07/11/28 平成19年度第7回雇用政策研究会議事録 平成19年度第7回雇用政策研究会                     日時 平成19年11月28日(水)                        10:30〜                     場所 厚生労働省職業安定局第1会議室 ○樋口座長 第7回雇用政策研究会を開会します。本日の研究会におきましては、前回、 報告書骨子案について意見をいただいた点を踏まえ、事務局のほうで雇用政策研究会報 告書(案)を用意するとともに、労働力人口の見通しなどの付属資料も用意しています。 まず事務局から報告書案の内容について、ご説明をお願いします。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 事務局から資料No.1及び2につきまして、説明させていただき ます。いま座長からご説明がありましたように、前回の研究会で骨子についていろいろ 先生方から意見をいただきました。その意見を踏まえつつ、省内各部局とも相談しなが ら、事前に今日の研究会の前に先生にも一当り意見を伺いながら盛り込んだ報告書です。  1頁目から説明したいと思います。研究会報告書の下に2行、サブタイトルということ で、ちょっと長いのですがペンディングにしています。「すべての人々が自らの能力を 発揮し、安心して働き、安定した生活ができる、公正で多様性に満ちた社会の実現」と しました。今回、3カ月ほど議論いただいた内容を、一応全部盛り込んだ形になってい ますのでやや長めですが、ここについても少し議論いただければと思っています。  「はじめに」のところですが、ここでは本格的な人口減少社会になったということを 書き、こういった人口減少がそのまま労働力人口の減少につながってしまうと、経済成 長という面、需給両面でいろいろな影響を与えることを書きつつ、「また」の段落では グローバル化、あるいは技術革新の進展に伴って、現状として低賃金労働者が増加して いるとか、不安定な就労形態の者が増加する一方、企業内においても正社員のほうにお いては逆に長時間労働という、現状の問題点を書いています。こうした結果、働くこと の充実感がなかなか得にくくなって、メリハリの効いた働き方ができないことにより、 生産性が低下する恐れがあると書いています。  こうした課題を克服して、今後の経済社会の持続的な発展を可能とするためには、こ こに書いていますように、「働く意欲と能力を持つすべての人々が、生涯を通じ、その 能力を蓄積しつつ、十分発揮し、仕事や地域への社会参加を行うことにより充実感を得 ることができ、人生の各段階に応じて仕事と生活の調和が図られ、かつ公正で多様性に 満ちた豊かな社会を実現することが重要となってくる」と考えています。  こうした考え方のもと、当研究会においては、2030年までの日本の経済社会の姿を展 望した上で、政策の方向性としては当面5年程度について、重点的に取り組むべき雇用・ 労働政策の方向性の取りまとめを行ったということ。  本報告書の趣旨に基づいて、今後、的確な雇用・労働政策が展開されることを期待す るという書き出しにしています。  2頁は前回の骨子のときも議論いただいた部分です。第1章の労働市場を取り巻く変化 と課題、1.日本経済の変化と雇用失業情勢の概観の部分は前回から変更ありません。 2.労働市場を取り巻く変化の(1)労働市場を取り巻く変化として(1)企業側の変化と(2)労 働者側の変化に分けていて、見やすいように今回は小見出しを付けています。(グロー バル化等の影響)の変更部分は、いちばん最後の部分の「こうした」以降ですが、前回、 企業再編に伴う影響みたいな議論が出ましたので、そこの部分について下記の注にある 論文を参考に、「企業合併・買収が経営者と労働者の間で培われてきた信頼関係に悪影 響を及ぼしやすいとの指摘がある」というのを付け加えています。次が(技術革新、知 識経済化の進展)で、この部分については特に変更はありません。  3頁で(産業構造の変化)の部分も特に変更はありません。4つ目の(人材マネジメン トの変化)は、いろいろな先生から意見をいただいて加筆しています。「人件費の変動 費化や将来の不確実性の対応のための外部人材を活用することで正社員の割合が低下し ている」。正社員については絞込みの話と、賃金制度の見直しに触れつつ、「こうした 中で、正社員については長期雇用を基本的な雇用方針とする企業が依然として多数であ る一方で、正社員以外の者の積極的な活用を図ろうとする企業もみられる」というとこ ろを足しています。  (2)は労働者側の変化で、(長寿化の進展)では平成寿命、健康寿命について書いてい ます。(正社員以外の働き方の増加)は前回、課題のところで書いてあったものを前の ほうに場所を移しています。働き方の増加としてパート、派遣、契約社員等といった多 様な就業形態が増加し、足元では雇用者全体の約3割を占めるとともに、ここに書いて あるようにいわゆる不本意就労と言いますか、本当は正社員として働きたかった人が、 これらの者のうち約2割強存在していると書いています。  4頁で高齢者の関係の(職業生涯の長期化)を付け加えています。(キャリア意識の 変化)、(入社の動機、生活観の変化)、(世帯構造の変化)等について書いています。  こうした企業側、労働者側双方の変化を通じて、(2)労働市場を取り巻く変化により 生じた課題として、(ニート・フリーター等と所得格差拡大懸念)については、フリー ター全体としては改善が続いているものの、年長フリーターではまだまだ改善の動きが 鈍いという話と、5頁の上から4行目、「さらに、恒常的に1日単位の雇用契約で働く日 雇派遣労働者については、雇用の不安定さや職業能力の蓄積不足といった点が懸念され る」。「恒常的に」というのは、いわゆる学生のアルバイトを除いたという意味で書い ています。  (女性、高齢者に対する就業環境の整備)は、均等法の施行から20年を超えて女性の 社会進出がだいぶ進んできているものの、まだまだ実質的な機会均等が確保されたとは 言い難い状況がみられるという話と、育児と介護の両立の関係で就業継続を希望しなが ら、離職を余儀なくされて、いったん離職すると、なかなか次の正社員としての再就職 が難しいと書いています。後段の高齢者の部分については、高齢者は相対的に他の年齢 層と比べると求人倍率が低いなど、雇用機会が十分でない上、転職、再就職が難しい状 況にあるということで、こうした高齢者の高い就労意欲を活かし、職業生涯の長期化に 対応した労働環境の整備が急務となっているということです。  (新たな働き方の出現に伴う課題)として、先ほどの若年のところでも若干出てきま したが、いわゆる派遣労働者等の外部人材の活用というところに触れ、「こうした外部 人材の中には、日雇派遣労働者などのうち、特に雇用が不安定な者もおり、また教育訓 練機会の差から職業キャリア形成にも差が生じるなどのの懸念が指摘されている」と書 いています。  6頁の(正社員の絞込みとその影響)は、前回とあまり変更はありません。(学校教 育や能力開発に対する産業界のニーズとのミスマッチ)は、前回議論があったところを 少し書いています。「学校教育は教養教育など様々な目的を有しているものの、産業界 からは、学校教育が産業界のニーズに合致していないとの指摘がある。また、在学中の キャリア教育が十分でなく、職業能力が形成されていない者や適職選択が行えない者、 また職業意識が十分に醸成されていない者が存在している。さらに、就職してからの自 己啓発について時間的余裕がない者が多い」というのを足しています。(雇用失業情勢 の地域差)は前回とほぼ同様です。第1章はこういうふうに足元の状況を書きました。  7頁で第2章、あるべき雇用・労働社会の姿ですが、ここも前回、だいぶ議論いただき ました。大きくは柱を3つ立ててあったわけですが、前回の議論としては、この中でい わゆるメリハリの効いた働き方というか自律性という意見が出ましたので、(2)に柱 を立て、多様性と自律性の尊重と書きました。(2)の段落の真ん中ですが、「主体的 に多様な働き方を選択できるようにすることにより、自らの能力を十分発揮できるよう になる」と書いています。  その下の「こうした社会の実現により」の部分ですが、ここについてもややダイナミ ックな感覚が不足しているという意見が出ましたので、能力開発を中心に少し書き込ん でいます。「また、生涯を通じた長期的な職業キャリア形成を図ることができるインフ ラ整備や、キャリア形成支援がなされる結果、人々の能力の蓄積が進むとともに、その 能力が社会で正当に評価され、人々のモチベーションが高まることによって個々人の生 産性が向上することを通じ、経済成長の持続的な発展が可能となる」と書きました。  「なお」の段落のところで、セーフティネット的なところがやや薄いのではないかと の指摘がありましたので、そこも少し加筆しています。「なお、当然のことながら、あ るべき雇用・労働社会の実現に向けては、労働者の生活・雇用の安定及び就職の促進に 十分な役割を果たすことのできる、幅広い社会保障の仕組みによるセーフティネットの 確保をはじめとした各種の雇用・労働政策や社会保障政策の展開に加え」、と書いてい ます。  次の「また」の段落で、いわゆる労働力人口及び労働力率の見通しについて8頁に書 いています。後ほどグラフでも説明しますが、「2006年の労働力率のままで推移した場 合の労働力人口及び労働力率の2030年の見通しと比較すると、労働力人口は約600万人 上回り、労働力率は5.7ポイント上昇するなど、将来的な労働力人口の減少を一定程度 抑制することが見込まれている」と書いています。  9頁の2.あるべき雇用・労働社会の実現に向けた検討課題は、前々回、だいぶ議論が あったところです。前回まではポツの形で書いてありましたが、そこを何点かグルーピ ングして5点にまとめています。1点目は、いわゆる年中無休の24時間営業の部分につい て(消費者に対するサービスの在り方の見直し)としてまとめています。2点目は(ス テイクホールダー間の付加価値の配分や企業の社会的責任の在り方)として、いわゆる 分配率の話あるいは企業の社会的責任の在り方についての話を書いています。3点目は (必要な産業の在り方の検討、人材確保や育成の在り方)で、ものづくり分野、あるい は医療・福祉・介護分野における労働力の確保についても問題提起をしています。  10頁は新しく前回から項を立てたところで、いわゆる外国人労働者受入れ問題につい ても書いています。人手不足の話が前段にありましたので、「こうした議論と関連し、 特定分野における人手不足の声や将来の労働力減少の懸念を背景に、外国人労働者の受 入れ、特に現在受け入れていないいわゆる単純労働者の受入れの主張がなされている。 この問題については、ヨーロッパにおける受入れの歴史、特に定住化に伴う移民問題へ の発展の経緯も踏まえ、単に産業における労働力ニーズの問題として経済的見地のみか ら議論するのではなく、労働市場をはじめ、医療・社会保障、教育、地域社会への影響 や治安も含め、広範な国民生活全体に関わる問題として、国民的なコンセンサスを得つ つ、引き続き、幅広い見地から総合的に検討されるべきである。」と書いています。注 釈で研修・技能実習制度についての方向についても書いています。  (税・社会保証制度の在り方)として、いわゆる103万、130万の壁の話とか、雇い入 れに伴う雇入れコストの差について書いています。ここまでが第2章です。  11頁以降が第3章です。こうしたことを受けて今後5年程度、どういった雇用政策に取 り組むべきかという方向性の部分です。第3章の1.雇用政策の基本的な方向性の(1)は就 業率の向上、(2)はキャリア形成による生産性の向上、(3)はいわゆるワークライフバラン ス、仕事と生活の調和が可能な働き方の見直しで、ここについては前回より変更はあり ません。  12頁で2.今後重点的に展開していく具体的な施策の方向性は、「具体的な施策の方向 性について、次のとおり提言する」と書き、「なお」書きで政策評価についても必要だ ということを書き込んでいます。(1)の(就業率の向上)を具体的な施策で書き下した 部分で、前回議論いただいた際の資料ではポツでつないであったわけですが、それを文 章化しています。(1)の若者の部分の変更点としては4行目ですが、「ニートが円滑に就 労し、フリーターや35歳以上の者」というところを新たに足しています。ここはフリー ターが34歳までとなっていますが、それを超えた部分についてもきちっと対応していく 必要があると書いています。  「一方」の段落は、前回、いわゆる企業の使い捨てという言い方を書いていましたが、 そこを若干書き変えて、「人を大切にする視点を念頭に置き」というふうに修文すると ともに、「また」の段落は前回の最後のほうで、いわゆる就職協定的な議論も出ました ので、そこの部分について書き込んでいます。ここは欄外の注釈にありますように、現 在、経団連と大学側において倫理憲章というのを毎年作っているようですので、そうい ったものの文章も引きつつ、「大学生等の就職・採用活動及び内定者の入社前研修等に ついては、その早期化により大学等の教育機能低下を招くおそれが指摘されるが、そう したことのないよう、企業側と大学側の自主的な取組を尊重しつつ、正常な学校教育と 学習環境の確保が必要である」と書いています。ここまでが柱書きです。  「国が取り組むべき施策としては」からが具体的な施策で、フリーター常用雇用化プ ランの推進により、フリーターや派遣労働者等の正規雇用化の話や、13頁で前国会で改 正した改正雇用対策法に基づく指針に基づいた若者の応募機会の拡大の話、「また」の 段落で書いているジョブカードの話、全国に設置されているジョブカフェの話、あと先 ほど出た35歳以上の不安定就労者に対する、担当制による一貫した就職支援ということ を書いています。「加えて」のところで、いわゆる住居を失い、ネットカフェ等で寝泊 りする不安定就労者の方々についての対策を書き込んでいます。  「さらに」の段落は、いわゆる職業意識の形成という部分で、ここの部分については 文科省でやっている小学生段階からの児童生徒の発達段階に応じたキャリア教育とも十 分な連携を図った上で、ハローワークを中心にやっているジュニア・インターンシップ、 キャリア探索プログラムに取り組むという話、およびニートの方々に対する自立塾、サ ポートステーションについて書いています。  次の段落は労働関係に関する労働教育の部分で、「労働関係法制に関する知識を付与 する教育や情報提供の在り方について検討する」と書き込んでいます。前回、ここは議 論がありましたが、若者対策にあたっては特にいろいろな施策との連携を密にしながら、 包括的な支援が必要だということで、「これら」の部分で書いています。  14頁で女性の方々の就職支援の部分です。この部分については柱書きの部分はそれほ ど大きな変更点はありません。「国が取り組むべき施策」のところで、均等法の履行確 保の話、あるいは能力発揮の話とポジティブ・アクションを進めるという話を書いてい ます。「また」の段落では、育児・介護期にも離職せずに継続就業できるよう、短時間 勤務制度などの働き方を活用しながら、安心して働ける職場環境づくりを進めるという 話、あるいはファミリー・フレンドリー企業の一層の普及促進を図るという話を書いて います。「さらに」の段落では、マザーズハローワークにおける就職支援とか、ジョブ・ カード制度、あるいは女性の起業支援といったところを書いています。  15頁が高齢者の方々の部分です。(3)いくつになっても働ける社会の実現については、 柱書きのところは若干前回より書き込んでいます。高齢者の高い就業意欲あるいは長い 職業人生の中で蓄積された能力を持つ貴重な人材であると書いた上で、2012年には団塊 の世代の方々が65に到達する。こういった高齢者の方々の能力を活かすための取組を早 急に進めることが重要だと書いています。その次に若干、働くこと自身は本人にとって も生き甲斐・自己実現、健康増進につながるとともに、社会全体にとっても支えられる 側から支える側に回っていただくことにより、経済社会の活力維持につながるという話 と、現役世代の社会保障負担増の緩和にも資すると書いています。「また」の段落では、 現状、若年労働者を活用している企業においても、今後、若者が減っていく中では、高 齢者の方々の積極的な活用が重要であると書いています。  「国が取り組むべき施策」のところでは、第1段落目は、65歳までの高齢者の雇用確 保という部分を書いています。第2段落の「また」の部分は、65歳を超えた部分につい て「70まで働ける企業」の普及・促進を図るなど、60代半ば以降の職域拡大を図ってい くということです。「さらに」の段落では、いわゆる多様な就業ニーズに対応した形で のシルバー人材センターにおける就業確保の話とか、あるいはボランティア、NPO等、 地域密着型の活動の環境整備について書いています。最後の段落で、「これらの取組を 進めることによって、意欲と能力のある限り年齢にかかわりなく働き続けることができ る社会の実現を目指すとともに、こうした施策を進める中で、いくつになっても働ける 社会に応じた、必要な雇用のセーフティネットの適切な整備についての検討を行う」と 書いています。  (4)が障害者の方々をはじめ、さまざまな就職困難な方々に対する支援ということで、 16頁です。障害者の方々の部分については、「国が取り組むべき施策としては」のとこ ろで書いていますが、雇用率制度を中心とした障害者雇用の促進の話、2点目はさまざ まな就業形態を選べるような環境整備の話や、障害の特性に応じた支援の話を書いてい ます。「さらに」の段落では、労働行政だけでなく福祉・医療・教育機関との連携の話 について書いています。「また」の段落で、前回だいぶ議論がありましたが、いわゆる 生活保護受給世帯あるいは母子世帯に対する支援、福祉事務所等との連携による「就労 支援チーム」の体制強化、自立支援センターの拡充ということを書いています。  17頁に、これも前回議論があった、いわゆる福祉の世界のまだ手前のほうにいらっし ゃる方々についても、少し何か書き込んだほうがいいのではないかという話がありまし たので、17頁のいちばん上の段落で加筆しています。「児童養護施設等を退所し就業す る児童等に対しては、自立援助ホームで共同生活を送りながら生活支援を行う児童自立 生活援助事業の拡充、生活や就業に関する相談とともに施設退所者同士が意見交換等を 行う場を提供する拠点事業の実施により、自立・就業に向けた支援を推進する」と書い ています。  (5)の地域雇用創出のところですが、ここの部分で変わった点としては、コンパクトシ ティの部分について前回の骨子の段階では、今後の検討課題のところに入っていたわけ ですが、ここを地域対策と絡めて書いています。「さらに」の段落で地域活性化対策が 政府全体でだいぶん盛り上がってきていますので、その部分も加筆しています。  (6)が需給調整機能等の強化の部分です。柱書きのところで官民相まった需給調整の強 化が大事であることを書いた上で、18頁ですが、前回だいぶハローワークに対する応援 的なコメントがありましたので、ハローワークについてきちっと書き込んでいます。「 働くことを希望するすべての者に対し、働く機会を公平かつ公正に提供することが必要 であることから、国の責務として利用者の視点に立ったハローワークの効率的な運営や サービスの質の向上を図るなど、そのパフォーマンスのさらなる向上を図る」という話 と、「ナショナルミニマムとしての体制を整備する」という話を書いています。  その下の段落がいわゆる民間の部分ですが、「官民の求人情報等へのアクセスの円滑 化を図るなど情報提供体制を整備するとともに、官民相まった適正な需給調整機能の充 実等により、専門性の高い人材を中心とした外部労働市場の整備を図る」とし、「また」 の段落で、労働者派遣事業について若干加筆しています。労働者派遣事業については法 違反に対する監督指導の強化とか、日雇派遣などの問題点が指摘されていることを踏ま え、派遣労働者の雇用の安定と福祉の増進を図る観点から、派遣制度の見直しを検討と いうことを書いています。「なお」書きのところは、前回議論が出た、いわゆる企業再 編に伴うお話について、労働契約承継法あるいはハローワークが行っている離職時の支 援について書いています。「さらに」の段落は雇用保険制度のお話と、円卓会議で示さ れている最低賃金の中長期的な引き上げについても書き込んでいます。  19頁は2番目の柱の能力開発、生産性の向上、競争力の確保の部分です。この部分は 前回示した内容から、文章をつないで若干整理しています。(1)は職業キャリアを支援す るインフラの充実です。「国が取り組むべき施策としては」ということで、いろいろな 民間企業、中小企業団体等を活用した教育訓練機関の確保の話とか、企業のニーズの変 化を踏まえた訓練コースの設定、支援ということです。あとはポツをつないだ文章にし ています。(2)は職業生涯を通じたキャリア支援ということで、ここは若干個人に焦点を 当てた記述にしています。ここの部分も「国が取り組むべき施策」のところで、前回ポ ツで書いてあったところの中身を少し加筆しています。1点目は、「企業に依存した職 業キャリアや意識から、自律できる方向への支援」ということで、キャリア・コンサル ティングの機会の確保、訓練システムの充実強化等について書いています。  20頁ですが、(3)は競争力の向上を担う高度な人材の確保・育成で、ここは大学・大学 院等における産学連携の話を書いています。ものづくり分野における職業訓練の話も今 回加筆しています。(4)の専門的・技術的分野の外国人の就業促進と、外国人の就業環境 の改善は、21頁で前回、専門的分野を積極的に受け入れていますというだけでは、なか なか現状は集まっていないとの意見もありましたので、こういったことを広く海外に情 報発信するというところを書き込んでいます。(5)は中小企業や福祉・介護分野の人材確 保対策です。ここも中小企業、介護分野における人手不足の話について、前回も示した 内容を文章化しています。  22頁で3つ目の柱ですが、仕事と生活の調和が可能な働き方ができる社会の実現で、変 更部分としては第1段落の「第3に」というところは変わっていません。次の「仕事と生 活の調和の実現にあたっては」のところは、職業生涯が長期化する中で、生涯学習や能 力開発について、労働者が取り組みやすいような環境整備が必要ではないかということ で、少しこういった形で書き込んでいます。「仕事と生活の調和の実現にあたっては、 労働者側は、自らの働き方を見直し、将来を見据え、生涯を通して自己啓発・能力開発 を行うとともに、企業側は業務の見直しや職場風土改革に努めることによって労働者の 自発的な取組を支援するなど、労使の自主的な取組が基本ではあるが、国や地方自治体 においても、そうした取組を積極的に支援するとともに、多様な働き方に対応した子育 て支援や介護などのための社会的基盤づくりを積極的に行うことが必要である」と書い ています。(1)の仕事と生活の調和の実現に向けた企業の取組の促進・支援と労働者に対 する意識啓発は、いわゆるこういったワークライフバランスについての取組を全国、地 方レベルで国民の理解を求め、政労使の合意が重要であるという話とか、労働時間等設 定改善法に基づく支援について書いています。  23頁は企業における次世代育成支援に関する取組について、中小企業における行動計 画の取組等についての促進を図ることを書いています。次の段落では過重労働対策、そ の次の段落では中高年齢期に至っても、健康を保つためのメンタルヘルス等の対策につ いて書いています。(2)の労働者が多様な働き方を主体的に選択できるような労働環境の 整備では、多様なニーズに対応した働き方を労働者がある程度主体的に選択できて、行 き来できるということにするための施策を書いています。「国が取り組むべき施策とし ては」として、短時間正社員制度、テレワークなどの柔軟な働き方を支える制度の整備、 それらを利用しやすい職場風土作りなど、企業と働く者の取組を積極的に支援するとい う話と、在宅就業の適正化に向けた環境整備を書いています。あと男性の育児休業の取 得促進と、最後の段落はパートの均衡待遇の確保、あるいは有期労働契約の正社員転換 ということを書いています。以上が資料No.1です。  資料No.2は、第4回で議論いただいた2030年の需給推計の資料です。1頁目にA4横置き の棒グラフのポンチ絵があります。これを見ていただくと直近が2006年ですが、2006年 の労働力人口と比較して、いわゆる性、年齢別の労働力率が固定された場合には、2017 年には労働力人口が440万人減る。2030年には1,070万人減るというところを、さまざま な施策を講じることにより、それぞれ2017年では340万人戻して100万人の減、2030年に は600万人戻して480万人の減に止どめるということです。今回、特に高齢者の就業支援 についての効果が大きくなっています。2頁目以降は、こういった試算を出すにあたっ ての参考資料を用意しています。以上です。 ○樋口座長 ありがとうございました。前回、皆様からいただいたご意見に基づきまし て、修正をお願いしたところを中心にご説明いただきました。まず最初に1頁目で、現 在、(P)となっているタイトル、サブタイトルについてご意見をお願いします。長す ぎるのではないかとのご意見がありますが。いかがでしょうか。 ○清家委員 これ、「能力を発揮し、安心して働けて、安定した生活ができる」という のは、大体公正で多様性に満ちた社会なのだから、2行目は要らないのではないか。そ んなことないですか。 ○樋口座長 「自らの能力を発揮し、安心して働き、安定した生活ができる社会の実現」、 「公正で多様性に満ちた」。 ○清家委員 「公正で多様性に満ちた」だけ残すと、雇用とどういう関係があるのです かという話になるから、どっちか残すとしたら上のほうを残して、下を削ったほうがい いのではないですか。 ○加藤委員 「すべての人々が」というのを取ってしまうのも何となく、すべての人々 にも何か意味があるような気がしていて、これは残しておいたほうがいいかなという気 がするのですが、いかがでしょう。 ○清家委員 だからそこも残して、ここの2行目だけでいいのではないですかね。 ○樋口座長 「自らの」はなくてもいいと思う。「すべての人々が能力を発揮し」で、 「自らの」はなくてもわかるのではないですか。 ○佐藤委員 そのとおりだね。自分の能力に決まっている。 ○樋口座長 もともとは、意欲もあったのではなかったでしたか。意欲と能力を発揮し というのが、たしか文章の中には出ていましたよね。 ○清家委員 能力がない人が意欲だけ発揮するとしたら。 ○小杉委員 発揮するに意欲は入っていますから、発揮する段階で。 ○樋口座長 「社会の実現」はなくてもいいかな、駄目か。やはり必要か。 ○清家委員 「すべての人々が能力を発揮し、安心して働き、安定した生活ができる社 会」、やはり実現がいいのかな、必要かな。 ○樋口座長 目的がということだと、実現まで入るでしょうね。 ○佐藤委員 それでも1行になる。 ○樋口座長 どうですか。 ○佐藤委員 能力発揮をとるか、能力の変換、能力を発揮し。 ○樋口座長 いま出ている案をまとめると、「すべての人々が能力を発揮し、安心して 働き、安定した生活ができる社会の実現」ということで。 ○佐藤委員 「できる」の前の「、」は取るのかな、入れるのかな。 ○小杉委員 これは取る。 ○佐藤委員 取るのですよね。 ○樋口座長 それでよろしいですか。そうしましたら1頁の中ごろの(P)もそういう ふうになるし、最後のところも(P)が取れますね。(P)が残ったのはここだけでよろ しいですか。あとはどうぞ、ご自由にお願いします。 ○清家委員 内容的には今までの議論が反映されていて、とてもコンパクトにまとまっ ていると思います。書き込んでいただく必要があるとは思いませんけれども、今後、こ れがいろいろな所で報告されたりするときに、1つはそれぞれのパーツの関連性という か、特にここで柱が就業率の向上と能力開発とワークライフバランスですよね。それぞ れみんな個別にいいことを言っているのですが、実は関連しているわけでしょう。つま りワークライフバランスを合わせると、女性の就業率が高まったり、あるいはパートの 人がフルタイムになったり、あるいは能力開発をすることで、今まで就業できなかった ニートの人とかフリーターの人が就業できるようになったりするわけですから、この3 つの柱が相互に関連している。特に能力開発とワークライフバランスが、就業率の向上 と密接に絡んでいるのだという感じの説明をされたほうが、インパクトがあると思いま す。ちょっと読んでみればわかると思うけれども、それをどこか終わりの結論とか、最 初のところでもし書き込めたら書いたほうがいいし、書き込めなくても何か説明される ときには、強調されたほうがいいかなと思います。 ○樋口座長 これは要約版は出すのですか。 ○小川雇用政策課長 発表時は要約版を出します。 ○樋口座長 それはポンチ絵は付けるわけですか。 ○小川雇用政策課長 記者発表用に、一応、用意します。 ○樋口座長 そこのところでまとめるということですね。 ○清家委員 そこで、こんな矢印を書いたりして。 ○鶴委員 2頁の付注のところで、企業買収、合併のところのコメントで再度のコメント で恐縮ですが、Shleifer and Summersの引用をしていただいて、これは非常に重要な論 文なので引用していただいたのば非常にありがたいと思います。ただ、中身として、こ の論文の意義というのは特に企業買収、合併でも敵対的な企業買収の際に、効率性向上 という話だけでなく、陰の部分がありますよということを指摘したことで、非常に意義 ある論文というふうに位置づけられているのです。この書き方としては敵対的企業買収 が暗黙の約束を破棄することによって、企業は効率を高めるというよりも特殊な人的投 資が減少するとか、最終的には企業の競争力が低下するとか、そういうことを少し懸念 した指摘ということで、ここには書いていただいたほうが、若干、誤解がないかなとい う感じがします。  もう1点、先ほどタイトルのところの話で、私は今のまとめ方で全く異存はないので すが、働き手から見て自分の能力を発揮したり安心して働くということが、結果として 逆に外から見た場合に、その人の生活が安定しているとか非常に公正になっているとか、 多様性に満ちているという、この光の当て方とか立場というところの違いを、むしろ表 わしていることなので、うまくそれが組み合わさっているんだよという見せ方を、工夫 していただいたらいいのかなと思います。  それと、私は公正と多様性という話は非常に重要だと思っています。多様性が非常に 高まれば公正でなくなる可能性が大きくなるけれど、そこのトレードオフをしっかり見 てやらなければいけないということを、みんな意識しないといけないのかなと思います。 ○樋口座長 いまの趣旨をはっきりするように、文章として1頁目に書き込んで、ポン チ絵でもそれが浮彫りにされるようにしたらどうでしょうか。 ○佐藤委員 報告書って、雇用政策研究会報告がタイトルで、いまのは副題なの、これ はどういう位置づけですか。いま議論したのが副題、それともそれがタイトル。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 副題をイメージして。 ○佐藤委員 これが副題ね。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 ええ、サブタイトル。 ○佐藤委員 雇用政策研究会報告書というのがタイトルね。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 はい、このままということ。 ○山川委員 先ほど清家委員が言われたことに関係することなのですが、付属資料の中 身との関係で、いろいろ苦労して労働市場の参加が進むような施策をとれば、就業率の 向上とか労働力供給の減少が抑えられるということを予想したわけですけれども、それ が本文中にはそれほど出ていないような感じがします。7頁の最後の「また」から3行ぐ らいしか出てこないのです。せっかくこういういい作業を行ったわけですから、ここに 例えば2006年の労働力のままで推移した場合というのは、一体どういう懸念が生じて、 そこで先ほどのような労働市場の参加促進策をとることによって、労働力人口の減少を 抑えられるとか、就業率の向上との関係で、ここをもう少し膨らませたほうがいいので はないかと思います。 ○樋口座長 そうですね。 ○山川委員 あと細かい点ですが、よろしいですか。 ○樋口座長 どうぞ。 ○山川委員 11頁の(1)のところで、「外国人労働者を受け入れた方がよいといった意見 もある」とありますが、これは、いま全く受け入れていないみたいにも読めますから、 単純労働分野においてもとか、何かそういうかと思います。  次は12頁の2.の(1)の(1)の真ん中です。「一方、企業側においては」というところ に「企業の社会的責任の観点から」とありますが、何カ所か社会的責任というのが出て きて、そのとおりだとは思いますけれども、社会的責任というのは企業が自発的にする もので、あまり押し付けるようなものではないのではないかという感じがします。それ は構わないのですが、むしろこれに人材の有効活用とか、それが企業にとっても有効だ ということを入れたほうが、つまり社会的責任や人材の有効活用の観点からとしてはど うか。次に若干書いてはあるのですけれども。社会的責任だけでは政策的には弱いかと 思います。  14頁で、これも全く細かい話で表現だけですが、(2)の3段落目の「男女雇用機会均等 法の履行確保を図る」と言うと、何となく履行確保されていないみたいなので、「一層 の履行確保」と言うほうがいいのではないか。細かいことばかりで申し訳ありませんが、 最後に、前回申し上げた労働契約法は現時点でまだ成立していないのではないかと思い ます。成立した暁には、何かどこかに一言入れていただければと思います。確認です。 ○樋口座長 いま鶴委員と山川委員から出たご意見について、事務局のほうで何かあり ますか。 ○小川雇用政策課長 鶴委員のご意見については、そのように書き加えたいと思います。 ○山越労働基準局総務課長 いまの労働契約法の関係は、また調整させていただきたい と思います。 ○佐藤委員 先回欠席したのですが、その後、個別にお願いしたことを入れていただい て、ありがとうございます。いくつか細かい点ですが、1つは、9頁の消費者に対するサ ービスの在り方の見直しの2行目の「過剰に労働力が投入」という表現です。よく使う のは非社会的労働という言い方をします。例えば介護などは24時間必要性があるわけで す。投入の必要性はあるけれど、他方で非社会的労働の側面があるので、これにも配慮 しながらやらなければいけないということがあるのです。過剰にというのは、必要がな いのに投入しているということだけを言っているような気もしますので、そういう部分 もゼロだとは言いませんが、他方で必要がある部分もある。必要があるところでも働く 点からすれば問題があるわけです。非社会的労働という、そこは配慮しなければいけな いので、そのバランスをどうするかということも含めていただくと、ありがたいなとい うのが1つです。 ○樋口座長 どんな文章にすればいいですか。 ○佐藤委員 ここだと、たぶん無駄なことだけなのです。過剰に労働力が投入というの は、何もいいアイデアはないですけれども。 ○樋口座長 漠然と問題がある場合もあると。 ○佐藤委員 どうしますかね。 ○樋口座長 雇用面から見れば。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 それだと、また必要がない話になる。それであえて過剰とい う文章。 ○佐藤委員 ここの言い方は、これが必要ないからという意味なのですかね。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 今まで以上に必要性を見極めてというか、ちょっと言葉が難 しいのですよね。書きづらかった。 ○佐藤委員 消費者のサービス需要等だけでなくて、働く側の働き方の側面も見てくだ さいというようなことです。だから過剰というのはやや狭いかなという気がしたのです。 今までも24時間労働的なものはあるわけです。タクシーの運転手さんも含めて、看護師 さんだってそうだしということだけれど。 ○清家委員 そこはこの間、鶴委員がおっしゃっていたような気がしますが、要するに 正当なコストを消費者が払わないで、そういうことをやらせているのは問題であるけれ ども、報酬が非常に高いから24時間やりたいという人の選択肢もあるわけです。だから、 そこはむしろ市場メカニズムがちゃんと働いていないのか、要するに両者のバイニング ポジションの均衡が保たれないために、本来、均等な交渉力があれば、もっと賃金が高 くなったり料金が高くなったりするはずなのに、運輸業界なんか典型的です。不公正な 取引というか、身内の交渉力が強すぎるから運賃が引き下げられて、ドライバーの賃金 が下がったりするわけですから、本来、ちゃんとした公正な競争が行われて、その中で 例えば長時間の労働については高い報酬が支払われるとか、そういう形になっていれば、 それは過剰でもないし不必要でもないし不公正でもない。そういうことをおっしゃって いましたよね。 ○鶴委員 ええ。コメントを書かせていただきました。 ○樋口座長 どうすればいい。 ○清家委員 そのためには、1つは公正競争を担保すればいいわけでしょう。 ○白木委員 例えば「過剰に」ではなくて、「節度なく」というのはあり得るかと思い ます。一定の節度の中で投入しているのでなくて、それを超えてという、少し価値判断 が入りますけど。 ○小杉委員 節度が働くようなメカニズムが、うまく働かないということですよね。 ○樋口座長 もうちょっと言えば、人を忙しく働かせると、結局自分も忙しくなります よという、ちょっとそれはあれですけどね。 ○佐藤委員 これ、働き方に悪影響が表われるといった面もあるとの指摘だけでもいい と思う。あと11頁の(2)は「また」以降がすごく難しくて、「また」のところが雇用関係 というのは継続的ですよと、書いてあることは、サービスを提供するだけでなくサービ スを提供すること自体が生産性を高める。個人から見れば能力開発になるよということ を言っていて、そのためなので、そういう雇用の安定と人材育成が大事ですよというこ とが書いてあるのでいいのですか。「労使が信頼関係に基づき長期的視点に立った労働 条件の調整に柔軟に対応しつつ」、ここが何を言いたいのかなということです。長期雇 用が基本なんだけど、賃金などは調整できるようにという意味なのですか。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 そういう。 ○佐藤委員 議論されたわけね。私がここを読むとすごく難しいなと思ったので、その 前も「人間が持つ社会的な側面を見ると」なんていうのは、何のことを言っているのだ ろうと、ちょっとわからせなければ理解できないので、この文章が何を言いたいか少し 整理したほうがいいかなというのが1つです。  細かい点で、3頁の人材マネジメントの変化の2行目で、「不確実性の対応のため外部 人材を」だけが書いてあるのですが、「外部人材や正社員以外を」と入れていただいた ほうが、いいのではないか。正社員割合が低下と書いてありますから、「外部人材や正 社員以外を活用することで」とやったほうが正確ではないか。  3頁の下の注の5ですが、正社員以外の人が正社員のが書いてあるので、逆もあるので す。たしか2003年調査で、正社員の人に派遣になりたいとかパートになりたいか聞いて いるのです。だからその比率も逆の方向の人もあるということをわかるように書いて、 注ぐらいに入れたらどうか。  5頁の下の注の9の社会人が、これは副業的に働いている人とわかるようにしていただ けると、問題になるのはいちばん大きなフリーターは半分ですね。54%だということが わかるような形にしていただくこと。社会人とフリーターの区別が、これだけではわか らないわけですので、よろしくお願いします。以上です。 ○樋口座長 確かにフリーターと社会人というのは、どういうふうに区別したのですか。 ○小川雇用政策課長 社会人は副業として日雇派遣をやっている方。 ○佐藤委員 土曜だけとか。 ○樋口座長 副業。 ○小川雇用政策課長 この調査では、他に職場があって日雇派遣をやっている方が社会 人という定義です。 ○佐藤委員 結構いるのです。土曜だけアルバイトしているとか、それは本業が少ない のかもわからないですけど。 ○加藤委員 話の展開がずれてしまうかもしれませんが、資料の2番目の4頁の経済成長 と労働力供給との関係で、この図を見ると、たぶん経済成長をこれだけ実現するために は、これだけ生産性を高めなければいけないという趣旨で書いているのだと思います。 これは案を書き直すといった問題ではないのですが、生産性の上昇といったところに、 この話がどうつながってくるかよくわからないと思っています。そういった実質成長率 をある程度実現するためには、生産性を高めなければいけないといったことが、もし副 次的な資料で出てくるのであれば、もしかしたらこの報告書の案の中にあってもいいか なというのが1点あります。そうしないと、この4頁の資料の意味がよくわからないなと いう気がします。  もう1点、余計に細かいことなのですが、同じように言葉だけですけれども、5頁の女 性、高齢者に対する就業環境の整備の段落の2番目に、「高齢者は高い就労意欲を持つ 一方で」と書いてありますが、すべての高齢者が高い就労意欲を持っているとも限らな いという気がします。だから「就労意欲を高く持っている高齢者は」というか、中には 引退したいという人もいるというところも、考慮されたらいいと思います。 ○森永委員 いまのとも関連するのですが、大きいほうの話からすると、この資料を見 ていて数字の話ですけれども、かなり高齢者の労働力率を引き上げていて、私は数字は それ自体でいいと思いますが、例えば60歳代後半の男性の場合、2030年だと3分の2の男 性が働かないといけないことになっているのです。私、いまちょうど50なのですが、 2030年だと70ちょっとです。だから、要するに自分があと20年働き続けなければいけな いというリアリティを持って読むと、これは結構大変なことを言っていて、もちろん本 人も大変ですが、それを可能にする労働環境の整備というのも、ものすごく大変な目標 というのを、この数字というのは掲げているのです。でも、それをやったにもかかわら ず480万人も労働力人口が減るのだという事実が、ここに出てきているのです。  実は生産性を上げていっても、ある程度労働力人口を確保しないと、経済がどんどん シュリンクしていってしまうので、私、これはぎりぎりいっぱい、日本全体として絶対 やらなければいけないことなのだと思うのです。ただ、それが実はすごく大きなことを やらなければいけないところまできていて、要するに日本として少子化対策を失敗して しまったのだと思うのです。いまから直しても労働力になるまで20年かかるわけですか ら、もうこれは現実として我々、受け入れざるを得ないのです。だから、これは何が何 でもやらなければいけないのだということを、どこかでアピールしたほうがいいような 気がするのです。これ結構、20年頑張るためには本気を出さないといけないという話で す。 ○樋口座長 まだ働き続けなければいけない。 ○森永委員 自分のことを考えると、結構すごいなと思ったのです。あと、それに比べ るとすごく小さい話ですが、2頁のところで「1998年の大型金融破綻を契機に」と書い てありますけれど、これは皆さんのほうが専門家なので、私のイメージだと97年に山一 が破綻して、拓銀が破綻して、三洋証券が破綻して、日産生命が破綻したので、私のイ メージだと97のほうがいいような気がするのですけど。 ○樋口座長 まず後者のほう、どうですか。 ○小川雇用政策課長 後者のほうは、たぶん97年だと思います。 ○樋口座長 数字で見ると、金融危機が起こったのは97年で、労働市場への影響が表わ れるようになってきたのが98年だったと思うので。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 97年が破綻で、4%を超えたのが98年4月ですから、座長のお っしゃるとおりです。 ○樋口座長 表現は97年なのですかね。大型金融破綻と書いてあるから。前者のほうは 非常に大きな問題で、これはいろいろなところで、この報告書とか検証とか行動指針を まとめるときにも、恐怖感をまず前面に出してやらないと大変だという書き方をするの か、それとも、やると大丈夫だよという書き方をするのか。そのバランスを取るのだろ うと思いますが。 ○森永委員 たぶん多くの人が、この事実をわかっていないのではないかと私は思うの です。これを知らせるだけでも大きな意味があると思います。 ○清家委員 そうです。これやれば大丈夫でなくて、最低限、これをやらないと相当厳 しいですよということでしょう。 ○山川委員 さっきとの関係は、もし何もやらないと1,000万人を超えて減少しますよ ということになると、かなり大変なイメージが出てくるかと思います。 ○樋口座長 事務局に、どういうふうに具体的に、どこに書くと。 ○小川雇用政策課長 山川委員のご指摘があった、7頁から8頁のところにさらっと4行 ぐらいで書いてあるところを膨らまして、この参考資料2に書いてあるようなことを文 章化して、ここに盛り込んでいって、その中で加藤委員と森永委員のお話も取り込ん でいくのかなと思います。 ○佐藤委員 ポンチ絵はここに入れたら、後ろに付けるのでなくてここに、そのほうが わかりやすくない。 ○樋口座長 1つは報告書の問題意識のところに何かないと、皆さんが懸念しているよ うに、何となく我々の思いが伝わらないのかなと思います。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 ある意味では、いちばん最初の「はじめに」に転換と、この まま放っておくと。 ○小杉委員 転換期だと、危機を迎えてとか、そういう表現に。 ○樋口座長 もう少し、それこそメリハリを付けてというとこが必要なのではないか。 ○加藤委員 あと見せ方だと思うのです。これでもわかるのですが、たぶん一般的に人 口が減少するということはよくわかっているのですが、それ以上に、労働力人口はもっ とすごいスピードで減少するのだと。だから人口の減少率と労働力人口減少率を比較す るような図があると、実は人口だけでなくて労働力のことを考えないと大変なことにな ってしまいますよということで、下がり方の角度がかかってくるのです。 ○小杉委員 たぶん「はじめに」のところに、転換期を迎えたというのではなくて、労 働力人口が急激に減少する日本社会とかいうのを、最初に持ってくるというのが。 ○樋口座長 どうでしょうか。 ○小杉委員 細かいことを2つ、6頁の真ん中あたりで、職業能力が形成されていないと いうのを入れていただいたのですが、学校の中でやることなので、あくまでも基礎的な 職業能力とかエンプロイアビリティとか、何かそういう表現のほうがいいと思います。 職業能力そのものは就業してから付くものだと思いますので、基礎的なあるいはエンプ ロイアビリティという表現でいいと思います。  もう1カ所、13頁の中ほどに、「ニートをはじめとする若者の働く意欲を高めるため」 とあり、あくまでも働く意欲という言葉が出てきますけれども、今年の6月に能開局で 出されたニート状態の若者の実態調査があります。あれは非常によくできた調査だと思 っていますが、実際に自立塾でやっているのは、頑張れという意欲形成というよりは、 それまでのいろいろな人間関係の失敗とか、計算ができないとか、いろんなトラブルを 抱えた若者たちが実際に職場でトラブルがあって、その結果として労働市場に参加でき なくなったという、そういうプロセスがきれいに描かれています。実際に自立塾でやっ ていることというのは、そうした苦い経験から自尊心を失った者に対して、自己効力感 とか自己肯定観とかを高める訓練をやっているのです。その辺を入れると、意欲を高め るためという表現よりは、もう少し生活訓練を含めて自立支援をするとか、そういう若 者自立塾の実際に見合った表現のほうが、いいのではないかと思います。その報告書の 中でとられている表現というのが、いちばんいいかなと思います。 ○樋口座長 せっかくタイトルが決まったところで、もう一度戻りたいのですが、いま 皆さんから出てきたような趣旨を、少し表わしたタイトルにならないかなということで す。これだと割と落ち着いた温和なタイトルになっていると思いますが、例えば「人口 が急減する中で」とか、あるいは「急激な少子高齢化が進展する中で」という枕詞にも かかわらず、この辺の実現が重要だし、やらなければいけないのだということがあった ほうが、皆さんのご意見としてはよろしいのかなと思います。その思いを込めるとすれ ば、どんなタイトルを付ければいいでしょう。 ○鶴委員 タイトルは難しいなと思ったのですが、いま森永委員のお話を聞いていて、 働かざる者食うべからずと。はっきり言うとそういう話だと思うのです。それぐらいの 厳しい話で、ここのタイトルの話というのは、我々にとっても国民にとっても非常に耳 触りのいい話で、こうなったら非常にバラ色の世界だよねと。ただ、たぶん先生の話を 聞いていて思ったのは、みんな少々嫌でも働いてくださいというぐらいの結構厳しいよ うなことで、その代わり環境整備というところは非常にしっかりやりますと。それが能 力を発揮したり安心して働いて、結果として安定と公正と多様性に満ちたということで す。だから何か非常に嫌なというか、ある程度辛い話と、それを可能にしていくような いい話とセットでやらないと、たぶんうまく回らないだろうなという話だと思います。 だから、それをどこまではっきり言うのかというところは、非常に難しい問題があるな というふうに思います。タイトルを、いま樋口座長が言われたようなニュアンスを出し ながらということで、あとは文章の書きぶりを少し工夫していただくというのも、でき るのかなと思います。 ○清家委員 頭に「人口減少下」ぐらい入れたほうがいいかもしれない。 ○樋口座長 すべての人々というのが、逆に活きてくるのです。 ○佐藤委員 12頁には全員参加型社会というのを使っている。それを使うかということ です。12頁には労働人口減少の中で「全員参加型社会」の実現を目指さなければいけな いと書いてある。これを使うという手もある。 ○清家委員 あまり総動員みたいな。 ○樋口座長 何か戦時下に入ったような。 ○佐藤委員 そこのバランスが難しいけど。 ○清家委員 そんな危ないこと書いてあったの。 ○樋口座長 タイトルはみんな見るからね。 ○蒔苗雇用政策課長補佐 意欲と能力のある方々がと枕にあるので、つなげて読んでい ただくと大丈夫です。 ○清家委員 意欲のない人はいい。 ○佐藤委員 これを読むと、誰もが意欲と能力を持って働くことのできる全員参加型社 会。 ○樋口座長 全員参加が嫌いだという。 ○佐藤委員 たぶんね。意欲のある人全員参加なんだ。意欲のない人はそこに含まれて いない。でも全員参加は確かによくない。 ○小杉委員 やはり、「すべての人々が」のほうがいいと思います。 ○佐藤委員 これをやめてしまうか。 ○樋口座長 まずタイトルから。いま清家委員から「人口減少下で」。 ○白木委員 いまの人口減少下というのは、これは皆さんに行き渡った話であって、要 するに労働力が急減するというのがここでの緊急の課題だという議論なのです。ですか ら労働力急減少下でとか急減下とか、そういうのにしたほうがダイレクトにすっきりわ かるのではないかと思います。 ○樋口座長 労働力急減下。 ○清家委員 もちろんそうなのですが、労働力が急減しないようにするのには、どうし たらいいかということを書いているわけです。 ○小杉委員 労働力の急減が見込まれる中でと、ちょっと長いのです。 ○清家委員 そうなんだけど、労働力急減というのをタイトルに持ってきてしまうと何 かちょっと。 ○白木委員 結果が出てしまっているということですかね。 ○清家委員 一応、建前は急減しないようにしようと言っているわけです。 ○白木委員 した中で減るわけですよね。 ○清家委員 そうそう、だからそれでも480万人。 ○白木委員 対応した中で減るということがポイントだと思います。 ○清家委員 森永委員が言われたのは、それだけやってもさらに減ってしまうというこ とを強調しようということです。 ○森永委員 これは報告書に書ける話ではないと思いますけど、おそらく2030年という ことは、2023年ぐらいのところまでで65歳の支給にいって、おそらくそこから先、70歳 支給への繰延べが始まると私は個人的に思っているのです。そうすると意欲のない人も 働かざるを得なくなる可能性が、それは書けないですけど、そういうことになるのでは ないかなという気が私は個人的にはしています。 ○樋口座長 意欲は出てくるのですよ、そのときに。 ○清家委員 環境が変わればね。 ○樋口座長 だって生活費がなくなったら、働かざるを得ない。 ○清家委員 だけど厚生労働省だから、そういうのが裏に透けて見えるのではないかと 思われるのが嫌なわけでしょう。本当はそうなんだけど。 ○樋口座長 これ速記録、みんな残っている。 ○森永委員 個人的にはそう思っているだけで。 ○樋口座長 人口減少のほうをタイトルにするのか、それとも少子高齢のほうをタイト ルにするのか、どうですか。よく人口が減少したって、各年齢層が相似的に縮小するの だったら別に問題ないではないかという話もあるわけです。むしろこれは高齢者が増え てくるとか、若者が減ってくるというところが問題だと。それが数の上で顕著に表われ てくるわけでしょう。 ○佐藤委員 雇用政策報告書というのは、このタイトルをやめてしまって、いまやった のをタイトルにして副題か何かに労働力人口急減への対応とか、つまりこの長いのをタ イトルにする。副題に労働力人口減少みたいなのをくっつけておく。雇用政策報告書な んていうのは載せない。研究会報告で載ればいいのでというやり方もあると思います。 だから副題に入れる。労働力人口急減への対応とか何とか入れて、この長いのをタイト ルにする。 ○小川雇用政策課長 急激な減少傾向。 ○佐藤委員 減少への対応とか、何かそういうのを副題に入れておいて、このまま前に 出す。後ろにいくと危機的環境はこうですよと。それで下のほうで雇用政策研究会とい うのが載るわけでしょう、だから報告書なんて要らないわけです。そういうのはどう。 ○清家委員 雇用政策研究会報告書と、そのように決まっているのではないの。 ○小川雇用政策課長 それは大丈夫です。 ○佐藤委員 それはテクニカルの話です。 ○樋口座長 テクニカルだったら、これ別に。 ○佐藤委員 これ変だよね、これがタイトルというのは、どう考えても。 ○小川雇用政策課長 「すべての人々が能力発揮し、安心して働き、安定した生活がで きる社会の実現」で、サブタイトルで「労働力減少への対応」とすると。 ○小杉委員 サブタイトルっぽいです、この長いのは。 ○樋口座長 ちょっとこだわっているのは、労働力減少と言うと数が減るというだけの 話になり、質がすごく変わってくる。量の問題はもちろんあるけれど、生産性だ何だと いうのは質の話でしょう。だからキャリア形成の重要性だとかというのを入れていて。 ○清家委員 それはそうですね。 ○樋口座長 そこをちょっとというか。 ○小川雇用政策課長 少子高齢化社会の対応とか、そちらのほうが先生のイメージとし ては。 ○樋口座長 うん、何か。 ○加藤委員 ちょっと抽象的ですけど、労働環境の激変化に対応してとか、要するに労 働供給というとちょっと抽象的で、たぶん少子高齢化だと手垢が付いているかなという 感じもある。 ○小川雇用政策課長 労働供給環境の激変に対応してとか、ちょっと抽象的すぎますか。 ○小杉委員 危機感が伝わりにくくなってきます、だんだん抽象的になってくると。 ○清家委員 でも、いちばん客観的で危機感が伝わりやすいのは、人口減少の話です。 人口減現象よりも労働力が減少するというところが、さらに問題なんだけど。 ○樋口座長 どっち、人口減少か少子高齢化か。 ○佐藤委員 少子高齢化は確かにいろいろなところで使われすぎてしまっている感じが ある。枕詞になっていて危機感も何もないという感じがある。 ○白木委員 急減と。 ○佐藤委員 急減ね。 ○樋口座長 人口急減下における。 ○白木委員 いや、人口は急減しないでしょう。人口は徐々に減っていくのです。労働 力がそれに過剰に減るということだと思います。 ○樋口座長 少子高齢化の急激な進展に対する対応。急激な少子高齢化への対応。 ○白木委員 ここは増えるのもこうだし、減るのもこうです。座長一任ではないですか ね。 ○樋口座長 こんなタイトルは初めてです。全然違うのがついて。基本的には佐藤委員 の案で、まず前のほうに「すべての」という、いま決まったものを付けて、サブタイト ルとして人口減少になるのか少子高齢化になるのか、そこはちょっと相談して、それへ の対応ということで、よろしいでしょうか。ありがとうございます。すみません、振出 しに戻ってしまいました。ほかのところ、ご意見をいただければと思います。 ○白木委員 1点だけ確認です。先ほど結論が出たかどうかわからないですが、11頁の 外国人労働者のところです。これは結果として真ん中よりちょっと上の「なお」のとこ ろですが、外国人不熟練労働者受入れについて、「不熟練」と入れるという解釈でよろ しいですか。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 いわゆる単純労働分野について、そこは基本的に。 ○白木委員 単純という言葉についてはいろいろあると思いますが、不熟練のほうがい いかなと個人的には思います、任せますけど。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 単純労働力のほうを言っている方もいれば、むしろ もう少し技能労働力のことを言っている方もいるので、あまり単純とか言うよりは、外 国人労働者の受入れの拡大というほうが、いいのかなという気がします。 ○樋口座長 受け入れ範囲の拡大ね。 ○白木委員 受入れ範囲は、もうぴったり入っていますね、これは。下のほうはもっと 広い範囲で入っています。前のほうの意見というのは、通常、不熟練労働者を入れたほ うがいいという議論に関係しているのではないかと思いますが、もっと広いですか。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 やはり不熟練というか単純労働者というか、そこは まずいけども、もう少し技能労働者のより低いところと言っている方もいらしゃるので、 単純労働者だけ言ってしまうと、ちょっと狭いかなという気がします。 ○樋口座長 ということは、このままのほうがいいのではないかということですね。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 いいえ、拡大ということ。 ○小杉委員 拡大したほうがいい。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 拡大がぴったりです、全部入りますから。 ○樋口座長 これ、山川委員が提起した問題ですが。 ○山川委員 趣旨は同じですので異存ありません。 ○清家委員 下のほうは、ちゃんと安易に拡大と。 ○岡崎高齢・障害者雇用対策部長 これはぴったり入っているのです。 ○鶴委員 同じに揃えればいい。 ○樋口座長 ほかにはどうでしょうか。 ○鶴委員 いま、同じ11頁の(2)のところで、「労働は通常の商品の売買取引とは異なり、 継続的な関係を持つものである」とあります。通常の売買取引もある程度継続的な関係 を持つものもあるので、これは文章の点だけですけれども、労働のほうがそういう傾向 が強いみたいな書き方にしていただいたほうが。 ○白木委員 「より」ですか。 ○鶴委員 「より」ですね。程度問題の部分だと思いますけれども。 ○樋口座長 「異なる」を取っても変わりないかな。 ○白木委員 ここで商品というのは、どういうものを入れるのか。普通の経済的な取引 全体を考えると、それがいつも必ずスポット的な取引だと言い切ってしまうのは、ちょ っと難しいのかなと。 ○樋口座長 ほかにはいかがですか。よろしいですか。事務局のほうから何か確認して おきたいことはありますか。よろしいですか。それでは、ただいまいただきましたご意 見を基に報告書を取りまとめていきたいと考えています。修正内容については皆さんに もご相談したいと思いますが、私のほうにご一任いただければと思います。よろしいで しょうか。                   (了承) ○樋口座長 ありがとうございました。委員の皆様には今年の8月から7回にわたって、 この研究会に参加していただきました。ありがとうございました。今後は報告書の公表 に向け作業を進めていきたいと考えています。また公表の際には事務局から委員の皆様 にメールを活用してご連絡することになっています。では太田局長からご挨拶をお願い します。 ○太田職業安定局長 私のほうから御礼のご挨拶を申し上げたいと思います。この研究 会は8月末から7回にわたって、人口減少が進む中での日本の経済社会が持続的な成長 を続けていくために、我が国が目指すべき雇用労働社会の姿、あるいはその実現に向け た雇用政策の方向性につきまして、皆様方から大変に熱心なご議論をいただきました。 心から御礼申し上げる次第でございます。  今回の報告書、今まさにご議論があったとおり、いちばんのポイントは人口減少が一 層進む中で、持続可能な経済社会の発展を可能とするためにどうしたらいいのか、労働 力の急速な減少を防ぐために、あらゆることをすべきであるということではないかと思 います。そうした社会を実現するために、当面5年程度、取り組むべき基本的な雇用政 策の方向性として、3つの柱ということでご議論いただいたわけでございます。就業率 の向上ということ、あるいは職業キャリア形成の促進ということで生産性の向上、さら にはワークライフバランスということ。3つの柱のご提言をいただくとともに、それぞ れの柱に対応する具体的な施策の方向性につきましても、ご提言をいただいたわけでご ざいます。  今日いただいたご意見を踏まえた報告書につきましては、樋口座長と相談の上で、今 後、公表の手続を進めてまいりたいと考えています。またこの報告書につきましては、 これから厚生労働省におきまして実施する雇用政策の中期的な方向性、いわゆる中期ビ ジョンの策定の際に、十分に活用させていただきたいと考えているところでございます。 皆様方には3カ月程度の本当に短い間に、大変精力的に熱心にご議論いただいたことに 対しまして、改めて心から御礼申し上げる次第でございます。雇用政策は今後とも不断 の見直しなり、政策の方向性をしっかりとやっていくことが必要でございますので、今 後ともご指導のほどよろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました。 ○樋口座長 本日の研究会はこれで終了いたします。ありがとうございました。 (照会窓口)厚生労働省職業安定局雇用政策課雇用政策係 TEL:03-5253-1111(内線5732)