07/11/28 中央社会保険医療協議会総会平成19年11月28日議事録 07/11/28 中央社会保険医療協議会          第116回総会議事録 (1)日時  平成19年11月28日(水)11:14〜13:44 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        前田雅英委員 室谷千英委員        対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員        高橋健二委員(代 清水) 松浦稔明委員        竹嶋康弘委員 鈴木満委員 中川俊男委員 西澤寛俊委員 邉見公雄委員        渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <参考人>       加藤治文薬価算定組織委員長        <事務局>       水田保険局長 原医療課長 宇都宮医療課企画官        八神保険医療企画調査室長 磯部薬剤管理官 三浦医療課課長補佐        石原調査課長 武田医政局経済課長 他 (4)議題  ○医薬品の薬価収載について       ○医療機器の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○医療費の動向について       ○薬価調査及び特定保険医療材料価格調査について       ○平成20年度診療報酬改定について (5)議事内容  ○土田会長  ただいまより、第116回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、石井委員が御欠席で、高 橋委員の代理で全日本海員組合の清水保さんがお見えになっております。  また、審議官は公務のため欠席される旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  最初は、「医薬品の薬価収載について」を議題としたいと思います。  薬価算定組織の加藤委員長がお見えになっておりますので、最初に説明をお願いいたし ます。 ○加藤委員長  薬価算定組織の委員長をやっております加藤でございます。私のほうから、今回検討い たしました新医薬品の算定結果について報告させていただきます。  まず、資料の中医協総−1をごらんください。今回報告いたします品目は、資料1ペー ジの一覧表にありますとおり、1成分1品目であります。本品目は、HIV感染症を効 能・効果とする医薬品でありますことから、緊急収載を行うものであります。  それでは、算定内容について説明させていただきます。プリジスタ錠300mgでござい ますが、資料2ページを見ていただけますか。プリジスタ錠は、ダルナビルエタノール付 加剤を有効成分とし、HIV感染症を効能・効果とする内用薬であります。  資料3ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は効能・効果など が類似するホスアンプレナビルカルシウム水和剤を最類似薬とした類似薬効比較方式 (I)による算定が妥当と判断いたしました。  また、補正加算につきましては、他の抗HIV薬が効かなくなったHIV感染症患者を 対象とした臨床試験におきまして、本剤を含む多剤併用療法が、本剤を含まない多剤併用 療法と比較してよりすぐれた効果を発揮することが確認されておりまして、かつ安全性は 同様であることから、類似薬に比べて高い有効性または安全性を有することが客観的に示 されています。その要件に該当しておりまして、有用性加算(II)のA=20%を適用す ることが適当と判断いたしました。  この当初算定案に対しまして、新薬収載希望者から、本剤は、最近の研究により、従来 の類似の医薬品とは異なって作用の対象となる酵素の特定部位に強く結合することによっ て耐性が生じにくいということなどが示されており、「臨床上有用な新規の作用機序」を 有する要件も満たし、加算要件の2つを満たすことから、有用性加算(I)を希望する旨 の不服意見が提出されました。  この不服意見について、2回目の薬価算定組織におきまして検討した結果、申請者の主 張する新規の作用機序が臨床上有用であることは明確にされているとは言えず、「臨床上 有用な新規の作用機序」を有する要件を満たしているとは認められないと判断し、当初算 定案どおりとすることとし、この結果は新薬収載希望者も了承いたしました。  したがいまして、資料2ページに戻ってください。本剤の算定薬価は、最類似薬である レクシヴァ錠700mgとの1日薬価合わせに有用性加算(II)、A=20%を適用し、3 00mg1錠、433.60円となりました。  なお、本剤の算定薬価は外国平均価格の4分の3を下回りますが、平成18年度の薬価 制度改革により、外国平均価格調整による引き上げ対象から除外することとされた、外国 平均価格が1国のみの価格に基づき算出されることとなる場合に該当すると判断し、外国 平均価格調整による引き上げを行いませんでした。  以上で報告を終わります。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして質問等ございましたら、どうぞお願いします。  特にございませんか。それでは、御質問がないようでしたら、本件につきましては、中 医協として承認することにいたしたいと思いますが、よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  加藤委員長、長い間どうもありがとうございました。                 〔加藤委員長退席〕 ○土田会長  それでは、次の議題に移りたいと思います。「医療機器の保険適用について」を議題と したいと思います。  区分A2及びBにつきまして、事務局から御報告をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。それでは、資料、中医協総−2をごらんいただきたいと思 います。  まず1ページ目ですが、医科、区分A2(特定包括)(特定の診療報酬項目において包 括的に評価されている区分)につきまして、本年11月1日保険適用開始のもの、ごらん の20件がございます。  続きまして、1枚おめくりいただきまして2ページ目でございますが、区分B(個別評 価)(材料価格として個別に評価されている部分)としまして、こちらもごらんの20件、 先のA2と合わせまして、医科は合計40件でございます。  続きまして3ページ目、歯科がございますが、今回歯科はA2はございませんで、区分 Bのみでございます。ごらんの8件ございます。  これで、医科、歯科合わせまして48件ということでございます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問ございますでしょうか。  よろしいですか。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「先進医療専門家会議の検討結果につい て」を議題としたいと思います。  事務局より、資料の説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  資料、中医協総−3をごらんいただきたいと思います。今回は1件だけございます。  「骨移動術による骨軟部腫瘍切除後骨欠損の関節温存型再建」ということで、1枚おめ くりいただきまして、2ページ目にその説明がございますが、こちらの「先進性」のとこ ろに書いてございます。「これまで骨軟部腫瘍切除後骨欠損の再建には、金属や、加熱あ るいは凍結処理した骨を再利用していたが、この方法では、関節の温存ができず、合併症 も多かった。」ということなのですけれども、今回の新しい技術によって、そういう合併 症があまり起こらず、関節の温存ができるようになったということでございます。  具体的にどういう手術かと申しますと、「概要」のところに書いてございますが、骨腫 瘍を切除いたしますと、その切除した部分の骨が欠損するわけでございますが、創外固定 器という外側のほうに出ました固定器を骨に取りつけて固定するわけでございますが、今 回の技術は、例えば関節に近いところの骨が欠損した場合に、その欠損した側と反対側の 骨を切って、その欠損した部分のほうに骨を持ってきて関節を温存する。そして、反対側 の切ったほうを移動させて、徐々にその欠損部を補填するというような、発想の転換が行 われたような技術でございまして、これによりまして、関節面ぎりぎりでの腫瘍切除も可 能となって、関節温存が可能となるということでございます。  次の3ページでございますが、「先進技術としての適格性」、「妥当」等々ありまして、 一番下の「総評」で「適」という評価をいただいております。  そして、最後の4ページでございますが、こちらのほうに「医療機関の要件」として、 整形外科専門医等々の要件ということが書かれております。  あと、この技術の話ではないのですが、前回勝村委員のほうから宿題をいただいており まして、専門医についてもうちょっと詳しい情報をということで、机上配付で、「日本専 門医概報」という薄いブルーの冊子を配らせていただいております。これは、中間法人日 本専門医認定制機構のほうでまとめている冊子でございまして、この中をお開きいただき ますと、それぞれの学会の専門医制度につきまして、人数でありますとか、到達目標、申 請の資格試験内容、研修施設についてとか、指導体制とか、そういった情報が非常に詳細 に掲載されております。御参考にしていただければと思います。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問ございますでしょうか。 ○勝村委員  今日出ている案件とは別に、今日配布されたこちらの冊子の話でもいいですか。  専門医について、この間、どういうふうになっているのかと質問させていただいていた わけで、本日はこの冊子をいただいてありがとうございました。  その中で、専門医の広告ができるできないというのを厚生労働省が基準を出しているの ですね。それは、どういう違いがあるのでしょうか。 ○事務局(宇都宮企画官)   そちらにつきましては、今お配りした冊子の153ページに、厚生労働省告示としまし て「専門医の広告に関する基準・手続き等」というのを書いてございます。この基準を満 たすものについて広告できるということでございます。 ○勝村委員   そうしますと、この先進医療にかかわる「医療機関の要件」で専門医というのが出てき ますよね。これはその広告ができるというふうに厚労省が認定しているものだけに限って いるわけですか。 ○事務局(宇都宮企画官)   そのとおりでございます。  歯科は除かれております。 ○土田会長  まとめてお答えください。 ○事務局(原医療課長)  前回もこのお話をしましたけれども、歯科の分野については幅広く、この広告事項以外 の部分も先進医療の資格の中で使っている部分がございます。 ○土田会長  よろしいですか。 ○勝村委員  その専門医というものについては、今日初めてこの冊子を見せていただいたばかりなの で、中身が十分に見られていないのですけれども、これまでは意見ではなしにどうなって いるのかということを質問させてもらい続けてきたのですが、なぜそんなことをお聞きし てきたかというと、一部報道なんかでは、過去の話で記憶もちょっと完璧ではないかも知 れないのですけれども、例えば、お金を支払えば専門医になれるような専門医もあるのだ とか、または、3回ほど学会主催の話を聞きにいって、出席したという証明のチケットの ようなものを3枚ほど集めれば専門医がとれる。しかも、そのチケットのようなものがイ ンターネットで売買されている、とかが報道等で問題になっていたように思います。  そういうふうな報道を見ているだけですので、僕には真偽のほどはわからないですけれ ども、専門医というものは本来、一定医療の質を上げていくという意味で非常に大事だと 思うのです。だから、こういうふうな要件のところに出てくるのは大事だと思うので、そ れだけにきちんと質を担保してほしいと思うのです。ということで、今、この冊子の中の 一つ一つを見ていく時間はないのですけれども、すごくしっかりと、なるほど、本当にお 医者さんの中でも特にこれこれの専門家であるということは、とても意味があることだな、 と読んで思うものもあるのだと思いますが、そのあたりのことについて、こういう先進医 療のところで専門医というものを要件にする限りは、チェックをきちんとしてほしいとい うことが一つ気になっていたということです。  もう1つ、前回も言っていたのですけれども、ここには「医療安全管理委員会」の必要 性とか、「倫理委員会」の必要性とか、そういう言葉もいつも出てくるわけです。それに ついてもそれぞれの委員会の要件はどうなっているのかということが気になっています。 それについては、厚労省のガイドラインがあるのだということなのですけれども、やはり これも報道なんかでは、特定機能病院でさえ厚労省のガイドラインを完全に守れている倫 理委員会は一つもないような新聞社の調査報道なんかもありました。特に構成メンバーだ けを見ても、きちんとそれがガイドラインを守れていないのではないかというような報道 もあったりして、僕らは直接、それぞれの中身についてはよくわからないのですけれども、 僕がお願いするのは、だから不信感があるということで終わるのではなくて、こういうこ とを機会に、いろいろな病院で、ガイドラインに沿ってきちっとしていってもらうように 動くきっかけになることができればありがたいなと思います。  例えば今回この先進医療が認められるようになった医療機関であれば、これが認められ るのだからということで、もう一度改めて、病院内部で、医療安全管理委員会とか倫理委 員会とかが、きちんと厚労省のガイドラインに合っているのだろうかと確認してもらうよ うな手続きや見直しをしてほしいということです。だから、単に「倫理委員会」と書くの ではなくて、「厚労省のガイドラインに沿った倫理委員会の設置」というふうにきちんと 書いてもらって、それがちゃんと設置されているということの確認を要件にして、質を担 保していくことができれば意味があると思います。質を担保するために、それらの2点を きちっとやっていただけたらなと思っています。 ○事務局(宇都宮企画官)  まず、第1点目のこの専門医の質の担保ということに関しましては、私の理解では、こ の冊子を発行しております日本専門医認定制機構と、それから日本医学会のほうで、です から、詳細は医師会さんに聞かれたほうがいいかもしれないのですが、日本医学会が中心 になって、ある一定以上の質の担保というような議論をされていると以前伺っておりまし た。  また、医療安全管理委員会につきましては、そのような勝村委員がおっしゃったような 報道は承知していないのですが、我々としては、少なくともきちんとされていると思いま すし、また、もし何か医療事故等があれば、当然そういった委員会の責任ということも生 じますので、そのようないいかげんなものは通常であればないのではないかと考えており ます。 ○勝村委員  わかりました。  一つ誤解があったらいけないので補足しますけれども、先ほど発言した、ガイドライン がほとんど守れていないのではないかという報道を読んだのは倫理委員会のほうです。倫 理委員会の構成メンバーがこういうメンバーであるべきということが厚労省のガイドライ ンに書いてあるのですが、新聞社が調査したら、それをきちんと守れているというところ がなかったというような新聞社のアンケート調査結果を読んだことがあるということです。 ○土田会長  その辺はきちんと対応していただきたいという御意見だと思います。  それで、先ほどの案件に戻りますが、今回先進医療専門家会議から出されましたこの技 術につきまして、保険給付との併用を認めるということについて、ここで中医協として意 見を申し上げることになっていますが、特段に意見はないということでよろしいでしょう か。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、次の議題に移りたいと思います。「医療費の動向について」を議題としたい と思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(石原調査課長)  調査課長でございます。私のほうから、資料番号で総−4−1から総−4−3までにつ いて、19年の4〜8月の医療費の動向について、簡単に説明させていただきたいと思い ます。資料番号の総−4−1がポイントとしてまとめた部分で、資料番号の総−4−2が、 入院、入院外、歯科とか調剤と、細かい統計資料と、あと病院の規模別の状況をまとめた ものです。資料番号総−4−3の資料が、今回有床診療所の議論がございましたので、有 床診療所についての資料という形でお出しさせていただいております。  まず、資料番号総−4−1でございますが、「医療費の動向のポイント」でございます。 19年4〜8月の医療費の伸び率は3.0%となっておりまして、制度改正や診療報酬改 定のない17年度、これを直近で自然体の伸びの基本と考えておりまして、それと比較で 見ていただきますと、ほぼ同程度の伸びという形になっています。  「参考」のところで見ていただきますと、17年度が3.1%でございましたが、18 年度、診療報酬のマイナス改定の影響があって0.1%の伸びということで、かなり伸び 率が落ちておりましたが、19年度4〜8月の段階になりましてやはり3%ということで、 ほぼ17年度と同程度の伸びに戻っているという形でございます。  次に、病床規模別でございますが、医科病院の1施設当たり医療費の伸び率を見ますと、 19年4〜8月で200床未満が3.5%、200床以上で3.4%となっておりまして、 ほぼ同程度の伸びになってございます。医科病院の施設数は減少しておりまして、20〜 50床未満の小さい病院で減少幅が大きくなっているということはございます。  3番目ですが、医科の診療所の1施設当たり医療費の伸び、有床と無床で見ていただき ますと、18年度で有床診療所は1億4,749万円、無床診療所が8,298万円とな っておりまして、規模の面ではやはり有床診療所のほうが大きいという形でございます。 肝心の伸び率でございますが、平成19年4〜8月で、有床診療所は5.4%の伸び、無 床診療所は1.3%の伸びということで、有床のほうが伸びが高くなっています。  次に、総−4−2の資料に移りたいと思いますが、表頭で、平成15年度から19年4 〜8月まで並べてありまして、先ほど申しましたが、医科計、入院、入院外、歯科、調剤、 計と、1日当医療費、受診延日数、医療費について、それぞれ伸び率の推移を追ってござ います。  これも先ほどのまとめのポイントで説明させていただいたような形で見ていただきたい と思いますが、平成17年度の欄と平成19年4〜8月の欄のところで、医療費を中心に 見ていただければと思います。  医科計で申しますと、平成17年度が、医療費2.3%の伸びですが、19年4〜8月 でやはり2.2%。全体もそうですが、医科計でも同じような状況に戻っている。18年 度もマイナスが立っていますが、17年と同じような状況に戻ったということでございま す。入院の医療費につきましても、17年度、2.2%、それがちょっと増えていますが、 19年4〜8月で2.5%ということで、ほぼ同程度の伸びでございます。入院外で見ま すと、2.5%ですが、それが19年に入りまして2.0%、これはちょっと減っており ますが、同じぐらいの伸びと考えています。  歯科ですが、1.1%から0.3%のマイナスということでございますので、歯科につ いてはマイナスになっているということで、上のところで見ていただきますと、歯科は患 者数が1.9%マイナスになっています。その影響で医療費自体も若干減が立っていると いう状況でございます。  調剤ですが、17年度、8.7%、19年に入りまして9.0%ということで、ほぼ同 程度の伸びという形の変化でございます。  2ページ目が病院の種類別、大学病院とか公的病院とか民間病院別に、同じ表、1日当 医療費、受診延日数、医療費について、それぞれ伸び率を同じように出してございます。  医科計で見ていただきますと、一番上の3番目ですが、平成17年度の医療費の伸び、 2.2%、横に行っていただきまして19年4〜8月で2.3%ということで、これもほ ぼ17年と同程度の伸びという形でございます。大学病院につきましては、17年が2. 9%、19年4〜8月が4.9%ということで、かなり伸びが高まっている。公的病院に つきましては、1.1%から、19年が1.7%ということで、ここも若干高まっており ますが、民間病院は3.0%が2.3%、これは若干低くなっているということでござい ます。ただ、総体としてはほぼ17年と同程度の伸びという形になったのかなと思ってご ざいます。  それから3ページに行っていただきます。医科診療所の外来でございますが、17年度 の医療費の欄をごらんいただきますと、2.7%ですが、19年4〜8月で2.2%とい うことで、若干減っていますが、ほぼ同じような伸びになっているということでございま す。  診療科別は、時間の関係もありますので飛ばしていただいて、次のページからが病院の 規模別でございます。4ページですが、先ほどまとめのポイントでも出てまいりました特 徴的なところを申し上げますと、上から3番目の「20床以上50床未満」の欄を見てい ただきますと、医療費が、19年4〜8月ですが、マイナス1.2%となってございます。 その下の「50床以上100床未満」は1.3%の伸び、「100床以上200床未満」 が2.7%の伸びということで、ほかのランクで見ますと、ここだけがマイナスになって いるということがちょっと特徴的でございます。  その原因でございますが、ちょっと飛ばしていただきまして、10ページまで行ってい ただけますか。10ページが規模別の施設数の伸びを計上してございます。これも上から 3番目の欄で「20床以上50床未満」の施設数の伸びを見ていただきますと、15年度、 マイナス1.4%ですが、右へずっと行っていただきますと、19年4〜8月で6.0% のマイナスということで、ほかに比べてもここがかなりマイナスが大きい。要するに、2 0〜50床未満の病院数がかなり減っているという状況でございます。その影響で、20 〜50床未満の医療費も伸び率が低いという形になってございます。  ですから、施設数の影響を除くという意味で、1施設当たりでごらんいただきたいと思 いますが、それが7ページでございます。「20床以上50床未満」で見ていただきます と、19年4〜8月で5.0%ということで、基本的にはほかのクラスも伸びておりまし て、規模別には、中規模が若干伸び率が低いですが、それほど違わないのかなというよう に認識してございます。  それから、資料、総−4−3でございます。有床診療所。ポイントのところに出してお ります数字が1枚目の表でございまして、18年度で見ていただきますと、有床診療所の 1施設当たりの医療費、1億4,749万円という数字でございます。無床診療所が8, 298万円ということになってございます。ただ、1点御注意申し上げたいのは、産婦人 科は正常分娩が入っていない関係でちょっと低めの数字になっているということだけ御注 意いただければと思います。  それから、有床診に関しては、伸び率は2ページ目ですが、特徴的なところをぜひ御注 意いただきたいと思いますのは、11ページまで行っていただけますでしょうか。医科診 療所の施設数でございます。有床診の診療所数、19年4〜8月でもって見ていただきま すと、1万2,176となってございます。診療科別に見ますと、これはかなり偏りがご ざいまして、1,000以上ありますのが内科と外科と整形と産婦人科と眼科、それ以外 は数がかなり少ないので、伸び率等を見るときにはちょっと御注意いただきたいという感 じでございます。  それから、最後のページを見ていただきますと、有床診療所の施設数の伸びでございま す。これは有床診療所のところは真っ黒になってございまして、要はかなり減っていると いう状況でございます。特に最近ですと、内科の有床診療所が10.7%の減というよう に2けたの減を記録しておりますし、数が減っているということで、先ほど申しました有 床診療所の伸びが高いということもこういったことの影響も若干あるのかなというふうに は思っています。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。  よろしいですか。  それでは、次の議題に移らせていただきます。「薬価調査及び特定保険医療材料価格調 査について」を議題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(武田経済課長)  医政局経済課長でございます。  資料の中医協総−5を見ていただきたいと思いますが、平成19年度の薬価本調査及び 材料価格本調査につきまして、薬価につきましては9月取引分、材料に関しましては原則 5〜9月取引分につきまして、本年10月に実施をいたしまして、その速報値ということ で取りまとめたものでございます。  注1)にございますように、薬価本調査につきましては、11月9日までに報告があっ たものの集計結果となってございます。  注2)にありますように、平均乖離率というふうに出しておりますが、これは薬価に基 づく数量を掛けた総和と、それから、実販売単価と販売数量の総和の差をまとめて現行薬 価掛ける販売数量の総和で割り戻したものでございます。  薬価につきましては、平均乖離率約6.5%というような結果になってございます。  その内訳でございますが、下に「(1)投与形態別」に示しておりますけれども、内用 薬6.4%、注射薬7.4%、外用薬5.5%、歯科用薬剤6.6%、こういう結果でご ざいました。  なお、2ページ目に「(2)主要薬効群別」ということで、主な薬効群の数字をお示し しておりますけれども、これは内用薬、注射薬、それぞれ薬価ベースの金額の占有率の高 い薬効群につきまして乖離率を示したものでございます。内用薬でいいますと、一番大き な金額シェアを占める血圧降下剤が5.7%、以下、数字はごらんになっていただいたと おりでございます。  次に、材料の価格調査につきましては3ページをごらんいただきたいと思いますが、こ れにつきましては、販売サイドから11月14日までに報告があったものの集計を行った ものでございます。  平均乖離率の計算は先ほどと同様でございまして、調整幅を乗せる前のそのままの数字 になってございます。平均乖離率につきましては約8.9%というような結果になってご ざいます。  私からは、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見ございますでしょうか。 ○対馬委員  おおむね前々回、平成16年の数字と似ているような感じですけれども、一定幅等々を 除くと大体医療費ベースはどのぐらいになるのかというのはお答えいただけるのでしょう か。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。  平均乖離率6.5%ということでございますが、基本的な薬価改定のルールで、調整幅 は2%ございますので、単純にいきますと4.5%という改定率になります。これから、 前まで薬価専門部会で議論しております市場拡大再算定ですとか、最低薬価ですとか、そ れから不採算とか、いろいろそういうものを全部計算をしていきますので、最終的にそれ がどれぐらい動くかはこれから計算するところでございますが、ですから、薬価ベースの 4.5%というのが全体の医療費はどうかということですが、大体医療費1%行くかどう か、こういう感じかと思います。非常に大ざっぱな言い方で恐縮でございます。 ○土田会長  よろしいでしょうか。ほかに御質問、御意見。 ○対馬委員  材料のほうは。 ○土田会長  材料のほうはいかがですか。 ○事務局(宇都宮企画官)  材料につきましては、一定幅が基本的には4%でございますが、ダイアライザーが1 1%、フィルムが5%というように、それぞれパーセントが違っておりまして、また、計 算もちょっと複雑なので、こちらにつきましてはまだ出ておりません。すみません。 ○土田会長  よろしいですか。ほかにございますか。  ないようでしたら、次の議題に移りたいと思います。「平成20年度診療報酬改定につ いて」を議題としたいと思います。  本件につきましては、10月26日の調査実施小委員会、10月30日、11月14日、 それから21日の総会において審議が行われました。その経過を踏まえまして、私を中心 として公益委員の方、それから事務局の協力を得ながら、厚生労働大臣に対して進言する 意見の素案を作成いたしました。  最初に、その内容について事務局より説明をお願いいたします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  保険医療企画調査室長でございます。私のほうから資料の御紹介、御説明を申し上げま す。  お手元資料、中医協総−6−1が今会長から御紹介のありました素案でございます。先 に御紹介します。続きまして、資料総−6−2がせんだって公表しております医療経済実 態調査の速報をつけてございます。  また、資料総−6−3ですが、「平成18年度診療報酬改定以降の賃金・物価の動向」、 これは先週の総会で一たんお示しをいたしました。ただ、その後、物価の欄でございます けれども、平成19年度の欄をごらんください。「(注2)0.5%」とございます。 (注2)をごらんいただきますと、政府経済見通し、今年の1月の見込みの数値、0. 5%という数字を紹介しております。2年前のときも同様に政府経済見通しで数字を出し ておりましたので、先週お示ししましたのは、同じ条件の数字を出しておりました。その 後、実際の物価、今年はそんなに上がっていないというような御意見も承りましたので、 その下、(注3)をつけておりますが、マイナス0.1%、これは(注3)をごらんくだ さい。19年度4〜9月の実績値で出したもの、これを併記をさせていただいております。  それから、中医協総−6−4が、これも先週提出をいただきました1号側、2号側それ ぞれの御意見、これを資料としてつけさせていただいております。  戻っていただきまして、中医協総−6−1、素案でございます。前段のところは、先ほ ど会長から御紹介ありました経緯、10月26日の調査小委に始まり、総会を含めて5回 にわたり御議論をいただいてきたということです。  その下、「1.医療経済実態調査の結果について」、資料総−6−2でつけております が、御参考ください。  また、「2.平成18年度診療報酬改定以降の賃金・物価の動向について」は、先ほど の総−6−3の資料に書いてございますが、この2年間の賃金・物価の動向の数字を引い てございます。  その下、「3.薬価調査及び材料価格調査の結果について」、これは、ただいま医政局 より御説明がありました薬価・材料価格の平均乖離率の数字を記載してございます。  1枚めくっていただいて2ページです。こちらは読ませていただきます。2段書きにな っております。1段目が意見の一致が見られたのではないかという趣旨でございます。読 みます。 4.平成20年度診療報酬改定について ○ 我が国が厳しい財政状況にある中で、国民が安心できる生活環境を整えるために は、質の高い医療を効率的に提供する医療提供体制の構築と将来にわたる国民皆保 険制度の堅持が不可欠であること、現下の勤務医の過酷な業務実態、産科・小児科 や救急医療の実情等に照らして、次期診療報酬改定においては勤務医対策を重点課 題として診療報酬の評価を行うべきであり、また、本体部分については更なるマイ ナス改定を行う状況にはないこと、一方、後発医薬品の使用促進を着実に推進する こと、という基本的認識については、意見の一致を見た。 ○ しかし、このような基本認識の下で、どのように平成20年度診療報酬改定に臨 むべきであるか、については、次のような意見の食い違いがあった。すなわち、上 述の課題について、支払側は、医療における資源配分の歪みやムダの是正による範 囲内で行うべきとの意見であったのに対して、診療側は、診療報酬の大幅な引上げ の実現を行うべきとの意見であった。  以上です。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいま素案をお示ししましたが、これにつきまして御意見を承りたいと思います。 ○対馬委員   丸の1番目と2番目にまとめていただいているのですが、特に丸の1番目は、もうちょ っと正確に書いていただければ大変ありがたいと思うのですけれども、4行目のところで す。「現下の勤務医の過酷な業務実態、産科・小児科」となっているのですけれども、こ れは主として我々が議論して恐らく合意に至ったのは勤務医のほうだと思うのです。です から、「現下の勤務医の過酷な業務実態、とりわけ産科・小児科など」としていただきた い。「など」と言っているのは、外科の問題もあるし、また救急の問題もあるということ ですから、「勤務医の過酷な業務実態、とりわけ」としておいて、「小児科など」と言っ ていただければよりここでの議論が正確にあらわれるのではないかなと思うのです。 ○土田会長   そうすると、ここは救急医療はどう扱いましょうか。 ○対馬委員   「など」ということです。 ○土田会長  「など」をつけ加えるということですね。  ほかに御意見。 ○竹嶋委員   今の御意見は「救急医療」は除くということですか。それは残すのですね。 ○対馬委員   そうではなくて、失礼、「産科・小児科や救急医療など」です。すみません。 ○勝村委員   今の点、ほぼ同じ意見なのですけれども、より一番問題になっていると思うのはやはり 救急で、特に救急車の行き先がないということで、大きく社会問題化しているのは産科と か小児科ではないかと思いますので、「現下の勤務医の過酷な業務実態、とりわけ産科・ 小児科をはじめとする救急医療」でもいいのではないかと思います。  だから、産科・小児科を全部均等に一律にということをしていくと、いつまでたっても 産科・小児科の救急についてまできちんと責任をとろうとしている勤務医の人たちが報わ れないと思いますので、意見の一致を見ているというか、社会的にコンセンサスが得られ ていると僕は感じているのは、救急医療、とりわけ24時間の診療が多く求められている 産科や小児科の救急医療、そして、それをはじめとする勤務医の人たちということをきち んと整理しないと、勤務医も大変だ、産科も大変だ、勤務医の人も開業医の人も、産科・ 小児科は全部一律に同じ状況なのだというふうな判断をすると、産科・小児科の医療体制 はよくならないと僕は思っていますので、その辺をお願いしたいと思います。 ○土田会長   対馬委員と意見がちょっと違いますが、対馬委員がおっしゃったのは、「勤務医の過酷 な業務実態、とりわけ」ということで、そこで一応勤務医の範囲だというくくりがありま して、それで、「産科・小児科」というのは、もちろん救急も含みますが、それだけでは ない。「産科・小児科及び救急医療」と3つを並列して述べていると理解できますので、 そういうことですよね。 ○松浦委員   今勝村委員がおっしゃったのは、勤務医に重点的に配分するのであって、診療科目でど んと上げてしまったら、開業医にも配分するようになる。だから、そこは気をつけてくれ という意味にとったのですが、そうでしょう。 ○土田会長  そこのところは、今対馬委員の意見で縛りがかかったというふうに了解を得 ております。  ほかにございますでしょうか。  よろしいですか。ほかに御意見がないようでしたら、中医協として、厚生労働大臣への 意見としてもう少し取りまとめを行いたいと思います。つまり、一致点と相違点を書いた わけですが、それを踏まえて、もう一文つけたいということでございます。 ○勝村委員   今の表現について確認をお願いします。 ○土田会長   今の表現は、対馬委員の修正で一応落ち着いたと理解しております。そこはよろしいで すね。  そういうことですので、ちょっと休憩をいただきまして、ちょうど12時で非常に恐縮 なのですが、休憩をいただきまして…… ○山本委員  1点よろしいですか。この丸の2番目のほうなのですが、一番最後の部分の「診療側は、 診療報酬の大幅な引上げの」という記載があるのですけれども、会長は以前におっしゃら れたのは、国民、患者の視点を忘れるなということの御指摘がありました。私どもも診療 側の意見としては、ここは、例えば国民へ適切な医療提供体制が確保できるという論点が ありますので、ただひたすらに金を上げてくれということにとられないような工夫をここ にしていただければと思います。 ○竹嶋委員  今の意見と同じようなことかもしれませんが、具体的に述べなければここで決まらない と思うのですが、最後の丸のところの今言われた「診療側は、」という後です。「地域医 療を守るために」というふうなことを1つ入れていただいたらいいと思うのです。ただい きなりポーンと「診療報酬の大幅な引上げ」と、国民の皆さんが見て、これはまた誤解を 招くと思うので、「地域医療を守るために」ということであろうと思います。私はそれを 想定して言っています。  それからもう1つ申し上げたいのは、中医協という公的な場での御論議をいただいた後、 最後のところで「資源配分の歪みやムダの是正による範囲内で行うべきとの意見であっ た」、これは確かにそのとおりです。肯定しますが、その後に、「公益委員や支払側の一 部には引上げに理解する意見もあった」という併記をしてほしい。これは極めて重大なこ となので。 ○土田会長  ここはあくまでも当事者が1号側と2号側というふうに理解しておりまして、3号側の 意見は、調整を行うという役割だとわきまえておりますので、そこはこれから休憩をいた だいた段階で、1号側、2号側と意見の調整を図りたいと考えております。よろしいでし ょうか。 ○邉見委員  先ほど竹嶋委員のおっしゃったことは大事なので、医療崩壊とまで言いますと、1号側 はまた言い過ぎだと言われるかもわかりませんので、ここにはぜひ「地域医療を守る」と か、「国民の医療を守る」とかいうことを一言入れていただきたいと思います。 ○松浦委員  私が実調の方向性を決めるときに、国税庁、税務署の所得をもとにやれば非常によくわ かるのではないか、こういう意見を申し上げました。それに近いのが、最近共同通信が、 同志社大学の橘木先生が調査された結果を「富裕層」というのに出しているのです。これ は、2001年のデータで申し訳ないのですが、そのジニ係数をグラフであらわしていら っしゃいますので、格差が拡大していることは間違いないのです。  その中で、こういう記事があるのです。「日本のお金持ちの職業は、自分で事業を起こ して成功した企業家が32%と最多。次いで医者の15%であることが分かった。地域的 には東京が圧倒的に多い。それに若干名古屋や大阪、福岡など他の大都市圏が加わる。東 京以外の地方では医者の割合が高く(23%)、中には高額納税者の8割も占める地域も あった。」と、こう書いてあるのです。  これは、一つの調査であって、うそではないと思うのです。調査の仕方はどうかわかり ません。ただ、国税庁が高額納税者に全部アンケートを送ったように書いてありますから、 そういう面では一面の在り方をかなり正確にあらわしているのだろうと思いますから、そ ういうことも考えてみますと、こういう記事が最近とにかく出ている。企業家、医師が圧 倒的、ジニ係数、格差是正と、この所得格差のグラフに出ている。  こういう社会の状況をよく頭に置いてやらないと、「更なるマイナス改定を行う状況に はないこと」という表現になっていますけれども、片一方が大幅な引上げの実現でわっと 数値が出ている。5.幾らでしたか。片一方は引上げる状況にない、こういう表現。それ だから上に上げなければならぬのだというような考え方にくれぐれもならないように、ひ とつお願い申し上げたい。  以上です。 ○中川委員  4の最初の丸ですが、2行目のところ、「質の高い医療を効率的に提供する医療提供体 制の構築と」とあります。効率的という言葉ですが、効率をあまりに追求したために勤務 医の過酷な勤務実態というものは、ある意味これは否定できないと思うのです。かつ、こ れは医療費の抑制的なニュアンスも伝わりますし、ここは「効率的に」を削除して、「質 の高い医療を提供する医療提供体制の構築と」という表現に変えたほうがわかりやすいの ではないかと私は思います。 ○対馬委員  それは、これまで何度も議論して、我々支払側のほうは、「効率的に」を必ず入れてく れということで主張し、これまでも結果的にこういった形で整理がされているということ ですので、そこはこの原案どおりでよろしかろうと思います。 ○勝村委員  1つ目の丸の最初の4行目のところ、対馬委員のおっしゃったことをもう一回文章に書 いて読んでみたら、全く僕と同じ趣旨でした。すみませんでした。  この間ずっと言ってきたことと同じだと思うのですけれども、この中医協というところ は何をすべきかというと、最も大切なことは格差を是正すべきだと僕は思うのです。つま り、中医協は単価を決めているところなのですから、それに対して、そこから一番離れて いる仕事は何かといったら、全体をどうするか、一律に上げるのか下げるのかという議論 がそれの対極にあるので、昔を知りませんけれども、昔は中医協は恐らくそっちのほうの ことばかりやっていたから、中医協は単価の議論を十分にすることがなかった、だから、 結局だれも単価の価値観をどうするかということをやることがなかったからいつのもにか 格差が大きくなってきていても是正することができなかったのではないかと僕は思ってい るわけです。  中医協は、今その格差をどうしていくのかということを議論するからこそ中医協の存在 の意味があるのであって、1つ目の丸は、まだ格差を是正しようという節があって、文章 としてこういう一致を見たというのはわかるのですけれども、2つ目の丸のように、一律 にどうなのかみたいな議論をまだ中医協がしているのかと思われること自体が僕はちょっ と不本意で、一律にどうするかどうしないかというのは、本当にそれぞれ個々に、経済実 態調査であれ、また、いろいろな医療の実態の情勢を見て、それぞれの中で議論してきて いるわけですから、その結果の積み上げとして増えてしまった、下がってしまった、でき るだけ財源として増やしてほしい、そういうふうに必要なところが多いから増やしてほし いとか、そういうふうな議論だったらわかるのですけれども、中身の議論は置いておいて、 とりあえず一律にどうなのかという議論になるのは納得がいかないです。だから、このよ うな議論をすべて否定するわけではないですけれども、あまりそういうやりとりの総枠の 議論もあってもいいとは思いますけれども、やはりこの場では、できるだけ一律にの議論 ではなく個々の中身の議論を中心にしてほしい、と思います。  例えば歯科と薬局と医科というのは分かれて要望を出されていましたけれども、そのレ ベルで考えるなら、医科の中身も、それぞれ病院はどうなのか、診療所はどうなのか、ま た病院や診療所それぞれの中でも何科はどうなのかという要望がそれぞれ別々に出てきて 議論してしかるべきなので、医科として一律に何%とか、そういう議論自体が、僕はどこ かで言いたいと思っていたのですけれども、何かあまり説得力がないと思っています。 ○土田会長  ただいまの勝村委員の話は全く同感できるのですが、ただ、ここで議論しようとするの は、改定率を内閣が決めることに対して中医協がどう具申するか、意見をどうまとめるか ということです。それに対して、どこの格差をどの程度詰めるかどうかというのは、この 後の点数の配分の問題ですので、そこは内閣で決める問題ではないということです。 ○勝村委員  議論の進め方ではなくて、2号側の人がおっしゃる意見に対しての反論なのですけれど も……。 ○土田会長  それは、前回勝村委員が発言されて、中川委員のほうで、そこはもちろんバランスをと りながらやるという答えは出ていますから。 ○勝村委員  だから、2号側としては、何科が何%必要で、何が何%必要なのだと。例えば歯科はこ うで、薬剤はこうだと言っているわけですから、医科の中もそういうことを言っていただ くということで僕は初めて議論ができると思うということを言いたいのです。 ○土田会長  そこではあえて言います。そこのパーセントを幾ら上げるか、幾ら下げるかというとこ ろは、ここでは話がまとまらないので、したがって、全体としてこういうトーンでまとめ ているということです。そこは、もし1号側、2号側から意見があれば、休憩時間にもう 一度詰めますけれども、パーセントをめぐる議論ではないということは御理解いただきた いと思います。 ○渡辺委員  4の最初の丸の頭に、実は、今度の20年度改定の基本方針を社保審の医療部会・医療 保険部会等でやっていますよね。そこの一番初めの1行目に、国民にとって健康・長寿が 一番大切なことであるという記載があります。この理念をやはりこの頭にぜひ入れていた だきたいと思います。 ○土田会長  「国民が安心できる」という前に、「健康で安心できる」とかいう文言ですか。 ○渡辺委員  「健康・長寿が国民にとって一番大事なことである」と。 ○土田会長  ちょっと検討させてもらいましょう。 ○中川委員  確認ですが、今日出された資料、総−6−2、総−6−3、総−6−4はどういう扱い になりますか。 ○土田会長  これは、ただいま事務局から説明がありましたように、最初の「記」の1、2、3で使 用したということでございます。 ○中川委員  セットにするというわけではないですか。 ○土田会長  いや、意見はこれだけです。よろしいでしょうか。  それでは、ちょっと休憩をいただきまして、もう少し詰めたいと思います。休憩に入り ます。  もう一言、休憩の前にお伝えしておきますが、休憩の時間に、1号側、2号側をお呼び して、そこでもう少しすり合わせをしたいと思いますので、そういう態勢でお待ちいただ きたいということを申し添えます。  休憩に入ります。                 午後0時12分休憩               −−−−− − −−−−−                 午後1時31分再開 ○土田会長  今資料のプリントをしておりますが、その時間をおかりして、対馬委員のほうから資料 の説明がありますので、この時間に充てたいと思います。 ○対馬委員  時間が押している中で申し訳ないのですけれども、「医療に関する国民意識調査」とい う資料が配付されていると思います。健保連が実施した調査で、かなり興味深い中身もあ りますので、どういった資料かということをもちろん簡潔に説明させていただきたいと思 います。  調査対象人員は、2,000人の中で回収が1,263人、63%強であります。  最初の2枚は全体感ですけれども、ここは割愛させていただいて、先程興味深いと申し 上げましたけれども、例えばということで、8ページ、特に後期高齢者の場合に、アクセ スとの絡みでどうしたらいいかという議論があるわけですけれども、Aが「病気の症状の 程度に関わらず、病院と診療所の区別なく自分の選んだ医療機関を受診する」、Bのほう は多少アクセスを意識しながら、「最初に決まった医師を受診し、その医師の判断で、必 要に応じて」ということですけれども、どちらかというとB、つまり、最初に決まった総 合的に診る医師的なイメージでしょうか、そういった方々にかかりたいというのが、点線 で囲ってあるところを足していただきますと、合わせて53.1%です。そうではなくて、 自分で適宜判断してやれるのだというのが33%、こういったことになっています。  項中真ん中に、それでは厳格にやっていくのかということで丸印がついていますけれど も、医師を事前に選んで登録をすると、いわゆる登録制、そして、最初に必ずその医師を 受診するという厳格な方法をとることについてはどうかといいますと、「非常に不安を感 じる・やや不安を感ずる」というのが79.3%ということですから、やはり一気にそこ まで行くのは難しいのかなという状況であります。  若い人と高齢者、多少差があるかというのがその右側、9ページにございます。ごらん になっていただきますと、Bの意見というのは、多少アクセス制限といいますか、総合的 に診る医師を重視していくのだというのが、高齢者になればなるほど増える傾向にあるよ うなので、後期高齢者あたりはやはりそういった方向かなと思います。  最後に1点、15ページです。今日の先ほどの議論にも関係しますけれども、我が国の 医療費が高いかどうかということですが、高い、やや高い、これが71.9%、非常に高 い水準です。  高いということが、何が高いのかということですけれども、グラフにありますけれども、 窓口負担、保険料、それから医療費そのものということで、いずれも5割ないし6割とい う状況になってございます。それ以外にもいろいろございますけれども、内容は割愛させ ていただきます。  ありがとうございました。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  資料はできましたでしょうか。よろしいですか。  それでは、配付する前に、配付していただきますと言いますので、ちょっとお待ちくだ さい。  約1時間休憩をいただきまして、その間、公益が中心になりまして、1号側委員及び2 号側委員と調整をいたしました。最初に皆様にお配りした裏のページでございますが、丸 の2つついている4番でございます。そこで幾つか訂正がございましたので、それを最初 にお伝えいたします。  1つは、丸の1番目ですが、1行目、「我が国が」から始まりますけれども、「国民が 安心できる生活環境を整えるためには、地域医療の確保を含め質の高い医療を効率的に提 供する」という文言に変わります。  2つ目は、これは先ほど対馬委員から出た意見でございますが、「現下の勤務医の過酷 な業務実態、とりわけ産科・小児科や救急医療等の」云々と文言が変わりました。  3つ目は、これは2号側委員から出た意見でございますが、丸の2つ目でございますけ れども、「診療側は、地域医療を守るために診療報酬の大幅な引上げの実現を行う」とい う文言に変わりました。  今お配りしてもらいますが、公益委員としてそういう意見を踏まえて、最後に大臣に意 見を申し上げる最後の丸の文言を提示いたしまして、いろいろ調整して、1号側、2号側 から合意をいただきました。  全体の大臣に申し上げる意見について、朗読をしていただきます。                  〔資料配付〕 ○事務局(三浦補佐)  それでは、失礼いたします。           平成20年度診療報酬改定について(案)                             平成19年11月28日                             中央社会保険医療協議会  本協議会は、平成19年10月26日の調査実施小委員会並びに同月31日、11月 14日、21日及び28日の総会の計5回にわたり、医療経済実態調査の結果、平成1 8年度診療報酬改定以降の賃金・物価の動向、薬価調査及び材料価格調査の結果等を踏 まえつつ、平成20年度診療報酬改定について審議を行ってきたところであるが、その 結果を下記の通り整理したので、報告する。                    記 1 医療経済実態調査の結果について ○ 本協議会は、医業経営の実態等を明らかにし、診療報酬に関する基礎資料を整備 することを目的として、第16回医療経済実態調査を実施し、その結果等について 検討した。 2 平成18年度診療報酬改定以降の賃金・物価の動向について ○ 平成18年度診療報酬改定以降の平成18年度から平成19年度までの2年間に おける賃金・物価の動向を見ると、人事院勧告による賃金の動向は+0.7%、消 費者物価指数による物価の動向は、本年度分について、政府経済見通し(平成19 年1月25日閣議決定)を用いた場合+0.7%、本年9月までの消費者物価指数 の実績を用いた場合+0.1%であった。 3 薬価調査及び材料価格調査の結果について ○ 薬価調査の速報値として、薬価の平均乖離率は約6.5%であったことが、また 、 材料価格調査の速報値として、特定保険医療材料価格の平均乖離率は約8.9% であったことが、それぞれ報告された。 4 平成20年度診療報酬改定について ○ 我が国が厳しい財政状況にある中で、国民が安心できる生活環境を整えるために は、地域医療の確保を含め質の高い医療を効率的に提供する医療提供体制の構築と 将来にわたる国民皆保険制度の堅持が不可欠であること、現下の勤務医の過酷な業 務実態、とりわけ産科・小児科や救急医療等の実情等に照らして、次期診療報酬改 定においては勤務医対策を重点課題として診療報酬の評価を行うべきであり、また、 本体部分については更なるマイナス改定を行う状況にはないこと、一方、後発医薬 品の使用促進を着実に推進すること、という基本的認識については、意見の一致を 見た。 ○ しかし、このような基本認識の下で、どのように平成20年度診療報酬改定に臨 むべきであるか、については、次のような意見の食い違いがあった。すなわち、上 述の課題について、支払側は、医療における資源配分の歪みやムダの是正による範 囲内で行うべきとの意見であったのに対して、診療側は、地域医療を守るために診 療報酬の大幅な引上げの実現を行うべきとの意見であった。 ○ 本協議会としては、厚生労働省が、平成20年度予算編成に当たって、財源の確 保に努めつつ、平成20年度診療報酬改定に係る改定率の設定について、本意見の 趣旨を十分に踏まえて対応することを求めるものである。あわせて、本意見の趣旨 に照らして、診療報酬のみならず、幅広い医療施策を講ずることを望むものである。  以上です。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいま朗読いたしました意見書につきまして、1号側及び2号側、御意見ございます でしょうか。  よろしいですか。どうもありがとうございます。  それでは、御同意いただきましたので、この意見書をもって中医協から厚生労働大臣へ の意見として進言したいと思います。よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございます。  それでは、保険局長に意見書をお渡ししたいと思いますが、マスコミの方のカメラ撮り を認めたいと思いますので、撮影を希望される方は、どうぞ御自由に撮影してください。             〔会長から保険局長へ答申書手交〕 ○土田会長  一言事務局のほうにお願いしておきますが、この意見を踏まえて、これ以降の診療報酬 改定の審議を進めていただきたいと存じます。  それでは、本日の総会はこれにて閉会いたします。  次回の日程だけ教えてください。 ○事務局(原医療課長)  未定でございます。 ○松浦委員  12月はどうなるのですか。それもわからぬですか。12月の第1週、ありそうかどう か。 ○事務局(原医療課長)  定例的にお願いする事項がありますので、多分2回ぐらい開かないといけないのですが、 予定はまだ決まっていない。決まり次第、また御連絡…… ○松浦委員  第1週で2回ですか。 ○事務局(原医療課長)  いや、12月中に。今のは総会の話です。基本問題小委は、まだ水、金と。 ○土田会長  大変長い時間かかりまして、どうも申し訳なく思っております。  では、閉会いたします。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)