07/10/26 第4回議事録 義肢等補装具専門家会議 (第4回) 日時 平成19年10月26日(金)15:00〜   場所 中央合同庁舎第5号館共用第9会議室(18階) ○中村医事係長 これより「第4回義肢等補装具専門家会議」を開催します。まず、資 料の確認をお願いします。本日の資料は、資料1「第3回義肢等補装具専門家会議の検 討概要」、資料2「車いすの支給対象者に係る検討」、資料3「義肢等補装具専門家会議 報告書(案)」となっています。資料に不足のある方はいらっしゃいませんでしょうか。 それでは、盛合座長、進行をお願いします。 ○盛合座長 今日の議事に入る前に、前回の会議において検討した内容を確認します。 事務局から第3回義肢等補装具専門家会議の検討概要の説明をお願いします。 ○中村医療専門官 それでは、資料1「第3回義肢等補装具専門家会議の検討概要」を ご覧ください。第2回会議の継続検討事項である体幹装具について検討をしました。検 討の結果、体幹装具の支給対象者である障害等級第8級以上の荷重障害には、硬性装具 を常に必要とする者であり、体幹を十分に支持するために硬性装具の装着を常時必要と する者が該当しますが、被災労働者にとっては、現実的には、硬性装具を常時装着して いることは身体的に大変厳しいことから、本来必要な体幹の支持効果を見込むことがで きないものの、軟性装具の装着を行わざるを得ないことも多いので、そのような場合に は軟性装具等を認めても差し支えない。  したがって、支給対象については、「せき柱に常に体幹装具の装着を必要とする程度 の荷重障害を残すことにより、障害等級第8級以上の障害(補償)給付の支給決定を受 けた者又は受けると見込まれる者」とし、体幹を支持するため医師が必要と認める「金 属枠、硬性、軟性、骨盤帯」のいずれかを支給することでよいということになりました。  次に、褥瘡予防用敷ふとんにつきましては、脳の損傷により高度の四肢の麻痺が認め られる者や両上下肢の亡失又は機能を全廃した者についても、褥瘡の発生のおそれがあ ることから、支給対象とするべきか検討しました。検討の結果、褥瘡の発生は、せき髄 損傷者に限定されるものではなく、脳の損傷による高度の四肢の麻痺を有する者、両上 下肢の亡失又は機能を全廃した者で、自らの意思で体位の変更が不可能である者につい ても、褥瘡の発生のおそれがあることから、当該者に対しても褥瘡予防用敷ふとんを支 給することが適当であるとしました。  したがって、褥瘡予防用敷ふとんの支給対象者については、「傷病(補償)年金又は 障害(補償)給付を受けている神経系統の機能に著しい障害を残す者又は両上下肢の亡 失若しくは機能を全廃した者のうち、常時介護に係る介護補償給付又は介護給付を受け ている者」とすることがよいということになりました。  次に、電動車いすについては、障害者自立支援法で支給の対象としている呼吸器機能 障害、心臓機能障害により歩行に著しい制限を受ける者ついても支給対象者とすべきか 検討しました。検討の結果、呼吸器又は循環器の障害については、障害認定基準に規定 されており、業務災害又は通勤災害により呼吸器又は循環器の障害を受けた者の中には、 当該障害により歩行が困難である者が認められることから、「業務災害又は通勤災害に より呼吸器又は循環器の障害を受けた者であって、車いすの使用が著しく困難である者」 に対しても、電動車いすを支給することがよいということになりました。  具体的には、呼吸器又は循環器の障害により、傷病(補償)年金第1級の支給決定を 受けた者又は受けると見込まれる者、呼吸器の障害により、障害(補償)給付第1級の 支給決定を受けた者又は受けると見込まれる者で、動脈血酸素分圧が50Torr以下であ ること等の要件を満たすものを支給対象者に追加することでよいということになりまし た。  次に、筋電電動義手について今後も研究用支給を継続するかどうか、また、支給対象 者、基準価格についてはどのような基準とするべきか検討を行いました。検討の結果、 筋電電動義手については、十分な医学的管理が可能である医療機関が非常に少ないこと、 必要な機器のメンテナンスを行うことが可能である義肢製作業者が少ないことから、全 国において統一的な制度運営が困難であり、支給種目とすることは困難であること、過 去の支給状況等を踏まえ、両上肢を手関節以上で失った者に対する効果が明らかである ことから、両上肢を手関節以上で失った者に対しては、現行の研究用支給ではなく、基 準外の種目として支給することがよいこと、支給対象者については、両上肢を手関節以 上で失ったことにより、障害(補償)給付を受けた者又は受けると見込まれる者で、手 先装置の開閉操作に必要な強さの筋電信号を検出できる者であること等四要件を満たす もの、さらに、1上肢を手関節以上で失うとともに、他上肢の機能が全廃又はこれに準 じた状態になったことにより、障害(補償)給付を受けた者又は受けると見込まれる者 で、四要件を満たす者でよいということになりました。  また、業務災害又は通勤災害により、片側上肢を手関節以上で失った者に対しては、 事案の収集及び分析を行い、どのような条件の下で支給を行うべきか等の検討をするた め、年間の支給本数、装着訓練等を行う医療機関を限定した上で、研究用支給を3年間 程度実施することがよいということになりました。以上です。 ○盛合座長 ただいまの説明について、何かご質問、ご意見はありませんでしょうか。 ○赤居先生 1つだけよろしいですか。例えば、2頁の3電動車いすの(3)検討結果の2 番目です。「車いすの使用が著しく困難である者」とありますが、この場合車いすは明 らかに普通型を指すと思うのですが、私たちが何げなく見ると車いすというのは非常に 広い概念で、電動車いす、普通型車いす、バギーなども全部含んだものを意味します。 全体が使えないものに電動車いすを出すのは、論理の矛盾のような気もするのですが、 いいのですか。 ○中村医療専門官 支給基準において、車いすの種類を決めています。 ○赤居先生 そうすると、これは上位に来る概念ではないので、いいのですね。 ○中村医療専門官 はい、そうです。 ○徳弘先生 用語についてで、枝葉末節のことで申しわけありません。4頁の(4)に「装 具を装着することができる断端を有する者であること」と書いてあります。これはやは り筋電電動義手又はソケットにするのが用語としては適切だと思いますが、どうでしょ うか。 ○赤居先生 ソケットがいいです。 ○徳弘先生 ソケットでいいでしょうか。 ○盛合座長 ご意見、ご質問は、よろしいでしょうか。では、4頁の(4)の「装具を装着 することができる断端を有する者であること」の「装具」を「ソケット」に変更するこ とでよろしいでしょうか。 (了承) ○盛合座長 それでは、今日の議事に入ります。まず、議事1「車いすの支給対象者に 係る検討について」です。事務局から説明をお願いします。 ○中村医療専門官 資料2「車いすの支給対象者に係る検討」をご覧ください。この件 につきましては、前回の会議において事前に提示させていただいています。  両下肢の用を全廃又は両下肢を亡失したことにより、療養(補償)給付を受けている 者であって、傷病が症状固定した後においても義足及び下肢装具の使用が不可能である ことが明らかである者については、車いすの支給申請の日より3か月以内に症状固定が 見込まれる者に限定し、車いすの支給対象者としている。したがって、傷病が症状固定 した後において義足及び下肢装具の使用が不可能であることが明らかである者であって も、3か月以内に症状固定が見込まれなければ、車いすの支給が受けられないという状 況です。  したがいまして、両下肢の用を全廃又は両下肢を亡失したことにより、療養(補償) 給付を受けている者については、傷病が症状固定した後においても義足及び下肢装具の 使用が不可能であることが明らかであれば、症状固定の見込み期間を限定せず、支給す るべきか検討をお願いします。  参考に、検討の方向性(案)を記載していますが、業務災害又は通勤災害により両下 肢の用を全廃又は両下肢を亡失した者が褥瘡等の併発疾病又は排尿障害等の付随疾病の 診療のために通院をしている場合については、通院及び社会生活を送るために車いすが 必要であることから、症状固定の見込み期間を限定せずに車いすを支給すべきではない か。したがって、車いすの支給対象者のうち療養(補償)給付を受けている者に対する 支給基準については、「両下肢の用を全廃又は両下肢を亡失したことにより、療養(補 償)給付を受けている者であって、当該傷病の療養のために通院している者で、傷病が 固定した後においても義足及び下肢装具の使用が不可能であることが明らかであるも の」としてはどうかとしています。検討をお願いします。 ○盛合座長 ただ今の説明について、何かご質問、ご意見はございますでしょうか。私 の個人的な話になるのですけれども、更生相談所長を知っていまして、労災患者から障 害者自立支援法の車いすの申請が提出されるのはおかしいのではないか。労災では、症 状が固定しないと支給ができないけれども、泌尿器科の合併症があって治療を打ち切れ ないということがあるので、当然こういう規定を作らないと、車いす支給ができなくな ってしまう。ですから、これは非常にそういう意味から結構なことだと思います。ずっ と、泌尿器科の治療をしなければだめだけれども、車いすは使いたい。大変結構な規定 だと思うのです。 ○徳弘先生 障害者自立支援法では、切断したらその日に等級の認定が下りるので、受 給の権利ができるわけです。労災は、症状が固定して、在宅あるいは社会に復帰するこ とが確実な者ということで3カ月というのがあるので、そこのところは非常に障害者自 立支援法に比べると使いにくい制度になっているのです。やはりこれは現場ではいちば ん困る問題なので、このように規定していただくというのは非常に現場としてはありが たいと思います。現場では、そこで悩んでいるドクターたちがたくさんおりますので、 良いことだと私は思います。 ○盛合座長 他に、ご質問、ご意見はよろしいでしょうか。それでは、業務災害又は通 勤災害により両下肢の用を全廃又は両下肢を亡失した者が褥瘡等の併発疾病又は排尿障 害等の付随疾病の診療のために通院している場合、通院及び社会生活を送るために車い すが必要であることから、車いすの支給対象者のうち療養(補償)給付を受けている者 に対する支給基準については、「両下肢の用を全廃又は両下肢を亡失したことにより、 療養(補償)給付を受けている者であって、当該傷病の療養のために通院している者で、 傷病が固定した後においても義足及び下肢装具の使用が不可能であることが明らかであ るもの」とすることでよろしいでしょうか。 (了承) ○盛合座長 それでは、議事2「報告書(案)に係る検討について」に進みます。事務 局から説明してください。 ○中村医療専門官 報告書(案)については、今までの議論をまとめたものになってい ます。資料3「義肢等補装具専門家会議報告書(案)」をご覧ください。まずは、3頁 の目次をご覧ください。  第1に、義肢等補装具支給制度の意義及び役割、第2に、義肢等補装具として支給す る種目の基本的考え方を記載し、最初に、義肢等補装具支給制度の検討に当たっての基 本となる事項を記載しています。第3以降は、検討した事項ごとに順番に記載していま す。第6に今後の課題等を、第7にその他を記載しています。それでは、内容について 説明します。  5頁の第1の義肢等補装具支給制度の意義及び役割については、前回の会議で説明し たとおり、山口名誉教授と西村教授の意見をまとめたものを記載しており、内容は前回 会議で説明していますので、今回の説明は割愛させていただきます。  次に8頁ですが、第2に義肢等補装具として支給する種目の基本的考え方を記載して います。この基本的考え方が、本会議においても、今後の会議においても重要なものに なると思いますので、そのまま読ませていただきます。  義肢等補装具は、業務災害又は通勤災害によって被災し、一定の後遺障害を残した被 災労働者の社会復帰の促進を図るために必要なものであって、原則として次の三つの要 件をすべて満たすものとする。1 労災保険における障害等級に定められた障害の程度 に応じて装着又は使用するものであり、その効果が医学的に広く認められているもので あって、次のいずれかの機能を有すると認められるものであること、(1) 労災保険にお ける障害等級に該当する身体の欠損又は損なわれた身体機能を代替するものであるこ と、(2) 後遺障害に起因する併発疾病の防止に資するものであること、2 被災労働者 が就労するために、又は社会生活を送るために、身体に装着又は使用することが必要不 可欠なものと認められるものであること。3 適正な装着又は使用及び補修に必要な医 療機関、義肢等補装具製作業者等が全国(おおむね各都道府県)に存在し、かつ、著し く高額でない等社会復帰促進等事業として支給することが適当であると認められるもの であること。  これが、支給種目の基本的考え方になりますが、筋電電動義手を含め、今後、医療や 工学の進展により新たに非常に有効な補装具が開発されましたが、それが全国的な規模 の対応が困難な場合であることを想定し、なお書きが追加されています。なお、上記要 件のうち、3の要件を除く二つの要件を満たし、特に被災労働者の職業生活又は社会生 活の復帰に資することが明らかに認められるものについては、必要に応じ、基準外の種 目として支給することが適当であるとしています。 ○盛合座長 では、第1の「義肢等補装具支給制度の意義及び役割」について、事務局 としてのポイントはどういうことなのでしょうか。 ○中村医療専門官 ポイントは、山口先生と西村先生にそれぞれ意見をいただき、それ につきましては、資料の30頁に山口先生の意見書を、34頁に西村先生の意見書を付け ております。お二人の先生の意見を踏まえて、おおむねこのような意見ではないかとい うことでまとめているのが、第1のところです。  第1点目、「義肢等補装具支給制度の意義」として、義肢等補装具支給制度による社 会復帰とはどういうものかを労災保険法第1条の目的を踏まえて記載しております。  最後のところを読みますと、5頁の下から9行目の「このように」からになりますが、 労災保険の義肢等補装具の支給は社会復帰促進等事業として実施しているものであり、 労災保険給付と一体的なものとして、被災者側の経済的事情に関係なく、障害の状況に 応じて行われており、労災保険法第1条の「被災労働者の社会復帰の促進」という労災 保険の目的に資するものであるということを記載しています。  6頁の(2)比較法的観点から見た労災保険法における義肢等補装具制度の必要性です。 「このように」のところからになりますが、このように労災保険制度においては、産業 災害や職業病等の実情を踏まえて、療養の要否や障害等級を判断し、労災保険給付とと もに、義肢等補装具の支給が実施され、障害の実情を考慮した機動的な対応が可能であ る。さらに、ILOの121条が批准された点が補装具の支給があったからといった点、し たがって労災保険制度が存在する以上、労災保険で義肢等補装具の支給を行うことは当 然であり、また比較法的観点から見ても、労災保険で義肢等補装具を支給するのは当然 であるといった点を記載しています。  (3)障害者自立支援法の補装具費支給制度です。ここでは経済的なところで述べてい て、「したがって」からになりますが、障害者自立支援法とは別に、労災保険法に基づ き実施することにより、産業災害や職業病の実情に応じた新たな支給種目について、被 災労働者が社会復帰の促進をするために必要があれば、障害者自立支援法に先行し機動 的に支給することが可能である。また、被災労働者に支給される義肢等補装具の費用負 担をさせずに、全国統一的な支給制度を運用できるものであるといったこと記載してい ます。  次は、2の義肢等補装具支給制度の役割です。1段落目が重要であると思います。労働 災害又は通勤災害により被災し、一定の後遺障害を残した労働者に対し、傷病の治ゆに 当たって全国統一的な制度として、身体の欠損又は損なわれた身体機能を補完、代替す るなどの義肢その他の補装具を、被災労働者に当該補装具を費用負担させずに支給する ことにより、日常生活における自立を促進し、効果的に社会活動、職業活動への回帰を 図り、もって社会復帰の促進に資するものであるといった点が、今回の第1のところで まとめられているところです。 ○盛合座長 報告書の第1義肢等補装具支給制度の意義及び役割については、我々にと って、非常に重要な内容になると思います。ここに関して、何かご意見、ご質問はござ いますでしょうか。 ○徳弘先生 私は、(財)労災年金福祉協会と一緒に義肢の巡回サービスなどをやって いるわけですが、これは非常にその活動の裏づけとなる貴重な内容だと思います。全国 の労災病院などに、何とかこれを周知して、社会復帰等に関する仕事に当たっている人 々に対して広くこの文書が目に届くようにしていただきたいと思います。 ○川村先生 徳弘先生の考え方に賛成です。この報告書は、労災保険の義肢等補装具の 支給の根拠というか、意義が、はっきりしたということでは被災労働者のために非常に 役に立つと思います。 ○盛合座長 第2の義肢等補装具として支給する種目の基本的考え方について、これは 障害者自立支援法でいう補装具の定義に当たるものです。障害者自立支援法では、補装 具の定義を厳密に規定しているわけですから、そういう意味で、こちらは労災でのバッ クボーンになるものだと思います。  実際に障害者自立支援法の定義を後輩が総合リハにそれを詳しく書いていますが、要 するに補装具を支給するときも、定義が非常に役に立つ。定義に照らし合わせて物事を 決めるということで、徳弘先生もおっしゃいましたが、労災病院の医者に周知徹底すべ き内容だと思います。他に何かご意見、ご質問はございますでしょうか。  では、第1義肢等補装具支給制度の意義及び役割、第2義肢等補装具として支給する 種目の基本的考え方について、義肢等補装具専門家会議報告書(案)のとおりでよろし いでしょうか。 (了承) ○盛合座長 次は、9頁の第3障害者自立支援法における補装具の考え方の変更に伴う 検討です。事務局から説明してください。 ○中村医療専門官 9頁の第3障害者自立支援法における補装具の考え方の変更に伴う 検討です。まずは、障害者自立支援法の施行により、補装具から日常生活用具に変更さ れた「点字器」、「人工喉頭」、「収尿器」、「ストマ用装具」及び「歩行補助つえ(1 本つえのみ)」についてですが、10頁の下から10行目のしたがって以降に記載され ていますように、これら種目を必要とする被災労働者が存在し、その者が社会復帰する ために必要なものであることから、今後とも支給種目とすることが適当であるとしてい ます。また、10頁のイの障害者自立支援法の日常生活用具から補装具に変更された重 度障害者用意思伝達装置については、11頁上から2行目のように、業務災害又は通勤 災害による脳の損傷又は高位の頸髄を損傷する等により、両上下肢の用を全廃又は両上 下肢を亡失し、かつ、言語機能を廃することがあります。このような意思の伝達が困難 な被災労働者の日常生活の自立のためには、自己の意思を介護者等に伝達することがで きる重度障害者用意思伝達装置が必要であることから、義肢等補装具支給制度の支給種 目に重度障害者用意思伝達装置を追加することが適当であるとし、(ア)の支給対象者で は、「両上下肢の用を全廃又は両上下肢を亡失し、かつ、言語機能を廃したことにより、 障害(補償)給付の支給を受けた者又は受けると見込まれる者で、重度障害者用意思伝 達装置によらなければ、意思の伝達が困難な者」を支給対象者とすることが適当である としています。ただし、重度障害者用意思伝達装置を使用する被災労働者が、意思を決 定する能力を明らかに有することが必要であることから、接点式入力装置、帯電式入力 装置、筋電式入力装置、光電式入力装置、呼気式入力装置、圧電素子式入力装置又は画 像処理による眼球注視点検出式入力装置のいずれかにより、自己の明確な意思を入力す ることができる者に限ること、また、重度障害者用意思伝達装置を支給するに当たって は、医師による意見に基づき決定し、機種及びセンサーの選定に当たっても、被災労働 者の症状に応じた医師の意見に基づき行うことを記載しています。  次に、13頁の2障害者自立支援法において新たに追加された車いす、電動車いすの 付随品です。障害者自立支援法において新たに追加された付属品である「ステッキホル ダー」、「泥よけ」、「屋外用キャスター」、「転倒防止用装置」、「クライマーセッ ト」、「フロントサブホイール」、「滑り止めハンドリム」、「キャリパーブレーキ」、 「酸素ボンベ固定装置」「人工呼吸器搭載台」、「栄養パック取り付け用ガートル架」、 「点滴ポール」については、13頁の最後の行になりますが、これら付属品を必要とす る被災労働者にとって、車いす等を安全に安定して使用するために必要な付属品である ことから、付属品を必要とする被災労働者に対しては、支給対象の付属品として認める ことが適当であるとし、14頁、15頁に各付属品の支給要件を記載しています。以上 です。 ○盛合座長 第3の「障害者自立支援法における補装具の考え方の変更に伴う検討」に ついて、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。 ○赤居先生 3頁の2の(2)検討の結果の2行目で、「屋外用キャスター」の次のと ころの「発砲ウレタン」は、「発泡ウレタン」にしてください。 ○中島先生 11頁の(ア)の支給対象者の2つ目の段落で、「ただし、重度障害者用」 から始まる文章ですが、好みの問題なのかもしれませんが、「被災労働者が、」のとこ ろの、助詞がちょっと気になりまして、このままでも通じないわけではないのですが、 しかしながら、最後の一文は「被災労働者とは自己の明確な意思を入力することができ る者に限る」となっているわけですよね。そうすると、最初の文章の「被災労働者が、」 の点があることによって、この「被災労働者が」という主語を受ける動詞が何なのかが、 私だとわかりにくいですね。 ○川村先生 「重度障害者用意思伝達装置を使用する被災労働者」となっていましたけ れども、「意思伝達装置を使用するためには」と、「ためには」を入れれば、もう少し わかりやすくなるのではないでしょうか。 ○中島先生 例えば一案ですと、「ただし重度障害者用意思伝達装置を使用する被災労 働者とは、意思を決定する能力を明らかに有することが確認され、以下同じ」とか、そ ういう表現が可能かとは思いますけれども、ちょっと工夫があったほうがわかりやすい という気もいたしました。 ○盛合座長 これについては、中島先生と相談して、わかりやすく訂正してください。 ○中村医療専門官 はい、わかりました。 ○盛合座長 他に、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。では、第3障害者自 立支援法における補装具の考え方の変更に伴う検討について、義肢等補装具専門家会議 報告書(案)のとおりでよろしいでしょうか。 (了承) ○盛合座長 では、次に進みます。第4の「障害等級認定基準との整合性に係る検討」 です。事務局から説明してください。 ○中村医療専門官 16頁の第4障害等級認定基準との整合性に係る検討です。1の体 幹装具については、先ほど、第3回義肢等補装具専門家会議の検討概要で説明したとお りです。  次に、17頁の2のストマ用装具については、検討をするに当たって、事前に、消化 器外科の専門医である防衛医科大学病院の望月病院長に、ストマ用装具についての意見 を求め、当該意見を踏まえ、18頁のイのとおり、大腸又は小腸に人工肛門を造設した 者、大腸皮膚瘻又は小腸皮膚瘻から腸内容が漏出する者に対して支給することが適当で あるとしています。同じく18頁の3の浣腸器付排便剤についても、検討をするに当た って、事前に、消化器外科の専門医である防衛医科大学病院の望月病院長に、浣腸器付 排便剤についての意見を求め、当該意見を踏まえ、20頁のイのとおり、浣腸器付排便 剤の支給対象者を3級以上のせき髄損傷者に限定するのではなく、せき髄損傷であるか 否かを問わず、障害認定基準で定める排便障害の程度に応じて決定することが適当であ り、浣腸器付排便剤については、「用手摘便を要する状態」又は「1週間に排便が2回 以下の高度な便秘」といった排便障害を有する者に対して支給することが適当であると し、浣腸器付排便剤の支給対象者については、「せき髄損傷又は排便反射を支配する神 経の損傷により、用手摘便を要する状態又は恒常的に1週間に排便が2回以下の高度な 便秘を残すことにより、障害(補償)給付の支給決定を受けた者又は受けると見込まれ る者であって、医師が浣腸器付排便剤の使用の必要があると認めた者」とすることが適 当であるとしています。 ○盛合座長 第4障害等級認定基準との整合性に係る検討について、何かご意見、ご質 問はございますでしょうか。 ○赤居先生 17頁のいちばん下から次の頁の最初のところですが、人工肛門を「増設」 といって「増してつくって」いるのですが。 ○中村医療専門官 すみません、「造設」です。 ○盛合座長 他に、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。では、次に進みます。 第5の「医学的・工学的観点からの見直しに係る検討」です。事務局から説明してくだ さい。 ○中村医療専門官 20頁の第5医学的・工学的観点からの見直しに係る検討です。こ れにつきましては、先ほど、議題1で検討していただいた車いすについて記載すること としており、現在資料を作成していますので、出来次第配付したいと思います。  21頁に電動車いす、22頁の褥瘡予防敷ふとんについては、先ほど、第3回義肢等 補装具専門家会議の検討概要で説明したとおりです。23頁の筋電電動義手についても、 先ほど、第3回義肢等補装具専門家会議の検討概要で説明していますが、この議論は、 様々なご意見があったところでありますので、再度、説明させていただきます。  検討の背景として、昭和54年から実用性についての研究に資するため限定的に支給 を行っていること、原則として両上肢を腕関節以上で失った者を支給対象者にしている こと、支給する本数は1人につき1本とし、その価額はソケット代を含み63万円以下 であり、現在では通常120万円程度するため、現行制度の63万円以下の価格では購 入することは困難であること、装着医療機関を7医療機関に限定していることを記載し ています。23頁の(2)の検討の結果は、1点目にア筋電電動義手をめぐる環境として、 義肢等補装具支給制度は、全国統一的に運営を行い、全国各地において原則として同じ 条件で支給を受けることができるものでありますが、筋電電動義手の装着を行うことが 可能である医療機関及び機器のメンテナンスが可能である義肢製作業者が全国に存在し ない中にあって、筋電電動義手を正式な種目として支給するということは適当ではない こと、2点目にイ筋電電動義手の有効性として、筋電電動義手を使用することが可能で ある両上肢切断者にとって、手の握る機能を代替する筋電電動義手は、職業生活又は社 会生活において非常に有効なものであり、また、片側上肢切断者が筋電電動義手を使用 することにより、職場への復帰を可能とする等の効果が見込まれる可能性は大きいが、 一方で、片側上肢切断者は、健側の上肢により日常生活において自立している事案が多 くみられ、現段階において、片側上肢切断者が継続して筋電電動義手を使用するという 判断は困難であること、3点目にウ両上肢切断者に対する筋電電動義手として、両上肢 切断者にとって筋電電動義手が有効に使用されているという結果において、両上肢切断 者に対する筋電電動義手の研究用支給を継続する意味合いが非常に希薄になっています が、筋電電動義手を正式な種目として支給するということは適当ではないことから、両 上肢を手関節以上で失った者に対しては、現行の研究用支給に替えて、基準外の種目と して支給することが適当であること、4点目にエ支給基準として、筋電電動義手の支給 対象者については、両上肢を手関節以上で失ったことにより、障害(補償)給付を受け た者又は受けると見込まれる者で、(1)手先装置の開閉操作に必要な強さの筋電信号を検 出できる者であること、(2)筋電電動義手を使用するに足る判断力を有している者である こと、(3)筋電電動義手を使用するに足る十分な筋力を有すること、(4)装具を装着するこ とができる断端を有する者であることの要件を全て満たすもの又は1上肢を手関節以上 で失うとともに、他上肢の機能が全廃又はこれに準じた状態になったことにより、障害 (補償)給付を受けた者又は受けると見込まれる者で、先ほどの4つの要件全てを満た す者とすることが適当であること。価格については、ソケット代を含む1本当たりの価 格を設定するのではなく、基準価格として、基本価格、製作要素価格、部品価格を決定 することが適当であること、筋電電動義手の支給を行うための適合判定等を行う医療機 関については、現行の研究用支給のように指定する必要はありませんが、的確に筋電信 号の取出し及び訓練を実施するため、筋電電動義手の適合判定等の経験及び知識を有す る医療機関が行うことが適当であることとしています。5点目にオ片側上肢切断者に対 する筋電電動義手として、片側上肢を手関節以上で失った者の筋電電動義手の効果は、 明らかにあると考えられますが、健側上肢で日常生活が自立し、筋電電動義手の使用を 継続しない者も少なくないことも事実であり、現時点においては、筋電電動義手を必要 とし、継続使用する者を判断することは非常に困難であるとし、したがって以降になり ますが、業務災害又は通勤災害により、片側上肢を手関節以上で失った者に対しては、 年間の支給本数、装着訓練等を行う医療機関を限定した上で、研究用支給を3年間程度 実施し、事案の収集及び分析を行い、どのような条件の下で支給を行うべきか等の検討 をすることが適当であることとし、確実な研究成果が得られるように、指定した医療機 関に対し筋電電動義手に係るレポートの提出を求める等の対応の必要を記載していま す。  先ほど、議題1で検討していただきました車いすの資料が出来上がりましたのでお配 りします。20頁の第5「医学的・工学的観点からの見直しに係る検討」の1車いすに入 る予定にしています。これにつきましても、先ほど説明したとおりですが、(2)検討 結果で、支給対象者は、2つ目の段落、「3カ月以内に症状固定が見込まれる」を削除 しまして、「両上肢の用を全廃又は両下肢を亡失したことにより、療養(補償)給付を 受けている者であって、当該傷病の療養のために通院している者で、傷病が固定した後 においても義足及び下肢装具の使用が不可能であることが明らかであるもの」とするこ とが適当である、といった文面を入れたいと考えています。以上です。 ○赤居先生 24頁の上から3つ目の段落の「義肢等補装具支給制度は云々」なのですが、 私たちの感覚からすると、「筋電電動義手の装着を行うことが可能である医療機関及び 医師、製作業者が全国に存在しない中にあって」というと、どこにもないと取れるから、 「全国的には存在しない中にあって」にしたほうがいいと思います。 ○中村医療専門官 わかりした。 ○赤居先生 同じことが25頁のウにもありますので、「全国に存在しておらず」を「全 国的には存在しておらず」にしたほうがいいと思います。 ○中村医療専門官 わかりました。 ○川村先生 確かにメーカーの出張所が全国的に各都道府県にあるというわけではない ですが、メーカーに確かめましたら、メーカーは日本中どこでも行くというのです。だ から、メーカーは全国にサービスします。それから、メンテナンスのための部品のこと ですが、以前はわざわざドイツから取り寄せたりしていましたが、いまはこちらでスト ックしてあって、その辺も解決しています。だから、全国的に使える体制がメーカー側 では整っているのではないかと思います。 ○盛合座長 この見直しに関しての意見を、まず整理していきたいと思いますが、いか がでしょうか。 ○川村先生 26頁のイですが、「基準価格として、基本価格、製作要素価格、部品価格 を決定することが適当である」とあるのですが、これはどういう意味なのですか。そう いう値段を、これからフレキシブルに決めていいのだということなのか、いままでの63 万円というものではなくて実情に応じて決めますという意味があるのか、どういう意味 なのですか。 ○中村医療専門官 これはいままでの研究用支給ですと、ソケット代を含めて63万円、 で、トータルで63万円ということとしていました。いま我々が支給している義肢につい ては、基本価格等の3つの価格を合わせて支給しています。筋電電動義手においても、 ハンドの値段が種類等によって違うといったことで、63万円とか、120万円という一括 した値段設定でなくて、部品の価格を決定しましょうという意味です。現在支給してい る義肢と同じ考え方です。 ○川村先生 障害者自立支援法では、筋電電動義手の価格が書いていないのですね。 ○中村医療専門官 完成用部品として書いてあります。 ○川村先生 そうすると、それに準じると考えたらいいわけですね。 ○中村医療専門官 値段設定の考え方としては準じるということでいいと思います。 ○盛合座長 他に、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。 ○木村先生 24頁のイ筋電電動義手の有効性に関してのアンケート調査のことですが、 これは資料4のことだと思いますが、いつ、どこでやった調査なのかを資料4に記入す る、又は本文に記入する必要があると思います。それが1点です。  もう1つは、本文の何先生の意見とはどの資料を引用しているのか、例えば資料1と か、記入したほうが親切だと思います。 ○盛合座長 その筋電電動義手についてございますか。川村先生、支給基準の問題はよ ろしいでしょうか。 ○川村先生 片側切断者でいいということですか。 ○中村医療専門官 片側切断者につきましては、研究用支給ということで、3年程度本 数を限定した上でやりましょうということです。 ○川村先生 片側切断者は研究用給付ですね。 ○中村医療専門官 そうです。 ○盛合座長 先生が前からおっしゃっていた片側切断者にも、筋電電動義手を支給しよ うというのがやっと出発したのです。 ○赤居先生 それが意味を持つかは、今後の3年間のレポートの集積具合で決まるとい うことです。 ○高見先生 例えば26頁の真ん中から少し下の辺りの、年間の支給本数とか、装着訓練 などを行う医療機関、当然義肢装具製作者も絡んできますが、こういうものは手法も含 めて、何か線引きというか、共通の認識でもって支給できる要件が要るのではないでし ょうか。 ○中村医療専門官 ある程度の共通認識というか、我々の今回の研究用支給の目的が達 成できる機関でなければならないのが前提で、その前提なくして研究用支給はできない ので、そこの基準は考えなければいけないと思います。 ○高見先生 そういう意味からいけば、例えば作業部会を別に設けて、これの実施に向 けてやっていくべきではないかと思うのですが。 ○中村医療専門官 我々としても細かく詰めなければいけないと考えています。そこは ある程度行政のほうで考えていきたいと思いますが、必要に応じて個別に先生方にお聞 きすることはあると思いますので、そのときはまたよろしくお願いしたいと考えており ます。 ○川村先生 ということは作業部会はつくらないということですか。 ○中村医療専門官 はい。 ○盛合座長 他に、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。では、次に進みます。 第6の「義肢等補装具専門家会議として検討すべき今後の課題等」、第7の「その他」 です。事務局から説明してください。 ○中村医療専門官 26頁の第6義肢等補装具専門家会議として検討すべき今後の課題 等です。2点記載しています。1点目が、適切な性能を有する義肢の支給についてであ り、これは前回の会議で木村先生から意見があったもので、支給している義肢、特に義 足においては、部品の性能に応じ、価格差が大きいが、義肢の支給状況を見ると、障害 の状況等に応じた適切な性能の義肢が支給されていない場合もあります。そのため、被 災労働者に対し必要な性能の義肢を支給するため、義肢の部品ごとに、的確に支給対象 者を判断することが可能である支給基準を策定するための検討を行う必要があること、 2点目は、義肢等補装具専門家会議の開催についてであり、これは徳弘先生からの意見 でしたが、今後は、3年に1回程度は、義肢等補装具専門家会議の開催を行うことが望 まれることを記載しています。  第7その他です。2点記載しています。1点目が、基準外支給についてであり、基準 外支給の考え方が何もなかったことから整理したものです。支給基準及び修理基準は、 現在の医学的・工学的知見に基づいて、一定の障害に該当する場合には、義肢等補装具 の支給等を行うことが一般的に妥当であるという観点から基準を設定しているものであ り、支給基準又は修理基準を満たさない場合であっても、二つの要件のいずれも満たす ときは、必要に応じ、個別事案ごとに基準外として支給すべきか判断することが適当で あるとし、その要件は、義肢等補装具が被災労働者の障害の状態に対し効果が明らかに 見込まれること、被災労働者が就労するために、又は社会生活を送るために、義肢等補 装具を身体に装着又は使用することが必要不可欠であると認められることとしていま す。2点目が、その他についてであり、前回の会議で徳弘先生からのご意見でしたが、 義肢等補装具の支給又は修理について、申請してから支給あるいは修理されるまでの間、 長い期間を要している場合があることから、申請者に早く支給されるように改善を図る ことを記載しています。30頁以降は資料として、6点を載せています。以上です。 ○盛合座長 第6の「義肢等補装具専門家会議として検討すべき今後の課題等」、第7 の「その他」何かご意見、ご質問はございますでしょうか。 ○川村先生 いままでは、労災の場合は基準外支給という考え方があまりはっきりして いなかったのですね。 ○神保課長補佐 どういう考え方で基準外支給をするのかというのが、必ずしも明らか でなかったものですから、支給種目に合わせてこちらをまとめさせていただいたという ことです。 ○川村先生 障害者自立支援法では、基準外支給というのは割合はっきりしていました よね。基準外支給という言葉の意味から、我々はこのようなものかなと思っているわけ ですけれども。基準外支給というときは「何か」をはっきりさせてもらいたいというこ とですね。 ○神保課長補佐 そうですね。 ○盛合座長 障害者自立支援法では「基準外交付」という言葉がなくなって、「特例補 装具」となっていますが、障害者自立支援法の基準というのは「補装具」で、こちらの ほうの基準というのは何を指すのですか。 ○中村医療専門官 ここでいう基準外支給というのは、支給基準、例えば支給対象者、 部品を定めているもの、それから修理基準、これは修理の中身を定めているものですが、 その基準のことを言っております。 ○徳弘先生 第7の「その他」ですが、ここは期間のことを書いています。何年か前に (財)労災年金福祉協会がアンケートをとったところによると、2つ不満がありまして、 1つは期間で、修理に出してもなかなか出来てこない。新たなものを申請しても完成し たものが出来てこないということです。  もう1つは、必ずしも適合がよくないものを与えられるということです。例えば大腿 義足などはソケットの調整が難しいため、必ずしも合っていない。痛い義足が与えられ るというアンケートがありました。したがって、期間と、もう1つ正確な適合を是非と もここに盛り込んでいただけたらと思います。支給した義肢の費用対効果ということか らいうと、適合ということは、重要であり、そういう文言を盛り込んでいただければと 思います。 ○川村先生 「長い期間を要している場合があること」にプラス、「不完全な適合のも のがある」とか、そういうニュアンスのことですね。 ○徳弘先生 非常にデリケートな表現になりますので、「必ずしも適合に満足できない ものがある」とか、そういうことではないかと思うのです。 ○明治補償課長 それはどちらかというと、第7のその他ではなくて、次回以降のこの 専門家会議において、検討していただく大きな問題だと思いますので、第6の義肢等補 装具専門家会議として検討すべき今後の課題等に入るテーマとして書いていただいた方 がよいと思います。第7のその他は、事務手続きとして、外部の指摘もあるぐらいです から、そういうところを直すべきではないかということを確認させていただいたところ です。先生のおっしゃるような点でしたら、是非次回以降のこの専門家会議において、 どうあるべきかをご議論いただけるとありがたいと思います。それでよろしいでしょう か。 ○徳弘先生 そうしていただければ非常にいいと思います。ありがとうございます。 ○盛合座長 他に、何かご意見、ご質問はございますでしょうか。 ○徳弘先生 現場で仕事をしておりますと、筋電電動義手のことは見えにくいというか、 いろいろな神話、伝説、誤解があり、そういう分野だと思うのですが、この報告書は公 開してよろしいものなのでしょうか。 ○明治補償課長 公開しても結構です。 ○徳弘先生 公開されたら、例えば、義肢装具学会誌やリハ学会誌がよいのかわかりま せんが、皆さんがたくさん見るもの。インターネットは非常に大事なチャンネルですが、 みんなが見るとは限りません。それよりも学会誌なら、もう少し広く専門家に読んでい ただけると。そういうところに、こういう議論があるんだと。ここに出てきている結論 というのは、全然不合理なものではありませんし、ステップを踏んで一歩踏み出したと いうことで、非常に価値があるものだと思います。周知する上では、非常にいい機会で はないかと思います。筋電電動義手の労災における位置づけというのは、読んだ人はわ かると思うのです。何かそういうことを考えていくほうがいいのではないかと思います。 ○盛合座長 確かに先生のおっしゃるとおりです。せっかく非常にいいことを決めたの だから、それを徹底してもらって、有効に、役に立つことが着実になされていれば伸び ていってくれると思います。 ○徳弘先生 最初にまとめているなぜ労災の補装具給付が必要なのかということとか、 こういうことは非常に大事な情報だと思いますので、どうやってこういうことに携わる 人に周知していくか、あるいは知っていただくかということを考える必要があるかと思 います。 ○盛合座長 ただ、これはどの段階から公表してよろしいのですか。 ○中村医療専門官 報告書は確定すれば、オープンになると思います。 ○盛合座長 いろいろ決めるのは春頃と。 ○中村医療専門官 実際にこれを使ってどう運用するのかというと、通達が必要なので、 それが出来上がるのはちょっと時間がかかりますが。 ○徳弘先生 通達が出るまでどのくらいを見込まれるのですか。 ○明治補償課長 大体年度内と考えております。 ○盛合座長 通達が出る前に公表するのもいかがなものかという気がしますが。 ○明治補償課長 報告書が確定してから通達を発出するまでの間に、予算的な手当てを しなければならない部分も含まれていますので、財務省にも説明をして、予算をいただ いた上でスタートとなるかと思います。いますぐということではなくと思っております。 ○盛合座長 あとございませんか。先生方からの意見のあった項目については、事務局 で報告書を修正していただくということです。修正意見がありましたが、趣旨を変える ということではないので、先生方のご同意が得られれば、座長に一任していただくとい うことで、よろしくお願いいたします。 (了承) ○盛合座長 ありがとうございます。これで専門家会議を終了します。平成11年から8 年間そのままだったので、3人は、以前の会議にいたわけですから、それを何とか、特 に筋電電動義手について少し進歩させていただいて、我々としても非常に満足していま す。ご協力ありがとうございました。御礼申し上げます。 ○神保課長補佐 ありがとうございました。義肢等補装具専門家会議の終了に当たりま して、補償課長から一言ご挨拶を申し上げます。 ○明治補償課長 どうもありがとうございました。本会議の終了に当たりまして、一言 御礼の挨拶を申し上げます。盛合座長をはじめ、本会議にご参集いただきました先生方 におかれましては、大変お忙しい中、実に精力的にご議論、ご検討をいただいたところ でございまして、また、本日こうして報告書についても取りまとめをいただいたという ことでございます。心より感謝を申し上げます。  振り返りますと、7月27日、ちょうど暑い頃でございましたが、第1回の会議を開催 いたしましてから、本日でちょうど3カ月目ということでございます。こうした短い期 間に集中的に、かつ、効率的にご検討をいただいた結果、お陰様をもちまして、予定し ていた課題すべて終了することができました。これもひとえに先生方のご指導とご協力 の賜と考えております。  第1回の会議において申し上げましたように、今回の会議の目的は、労災保険におけ る義肢等補装具支給制度の措置内容が最新の医学及び技術水準に適合したものとなるよ うに、また、制度全体を通してその整合性が図られるように全般的な見直しを行ってい ただくというところにございました。  盛合座長をはじめ、各先生方におかれましては、この会議の目的を十分にご理解をい ただきまして、最新の医学及び技術水準に基づきながら制度全体として整合性のとれた 報告書を取りまとめていただいたと思っております。  また、労災保険における義肢等補装具支給制度の意義と役割ということにつきまして も、法律の専門家からの意見も踏まえて、この専門家会議として明確に整理をしていた だくとともに、義肢等補装具として支給いたします「種目」の基本的な考え方につきま しても、取りまとめをいただいたところでございます。  私どもといたしましては、この報告書を踏まえまして、今後財務省との予算折衝等を 経て、通達の改正作業を行い、国会において平成20年度予算成立後、通達を発出する ということにしておりますが、いずれこの報告書は、都道府県労働局又は労働基準監督 署において、義肢等補装具支給制度の基本となる考え方、拠り所として大きな影響をも って運用されていくことになると認識をしているところでございます。  本日をもちまして、この専門家会議は終了いたすわけでございますが、ご参集いただ きました各先生方におかれましては、引き続き労災補償行政に対するご指導、ご協力を 賜りますようお願いを申し上げまして、甚だ簡単ではございますが、本会議の終了に当 たっての挨拶とさせていただきたいと思います。本当にありがとうございました。 (照会先) 厚生労働省労働基準局労災補償部補償課医事係 TEL 03−5253−1111(代)内線5565 FAX 03−3502−6488 - 1 -