07/10/26 第2回救急医療用ヘリコプターの導入促進に係る諸課題に関する検討会の議事録について 第2回救急医療用ヘリコプターの導入促進に係る諸課題に関する検討会          日時 平成19年10月26日(金)          15:00〜          場所 経済産業省別館1014号室 ○ 佐々木補佐   定刻になりましたので、ただいまから第2回救急医療用ヘリコプターの導入促進に係 る諸課題に関する検討会を開催いたします。メンバーの皆様におかれましては、ご多忙 中のところ、また足下が悪いところご出席いただきまして誠にありがとうございます。  日本医師会の先生がまだお見えになっておられませんけれども、先に会議を進行させ ていただきたいと思います。  会議を始めるに当たりまして、まず最初に当課、指導課長の佐藤よりご挨拶を申し上 げます。 ○ 佐藤指導課長   第2回目の救急医療用のヘリコプターの導入促進ということですが、足下のお悪い中 お集まりいただきましてありがとうございます。第1回目でもご挨拶は申し上げたとこ ろでございますけれども、島崎修次先生他1回目にご欠席の方もおられましたので、改 めてご挨拶をさせていただくしだいです。ドクターヘリ法案が成立しましてから、諸課 題に関して検討会を開催しないといけないということで、場をもたせていただいている ところでございます。第1回目の冒頭にも申し上げましたが、「諸課題」と書いており ますが、ヘリコプターを巡る問題というのは沢山あるわけでございます。実はこの検討 会に関する限り、最も重要な部分というのは、今日実は議題としてお願いをしようとし ているところでございまして、助成金交付事業を担う法人制度に係る論点、あるいは助 成金の交付を担う法人の在り方がポイントになるわけですけれども、その部分というの は、法律の中である程度スケジュールが決まっていたという分野でございます。したが いまして諸課題についてご議論いただくということでは変わらないわけですが、ある程 度スケジュールが決まって一定の期間内にお答えをいただかなければいけない部分がご ざいます。そういう意味で実は第1回目との関係で申しますと、大変熱心にご議論いた だいたんですが、直接お答えするようなかたちで、第2回目がセットされているかとい うと少し不安のところもございます。どちらかといいますと、ややスケジュール感を重 視いたしまして早めにお答えをまとめて、決めていただきたいところを中心に優先順位 を付けまして、ご議論をいただいております。  ですからそうした議論が過ぎました後に改めて、救急医療用ヘリコプターの導入に係 る本質的な議論をお進めいただきたいと思います。そういう意味では、次回以降も時間 は確保しておりますので、前半の進め方につきましては、ある程度スケジュールが決ま っているものと申しますか、急いでご議論いただきたい。いずれにいたしましても、短 い時間ではございますが、どうぞご熱心にご討議いただきますようお願いをいたしまし て、挨拶にかえさせていただきます。 ○ 佐々木補佐   それでは引き続きまして、資料の説明を先にさせていただきたいと思います。本日の 資料は、お手元の議事次第をご確認いただけたらおわかりになると思いますけれども、 資料1から資料7まで、本日の議論にそったかたちで用意させていただいたところでご ざいます。  併せまして本日平田委員の方から、福岡県のドクターヘリ共同運行について、お話を 予定しておりまして、再びお手元に資料を用意させていただいております。  特別には説明はいたしませんけれども、本日より、埼玉県でドクターヘリが就航した と。これで11道県目ということになるわけですけれども。そういうことで埼玉県の提出 資料を併せて添付しておりますので参考までに。  また、第1回と同様で参考的なものとして、「基本資料集」という形で冊子を用意し ました。資料の欠落等がございましたら、ご指摘いただけたらと思いますが、よろしい でしょうか。なお、写真撮影等につきましては、以上にさせていただきますのでご協力 お願いいたします。  いま石井先生がお見えになられましたので、本日はこの検討会のメンバー全員の方に 出席いただいたということでございます。ありがとうございます。議事に入ります前に 本検討会メンバーの皆様のうち第1回、前回欠席された方について、改めてご紹介させ ていただきます。アイウエオ順で申し上げます。帝京平成大学教授の小林國男委員です。 杏林大学救急医学教室教授の島崎修次委員です。  それでは以降進行につきましては、座長の山本先生にお願いいたします。 ○ 座長(山本)   ありがとうございました。それでは議事に入りたいと思います。前回第1回課長から のお話もありましたが、8月23日に第1回の検討会が開催されまして、2カ月以上経っ ておりまして、少し前回の議事録を思い出して確認をさせていただきたいところを含め てお願いしたいと思います。 ○ 佐々木補佐   それでは事務局の方から資料1に基づきまして説明を申し上げます。  第1回救急医療ヘリコプターの導入促進に係る諸課題に関する検討会の議事概要を用 意しているところでございます。この本体の議事録につきましては、別途皆様方にすで に確認をいただいているところでございまして、現在省内でホームページアップのため の手続中に入っています。  今回その中で、主だった意見につきまして、議事概要という形でまとめております。 大きく項目としてはドクターヘリの全国的配備という観点と、助成金交付事業を担う法 人制度について、いろいろとご意見を賜ったと承知しております。  前者につきましては、まずドクターヘリの整備目標というのはある程度自治体の判断 に委ねられている点、ただ一方で地方自治体は財政難にある状況のなかで、あるものは 何でも有効に使うということで、全国に行き渡っていくのが現実ではないかという意見 もあったと思います。  ドクターヘリの導入にあたっては、財源の問題だけではなくそのシステムを支えるだ けの人員の確保が、重要だという意見もいただいていると承知しております。  後段の助成金交付事業を担う法人制度につきましては、わが国では初めての試みにさ れる制度、枠組みだということでございます。夢のある話だというような指摘をいただ いたと思います。あまり最初から細かく法人の規定を設けるのは如何かという意見があ ったかと思います。  あとは基金に寄付を行う者の立場からして、それ相当な内容の事業であったらという 意見があったかと思います。  その他の事項で述べておりますが、健康保険等の適用については、中医協で検討する と。この検討会の設置要項にもここでは扱わないと示してございますけれども、改めて 確認いただいたところです。簡単でございますけれども以上です。 ○ 座長  ありがとうございます。いかがでしょうか、この議題につきまして加筆、訂正等があ りましたらお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。あるいはあとでも結構でござ いますので、何かございましたら事務局の方にお願いしたいと思いますが。それでよろ しいですか。                   (異議なし) ○ 座長  ありがとうございました。それでは事務局だけでも、「あるものは何でも使うという ことぜ」、ぜとでが間違っていますね。 ○ 佐々木補佐  失礼いたしました。ぜをでに替えさせていただきます。 ○ 座長  それでは議題の1のところに移っていきたいと思います。「基本方針の改定につい て」、まず事務局から報告をお願いします。 ○ 佐々木補佐  では事務局から基本方針の改定につきまして報告を申し上げます。お手元の基本資料 集、別途の冊子になっているものですが、そちらの9頁をお開きください。こちらにつ きましては第1回前回の検討会でも簡単に触れましたけれども、いわゆる医療提供体制 の確保に関する基本方針は、本年3月30日に告示されているところでございます。これ はいわゆる医療法の改正におきまして医療計画を新しく都道府県で作成していただく上 での基本となるだろうということです。3月公布し、今般のドクターヘリ法の成立に伴 い、一部の改正を行いました。その改正の内容につきましては、その後10頁、11頁の 新旧対象表を提示されたと思います。  押え的に申しますと、改正の内容といたしましては、基本的に法律の成立に伴いまし て、要望等の整理をさせていただいたのが1点。法の成立に際しまして、国会での審議 を踏まえまして特にいちばん最後の件でございますが、「メディカルコントロール体制 の一層の充実・強化」といったところが非常に審議の中で指摘いただいたところでござ いますので、改めまして付け加えたというところが大きな点でございます。本改正につ きましては、7月25日にパブリックコメントをかけさせていただきまして、その後1カ月 間コメントを募集させていただきましたところ、特段ご意見もなかったというところで ございますので、一応この改正案、このままで現在省内にいって公布に向けた手続きを させていただいているところでございます。早ければ来月の上旬中には、改正案を示す ことができるのではないかと思っております。簡単ではございますけれども、基本方針 の改定につきましては以上でございます。 ○ 座長  ありがとうございます。いかがでしょうか、いま11頁で基本方針の改正案について説 明いただきましたけれども、どうぞご質問等がありましたらお願いしたいと思います。 よろしゅうございますか。 (異議なし) ○ 座長  もう皆さんご存じのようですので、支障がないようですのでこのぐらいにさせていた だきます。その次に入って行きたいと思います。  それでは議題の2の方に移りたいと思います。助成金交付事業を担う法人をどういう ふうに考えるのかという法人制度についてであります。論点として2つに分けて考えさ せていただきたいと思っております。2つというのは即ち1つ、助成金交付事業の項目 を何とするか。2番目ですが助成金交付事業を行う法人に関する問題。特に基準等々で あります。まず前者のどういう項目があるのかというところから事務局から説明をいた だきまして、議論をしていきたいと思います。事務局どうぞ。 ○ 佐々木補佐  まず最初に個別の論点に入る前に、事務局の方からこの助成金交付事業制度のあらま しについて、簡単に説明をさせていただきます。  お手元の資料3をお開きください。こちらは横紙になっておりまして、簡単なポンチ 絵です。要はドクターヘリ、法律のほうで規定されているものを、ポンチ絵風に焼き直 したものです。助成金交付事業を行う法人を真ん中にすえて枝葉をつけた形です。その 中に基金というものが設置されると。構造としましては、この基金に対しまして民間団 体または個人です。いわゆる都道府県は除くということですが、それ以外の団体または 個人から寄付が投入されまして、基金構成を行う。この基金からいわゆる助成金交付が なされる構成になっております。因みにこの助成金交付の対象というのは、救命救急セ ンターの開設者、いわゆるドクターヘリ事業を自主的に実施する自治体という形になり ます。併せて助成金の流れとは別に左側の流れですが、都道府県からの補助、都道府県 の補助に対しまして、2分の1の補助率ですが、国からの補助という形の金の流れがある ということです。  少し目を上のほうに転じていただきまして、厚生労働大臣と法人との関係ですが、左 上の枠囲いがありますように、まず法人というものは営利を目的としないものだと。全 国的に適正かつ確実にこの交付事業の実施をするんだと法律が定められておりまして、 その上で厚生労働省令の基準というものを定めて行くと。その基準に合致する法人につ いては手上げで申請できましていわゆる登録制度という形を作っているという状況です。  併せてこの大臣からこの法人に対しまして、必要の限度において業務や経理の状況に 関します報告や資料の提出を求めることができると。また必要な指導、助言、場合によ っては登録の抹消ということも行われるという形で法律上整理されています。具体的に は、基本資料集ですが、これの1、2、3頁と法律が掲載をされておりますけれども、そ のうち3頁にあります法律で申し上げますと、10条それから11条といった辺りを規定し ていれば十分でございます。また確認をいただけたらと思います。  厚生労働省令で定めるべき基準としては、少しまた戻りますけれども、この助成金交 付事業を行う法人の基金そのものに関する基準が必要だということ。その下の矢印、助 成金交付事業の内容そのものですね。これも省令で定めていくんだと。以上大きく3つ につきまして省令で定める必要があろうかと思います。  重要な事項と言いたかったと思いますけれど、団体または個人から定められる寄付行 為に対しまして、税制上の措置が当然望ましいというわけで、これにつきましては、ま た後ほど説明を申し上げますけれども、当省につきまして現在財務当局に要望中である という状況です。  スケジュール感ですが、続きまして資料4をお開きください。これも横紙の図です。 現在第2回の検討会ということでありまして、この少し10月が書いてありませんが8 月と12月の真ん中辺りに位置します。これから数回程度の開催を考えたいと思っており ますけれども、この法人の制度施行というのが、先ほどの法律で申し上げますと附則 1条の但し書き、基本資料集でいいますと4頁になります。そこに書いてありますように 本法の施行から1年以内に施行すると定めているところです。欲を言えば理想的には年 度当初から初めたほうがいいのかなと、事務局的には平成20年度からこの制度が、とに かく制度の枠組みは作られているのが望ましいと考えております。それに向けて政省に、 必要な政省令の手続き、各種関係通知の準備を作っていくと。併せて税制協議というも のを始めておりスケジュールを進めて行きたいと思っています。実際にその法人の登録 があって助成金交付事業がスタートするなら、4月からスタートできるかどうかは、今 後の課題かといえるかと思います。  以上が助成金交付事業の大まかな概念及び今後のスケジュールかと思いますけれども。 ○ 座長   ありがとうございました。いかがですか。いま事務局から交付事業の大体の概要、概 念図、スケジュール等のご説明をいただきましたが、これに関して、どこからでも結構 ですので、ご質議等をお願いします。 ○ 平田委員  前回の1回目の質問ともちょっとダブるのですが、いまお示しになった初期投資のと ころはちょっと別かもしれませんが、運航支援事業に対して助成することになった時に、 いま補助金で出しているものとほとんど完全にダブってしまうことになるわけですが、 そこの部分の仕分けは可能なのでしょうか。 ○ 佐々木補佐  ご指摘ありがとうございます。本日は、仕分けの部分というのは、特段議論中心とい うことではなくて、今日は、このあと、事業の内容をまず、本当にこの制度のある、な しにかかわらず、助成金の対象として広くご議論いただきたいと考えています。  前回ご指摘いただいた点について申し上げますと、こちらの技術等の整備ですが、こ れはご指摘どおりそれほどでもないかもしれません。これについては、財務当局、総務 省の担当部局とかで協議をさせていただきたいと思いますが、少なくともちょっと申し 上げられるのは、もし助成金が、例えば都道府県の負担を減らすような形で投入される 場合、要は、補助金が減額できるような事態が発生すれば、法律上は、あくまで国は都 道府県の補助に対して2分の1補助するという形になっておりますので、国からの補助 額も減ることが考えられます。 ○ 指導課長  簡単に申し上げますと、理想的には、やれるならやったほうがいいし、そこをやりた いと思って、いま平田委員がおっしゃったようなことが整理できないかなと思って議論 してみたのですが、補助の仕組みだけで申しますと、現行の補助の仕組みというのは、 必ずしもその辺明確でない部分があって、今日のこの時点においては分けられませんで した。  2つ目は、佐々木が言い掛けました話は、もともとこのドクターヘリの法案にかかわ られた多くの関係者の皆様のご意見は、それはそれとして、少なくとも都道府県の拠出 分と言いますか、それを減らしたいというのが思いだったようです。  その2点について、その2点とも、今日のこの日に至るまで、いくつか議論をしまし たが、実は、なかなか難しいというのが現状です。ただ、難しいその話が議論されなけ れば、この話が進まないという考えもあるかもしれませんが、その難しい話を今日して おりますと、後段の話になかなか進まないものですから、実は、私が冒頭に挨拶をさせ ていただきましたこととも関係があるのですが、先送りにするということではありませ んが、少しお時間を頂戴しまして、次回以降、じゃあ、果たしてどの部分が、これまで の国費減費の補助の部分であり、この部分が助成金交付事業の対象です、この項目です というのが明示できるのかどうかも含めて、次回以降にお示ししたいと思っております。 ○ 座長   平田委員、いまのは、お分かりになって質問したのですね。安川先生、どうぞ。 ○ 安川委員   この特別措置法の国会審議の過程で、厚生労働省の局長さんが、現行の補助金の枠組 みは、たしか変えないというような答弁をされてるかと思いますので、そのスタンスは 未だもってまだ変わってないということですか。 ○ 指導課長  枠組みは変えないのですけれども、全くもう微塵も変えないという変えないもあれば、 枠組みは残したまま、細かい部分で、うまく動くように変更、いい意味で変更するとい うことはあり得るのではないでしょうか。全くもう、法律が成立したのに、いまの要綱 なり補助の仕組みを全くびた一文変えないということではないのだろうと思います。 ○ 座長  微妙なところですが、よろしいですか。どうぞ、どこからでも結構です。2、3、4の 特にいま対象事業というのは、どういう項目なのかも含めて、どうぞ。 ○ 石井委員  この資料2に見ますように、どういうものを対象にするかという話は、前回も出てい ましたし、さまざまなものがあり得ると思うのです。これはものすごくお金のかかるも のから、何かを借りて運営に当てるとか、いろいろなことを考えると、それはそれで、 お金の問題ではない問題まで含めて、結構分かっていると思います。  ですから、これでもし足りないものがあるかどうか、大きなもので抜けているものが あるかどうかを皆さんの目で一回見ていただいて、抜けてないのであれば、じゃあ、次 にどうしようかという話にしたほうが話は進むのではないかと思います。 ○ 座長  これは前回の議事録等々からの抜粋もあるわけですが、それを含めてもう少し抜けて いるものがあるのではないか、という視点から書いていただきたいのですが、石井委員 から、同じように、これを書いた目的、あるいは事務局で何をいちばん求めているのか という、その辺はいかがでしょうか。 ○ 佐々木補佐  2点、最初に併せてご説明ということで、いまの石井先生へのご指摘に対する回答に 代えさせていただきたいと思います。  資料2、「助成金交付事業を担う法人制度に係る論点」をお開きください。ここの論 点としては、対象の項目としてどのようなものが考えられるかということで、非常にば くっと、さらっと書かせていただきました。本日、この論点についてのご議論は、事務 局としては、特にこの場で直ちに何か決めていただくというよりは、むしろ、この項目 案をもとに、自由なご議論をいただきたいと考えています。その中で、もし補足事項と かがありましたら、それは適宜ご指摘等をいただけたらと考えています。  ただ、基本的な考え方を簡単に触れさせていただいていますが、その基金が、正直言 うと、事務局も、規模、時期、なかなか予測できないところもあります。そういう関係 もありまして、この事業の項目については列挙する形で用意させていただきながら、法 人が、その基金の規模、又は自由な意思によって、事業内容を選択するという形がよい のではという形を提案させていただいています。  実際の事業の項目案は、先ほどちょっと平田委員からご指摘がありましたとおり、こ こでは、補助金の対象、対象でない、いろいろな整理をさせていただくべきだったとい うことがあるかもしれませんが、なかなか容易でないということがあって、むしろ、こ こではドクターヘリの運航に資するという観点から幅広い項目を列挙させていただきま したので、その旨ご承知おきいただけたらと思います。  事業の項目は、大きく5点挙げさせていただいています。最初に、初期投資事業です が、いわゆるヘリコプター確保です。これには、ヘリコプターそのものを購入する話と か、改造する話です。現行の事業は概ねそうなのですが、リースを取っている形がある と思います。  インフラ整備、ヘリポート整備、場合によっては給油先の給油のためのヘリポートの 確保があり得ると思います。あと、運航指令室の設営や搭載機器、医療機器、無線機器 に必要なものが事業として挙げられると思います。  2点目が、運航そのものです。支援する事業として運航支援事業ですが、いわゆる燃 油代等の運航費、狭義の意味での運航費ですね、それから医療従事者や操縦士、整備士 等の人件費です。ヘリのメンテ費用、医療材料等の各消耗品等、運航指令室のいわゆる 維持費といったものが挙げられるかと考えています。  次の頁をお開きいただきますと、3点目ですが、運航そのものを支援するわけではあ りませんが、その円滑化を図る、いわゆる環境整備と言いましょうか、そういった事業 です。実際いま設置されている運営委員会の会議費とか、医師や操縦士等に対して、ド クターヘリに対する知見を深めてもらうための研修費用、搭乗員の被服費、損保費とい ったものが挙げられるかと思います。  4点目として、いわゆる研究事業です。例えばGPSを用いた運航の研究とか関連する かもしれませんが、夜間飛行の安全に対して検証する研究が挙げられるかと思います。  5点目は、普及啓発事業として、地域住民への普及啓発例えばヘリがこんな形で飛び ます、ランディングポイントはこんなところです。高速道路ではこういったところに降 りますといったような形で、普及啓発をお願いするとともに、騒音等に対するご理解を お願いするといったようなことが挙げられると思います。  そういった形で、ここは、どちらかというと例示的に列挙させていただいていますの で、むしろ先生方にご自由にご議論いただきたいと思っています。以上です。 ○ 座長  いま、論点整理をいただきましたが、いかがでしょうか。ベーシックと言うのですか、 基本的なものは何か、あるいは選択して、もう少し研究あるいは教育、あるいは「その 他」のところは何かというような、ここだけは必須なんだよ、ここはもうちょっと応用 問題としてというような考え方も必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。私 は、そうなると、この(3)まではもう非常にベーシックなところが出ていて、(4) (5)あたりから、先生方とディスカッションをされたほうがいいのではないかという のがずらずらといっぱい出てくるといいという気がいたします。 ○ 小林委員  細かい点で恐縮ですが、先ほどの基本方針の一部改正のところに出てきましたメディ カルコントロールに関連して、検証等の作業が必要になってくるのではないかと思いま すが、その検証作業等にかかる費用等はどこかに折り込み済みなのでしょうか。 ○ 座長  いかがでしょうか、事務局。 ○ 佐々木補佐  ご指摘のとおりと思います。 ○ 座長  どんどんそういう意見をいただきたいと思っております。6番目にMCに関する諸費用 みたいな形で事後検証とか講師研修とか、何かここでまたすすっと出てくるとありがた いと思います。それでよろしいですね。 (了承) ○ 安川委員   この研究事業以降の話でなくて、1か2の話ですが、2、3点ちょっと申し上げたいの は、予備機の話で、1年間365日運航しますが、実際はヘリコプターは1カ月半ぐらい 飛べません。耐空検査、いわゆる車検に相当するものですが、故障して修理する場合、 定期点検、故障して修理しようとしたのですが、部品が来ないで待っている時間とか、 いろいろこういうのを合わせると、1月半ぐらい飛べない期間がありまして、そのため に、予備機を別に1機確保する必要があります。  北海道や北のほうでは、特に、雪が積ったりすると結構大変ですので、格納庫、ハン ガーの費用とか、給油にしても、ドラム缶をヘリの脇に置いておくわけにもちょっとい かないこともありますので、そういうものがまずあります。  クルー、操縦士と整備士は特に機体の近くにいないとまずいので、待機室を確保する 費用とか、いろいろ例示としては、もうちょっとあるのかなという気がしています。 ○ 座長  そうすると、いまの先生の予備機の問題は、運航支援事業の中に入れたほうがという ことですか。 ○ 安川委員  初期投資か運航支援か、何かその辺で。 ○ 座長  予備機の確保ですね。分かりました。ありがとうございます。それから、待機場所の 問題も。 ○ 安川委員  格納庫と。強いて言えば、医療無線とか、言い出すとちょっと切りがないので、ちょ っと止めます。 ○ 座長  待期室、格納庫ですね。 ○ 安川委員  給油施設と。 ○ 座長  給油施設も必要だということですか。そういうことで結構ですので、お願いしたいと 思います。 ○ 岡田委員  (2)の「運航支援事業」の中に入ると思いますが、ヘリコプターの離発着によって 起こした損害の補償費は、いま保険でやっていますが、運航会社の負担になっているの で、実際にドイツなどはちゃんと専用の補償費が別に計上されているみたいですから、 そういう運航に対する、損保費そういったものがあったほうがいいかなと思います。 ○ 座長  運航に関してのいろいろな補償費ですね。いろいろな補償がありますね。それと、ガ ラスが割れてしまったとかいう損害費ですね。  ほかに、どうぞ。どこからでも結構です。 ○ 島崎委員  ドクターヘリ運用に伴うドクターのマンパワーの確保はどうなっているのでしょうか。 いまのところ、この医療従事者に人件費を払うということですね、ドクターヘリに乗っ たものに。そうではなしに、多くは救命センターを中心にして、現場で働いておられる 人たちがドクターヘリに乗ることが多いわけです。そうすると、それに伴うマンパワー の増員とかにかかわるところは、何かディスカッションされたのでしょうか。 ○ 佐々木補佐  一応、医師等必要な人員の確保は、まず一義的には、人件費という形で整理されるか と思います。人件費は、現行補助金の補助対象とされています。  併せて、信用市場評価もありまして、例の応診費用と、そういった形で、そこで、い ま評価されているという状況です。  併せて、補助金の実施要綱上、救命救急センターにおいて十分な体制を確保すること を、ドクターヘリ事業の前提として設けさせていただいておりますので、医療機関にお ける全面的なバックアップというのが前提にある、ということでご理解いただきたいと 思います。 ○ 島崎委員  人件費のところで全部含んでいるということですね。 ○ 佐々木補佐  そのとおりです。 (了承) ○ 座長  よろしいですか。ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。 ○ 泉委員  (4)の「研究事業」のところですが、研究や検証、評価の話は非常に重要だと思い ますが、これはいまの助成金の仕組みに載せますと、個別の救命救急センターに対して 助成する形になるわけですが、個々のセンターが思い付いて、手を挙げて研究するとい うよりは、むしろ全国的な仕組みの中で検証したり研究したりすべきものがあると思い ますので、今後、そうしたドクターヘリに関する全体的な研究を、この助成金制度の中 でやるのか、それとも別の仕組みでやるのかという基本的なスタンスを教えていただき たいのです。 ○ 佐々木補佐  事務局からご回答申し上げます。この(4)の研究事業は、あくまでも各救命センター で必要な研究対象に予定しまして、研究を進めるものと整理させていただきたいと思い ます。  全国的な研究とかについては、別途、厚生労働科学研究の中で、先生方にいろいろと ご協力いただいておりますが、そういう研究を進めさせていただいていますので、そう いった中で必要なエビデンスは集積させていただきたいと考えています。 ○ 座長  だけれども、いまの泉先生のお話は、この事業の中に書いておいたほうがいいのでは ないかと。だから、(4)に書かなくてもよろしいのですが、全国的な規模での助成金 事業ネットワークの構築とかいろいろなものも、この中に書いておいても、私はいいの ではないのかなと思います。そういう意味ですね、先生のはね。ネットワークあるいは 新規のコーディネートする、連携するには、そういう何かお金が必要ではないのか。ほ かにいかがでしょうか。 ○ 小林委員  Aのインフラ整備の中にヘリポート整備というのがありますが、これはドクターヘリ を置いている所のヘリポートの整備だと思います。場所によっては、行った先で安全な 離着陸ができるような施設も必要になると思いますが、そういうのが入っておりますか。 ○ 座長  事務局、いかがでしょうか。 ○ 佐々木補佐  まさに、そういった点については、本日の意見の中でご議論いただけたらと思ってい ますので、是非、よろしくお願いいたします。 ○ 座長  小林先生、それは何という事業にして、どこに入れ込んだらいいのか、いかがでしょ うか。ここは、自分の所でなくて、行った所ですよね。行った先のヘリポートが汚くて、 危くてしようがないと、もうちょっときれいにしろよということですね。 ○ 小林委員  そうです。 ○ 益子委員  搬送先医療機関のヘリポートに関しては、厚生労働省が都道府県とタイアップして、 災害拠点病院の整備を進めておられて、その災害拠点病院の整備の中で補助金はもうす でに出ていて、私どもの施設もこれで整備をさせていただいた経緯があります。そのド クターヘリを運航する病院は、大体救命救急センターでみんな災害拠点病院になってま すので、こちらで整備できるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか。 ○ 座長  だけれども、ここに書いておいてもいいかもしれませんね。 ○ 岡田委員  それに関してですが、地域の、例えば夜間照明を付けたような拠点のヘリポート整備 を、国がやるとすればいいのですが、この中でやるとすれば、そういうヘリポートの整 備も、病院でなくて、災害も含めて、そういう24時間使えるようなヘリポートの確保は 一つの課題になってくると思いますので、そういう整備があってもいいのではないかと 思います。 ○ 座長  それも小林先生と一緒にして、書き加えていけばいいですね。分かりました。  ほかにいかがでしょうか。 ○ 平田委員  研究事業なのか、普及啓発になるのか、ちょっと分からないのですが、先ほどの泉委 員の話とも関係するのですが、ドクターヘリをすでに運航している自治体と言うのか、 その救命救急センター等が集まって、情報交換をするとかのための会議に何らかの格好 で助成するとかも考えられるのかなという気がしますが。 ○ 座長  それは、前にもちょっと出ていたような気がしております。 ○ 佐々木補佐  先ほどの泉委員のご指摘と併せて、そういったちょっと広域的なことを視野に入れた 研究なり意見交換の場にいろいろな助成金を充てるのも考えると思います。 ○ 座長  ありがとうございます。全国的な情報交換の場としての事業ですね。ありがとうござ います。 ○ 石井委員  これは、あくまでも念のための話ですが、老婆心から言えば、こういう便利なものを 使えば、当然事故が起きる、事故が起きると、スタッフだけでなくて、実際に患者さん も巻き込んだ事故がもし起きたらどうするのか、それが一つです。  もう一つは、いわゆる日本医師会が医賠責の運用をやっていますが、それ以外にさま ざまな学会などで医療の賠償保険をかけています。新しくドクターヘリが立ち上がって、 全国規模になれば、ここで見るかどうかは別として、当然、費用負担の中で考えなけれ ばいけないものになってくるのではないかと思います。日本医師会の中でも当然検討し なければいけないことであると思います。 ○ 座長  全くそのとおりだと思います。必ず入れさせていただきたいと思います。ありがとう ございます。 ○ 島崎委員  ドクヘリが直接降りられないような救命センター、特に大都会を中心にいくつか結構 あると思います。そういう所への患者搬送としては、おそらく適用が結構多いと思いま すが、近くの空港かどこか、あるいは広場などへ降ろすような格好をとるのか、あるい は、そういう所へは、基本的には搬送しないのか、搬送するとすれば、途中どういう形 で搬送ルートをとるのかも検討していただきたいのです。 ○ 座長  そのとおりだと思いますが、事務局。 ○ 佐々木補佐  ありがとうございます。ご指摘のとおりです。現行の事業では、ちょっと離れた所か らの、例えば、そこから先は陸路搬送みたいな所は、準備、想定されていないところが あったと思いますので、もし、このあと、時間がありましたら、ドクターヘリ、整備の 考え方の中で、例示的にちょっと挙げさせていただいた項目がありましたので併せて皆 さん方のご検討をいただきたいと思っています。 ○ 座長  確かに、東京あるいは大阪の中心地等では、そう簡単にはヘリポートを造れない、い ろいろな規制の問題があり、やりたくてもやれないというところが当然あるわけで、そ ことの連携とか、そういうのは途中から陸路になるわけで、どういうふうに考えるのか もあります。ありがとうございます。  ほかにいかがでしょうか。こんなところでよろしいですか。 (了承) ○ 座長  ありがとうございました。  それでは、いまの貴重な先生方のご意見は必ず事務局と検討させていただき、この中 に盛り込んでいく形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。  その次に移りたいと思います。2ですが、「法人制度にかかる問題等について」、事 務局から、まず、ご説明をいただきたいと思います。 ○ 佐々木補佐  資料2の3頁をお開きください。「助成金交付事業を行う法人に関する基準」です。論 点としては、その法人に関する基準は、以下の項目で妥当と言えるかということで、基 準案を(1)から(4)まで記載させていただいています。  なお、この基準の作成に当たっては、いわゆる基金に対する寄付ですが。先ほどちょ っとポンチ絵でご説明申し上げましたが、それに対する税制上の優遇措置のところが一 つ、前回ご議論があったと思いましたので、ちょっと資料5の2枚目、「税制優遇法人の 認定要件」ということで表に整理しています。こちらをご覧いただきたいと思います。 いわゆる認定NPO法人、特定公益増進法人に対しては、現在、税制上の優遇措置があり ます。それらの認定要件について、項目的に整理させていただいたのが、こちらの表で す。  事務局では、こういった項目を踏まえて、こちらで基準案を、夢のある話の前にあま り事細かに決めてはどうかという点もありましたので、必要最小限の範囲の中で記載さ せていただいています。  あと、併せて、同じ資料5ですが、現在、財務当局に対しては、税制上の要望を出さ せていただいていますが、ご参考までにご覧いただけたらと思います。  資料2に戻らせていただきます。同じく3頁ですが、基本的な考え方として、必要最 小限のものを定めるという観点で、この法人に関する基準では、まず、事業に対する知 見・実績に関すること、運営組織・経理に関すること、事業実施体制に関することの3 点に絞らせていただいて整理しています。  「基準案」に移ります。(1)助成金交付事業活動に関する基準です。簡単に読み上 げます。救急医療に関する理解及び実績を有していること。継続してドクターヘリを用 いた救急医療の確保に貢献し得る事業計画を有しているということで、過去に救急医療 に関して実績がある、将来的にもこの事業を継続していくことができることを基準とし て設けさせていただいています。  併せて、法律事項ですが、一定の地域に偏らず全国公平に事業を遂行できるのだとい うことです。  (2)は、運営組織及び経理に関する基準です。非常に一般的な事項だと言えると思 いますが、不適切な経理を行なっていないこと。運営組織から同族性が排除されている こと。法人の解散があった場合の残余財産の帰属先が制限されている、例えば、ここに あるように、帰属先が国や地方公共団体または他の救急医療の充実を目的とする法人で あるということ。役員又は社員等に特別の利益を与えないこと。法令違反、不正の行為、 公益に反する事実等がないこと、といった形で挙げさせていただいています。  (3)は、助成金交付事業の実施体制に関する基準です。これは、当然と言えば当然 かもしれませんが、事業の実施に対し適切な審査体制です。いろいろ自治体から申請が 上がってくるかと思いますので、それに対する審査はできるかということです。事務能 力を有する法人であること。  2ポツ目は、事業報告書等の書類を閲覧させる等情報公開を行っていること。厚労大 臣に対し毎年度、事業の実施状況について報告を行うこと。そういう形で、この基準を 設けさせていただいています。  法人の基準と、もう一つ、基金に関する基準で、4点目、基金の運用や管理のあり方 に関する基準を定めさせていただいています。  構成として、基金は寄付金、運用収益の繰入れから構成されること。使用目的として は、助成金交付事業に要する費用並びに同事業及び基金の管理に要する費用に充てられ ること。 基金使用の手続きは、基金の使用に際しては、法人が設置する第三者の組織 の承認を得ること。なお、第三者組織の設置に際しては、厚生労働大臣の助言を受ける ことが望ましいこと。基金の管理については、管理者を設置すること。基金の運用状況 に関する記録を作成すること。  最後に、万が一、法人登録の取消しがあった場合の基金の取扱いですが、その場合の 基金の全額は、国、地方公共団体又は他の登録法人に贈与する旨を定款等に定めること、 という形で基準の案を提示させていただいています。よろしくお願いします。 ○ 座長  ありがとうございます。いかがでしょうか。いま事務局から、寄付事業に伴う法人に 関する基準についてご説明をいただきました。4つについて分けてお話をいただきまし たが、どこからでも結構です、ご意見をいただきたいと思います。これについては、も う前回からの話の続きということもありまして、できれば、この基準案については、今 日でご議論を終了させていただければ、ありがたいなとは思っていますが、いかがでし ょうか。 ○ 安川委員  基金使用の手続きで、法人が設置する第三者組織の承認を得ること、というのがあり ますが、これはどういうイメージなのか、ちょっと知りたいのです。 ○ 座長  (4)のハですね。 ○ 安川委員  そうです。 ○ 佐々木補佐  イメージとしては、実は、ほかにもある例をもとにして、この基準を作らせていただ きましたが、第三者的なボードと言いますか、ボードをその法人の中に設置していただ くと。要は、その法人の、この基金の内容すべてと言うと、語弊があるかもしれません が、それに対する一定程度のご意見番的な形で、こういった組織を設置すれば、非常に 資金の使用は適切に行われるだろうという趣旨です。 ○ 座長  これは、第三者というのは、すべて第三者で構成されるものなのですか、第三者組織 というのは。この法人の中の人は全く関与しないで、独立してこういうものを作って、 この承認を得るということの意味ですか。 ○ 佐々木補佐  イメージとしては、全員第三者ということで考えています。人的のバランスといった ところで考慮する余地はあるかもしれません。そこも、もしご意見等がありましたら、 いただけたらと思っています。 ○ 座長  ありがとうございます。今日、たくさんのオブザーバーの皆さん等来ておられますが、 結構ですので、どこからでもご質問等をいただけましたら、どうぞ。きれいにまとめて いただいたのではないかと思いますが。 ○ 益子委員  私も、いまの安川委員のご発言のところをもうちょっと確認させていただきたいと思 います。法律として、助成金交付事業を全国的に適正かつ確実に行うに足るものとして、 厚生労働省令で定める基準に適合するということで、つまり、厚生労働省令で基準を決 めて、その基準に従ってその団体が交付を行うと認識していたわけですが、そうではな くて、どこどこのヘリコプターの事業を支援するという時には、その法人は決定権はな くて、全く別の第三者機関に、あそこがドクターヘリをやりたいと言っているので、い かがなものでしょうか、と言って相談して、そこが承認しないとお金は出ないという仕 組みなのでしょうか。 ○ 座長  いや、その法人が全くデシジョンメーキングはできないという意味ではなく、こうい うふうにやりましたが、いかがでございましょうかという承認を得るように思っていま したが。 ○ 佐々木補佐  まさに座長にお話いただいたとおりで、全く決定権限がその法人に委ねられたという ことではなくて、あくまでも第三者的な観点から、全国的に、例えば公正さが保たれる かという観点で、ご意見番となっていただけるイメージで、この事業を設けさせていた だきましたので、全く法人の意思が反映されないという形のものを作るというイメージ ではありません。 ○ 益子委員  そういった視点で考えますと、これは監督官庁が厚生労働省ですから、厚生労働省の ご指導のもとに、この法人が事業運営するということであれば、お目付役というのは、 厚生労働省が上にいらっしゃるわけです。それでは、やはりまずいのでしょうか。 ○ 座長  いかがでしょうか。言ってみれば、普通やっているこういう厚労省でも、上はいるけ れども、会計監査員がいて、いろいろな第三者の所が見ますね。そういうふうに私は理 解していましたが、いかがでしょうか。 ○ 佐々木補佐  お目付役という話がありましたが、もちろんこれは法律に基づいた適正な事業を執行 されるかどうかというところは、厚労大臣が、先ほど、ポンチ絵でも示したような必要 な報告を求めたりとか、助言、指導を行って、場合によっては、登録取消しもあり得る と思いますので、そういった形では抑制は十分できるかと思います。むしろ、第三者組 織は、そういった法律の知識を踏まえながら、基金の信用に当たって適切にまさに使っ てもらえるような形で、いい意味での、事業実施を促進するような媒体になってもらえ ればという感じで考えています。 ○ 座長  ありがとうございます。 ○ 安川委員  ですから、結局、第三者組織の承認を得る表現が、ちょっと今一のような気がします ので、ちょっとお考え直したほうがいいのではないかと思います。 ○ 座長  いやいや、お考え直すのではなくて、先生だったら、どうしますかという、そこを言 っていただけるとありがたいのです。 ○ 安川委員  意見を聞くとかいう役所流の表現があったと思いますので、そういうほうがいいかと 思います。 ○ 座長  いや、だけれども、ここは意見を聞くのではなくて、やはり承認を得るところが大事 でないのかなと思いますが、どうでしょうか。意見を聞くという一つの案が出てきまし たが。 ○ 佐々木補佐  ここの承認が、ちょっと言葉が、もしあれでしたら、また検討と言いますか、考えた いと思いますが、いわゆる法人のこの基金の使用を、いちいち個別には、一つひとつの アクションに対して、承認というイメージではなくて、場合によっては事後的な報告、 それに対する了解という形でもいいかと思っています。法人の活動があまり阻害される ことがあってはならないと思っています。 ○ 小濱委員  たしか来年4月以降に、財団法人も含めて法人がゴロッと変わると思うのですが、こ れはそれも踏まえた内容で議論をされているのか、ちょっとそこのところが。相当変わ ると思うのですが、それはもうお分かりの上でのお話かということをお聞きします。 ○ 座長  全くそのとおりだと思います。 ○ 佐々木補佐  はい、そのとおりです。 ○ 座長  ほかにどうでしょうか。 ○ 平田委員  いちばん最初の所の助成金交付事業活動に関する基準のいちばん目に、実績を有する ことと入っていますが、これはそういう意味では、新たに団体が出来ることについての 考え方はないということになりますよね。 ○ 佐々木補佐  一応事務局でイメージしているのは、まずそれなりの相当の実績がある所が、ついて はその後の継続したまさにお宅に関する事業に対して助成交付できるのだろうというと ころもありましたので、一応前提として記載させていただきました。これにつきまして も、もちろんこの場でいろいろとご議論いただきたいと思います。 ○ 座長  いや、実績ということでいまの平田委員のご質問は、新しい法人が出てきて手を挙げ ても、それは駄目になってしまうのではないのかということです。 ○ 佐々木補佐  新しく法人が手を挙げるということは、考えてはおりません。 ○ 座長  考えてないということで、いかがでしょうか。 ○ 石井委員  この認定要件の所に、2つの法人の認定要件が入っています。このまま読みますと、 では法人は2つ認定されるのかなと考えられるのですが、問題は、これは全国一律に平 準化した普及を図るための事業だと考えれば、最終的には立上げは1つで始めて、そし ていろいろな事業を応援する別のいろいろな法人が出てきて、それはまた次のフェーズ になるのではないかなと。私はそのように理解するのですが、いかがでしょうか。 ○ 佐々木補佐  事務局より申し上げます。そういった石井委員のご指摘もあろうかと思います。ただ 一方でこの制度は法律上登録制度ですから、基準を満たせば一応手を挙げられて登録さ れるという仕組みを作っていますので、最初は1個という形に縛るのはまず無理だと思 います。  仮にいま絞るための基準を作ろうとしたら、必要最少限どころか、かなり厳し目な基 準になってしまうところも想定されるので、ここは最初から複数もある程度ありきとい うことでお考えいただきたいと思います。 ○ 石井委員  最後がよく聞こえなかったです。 ○ 座長  私も聞こえなかったので、もう少しいまの説明をしてください。何か佐々木補佐はマ イクが近すぎるから声がこもってしまうので、その辺ぐらいがいいかもしれませんね。 ○ 佐々木補佐  失礼しました。繰り返しますが、石井委員のご指摘も1つの考え方であろうかと思い ます。ただ、まず法人に関する法律というのが、いわゆる登録制度という形で、基準を 作ってそれを満たす法人が手を挙げても、それに対して我々はイエス、ノーを言える立 場にはありません。即ち、手が挙がれば基準を満たしていれば自動的に登録されるとい う仕組みを法律上取っていますので、複数の手が挙がれば、それを妨げることはまず出 来ないだろうということが1点。  仮に1つ1ブロックということを念頭に置いて、基準を非常に厳しく設けますと、逆 に必要最少限のものにならなくなることがありますので、事務局の考え方としては、場 合によっては最初から複数の法人が立ち上がることも一応視野に入れているということ です。これは場合によってはバリエーションだと思うのですが、例えばあるA法人とい うのは、運航費用そのものを支援する助成金公示を行います。あるB法人には、我々は 研究事業に対して助成を行いますといった形で役割分担をそれぞれ担って、全国公正に 事業を展開するといった考え方もあろうかと思います。 ○ 座長  よろしいですか。どうでしょうか。 ○ 石井委員  考え方はわかりました。 ○ 座長  ただ私もこれ、たくさん手が挙がってきて、基準がしっかりみんな満たされているの に、ではBを落とそうかというのは、なかなか現実的ではないわけですね。だからそこ は、事務局のお話が必要ではないのかなという感じがします。 ○ 益子委員  私も石井委員と同じ考えを持っています。たぶんこのドクターヘリ事業の法律は、日 本全国にドクターヘリ事業を広めるという趣旨で出来たわけです。そして広めるために は、都道府県が県費負担分がなかなか捻出できない、そこを寄付でカバーしましょうと いうのが、基本的な趣旨だったと思います。そうしますと、10億や20億というオーダ ーで寄付を集められる仕組みを作らなければならないと思うのです。それで私は、厚生 労働省として然るべきところにいくつか考えがあって、財団なり法人なり、そこへどう ぞやってくださいという形になるのかなと思っていたのですが、そうではなくて、3つ も4つもみんな手を挙げたら認めますよと。そこからお金を集めるのは皆さん自由にし てくださいと、こういうスタンスなのでしょうか。 ○ 佐々木補佐  益子委員のご指摘のとおり、ある意味まとまった金額が1つの法人から出されること は非常に理想的に望ましいことはあるかと思います。ただ繰り返しになりますが、一方 で法律上もやむを得ず登録制度になったというのが1点。  あと実際に基金というのがどの程度集まるかといったところが、また目算が立たない というか、正直事務局のほうも安易ではないということで、そうであるならば逆に、も う少し助成金の交付事業の仕組みを柔軟な形で、ちょっと金額が少ない場合には研究事 業等のあまり費用のかからないところに充てる仕組みを考えていくほうがいいのではな いかと考えています。もちろん法人が全国にいくつもたくさん数多あることは望ましい ものではないと思っています。 ○ 座長  これについては、だんだん意見は集来してくるのではないかと思いますので、益子委 員、そこのところはこのぐらいにさせていただきます。  ただしっかりした基準が全部通るような財団が出てきたときに、本当にAとBでは誰が どのようにしてセレクションするのというふうになってくることは皆無ではないと思う ので、その辺を考えながらの話も必要ではないかと思います。具体的なところはまだこ れからだろうと思います。ほかのところはいかがでしょうか。 ○ 泉委員  (1)の3つ目のポツに、「一定の地域に偏らず、全国公平に事業を遂行する」こととあ りますが、一定の地域に偏らずはわかりますが、「全国公平」という言葉というのはち ょっと難しいかと思います。法律を見ますと、「全国的に適正かつ確実に」とあります が、公平となりますと、例えば一定の決まったお金を均等に分配するというイメージに なってきて、中身によってメリハリを付けることができにくい感じを受けるので、ちょ っと公平という言葉は不適当かなという感じがします。 ○ 座長  なるほど。そこのところは法律用語そのものを入れたほうがいいだろうということに なるわけですか。事務局はどうでしょうか。 ○ 佐々木補佐  ご指摘ありがとうございます。確かに公平という言葉、結果の平等という形で取られ かねませんので、少し文言振りについては検討させていただきたいと思います。 ○ 座長  ほかにいかがでしょうか。今日はオブザーバーの先生方はたくさんおられますが、オ ブザーバーの先生方はよろしゅうございますか。  最後のほうの第三者組織の承認という言葉について、2人の委員から意見がありまし た。全国公平というのも少し変えることがわかりました。実績というのは、もう委員の 方々のコンセンサスが出たように、私は思いました。その辺のところを事務局共々少し 文言の訂正をさせていただきたいと思いますが、基準というところは、やはりこのぐら いにさせていただければありがたいなと思いますが、委員の皆様方はいかがでございま しょうか。そこのところはご了承いただけますか。                   (了承) ○ 座長  では、この基準についてはご承認を得たことにさせていただき、細かいところは事務 局と座長に一任していただくことにさせていただきたいと思います。  次はその他のドクターヘリの全国的な整備について、いまはどうなっていてこれから どうなるかということを、まず事務局からお話いただき、そしてフリーディスカッショ ンに入っていきたいと思います。どうぞ。 ○ 佐々木補佐  資料6は、ドクターヘリの全国的な整備にかかる論点です。論点としては、全国的な 整備についてどのような考え方があるか、まさに第1回の検討会で、かなりこの部分に ついてはご意見等が出たと思いますが、改めて論点として追記させていただきました。  (1)配備の目安ですが、厚生労働省はドクターヘリ導入促進事業、これまでの補助事 業において、全国30か所に整備するという目安を打ち出してきました。併せて各都道府 県に1か所ずつ整備することを原則としてきましたが、今般のドクターヘリの法の成立 を踏まえまして、こういった考え方に対しての再検討が必要ではないかということです。  (2)は、各種連携です。法では併せてドクターヘリについて、「地域の実情を踏まえ つつ全国的に整備することを目標」としているところです。そしてその配慮事項として、 併せて法律の中で以下のものが規定されていると。  1つは、必要に応じて消防機関、海上保安庁その他の関係機関との連携及び協力とい ったこと。2点目として、僻地に対する救急医療の確保です。3点目は、いわゆる広域連 携ですが、都道府県の区域を超えた連携及び協力といったことが規定されています。こ ういった前提を踏まえた上で、検討事項、以下があります。  1.は、全国整備の方策・方針です。(1)として、予算の傾斜配分です。限られた予算 の中で、ドクターヘリを全国的に整備していく方策を検討できないかと。ここはあくま でも例示的ですが、例えば他県を支援している等の実績がある場合、それから補助継続 年数等に応じて基準額に差を設けて、より全国的に整備していくという方策を見出せな いかということで、挙げさせていただきました。  (2)は、地域の実情への配慮です。繰り返しになりますが、法では「地域の実情を踏 まえつつ」としていますので、都道府県が策定する整備計画をまずは尊重すべきという 立場に立つべきではないかということ。その場合には、ドクターカー等の他の搬送手段 の活用や隣接県との協力による広域搬送といった地域の実情も考慮すべきではないかと いう考え方があると思います。  2.は、カバー領域を踏まえた配備の考え方があろうかということで、(1)はヘリの運 航能力としていますが、いわゆる救命救急センターを中心点とする飛行範囲円を用いて 整備計画を考えることがあるのではないかと。このときにヘリの運航能力等を考慮して、 飛行範囲円としてどの程度の規模が妥当といえるか。例えば半径50km、75km、100kmと いった形でリリースさせていただきました。  (2)は、救命救急センターへのアクセスで、地域住民による救命救急センターへのア クセスがよくない地域で、こういった場合には僻地や離島も含まれています。そういっ た所を例えば優先的にカバーできるように配慮し、救命救急医療の確保を念頭に置くべ きではないかといった考え方もあろうかと思います。  (3)は、併せて1県1機です。都道府県によっては地理的要件等を勘案して、それに拘 らず、複数か所への整備を可能とするという考え方があってもいいのではないかと思い ます。  今回そのあとに資料7を掲載しています。こちらは先ほど申し上げました飛行範囲円 により3種類設けさせていただいて、半径50km、半径75km、半径100kmの3パターンです が、色の赤く付いている所は、救命救急センターから見てアクセスがよくない所と時間 がかかる所、緑になっている部分はアクセスがいいと。こういったいわゆる救命救急医 療へのアクセスの観点と併せて、こういった飛行範囲円を掲載させていただきました。 本日のご議論の参考としていただければと考えています。  3.ですが、その他運用ベースにおける工夫が挙げられないかということで、ちょっと 例示的ではありますが申し上げます。例えば先ほどお話がありましたように、ドクター ヘリの患者搬入後、医療機関から離れたヘリポートに着陸することは可能かと。その場 合はヘリポートから医療機関までの陸路によるアクセスになりますが、搬送時間という のが、1つの課題として考えるのかなと思います。  2つ目ですが、例えば複数の医療機関による共同運航方式は可能かと。法律上の規定 は犯さない範囲で、医療機関が有するヘリポートについて、複数の医療機関が契約を交 わして、例えば月曜日はA医療機関、火曜日はB医療機関が人を配置してヘリを飛ばす といった考え方というのは可能かというのが挙げられると思います。  3ポツ目は、例えば季節によってヘリの基地医療機関を変更することは可能かと。例 えば冬は雪の降る量が少ない地域に配備して、そこで冬場は降雪の少ない地域からヘリ を飛ばすと。夏はカバーできなかった所をカバーするといった形で、夏冬で基地医療機 関を変えていくといったバリエーションが可能かどうか、以上が検討事項として列記し ているものです。  留意事項ですが、ドクターヘリによって搬送される患者の利便性を考慮した場合、ド クターヘリを配備する救命救急センター以外にも、搬送先として可能な限り地域に救命 救急医療機関を確保し、即ち患者さんの公平性を確保することが、まず留意事項の1つ ではないかと思います。  2点目ですが、ヘリには当然天候や時間帯による運航上の制約がありますので、引続 き陸路搬送等といった他の搬送手段の充実というのが重要であるということを、改めて 申し上げます。雑駁ではございますが、ドクターヘリの全国的整備可能については以上 です。 ○ 指導課長  いまの資料6の1頁の前提、配備の目安は、ちょっと国語的に読み下すと誤解を生む かと思いますので、補足をします。  厚生労働省はこれまでのドクターヘリ等の促進事業において、全国30か所に整備する という目安を打ち出すとともにと書いてあり、そのあとに各都道府県に1か所ずつ整備 することを原則と書いてあります。これをこのまま読むと30か所と47か所で矛盾する のではないかと。そういう意味ではありませんで、全国30か所に整備するのですが、各 県が手を挙げてきたときに補助の対象とするのは、1県1機以内という意味です。ですか ら、静岡のように現に2機置いている所は、1県1機以内補助の原則で1機しか補助してい ませんという意味ですので、ここは後ほど文章を整理をします。  2頁目の3ポツの直前に(3)1県1機とありますが、これもここだけ見ますと1都道府県 1か所に拘らず、複数か所への整備だけ書いてありますが、1県1機というのは必ずしも そればかりではなくて、人口の集積や面積にかかわらず1県1機という原則を貫く。少な くとも1県1機以上を持ちましょう、という原則もあるのかなということです。私どもは それを推進しているのではなくて、公明党は基本的に1県1機を持つのだといってますか ら、面積や人口、あるいは地理的要件等を考えないで1県1機47、場合によっては50ぐら いあっていいのではないかということなのかなと思います。  逆に1都道府県1か所1機以内の補助としているが、それを崩して地理的要因や人口の 要因を勘案して1県に2機、あるいは場合によっては3機もあるのかもしれませんが、そ ういう補助も弾力的に考えられるという意味ですので、補足します。 ○ 座長  資料6のドクターヘリの全国的な整備に係る論点ですが、どこからでも結構ですので ご質問、あるいはご意見をいただければと思います。 ○ 岡田委員  単純な質問ですが、1.の(1)の補助継続等の年数等に応じて基準額に差を設けるという のは、長くやっている所は下げることになるのか、その辺の考え方をお聞かせください。 ○ 佐々木補佐  ここで申し上げているのは、ドクターヘリ導入促進事業はあくまで導入を促進するた めの事業という位置付けですので、長い年数の所は基準額を下げさせていただくといっ たことを、ここでは述べています。 ○ 座長  傾斜配分のことですね。 ○ 佐々木補佐  そうです。 ○ 座長  ほかにいかがですか。もうディスカッションは十分していると委員の皆様方はご理解 しているのかもしれませんが、ご質問やご意見はいかがでしょうか。 ○ 益子委員  2頁の3.の3つ目のポツで、季節によってヘリの基地医療期間を変更することは可能か ということですが、これはヨーロッパのアルプスでよくやっている方式なので、人が非 常に集まるときは、そこに予備的に配備しようということはあると思うのです。ただ、 基本的には1年中を通していくつかの基地は確保しておいて、さらに人口が密集する期 間はそこにもう1つ補充をしようというアイデアではないかと思うので、そこへ行って いる機関を取り上げてしまうというのは、ちょっと違うのではないかと思います。 ○ 佐々木補佐  まさに先生のご指摘のとおりだと思います。当然ドクターヘリの確保につきましては、 例えば季節変動によって基地局というか基地機関を変える場合についても、地域住民の ご理解や同意をまず得ると、それを都道府県で整理することが必要ではないかと考えて います。 ○ 岡田委員  2.の(1)のヘリの運航能力ですが、最近私は気になったので運航会社に厳密に計算して いただいて、安全性が確保できて、なおかつ法律に違反しない限りの重量でやると、ど うも70kmぐらいが、いまのドクターヘリの機体では限界とお聞きしました。それ以上遠 くなると逆に搭乗人数を減らすとか工夫をしないと、通常の運用の中ではちょっと厳し いと。大体ドイツのほうも使ってきて問題なものですから、大体70kmぐらいが安全的に 運用できる範囲とお聞きしました。 ○ 座長  そうすると、この3番目の100kmというのは、ちょっと危険を伴うのではないかとい う意味ですね。 ○ 岡田委員  工夫をしないといけないのです。 ○ 小濱委員  1機の県のヘリがあちこちを飛ぶのはいいのですが、例えば岡山県が補助を出して飛 ぶのは原則岡山県ですという大前提があるわけです。その辺を国が半分出しているのだ から他の県に飛んでもいいですよ、むしろ飛びなさいというようにしないと、基本的に お金を出してくれる所はいいですが、出さない所があるのです。  例えばうちのところは広島へ相当行っていますが、広島県は絶対出さないと言ってい るのです。そうしたら県からしたら、そんなの行くなとなるわけです。そうならないよ うに他府県をカバーする場合には、国として半分出しているのだから他の県へ行っても それはかまわないということを言っていただかないと、県の役所の保健福祉の方たちは、 県議会で何だと。広島ばかりいって岡山県は駄目ではないかと。例えば岡山県で事例が あったときに、いざ広島へ行っているから出れない、そういうことが県議会で上がって くるわけですね。ですからそうならないように他府県をカバーすることをされるならば、 国として半分は国が出しているのだから飛んでもいいですよということを出していかな いと、たぶん岡山県での場合はそれがあるのです。香川県は出してもいいと言っている のですが、広島県は絶対出さないと言っているのです。  益子委員のほうはいかがですか。それこそ茨城は、ちゃんと出しているのですね。 ○ 益子委員  千葉県と茨城県は非常に円満にそこをやっていまして、泉委員がいらっしゃいますが、 円満に解決しております。 ○ 小濱委員  それはたぶん県のいろいろな努力があると。 ○ 座長  では、泉委員にちょっとお聞きしましょう。 ○ 泉委員  茨城県の南部の3つの消防本部の管内を益子委員のいらっしゃる日本医大北総病院に あるヘリで千葉県との共同運航という形で、カバーしていただいています。費用につい ては、1件いくらという形で茨城県から千葉県にお支払いしており、病院では若干持ち 出しをしていただいているとは思いますが、非常に円満にさせていただいています。 ○ 座長  広島の委員はいらっしゃいますか。広島は誰かいましたね。 ○ 佐々木補佐  まさにそういうご指摘もあると思いますので、後ほど平田委員のほうから福岡県の事 例ということでご紹介、ご説明をいただければと思っていますので、どうぞよろしくお 願いします。 ○ 座長  そうですね、共同運航のことについては平田委員からご説明いただくことになってい ます。全国的な整備にかかわる論点についてですが、いかがでしょうか。 ○ 岡田委員  3の運用ベースにおける工夫ですが、複数の医療機関による共同運航方式というのは、 北海道はドクターはいま3つの病院から派遣されて運用しているので、基地は変わらな いのですが、乗っているスタッフはそれぞれが出てきてやっているという方式はあって もいいのかなと。基地そのものはいろいろ燃料、整備部品や医療機器とかいろいろなも のがあるので、スタッフの共同利用は非常に容易にできるのではないかなと思います。 ○ 座長  そうすると、3のポツの真ん中の所は、すでにこういう形はやっている所があるとい うことで、「可能か」ではないよということですね。 ○ 岡田委員  はい。 ○ 佐々木補佐  まさにご指摘のとおり、北海道は複数の病院の先生が1つの医療機関に交替で派遣さ れることによって賄っています。この2ポツ目はそういったものも当然含めてというか、 そういったところはいいとして、いわゆる医療機関で例えば救命救急センターが複数近 くにあって、その救命救急センターが共同で運航すると。複数の基地でもいいですし、 共同の共有の基地を配備して、そこに医師をそれぞれが交替派遣するといったようなも う少し柔軟な形もあり得るのではないかという形を、あえて提示させていただきたいと 思います。 ○ 座長  そうなのですね。私もちょっと行って来ましたが、丘珠に複数の医療機関の皆さんが 交替で入って、そこを基地としているのですね、あそこは。 ○ 益子委員  手稲……がやっているのですね。 ○ 座長  そうですか。あれは丘珠にもいましたよ。 ○ 益子委員  それは道の防災だけですね。 ○ 座長  あれは別のものですか。 ○ 益子委員  別です。 ○ 座長  失礼しました。 ○ 泉委員  2の(2)のアクセスの考え方は非常に重要で、救命救急センターへのアクセスがよくな い地域を、まず優先的にドクターヘリでカバーすべきだと思っています。  資料7で緑の丸を描いていただきましたが、この緑の丸で全国、くまなく塗り潰され ることが望ましいと誤解されている方もいます。そうではなくて、例えば、救命救急セ ンターに車で20分で行ける所であれば、それはドクターヘリの優先度は当然低いという 考え方を、この場で整理していただければありがたいと思います。 ○ 座長  全くそのとおりですね。それはよろしいですね。いまの泉委員のお話はよくわかりま した。  これは誰からのご意見だったかはわかりませんが、先ほどの季節によってヘリをとい うのが変更することは可能かというのは、例のところもこういう意味ではないのだよと いうのがありました。あとで訂正しますので、ご了解いただきたいと思います。ほかに いかがでしょうか。 ○ 小濱委員  いま各都道府県がやっていることにおいて、ドクターヘリはバラバラです。例えば災 害時にドクターヘリがどう動くかというのは、全然どこにも規定は何もないのです。で すから、せっかくドクターヘリを国の医療としてやっているわけですから、そういう災 害時に、例えば消防災の広域災害の対応の中に入っていくとか、何かそういうものを作 っていただいたら、より利用が高くなっていいと思います。  最初に静岡の順天堂のヘリが行ったときには、北陸には全然ドクターヘリがありませ んから、結局行ったけど物資の搬送で終わってしまった。2回目に益子委員が行かれた ときは、松本委員がどちらかというと割り込んで仕事をされて、ちゃんとドクターヘリ は動いたのです。これからせっかくドクターヘリが増えるならば、全国ネットとしてそ のような仕組みを是非作っていただきたいと思うのです。 ○ 座長  なるほど。いまのは災害時ということでしたが、もっと違う共同で、あるいはネット ワークをもっと使えば違う方向性も出てくるのではないかと思いますので、その辺のと ころもどこかに入れさせていただくようにしましょう。 ○ 石井委員  その辺は法律というか概念整理のときに、そのためにメディカルコントロールという ものが必要で、それで地域内連携、地域間連携という形を作り上げてほしいということ は書き込まれていると思いますので、よろしくお願いします。 ○ 座長  わかりました。その辺のところも検討させていただきます。ほかにいかがですか。よ ろしいですか。  座長から質問しますが、ドクターヘリというのはいま大きく分けて2つ3つあります が、いっぱい同じものを買うと安くなるとか、そのような経済性はないのですか。 ○ 安川委員  例えば7機同時に発注して買えば安くなることは、現実にあります。 ○ 座長  そうですね。だからうまくやればもっと有効にいくことがあるのかもしれないですね。 それを入れるつもりでは何もありません。ほかにいかがですか。ここについてはまだ時 間的に余裕がありますので、どうぞ委員の皆様には整備にかかわるところをもう少しこ れもどうだというものがあったら、どうぞ事務局のほうにお願いできればと思います。  先ほどちょっと公域共同運航の問題が出てきました。いま福岡県のドクターヘリ共同 運航についてという平田委員からの資料について、平田委員からご説明をいただければ と思います。 ○ 平田委員  私が提出した資料で、ちょっと説明させていただきます。1がドクターヘリの出動状 況ということで、スタートしたのが平成13年2月からですが、いま大体300回から400回 ぐらいの出動回数があるという特徴があります。  先に下の共同運航の絵を見てください。久留米大学の横にすぐヘリポートがあるので すが、大体北九州を少し欠けるくらいまでが70km圏です。いま共同運航でカバーしてい るのが佐賀県全域で、これも70km圏に全部入ります。  また、大分県の福岡県側の4つの市と町がカバーできていて、これが70km圏です。こ の間で共同運航ということで、知事の間で締結して運航しています。  運航状況に戻りまして出動件数は、先ほども申しましたように300回から400回未満の ところでぶれてはいるのですが、実際には現場出動の数はどんどん増えておりまして、 当初平成14年が42回でしたが、平成18年が233回と増えています。その一方で病院間の 搬送が、数としてはだんだん減ってきている状況です。これは1つは現場搬送が確実に 定着しているということで、病院間の搬送についてはある程度絶対的にヘリコプターで ないものではないとという感じで、かなりコントロールがかかってきているのではない かという気がしています。それでは、どのようにして各県の間で費用を決めているかと いうことになります。  次頁の3で、毎年負担金の単価が変わっています。これは前年度の出動回数を分母に して、約1億7,000万の経費を単純に割って毎年次の年の経費を出しておりまして、そ れに掛け算して、それぞれの県の負担金を出すやり方をしています。したがって毎年出 動回数がぶれますので、その度に単価が変わるということで、これはそれぞれの部長間 で毎年契約をし直す形を取っています。今年もすでに半年で185回ほど出動しています ので、今年もかなりの数の出動回数になるのかなと。最近ガソリンが高騰しているとい うことで、出動する委託会社がかなり出動回数との関係で問題視していることを聞いて いますが、あまり耳を貸せないようなことです。 ○ 座長  協定の内容のほうは、よろしいですか。 ○ 平田委員  協定の内容は、さらりとこういうものなのですということだけです。 ○ 座長  全国規模での流れから共同運航という形でのお話をいただきました。平田委員に何か ご質問、あるいはご意見がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○ 泉委員  質問です。例えば佐賀から要請があって飛んだ場合に、降りる先は久留米大がほとん どなのでしょうか。それとも佐賀県内の救命救急センターの場合もあるのでしょうか。 ○ 平田委員  佐賀県内の病院もあります。久留米大学は率としては高いですが、それ以外でも福岡 県のほかの、例えば脊損の患者さんを病院から病院に運ぶような場合には脊損センター に降ろすということで、違う場所に病院間で降ろすようなケースもあります。 ○ 泉委員  千葉県と共同運航している茨城県の場合は、県内からの患者の3分の1ぐらいが茨城 県内の筑波メディカルセンターに降りています。それによって県内の救急の関係者のド クターヘリに関する認識も上がるという副産物があるものですから、お聞きしました。 ○ 平田委員  まだ率としては現場出動の場合には、久留米大学というケースがかなり多いです。 ○ 石井委員  先ほどのメディカルコントロールとの関連ですが、要するにこういう場合で特に地域 間連携までいけば、その他に例えばリソースとしては防災ヘリや警察ヘリとかいろいろ なものが当然、リスティングされて、全体での運用をどうするかという概念をメディカ ルコントロールの中でやっていただければと思うのですが、その辺はどうなっています か。 ○ 平田委員  防災ヘリが福岡市に2機、北九州に1機あるのですが、訓練のときにはある程度一緒 にやっていますが、はっきりとは防災ヘリをどのように位置付けてドクターヘリをどう いう場合に位置付けるかの整理が、まだいまいち進んでいません。 ○ 石井委員  これからということですね。 ○ 平田委員  はい。 ○ 岡田委員  静岡県は愛知県と共同運航というかお互い行き来していますので、お金に関してはな しと。お互いに協力しているのでそれぞれ2機あればそうなのです。  もう1つはルールを作っていまして、防災ヘリや警察ヘリに関しては、搬送を単に目 的とする場合はドクターヘリではなくて消防ヘリ、もしくは他の機体を使うというよう に明確に分けています。 ○ 座長  防災ヘリ、あるいは警察のヘリの役割分担を明確にしてあるという静岡県のお話です。 ほかにいかがですか。 ○ 指導課長  事務局から細かいことを聞いて恐縮ですが、会計上の処理はどうなさっているのでし ょうか。つまり県ですと歳入に入れるときに、使用料、手数料条例の中に項目として入 れておくとかいろいろな方法があるのですが、どのような方法で歳入されているのです か。 ○ 平田委員  その次の年に歳入として、私どもの歳入に県から県へ振り込んでもらうという形を採 っております。 ○ 指導課長  単純にそうしていると。 ○ 平田委員  はい。 ○ 座長  ほかによろしいですか。 ○ 平田委員  ちょっと誤解を招くといけませんので、ドクターヘリに係る運航の負担金は、むろん 国からの補助金の部分は除いております。 ○ 座長  なるほど。それはそうですね。このぐらいでよろしいですか。そろそろ時間が迫って きました。最後のところはドクターヘリの全国的な整備にかかわる論点、それから福岡 県のドクターヘリの共同運航になりました。  最後に埼玉県のドクターヘリ専用機の就航についてというパンフレットがあります。 これはちょうど本日から就航だということですが、これに関しての事務局からの補足は ありますか。よろしいですか。これは埼玉医科大学の総合医療センターが基地となって のものですので、ご覧いただきたいと思います。年間300件ほどの需要を見込んでいる ものです。  そろそろ予定の時間ですので、本日はここまでとしたいと思います。次回は、今回自 由に皆さんからディスカッションいただいた質問、あるいはご意見等を踏まえて、今後 のスケジュールについて、事務局からお願いしたいと思います。 ○ 佐々木補佐  次回検討会は、12月を目途によって日程調整をさせていただいたあと、皆様にご連絡 差し上げたいと思います。  あと、本日は日本航空医療学会においてドクターヘリのガイドブックが取りまとめら れたということです。冊子をいまから回覧させていただきますので、よろしくご参照い ただきたいと思います。 ○ 座長  では、小濱委員からちょっとお話をいただきましょう。これはもらった人はもらえる のですか。 ○ 小濱委員  本当は安い本でしたら皆さんにお配りするところなのですが、結構これは高くつきま して、本当はもっと安くするつもりだったのが結構皆さん力作ばかりでぶ厚くなってし まって値段が倍になってしまいました。申し訳ないですがちょっと見るだけということ です。  一応本に書いてありますように、これからドクターヘリを導入して運用する医療機関、 もしくは都道府県の方がご覧になったら役立つということで、例えば雪が降った場合は どうしたらいいかとか、視界はどのくらいとか、その辺のところが書いてあります。も しも興味がおありでしたら是非購入していただいて、たぶん医学関係の本屋さんには出 ていると思います。結構自画自賛ですが、内容としては私は非常によく出来ていると思 います。これは私と杉山教授、それから西川さんという航空業界の専門家の方が寄って 編集して、それと航空医療学会の先生方にお願いして書いたものです。これは現場の先 生方がみな書いているので、非常に本当のことが書いてありますので、是非読んでいた だきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○ 座長  お値段のほうをちょっとお話いただきたいです。 ○ 小濱委員  私は知らないのですが、いくらでしたかね。どこかに書いてありますが、7,140円で す。 ○ 座長  これは高いですね、本当に。 ○ 小濱委員  まとめて私が頼むと、掛ける0.8になります。 ○ 座長  何はともあれ持っていってはいけないので、ちょっと置いておいていただければと思 います。それでは、これで今日の委員会を終了させていただきます。ありがとうござい ました。