全国健康保険協会設立委員会(第9回)の議事の概要

 

1.日時 平成19年12月26日(水) 15時00分〜17時00分

2.場所 厚生労働省5階共用第7会議室

3.出席者 星野委員長、岩村委員長代理、江利川委員、逢見委員、加島委員、川端委員、古賀委員、五嶋委員、小林委員、山崎委員、山下委員

4.概要

冒頭、社会保険健康事業財団の伊藤理事長から保健事業の在り方と展望について意見を聴取した。その後、事業計画の骨子(検討のための素材)について事務局から説明が行われ、小林委員から協会の執行方針について発言があり、そのうえで事業計画に関して議論が行われた。

次に、職員の募集状況等について事務局からの説明及び議論が行われ、民間募集については小林委員の指揮のもとに進めていくこと、非常勤の保健指導保健師については1月に募集を開始することが了承された。

その後、愛称及びシンボルマークの公募状況や選考会議の結果について事務局から報告が行われ、愛称及びシンボルマークが決定された。

最後に、協会の本部・支部の事務所の選定・設営準備の状況及び平成20年度政府予算案について事務局から説明が行われ、事務所の選定・設営については小林委員の指揮のもとに進めることとなった。

【主な意見等の概要】

(事業計画の骨子)

・予防にかかるコストとそれにより医療費がどれぐらい減るのかというコストベネフィットの計算はあるのか。いろいろ工夫して行ったコストが医療費にどれだけ跳ねるかが国民の一番の関心事ではないか。予算の配分にあたって、予防と事後医療費にどう分けるかが非常に重要になるが、コストベネフィットの比較がなく、知見がないところでどう配分すればよいのか。財政的な理由で生命や病気に関するベネフィットが切り詰められるという議論に対して、ベネフィットをどのようなインディケータで測定すると説得力を持てるのか。データがあれば提供してもらいたい。

・協会の設立に当たっては、喫緊の課題として平成20年10月の設立に向けて(1)円滑な業務・サービスの移行を図ること、(2)業務・サービスの切れ目をなくす、(3)システムの点検に万全を期す、(4)被保険者証の切替えを円滑かつ着実に行うことが重要であり、これらが協会として本当に業務・サービスがきちんと行われるかの試金石となる。重点事項としては、(1)企画機能の強化、(2)業務の効率化、サービス向上の推進、(3)組織運営基盤の確立に取り組んでいきたい。被保険者や被扶養者、事業主のため、公の使命を果たすため、何をやるべきか、何ができるのか、あるいは職員の能力ややる気を高め、組織として最大の成果を上げるため、何をやるべきか、何ができるのかを常に考えながら執行の任に当たっていきたい。

・業務・サービスでは、新しいシステムが円滑に動き出すことが重要であるが、どのようなスケジュールで準備が進んでいるのか。

・保険証が変わることが新しい制度になったと印象づけることだが、保険証の切替えはどのくらいの期間で終わるのか。

・現存の保険証が発行されている者のデータはきちんとコンピュータ化されており、チェックできるようになっているのか。

・特定健診について、特に被扶養者への周知がまだ全然なされていないのではないか。来年4月からの実施に当たって、具体的な広報活動、周知の方法をどうしていくのか。

・4月の時点で健診の申込みをしても今年はいっぱいで受けられないと断られる状態や、受診機関が不足しており、受診できない地域も多々あるが、これらの解消をどのように進めていくのか。

・平成20年4月から高齢者医療制度ができ、老人が被保険者から離れると、1人当たり被保険者の医療費は上がらないと思われるので、保険料率を上げないと言ってみてはどうか。重石がないので、そこの退路は断って、皆がそれに向かって一致して努力する一つの目標になるのではないか。

・事業計画の骨子の基本的な考え方の方向性について異論はないが、その性格づけについて、事業計画が内部の徹底だけに止まらずに、新組織となって被保険者や事業主にとって何が変わるのか、どういうメリットがあるのかということも含めて、しっかりとアピールしながら、被保険者や事業主からもこの事業計画への参加意識を高めていく取り組みが必要。

・都道府県別保険料率について納得をいただくためには、きちんとした情報開示と議論の透明なプロセスがないといけない。1年後には新たな保険料率を決めなければいけないということは、発足当初からすぐに保険料率の審議に向けたいろいろな体制づくりを進めていかなければいけないわけであり、スムーズにいけるように遺漏なきようお願いする。

・事業計画を発表する段階で、一般にうまくアピールするようなキャッチフレーズとして、「こういうものを目指す」というものがあるとよいのではないか。

・窓口等の被保険者等からの苦情の受け止め方をいかにきちんとするか、これに対し適切に対処していくことが重要ではないか。苦情をうまくその後の事業運営や事務に反映できるような仕組みを考えてもらいたい。

・社会保険委員は社会保険事務所の業務にいろいろ協力して活躍しており、それで保険証の切替え等もスムーズに行われている。今後、健康保険委員ができるが、一つの組織をつくるのかどうか、どのように考えているのか。社会保険委員は現場の業務の運営に非常に役立っており、そのあたりをよく考えてもらいたい。

(職員の募集状況等)

・社会保険庁における名簿作成については、厳正、公正に行い、納得性のあるように、現場に混乱のないように進めてもらいたい。

・非常勤職員については、契約更新の際に昇給・降給を考えていくとすれば、客観的な基準が必要であり、これをどのように考えていくのか。

・非常勤職員については、労働法の適用があり、公務員制度の下と異なるので、採用等においてもその点は十分留意してもらいたい。

・将来の課題として、非常勤職員から正規職員への登用のルートをつくることも検討の余地があるのではないか。

照会先:厚生労働省保険局保険課
電  話:(代表) 03(5253)1111
(内線)3268,3239 成松、松下


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