07/09/26 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会添加物部会平成19年9月26日議事録 薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 添加物部会 議事次第   【日時】 平成19年9月26日(水) 13:30〜15:42   【場所】 三田共用会議所 大会議室   【出席委員】(五十音順)      井部委員、北田委員、佐藤委員、棚元委員、長尾委員、      堀江委員、米谷委員、山内委員、山添委員   【事務局】國枝基準審査課長、光岡補佐、磯崎補佐、小山田専門官 ○磯崎補佐 それでは、定刻となりましたので、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会 添加物部会を開催させていただきます。  本日は、御多忙のところ、御参集いただき誠にありがとうございます。どうぞよろし くお願いいたします。  本日は、石田委員、井手委員、吉池委員より事前に御欠席との連絡を受けております。 現在、添加物部会の委員13名中10名の委員の先生方に御出席いただいておりますので、 本日の部会は成立いたしますことを御報告申し上げます。  それでは、座長を長尾部会長にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い いたします。 ○長尾部会長 それでは、配付資料の確認を事務局よりお願いいたします。 ○磯崎補佐  本日、先生方のお手元に置かせていただきました資料は、議事次第、委 員名簿、資料一覧を一まとめにしましたものが1部。座席表の1枚紙が1部。その他、 本日の審議資料といたしまして、右肩に資料1−1と記載してございます「ナイシンの 新規指定の可否に関する薬事・食品衛生審議会への諮問について」。同じ冊子の3ぺー ジ目から資料1−2「ナイシンの新規指定の可否に関する薬事・食品衛生審議会食品衛 生分科会添加物部会報告書(案)」。同じく25ぺージから資料1−3といたしまして、 「ナイシンを添加物として定めることに係る食品健康影響評価に関する審議結果」。一 番最後の47ぺージでございますが、資料1−4といたしまして、「ナイシンの味噌への 使用について」。以上でございます。  次に、報告事項に関する資料といたしまして、横長の資料になりますが、左肩に「報 告資料」と記載がございます「食品安全委員会への意見聴取及び食品健康影響評価の結 果について」、以上でございます。  本日お手元にお配りいたしました資料は以上でございますが、もし不足等ございまし たら、申し出いただければと思います。皆様、おそろいでしょうか。  では、よろしければ審議に入りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、最初に議題1、ナイシンの新規指定の可否について審議を行 いたいと思います。事務局より資料について説明をお願いいたします。 ○磯崎補佐 では、まず背景から御説明いたします。  ナイシンにつきましては、平成14年7月に食品衛生分科会で了承されました国際的に 安全性が確認され、かつ欧米で汎用されている添加物の1つとして挙げられておりまし て、同時に、事業者からの新規指定の要請があった品目でございます。これについては、 食品安全委員会へ平成15年10月20日に食品健康影響評価の依頼を行いました。食品安 全委員会では、平成16年4月9日から平成19年8月27日までの間に、計5回にわたり 添加物専門調査会で審議が行われ、その審議を踏まえた報告書案がまとめられました。  では、本日お配りしました資料に沿って御説明させていただきます。資料の3ぺージ 目を御覧ください。  品目名は「ナイシン」。  構造式、分子式・分子量は2番のところに記載がございます。  本品目の用途は保存料。  概要及び諸外国での使用状況でございますが、ナイシンは発酵乳から得られたLacto coccus lactis subsp. Lactisが産生する34個のアミノ酸から成るペプチドでございま す。乳酸菌などが産生する抗菌性物質にバクテリオシンと呼ばれるものがあり、これら は、主に生産菌の類縁細菌に殺菌的に作用するタンパク質又はペプチドとされておりま して、ナイシンは、ランチビオティクス系のバクテリオシンに分類されております。現 在、50カ国以上で保存料として使用されており、米国ではGRAS物質といたしまして低 温殺菌チーズスプレッド等に抗菌剤として使用されております。また、欧州連合(EU) では、ナイシンは保存料としてチーズ等への使用が認められております。また、本品目 につきましては、JECFAで1968年に評価がなされており、ADIが設定されており ます。  次に、添加物としての有用性でございます。4ぺージをご覧下さい。この有用性の部 分に関しましては、事前にお送りした資料からかなり修正が入っております。事前の送 付までに修正が間に合わず申しわけございませんでした。では、本資料に沿って御説明 いたします。ナイシンは、Bacilus属とClostridium属を含むグラム陽性菌に対して効 果がある保存料でございまして、さまざまな食品の細菌による腐敗を防ぐという効果を 持っております。作用機序といたしましては、細胞膜に作用して、膜孔を形成すること により、細胞膜の膜機能を破壊するということが挙げられております。  1)細菌芽胞増殖に対する抑制作用ということで、4項目の試験概要を記載してござ います。まず、1つ目の試験では、芽胞菌を含む培養液を用いまして、ナイシンを14mg /kgで加えたものと、ナイシンを加えていないコントロールについて、それぞれの華氏2 50℃におけるD値を測定しております。その結果、表1にございますように、ナイシン を加えたもののD値はコントロールのD値と比較して低下するという結果が得られてお ります。  2つ目の試験でございますが、こちらはBacilus属の31株の菌を一定の細菌数とな るようにそれぞれトマトジュースに接種し、35℃、45℃、55℃でそれぞれ7日間培養い たしまして、pHが低下することを指標の1つとして菌の増殖を調べたものでございま す。その結果、濃度0.1mg/mLのナイシンでは4つの菌株に対して、1.0mg/mLでは19の 菌株に対して、5mg/Lでは31の菌株すべてについて増殖が抑制されるという結果が得 られております。  次に、3点目の試験でございますが、こちらはナイシンを14mg/kg加えたものと、加 えていないコトロールにつきまして、表2に挙げております対象食品におけるD値を測 定したものでございます。その結果、試験を行ったすべての芽胞において、コントロー ル群よりもナイシンを添加した場合の方がD値が低下するという結果が得られておりま す。  次に、4点目の試験でございますが、こちらはナイシン産生菌の培養液を用いて、表 3に挙げております芽胞菌について、その生育とガス産生を調べたものでございます。 この表の2行目にございます1/10、1/20という記載は、もとのナイシン産生菌の培 養液をそれぞれ1/10、1/20、1/40等と希釈したものについて、それぞれの菌に対 する生育抑制効果を見ているものでございまして、この結果から、ナイシン産生菌の培 養液濃度依存的に芽胞の発芽後成育が阻害されるという結果が得られております。  それでは、次に食品における効果について、6ぺージを御覧ください。まず1つ目と しまして、プロセスチーズとプロセスチーズ製品に対するナイシンの効果を見ているも のでございます。表2に挙げてありますようなさまざまなプロセスチーズにナイシンを 2.5または6.25mg/kgを添加しまして、加工の溶解段階でClostridium属の混合物を接 種してインキュベートしております。その後に37℃で保存し、週単位で変質の有無を調 べているものでございます。その結果、ナイシンを添加しなかったチーズは直ちに腐敗 したのに対して、ナイシン2.5mg/kgを添加したチーズでは腐敗するまでの日数が延長さ れております。また、6.25mg/kgを添加したチーズでは、試験期間内の6週間では腐敗 しなかったという結果になっております。  2つ目は、液状卵に対するナイシンの保存効果を見た試験でございます。ナイシン5 mg/Lを液状全卵に添加した後に64.4℃、2.5分で殺菌し、それを無菌的に個分けした後 に6℃で保存しまして、総細菌数、嫌気性数、pH、性状、異臭などの評価項目が測定 されております。そちらの試験結果が7ぺージ以降にございます。細菌学的検査に関し ては、試験1において、ナイシン非添加のコントロール群では4〜6日で腐敗が見られ ておりますが、ナイシン添加群では17〜20日で性状の変化が見られたという結果になっ ております。試験2におきましては、コントロール群の保存期間は11日ですが、ナイシ ン添加群では20日という結果が得られております。pH、性状、異臭につきましても、 試験1で、ナイシン添加群では、褪色、pHの低下の程度がコントロール群より小さい という結果になっております。試験2におきましても同様に明確な異臭やpHの低下と いうものはナイシン添加群では認められなかったという結果になっております。  3つ目の試験といたしまして、味噌に対するナイシンの効果を見た試験が実施されて おります。9ぺージを御覧下さい。こちらの試験では、蒸留水と米の総量に対して、ナ イシンを75mg/kgの割合で添加し、これに浸漬した米を1時間蒸した後に、Bachllus芽 胞菌を10CFU/gとなるように接種しております。芽胞菌を接種した米に種麹を接種しま して、芽胞接種後、そして38℃で48時間保存した後のBachillus属の菌数とナイシン 活性の変化が測定されております。その結果、対照群では菌の増殖が認められています が、ナイシンを添加したものでは、接種後直ちに菌の増殖が抑制されており、38℃、48 時間の保存後におきましても、菌の増殖は見られないという結果が得られております。 また一方で、保存後にナイシン活性の低下が見られております。  6.食品安全委員会における評価結果(案)でございますが、ナイシンのNOAELの最 小値は、ラットの3世代繁殖毒性試験の結果を指標にしておりまして、安全係数は通常 の100を適用して、ナイシンのADIは0.13mg/kg体重/日という評価結果が得られてお ります。  その詳細については10ぺージ目から記載がございます。10ぺージの上半分には、A DI設定の詳細な情報を記載されておりまして、今回、このものが抗菌性物質であると いうことを踏まえまして、耐性菌に関して、10ページの下半分にある評価結果が得られ ております。簡単に御説明申し上げますと、ナイシン自体は乳酸菌バクテリオシン(ペ プチド)でございまして、上部腸管でパンクレアチン等により分解されて不活性化され るという評価になっております。また、耐性菌の選択に対する専門家の意見のポイント として3点挙げられております。1点目として、経口摂取をしたとしても吸収はされず、 腸管への移行も少量であると考えられることから、腸内細菌叢への影響は極めて少ない であろうと。  2点目といたしましては、医療用抗生物質との交差耐性は実験的には認められておら ず、医療上の問題となったとの臨床における報告も得られていない。  3点目としまして、仮に耐性菌が選択されるとしても、海外における長期の使用経験 の中で、ヒトの健康に重大な影響を及ぼしたとする報告は現時点では得られていない。  以上の現時点で得られている知見から判断して、添加物として適切に使用される場合 にあっては、耐性菌出現による医療上の問題が生じる可能性は極めて少ないと考えられ ると評価されております。なお、ナイシンを添加物として適切に使用するためには、使 用基準を慎重に検討することが重要であり、欧米における使用状況を勘案した上で、耐 性菌出現による有効性等への影響が及ぼすことがないよう十分な配慮が必要である。ま た、新たな知見が得られた場合には、必要に応じて再評価を検討する必要があるという 評価結果になっております。この点に関する対応につきましては、後ほど8の(3)の 耐性菌のところで御説明させていただきたいと思います。  7の摂取量の推計につきましては、食品安全委員会の評価結果(案)によりますと、 米国での推定摂取量が2.15mg/ヒト/日、EUにおいては、推定摂取量は0.008mg/kg体 重/日と評価されております。また、今回提案されている使用基準(案)に基づきまして、 我が国における推定摂取量を国民栄養調査を参考に算出いたしましたところ、0.041mg/ kg体重/日ということで、米国での推定摂取量にほぼ近い値となっております。  8の新規指定についてでございますが、ナイシンを食品衛生法第10条に基づく添加 物として指定することは差し支えない。ただし、法第11条第1項の規定に基づき、次の とおり使用基準、成分規格を定めることが適当であるとしております。  1)の使用基準につきましては、要請者からは、CODEX基準等を踏まえた上で、 このぺージの下に挙げておりますような使用基準(案)が提案されております。なお、 この使用基準(案)につきましては、10ぺージの下、欄外の注釈に記載しておりますが、 当初、要請者の方からは、いくらとか、かずのこといったような魚介類について、あと 豆腐に対しても使用の要請がなされておりましたが、要請者の方から、海外における使 用実態を踏まえて使用基準(案)の訂正の申出がございましたので、こちらに挙げてあ ります3点のとおり変更しております。  まず1点目としまして、いくら、かずのこ等の魚介類製品及び豆腐につきましては、 対象食品からは除外する。2点目としまして、チーズに関しましては、当初0.015g/kg という基準としておりましたが、これを海外の基準に整合させるということで、プロセ スチーズを除くチーズに対しては0.0125g/kg、プロセスチーズについては0.00625g/kg に変更しております。3点目としまして、こちらも同様に海外での使用状況を踏まえた 使用量の訂正ということで、生菓子に対して0.0050g/kgから0.0030g/kgに使用量を変 更しております。このような修正を行ったものが、今回、11ぺージの下にお示ししてあ る使用基準(案)でございます。  12ぺージには、それぞれの対象食品と、それに対する推定摂取量を参考として掲載さ せていただいております。国民栄養調査の結果をもとに使用基準(案)を踏まえて算定し ておりまして、その結果、先ほどの食品安全委員会で設定されたADIとの比較という ことでは、ADI比で14.3%という結果になっております。  2)の成分規格については、14ぺージ以降となっております。またこれは後ほど御説 明いたします。  3)の耐性菌についてでございますが、先ほど御説明させていただきましたように、 食品安全委員会の評価結果(案)では、耐性菌に関する評価の結果が記載されておりま す。これに対してどのように対応するかということで、今回、事務局案をまとめさせて いただいております。今回示しております使用基準(案)は、味噌以外は欧米等で広く 使用されている範囲となっており、これらの対象食品に使用を認めることは差し支えな いと考えられる。なお、味噌については、味噌中の乳酸菌の16SrRNA解析から、ナ イシン産生菌のLactococcus lactisが同定されており、天然にナイシンが含有されてい ることが示されている。したがって、食品添加物としてナイシンを使用することで、味 噌についても使用を認めることは差し支えないと考えられるとまとめさせていただいて おります。この味噌の部分の使用を認めることの妥当性につきまして、今回、要請者か ら、考え方をまとめた資料が提出されておりまして、こちらが一番最後のぺージになり ます。  47ぺージの資料1−4を御覧ください。要請者からは、味噌をナイシンの使用対象食 品とした場合には、以下に挙げますような4つの理由から、耐性菌出現について有効性 等に影響を及ぼす可能性は低いと考えるとされております。  まず1点目としまして、味噌の製造工程においては、Bacillus属が残存しやすいこと は一般的に知られており、これらの菌はヨーロッパの方でも使用が認められております セモリナプディング、タピオカプディングの原料となる穀類から分離される主な菌であ る。そういった意味で、ナイシンはヨーロッパにおいてこれら食品への使用経験があり ますが、耐性菌が出たといったような報告は特段ないということがまず第1点目。  第2点目といたしまして、日本国内では、ナイシンを添加したものではなく、これま で製造してきた味噌中の乳酸菌のRNAの解析から、ナイシン生産菌のLactococcus la ctisが同定されているという報告もございまして、この報告からも、ナイシンを含有す る味噌というものを我が国においても歴史的に摂食してきたことが示唆されるというこ とが挙げられます。  第3点目といたしまして、糠床、キムチ、納豆、そういったものの特定の菌種が継代 され耐性菌出現の可能性はあるが、味噌製造では特定の菌種が継代されることはない。  第4点目といたしまして、ナイシンは味噌製造の製麹工程で添加されますが、その工 程中では失活して、力価が1/20程度に低下します。  これら4点を踏まえまして、味噌へは日本独自での使用となりますが、耐性菌におけ る有効性等への影響は少ないのではないかとの要請者の考えが提示されているところで ございます。  では、先ほどの耐性菌に関する部分、13ぺージの方に再度戻っていただきまして、一 番最後のパラグラフですが、そのような海外における状況ですとか、味噌についても天 然にナイシンが含有されているといった点を踏まえて、これらの使用を認めることは差 し支えないというふうにまとめておりますが、一方で、耐性菌の出現に関する情報を入 手するということは添加物の適切な指導を行う上で重要であるため、ナイシン耐性菌に 関する情報を事業者の方で積極的に収集し、安全性、有効性の点で問題になるような知 見が新たにあれば、速やかに報告するように事業者等に対し周知を図ることが適当であ るとさせていただいております。この部分に関しましては、通常、添加物の指定を行う 際には、施行通知を発出しておりますので、その中に記載する形で周知を図りたいと考 えているおります。  次に、成分規格案でございますが、14ぺージをご覧下さい。ナイシンの成分規格につ きましては、JECFA、FCC、EUの規格を参考として作成しております。このナ イシンにつきましては、ナイシン原体ではなく、塩化ナトリウムも含む製剤の形で流通 するものでございますので、この規格自体は製剤としての規格を設定しております。ま た、名称につきましても、製剤のみで流通するという実態を踏まえまして、「製剤」の 文字を省略して、単に「ナイシン」という名称にさせていただいております。  分子量につきまして、資料中ほどにございますが、こちらの値がJECFA、FCC、 EUで若干数値が異なっておりまして、この点については、事務局の方でも2005年の原 子量表に基づいて再度計算を行いまして、こちらの分子量を設定しております。  力価・含量につきましては、JECFA、FCCとナイシン自体の力価、あと塩化ナ トリウムの含量について整合化を図っております。1mg当たり900単位以上の力価を有 するということと、塩化ナトリウムを50%以上含むという規格設定としております。  確認試験につきましては、JECFA、FCCとも他の抗菌剤との比較のために、酸 での安定性と、Lactococcus lactisのナイシン耐性の2点について確認試験を設定して おりまして、それらの内容に準拠した形で設定しております。  あとは、純度試験の鉛につきましては、JECFA準拠で1.0μg/g以下としており ます。2番目のヒ素につきましては、JECFA、FCCでは規格がございませんが、 EUで規格設定されておりまして、そちらを踏まえたものとなっております。  次に、微生物限度試験につきましては、JECFA、FCCの規格を踏まえるととも に、日本薬局法への準拠といった点も考慮して設定しております。設定項目につきまし ては、FCCに準拠いたしまして、生菌数、大腸菌、サルモネラについて設定しており ます。  18ぺージの定量法でございますが、JECFAでは比色法が採用されておりますが、 こちらと比べた場合の定量性といった点と、日本薬局法で採用されている試験の整合性 という点を踏まえまして、FCCで採用されている穿孔平板法を採用して、そちらに準 拠した形で設定をいたしております。  次のぺージの塩化ナトリウムの定量につきましては、JECFA、FCCの指示薬を 用いた滴定法が若干煩雑であるということもございまして、ここでは電位差滴定の方を 採用しております。  ナイシンに関する資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○長尾部会長 それでは、御審議をお願いしますが、最初に13ぺージの「耐性菌につい て」のところで、下半分が太字になっていますけれども、ここは特にこういうことに注 意して審議してほしいということですか。 ○磯崎補佐 はい。 ○長尾部会長 「本使用基準案は」というところは。 ○磯崎補佐 この部分が太字になっているのは、部会報告書全体の中で厚生労働省で作 成した部分はゴシック体の太字になっておりまして、食品・安全委員会の評価書から引 用した部分だけ細い明朝体で記載してございます。この耐性菌のところは重要なところ でありますので、この点を中心に御議論いただければと思います。 ○長尾部会長 わかりました。では、御審議をお願いいたします。 ○井部委員 使用基準の対象食品のところですけれども、12ぺージになるでしょうか、 これは今回、我が国の基準ということだと思うのですけれども、その前に欧米などの使 用状況を勘案した上で使用基準を慎重に検討することというようなことが書いてありま して、それを踏まえて見ますと、この基準が外国との基準と一致しないところがあるの ではないかと思うわけです。  例えば生菓子とか、たれ、つゆというのは我が国独特ですし、先ほど出てきましたけ れども、味噌とか、卵加工品、これらは実績というのはあるのでしょうか。ちょっとそ の辺がわからないので。 ○磯崎補佐 海外との使用基準の比較につきましては、本日、机の上にはお配りしてお りませんが、別途資料を準備しておりますので、今からそちらをお配りさせていただき ます。               (追加資料配付) ○磯崎補佐 お手元に渡りましたでしょうか。こちらの一番左のカラムが今回提示して おります使用基準案で、その隣が、まだ一部を除きましてドラフトの段階ですが、JE CFAでの基準案になっております。その隣が米国、その隣がEU、そして一番右のカ ラムがオーストラリア、ニュージーランドの使用基準でございます。先生から今御指摘 いただきましたように、例えば生菓子に関しましては、EUの方でセモニナプディング、 タピオカプディング、それと同類食品で最大使用量3mg/kgとになっておりまして、C ODEXの基準の方では、これに対応する食品分類として、06.5で穀類・でんぷん類を 主成分とするデザートで3mg/kgという案が今出ております。これを踏まえまして、要 請者から生菓子として3mg/kgと提案されておりますが、確かに先生がおっしゃるよう に、厳密な意味で言いますと、EUで使われているプディング類よりも使用基準案の方 が若干広がっているというところは御指摘のとおりかと思います。  また同じく、下の方にあります、たれ、つゆ、ドレッシングに今回使用基準を設けて おりますが、ドレッシングにつきましては、米国、オーストラリア、ニュージーランド の基準を見ていただきますと、確かに使用実績等ございます。一方で、たれ、つゆに関 しては日本独自の食材であるというところもございまして、この点について厳密に海外 で使用実績があるかと申しますと、確かにそこは説明が困難なところかと思っておりま す。ですから、もし先生方に御議論いただきまして、やはり食品安全委員会からの評価 結果に対応するという意味でも、整合性のとれていない部分に関しまして、やはり海外 との整合化を図った上で使用基準案とするべきだという御意見がございましたら、その ような形で再度整理をしたいと考えております。  味噌に関しましては、先ほど御説明させていただきましたとおり、これは完全に日本 新規のものでございます。ただ、要請者としては、味噌に使いたいという要望がござい まして、そこのところで耐性菌の問題をどう考えるかということで、先ほど資料1−4 というもので要請者の考え方を御報告させていただいたところでございますが、こちら につきましても、その内容を御審議いただきまして、味噌については日本初で認めるこ とになりますが、その辺が適当かどうか先生方の御意見をいただければと考えておりま す。 ○井部委員 ありがとうございます。ということは、新規といいますか、日本独特の食 品に使われると思いますと、味噌も含めてになりますけれども、これに対する使うメリ ットはどこにあるのか。それがない限りは特に許可は考えられないと思いました。 ○磯崎補佐 味噌につきましては、今回、資料の中にも有効性に関するデータを1点掲 載させていただいておりまして、要請者からは、味噌に関しては国内でもかなりニーズ があるというようなことを聞いております。生菓子、たれ、つゆという部分に関しまし ては、本当に日本で必要かというところに関して、明確なニーズがあるのかといったと ころは確認しておりませんが、海外でドレッシング以外のスープなどに国際基準が設け られようとしているところもありますので、それと同じような形で国際基準案を踏まえ て対象食品としていきたいということを申しておりました。 ○米谷委員 今の点に関してですが、今回のナイシンというのは国際汎用でございます ね。それに関して、最初に国際汎用のものを国として職権で認めていくという方針をお とりになったときに厚生労働省基準審査課の方で、品目は認めるけれども、海外では使 用されていない用途までを認めていこうというふうなお考えをもって、そのとき国際汎 用を職権で認めていこうとされたのか。あるいは、海外で使用されているような用途に ついてのみ、輸入食品との関係で認めていこうとされたのか。そのときの厚生労働省の 判断にかかっているので、ここでどうしましょうかと聞かれても、ちょっと話が違うよ うに思うのですけれども、いかがでしょうか。 ○磯崎補佐 ご指摘の点につきましては、本品目はほかの国際汎用とは状況が若干違っ ているところがございます。確かに国際汎用の中の1つに挙げているところではござい ますが、ただ、これは他の品目のように国が主体的に資料を収集したというものではな く、実際は要請者が別途存在するというような状況でございまして、通常の国際汎用以 外のものと同じような、要請者ベースというところの性質も若干あるものでございます。 要請者としては、海外の基準を踏まえつつ、あと日本国内でニーズがある部分を含めて、 このような使用基準案で持っていきたいというふうに要望しております。ただ、先ほど 御説明しました食品安全委員会における評価などを踏まえますと、耐性菌の問題なども ありますので、海外で使われているものに基本的には限定すべきではないかという御意 見が、先ほど井部先生の御意見はそうではないかと思っておりますが、そこの点につき まして、味噌という独自の部分と、今回、海外での実態と若干ズレている部分に関して、 やはり海外で実績がある範囲に抑えるべきかどうか、そこの点に関しまして御意見をい ただきたいと思っております。 ○長尾部会長 私の意見ですが、使ってメリットがあるものはいいと思うのですけれど も、添加物はいたずらに増やさないという原則に戻ると、使うメリットがないのだった ら挙げないで、必要でメリットがあるというものに適用するというのはいかがでしょう かと思いました。 ○磯崎補佐 こちらの表に挙げられているものにつきましては、基本的にメリットがあ るため海外で使われている実態がございますが、現在、日本ではナイシンの使用自体が 認められていないので、このような品目を輸入できない状況にあります。海外で認めら れているものに関しては、すでにあちらでメリットなり必要性があって使われていると いうところもありますので、そういった意味でもメリットはあるといえるかと思います。 そういったところは国際汎用という観点から考えなければいけない側面かと思います。 ○長尾部会長 私的な話をして申しわけないのですが、チーズなどですと、確かに冷蔵 庫に入れていてもカビが生えたりして、こういうものは有効だなという感じもわかるの ですけれども、たれなどは余りそういう経験がないので本当に必要かなと思ったもので すから。多分、製造者の方は苦労しておられるのかどうかわかりませんけれども。 ○山川委員 多分、味噌などですと、魚か何かの味噌漬けとか、そういう加工品が外か ら入ってくるという可能性があるんじゃないかと思ったのですが、これはそういうこと でしょう。そうすると、日本国内でもやはりメリットがあるので。 ○磯崎補佐 日本国内では味噌の製造に用いたいという要望が要請者の方からは出てお ります。といいますのが、塩の濃度を抑えたような味噌をつくる場合、塩分濃度が低い と菌が繁殖しやすい状況になりますが、それを、このナイシンといったものを使います と、そういった味噌の製造も可能になるというところにメリットを見い出しているとの 説明を聞いております。 ○山川委員 そうすると、日本でもやはりメリットがあるから、国際的にほかで使って いるもので使いたいというので整合性はあると思うのでいいと思うのですが。 ○米谷委員 食品安全委員会の方のことなので、ここでディスカッションはできないか もしれませんけれども、ナイシンというのはもともと幾つかの化合物の混合物で、なお かつ純品ではなくて、これを換算しますと非常に含量が低くて、ほとんどが食塩みたい な感じのものだと思うのですけれども、それのADI、NOAEL等を求めるときに、 ここで12.5mg/kg相当とか、そういう数値がいろいろ出てくるのですが、それは1 つの実験されたときの検体に対してのmg/kgになってくるのかと思います。それが 今回の成分規格を出されているものに合っているものなのか、その辺が全然情報がない ものですから、どういう化合物で試験されて、その中にナイシンと言われるものがどの ぐらい入っていたかという、その辺がベースにないと、これでADIがこうですという 結果にはなかなかなりにくいように思います。ただ、食品安全委員会でこれで案として 通ってきて、今、パブコメに多分いっているのだと思いますけれども、これでお認めに なったんだと思いますけれども。 ○山添委員 食品安全委員会の議論を完全に記憶しているわけではないのですが、確か にそういう議論がありまして、結局これは力価換算をして、それから含量に換算してい きます。例えば31ぺージを御覧いただきたいのですが、その一番上の1行目のところに 「ナイシン80RU/mLというふうに書いてあります。これは、実際にはこういうふう に力価で出しているんです。これはナイシン独特の単位らしくて、そういうものについ て力価で合わせて大半の実験が行われていまして、それに、先生がおっしゃいましたよ うに、この菌体だけを高濃度にすることはできなくて、食塩とか、いろいろなものを含 んだ組成製品として実際に使っているものを動物実験等に使っているようです。ですけ れども、品質としては、こういうほぼ一定のものがずっと使われてきているので、その 中身としては混合物で、ナイシンのAが主ではあるけれども、ミックスでという形で使 われてきた。ただ、そのもの全体として、安全性をそういうものとして評価をしようと いうことで入ったと思います。 ○長尾部会長 よろしいですか。 ○米谷委員 どうもありがとうございます。そうしますと、世の中に流通しているナイ シンというものは、1つのレベルのものしかない。ナイシンが濃いものとか薄いものと かはなくて、ほとんど同じような製品が流通していると。これは事務局の方にお聞きし た方がいいかもしれないのですが。 ○磯崎補佐 今現在のところ、ナイシンを製造しておりますのは、ダニスコ社という会 社1社のみでございます。また、今回の規格の中で、含量、特に力価を1mg当たり90 0単位以上の力価を有するという規格で設定しておりますが、実際、世の中に流通して いるものは、平均的に1,000単位/mgといった製剤が流通しております。  先ほど山添先生に御説明いただきましたように、食品安全委員会で設定されたADI も、製剤ではなく、ナイシンの原体としてのADIが設定されております。今回の使用 基準案につきましても、12.5とか、6.25という数字につきましては、使用基準案の11 ぺージ等をご覧いただければと思いますが、ナイシンの使用は精製ナイシンとして何々 に対して幾らという形にしておりますので、製剤の量ではなく、純品のナイシンとして 換算した場合の量というふうに見ております。そういう意味で、使用基準案の最大使用 量と摂取量の評価の部分と、ADIの評価は、ダイレクトに並べて比較していただいて 差し支えないと考えております。 ○井部委員 対象食品にどうしてもこだわるのですけれども、先ほどの味噌ですが、普 通のつくり方をしても味噌というのはきちんとできるし、保存性もいいわけです。低塩 の味噌というのが最近ありますが、少なくとも製造のときに、種麹にわざわざ入れなく ても、もともといろいろな乳酸菌があって、もしかするとこれがそうだったのかもしれ ませんけれども、乳酸菌が生えたところで麹が与えられてということになるわけで、要 するに、必要ないのではないかと思うわけです。ですから、もし何か特定の味噌をつく るためのものであれば、目的が違うのではないかと思うわけです。その辺はちょっとわ かりませんけれども、そんな感じがしています。 ○山内委員 2点ございます。今、井部先生もおっしゃいましたが、塩分が下がったた めに冷蔵庫に入れて保存する必要の出てきた味噌は冷蔵で保存するのが当たり前だと思 いますので、添加する根拠と使用実態のない味噌にナイシンを添加する基準を設定する ことはいかがかなと考えます。  もう1点は、当会の担当に聞いたところ、ナイシンにはAとかZとかQとかいろいろ な型があるというふうに言っておりましたので、そのことと、先ほどどういうふうに量 をはかるのかというお話が出ておりましたが、関係を聞かせていただければと思います。 ○磯崎補佐 ナイシンにつきましてはAとかZとかいろいろあるというお話でございま したが、今回の規格で設定しているものはナイシンAでございます。味噌に関して、井 部先生と山内先生からも御意見をいただきましたが、要請者の説明では、このもの自体 がかなり高価な抗菌剤というところもありまして、実際に味噌に使用するとなると、恐 らくそういった低塩の特別な味噌への使用となるのではないかという予測を申しており ました。ただ、特定の味噌への使用ということでの指定は制度上、非常に厳しいので、 指定する以上、そういった区別なく味噌に使用できるということになってまいりますの で、そこも含めた上で御意見をいただければと思います。要請者からは、このように味 噌に用いた場合の効果のデータも提出されておりまして、事務局からは味噌への使用と いうのは本当に必要なのかといった同じような話も要請者といろいろ話等はいたしまし たが、やはりこのものについては、国内の味噌会社かと思いますけれども、ニーズはあ って使用可能となることが期待をされているようです。  あと、この話とは若干ズレてしまいますが、味噌麹にナイシン産生菌を添加して味噌 をつくると非常に有効な結果が得られているといったような文献もございます。それは ナイシンを添加するのではなく、ナイシン産生菌を添加してつくった場合ということで すけれども、その文献等によると風味がよかったり、色がよかったりというような効果 が得られているといった報告も別途ございます。今回の報告書の中では、直接ナイシン 生産期を添加するものではないものですから、その点には触れてはおりませんが、そう いった意味で使うニーズはあるとのことでございます。ただ、日本初というところはあ りますので、先ほどの耐性菌の話も含めた上で、やはりここは慎重になるべき、もしく は耐性菌との関係で更なる説明が必要ということであれば、要請者の方にその点を伝え た上で、もう一度整理のうえ御検討いただくことは可能でございます。 ○長尾部会長 御意見ありましたらどうぞ。 ○山川委員 今の事務局の説明で、ナイシンを使うことによってどうなるかというのは、 ここよりもリスクの問題で食品安全委員会ではないかと思うのですけれども。リスクが どうあるかということですね。 ○磯崎補佐 リスクの部分に関しては、食品安全委員会の方で評価されておりまして、 まず耐性菌が出得るということで、医療上、例えば抗生物質と交叉耐性を起こして問題 になるのではないかという点も議論はされておりますが、そこの点は今回の食品安全委 員会の評価結果案にもございますように、現時点で得られている知見から考えると、抗 生物質との交叉耐性の問題ですとか、医療上問題になるという可能性はほとんどないで あろうということで結果はいただいております。ただ、医療上以外の部分でも、耐性菌 に関して完全に否定はできない部分がありますので、有効性の点で効果がなくなるなど の問題が起きるのではないかという部分の注意といたしまして、欧米等での使用状況も 踏まえて慎重に使用基準を検討すべきという評価結果案が出ています。それを踏まえて、 リスク管理機関として使用基準をどう設定していくかというところでございますけれど も、今回出させていただいている事務局の案といたしましては、味噌以外の部分のとこ ろは海外で使用されている範囲におさめようと。海外においては、1960年代ぐらいから このものが商業的に使われてきておりまして、特段、耐性菌の問題等は出てきていない というところもありますので、現時点で海外で使われている範囲に抑えておけば、特段 すぐに問題になることはないのではないか。ただ、今後出てくる可能性は否定できませ んので、そこは事業者に対して情報収集を求め、何かあればすぐに報告をいただく。そ こでもし万が一といったときの耐性菌の部分は対応していきたいというふうに考えてい るところでございます。  それに関連して、井部委員に御指摘いただきましたように、今回の使用基準案で海外 の使用実態と、味噌以外にも、たれ、つゆですとか、生菓子ですとか、若干オーバーす るのではないかといった御指摘がございましたので、もしよろしければ、海外で使用さ れている実態に収まる形で、もう少し使用基準のところを要請者等とも相談の上、整理 したいと考えますが、いかがでございますでしょうか。 ○棚元委員 ちょっと論点がズレるかもしれませんが、9ぺージの味噌に対する効果の ところで、ところで気になるのは、味噌の中にナイシンが入っていますと、38℃48時間 後に活性がかなり激減していますね。この理由は何かわかりますか。これは有効性と非 常に絡んでくるところだと思うのですが。 ○磯崎補佐 こちらは、要請者から出された実験結果をもとに、その概要をまとめたも のでございますが、ご指摘の点に関する考察は、こちらに入手している資料の中にはご ざいませんでした。 ○棚元委員 これはペプチドですが、このもの自体、熱安定性というのはどうなんでし ょう。もし熱耐性ということが問題になるようでしたら、例えば使用基準全体を見たと きに、これらの食品の製造工程はよくわからないのですが、もし製造過程で熱のかかる ようなものがもしあったときは、そのものの有効性にかなり影響してくるので、その点 はどう考えておられるのか。もし熱であればということですが。その辺は、有効性の関 係から、安定性というところをちょっと調べていただいた方がいいかなという気がしま す。 ○堀江委員 今の熱安定性ですけれども、ナイシンは酸性条件で熱に対して非常に安定 な物質だと思うんです。ですから、これはどちらかというと味噌発酵過程でペプタイド が何らか消化されるとか、そう考えた方が妥当かなと思いますけれども。 ○棚元委員 熱には安定なんですね。 ○堀江委員 はい。 ○磯崎補佐 熱に関連するものといたしまして、資料の有効性の部分で4ぺージのとこ ろにございますが、1)細菌芽胞増殖に対する抑制作用について(1)のところで、これ は芽胞を含む培養菌にナイシンを転換して、華氏ですけれども、250°FでD値を測定し た結果がございまして、それでコントロールと比較をした場合に、1つの菌で若干D値 が高くなるという結果がございますが、それ以外についてはD値は低下するという結果 が得られておりますので、そういった意味からも、ある程度の熱耐性は、今、堀江先生 に御説明いただいたように、あるのではないかと思われます。 ○堀江委員 今の説明はちょっと違うんじゃないですか。それはナイシンの耐性じゃな くて、この表に出ているD値というのは、その菌の熱耐性の話です。要するに、ナイシ ンで処理しておくと菌がダメージを受けて、それで熱に対する耐性が非常になくなって、 熱に対して菌が死にやすくなる、そういうことになると思います。 ○磯崎補佐 棚元先生が御指摘の点は、このナイシン自身が熱に耐え得るものなのか、 高い熱でも効果を発揮するものなのかという点でございますでしょうか。 ○棚元委員 今の堀江先生の意見では、ナイシンは熱には耐性だということですので、 熱が失活の原因ではないと思います。  ただ、活性が48時間でなくなるということ自体を考えますと、保存としての効果が あるかどうか。味噌の中での効果という意味では、かなり短時間で活性がなくなってい ますので、保存効果がどの程度あるのかというところは疑問視されるところかと思いま す。それが菌でありますと絶えず産生しているからいいんでしょうけれども、ナイシン そのものですと活性がどんどんなくなって、これを加えることに意味がないんじゃない かという気もします。 ○磯崎補佐 御指摘のように、この実験は製麹工程での有効性を見ているものですので、 味噌の中での有効性はこれからは明らかではありません。ただ、麹をつくる段階でかな り菌が混入するという実態があるようでして、まずそこの点を抑えるというところをこ の実験は見ております。通常、味噌の製造は、麹を製造して、この麹と原料である蒸し た大豆などと混ぜ合わせて、それを熟成させるという製造過程かと思いますが、ナイシ ンは麹の製造過程で入り得る菌の増殖を抑えるということで、実際の使い方も、要請者 が申しておりましたところでは、麹と原料大豆等を混ぜる際に添加するのではなくて、 本実験にあるように、麹をつくる段階で添加して使いたいとの説明でございました。 ○棚元委員 もう一度確認させてください。これは、今おっしゃられたのでは、製造の ある時点において、そこで汚染される菌を殺すために使うという目的ですか。それとも、 味噌の中に入れておくことによって保存をよくする。どちらの目的ですか。 ○磯崎補佐 主目的としては、麹の製造過程で菌の混入があるので、そこをまず抑える とのことでした。最終の味噌まで残る濃度によっては、確かに味噌の保存効果があると ころもあるかもしれないですけれども、麹をつくる過程での菌の増殖抑制というところ が基本で、そこに使うことで考えたいという話でありました。 ○棚元委員 そういう意味では、逆に言えば、ナイシンはあっと言う間に活性はなくな りますから、それほど問題にはならないということですね。 ○磯崎補佐 麹の製造過程でナイシンを入れなかった場合に、麹がかなり菌で汚染され ていれば、結局、最終の味噌も汚染された状況になるかと思います。それを麹の製造過 程で一旦菌の増殖を抑えられれば、最終的な味噌でのトータルとしての菌の量を抑えら れるということで効果があるのかと思います。 ○棚元委員 おっしゃるとおり、その効果は大きいと思います。初期の菌数を減らして おくというのはいいことで、要するに、これは目的としては保存を目的としたものでは ないかと考えてよろしいですね。 ○磯崎補佐 そうです。主目的は麹製造過程での菌増殖の抑制になってまいります。 ○棚元委員 そうなれば、先ほど議論しているように、これで活性がどんどんなくなり ますから、逆に言えば、それほど大きな問題にならないかもしれないということですね。 ○長尾部会長 ええ。味噌の点は特に問題は。 ○井部委員 ただ、結果論の問題でなくて、味噌製造上の問題になってしまいますよね。 よくわかりませんが、種麹というのは普通いろいろな乳酸菌が入っています、多分どこ の会社の味噌も。いろいろな乳酸菌が働いて味噌ができていくわけで、ナイシンを認め ることは、別にこれは安全性とかの問題でなくて、そういうつくり方に、何か特定の味 噌をつくりたいという意図が感じられるのですが。 ○磯崎補佐 それでは、味噌に対する有効性に関して色々と御意見をいただいておりま すので、要請者に、味噌に使うことの有用性、有効性について、試験データから麹製造 過程の話は出ておりますが、トータルとしてどういう有効性を考えているかというとこ ろをもう一度整理して出していただくということでいかがでしょうか。 ○山川委員 今の話を聞いていると、これは味噌へ添加物というよりは、麹をつくる添 加物のような気がするんですよね。麹をつくる添加物なんです。そうすると、麹から派 生するもの、醤油でもいいですし、それこそ甘酒でもいいですし、麹漬けでもいいです し、麹をつくるためにもしこれが使えるとしたら、味噌だけじゃなくて、ほかの食品に も出てくると思うんですよね。 ○磯崎補佐 そこの点についても要請者と話をしましたが、要請者としては味噌の麹だ けで考えているとのことでした。ですから、麹といえば、ご指摘のようにお酒とか、い ろいろあるかと思いますが、味噌の麹だけを考えているとのことでしたので、今回の使 用基準も味噌という形に限定させていただいているところでございます。 ○山川委員 もう1点質問ですが、ちなみに、既存の味噌の中にこういうものは見つか っているのでしょうか。 ○磯崎補佐 これと同じ産生菌がすべての味噌に入っているかどうかというところはご ざいますが、味噌中の乳酸菌のRNA解析の結果では、ナイシン産生菌がもともと味噌 の中から同定されたとの報告もございます。 ○棚元委員 16SrRNAを分析してということですが、それでは産生菌かどうかは多分 わからないと思います。菌がそれで見つかったと言っていますが、実際産生しているか どうかは分析すればわかることですから、そちらのデータがやはり必要になるかと思い ます。ただ、産生していても、これは味噌の中では非常に安定性が悪いので多分つかま らないのかもしれないです。 ○山川委員 それだったら、麹でいいと思うんです。麹で、今まであるものが増えるの かどうかというのと、全く新しいものを添加するというのはちょっと違うのではないか と思うんです。全く新しいものを添加するのでしたら、井部先生がおっしゃるように、 新しい食品をつくるという意味ですし、もとの素材の方に入れますから。あるものは増 やしていくと食品の保存性、あるいは風味・食味が変わるというのだったら添加物では ないかと思うのですが、その辺の定義のところで少し変わってくるんじゃないかという 気がします。どうでしょうか。 ○長尾部会長 今のお話ですと、味噌麹とか何か、そういう品目になるような気がしま すけれども。 ○磯崎補佐 使用基準に味噌麹と記載する考え方もございますが、ただ、通常の使用基 準の設定では、すべて原料等にまで溯ってその使用段階で記載しているというわけでは ございません。実際にそういうものが食品としてあるかどうかというところも踏まえて いるところでございまして、味噌麹の場合、味噌麹の形態で店頭に並んで販売されてい るのかということになりってまいりますし、実際のところは最終的な形態である味噌で どうかというのを管理するのが適当ではないかとも考えるところでございます。確かに 要請者は、味噌麹の段階での使用と申しておりますが、最終的な食品としての形態は味 噌ということになってまいりますし、しかも、麹も味噌の麹にということでしたので、 使用基準は味噌とさせていただいているところでございます。 ○山内委員 少し別の視点になるのかもしれませんが、ナイシンというものはナイシン で指定された後、製剤ということではなく、ナイシンを生み出す産生菌といいますか、 そういったものをそのまま食品に添加するということが考えられるのではないかという ことで、以前に漬物にそういうことをされたケースがあったというふうに聞いておりま すが、同じように乳酸菌のようなもので有効なものを菌として添加して、保存のために 使うというようなことをリスク管理機関としては管理しなくてもいいのかとか、そのあ たりはどういうふうにお考えか聞かせていただけますか。 ○磯崎補佐 ナイシンに関しては、通常の味噌の中にもそういったものがもともと存在 していたというような種類のものでございますが、もしそのような菌を使って食品を製 造するという場合、食品製造に用いる菌自体は通常は添加物としての扱いにはなってお りませんので、今回ナイシンの使用基準ができたとしても、それをもって規制するとい うのは難しいかと思われます。ただ、実際、例えば味噌なりを購入、サンプリング、分 析を行った結果、もしナイシンが検出された場合において、例えば表示に「ナイシン」 という表示がないのに検出されているという話になりましたら、もともと入っているも のという可能性もありますので、ナイシン自身を添加しているかどうかですとか、そも そも天然から入ってき得るものかどうか、そういうところを確認した上で、表示違反な り、使用基準違反なりというところを考えていくことになるかと思います。これは通常 の天然由来で存在するのと同じ物質が添加物として指定されているケースがあるかと思 いますが、そのとき、食品を分析すると出てくるけれども、製造者は添加をしていない と。ただ、天然から由来で存在するといった文献やデータといった証拠が提示されれば、 それ妥当と判断されれば、その場合は添加したものではないということで、添加物の規 制をかけた違反という形は通常とらないということになってまいります。 ○山内委員 だから、味噌のように、本来中に製造過程で乳酸菌ができるというのはい いと思うんですけど、有効な成分なのに産生菌そのものをつけ加えてしまうみたいなも のはないんですか。 ○磯崎補佐 菌を入れたものの実態があるかどうか、そこのところは定かではありませ が、例えばもし食品の製造に菌を用いるようなケースがあったとした場合に、それは通 常は食品の加工法の中の1つということになってまいりますので、食品自身にはナイシ ンが結局は入ってくるのかもしれませんが、その方法自身に関しては、添加物の規制を かけるのは難しいかと思われます。ナイシンの産生菌を培養して抽出等を行い、ある程 度濃度を高めたようなものを添加する場合。これまでやられてきたケースがあるのかど うか定かではありませんが、菌を用いるという場合は、実際のこれまでの食習慣といい ますか、そういった中で使ってきているものといえる部分もあるかと思いますが、それ を今度は、あえて濃縮するなどして、ナイシンのようなある成分だけ取り出して入れる ということになると、それは通常の菌を使ったような加工とか発酵とか、そういったも のの範疇を超えるものになりますので、それは今回のようにナイシンというものについ てどうかということをきちんと評価検討した上で判断するという感じになろうかと思い ます。今現在も納豆とか、そのほかも発酵食品などで菌を用いている例はさまざまある かと思いますが、そういったものに関して、同じように添加物の規制をかけているかと 申しますと、そういうわけではございませんで,それは、食品の加工といったものの範 疇という整理になってまいります。 ○長尾部会長 よろしいですか。先ほど出ました熱安定性のこともここに記載されると 具合がいいかと思います。よろしくお願いします。  ほかには。 ○堀江委員 今の引き続きの質問ですが、ナイシンの産生菌でありますラクトコッカス ・クティス、サブスピーシズ・ラクティスというのを使って発酵製品というのはつくら れているというのがあるのですか。もしそれがあるとすれば、天然でナイシンが含まれ ているということは十分ありますよね。そういう情報というのはどうなんでしょうか。 ○磯崎補佐 実際、今現在そのような製品があるかどうかということについての具体的 な情報は持ち合わせておりません。ただ、ナイシンの発見の経緯といいますのが、1928 年とか、40年代あたりにチーズの製造工程中、スターターカルチャーの増殖が阻害され るといったような事例が見られまして、その原因が何かということを調べていく過程で このものが見つかったというのが始まりのようでございます。そこで、このものを有効 利用していこうということで1960年以降、商業的にナイシンが使用されるようになった ようです。そういう経緯からすると、もともとチーズの製造中に出てきたというところ もありますので、食品の中に菌を用いるという方法で使っているものもあるかもしれま せん。そこのところに関する情報は事務局の方では持ち合わせておりませんが、今申し 上げたことは起源又は発見の経緯といたしまして、食品安全委員会にも提出しましたナ イシンに関する資料のところでも説明されている内容でございます。 ○山内委員 インターネットで調べたら、2004年のカホク新報の記事ですけれども、腐 葉土から抗菌能力の高い乳酸菌を採取した方があって、その中からナイシンがつくり出 されていたと。この共同研究をしていた食品加工会社が、大根、麹で漬ける漬物と紅シ ャケを白菜で挟む漬物にこの乳酸菌を入れて、品質保持期間が1週間だったけれども、 無菌状態で8カ月間も風味が変わらないので、品質保存期間を20日間に設定したという 記事があったんです。ちょっと古いんですけど、これは関連するものかなと思います。 ちょっと調べてみてください。 ○井部委員 話がまた別ですけど、それは耐性のところの問題で、現在の医療用の抗生 物質とは交差の耐性はないと。それは何となくわかるのです。ただ、食品の常在菌に耐 性はできるのではないか。つまり添加物としての効力は、耐性菌ができればどんどん落 ちるのではないか。先ほどとちょっと関連しますが、新規の対象食品というのはそうい う可能性があるのではないかと思います、どうでしょうか。 ○磯崎補佐 まさに先生がおっしゃられたようなところを食品安全委員会の方でも懸念 して、それで、あのようななお書きが記載されたような経緯があるところでございます。 やはり先生の御指摘ですとか、今までいただいた御意見を踏まえますと、味噌は有効性 等を議論するというところはあるかと思いますが、それ以外の、海外の使用から若干ズ レている、たれとか、つゆとか、そういった部分については、海外で使われている範囲 を抑えるようなかたちで使用基準の方をもう一度整理してみたいと考えております。  それにプラスで、先ほどございました本当に味噌に対して有効性や利点というのはあ るのかどうかというところの説明は余り詳しく出てきておりませんので、その点に関し ましては、要請者の方に、もう一度説明を求め、事務局の方でも整理した上で、また次 に再度御審議いただいてはと思いますが、いかがでございますでしょうか。 ○長尾部会長 そうすると、今言われたのは、お味噌と、たれ、つゆというのもそれに 該当するのですか。それから、日本風の生菓子とか、そういうのも今、懸案の対象に入 ると考えてよろしいでしょうか。 ○磯崎補佐 生菓子ですとか、たれ、つゆといった海外での使用実績がない部分が含ま れておりますので、そこは海外の使用の範囲におさまるような対象食品に整理をすると いうことで検討してみたいと思います。味噌は完全に日本新ではありますが、要請者か らは、こういう効果のデータですとか、使いたいという要望等を受けているものではあ りますので、今日御議論のあった有効性とかメリットというところをもう少し整理をす るように要請者に求めまして、それをもって、また次回御検討いただく形にしてはいか がかと思います。 ○長尾部会長 それでよろしいでしょうか。では、そういうことで。  それから、先ほど出ましたナイシンAというのは、特にこれは記載しなくてよろしい んですか。 ○磯崎補佐 もの自身はナイシンAでございまして、一応、ものを特定する意味も含め まして、構造式を成分規格に記載させていただいておりますので、これでその点は解決 できるかと思います。 ○長尾部会長 わかりました。 ○米谷委員 1つは名称についての質問があるのですが、もう1つ、今出ましたナイシ ンAというお話ですけれども、これは力価は何をはかっているのですか。ナイシンAだ けをはかっているのですか。それとも、ほかのナイシンZとか、そういうものも全部含 めてはかっているのですか。まだ中身をきちんと把握できていないのですが。 ○磯崎補佐 このナイシン製剤での力価ということになります。ですから、基本的に主 はナイシンAとなってまいりますが。 ○米谷委員 一般的にはナイシンAが多いのでこの構造式を書いてある、そういう解釈 ですか。 ○磯崎補佐 はい。 ○米谷委員 一般的な製品にナイシンZとか、先ほど出たほかのものが入っているかど うか知らないのですが。 ○磯崎補佐 測定自身は抗菌活性を見ておりますので、仮にほかのものがもし若干存在 していたとして、ナイシンAだけを特化して調べられるというところではありませんが、 一応このナイシンの生産に用いられている菌が生産するものが基本的にナイシンAとい うことですので、製剤としてナイシンAの活性ということで見ていただければと思いま す。ほかの物質が若干あるかどうか、そこまで明確に分析をしているデータ等はござい ませんけれども。 ○米谷委員 少なくとも、このサブスピーシズに規定しておけば、ナイシンAがメイン になると。 ○磯崎補佐 はい、そうかなると思われますが、確認いたします。 ○長尾部会長 堀江先生、これについて何か追加ありますか。 ○堀江委員 今の考えでよろしいと思います。あと力価ですが、マイナーコンポーネン トが幾らかあるかもしれないのですが、ナイシンAとして、微生物学試験法でアッセイ しているんです。通常は純度が2.5%ですので、それをわかりやすくするために、mg を1,000単位とすると2.5%ですので、換算すると1,000単位が1mgということにな ると思うんですけれども。 ○長尾部会長 どうもありがとうございました。 ○米谷委員 私が申し上げたかった名称ですが、これはJECFAとかFCCではプリ パレーションとか、そういうのがついているのですが、日本の21ぺージの説明では、製 剤としてのみ流通しているから「製剤」というのを付けなくて、「ナイシン」でいきま すというようなことだったのですが、「製剤」というのをつけておいたらだめなんでし ょうか。どうして「ナイシン」という名前で今回出されたのかなと思ったのですが。 ○山添委員 多分これは力価で検定をして、ある特定のストレプト・コッカスのある菌 に対する発育阻止の活性でユニットを決めていて、ですから、ある調整した製剤のうち のそういう成長阻害活性でユニットを決めていますよね。そのときに、Aだけではなく て、ほかの類縁の化合物も阻害活性を持っている可能性があるので、トータルとしてナ イシンとしてユニットを決めているということだけじゃないかと思いますが。 ○長尾部会長 だから、正確に言えば、ほかの成分も少しは入っているけれども、メジ ャーだからということで、この構造式が提示されていると考えればよろしいですか。 ○山添委員 それともう1つは、この工業的に製造しているところのメーカーが製造し ている菌体は、特殊なサブストレインなんですよね。ですから、基本的にはAがメイン だということは確かですけれども、それを全体に広げるという意味では、抗菌活性で見 ているので「ナイシン」という表示になるんじゃないですか。 ○米谷委員 そうですね。ただ、JECFAとか、そちらの方でわざわざ書いてあるの で、EUの方は確かに書いてないんですけれども、では、海外でどうしてというような こともありまして、国際汎用で上がってきたなら、そちらの方の名前を優先するのかな と見たときに思ったものですから。 ○長尾部会長 では、それを含めましてちょっと御検討いただきまして。 ○棚元委員 添加物の中にも、例えば公定書の中でも名称として出ていて、それは「製 剤」という名前がつかずに製剤というものも入っているわけですから、製剤ということ にこだわるべきなのかどうかということは私もよくわからないのですけれども。 ○米谷委員 ただ、標準品としては原体を使っているんですよね。違いましたか。 ○佐藤委員 標準品も同じ1,000ユニットのものなので。結局、既存添加物というのは、 同じようにいろいろなので、それと同じ扱いかなという気がするのですが。 ○長尾部会長 よろしいでしょうか。ほかになにかご意見は。 ○北田委員 細かいことで申しわけないですけれども、成分規格案の今出ている菌株の 名称ですが、サブスピーシズ・ラドニーラクティス、これは血清型ということですか。 もしそういうことであれば、イタリックじゃなしに、ローマン体とか。  それから、あと2点。18ぺージ、「定量法」の力価のところの(1)に「種層法」という のがあるのですけれども、これは私余り聞いたことがないのですが、これは「積層」じ ゃないかと思うんです。申しわけないけれども、ちょっと調べていただきたい。  あと、19ぺージの(Vii)の2行目、ナイシン標準液を濃度ごとに異なる「穿孔寒天平 板」と。穿孔寒天平板が濃度が違うということですか。「濃度ごとに異なる」というの がどちらに係るのか。  その3点、よろしくお願いします。 ○磯崎補佐 2点目につきまして、もう一度おっしゃっていただいてよろしいでしょう か。 ○北田委員 18ぺージ、「定量法」の力価のところですけれども、そこから7行ほど下 がった(1)に「種層」とありますけれども、それを調べていただきたいということです。 ○磯崎補佐 わかりました。確認いたします。  19ぺージの7番に関しては、穿孔寒天平板が濃度ごとに異なるのでは。 ○佐藤委員 ナイシン標準液を濃度ごとに異なる穿孔寒天平板に撒くというところで、 Vi)の方でナイシンの標準液を幾つかの濃度で調整しているわけですね。その1つの穿 孔寒天平板に1つの濃度を置くという、4つ置くという試験法と受けとめたのですけれ ども。 ○磯崎補佐 これは局報を参考に文章を起こしたのですが、間違っていますでしょうか。 ○山添委員 形容詞のかかり方ですよね。「濃度の異なる標準液を」というふうにすれ ばいいわけでしょう。 ○長尾部会長 「濃度ごとに」でカンマを入れていただければ。 ○山添委員 それでもよろしいですね。濃度の異なるナイシン標準液を穿孔寒天平板へ」 と。 ○長尾部会長 それでは、これは修文よろしくお願いします。  それから、本文で華氏で出ているのは、括弧で摂氏を入れておいていただくと。  この際、ほかに何かお気づきになった点を挙げていただけますか。 ○堀江委員 今の質問の2番ですが、培養アッセイでは「種層」という言い方を一般的 にします。ですから、これは間違った表現ではないと思いますけれども。 ○長尾部会長 では、そういうことで再度審議をするということでよろしくお願いしま す。  ほかに審議事項はありますでしょうか。 ○磯崎補佐 このほかには特段審議事項はございません。 ○長尾部会長 それでは、報告事項をお願いいたします。 ○磯崎補佐 それでは、本日お手元にお配りしました報告資料「食品安全委員会への意 見聴取及び食品健康影響評価の結果について」を御覧いただきたいと思います。これは、 毎回、添加物部会を開催する際にお配りさせていただいているものでして、前回8月の 部会からの修正点のみ御説明させていただきたいと思います。  まず1点目が、2ぺージ、真ん中下に「ネオテーム」がございますが、こちらにつき まして、平成19年9月3日からパブコメを開始しております。この品目につきましては、 9月18日の分科会でもすでに審議済みとなっております。  2点目の修正点が3ぺージ目の真ん中でございますが、「L−アスコルビン酸カルシ ウム」、これは前回8月9日の添加物部会で御審議いただいたものですが、審議後の8 月23日に食品安全委員会から結果書の通知が出ておりますので、日付を追加させていた だきました。  前回からの変更点は以上2点でございます。 ○長尾部会長 御質問、御意見等ありますでしょうか。  ないようですので、それでは、ほかに何か御発言はありますでしょうか。  ないようですので、それでは次回についてお願いします。 ○磯崎補佐 添加物部会につきましては、第4水曜日の午後を定例開催とさせていただ いております。次の添加物部会は10月24日、水曜日、現在のところ、午後2時からを 予定しております。場所と議題につきましては、改めて御案内させていただきたいと思 います。 ○長尾部会長 それでは、本日はどうもありがとうございました。 照会先:医薬食品局食品安全部基準審査課     (03−5253−1111 内線2453)