07/09/28 第13回「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」議事録について 第13回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会 平成19年9月28日(金) 全国都市会館 第1会議室                          (照会先)医政局経済課 担当・内線 諏訪(2524)   代表 5253−1111 直通 3595−2421  ○渡邉流通指導官  それでは定刻よりも若干早いですけれど、今日御出席の委員の皆様方すべてお集まり になられましたので、ただいまから第13回医療用医薬品の流通改善に関する懇談会を開 催いたします。  まず開会に当たりまして8月24日付で医政局長の交代人事がございましたので、新局 長の外口よりごあいさつ申し上げます。 ○外口医政局長  医政局長の外口でございます。会議に先立ちまして一言ごあいさつ申し上げます。  委員の皆様方におかれましては、日ごろから厚生労働行政に御理解と御協力を賜って おります。改めて厚く御礼申し上げますとともに、本日御出席いただきまして、まこと にありがとうございます。  さて私が改めて申し上げることもないかもしれませんけれども、医療用医薬品は公的 保険制度下で取り扱われます、いわゆる生命関連商品でございますので、その取引に当 たりましては、安定供給や品質管理の確保に加えて、高い倫理性、また透明性、公平性 が求められております。  一方で市場における自由な競争のもとに取引される商品でもありますので、これまで にも過大な薬価差など公的保険制度下では好ましくない取引慣行が存在してきたという ところにも留意しなければなりません。  流通改善につきましては、これまでに関係者の方々のさまざまな取り組みによりまし て、一定の成果を上げてきておりますが、まだ長期にわたる未妥結、仮納入、あるいは 総価取引といった問題がありまして、いまだ改善が見られていないということもありま すので、先般中医協から薬価調査の信頼性確保の観点から、改善方策の取りまとめをこ の懇談会に求められているところであります。  懇談会の先生方におかれましては、7月以降大変お忙しい日程の中、医療用医薬品の 流通改善に当たって、取引当事者が留意すべき事項について御審議をいただいてまいり ました。10月以降しかるべきときに、できましたら中医協薬価専門部会に御報告をした いと考えております。ぜひ本日の懇談会において最終取りまとめに向けた御議論をいた だきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうござい ました。 ○渡邉流通指導官  次に本日の委員の出欠状況について御報告いたします。本日は日本歯科医師会の稲垣 様、明治大学大学院の上原様、日本精神科病院協会の長瀬様、全国自治体病院協議会の 宮川様から御欠席の連絡をいただいております。なお全国自治体病院協議会の宮川様の 代理としまして、経営指導部長の小林暢広様に御出席をいただいております。  続きまして本日の配布資料の確認をさせていただきます。議事次第、座席図、懇談会 名簿。  資料1といたしまして、医療用医薬品の流通改善について緊急提言案、これは1ペー ジから12ページとなっています。  それから資料2といたしまして、モデル契約書改正案、これが1ページから10ページ ものでございますが、以上、お手元に配布しております。配布漏れ等ございましたら、 お申し出いただければと思います。  それから座席図についてでございますけれども、門林委員が急遽御出席いただいてお ります。その関係上、座席図の方で指名が漏れておりまして、渡辺委員の隣に着席いた だいておりますので、御了承いただきたいと思います。  それでは以降の議事進行につきましては、嶋口座長にお願いしたいと思います。よろ しくお願いします。 ○嶋口座長  それでは早速これから本日の議題に入りたいと思います。約1カ月くらい前でござい ます。8月28日の前回の懇談会で留意事項の原案について皆様にお諮りして御審議いた だいたわけでございますが、その際にいろいろ御意見をいただきました。例えば川上の 留意事項の方は本当に守られるのかとか、あるいは付記としてお示ししたものの中に、 これはもう付記ではなくて提言の中の方に入れていいのではないかと、いろいろな御意 見をいただいたわけでございますが、その御意見を少し反映させていただきまして、今 回改めて事務局の方で修正案をつくりました。これが今日の議題でございます。したが って早速これから修正案を御発表していただいた後に審議をしていただきたいと思いま す。  まずは事務局の方から、修正点について御説明をお願いしたいと思います。 ○千葉首席流通指導官  首席流通指導官の千葉でございます。今日はよろしくお願いいたします。それでは早 速私の方から前回の緊急提言案原案に関する委員の皆様方からの御意見を踏まえた、修 正個所の御説明をさせていただきます。資料1をごらんいただきたいと思います。  資料1の上の方に今回の修正個所の案内をさせていただいております。資料の左側に ※を付した部分が、今回修正した部分でございます。このうち下線を引いた部分が、新 たに項目を加えた部分、あるいは大きく表現を変えた部分になってございます。また下 線を引いていない部分がございますけれども、こちらの方は項目数をなるべく減らして 簡潔にするという観点から、文章表現の一部の見直しですとか、あるいは項目の統合を 行ったところでございまして、内容としては前回お示しした内容と同じになっておりま す。そういった整理になっておりますので、そういう前提でまた御説明させていただき たいと思います。  それでは前回の御意見の1つといたしまして、先ほど座長からもお話がございました が、緊急提言の本文の最後の段落に、付記というような項目を設けさせていただいてお りました。2つほど文案を設けたわけでございますけれども、このうち「医療用医薬品 といえども、自由で公正な競争のもとで取引されることが基本であり、取引当事者や事 業者団体等はこの点に留意すること」との文案を用意したところでございますけれども、 この文案につきまして、16年12月の中間取りまとめの際に、「市場メカニズムが効率 的かつ適切に機能するような自由かつ公正な競争を確保することが必要」という表現が あるので、それを用いてはどうかと。このような御意見をちょうだいしたところでござ います。  この御意見につきましては、資料2ページから3ページの部分に該当いたしますけれ ども、2ページの8番の段落の最後の方、次のページをごらんいただきたいのですが、 なお書きとしまして、「なお、こうした取り組みを進めるに当たっては、流通の基本で ある市場メカニズムが効率的かつ適切に機能するような自由かつ公正な競争が確保され るよう、取引当事者はもとより事業者団体等においても十分留意する必要がある。」と いう表現で本文の方に書きいれてございます。  それからもう1点でございますが、実はこの「市場における自由で公正な競争の確保」 というような文言につきまして、国の役割の部分でも同じような表現をさせていただい ておりました。  今回この緊急提言の本文の中にこうした文言を入れたということで、同じような表現 を2カ所で引用するのもいかがなものかということで、国の役割の方の表現につきまし ては、削除してございます。  それからもう1つの付記として整理しておりました、「調整幅のあり方など、制度面 からの流通改善に資する見直しが検討されることがより有効な改善策になるという意見 がある」という文言につきましては、これも委員から、これまでのこの流改懇でこうい った検討もすべきではないかというような御意見が出ていること。さらに前回の中間取 りまとめでも、今後引き続き検討するというふうになっている。そういうことを考える と、付記というような整理ではなくて、やはり提言の根幹部分で扱うべきではないかと。 このような御意見をちょうだいしたところでございます。  この御意見につきましても、資料3ページに新たに本文中に9番というふうに項目を 立てまして、かつ意見があるという表現のところにつきましては、「今後の議論が望ま れるところである」とこのような表現に変えて本文の中に盛り込んだところでございま す。以上がこの緊急提言の本文に係る修正点でございます。  次に留意事項に係る修正点を御説明したいと思います。資料4ページをごらんいただ きたいと思います。まずメーカーと卸売業者の取引における留意事項に関連する部分で ございます。前回の御意見といたしまして、川上の留意事項は、割戻しアローアンスの 取り扱いについて詳細に取り上げられていると思うけれども、本当にこの留意事項が守 られるのかという懸念が払拭できない。このような御意見をちょうだいしたところでご ざいます。  そういう意味で川上の留意事項と川下の留意事項の関連性を、もう少し明確に出して いただきたい。このような御意見でございました。  この御意見につきましては、メーカーと卸における仕切価や割戻し・アローアンスの 設定時におきまして、メーカーにあっては卸の自立性、主体性を尊重した取引に努める ということ。あるいは卸としては取引当事者としての自立性、主体性を確立することに かかってくる問題であるというふうに理解しております。  このため既に取引当事者の基本認識欄でこうした留意事項を盛り込んであるところで すけれども、それだけでは本当に守られるのかという懸念が払拭できないということで ございますので、こうした抽象的な表現の域というのはなかなか出ないわけでございま すけれども、流通改善を行うに当たっては、何よりも川上の取り組みが改善される必要 があるという観点に立ちまして、今般修正案といたしましてメーカーと卸売業者の注意 事項の中に新たに(ア)といたしまして、医療機関/薬局の信頼を得るための取り組み という項目を新たに立てたところでございます。そしてその中で「流通改善の実現のた め、メーカーと卸売業者は、取引における透明性の一層の確保に努める。」このような 文言を盛り込んでおります。  またあわせまして6ページをごらんいただきたいと思います。6ページの3番に取引 当事者それぞれの持つべき基本認識というところがございますが、こちらの方にも(3) という新たな文言を盛り込みましてこちらの方で、「卸売業者と医療機関/薬局の取引 における未妥結・仮納入や総価取引の改善に当たって、適正な仕切価水準の設定や割戻 し。アローアンスの適切な運用など、メーカー・卸売業者間の取引の改善が求められて いること」という基本認識としての文言を新たに設けたところでございます。  次に5ページです。卸売業者と医療機関、薬局の取引における留意事項です。前回留 意事項案では「医療機関/薬局と卸売業者は相手方からの価格交渉の求めに対して真摯 に対応する」という記述をしたところでございますが、真摯な対応という表現は、いか にもこれまで不真面目な対応をしていたというような印象が非常に強いと。別の書きぶ りがないものかというような御意見をちょうだいしたところでございます。この御意見 につきましては、最後のまた、のところで、「価格交渉は、早期妥結の観点から双方と も誠実に対応すること。」このような表現に変えさせていただいております。  それからこのほか川下の留意事項が多過ぎるというような御意見もございましたの で、(ア)、(イ)、次の6ページの(エ)のそれぞれの小さな・の項目のところにつ きまして、先ほど冒頭で御説明したしましたように文言の修正、あるいは項目の再編成 等を行いまして、項目数を減らしてございます。内容的には変わってございません。そ のような見直しを今回行ったところでございます。以上が前回の御意見を反映した修正 点でございます。  また今回この修正を行ったことで、資料2のモデル契約書の改正案につきまして、修 正個所があるかどうかということについても、再度見直しを行いましたけれども、直接 的に変更する部分はございませんでしたので、前回お示ししたようなモデル契約書の修 正内容で、今回もお出しさせていただいております。私の方からは以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。全体のところはわかりましたでしょうか。今回は修 正点のところだけを事務局サイドから御説明いただきました。前に既にやっているもの については、もう改めて細かくは説明しませんでした。そのあたりも含めてもしわかり にくいようでしたら、どうぞこれから御質問をしていただいて結構だと思います。  何か委員の皆様方から御質問なり、御意見がございますか。一応こういう形で前回の 緊急提言を修正しましたという御説明ですが、それに対して御意見がございましたら、 どうぞお願いしたいと思います。  実は前回、今回の修正の前提になる大変貴重な御意見と質問をいただきました、宮川 委員の代理である小林委員と大塚委員がやはり今日も御出席でございます。お2人の意 見がかなりここに反映されている部分がございますので、小林委員と大塚委員より御意 見をいただけたら幸いです。まず小林さんから御意見をいただけますでしょうか。 ○小林(宮川委員代理)  代理の立場で大変恐縮ですけれども、御指名ですので。提言の部分と留意事項の部分 とありますけれども、提言の部分について、最後の項目の第9というところで、単に流 通上の問題を超えた抜本議論の必要性についてコメントを置いていただいたということ で、これは今後につなげる書きぶりをしていただいたものということで、これは感謝申 し上げたいというふうに思います。  それから留意すべき事項についてですけれども、今の抜本議論ということと関連があ りますけれども、この留意事項に書かれていることを単に訓示的なものにとどまらせな いといったことで考えるならば、私ども、いわゆる川下に位置するユーザーにとりまし て、これはおいしいと思えるような水を川上の方々の方からぜひ流していただきたいと いうことを申し上げたいと思います。改善を目指すということであれば、このことに尽 きる。この前提の文脈に即して言う限りにおいては、そういうことになるんだろうと思 います。  したがいまして座長におかれては、この間の御苦労に重ねて感謝申し上げますととも に、終わりに当たりまして、一言、随分勝手なことを申し上げましたけれども、一言い ただければ我々としては大変ありがたいというふうに思っております。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。一言は、後程申し上げたいと思います。それでは大 塚委員、お願いします。 ○大塚委員  前回私が申し上げました要点を申し上げますと、卸業連合会の方から出ております資 料、薬価に対する仕切価格が14.1と。これはどういう中身かというようなことに関連し た質問をしておるわけでございます。10回の議事録をごらんになるとわかると思います けれども、私が、立ち入った話をお聞きしますけれども、この仕切価格の中には経費と か利益は入っていますかということを申し上げましたら、松谷委員からは入っておりま せんという返事でございました。前回の事務局からの報告では入っているんだというよ うなことでございました。  それで私が主張しておりますのは、幾つかのメーカーの方々から、少々時間はくれと いうことで返事をいただいたんですけれども、薬価から消費税、それから調整幅を引い たものを仕切価格として卸はユーザーとの取引をするようにという指導をしております という返事をいただきました。  今回事務局の方のお手を煩わせましていただいた、これも松谷先生からの報告ではな いかと思いますが、薬価に対する仕切価格が94.1と。その内訳はどういうことかといい ますと、調整幅が2%、それからリベートとして4%、合計6%、大まかに94%、0.1 は違いますけれども94%であると。それで取引の中に消費税が含まれているという返事 をいただいたんです。  取引の中に消費税が含まれているならば、これは内税なんです。内税であれば卸はメ ーカーに取引の際に、消費税を外税として払うのはおかしいと。実態はどうなっている かということを5〜6の卸に聞いてみますと、払っていますということなんです。そう したらこれは二重の消費税、しかも価格の中に消費税が入っているのにさらに消費税。 税金に税金をかけているということで、どうも納得がいかないけど、実際はやはり消費 税を払っているのが本当のようです。  そういうことであれば、医療機関の方に価格設定される場合も、価格の中に消費税が 含まれていると。そうすれば医療機関が卸に支払いをする場合も、外税として消費税を 払うのはおかしいと。内税だから。内税にかかわらず外税を払うということはあり得ま せん。  消費税は皆さん御存じのように、付加価値税なんです。メーカーから卸にものが流れ て、そして大企業が払う。そのときに現在は5%の消費税をメーカーに払うんです。そ れで卸がユーザーにものを売る場合、そのときに大抵価格は少しは上乗せされる。その 全体に対して消費税を払う。前仕入れるときに払った消費税の差額を消費税として納税 するんです。こういう付加価値税なんです。ですから内税であれば、そういう仕組みは 根本的に変わってきます。要するに価格に含まれているのは内税の消費税ですから。  そこのところをもし内税で仕切価格の中に消費税が入っているならば、全国の病院は すべて外税の、今病院は外税で課税されているんです。それをやめるべきだということ です。御審議をお願いします。 ○嶋口座長  これについては前回も大塚委員の方から御指摘をいただいて、そのあたりについて松 谷委員から簡単な御返答があったのですが。どうしましょうか。事務局サイドでそのあ たりを整理していただいた上でもいいし、あるいは直接松谷委員からお話を伺っても結 構ですが、どちらがよろしいでしょうか。では先に事務局の方でそのあたりをまず。前 回の議論がありましたので、少し整理したところをお話し願いたいと思います。 ○千葉首席流通指導官  大塚委員の前回のお話は、私どもとしましては、仕切価の設定に当たって大塚委員は 御自分で調査された際に、メーカーの仕切価設定では調整幅の2%と消費税の5%を引 いた程度の仕切価設定になっていると。したがってそこにはメーカーの仕切価設定の際 には、卸の利益というものが入っていないのではないかという御質問。  それに対して私が前回御説明いたしました、メーカーと卸の作業部会の際の意見の中 にメーカー側の仕切価設定においては、卸側の利益も考慮した形で設定しているという ふうな御意見がございましたという御説明をさせていただいたわけでございます。  したがいましてそこのところを、松谷委員が前々回の御質問に対しては、卸の利益は 入っておりませんという説明をしているのも事実でございます。そこの食い違いといい ましょうか、食い違い等を調べてみましたところ、既に消費税5%を考慮した場合に、 仕切価そのものは消費税込みで93とか94というふうにしてございます。であれば本来 の仕切価を見る場合には、消費税を除いたところの93ではなく89とかその辺で仕切価 を見ていただくとことになる。  そうしますと薬価を100とした場合には、消費税抜きの仕切価との開きが10ないしは 11ぐらい出てきますので、そうしますと大塚委員がお話になられた消費税5、あるいは 調整幅2のほかにまだ3%あるいは4%という開きがございますと。その部分がメーカ ーが考えている卸の利益、あるいは卸とユーザーさんの価格交渉での交渉部分。このよ うな設定になっているということでございますと。このような資料を作成して御説明を させていただいたというところでございます。  実は消費税の内税、外税について私どもの方からあえてというか、その部分について そういう問題意識で御説明したわけではございませんでした。一応私どもの問題意識、 あるいは先生の問題意識についての御回答はそういう前提のものでございました。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。松谷委員から何かございますか。 ○松谷委員  薬価につきましては、新しく消費税が導入されたときに、その時点で薬価調査をして、 その上に3%の率から、その当時の薬価差分を差し引いて2.7%の消費税分を上乗せし て薬価を決めたわけです。その次に3%から5%になったときにも、2%の差について やはりその当時の平均薬価差を含めて、1.何%かを乗せるという形で、本来薬価が外税 であるものを内税にするために、薬価の中に消費税の調整を入れたということです。し かし今我々の実際の取引自体は、消費税が導入されたときから医薬品の卸というか、医 薬品の取引については、全部外税方式ということを決定して今もそのまま外税をやって おります。  先ほどの御説明のように、私どもがあそこで出した仕切価の平均値というのは、今千 葉首席からお話のあった、89〜90%前後の仕切価に対して、薬価の方は消費税が既に入 っているからということで5%を乗せた形で94前後という形であれを発表していると、 こういうことでございます。  消費税の議論そのものは私どもではとても手に負えない問題というんですか。今まで はそういう理解をして、我々は取引をしているということでございます。ですからメー カーさんからの仕切価についても、最終的にはメーカーさんからの我々に対する請求は、 仕切価に対して5%の消費税を乗せた形で請求が来るわけで、我々もそれを払っている というのが実情でございます。 ○嶋口座長   どうもありがとうございました。ということで事情についての御説明があったわけで すが、大塚委員、できましたら今回の留意事項とこの改善点に含めて御示唆いただけれ ばありがたいんですが。 ○大塚委員  この消費税を含めて、いわゆる薬価に対する仕切価格、これを見直すということが必 要ではないかと思います。日本医師会の会員の方々、診療所の方々、あるいは有床診療 所の方々に尋ねると、薬価に対して93とか94%で実際購入されております。ほとんど 薬価差はありません。そういう状態なんです。ですから先ほど事務局から説明がありま した。なお、卸の方に利益率とかあるいは経費の分が入っているような説明でしたけれ ども、それはまず不可能ではないでしょうか。  だから医療機関側もこれではやれないということで、売差がマイナスになってきたと いうことなんです。その売差がマイナスになるのをさらに補うために、アローアンスと か割戻しが有効に機能しているということです。これについては今度の緊急の意見の中 に盛り込まれておりますから、それは結構だと思いますけれども、やはりこの仕切価格 について、もう少し何か具体的に突っ込まないといけないのではないでしょうか。 ○嶋口座長  ありがとうございました。消費税の問題をここでまた絡めますと、かなり問題が複雑 になる可能性もあるかもしれません。しかしここはクリアにしておかなければならない 部分でもあるような感じがします。今の御意見をお聞きになってほかの委員の方々、何 か御意見ございますでしょうか。もしございましたらどうぞ。メーカーサイドの方で何 か御意見はございますか。 ○禰宜委員  メーカーとしてもいつもお話をさせていただいておりますけれども、仕切価の問題は、 我々としては一次仕切価というものはできるだけ早く全国の卸さんに、同じ価格で連絡 をさせていただいているわけです。そして卸さんとの取引とかあるいは回収サイトとか 諸条件を入れながら、その仕切価を修正するという意味で割戻しという形で、修正分を 連絡させていただいているということです。  我々といたしましては、一次仕切価、そして割戻しを入れたところを正味仕切価とい うことで考えておりますので、そういう中で卸さんとそして医療機関、あるいは薬局と の間での価格交渉をやっていただくというようなことを考えております。  ただ今回の御提案の中にもありましたように、割戻しあるいはアローアンスの中で仕 切価に反映できるものはできるだけ反映すべきであるというような提言もございました ので、その意向も踏まえながら、または各社の判断の中でそれらの対応を考えていきた いと、そのように考えております。 ○嶋口座長  ありがとうございました。それではこの問題については、今大塚委員の方から御指摘 がありましたように、仕切価のところのとらえ方が消費税その他を含めてもう一歩はっ きりしないので、ここを少しクリアにするようなことを考えていただきたい。そういう 御提言と見てよろしいでしょうか。ありがとうございました。それについてはまた改め て少し事務局サイドで考えていただくこととして、しかし基本的な今回の提言の中では、 仕切価の問題とそれから売差マイナス、そこのところを少し考えなければいけないとい うことで、その大きな幹のところについては、そんなに大きな問題はないような感じも 致します。○武田経済課長  大塚委員の御指摘の点につきまして少し議論を整理させていただければと思います。 御指摘の点は1つは消費税の問題でございまして、消費税の問題も実は2つに分かれま す。1つは構造問題ということで、座長がこの場ではちょっと議論の範囲を超えるとい った御趣旨にもかかわるんですけれども、そもそもの問題といたしまして消費税導入の ときの整理の問題。これはさまざま御意見があることは重々承知しておりますが、医療 機関それから卸売業者との関係は課税取引ということでございます。課税取引の中とし ては、内税、外税の両方があり得ると。内税原則ということだったと思います。  メーカーと卸の関係も課税取引ですので、その仕切価を決めるときには税抜きなのか 税込みなのかを決めなければいけない。決めてレベルがはっきりいたしますと、そこは さらに卸さんが売るときに、その差を調整して納税するということだと思います。  一番大きな問題は、診療報酬自体が非課税となっておりますので、この点が非常に医 療関係者の中でわかりにくいと。多分御指摘の、一番構造問題に触れるとところはその 点だと思います。  この点につきましては医療法人協会を初めといたしまして、そもそも論といたしまし て、御意見、御提言があるのは我々もよく承知をしております。ただこの場におきまし ては流通の構造問題にできれば限定して本日まとめさせていただきたいということでご ざいます。御指摘の構造問題は重々承知しておりますが、本日まとめる範囲につきまし ては、今日お出ししている資料の中で、できれば意見をまとめていただきたいというこ とでございます。  それからもう1つ消費税問題を別にいたしますと、先生が御指摘の点は、仕切価の水 準そのものの問題です。先生が御指摘のように、診療所は特に薬価差がほとんどない。 その水準と同じ水準と卸さんが買っているのであれば、売差マイナスになるのは当たり 前ではないか。こういう御指摘であろうと思います。こちらは消費税問題と切り離して、 流通の問題そのものでございます。  それにつきましては本日この私どもがお出ししている緊急提言の中で、先ほど禰宜委 員からもお話がありましたが、これからどこまでできるかというところはあろうかと思 いますか、姿勢といたしましてはそういう売差マイナスというような状態をなるべく是 正いたしまして、メーカーの仕切価についても見直しをしていただけるという、今の禰 宜委員のお話だったと思いますので、その点につきましてはもしよろしければ、先生の 御指摘の方向を踏まえた形の報告書になっておりますので、この報告書につきましては、 御指摘はその限りにおいては入っておりますので、ぜひこの内容でまとめさせていただ ければありがたいというふうに思います。  また大塚先生以外の委員の方々で、消費税込みとか込みでないとか、何の話をしてい るのという委員の方々がいらっしゃると思います。実は先ほどちょっと話の中で出てま いりましたが、先生に御提示申し上げた説明資料がありますので、これは後ほど委員の 方々全員にお配りさせていただきまして、何かわからないということであれば事務局の 方から御説明をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。 ○大塚委員  ちょっと追加発言、よろしいですか。  薬価算定式に市場実勢価格、それから調整幅2%、消費税5%が乗せられているんで す。結果的に5%の消費税に見合うものが乗せられているために、薬価は高くなってい るんです。5%高くなっているんです。それでユーザーは高く買わされているというこ とです。  もともと消費税に対する知識がなかったからかもしれませんけれども、最終消費者で ある、いわゆる患者様が消費税を払わないので、それに見合うべきものを薬価に乗せた らいいじゃないかというような単純な考え方だったんです。  今になってみると先ほど言いましたように薬価に消費税分を乗せたから、その分医療 機関は高買いをしているんです。ですから薬価算定式もおかしいんです。 ○嶋口座長  私もちょっとどういうふうに判断していいかわからないところがあるんですが、もし 今大塚委員がおっしゃったようなことがそうだとしたら、これは少し考えないといけな いし。ひょっとしたら別の要素があるかもしれないということで、この問題については 座長預かりという形にさせていただきまして、改めてここをクリアした上で何らかの、 また今回の提言とはちょっと別の形になるかもしれませんが、ぜひ考慮させていただき たいと思っております。ということで事務局、よろしいですか。 ○武田経済課長  恐らく先生が御指摘の点は、やはり医療が非課税、それ以外の取引が課税というとこ ろで、先生方によっては薬価に消費税が入っているのか、入っていないのか、その点も 含めて現場に混乱が生じたではないかという御指摘だと思います。  これにつきましては制度上は、先ほど申し上げましたような税抜き価格で調べて、税 込みで、すなわち医療機関が実際に払っている価格を調べる。それは税を乗せた形の価 格を調べて、薬価基準を制定しているということですから、制度的には税込み価格、す なわち医療機関が実際に購入している価格という整理でございます。実際の現場の受け 止め方に幾つか疑義があるというお話は、それとして受け止めますが、制度的には実は クリアな形になっています。なおかつ制度の議論といいますのは、ややここの議論の範 囲を超えると思いますので、事務局といたしましては、この流通の問題に限定をしてお まとめいただければありがたいということでございます。 ○嶋口座長  今議論をいろいろお聞きしていて、今回の緊急提言とされていたことの根幹のところ については、基本的にそのままでいいけれども、今大塚委員から出された問題があった ということを確認しておきたいと思います。 ○大塚委員  ちょっと追加させてください。未妥結、仮納入、こういう問題が発生しているという のは、やはりそこの仕切価格が基本的にあるわけなんです。それが十分リーズナブルな コストであれば、恐らく未妥結、仮納入とかそういうものは起こらないだろう、根本的 な問題だと私は思っております。 ○嶋口座長  貴重な御意見をありがとうございました。今大塚委員から緊急提言に対するまた緊急 提言のような形で、問題点を御指摘いただきました。これは今またここでどうしようと いう話はちょっとできませんので、そういう御意見があったということで、改めて考え たいと思います。  あと今回の緊急提言に対して、何か御意見なり御質問なりがございましたら、お聞き したいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいですか。実は今回の重要事 項の取りまとめについて、既に皆さん方に前回もお配りして、今回は前回出てきた意見 を少し反映させていただいた形で、事務局サイドでまた修正案を出していただいたわけ です。形としては9月いっぱいに1つのまとめをして、中医協の方に我々の提言として 出さなければいけないという、そういう時限型の提案になっておりましたので、とりあ えずはここで少しまとめをさせていただければありがたいなという感じです。  大塚委員の今の御意見というのは、また次の段階でぜひ考えたせていただきたいと思 っています。一応この取りまとめの段階で座長として私の方から簡単にお願いを含めて、 感想を述べさせていただきますと、今回は冒頭で外口局長の方からもお話がございまし たように、なかなか自由公正競争というものを確保しながら公的保険制度下で、透明性 や公平性を求めていくということの上にさらに薬価調査の信頼性を確保しなければいけ ないという、非常に難しい問題の中で作業をしてきたわけです。やはり医療保険制度を 維持するという建前から言えば取引全体の適正化を図るという意味で、1つの形をつく る。これが今回なったわけでございます。  大塚委員からも先ほどいろいろ御指摘がありましたように、ユーザー側の指摘からし ますと、どうもメーカーさんと卸さんのところの取引に不透明感が非常にある感じがす ると。したがってその意見はたびたびこの懇談会の中で指摘されたものですから、それ ならばまずは非公開の作業部会でメーカーさんと卸さんの間での集中審議をしていただ きたい。それを行ったわけでございます。その結果、基本的には今の問題、大塚委員か らの御指摘もあった点に係るのですが、仕切価等の問題の中でもとりわけ提示時期、メ ーカーさんが卸さんの方に仕切価を提示する時期を明示することが必要だろう。これは 今回の提案の中にも盛り込まれたわけです。   もう1つは仕切価への反映可能な割戻しだとかアローアンスの見直しということをち ょっとしなければいけないだろう。それから市場環境が大きく変わるので、余り確定的 ではなくて、変化を踏まえた仕切価の協議を実施すること。これもまたメーカーさんと 卸さんの間で必要になるだろう。  3つ目は誤解をちょっと受けるような年度末におけるアローアンスの運用というもの を廃止する方が望ましいだろうと。このあたりが非公開の作業部会の中で、メーカーさ んと卸売業者さんとの間で、かなり確認された点であったわけです。  こういうふうな点で以前よりさらに踏み込んだ形で透明化に向けた具体的な改善策を 盛り込むことが、一応今回の提言の中にはできたのかな、そういうふうに思っておりま す。  これにつきましてはメーカーと卸売業者さんは、先ほどから議論がありますように、 どちらかというと川上といわれている立場です。やはりこの川上のところが清流であれ ば、川下の方がもっともっと濁りが改善できるだろうということで、ここのところをま ず一番最初に明確にしておきましょうということが、1つのポイントだったわけです。  それから2つ目は今度は卸売業者さんと、いわゆるユーザーといわれる医療機関さん や薬局さんとの取引における留意事項として今回まとめたのが、総価取引の改善の問題 とそれから未妥結・仮納入の問題であるわけです。  総価取引については、1つは基本はやはり単品単価交渉が望ましいだろうと。このこ とを少し明確にしました。  それから2つ目はそうはいってもどうしても総価取引が起こり得ることがあり得るわ けですが、総価取引を行う場合であっても、除外品目を設定しておいた方がいいだろう ということで、今回の提言の中では具体的な例示を除外品目の中に盛り込んだというこ と。そしてそれによって医薬品の価値と価格というものを反映した取引の必要性に言及 した、そういう提言になったわけでございます。これが総価取引に関する改善の、1つ の今回の提言の趣旨です。  もう1つは未妥結・仮納入でございますが、今まで未妥結・仮納入と何となく漠然と 言っていたんですが、今回の提言では長期にわたる未妥結というのは一体どのくらいの 期間かということをはっきり定義しておこうということで、大体6カ月を超える場合を、 未妥結・仮納入の定義として明確にしたわけでございます。  しかしそうはいっても、長期にわたる6カ月以上というのは、望ましくないわけで、 さらに上場企業が大体は4半期くらいで決算報告を行うわけでございますから、これを 踏まえた妥結がより望ましい。そういう旨の表現をこの中に入れたわけでございます。  したがって今後の早期妥結に向けた取り組みの手法として、ぜひそこのところを活用 していただきたいというのが今回の提言でございます。  それからこれは座長としてずっと感じていることでもあったのですが、この流通にか かわるプレーヤーの方々にぜひお願いしたいのは、まず第1番目には今回の流通改善の 取り組みに当たって卸売業者の方々の意識改革が、さらにこれから重要になるのではな いか。これが1つございます。せっかくこういうふうな留意事項の取りまとめを行った わけでございますが、これを本当に意義のあるものにするためには、どうしても中心的 なプレーヤーである卸売業者さんが流通の担い手として価格形成に自主性と主体性をぜ ひ持っていただきたい。特に上場企業になっていらっしゃる卸売業者の方々は、ある意 味での社会責任、もちろんそれ以外のものも含めてお持ちのはずでございますので、一 層の自覚と責任を持ってメーカーさん、あるいは医療機関さんや薬局さんの双方から信 頼される取引主体となることを、ここでお願いしたいということ。これが第1点でござ います。  それからユーザーさんの方ですが、医薬品を購入する側の立場でも、今後は単に価格 交渉を引き延ばすというだけでは、なかなか合理的な価格交渉にはならないんだ。そう いうことを自覚していただいて、合理的な価格形成というのは公的医療保険制度の健全 な運用のためにも必要であることを、もう一度考えていただきたいということをお願い したいとと思います。  それから最後に国のサイドというんですか、事務局サイドに対してお願いでございま すが、医療用医薬品の流通改善のためには、制度面での検討の必要がある。先ほどの大 塚委員のお話もひょっとしたらそこにもかかわるのかもしれませんが、さらに別の面の 制度面の検討もこれからさらに必要であるだろうと思います。そういう意見があること についてぜひ重く受け止めて、今後の政策への反映をお願いしたい。そんなふうに考え ております。  以上が今回の緊急の提言取りまとめに対する、私からのお願いと意見でございます。 勝手に座長から意見を述べさせていただきましたが、続きましてぜひこの機会でござい ます。今日が実質的には1つのまとめの最後の懇談会になりますので、委員の先生方の お立場からぜひ一言、二言御発言をしていただければありがたいと思います。  勝手でございますが、私の方から指名させていただきますので、一言お願いしたいと 思います。まずこの流通懇談会の中心的なプレーヤーである、卸業の立場から日本医薬 品卸売業連合会の松谷委員、一言お願いいたします。 ○松谷委員  今回流改懇の席で緊急提言と留意事項をまとめていただきまして、本当にありがとう ございました。今嶋口先生からもお話がありましたように、我々の意識改革がどれくら いできるかということ、これらにかかっているよというお話がございましたけれども、 それに十分にお応えしてこのことを我々の業界の中で啓発し、それぞれの意義を十分理 解できるように、私も自分の立場ではそういうことをやりたいと思っています。  また、昨年の中医協の建議の中にも未妥結・仮納入の問題が取り上げられ、その過程 で厚労省の経済課の御協力で、流通の実態を実際に国が調べてくださるような形に今回 なりました。その実態もこの席で明らかにされ、そういうものがあったからこそいろん な議論ができたのではないかと。それぞれが心の中で思っていても、なかなか表に出せ なかったものが、積極的にかかわっていただいてそれが表に出たことによって、それぞ れの立場で自分たちのことも含め、いろんなお話しができたのではないかという意味で 大変感謝申し上げております。  今回の提言の中には、国の役割というようなことまで書いていただきましたけれども、 その意味では今後このことについての検証とまた我々に対してのいろんな御意見もいた だきながら、これを確実なものにしていかなければならないというふうに自覚をしてお ります。  嶋口先生を初め三村先生等に大変いろいろ世話になりました。ありがとうございまし た。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。では次に日本製薬工業協会を代表しまして、禰宜委 員、一言お願いいたします。 ○禰宜委員  今までの流改懇の意見交換から未妥結・仮納入等の薬価調査の信頼性を損なう取引に ついては課題であるという認識は、メーカー、卸、医療機関、薬局も共通になっている というふうに考えておりました。  今回御提案いただきましたものは、医療用医薬品の取引慣行において、これまでいろ いろ指摘されておりました問題点を各取引当事者が検証し、そしてその結果を踏まえた 改善に向けての示唆が織り込まれているということで、今までの中間取りまとめに比べ ますと、具体的でかつ突っ込んだ留意事項になっているということです。それぞれの立 場で未妥結・仮納入あるいは総価取引等について、薬剤の価値と価格を反映した取引に 向け改善すべきであるというところを改善することが肝要であるというように考えてお ります。  少しメーカーの今までの考え方も御説明させていただきますと、メーカーにとりまし ては、今まで卸さんとの取引は取引の基本契約書に基づいて極めて透明なものであると 認識をしております。しかしながら今まで流改懇の場でもやはり一次仕切価に対する売 差がマイナスであることが不透明な取引ではないかということを、たびたび御指摘をい ただいたわけでございます。  これまでもメーカーとしては割戻しを加味した、先ほど御説明させていただいたよう に、正味仕切価での議論を主張してきたわけでございますけれども、このたび割戻しの 中で一次仕切価に反映できるものは反映する。またアローアンスのうち割戻し、あるい は一次仕切価に反映できるものは反映しようということが明記されておりますし、先ほ ど御説明がありましたように、別の指摘として期末におけるアローアンスの見直し等は 不透明な運用と誤解されていることについては、こうした運用は廃止することが望まし いというふうに今回明示されております。  今回の提案を受けましてメーカーといたしましては、今まで以上に卸さんへ仕切価、 あるいは割戻し、アローアンスの早期の提示を行う。これに関する話し合いがまた今ま で以上に真摯に行われて、割戻しの中で一次仕切価に反映できるものは反映して、アロ ーアンスのうち割戻しや一次仕切価に反映できるものは反映していくことになるという ふうに考えております。  その結果、メーカーと卸との取引の一層の透明化が増して、卸さんは正味仕切価のよ り正確かつ早期の把握が可能となるということでございますので、先ほど卸さんの決意 もありましたが、主体的に販売価格を決定されて、そして医療機関あるいは薬局との価 格交渉もより信頼の中で行われるということを、我々としても特に期待していきたいと いうふうに思っております。  メーカー各社は今回の留意事項を真摯に受け止めながら、それぞれ各社の判断の中で 対応を行っていくものと考えております。  最後になりますけれども、やはり緊急提言にも個々の事業者が自由な取引を制限する ことはあってはならないというふうに明記されておりますので、業界としてどうこうと いうことは言えないことについては、御理解していただきたい。  我々としても、この提案を真摯にとらえながら、これからできるところから取り組ん でいきたいというふうに考えております。以上でございます。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。それでは今度ユーザーサイドの方から、日本保険薬 局協会の柏木委員、一言お願いします。 ○柏木委員  柏木でございます。今日いただきました提言を、保険薬局協会としては十分尊重させ ていただきまして、かつ留意すべき事柄には真剣に取り組んでまいりたいと思っており ます。  特に先ほど座長先生もおっしゃっていたように、長期にわたる期間を6カ月にしたこ と、あるいは妥結までの期間を4半期にしたところですとか、早期妥結が見込めない場 合は多様な取引方法を検討することが望ましいということ等々が織り込まれたことは、 大変メリハリが効いて一歩前進だと思って受け止めさせていただいております。  一応区切りですので、今までの経過の中で申し上げておきたいと思います。これが懸 念にならなければいいなと思っているのですが、不適切といわれております、未妥結・ 仮納入、あるいは総価取引という行為が、どういう経過でどのような事例で行われて、 今日に至ったのかという検証と議論が足りなかった。ですから大塚先生がおっしゃった ようなことも出たのではないかなという感じがしております。そのことによって再び同 じことの繰り返しにならないかと心配するところでありますけれども、多分多岐にわた る幾つかの要因が重なった上でこの不適切な行為になった、及んだと思っております。  当然その中に私たち保険薬局の商取引にも起因する部分があったということも、それ は認めてまいりたいと思っております。それは私たちの役割として、この提言を受け止 めて改善していく方向にもっていきたいと思っております。  ただしそのほかにも幾つかのそういったつぶさなくてはいけない部分というのが、残 されているような感じがしないでもございません。それをぜひ機会がありましたら、白 日のもとにさらして議論をしたり検証したりすることが、本来の流通改善への方向では ないかなという感じがしております。  それだけに先ほども嶋口先生がおっしゃったように流通の要であります卸さんの役割 というのが、私はキーを握っているような気がしております。特に上場されております 卸さんが多ございますから、期の初めには卸さんのトップが、決意表明の中には必ず出 てくる文言がございます。「適正利潤確保のために不条理な価格要求には取引を断固お 断りすることもある」ということを川下に向けてメッセージを発信されております。ぜ ひこれを機会に、川上にも向けていただいて、納得のいかない仕切価格ならば取引を、 あるいはお取り扱いをお断りするくらいの気構えを示して取り組んでいただきたいとい うことお願いしておきます。以上です。 ○嶋口座長  どうも貴重な意見をありがとうございました。それではもうお一方のユーザーの代表 として、日本私立医科大学協会の柿田委員から一言お願いいたします。 ○柿田委員  柿田でございます。従来になく具体的な提言、あるいは留意事項を提示していただい て、これを私どもの協会のメンバーにも伝えたいと思います。議論になっておりますよ うに、なぜ未妥結・仮納入のような状況がいまだに続いていたのかということの原因の 究明というところが、非常に問題があったわけです。やはり透明性の確保をしていただ くということで動くということかと思います。  もう1点医療機関側から申し上げますと、申し上げておきたいのは、公的保険下にお ける医療をものの売買における利潤で成り立つというような習慣が今までずっと続いて いたわけです。これがだんだん是正されてきておりますので、技術を評価していただく ような医療評価が充実してまりますと、この辺の問題点を解決できるのではないかと思 います。  つまり医療機関が薬の納入の問題で利潤をいかにして生むかという、それで病院が成 り立つというようなことが、余りにウエイトも大きいという実態が今まであり過ぎたの ではないか。その辺が気になっています。最近の中医協の御議論でも、保険医療制度の 中で技術の評価が非常に重くなってきておりますので、今回の提言を真摯に受け止め、 そういった方に努力をするようにしたいと思っている次第でございます。以上です。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。それでは先ほど御発言をいただきましたけれども、 日本医療法人協会の大塚委員の方から、一次仕切価のところの問題はもう既に御指摘済 みでございますので、そのほかのところで一言お願いいたします。 ○大塚委員  すべてのステップの段階でやはり透明性と公平、これを基準にして流通をしていただ きたい。もうこのことに尽きると思います。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。先ほどの問題については、また私の方で少し考慮し た上で何か対応をまた事務局とも考えてみたいと思います。どうもありがとうございま した。  それでは全国自治体病院協議会の宮川委員の代理である小林様から一言お願いいたし ます。 ○小林(宮川委員代理)  冒頭申し上げたことはやや抽象的だったですけれども、皆さんと同じ透明性の問題と いうことが、基本になろうかと思います。  あと個別の問題として、大塚先生がおっしゃったことは、私どもも100%以上という か120%もわかる思いではいるのですが、いかんせん税制の基本論とそれから価格の費 用構成といったようなものが混然一体となっているとなかなか議論も進まないと思いま すので、そういう意味ではこの議論というのをクリアにしていただきたいというのは、 先ほど座長がおっしゃったとおりです。  それで緊急提言の一番最後に、こういった部分について抜本議論をすべきだというこ とが書かれている。多分これは中医協の方に逆にボールを投げ返すような表現だと思う のですが、キャッチボールばかりしていてもしょうがないですから、この際やはり中医 協からこちらに投げられたボールに対して、その中でも極めて重要な税制も絡んだとい う部分について、やはりもう一度真摯な議論を中医協においても行っていただくという こと、これは薬価だけではなく、経済調査においてもきちんとその辺を整理していただ くということ、これは重要なことだというふうに思いました。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。では最後になりますが、三村委員の方から学界、有 識者代表ということでお願いいたします。 ○三村委員  今回の流通改善の緊急提言ですが、従来、医薬品流通に関しては、どちらかと言うと 利害関係者の方による討議とその中での話し合いという形で終始してきたと思います。 それに対して今回は、日本の医療制度全体について、これからどういうふうにもってい くのかという大きな議論があり、その中で医薬品流通もしっかりしてほしいという、社 会的な大きな要請が背景にあります。つまり社会的な性格を持った医薬品流通という位 置づけがされています。そういう意味から言いますと、意識改革が必要だとか、姿勢を 基本的に改めていくとか、全体の制度の透明性を高めるべきという、そういった発言が 多くありましたので、その方向性でこれから改善が進むと受け取っております。  それから今回の緊急提言の内容ですが、先ほどもいろいろ御意見がございましたよう に、例えばメーカー側から、割戻し・アローアンスについてきちんとした改善をしたい というような明快な姿勢の提示がございました。また総価取引について、こういったよ うに除外品目をきちんと明示したというのは、私はかなり大きな意味を持っていると思 います。これは、価値と価格ということを今後きちんと整合性を持った方向にもってい くためにも、大きな意味を持つというふうに考えております。  また未妥結・仮納入について、いろいろ理由はあるとしても、やはり基本的に6カ月 以内ということが基本であると、きちんと期限と数字が明示されました。それに対して いろいろな形で努力が行われるはずですし、これから始まっていくと、全体の取引制度 改善の流れは相当に進むと感じております。そういう意味では今回の緊急提言は、大変 意義があると思っています。 ○嶋口座長  どうもありがとうございました。本日の懇談会はこのあたりで終了になるわけでござ いますが、7月以降、かなりタイトなスケジュールで実は経済課の武田課長をリーダー に、それからとりわけまとめ作業に当たっては、千葉首席流通官を初め、すべてのスタ ッフの方々は、本当に夏休み返上でまとめていただきまして、感謝申し上げたいと思い ます。そういう意味で事務局サイドから最後に一言、武田課長、ごあいさつをお願いい たします。 ○武田経済課長  座ったままで失礼いたします。経済課長でございます。今座長からお話がありました とおり、非常にタイトなスケジュール、やや役所の懇談会の常識から言うと非常識とも いうべき短期のスケジュールで、しかも夏休み返上で、座長からは私ども事務局に対し て大変温かいお言葉をいただきました。暑い夏をともに過ごしたのは、私どもだけでは ございませんで、特にメーカー、卸の方、非公式の会合を重ねることで、ほとんど休み がなかった方もいらっしゃるのではないかと思います。  これまでの御協力に、委員、本日お集まりの方、御欠席の方、すべての方々に心より 御礼を申し上げたいというふうに思います。  私ども厚生労働省といたしましては公的保険制度下における取引におきまして、取引 当事者双方がこの留意事項によって現行薬価制度、薬価調査の信頼性を確保するための 取り組みが効果的に行われることを、せっかくいいものをおまとめいただきましたので、 これが現場の取引に生かされることを心から期待するものでございます。  今回取りまとめいただきました留意事項につきましては、私どもの方から10月以降の しかるべき時期に中医協の薬価専門部会になると思いますが、御報告をさせていただき たいと思います。なお、先ほど貴重な御意見を多くいただきましたので、座長とも相談 いたしまして、御意見のうち、御報告すべきものにつきましては、私の方からこの留意 事項とともに、こういう意見があったということを、中医協に御報告すべきかなという ふうに考えながら、お聞きしておりました。いただいた御意見を生かすべく、少しまた 私どもの方で頭を絞らせていただきたいというふうに思います。  それから多少予定にない余計なことを申し上げれば、やはり大塚先生からお話のあっ た消費税をめぐる現場の理解に対して、誤解も含めて混乱があるということであれば、 私はやはり実際の診療所、または病院に訪問されている卸の方々に、もうちょっと丁寧 にきちんと御説明をいただきたい。この消費税の問題も含めて。薬価基準は消費税込み のものということで、消費税導入以来既に20年近くやってきております。ことさら税抜 きなどは、喧伝することのない、きちんとした説明を、先ほど透明性という言葉が何人 かの方から御指摘をいただきましたように、透明性。そのためには説明責任ということ でございます。  特にその説明責任の中心に立っているのは、卸の方々でございます。ぜひそういった 点についても努力をいただければということを、ちょっと予定稿にはありませんが、つ け加えさせていただきたいと思います。  今後の取り運びにつきまして、先ほどの中医協への御報告に加えて申し上げますと、 この留意事項の中では、国の役割として示された点がございます。この留意事項の趣旨 を踏まえた取引の定期的なフォローアップということでございます。今後定期的にこの 未妥結状況を初めといたしました流通の実態を定期的にフォローし、この状況を当懇談 会御報告して、さらなる流通改善に向けた取り組みを行っていきたいというふうに思っ ております。  また今後この流通改善懇談会でどのような議論をさらにすべきかについては、本日い ただいた意見も念頭に置きながら、また委員各位の御意見をいただき、座長とも相談し ながら今後の運営を考えさせていただきたいというふうに思っております。  繰り返しになりますが、委員各位の大変御熱心な御参加、それから公的医療保険制度 を守っていくための大変真摯な御協力その他すべてに対して、担当課長といたしまして 感謝申し上げたいというふうに思います。どうもありがとうございました。 ○嶋口座長  ただいま経済課長から御説明がございましたように、事務局においてはこの留意事項 に関するフォローアップをこれからも定期的に行っていかれるということでございま す。そしてそれをまた当懇談会に報告していただけるということでございますので、そ の際にはまたこの懇談会、さらに議論を深めて、さらなる流通改善に向けた取り組みを していければいいなと、そういうふうに思っております。  透明性、公平性をぜひ高めようということについては、もう最初から終わりまでずっ と一貫した当懇談会の委員の方々の思いであります。それからそれについてまだまだ議 論が足りない。もうちょっと深い議論をしてみたい。そういう問題もあります。それか らトータルのシステムのところまで、なかなかこの懇談会では及び切れないというとこ ろもありますので、ある程度はこの懇談会の中で決めるべきことに少し限定されたかな。 しかしそれは他との関連を少し考えなければいけない。こうことについてもある程度思 いが同じようなところがあったような気がいたします  そういう意味では今後さらに日本の医薬品の流通改善に向けて、もっともっと委員の 皆様方から御意見をいただいて、よりよいものにしていけたらいいなと、そんなふうに 思っております。  それでは非常に短い時間ではございましたが、一応今回は留意事項の取りまとめとい うことで、本日の懇談会は終了にしたいと思います。  事務局サイド、本当にすばらしい作業をいろいろしていただきまして、ありがとうご ざいました。最後に座長として御礼を申し上げたいと思います。どうもありがとうござ いました。以上です。 (了) 1