07/10/26 平成19年10月26日中央社会保険医療協議会調査実施小委員会議事録 07/10/26 中央社会保険医療協議会・第23回調査実施小委員会 平成19年10月26日議事録 (1)日 時 平成19年10月26日(金) 11:17〜12:12 (2)場 所 厚生労働省 講堂 (3)出席者 土田武史小委員長 小林麻理委員 前田雅英委員        対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員  高橋健二委員(代 小出) 松浦稔明委員        竹嶋康弘委員 鈴木満委員 邉見公雄委員(代 西澤)         渡辺三雄委員 山本信夫委員        <事務局>        水田保険局長 原医療課長 石原調査課長        八神保険医療企画調査室長 真鍋数理企画官  他 (4)議 題 第16回医療経済実態調査結果速報について (5)議事内容 ○土田小委員長   ただいまより、第23回調査実施小委員会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、白石委員が御欠席に なっております。また、高橋委員の代理として小出修三さんがお見えになっており ます。それから、邉見委員の代理として西澤寛俊さんがお見えになっております。  なお、審議官は、公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  第16回医療経済実態調査につきましては、医療機関等調査については本年6月 の状況、保険者調査につきましては平成18年度の状況を調査いたしました。  本日は、これらの調査結果の速報がまとめられておりますので、それぞれの報告 を受けたいと思います。  最初に、八神保険医療企画調査室長からお願いします。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)   保険医療企画調査室長でございます。お手元の資料、中医協実−1、若干分厚い 資料でございますが、これに基づいて御説明をいたします。「第16回医療経済実 態調査(医療機関等調査)結果速報」でございます。本年の6月に実施をした調査 でございます。  1ページをおあけください。今回の「調査の概要」とございます。回収率、回答 率についてまず御説明をします。3番の表、「有効回答率」というところがござい ます。病院につきまして57%、一般診療所45.5%、歯科診療所62.3%、 保険薬局63.2%となっております。前回調査に比べまして、病院の有効回答率 が若干落ちていますが、そのほかは回答率が上がっています。病院の回答率は前々 回が56%でしたので、それよりは若干よくなっているということでございます。  早速内容に参ります。10ページから御説明をいたします。10ページ、「収支 状況」、「一般病院」とございます。10ページから参りますと、設置主体別に並 んでおりますが、12ページにまず「全体」とございますので、12ページの表の 右をごらんください。一般病院の全体の収支の状況を御説明いたします。全体の欄 の中で、まず一番上に医業収入の欄がございます。「金額の伸び率」というところ をごらんください。医業収入の伸び率マイナス10.9%でございます。その下5 行ほど行きますと、今度は医業費用マイナス8.1%となっております。表の下の ほうにございます医業収支差額のところをごらんいただきますと、19年6月でマ イナス5.6%と出ております。前回17年6月のときはマイナス2.3%。一般 病院全体でこういう数字になっております。若干留意いただきたいのは、平均病床 数というのを表の一番下に出しております。今回の調査におきまして、一般病院全 体では平均病床数は190病床、前回は204病床でございましたので、若干ここ のところで医業収入等に違いが出てきているというところは御留意をいただきたい と思います。  全体としてはこういう状況ですが、設置主体別にごらんをいただきますと、戻っ ていただきまして10ページでございます。医療法人から申します。先ほどと同様 に見ていただきますと、医療法人立の一般病院の医業収入が、マイナス8%、医業 費用のところはマイナス9.1%です。給与費等マイナス6.3%、医薬品マイナ ス14.4%等々、医業費用が全体としてマイナス9.1%となっておりまして、 結果的に、医業収支差額の欄をごらんいただきますと、17年6月は1.3%の黒 字だったわけですが、19年6月は2.5%ということになってございます。  その右に国立がございます。国立も同じようにごらんいただきますと、医業収入 の欄、前回と比べましてマイナス11.6%の医業収入、それから医業費用がマイ ナス11.5%、医業収支差額をごらんいただきますと、前回2年前0.5%の黒 字が今回は0.3%ということになっています。  続きまして公立病院です。医業収入の欄、同様に見ていただきますと、医業収入 はマイナス9.7%、医業費用の欄をごらんいただきますとマイナス2.8%、医 業収支差額の欄で、前回マイナス9.1%が今回マイナス17.4%となっていま す。  11ページに参りますと、公的医療機関です。公的というのは(注)の1に書い ております。日赤、済生会等々です。これは、また平均病床数が、一番下をごらん いただきますと、382病床から290病床と、サンプルが小さくなっておるとい うことに御留意ください。医業収入マイナス31.7%、医業費用がマイナス27. 3%、医業収支差額のところが、前回0.9%が今回マイナス5.5%となってい ます。  社会保険関係法人、これは(注)の2ですが、全国社会保険協会連合会、厚生年 金事業振興団等々でございます。医業収入が7%の伸び、医業費用が13.4%の 伸び、医業収支差額は4.2%からマイナス1.5%。こちらの場合は平均病床数 をごらんいただきますと、大きくなっているところに御留意をください。  次のページに参ります。先ほどの12ページですが、真ん中の欄が個人立の病院 でございます。医業収入22.9%の伸び、医療費用26.9%の伸び、医業収支 差額は、前回8.7%が今回5.7%ということになっています。  13ページは、全体を「国公立」と「国公立を除く」というもので分けて表示を したものでございます。  続きまして14ページ、精神科病院です。右欄の全体で申します。医業収入であ りますが、マイナス2.9%、医業費用のところが4.5%、医業収支差額が、前 回3.0%が今回マイナス4.4%でございます。  以上、病院ですが、16ページから診療所でございます。16ページが診療所の うち個人立、17ページがその他とありますが、医療法人、市町村立等々です。個 人立から申します。左、有床診療所ですが、医業収入の欄をごらんいただきますと、 金額の伸び率6.4%、医業費用がマイナス3.7%、収支差額のところは、17 年6月に金額で申しますと237万4,000円が今回は336万円、率で申しま して22.3%が29.7%となっています。この個人立のところですが、16ペ ージの(注)の2にありますが、「個人立の一般診療所の収支差額からは、開設者 の報酬となる部分以外に、建物、設備について現存物の価値以上の改善を行うため の内部資金に充てられる」と、こういうものが入っています。  無床診療所が真ん中にございます。一般診療所の無床診療所、個人立です。医業 収入が4.3%の伸び、医業費用が8.3%の伸び、収支差額のところが、前回2 27万3,000円が222万6,000円、構成比率で38.2%が35.8% となっています。  17ページ、同様に一般診療所で、今度はその他医療法人、市町村立等でござい ますが、有床診療所で申します。医業収入マイナス3.8%、医業費用マイナス0. 5%、収支差額のところは、構成比率で10.2%が若干減りまして7.1%とな っております。  同様に、無床診療所、医業収入が2.4%の伸び、医業費用が7.8%の伸びで、 収支差額の構成比率が13.8%から9.3%に減でございます。  続きまして、19ページからが集計2とあります。介護保険の収入のある医療機 関を加えたものですが、こちらは介護収入を入れたものです。費用のところが介護 分と医療分とに分けることができませんので、説明は省略いたしますが、歯科診療 所と保険薬局については集計2で調査をしておりますので、29ページにお進みく ださい。  29ページ、歯科診療所でございます。歯科診療所の個人立、同様にごらんいた だきますと、医療収入がマイナス2.5%、III のところの医業・介護費用が1. 4%の増ということで、収支差額の欄をごらんいただきますと、金額で申しまして、 135万1,000円が122万9,000円、38.1%が35.6%に若干減 というふうになっております。  その右がその他です。その他というのは、先ほどと同様、医療法人、市町村立な どでございますが、医業収入はマイナス0.5%、医業・介護費用の欄が7%の伸 び、収支差額の欄は、率で申しますと、17.4%が11.2%に下がっていると いうことでございます。  続きまして、30ページが保険薬局でございます。法人立から申します。収入の ところがマイナス5.8%、費用の欄がマイナス7%で、収支差額の率のところが、 5.4%が6.8%になっています。保険薬局の場合も、処方せん枚数を一番下の 欄に入れております。若干処方せん枚数の扱い枚数が減っております。今回の調査 のサンプルは規模が少し小さかったということに御留意ください。  保険薬局、個人立でございます。収入の欄をごらんいただきますと、金額の伸び 率マイナス14.9%、費用の欄ですが、マイナス17.8%、収支差額、金額で 申しますと、73万2,000円が83万5,000円、率では9.2%が12. 3%に上がっております。  続きまして、31ページから「機能別集計等」とございます。かいつまんで、特 徴のあるところ等を御説明いたします。  32ページが特定機能病院でございます。ごらんいただきますと、医業収入の欄、 収入が3.8%伸びています。医業費用が4.8%の伸び、収支差額の欄は、マイ ナス8.7%からマイナス9.8%となっております。  続きまして、ちょっと飛びまして34ページをおめくりください。DPC対象病 院。今回DPC対象病院ということで調査を実施しておりますが、特定機能病院を 除いた形で集計をしております。前年度がございませんので比較はできませんが、 医業収支差額の欄をごらんいただきますと、マイナス1.3%という数字になって おります。  35ページ、これも今回特に調査をしたもので、こども病院ということで、日本 小児医療施設協議会が認めた小児総合医療施設ということで調べております。独立 病院型とございます。(注)の2にございますが、独立病院型で申しますと、医業 収支差額の欄ですが、マイナス45.9%ということになっております。  36ページからはしばらく飛ばさせていただきまして、41ページに参ります。 前回改定のときに入院基本料の仕組みを7対1、10対1、13対1、15対1、 特別入院基本料としましたが、その入院基本料別に収支を調べてみたものでござい ます。41ページが一般病院の全体です。医業収支差額の欄で御説明します。7対 1病院、医業収支差額のところがマイナス3.0%、10対1がマイナス9.0%、 13対1がマイナス0.0%、15対1がマイナス3.0%、特別入院基本料がマ イナス0.5%という数字が出ております。  42ページは、同じく入院基本料別ですが、国公立を除いた病院で調べておりま す。同様に医業収支差額をごらんいただきますと、7対1はマイナス1.3%、1 0対1病院が0.1%、13対1病院が2.9%、15対1がマイナス1.4%、 特別入院基本料はマイナス0.5%という数字が出ております。  44ページからが、規模別に収支の状況を調べてみたものでございます。44ペ ージ、45ページが一般病院全体で、左から右に行くにつれて大病院になってまい ります。20〜49床の欄をごらんいただきますと、医業収支差額、19年6月の 欄で1.4%とございます。50〜99床に参りますとマイナス1.5%、100 〜199床はマイナス2.1%、200〜299床はマイナス4.4%。45ペー ジに参ります。300〜499床はマイナス5.9%、500床以上はマイナス9. 4%。規模が大きくなるにつれてマイナスが大きくなっているということでござい ます。  同様に、46ページ、47ページは、規模別ですが、国公立病院を除いた形で調 べております。傾向は同じでございます。医業収支差額の欄、20〜49床が3. 1%、50〜99床は1.2%、100〜199床0.5%、200〜299床1. 0%、300を超しますとマイナスになります。マイナス1.2%、500床以上 がマイナス2.7%という数字が出てございます。  48ページからが、診療所の診療科別の収支状況ということになってございます。 最初に有床診療所でございます。若干サンプル数が少のうございますので、ある程 度サンプル数のあるものだけを御紹介します。48ページの左上の内科の有床診療 所、個人立でございます。収支差額のところをごらんいただきますと、243万4, 000円が245万8,000円、構成比率で23.2%が今回26.7%となっ ております。  また、その下の列で、左から2つ目、産婦人科とございます。収支差額でごらん いただきますと、140万4,000円が297万7,000円、率で申しまして、 16.5%が36.2%という数字になっています。  50ページ、51ページも同様に有床診療所で、これはその他ということで、医 療法人、市町村立といったものでございます。内科のところが、構成比率で11. 0%が5.7%に、減となっています。産婦人科のところが、ごらんいただきます と、7.0%が7.2%というふうになっています。  54ページから、今度は無床診療所の個人立で、診療科別でございます。内科か ら申します。収支差額のところが210万3,000円が234万2,000円と、 構成比率は34.4%が34.6%。小児科で申しますと、前回274万3,00 0円が174万1,000円。比率で申しまして、43.8%が37.3%に落ち ております。  以下、サンプル数が若干多いもので申しますと、外科でございますが、金額とし て175万3,000円が113万4,000円、31.2%が18.8%に下が っています。整形外科は247万6,000円が238万5,000円ということ でございます。眼科ですが、300万9,000円が243万7,000円。耳鼻 咽喉科が、178万9,000円が228万6,000円。55ページに参りまし て、皮膚科が277万6,000円が281万6,000円といった数字が出てお ります。  56ページ、57ページは、医療法人立ということでございます。時間の関係も ありますので、少しはしょらせていただいて、66ページからは、院外処方率別の 収支状況ということでございます。  70ページからが、保険薬局で後発医薬品の割合別に収支を調べてみたものでご ざいます。これは調剤割合、全処方せん枚数に占める後発医薬品を調剤した処方せ ん枚数の割合で、10%未満から右に行くにつれて割合が多くなるということで調 べておりますが、法人立で見ますと、収支差額の欄で、10%未満が8.7%から 始まりまして、10〜20%未満は7.6%、以下4%、7%、4.9%、6. 5%、6.7%、7.7%となってございます。  個人立のほうをごらんいただきますと、同じように収支差額のところ、10.8 %から並んでおりますが、ちょっとここから見る限り、調剤割合の数字と収支差額 のところに特段の傾向があるようには見えがたかったというところでございます。  73ページからは、同様に後発品の備蓄割合に関連をいたしまして、備蓄割合が 多い場合に収支差額がどうなっているかというものを調べたものでございます。同 様に、5%未満が9%から始まって数字が並んでおりますが、ちょっとこれも一定 の傾向があるようには見えがたかったという感じがしてございます。  76ページからが、1施設当たりの従事者数を76ページから80ページまでま とめています。  81ページからが、施設の職員の平均給料を記しています。幾つか御紹介します。 81ページで申しますと、施設数が多いもので公立病院を御紹介しますと、(1)+(2) というのが、賞与を月当たりに直しまして1月分に換算をして出しております。病 院長先生で申しますと、(1)+(2)が163万3,316円、勤務医の医師が118万 9,545円、歯科医師が105万7,843円、薬剤師が55万689円、看護 職員が48万8,175円と、こういう数字でございます。  やはりサンプル数の多いもので、82ページ、医療法人がございます。同じよう に見まして、病院長、(1)+(2)の欄ですが、259万1,697円、医師が133万 6,171円、歯科医師が90万4,771円、薬剤師が40万164円、看護職 員が36万6,146円等々となってございます。  84ページ、85ページ、86ページが、一般診療所、歯科診療所について同様 に給料と賞与を調べたものでございます。一般診療所でございますが、まず有床診 療所で申しますと、個人立の診療所に勤めておられる医師ですと、(1)+(2)で116 万6,208円。その他、これは医療法人等でございますが、院長が230万2, 945円、医師が146万2,144円となっております。  同様に、無床診療所で申しますと、個人立でございますと、医師、95万4,7 16円、その他医療法人等でございますと、院長が206万5,169円、医師が 116万9,986円となっております。  85ページは、有床診療所、無床診療所を合わせた数字でございます。  86ページは歯科診療所でございます。個人立で歯科医師ですと51万5,58 3円、その他で医療法人立の院長ですと114万9,639円、歯科診療所で働い ている勤務医ですと59万4,518円となっております。  87ページからは、給料の推移をまとめたものでございます。  90ページから、療養病床との関係でございます。療養病床60%以上の一般病 院を並べておりますが、94ページからごらんください。介護収入を入れたほうが、 療養病床60%以上のサンプルも多くなっておりますので、こちらで御説明します。 療養病床60%以上の一般病院で、医療法人でございます。医業収入はマイナス7. 8%、介護収入が8.4%の伸び、費用としてはマイナス0.2%、収支差額で1 7年6月が8.6%、19年6月は4.9%となっております。  96ページが、設置主体に関係なく、右の欄の全体でございます。医業収入がマ イナス10.6%、介護収入が6.1%、医業・介護費用がマイナス3.0%で、 収支差額としては、前回7.9%が今回4.2%となっております。  98ページからは、療養病床を有しない一般病院をまとめております。  また飛ばしてすみません。106ページが借入金の状況、106ページから10 9ページはそれでまとめてございます。  110ページからは、収支率の分布をグラフにしてございます。真ん中に縦に線 が引いてあるところが収支相償うゼロの水準でございます。ごらんください。  最後に118ページからが、前回からやっています定点調査の結果でございます。 これも御参考にごらんをいただければと思います。  説明が少し長くなりました。以上、速報の御紹介でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。それでは続きまして、真鍋数理企画官。 ○事務局(真鍋数理企画官)  調査課数理企画官でございます。それでは、中医協実−2の資料に沿いまして、 保険者調査の結果速報を御報告申し上げます。  まず1ページでございます。これは、平成18年度の決算状況を取りまとめたも のでございます。平成18年度末、3,602の保険者につきまして、制度別に収 支の状況を取りまとめたものです。(1)の表が収支状況ということですが、下か ら4行目といいますか、「総収支差 C=A+B」と書いているところをごらんに なっていただきまして、これが結局保険者別に見まして、黒字であったか赤字であ ったかというところです。政管が1,288億円の黒字、組合が3,265億円の 黒字、船員保険が35億円の黒字、以下、共済組合も含めまして、被用者保険すべ て黒字になっております。市町村国保が204億円の赤字ですが、国保組合は11 3億円の黒字でして、一番右の欄でございますけれども、保険者全体で合計5,3 76億円の黒字であったということです。前回の調査、16年度決算につきまして は、その下にありますように、6,967億円の黒字であったわけですが、若干そ の黒字幅は減っているということでございます。  それから下の(2)が積立金等の状況ということでございます。ほとんどの保険 者で黒字だったということですので、その黒字だった保険者につきましては、積立 金ももちろん増加しております。政管健保につきましては4,983億円、組合に つきましては4兆9,605億円という積立金でして、合計いたしますと、一番右 の欄でございますけれども、7兆1,321億円という積立金になっているところ でございます。  続きまして2ページですが、これが、健保組合と共済組合につきまして、土地、 直営保養所・保健会館に関する調査をしたものでございます。回収率は100%で 回答いただいております。  恐縮ですが、3ページを見ていただきまして、これが前回との比較表ということ で用意しております。まず(1)が土地の状況ですけれども、すみません、表の下 の注をちょっと見ていただきまして、土地を所有している健保組合は560組合で、 全体に対する割合が37%でございます。前回が621組合でございましたので、 減ってきております。同様に、共済組合につきましても20組合、全体に対する割 合が26%ということで、前回に比べましてもやはり減っているということでござ います。  上の表で、施設の種類別に内訳を見ておりますけれども、やはり3番の直営保養 所を中心に整理をしているといいますか、そういうところは整理が進んでいて、全 体に減っているというところでございます。  (2)の直営保養所・保健会館の状況ということで、上物の直営保養所と保健会 館についても調べているわけでございますけれども、これにつきましても整理・統 合が進んでいるといいますか、そういったことで減ってきているという結果でござ います。  以上です。 ○土田小委員長   どうもありがとうございました。  それでは続きまして、本件に関連して2号側委員より資料が提出されております ので、御説明をお願いいたします。 ○邉見委員(代理西澤氏)  それでは、時間がございませんので簡単に説明させていただきます。  日本病院団体協議会で行った「病院経営の現況調査」についての報告でございま す。詳しくは後でお読みいただきまして、2枚めくっていただきますと、「「病院 経営の現況調査」報告より明らかになった問題点」というものがございます。簡単 にここだけの説明とさせていただきます。まず、明らかになった点でございますが、 「1.医業収支の状況」でございますが、平成17年と18年とを比較いたしまし て、赤字病院の比率が43%になったということでございます。これは、前回の診 療報酬改定の影響を調べたもので、前回のマイナス改定で赤字病院が6%増えたと いうデータでございます。  なお、今回の調査は、2,837病院が回答いただきましたので、今、日本全国 8,878病院ございますから、日本全体の32%の病院の回答をいただいたとい うデータでございます。  続きまして、「2.平成18年度中の医師募集の状況」でございますが、回答の あった2,746病院中、72%の病院が医師募集を行った。そのうち、予定数ど おり採用できたは18%、54%の病院が採用予定数より少ない、あるいは全く採 用できない状況でございます。  また、「3.平成18年度中の看護師募集の状況」でございますが、同じように、 96%の病院が看護師募集を行い、予定どおり採用できた病院は31%、65%の 病院は採用予定者に達していないという状況でございます。  次のページでございます。「4.平成16年度以降の病床休止もしくは返還の状 況」でございますが、回答のありました2,790病院のうち、病床休止もしくは 返還という病院が521病院、なんと19%あったということでございます。年度 別に見ると、横にグラフがありますとおり、18年度、すなわち診療報酬改定があ った年に急に増えているということでございます。  「5.平成16年度以降に休止した診療科の状況」でございます。どのような診 療科であったかということですが、このように、今問題となっている産婦人科、小 児科で非常に多い数、しかしながら、ほかの科でも、ここにあるような科で休止し た科があるという現状でございました。  次のページでございます。「6.平成16年度以降の救急指定・輪番制の取り下 げの状況」でございますが、109病院が取り下げたということで、これは日本全 体の救急医療にも非常な影響を及ぼしているのではないかなと考えております。  そして、「7.今後の運営方針について」ということでございますが、以下はち ょっと省略させていただきます。  問題となってございますのは、赤字病院が6%増えて非常に経営が大変である。 それから、診療科の病床の休止もしくは返還の病院が521病院もある。これが前 回のマイナス改定の影響だということが明らかになったと思います。この点を今後 考慮していただければと思っております。  続けてよろしいでしょうか。1つ事務局に質問なのですが、今各病院の率はわか ったのですが、私たちのように赤字病院の数、あるいは黒字病院の数というふうな 集計をもししているのであればお知らせ願えればと思います。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  御質問いただきました。赤字病院、黒字病院ということで、今回の実調で調べた ものでちょっと勘定をしてみたところでございますが、まず、全体で申しますと、 赤字病院の割合で申しますと、平成17年の実調で調べたときに43.1%だった ものが、平成19年には51.7%。調査の実施の病院数で申しますと、前回60 1病院のうち259病院が赤字、43.1%でございました。今回414病院のう ち214病院、51.7%が赤字となってございます。設置主体で見ますと、例え ば公立病院で見ますと、前回58.2%の病院が赤字だったのですが、今回70. 3%になっております。また医療法人立で見ましても、前回38.9%の病院が赤 字でしたが、41.3%というような数字になってございます。 ○邉見委員(代理西澤氏)  はい、わかりました。 ○土田小委員長   どうもありがとうございました。  それでは、ただいま報告いただいた件で御質問、御意見等ございましたら、どう ぞお願いします。 ○竹嶋委員  詳細なデータの分析をいただきまして、ありがとうございます。この議論に入る、 各論に入る前にまず確認しておきたいし、こういう点に気をつけて私ども見ていき たいと思う点を幾つか挙げさせていただきたいと思います。実調については、前々 から言っているのですが、大変難しいということでございますけれども、やはり定 点調査でないという問題が一つあります。ですから、それによります今回出ました ように診療科などのカテゴリーに分けていきますと、極端な上限値を示すものがあ る。そういうところは頭に置いておかなければいけないなと。定点調査の一般病院 も70病院されておりますが、やはりこれは少ないです。  それから、定点調査でないということで、調査年によって病床数や従事者の数の 平均がやはり異なるということです。だから、規模の違いによっては医業収入の上 限に影響してくるということがある。  それからもう1つは、一般診療所のところで、これは後ほどまた各論のところで は触れますが、個人と法人を合わせた収支差額を掲載されております。よく考えて みますと、個人の収支差は施設開設者の報酬控除前のものです。ですから、ここか らいろいろなものが出てまいりますので、これを一緒に比べるというのは無理な話 があるということです。個人と法人の収支差は全く違うということです。  それから、今回の調査におきましては、これは1つありましたね、48ページの 精神科1施設。つまり、有床診療所が1施設だけ精神科のデータが出ているのだけ れども、極端に数字が大きいといいますか、月に5,000万円という収入を得て、 収支差も46.5%。こういうところはやはりよく考えて、全体に入れてもらうと ちょっと困るなということです。  それから最後でございますが、これも私どもいつも思うのですが、難しいのでし ょうが、毎回6月の単月のアンケート調査ですね。そうしますと、当たり前のこと だけれども、6月に発生しない費用については年間発生額を推計して記入していく わけですが、ここのところを何カ月間かやる、そういう何かうまく工夫ができない か。こういうところを調査の私どもが分析していく中での留意点といいますか、そ ういうところに据えてやっていかなければいけないのではなかろうかと考えており ます。  以上でございます。 ○対馬委員  私のほうも、今日は伺ったばかりですので、個別論より前に、今と同じように留 意点といいましょうか、そういった面で言いますと、ベッド数が今回随分変わって いるのです。それで、前回のときはあまり変わらずに比較的議論がしやすかったの ですが、前々回、16年のときも随分ベッド数が変わりまして、大変苦労したこと がありました。まずベッド数を例えば100ベッド当たりで、一たんすべてを補正 したら大変でしょうけれども、今日説明があったポイントのあたりで、特に病院に ついては補正をしていただければありがたいというのが1つと、それから、休日の 問題が微妙に影響してくるということがあるのですけれども、そこは今回影響がな いのかどうか、これを確認しておきたいと思います。  通常ですと、病院なり診療所だけでなくて、一般的に増収増益とか、減収減益と かいう言い方をよくするわけですけれども、今回はベッドの数が減っていますので、 大体減収ということで、収入の方は、これが例えば3.16%の影響なのかどうか というのが見えない格好になっていますので、なかなか議論しづらいところがある のです。先ほど申し上げたベッドの数の補正と、それから休日が影響しているのか していないのか、この2点を伺いたいと思います。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)  まず、ベッド数については、確かに今回ベッド数がけっこう動いておりますので、 単純に比較ができないということはございます。先ほど省略をしてしまいましたが、 定点調査をちょっとごらんいただきますと、一番後ろの118ページ以降が定点調 査になってございます。医療法人が比較的サンプル数が多いので、ちょっと御紹介 しますと、病床数が119から118、1病床減ってはございますが、ここでごら んいただきますと、医業収入はマイナス0.8%、医業費用がマイナス0.7%、 収支差額の欄をごらんいただきますと、1.0%から0.9%、病床数が基本的に 変わらない、同じ病院でやってございますので、これは一つの参考になる数字では ないかというふうに考えております。  それから、休日の関係でございます。前回の調査と比べたときに、今回は、平成 17年6月よりも稼働日が1日少なく、土曜日が1日多いということになっており ます。影響は、医療費ベースでマイナス1.2%、入院と外来でちょっと数字が変 わってきますが、若干これは今回の調査における医療機関の収入減の要因の一つに はなってございます。ただ、これで補正をしても、全体的な傾向はあまり変わらな いと私ども考えてはございます。また、費用のほうは日数補正がちょっと難しいと いう部分がございます。  それから、先ほど竹嶋委員から幾つかあった点、ちょっとお答えできるところだ けお答えをしておきます。1つは、48ページの有床診療所の精神科の件でござい ます。1有床診療所、非常に大きな数字が出てございます。私どももこれ、例えば 年間の数字を埋めてしまったのではないかとか、1けた間違えて埋めているのでは ないかという目で、ちょっと確認をいたしました。その確認をした上で、数字自体 が誤って書いているものではないということは確認しております。ただ、数字、非 常に大きいものなので、試みにこの数字を外して、例えば49ページの全体のとこ ろで、医業収支差額が336万円と出ておりますが、この1カ所を除いて仮に計算 してみますと、299万円という数字になるということです。  それから、個人立とその他を合計をするというのはどうかという御指摘でござい ました。そういう意味では、確かに医業収支差額などを実額のところを合計すると いうのは評価としておかしいということがございます。ただ、医業収支比率のとこ ろは、上下ということでは意味はあるのかなとは思っております。  以上です。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○小林委員  先ほど竹嶋委員から指摘があったとおり、個人立の場合には開設者の給与という ものが入っておりませんので、その点では比較可能性はございません。ですから、 そこの収支差額の部分が、開設者の給与部分に当たっているものと、それから将来 の投資に向けるものといいますか、医療設備の向上のための新たな投資に充てられ る部分というのが入っているということで、その部分が、ブラックボックスと言う とあれですけれども、その部分がほかの調査の結果よりも見えていない部分になっ ているので、その比較可能性の点からいうと、やはりそれは検討しなければいけな いところだということが1点です。  それから、まだいろいろ詳しく精査しておりませんのであれですけれども、医業 収入が減った分、医業費用の部分で、いわゆるコストの節約といいますか、コスト ダウンをいかに図っていくかという努力をしている部分が中に見られるということ が一つですが、逆に、コストが多くなっている部分もあるのも事実であって、その コストが多くなっている部分というのが何で発生しているのかということを、やは り精査する必要があるだろうと思います。  そのところは、先ほど邉見委員(代理西澤氏)がおっしゃったように、病院経営 が非常に苦しい部分があるということですが、そこが報道にあるように、小児科と か、不採算部門を抱えなければならない部分という国公立の部分で費用が発生して いるのか、それとも、もっとコストダウンが図れる部分があるにもかかわらず、そ こがまだ行われていないのかといったところでは、診療科別の分析なり、いろいろ なクロスの分析をしていく必要があるのではないかと思います。  以上です。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○渡辺委員   詳細の報告、ありがとうございました。  この歯科のほうを見てみますと、29ページにございますが、詳細はこれを分析 して、この場で見解を述べていきたいと思っておりますが、1つ最初に御質問した いのですが、最後の収支差額は前回分との比較が出ていないということは、先ほど 話が出ていたように、ベッド数等が変わってくると、母体そのものというか、それ が変わっているのでという、そういう意味合いかと思うのですが、ここで数値を出 していないのはそれだけの理由ということに解釈してよろしいでしょうか。全体と して収支差額の前回比が出ていないということは、そういう意味合いでしょうか。 ○事務局(八神保険医療企画調査室長)   今御指摘のとおりで、ここの金額の伸び率というのは、規模が変わりますと全く 変わってくるので、数字として意味があまりないのではないか、ミスリードするの ではないかという意味で、ここを取ってございます。 ○渡辺委員   わかりました。それは理解しました。  そういう点で見ますと、歯科の場合には、実質的にはほとんど規模の差というの がないと思っています。60数%の有効回答率の中での数値でありますし、数から いっても前回との比較は的確な比較になるだろうと、私たちはそういう解釈をして おります。としますと、収入も落ちていますし、また、予測はしておりましたけれ ども、この最終的な差額のところをざっと計算しますと、構成比で2.5%のマイ ナスですけれども、収支の差額でここで今ざっと計算したところ、前回比約9%の 落ち込みになっているということで、診療所サイドとしての現状認識、大変だとい う認識をしております。  また詳しくはこれをよく分析した上で、次回においてまたお話をさせていただき たいと思っております。 ○松浦委員  10ページの表を見ながら私は感じているのですが、医業収入、医業費用ともに 下がって、医療法人の方は、医業費用をさらに圧縮されていますから、それなりに 総収支差額の構成比率が上がったのだろうと思います。国立は0.1%、収入の減 少率よりも費用の圧縮率が高いのですが、あとは、これは数字だけ見ると、医業収 入が減った分だけ費用も圧縮しなければいかぬという努力がなされたようには、こ の表からはちょっと読めないような気がいたします。  私は特に、国立はこれからいろいろと立ち直ってきつつあるかもしれませんが、 私のところもかつて日本一ぐらいの累積赤字を持っていた病院が、やり方によって は今繰り入れゼロで利益が出ている、黒になっている、こういうことになっている わけですから、公立、公的、社会保険関係の法人、こういうものはもうちょっとデ ータを分析をされて、それで、この医業収入の減少以上にどこでこの費用を圧縮で きるのか、この検討をされなければ、赤字は結局、これは札束をどぶにほうり込む のと一緒ですから、そういった点について、これから診療報酬改定までにどうのこ うのと言っても間に合わないかと思いますけれども、ずっと継続的に、どこが悪い のか、赤字になるから上げてくれと言う前に、やはり無駄とむらと無理は省く努力 をされなければいかぬだろう、そういうふうに感じております。表の読み方は、私 のは違うのでしょうか。 ○土田小委員長  一つの読み方として受けとめておきたいと思います。  ほかに。 ○鈴木委員  7対1とかDPCとか、例えばDPCでしたらDPC病院が対前年比で7.6% 収入が増えているというデータがあるのにもかかわらず、こういう赤字の状況です。 DPCにおいても同じ赤でしかないというようなことは、やはり構造的なものとい うのが、やはり民間とそうでない病院との間に相当あるのではないでしょうか。 ○松浦委員  鈴木先生は今構造的なものなのではないかとおっしゃいましたけれども、私の経 験からは、構造的なものはありません。正せば直っていきます。現実に、それはし ばらく時期はかかりますけれども、今私のところの市立病院は206床ですけれど も、単年度で一つも繰り入れしていません。それでプラスが出るのです。今度の改 定以降でもプラスが出ています。だから、とにかく働く意欲、それを持っていただ ければ、私は難しいことではないと思います。 ○土田小委員長  ここの議論は、実態調査の結果の分析でして、どうやれば立ち直るかというか、 あるいはその赤字の原因はどこかということの分析はこれとは別にもう少し綿密な 検討が必要だろうと思います。  ただ、一つ言えることは、病院の収入は診療報酬以外には基本的にないわけです から、したがって、診療報酬で十分経営が成り立っていかないということは、赤字 になって、やがてはその存立が危うくなっていくということでありますので、した がって、病院の経営に対しては、診療報酬がどういう形でコミットメントしていく かということは十分大事なことだろうと思っています。  日本病院団体協議会のほうからいただいた資料も、これから御参考にさせていた だきたいと思っています。  ほかにございますでしょうか。 ○鈴木委員  病院の赤字はよくわかります。私も今の御指摘のとおりだと思いますけれども、 診療所はやはり一定の利益幅がございませんというと動きませんから、そこのとこ ろもよくお考えいただきたいと思います。 ○土田小委員長   わかりました。どうもありがとうございます。  ほかに御意見がないようでしたら、この資料の取り扱いについてですけれども、 皆様方からの御了解が得られましたら、後日開催されます総会に報告したいと考え ておりますが、御異議ございませんでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田小委員長   よろしいですか。どうもありがとうございます。  それでは、本日の調査実施小委員会はこれで終了させていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。                               【照会先】               厚生労働省保険局医療課保険医療企画調査室               代表 03−5253−1111(内線3287)