07/10/03 中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会平成19年10月3日議事録 07/10/03 中央社会保険医療協議会          第99回診療報酬基本問題小委員会議事録 (1)日時  平成19年10月3日(水)9:59〜11:26 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史小委員長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 前田雅英委員       室谷千英委員  対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 高橋健二委員(代 清水)  松浦稔明委員  竹嶋康弘委員 鈴木満委員 西澤寛俊委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員       古橋美智子専門委員        <事務局>       水田保険局長 原医療課長 他 (4)議題  ○7対1入院基本料について       ○小児医療について (5)議事内容  ○土田小委員長  10時にまだ1分ほど前ですが、皆様おそろいになりましたので、ただいまより、第9 9回中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会を開催いたします。  最初に、委員の選任について御報告申し上げます。  9月27日付で、中医協委員のうち8名が任期満了を迎えられております。  まず、大内委員、飯沼委員及び石井暎禧委員は御退任されまして、その後任として、高 橋健二委員、中川俊男委員及び西澤寛俊委員が発令されております。  また、対馬委員、竹嶋委員、鈴木委員、邉見委員及び山本委員につきましては、任期満 了になりましたが、その後改めて発令されております。  これらの中医協委員の異動によりまして、本日の小委員会の委員につきましても異動が 生じることになります。去る3月に改定されました中央社会保険医療協議会議事規則にお きましては、小委員会に属すべき委員は、中央社会保険医療協議会の承認を経て、会長が 指名することとされております。このため、本日の基本問題小委員会の開催に先立ちまし て、この委員の異動を踏まえて、中医協の各委員に対し、会長の立場から、この委員会に 属するべき委員について御相談を行いました。その結果、大内委員の後任として高橋委員、 石井暎禧委員の後任として西澤委員を指名させていただいております。  なお、本日は高橋委員が所用のため御欠席とのことですので、西澤委員より一言御挨拶 をお願い申し上げます。 ○西澤委員  西澤でございます。このたび中医協委員として選任されましたので、頑張りたいと思っ ております。私たち全日本病院協会の目的でございますが、国民に質の高い医療を効率的 に、我々が誇りと達成感を持って提供するとなっております。そのようなために、診療報 酬体系あるいは点数がどうあるべきか、そのような観点で頑張っていきたいと思っており ます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、白石委員が御 欠席で、高橋委員の代理で全日本海員組合の清水さんがお見えになっております。  また、審議官は公務のため欠席させていただく旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  今日から本格的な審議に入るわけですが、次期診療報酬改定に向けた議論として、最初 に「7対1入院基本料」を議題としたいと思います。これに関しましては、前回診療報酬 改定の実施直後から看護師の労働市場に大きなインパクトを与えたとする報道がたび重ね て行われまして、昨年の秋以降、中医協総会におきまして議論を積み重ねてまいりました。 その上で、今年の1月に「建議」を行ったという経緯がございます。  この議論に関連しまして、前回改定の前後で、看護師の離職状況などがどのように変化 したのかというような点につきまして、看護協会において調査を行ったということでござ います。本日は、その概要について資料が提出されておりますので、古橋委員より御説明 をお願い申し上げます。 ○古橋専門委員  本日は、お時間を割いていただきまして、ありがとうございます。ただいま会長からお 話しのありました件に関しましては、お手元の資料A4の横版でございます「7対1入院 基本料に関連した看護職員確保及び定着の状況」として、日本看護協会が実施いたしまし た2つの比較的大きい規模の調査から整理をいたしましたものを御報告申し上げます。  まず1つの調査は、確保対策を具体的に各病院が練り、採用数等も具体的に決めて展開 が始まりますのが、毎年その採用時の前の年の夏から秋、さらに年度末にかけてでござい ます。それに関連した調査を、昨年の11〜12月に全国の全部の病院9,024に配布 いたしました結果、3,210から回答が届きました。それを分析したものと、もう1つ は、結果的にどのように確保ができたかということを、今年の4月に3,000の病院に 配布をいたしまして、1,479病院から回答を得ました。その両方から御報告いたしま す。  調査結果の概要は3ページに書いてございます。事実、確保の結果がどうであったかと いうことと、昨年秋から年度末にかけまして展開いたしました確保の方法や対策というも のがどのような内容であったかということと、3つ目の切り口といたしましては、7対1 入院基本料が現場にどのような影響を与えたかということと関連させて、離職等の状況は どうであったかということをまとめました。  最初の確保結果でございますけれども、丸の1つに書きました。採用予定数に対して看 護職員を確保できた割合は、全体で約7割でございました。確保人数が7割でございます。 これにおきましては、地域間の格差や病床規模におけます格差の傾向は特段見られなかっ たということと、もう1つは、今年4月現在の入院基本料届出の予定に関しましては、 「引き上げる」「現状維持」と予定しているところが全体の96%、「引き下げる」と答 えたところは1.4%ということでございまして、この結果は、くしくも上の昨年の秋か ら冬にかけて行った調査の傾向と非常に似ておりました。  それから、確保対策としてどういうことを展開したかということで、「確保できた」と 答えた病院は、教育研修体制の充実とか夜勤や人員配置などの勤務体制、そして確保のた めにさまざまに工夫した、これが好影響を与えたというふうに回答されております。それ から7対1算定のできている病院は、確保に関しましては多様な方法を展開しているとい うことが見てとれました。なお、いろいろ議論も出ましたけれども、着任時の準備金支給 とか採用試験時の旅費や手当ということに関しましては、回答病院の全体で1割以下とい う状態でございました。  それから、7対1入院基本料が看護の現場にどのような影響を与えているかということ を3つ目の切り口でとらえてみました。その結果は、ケアの質の向上、内容的には、「一 人一人の患者のケアにあたる時間が増えた」、医療安全の確保に関連いたしましても「新 人の指導・サポートにあたる時間が増えた」、労働状況の環境は「超過勤務が減少した」 「休憩がとりやすくなった」等が効果として見てとれるということがございました。さら に、看護職員の定着に関しましては、「離職が減った」「変わらない」が7割以上を占め ておりまして、看護配置の多い病院ほど離職が少ない傾向が見てとれました。  今申し上げました結果の概要につきまして少し踏み込んで御説明をいたします。4ペー ジでございますけれども、確保の結果でございます。これは、1,479病院の回答でご ざいますが、100%確保できたというところが560病院でございまして、全体の37. 9%でした。それから、確保できなかった病院が864病院、58.4%ございますが、 これは、50人募集したけれども、49人確保でき1人足りなかったというのもこの中に 入っておりまして、3人募集したけれどもそのうち2人しかとれなかった、あるいは1人 だけ採用したいと願ったが1人もとれなかったと、こういうのが全部入っておりますので、 この「確保できなかった」ところの内容には、開きあるいは差もございます。  それを内容的に少し追いかけてみましたものが6ページでございます。これは確保でき た割合でございますが、オレンジで示しました棒グラフが、大体7割以上とれたというと ころでございます。予定人数の7割以上とれたところが、病院数のうち約半分でした。7 割を切ったところがグリーンの棒グラフでかかれております。そのうち、1人も確保でき なかった、0%というのが4.3%、64病院ございました。これから読めますことは、 実際に看護職員を確保できた割合というものは、1人も確保できなかった病院を0、確保 できたと回答した病院を100とすると、全国平均で69.9%、約7割の人数がとれた ということでございます。  それで注目すべきことは、病院の立地別の確保割合でございますけれども、区分といた しましては、東京23区・政令指定都市、過疎地域指定地域市町村、その他の市町村とい うふうに分けてみますと、これはくしくも相違がないというデータでございます。10 0%とれたところと7割以上の予定人数がとれたところはほぼ一致しておりました。過疎 地域でも72.6%というふうに、3つの区分の中では高い値が示されました。  次の8ページでございます。病床規模別で見ますと、これも大きな特段の差は出ており ません。区分は99床以下、100〜199床、200床以上という形で区分をいたしま した。100〜199床の部分が少し確保状態に低さが見てとれますが、格段の格差の傾 向は見られていないというふうにとらえております。  それから、この確保の結果を得まして、私どもも大変気を張ったところでございますけ れども、経営にも影響を与えます入院基本料のランクを下げなければならない、確保結果 によりまして、それがどのくらい予定されるのかということをずっと追ってまいりました が、4月現在で「引き下げる」予定と答えられたところは1.4%の20病院、一方、 「引き上げる」という答えは、204病院の13.8%、「現状維持」が82.2%、 「現状維持」と「引き上げる」を合わせますと96%でございました。  確保の結果は以上でございましたけれども、これにたどり着くために各病院がどのよう な確保対策を駆使し、あるいは用いられたかということを、2の区分で調べております。 11ページは、予定した人数を確保できた理由、オレンジの棒でございます、それから確 保できなかった理由、グリーンの棒でございますが、このような分布でございます。  これを少し内容的に吟味いたしますと、12ページでございます。職員採用成否のポイ ントで、100%確保できた病院560の内訳を見てみますと、その理由の上位3つは、 1位が「教育研修体制」、2位が「夜勤や人員配置などの勤務体制」、3位が「看護職員 確保対策の工夫」と答えられております。こういうことからも、確保に至るためには、各 病院は研修プログラムを持ち、そうした研修体制を説得力のある内容で展開することの重 要性や、個人一人が就職病院を選択する状況の中では、やはり人員配置などの勤務体制も 重要であるということ、それから確保対策についても、さまざまに工夫を取り入れるとい うことが結果につながるというふうに見てとれます。  なお、解釈を下の枠に書いておきましたが、13対1、15対1算定病院は、労働条件、 立地に関する項目を挙げるところも多くございました。  それから、この確保に対しまして準備金支給あるいは給与の引き上げ等に関しましてど のような状態であったかを、回答病院3,210の全体と、7対1をとりました330の 状態で調べました。図のとおりでございます。ごらんいただければと思っております。  それから、確保対策の具体的内容でございます。これを14〜15ページに連ねて記載 してございます。22の項目に整理しておりますけれども、回答病院全体あるいは7対1 算定病院ともに、募集を複数回数実施したとか、ホームページに病院紹介や求人を掲載し たとか、求人広告の掲載等、従来どおりの一般的な方法で看護職員確保に取り組んだ病院 が多いということが見てとれております。ただ、薄いグリーンが7対1病院でございます。 ここを見ますと、濃いグリーンはある意味で順番に減ってきておりますが、7対1病院で は、さまざまな病院がかなり頻度多く、多様に確保対策を展開したということがわかりま す。なお、旅費の支給、手当の支給、着任時の準備金等については一番おしまいの位置に ランクしておりまして、この程度でございました。  それから最後は、7対1入院基本料の看護現場への影響について見てみました。16ペ ージからでございます。全体的な分布は17ページのグラフでございますけれども、好転 した内容をフォーカスしてみましたものが18ページに書いてございます。看護職員配置 引き上げによる看護現場への影響としては、「一人一人の患者のケアにあたる時間が増え た」というのが、7対1に引き上げた病院190病院では約6割がそのように答えており ます。引き上げたけれども7対1ではなかった病院も、4割強がこのようにケアの時間が 増えたというふうに答えております。それから「新人の指導・サポートにあたる時間」に 関しましては、7対1病院に引き上げた病院190では47.9%、7対1以外に引き上 げた病院252では34.5%でございました。その点から見ましても、好影響というの がこういう項目で生産されてくるということをとらえたわけでございます。  17ページでも見られますが、「勤務中の休憩がとりやすくなった」とか「有給休暇が とりやすくなった」という答えでは、「どちらでもない」とか「そうは思わない」が、7 対1算定病院でも依然として半数を占めておりまして、看護職員の給与水準が改善されて いるというような病院も少数でございました。  それからあとは定着対策の結果でございます。7対1等が離職にどのように影響したか についてでございます。これが19ページでして、1,479病院、これは4月の緊急ア ンケート調査の結果の数でございますけれども、「離職が減った」が403病院の27. 2%、「変わらない」が46.5%、「離職が増えた」が24.9%の369病院でござ いました。「変わらない」と「離職が減った」というのが、合わせて1,090病院の7 3.7%でございました。なお、「離職が増えた」というところを少し追ってみますと、 病床規模という点では、規模の小さい病院ほど離職が高いという傾向は見られず、また、 過疎地域、あるいは東京23区・政令市、その他の市町村と区分をいたしましても、数字 はここに書いておりませんが、ほぼ同様でございました。  最後でございます。一般病棟の入院基本料届出区分による離職状況におきまして、離職 が昨年に比べて「減った」と答えられました403病院全体の27.2%の病院につきま して、区分ごとで見てみますと、7対1をとったところが37.4%、そのあと順にお示 ししております数字のとおりで離職が減っているということから、看護配置数の多い病院 ほど離職は少ない傾向が見られ、看護配置数と看護職員の定着状況に一定の相関関係が示 唆されていると受けとめております。  御報告は、以上でございます。ありがとうございました。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  解釈はいろいろと出てまいりますが、職員の維持確保に向けた努力が一応の実を結んで いることであるとか、あるいは医療の質の向上がある程度見られるというような、そうい う御指摘がありましたが、ただいまの説明につきまして御質問、御意見などございました ら、どうぞ。 ○竹嶋委員  本当に貴重な資料を御提出いただきまして、ありがとうございました。まずお礼を申し 上げます。  その上で、私どもも1月17日の中医協総会におきまして、看護職員の需給に関する調 査の結果をこの場で御報告させていただきました。そのとき私たちが申し上げたのは、7 対1達成のために、全国換算しますと、2万床が削減されようとしている、こういう事実 があるということと、それから病棟や病床を閉鎖しても、なおかつ看護師・准看護師の皆 さんの不足数は、この1年半の間に、我々の計算としては7万人増えるのではないか、こ れは後から検証されることだと思います。そういうことの中から、常に全国各地域で、で きるだけこの7対1をやっているような良質な看護体制をとれるように、これは理想でご ざいますし、現実化へ向けてそれを考えている立場から、幾つか私たちなりに、今お話を 聞きましてお尋ねしたい。これはもう十分理解できないところもありますので、お許し願 いたいと思います。  まず、今お聞きしておりまして、13ページが一番よくおまとめになっていらっしゃい ますので参考になると思いますが、13ページの1番の給与水準、私たちは、当時そのデ ータをお示ししましたが、この7対1のところの看護師さんの給料と、それから一般の病 院といいますか、それぞれのお給料の差もここで示しました。給与水準を高く設定した病 院が、御説明では7対1の方が少ないというような、これは結果ですから、そういう御説 明があったと思いますが、一つ私が思いますのは、7対1、この比較が7対1をとったと ころととっていないところの比較でなくて、7対1をとったところと全体との比較をして いるというところで、少しぼやけてきていないかという気が一つするわけなのです。これ が一つ感じたところでございます。  それから2番目ですが、一般病棟入院基本料につきまして、「引き上げる」「現状維 持」を予定しているところは96%ありますということでございました。この内容ですが、 予定として引き上げを希望するところがあれば、これはもう当然と思うのですね、当然と っていかなければいけません。ですから、この結果にもどういう意味があるのかなという 疑問がわきますということです。  それから3番目、看護職員が確保できました理由は、結果としてそう思われるという、 私ども主観のようにお聞きするのですが、教育研修体制、要するに、7対1をとったとこ ろは、教育研修体制あるいは夜勤等々がもともとそうだったのか、あるいは今回例えば7 対1をとるために、そういうところは新たにそういうことを試みられたのか、そこらあた りをどうだろうかということをお聞きしたいと思います。  それから、看護配置を引き上げた場合、これはもう言わずもがなでして、もうどこでも そうしたい、人員に余裕ができるからケア時間が増えます、これは当然のことであります から、ここは当然のことを言っておられるのではないかなと。  そういうことで、もう1つだけ申し上げたいのですが、確保できた理由として教育研修 体制があるということの御主張がございましたけれども、また別のところでは、逆に確保 できなかった理由として給与というのが第1になっているのです。そのあたりをどういう ふうにお考えというか、説明ができるだろうかなと。  そういう幾つかの、本当にぶしつけでございますが、疑問がわくので、そのあたり、多 少でも御説明いただけたらありがたいと思います。 ○古橋専門委員  御質問ありがとうございます。  まず、給与水準に関しましては今回のデータで出しておりません。実は、日本看護協会 は、4年に1回非常に大きい規模で病院基礎調査というのを行っております。今回、その 調査の設定が終わったところで、実施に入って、配布を始めようとする段階でございます が、そこで、かなり大規模に正確に、給与段階での結果が出てくるということをとらえて おります。  それから、「引き上げる」というふうに答えたところは、願望は当然なのでという御指 摘もございました。そういうところもあろうかと思いますが、これは4月の時点で、大筋 年度当初の採用数がある意味で決着した結果を得て引き上げようとしているか、現状維持 か、引き下げねばならないかという問い方でございましたので、これは採用結果との相関 で答えられているというふうにとらえております。  それから、確保できなかったことに関しましても実は問うております。これは、あくま で回答者は、看護管理者あるいはその病院の人事担当者等から答えが寄せられていると思 っております。実際に就職した新採用者となった個々人に問うてはおりません。そういう 点では、なぜその病院を選んだかということよりは、面接等から聞いた中で、管理者等が その自分の病院が確保できた背景にはこういうことがあるだろうというふうの判断のデー タでございます。そこからも、確保できなかった病院からは、やはり1番には給与があろ う、それから2番には病院としての知られている度合いがあろう、そしてもう1つは確保 対策にさまざまな工夫をあまり凝らせなかった、取り組みが薄かったというあたりが答え られておりますので、御質問に関しましてはそんな範囲でお答えをさせていただければと 思っております。 ○土田小委員長  ほかにございますか。 ○西澤委員  貴重な資料をどうもありがとうございました。  私たちの協会でもいろいろ調査するときに思うのですが、回答してくれる病院というの は意外といい病院だということになりますと、今回もこの2つの調査で全国9,024病 院のうち35%しか回答していない、もう1つの調査でも、一般病床のある3,000病 院のうち半分しか回答していない。実は、この回答していない、あるいはできない病院の 中にこそ悲惨な状況があるということをぜひ考えていただいて、またそういうところの調 査をしていただければありがたいなと思っております。  それからまた、データの出し方ですけれども、例えばこれは3ページでしょうか、1番 の看護職員確保の結果ですけれども、回答病院全体で7割確保できたと、これだけ見ます と、病院数が7割と勘違いする。説明の中で確保した人員だということがわかったのです が、病院数からいうと、後ろのデータを見ますと37%しか確保できなかったというのが 正しいのではないかなと思います。  それから、3ページの一番下の3番目ですけれども、離職が「減った」「変わらない」 で7割以上だということで好影響ということですが、後ろの19ページを見ますと、「変 わらない」が実は46%ある。「減った」と「増えた」はほとんど同じだということで言 えば、例えば今までは本当にそんなに離職が少なかったのかと言えば、看護協会は離職が けっこう多いということを言っていたのであれば、効果として、減ったのは27%にすぎ なかった。それから、「増えた」「変わらない」を合わせると、例えばこれでいうと70 数%あったという言い方の方が正しいのではないかなと、そのように思います。 ○古橋専門委員  御指摘ありがとうございます。実は、こういう大規模調査の回答率というものはやはり 念頭に置かねばなりませんが、これが調査の限界だろうと思っております。したがいまし て、得た調査結果から何を推測できるかという範囲でしかなかろうかとは思っております。  それからまた、確保人数に関しましては、管理者の視点から、私も管理をやりましたけ れども、大体募集人員というのは最低よりも少し膨らませて募集にかけます。それで、7 割以上か8割以上かとれると何とかやりくりができるという視点から、7割以上確保でき た割合をベター又はグッドという視点でとらえまして、その病院数は約半数であったこと と、その病院数の状況も見て、あるいはとれなかった病院も見て、7割以上がとれたとい うふうに、要は全国1,479病院中の平均です。ですから、これは平均値ですので、非 常に状況の悪いところと大変よかったところの分布でありますので、こういうことで判断 していいのかどうかはございますけれども、7割の人数はとれたというふうに受けとめた ところでございます。  それから、離職に関しましては、離職率というのは、やはり必ずしも低くはございませ んが、離職が減ったというところにもう注目をしてみたいと。その背景に何があるかとい うことを少し踏み込んでみたいというふうに整理した結果が、配置の重みにやや相関して いるということ、それから、もちろん離職が増えたというところに注目をしなければなら ないと思っておりますけれども、この点においては切り口は、立地、地域と病床規模で見 たところでは、この「増えた」と答えた369病院の中では、そうしたことの格差という ことは読みとれないという内容で御報告をしたところでございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  この後事務方の方での説明の資料も入っておりますが、ただ1つちょっと確認だけして おきたいのですが、この7ページの病院の立地別の確保割合が、都市も地方も37〜3 8%で同じだというのは、今まで自治体病院とかあるいはこれまで資料が提出されてきた のと常識的には非常に異なるのですが、これはつまり2007年度のデータなので、20 06年度でもうほとんどとり終わったというふうに解釈もできるわけですよね。 ○古橋専門委員  いえ、これは4月で緊急調査をしておりますが、2006年度3月末までに採用した結 果を4月の時点で答えていただいたということでございますので。 ○土田小委員長  これは2006年度の異動の話だということですね。 ○古橋専門委員  はい。 ○土田小委員長  これは非常におかしいですね。こういうデータがあるというのはわかりました。 ○古橋専門委員  2006年度の事実を2007年4月の時点で問うたということでございます。 ○土田小委員長  これは2005年度の比較はありますか。 ○古橋専門委員  ちょっと今資料が手持ちにございませんけれども、この同等の切り口で必ずしもやって おりませんので、これは7対1を受けた緊急アンケート調査でございましたので。 ○土田小委員長  わかりました。どうもありがとうございました。  それでは、次の方に移りたいと思います。続きまして、事務局より資料が提出されてお りますので、説明をお願いします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協の診−1−1の資料と、それから中医協診−1−2の資 料、「参考資料」と書いてありますが、参考資料をちょっとお開きになりながら文章の方 を見ていただきたいと思います。  「急性期医療に係る評価について(1)」ということで、まず初めに「7対1入院基本料の 基準の見直しについて」ということで御説明をさせていただきます。  1つ目に、まず、7対1入院基本料届出の推移と現状ということで少しごらんいただき たいと思うのですが、参考資料の1ページに、これは7月の時点で集計した結果をお出し いたしました。それをまた出しておりますが、19年5月1日現在で、一般病床でいきま すと、医療機関数で787、病床数で16万2,700余りということになっております。 昨年の18年5月1日に比べまして相当数増えたと、3倍以上に増えたということでござ います。一般病棟の入院基本料のうちの病床のうちの23%が7対1の病床になっている ということでございます。  参考資料の2ページでございますが、各入院基本料別に18年と19年の比較をしてお ります。今回一般病棟のところを見ていただきますと、全体としては、一般病棟の入院基 本料、医療機関の数が少し減りまして、さらに病床数も少し減っているという中で、7対 1入院基本料の方に全体としてシフトしてきている。各10対1、13対1、15対1、 特別入院基本料、それぞれ医療機関、病床数、すべて減っておりまして、全体として上の 方にシフトしていったのではないかというふうに考えられます。  現在の7対1入院基本料の基準でありますけれども、参考資料の3ページでございます が、診療報酬上入院基本料は、看護の看護配置を中心として区分をつくっております。条 件としては、看護の実質の配置はどの程度か、看護師と准看護師の比率がどの程度か、そ れから平均在院日数がどの程度か、そういうような項目の組み合わせでそれぞれの区分を つくっております。一般病棟入院基本料の7対1につきましては、看護実質配置は、当然 ながら入院患者7人に対して1人、看護師の比率が70%以上、平均在院日数が19日以 内ということになっております。特定機能病院の方は、さまざまな患者も入るということ で、平均在院日数は28日以内というふうに緩和をしております。  今回の7対1入院基本料、18年4月に導入した経緯でございますが、急性期の入院医 療の病棟、昔の言葉で言いますと2対1の看護基準というものがございましたが、それ以 上に手厚く看護師を配置しているということが多く見られるということから、その実態に 即した看護配置を適切に評価しようということで7対1入院基本料が創設されたわけであ ります。ところが、どうも本来の目的に必ずしもそぐわないのではないかという病院も 多々とっているのではないか、また、それが看護師の確保に拍車をかけているのではない か、さまざまな御指摘がございまして、今年の1月31日に中医協から建議をいただいた わけであります。  建議書につきましては、参考資料の4ページと5ページにございます。5ページであり ますが、その建議の中で、具体的にはこの7対1入院基本料、これについて、急性期など 手厚い看護が必要なところに限って届出が可能となるようなものとしなさい。そのために は、看護を必要とする患者の判定方法等に関する基準の在り方について必要な研究に早急 に着手し、その結果を踏まえて、20年度の改定において対応するとしなさい。そういう ような建議をいただいたところでございます。  これを踏まえまして、診−1−1の2ページでありますが、今年の3月に、急遽7対1 病院におきます看護の必要度について調査を行いました。また、年度がかわりまして19 年度の4月以降、10対1と13対1の病院についても同じように看護の必要度について 調査を行ったわけであります。また、それらの結果を踏まえて、追加的にその一般病棟に おける基準の項目をもう少し詳しく見なければいけないということで、タイムスタディと あわせてさらに追加調査をしております。  ここで看護の必要度というものについて若干御説明をさせていただきます。診−1−1 の3ページに、「「看護必要度」の取扱いについて」とございます。看護の必要度という 形で現在診療報酬で評価しておりますのは、「特定集中治療室管理料」、いわゆるICU、 それから「ハイケアユニット入院医療管理料」、この2つの特定入院料においてそれぞれ 個別の患者の「看護必要度」を測定するためのスケール、尺度を導入しております。両方 とも尺度は少し違いますが、いずれも治療や医学的処置の内容に基づくA得点というもの と、患者のADLの状況や療養上の世話の必要性に基づくB得点、この2つの組み合わせ でもって看護の必要度というものをはかっております。  参考資料の6ページに「重症度に係る評価票」というのがございます。これは、先ほど 申しました特定集中治療室管理料、いわゆるICUにおける重症患者がどうかという判定 のために使っております。ここではA得点が9項目、B得点が5項目ございます。それぞ れA得点は、例えば3点以上、B得点の方は、寝返りができない、できない方が0点にな っておりますので、点数が低い方、5点以下の方を重症と、そういうふうに考えて、これ らの方々が例えばICUに9割以上いる場合には、ICUも大変だということで加算を設 けているところでございます。  それから、ICUより少し医療の必要度が低いといいますか、少し落ちついた状態で入 ってくると、これはハイケアユニットになるわけですが、参考資料の7ページでございま す。ここではハイケアユニットにおける重症度の判定の評価項目、タイトルは、スケール の名前が「重症度・看護必要度」というのは、これは続けてこれが一つの尺度でございま して、名称がそうなっております。ここでは、先ほどのICUのところよりも少し状態が 軽いといいますか、ケアの密度が低い人が入ってきますので、A項目については、観察す る項目を増やして15項目、またB項目の方も項目を増やしまして13項目、合わせて2 8項目でもってここでの重症度の判定をしております。ハイケアユニットでの重症の判定 基準は、A得点で3点以上、B得点では、ここは逆にスケールが、向きが逆になっており ますので7点以上、これらの方を重症度が高いと考えて、ハイケアユニットではこういう 重症度の方を8割以上入れてください、このような形で使っているわけであります。今回 の7対1病院、10対1病院、13対1病院に対しましても、このハイケアユニットでの このスケールをもって重症度を判定をしていただきました。  その調査結果でございますが、参考資料の8ページ、それから本体の方の4ページをご らんいただきたいと思います。病院全体として、10対1、13対1で協力度合いは少し 低かったのですが、全体としてこのA得点とB得点の分布をごらんいただきますと、A得 点の方は、7対1の病院と10対1の病院でそれほど大きな違いはない、ほぼ重なってい る、それに対して13対1が若干低めに出ている、そういうような分布になっております。 それからB得点の方は、患者のADLの状況とか療養上の世話の内容ですが、逆に13対 1の方がちょっとピークは低いのですが、右の方にずれてやや手間のかかる方が多い。1 0対1、7対1と、逆に手間のかかり度は点数的には低いところに分布しております。  これらの結果から、特にA得点、医療的な処置内容等々ですが、これらの10対1と7 対1で非常に差が小さかった。また13対1においても、少し低いですけれども、それほ ど大きな差はなかった。これはなぜそうなったのかを少し考えてみましたが、ハイケアユ ニットの入院患者を想定してつくった指標でございますので、ICUよりは手間がかから ないといっても、やはり重症の患者さん、意識障害があるとか昏睡、あるいは大手術の後、 救急蘇生後など、非常に厳しい状態の患者さんを対象としております。そういう意味から いきますと、急性期病院とはいえども、やはり一般病棟においておられる患者さんの尺度 としては少しそぐわない面があるのではないか。例えば一般病棟で非常に医療的な処置で 考えられるのは、例えばがんの化学療法をしている方であるとか、放射線治療をしている 方、そのほか手術後の管理に手間がかかる、こういうような方々が中心で考えられるとし たら、やはり項目的に少し考える必要があるのではないかというふうにも考えられるわけ であります。  そこで、課題と論点、5ページでございますが、患者を評価する指標について、まず、 この今回の結果からは、A得点について、先ほど追加的にやったと言いましたタイムスタ ディ調査などの結果を加味して、若干指標を追加するなり変えるなり、そういう見直しを して、急性期病院の一般病棟で実施されている治療や処置内容、これを考慮した指標を少 しつくってみてはどうか。またさらに、その上で急性期病院の一般病棟にふさわしい患者 を評価するために、この基準を設けて、あとまたさらに7対1と10対1、現在この病棟 の間で、現在の指標でいくと差がありませんが、新しい指標では差が出るかもわからない、 あるいは差が出ないかもわからない、そこはわかりませんけれども、いずれにしても、7 対1と10対1の患者の類似性というものもありますので、そういうことも考慮して、点 数なり今後の検討を進めてはどうか、この2つを考えていきたいと思っております。  今回の調査の結果、若干今回の指標等では評価できない部分がございました。6ページ でございますが、産科と小児科がまずございます。産科につきましては、正常分娩等も普 通の病棟でお産をされますので、看護師さんの手間といいますか、看護を必要とする度合 いは当然かかってくるわけございまして、そういう意味では、元気な妊婦さん、産婦さん ということになりますと、こういう手間はかからないわけですけれども、そのほかの要因 で看護の指導等が必要になるということがございます。  それから、小児科につきましては、小さい子供さんは当然セルフケアできませんので、 それに対する援助が必要だとか、それから、実は小児科というのは非常に季節変動が大き い。特に待機的な患者としては、学校の休みの期間に入ってくる、あるいは冬に多いとか、 それなどもございまして、非常に季節変動が大きい。そういうことから、やはり小児科と いうのもその手間のかかりぐあいが先ほどのような内容ではなかなか評価できないのでは ないか。この2つの産科や小児科領域については別の配慮が必要ではないか。  それからもう1つ、救急医療でございますが、救急医療をやっております医療機関で、 特に夜間等に入院が必要になった場合に、その夜間の少ない人数の中で入院を受け入れる ということは、看護からいくと非常に密度の濃い作業になりますので、そういう予期しな いような入院が多々ある、あるいは頻繁に入退院がある、このような救急に対応している 病院については特別の配慮が必要になってくるのではないか、そのような点で今後検討を 深めていきたいと考えております。  説明は、以上でございます。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見などございましたら、どうぞ。 ○鈴木委員  建議書に関してでございますけれども、建議書の前書きで、「看護職員の募集・採用に 当たって、地域医療の実情に配意し、節度を持って行われるよう、強く期待したい。」と いうところに非常に私は期待を持っておりましたが、実は、その効果があまりあらわれず、 この建議書が尊重されない、されていないということは大きな問題だというふうに思って おります。  先ほど、格差については特段見られなかったというような発表、御報告もございました けれども、2ページ目でございますが、左側の方の一番上になりますが、一般病棟の入院 基本料のところを見ていただいて、ただいまの御説明では少し下がったというようなお話 ではありましたが、165病院がつぶれまして、1万8,111床が消失したという事実 を、地域医療の悲鳴や混乱というようなものはその程度だったということであれば、また 話は違うのでありましょうが、7対1というのはこういう極端な状況を発生させ、その地 域医療を混乱させて、患者さんが地元で身近な医療機関というようなものへのアクセスが 大いに阻害をされたということではないかと思います。  それからあと1点は、大学病院にかかわるものでございます。その右手を見ていただけ ればおわかりですが、一般病棟の場合は16.9ポイント、1年間で上がっておりますけ れども、大学病院は21.1ポイント上がっておりまして、10月の調査をすれば、大学 病院、特定機能病院の方がもっと上がってくるのではないかということが容易に想定され ます。大きな特定機能病院で、6〜7月に7対1取得というようなところで対応しており ました特定機能病院が、4月、いろいろと聞いておりますので、この大学病院や都市部の 大病院が7対1の算定を進めますと、地方ではますます病棟が閉鎖というような格好にな りまして、病院数も減少し、地域住民が公平な医療を受けられなくなるのではないかと懸 念するものであります。  したがいまして、7対1というものをこれ以上拡大させて混乱させないように、まずは 建議書を踏まえまして、あくまでも看護必要度で7対1を評価すべきというところは非常 に大事なところだろうと思いますし、また、これも事務局の調査結果というものが明快に 出るように期待をしております。  あと1点は、特定機能病院、これが行き過ぎた人員確保に走らないように、特定機能病 院はほぼDPCでございますので、係数に何か知恵を出すことによりまして大学病院が7 対1に走らなくてもいいような方法というのがないだろうか。そうなれば特定機能病院入 院基本料というようなものを新設しなければいけないのかもしれませんが、ここにもう少 し知恵というものがないかなというふうに思っております。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○対馬委員  ちょっと違った視点からですが、先ほどの議論でも、調査の対象のばらつきの問題が出 ましたけれども、今回のこの看護の必要度で、確かにハイケアユニットを使ったからとい うことはあるかもしれませんけれども、A得点についてもあまり差がない、B得点につい ては逆転していると、こういうことなのですよね。  それで、今回の調査の協力を得られた病院の数を見ますと、7対1は対象病院の大体半 分が協力していただいているのですね。それであれば恐らく実態に近いのだろうなと思い ます。ところが、10対1の病院は、大体600数十病院に対して120病院ぐらいで、 対象病院のうち、2割程度しか協力いただけていない。また、13対1ですと、対象の9 00数十の病院に対して61病院、10%ちょっと程度しか協力いただいていないのです よね。これは、ひょっとすると実態を必ずしもあらわしていないのではないか、特に10 対1や13対1の場合では、比較的、非常に熱心に取り組んでいただける、ないしは自分 たちの治療なりいろいろな体質に対して自信を持っている、そういったところが協力して いただいていると考えないと、なかなかこのA得点、B得点については理解できないので すけれども、そこをまずどういうふうに認識されているかお伺いしたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  調査の基本数値は、参考資料の9ページ以下に出しております。今紹介ありました回答 率ですが、7対1病院で5割強、10対1で2割程度、13対1は実は6%ぐらいという ことで、非常に回収率が悪かったのは事実でございます。または、それを踏まえた上で見 ていくという中で、やはりちょっと病床の規模とか、あるいは入っている患者さんの特性 というのが少し変わっている。例えば病床数でいきますと、9ページ目の1の(3)、 「病床数(一般病棟)」と書いてありますが、13対1病院では半数が100床以下の病 院である、あるいはほとんどが200床以下である、そういうところがありますが、7対 1、10対1はさらに大きい規模の病院が入っていると、そういう一つの特性があります。  それから、患者の特性といたしまして、次の10ページの2の(6)のところを見てい ただきたいと思いますが、年齢分布なのですが、そういうような規模的なイメージと、そ れから年齢的にはやはり75歳以上の割合が、7対1、10対1に比べて13対1は実は 50%を超えていると、そういう意味で、医療そのものというよりは高齢者としての特性 の手間のかかりぐあいというのは少し反映されている可能性がある。だから、病院のイメ ージとして、中小の規模の、どちらかというとバリバリと急性期をやっているよりは少し 準急性期といいますか、そういうような状況の病院ではなかろうかというふうなところが 回答したのだろうというふうに思っております。それが出てきたのだろうと思います。 ○対馬委員  今のお話で少しわかるところがあるのですけれども、ただ、実際に私どもは、7対1に 対しては13対1の5割ぐらい高い金額をお支払いしているわけですね。ですけれども、 中身を見ますと、実態的な重症度を反映しているようなところや患者の特性、ADLなど を反映しているところが数値としてほとんど変わらないということであると、私ども支払 側としても一体何をやっていたのだろうかということになります。やはりそこは、施設基 準として、7対1や10対1、13対1というのは、患者さんにとって厳しい状況で手間 もかかるということで評価し、値づけをしているということですから、それが実際には看 護師さんが多くついているというだけで、患者の状態はあまり変わりないなということで あるならば、今後、中身もよく見た上で、いわゆる施設基準・配置基準が本当に適正なの かどうか、議論をしていかなければいけないのかなというふうに思います。 ○竹嶋委員  DPCは、私どもこれを論議しましたね。また今度の7対1問題にしても私はそう思い ますけれども、さっき、診療側の鈴木委員の方からお話をちょっとされました。特定機能 病院、これはDPCのときも問題にされたと思います。当初、特定機能病院に限って始ま ったのが拡大していって、もう1,400施設もこのまま行くとなる。90万の病床のう ち半分ぐらいがなるのだというようなことで、問題点をここで議論したと思います。  今日の参考資料の2ページを見ますと、やはりここは何とかきちんとやらないと、右の 方の特定機能病院の入院基本料がございますね、そこの今81ある機関数のうち、7対1 入院基本料は今27とっている。それも先ほど鈴木委員が言いましたように、この1年間 に36%とかいうのは残っているのですが、もっと心配するのは、この54残っています ね、ここが7対1入院基本料をとることになりますと、これまた大きな問題になってくる、 そういう危惧をまずいたします。  そこで考えてみたいのですが、特定機能病院というのは一体どういう規定を我々はした かということ、どんな病院、主な承認要件、これはもう復習になりますけれども、そこは 高度の医療の提供・開発及び評価並びに研修。実習する能力を有することということで特 定機能病院と新しくつけたわけですね。例えば、実質上そういうことでありますので、国 立大学法人だけで1,400億円の運営費交付金が交付されているというような事実もま だあるわけです。私立大学病院にも当然補助金は出してあります。あるいは寄附金とか委 託研究という、そういう別の収益もある。それを容認しているわけです。それが一般の病 院と同じような形で行くことを本当にそのまま私たちが容認していっていいのか。DPC の問題に関して、この7対1問題に関しても、やはり基本に立って考えるべきだろう、そ ういうふうに私は考えます。先ほど鈴木委員の方は、特別にそこまで別に決めてもいいの ではないかというのはどうだろうかというお話を申し上げましたけれども、そういうこと は一回考えてみる必要があると強く主張申し上げたいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。  この議論は今日で終わるわけでありますので、引き続き議論していきたいと思いますが、 ほかの議題も抱えておりますので、ある程度今日のまとめをちょっとしてみたいと思いま すが。 ○松浦委員  ちょっとすみません。資料をお願いしたいのですが、レクチャーのときにちょっと言っ ていますけれども、今、特定機能病院のことについて竹嶋先生と鈴木先生からもいろいろ お話があったのですが、それをのけて我々の田舎の方を考えてみますと、どうしても病院 経営という観点から見ますと、10対1よりは7対1がいいわけです。13対1よりは1 0対1がいいわけです。そうしますと、患者をたくさん抱えると、この7対1から10対 1に下がるおそれがある。10対1が13対1に下がるおそれがある。そうすると、患者 を入れないというようなことは起こりませんか。起こっていないですか。それは即医療難 民に結びつきますので、そういう点のデータをちょっと私は出していただいたらと思うの です。特定機能病院とか国公立病院あたり、自治体病院も、かなりこういう段階を、10 対1より7対1が有利だとか、こうなりますと、非常に民間並みの考え方をするのです。 そうすると、何ら変わらない経営感覚が働いてそういうことが起こってくる可能性があり ますから、そういう資料も一つとれたら出してもらいたい。お願いします。 ○事務局(原医療課長)  わかりやすいのは病床利用率だと思いますけれども、ちょっと今手元に資料はありませ んが、最近の病院報告などで見ますと、平均利用率が、一般病床、90万床の話ですけれ ども、それで約75%しかない。逆に言うと、4分の1は空いていると。トータル、全国 の話です。そういう意味で、患者が入れないという事案は全国的にはあまりないのかもわ かりません。ただ、部分的に非常に高い利用率を出しているところも当然あると思います し、そういう意味で、詳しい割合をどう見ていくかというのはあるかと思います。  現実問題として、患者を減らして7対1で高い点をとるのがいいのか、患者が多くて1 0対1の方がいいのか、そのあたりはそのほかの医療内容にもよりますけれども、患者を 絞ってしまいますとボリュームは減りますので、基本料は上がりますけれども、その掛け 算として、あるいはそのほかの手術料とかを含めた医療費全体として収益が上がるかどう かは必ずしも一概に言えないのではないかと思っております。資料についてはまた出して みたいと思います。 ○松浦委員  出してもらってからまたお願いします。 ○小島委員  この7対1問題は、確かに現実的な問題として、限られた看護師の数の中で7対1とい う新しい配置基準をつくったので、そちらにシフトしてきているということでの問題点が 指摘されております。しかし、7対1自体が悪いという話ではないと思います。やはり入 院している患者の立場からすると、今回の看護協会のアンケートなどでも、やはり1人当 たり患者に対するケアの時間を確保できた、あるいは超過勤務、残業なども減ったという プラスの面が出ている。そこはやはり評価すべきだと思います。それを限られた看護師の 中で、どう調整するかというのが当面の課題だと思いますし、その主旨で建議も出ている ということであります。確かに鈴木委員がおっしゃるように、医療機関あるいは地方でベ ッド数が減っているということですが、これが必ずしも7対1がすべて原因かどうかとい うのは、分析しないとわからないところもある。あるいは医師確保の問題というような、 もっと大きな問題があるのだろうと思います。  そういう面で、この7対1問題というのは、とりあえず新しい基準をつくったというこ とで、その移行過程でさまざまな問題点が出てきているところでありますので、今の7対 1と10対1の点数の差の問題、それが妥当かどうかという問題もあります。それから、 急性期に手厚い看護ということでつくったのですけれども、実際、本当に急性期の病院と して実際に7対1をとっているかどうかというところで今検証をしているわけです。今の ところはあまりきちっとした検証のデータが出ていないということなので、そこは今回検 討されているようなことでもう一度検証するということで、もう一度議論すべきだろうと 思っています。 ○土田小委員長  わかりました。 ○西澤委員  簡単に。今回のデータを見て、参考資料の8ページですけれども、本当に7対1と10 対1が、治療、医学的な処置の内容では全く同じである。しかしながら、ADLあるいは 療養上の世話では逆転しているというのは非常に面白いデータだなと思っています。もち ろんスケールのとり方でいろいろあると思います。  もう少しこれを詳しく知りたいので、できれば、これは地域別の分析あるいは病院の機 能別、例えば特定機能と地域医療支援病院、あるいはその他との区別の差、あるいは病棟 ごとのデータをもしとっていれば、大型病院で病棟ごとでどういうデータが差があるかど うかというのも、もし出していただければありがたいと思います。  以上です。 ○古橋専門委員  ちょっと手短に。 ○土田小委員長  いえ、もう時間ですので。  先ほど言いましたように、この議論はまだ続きますので、とりあえず今日の議論をある 程度集約しておきたいということです。その上で意見があったらおっしゃってください。  今日の話の中では、7対1の入院基本料の導入に伴って、先ほど鈴木委員の方から話が ありましたように、地域医療に対しても非常に大きな影響を与えてきたのではないかとい う意見がある一方で、先ほど看護協会の方から出された資料では、そういう差はほとんど 見られないというようなことがありました。ですから、あるいは大学病院の話にしても、 ここはその影響というものをもう少し慎重に検討する必要があるということなのですが、 ただ、今回これから新しい7対1をどうするかという議論に向けての一番の問題は、建議 で申し上げた看護必要度をいかにして設定する必要かということです。したがって、看護 必要度ということを設定するための議論を進めるに当たって、一つは看護職員が必要とさ れるところに配置された場合には、診療報酬でも重点的に評価していく必要があるという ことは、従来からの流れとして確認しておきたいということが一つあります。  それから問題は、先ほどのA得点、B得点、つまり、医療処置行為の必要性ということ と、それから看護の日常生活能力を見るという基準で必要度というものを一応検証しても らったのですが、その結果としては、先ほどから説明がありましたように、7対1と10 対1の間であまり明確な差異は出てこないということでありました。その出てこないとい うのが、実態そうなのか、医療ないしは処置行為の基準のとり方が不十分ではないかとい うことも指摘されております。  したがいまして、ここで一つ提案したいのですが、医療必要度というものをもっと厳密 に見る上で、医療行為あるいは処置行為についてもう少しきめの細かい調査を行って、そ の実態を踏まえた上でこの医療必要度というものをもう一度議論していただきたいという ことでございます。それを踏まえて、7対1と10対1はあまり差がないということであ れば、また見直しが必要でしょうし、そこで明らかに差異が出てくれば、それではその看 護職員の重点配置というものを診療報酬でどう評価していくかという議論にも少し結びつ いてくると思いますので、そういう形でこれからの議論を進めていきたいということで今 日の議論は集約したいと思いますが、よろしいでしょうか。いいですか。               〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田小委員長  2号側、よろしいですか。 ○古橋専門委員  ただし、今回の調査でもわかるように、現在使ったこのスコアでは、一般病棟の必ずし も状況を拾わないということもあろうかと思います。それで建議書にありますように、判 定基準については「研究に早急に着手し」でございますので、一般病棟になじむそのスコ アというものをもう一回検討していくということがあろうかと思います。「ずれ」や「ぶ れ」ということの発生の危険もはらんでいると思っておりますので、そこが重要ではない かと思っております。 ○土田小委員長  それではそういうことで、7対1問題につきましては引き続き議論するということで次 の議題に移りたいと思いますが、よろしいでしょうか。  その前に、事務局の方でこの看護必要度に関しての調査を早急に進めていただきたいと いうことをお願いしておきます。  次は、「小児医療」について議題としたいと思います。小児医療につきましては、前回 の改定におきまして、入院医療あるいは夜間・休日の救急医療につきまして重点的な評価 を行いました。その後の状況を踏まえまして、事務局より資料が提出されております。最 初に説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  小児医療につきまして、まず、診療報酬の評価の変遷を御説明いたします。小児科医不 足というのは、最近のみならず、昔から非常に問題化されていたわけでありますが、特に 近年言われています。そこで、診療報酬の面におきましても、入院医療では小児入院医療 管理料の創設あるいはその点数の引き上げ、乳幼児の救急医療の加算の創設など、また、 外来におきましては、夜間や休日の加算あるいは小児救急医療の体制の評価等々を行って きたわけでございます。本体資料、診−2の一番裏の4ページをごらんいただきたいと思 います。これは、平成12年度から前回の18年度までの改定の変遷をつくりました。入 院医療の方では、12年度に、小児入院医療管理料ということで小児を専ら診る病棟等に ついて評価をするという新しい項目を設けたわけでありまして、これにつきまして、その 中身をもう少し重点化していくということで3段階に分け、前回の18年度では3段階、 一番手厚いところを1日3,600円という点数を設置したわけでございます。  それから救急医療のところでは、特に乳幼児に対する救急医療についての救急医療管理 加算を設けたり、あるいは療養環境の面でも14年度は評価している等々を順次行ってき ております。  また外来医療でも、小児科外来診療料と、小児科の場合なかなか薬を使うという、ある いは検査をたくさんするということがございませんので、どちらかというと診察そのもの、 あるいは説明というものに時間がかかるということから、これは外来で包括した点数でご ざいますが、それについて、創設した後引き上げを行ってきております。  そのほか、初診料等、再診料における乳幼児加算でありますとか、夜間の加算等々につ いても、年を追うごとに充実をしてきております。  さらに、地域連携の小児夜間・休日診療料を再編するということで、16年度に創設い たしました、病院の中で小児科のこういう休日・夜間診療を行う場合に地域の医師会の先 生方が協力をするという場合の連携についても評価をする、こういうような工夫も多々行 ってきたところでございます。  このような結果だけとは言いませんが、小児については、一応小児科の医師の数につい ては微増ながら全体としては増えてきているというのが1ページ目のグラフでございます。 濃いところと薄いところがございますが、濃いところが勤務医、薄いところが開業医、こ ういう分け方になっておりまして、この10年間での増加率は、開業医で11.6%、勤 務医で8.8%増加してきているということでございます。  2ページ目でございますが、先ほども言いましたように、入院医療管理料につきまして、 今回少し着目をしたいと思っております。それは、今現在3段階の区分を設けて、小児入 院医療管理料1、これは常勤の小児科医師が5人以上、あるいは看護体制が7対1以上、 あるいは平均在院日数が21日以下、そういうような形の中で、1、2、3という形で区 分を行ってきております。3のところは、例えば常勤の小児科医師が1名いればいい、非 常に薄い条件になっています。こういう中で、それぞれ高い方にもシフトしてきておりま すし、小児の入院医療管理料2の、これは常勤小児科医が3名のところですが、ここも増 えてきております。  ただ、その中で、実は専ら小児を対象とした病院もございまして、そういうところでは 小児の入院医療管理料、常勤小児科医5名という条件の下でも、さらに手厚い、例えば2 0〜30人以上、小児科医を配置している病院がございます。ここでは、小児総合医療施 設協議会に依頼をいたしまして、その中で、小児入院医療管理料1を算定している病院に ついて常勤医師数を尋ねました。こういうところでは、県の中で小児科の最先端の高度な 医療をやっていただいておりまして、小児の内科系も含め、小児外科も含めて、その他の マイナーな診療科も含めて、多数の医師が小児医療に携わっているわけであります。そう いう意味では、条件、基準としての常勤医師5名という中で非常に手厚くやっていて、こ れが都道府県などの小児医療の水準を非常に向上している割には評価されていないという ふうに考えているわけであります。  論点としては、このような手厚い体制がとられている小児に対する専門的な医療機関に ついて診療報酬の評価を行ってはどうかというのが今回の御提案でございます。  説明は、以上です。 ○土田小委員長  どうもありがとうございました。 ○竹嶋委員  今からの議論に対しまして基本的なところをここでお願い申し上げたいと思います。今 御説明ございましたけれども、この3ページの「第3 論点」、そこに「診療報酬の施設 基準以上の人員」、先ほど20〜30人という具体的な数字もお出しいただきました、 「を配置し、特に手厚い体制が取られているような専門的医療を提供する施設について」 云々というのがあります。理想を言えばそうだと思います。だけれども、これが実際にと れるとすれば、やはり県立こども病院とか、そういうところしか現実問題として今とれな いと思います。そうしますと、先ほども同じようなことを申し上げましたけれども、この 集約化・重点化によりまして、専門病院、そこには確かに手厚い、医師も集まるし、でき ると思います。ところが、その分、やはりほかのところが地域の中で医師がいなくなる。 当たり前のことだけれども、地域医療の、いわゆる僕らがいつも言うアクセス、いつでも 応じられると、そういうものが少なくなってくる。  それからもう1つ、小児科の特徴といいますか、これは一般の成人と違いまして、本当 にもう8時、9時、それこそ御家庭のお働きになっている方々が急患センターなどに、そ うでもないのだけれども、お連れになってきたりする。そういう方々は、むしろ地域の、 できればそういう専門に特化したところでなくても何かうまく仕組みをつくっていればで きるだろうと思うのです。そういうことが1つ心配があります。  先ほど来も出ていますが、小児の特徴というのは、病態が変化しやすいし、それから、 実際我々経験ありますが、2歳、3歳の赤ちゃんの採血したり点滴したりするのに、小学 生、中学生、大人と違って、やはり看護職の方々は1人ではつけませんね、2人とかおつ きになられてしなければいけない、そういう特色がありますし、やはりそういうところを むしろあわせて考えていくということを私はもうぜひ必要だと思いますから、専門病院の 入院医療の強化、そこを偏重することなく、今言ったようなこともあわせて初期医療の側 で対応、そこのところの仕組みをつくっていくし、その評価というふうなところにぜひ持 っていっていただきたいと、ここでこういう御論議になっていただくと大変ありがたいと、 そういうふうに考えます。 ○土田小委員長  今この論点に加えて竹嶋委員の方から新しい問題提起がなされましたが、これについて は今当面医療課の方で答えるべきことはございますか、あるいは次回でもいいのですが。 ○事務局(原医療課長)  小児科医療をどうしていくかという大きな問題だと思います。それについては私どもも 母子保健課や地域医療の担当者、指導課等々と相談をしながら考えてきているわけですけ れども、もちろんプライマリーケアの部分で対応していただくことは重要なことだと思っ ていますし、それについては、従来からもさまざまな工夫をして点数をつけてきたわけで あります。あと、その点数をさらに上げるのかどうかという議論は一方であるかと思いま すけれども、そこに対する何かもう少しの工夫という点ではあまりいいものはない、そう いう意味では、その部分よりもさらに質を全体として上げるためにはやはりトップレベル のところをさらにしっかりしてもらうという評価を今回は提案をしている、そういうこと であるということです。 ○松浦委員  全体で上げるということになりますと、私は病院経営がどういうものか詳しくは知りま せんが、むしろ診療所へ向けて開業しようというインセンティブが働くのではないでしょ うか。ですから、私は、すべてにわたって押しなべて上げるということは、必ずしも充実 さすことにはならないと思います。 ○土田小委員長  今事務方の方から提案があったのは、そういう形の引き上げではなくて、この集中して いるところを重点的に引き上げたいという提案ですので、それを…… ○松浦委員  竹嶋先生からちょっとお話を…… ○土田小委員長  そういうことですか、わかりました。 ○松浦委員  恐らくこういう施設基準以上の人員を配置するような医療機関というのはかなりな病院 なのでしょうけれども、私は病院経営をやったことはないからわかりませんが、そこへ手 厚くすることが、またストレートにはお医者さんに多分行かないで、ある程度ならされて くると思います。だから、その辺はどういうぐあいにしたらいいか、ちょっとお役所の方 でも知恵を絞って、いい方法があればと思います。そうしないと、勤務医自体が充実して いくということになかなかならないということが問題点だと思います。 ○丸山委員  今の松浦さんの御意見に関連して意見を述べさせていただきたいのですが、確かに、こ うやって特別に配慮して点数をつけるというのは病院の経営にはプラスになって、非常に 難しい医療行為をする等々の中で結構なことだと思います。今の議論は小児科ですが、産 科も救急医療もそうだと思うのですが、担当されるお医者さん、それ自体に対して苦労に 報いる何か報酬というか手当というか、そういったものがないといけないのではないか。 小児科専門のこども病院のようなところは病院の経営にとってプラスは、その小児科のお 医者さんのプラスにもなるということは推定されるのですが、一般病院は報酬が入るだけ で、小児科の先生のそういう苦労に対する手当に向かっていかないとどうなるかというと、 勤務医だから開業医の方にどんどん進んでいってしまうのではないか。こども病院ではな い普通の病院の小児科の医者というのはだんだん減っていってしまう、こういうことの動 機づけにむしろなってしまうのではないかと思うのです。  だから、中医協で、個々の病院の人事労務管理制度の在り方まで論議はちょっと難しい と思うのですが、個々のお医者さんに行き届く、そういう方法を何らかの方法で入れる。 システムに入れるのが無理なら、病院にそういうことを推奨して後で検証していくか、と いった何らかの方法がないと、小児科、産科、救急医療というのは、個人のお医者さんは 苦労ばかりで報いがない、こういうことになるのだろうと思うのです。そういう点を加味 すると、こうした特別な配慮とかそういうことはある意味で納得性が高まってくるという ふうに思います。 ○土田小委員長  非常に重要な指摘だと思います。それで、小児科だけ特別というわけにはなかなか工夫 が難しいので、つまり、病院の勤務医の苦労に報いるような、あるいは労働を軽減するよ うな、そういう何らかの対応が必要であろうというふうに解釈いたしますが、それについ ては今回の次期の診療報酬改定の非常に大きな項目だというふうに私は思っております。 したがって、それについてはまた改めて事務方に知恵を出してもらいますので、それまで しばらくお待ちください。 ○古橋専門委員  小児に関しましては、特に先端医療を行っておりますところは、もちろん医師も非常に 数多く要ります。しかも、技術的に高い能力の方々がです。同時に看護職も、現行は小児 入院医療管理料では7対1以上でございますが、現実的にはもう6対1、5対1という数 を抱えております。そういうことが評価されないと、結果的に、経営的な赤字状況が大き くなり採用人数にもブレーキがかかっている実態がございます。入院基本料7対1が大き く議論になった時期に、こういうことを言うとひんしゅくを買うと思いますけれども、小 児領域に関して現実の配置数をよくとらえて、特にセンター的な最前線医療機関では、こ れは数的にはそう多くございませんが、医師の数と同時に、ナースは、せめて段階的には 6対1を置く必要があると思っております。そこの採用人数が多くなることが結果的には 労働環境をよくし、超過勤務手当が支払われていくということにもつながります。特にこ の最先端医療をやっている小児医療センター的なところには、そうした評価が要ると思っ ております。 ○土田小委員長  一つの提案として受けとめておきたいと思います。  それで、もう時間が来ておりますので、よろしいですか。 ○対馬委員  いや、すぐに終わります。簡単にします。  「論点」のところで、「特に手厚い体制が取られているような」ところは、と限定して いますけれども、小児医療については、御承知のとおり、さまざまな論点がありますので、 特に採算がとれているかどうかについて、例えば社会医療診療行為別調査や、医療経済実 態調査などの、さまざまなデータをもとにした検討が必要で、支払側からなかなか言いに くいのですけれども、場合によっては小児入院医療管理料を上げるべきだといったことが 必要かもしれませんし、いずれにせよ、ここだけに限定することはないだろうというふう に思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。 ○鈴木委員  30秒だけお願いします。  入院医療管理料というのは包括なものですから、いろいろひずみが出ておりますので、 ぜひその点の是正をお願いしたいということが1点と、先ほど出ましたが、どこまでの規 模で見るのかということは慎重に審議をしていただきたいと思います。 ○土田小委員長  どうもありがとうございます。  それでは、小児医療についてはこれで終わりにしたいと思います。  今日用意しております議題はこの2つでございます。  これで基本小委は終わりにしたいと思いますが、次の日程が決まっておりましたら、お 願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  次の日程は10月5日の金曜日を予定していますので、よろしくお願いします。場所が ちょっと変わりますので、御留意ください。 ○土田小委員長  はい、わかりました。ということです。  それでは、基本小委を終了いたします。  続いて薬価部会がございますので、しばらくお待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)