07/10/24 平成19年10月24日薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会議事録 薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会 議事録 1.日時及び場所   平成19年10月24日(水)  14:00〜 東海大学校友会館「望星の間」 2.出席委員(10名)五十音順    新 井 洋 由、 飯 沼 雅 朗、◎池 田 康 夫、 庵 原 俊 昭、    岡   慎 一、 早 川 堯 夫、○堀 内 龍 也、 前 崎 繁 文、    三 瀬 勝 利、 山 口 一 成   (注)◎部会長 ○部会長代理 他 参考人1名   欠席委員(6名)   上 原 至 雅、 守 殿 貞 夫、 竹 内 正 弘、 田 村 友 秀、     土 屋 文 人、 溝 口 昌 子 3.行政機関出席者 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、    豊 島   聰(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター長)、 川 原   章(独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全管理監)、 村 上 貴 久(独立行政法人医薬品医療機器総合機構上席審議役)、 丸 山   浩(独立行政法人医薬品医療機器総合機構審査センター次長) 他 4.備  考   本部会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○審査管理課長 本日もお忙しい中御参集いただきまして誠にありがとうございます。た だ今から、「薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会」を開催させていただきたいと存じま す。  現在のところ、当部会委員16名のうち、9名の委員に御出席いただいております。飯 沼委員からは御出席という御返事をいただいておりますので、何らかの事情で遅れていら っしゃるのだろうと考えております。本日、御欠席という御返事をいただいておりますの は、上原委員、守殿委員、竹内委員、田村委員、土屋委員、溝口委員でございます。  次に、事務局の人事異動について御報告申し上げます。医薬品医療機器総合機構生物系 審査第二部長、鹿野真弓でございます。よろしくお願いします。また、新薬審査第二部長 に長谷部和久が就任しておりますが、本日、所用により欠席させていただいております。  なお、本日の審議事項の議題1ですが、参考人として国立がんセンター中央病院の第一 領域外来部、安藤正志先生に御参加いただくこととしております。後ほど御参加いただく ことになっております。  それでは、部会長の池田先生、よろしくお願い申し上げます。 ○池田部会長 本日の審議に入りたいと思います。まず事務局から、いつものように配付 資料の確認と資料作成、利益相反等に関する申出状況について報告をお願いしたいと思い ます。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。本日、席上に議事次第、座席表、当部会委 員名簿を配付しております。議事次第に記載されている資料1〜9をあらかじめ送らせて いただいているところです。  なお、議題6につきましては、事前の資料発送の際に案内させていただいたところです が、再検討することといたしましたので、資料6については欠番とさせていただきます。  そのほか、本日、資料4-5として議題4の追加資料、添付文書(案)をお付けしておりま す。また、資料10として「審議品目の薬事分科会における取扱い等の案」、資料11とし て「専門委員リスト」を配付しております。  続きまして、平成13年1月23日の薬事分科会申合せ、及び本年4月23日の薬事分科 会申合せに基づく、資料作成、利益相反等に関する申出については、次のとおりです。  議題1「ネクサバール錠」は、退室委員はなし、議決には参加しない委員は池田委員、 堀内委員、前崎委員。議題2「グレースビット錠」は、退室委員は前崎委員、議決には参 加しない委員は新井委員、池田委員、堀内委員。議題3「プリジスタ錠」は、退室委員は なし、議決には参加しない委員は前崎委員。議題4「ゼヴァリン イットリウム(90Y)静 注用セット他」は、退室委員はなし、議決には参加しない委員は池田委員、堀内委員、前 崎委員。議題5「放射性医薬品基準の一部改正」につきましては、議題4と同様に扱わさ せていただきたいと思います。  したがって、議題1、2、4及び5につきましては、薬事分科会規程第5条第1項にお いて、部会長及びその職務を代理する者のないときは、当該部会員のうちから選任された 者が、仮に議長として会議を開くことができるとされていますので、御選任をお願いした いと思います。 ○池田部会長 大変申し訳ございません。私と堀内委員が議決に参加しない委員というこ とですので、今回の仮の議長として会議を仕切っていただく方の自薦あるいは他薦、ござ いますでしょうか。 ○事務局 事務局としては、早川委員にお願いしたらどうかと存じますが、いかがでしょ うか。 ○池田部会長 早川委員に議題1、2、4及び5の議事進行をお願いしたいと思いますが、 よろしいでしょうか。ありがとうございます。それでは、1、2、4、5の議事進行は、 早川委員にお願いすることにさせていただきたいと思います。ほかにも事務局から何かご ざいますか。 ○事務局 本日の議題1「ネクサバール錠」につきましては、参考人をお呼びしておりま すので、到着を待ってから御審議いただきたいと考えております。また、議題5「放射性 医薬品基準の一部改正」につきましては、先ほど申しましたとおり、議題4「ゼヴァリン イットリウム(90Y)静注用セット他」の審議に関連するものですので、議題4と併せて御 審議いただきたいと存じます。また、議題2につきましても、委員の到着が遅れている部 分もありますので、後ほどお願いしたいと考えておりまして、本日は、まず議題3から御 審議をお願いしたいと考えております。 ○池田部会長 分かりました。本日は、お手元のアジェンダにありますように、審議事項 が5議題、報告事項が3議題となっています。非常にイレギュラーな形で申し訳ございま せんが、議題3のプリジスタ錠300mgの製造販売承認の可否等についてから入りたいと思 います。先生方、御了解いただけますでしょうか。ありがとうございました。  それでは、機構から概要を説明してください。 ○機構 議題3、資料番号3、医薬品プリジスタ錠300mgの生物由来製品又は特定生物由 来製品の指定の要否、輸入承認の可否、再審査期間の指定、並びに、毒薬及び劇薬の指定 の要否について、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。  本剤、ダルナビル エタノール付加物は、Tibotec社により開発された新規のプロテア ーゼ阻害剤であり、野生型ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及び現在使用可能な各種PIに 対する耐性HIV株に対して優れた抗ウイルス活性を示すとされております。  米国では、2001年より既存のPI治療歴のあるHIV-1感染症患者を対象に臨床試験が 開始され、抗HIV薬の治療歴があり既存のPIに対して治療抵抗性を示す患者集団を対 象とした臨床試験の中間成績から、本剤とリトナビル併用時において優れた有効性が示さ れたことから、米国では既治療の患者に限定した承認申請がなされ、2006年6月に承認 されております。  本剤の専門委員としては、資料11にありますとおり、10名の委員を指名し、御意見を 賜りました。  本剤の申請に際しては、米国申請資料が提出されております。機構は、これらの資料に ついて審査を行いました結果、海外試験成績より日本人におけるHIV感染症に対する本 剤の有効性・安全性は期待できると判断いたしました。なお、効能・効果については、米 国では、実施された臨床試験が過去に抗ウイルス療法の既往のある成人患者を対象として いたという経緯がありまして、これらの患者に限定した効能・効果、具体的には「抗HI V薬の治療歴があるHIV感染症」となっておりましたが、審査報告42ページのような 議論を踏まえまして、効能・効果を「HIV感染症」とし、効能・効果に関する使用上の 注意の項において、本剤の投与を推奨する対象を明記すること、具体的には「他の抗HI V薬にて十分な効果が期待できない場合、忍容性に問題があると考えられる場合に限り使 用すること」とすることが適切であると考えております。  なお、本邦において日本人を対象とした臨床試験は実施されていないことから、製造販 売後において日本人における本剤の有効性・安全性に関する情報を早期に収集することは 必須であると機構は考えております。この点につきまして、申請者は、HIV感染症治療 薬製造・販売会社が共同で実施する調査(HRD調査)として、有効性及び安全性に関する 情報を収集することとしております。  以上の審査の結果、本剤の有効性・安全性は確認できたと判断し、審査報告書の3ペー ジにございますとおり承認条件を付帯した上で本剤を承認して差し支えないと判断いた しました。なお、再審査期間は10年とすることが妥当であると判断いたしております。 また、原体・製剤ともに劇薬に該当し、生物由来製品又は特定生物由来製品には該当しな いと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。よろしく御審議のほど お願い申し上げます。  なお、本品目に関しましては、事前に庵原委員より御意見をいただいております。いた だいている質問としては、C202試験及びC213試験の結果では、いずれも対照群に比べ て有効性が示されていますが、C202試験の有効率は、C213試験の有効率より低い結果 になっています。この結果の原因について、患者背景やプロトコールの意図を踏まえた上 で説明をすることとされております。この点につきまして申請者に確認いたしましたとこ ろ、確かにC202試験に比べて、C213試験の方が高い有効性を示しております。これは 両試験のベースラインの疾患特性の差によるものでして、患者集団のベースライン時の疾 患進行度、具体的にはCD4陽性細胞数がC202試験では104×106(Cells)であったのに 対し、C213試験では179×106(Cells)というような細胞数の違いや感染期間の違い、治 療歴が異なるというようなことが考えられると回答されております。  また、試験のデザインにつきましては、両試験とも近似した試験デザインですが、C 202試験では、本剤とリトナビル、プラススクリーニング時と同じ背景療法による機能的 単独投与相を2週間継続した後、本剤とリトナビル、プラスOBRを含めた治療として試 験を実施しております。ただ、評価時が24週の評価時であることから、このような2週 間の投与の差による有効性の評価については、影響を与えることはないと考えておりま す。以上です。よろしくお願いいたします。 ○池田部会長 ありがとうございました。新規のプロテアーゼ阻害剤ということで、各種 のこれまでの薬に対する耐性HIVに関しても効果があるということですが、このプリジ スタ錠、ダルナビル エタノール付加物について先生方の御意見を伺いたいと思います。 どなたか、御意見はございますか。 ○前崎委員 米国では主に耐性あるいは既治療例に対するこの薬剤の投与が推奨されて いると思うのですが、本邦ではHIV感染症ということで、それについての使用上のその 後の文言はありますが、専門協議では適応症についてはどのような議論がされたのでしょ うか。 ○機構 こちらの投与対象につきましては、審査報告書42ページにありますとおり、申 請者からの申請時の効能・効果としては、「抗HIV薬の治療歴があるHIV感染症」と されておりましたが、この「抗HIV薬の治療歴がある」との形容では、プロテアーゼイ ンヒビター耐性ではない症例にも使用されることも想定され、安易な薬剤変更により将来 の治療薬の選択肢が狭まることが懸念されることから、この点について専門委員と議論い たしました。その結果、現在得られているデータからは、耐性検査によって耐性ウイルス が確認されている症例に使用するべきだとは考えられるものの、現在では未治療例を対象 とした臨床試験も実施されていることから、新たな知見が得られた段階では投与対象の見 直しを行っていくことが必要であるとの意見を出されました。これらの意見を踏まえた上 で、今回、効能・効果としては「HIV感染症」とし、効能・効果に関する使用上の注意 で投与対象を明記することが適切であると判断いたしました。 ○池田部会長 いかがですか。よろしいですか。効能・効果としてはHIV感染症、しか し、使用上の注意には他の抗HIV薬に関して十分な効果が期待できないということで す。岡委員、何かございますか。 ○岡委員 私自身も専門委員で参加していましたので、少し追加させていただきます。確 かに耐性ウイルスに効くと、これは明らかなのですが、もちろん耐性でない普通のウイル スにも非常によく効くということです。  先ほどお話がありましたように、今現在、初回例に臨床治験が行われていて、既存のも のと比べても良さそうだという結果が間もなく出てくるであろうという情報があります。  これ以外に、別の機序の新しい薬剤も、今は臨床試験がどんどん行われている最中で、 近い将来、恐らくガイドラインが大きく変わってくるだろうと。そのときに、余りきつい 制限を付けていると、効能・効果のところはすぐに変更できませんので、ここはフレキシ ビリティーを少し持たせて、使用上の注意で注意喚起をした方がいいだろうということ で、このような形をとらせていただきました。 ○池田部会長 ありがとうございました。そのほか、委員の先生方から何か御質問はござ いますか。 ○庵原委員 一つ確認です。用法・用量のところで、これはHAARTで使うことになると思 うのですが、HAARTの場合は、PI1剤とRT2剤の合わせた3剤を原則的に使うことに なっています。この用法・用量ですと、リトナビルしか併用できないという形に解釈され るのですが、この点はいかがですか。 ○機構 御質問いただきました点につきましては、1.8添付文書(案)の1ページの用法・ 用量のところで、確かにリトナビルと併用することとなっておりますが、その後に、投与 に際しては、必ずほかの抗HIV薬と併用することという用法・用量になっております。 HAARTに使用される他の薬剤でも、このような書き振りとさせていただいております。 ○池田部会長 よろしいですか。 ○庵原委員 分かりました。最後まで読めば理解できるということで分かりました。 ○池田部会長 こういう使い方をしなさいというように、かなり制限して読めてしまいま すよね。表現を少し変えていただいた方がよろしいですかね。 ○機構 事務局よりお話申し上げたいと思います。リトナビルにつきましては、この使用 方法の場合は薬効を期待するものではなく、リトナビルを併用することによって十分な血 中濃度を得るために併用しているものでございます。したがって、ほかの抗HIV薬との 併用とは位置付けが異なっておりますので、書き分けている形になっております。  HAARTにつきましては、ほかの薬剤との併用という形、今ほかのHAARTで使われている 抗HIV薬につきましても同じような書き振りになっておりまして、そこで書き方がほか のものとは少し違っているという状況になっております。 ○庵原委員 そうしますと、少なくともこの薬とリトナビルは一緒に使わなければいけな い、そのほかには何剤足してもいいという読みですか。 ○機構 この辺りの治療は米国のガイドライン等を基になされていると思いますが、その ガイドラインが更新される度に変わっていけるようにしている、というのがこの書き方の 趣旨のところでございます。 ○池田部会長 岡委員、何かございますか。 ○岡委員 このプロテアーゼは必ずリトナビルを併用するという前提が一つあって、その 他の抗HIV薬との併用を行うことと。通常であれば2剤なのですが、これが使われる患 者群ですと、耐性度の非常に強い場合もあって、megaHAARTと言われるようなたくさんの 薬が使われることもあると思います。 ○審査管理課長 今の点ですが、この添付文書(案)を見てみますと、効能・効果に関連す る使用上の注意の4番と5番に、まさしく今の点が出ています。4番でブースターとして リトナビルを併用すると、5番で他の抗HIV薬と併用するというのが出ているわけで す。何でこれがここにあるのか御説明いただければ有り難いと思うわけですが、もし余り 理由がないようであれば、効能・効果に関連する使用上の注意の4番と5番を、用法・用 量に関連する使用上の注意の2番と3番に移して、用法・用量に関連する使用上の注意の 2番以下を4番以下に改めるというようなことの方が分かりやすいのかなと思います。 ○池田部会長 機構の方はどうですか。 ○機構 他の薬剤との並びを考えてこのようになっておりますが、御指摘いただきました 点はごもっともかと思いますので、検討させていただきたいと思います。 ○池田部会長 庵原委員、よろしいでしょうか。そのほかにいかがでしょうか。岡委員、 そのほかに何か専門協議で特に問題になった点はございますか。 ○岡委員 その他のところでは特にありませんでした。やはりこの効能・効果のところが 一番審議されました。 ○池田部会長 ありがとうございました。委員の先生方、よろしいでしょうか。もし特別 に御意見がないようでしたら議決に入りたいと思いますが、よろしいでしょうか。  なお、前崎委員におかれましては、薬事分科会での申合せに基づきまして、議決への参 加を御遠慮いただくことにしたいと思います。  委員の先生方、特に御異存はございませんか。ありがとうございました。それでは、本 剤の承認を可といたしまして、薬事分科会に報告することとさせていただきたいと思いま す。ありがとうございました。  飯沼委員の到着がまだ少し遅れているように思いますので、議題4を先にお願いしたい と思います。早川委員、大変申し訳ございません、こちらの席に移っていただきたいと思 います。 ○早川委員 それでは、議題の4と5を併せてやりたいと思います。議題4は、ゼヴァリ ン イットリウム静注用セット、ゼヴァリン インジウム静注用セットの製造販売承認の可 否等、及びリツキサン注の製造販売承認事項一部変更の可否等についてでございます。総 合機構から御説明をお願いいたします。 ○機構 よろしくお願いいたします。議題4、資料番号4、医薬品ゼヴァリン イットリ ウム静注用セット、ゼヴァリン インジウム静注用セットの生物由来製品及び特定生物由 来製品の指定の要否、製造販売承認の可否等について、医薬品医療機器総合機構より説明 させていただきます。  なお、本日、複数の机上配付の資料がございまして先生方に御迷惑をおかけしておりま すが、資料番号4-5が最新の添付文書でございます。  本品は、イブリツモマブ チウキセタンと、塩化インジウムがセットとなった品目、そ れから、イブリツモマブ チウキセタンと、塩化イットリウムがセットとなった品目の2 種類が申請されております。  イブリツモマブ チウキセタンはCD20に対するマウス抗体にキレート剤が結合したも のであり、イブリツモマブ チウキセタンと塩化イットリウム、あるいはイブリツモマブ チウキセタンとインジウムを医療現場で混ぜまして、標識化されたものが、ヒトに投与さ れることとなります。  イットリウムで標識化したイットリウム イブリツモマブ チウキセタンは、イブリツモ マブ チウキセタンがCD20抗原を発現する細胞に結合し、イットリウムから放出される β線により腫瘍の増殖を抑制すると考えられております。  一方、インジウムで標識化したインジウム イブリツモマブ チウキセタンは、治療用で はなく、γ線を放出するインジウムの性質を利用しまして、イットリウム イブリツモマ ブ チウキセタンの生体内分布を全身シンチグラムにより予測し、適用患者を選択する目 的で、イットリウム イブリツモマブ チウキセタンの投与に先立ち、使用されます。  また、本治療では、正常細胞のCD20抗原に対するイブリツモマブ チウキセタンの結 合を減少させ、正常細胞への毒性を軽減させる目的としまして、前処置としてCD20に 対するモノクローナル抗体であるリツキシマブの投与が行われます。  本治療の対象患者は、「CD20陽性の再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキン リンパ腫、マントル細胞リンパ腫」です。低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫は、進行 は緩徐ですが、抗悪性腫瘍薬の有効性が低く、治癒が困難です。現在、一次治療としては、 リツキシマブを含む多剤併用療法が主に実施されていますが、一次治療に無効又は再発し た場合には、標準的な治療は確立されておりません。マントル細胞リンパ腫についても、 標準的治療法は確立しておらず治癒は困難であり、また、低悪性度B細胞性非ホジキンリ ンパ腫と比較して進行が早く予後不良です。  イットリウム及びインジウム イブリツモマブ チウキセタンは希少疾病用医薬品に指 定され、海外においては42か国で承認されております。  本品目の専門協議に御参加くださいました専門委員は、資料にございますとおり、11 名の委員です。  品質、毒性、薬理、ADMEについて大きな問題は認められませんでした。  主な臨床試験成績としては、国内で実施された一つの第II相試験と、海外で実施された 二つの第III相試験です。これらの臨床試験の結果、再発又は難治性の低悪性度B細胞性非 ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫患者に本治療を施行した場合に、標準的な薬 剤であるリツキシマブに不応又は再発した患者においても一定の奏効割合と奏効持続期 間が得られており、ゼヴァリンの有効性は示されたと判断いたしました。  安全性については、主に血液毒性に十分注意する必要があり、また、インジウム イブ リツモマブ チウキセタンによる生体内分布の読影による患者選択の必要があるため、造 血器悪性腫瘍の治療の専門医及び放射線治療の専門医が連携をとり、慎重に使用する必要 があると判断しております。また、機構は、国内臨床試験での結果からは日本人に特有な 有害事象の発現や、有害事象が海外と比較して重篤化する傾向はないことを確認しており ますが、検討された症例数は限られているため、製造販売後には全例調査による重篤な有 害事象の収集及び迅速な情報提供を行うことに加えて、製造販売後の使用経験を踏まえて のインジウムの生体内分布の読影判定基準の再検討により、より適切な患者を選択できる ように検討を継続していく必要があり、申請者に指示を行っております。  以上の審査の結果、機構は、CD20陽性の、再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホ ジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫の適応について、承認することが可能と判断し ました。  本剤は、希少疾病用医薬品に指定された新有効成分含有医薬品であり、再審査期間を 10年とすることが適当であり、イブリツモマブ チウキセタン及び塩化イットリウム並び にこれらを含有する製剤は劇薬に該当し、塩化インジウム及びこれを含む製剤は毒薬又は 劇薬に該当しないと判断いたしました。また、イブリツモマブ チウキセタンは生物由来 製品に該当すると判断したことから、各々の品目はすべて生物由来製品に該当すると判断 しました。また、一部変更申請であるリツキシマブについては、再審査期間は残余期間と することが適切であると判断いたしました。  続きまして、庵原委員より事前に御質問を四点いただいておりますので、先生からいた だいた御質問と、それに対する機構の説明を続けて申し上げたいと思います。 ○早川委員 一つずつ質問と答えを言っていただいて、その点について庵原委員に1個1 個確認していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 ○機構 では、まず一点目です。先生からいただいた御質問を読み上げさせていただきま す。「リツキシマブもイブリツモマブも、CD20に対するモノクローナル抗体であり、 リツキシマブを先行投与すると、腫瘍細胞のCD20抗原がマスクされ、イブリツモマブ が腫瘍細胞に結合しにくいと思われます。リツキシマブが結合した腫瘍細胞にイブリツモ マブが結合するメカニズムは、どう説明されていますか。結合するサイトが違うのですか。 競合して追い出すのですか」。  先生の御指摘のとおり、リツキシマブを先行投与しますと、腫瘍細胞のCD20抗原が マスクされますので、イブリツモマブが腫瘍細胞に結合しにくいという点は、まさに御指 摘のとおりと考えております。  ただ、リツキシマブが結合した腫瘍細胞にイブリツモマブが結合していく正確な機序は 不明です。ただし、非臨床での検討から得られている情報によりますと、リツキシマブと イブリツモマブの結合する場所が同一で、イブリツモマブに比べて大量のリツキシマブを 前投薬として投与しますので、イブリツモマブ チウキセタンは、腫瘍細胞であろうと正 常細胞であろうと、CD20陽性細胞には結合しにくくなります。つまり、イブリツモマ ブ チウキセタンが腫瘍細胞に特異的に結合するというエビデンスはありません。  リツキシマブとイブリツモマブ チウキセタンは量的に競合はしていると思うのです が、イブリツモマブ チウキセタンがリツキシマブを追い出してCD20に結合するのでは なく、各細胞にCD20を多く発現していますので、余ったと言いますか、リツキシマブ が結合していないCD20にイブリツモマブ チウキセタンが結合すると考えられておりま す。ただ、これはスペキュレーションの部分もありまして、正確な機序は不明な部分もあ りますが、現在の考えとしては以上です。 ○早川委員 ただ今の御説明ですが、庵原委員の方でお願いします。 ○庵原委員 難しいのですが、了解いたしました。 ○早川委員 関連して、よろしくお願いします。 ○堀内部会長代理 私もその点を疑問に思ったのですが、この二つの抗体のCD20に対 するアフィニティはどのように違いますか。 ○機構 親和性に差があるといったようなデータはありません。ですので、イブリツモマ ブ チウキセタンを入れると、腫瘍細胞であろうと正常細胞であろうと、CD20の所に結 合しに行く。リツキシマブもそうなので、どちらが特異的に腫瘍細胞へとか正常細胞へと いったところはないと考えています。 ○堀内部会長代理 一般的にCD20に対するアフィニティは違いませんか。 ○機構 違わないと、今考えております。申請者の見解もそのようであると考えます。 ○堀内部会長代理 そうすると、かなり効率の悪いことをやっているということですね。 ○機構 そうです。 ○堀内部会長代理 抗がん薬なので、がん細胞は完全にやっつけるということを考えない といけないと思うのです。 ○機構 そうなのですが、ただ、申請者のコンセプトとしては、リツキシマブ、要するに 放射線の付いていないリツキシマブを事前に投与しておくことで、腫瘍細胞にもゼヴァリ ンが付きにくくなるのですが、正常細胞にも付きにくくなるというところで、結果的に程 よい有効性と安全性が得られたという段階しか我々も御説明申し上げられないのですが。 ただ、ここはサイエンティフィックには非常に面白いところなのですが、現在の申請者の コンセプトはそのような考えです。実際、一定の腫瘍縮小という基準でになりますが、腫 瘍に対する有効性は確かにあって、安全性も許容可能範囲だったというところだと考えま す。 ○早川委員 よろしいですか。結果オーライということではあるわけですね。それから、 抗体の親和性が仮に同じであっても、リツキシマブはすべてのCD20を覆うわけではな く、親和性というものがありますので、ある種の解離状態が幾つかあって、後から入れた ものも空いている所に結合する、後から入れたものはβ線を放射するのでその周辺をたた く、想像すればそういう話かなと、そういうことも考えられる。ただ、これは実証がある わけではない、けれども、臨床的には効果がある、こういう話かなと思いますが。 ○庵原委員 臨床データは効いていますので、逆に言うと、効くメカニズムにちょっと興 味があってお聞きしたわけです。腫瘍細胞の方がCD20が過剰に発現しているのでリッ チな状態であるから、というようなことでもないわけですか。 ○機構 そういうデータもなさそうなので、違うだろうと考えています。 ○早川委員 後から来るものが放射能を持っているので、それが効く、そういうことだと は思いますが。機構は分からないけれども、それが承認の可否を左右する話ではないと思 いますので、よろしければ、次の質問をお願いいたします。 ○機構 では、二点目です。先生からは、「イブリツモマブはマウスモノクローナル抗体 ですから、原則、1回しか投与できないと思いますが、諸外国では再投与して効果を検討 したデータはありますか」という御質問をいただいております。  まず、イブリツモマブは、本治療1回において2回投与されます。すなわち、インジウ ム イブリツモマブ チウキセタンとして1回目、イットリウム イブリツモマブ チウキセ タンとして2回目ということです。先生の御質問は、この治療自体を繰り返したデータは あるかということと考えております。そうしますと、一応、公表論文ベースでは2報程度 使用経験があり、臨床試験でも投与した例はあるのですが、いずれにしても極めて限られ た情報で、現時点では再投与の有効性・安全性は分かりませんので、海外でも、日本でも、 1治療のみを推奨する状況と考えます。 ○早川委員 いかがでしょうか。よろしいですか。 ○庵原委員 はい。 ○早川委員 それでは、三番目の御質問をお願いいたします。 ○機構 三点目です。「マウス・ヒトキメラ型モノクローナル抗体製剤は幾つか市販され ていますが、キメラ型モノクローナル抗体製剤を投与されたヒトに本剤を投与しても、血 清病を引き起こす危険性はほとんどないと考えていいですか」という御質問をいただいて おります。  御存じのとおり、マウス・ヒトキメラ型抗体としてはリツキシマブ等が既に承認されて いますし、海外にももちろん多数のマウス・ヒトキメラ型モノクローナル抗体製剤がござ います。そういった状況下ですが、まず、臨床試験では血清病の報告はなく、また、海外 の市販後のデータで見ましても、現時点で確認したところ、2,404例に使用して、血清病 として報告された例は1例のみということですので、ゼヴァリン投与後に血清病が非常に 問題となるといったような状況は、現時点はないと考えております。 ○早川委員 いかがですか。よろしいですか。 ○庵原委員 はい。 ○早川委員 では、四点目をお願いいたします。 ○機構 最後、四点目です。「本邦でヒトに投与が許可されているマウス・モノクローナ ル抗体製剤はほかにありますか」という御質問です。  回答としましては、オルソクローンOKT3のみがございます。オルソクローンOKT 3は、腎移植後の急性拒絶反応の治療に用いられるものになっていまして、悪性リンパ腫 の治療に用いられることはないと考えております。 ○早川委員 いかがでしょうか。 ○庵原委員 この点も了解いたしました。 ○早川委員 ほかに御意見、御質問はございますか。 ○山口委員 基本的な質問なのですが、今リツキサンがあって非常に有効であると。そこ にイブリツモマブが。有効性についてはこちらの方がいいというデータはあるのでしょう か。 ○機構 これが海外で開発されている段階では、まだリツキシマブが一次治療として標準 になる前だったからできたと思われる試験が実はあります。それは、まだリツキサンが入 っていない患者さんにゼヴァリンとリツキシマブを比較した第III相試験というのはあり ます。ただ、今のこの効能・効果の対象疾患の患者さんは、ほとんどがもう一次治療でリ ツキシマブがまず全例に入っていきますので、その古い第III相試験の結果はゼヴァリンの 方が奏効率は高いのですが、その結果をもって一次治療でゼヴァリンをやるべきだろうと は、こちらとしては判断しておりません。ですので、その試験データだけを見ると、リツ キサンよりもゼヴァリンの方が奏効率は高いのですが、今の治療体系では、通常はまずリ ツキシマブを含む治療をやって、それで再発してきた患者さんなりにはゼヴァリンがオプ ションの一つになるだろうと考えています。 ○山口委員 分かりました。 ○早川委員 ほかに何かございますか。よろしいでしょうか。それでは、議決に入りたい と思います。池田委員、堀内委員、前崎委員におかれましては、薬事分科会での申合せに 基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。  それでは、本剤を承認可とすることに関していかがでしょうか。ありがとうございます。 本剤は新有効成分で、つまり既存の類薬がないということですので、薬事分科会に上程し、 審議することとさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  次は議題5、放射性医薬品基準の一部改正についてです。これについて機構から御説明 をお願いいたします。 ○審査第一部長 資料5です。簡単に御説明させていただきます。先ほどのゼヴァリンの 製品の形態ですが、供給する際には、イブリツモマブ チウキセタンに放射能をラベルし た形で供給するわけではなく、それぞれ塩化物の形、それから、抗体が別個にまいります。 そのために塩化イットリウム、あるいは塩化インジウムの液体の形の放射性医薬品基準と いうものを作成する必要がございますので、所要の規格を定めまして、本日、上程させて いただいたということです。よろしく御審議をお願いいたします。 ○早川委員 何か御意見、御質問はございますか。いかがでしょうか。それでは、これに 関しても議決に入りたいと思います。先ほどと同様に、池田委員、堀内委員、前崎委員に おかれましては、薬事分科会での申合せに基づきまして、議決への参加を御遠慮いただく ことといたしたいと思います。  それでは、本放射性医薬品基準の一部を改正することについて御承認をいただけますで しょうか。どうもありがとうございました。それでは、これも併せて薬事分科会に上程す るということでお願いしたいと思います。どうもありがとうございました。 ○池田部会長 早川委員、どうもありがとうございました。それでは、戻りまして、議題 1に入りたいと思います。議題1及び議題2の審議については、冒頭に申し上げましたよ うに、早川委員に進行をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。議題 1からお願いします。 ○審査管理課長 参考人の安藤先生にお見えいただいておりますので、着席していただき たいと思います。よろしくお願いします。 ○早川委員 機構から御説明をお願いします。 ○機構 議題1、資料番号1、医薬品ネクサバール錠200mgの生物由来製品及び特定生物 由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否等について、医薬品医療機器総合機構より説 明させていただきます。  本剤の有効成分であるソラフェニブトシル酸塩は、RAFキナーゼ活性阻害作用や、 VEGFR等の受容型チロシンキナーゼ活性阻害作用によって、腫瘍の増殖が抑制されると考 えられている抗悪性腫瘍剤です。  本剤の対象患者は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌患者です。腎細胞癌の患者では、 根治切除が可能な場合には手術が第1選択であり、根治切除後の再発や、根治切除の適応 でない転移を有する腎細胞癌の患者では、インターフェロンやインターロイキン2の、い わゆるサイトカイン製剤が標準的治療として使用されておりますが、その有効性は臨床的 に満足できるものではなく、また当該治療が無効な場合の標準的治療は確立されておりま せん。  本剤は優先審査に指定され、海外においては60か国で承認されております。  本品目の専門協議に御参加くださいました専門委員は、資料にございますとおり、12 名の委員です。  品質、毒性、薬理、ADMEについて大きな問題は認められませんでした。  また、主な臨床試験成績としては、国内で実施された一つの第II相試験と、海外で実施 された一つの第III相試験が提出されております。海外第III相試験の結果、サイトカイン製 剤による治療歴を有する、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌患者に本剤を投与した場 合、プラセボに対して無増悪生存期間の延長が認められており、本剤の有効性は示された と判断いたしました。  安全性については、本剤の使用において特に注意すべき有害事象としましては、高血圧、 皮膚障害、肝機能障害、血栓・塞栓症、出血、アミラーゼ及びリパーゼ増加、下痢、低リ ン酸血症など、様々な臓器での有害事象が出現しておりまして、国内臨床試験では重篤で あった例も認められております。機構は、本剤は、がん化学療法に精通した医師が極めて 慎重に使用する必要がある薬剤であり、製造販売後におきましては全例調査による有害事 象の収集と迅速な情報提供を行う必要があると考えております。  以上の審査の結果、機構は、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌について、本剤を承認 することは可能と判断しました。  本剤は、新有効成分含有医薬品であり、再審査期間を8年とすることが適当であり、原 薬及び製剤は劇薬に該当すると判断しました。また、生物由来製品及び特定生物由来製品 のいずれにも該当しないと判断いたしました。  御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。 ○早川委員 ありがとうございました。それでは、委員の先生方から御質問、御意見をお 願いしたいと思います。いかがでしょうか。 ○堀内部会長代理 この薬は最初、いろいろな固形癌について開発が進められていたと思 うのです。フェーズ1、フェーズ2を見ますと、固形癌全体で議論がされていると思いま す。それを最後に腎癌に持ってきたというのは、有効性についての検討は腎癌でやられて いるというのは分かりますが、そこに何か理由はあるのでしょうか。というのは、これを 見ますと、血管造成の阻害が一番大きく効いているのではないかと思いますが、そうする と、いろいろな固形癌に効く可能性はあると思われるのですが、そこの経過について、分 かりましたら教えてください。 ○機構 先生の御指摘のとおり、最初、いろいろな固形癌にやっていて、その中で、今回 は腎癌が良さそうだということで開発が進んでいます。実はこの薬は、肝臓の肝細胞癌に 対しても有効性があるということで、これは学会でも発表されておりまして、既に開発が なされている状況ですので、少なくとも肝癌に対しての開発がなされていることは確認し ております。 ○審査第一部長 補足ですが、資料の、CTDでいきますと1.5起原又は発見の経緯及び 開発の経緯という所の2ページ目に、今までずっと固形癌でやっていて何で腎癌の方を先 行するかというところの経緯が若干書いてございます。2ページの下の2段落ですが、 「国外第II相臨床試験としては」という所でいろいろな癌腫を入れております。進行性の 固形癌を入れているのですが、その中で癌腫ごとに取り出したところ、進行性の腎細胞癌 に400mgを1日2回連続投与した際の忍容性が良好だと、いわゆる有効性がかなり示唆さ れたということでほかの癌腫に先立ってまずやってみよう、ということが彼らの腎細胞癌 を先行させた理由と理解しております。  ほかの固形癌につきましては、今申し上げましたように、肝細胞癌についても既に開発 が進んでおりまして、ASCO等でかなりいい成績が出ています。 ○早川委員 先生、今の御説明でよろしいですか。 ○堀内部会長代理 1対1でやるのはいいのですが、有効性というのは、固形癌にはある 可能性がかなり強いということだと思いますので、できるだけ早くいろいろな癌に使える ような形になればいいなと思います。 ○早川委員 ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。本日、この件につきま しては安藤先生に参考人として御出席いただいておりますので、安藤先生の方から補足、 御意見がもしございましたらお願いいたします。 ○安藤参考人 本剤の有効性については、機構が示されたとおり、有効性は認められると 考えられます。専門協議で問題になりましたのは、先ほど機構からも提示がありましたよ うに、本剤は消化器、皮膚、高血圧、循環器、血液凝固と非常に様々な臓器に副作用を引 き起こす可能性のある薬剤ですので、先ほど申し上げたように、有効性については十分に 認められるのですが、安全性についても非常に注意深く使っていかなければいけない薬剤 だと思います。この薬をより安全に使っていただくために、製薬会社だけでなく、日本泌 尿器科学会等の学会からも、その安全な使用について、例えばガイドラインを出す等の働 き掛けを是非していただきたいと、私は思います。 ○早川委員 この薬の使い方について、機構の方で先ほども御説明いただいたと思います が、更に追加がございましたらお願いいたします。 ○審査第一部長 特に追加はございません。この品目の安全性につきましては、我々も十 分確保するべきと認識しておりますので、今後のいろいろな御意見を頂戴する中で指導し ていきたいと思っております。 ○堀内部会長代理 今のことに関連して、我々も治験をやりまして重篤な肝障害を起こし た1例を持っていますが、最初の時期の使用については制限するとか、専門家が扱うとか、 そういうことは何か考えているのでしょうか。情報伝達機構のいろいろな所をブロックし ますから、何が起こるか確かにまだ分からないところがたくさんあると思いますが、その 辺はどのように考えていらっしゃいますか。 ○機構 いつものとおり、警告では化学療法に、特に泌尿器科の先生方は手術が御専門で、 今、腎癌ではサイトカイン製剤のようなお薬しかなかったところに初めてこういう分子標 的薬剤と言われるものが入っていくので、非常に慎重にやっていただく必要があります。 では、具体的にどこに慎重になればいいのかというのは、そういった情報提供冊子を充実 させる方向で企業とも今やりとりをしておりますし、全例調査を実施する中で、どういう ところにどうやって気を付けていったらいいのかというのを先生方に理解していただく ように、情報提供をしてもらう方向で企業には指示を行っております。 ○堀内部会長代理 使用施設等、あるいは使用する医師等についての制限は付けないとい うことですか。情報を十分伝えればそれでいいと。 ○機構 全例調査に契約できる施設が、最近いつも全例調査でお願いしているような、緊 急時に対応できる医療機関で化学療法に精通していると考えられる先生方がいてといっ た所になりますが、具体的に施設名あるいは医師の資格等を制限するといったことは、現 在、考えておりません。 ○早川委員 いかがですか。 ○堀内部会長代理 この件について安藤先生に。 ○早川委員 安藤先生、もし何かございましたらお願いします。 ○安藤参考人 これは私の見解ですが、現実的に何らかの制限を設けるのはなかなか難し いと思うので、先ほど機構の方がおっしゃった方針と、やはり学会から是非安全な使用に ついてのガイドライン等を出していただいて、働き掛けていただきたいと思います。 ○早川委員 そのほかに何かございますか。よろしいですか。それでは、議決に入りたい と思います。なお、池田委員、堀内委員、前崎委員におかれましては、薬事分科会での申 合せに基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくことといたします。  それでは、本剤の承認を可とするという件について御了承いただけますでしょうか。ど うもありがとうございました。それでは、本剤の承認を可として薬事分科会に報告するこ ととさせていただきます。安藤先生、どうもありがとうございました。  次に、議題2の審議に入りたいと思います。グレースビット錠50mg、同細粒10%の製 造販売承認の可否等についてです。なお、前崎委員におかれましては、本議題の審議の間、 別室で御待機いただくことといたしたいと思います。よろしくお願いします。 ── 前崎委員退室 ── ○早川委員 総合機構から概要の御説明をお願いいたします。 ○機構 議題2、資料番号2、医薬品グレースビット錠50mg、同細粒10%の生物由来製 品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の指定並びに毒 薬又は劇薬の指定の要否について、医薬品医療機器総合機構より御説明申し上げます。  シタフロキサシン水和物は第一製薬株式会社(現、第一三共株式会社)が開発したフルオ ロキノロン系抗菌薬であり、グラム陽性菌及び嫌気性菌に対する抗菌活性の増強、グラム 陰性菌に対する抗菌活性の保持、薬物相互作用や毒性の低減並びにレボフロキサシンと同 様に尿路感染症に対する有効性が得られることを目的として開発された薬剤でございま す。  本邦では、19□年から経口剤の臨床開発が開始され、20□年に製造承認申請がなされま した。申請データパッケージ中の第II相試験(14試験)がGCP不適合とされまして、 20□年□月に製造承認申請がいったん取り下げられております。  その後、臨床試験8試験を追加し、初回申請時にGCP不適合とされた試験を除いた、 その他の試験と併せて、今般の申請に至っております。なお、海外で承認を取得している 国はございません。  本剤の専門委員といたしましては、資料11にありますとおり、7名を指名し、御意見 を賜りました。  機構は提出された国内臨床試験成績に基づき審査を行った結果、レボフロキサシン及び トスフロキサシンを対象とした比較臨床試験やその他、一般臨床試験の成績より、本剤の 有効性は確認されており、安全性についても承認にかかわる大きな問題はないと判断いた しました。  しかしながら、尿路領域の緑膿菌感染症に対する本剤の菌消失率は90%であったこと に対しまして、呼吸器領域並びに耳鼻咽喉科領域の緑膿菌感染症に対する本剤の有効率は 18.2%であったことから、呼吸器領域及び耳鼻咽喉科領域の緑膿菌感染症に対する本剤の 有効性については、添付文書及びインタビューフォーム等の情報提供資材により情報提供 し、さらに製造販売後、使用成績調査等で引き続き情報を収集する必要があると考えてお ります。  また、本剤による下痢並びに肝機能検査値異常については、審査報告87ページにあり ますとおり、十分な注意喚起が必要であると考えております。  さらに、申請された用法・用量において、有効性・安全性は確認されているものの、非 臨床試験成績においては、更なる優れた用法・用量の可能性が示唆されていることから、 至適用法・用量については引き続き検討する必要があると考えております。  これらの点につきましては申請者に指示をしており、申請者もこれを了解しておりま す。  機構は、以上のような審査を行いました結果、本剤を審査報告書2ページにあります効 能・効果、用法・用量にて承認して差し支えないと判断いたしました。なお、再審査期間 は8年、原体及び製剤は毒薬及び劇薬に該当せず、生物由来製品又は特定生物由来製品に も該当しないと判断しております。薬事分科会では報告を予定しております。よろしく御 審議のほどお願い申し上げます。  なお、本品目については庵原委員より事前に意見、御質問をいただいております。御質 問いただいた点について、一点目としては、グレースビット細粒10%について、どのよ うな投与対象を想定して開発したのか、また、今後の小児に対する適応拡大の予定につい て、ということでありました。この点について、臨床で使用されているニューキノロン系 抗菌薬のうち、細粒剤が販売されているものはレボフロキサシンのみであり、レボフロキ サシンは錠剤の服用が困難な患者における易服用性の確保及び腎機能低下患者への用量 調製を目的に開発されております。本剤にしても同様の目的で細粒剤を開発したとのこと です。なお、小児においては、本剤の製造販売後における成人での安全性がまだ確認され ていない現段階では、適応拡大の予定はないと申請者から聞いています。  二点目は、シタフロキサシン、本剤の非結核性抗酸菌症に対する感受性のデータ、又は 適応拡大の予定についてです。この点については、非結核性抗酸菌症に対する文献でのデ ータから、シタフロキサシンは他のニューキノロン系抗菌薬に比較して、非結核性抗酸菌 に対しての抗菌力が強いとされていますが、非結核性抗酸菌症の主要原因菌であるマイコ バクテリウム・アビウム及びマイコバクテリウム・イントラセルラーレに対する本剤の抗 菌力は十分でなく、また、この非結核性抗酸菌症は長期投与が必要となっているのですが、 長期投与における安全性も、現在のところまだ確認されていないことから、現時点では、 非結核性抗酸菌症に対して適応を拡大する予定はないと伺っています。どうぞよろしくお 願いします。 ○早川委員 それでは、まず、庵原委員から御質問をいただいていますので、その二点に ついてお願いします。 ○庵原委員 キノロンで細粒をわざわざ開発した意図がどこにあったか、というところを 確認したかったのが一つです。もう一つは、一般的にニューキノロン剤は非結核性抗酸菌 に感受性を有しており、諸外国ではHIV感染者の非結核性抗酸菌にニューキノロン系抗 菌薬を使うという方向に動いています。本邦でもこういった新しい薬を開発するときに、 非結核性抗酸菌への適応をあらかじめ考えた上で開発しているのか、それとも、レスピラ トリーキノロンの意図で開発しているのか、その辺の開発の意図を確認したかったという ことですので、その回答でよろしいかと思います。 ○早川委員 ありがとうございました。それでは、ほかに委員の先生方で御意見、御質問 はありますか。 ○三瀬委員 ニューキノロン系の薬剤として非常に素晴らしいとは思えないのですが、承 認して差し支えないという御意見には賛成しています。とりあえずPRSPなどには効果 があるという特長もあるようです。  少し気になっていたのは、緑膿菌に効果があると言われていて、呼吸器感染症、特に肺 炎などを起こす緑膿菌に対しては効果がほとんどないというところを気にはしていたの ですが、今の御説明で、それなりの対処をされるということで、一応、安心はしています。 以上です。 ○早川委員 機構の方からはよろしいですか。特に御質問ということではなくて、今のは コメントであったかと思うのですが。 ○堀内部会長代理 添付文書の「小児等への投与」の所ですが、「安全性は確立していな いので、投与しないこと」となっています。これは、投与してはいけないということだと 思いますが、投与してはいけないのですか。 ○機構 添付文書の1ページ目、「禁忌」の項に小児が含まれておりますので、原則投与 しないこと、ということです。  小児が禁忌なのは、非臨床試験、毒性試験で軟骨に対する関節毒性が認められているこ とから、小児に対しては禁忌とさせていただいております。 ○堀内部会長代理 そうすると、それはきちんと説明をしていただかないと、ただこうい う「投与しないこと」という書き方をすると、小児科の先生は分からないです。 ○機構 その点については、添付文書の2ページ、9.その他の注意の(1)で、動物実験 で関節毒性が認められているという旨を注意喚起していますが、これが直接リンクするよ うな形に読めるように、リファレンス等を引かせていただきたいと思います。 ○庵原委員 確認ですが、これは、この薬を使って幼若犬で関節障害がきたということで すか。それとも、一般的に、最初にバクシダールの開発のときにこのデータが出て、それ 以来、これがずっとニューキノロンでは紹介されていますので、それがそのまま残ってい るのかという、そこの確認です。実際にこの薬を幼若ビーグルなり幼若犬に使って、この データが出たかどうかということの確認です。 ○機構 審査報告書29ページを御覧ください。第2パラグラフ冒頭からですが、関節毒 性について、この薬を用いて幼若犬、成犬、両方で実験が行われています。そちらにおい て、幼若犬の方がセンシティビティーが高いことを確認しております。したがいまして、 この薬剤については、このデータからは小児に対する本剤の投与が推奨できるものではな いと判断しました。  このデータについては、他のフルオロキノロン系との比較等はなされておりませんの で、既存のものとの強弱については、現在、データがない状況にございます。 ○早川委員 いかがでしょうか。 ○庵原委員 確認ですが、29ページの文章は、体重当たり4.69mgを投与して大丈夫だと いうデータですね。この書きぶりですと、これより多い量を投与して実際に起こったとは 読めないのですが。 ○機構 実際の関節毒性のデータの方は、2.6.7の「毒性試験概要表」というタグが付い ているかと思います。そちらの85ページに、関節毒性の検討を行った結果が出ておりま して、そちらで、もっと上の投与量まで投与して、それより上の用量では毒性が認められ たという形になっています。 ○早川委員 2.6.7が付いているものを持っていないのです。 ○機構 申し訳ありません。こちらで読み上げさせていただきます。実際には投与量とし て4.69の上、14.1、42.2というところまで投与をしておりまして、それより上のところ では毒性が認められたことから、無毒性量として4.69という、毒性が認められなかった アッパーリミットの用量を書いているという状況です。失礼しました。 ○庵原委員 了解しました。 ○早川委員 ほかにいかがでしょうか。 ○飯沼委員 添付文書1ページ目の「効能・効果」と、最後のページに「薬効薬理」とい う所がありますね。これは菌種が違いますが、どのように外してあるわけですか。「適応 菌種」の所と「抗菌作用」の所が、必ずしも同じではない。効くけれども、適応症状はな いと、こういうわけですか。 ○機構 「薬効薬理」の項に書かせていただきましたのは、抗菌スペクトルを有すること が確認されている菌種で、その中で臨床試験において、ヒトで臨床効果としての有効性が 確認された菌種を、適応菌種にしているという形になっています。したがいまして、100 %は一致していないという状況になっています。 ○飯沼委員 昭和55年の武見・橋本という書簡がありますね。深読みすると、後ろの、 そのように使えということでしょうか。 ○審査管理課長 それは保険局マターですが、医薬品機構の方で、昭和55年通知、ある いは保険行政を念頭に置いたことをやっているわけではありませんから、そういう意味で 申し上げますと、ありのままデータがある形で書かせていただいている。  繰り返しになりますが、抗菌作用の方はin vitroで抗菌作用があったものを書かせて いただいていますし、臨床試験において結果的に有効性・安全性が今の段階で実証されて いると思うものについて適応症で書かれている。これを世の中でどう使っていくかという のは、ある程度、現場の御判断というものもあるのだろうと思います。 ○早川委員 ありがとうございます。ほかに何かございますか。 ○堀内部会長代理 多剤耐性菌に対しては、例えばMRSAに対しては、これは微妙な書 き方がしてありますが、添付文書では違うものと比べると有効であったという表現になっ ていると思うのですが、有効性があると評価をして、MRSAに感染している場合には使 えるのではないかと、そのようにとらえていいのですか。 ○機構 申し訳ありません。添付文書でMRSAに使えると読めると、先生が今御指摘く ださった点はどちらになりますでしょうか。 ○堀内部会長代理 添付文書の最後の「薬効薬理」、これはMRSAは入っていませんか。 ○機構 薬効薬理の所におきましては、ブドウ球菌については、特に耐性菌に関する記載 は。 ○堀内部会長代理 緑膿菌ということだけで書いてあるわけですね。 ○機構 はい。 ○堀内部会長代理 ブドウ球菌については書いていない。すみません、間違えました。 ○早川委員 ほかにいかがでしょうか。それでは、議決に入りたいと思います。なお、新 井委員、池田委員、堀内委員におかれましては、薬事分科会での申合せに基づいて、議決 への参加を御遠慮いただくこととします。  それでは、本剤の承認を可とするということについて、御了承いただけますでしょうか。 どうもありがとうございます。それでは、本剤の承認を可として、薬事分科会に報告する こととさせていただきます。 ○池田部会長 早川委員、どうもありがとうございました。以上で審議事項が終了しまし た。次に報告事項に移りますので、機構あるいは事務局から順次説明をお願いしたいと思 います。 ○機構 それでは、報告事項の議題1「医薬品ロセフィン静注用0.5g、同1g及びロセ フィン点滴静注用1gバッグの製造販売承認事項一部変更承認について」報告いたしま す。資料7を御覧ください。  本剤は、第三世代セフェム系抗菌薬であり、現在は、「小児における1日2回投与の用 法」で承認されております。  今般、中外製薬株式会社から、「小児における1日1回投与の用法」を追加する製造販 売承認事項一部変更承認の申請がなされたものです。  また、本申請は、平成11年2月1日付け、研第4号及び医薬審査第104号、厚生省健 康政策局研究開発振興課長及び医薬安全局審査管理課長通知「適応外使用に係る医療用医 薬品の取扱いについて」に基づいて行われたものです。  医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本剤を承認して差し支えないと判断いた しました。 ○事務局 続きまして、資料8、報告事項、議題2、優先審査品目指定の審査結果につい て御報告します。  優先審査の取扱いについては、本日お付けした資料の2ページ目に、その概要をお示し していますが、この制度は、薬事法第14条第7項に、「厚生労働大臣は、承認申請され た医薬品が、希少疾病用医薬品、その他医療上特に必要性が高いと認められるものである ときは、当該医薬品の審査を、他の医薬品の審査に優先して行うことができる」という規 定がございまして、今般、その指定に当たって、「(参考)」にお示ししている適応疾病の 重篤性、医療上の有用性を総合的に評価して、判断をしたというものです。  資料の1ページ目にお戻りください。今回、指定の報告をする品目は、タイケルブ錠 250mg、成分名ラパチニブトシル酸塩水和物です。今般、本剤について、HER2過剰発 現を示す手術不能又は再発乳癌を適応疾患とする製造販売承認申請がなされたものです。 この適応疾病でありますHER2、ヒト上皮増殖成長因子受容体の過剰発現を示す乳癌患 者においては、再発率が高く、予後が不良であることから、生命に重大な影響がある重篤 な疾患に該当すると判断しました。  また、医療上の有用性では、海外でアントラサイクリン系及びタキサン系薬剤、並びに トラスツズマブの治療歴を有する乳癌患者を対象とする第III相比較試験が行われ、無増悪 期間の中央値が、カペシタビン単独投与群に比べ、本薬・カペシタビン併用投与群が、そ れぞれ19.7週と36.9週というように、有意に延長することが示されており、医療上の有 用性が高い品目であるものと判断され、本品目を優先審査品目に指定することとしまし た。この品目については、審査を経た後に、また改めてこの部会で御審議いただくことに なると思いますので、よろしくお願いします。以上です。 ○機構 続きまして、最後になりますが、議題3「医薬品優先対面助言品目の指定につい て」報告いたします。資料9を御覧ください。  優先対面助言品目指定の制度については、薬事法で規定する「医療上特に必要性が高い と認められるもの」となることが期待される開発中の薬剤について、他の品目に優先して、 医薬品医療機器総合機構が治験の相談に乗っていく制度です。「優先対面助言品目」につ いては、「優先審査品目」の選定の考え方に準じて、指定の時点までの国内外の試験結果 を踏まえ、「適応疾患の重篤性」と「医療上の有用性」を総合的に評価することによって 指定しているものです。  そこで、資料の1枚目を御覧ください。今回指定したもの二つのうちの一つは、塩野義 製薬株式会社の治験成分記号S-021812です。優先対面助言の対象効能としては「A型又 はB型インフルエンザウイルス感染症」です。  本剤は、ノイラミニダーゼ阻害作用を示すことによって、抗インフルエンザウイルス効 果を示すものです。  「医療上の有用性」に関しては、「(参考)」の二つ目にありますが、in vitroにおい て、本剤はトリインフルエンザウイルス株H5N1型のノイラミニダーゼに対して、強い 阻害活性を示すとともに、ヒトA型及びB型インフルエンザウイルス株のノイラミニダー ゼに対して、既存薬であるオセルタミビル及びザナミビルと比較して優れた阻害活性が示 されていることから、当該疾患の治療において、高い有用性が現時点で期待されると判断 し、機構における優先対面助言の品目に指定したものです。  続いて1枚めくっていただきまして2枚目を御覧ください。もう一つは、グラクソ・ス ミスクライン株式会社のH5N1型インフルエンザワクチンの成分記号や一般名は未定 のものです。優先対面助言の対象効能としては「インフルエンザの予防(パンデミックの おそれがある場合)」です。  本剤は、高病原性のH5N1型インフルエンザウイルス株のHAスプリット抗原を含有 するAS03アジュバントを添加したワクチンです。  「医療上の有用性」に関しては、これも「(参考)」の二つ目を見ていただきますと、臨 床試験において、HI抗体価を指標とした本剤の免疫原性は、CHMP基準を満たすこと が確認されているものです。また、ヘテロウイルス株に対する交差免疫反応を誘導する可 能性が示されておりまして、本剤の高い感染防御能が期待できると判断しまして、今般、 機構が行う優先対面助言品目に指定したものです。以上です。 ○池田部会長 ありがとうございました。三つほど報告事項がございました。一つはロセ フィンの静注薬。これは承認事項の一部変更ということで、小児の1回投与を可とするも のです。もう一つは優先審査指定品目の審査結果。もう一つは優先対面助言品目の指定と いうことです。いかがでしょうか。何か御質問はございますか。特によろしいでしょうか。 もしないようでしたら、この報告事項は御確認いただいたということにさせていただきた いと思います。ありがとうございました。  本日の議題は以上ですが、事務局の方から何かございますか。 ○事務局 次回の部会ですが、既に御案内のように、11月21日(水)午後2時から開催さ せていただく予定ですので、よろしくお願いします。以上です。 ○池田部会長 ありがとうございました。それでは、本日はこれで終了させていただきた いと思います。早川委員、重ね重ねありがとうございました。これで終わります。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 審査管理課 課長補佐 河野(内線2734)