07/11/21 平成19年11月21日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所    平成19年11月21日(水)  14:00〜 厚生労働省省議室 2.出席委員(11名)五十音順    飯 沼 雅 朗、◎池 田 康 夫、 庵 原 俊 昭、 岡   慎 一、    守 殿 貞 夫、 竹 内 正 弘、 田 村 友 秀、 土 屋 文 人、    早 川 堯 夫、 三 瀬 勝 利、 山 口 一 成   (注)◎部会長 ○部会長代理    欠席委員(5名)   新 井 洋 由、 上 原 至 雅、 ○堀 内 龍 也、 前 崎 繁 文、    溝 口 昌 子 1.行政機関出席者   黒 川 達 夫(大臣官房審議官)、 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、 川 原   章(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)、 村 上 貴 久(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)、 丸 山   浩(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター次長)  森   和 彦(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審議役)、他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 それでは、薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会を、ただ今から開催さ せていただきたいと思います。本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありが とうございます。現在のところ、当部会委員数16名のうち11名の委員に御出席いただい ていますので、定足数に達していますことを御報告申し上げます。本日は、新井委員、上 原委員、堀内委員、前崎委員から御欠席という連絡を賜っています。溝口委員におかれま しては、御出席という御返事を賜っていますので、何らかの事情で遅れられているのだろ うと思います。それでは、部会長の池田先生、以後の進行をよろしくお願い申し上げます。 ○池田部会長 先生方、お忙しいところを、どうもありがとうございます。それでは、本 日の審議に入りたいと思います。まず事務局から、配付資料の確認をお願いします。 ○事務局 それでは、資料の確認をさせていただきます。本日、席上に、議事次第、座席 表、当部会委員の名簿を配付しています。また、議事次第に記載されている資料1〜3に つきましては、あらかじめお送りさせていただいています。このほか、資料4としまして、 「取扱い等の案」を席上に配付しています。 ○池田部会長 ありがとうございました。先生方、お手元に資料はございますでしょうか。 よろしいでしょうか。それでは、本日は報告事項が3議題ということですので、早速、事 務局から報告事項について順次説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○機構 それでは、まず議題1「医薬品ゼローダ錠300の製造販売承認事項一部変更承認 について」御報告します。資料としましては、資料1を御覧ください。本剤は、フルオロ ウラシルのプロドラッグとして開発されました、経口フッ化ピリミジン系の抗悪性腫瘍剤 であり、現在は、「手術不能又は再発乳癌」の効能・効果で承認されています。今般、中 外製薬株式会社から、「手術不能又は再発乳癌」に対する新用量、及び「結腸癌における 術後補助化学療法」の効能・効果を追加する製造販売承認事項一部変更承認の申請がなさ れたものです。医薬品医療機器総合機構における審査の結果、新用量及び追加効能に対す る本剤の有効性及び安全性は認められ、本剤を承認して差し支えないと判断いたしまし た。  続きまして、議題2「医薬品タキソール注射液30mg、同100mgの製造販売承認事項一 部変更承認について」御報告します。資料としましては、資料2を御覧ください。本剤は、 タキサン系の抗悪性腫瘍剤であり、現在は、「卵巣癌」、「非小細胞肺癌」、「乳癌」、 「胃癌」、「子宮体癌」の効能・効果で承認されています。今般、ブリストル製薬有限会 社(現ブリストル・マイヤーズ株式会社)から、「乳癌」の新用量を追加する製造販売承認 事項一部変更承認の申請がなされたものです。医薬品医療機器総合機構における審査の結 果、乳癌に対する新用量の有効性及び安全性は認められ、本剤を承認して差し支えないと 判断いたしました。報告品目については以上です。 ○事務局 続きまして、議題3「希少疾病用医薬品の指定について」の御報告です。資料 3を御覧ください。ページをめくっていただきますと指定品目の一覧表があります。医薬 品の名称はラルテグラビルカリウム、予定される効能又は効果はHIV-1感染症、申請者は 萬有製薬株式会社です。HIV感染症関係の医薬品につきましては、平成11年5月 13日の医薬品特別部会における申合せに基づきまして、希少疾病用医薬品の指定につい ては報告事項とさせていただいています。次のページに総合機構による評価報告書があり ますので、こちらを御参照いただきたいと思います。  希少疾病用医薬品の指定に関しては三つの条件があります。まず一つ目は「対象患者数」 です。こちらは、平成18年エイズ発生動向年報などから見て、指定要件である5万人未 満を満たすと判断しています。4ページ目、二番目の「医療上の必要性」ですが、抗HI V薬については現在、核酸系逆転写酵素阻害剤(NRTI)、非核酸系逆転写酵素阻害剤 (NNRTI)、プロテアーゼ阻害剤(PI)の三つのクラスが承認されていますが、本剤は、こ れら三つのクラスの抗HIV薬と異なりまして、HIVウイルスの複製に必要な酵素の一 つであるインテグラーゼを阻害する新規の作用機序を有する薬剤です。そのことから、既 承認の抗HIV薬による治療を補完するものと期待され、本剤の医療上の必要性は高いと 判断しています。最後に、「開発の可能性」ですが、既に海外において複数の臨床試験が 実施されており、有効性、安全性が確認されています。また、米国において先月、10月 12日に承認されていることなどから考えて、開発の可能性は高いと判断しています。以 上三つの条件に照らして、本剤を希少疾病用医薬品として指定することといたしましたの で、御報告申し上げます。 ○池田部会長 ありがとうございました。ただ今、3議題について報告をいただきました。 一つ一つ御確認を願いたいと思います。まず最初は、カペシタビンの新しい用法に関して、 今までの再発乳癌に関する新しい用法についてということと、もう一つは適応の追加で、 結腸癌における術後補助化学療法に対して承認をしようということの報告をいただきま したが、このカペシタビンについて先生方から何か御意見はございますか。特にございま せんか。よろしいでしょうか。結腸癌についての国内での術後補助化学療法はまだ検討さ れていないわけですが、この後は何かプランはあるのでしょうか。何か新しい形で、この 有効性について我が国でも検討するというような動きはあるのですか。 ○機構 今回の申請者が主導して検討するという予定は、今のところありません。 ○池田部会長 そうすると、場合によっては専門家がデータをまとめるような形になると 理解してよろしいのですか。 ○機構 申請者自身が臨床試験をやる計画はないのですが、審査報告書の50ページに表 にして整理してありますが、臨床現場の先生方が計画される臨床試験で、本薬を含むもの が2試験、それから、ロシュ社がということになりますが、国際共同治験で、日本も参加 する予定であるものが1試験あります。海外の今回の臨床試験と同じレジメンデザインと いうものではないのですが、こういった検討はなされる予定と聞いています。 ○池田部会長 ありがとうございました。結腸癌についてはそういうことで、今後もデー タが蓄積されていくだろうということです。患者さんも非常に多い疾患ですので、そのデ ータを逐次参考にしながら、こういう治療がよりいい方向に向かえばと思います。何か御 意見はございますか。よろしいでしょうか。もし特にないようでしたら、このカペシタビ ンの報告、製造販売承認事項一部変更承認については御確認いただいたということでよろ しいでしょうか。ありがとうございました。  続きまして、二番目の報告事項です。パクリタキセルですが、これについては乳癌にお いて新しい用法・用量を設定したので御承認をいただきたいということでこちらに上がっ てきたわけです。このパクリタキセルについて何かございますか。 ○守殿委員 添付文書の前投薬の書き方はこれでいいのかなと思ったのです。A法のとこ ろで、「本剤投与約12〜14時間前及び約6〜7時間前の2回、もしくは本剤投与約30分 前までに」となっています。このような投与法は、私自身余り詳しくはないのですが、前 投薬の投与時間に相当な開きがあるのはこれでいいのかなということ。それから、B法の ところで、B法の(1)では「本剤投与約30分前までに投与を終了するように」となってい て、(1)では30分前という表現は1か所なのですが、A法では、6ページの1行目に「本 剤投与約30分前までに投与を終了するように」とあって、また次にも「30分前までに」 と出てくるのです。B法では一括りにしてあるものが、A法では一括りにしにくいからこ うなったのだと思いますが、もう少し整理のしようがあるのではないかと思いました。 ○池田部会長 いかがですか。パクリタキセル使用前の吐き気止め等の前投与の話だと思 うのです。今回認められた100mg/平方メートルのウィークリーのものに関しては、投与約30分前ま でに前投与を終わりなさいということが書いてあるのですが、今までのA法の3時間掛け て210mg/平方メートルという形になると、12〜14時間前と6〜7時間前の2回やるか、本剤投与約 30分前と、2通り書いてあるということですね。それについては何かありますか。 ○新薬第一部長 A法とB法の前投与の回数について今後ろで調べさせていますが、表記 が紛らわしいところにつきましては、全体の整理というところで今後検討させていただき たいと思います。 ○池田部会長 基本的にはA法は210mg/平方メートルを1日1回、3時間掛けてということで、吐 き気その他はかなり強く出るかもしれない、B法は100mg/平方メートルなので軽いかもしれないと、 そういうことを踏まえてなのでしょうか。 ○機構 A法の記載の根拠ですが、このA法の前投薬の内容は、今承認されている3週間 隔1回投与の用法・用量に入っている内容です。それを今回、毎週投与法を追加するに当 たって、現在パクリタキセルは既に使用実績も豊富になっていますし、用法・用量にこう いった長文の前投薬に関するものが入ってくると、かなり見にくくなるということがあっ て、使用上の注意にそのままA法については落としたというところがあります。A法の前 投薬の記載の根拠については、今手元に当時の資料がありませんので、明確なお答えがで きない状況なのですが、背景としては今申し上げたような背景になっています。 ○田村委員 パクリタキセルは開発の時点で過敏反応が非常に問題となりまして、最初に 書いてある12時間と6時間という投与法は、造影剤過敏症に用いられる方法です。当初 承認されたときはこの予防法でやられていました。ただ、その後、直前の1回だけの予防 薬投与でも安全に投与できるということで、そのやり方が追加で承認されたものだと思い ます。 ○池田部会長 ということは、逆に言うと、A法でも投与約30分前までの前投与でよろ しいだろうということですね。 ○田村委員 昔は2回しっかりやっていたのが、大分使用してきたら、1回だけで大丈夫 だという話に。 ○池田部会長 よろしいでしょうか。そのほかにいかがですか。特にございませんか。も しないようでしたら、このパクリタキセルの乳癌の用法・用量の追加について、御確認い ただいたということでよろしいでしょうか。ありがとうございました。それでは、パクリ タキセルの報告も御確認いただいたということにさせていただきたいと思います。  最後に、希少疾病用医薬品の指定についてです。新しい作用機序のHIVの薬です。ラ ルテグラビルカリウムですが、これについて何か御意見はございませんか。岡先生、何か 特にございますか。 ○岡委員 この薬剤自身は、先月認可になりましたダルナビルという薬と併用すると非常 に強力な効果を示すということが米国の試験で示されています。二つの点で非常に期待さ れる薬剤です。一つは、今現在耐性ウイルスしかいない人たちの新しい希望になるという ことと、もう一つは、全く新しい機序の薬剤ですので、今まで長期に使って問題になった 逆転写酵素阻害剤というものを、もしかすると将来的にこの薬で回避できるかもしれない ということです。非常に期待されている薬剤だと思いますので、非常に適切な処置だと思 います。 ○池田部会長 ありがとうございました。そのほかの委員の先生方は特にございませんで しょうか。米国でも去る10月12日に承認されて、EUでも審査中だということなので、 我が国でも、希少疾病用医薬品に指定することによって迅速に審査が進むということはよ ろしいのかなと思います。特にございませんか。もしないようでしたら、この報告事項に ついても御確認いただいたということにさせていただきたいと思います。ありがとうござ いました。  本日の議題は以上の報告事項3題ですが、事務局から何か報告がありますか。 ○事務局 次回の部会ですが、既に御案内のように、来年1月31日(木)の午後2時から 開催させていただく予定ですので、よろしくお願いいたします。 ○池田部会長 ありがとうございました。今年はもうこれで第二部会はないということに なります。先生方、1年間、ありがとうございました。また来年もよろしくお願いしたい と思います。本日はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 河野(内線2734)