07/12/06 平成19年12月6日 薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会 器具・容器包装部会 議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 器具・容器包装部会 【日  時】  平成19年12月6日(木) 10:00〜10:24 【場  所】  経済産業省 別館 1014号会議室 【出席委員】  井口委員、河村委員、神田委員、品川委員、棚元委員、         西島委員、早川委員、望月委員 鰐渕委員(五十音順) 【事 務 局】  國枝基準審査課長、光岡補佐、束野補佐 【議  題】   (1)器具及び容器包装の規格基準の改正について   (2)その他 ○光岡補佐 それでは、定刻となりましたので「薬事・食品衛生審議会 食品衛生分科会器具・容器包装部会」を開催させていただきたいと思います。 出席と連絡のございました河村委員と菅野委員が交通機関が止まっていて遅れているようでございますけれども、説明だけでも先に始めさせていただきたいと思います。 本日は、土屋委員、堀江委員より欠席との御連絡を事前に受けてございます。現在、器具・容器包装部会の委員12名中10名の委員の先生方に、御出席いただくという形になっておりますので、本日の部会が成立いたしますことを御報告申し上げます。 それでは、以降の進行を座長の西島部会長にお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 ○西島部会長 先生方、おはようございます。 それでは、部会を始めたいと思いますが、まず始めに、配付資料の確認を事務局の方からお願いいたします。 ○光岡補佐 本日、先生方のお手元に置かせていただきました資料でございますけれども、まず議事次第、委員名簿、資料一覧、座席表がございます。 議題(1)の資料といたしまして「諮問書」。 それから、今回御審議いただこうと思ってございますガラス製、陶磁器製、ホウロウ引きの器具・容器包装の規格の改正についての報告書の(案)でございます。 前回もお配りをしておりますけれども、今回、もう一度参考資料1−1といたしまして「食品衛生法(抜粋)」。 参考資料1−2として「平成16年度厚生労働科学研究報告書」。 参考資料1−3として「平成17年度厚生労働科学研究報告書」。 参考資料1−4として「平成19年度食品・添加物等規格基準に関する試験検査費報告書」。 参考資料1−5として、前回の審議資料とした材質別規格の改正案。 参考資料1−6として、現行の改正案とISO規格の対照表でございます。 それから、当日配付資料といたしまして、11月13日付で発出いたしました割りばしの監視指導についての通知の写しを配付してございます。 以上でございます。 本日、お手元にお配りいたしました資料でございますけれども、もし不足等がありましたら、お申し出いただきたいと存じます。皆さん、おそろいでしょうか。 ○西島部会長 よろしいようですので、それでは早速、審議に入りたいと思います。 まず始めに、議題(1)にあります「器具及び容器包装の規格基準改正について」の審議に入りたいと思います。事務局より、資料に基づきまして御説明お願いいたします。 ○光岡補佐 それでは、資料番号1−1と1−2でございます。 資料1−1は諮問書でございますので、資料1−2に沿って報告書の(案)を、前回の御審議を踏まえまして、作成させていただいたものでございます。 「ガラス製、陶磁器製又はホウロウ引きの器具又は容器包装の規格の改正に係る器具・容器包装部会報告書」でございます。 「1.経緯・改正の趣旨」。 現行のガラス製、陶磁器製又はホウロウ引き器具又は容器包装の規格は、昭和61年の改正時に、国際標準化機構(以下、「ISO」という。)の規格であるISO6486(陶磁器製食器等、1981年新設)、ISO7086(ガラス製中空容器、1982年新設)を参考に策定されたものである。 その後、1998年にISO4531(ホウロウ引き)の新設、1999年にISO6486(陶磁器及びガラス製食器等)の改正、2000年にISO7086(ガラス製中空容器)の改正が行われたため、平成16〜平成17年度の厚生労働科学研究の「食品用器具・容器包装及び乳幼児用玩具の安全性確保に関する研究」において、ガラス製、陶磁器製及びホウロウ引き製品の鉛、カドミウムに関する溶出規格について、ISO規格を参考にした改正案がとりまとめられた。 さらに、本年1月に輸入された不良品の土鍋を購入した消費者が煮炊きをしたところ、土鍋の内側に灰色の付着物が張り付き、鉛が検出されたため、自主回収されたとの報道があり、海外の有害な商品の輸入の阻止が喫緊の課題となっている。 こうした状況を踏まえ、今回、報告書の趣旨に沿ってガラス製、陶磁器製又はホウロウ引きの器具又は容器包装の鉛及びカドミウムの溶出規格の改正を行うこととした。 「2.ガラス製、陶磁器製又はホウロウ引きの器具・容器包装の規格の改正」。 食品衛生法に基づく現行の材質別規格では、ガラス製、陶磁器製又はホウロウ引きの器具及び容器包装は、1つの材質規格として共通の規格値を定めているが、1998年制定のISO4531(ホウロウ引き)、1999年改正のISO6486(陶磁器及びガラス製食器等)、2000年改正のISO7086(ガラス製中空容器)を参考にし、ガラス、陶磁器、ホウロウ引きの材質ごと容量区分及び加熱調理用器具の規格を設け、下表のとおり規格を改正することが適当である。 なお、加熱調理用器具の規格の1つであるISO8391(陶磁器製調理器具、1986年制定)については、4%酢酸2時間煮沸の試験条件を課しているが、マル1として、煮沸条件を一定にすることが難しいこと。 マル2として、満量の3分の2に相当する試験溶液しか入れないため、上縁部分からの溶出を反映できないこと。 マル3として、諸外国で採用している国が見当たらないことから、採用しないこととする。 また、4%酢酸で2時間煮沸しなくても、4%酢酸、常温、24時間の溶出条件でも焼成が不十分な試料からは、ほぼ全量の鉛が溶出することが実験で確認されており、規格値の改定により今回の土鍋のような事例は防止できるものと考えられる。 更に、ISO6486のカップ、又はマグの規格については、その設定の意図が明らかではないこと、ISO4531のホウロウ引き食器の飲み口(外表面の上から2cm)の規格については、その溶出限度値が内表面の溶出限度値に比べると極めて高く、別途規格を設ける必要性もないことから、これらの規格は採用しないこととする。 これらの改正の概要を表に、具体的な規格の改正案(新旧対照表)を別紙に示すという形にしておりまして、表として「改正の概要」を簡単に、試験法を除いた規格だけを「現行の規格」と「改正案」について表をつくってございます。 それから、別紙といたしまして、今回、試験法を挿入した形で、実際の告示の改正案の概要を後ろに示してございます。 以上でございます。 ○西島部会長 どうもありがとうございました。 ただいま事務局の方から、報告書の案につきまして御説明をいただきましたけれども、これから、この報告書についての審議に入りたいと思いますが、先生方から何か御意見ございますでしょうか。 今の御説明は、この資料に沿って行われたわけですね。 ○光岡補佐 はい。 ○西島部会長 今のことを、これを見ながらもう一度見ていただくとわかりやすいと思います。 ただいまの説明の1ページの一番最後のパラグラフの「なお」のところにあります点は、今、お示しした紙のISO8391に書いてありますけれども、ISO8391では4%の酢酸で2時間ボイル、3分の2に相当する液を入れるということがありますが、この報告書にありますように、4%酢酸、常温、24時間の溶出条件で十分溶出できるということで、このようなことに改正するということですが、まずこれについてはよろしいでしょうか。御意見等ございますか。 2ページに移りまして、マグ、カップのところですけれども、これはISO6486にありますが、Caps & Mugとありますね。ここのところ、その設定の意図が明らかでないということについて、もうちょっと説明していただけますでしょうか。 ○光岡補佐 それでは、簡単でございますけれども、前回、10月17日に河村委員の方から御説明があったとは思いますけれども、改めてこの内容について申し上げます。 ISO規格の6486の2のカップ・アンド・マグについてですけれども、これらについて、既にCaps & Mugの定義は、通常、温かいコーヒーや紅茶を飲む場合に用いられるもので、取っ手付きの約240ml 程度の器であると書かれている。 なぜ、それを低い値にしなければならないという理由が書かれていない。1つは、温度が高いものを入れるからかもしれない。口をつけるからかもしれない。もしくは1日何度でも使う。普通の食器よりも繁用するからかもしれないという推定はできたんですけれども、例えば、温度が高いということであれば、カップ、マグよりもスープ皿の方が温度は高いでしょうし、ステーキを入れる皿の方が高いことがあるかもしれない。 口をつけるということであれば、表面が外側かということがあるんですけれども、この試験は内面しかしていない試験なので、外側は全く見ていない。繁用するということになると、どこまでが繁用なのか。口をつける食器ということになると、ヨーロッパではカップ、マグしかないわけですけれども、日本の食器では非常にたくさんあって、湯飲みであるとか茶わん、どんぶり、おちょことかいろいろあるわけですけれども、それらがすべて必要なのかどうか。また、口をつけるということによって、鉛が移行する量というのは4%酢酸の溶出試験をするよりもはるかに少ない。 以上のことからカップ、マグというあいまいな規格を導入するのは適当ではないと、河村委員の方からの御説明がございました。 それから、参考資料1−3の方に、8ページになりますけれども、マル4の方にも同様の趣旨の説明が記載されております。 ○西島部会長 ありがとうございました。 カップ・アンド・マグについては、前回、河村委員から御説明されたということですが、ただいまの御説明ということで対応しないということとなっております。 そのほか、先生方から御質問あるいは御意見ございませんでしょうか。 河村先生、特に何か御説明ございませんでしょうか。 ○河村委員 大丈夫です。 ○西島部会長 事務局の方からも、補足は以上の点だけでよろしいでしょうか。 ○光岡補佐 はい。 ○西島部会長 それでは、今日の(1)の審議の中心でありますこの報告書の(案)につきましては、おおむね了解が得られたということでありますので、了承するということでよろしいでしょうか。 (「はい」と声あり) ○西島部会長 ありがとうございます。 それでは、この報告書につきましては(案)をとりまして、来年になると思いますが、食品衛生分科会に報告するということにしたいと思います。ありがとうございました。 それでは、その他の審議事項「(2)その他」について、事務局から何かございますでしょうか。 ○光岡補佐 ございません。 ○西島部会長 あとは、割りばしの資料が最後にありますが。 ○光岡補佐 それでは、審議事項以外ですが、今回、実はガラス製、陶磁器製、ホウロウ引きの容器包装の材質別規格の改正案について、一応、部会での報告(案)がとりまとめられたことでございますけれども、事業者に対します、もう少し詳しい説明会を来年1月、2月にかけて全国何か所かで開催する予定でございます。 それから、割りばしに関しまして、11月13日に前回、前々回に御相談をさせていただきました設置案について、ようやく発出をするという見込みになりましたので、御参考までに机の方に配付させていただいたものでございます。 以上でございます。 ○西島部会長 ありがとうございます。 以上でよろしいでしょうか。 それでは、非常に短い時間になってしまいましたけれども、議事は以上で終了ということでよろしいですか。 それでは、最後に次回の予定につきまして、事務局の方から御説明お願いいたします。 ○光岡補佐 今後の予定でございますけれども、本件につきましては、これで一応議事が終了いたしましたので、今のところ、次回開催する予定というのはございません。 本件は、パブリック・コメントなどの所要の手続を経て、食品衛生分科会に報告することという形になりますけれども、実は、次回は来年の1月18日に食品衛生分科会が開催されるわけですけれども、所要の手続ということが、期間がある程度必要でございますので、1月18日の分科会の方では、おもちゃと金属製の器具・容器包装の規格基準の改正のみを報告させていただく。次々回に、今回御審議いただきました陶磁器製、それからホウロウ引きの器具・容器包装の部会報告書について、御報告をさせていただくという手順になってございます。 以上でございます。 ○西島部会長 ありがとうございます。 今後の予定についてはそういうことですけれども、よろしいでしょうか。 それでは、本日の審議は以上で終了になります。どうもありがとうございました。                                    (了) 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2486)