07/12/07 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年12月7日議事録 07/12/07 中央社会保険医療協議会          第115回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年12月7日(金)10:00〜11:54 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者  土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 庄司洋子委員  対馬忠明委員 小島茂委員(代 飯倉) 丸山誠委員  高橋健二委員(代 小出) 松浦稔明委員  竹嶋康弘委員 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員 古橋美智子専門委員  <参考人> 西岡清DPC評価分科会長 <事務局> 水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官  上條歯科医療管理官 他 (4)議題   ○後期高齢者の診療報酬点数表の在り方等について       ○短期滞在手術基本料の見直しについて       ○DPCについて(2)        ○これまでの宿題事項について         ・小児医療について(2)         ・人工腎臓について(2)         ・外来管理加算について(2) (5)議事内容  ○土田小委員長  まだ局長がお見えになっておりませんが、ちょっと用件で遅くなるという話ですので、 始めさせていただきたいと思います。ただいまより、第115回中央社会保険医療協議会 診療報酬基本問題小委員会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、白石委員と前田委員が御 欠席になっております。それから、小島委員の代理で日本労働組合総連合会の飯倉裕之さ ん、高橋委員の代理で全日本海員組合の小出修三さんがお見えになっております。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、最初に、「後期高齢者の診療報酬点数表の在り方等」を議題としたいと思いま す。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協診−1の資料をごらんいただきたいと思います。これは、 後期高齢者の診療報酬を議論をいただいているわけですけれども、その点数表をどうして いくかという問題、それから、現在わずかながら老人特有の点数が残っていること、これ についてどうしていくかということを検討いただきたいと思います。  「第1 検討の背景」と書いてありますが、現在、老人診療報酬点数表、平成18年度 改定の際に、数たくさん老人の特有の点数がいろいろあったのですが、それを一般の点数 と融合させるという形で整理してきたわけでございます。今回も同様の方向で見直しを進 める必要があると考えておりまして、18年度改定において新設された項目や20年度か らの後期高齢者医療の新たな診療報酬、これと整合性を図って整理をしていきたいと考え ております。  現在、老人独自の点数が設定されているものとして、ここでは例でございますが、寝た きり老人訪問指導管理料430点というのがございます。これは下に説明がございますよ うに、老人保健法の規定により医療を受けている在宅寝たきりの患者さんですが、この方 に対して訪問して計画的な医学的管理を継続して行って、患者またはその家族に対して療 養上必要な指導を行った場合に算定するというふうになっております。  また、薬剤情報提供料のうち、老人加算5点というのがございます。これは平たく申し 上げますと、薬剤情報を提供した場合に、老人の場合は老人の健康手帳というものを持っ ておりますので、その健康手帳に記入していくと、そういうような場合の点数というふう に考えていただけたらと思います。  そこで、まず「論点」でございますが、1点目は、点数表そのものをどうしていくかと いうことで、今まで議論をいただいてきましたけれども、75歳未満の者に対する診療報 酬と後期高齢者の診療報酬、多くの部分は重なってくるということになります。そういう 観点から、また、簡素化ということから考えまして、別個の全く独自の診療報酬点数表と いうものを定めるのではなくて、この一般の診療報酬点数表を基本とした上で、その中に 現在の項目を後期高齢者を対象とする項目として溶け込ませていくと、そういう形で整理 をしていってはどうかということでございます。  それから、先ほどの寝たきり老人訪問指導管理料につきましては、在宅療養支援診療所 等も充実してきていることもかんがみまして、さらにより充実した評価としては在宅時医 学総合管理料というものがございますので、この寝たきり老人訪問指導管理料については 廃止をしてはどうかと御提案申し上げます。  また、同様に、薬剤情報提供料の老人加算につきましても、これは今回お薬手帳にいろ いろと記載していただくことを考えておりますので、この際、この老人加算については廃 止をしてはどうかと考えております。  説明は、以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どうぞ。 ○鈴木委員  1に関しましては、老健法もなくなることですし、よろしいかと思います。  2に関しましては、今ここへ提示されていることだけではなくて、医療保険よりも介護 保険が優先するというような状況でいろいろなこういう制度設計がされておりますけれど も、こういうことが廃止される、あるいは再考されることによりまして、その辺の穴があ かないようにひとつくれぐれもお願いしたいと考えております。  それから、この3でありますけれども、これに関しましては、今まで老健手帳をお薬手 帳に振りかえただけという、そういう考え方でよろしいかとも思いますけれども、お薬手 帳は、先般私ども指摘しておりますように、まだ4割程度しか行き渡っておりませんし、 そういう面でまたそれの記載の義務化等が出てくるというようなことは非常に混乱を来し かねないと思いますので、お薬手帳の問題はあるということだけお話をさせていただきた いと思います。 ○土田小委員長   どうもありがとうございました。  事務局よろしいですね。何かございますか。 ○事務局(原医療課長)  介護保険との絡みということでいろいろとあるのですが、現在、月1回、この430点 というのはとれる形になっておりますけれども、そういう意味では、介護保険でもよく似 たものもございまして、一応そちらのほうとの兼ね合いからいっても、今鈴木委員がおっ しゃいました穴があくということはほとんどないと考えております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ほかにございますか。 ○対馬委員  今の鈴木委員の質問とも関連するのですが、資料1ページの「現行の診療報酬上の評 価」の例ということで2つほど書いてありますね、430点と5点。それで、対応のほう は、この2つだけを書いているのですけれども、ただ、診療報酬全体をどうするかという 中でこの個別項目についてもということであれば、それ以外の項目はないのかどうかとい うのが1点。  それからもう1点は、寝たきり老人訪問指導管理料というのは430点ですけれども、 今在総診の医学管理料ですと4,200点とか2,200点とかございますね。それで、 寝たきり老人訪問指導管理料というのは、実質的には置きかわっていてほとんど機能して いないのか、とっている件数というのはほとんどないのかどうか、そこを確認したい。そ れとも、やはりこれはこれで具体的な機能を果たしているということなのかどうか。 ○事務局(原医療課長)   まず、老人の点数ですけれども、例えば精神科の老人処置料、それから老人の外来管理 加算というものもあります。それから、一般病棟において高齢者が入院している場合の特 定患者の範囲が老人の場合は違うというところとか、そのあたりが残っている。かなり溶 け込ませたということであります。その処置とかそれからあと老人の外来管理料、このあ たりについては、全体の中であわせて考えていきたいと考えております。  それから、430点の寝たきり老人訪問指導管理料につきましては、介護保険を算定し ている方は算定できないということで、ほとんど介護保険の認定を受けていかれるという 方が多いわけなので、そういう意味では問題がない。ただ、介護保険の認定申請をしたと きに、認定がおりるまでに若干のタイムラグがあります。その間に介護保険のほうでとれ ない部分が生じるわけですけれども、そのあたりがあるという程度だというふうに考えて おります。 ○対馬委員  大体わかりましたけれども、漏れがないようにひとつよろしくお願いいたします。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○西澤委員  確認でちょっとお聞きしたいのですけれども、介護保険との絡みもありますが、寝たき り老人訪問指導管理料が現在とれる医療機関、例えば診療所それから病院で両方とれるの かどうか、それから、在宅時医学総合管理料がとれる医療機関はどうなのか、そのあたり をちょっと教えてください。 ○事務局(原医療課長)   寝たきり老人訪問指導管理料はすべての医療機関でとれる。それから、在宅時医学総合 管理料のほうは、200床未満の病院と診療所という形になっています。 ○土田小委員長  よろしいですか、西澤委員。 ○西澤委員  はい。 ○渡辺委員  この2の寝たきり老人訪問指導管理料ですが、これは歯科もたしかあったかと思うので すが、いかがでしたか。それについて、在宅支援診療所等、歯科はこれはございませんの で、その絡みがどうなるのかということでちょっとお伺いしたいと思います。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  歯科のほうでも似たような指導管理料がございます。歯科のほうにつきましては、これ からの評価の体系等を見ながら、なるべく横並びの方向で今の段階では考えたいと思って います。 ○渡辺委員  もし横並びとして、これは廃止という形になると、歯科のほうにはこの支援診療所はあ りませんので、そうすると、この項目がすっかりなくなってしまうという、介護のほうに はありますけれども、そこのところの絡みがどうかという心配があります。 ○土田小委員長  そうですね。どうぞ。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  そこのところは、今言いましたとおり、評価の体系の見直しの状況というのは、後期高 齢者の状況に応じまして指導管理体系を変えることがございますので、そういった状況も 踏まえまして検討すると、そういう意味合いでございます。 ○渡辺委員  そうすると、これが歯科においてなくなるということがなく、何らかの形での評価が残 ると理解してよろしいのでしょうか。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  これは、後期高齢者のところで指導管理体系が変わると言いましたので、当然見直しと いうことであればなくなるということでございます。 ○土田小委員長  結論はなくなるということですか。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  はい、そうです。 ○土田小委員長  すると、渡辺委員が聞かれたこととは全く逆だということになるわけですよね。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  はい、そういうことです。 ○渡辺委員  ちょっとそれは困ります。介護をしているときはそれでよろしいのですが、介護ではな くどうしても医療でやるというときがありますので、そのときにやはりこの対象がなくな るというのは、その患者さんにとっても不幸せなことですし、医療機関としても困ること だというふうなことです。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  これは、新たな指導料を設定するということでございます。  それから、現段階でも、この指導料自体は介護が対象になっているものですから、ほと んど指導料として医療機関での算定というのはないのが実情でございます。 ○土田小委員長  ちょっと確認させていただきたいのですが、そうすると、廃止はするけれども新たに設 けるということですか。それとも廃止することがメインなのですか、新たに設けるという のがメインなのですか。全く違ってきますけれども、どちらか、はっきりもう少しわかり やすくお願いします。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  基本的には横並びで廃止します。それが前提でございます。ただ、結果的には後期高齢 者の体系の変化等に応じまして新たに設ける管理体系のものもある、そういうことでござ います。 ○土田小委員長  そうすると、一部は残るという考え方ですか。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  はい、そういうことでございます。 ○渡辺委員  残るのであれば……。 ○土田小委員長  よろしいですか。 ○渡辺委員  はい。 ○土田小委員長  ちょっとわからないところがありますけれども、渡辺委員がわかったと言っていますか ら、多分わかったのでしょう。 ○渡辺委員  残るのであればということでわかりましたということです。 ○土田小委員長  ほかにございますか。  よろしいでしょうか。それでは、御質問がほかにないようでしたら、次の議題に移りた いと思います。  次は、「短期滞在手術基本料」を議題としたいと思います。  これも最初に事務局のほうから資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  中医協診−2の資料をごらんいただきたいと思います。「短期滞在手術基本料の見直し について」でございます。  現在、短期滞在手術基本料につきましては、日帰り手術、それから1泊2日の入院によ る手術、これを行うための包括点数として基本料の中に定められておりまして、手術を行 うために必要な術前・術後の管理、あるいは定型的な検査、画像診断、麻酔管理など一定 のものを包括的に評価しているものでございます。  これにつきまして、患者から見て、ほとんど定型的に行われる、入院期間もほとんど変 わらないというようなものについて簡素化をしていってはどうかということでございます。  そこで、「論点」のところですが、標準的な治療方法が確立されており、手術に伴う入 院期間及び費用等に大きな変動がないものについて、術前の検査も含めて1手術当たりの 療養に要する費用を定額で算定できることについて検討してはどうか。この際、当然なが ら大きく外れるものについては、いわゆるアウトライヤーとしてこの包括の定額から外し ていくということでございます。  2ページ目をごらんいただきたいと思いますが、現在私どもで想定しておりますのは、 15歳未満の鼠径ヘルニアの症例を考えております。この鼠径ヘルニアの手術につきまし ては、ここに2つ書いてあります「K633 ヘルニア手術 5 鼠径ヘルニア」と「K 634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)」、こういうものがございます。いずれにし ましても、この15歳未満に限ってここでデータを見ていきますと、両方ともほとんどが 2泊3日という形で行われている。小さいお子さんもありますので、多くは手術の前日に 入院させて、2日目に手術をして、3日目に術後の状態を見て退院させる、こういうよう な2泊3日というのがほとんどの例でございまして、これについて、この図からいきます と、おおむね3日あたりを中心に考えて、その定額の料金を設定して問題ないのではない かということで、これについて短期滞在手術基本料の3というものを新たにつくってはど うかということを御提案したいと思います。  以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいま事務局からそういう提案がございましたが、御質問、御意見ございましたら、 どうぞ。 ○鈴木委員  この鼠径ヘルニアは、今までの短期滞在手術の中の一つに入っていたと思います。それ を今回こう変えたというのは、やはり最近腹腔鏡下での手術が始まってまだ間もないと思 われますので、そういう関係があってのことでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  鼠径ヘルニアについては、短期滞在手術基本料1の対象疾患になっていたと。いわゆる 日帰りの場合にということだったのです。ここの先ほど見ていただいたデータからもわか るように、もちろん日帰りできる場合もあるのでしょうけれども、多くが2泊3日の形で やっておられる、そういう観点でやっていくと。  それから、実は、この短期滞在手術基本料1、2というものについては、これをとるか 出来高をとるかというチョイスがもちろん患者によってありますので、実質的には例えば 手術基本料2のほうは、多くは19種類ほど手術があるのですが、ほとんど痔核の手術の みがとられている、ほかの手術はほとんどとられていない、そういう状況がございます。 ○鈴木委員  日帰りの場合は赤ちゃんだと思いますので、そういう意味では、15歳ということにな れば妥当だと思います。 ○土田小委員長  よろしいですか。ほかにございますでしょうか。  ただ、先ほど鈴木委員の質問では、この手術のほうが腹腔鏡を使ってのほうに移行した せいかという質問がありましたが、それはどうなのでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  それは必ずしもそうではなくて、ここに出しておりますデータはDPCのデータを集め てきたものでございまして、そこからいくと、例数も腹腔鏡下のほうが373例で、一般 の手術が4,790ということで、必ずしも移行がどんどんいっているわけではない。そ ういう意味で、腹腔鏡下の場合、両側同時にやるというときにとれるということなので、 そういう意味では、多くは、片一方でやれば普通の手術と。これもある一定大きくなれば、 やはり多くは入院してやっているということなので、この部分について定額のものを導入 してはということでございます。 ○鈴木委員  よくわからないのですけれども、今、片側でもいいということですか。 ○事務局(原医療課長)   はい、片側でも構わない。 ○土田小委員長  ほかにございますか。  ほかにないようでしたら、本件については一応議論を踏まえまして具体的な制度設計に 入っていただきたいと思います。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「DPC」を議題としたいと思います。                〔西岡分科会長着席〕 ○土田小委員長  このDPCの議論につきましては、今お見えになりましたが、西岡分科会長も御出席さ れておりますので、御了解をお願いします。  それでは最初に、資料について事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。それでは、資料、診−3−1をごらんいただきたいと思い ます。こちらは、前回11月21日のこの基本問題小委員会におきまして御議論いただき ましたものでございますが、積み残しが若干ございますので、そちらについて御議論いた だきたいと思います。まず1ページ目は、前回合意された事項を確認の意味も含めまして 示させていただいております。御議論いただきたいのは2ページ目のほうでございます。  まず、1ページのほうの「第1 合意された事項」でございますが、「【論点1】(平 成18年度基準の取扱について)」ということで、18年度の基準としましては、看護配 置基準10対1以上であること、あるいは診療録管理体制加算を算定していること、標準 レセ電マスターに対応したデータの提出等、そういった基準が設けられておりましたが、 これらにつきましては、「平成20年度以降のDPC対象病院も満たさなければならない こととする。」ということでございます。  そして「【論点2−1】(一定期間のデータ提出について)」ですが、「季節変動等の 不安定要素を除くには、本来通年で12ヶ月のデータの提出を求め、これを基に計算すべ きである。」。ただ、今回「DPC制度を安定的に運用するには、データの安定性が重要 であり、そのためデータの質・量を確保する観点から、現状においては「2年間(合計で 10ヶ月分のデータ)」とする。」ということでございます。  続いて「【論点2−2】(適切なデータ提出について)」ということで、イとして、 「「適切にデータを提出できる」とは、提出期限の厳守及びデータの正確性等(例えば、 適切に診断群分類が決定されていることや薬剤の使用量の入力ミス等がないこと等)が確 保できることである。」ということ。そしてロとしまして、「既にDPC対象病院となっ ている医療機関に対しても、同様に適切なデータの提出を求めるとともに、データの質に 重大な疑問等があった場合については、当分科会でその原因等について調査し、改善を求 めることとする。」ということでございます。  続いて「【論点2−3】((データ/病床)比について)」でございますが、(データ /病床)比については8.75とするということです。これは、平成16年度に要件とし ました、4カ月間について3.5ということでございましたけれども、論点2−1で、今 度は10カ月としたということによりまして、その分の補正というか、しまして、8.7 5としたものでございます。  続いて2ページでございます。こちらが本日御議論いただきたい部分でございますが、 「第2 検討すべき事項」としまして、まず1、平成19年度DPC準備病院については、 2年間分のデータ提出、先ほど論点の2−1のところで示させていただきましたが、この 2年間分提出するということで、その提出後、19年度準備病院については21年度にD PCの対象とするということをここで決めるかどうかということでございます。  そして2でございますが、平成20年度DPC対象病院の基準については、以下の2案 のいずれにするかということで、基準案1は、「軽症の急性期入院医療も含めてDPCの 対象とする」ということでございまして、実際の基準は1ページ目に掲げたものというこ とでございます。  それに対しまして基準案2は、「ある程度以上の重症の急性期入院医療をDPCの対象 とする」ということでございまして、その基準は、1ページ目の第1に掲げたものに加え まして、ある程度の重症の急性期入院医療を提供していることとするということでござい ます。  なお、いずれの基準を設けるにしましても、「既にDPCの対象となっている病院が、 平成20年度DPC対象病院の基準のうち、新たに設けられた事項を満たしていない場合 の取扱いについては、一定の経過措置を設けた上で、その事項を満たすことを求めるべき である。」というようなことでございます。  そして3、これは平成20年度以降の話でございますが、「速やかに以下のことを検討 することとする。」という案でございまして、(1)として、「基準を満たすことのでき ないDPC対象病院等についてはDPCの対象としないこととするなど、その具体的なル ールの在り方」、そして(2)として、「DPC制度の在り方や調整係数の廃止に伴う新 たな機能評価係数等」、こういったことについて平成20年度以降検討してはどうかとい うことでございます。  続きまして、診−3−2の資料をごらんいただきたいと思いますが、こちらは、実際基 準を設けた場合に、具体的にどのようになるかというシミュレーション的な図でございま す。4つグラフがございますが、それぞれ15年度対象病院、16年度対象病院、18年 度対象病院、それから18年度準備病院というように、左の上から右に今順番に申しまし たが、そのようになっておりまして、それぞれのグラフ、横軸が(データ/病床)比にな ってございます。そして、これはシミュレーションで、18年度データの4カ月分を用い ましたので、(データ/病床)比が3.5になっておりますが、3.5のところに縦の線 を引いてございます。これをごらんいただきますと、例えば左上の15年度DPC対象病 院は、この3.5の線の右側に全部ございますので、3.5という基準で落ちるものはな い。それからその右側の16年度DPC対象病院につきましては、この3.5の縦の線の 左側に1病院ございますので、この基準を設けると1病院落ちることになる、そういった 図でございます。先ほどの診−3−1の2ページ目の基準案1ですと、この3.5に相当 します8.75になりますが、大体この今縦線を引きましたこれのみで病院の選択が行わ れるということでございます。  それに加えまして、基準案2の場合は、この縦線に加えまして、縦軸として重症度、重 症度のとり方はいろいろあると思うのですが、今回は、手術・化学療法・放射線療法・救 急車、いずれかがある、そういう病院がある程度以上の重症の患者さんを診ているという 仮定をいたしまして縦軸にとってございます。そして、そういうものを持っている割合が、 30%、40%、50%のところで横線を引かせていただいておりますが、例えば15年 度DPC対象病院であれば、30%や40%のところに横線を引いた場合にはどの病院も クリアできるのですが、50%の場合は1病院落ちることになるということでございます。 これが、下のほうの2つの18年度対象病院あるいは18年度準備病院になりますと、さ らにこの横線より下側に来る、落ちるというものが出てくるというような、こういうイメ ージでございます。  そして、次の診−3−3に具体的な数字を書いてございます。(1)のほうが、(データ/ 病床)比3.5未満の医療機関数ということで、今ごらんいただきましたグラフの縦線を 引いた場合に落ちる病院の数ということで、合計として8病院というのがございます。  それから(2)は、さらに今の3.5に加えまして、重症度、手術・化学療法・放射線療 法・救急車、これを加えた場合に、横線の部分を50%未満と非常に高くすれば137落 ちる。25%未満という基準であれば4病院落ちるというようなシミュレーションでござ います。ただし、このデータは一番下に「※」で書いてございますように、平成18年度 の6カ月のデータを用いて4カ月換算したものでございまして、今回計算する上では今年 度の19年度データも用いまして10カ月にしてやりますので、実際にはこの数字は大分 変わってきますが、ただ、議論する上でイメージが必要と思いまして、このようなものを 示させていただきました。  以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの宇都宮企画官から話がありましたように、1ページ目の方は、前回合意され た事項でございまして、今日御議論いただきたいのは、2ページ目の事項でございます。 それで、1、2、3と分かれておりますが、これはあわせてやったほうがいいですね。あ るいは3は別として、一応それでは1を中心として議論を最初にしてみましょう。 ○西澤委員  その前に、前回の確認なのですけれども、「合意された事項」で2年間が合意されたと なっていますけれども、たしか私の発言では、今回の検討する1にあるとおり、21年に 入れるということをここで決めるということを条件で2年間認めると言ったので、これが 決まらなければ来年度ということですので、これは合意されたということにはなっていな かったのではないかなと思うのですが、1号側は1年、それから片方で反対、ばらばらで あって、と思うのですが、いかがでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  すみません、ちょっとそちらのところは認識が若干異なっていたかもしれないのですが、 この「検討すべき事項」の1とあわせて、では、ここの場で御議論いただければと思いま す。 ○土田小委員長  わかりました。  よろしいですか。 ○西澤委員  わかりました。ということであれば、改めまして、今日の「検討すべき事項」の1、2 年間分のデータ提出後、21年に対象病院となるということをここで決めていただいて、 それが条件で2年間というのはよろしいというふうにしたいと思います。 ○土田小委員長  ほかに御意見ございますでしょうか。 ○対馬委員  私どもも西澤委員の意見どおりで結構です。 ○土田小委員長  2号側、よろしいですか。 ○竹嶋委員  はい。 ○土田小委員長  1号側もよろしいですか。  それでは、そういうことで条件としてDPC対象病院とするということで進めたいと思 います。  それでは、20年度のDPCの対象病院の基準について、1と2と2つございますが。 ○西澤委員  これは分科会のほうでも基準案1のほうが多数意見だということもお聞きしております ので、基準案1のほうでよろしいかと思います。 ○土田小委員長  ほかに御意見ございますでしょうか。今西澤委員から話がありましたが、2号側でそう いう意見で一致している見解だということでよろしいでしょうか。 ○鈴木委員  私どもでお願いしているようなことが3番に盛り込んであるということが確認できれば 結構です。 ○土田小委員長  つまり、この3番で(1)、(2)にあるようなことを検討するということを前提とし て1を認めるということですか。 ○鈴木委員  そうではなくて、前回お願いしたことがあります。ペナルティーの問題であるとか、あ るいは自主脱退の問題だとか、そういうような問題の取り扱いというようなものが3番で インボルトされていれば結構です。 ○土田小委員長  すると、2と3と含めてということになりますよね。3を前提として。すると、その点 について事務局いかがでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)  今の鈴木委員のルールにつきましては、3の(1)のほうにあらわしたつもりでござい ましたが、もちろんそれを条件とするということでございますれば、それはそれでこの場 でやはり先ほどと同じように御議論いただければと思います。 ○土田小委員長  わかりました。 ○対馬委員  基準案1については私どももそれでよろしいかと思います。  3については、鈴木委員が前回おっしゃられたことが条件だということなのですけれど も、もう一度もう少し詳しく言っていただけますか。 ○鈴木委員  具体的なルールの中に、今の申し上げたようなこともあわせて検討をしていただいて、 妥当であればルール化していただくということであれば了解をいたします。そういう意味 なのですけれども。 ○対馬委員  それは、答えということではなくて、検討対象とするということでよろしいのですか。 ○鈴木委員  当然盛り込まれると思っておりますので。基礎的なことですから。 ○土田小委員長  ルールの具体的な内容をもう少し示してもらいたいのですが。 ○鈴木委員  DPCの基準を、DPCの対象としないというようなところで幾つかケースが出てくる と思いますので、そこをきちんと考えていただくということが1点です。  それからもう1つは、DPCに入っておりましたけれども自主的に脱退したいという場 合、今できませんので、その辺はあわせてこのルールの中に盛り込んでいただきたいと思 います。 ○土田小委員長  すみません、思い出しました。そのことは大変重要なことで、つまり、前回の話ですと、 自主的に脱退できない、やめることはできないという話でしたよね。それについてはやは りおかしいのではないかというような発言がございまして、そのことはここで決めなくて もいいのですが、そのことを含めて検討するということになろうかと思いますが、それは いかがでしょうか。  これは、西岡先生あるいは事務局、どちらでも結構です。それでは、事務局のほうで。 ○事務局(宇都宮企画官)  ですから、この3番の提案は、20年度以降にそのことについて速やかに議論したいと いうことでございまして、今回の議論で来年度から適用という話とはちょっと違うことで ございますけれども、それで、もしよろしければ。 ○土田小委員長  つまり、20年度の対象病院については、基準案1か2で行って、それを進めながら次 の改定に向けて新しいルールをつくるという手順であるという説明だと思いますが、よろ しいですか。 ○鈴木委員  速やかにしてください。 ○土田小委員長  では、速やかに行うということで対応していただきたいと思いますが、ほかに御意見ご ざいますでしょうか。  先ほど西澤委員のほうから基準案1に賛成であるという御意見をいただきましたが、1 号側もそれで賛成であるということですので、それでは、基準案1で20年度の対象病院 の選定を行うということにしたいと思います。よろしいですか。  それから、なお書きがございますが、このなお書きはよろしいですね。 ○西澤委員  基準案1ということで、ここで合意したという前提で申し上げたいのですが、その後で 出された診−3−2と3−3の資料でございますが、基準案1ということは、3−3で言 えば、(データ/病床)比だけであって、この下に書いてある手術等々のはもう関係ない ということでよろしいですね。それから、3−2の資料のほうでも、縦軸に書いてあるの はもう関係ないということでよろしいですね。 ○事務局(宇都宮企画官)   そのとおりでございます。 ○土田小委員長  ほかに御質問ございますでしょうか。 ○西澤委員  もう1つ、すみません。そうであれば、今後また20年度と21年度の参加はこれでよ ろしいのでしょうけれども、今後やはり対象病院を考えていくときに、ここの基準案がふ らつくと非常に問題なので、今回こう決まった以上、それでずっと対象病院はしていって いただくということをお願いしたいなと思っております。  日本医師会さんの言う基準案というのは、今決まった基準案に外れたところをどうする かということで、それを検討にしていくということでよろしいかと思いますので、よろし くお願いします。 ○土田小委員長  この点についてはいかがでしょうか。 ○鈴木委員  それはちょっと……。表現は悪いですけれども、今はやりの、同棲をして子供ができて だんだん認めてしまうみたいな話ですから、それはちょっと新たに議論をしていただきた いと思うのですが、別に決して日本の医療を後退させるために発言してございませんので、 どうぞ御理解いただきたいと思います。 ○土田小委員長  この点、西澤委員の発言については、当然と言っては悪いのですが、それに賛同しがた い意見もあるわけですから、ここではそれを結論としないで、一応そういう意見があった ということを議事録にとどめるということにしたいと思います。 ○西澤委員  今ので結構だと思います。ただ、言いたいのは、例えば20年度に入る病院は基準案1 で入ったのに、それ以降になったら急に、例えば今回出てきた基準案2のように厳しくす るということになると、非常に混乱が起きるということで、やはりこういうものは、一つ のルールが決まったのならきちっとやっていかないと、日本の急性期医療は混乱するので はないか、そういう思いで申し上げましたので、その点を踏まえて今後の検討としていた だければよろしいです。ありがとうございます ○土田小委員長  どうもありがとうございます。貴重な意見だというふうに承っております。  よろしいでしょうか。ほかにございますか。  それでは、ほかに御質問ないようでしたら、事務局におきましては、本日の議論を踏ま えて具体的な制度設計をお願いしたいと思います。  それではあわせまして、西岡先生、御意見なり何かございますか。 ○西岡分科会長  特にはございません。お決めいただきまして、ありがとうございます。  このDPCの制度そのものは、委員の先生方皆さん御存じのように、成長していく制度 でございますので、必ずどこかの時点で固定してしまうというのは非常に難しいのではな いかと考えております。実際の実情を検討しながらさらにいいものにつくっていきたいと 思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。                〔西岡分科会長退席〕 ○土田小委員長  それでは、次の議題に移ってよろしいでしょうか。  次は、10月以降の本小委員会におきまして宿題とされておりました事項について議題 として取り上げたいと思います。  最初に、事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  今回は、小児医療と人工腎臓と外来管理加算について、以前議論をしていただいたこと、 そのときの議論を踏まえて資料を作成しております。  まず、小児医療についてでありますが、診−4−1の資料と4−2の資料をごらんいた だきたいと思います。小児医療につきましては前回、入院医療について、特に高度な小児 医療をやっているところの評価をしてはどうかという御提案を申し上げたわけですが、そ の際に、小児の外来の部分についてどうなのかということがございましたので、あわせて 今回お示しをしたいと思います。  まず、参考資料のほうの診−4−2の1ページ目をごらんいただきたいと思います。小 児科医数については、前回もお示ししたとおり、全体としては徐々に増えてはきている。 そういう中で、病院勤務医も開業医も、おおむね増えてきているのですが、最後の平成1 6年のところだけ勤務医が少なめになった、こういうような状況を説明いたしました。  それで、さらに救急搬送のところ、これとは別にまた議論したことがございます。これ はデータが消防庁のもので、18歳未満のものしかなかったのですが、この救急搬送の中 で、軽症者の割合、これは折れ線でかいてあるほうですが、右のスケールで見ていただき ますと、75%以上であったと。一般の場合、約半分が軽症者であったのに対しまして、 これは18歳未満ですので、多分イメージとしてはもっと若いところまで行くと軽症者が もっと多いのかもわかりませんが、若い層では、軽症者が割合としても非常に高いという 状況がございます。  それから、次の2ページの上の図表3のグラフですが、これは、いわゆる一次救急に当 たります在宅当番医制度あるいは休日夜間急患センター、こういうようなものに協力して いただいているかどうか、あるいは二次・三次の救急の病院へ出務をしていただいている か、そういうような協力をしていただいている割合を私どもで調べた結果でございます。 診療科で見ますと、小児科が一番協力をいただいている、約4割弱の診療所で協力をいた だいているという結果でございました。これらのことから、小児の外来部分について、や はり特に軽症の救急部分をできるだけ分担して診ていくという方向が重要ではないかと考 えております。  そこで、診−4−1の本体の資料に戻っていただきまして、現在、休日夜間であります とか、救急の部分につきましては、診療報酬上の評価の中に書いてありますが、もともと 夜間、休日、深夜の診療について、小児科については表示している診療時間内であっても 時間外加算等を算定できる、こういうような規定になっております。  それから、地域連携小児夜間・休日診療料というものがございまして、例えばこの下に あります地域連携小児夜間・休日診療料1、300点というのは、休日夜間急患センター などで算定する点数でございます。また、地域連携小児夜間・休日診療料2、450点と いうのは、24時間診療ということを周知した上でやる二次・三次救急の病院での救急の ときの点数でございます。  こういうようなものを評価をしているのでありますが、2ページ目をごらんいただきた いと思います。今回の非常に重要な問題であります病院勤務医の負担軽減、特にこの小児 科領域での問題としては、やはりこういう、特に夜間の救急対応というのは小児科医の疲 弊を非常に募らせているというようなことがございますので、その診療所での小児科の先 生方の協力を得たいということで、これらの地域連携小児夜間・休日診療料でありますと か、休日夜間の診療所における診療について評価を引き上げてはどうかということが、 「論点」としての検討していただきたい項目でございます。  続きまして3ページでございますが、これは話が少し変わるのでございますが、「重症 心身障害児(者)に対する医療について」ということで、ここでは、重症心身障害児施設 における療育がどうかということで、また参考資料をごらんいただきたいと思います。重 症心身障害児施設を設立している方々の内訳が2ページ目の図表4でございます。60% 以上が国立でございまして、あとは社会福祉法人が4分の1程度、公立が1割弱、こうい うような形で設置がされているわけでございます。  その中で、図表5、3ページの上ですが、「重症心身障害者施設等での医療内容」とい うことで、全体としては、人工呼吸器を8%ぐらいの患者さんがつけている、あるいは気 管切開の方が14%程度おられる、このような状況でございます。  中に、とりわけ重症の方がおられます。超重症児という形で、本体部分の5ページに、 類型といいますか、超重症児の定義が書いてございますが、非常に重たい患者さんという ふうに考えていただきますと、図表6は、現在10対1入院基本料を算定している病棟の 中から、実際に7対1以上の看護配置をとっている病棟について集計をしたものでござい ます。これを見ていただきますと、重症の心身障害児の施設であっても、例えば超重症児 が30〜40%未満いるような病棟では、右を見ていただきますと、患者さんが356名、 そのうち人工呼吸器を使っておられる方が180名、半分の方が人工呼吸器をつけておら れるということになります。極端な例でいきますと、80%以上その超重症児を入院させ ている病棟では、これは1つしかないのですが、89%、9割の患者さんが人工呼吸器を つけておられる。こういうような患者さんを入院させて対応しているということになって おります。  その患者さんたちにつきまして、4ページでございますが、医療内容、先ほどと同じよ うな項目を引っ張ってきましたが、もちろん超重症児につきましては人工呼吸器が3割、 気管切開をしている方が5割、あるいはほとんどの方が経管栄養をしておられる、こうい うような状況の方々でございます。  この調査の対象になりましたこの児童につきまして、いつからこの病院に入っているか といいますと、新生児期から入っている方が7割であるということで、先天的な方がほと んどであるということでございました。  そこで、本体の資料に戻っていただきまして3ページでございますが、先ほど述べまし たように、この重症の心身障害児(者)施設においても、特に超重症児などにつきまして は、やはりより手厚い看護配置で対応しなければいけないという状況がおわかりいただけ たかと思います。ただ現在、この重症心身障害児(者)施設の多くは、前回やりました障 害者(者)施設等入院基本料の中で対応していただいておりますので、看護配置につきま しては10対1までしか規定をしておりません。そういう意味では、先ほどのような病棟 は必ずしも十分な配慮がされていないという御意見がございました。  また、先ほどのこの超重症児につきましては、極めて高い頻度で医療処置を行っておら れる。また、その障害の多くはもう新生児期から発生しているということが言われており ます。また、この調査の中で、超重症児等のうち、入院中の方は3割程度おられて、また その急性期の治療を行うためにそのまま入院し続けている超重症児の方は15%おられる ということでございます。  実は、この15%の方々が(4)につながっていくわけですが、NICU、新生児の集 中治療室でございますが、これらから超重症児に該当するような方がNICUに入院され ますと、なかなか後方の方のベッドがないという形で、こういう方々がNICUに引き続 きとどまっているという状況が見られるということになっております。このために、NI CUのいわゆる回転といいますか、患者さんを次々と入れていくという状況がなかなか行 いにくくなっているところもあるということから、こういう超重症児(者)をしっかりと 受け入れていただけるような、そういう施設をしっかりと増やしていく必要があるだろう ということで、特にその際に手厚い看護配置というものは非常に重要な要素になりますの で、その点を考えていってはどうかということでございます。  4ページ、5ページにつきましては、4ページは障害者施設等入院基本料でございます。 これは以前に見ていただきました。5ページにつきましては、超重症児(者)の入院の定 義及びその診療加算でございます。  「論点」としまして6ページでございますが、今回はこの超重症児等に係る入院基本料 の加算があるわけですが、特に6歳ぐらいまでの間が非常に不安定だと聞いておりまして、 その部分についてさらに重点的に評価してはどうか。  それから、この重症心身障害児(者)を対象とする施設に限って、障害者施設等入院基 本料の中で、この超重症児等の入院比率を条件として7対1入院基本料を新設をしてはど うかということが今回の提案でございます。  続きまして、診−4−3の資料をごらんいただきたいと思います。糖尿病対策の中で人 工腎臓について御説明をいたしましたが、その際、透析時間が短くなることについてのい ろいろな御意見がございました。そこで、少し資料を透析医学会のほうからいただきまし た。2ページをごらんいただきたいと思います。4時間未満の透析の患者さんの割合が近 年増えてきている、これについては前回もお示しをいたしました。  そこで、図表2のほうですが、「透析時間と生命予後について」ということで、性、年 齢や透析期間あるいは原疾患などを補正しまして、透析時間と生命予後についての危険率 といいますか、それを出したものでございます。4時間から4時間半までのものを1とし まして、3時間半未満の場合は、生命予後は1.86倍、この場合は危険が高まると考え られる。一方、5.0以上の場合は、0.65ということで低くなるということでござい ました。これは必ずしも因果関係とも言えませんし、それから逆に言いますと、亡くなら れた方を中心に調べた振り返りの調査であると、そういう点は留意する必要がありますが、 いずれにしても、やはり短時間の場合に生命予後がやや悪いのではないかということが推 定されるわけでございます。  そこで、1ページ目に戻りまして「論点」でありますが、前回もお示ししましたとおり、 やはりこの病態等により、患者ごとに適切な透析時間が異なるということから、やはり時 間をどうしても長くする必要がある場合について、透析時間に応じた診療報酬の評価を行 うことを検討していただきたいということでございます。  それから、宿題事項の3番目でございます。外来管理加算でございます。前回、何もし ない、何もしないと言うのは変ですけれども、要するに、処置や検査等を行わない、専ら 診察・指導をやる場合に外来管理加算がとれるということになっているわけですが、これ について受診する患者の側から見ると、検査や処置をしてくれないときに高くなるのは何 か腑に落ちないというような意見が従来からあったわけであります。そこで、そういう丁 寧な説明や、あるいは医学管理をしっかり計画的にやってもらうということから、時間の 目安を設けてはどうかということを前回御提案いたしました。それに対しまして、やはり、 いやそうではなくて、技術料なのだから時間ではかるのには反対だとか、御意見がさまざ まございました。  そこで、実際問題として、どれぐらいの時間が診療に当てられているかということを少 し見てみました。2ページ目をごらんいただきたいと思います。「内科診療所における医 師一人あたりの、患者一人あたり平均診療時間の分布」でございます。この時間は、1カ 月間の表示をしてあります診療時間と、それからその1月間の患者さん、これの割合をと る。それから診療する医師が1人以上の場合もありますので、医師の人数で割る。そうい う形でもって1人当たりの診療時間の分布を見た。そうしますと、一番右端で30分以上 のところが非常に多くなっていますが、これは逆に言うと、時間を患者で割りますので、 患者さんがある程度少ない診療所ということで、患者さんをしっかり診ておられるところ もあるかもわかりませんけれども、患者さんを診てしばらく時間があいて患者さんが来る、 こういうような場合が多く考えられます。比較的患者さんが少ないところがここに出てき ますので、必ずしもストレートに診療時間とまでは言えません。ただ、左のほうに行きま して、5分とか7分とか10分とか、あるいは1分未満というところもございます。ある いは3分未満のところも少しあります。このようなところは、患者数と実際の開業時間で すので、それが延長して当然やっておられますから、現実的にどうだということはこれだ けではわかるわけではありませんけれども、それにしてもやはり非常に短時間しか割けな いのではないかと見られるようなところもある。そういう中で患者さんに十分な説明をし ていただいているのだろうかというようなこともありますので、おおむね5分以上は普通 はかけておられるだろうということから、今回は、1ページ目に戻りまして、大体5分以 上の医療機関が9割ぐらいでありますので、そういうあたりを目安に、やはり時間の目安 を今回設けてはどうかということを再度御提案申し上げたいと思います。  資料の説明につきましては、以上でございます。 ○土田小委員長   どうもありがとうございました。  大きく分けて3つの項目がありまして、その最初が小児医療でございますが、小児医療 のほうは2つに分かれております。第1が「小児の外来医療」、それから第2が「重症心 身障害児」の問題でございますが、これは一応分けて御議論をしていただきたいと思いま す。  最初のほうの「小児の外来医療」について御質問、御意見等いかがでしょうか。 ○鈴木委員  このいわゆる診療所で同じような病院勤務医の負担軽減のために、夜間、それから早朝 の新加算というような提案だったと思いますけれども、そういう話がされました。それと これとは同じですか、それとも別問題ですか。 ○事務局(原医療課長)  前回の一般の診療所のときの議論と同じかということですか。実は、逆に小児科のほう が、平成18年度のときに、こういう条件に先に緩めているというか、その考え方をとっ ていたわけです。一般の診療所についてのお話は、それを逆に一般の診療所にも普遍化し たもの、だから、同じ考え方ということであります。 ○鈴木委員  同じ考えですと、診療所の夜間延長等に関してはまだ結論が出ておりませんので、ここ で議論はできないのですけれども、要は、点数も同じ、何かその辺の相違は、時間帯は同 じだけれども実は扱いが違うとか点数が違うとかということなのか、それとも一般診療所 とこの考え方が全くイコールなのか、その辺のところをもう少し明確にお願いできれば議 論ができると思います。 ○事務局(原医療課長)  逆に言うと、考え方は一緒でありますが、小児の場合は、乳幼児加算とか点数が非常に 高いというところが違う。考え方は、だから、もともとこの小児科のこれを外したのは、 夕方、夜間の早期に、病院ではなくて診療所で診ていただきたいということから、開いて いる時間帯には加算がとれなかったというものを、そこを開いていていただいたら、それ でしっかりと診ていただければ加算がとれるという形に、前回18年のときにやった。そ の考え方を一般科についても、同様に診療所で、そういう夜間帯を病院の負担を減らすた めに開いていただけないかということを提案しているわけでありまして、考え方は同じで あります。 ○鈴木委員  時間帯が同じでも、実は算定の点数が違うし、もともと小児科から始まったものだから、 それをもう少し評価したいというような話であれば、これは一般診療所と話は別だと私は 思いますので、これは小児に限っての議論はできると思います。であれば、特に反対根拠 はございません。 ○土田小委員長  今鈴木委員が前半で言われたようなことは一度確認いただきたいのですが、そういう理 解でよろしいということでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  要するに、ここではあくまで小児科の部分についてこの点数について基本的な評価をし ていくということを御提案している。ただ、この発想は、一般の診療所で広げたいと、そ の部分を評価したいと御提案しているものと発想は同じだと。だから、点数は違いますの で、この点数は小児科に着目して、特にやはり小児科の場合、先ほど言いましたように、 救急の軽症者の割合が非常に高くなりますので、特に一層ドライブをかけて診療所で担当 して、できる分野が多分多いということから、この分野をもう少し評価したい、そういう ことであります。 ○竹嶋委員  前回から診療所の夜間対応について御議論をいただいております。私どももいろいろな 考えを述べておりますが、今、原課長おっしゃったのですが、小児科とか産婦人科が非常 に大変だということが1つあるのです。それからもう1つは、病院の勤務医の先生を御支 援申し上げる、これは全般的になるのだけれども、棒グラフでも示されたように、特に小 児科が非常に高い。また、小児科というのは大変だということの中から、小児科のみ急い で緊急に取り出してやったというふうに私はとりますが、この発想は一緒ですというのは どうも気になるのです。 ○事務局(原医療課長)   要するに、小児科はもう既に18年度からそういう考え方を取り入れていたと、いわゆ る時間外について、診療応需の体制にない、そこに患者さんが来たことの大変さを評価す るという考え方が一般的だったわけです。それに対して、そうではなくて、時間外に診療 所を開くことによって病院の負担が軽くなるだろう、より診療所でやっていただこうとい うことで、前回小児科の場合は考え方を変えたということであります。今日の議題ではあ りませんけれども、前に言っているのは、その考え方を一般科にも広げようということを 提案しているわけでありまして、考え方は一緒なわけです。 ○西澤委員  基本的にはこの考え方に賛成なのですが、実は、参考資料にもございますけれども、図 表1でしょうか、開業医がどんどん増えている、勤務医がいなくなっているのですね。こ れは、勤務医の負担軽減のためではあるのですが、ある意味で、これが勤務医がさらに開 業していくようなことになると本末転倒だと思いますので、片方では勤務医、要するに、 病院の小児医療、救急医療をどう守るかという視点ともう一度合わせた議論で、そちらの 方の評価と同時にお願いできればと思っております。 ○対馬委員  全く同感ですね。今の小児医療についてのところの「論点」に書いていますけれども、 これだけでいいのかどうかということは、もっと詰めて議論する必要があるだろうと、こ ういうふうに思うのです。  それとの関係で、あまりこだわることはないのかもしれませんけれども、「現状と課 題」の(1)のところで、「これまでの診療報酬上の評価が一定の効果を上げている」と 書いています。小児科医数が増加したことはそうなのだと言っていますけれども、そこま で書き込むのはいかがか。私ども確かに努力はしてきましたけれども、しかし、今の医療 経済実態調査でありますとか、ないしはこの前からここで議論されている産科、小児科な んかにも、ここでの議論ではないのだけれども、待遇などもできれば上げていきたいとい った議論もあるわけですから、ここで「一定の効果を上げている」のだというような安心 したような書きぶりはちょっといかがなものかなと思います。今後の議論につながります ので、やはり気になるところです。 ○事務局(原医療課長)  第1の1の(1)の、これは前もこの表現でちょっと示しまして、私も対馬委員のおっ しゃることも感じていたのですが、これは前のとおり書いたということです。少しはある かなというぐらいに考えております。  それとあと、病院のほうの評価ということですが、要するに、実はこの地域連携小児夜 間・休日診療料、例えば休日診療料2というのは、病院に評価がつくわけです。ただ、そ の病院に単につくわけではなくして、この病院に診療所の先生方が応援に行くということ に、そういう体制のところに評価がされるというものです。だから、病院の小児科医だけ で、あそこの夜間・休日やっていると大変だと、それに対していわば開業の先生方がそこ へ応援に行きますよと、そういう体制を組んでいるところが幾つもあります。そういう病 院についてこれをつけているということですから、まさしくこういうものは、病院の先生 方を助けるという直接の点数になっているということになろうかと思います。  それからあと、病院の小児科の入院医療については前回もう既にかなり高くついている ところがありますので、それに対してより充実してあげないといけない部分というので前 回示した、そういう整理をしているということであります。 ○土田小委員長   どうもありがとうございます。  今対馬委員から話があった「現状と課題」の(1)のところですが、これは小児科医の 不足は2002年改定からたしか手掛けておりまして、したがって、医療経済実態調査を 見ると、2002年改定は非常にプラスの効果があったということで、その後、今回の実 調では横ばいということですから、長いスパンで見れば効果があったというふうに僕は思 っております。  それで、先ほど西澤委員から話がありました、つまり、こういうふうに診療所のほうに 高い点数を配分すると、むしろ勤務医のほうがこちらに移ってくる可能性が大きくなるの ではないかと。したがって、勤務医のほうと合わせて検討する必要があるという発言でし た。これは極めて重要な発言でして、それについて今医療課長が一応答えられたわけです が、まだ補足があるようですので、どうぞ。 ○事務局(原医療課長)   実は、先ほどの時間外の変更は、18年ではなく16年でした。訂正します。  それともう1点、実は、ここに出ていますように、小児科の診療所は確かに増えてきて いるのも事実です。子供の数は減っていますので、だから、小児科の診療所当たりの収入 は、逆に言うと、なかなか増えないのが現実、普通にいくと、同じ点数ならどんどん減る 状態になるわけですね。ですから、それを何とか点数で補償はしているのだけれども、全 体として必ずしも上向きでもないというのは今現在の小児科診療所の状況だということで す。  だから、それだけを見て勤務医が開業しようとしているのかどうか。それは逆に言うと、 やはり病院にいることによる非常に疲弊感といいますか、あるいはなかなかやりがいを感 じないといいますか、一生懸命やってもなかなか、簡単に言うと、感謝もされないという ような状況、そういうようなものが複合的になって病院から離れていっているのだろうと いうふうには思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  よろしいでしょうか。 ○対馬委員  これはあまりこだわることではないのですけれども、ただ、土田委員長のお話ですけれ ども、こども病院などは今回マイナス31.3%なのですね。ですから、こども病院は、 今回初めて調査しましたけれども、それは相当厳しいし、一般診療所などを見ましても、 収支差というのは大幅に落ち込んでいます。14年度上がったから全体にということでは なくて、やはり今現在の足元の状況というのは本当にきついということから、全体の改定 の上げ下げ議論のところでも、小児とか産科あたりを取り上げた、という背景があるわけ ですから、やはりこの書きぶりは、前回ちょっと見落としたというのは大変申し訳ないの ですけれども、そういうふうに思います。 ○土田小委員長  わかりました。 ○松浦委員  単純に診療報酬を上げますと、そこで今、西澤委員がおっしゃったとおりの開業に対す るインセンティブが働くことになる。これはもう1号側も2号側もすべてが認識したのだ ろうと思います。私、そこで、大臣のいわゆる革命的な取組を期待するわけですが、中医 協の中でもこういうことが大体一致した感覚で取り上げられておるわけですから、どうぞ ひとつこれを持ち帰って、厚労省で医師不足というものに対して革命的な取組をぜひ叱咤 激励をしてやっていく、こういうことをお願いしたいです。  以上です。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  まだこの問題は片づいておりませんで、先ほど竹嶋委員のほうから話がありましたのは、 つまり、前回は小児科の方で引き上げたけれども、今度は一般の診療所でも夜間診療つい て引き上げるという話が出て、さらに今回出てきたのは小児科の夜間診療に限ってもう少 し引き上げるという話になっています。一般的に夜間診療を診療所で対応していくという ことについてはまだ2号側は同意していないということでありまして、そこの問題とそれ から今回の小児科における夜間診療について引き上げていくという議論と関連しているの ではないかということについて、関連していないという話もありました。そこは一応きち んとした上で議論を進めていきたいと思いますが、もう一度発言をお願いします。 ○竹嶋委員  ですから、私が申しましたように、まず小児を切り離してという考えならいいのですけ れども。 ○土田小委員長  ということですが、いかがでしょうか。 ○竹嶋委員  それでまたあとの議論もしてもらって。 ○土田小委員長  はい、わかります。先ほど鈴木委員も発言されましたように、一応一般の診療所につい ては反対だけれども、反対というか、まだ意見は異なっているけれども、この小児科だけ については取り上げてもいいという発言ですが。 ○事務局(原医療課長)  もちろん今回のは小児科の話で結構なのですが、実は、社会保障審議会の医療部会・医 療保険部会でつくっていただきました今回の改定に当たっての基本的方針、それについて まだ総会にも御紹介していなくて、委員のお手元には送付はさせていただきましたが、そ の中で、一般科の普通のところの診療所の夜間開業について評価するということは、その 基本的方針の中に書かれていますので、それについては、医療部会・医療保険部会、両委 員ともメンバーでおられますので、そういう意味では御了解は得られたものと私どもでは 承知しておりますけれども。 ○竹嶋委員   私も医療部会に出ておりますが、今のお話は承知しています。しかしながらその在り方 とかそういうところは医療部会でまだやっていません。そういうのはこういうところでき ちんとやらなければいかぬのだろうと思うので、それで決めつけられると困るのです。私 どもも全く反対ではないのだけれども、その在り方をどうするかということはまた御議論 を別なところでいただきたい。これとは別にということですから。 ○土田小委員長  よろしいでしょうか。いかがですか。つまり、一般の診療所とそれから小児科と一応区 分して議論するのであれば差し支えないという発言についていかがでしょうか。 ○対馬委員  これはこれでお認めいただくということで、ほかのことはほかのことということで、と いうふうに思います。 ○土田小委員長  1号側、ほかに。そういうことでよろしいですか。松浦委員の医師の増大を図っていく ということはもちろんですが、ただ、ここでは直にそれは発言できませんので。 ○松浦委員  わかっています。 ○土田小委員長  それでは、一般の診療所の話とこの小児科にかかわる話は一応区分して議論を進めてい くということにつきまして、それで、それであれば小児科について2号側はいかがですか。  賛成ということでよろしいですか。  1号側、いかがでしょうか。  どうもありがとうございます。それでは、この第1のほうにつきまして、この評価を引 き上げていくということについては同意していただいたということで対応していきたいと 思います。  それでは次の、「重症心身障害児に対する医療」について御意見、御質問いただきたい と思います。 ○竹嶋委員  賛成です。 ○土田小委員長  今2号側委員のほうから賛成という意見がありましたが。 ○古橋専門委員  「論点」の(1)、(2)、ともに非常に重要な考え方で、ぜひ進めていただきたいと 思いますが、課題の(3)にも示されておりますように、NICUで救命はしたけれども、 重症な障害を残したという例がここにもあるように、現実でございます。  それで、小児専門病院の中で看護管理者が苦慮しておりますことは、これは診療科が違 うということもかなり原因していると思いますけれども、そういう重いお子さんを例えば 新生児科が所掌するNICUから同一機関内の乳児病棟へ、あるいは乳幼児病棟へ移行し たいというときに、そこでの合意形成が非常に困難なことであります。そのときに、受け るほうの病棟の看護配置をより手厚くすることによってそういう状況を少しでも打開して いこうというアイデアがございますが、現行ではやはり小児の入院基本料も7対1でござ います。現実には、これを超えて5対1あるいは6対1を全体の中で算出すればかなえて いるところはかなりございます。そういう人件費が、やはり小児専門病院の赤字を助長し ているというようなこともございますので、「論点」で、ぜひともこの小児の配置につい ては、やはり具体的に、特異的に高めていくという議論も含めて、あるいは今後の入院基 本料という領域で、小児領域の御検討を一層深めていただければと思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。 ○事務局(原医療課長)  その点につきましては、NICUから後方ベッドのほうへ行く、そういうところについ て、前回こども病院を中心に、小児の入院のところで非常に手厚くできるような管理料の 設定というものについて御提案をして、ほぼ同意をいただいたと思っております。ただ、 今回のこのようなお子さんについて、一時的に他の病棟へ行かれたとしても、結局はやは り重心施設でもって対応していくという方向をしっかり持っていかないと、病院の中で今 度はどこかで滞留してしまうということになりますので、基本的には、重心施設も病院で はありますけれども、そういう重心の方々をしっかりと受けとめられる施設であり、病院 であるというものをやはり促進させていかないと難しいのではないかと考えております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  古橋専門委員、よろしいでしょうか。 ○古橋専門委員  1つよろしいでしょうか。ただし、(2)の施設のほうが今後増えるかといいますと、 この辺に関しては非常に課題が多くて、この社会福祉的領域の中でこうした施設に対する 考え方とか、公的な資金投入とか、そこがあわせてあるということが非常に重要でござい ます。鹿児島あたりですと、五つ子ちゃんで有名な市立病院から外に出てそれを引き受け る病院の考え方などが今進んでいるように聞いておりますけれども、そうした点では、こ の疲弊感は、この考え方によって一部改善することは間違いないので、医療費の適正化に つながると思いますけれども、施設が増えるということのためには、また別途に大きな課 題が存在すると思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ほかに御意見、御質問ございますでしょうか。  よろしいですか。それでは、この重症心身障害児の「論点」の(1)、(2)について は御了解いただいたということで、制度設計のほうで進めていただきたいと思います。  それでは続きまして、「人工腎臓」について議題として取り上げたいと思います。  御意見ございましたら。 ○松浦委員  前回、この時間が短くなっていっているという傾向というのはいいことではないのかと、 こういう質問をしたのですが、その言葉がかなり反響を呼んでいるようでして、私はいろ いろメールもちょうだいしましたし、それから実際に面談を申し込まれてお目にもかかり ました。私ども、ここでの意見というのは、事務局から示されたデータをもとにして発言 しますので、それ以外のデータはあまり持ち合わせないものですから、そのデータ、私の 発言の根拠といいますのは、今、これは新しい今日のデータは違いますが、やはり正常な 診療行為が行われている、こういうことに基づいての発言ですから、それ以外の要素があ るのでしたら、例えば第3の2に、1つは「苦痛を伴うものであり、患者自身が透析時間 の短縮を希望することも少なからずある。」、もう1つの理由として、「医療機関にとっ ては、透析時間が短くなれば、それだけ透析に係るコストも減少する。」と、いわゆる一 つは利益の話が出ていますね。こういうことになると、私の発言というのはあまり適した 発言ではないと思うのです。ですから、こういう第3の2のようなことが事務局から示さ れているということは、「透析時間に応じた診療報酬上の評価を行うことを検討してはど うか。」と言う前に、以前の問題があるのではないか。きちんと正常な診療行為が行われ ているのかと、こういうことにもなりかねません。ですから、そういう点は、「医療機関 にとっては、透析時間が短くなれば、それだけ透析に係るコストも減少する。」、こうい うことがどの程度行われているのでしょうか。それで、時間数が4時間から以内に下がっ ていって、それで見ると死亡率も増えている、これはもう非常にゆゆしい問題だと思うの です。それを解決する手だてというのは、診療報酬、お金でしかないのか、そういう気が しまして、多少私は寂しい気持ちがしないこともないのです。  私は、外来慢性維持透析について、透析の見通しというもの、これは平成14年度に包 括に改正されているわけですね。そのときの資料で、この14年度というのは、診療報酬 改定をやった時期は1.3%、ここは引き上げとなっていますが、これは引き下げだった のですか。ちょっと多分、この「外来慢性維持透析の見直し」と、こういうタイトルで出 ていますから、これは点数を引き下げようという意思が完全に働いたと思うのです。その 中で一つの包括というものが導入されていったと。それから、今度18年の改定では、エ リスロポエチン製剤、ダルベポエチン製剤の2つが加わって包括の点数が高くなっている、 こういうことでして、4時間から上がどうの、この4時間から短かったら減らすかという ようなことは全くないわけですから、そこはやはり医師憲章に基づいた医師の的確な正常 な診断・診療行為、これが前提になっていないと、この診療報酬体系というのは幾ら何を やっても、これはもうだめになると思います。私はその辺のことを医療課はどういうふう にお考えになっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  当然ながら、両方あると思っておりまして、医師の診断の下に正常な治療が行われてい るというのが大前提ではあります。ただ、それだったら、何も細かい議論をしなくても診 療報酬の議論は必要なくなってくるわけで、それはその部分については、ではどの部分で 評価をしていくかという、その議論が入ってきますと、やはりその点数によって動く部分 も当然出てきますので、その部分については悪い影響が出ないようなことは配慮すべきで はないかと思っています。  だから、そういう意味で、当然ながら、点数によって動く部分というのは想定されるわ けですので、その部分について、よりいいような形で動くような方向を考えるべきではな いのかなというふうに思います。 ○松浦委員  ちょっと納得ができたようなできないような説明ですけれども、私はあるメールをもら っている中にも、やはりこの今私が2つの理由がここに書いてあると、「医療機関にとっ ては、透析時間が短くなれば、それだけ透析に係るコストも減少する。」と書いてありま すから、同じようなことをやはり患者さんもお感じになっているのですね。「長時間透析 が診療報酬で手厚くされれば、現在短時間透析をしている施設も長時間透析をするでしょ う。短時間透析は施設には都合がよいかもしれませんが、透析患者にとっては命を削る思 いであります」。こういうこの感じを患者さんが持つということはあってはならぬことだ と思いますし、私はもうぜひこの医療の世界からは消してほしいと。これに対して診療報 酬でしか対応できないというのは、これは私はちょっと反省、大いに反省をして、医療課 も、また医療に携わっている人たちもぜひ猛省をして、ここをどうやって直していくかと いうこともあわせてお考えいただきたいと思います。 ○鈴木委員  松浦さんのお話、非常によくわかるような気がいたしますけれども、もし私が透析患者 になったとすると、3時間透析を毎日やります。というのは、透析が何でこんなに時間が 長くなるかといいますと、細胞外液の尿毒症の毒みたいなものが入っているばかりではな くて、細胞内液にも入っているのです。ですから、血液をきれいにしてしまうと、細胞の 中から今度は毒が血液の中にまた流れ込んできますので、それで、体の中をきれいにする のには時間がかかるのです。ですから、短い時間、3時間でも2時間半でもいいのかもし れませんけれども、毎日やれば、外側だけきれいにしていれば、中から毒がどんどん外へ 出てきますので、時間は短くて済むのです。でも、そんなわけにいかないのです。今多く て週に3回ぐらいが通常ですから、そうなりますというと、どうしても一定期間、体をき れいにするには時間がかかるのです。それで、「透析時間の現状とその問題点」の3で、 恐らく私の発言が入っているのではないかなと思っているのですけれども、透析量という、 どれだけ透析したら大丈夫かというような一つの目標値がありまして、目標値というのは、 血液を体の外へ出してきれいにするのですが、その血液の流量の速さと、それと時間に比 例することになっているのです。ですから、3時間透析よりも4時間透析のほうが毒が消 えますので、この裏のような結果になるわけなのです。  今松浦さんは、医療経済といいましょうか、非常に正常な診療というような表現をされ ましたけれども、職員は通常8時間労働ですから、3時間透析であれば、勤務時間の間に 2回透析ができますよね。4時間透析だと、前後に始末や後片づけ、準備がありますから、 とてもこれは1人8時間の労働の中ではできませんよね。そんなようなことが恐らく書き 込まれているのだろうと思います。  私に言わせていただければ、平成14年の改定が間違いだったのです、この時間をなく したということが。そもそもまだ5時間以上の透析に対して3段階だったのですから。そ れをいきなり1つにしてしまった間違いというものをこれは正そうというところだと私は 思っております。  それからあと、エリスロポエチンの包括なのですけれども、それまでは出来高で算定し ておりましたので、出来高から包括へ入れたので包括全体が膨らんだということで、決し て、それは間違ったことではないと思います。 ○松浦委員  2,250点に18年4月に改定になっておるということを言っているわけではありま せん。それから、患者も、例えば、確かに職員の労働問題と関連して、それで時間が満足 に透析を受けられないということは、これはもう非常に不幸なことですから、そういう観 点からのことは検討しなければいけませんが、しかし、現実にこうやって死亡率が高まっ て、それで出ているわけです。私は特に患者さんが、中で同じような、今私が読み上げま したことをおっしゃっている、「いわゆる短時間透析は施設には都合がいいかもしれませ んが、透析患者にとっては命を削る思いであります」。こういうことをお感じになってい るという、このことは、ぜひ先生方のほうからも患者さんに説明してください。説明をし て、それで患者さんも、なぜ自分が、もうちょっと長い透析時間を、透析医療をやってく れないのかということを私はそのときに言われたらどうですかと、こう言ったのです。特 に、そういうこの命にかかわるようなことで、こういう感じを持って医療の世界があると いうことは非常につらいことですから、これからはぜひ、残業時間が短いということで、 それが点数でどう評価するのか、それはよくわかりませんが、それは計算をしてみてくれ て結構です。しかし、これ、1,960点、14年4月に包括になったときは、3時間未 満は1,630点だったので、4時間以上〜5時間が2,110点、5時間以上が2,2 10点と、こういうことになっていますね。だから、一番安いところで切っているわけで もない。4時間ということで切っているわけでもないのです。ですから、当然このときの 思想というのは、必要な透析治療行為はやるということが前提になっていると思いますの で、そのことはどういうふうに反映していくのか、これはその残業時間ではじいていくの か、事務局は大変な作業になると思いますが、慎重にひとつお考えになってください。点 数がはじいて出てきたのは、それですったもんだしてがたがたがたがたまたすると、こう いうようなことにならないようにお願いします。  私も、これは本意ではなかったのです。たまたまこういうデータが出たものですから、 だから、短くなっているということは、いろいろな社会的要因があって、食べ物の関係と かいろいろなことがあって、透析の患者さんが重症が減ってこういうことになっているの かなと思って言ったわけなのです。それがこういう波紋を起こした。私も勉強させてもら って非常によかったと思っているのですけれども、事務局にくれぐれもよろしくお願いし ます。  以上です。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ほかに御意見ございますか。  すると、この4時間あたりが目安になるかと思いますが、時間の目安を設けるというこ とについて、ここでは「検討してはどうか」となっています。そういうことについて同意 いただけますでしょうか。よろしいですか。 ○松浦委員  では、ひっくるめて検討、これだったら絶対自信が持てるというような点数表を出して みて、それで議論したほうがいいように僕は思います。ここで、それなら時間の要素を入 れていこうということ、それはオーケーしたではないかと、こういうことになってもまた 困るのです。 ○土田小委員長  つまり、4時間が妥当かどうか、何時間が適当か、そういうデータを出してほしいとい うことですか。 ○松浦委員  そうですね。これはそこから行かないといかぬでしょうね。 ○土田小委員長  でも、これは前にちょっと説明がありましたよね。それから今回もこれは必ずしも明確 な因果関係がないということで説明があって、一応こういうデータが出てきているわけで すが、ただ、因果関係がないというと、この透析の時間の問題というのはちょっとわかり づらい部分がありますけれども、まあこういうデータがあるということは一つの根拠にな り得るかと思いますが、いかがでしょうか。 ○丸山委員  ちょっと議論が硬直していて、よくわからぬ立場で少しおかしいなと思うのは、短時間 化する理由が、患者自身が短縮を希望する、それから医療コストの点で短時間化している、 これ、合理的・医学的判断は何も入っていないで短時間化しているように見えます。 ○土田小委員長  それについては先ほど医療課長が、その医学的な正当性というか、その医学的な判断が 大前提であるというふうに申し上げていますので、それを踏まえての個別のケースでは異 なるということでしょう。 ○丸山委員  それなら、例えば今鈴木先生がおっしゃるように、透析をやっている中で、患者の血液 検査等のデータが刻々出てきますよね、そうすると、今回の透析はあなたはこれでもうほ ぼよろしいでしょうというデータになるまで透析は続けるものではないのですか。 ○鈴木委員  ですから、透析量の指標と申し上げたのですけれども、透析のその数値目標に到達する まで努力して透析時間を設定をするのです。それが3時間で済む人と4時間で済む人とい るのです。ですから、それは医者がこの治療はどれだけ必要だということを決定するので す。それは月2回、そういう血液検査をして、その経過を追って、8%ぐらいの方が30 年以上透析で生存しておられますので、そういうデータに基づいた管理をしているわけで す。 ○丸山委員  そうすると、その基準は医者個人の判断の基準ではなくて、一定の学術的な基準がある はずなので、それだったらば、それは普遍的に各ドクターがそれに基づいてやれば、3時 間もあれば4時間もあれば5時間もあると。だから、時間の問題ではなくて、1つの治療 行為、1回分完了という意味ではないですよね、完治なんかはしないとすれば。1回の治 療行為として時間の要素が入るほうがむしろおかしいのではないですか。 ○鈴木委員  いえ、ですから、それは学術的な見地に基づいた、治療効果ではそうかもしれませんけ れども、診療報酬の点数というものは、その施設の維持の裏づけというところもあります。 それの違いは、先ほど申し上げたように、例えば3時間透析であれば8時間で2人できる けれども、4時間を2人というのは、準備や後片づけがあるのでとても8時間労働の中で はおさまらないので、そこで差が出てこないと……。 ○丸山委員  それもわかります。わかりますけれども、それは患者さんのデータに基づく結果であっ て、治療行為自体は時間の制限というのはそもそもおかしい。 ○鈴木委員  当然です。 ○丸山委員  ですよね。だから、変に時間を設定すると、かえって中途半端で短時間化が起こってし まうのではないですかという疑問が残る。 ○鈴木委員  あと1つ、私どものところは、透析の患者さんの意思を尊重します。自己管理が一番の キーポイントなものですから。とても制限が多いのですよね、水分をとってはいけない、 お酒を飲むのはとんでもないし、もうカリウムが高くなれば心臓がとまりますから、イン スタントコーヒーなんかは絶対にだめです。そういうことで、自由奔放に太く短く生きた い患者さんには、それでは3時間でやりましょうねと、これは納得づくですから。それは いろいろな要素が出てきますので、そうはなかなか簡単な話ではない。 ○丸山委員  だけど、患者の個人的感情、いや、治す気がないのならそもそも透析を受けなければい いのだから。 ○鈴木委員  そういう患者さんもいますよ。途中でやめる患者さんもいれば、逃げ出して1週間たっ てつらいと言って戻ってくる患者さんもおれば、私どもがやっと探して治療する患者さん もおります。 ○丸山委員  だから、そういうのは実際上あると思うのですが、そういう患者の希望の要素を入れた ら治療行為の評価にはならないのではないかと。 ○鈴木委員  それで現在の医療は通りませんよ。 ○丸山委員  そうでしょうね。患者個人の希望もあるのでしょうけれども、こういうときの判断基準 には僕はちょっとおかしいような気がします。やはり医療の基準、データに基づく基準で、 ここで1回分、この透析は今日はこれで結構ですよとか、あるいは今月はこのデータをキ ープしているからこの程度でいいですねという、何か基準に基づいた判断が入るべきでは ないのか。先に戻りますけれども。 ○鈴木委員  いえ、ですから、透析量という話をしておりまして、目標値があると申しましたけれど も、体が小さくてあまり筋骨隆々ではなくて、あるいは高齢の方だとか、そしてあまり動 かないという方は、そういう尿毒症の毒みたいなものも、産生も少ないものだから短い時 間でできる。大きな人はそうはいかないです。 ○丸山委員  これはくどいようですけれども、短い時間でそれができるというのは、その基準値に達 しているからですね。だから、基準値に基づいてこういうものを判断すべきだというのが 私の意見なのです。 ○土田小委員長  わかりました。非常に内容のある議論が続いておりますが、これは今回は結論を出すの はやめましょう。まだまだ結論には早いと判断されますので、したがって、この問題につ いてはもう一度改めて取り上げたいと思います。よろしいですか。 ○松浦委員  また私も接触があっていろいろ勉強するかもしれません。 ○土田小委員長  よろしくお願いします。  それでは、3番目の「外来管理加算」について御意見、御質問承りたいと思いますが、 いかがでしょうか。 ○鈴木委員  外来管理加算の最後のところの表でございますけれども、先ほど右のほうは非常に不確 かな数字といいましょうか、あまり患者さんが見えないような施設は困るのではないかと いうような推定をされて、それで厳密には言えないけれどもというような御説明でありま して、そうなるというと、僕は時間で切るというのはなかなか難しいと思いますし、いや、 さっきは時間の話だったのですけれども。例えば前に診察で見えたときに、もう30分も お話をして、いろいろな指導も終わって、その結果どうですかと言ったら、非常にとても ぐあいがいいですよという話になって、今日はちょっと仕事があるので診察してもらう時 間はないのだけれどもというようなときもありますし、それをカルテに一々何時何分に診 察して何時何分に終わったみたいな話というのは、これは現場に注文するのは酷ですよ。 前回も私は何か違うパラメーターでとお願いしたと思いますので、これで1割カットした いというのは私は無理だと思いますけれども。 ○竹嶋委員  先ほどの御発言と関係してくると思うのですね、医療の在り方というか、診察、それか ら診療、治療ですね。そこのところで、松浦委員がおっしゃったように、医師あるいは医 療従事者を善として全体を考えるか、そうでないほうにウエートを置いて考えるかという ことでまた違ってくると思うのですが、基本的に、時間によって点数を決める。もしそう なら、例えば精神科なんか本当に30分、40分、ずっともう長いですよ。お考えになっ てごらんなさい。しかも、なかなかわかりにくい患者さんに、本当に御説明をいろいろし ていくわけでしょう。もっともっと診療報酬を上げなければいけないでしょうね。だから、 逆を言えば、安易に内科なら内科で時間を5分とか10分でこうとか、そういう決め方は、 これは医療の本質を壊すことになるだろうと私は思います。  例えば日本の医療が本当にほかの先進諸国なんかと比べても非常にレベルは低いのか、 国民の皆さんは満足しておられないのかといいますと、私ども日医総研でそれをアンケー トで調べますと、88%の方が患者さんでは満足しておられるのですね。今患者さんでな い国民の皆さんにアンケートをとったら、そこでもやはり78%。つまり、日本の医療は アメリカのような先端的な医療には劣っているかもしれませんが、しかし、平均以上のレ ベルを保っているということです。さっきの透析もそうですね。イギリスなんかはもっと ひどい。6カ月で保険診療をぽんと切られたり、そういうふうなこともありまして、それ ならそれを保っている日本のいわゆる医療費というのは、では高いのかと。要するに、そ ういうことでこういう話が出てくるのだと私は思うのです。  それで、本当に基本的にこういう持っていき方というか、これをすることがいいのか、 そこをもう一度皆さんはお考えいただきたいと思います。 ○渡辺委員  私も先ほどの鈴木委員の発言に同感です。歯科の場合にもそういう部分が一部分あるの ですが、それは決してそれで十分な時間でない場合もありまして、本当に長い時間やる場 合もありますし、では、長いからといってそれだけの評価があるかといったら、そうでな いということもあります。患者さんによっては、そういう状況状況が違ってきますので、 やはり時間でもってこういう設定をする、特にこういう場合、外来で診ている場合には、 私は基本的に鈴木委員と同じような意見を持っております。 ○西澤委員  この参考資料なのですけれども、診療時間を患者数で割ったということでは、患者がこ の時間診察を受けているというのとちょっと違うデータだと思います。これをもって例え ば第2のように、平均診療時間が5分以上であったと、診療時間が5分というのはちょっ と違うなと思います。例えば私も今外来をやっていますけれども、予約制で、1人大体5 分ですね。だから、30分で6人ぐらい入れているのですけれども、その中でかなりむら があります。だから、その時間の中で5分平均でとることはできますけれども、例えば1 人の患者さんに時間がかかると、あと詰まっておりますので、ほかの患者さんは若干縮ま るということになります。それから、私は北海道なのですけれども、夏と冬では全く違う。 例えば着込んでくると、そのときは話はしていますけれども、診察する準備だけでもかか ります。そういうことでは、単純に時間で入れるということはいろいろな面でちょっと問 題あるのかな、もうちょっと考えていただければなと思っております。 ○鈴木委員  ただ、これを患者の視点で見るとなかなか納得できないというところがあるのかもしれ ませんので、しかし、それを時間で解決するというのは、ちょっと……。何かうまい解決 法をやはり事務局に考えてもらうよりしようがないと思うのです。 ○土田小委員長  いや、うまい解決法として時間を持ってきたということだと思いますが。 ○竹嶋委員  鈴木委員の発言とちょっと違うのですが、そこのところは患者さんに説明するのに、医 療は不確実性があるから、そこを十分認識して説明するという努力を我々医療人がやらな ければいけないですね。そこでやりますよということなのです。だから、さっき言った、 私たちの医療行為を善と考えていただけるか、何かしら疑いを持って皆さんが考えていた だくか、そこの差になると思うのです。そこは我々当然努力しますよ。 ○対馬委員  一つ二つあるのですが、1つは、今日はどうも文章にこだわっているようで申し訳ない のですけれども、「論点」のところに、「時間をかけた診療が概ね行われている」と書い ていますけれども、どうでしょうか。10分未満が4割というのは、患者の見方からする と、確かに実態的には西澤委員とか各委員がおっしゃっているところはあるのでしょうけ れども、本来的にこれで「時間をかけた診療が概ね行われている」ということではないの ではないかなと、こういうふうに思うのです。患者の満足度も、私どもこの前国民意識調 査を出しまして、ちょっと数字を私は覚えていませんけれども、大分不満という感じがあ りました。その中の一つはやはりこの診療時間が十分ではないというのがございますので、 ここはどうかなというのがございます。  それからあと、確かに時間でというのは、中医協でも何度か議論してもなかなかうまい 解が出ないところではあるのです。ですから、ほかのいいアイデアがあれば別途のほうが 望ましいと私も思いますけれども、ただ、そこはなかなか難しいのかなという感じがする のです。  ただ一つ私が思いますのは、今日はあまり議論を複雑にするつもりはありませんけれど も、75歳以上の方を総合的に診る医師、そういった議論との関連でもってこの議論を本 来的にはすべきなのではないのかなと。主としてこれは内科の先生なんかを念頭に置きな がらの話ですから、その場合に、外科などと違って、処置や手術など、なかなかないと思 います。そうすると、丁寧に説明するのがどうかと、ないしは患者さんがどれだけ納得し ていただけるかということになります。そうすると、そことの関連が出てくるのだろうと 思うのです。ですから、あまり広げますと、今度は解が、逆に時間との追いかけっこにな り、ちょっと難しくなりますので、あまり具体的な提案ではありませんけれども、そうい った感じはいたします。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○松浦委員  ちょっと日にちがたってピントがずれてしまって、蛍光灯みたいな話になりますから。 また、竹嶋先生が言われたこと、今ちょっと整理ができなくなりました。 ○土田小委員長  この外来管理加算について、1号側は今対馬委員から発言がありましたが、ほかにござ いますでしょうか。これは今主に2号側から多くの発言がありまして、すべて反対だとい う御意見でしたが。 ○事務局(原医療課長)   どうしても時間というのが確かに一番単純でわかりやすいとは思うのですけれども、な かなかそれはそぐわないという御意見も非常に心情的にもよくわかるのです。しかしなが ら、患者さんのほうもなぜ納得しないかというと、有形物に対しては評価は高いけれども、 無形のものに対してなかなかありがたがらないというか、その価値をあまり感じていただ けない、多分そういうことなのだろうと思います。  それならば、こういう時間でなくして、では何か有形物を考えるかというと、あまり好 ましくはないかもわかりませんが、指導の内容を書いた紙を出していただく。それによっ て、今日の診察内容はこれで、療養の中軸はこうだよということを出していただく。そう いうような形であれば患者さんのほうも納得されるかもわかりませんが、ただ、多分それ はまた反対があるだろうと思います。だから、私どもとしては、逆に、診察の現場でどう いうことを評価すべきかということをもう少し具体的に提案いただければ、評価を考えた いと思うのです。 ○土田小委員長  わかりました。非常に基本的な発言で、後期高齢者についてはそのペーパーを出してい ただくという形の評価が一応提案されておりますが、ここはそうではなくて別の形、すな わち時間でもって何らかの基準としていきたいということで、それはもう一方では、先ほ ど課長から話もありましたように、有形なもの、つまり、検査とか投薬でない別の形でそ こを評価していきたいということですから、気持ちというか、その観点は非常によくわか るのですが、いかがでございましょうか。  つまり、今すぐ言われても、この代替すべきアイデアが出てこないということだと思い ますので、これも事務局には申し訳ないのですが、ペンディングにしましょう。それで、 改めてこれは取り上げたいと思います。  ただ、今課長が発言されましたように、ここを何らかの形で基準を設けるということは 必要だろうと思います。つまり、患者さんの意向ということを考えた場合は必要だと思い ますので、その場合に、一つ時間というファクターが出てきましたから、これについては 何らかの形で妥協を求めていきたいと思っておりますが、十分にほかの基準がありました ら御提案をいただいて、検討を改めてしたいと思います。どうもありがとうございました。  結局、この宿題3点のうち片づいたのは1点だけということで、また2つが宿題の持ち 越しになりました。ちょっと司会のまずさもありますが、御了解いただきたいと思います。  今日の議題はそれだけでございますが、次回の日程について事務局のほうからお願いし ます。 ○事務局(原医療課長)  基本問題小委員会、次回は来週、金曜日、12月14日を予定しております。場所は未 定でございます。 ○土田小委員長  そうすると、来週の水曜日はないということですか。 ○事務局(原医療課長)  水曜日は今のところ総会等がございますので、抜けられません。 ○土田小委員長   わかりました。では、来週もまた水曜日・金曜日にあるということで、どうぞよろしく お願いします。  それでは、本日の基本小委はこれで終了いたします。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)