんですが、がん対策に関する世論 調査は大体50%ぐらいということでしたけれども、国民生活基礎調査というのは、それ よりはるかに高いものなんですか。 ○古元課長補佐 8割程度でございます。 ○坪野委員 そうすると、がん対策に関する世論調査は回収率は余り高くないので、検 診を受けている人がより偏って回答して、それで過大評価になっているという可能性も あるということですか。 ○古元課長補佐 そういったバイアスはあり得ると思います。正確な数字を申し上げま すと、世論調査の調査標本数が3,000でございまして、うち有効回収の数が1,767、回収 率としては58.9%でございます。片や国民生活基礎調査でございますが、調査客体数が 27万6,682世帯に対しまして、集計できておりますのが22万836世帯でございますので、 ざっと8割ぐらいはやはり回収率がございます。そういったバイアスの問題は若干ある かなとは思います。 ○坪野委員 多分、回収率のバイアスだけで3倍の差というのは説明できないと思いま すけれども、ある程度寄与している。恐らく質問の仕方などの違いがより大きな要因か なという気はしました。 ○垣添座長 ほかにいかがでしょうか。 ○祖父江委員 現状と課題の全体の認識として非常に重いのが、がんの罹患・死亡が並 行に推移しているというところだと思います。これは罹患率の測定が、がん登録によっ ていて、精度が余りよろしくないというところも一因あると思いますけれども、しかし ながら、ほかのがんに比べて、がんの死亡率・罹患率が並行に推移しているということ は、全国的に見ると検診が死亡率減少に対して成果を上げていないと解釈されるという ことを明言すべきじゃないかと思いますけれども。 ○垣添座長 それは非常に大事なポイントですね。そのように修文してよろしゅうござ いますか。 ○坪野委員 今の先生の表現だと、そもそも肺がん検診に有効性がないからパラレルに うつっていると聞こえますが、そういうことではないですよね。要するに、本来有効だ けれども、受診率が低いとか精度管理がうまくいっていないためにパラレルにいってい ないと。 ○森山委員 死亡率と罹患率が並行して上がっていくというのは、必ずしも有効でない とは言えないと思うんですよね。全く検診をやっていないときのデータから比べて同じ カーブであれば、役に立たないということが言えるんですけれども、あるところまでい ったらプラトーになってきますから、そこからは同じカーブになっていくはずなんです よね。 ○祖父江委員 余りよくわかりませんけれども。 ○森山委員 要するに、放ったからした場合100万人死ぬと。やって20万人減ったと しても、それは微々たるものとしても、20万人減らしたとしても、そのまま検診を続け ていけば、同じカーブであるところまでいくと上がっていってしまうわけですよね。だ から、検診が役に立たないというより、ここ数年間においては何の変化も起こっていな いということは言えると思うんだけれども。 ○祖父江委員 検診の有効性を言っているわけではなくて、現実の問題として対策とし ての効果を達成できていないと。 ○森山委員 不十分という表現ということですか。 ○祖父江委員 不十分というか、達成できていないということです。 ○鈴木老人保健課長 確認をさせていただきたいんですけれども、一つは罹患率と死亡 率のカーブの差、パラレルなのか、それとも罹患率はある程度あっても、死亡率更に下 がっているのであればどうかという話もありますし、もう一つは、検診による効果の問 題と、治療の進歩による効果の話とそこをどう書き分けるかということがあると思いま すので、そのところをもう少しクリアに言っていただけると、我々も文言を書く上でい いと思うんですが。 ○祖父江委員 勿論、乖離が起こる原因としては、早期発見が進んで死亡が減少してい るということと、治療効果によって生存率が上がって死亡が減少して乖離が起こると、 この2つの原因があって、死亡と罹患の乖離だけからはその2つは区別できないという ことです。今はパラレルですので、両方とも効果が上がっていないということであって、 並行に推移している場合は両者を区別する必要はないということじゃないですか。 ○鈴木老人保健課長 私の確認は、パラレルであるということがすべからく検診がきち んと行われていないからだけだとはなかなか言えないんじゃないかと。治療効果の話も ある程度言及しないと、両方あり得るということですよね。 ○祖父江委員 いえ、乖離していた場合は、どちらが原因かわからないというか、治療 の効果かもしれないし、検診の効果かもしれません、それはわかりません。今は並行に 推移しているので、どちらも効果がないと解釈できると。効果がないというのは、個々 の肺がん検診あるいは治療行為というのが効果がないと言っているわけではなくて、全 体の対策として、国全体として死亡減少につながっていないということです。その原因 としては勿論検診の効果が小さいということもあるかもしれませんけれども、精度管理 がうまくいっていない、受診率が低い、あるいは標準的な治療が普及していないという ことかもしれません。その原因はいろいろあるでしょうけれども、結果として対策がう まく実施されていないということを記述されたらどうかということを言っています。 ○垣添座長 検診を含め、対策がきちんと奏功していないという内容ですかね。 ○佐川委員 祖父江先生の研究は私も何回も聞いていますので、大体並行しているとい うのはよく理解している、全国的に見れば、幾つかの県では少し乖離があるけれどもと いうのは聞いているんですが、中間報告の19ページの図を見ると、女性では若干乖離し ているような感じもしないでもないと。勿論乖離していることが即検診の効果というわ けではなくて、罹患率、むだにがんもどきを発見しているという可能性がありますので、 決してこれがポジティブなデータとは言えないと思うんですけれども、何か乖離してい るように見えるんですが、どうですか。 ○祖父江委員 ご指摘のとおりで、男女で違うという記述にされた方がいいと思います。 幾つかの府県では、確かに岡山県ですとか、宮城県ですとか、新潟県ですとか、女性に ついては乖離がある程度はっきりしているんですけれども、男性については余りはっき りしていないということも確認されていますので、これは有意差があるとか、そういう ことができていないかもしれませんけれども、概観して男女に違いがあるということは 記述された方がいいと思います。 ○垣添座長 では、男女に違いがあるということは付記するようにいたしましょう。  ほかにいかがでしょうか。 ○西井委員 住民検診では女性の方が圧倒的に受診率が高いので、そのために女性には 検診の効果があるのだと感じています。科学的データではなくて、現場でやっている人 間の感覚ですが。だから、先ほど言われたように、やはり受診率を50%ぐらいまで上げ ないと、乖離が起こるほどの検診の効果は得られないのではないかと思っております。 がん対策基本法に挙げられている50%の数字を何とか達成したいと考えていますが、受 診率を上げれば乖離が起こるだろうという推定はできないのでしょうか。50%ぐらいま で受診率が上がれば、このぐらい差が出てきますよというようなことは、祖父江先生の データでは言えないのでしょうか。 ○祖父江委員 私のデータではなくて、それは死亡率減少効果というのが理想的な状態 でどの程度ということが確認されていますから、それを基に受診率が何パーセントであ れば、元の死亡に対してどれくらい減少するかということは推定できると思います。 ○垣添座長 がん対策推進基本計画の中の20%のうち、10%は年々経年的に低下してい ると。あとの10%のうち検診が50%達成できたら、たしか3.9%の減少でしたか、喫煙 率が半減して1.6%、均てん化で4.9%、トータルで約10%、合わせて20%ということで すから、50%達成できたときの推計ということになっています。 ○祖父江委員 それを肺がん限って特に計算をしてみると、やはりたばこ対策のウエー トの効果が若干大きくて、検診の効果というのは若干減りますけれども、肺がん検診と しての効果というのも2%ぐらいはあったかと思います。 ○垣添座長 ほかにいかがでしょうか。 ○森山委員 あと、諸外国というのが(3)にあるんですけれども、これはほかの国では 1か国もないと解釈してよろしいのでしょうか。 ○古元課長補佐 10ページの(3)の記述でございますが、平成18年5月に厚生労働省で がん検診の実施状況に関する調査を行ったところ、アメリカ、フィンランド等この国々 では肺がん検診は実施されていないということがわかったということでございますので、 一切世界じゅうでやっているところはないという主旨の記載ではないです。 ○森山委員 わかりました。普通に考えると、これだけを調べたのかなともとれるんで すが、国としてもほかにフィンランド、ノルウェーだとかデンマークだってあるし、オ ーストラリアはどうなんだろうという気もちょっとしたので聞きました。 ○垣添座長 そうしましたら、ここのところは調査をしたこれこれの国ではと。 ○森山委員 そうですね。以下の国について調査をされたが、やっているところはなか ったという表現の方がわかりやすいかと思います。 ○垣添座長 そうですね、そのように修文いたしましょう。  ほかにいかがでしょうか。そうすると「2.市町村事業における肺がん検診の現状と 課題」の中で一番大事なポイントは、10ページの2つ目の「○」の都道府県の責務を含 めて誰が事業評価をするかということと、管理協議会の強化といったことを具体的に書 き込む。もう一つは、そちらに関しては別の検討会で今、作業中であるということも含 めて修文するということでよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ありがとうございます。  では、先に進みます、続きまして「IV.検討及びその結果に基づく提言」の「1.肺 がん検診のスクリーニング検査の方法について」をお願いいたします。 (「IV.検討及びその結果に基づく提言」「1.肺がん検診のスクリーニング検査の方 法について」朗読) ○垣添座長 ありがとうございました。  これも大事な点ですけれども、肺がん検診のスクリーニング検査の方法について、い かがでしょうか。胸部エックス線検査及び喀痰細胞診検査に関しては、この2つの「○」 に書いてあることでよろしゅうございましょうか。つまり、非高危険群に対しては胸部 エックス線検査、高危険群、いわゆる喫煙者に対しては胸部エックス線検査と喀痰細胞 診でいくと。それから、二重読影と比較読影などを含んだ標準的な方法でやらなければ いけない、この2点でよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 では、(2)低線量CT。ここは低線量CTという名称でよろしいかという 点と、ここに記載されている点は非常に重要ですので、是非活発に御発言いただければ と思います。 ○金子委員 名称は低線量CTというのは非常に強調していただきたいと思います。私 はこれでよろしいかと思います。逆にこれをやれと言われても、多分今のマンパワー、 装置の数では現実問題不可能なんですよね。ですから、いいんじゃないかということで す。要するに、逆にやれと言われても、機械は大量生産できるかもしれませんけれども、 読影医が現実的には今の検診を数倍やるだけでも大変だと思いますから、すぐにはとて もできないと思います。 ○大内委員 (2)の低線量CTに関する記載については、調査研究をすべきであるとい うことなので、広く全国的に行うということではないと理解しています。  あと、私が問題にしたいのが、次のページの四角で囲ってあるところの[1]の検査方法 に「胸部エックス線検査及び喀痰細胞診によるのもとする」のみが記載されていて、今 後の低線量CTに関するRCTの必要性等については一切言及がないということが気に なっています。後ほど議論になるかと思いますが。 ○森山委員 今、大内先生が言われたことに賛成で、現状では対策型としては適切でな いと思うんですけれども、やはり議論をされたというのが外の出たときに、議論された けれどもいろいろ討論があった後にだめになったというニュアンスが是非わかるように していただきたいと思います。 ○垣添座長 だめになったとは言っていないんじゃないでしょうか。 ○森山委員 現状では対策型として行うことは適切ではないんですけれども、それを今 先生が言ったみたいに、四角のところだけ見るとばっさり首を切ってしまったというよ うな、問題にもしなかったよみたいなニュアンスになりますよね。 ○垣添座長 それは後で議論しましょう。  今、大内委員は調査研究をすべきであるという発言で、金子委員は仮に全国的にやる にしても現実問題できないと言われましたけれども、実態はどう思われますか。 ○森山委員 実態はできないと言うと、できない理由を探してくると何でも全部できな くなるので、本当にできるかどうか検討したわけではなくて、何となく今のままではで きないよと言っていたと思うので、やはり方向性としてはやるべきであるという形は表 明しておいた方がよろしいと思います。  それと、ちょっと脱線するかもしれませんけれども、アメリカなどでやっている早期 のものを探すとき、3年の追跡とか5年の追跡では死亡率は変わらないんですね。放っ たらかしておいても、それまでに死なないですから。そうしますと、やはりデザインな ども実際にやるとなると、金子先生が言われたように、専門家、ナチュラルヒストリー を知っている者が集まってやらなければいけないと思いますけれども、いずれにしても やるべきだと私は考えております。 ○垣添座長 その場合に、喫煙者を対象とするか、あるいは女性まで含めるかといった、 ここに書いてあるような対象者をどうするかに関しては、いかがですか。 ○森山委員 これはどれでもよろしいと思います。とにかくどれかが動けば、喫煙者だ けだったら喫煙者だけというのをワンステップとして、次にステップを上げていくのか、 それは今度はマンパワーとシミュレーションしてみて、できるものを割り出して、とに かくこの中のどれかはやった方がいいと個人的には考えております。 ○垣添座長 ほかに御意見ございますか。 ○坪野委員 3つ目の「○」が、実際に死亡率減少効果の評価をやるかどうか見通しは 立っていないけれども、しかし、仮にそれで有効性が確認されたとしても、すぐに対策 型検診に移せるとは限らないと。趣旨はそのとおりだと思うんですが、やや書き方とし て防衛的な感じがちょっとするのが気になります。2つ目の「○」と3つ目の「○」を 一つにまとめて、とにかく研究が必要だと。その研究というのは、死亡率減少効果をR CTでやる研究が必要だし、それと同時に、その費用対効果とか実施体制に関しての検 証も必要であるということで、もうちょっと前向きな方向でまとめても趣旨は変わらな いんじゃないかという感じがしたんですけれども。 ○垣添座長 私もそういう感じで2つの「○」を読んでいましたけれども、やはり後半 の「○」の内容も含めて調査研究あるいは検討、議論するということが必要なんじゃな いかと思います。 ○佐川委員 低線量CTに関しては、現在、対策型検診としては進められていないわけ ですが、現実的に任意型検診としてある程度行われているという現実があるわけですね。 そちらに関して一切コメントしなくていいのかどうかというのが、ほかのがん検診では どうだったんですかね。 ○垣添座長 例えば、胃がん検診のときの内視鏡検査とか、あれはどう書きましたか。 ○佐川委員 対策型としてはだめということだけだったかな。そもそも触れてもいない わけですよね。 ○垣添座長 一応、この検討会の検討の内容は、対策型を中心にやっているという大原 則があるのです。 ○佐川委員 わかりました。もし一つだけ入れるとすれば、いわゆる標準線量でやって いるところも実はあるんですね、任意型で。それはもうだめだということで、文脈の流 れとして余り齟齬がなければ入れてほしいなという気はしますね。 ○斎藤委員 今の佐川委員のコメントですが、内視鏡のときの整理がちょっとわかりま せんが、内視鏡とこのCTは様相が違うと思うんです。何か市民にとっては混乱を招く ような、より積極的なメッセージが出ているような印象があるんです。実際、例えば最 近のメディアの取扱い方でもそうですし、対策型検診を示した表の中にもそういったC T検診というものがメジャーなメディアに出たりしていますから、やはり気をつけなけ ればいけないところで、そういった任意型と対策型の切り分けについて言及することは 検討した方がいいんじゃないかと思います。 ○大内委員 胃がん検診に関する中間報告の資料が今ここにあります。その中では、書 き方はほとんど同じです。胃内視鏡検査による効果についてエビデンスが不十分である ため、対策型検診としては薦められないということと、今後、調査研究が必要であると いうことも書いてあります。そこを任意型ではどうのこうのという文言は今、確認した ところではなさそうです。 ○垣添座長 ありがとうございました。そうすると、ここの記述は一応同じ流れでいっ ているということですね。 ○佐川委員 もし、先ほどの私の意見を入れるとすれば、1つ目の「○」のところに標 準的な線量CTはあらゆる検診として有害が多いので、勧められないということを一言 入れていただければと思います。 ○垣添座長 高線量CTはとにかく勧められないということですね。それを入れること は別に問題はありませんか。では、それは入れることにいたしましょう。  2つ目と3つ目の「○」を合わせて、こういったことに関して調査研究をする必要が あるということを書き込むということで、ここはよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 では、先にまいります。 (「2.検診間隔について」朗読) ○垣添座長 これはいかかでしょうか。  では、特に御発言がなければ、先に進みます。 (「3.検診の対象年齢について」朗読) ○垣添座長 いかがでしょうか。 ○坪野委員 2つ目の「○」の下から3行目に「60歳から69歳の者」とあるんですが、 年齢を特定して記述すること自体は特に異論はないんですが、どういう理由でこの年代 が挙がっているんでしょうか。罹患率が高いとか、死亡率が高いとかそういうことです か。 ○祖父江委員 ほかのがん検診に比べると非常に限定された年齢層になっています。年 齢階級別の罹患率を胃がん、大腸がん、肺がんと比べてみると、胃がん、大腸がんとい うのは50歳ぐらいからかなり上がるんですけれども、肺がんについて言うと50歳ではま だ余り上がっていなくて、60歳、70歳というところで急に上がると。そこでの罹患率が 高いという理由です。 ○坪野委員 例えば、70歳代よりも罹患率が高いんですか。それとも、罹患率の上昇が 顕著になる年代という意味ですか。 ○祖父江委員 絶対値が高いという意味です。ほかのがんと比べて、大体同程度になる 年齢が60歳ぐらい。 ○鈴木老人保健課長 15ページに罹患率の部位別・年齢別が出ていますが、肺がんはや はり胃・大腸に比べて遅い年齢層になっています。 ○大内委員 罹患率の年齢階級別で、確かに40歳代とか50歳代は60歳代に比べれば、ず っと少ないのですが、具体的にがん死亡率を年齢階級別に見た場合に、40歳から肺がん による死亡率が第1位です、少ないと言っても。その辺のことも考慮されてはいかがか と思うのです。60歳からということがここに明記されると、60歳未満に対する配慮が欠 けるような気もいたします。男子がんの死亡原因の第1位が40歳から肺がんであるとい うことはデータとしてあるわけですね。 ○垣添座長 ここは受診の機会を40歳以上すべての者として、事業評価の観点でここの 部分を対象にするという記述だと思いますが。 ○斎藤委員 今まさに座長がおっしゃったとおりで、11ページの1に記述がありますが、 精度管理をやらないと効果が期待できないということに対応しますと、精度管理を重点 的に集中的に狭めたターゲットでやるというのは、妥当性があるのではないかと思いま す。 ○祖父江委員 全くそのとおりで、年齢幅を広げると精度管理指標に関して数値設定す る場合に、60歳ですと適切な発見率というようなことを提示できるんですけれども、40 〜69歳ということになると、かなり幅も広い数値設定になるので、そういう観点からも ターゲットを絞った方がいいのではないかということを言っているのだと思います。 ○鈴木老人保健課長 60〜69歳という年齢をここでスペシフィックに特定することが目 的なのではなくて、ここは例えば好発年齢とかリスクが高い群を中心にこういうターゲ ット化をしてはどうかということの提案で、また別途議論するということになっていま すから、もし、ここで具体的な年齢層について言及することがどうかということであれ ば、例えば「好発年齢層」という言葉に置き換えるとかそういうことでも可能でしょう か。 ○垣添座長 いかがでしょうか。 ○斎藤委員 精度管理を集中的・重点的にやるというのは、記述にあるとおり、欧米の 成功例では標準的なやり方なんですね。ターゲットを絞るということは、つい最近この 検討会で具体的に議論が出てきたことでありまして、それまでは旧老人保健事業の対象 年齢がそっくりそのまま横並びでやってきたということがあります。その結果、精度管 理は全く実効性がなかったということがありますから、ここでやはり一歩踏み出す必要 があるわけで、そこで具体的な年齢を提示するというのは一定の前進ではないかと思い ますが。 ○坪野委員 具体的に絞る議論をするのはいいんですけれども、例えば、喫煙男性とい うのは明らかですよね。ハイリスク群だからそこにターゲットを絞るという話だと思い ますけれども、60〜69歳に絞る根拠は何なのかというのがよくわからない。つまり、発 見率が高いとか、罹患率がほかの年代と比べて高いとか、他の臓器と一緒になるとか、 何か理由を示さないと、ちょっと理解しづらいのではないかという単純な質問です。加 齢に伴う罹患率の上昇が60歳代で顕著になるということですか。 ○祖父江委員 そういうことです。 ○森山委員 70歳は高いですよね。そうすると、悪くとると、70歳以上はどうでもい いみたいにとられてしまうことはないでしょうか。 ○祖父江委員 ですから、年齢について上限の議論をするというのも大切なことで、罹 患率だけからいくと年齢が上がるに従って上がるわけで、そこをターゲットにすべきと いうことがあるかもしれませんけれども、一方で、不利益ということもあって、高齢に なると不利益の発生する確率といいますか、そういう事象の出現確率が非常に高まると いうことで、利益と不利益のバランスを考えた場合に、高齢者に一様に検診を勧めるの はいかがなものかという考えがまた別途あるというところで、下限・上限を設定してタ ーゲットを絞るということが必要ではないかと思います。 ○森山委員 ターゲットを絞るのは勿論賛成なんですけれども、年齢を入れることによ って今のような本来の趣旨と違った誤解を生むのではないかということで、60〜69歳と いう具体的な年齢をここで入れるのはどうなのかと。  確かに高齢者になってくると不利益が出てくるんですけれども、では、70歳の人を集 めて本当に不利益とどっちが上回ったかというスタディも行われていないと思うんです よね。そうしますと、そういう可能性があるということだけだと、年齢を限定してここ に表現するということは、一歩前進ともとれるんですが、逆に本来の趣旨と違った誤解 を招く可能性があるのではないかと危惧いたします。 ○佐川委員 それでしたら、やはりここは好発年齢ぐらいにしておいて、あとまた別途 議論するということでいいんじゃないでしょうか。現実的には例えば80歳代を精度管理 するというのは著しく困難で、例えば、80歳代の精検受診率を上げるというのは、家で 寝ている人もいるかもしれないので意味がないというか、無理なんですよね。ですから、 検診の対象になりやすい方の、要するに努力すれば上がるような、そういったものをタ ーゲット層にして、そこで事業評価をして、勿論80歳代でも受けたい人は受けるという ことで構わないと思うんですけれども、80歳代の受診率を上げようと必死になるという のは、ちょっと難しいかなというのがありますので、ターゲット層を絞ること自体は悪 くないと思います。ここは、その前段階の議論しようという話ですので。 ○垣添座長 二通り御意見がありますけれども、先ほど課長から提案の妥協案といいま しょうか、ここでは一応「好発年齢」ぐらいにしておいて、60〜69歳というのは一旦置 いておいて今後の検討に回すと。ほかのがん検診等を含めて検討するということにさせ ていただいてよろしゅうございますか。一歩後退ですか、どうでしょうか。 ○大内委員 私は、非常に大事なポイントだと思っています。できれば年齢は入れたい。 入れるとすれば、私は50歳からだと思います。つまり、グラフを見ると明らかなように、 男性は50歳代で10万人対43人亡くなっているわけです。女性でも20人亡くなっています。 それは40歳代に比べてもけたが違うわけです。 ○斎藤委員 好発年齢と言いますと結局元に戻るんですね。上限は設定できません。で すから、一歩下げて年齢の記載をもしやめるとしても、さっきの祖父江委員の指摘の中 にありました、不利益の勘案ということを新たに入れておく必要があるかと思います。 ○西井委員 現実的に60歳から男性が退職されて、住民検診にどっと入ってくる時期な ので、そういう方たちは会社の検診をきちんと受けられていた方が多いので精度管理が しやすい対象です。だから、60歳代からにしていただければ、検診機関や市町村はきち んと精検受診率も上げられると思います。 ○佐川委員 大内先生の御意見では、50〜69歳ですか。 ○大内委員 対象年齢をある程度絞り込むということに私は総論的には賛成です。その 突破口になるのではないかと思っていますが、60〜69歳を採用することには抵抗があり ます。かといって、40歳というのは若過ぎますし、いろいろ御意見を伺っていると精度 管理の問題点も含めて考えれば、50〜69歳というのを一つの案としていかがでしょうか ということです。 ○森山委員 それは現場でやっていたりとか外来を見ていますと、今の70歳の人はすご くピンピンしていますよね。70歳以上は必要ないという文言が出たときに、私が住民で あって、しかも70歳というのはほとんど仕事をしていないと思うんですけれども、やは り打ち切られたという感覚を持ちますよね。 ○垣添座長 この後議論される四角の中に、40歳以上とするということは書き込まれる わけですよ。 ○森山委員 だけれども、上は今言ったみたいに69歳としてしまうと、また、この文言 によって都道府県でもそれ以上はやりませんと、特に今のようにお金を掛けたくないと いう都道府県も現状ではたくさんあるわけですから、そうすると、それが打ち切りにつ ながるのではないかということを心配しますね。50歳代を入れるのだったら75歳にする か、エビデンスは確かにないので難しいんですけれども、最初はかなり文句が出るんじ ゃないかと思いますけれども。 ○鈴木老人保健課長 私がお聞きしている範囲では、かなり年齢についてもさまざまな 御議論があるという現実と、もう一つは、肺がん検診だけではなくて、同じようなター ゲット層の考え方というのは、ほかのがん検診でもやはり検討する必要があって、そこ は一定程度の同じような、勿論リスクは違いますから同じ年齢にはならないと思います が、同じような考え方で整理をしなければいけないということからすると、肺がん検診 の報告の中で具体的な年齢を記載するというよりは、きちんと年齢等でターゲットを絞 るということを書いて、そこを改めて議論すると。ただ、斎藤委員がおっしゃったよう な不利益というものについてもちゃんと考慮すべきだということは記載していただけれ ばと思います。 ○坪野委員 今の鈴木課長の意見とほとんど同じですが、「好発年齢」というと高齢者 ほど重要だということは今までと変わらないじゃないかという話なので、例えば「特定 の年代」として、特定の年代を何を基準に選び出すかというのは、これから他の臓器と の整合性も踏まえて考えていけばいいのではないかと思います。 ○垣添座長 ありがとうございます。大体そこに落ち着くような感じがいたしますね。 「特定の年齢」としておいて、ほかのがん検診等も含めて検討すると。それから、不利 益も含めて検討するというような内容の整理でいかがでしょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 では、そうさせていただきます。  この部分の最後の四角の中の説明をお願いします。 (「肺がん検診に関する提言」朗読) ○垣添座長 今の議論と引き続いてのことになりますが、いかがでしょうか。先ほど大 内委員が御指摘の[1]に関して。 ○大内委員 [1]で「○」が1つだけなのが、どうしても気になっていまして、胃がん検 診については「○」が2つありまして、1つ目が胃エックス線検査によるものとするこ とと、2つ目が、ただし胃内視鏡検査については、がん検診における有効性を評価する ために、死亡率減少効果という観点から研究を行い、データを集める必要があると記載 されています。それから、乳がん検診についても3年ほど前ですが、超音波検診につい ての研究が必要であるということが最後の四角の中に明記されています。このがん検診 検討会の中である意味積み残しがあるのは、乳がん検診の超音波、胃がん検診の胃内視 鏡、今回議論もあります肺がん検診においては、やはり低線量CTだと思います。その ことについて、何らこれから前向きに検討しなくていいのかということですね。  肺がん検診について、胸部エックス線及び喀痰細胞診のみで本当に肺がんの死亡率が 減っていくのかということ、これは皆さんそうお考えなのでしょうか。それがこの国の 肺がん対策として、肺がん検診のスタンダードとして、これからもずっとそれでいいと お考えなのでしょうか。祖父江先生にお聞きしたいのですが。 ○祖父江委員 それはやはりきちんと手順を踏んで、より有効性の大きい検診に移行し ていくというのが望まれるところで、低線量CTというのはその有力な候補だと思いま す。ただ、きちんと手順を踏んでということが必要なので、有効性の評価をした上で行 政の施策として導入していくのは外せないと思います。 ○垣添座長 先ほどの低線量CTの議論を、やはりこの四角の中にも文言として入れる べきであるということが大内委員の御発言だと思いますが、それはよろしゅうございま すね。単にこれだけだと現状の再確認だけになってしまうということだと思いますが。  では、低線量CTに関する調査研究が必要であるという、先ほどの議論の内容を含め た一文を加えるということにいたします。  ほかにいかがでしょうか。 ○金子委員 27ページに検診機関のチェックリストがありますが、その中に禁煙指導と いうのが入っているんですが、提言の方に全くないので、やはり検診機関では喫煙者に は禁煙を勧めるというのも一言加えていただきたいんですけれども。 ○垣添座長 ちょっと散漫になりませんかね。この四角の中は本当にエッセンスなので。 金子委員の御指摘はよくわかります、おっしゃるとおりだと思いますけれども。「おわ りに」の方がいいんじゃないでしょうか。 ○金子委員 「※」のところにでも入れていただけると。「着目し」とあるんですけれ ども、禁煙指導を行うというのも是非。 ○垣添座長 「※」の中に入れるというのはよろしいかな。 ○森山委員 今回フォーカスを当てているところは検診のことなので、この検診の提言 の中に禁煙運動を一緒に入れるというのは、分類の上から非常に不完全な感じがするの で、やはり「おわりに」とかもっと別に、四角の中に入れないでどこかに記すというの がよろしいかと思います。 ○垣添座長 わかりました。前言撤回、四角の中に入れないで整理しましょう。重要性 はよく認識していますが、この検討会は検診に関する検討会であるということで、その ようにさせていただきます。  ほかにいかがでしょうか。[3]対象年齢のところは、先ほど盛んに議論いただいた内容、 特定の年齢層に関して不利益等も含めて更に検討する必要があるというような一文を加 えておきましょうか。それも「※」のところになりますかね。それでよろしゅうござい ますか。  ほかにいかがでしょうか。 ○斎藤委員 さっきの別の件での発言と関係するんですが、11ページの方法についての ところで、精度管理をやらないと効果が期待できないということを強調した方がよいと 思います。繰り返しますが、これは[1]の中か、あるいは追記の中に何らかの形で入れた 方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○佐川委員 私も賛成です。[1]に入れ込んでしまったらいいと思いますね。 ○垣添座長 よろしいでしょうか。それでは、[1]に今の御指摘を入れましょう。  この四角の中、今御指摘の幾つかの修正でよろしゅうございましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 では、最後に「V.おわりに」をお願いします。 (「V.おわりに」朗読) ○垣添座長 ありがとうございました。  先ほどの禁煙の話は一番最後の「○」に含めると。もう少し具体的に書き込むという ことでよろしゅうございますね。  ほかにいかがでしょうか。 ○佐川委員 先ほどの金子先生の指摘が非常にいいものだと思うんですね。5つ目の 「○」はいわゆる国民のやることとなっているわけですけれども、勿論それも大切なん ですが、検診機関というのもそういうことにきちんと向き合うべきだというような書き ぶりで、金子先生の御意見を入れていただければと思います。 ○垣添座長 検診機関としての検診事業を行うだけではなくて、予防のことも含めてと いうことですね。 ○内田委員 これは多分この機会ではなくて、在り方の検討会の方で議論する話だと思 うんですけれども、しかしながら、この検診の目的が受診率の向上と精度管理の向上に よって死亡率を下げるというところにある以上は、やはり十分な財政的な配慮と検診シ ステムに関する抜本的な見直しといったようなことを盛り込んでいただかないと、ここ の書きぶりは何となく腰くだけというか、非常に弱いと。これで基本計画にある50%の 検診受診率の達成は到底達成できないであろうということを非常に強く危惧します。 ○垣添座長 ありがとうございます。大変重要な御指摘だと思いますが、いかがでしょ うか。事務局としては、そこまで書き込まれると困りますか。 ○鈴木老人保健課長 今まさに内田委員がおっしゃったように、もう一つの研究班で、 これは一つのがん検診だけの問題ではありませんので、そこで全体としてどう整理され るか、どう書き込めるかというところを検討していただければと思います。 ○垣添座長 でも、この肺がん検診に関しても、やはり書き込むべきであるという御発 言だと思いますが。 ○坪野委員 少なくとも受診率の向上に必要な措置というようなことぐらいまでは、財 政ということまで言うかどうかは別にして、一番最初で今回新しく付け加わったことと して受診率の目標値が出たということを言っているわけですから、それを受けて最後に 言及するということはできるんじゃないかという気がしますけれども。 ○鈴木老人保健課長 また書きぶりは座長に御相談しますが、3番目に国等の責務と書 いてありますので、そこで受診率向上、必要措置と書くか、もしくは冒頭を整理するか はちょっと考えますけれども、御趣旨は生かしたいと思います。 ○佐川委員 全体に対する話も出たので、ついでにと言っては何なんですが、多分ほか の先生方も皆さん感じていらっしゃると思うんですけれども、受診率を上げるといって も、要するに受診率の何を上げるのかということもわかっていない現状というのがある わけです。どの数字をどうするのか。在り方の方でやっているのかもしれませんけれど も、そういうものをきちんとしなければいけないということは、多分余りにも当たり前 過ぎて言う気も起こらないという感じだと思うんですが、重要だということは間違いな いと思います。要するに羅針盤がない状態で走っているようなものだということですの で、お願いします。どう入れるかはちょっとわかりませんけれども。 ○内田委員 もう一つ、精度管理のことなんですけれども、やはり検討会の認識と地方 に行ったときの現場の認識というのは、かなりギャップが大きいと思っています。それ は、これまでのがん対策の中で、非常に取り組みが遅れている一つの原因だと思うんで す。最後のところに精度管理の向上については、事業評価のためのチェックリストの活 用であるとか、情報センターにおける検診に関する情報提供に関して、それを活用する というような文言を具体的に入れておいていただくと、多少は違うかなということを感 じます。 ○垣添座長 今の内田委員の御指摘を文言として加えることに関しては、皆さん特に御 反対はないと思いますが、よろしいですね。では、そのようにさせていただきます。  ほかにいかがでしょうか。  それでは、最後にチェックリストに関して。 ○古元課長補佐 26ページをごらんいただきたいと思います。「肺がん検診事業評価の ためのチェックリスト」ということでございます。肺がん検診のためのチェックリスト、 検診機関用、市町村用及び都道府県用。続きまして、仕様書に明記すべき必要最低限の 精度管理項目(肺がん検診)ということになっております。  枠の中を読み上げさせていただきたいと思います。 (「肺がん検診事業評価のためのチェックリスト」朗読)  今年6月におまとめいただきました、先ほど大内委員からも言及いただきました事業 評価の手法につきましては、以下のホームページにも載っておりますので、そちらを御 参照いただきながら27ページ以降のチェックリストをごらんいただきたいという趣旨で ございます。27ページが検診機関用チェックリスト、28ページが市町村用チェックリス ト、29ページが都道府県用チェックリスト、31ページが仕様書に明記すべき必要最低限 の精度管理項目ということでございます。こちらは前回の本検討会におきまして、佐川 委員より御説明をいただいたものでございます。  以上でございます。 ○垣添座長 ありがとうございました。いかがでしょうか。 ○斎藤委員 このチェックリストができたことによって、事業評価のための現場でのツ ールができたというのは非常に進歩で喜ばしいことだと思うんですが、一つ現実的な問 題を指摘したいと思います。それは、このチェックリストの中で今まで余り現場で考え られていなかったことが、大きく2種類ぐらい項目としてあるんですね。一つは、受診 歴の把握に初回かどうかということを要求しています。そうしますと、例えば28ページ の市町村版の2の3−cを見ますと、過去3年間の受診歴を記録しているかということ がそれに伴った項目としてあります。それから、もう一つは、30ページに「8.不利益 の調査」というのがありまして、不利益というのが最近この検討会でやっと国際標準と は言いませんが、具体的に取り上げられるようになりましたが、このモニターは精度管 理上最も大事で基本的なものの一つであります。こういうものを入れるとしても、旧老 健データの集計表に反映されていないと、実際にはこういったデータがとれない、精度 管理ができないということになります。実際最近も幾つかの現場と接触しておりますが、 よく見ているところはこういった情報をすでにチェックリストが作成され公表されたほ かのがん検診について見ていまして、集計はどうするかという問題点が現場から既に指 摘があります。ですから、集計表の改訂ということを具体的に対応させていく必要があ るかと思います。 ○垣添座長 ありがとうございました。今の点に関して、西井委員はいかがですか。 ○西井委員 現実には我々のところでも調べておりません。特に不利益に関しては。6 か月以内に肺がんになるということは、いわゆる指摘漏れ(見落とし)の症例のことだ ろうと思いますけれども、検診受診者名簿とがん登録とをマッチングさせないと調べら れません。それ以外の方法では、県についても市町村についても検診機関についても無 理だと思います。現在それを求められておりませんので、そういうことはできておりま せん。実際に、もし老健法の集計表でそこまでしなさいと言われれば、良心的な検診機 関ならやることは可能だと思います。我々としてはそうしたいと思っていますので、何 らかの法的根拠があればすぐにでも取り組めると思います。 ○斎藤委員 この追加分の内容については、実施可能かどうかというのは日本対がん協 会支部で調査しておりまして、現状ではできないというところがたしか半分くらいある と思います。ただし、追加することによって今の西井委員のコメントと同じように、今 後、検討する、集計できるような対応ができるという感触を得ておりますので、やはり 今回フォーマットに入れるかどうかということが、今後の精度管理向上につながる要点 ではないかと思います。 ○垣添座長 入れなくていいのではないかというような御意見の方はおられますか。今 の斎藤委員あるいは西井委員の御発言のように、入れればやはり一歩あるいは半歩前進 するということで、加えることにいたしましょうか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ほかにいかがでしょうか。 ○金子委員 このチェックリストですが、私はちょっと不勉強でわからないんですが、 少しでもやっていれば「やっている」でいいんでしょうか。要するに何パーセント受け ているか、そういう数値目標は要らないのでしょうか。例えば、精検率を1人でも把握 していれば、把握しているになってしまいますから、何パーセント以上把握していると かそういう数値目標は要らないのかどうか。ただ、上の方のフィルムサイズを明らかに しているとか、あるいは二重読影しているかというのは、やっていると言えば全部やっ ているわけですけれども、ほかは把握を1人でもしていれば、把握していることになっ てしまうのかどうか。そういう数値が要るのではないかと思いますけれども。 ○垣添座長 この点は、ほかのがんに関してはどうでしたか。 ○佐川委員 数値目標の設定については非常に難しいというか、バックグラウンドは非 常に異なるような集団、例えば、若い人を中心とか、年寄りを中心でもいろいろなもの が10倍も違いますので、今回のこの一連のチェックリストあるいは仕様書では、そうい った形では規定していないものがほとんどです。  数値目標はいろいろな形でつくるべきじゃないかという話は出ていて、斎藤班の方で はそういった動きもあるんですけれども、個人的にはかなり難しいだろうとは思ってい るんです。つくれるものもあると思うんですが、いろいろなものについて決めていくと いうのは結構……。先ほどのターゲッティングというか、ああいう形にするとちょっと つくりやすくなってくるというか、罹患率がある一定のところに来るもので、発見率を どうのこうのというのは可能だと思うんですが、現状ではすぐには難しいかなと思いま す。 ○金子委員 その辺是非、先ほどの事業評価のターゲット、何歳にとっては必要という のはあるといいんじゃないかと思います。 ○垣添座長 斎藤委員、何か御発言ありますか。 ○斎藤委員 数値目標の設定には今後おそらくかなり長い道のりがありまして、えいや と決めるのもある程度は仕方がないと思いますが、全く根拠なしというわけにはいきま せん。段階を踏んで決め方を検討していく必要があるので、検討課題として時間を掛け てやるべきです。ただし、今示せるものも、さっき佐川先生がおっしゃったとおりあり ますので、そういう段階を踏んで設定していくということになるかと思います。 ○森山委員 このチェックリストは、後でこれについて調査する可能性がありますよね。 しばらく経ってから。そうすると、これをどこかのホームページに載せて、チェックを つければいいような空欄をつけて何かのときに。例えば、これを見ながら報告するのは とても面倒くさくてできないと思いますので、そういう操作というのは今まで行われた ことはあるんでしょうか。将来的に調べるということは当然起こると思うので。 ○垣添座長 チェックリストに詳しい方あるいは事務局から何かお答えはありますか。 要するに電子化しようということですね。 ○森山委員 そういうことです。 ○斎藤委員 まず、これは精度管理のためにつくっているわけですから、本来であれば こういう事業評価を全国的に始める前にやっておいて、しかるべき後に向上したかどう かということを比べる、そういう基になるベースラインのデータが必要なので、今調査 する必要があると思います。実は、昨年調査するという話もあったんですが、立ち消え になりまして、今まだベースラインのデータがとれていないという問題があります。調 査についてこれからでも是非御検討いただきたいと思います。  それから、これについては研究班で検診の旧老健データの様式の入力システムをつく っておりまして、その中にこのチェックリストも入っていますので、それはWeb上で 簡単に入力・集計することができます。そういった集計も一部検診機関では既にやって おりまして、実行可能であるということが確認されております。 ○佐川委員 チェックリストの持つ意味合いというのは、いろいろあり得ると思うんで すけれども、一つは、生活習慣病検診等管理指導協議会が、実際、各都道府県で非常に 沈滞している状況なんですけれども、何をすればいいかわからないと、必ずしもがん検 診に精通している方ばかりではありませんので、精通している方でも精度管理に精通し ているわけではないわけです。そういったものに対してツールとしてのものを提供でき れば、比較的活動もよくなるんじゃないか。実際には7〜8年前にも旧久道班の在り方 に関する研究会で、かなりのアウトラインを出されていたわけですけれども、それをよ り発展的な形で提起できないか。更にPRする中でやっていけないかというのがありま して、そういうような研究の前後でやるということのほかに、とにかくこれを進めてい くことが精度管理をものすごく上げることになっていくに違いないと私などは考えてい ます。 ○金子委員 市町村と検診機関に比べて都道府県の方がかなり詳しくなっているんです けれども、2、3、4、5に関しては市町村から上がってくるのを自動的に集めていけ ばいいと思うんですが、6に偽陰性例というのが突然出てくるんですが、各市町村など がやっていないのを都道府県が独自にやれという意味なんでしょうか。これが実は一番 大変だと思うんですけれども。 ○斎藤委員 これは具体的には、がん登録等による偽陰性例の把握が基本になりますの で、やはり都道府県のタスクであるという位置付けになります。 ○金子委員 がん登録をやっていないところはできないと理解してよろしいですか。 ○斎藤委員 そうですね、今のところできない。ただし、がん登録がなくても、ある一 定の系統的な方法での把握、例えば、市町村担当者がサーベイをするとかそういうこと は現実に今までもありますので、次善策のそういう方法でということもあるかと思いま す。 ○金子委員 これは、各市町村はやらなくてもいい、できないわけですか。 ○斎藤委員 これは市町村には荷が重くてということで、やはりできないことは書けな い。どこができるか、どこがやるべきかという議論も踏まえて、こういった役割分担に してあります。 ○大内委員 並行して走っていますがん検診の事業評価に関する検討会の中で、これが 具体に議論されていると私は理解していますが、これで肺がん検診も含めて5つのがん 検診がそろうわけですね。このチェックリストについては、例えば、宮城県においては 最初に肺がんから始めまして、もう5年ほど経過しています。金子先生が最初に言われ たように、どうやって点数化するかということで、ある程度の項目をまとめて、そのう ちの例えば3分の2以上を達成しているところもある、そういった形で例えば10項目ま で整理して、そのうちの何項目まで達成しているかということで、A、B、C、Dとい うランク付けをします。これは肺がんのみならず、乳がん、子宮がん、大腸がんすべて まとまったのですが、それで各市町村の実態を見ています。肺がんについては、佐川先 生が詳しいかと思いますが、最初の年度はCとかDもあったのですが、年々よくなって いまして、確実に精度向上になっています。同じようなことを他のがん検診についても 行うということで進めていますので、今後のスケジュールとしては、今、斎藤班でこの 事業評価項目が確定して、データベース化も考えているようですので、今後まずは市町 村で把握しているかどうかを都道府県がチェックするということから始まっていくのだ ろうと思います。都道府県が動かないと上がってきませんので、先ほどの議論に戻りま すけれども、やはり都道府県に設置されている生活習慣病検診等管理指導協議会の方で 動きがないと、なかなかチェックできないかと思っています。そういった仕組みについ ては、この会ではないかもしれませんけれども、やはりきちんとした形で国の役割、都 道府県の役割、市町村の役割ということで明記されているかと思いますが、そういう状 況にあると思っています。 ○垣添座長 御指摘のとおりでしょうね。 ○斎藤委員 今のに関連して、参考までに、班での検討状況を申し上げますと、市町村 版は完成しました。くしくも宮城県ですが、宮城県の生活習慣病検診等管理指導協議会 のデータを集計するのに使わせてくれという依頼がありまして、今その集計システムを 使ってチェックリストに関して集計しているところです。  今後は、機器や技術に関する項目、チェックリストで言うと、検診機関の1番、2番、 3番の辺り、それから、いわゆるプロセス指標、そういう項目ごとにまとめて評価して、 何らかの形でフィードバックするという作業を来年度やって、都道府県版を完成して、 大内委員がおっしゃったように、実際に都道府県で使える形にするという作業工程を考 えております。  以上です。 ○垣添座長 ありがとうございました。よろしゅうございますか。大変活発な御議論を いただきまして、ありがとうございました。本日いただきました議論を踏まえまして、 本検討会の中間報告書の作成については座長に一任いただけますでしょうか。当然、事 務局と相談いたしまして、今日いただきました意見を取り入れて修正して、皆様方にメ ールで御確認いただいた上で、中間報告として提言したいと思いますが、よろしゅうご ざいますか。 (「異議なし」と声あり) ○垣添座長 ありがとうございます。  では、最後に少し時間は早いですけれども、事務局から何かありますか。 ○古元課長補佐 市町村事業における肺がん検診の在り方につきまして、活発な御議論 をいただきまして、ありがとうございました。  最後に、安達がん対策担当審議官からごあいさつを申し上げます。 ○安達大臣官房審議官(がん対策担当) 本日は、熱心な御議論をどうもありがとうご ざいました。冒頭、座長からも御紹介がございましたように、本検討会につきましては 平成15年12月に第1回を開催いたしまして、乳がん、子宮がん、大腸がん、胃がん、そ して今回の肺がん検診ということで、本日までに延べ18回にわたり御審議をいただきま した。本日をもって本検討会は最後となりますが、垣添座長を初め、委員の皆様には多 大な御協力をいただき、誠にありがとうございます。  御案内のとおり、このがん検診事業につきましては、市町村が実施する事業としてこ れまで自主的な事業として行われてまいりましたが、来年度からは健康増進法に基づく 健康増進事業の一つとしまして、市町村にも努力義務がある事業として実施される予定 でございます。このため、いただきました中間報告の内容を踏まえまして、がん検診実 施のための指針を策定し、市町村等に周知を図ってまいりたいと考えております。  また、同時に、このがん検診の所管につきましても、厚生労働省内におきましては老 健局老人保健課から健康局総務課がん対策推進室に変わる予定でございます。委員の皆 様には引き続き御協力・御指導をいただくことが多いかと思いますが、どうぞよろしく お願いいたします。  本当にお忙しい中ありがとうございました。 ○垣添座長 どうもありがとうございました。 (了) 照会先:老健局老人保健課 連絡先:03-5253-1111 担当者:課長補佐 古元(内線3942)   保健指導係 大塚(内線3946)