資料4

IT新改革戦略評価専門調査会 2006年度 報告書(抄)
〜 部分最適から全体最適へ 〜

2007年3月

第一章 (略)

第二章 委員会活動による重点評価

2.1 医療

(1)主要3分野を3つの視点から整理

[1] (略)

[2] 全体最適の実現(「たこつぼ化」の排除)

施策毎・プロジェクト毎に異なる担当部局がそれぞれ整合性に欠けた取り組みを行った場合、本来なら共通に整備すべき基盤への重複投資を招くことになり、結果として国民・利用者の経済的負担を増大させるばかりでなく、短期間で効果をあげることが難しくなる。この事態を回避するためには関係部局、機関の「たこつぼ化」を排するとともに、政策効果の最大化、最終的な姿を明確にした全体最適を目指すことが不可欠である。

政府、地方自治体、医療機関等がそれぞれIT導入の全体最適に関する責任部局を明確にし、その下で関係するプロジェクト群の全体最適のための工程表を作成し、定期的に進行管理を行うことが必要である。この課題認識から、以下の対応策が抽出できる。

<レセプトオンライン化における全体最適>

・レセプトオンライン化のネットワーク基盤は、医療・健康・介護・福祉分野で横断的に広汎な活用が可能となるよう拡張性の高いものとすべきである。医療分野の中においても、被保険者資格の確認や処方箋電子化等への活用が期待される。

・(略)

付属資料1

医療評価委員会報告書(抄)

1. (略)

2. 課題の抽出と解決に向けた方向性

(1)レセプト完全オンライン化の効果の最大化

1) (略)

2) (略)

3) ネットワーク基盤の活用 「BPRの徹底、全体最適の実現」

平成23年度当初までに実現されるレセプト完全オンライン化のために必要となるネットワ-ク基盤は、オンライン請求のみならず、医療・健康・介護・福祉分野横断的に広範な活用が行いうる拡張性の高い基盤として構築すべきである。医療分野の中においても、ネットワーク基盤の活用が期待される以下のような課題がある。

[1] (略)

[2] 処方せんの電子化と処方調剤情報の共有

(課題)

・ 複数の医療機関を受診しているような場合、それぞれ処方せんを交付する医師は正確に調剤や服薬指導の結果がわからず、患者も薬剤の色などしか認識していないことが多いため、服用している薬剤の成分が正確に把握できない。また、医師は、他の医療機関での患者への投薬情報がわからないまま処方を行わざるを得ない。その結果、薬の飲み合わせによる事故が起こりかねない。さらに、紙の処方せんは容易にコピー可能で、改ざん等の検出機能もなく、薬の不法取得などの問題が指摘されている。

・ 処方情報の機械的な監査も困難で、薬品名や投与量の読み間違いも防止できない。

・ 患者も医師も容易に投薬情報の把握が可能となり、コピー等の改ざんによる不正取得や薬品名や投与量の読み間違いを防ぐためには、処方せんの電子化が必要である。しかしながら、電子化に対応できる特定の薬局でしか調剤できなくなり、患者が調剤薬局を自由に選択できなくなる等が課題となっている。

(方向性)

・ レセプトのオンライン化により全ての医療機関・調剤薬局を結ぶネットワーク基盤が整備された段階(平成23年度当初)では、患者による処方せんの内容の確認、薬局の自由選択性を担保した形で処方せんの電子化の実現が可能となるため、現時点から積極的に検討を行うべきである。

(参 考)

IT新改革戦略評価専門調査会について

平成18年6月1日

高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部決定

1 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部令(平成12 年政令第555 号)第2 条の規定に基づき、IT新改革戦略に関する政府の取組状況の評価等を行うため、IT新改革戦略評価専門調査会(以下「専門調査会」という。)を置く。

2 専門調査会の委員は、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関し優れた見識を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命(当該委員が高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部員の場合にあっては、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長が指名)する。

3〜7 (略)

【IT新改革戦略評価専門調査会構成員】

秋山 をね 株式会社インテグレックス代表取締役 社長
大江 和彦 東京大学教授 医学部付属病院 企画情報運営部長
國領 二郎 慶應義塾大学 総合政策学部教授
桜井 正光 株式会社リコー 代表取締役 社長執行役員
清水 康敬 独立行政法人メディア教育開発センター 理事長
須藤  修 東京大学大学院 情報学環教授
藤沢 久美 法政大学ビジネススクール 客員教授
村上 輝康 株式会社野村総合研究所 理事長
渡辺 捷昭 トヨタ自動車株式会社 取締役社長
(高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部員)
大山 永昭 東京工業大学 教授

医療評価委員会について

平成18 年8 月2 日

IT新改革戦略評価専門調査会会長決定

1 医療・保健・福祉(以下「医療等」という。)の情報化に係る施策の推進等に関し、疾病の予防、医療の質の向上と効率化、医療費の適正化の観点も含め厳正な審査・評価等を行うため、IT新改革戦略評価専門調査会(以下「専門調査会」という。)に医療評価委員会(以下「委員会」という。)を置く。

2 委員会の構成員となる専門調査会の委員は、会長が指名する。委員会に座長を置き、座長は委員会の構成員となる委員のうちから会長が指名する。

3 会長は、前項のほか、構成員として委員会に属する者を委嘱することができる。

4 委員会は、関係機関に対して、資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができる。

5 委員会は、必要があると認めるときは、参考人を招いて意見を聞くことができる。

6 第1項の規定により委員会が行った評価等については、会長の承認を得た上で、委員会における評価等をもって専門調査会における評価等とすることができる。

7〜8 (略)

【医療評価委員会構成員】

石垣 武男 名古屋大学医学部 名誉教授
大熊 由紀子 国際医療福祉大学大学院 教授
國領 二郎 慶應義塾大学総合政策学部 教授
田中 博 東京医科歯科大学 情報医科学センター長 教授
平井 愛山 千葉県東金病院 院長
藤沢 久美 法政大学ビジネススクール 客員教授
山本 隆一 東京大学大学院情報学環准教授

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