07/11/30 第1回 フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会議事録         第1回フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等             発症患者の症状等に関する調査検討会          日時 平成19年11月30日(金)          15:00〜          場所 航空会館B101会議室 ○玉川企画官 定刻になりましたので、第1回フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎 等発症患者の症状等に関する調査検討会を開催します。本日事務局を務めます医薬食品 局医薬品安全企画官の玉川です。よろしくお願いします。  冒頭、伊藤厚生労働大臣政務官よりご挨拶の予定としていましたが、所用により遅れ ていますので後ほどご挨拶をいただく予定としています。報道関係者の方々には大変申 し訳ありませんが、頭撮りをここまでとさせていただきたいと思います。よろしくお願 いします。冒頭の大臣政務官のご挨拶までお願いをしようと思っていたのですが、所用 により遅れていますので、ここでしばらくご容赦ください。  初めに、本日の本検討会の構成員の先生方をご紹介します。資料2に構成員名簿があ りますので、ご覧ください。虎の門病院分院長の熊田先生、九州大学名誉教授の中野先 生、国立感染症研究所長の宮村先生、独立行政法人国立病院機構長崎医療センターの臨 床研究センター治療研究部長の八橋先生、広島大学大学院医歯薬学総合研究課教授の吉 澤先生です。次に行政側の出席者を紹介します。医薬担当審議官の黒川です。先ほど紹 介しましたように、伊藤厚生労働大臣政務官は後ほど遅れて見える予定になっています。  続きまして、本検討会の座長及び座長代理の選出についてご相談します。事務局とし ては、本検討会の座長には国立感染症研究所長の宮村先生に、座長代理を虎の門病院分 院長の熊田先生にそれぞれお願いしたいと考えていますが、いかがでしょうか。                  (異議なし) ○玉川企画官 ありがとうございました。それでは宮村先生、座長席へ移動をお願いし ます。以降の議事進行をよろしくお願いします。 ○宮村座長 重責ではありますが務めさせていただきます。よろしくご協力をお願いし ます。  まず、本日はいくつかの配付資料がありますので、事務局から配付資料の説明をお願 いします。 ○玉川企画官 配付資料の説明をします。資料1は、「フィブリノゲン製剤投与後の418 例の肝炎等発症患者の症状等に関する調査検討会」の開催要綱です。資料2は、ただい ま紹介しました検討会の構成員の名簿です。資料3は、フィブリノゲン製剤投与後の418 例の肝炎等発症患者の症状等に関する実態調査(案)です。資料4-1は、調査票(案) の概要です。資料4-2は、調査票(案)です。参考資料として、田辺三菱製薬株式会社 におけるフィブリノゲン製剤に係る418症例報告調査プロジェクトチームの活動状況等 の報告についてというプレス資料です。以上ご説明しました資料のほかに、机上の配付 資料として今後のスケジュール(案)、平成19年10月22日付け今回の書類の位置づけ と内容、症例一覧表(報告日付)というA4横の表があります。資料については以上で す。不足等があれば、お申し付けください。 ○宮村座長 それでは議事1の、フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者 の症状等に関する調査検討会の開催についてということで、本検討会及び本日の会合の 趣旨を事務局からご説明していただきます。お願いします。 ○玉川企画官 本来であれば、大臣政務官からご挨拶の中でも趣旨を申し述べるところ ですが、遅れていますので、開催要綱に基づきまして本検討会の趣旨等についてご確認 をいただきたいと思います。資料1の開催要綱をご覧ください。本検討会は平成14年8 月9日付けで三菱ウエルファーマ株式会社(当時)より報告がありました、フィブリノ ゲン製剤投与後の418例の肝炎等の発生例に係ります患者の症状等について、厚生労働 省が調査を実施するに当たってその調査の内容、調査結果の分析等について検討するこ とを目的とするものです。したがいまして、検討事項としては調査の内容、集計しまし た結果の分析等をお願いすることになります。  検討会の構成等は、医学の専門家から構成するということで、先ほど選出しましたと おり1名を座長として選出します。また、本検討会は必要に応じて特定の医学的薬学的 事項に係る専門家を招致することができるという取扱いとしています。この検討会の運 営等については、検討会は個人情報等に係る事項があるため、非公開とする。ただし議 事録に関しては、個人情報等にかかる事項を除き、公開するという取扱いにしています。 検討会の庶務については、医薬食品局の総務課が行うといったことで進めてまいります。 その他、本検討会は伊藤厚生労働大臣政務官の参加の下に進めることになっていますの で、よろしくお願いします。本検討会の趣旨等については、以上にまとめたところに要 約されますが、説明をとりあえずここで切りたいと思います。 ○宮村座長 いまのご説明について、何かご意見やご質問がありましたらどうぞ。 ○中野委員 ただいま資料1の目的の4行の文章に沿ってご説明を受けたのですが、2 行目でフィブリノゲン製剤投与の資料が418例分あって、三菱ウエルファーマから出さ れた。そこで何をこの検討会で行うかというので、患者の症状等の「等」がどういう含 みがあるのかはわかりませんが、これは医学医療的な立場から、先方から提出されたも のの正当性というか、肝炎の患者であるとか、そういうものをはっきりさせるというこ となのでしょうか。調査結果の解析というのがよくわからないのです。 ○玉川企画官 調査の中身にも関わってくるところですので、詳しくは実態調査のとこ ろでご説明を。 ○中野委員 それで結構です。ただ、ここで発言すべき性格のものでしたので。場合に よっては戻って話題にさせていただきたいと思います。 ○宮村座長 あとは、今回のものは418例と。で、特定のフィブリノゲン製剤ですが、 これはある意味では氷山の一角というか、いろいろな製剤があったわけですね。この調 査は、これに限定をしてやるということですね。 ○玉川企画官 対象としているのは、そこに特化した検討会になります。 ○宮村座長 ほかに何か、委員の方から確認することはありますか。 ○吉澤委員 この418例がHCVに感染していたのかどうであったかということの調査 ですか。それとも、これを契機にして、感染を受けたかもしれない患者とフィブリノゲ ンのロットとの1対1の関係が見出し、そのロットが使われた患者への調査を拡大して 行うということなのでしょうか。 ○玉川企画官 この検討会ですが、418例の患者の方々が置かれた実際の状況、現在の 症状がどのようなものであるのか。当時の症状がどのようなものであったのか。不幸に してお亡くなりになっていた場合は、その死因がどのようなものであったのかという事 柄について、事実を正確に把握するのがこの検討会の調査すべき内容で、そこの部分に 特化した検討会です。 ○吉澤委員 そこまでという意味ですね。 ○中野委員 もう1回伺います。ディベートの気持は全くないですが。そうすると、い ま言われたみたいに症状をいくつかの程度や種類に仕分けする仕事だというご説明です が、それはいま社会問題化している事態に行政的に対応するのに大変に参考になると、 こう信じてというか理解してよろしいのですか。 ○玉川企画官 こうしたことの実際の状況について正確に把握することが、厚生労働省 として非常に強く求められているということで、実態調査を実施することとしたもので す。 ○中野委員 先ほどと同じ趣旨になので後ほどということもあるでしょうけれども、た だ集約化、一本化にしますとすべてがフォーカスされてしまいますので、どの目で見た のかというのがもし問いかけられたときに、何とお答えして良いのかと、私の立場とし て。実は、ここに関心があって集中したのだみたいなものが示されないといけないのか なという気持があります。後ほど、また具体の策の中で当然必要な行動のご提案がある でしょうから、そこでこの議論が反映するのでしょう。 ○吉澤委員 このことは2001年に肝炎ウイルス検診を始める前の段階で肝炎のQ&A の中にフィブリノゲン製剤を使った人、大きな輸血を受けた人などC型肝炎ウイルスの 感染のハイリスクの人たちは、節目外の検査をしますということが既に明記してあった わけです。フィブリノーゲンとの関係というのは418人だけに絞った場合に、何か出て くるのでしょうか。フィブリノゲンは、肝炎ウイルス感染のリスクが高かったというこ とはずっと以前から周知の事実であって、この418人について過去に遡って可能な限り 調査して何か得るものがあるとすれば、因果関係があると思われるロットを使った人に ついては、対象を拡大して積極的に検査を呼びかけることが必要なのではないかと思っ て出てきたのですがいかがでしょうか。 ○玉川企画官 厚生労働省として、さまざまな形で肝炎に対する取組みを進めています。 当時の対応がどうだったかについては別のチームがありますし、肝炎に対してのさまざ まな対策を行っている部局というものもあります。そうした中で、この検討会の検討対 象、検討を進める事項としてはここに特化をして、そこについて実態を正確に把握する。 そこに、ある意味でできるだけ早く結果をこの点についてまとめるといった要請もある ことですから、進めることになっています。 ○宮村座長 418例についてまずいろいろな因果関係というか、受けた人たちの解析を これからやって、そこから得られた結果についてどう発展していくかは結果によるとい うことですか。 ○玉川企画官 この検討会としては、418に限って進めたいと思っています。それ以外 について、さまざまな取組みがなされていますので、その状況によってそれぞれの必要 な施策を考えていかなければならないと思っています。 ○吉澤委員 418人がどうであったかということだけを、ここで一人ひとりについて症 例検討するということですね。 ○玉川企画官 ここの検討対象は、そういうことになります。 ○吉澤委員 わかりました。 ○中野委員 私にも確認させてください。そうすると、「等」の中にはどういうのが含ま れるのですか。症状というのは、医学用語の症状と理解していいのですか。 ○事務局 症状はそうです。418名のリストのご説明のときにも少ししますが、当時418 名がフィブリノゲンを投与された方であって、その後に肝機能障害等が出た方のリスト になっていますので、必ずしもすべての方が肝炎に罹患しているかどうかはわからない こともあります。また、実際に現状で集められるデータとしては、具体的に医学的な症 状や検査データではなくて、医師の解釈でこれは非A非B肝炎であるみたいなデータし かないようなものもありますので、そういったものも合わせて、あとは「等」の中には 1つは死亡原因といったことも入っていますが、そういったものを検討していただくと いうことです。  さらに言いますと、「等」は研究の進め方にも入っていくところになりますが、基本的 には急性肝炎を起こしてキャリアになり、ある程度の時期が経ってから慢性肝炎を発症 するような、ある意味である程度の自然経過を終えることを前提として、そこに考えな がら1986年から1988年ごろに感染したであろう人が、どうなっていったのであろうかと いうところを少し先生方のご見識を基に、症状以外で間を埋めていただく作業もある と思いますので、治療内容等のところには本当に検診を受けずにそのまま知らずに過ご していたとか、検診でわかってインターフェロンの治療を受けたということがすべて含 まれています。ですので、418名のそういったことをすべて追っていくことによって、 平成14年にきちんと告知をされなかったことが、どのような影響が出ているのかが明 らかにされると考えている次第ですが、そこが本当にできるかどうかも含め、先生方に お伺いをしたいということです。 ○宮村座長 目的が非常に限定されているというか、決まりました。それでどういう調 査を行って、その目的を達成していくかをこれから決めていくということです。開催要 綱で目的以外に何かコメント、ご質問はありますか。これは何か、結論を出すためのタ イムリミットや目標は設定されているのですか。 ○玉川企画官 後ほど、「今後のスケジュール」で具体的にご説明ないしは。 ○宮村座長 では結構です。次に進んでよろしいでしょうか。この開催要綱と目的が説 明されました。次に(2)調査の進め方及びスケジュール(案)についてです。これに ついては資料3がありますので、これに基づきまして事務局からまず資料の説明をして いただきたいと思います。お願いします。 ○事務局 資料3は、フィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等発症患者の症状等に 関する実態調査(案)です。調査の目的は、この調査はフィブリノゲン製剤投与後の418 例の肝炎等発症患者について、平成14年当時と現在の症状または死亡されている方に ついては死因、治療内容等の実態を把握することにより、C型肝炎に罹患しているケー スについて、その告知が速やかに行われなかったことの影響を明らかにすること等を目 的とするというのが最大の目的です。その手段として、418例の方のさまざまな調査を 行いたいということです。したがいまして、2の調査の対象ですが、平成14年に三菱ウ エルファーマ株式会社(当時)から報告のあったフィブリノゲン製剤投与後の418例の 肝炎等発生例に係る患者を対象とするということです。  先ほど申し上げましたように、この418例というのは、当時こちらでいろいろ報告や 調査をかけた際に、主に1986年から1990年の間にフィブリノゲンの投与を受けた方で あって、その後に肝機能障害が出た方すべてについてリストアップせよという指示を出 したものについて、調査の3回目、4回目に当時の三菱ウエルファーマ社が回答してき たものです。したがいまして、まずはその中から肝炎であることが推定されるかどうか の検討もありますし、また特定された方については調査票等をお送りしまして、平成14 年当時の健康状態あるいは現在の健康状態についての新たな情報を得た上で、投与され た当時の状態を逆に検討する形です。  3の調査事項です。したがいまして、1点は平成14年当時の症状及び治療内容という ことで、平成14年当時はこのリストが公表されたときでもありますし、かつ平成14年 であればまだ診療録の保存がされているであろう時期ですので、できるだけ過去に遡り まして、いま特定できた患者に対しての状況調査をするということです。  ここから先は、資料4-1のA4の横表を併せて見ていただくと、少しイメージがしや すいかなと思います。いちばん上に418例があります。現在、田辺三菱で本人が特定で きた方には、フィブリノゲン投与についてのお知らせを行っています。本人が特定でき て、お知らせができた方については調査票をお送りしまして、まず現在の病状について 調査票1を持ちまして調べていただく。これについては、例えばB型肝炎の検査やC型 肝炎の検査、できますればサブタイプまで調べていきたいと考えています。  調査票2で、平成14年(2002年)のときの健康状態について調査をしたいと考えて います。ただ、資料4-1の調査票1、調査票2の枠の下に※を付けていますように、肝 炎関連疾病での死亡事例であるのか、それとは関係ない死亡事例であるのかということ を調べていきたいと思っていますが、平成14年(2002年)以前に死亡した方には調査 票2でもって死亡した医療機関に遺族の方からお願いしていただいて、死亡したときの 状況、それ以前の肝炎の感染状況などがわかれば調べていただく。  同じことで調査票1においては、2002年以降2007年の間に亡くなられた方について は、調査票1でもって死亡医療機関に対して、その死亡原因や肝炎感染状況の資料につ いて調べていただく。2002年以降に亡くなられた方については、2002年当時の健康状 態、肝炎の状況はまた別途調べていく形で、本人が特定できた方は調査票3で行う投与 時の製薬企業が持っている医学医療情報に加えまして、製薬企業から投与医療機関にさ らにその調査票を送っていただきまして、追加するような情報がないかどうかをさらに 医療機関に依頼をした上で、調査票2の際の診察、調査票1の際の診察に、投与時の健 康状態、医療医学知見を併せて診察をしていただいた上で、調査票に記入をいただく流 れです。  いま、調査票を中心として資料4-1に基づいてご説明しましたが、具体的な依頼の流 れは右肩に「別添」と書いてあります検討会の調査対象及び方法(案)と書いてあるも のです。左下に「国 調査票の作成」とありますが、それをまさにこの検討会で検討して 作っていただきたいと考えています。  一応の案はこちらでご用意していますが、(1)の調査票の送付は先ほど調査票3として 説明したフィブリノゲン投与時の状況の調査です。これは製薬企業及びフィブリノゲン を投与した医療機関を経由して、お知らせを行った患者(遺族)に送付する予定です。 (2)として、製薬企業から調査票及び投与時の医療データを投与医療機関に送りまして、 さらに医療データに加筆修正するべきところがあればしていただく過程を経まして、(3) の調査票及び投与時の医療データの送付として、患者または遺族の方に調査票3を送り ます。その上で2002年時点での検診を受けている医療機関や場合によっては何らかの 疾病で、もちろん肝炎の治療も含まれますが、治療を受けていれば2002年時点で通院 していた医療機関、入院していた医療機関に調査票2を送っていただいて、当時の状況 を調べていただく。  さらに現在、通院または入院しておられる方がいましたら調査票1を用いまして、そ の医療機関に、調査票1と2は、5年間ですから同一である可能性もありますが、何ら かの理由で別の医療機関にかかっていたり別の疾患でかかっていたりする可能性があり ますので、一応そこは調査票としては分けていますが、場合によって調査票1と2は同 じ医療機関で書いていただくことになるかもしれません。しかしながら、調査票1を現 在の状況、2002年の状況、フィブリノゲン投与時の状況の3つのことにおいて、でき る限り418例について、いま集められる医学医療情報を集めて、特定できた症例は詳細 に検討していただきたいと考えています。残りの特定できない方については、当時の情 報、いまのC型肝炎の知見に基づき何が言えるのかを検討いただきたいと考えています。 以上が、大体の調査の対象及び方法です。  資料3に戻っていまのことをまとめますと、調査事項としては平成14年当時の症状 及び治療内容、2つ目は現在の症状及び治療内容、死亡された方については死亡時期及 び死因、ウイルス検査受診の有無及び検査の時期、フィブリノゲン製剤の投与の事実の 認識の有無及び時期です。後ほど調査票については説明します。  4の調査の方法は、厚生労働省が作成した調査票を製薬企業及び医療機関を経由して、 お知らせを行った患者または遺族に送付をする。患者(遺族)の方は現在及び平成14 年当時の主治医を訪問していただきまして、調査票への記入を医療機関に依頼すること になっています。記入済みの調査票については、患者(遺族)から国へ直接送付、併せ て個人が特定されない調査結果の公表に関する同意書を送付していただきまして、それ をこの検討会で検討しながら結果についてはできる限り公表していくことを考えていま す。  5の調査のとりまとめです。結果としてフィブリノゲン製剤投与後の418例の肝炎等 発症患者の症状等に関する調査検討会においては、医学的な検討を加え、それをとりま とめていくということです。調査方法と対象及び概要については以上です。 ○宮村座長 いまは資料3に基づいて、資料4-1とその別添ということでご説明いただ きました。何かご質問、コメントはありますか。 ○中野委員 繰り返して恐縮ですが、先ほど冒頭に申し上げた調査の目的が今度は非常 にわかりやすく書いてあるので、これだけでいいならばわかりやすい。それで、告知が 速やかに行われなかったのは事実ですか。認めているのですか。 ○事務局 そうです。 ○中野委員 資料から見ますと、A点が平成14年でB点が現在ですね。これに詳細を 重ねると、主治医及び治療機関がここから出てきますよね。5年前の病歴に戻るか、違 う病院で探せばよいと。したがって、A点とB点の疾病等の推移を見なさいと。その間 に、きっとあるであろう告知の時期。それが右に行ったり左に行ったりすることによっ て、病状の変化が加速されたか減速したかを判定しなさいということですか。 ○事務局 そうです。 ○中野委員 そうすると、これは大体主に昭和40年代、昭和50年代が中心のようです ね。投薬の中にフィブリノゲンが含まれていたのだろうと思いますね。そうしますとA 点、B点は先ほどのようにわかりますが、最初に戻った別添の説明になりますと製薬企 業はデータをお持ちでしょうが、投与医療機関は大変難しい話になりますね。これはし たがって、どこにも確かに出てこないのですが、因果というのは問わないというのが、 我々の調査検討のときに基本的に頭に置いておくことです。フィブリノゲンが投与され た。したがって起こったという、因果とは関係なく考えてよろしいということでしょう か。つまり、産婦人科がここに呼ばれても、いったい何だろうと。因果の「因」に少し はコントリビュートしなさいということかなと思って期待してきたのです。前例に対す る完全な因果の立証の方法はないと思います。 ○事務局 1つは、今回の418例の症例というのはいろいろな理由がありまして、1986 年から1988年に集中しているわけですので、そのときに感染をしたかどうかというの は比較的に経過を観察することである程度わかるのではないかと考えていますが、当然 症例を見ていただければわかりますように、フィブリノゲンと併せて輸血を投与した症 例もありますし、今回の調査票の中に入れていますようにそれ以外のところで輸血を受 けている方もいますから、フィブリノゲンの投与とC型肝炎の発症の厳格な因果関係は ここではわからないだろうと考えております。ただ、そこら辺の因果関係というのは少 し置いておいて、1986年と1987年当時に感染したとしたらどうだったのだろうかとい うことで、見ていくしかないのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。 ○中野委員 いまの話はよくわかります。1986年から1988年は、昭和で言うと何年で すか。 ○黒川審議官 昭和61年から昭和63年です。 ○中野委員 最初の1枚目で拝見した目的よりも大変具体的になったと思いますので、 自ずとできることとできないことが明確になったわけですね。ありがとうございます。 ○宮村座長 資料4-1で、いまの時点で本人にお知らせできた症例と、お知らせができ ていない症例の数はわかりますか。 ○玉川企画官 参考資料に、「田辺三菱製薬株式会社におけるフィブリノゲン製剤に係る 418症例報告調査プロジェクトチームの活動状況等の報告について」があります。これ は1週間に一度とりまとめをしているもので、現時点の直近のデータによりますと3枚 目、11月22日現在で全部で418例ある中で、本人へのお知らせ及び受診勧奨を行った 症例数は82という数に留まっています。この数を増やすべく、報告についてという紙 の冒頭にもホームページ上で、症例一覧表に該当する可能性があるか否かを確認してい ただくための参考情報を公表する予定ということで、そうした取組みによってなるべく ここに至るようなものを増やそうとしているところで、この検討会が進められていく中 でもこの数は増えていくものとは思いますが、こうしたところに至らない症例は依然と して残るとは思います。 ○宮村座長 それは、またあとでゆっくり活動状況のところでご説明ください。知りた かったのは、どれくらい2つに分かれるかです。  調査事項というのは5つのポツで書かれたデータとして出てきているものであって、 新たに調査をかけるとか医学的検討を加えるとか、調べるというのは調査会の中では対 象としないわけですか。 ○事務局 まずは、一度フィブリノゲン投与時の状況についても新たに調査票3という ものを作って、製薬企業が持っている医療情報等、かなり例数が少ないながら投与医療 機関が特定できたらその当時の状況について、わかる限り書いていただくことをやりま す。ただ、これはかなり時間も経っていますしカルテ、記録保存等も残っていませんの で、非常に難しいことだと思っています。ただ、今回はさらに2002年のときの調査状 況、現在のその後の患者の調査状況の2ポイントについて詳細に調べることで、その2 ポイントを当時の投与時の状況と。 ○宮村座長 例えば血液を検査するということはしないのですか。 ○事務局 もちろん、現在の状況の調査の中でC型肝炎について全く検査をされていな い方が告知を受けていない方の中にいる可能性がありますので、その際はB型、C型の 肝炎ウイルス検査を受けていただく。その結果については、こちらの検討会にご報告い ただくことになっていまして。 ○宮村座長 調査会で調べるものではなくて、客観的な検査をしてもらって、そのデー タをここで開示するということですか。 ○事務局 はい。一応、いまのところの予定としてはC型のジェノタイプまで調べてい きたいと考えています。 ○吉澤委員 検査はどこでするのですか。主治医が頼んだ民間の検査所からのデータを ここに貼り付けたものを送ってもらって、それを基にここで討議するという意味ですか。 ○事務局 そうです。 ○吉澤委員 熊田先生、それで大丈夫ですか。 ○熊田委員 特に輸入血液製剤ということになりますと、ジェノタイプの1A、3A、3B と日本の固有のものと違いますから、いまの検査センターでそれが安かろうが悪かろう がではないですが、きちんとできる保証はないし、実際にやるならばどこかに委託をし て集めてやるほうが特にいちばん大事なところなのです。 ○事務局 平成13年の非加熱血液製剤のときも、検査する場所は1カ所に委託をして やっていますので、必要があればそういった作業は行いたいと思います。 ○吉澤委員 ジェノタイプを調べるときに、ダイレクト・シークエンスといいまして、 ウイルスの遺伝子の一部を増やしてジェノタイプを調べることをしますが、それは代表 例を見ているに過ぎなくて、実態とはかなり懸け離れたデータが出てくることがありま す。したがって、民間の検査所でのデータを基に解析しても、何もわからないと思いま す。具体的に言うと、製剤の中に入っている微量のウイルスをクローニングして、どう いうジェノタイプウイルスがどれぐらいの比率で中で混ざっているのかということを見 なければならないはずです。ダイレクト・シークエンスの結果を基にして解析した場合、 感染の因果関係や病態との関係は、かなり実態とずれたものになってくる。そういうレ ベルの調査をしても仕方がないのではないかと思って熊田先生に聞いたわけです。先生 の意見はいかがですか。 ○熊田委員 どこまで精密度にやるかというと、最終的に関係があるのだと。例えばツ ーA、ツーBという結果が出たとしても、実はクローニングしてみたらツーA、ツーBは 80%で、ワンAが10%あった。詳しい検査をやったとすると。そうすると、日本では 本来ワンAというのはいないわけで、ダイレクト・シークエンスでやるとメジャーが出 てきて、ツーAだ。これは日本のものだから、どうも違いそうだという結論をすぐに出 されてしまうのです。ところがクローニングしてきちんと調べると、特に輸血をしたと いう人も入っていますし、メジャークローンでないものが存在するとなると、本来日本 にはないものが入ったとなると因果関係がありという結論に一遍に変わってしまうとこ ろを、吉澤先生は心配されているのだと思います。ですから、最後の微妙なところでク ローニングしなくても通常のものでワンAが出るとか、日本にないタイプが出てくれば 非常にいいですが、そうではなくて、よくポピュラーにあるタイプになると変わってく るかもしれない。 ○吉澤委員 もう1つやっかいなのは、1986年当時の輸血後肝炎の発生頻度は、輸血 を受けた人の16%を超えています。1989年11月に第1世代のHCVC100-3抗体測定に よるスクリーニングが導入されましたが、その段階でも輸血後肝炎の発生頻度は3%ぐ らいありました。輸血によるHCV感染の問題が解消するのは1992年2月以降です。 418例のうち、かなりの部分が輸血と共存しています。ですから、リストにある人の感 染の原因を問わずに感染しているかどうかだけ見て、治療したかどうかを見る。それだ けの調査であればウイルスのジェノタイプを調べる意味はないと思います。418例を本 来的に解析するとすれば感染の因果関係を求めなければいけないのではないかと思いま すが、それは求めなくていいのでしょうか。 ○事務局 そこは、ジェノタイプを調べていくことでどの程度わかるかというので、決 して因果関係を求めないわけではありませんで、そこで何か輸血による感染であるのか、 そうでないのかが医学的にある程度立証までは難しいかもしれませんが、推定できるよ うなことがあれば、そういう見解を出していただければと思います。 ○吉澤委員 因果関係といってもあくまでも状況だろうと思いますが。 ○熊田委員 関係がないということを言うのは極めて難しいのです。 ○宮村座長 不可能ですね。 ○熊田委員 ええ、ですから、この人たちを救済していくスタンスに当然なるわけです から、そうなると、よく臨床で見て輸血をしたのがたぶんそれが関係あるだろうねとい う話になってしまうのです。輸血がないというと、手術を受けたことがたぶんそれがい ちばん関係があるだろうねと。それもないというと、鍼治療をやったりいろいろしたと、 たぶんそれが関係あるのだろうねという臨床になってしまう。それをこれとは基本的に は、皆さん肝炎になって肝障害があるとなると、救済という立場でいってしまうと関係 がないということを言うことは、座長が言われたように不可能ということになるでしょ うね。 ○事務局 出てきた事実をおそらく出していって、418の症例の中でどういう程度であ ったのかをある程度計画的にお話いただくところが、この調査の限界であろうと。個々 の1症例についての因果関係を本当にギリギリやる会ではないと考えています。 ○宮村座長 そうすると、いま両委員から調べて調査しなければならない点は、サイエ ンティフィックにはたくさんあると思いますが、今度はここからに関わってきますが、 どういう調査票を項目として入れていってという議論にしていきたいと思いますが、よ ろしいですか。 ○八橋委員 418例のリストのことでお聞きしたいのですが、平成14年にウエルファ ーマから厚生労働省に報告があったのがこの418例ですね。 ○事務局 そうです。 ○八橋委員 この418例のリストを三菱ウエルファーマがどのように作られたかに関し ては公開されているのですか。 ○事務局 これは、もう公開資料として平成14年に三菱ウエルファーマから報告をい ただいてるもので、紙を挟んでいる21、22頁に418例の症例の概要が書いてあります。 挟んでいる紙の後ろには、1回目の報告の際にいただいたフィブリノゲンと肝炎障害の 概要についてということで大まかな数字の内訳をいただいていますが、ここに書いてあ りますように、結果的にはフィブリノゲン製剤を投与したあとに肝炎等の症状を発症し たという症例を、投与時期が早い順にそのロットであるとかいうのがわかったのを一覧 表にしています。  これには大まかに3種類ありまして、21頁の(1)は、平成13年の時点でわかっていた 363例の症例一覧表にはAにしています。(2)は、平成13年3月以降平成14年5月まで に新たに収集された52例ということで、これは医師に対するアンケートという調査を 平成13年にしていまして、それによってその中でフィブリノゲン投与と肝炎発症の関 係が疑われた症例がリストの末尾にBとして52例あります。それ以外に昭和61年以前 に自発的な報告があった3例がありますが、主にはこういう形で平成13年3月以前の 当時ウエルファーマ、旧ミドリ十字社内にあったさまざまな肝炎感染情報というのを集 めているわけですが、その内容は主に6通りあります。  1つ目は、1985年ごろまでは製剤にアンケートを付して販売していたそうです。その アンケートに対して回答した葉書に書いてある肝炎疑い症例です。2つ目は、1987年の 非加熱製剤の回収と同時に、当局より指示された非加熱製剤についてのレトロスペクテ ィブな肝炎調査です。1987年ごろに多いのは、こういう理由です。3つ目は、1987年 非加熱製剤の回収と同時期に、厚生労働省より指示した加熱製剤についてのプロスペク ティブな加熱の販売調査についての6カ月間の追跡調査をやっていますが、その症例が あります。4つ目は、2003年3月の大臣命令に関して当社が行ったアンケートというこ とで、いま申し上げた52例はその4つ目として挙がってきています。5つ目は、その他 の2002年5月までに得られた自発報告ということで、いろいろな医学文献でフィブリ ノゲンと肝炎感染が記されているのも含めて報告をされているようです。6つ目は、顧 客の声の報告書として報告された3例です。  そういう6通りのさまざまな情報があるわけですが、主にアンケートの葉書で集めら れていたり、1987年前後に非加熱製剤、加熱製剤に対して調査を行ったものが418例 の大部分になっている次第です。先ほど申し上げたように、なぜ1986年から1988年に 症例が集中しているかというと、そういった指示があった過程で症例を調査した関係で、 報告が多くなっているということです。  その具体的な報告様式については、お手元に「今回の書類の位置づけ」と内容として、 平成19年10月22日医薬食品局と書いてあります縦A4の紙を机上にお配りしていた と思います。これが、いま申し上げた平成14年の報告命令ですが、1987年当時の加熱 製剤、非加熱製剤の安全対策の妥当性について調査したものです。医療機関、製薬企業 がもっているデータは、おそらく、副作用連絡票や感染症報告、副作用報告に基づいて 提出されたものを一覧表にまとめたもので、今回の調査票3としてはこうしたさまざま なフォーマットのものから肝炎に関する必要なデータを抽出して提出していただければ と考えています。 ○八橋委員 418例のリストを見ても、すぐに投与して比較的に短期間の間に報告があ ったものと、20年前に遡って振り返ったものがあるので、かなり調査の方法が違うのだ ろうなと思いました。投与してから調査までの期間が比較的に短い場合は詳細なことが わかるけれども、かなり間隔があいてしまうと投与した時期も不明確だったりするだろ うなと。ただ418例の調査の抽出の仕方が、原本としてはかなりレベルとしては違うと いう認識でいいのですね。 ○事務局 本当に葉書1枚のものから、加熱の治験のときの調査票が1986年にありま すので、それと販売後の6カ月のプロスペクティブな調査票というのは、さまざまなデ ータが書いてあることが期待されるのですが、それ以外のものについてはどの程度書い てあるかはわからないというような状況です。ただ418の大部分が1986年から1987 年に報告されているものですので、かなりわかることはあるのではないかと考えており ます。 ○八橋委員 その中で医師が直接記載してあるものと、そうではないものもあるという ことでしたね。 ○事務局 はい、中には医師が言われたことをMRの方が書き取って、それを報告書と して出したというものもあります。 ○八橋委員 今度、調査するときはその辺が、どの辺りまで遡るかなど、非常にその辺 りが問題になるのかなと思って質問しました。 ○吉澤委員 お話を伺ってますますわからなくなってきたのですが。この418例という のは、フィブリノゲンを使って感染したかもしれないという申し出があった人ですね。 感染論的に言えば、あるロットが感染源となったと考えたとき、そのロットを輸注され た人全てが感染を受けているはずです。以前からキャリアだった人も含めて。それで先 ほど言ったクローニングして調べる必要があると。異なるジェノタイプのHCVがミッ クスして感染しますから。もう1つC型がやっかいなのは、感染して治った人が再感染 することです。ということからここにいる418人というのはたまたま何らかの網にかか って、報告された人にすぎないわけです。しかもその網にかかって報告された中には 1985年以前の症例も含まれています。1985年までに供給されたフィブリノゲン製剤β- プロピオラクトンで不活化処理されています。そのうちの多くのロットでは感染するは ずがないのです。  この不活化処理をすれば感染価値は最小限10の3乗分の1以上は下がる。このこと は立証されているのです。だからHCV感染例が1986年、1987年に集中しているとい うのは、β-プロピオラクトンが使われなくなったロットから、つまりその処理が行われ なくなってからの症例が多いわけです。要するに、ここに書かれている418人というの は、たまたま何らかの網にかかった人がリストにのっているにすぎないという認識でい いのですね。 ○事務局 はい、いま言われた、1986年以前を見ていただくと、ほとんどBPL処理さ たれ症例を見ていただくと、ほとんどが2001年のアンケート調査で拾われてきたもの ですので。 ○吉澤委員 しかもほとんどの人が輸血を受けています。 ○事務局 はい、ですので、そこはかなりいまおっしゃられた中では投与を受けてから 時間が経って調査をした中で、フィブリノゲンの投与と感染が疑われた症例として上が ってきているものと理解していただいてもいいのかもしれません。その理解についても 私が理解するのではなく、是非、先生方のご意見を賜りたいと思います。 ○吉澤委員 それは調査票が集まった段階でもう1回考えればいいというわけですね。 ○事務局 はい。 ○中野委員 いまの先生のご懸念は冒頭からつながっているものだと思いますが、418 例から上がってくる調査票からは、その背景や手段に対してはコメントしてはならない と思います。社会医学の問題を臨床医学に置き換えて解くなどということはできるわけ がないので最初から悩んでいますが、先ほど目的を限定されたので、A点とB点の間の、 そして自己申告による時期を参考にその間の変調を調べるのが我々の仕事だと、愚直に 受け止めて行動するしかないというのが、私のいまの心境なのです。現実的に考えると、 昭和40年、50年代の方々というのは追跡の仕様もないし、おそらくどうしょうもない のでしょう。したがって入口を418例と限定せざるを得ないこともよくわかります。だ からこれからスタートするしかないのかなと思うのですが。  ○八橋委員 418例のうち、すでにお知らせしているというのは、ここ1、2カ月の話 ですか。 ○事務局 そうです。 ○八橋委員 それでまだお知らせしていない、わかっているけれどもお知らせしていな い方もいらっしゃいますね。 ○玉川企画官 現在で申しますと、ほぼ特定できた症例数が、22日現在で250で、そ のうちの82というのがお知らせを行った症例になるので、残りは特定はできているの ですが、まだその先にまでは至っていない。 ○八橋委員 比較的速やかにお知らせする予定ですか。 ○事務局 予定です。ただ医療機関からお知らせをお願いをしているので、まず患者が 来院していただかないといけないということで、いま世の中で1週間、2週間でやれと 言われながら、なかなか時間がかかっているのはそういう関係もあります。通院してい る方については、次回の外来日にお話をしようということで、少し時間がかかっている と聞いております。 ○八橋委員 医療機関はきちんと対応しているという理解でいいですか。 ○事務局 対応していただいていると思いますが、一部少し協力を保留をしている所も あると聞いておりますが、概ね対応していただいていると思います。 ○熊田委員 実際にどの程度まで進んだ人がいるとか、そのパーセンテージとか、どの ようになったかということを今回調査するということですね。 ○事務局 はい。 ○熊田委員 実際にはそのC型慢性肝炎になった人は、この期間でどういうところまで いまの状態になっているかということが主目的に、よりそれ以上のことはなかなか難し いですね。 ○吉澤委員 そういうことであれば、ウイルスのジェノタイプを調べるなどの必然性は ないです。 ○熊田委員 ないです。 ○吉澤委員 いま必要なことは、現時点でウイルスに感染しているのか、病気の活動度 はどの程度なのか。 ○熊田委員 どこまで行っているのか。 ○吉澤委員 病気の進展度がどこまで行っているかということのみに、限定するという ことになる。 ○熊田委員 限定される。 ○吉澤委員 この中で1985年以前の方々は、医学的にはかぎりなく因果関係はないと 考えられますが、このリストに載った以上は、調査の対象にするということですね。 ○玉川企画官 調査の対象にするということです。 ○吉澤委員 因果関係を完全に否定はできないわけですから、だから同じに扱うと。 ○玉川企画官 その結果、どのように医学的に見て、それを考えるかというところだと 思います。 ○中野委員 委員にとっては、ただいまのような自然にまとまってきた立場というのは 非常に大事なことだと思うのです。この検討会の第1回目のアグリーメントで、そう限 定したのではなくて、せざるを得なかったというようなことから活動が始まったと。 いま、自然にまとまってきたプロダクトがこの机のうえにあると思うのです。418例に 限った理由は問わない。しかしそれを作業対象にしようと。そしてその上で先ほどご説 明があったA点とB点という2つの間の変化を症状、所見などといった割合マクロ的ベ ースによる変化として捉えようではないか。その中間にある変調因子として、いつ告知 を受けたか、行われたかは、この調査の結果として知った時期というのが出てくるのだ と。その時期と突き合わせながら、程度の問題など、あるいはそれによって変調がかか ったなどというのを明らかにしましょうというのが目的であると理解いたしました。 ○伊藤政務官 すみません、遅くなりました。お世話になります。よろしくお願いいた します。折角のディスカッション中ですから続けてください。 ○宮村座長 ということでいま、どういう調査の進め方、スケジュールという所に来ま した。調査の項目、調査票の案という所で、いま資料3で進めてきました。途中でまと めさせていただきますが、この検討会は厚生労働省側からの要請に応じて、418名の個々 のケースについて、投与を受けた時点のデータと、現在のデータとを比較をして、この フィブリノゲン製剤の影響をどう考えるかについて、サイエンティフィックな検討を加 えるために、各領域の専門家が集まって1例ずつこれから検討していく。そのためにど ういう調査票をこれから作っていくのか、具体的にいちばん効率よくデータを収集でき るかを、これからディスカッションをしていこうということでよろしいでしょうか。 ○玉川企画官 そうです。よろしくお願いします。 ○宮村座長 はい。 ○吉澤委員 診断が違っている例も対象にするのですか。 ○宮村座長 いまこの418例の中でですね。 ○吉澤委員 そうです。この方々が全員C型肝炎だという保証はないと思います。 ○宮村座長 ないですよね。 ○吉澤委員 それも含めての対象ということですか。 ○玉川企画官 調査票としてはお送りいただきまして、それに何らかの記載があって戻 ってくるわけですので、それについて医学的な目から見て、まとめていただくというこ とに尽きます。その際にはすべてデータなども添付されて送られてくるので、調査の対 象、検討の対象としては入るということです。 ○熊田委員 先生が言うように、確かにいま現在現役でいらっしゃる、でも肝臓が悪い。 調べてみたらHCV抗体もネガティブ、HCV・RNAもネガティブという人は対象から外 れるという、調べた結果としてはネガティブということにすると。 ○玉川企画官 それも含めて取りまとめの中に、418はこういうものとなりましたとい うことです。 ○熊田委員 最初は418だが、こういうものになりましたと。 ○吉澤委員 はい、わかりました。 ○宮村座長 そうすると現実的にこの調査の進め方及びスケジュールはいいのですが、 3の項目及び調査票(案)ですね。 ○事務局 スケジュールについては、内容あってのスケジュールかと思いましたので、 本日11月30日に第1回を開催しております。できれば本日で調査票の確定をして、至 急調査票については各関係に送りたいと思います。次回は第2回目として、1月上旬を 予定しておりますが、その時点で集計されるものについて、検討を順次行っていくとい うことで、最終的には1月下旬には何らかの形で一度取りまとめをします。ただその後 医療機関から随時戻ってくるデータもあるので、必要に応じて2月以降フォローアップ します。先ほど申し上げた418の大きな枠組みについては、できれば2回目、3回目で 目処をつけていきたいと考えております。以上です。 ○宮村座長 そうするとこの調査票が発行されて、回収をして、次回検討するのは1例 ずつそのデータを見ていき、結果を出していくという作業になりますか。 ○事務局 具体的にはそうなると思いますので、そこは事前に先生からご指摘があった ように、少し下作業が必要ではないかということですので、そこはまたご推薦をいただ いた先生方にお願いをして、この検討会の前にある程度見ていただいた上で、先生方に お送りして、さらにはできるだけこの集まっていただく場では、最終的な結論を出すと いう形でやりたいと思います。検討会の場で1例、1例見るのではなく、事前に下準備 としてどこかで見ていただき、検討会で最終的な結論を出していただきたいと思います。 ただ具体的には1例、1例見ていくということになります。 ○宮村座長 そういうことになりますね。それはリミッティングファクターは回収だと 思いますが、一気に回収されるわけではないので、全部集まってからのんびりとスター トするのでしょうか。それとも集まってきたものから解析を始めていくのですか。 ○事務局 そこでございますが、世の中がこういう調査を非常に早くするべきという状 況ですので、もう集まったものから1つずつやっていければと考えております。 ○八橋委員 現時点で医療機関を通じて、ご本人に伝わっているだろうというのが80 例ぐらいなのですね。 ○事務局 はい。 ○八橋委員 いまからこの調査を行って、その80例の方から医療機関が答えていただ いて、回収されたデータをここで解析すると理解していいわけですね。 ○事務局 はい、そうです。まずは80例にはできるだけ早くお送りして、できるだけ ご回答をいただいて、そこはやっていくと。いまから順次告知が進んでいくので、そこ はやっていただきますが、ある程度本人特定が難しいというような症例ももうすでにあ りますので、それはそれで当時のフィブリノゲン投与時のデータで、何が話ができるの かを少しやっていただくと。そういう2つ同時並行的に進めていくのかなと考えていま す。 ○宮村座長 この進め方についてご意見ございますか。可及的、早くやらなくてはいけ ないという使命を持っているわけです。 ○中野委員 いまおまとめになったことよりいい案は思いつきませんね。調査票が本当 に集まるかというのは非常に重要です。一連のものが済まなければ、出しにくいという 雰囲気を作ってしまうような調査票でなくすることができれば、大変よかろうかと思い ます。例えばA点とB点と両方だけは急ぎなさいというのでしたら、おそらく何とか早 いタイミングで集計表はできるでしょう。それに対して因果の部分も若干含めたいとい う部分については、別途調査にするなど、それも1989年ぐらい当時ですし、もっとも っと前のカルテを捜せといったら、捜す所も捜さない所もある。持っている所もそうで ない所もあって、凸凹の結果が当然最初から予想されます。そういう難度で足を引っ張 られないようにと。事務的なテクニカルな問題なのでお考えいただいたらどうかなと思 います。1例、1例とおっしゃいますが、1例あたり解析に、あるいはラベルするのにど れくらいの時間を予想されていますか。これはAだ、Bだ、Cだなど。20分ぐらいでし ょうかね。急ぐことに一つの大きな意味があるという理解でいいですか。 ○事務局 はい。 ○中野委員 取りあえず1例出たら1例だけでも公表しますと、これでいいのですね。 ○玉川企画官 いや、1例ということに意味があるのではなく、社会からある程度速や かに結果の取りまとめということを言われておりますので、ここの表にあるような取り まとめ時期というのは意識せざるを得ないのかなと思います。いきなりそこで結論の前 に、症例数は少ないかもしれませんが、第2回を見ていただき、それによって分析等々 について検討を加えていただき、取りまとめに備えていただきたい。特に第2回のとき にどこまでデータが集まっているか、かなり現時点で見通せないところがあるわけです が、できる範囲のものを持ち寄って進めていただきたいと考えています。 ○中野委員 何パーセントぐらいを考えていますか。10%、90%、60%。 ○玉川企画官 ちょっと具体的には。 ○中野委員 言えませんね。まともにあるものがないと、調査票の便宜性というイメー ジが浮びませんよね。おそらくエイ、ヤーと行政上あるいは政治上の判断で、マジョリ ティーと思われる数字を頭に描かれた上で、実施するみたいな部分で調査票をお作りに なったほうが、あるいは流れをうまく考えられたほうが、最初の目的を果たせるのかな、 果たしやすいのかなという気がします。 ○玉川企画官 1つは告知がどれくらい本当に進むのかが現時点で全く見当がつけられ ません。特にこれから困難なケースに直面すると思われるので、できるかぎりそこを広 げていきたいと思う一方、それが出てくれば出てくるほど、なかなか実際の取りまとめ の直前のところでどこまで戻ってくるか、というのも困難があると思いますので、でき ることをこの範囲でやっていただきたいということ、それしか。 ○中野委員 先ほど告知が50%ぐらいいっているというお話だったでしょう。 ○玉川企画官 418のうち現在82です。 ○中野委員 82ですか。 ○玉川企画官 ええ、ほぼ特定できた症例数というのが250あるという言い方です。 ○宮村座長 それで具体的に今度出す調査票の内容について、資料4-2で同意書が最初 に書いてあります。実態調査のこういうものをしていただき、それから調査票1、2、A 点、B点、調査票3ということがいま案として出ており、これは資料の4-1に通じた本 人にお知らせができた症例については、こういう1、2、3を送り、対象がすでに死亡例 についてはこういうことでやっていくと。そういう案ですが、これについてご意見を伺 います。最初に例えば新たに現時点の採血をして、ウイルスの解析をするなど、そうい うことも含めて、それが必要ないのか。この調査の目的に応じて、いまの目的を明らか にしたわけですから、そこを再確認をしていただきたいと思います。 ○事務局 そうしますと調査票1の6頁、現時点での肝炎ウイルス検査はどこまでデー タを集めるかを少しご議論いただき。 ○宮村座長 いや、その前にきちんとこの調査票1で、現在の健康状態等を調べるにつ いて、このような項目で妥当かどうかのご意見、最後のB型、C型の状況も含めて少し 詳細にご検討ください。 ○八橋委員 その前にこの418例の調査票を誰が、誰に渡されるのか。 ○事務局 この調査票自体は、患者さん及び亡くなっている場合はご遺族の方にお渡し をして。 ○八橋委員 厚労省からですか。 ○玉川企画官 こちらのA4横の調査の対象及び方法案の表に則って流れを説明すると、 国で調査票を作成して、それを企業に送付します。企業でこの調査票と投与時の医療デ ータをまとめたものを投与した医療機関に渡します。そこから患者さんないしは遺族の 方にこれを渡します。そうすると現在肝炎の治療を受けている医療機関は、投与の医療 機関と別な所の可能性が高いわけですが、そこに患者さんから調査票の記入を依頼して いただき、記入していただいたものを国に送り返していただく。それをこの検討会の場 でご議論いただく。調査票はこうした流れを辿ると考えております。 ○八橋委員 これは投与が行われた病院に向けて送られますね。 ○玉川企画官 そこを通じて患者さんにお渡しします。 ○八橋委員 その病院に現在通院していない場合もありますね。別の病院。 ○玉川企画官 ですからいま告知がどういうルートで進んでいるかと言いますと、製薬 企業、それから投与医療機関、そこから患者さんという形で告知が行われているので、 だから告知までできているということは特定されて、そのルートが出来上がっているの で、その流れに則って調査票もお送りする。実際に肝炎の治療にかかっている所は別な ので、そこでもらった調査票をそちらの治療機関に書いていただくということです。 ○中野委員 似たようなことですが、いま調査票1だけをバラバラと流し目で見ただけ ですが、これは書き手はどうなりますか。例えば4頁、現在の状況についてお尋ねしま すというのは、誰がチェックするのですか。患者さんですか。 ○事務局 いいえ、これは医師から聞いていただく形で、記載は一応その医療機関の医 師ということです。 ○中野委員 医師ですか。 ○事務局 はい。 ○中野委員 ではその次ももちろん医師ですね。 ○事務局 はい。 ○中野委員 製剤の投与の事実をどうして知りましたかと、患者さんに聞いて、そして それをチェックするのですか。 ○事務局 そうです。 ○中野委員 患者さんがチェックする所はないのですね。その後を見ると、全部ドクタ ーが並んでて、最後の質問項目は、亡くなった場合は、場合によってはドクター2が出 現するかもしれません。あるいは病院2が、そういう理解ですか。 ○事務局 そうです。 ○熊田委員 80人としてはもう確定しているわけですから、その80人の方々のうち、 どのくらいが医師に頼んで書いてくれるかに、すべてかかっているわけですね。 ○事務局 はい ○中野委員 診療所がなくなっている可能性もありますね。 ○熊田委員 80人はもう連絡がいって、確認が取れているわけですね。 ○事務局 はい。 ○熊田委員 ですから当然それと同じルートでいくわけですから、この80人に関して は。 ○八橋委員 医師が書けば。 ○熊田委員 だから医師が、その80人を診た医師がどれだけ書いてくれるかです。だ から書いてくれる医師が協力してくれるかにかかっているということです。 ○事務局 はい、全くそうです。 ○宮村座長 それと80人はいいけれども、まだいかない人です。 ○玉川企画官 そこについてさまざまなルートを通じて告知を進めるための、例えば先 ほどのホームページでの参考情報の掲載もそうですが、こうしたことに加えてさまざま な取組みをして、告知を進めていかなければならないと考えております。 ○宮村座長 そのようにすると、この回収は非常に時間が。 ○玉川企画官 そもそも調査票をお送りできる時期が最初の82例に比べると、遅くな っておりますから、ご協力いただけたとしても、上がってくる時期も遅くなってくるわ けです。 ○宮村座長 見つかれば上がってくる可能性はあるけれども。 ○玉川企画官 はい。 ○宮村座長 見つからなければ、そのままいったきり。 ○玉川企画官 そこはもうできる範囲で取りまとめに合うところで、できるかぎり多く のものしか。 ○宮村座長 だからいまのこの検討会の大原則は、いますでにあるデータ、さらに回収 できるデータ、そういうのは制限があるのだけれども、その制限の中で得られた情報を 提供するということですね。 ○玉川企画官 はい。 ○吉澤委員 いま医師にかかっていない人はもう誰も書かないことになりますね。 ○八橋委員 書けない。 ○吉澤委員 書けないですね。 ○熊田委員 書けない。あるいは。 ○吉澤委員 わかっても。 ○熊田委員 わかっていただいて、いまの状況を診てもらう。 ○吉澤委員 新たに医師にかかって書いていただくという。 ○八橋委員 そういうことも考えなければいけない。 ○熊田委員 考えなくてはいけないですね。 ○八橋委員 これはご本人の同意、個人情報のところはしっかりしているのですが、医 師がどれくらい責任を持って、取り組むかに関しては非常にどうかなと。 ○事務局 申し訳ありません。そこはこれ以外に患者、遺族の方に対する紙、あとは記 入医師に対する紙、さらにそれぞれの説明、マニュアルのようなものは準備する予定で す。本検討会には間に合っておらず、そこはまた改めて別途ご送付して、ご相談します。 ○八橋委員 この用紙とともに、やはり各記入する医師に対する責任というか、完全に 理解していただく文書は非常に大事だろう。 ○事務局 はい、わかりました。 ○中野委員 もう1つ先ほどの調査票で、13頁の調査票3を見ると、そこに製薬会社が 書き込むという欄はほとんど見当たらなかった。それでいいですか。 ○玉川企画官 これは専ら。 ○中野委員 いや、3だけではなく、1と2です。 ○玉川企画官 調査票についてすべて医師に。 ○中野委員 そうすると製薬会社、企業を通ってというのは、これはどういう意味なの でしょうか。先ほどのフローチャートの中に製薬企業というのが。 ○玉川企画官 1つは現在の告知をお願いしていただくときのルートが、製薬企業、投 与医療機関というルートを通じてお願いしているので。 ○中野委員 ルートを持っているだろうと。 ○玉川企画官 国といま投与医療機関というのが、直にしていることがありません。 ○中野委員 わかりました。 ○玉川企画官 もう1つは製薬企業の所で、投与時の医療データ、先ほどさまざまな現 在の資料としてバラバラなものがあるわけですが、それをバラバラな形であっても解析 は難しいことがあると思うので、それを製薬企業の所で一定のフォーマットに落した形 で、投与時の医療データを作成していただき、それも含めてこれが個人の情報に関する ものですので、それを検討会で使うに当たっては、患者ないしは遺族にご了解も得なけ ればならないので、それを送付した上で、その利用についてもご了承いただくことで、 国にフィードバックがある形です。 ○中野委員 それで製薬会社を通す理由はわかりました。それで調査票3ですが、前文 に製薬会社が医療機関からの報告を受けたのですね。この感染症報告というのは今回の ことも含めるのですか。大元の医療機関において追加作成。したがってこれの情報のと ころで、製薬会社に絡んでくるのですね。つまり調査票3も医療機関の医師が書くので すね。製薬会社が医療機関から感染症報告を受けた報告を元に作成し、その報告をした 医療機関にというように、限定した文章が書いてあるのは、この意味が少し複雑だなと いう感じがあるのです。418に限ってそのうちのいまから始める調査については、医師 が書くという、この調査票3もそうだと、これでいうのですね。 ○事務局 この調査票3は、その前提で作っており、その前に先ほど申し上げた製薬企 業が持っている医療情報を、ある程度フォーマットに落してもらって、それを現在報告 した医療機関がある場合は、そのフォーマットとともにこの調査票3をお送りして、医 療機関で書いていただくことになります。 ○中野委員 わかりました。そうすると問1のA、B、Cはいいのだけれども、Cから でしょうか、「本人の申し出により」というのは形容句はどこに関してですか、「投与さ れた」という動詞ですか、あるいは「可能性」という名詞ですか。 ○事務局 これは「可能性」で、報告医療機関が実は投与した医療機関と違う場合で、 そういった医療機関から報告が上がっているケースもあるので、これはそれを念頭に置 いて、投与した医療機関以外の所で肝炎であるということがわかって、肝炎とわかった 医療機関から、製薬会社に報告がきたという事例もありますので、それを念頭に置いた ということです。 ○中野委員 具体的には「私が418分の1です」とお出でになった、窓口なり診療所の 場で対面した方がお話を聞いていて、ちょっと待ってくれということで具体的に診療記 録を捜したけれども、見つからなかったということになった場合、選びようがないから 例えば、dかeを選ぶと。こういうような項目なのですか。本人はおっしゃっているけ れども、証拠はないと。そういう意味ですね。 ○事務局 そうです。 ○宮村座長 よろしいでしょうか。ではもう少し一つひとつ見ていきます。調査票1の 所で、肝心なところは、問4で「肝炎抗体検査実施」があります。(1)がB型肝炎ウイ ルスの検査状況。(2)がHCV検査状況の結果です。ここがいちばん大事だと思います が、この記入の仕方で、吉澤先生、例えば判定結果としてこの先生たちが言うところの チェックを入れてくるわけですが、それを今度は私たちがまた一つひとつ実例について、 クロノロジカルに、あるいはこの状況をチェックしていくわけです。これは必要十分な 記載項目と言えるでしょうか。 ○吉澤委員 いつの時点での検査結果を書いてもらうのでしょうか。 ○事務局 これはいまからいちばん新しい検査結果です。 ○吉澤委員 いちばん直近の検査結果ですね。 ○事務局 はい。それでもしやっていない検査があれば追加をして、その場でやってい ただくということを考えています。 ○吉澤委員 直近というのはどのくらいまで遡りますか。 ○事務局 いまのお知らせ的に言えば、感染の心当たりのあるような行為がなかった間 の検査ですね。ある検査をやって手術を受けていれば、もう一遍やっていただかないと いけませんし。 ○吉澤委員 いや、質問の意味は、1986年まで遡った検査結果が書いてあっても、検査 の精度に問題がありますから。 ○事務局 そうですね。 ○吉澤委員 例えば、今から2年前までの間に検査してあれば書いてください。それが なければもう1回してくださいなど、具体的なほうがいいと思いますが。 ○事務局 そうですね。 ○熊田委員 細かいことですが、測れと医療機関に言っても、保険は通らないですね。 保険の査定を受けて、こんなものできないですね。その費用は、例えばいまの段階で HCV抗体検査とHCVコア抗原検査とHCV核酸増幅検査をボンとやったら、そのよう なものは保険で認めませんというので、支払金から外されると。それは例えば開業医の 先生にいま通っていると、これを見て、「えっ、これみんな測るのですか」」と測ったら 保険で引かれて、その補償はどうするのですかという話も出てくると思いますが。 ○事務局 ここのところは必要であろうと考えられるものすべて書いております。 ○熊田委員 いまの医療法でこれを全部測ったら、保険でバサッと引かれて、これ認め ませんという検査です。 ○事務局 先生方のご意見を承りたかったのは、必要な検査であれば、やはりやっても らわないといけないだろうと思っているので。 ○熊田委員 これだけあればもう申し分ないというのはわかるのですが、医療機関の先 生に頼むわけですね。 ○事務局 はい。 ○熊田委員 これが例えば、1開業医の先生が見て、これを見たら最近なるべく直近の といっても、当然測っていないです。例えばHCV抗体など測っているわけないし、そ れを新たに測るときに、全部測ったら保険で「はい」ということで引かれてしまいます から、そんなものは測らないということになると思うのです。そうすると欠損データに なると。そうすると何もわからない。そこをしっかりしていかないといけないかもしれ ないです。 ○事務局 その点については2頁に書いてありますが、なお書きの所でその検査にかか る費用については、一応この検討会の調査費として、何らかの形で医療機関にお支払い したいと思っておりますが。 ○熊田委員 そうですか。 ○事務局 特にご相談したかったのは、保険適用のない遺伝子タイプ、セロタイプでい いのか、ジェノタイプまでやらないといけないのか。ジェノタイプでやるときは、先ほ ど申し上げたように検査機関をある程度指定したのであれば、こちらに送り先等を指定 していただき、どこかの検査機関でやっていただくと。それは保険適用外ですので、そ の費用については別途お支払いするというのは、可能かと思います。 ○熊田委員 それなら検体を集めたほうが早いですね。 ○吉澤委員 先ほどの話に戻りますが、418例に調査の対象を限定します。調査の方法 もこのように限定しますと。因果関係を詰めていくのではありませんということになれ ば、ウイルスのジェノタイプは要らないことになります。必要なことは、いま現在ウイ ルスに感染しているかということがわかればいいわけです。HCV抗体が陽性であれば、 現在ウイルスがいるかどうかまで調べればいいし、抗体が陰性ならば何もしなくていい わけです。だから肝炎ウイルス検診の流れにしたがった手順で検査をしてもらえば、そ れで十分で、それ以上は要らないわけです。そしてB型については、HBs抗原だけでい いのではないですか。現在B型肝炎ウイルスがいるか、いないかがわかればいいことに なりませんか。 ○事務局 ここはちょっと思いましたのは、投与時にC型肝炎、B型肝炎の区別がつい ていない場合にここで。 ○宮村座長 投与時には全然ないでしょう。 ○吉澤委員 投与時は昔だから。 ○熊田委員 昔だからわからないです。 ○吉澤委員 現時点の状態しかわからない。 ○事務局 そうですね。S抗体があれば感染したことがあるというところで。 ○吉澤委員 そういう意味ですね。 ○事務局 かつC型がなければ、当時B型であることが類推されるというケースもある のかなと。 ○吉澤委員 それは無理です。 ○熊田委員 それは無理です。 ○事務局 無理ですか。 ○吉澤委員 HBc抗体でしたら献血者で調べても、10何パーセントは陽性ですから。 ○熊田委員 日本人はみんな。特に年齢が高ければ高いほど。 ○吉澤委員 みんな混ざってきてしまいますから。最初の発言とは矛盾するかもしれま せんが、現時点でB型肝炎ウイルスがいるか。 ○吉澤委員 C型肝炎ウイルスがいるか、いないか。それだけに限定してしまえば。 ○事務局 そうするとHBs抗原とCのコア抗原検査。 ○吉澤委員 そうですね。 ○宮村座長 これは検査を実施して、ここに記入することを要求しているのですか。そ れとも直近のデータをここに記載するということですか。 ○事務局 そこが当初ご質問があった、どこまで遡るかで、敢えてしてあるのを繰り返 しやることはないだろうと思っていたので、当該医療機関でやってあれば、やる必要は なくて、その結果を書いてくださいというつもりで書いておりましたが、それが本当に 1986年まで遡るかと言われますと、ある程度の何かの目安をつけて。 ○宮村座長 ではそういうようにここに、記入票に書かないといけないですね。 ○事務局 はい、そうですね。 ○吉澤委員 お金を払うのであれば、検査をしてくださいと頼めばいいのではないです か。 ○事務局 はい。 ○吉澤委員 そうすれば依頼が行ってから検査した結果が、きちんと出てきますし、そ の検査の精度は保証されるわけですから。HCV抗体だけの検査の結果をもらっても、何 もわかりませんから。 ○事務局 そうですね。 ○吉澤委員 ウイルスの量、株などは要らないわけですね。 ○事務局 はい。 ○熊田委員 要らない。そういうのがあるということは、当初の目的がやはり少しずれ ていて、本当はこれは関係ない人もいるのではないかということを、見ていこうという ことを目的にすると、こういうことになるのだけれども、そうではなくてもうこれはそ ういう原因を追求しないと。 ○吉澤委員 この人たちがいま、どのような状態か。 ○熊田委員 ということを見るということであれば、これは要らない。 ○吉澤委員 そういうことです。 ○宮村座長 よろしいですか。 ○伊藤政務官 遅れて参加してしまったのは、今日、フィブリノゲン資料問題及びその 背景に関する調査プロジェクトチームの最終記者会見があったためです。そこにいた9 割9分の方は医師ではなく、私も含めて素人ですが、記者会見の中でのやりとりは、わ かりやすく言えば418名の方が、少なくとも2002年当時にフィブリノゲンによるC型 肝炎の可能性がありますから、行政が何らかの形で、きちんとこういう検査を是非受け てくださいというところまで受診勧奨をして、その結果C型肝炎であるということがわ かれば、いま40人近い方が亡くなっているという報告が上がっているのですが、例え ばその中の何人かの方は亡くならずに済んだのではないかといったものでした。現時点 での症状がもう少し軽く済んだとか、そういったことを明らかにすることが、この調査 検討会の目的になっていると思います。ここまでの議論といまの話とはどう関係してい ますか。 ○玉川企画官 政務官のご関心は、調査票の2の所はそれに該当するところです。まず それを明らかにするために、まず現在の状況についてというところで、どこまでの調査 が必要で、それともう1つの時点ということで、2002年というのを調査票の2で選ん でいます。 ○伊藤政務官 はい。 ○中野委員 よろしいですか、いま調査票1の中間をご議論ですね。私はもうすぐ退席 しなくてはいけないということを含めて。ただいまのお話は先ほど委員のコンセンサス ではなかったかと思います。つまりそこに来たのです、逆に言えばそれ以上はできない ということ。A点とB点、現在と昔の2つを押えて、その間にいつ告知等々が行われた かによって、症状がどう推移したかということなので、ただいまの2はお答えできるの ではないかと思います。  それから拘るようですが、調査票3に少しだけタッチさせてください。  先ほど問いかけた問1のフィブリノゲン製剤の使用歴です。この中でドクターの1が 答えるわけで、ずっと見ていくとわからない、つまり実はうちの診療科は産婦人科はや めてしまったのでわからないというようなことがまずあるでしょう。そういう場合も含 めて理由を選ぶと。可能性があって投与したかどうかわからないとなったら、後の質問 が全部キャンセルということと一緒ですね。それがひとつ心配だと思います。これはみ なさんそのとおりだと思いますが、こういう設問をするならば、逃げられないようにす るための工夫はないですか。「知らない」と言わせない。つまり製薬会社から、その当時 の薬剤の販売状況のようなものをこの横に、「あり」「なし」というチェックをさせるな ど、少し意地悪ですか。何かないことにはこれが多数に及んだ場合この調査票3は、実 際上はあまり参考にならないことになりそうです。書かせる、揺さぶってでも出させる というテクニックをお考えいただけないか。これを最後にさせていただき、座長申し訳 ありませんが、間もなく立たせてください。 ○宮村座長 はい。政務官、我々委員が最初よくわからなかったのが、目的といま言わ れたことがはっきりしましたが、ディスカッションをしているうちに説明もありました し、この検討会で可及的速やかに出さなくてはならない結論というのは了解しました。 ただ一人ひとりのケースについてフィブリノゲンを投与された事実があって、そして今 日に至っているわけですが、今日はみんな肝障害があったり、肝炎があったりしている わけですが、その因果関係は、みなある程度のグレードがあるわけで、これは完全に因 果関係がないというのは言い得ないので、それについて例えば、遺伝子の解析をして。 ○中野委員 すみません退席します。 ○宮村座長 これからもよろしくお願いします。 ○中野委員 はい。 ○宮村座長 因果関係をギリギリやっていくということは、この趣旨ではないし、不可 能であろうということですね。それでいま中野委員が盛んに言われていた、A点とB点、 投与を受けたとき、それと今度のいまの時点。その途中に告知があったあげくに、いま の健康状態からこの人たちが、C型肝炎に関してどういう状態にあるかということをき ちんと把握していくということです。例えばこの人はC型肝炎ではないというような人 が出てくるかもしれない。そういう調査をやりましょうと。そのためには調査の項目も できるだけ効率よく、無駄なことではなく、現実の作業もできる、しかしその回収を効 率よくやることがいちばん大切。その結果をいち早く報告するということだと思います が、そういうことでよろしいでしょうか。 ○伊藤政務官 はい、そのとおりだと思います。 ○宮村座長 そのようにまとめていくつもりです。 ○伊藤政務官 もう1点だけもう少し素人にわかりやすく教えていただきたいのは、A 点とB点の経過はわかっても、因果関係ははっきりしないというのは、どのように理解 すればよろしいですか。 ○宮村座長 この時点でフィブリノゲンの製剤の中に、C型肝炎ウイルスが仮にあって も、それをきちんと検出し、あるいは白黒を付けることは不可能だと。 ○伊藤政務官 なるほど、投与時にどれくらい含まれたかを証明するのは不可能ですか。 ○宮村座長 投与時に。 ○伊藤政務官 確かにそうです。 ○宮村座長 そうです。そのときには確かに含まれていたのは確実ですが、どのロット にどれくらい含まれていたから、これが原因であってということをきちっと証明するの が、本当の因果関係ですが、それは不可能です。 ○伊藤政務官 はい、確かに無理ですね。 ○宮村座長 だから結論から言うと、どのケースでも可能性は完全に否定できないとい うことだと思います。この人がC型肝炎である以上ですね。 ○伊藤政務官 はい、そうですね。 ○熊田委員 ですからいちばん直近の検査で、C型肝炎に過去にかかった、あるいは現 在ウイルスを持っているという人は、すべて因果関係がありという判断しかできないと。 ○伊藤政務官 それはそのとおりですね。 ○熊田委員 本当はなくてもですね。 ○伊藤政務官 そうですね。フィブリノゲンと同時に輸血されてた方にとっては、その 原因はまさに輸血なのか、フィブリノゲンなのかはわかりませんね。 ○熊田委員 途中で別のことで入ったかもしれないし、それはもうないという決定はで きないと。 ○伊藤政務官 はい、それはいいと思います。 ○熊田委員 しかしこの中で、肝障害と書いてあるのだけれども、実はウイルスを調べ てもHCV抗体はマイナスだと。ウイルスも引っ掛からないという人は、これはC型肝 炎にいまかかっていないし、B型肝炎も同じようにかかっていないとなると、これは要 するにフィブリノゲンによるC型肝炎及びB型肝炎の感染で、いま肝障害が起こってい るわけではないという判定になると。 ○伊藤政務官 そういうことですね。 ○熊田委員 言えるのはそこまでですね。 ○宮村座長 それとですね。 ○熊田委員 直近のいちばんの信頼できるデータをを取るということは、いちばん大切 で、これを見ていると肝障害などいろいろと書いてあるだけで、わからないですからね。 ○宮村座長 そこ、先生もう少し詳しくどういう。 ○吉澤委員 繰り返しますが、肝炎ウイルス検診の検査手順がありますね。まず、C型 については、現在ウイルスに感染しているのか、いないのかまでを決める確かな検査法 があります。あの手順に従った検査をしてもらって、その結果をここに書いてもらう。 ○熊田委員 そのままで。 ○吉澤委員 したがって報告は、1番で判定した、2番で判定したという、あのやり方 そのものを踏襲してもらえば、C型については確定します。B型については、HB抗原 が陽性か否か。それだけでいいのではないですか。しかしどうしても過去に感染したか どうかということを知りたければ、抗体を調べてもいいですが、それはあまり意味を持 たないと思います。 ○熊田委員 抗体検査によって何かできるかというと、かえって複雑になるだけですね。 ○吉澤委員 バックグラウンドの抗体陽性率が高い日本で、こういう特定の集団につい てそれを調べて、仮に陽性だったとしても、何が言えるか。何も言えない。だから調べ なくてもいいと。 ○八橋委員 ただすでに医療機関にかかって、インターフェロンで治っている方も含ま れています。 ○吉澤委員 Cね。 ○八橋委員 Cですね。 ○吉澤委員 だからそれはHCV抗体陽性、そこから入っていく。 ○熊田委員 HCV抗体+。それはそれでもういいのです。それは関連ありという形です。 結論的には、HCV抗体が+であれば、関連ありと、否定はできないということになって。 ○吉澤委員 そうです。 ○熊田委員 ただいまは治っているというだけの話です。 ○吉澤委員 いまウイルスに感染している人については、肝臓の状態がどうなっている のか、さらに治療が必要かどうか、その次のステップを見るわけですから。 ○伊藤政務官 そこまでの調査をしてきて、いちばんの興味はまさに行政として、2002 年当時もっと一歩突っ込んで、患者の方にまできちっとC型肝炎の可能性がある、その 原因はフィブリノゲン製剤による可能性があるということを伝えなかったが故に、いま ひどくなっている方がどれぐらいいるかということだと思うのです。 ○熊田委員 それは難しい。 ○吉澤委員 冒頭に申し上げたのですが、2002年の段階で肝炎ウイルス検診始めるに当 たりまして、5歳刻みで、40歳、45、50、55歳を通過する時点での検査していく節目 検診と、感染のリスクの高い人は優先して検査する節目外検診という2つのカテゴリー で始めたのです。その対象者のリストの中にフィブリノゲンを投与された方、またはそ の可能性のある方はあらかじめ入れてあります。都道府県を介して実施主体の市町村に お願いして優先検査をし、たくさんのHCV感染者が見つかってきています。ですから、 何もしなかったわけではなくて、検査の手だてはきちんと尽しているのです。そのこと をきちんと明示しなければいけないのだと、ここで最初に申し上げたのです。 ○黒川審議官 フィブリノゲン製剤を投与された患者さんということで、ハイリスクの 方にジャンルとして入っていただいて呼びかけているということですね。 ○吉澤委員 平成13年の段階で、こういう人はリスクが高いから早く受けてください という表を作って、それを実施主体の市町村を通じて現場に全部下ろしているのです。 いつの時点のQ&Aにこのことを書いたのかを調べてみたのですが、平成13年、2001 年8月改正、2版、クエスチョンの11番に書いてあることがわかりました。実際受診した 人の数を見ていただくと、節目と節目外の検診を合わせて860万人が受けていて、約10 万人のHCVキャリアが見つかっています。 ○伊藤政務官 キャリアが。 ○吉澤委員 ですから、この中の多くの人はこの網にかかっていてもいいはずなのです。 このことを全部抜きにして議論しますと、この418人の位置付けというのがわからなく なってきます。 ○宮村座長 吉澤委員はこの研究班の班長をずっと続けておられて、今回も局長に講義 をされてきたのですね。ですからそのようなことを踏まえたときに、この委員会でやる べき役割がある意味では非常に限定されてきて、この418人のケースについて、先般言 われたように、2002年のことがどのように影響したかというのはある意味では、逆に言 うと大きなC型肝炎のキャリアの人たちには、必ず輸血かフィブリノゲン血液製剤かで かかっているわけです。そのごく一部について、しかもこれが広範にフィブリノゲン製 剤を投与された人だけではなくて、申告に基づいてわかった人でC型肝炎らしい症状を もった人たちという、1つの限定されたコミュニティーの調査になります。 ○伊藤政務官 いまの話で、何保険の人がどうで、何保険の人がどうでという話をもう 少し説明してもらえますか。 ○吉澤委員 老健法というのがありまして、地域住民健診というのがあります。その健 診のシステムに乗せた検査です。 ○伊藤政務官 老健法の地域住民健診ですね。 ○吉澤委員 はい。具体的に言いますと、国民健康保険加入者が主体になりますが、政 府管掌健康保険、それから船員保険加入者が対象になっています。企業の組合健康保険 や厚生年金保険の加入者などは対象には入っていませんでした。  節目外検診受診者でのHCVキャリア発見率は、節目検診受診者での発見率に比べて 各年とも、2倍以上の発見率になっています。したがって、感染のリスク集団はきちん と捉えられているというということになっています。 ○伊藤政務官 そうすると、既にこういったことで検査を受けていただいている方も、 418名の中には相当数いらっしゃる可能性は高いということですね。 ○吉澤委員 可能性はあります。2002年4月から今年の3月まで5年間行いまして、 まだ受診していない人がいますので、1年間延長して来年の3月までは同じスタイルで、 リスクの高い人は検査をしますというのが継続になっているはずです。そして、来年の 4月以降は、老健法とは違ったカテゴリーで継続するということが一応決まっていると いうのが流れです。 ○伊藤政務官 予定時間を過ぎているのに、細かいことを聞いてすみません。これは、 先ほどの対象者は、確かにこの3つの保険の方なのですが、例えば地域広報等を通じて ありとあらゆる人にこういったことを投げかけているものなのでしょうか。 ○吉澤委員 そうです。北海道から沖縄まで全国です。検査受診勧奨のためのパンフレ ットを作りましたが、出版された数は400万部を超えています。 ○伊藤政務官 そうすると、この3つの保険以外の人でも、こういった検査が行われて いることは見聞きする機会があったということですか。 ○吉澤委員 はい。 ○伊藤政務官 ただ、その人たちは検査を受けると、有料ということだけですか。 ○吉澤委員 いまの3つの保険の対象者の方々は、国の事業としての検査ですので、3 分の1行政というのになるわけですね。国が3分の1、都道府県が3分の1、受益者負 担分が約3分の1。 ○伊藤政務官 費用の話ですね。 ○吉澤委員 はい。ただ、組合健康保険の方々は、その対象にならなかったんですね。 ○伊藤政務官 ならなかったけれども、検査を受ける機会には恵まれたのでしょうか。 ○吉澤委員 それは、自主的に受けないといけないという制約はありました。ですから そういう意味では片手落ちと言われても仕方がないてですが。 ○伊藤政務官 自ら受けることはありだとしても、少なくともこういうことを国がやっ ている。 ○吉澤委員 ということは、知っているはずです。したがつて、ここの集計には入って きていませんが、個別に受ける人間ドックの受診者の中には、相当の数の人が受けてい るはずです。 ○伊藤政務官 まさに、これが2002年からされているということですか。 ○吉澤委員 そうです。しかも、そのアナウンスメントがすでに2001年に出されてい ることに、意味があるのです。Q&Aの第2版改定が2001年ですね。 ○伊藤政務官 そのQ&Aの第1版とか第2版というのは、ここにあるのですか。 ○吉澤委員 第1版は、ホームページに残されていると思いますが。 ○伊藤政務官 そういうものがあるのですね。 ○吉澤委員 厚生省のホームページと日本医師会のホームページとウイルス肝炎財団の ホームページに、改定ごとに更新しながらきています。それは、私たちの研究班がやっ てきたことです。 ○伊藤政務官 大分印象が変わりますね。 ○黒川審議官 いま手元にいただいたスライドで見ますと、1つはフィブリノゲンとい うダイレクトな記載がここにはありません。それと、非加熱というところがありますね。 フィブリノゲンのほうは、加熱になったのが昭和62年の4月前後で、その後にも感染 例があります。 ○吉澤委員 念のため読んでみます。1992年以前に輸血を受けた方、長期の血液透析を 受けている方、輸入非加熱血液凝固因子製剤を投与された方、非加熱凝固因子製剤を投 与された方。フィブリノゲンという固有名詞片仮名はないですね。凝固因子という表現 になっていますね。 ○黒川審議官 あと、加熱でも実は感染しています。ですから、このハイリスクの呼び 掛けの中に、加熱製剤を投与された方というのは直接は入っていないのですか。 ○吉澤委員 非加熱ばかりですね。 ○伊藤政務官 たぶん、418名のリストの方のフィブリノゲンが投与されている時期は、 ほとんど昭和62、63年当時だったはずなので、そういう意味ではこれに完全に該当し てくるのではないですか。該当してくる人は相当数いますよね。 ○吉澤委員 そうです。ですから、フィブリノゲンというのは商品名でしたから、それ をそこに書かなかっただけなのです。これは、担当課と十分相談したうえで作ったリス トです。 ○伊藤政務官 初回投与は、ほとんどこの時期ですから。1987年当時ということは、非 加熱ですよね。 ○吉澤委員 もう1つだけ見てください。これが、フィブリノゲン製剤が作られてきた 経緯で、血液対策課で作っていただいたリストをもとに作ったものです。完全に安全な 時期と完全に安全な時期に至った1994年の間に感染のリスクがあった時期があったわ けです。そのリスクは、時期によって全く違います。そういうこともわかった上で呼び かけているわけですから。 ○熊田委員 全く何もしなかったというわけではないのですね。やったのだけれども、 そういう意識があまりないということですね。それともう1つ、やはり加熱が入ってい ますよね。 ○吉澤委員 そうですね。 ○熊田委員 それだけは、やはりすり抜けた。 ○吉澤委員 そうです。たまたま原料の血液の中にHCVキャリアの血液がたくさんプ ールされますと、加熱してもまだ感染性が残るだけのウイルスが存在するということが あります。 ○伊藤政務官 患者の方とのヒアリングの中で印象に残ったのは、要するにフィブリノ ゲンという薬によって肝炎になったということを、もっと早く知りたかったという声も 結構あったのです。それはなぜかというと、やはり感染症なので、肝炎になったことに よって、女性の方が多いものですからいろいろな意味ですごく心労を背負ったというか、 なぜそういう病気になってしまったのだとすごく自分を苛んだ。それがまさか治療のと きに使われた薬による可能性があるということなら、是非とも早く知りたかったという 声もあったのは事実なので、やはりそこは難しいところですね。しかし、肝炎の治療と いうのはこれだけ検査していたら、スタートしている人がほとんどだということですよ ね。 ○八橋委員 それとは別に、フィブリノゲンという言葉を明確に出して、疑いのある人 は全部最寄りの医療機関に受診してくださいと。 ○伊藤政務官 7,000医療機関は公表していますからね。 ○八橋委員 50人来たのですよね。 ○伊藤政務官 あれは平成16年ですよね。それもやっています。 ○吉澤委員 広島県で調べてもらいましたが、あの時400人ほどが検査を受けましたが、 見つかったキャリアは1人だけでした。 ○熊田委員 あのときは、実際になぜ7,000医療機関を公表したかというと、実はあの ときに初めて日本人に最も多い1B5ウイルス型の治療ができるようになったからです。 その前に公表して、ではどうすればいいのですかと、いや、あなたのは治りませんとい うことを言ってもいけないから、治る治療までできたから公表して、それで見つかった 人に、こうしますと実は半分の人が治りますよということで、その時期を一致させたの ですね。ですから、いろいろ段階を追って、治療に結びつくまでに渡る経過は踏んでい ると。しかし、それが基本的にこれでうつされてしまったという感覚になると、いまま での流れが全部切れてしまうんですね。なぜもっと言わないと。実際には言ってくれて も、残念ながらなかなか治す治療がなかったのだということで、一連の関連で流れてき ています。 ○吉澤委員 ついでに申し上げますと、極めて残念だったのは、7,000医療機関の公表 の時期ですね。あれは12月に公表されているんです。12月というのは、その年度の検 診はほとんどの市町村で済んでしまったあとなんですね。次の年度の検査は4月以降に なります。12月から4月の間に熱が冷めてしまって、折角準備しておいた検診体制が生 きなかったのです。 ○伊藤政務官 そういう現実があるわけですか。 ○吉澤委員 ですから、公表の時期を3月とか4月にしてもらえば。 ○伊藤政務官 すぐに検診にくる方がいたのではないかということですね。 ○吉澤委員 そうです。受け皿がありますよ、ですから検診に行ってくださいと。そう すればどれだけ効率がよかったか。 ○伊藤政務官 この4カ月のブランクというのも、現実的には非常に効いていると。 ○吉澤委員 と同時に、これまでの検診の流れ、ウイルスがいるかいないかまでをきち んと調べるという検診を徹底して普及してきたのにそれが壊れたのです。つまり、検査 のシステム、検査の場所を変えたことによって、都道府県によってはそれまで努力して 作ってきたシステムが一部分壊れたのです。修復には相当に時間がかかりました。です から、具体的に施策を進めていくときには、タイミングをよく考えて、決めていってい ただくことはすごく大事なことだろうと思います。 ○伊藤政務官 またイメージが少し変わりましたね。 ○黒川審議官 今日できれば、形式の決定を。 ○伊藤政務官 すみません、途中で止めてしまいました。まだ1ですからね。 ○宮村座長 この方針でいきましょうか。調査票1のところで、いま熊田委員からコメ ントがありましたが、それを踏まえた形でモディフィケーションをかけてください。ま だ言い足りない点はありますか。 ○吉澤委員 大丈夫です。 ○宮村座長 しかし、肝炎のウイルスの検査だけではなくて、治療歴、インターフェロ ン+リバビリンのところもずっと記載することになっていますが、これはよろしいです か。 ○吉澤委員 いわゆる肝機能検査というのも、いるのではないですか。 ○熊田委員 最新の、という検査の中に入っていますよ、7番。 ○事務局 問7、これは8頁の7です。 ○吉澤委員 ああ、そうですね、すみません。 ○宮村座長 これは、いちばん直近の1回でいいわけですよね。 ○熊田委員 最近の1回です。 ○宮村座長 ということで、調査票1はこういう形でいきたいと思います。 ○熊田委員 移植まではいらないような気がするのですが。 ○事務局 これはちょっと理由がありまして、いまフィブリノゲンで問題になっている 方の中に、生体肝移植を受けた方が1人おられます。もっとこういう方がいるのではな いかということを国は把握しているのかと言われていますので、一応それはそういう意 味で入れています。 ○宮村座長 これは大事なことだと思います。それでは、調査票2をご覧ください。こ れは、いままでの推移ですが。 ○伊藤政務官 こういうように、3と4だけをすればいいということですね。更に5か らというのは、1と一緒だということですね。 ○宮村座長 調査票2は、よろしいですか。 ○八橋委員 特定できなくても記入するということですから。 ○宮村座長 そういうことです。 ○八橋委員 わからないところは書けないということですね。 ○宮村座長 はい。 ○熊田委員 それは、最初に書いておいたほうがいいかもしれませんね、書ける範囲内 でと。絶対に必要なところはウイルスのところだと、ここだけは必ず測定してください と。それ1本に限られますよね。 ○吉澤委員 ウイルスの検査といわゆる肝機能検査だけですよね。 ○宮村座長 次は、調査票3です。中野先生から、少し工夫をということで、ここでd としてしまったら何もなくなるだろうと。何か工夫はありますか。 ○事務局 これは、製薬会社から医療機関に送るわけですから、そもそもそのときの納 入医療機関での調査の際のデータなり、医療機関が特定された根拠を、一応ここで併せ て示していただきながら、医療機関に送るということをすれば、中野委員の言われたと ころは少しできるのかなとは考えています。 ○熊田委員 本来、ここにdが付くはずはないんですよね。入ったという事実があるわ けですから。 ○事務局 ないはずなのですが、実際私がここ1週間相談を受けていますと、患者さん からは間々、医療機関に行くとわからないと、当時の主治医がもう別の所で働いていた り開業していて、その主治医の所に行くと知らない、わからないといって、医療機関と 当時の主治医の間で患者が揺れ動いているというのはあると思います。そのようなこと が、おそらくひょっとしたらdになるのかもしれないと考えています。 ○宮村座長 問3のところで、投与したための原疾患の中で肝硬変、劇症肝炎というの がありますが、ほかに例えば肝機能異常を来すような別の原疾患はないでしょうか。 ○熊田委員 実際に2001年に7,000医療機関全部調べまして、当院も注射伝票を全部 調べたんですよね。実際に使っている人は、もうターミナルの出血をした人にも使って いるんですよね。要するに、どんな病気でもいいんですよ、がんの末期でも何でも、出 血が止まらないというと何とか止められないかということで、止血剤として使っていま す。当院では、全症例を調べたのですが、そういう人に多く使っていて、結局そのあと 1週間で亡くなったという人ばかりで、そのあとに肝炎になっている人は0だったので すね。ですから、おそらくいろいろな所に使われているのだけれども、あれだけ使われ ていても実は違うと。  あのときは、幸か不幸か、うちは開院以来カルテを全部取ってあるものですから、注 射伝票も全部取ってありましたから、入ったものは全部調べました。しかし、現実には そういう人がほとんどで、いま肝炎になって生きている人は誰もいません。本当は、今 回のものは肝炎になっているということですが、現実は使われているのはいろいろなこ とで使われています。出血して血が止まらないといったら、何でも使っています。 ○宮村座長 その他というところで結構ありますか。 ○熊田委員 たくさんありますね。 ○吉澤委員 フィブリン糊として使ったケースも、結構あるでしょう。 ○熊田委員 そうです。 ○伊藤政務官 そうやって先生方の話を聞けば聞くほど、やれることを全部やってきた のだなと思います。いま言われているのは、7,000医療機関も公表し、広く検査、受診 を皆さんにお願いをしたのだけれども、更にそのうえで418名については、個人を特定 できる可能性があったので、そこもどうしてやらなかったのかというような話になって いるのです。 ○熊田委員 しかし、ドクターがその報告書を厚生省に上げているのが、まず氏名を公 表しない、関係医療機関も公表しないということをしませんので、遠慮なく副作用を出 してくださいという条件で、ドクターは出しているわけです。 ○伊藤政務官 副作用報告の原理、原則がそうなっているということですね。 ○熊田委員 それが、今後はみんな公表しますよとなると、副作用はそのときに因果関 係があるかもしれないか、ないかもしれない、わからないけれども、とりあえずあとの ために参考になるかもしれないということで出しているわけです。それを、あとからほ じくり出してみんなこうなったら、出せなくなるのです。 ○伊藤政務官 確かに、公表するという論調ではないですが、要するに医師の方から製 薬メーカーを通して厚生労働省に上がってきて、その逆の流し方ですね。厚生労働省か らメーカーを通して、医師の方に是非ここに上がっている因子等の人について、個人が わかるのであれば検査をしてあげてくださいということを、なぜ厚生労働省としてもっ と強く働きかけなかったのかと言われているのです。 ○熊田委員 でも、行く道は一方通行で、そこで本来は終わるはずになっているシステ ムですから、それを今度は帰り道ということになると、逆に患者にはそこに因果関係が あるかどうか否定できないというところで出していますから。これは患者に関係がある というときは、医者はそうだと言っていますからね、実際。でも、否定できないとか、 特定できないというのをみんな出しているわけですから、あとから考えると1例目はわ からないけれども、100例きたらああそうだと人間は思うわけです。それを全部一概に 一緒にすると、もう出せない。  現実に、新しい薬剤を使うときにいろいろなことが起こりますので、チャレンジテス トをやらないと本当はわからないのです。いまでもチャレンジテストをやってみたら、 いや自分は違うと思うからともう一度飲んでご覧と、飲んだら、今度は何も起こらない というのが、実はほとんどなのです。 ○伊藤政務官 すみません、また止めてしまいました。続けてください。 ○宮村座長 とても複雑な状況ですね。 ○吉澤委員 つけ足しますと、個人を特定してできない分を補填する格好で、節目外検 診という形で検査をいって呼びかけたのです。検診は、相当の努力をして毎年全国に呼 びかけ続けたわけです。 ○宮村座長 それでは、調査票はこういうことで、それぞれモディフィケーションをか けていただいて、事務局で作りまして、また委員に流して確認をいただきたいと思いま す。それで、落ちているところ等あれば、一刻も早くリリースしていくということです ね。では、それでお願いします。今後の予定も話していただきましたし、今日の議事は そういうことです。1つ政務官に確認したいのは、この委員会の招集をこういう目的を 持って、こういうメンバーに招集をかけてというのは、医薬食品局だったのですか。 ○伊藤政務官 これは、医薬食品局ですね。大臣の指示です。 ○玉川企画官 位置付けとしては、大臣の任命を受けて医薬食品局が、専門委員会を作 ると。そして、専門委員会の目的、検討事項はこういうことであると。 ○宮村座長 はい、わかりました。今後の予定はわかりましたので、次回の日程につい て事務局からお願いします。 ○玉川企画官 次回の日程については、先生方のご都合を伺いたいと思います。本日ご 議論いただきましたスケジュール(案)を踏まえ、次回年明け早々で恐縮ですが、1月 7日の週に設定をさせていただきたいと思っていますが、いかがでしょうか。この場で 当初決めることも考えていたのですが、退席された先生方もいらっしゃいますので。 ○事務局 全員の先生方に、1月7日の週でご都合をお伺いして。 ○熊田委員 委員の中で決めておいて、残った人にもらったほうがいいのではないでし ょうか。いまいる人が駄目だというと困るのですが。                  (日程調整) ○宮村座長 1月11日ですか。 ○玉川企画官 では、場所等の調整もありますので、このメンバーでということですと 定足数的には問題ないのですが、退出された委員もいらっしゃいますので、後ほど確認 をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○宮村座長 これで、本日の検討会を終了します。 ○伊藤政務官 非常に世間的な注目度も高いと思います。今日聞いたような事実関係を ポイント、ポイントで公表させていただいて、落ち着いた議論ができるように我々も努 力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 連絡先 厚生労働省医薬食品局総務課 TEL  03-5253-1111