07/09/19 中央社会保険医療協議会総会平成19年9月19日議事録 07/09/19 中央社会保険医療協議会          第111回総会議事録 (1)日時  平成19年9月19日(水)9:30〜10:23 (2)場所  厚生労働省専用第18〜20会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員  前田雅英委員 室谷千英委員  石井博史委員 対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員  大内教正委員 松浦稔明委員       竹嶋康弘委員 鈴木満委員 飯沼雅朗委員 石井暎禧委員 邉見公雄委員       渡辺三雄委員 山本信夫委員       坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員        黒崎紀正専門委員       <参考人>       加藤治文薬価算定組織委員長       <事務局>       水田保険局長 木倉審議官 原医療課長 宇都宮医療課企画官        磯部薬剤管理官 上條歯科医療管理官 他 (4)議題  ○医薬品の薬価収載について       ○医療機器の保険適用について       ○先進医療専門家会議の報告について       ○今後の検討の進め方について (5)議事内容  ○土田会長  ただいまより、第111回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  最初に、8月24日付で発令されました石井博史委員が今日お見えになっておりますの で、一言御挨拶をお願いいたします。 ○石井(博)委員  今御紹介にあずかりました石井でございます。ひとつよろしくお願いいたします。 ○土田会長  続きまして、委員の出席状況について御報告いたします。本日は、全員が御出席です。  それでは、議事に入らせていただきます。  最初は、「医薬品の薬価収載」について議題としたいと思います。  薬価算定組織の加藤委員長がお見えになっております。御説明をお願いいたします。 ○加藤委員長  薬価算定組織の委員長を務めております加藤でございます。私の方から、今回検討をい たしました新医薬品の算定結果について御報告をさせていただきます。  まず、資料、中医協総−1をごらんください。今回御報告いたします品目は、資料1に 記したごとく、9成分・14品目でございます。それでは、算定内容について説明させて いただきます。  まず、1のトピナ錠50mg、同100mgについて御説明いたしますと、資料2ページを ごらんください。トピナ錠は、トピラマートを有効成分として、他の抗てんかん薬で十分 な効果が認められないてんかん患者の部分発作に対する抗てんかん薬との併用療法を効 能・効果とする内用薬であります。  資料3ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は、効能・効果な どが類似するガバペンチンを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と 判断いたしました。  したがいまして、資料2ページに戻っていただきまして、本剤の算定薬価は、最類似薬 でありますガバペンチンとの1日薬価合わせにより、100mg1錠89.3円となりまし たが、これは外国平均価格調整による引き上げの対象、外国平均価格の約0.30倍でご ざいますので、この対象となりまして、調整後の最終的な算定薬価は、100mg1錠17 1.6円、規格間調整により、50mg1錠104.8円となりました。  次に、セララ錠25mg、同50mg、同100mgについて御説明いたします。資料4ペー ジをごらんください。セララ錠は、エプレレノンを有効成分とし、高血圧症を効能・効果 とする内用薬であります。  資料5ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は、効能・効果な どが類似するロサルタンカリウムを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が 妥当と判断いたしました。  したがいまして、資料4ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は、最類似薬である ロサルタンカリウムとの1日薬価合わせにより、50mg1錠93.40円、規格間調整に より、25mg1錠49円、100mg1錠178.20円となりました。なお、本剤の25 mg錠及び50mg錠の算定薬価は、外国平均価格の4分の3を下回りますが、平成18年度 の薬価制度改革により、外国平均価格調整による引き上げ対象から除外することとされた 外国平均価格が1国のみの価格に基づき算出されることとなる場合に該当すると判断し、 外国平均価格調整による引き上げは行いませんでした。  次に、3のシングレア細粒4mg、キプレス細粒4mgについて御報告いたします。資料6 ページをごらんください。シングレア細粒、キプレス細粒は、モンテルカストナトリウム を有効成分とし、気管支喘息を効能・効果とする内用薬であります。従来は、同一有効成 分の製剤は成人及び6歳以上の小児の用法用量を有する製剤であったのに対しまして、本 製剤は1歳以上6歳未満の小児の用法用量を有する製剤であります。  資料7ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は同一有効成分で あるシングレアチュアブル錠5、キプレスチュアブル錠5が薬価収載されておりますこと から、これを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が妥当と判断いたしまし た。  したがいまして、資料6ページに戻っていただきまして、本剤の算定薬価は、最類似薬 であるシングレアチュアブル錠5、キプレスチュアブル錠5との1日薬価合わせにより、 4mg1包268.80円となりました。  次に、4番目のジェニナック錠200mgについて報告させていただきます。資料8ペー ジをごらんください。ジェニナック錠は、メシル酸ガレノキサシン水和剤を有効成分とし まして、咽頭あるいは喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎などを効能・効果とする内用 薬であります。  資料9ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は、効能・効果な どが類似する塩酸モキシフロキサシンを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算 定が妥当と判断いたしました。また、本剤は経口剤で、適応菌種として、ペニシリン耐性 肺炎球菌の適応を取得していることなどを踏まえ、有用性加算(II)(A=15(%)) を適用することが妥当と判断いたしました。  したがいまして、資料8ページに戻っていただきまして、本剤の算定薬価は、最類似薬 である塩酸モキシフロキサシンとの1日薬価合わせに有用性加算(II)(A=15(%) )を適用し、200mg1錠296.50円となりました。  次に、エスラックス静注25mg/2.5mL、同50mg/5.0mLについて報告させてい ただきますが、資料10ページをごらんください。エスラックス静注は、ロクロニウム臭 化物を有効成分とし、麻酔時の筋弛緩、気管挿管時の筋弛緩を効能・効果とする注射薬で あります。  資料11ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は、効能・効果 などが類似するベクロニウム臭化物を最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定 が妥当と判断いたしました。また、本剤は、筋弛緩の作用発現が早いことから、本剤の投 与から気管挿管までの時間が短縮し、患者の自発呼吸停止から人工呼吸を開始するまでの 時間を短縮することができることなどを踏まえて、有用性加算(II)(A=15(%)) を適用することが妥当と判断いたしました。  したがいまして、資料10ページに戻っていただきまして、本剤の算定薬価は、最類似 薬であるベクロニウム臭化物との1日薬価合わせに有用性加算(II)(A=15(%)) を適用し、50mg5mL1瓶1,083円、規格間調整により、25mg2.5mL1瓶595 円となりました。  次に、メタストロン注について報告いたします。資料の12ページをごらんください。 メタストロン注は、放射性の塩化ストロンチウムを有効成分として、固形癌の患者におけ る骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和を効能・効果とする注射薬で あります。  資料13ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については、既 収載品の中に同様の効能・効果などを持つ類似薬がないことから、原価計算方式による算 定が妥当と判断いたしました。  したがいまして、資料12ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は、10MBq当 たり2万2,786円となりました。  次に、7番目のトラバタンズ点眼液0.004%について御報告をさせていただきます。 資料の14ページをごらんください。トラバタンズ点眼液は、トラボプロストを有効成分 として、緑内障、高眼圧症を効能・効果とする外用薬であります。  資料の15ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は、効能・効 果などが類似するラタノプロストを最類似薬とした類似薬効比較方式(I)による算定が 妥当と判断いたしました。  14ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は、最類似薬であるラタノプロストとの 1日薬価合わせにより、この0.004%1mL971.6円となりますが、これは外国平 均価格調整による引き上げの対象となりますために、調整後の最終的な算定薬価は、0. 004%1mL1,002.80円となりました。  次に、8番目のディビゲル1mgについて御報告をさせていただきます。16ページをご らんください。ディビゲルは、エストラジオールを有効成分として、更年期障害及び卵巣 欠落症状に伴う血管運動神経症状を効能・効果とする外用薬です。従来は、薬価収載され ている同一有効成分の外用薬は貼付剤であったのに対し、本製剤は軟膏剤、すなわちゲル 剤となるものであります。  資料の17ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤は、同一有効 成分である貼付剤が薬価収載されていることから、これを最類似薬とした類似薬効比較方 式(I)による算定が妥当と判断いたしました。  したがいまして、資料の16ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は、最類似薬で あるエストラダーム貼付0.72mg、エストラーナとの1日薬価合わせにより、1mg1包 64.50円となりました。  最後に、ベセルナクリーム5%について御報告申し上げます。資料18ページをごらん ください。ベセルナクリームは、イミキモドを有効成分とし、尖圭コンジローマ、これは 外性器及び肛門周囲に限るという条件つきでありますが、を効能・効果とする外用薬であ ります。  資料19ページをごらんください。薬価算定組織で検討した結果、本剤については、既 収載品の中に同様の効能・効果などを持つ類似薬がないことから、原価計算方式による算 定が妥当と判断いたしました。  したがいまして、18ページに戻っていただき、本剤の算定薬価は、5%250mg1包 1,136円となりました。  以上で報告を終わります。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞお願いします。 ○竹嶋委員  聞き漏らしたかもしれませんけれども、4番目と5番目の、8ページ、有用性加算(II) を適用ということになっておりますが、もう一つそこのところの理由と、あわせておさら いになりますが、この有用性加算の(I)と(II)というのはどういう内容であるかを、 すみませんが、お教えいただきたいと思います。 ○加藤委員長  詳しくは事務局の方からお話しします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。資料をごらんいただきます。今の最初の4番が8ページでご ざいます。ジェニナック錠のことかと思いますが、ジェニナック錠につきましては、今委 員長からお話がございましたが、そこの適応菌種をごらんいただきたいと思うのですが、 1行目に「肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)」と。このような肺炎球菌、ペニ シリン耐性の菌も出ておるところでございますけれども、このようなペニシリン耐性の肺 炎球菌にも効果が認められると。こういう部分で既存のこのような合成抗菌剤については このようなものはございませんので、こういった部分の評価がされたという理解をしてお ります。  それから続きまして、エスラックス、10ページでございます。エスラックスについて は、麻酔のときの筋弛緩剤でございますけれども、御承知のように、手術をされる場合に 麻酔をかけて、特に人工呼吸に切りかえていく場合に筋弛緩剤をかけてから気管挿管を行 います。従来の薬ですと、実際にこの筋弛緩剤を投与してから自発呼吸が停止して気管挿 管ができるまでの時間が、私ども聞いているところで3〜4分程度かかるということでご ざいますが、本剤については非常に効果発現が早いことから、3〜4分を40秒程度短縮 して気管挿管まで行けるということで、40秒ということでございますけれども、実際に 手術の場面では、この差がかなり大きい差であるというような臨床の先生方の御評価をい ただきまして、そのような部分についての評価ということでございます。  あわせて、実際にこの効果も発現も早いわけでございますが、逆に、回復も非常に早い ということもございまして、そういう点の実際の臨床的な有用性があるということで有用 性加算(II)というものがついたという理解を事務局としてはしております。  それから、今の有用性加算(II)と有用性加算(I)の違いでございますけれども、有 用性加算につきましては、大きく言って3つの要件がございまして、1つが臨床的に有用 な新規の作用機序を有するのか、2番目として、類薬に比較して客観的に高い有効性・安 全性を示しているのか、3番目として、類薬と比べて治療法の改善が客観的な理由で認め られるのかと、こういう3つの要件がございまして、実は有用性加算(II)については、 その中での治療法の改善または高い有効性・安全性、それから実はちょっと製剤工夫とい うのもございますが、そのどちらか1個を認めれば有用性加算(II)が認められる。有用 性加算(II)につきましては、今の新規の作用機序、それから高い有効性・安全性、治療 法の改善、この3つのうちのどれか2つを満たす必要があるということで、満たすべき要 件がハードルが上がっているというものでございまして、有用性加算(I)の方がより高 い加算率になっていると、そういうような区分けになっているところでございます。 ○土田会長  ほかにございますか。 ○勝村委員  簡単で結構なのですが、10ページの有用性加算なのですけれども、15%加算のとこ ろで、その加算前と加算後の数字を見比べると、15%掛けたものになっていないところ があります。以前にもお聞きしたことがあるかとおもいますが、公開の場ですので、ちょ っとその点も説明しておいていただけたらと思うのです。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今のこのAの15%の関係でございますけれども、これについては、現行で、1日薬価、 つまり非常に単価が高いものと安いもので、傾斜配分ということで、注射剤の場合は4, 000円を標準にしまして、それがだんだん高いものになりますと15%から徐々に落ち ていくと。それから、それより安い注射剤の場合は徐々に上がっていくという形になって いまして、今回のものは22.5%増ということで、傾斜配分の関係でAの15%より引 き上がるという形になってございます。 ○土田会長  ほかにございますか。  よろしいですか。それでは、質問ないようでしたら、本件につきましては中医協として 承認するということでよろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、加藤委員長、長い時間どうもありがとうございました。 ○加藤委員長  どうもありがとうございました。                 〔加藤委員長退席〕 ○土田会長  次の議題に移りたいと思います。「医療機器の保険適用」について議題とし たいと思います。  区分A2及びBにつきまして事務局より報告をお願いいたします。あわせて、6月27 日の総会において承認されましたC2(新機能・新技術)の医療機器について報告がある ということですので、あわせて説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。  それでは、資料、中医協総−2−1をまずごらんいただきたいと思います。こちらに、 今回、9月に保険適用開始となったもののリストがございますが、まず、医科の区分A2、 特定包括、特定の診療報酬項目において包括的に評価されている区分というものでござい ますが、こちらの一覧表にございますとおり、30件ございます。  1枚おめくりいただきまして、区分B、個別評価、材料価格として個別に評価されてい る部分、これにつきましては、ごらんのとおり11件ございまして、合わせて医科として は41件ございます。  次の3ページでございますが、歯科につきまして、区分A2は2件、区分Bは6件とい うことで、歯科については合計8件でございます。  これで、医科、歯科合わせて49件ということになっております。  続きまして、中医協総−2−2の資料をごらんいただきたいと思います。こちらは、6 月27日に中医協の方で御承認いただきましたC2の医療機器でございますが、「ギブン 画像診断システム」、いわゆるカプセル内視鏡でございます。これにつきまして、この1 0月1日に保険収載されることとなりましたが、2枚ほどおめくりいただきまして資料4 ページとなっておりますが、これは7月11日の中医協の資料でございます。「DPCに おける高額な薬剤等への対応について」ということで、これは新規収載される薬剤が、非 常に高額な場合に出来高とするルールについて決めていただいたものでございますが、そ の5ページのところでございます。上の方の(2)、「平成18年度に使用実績のない医薬品 等については、当該医薬品等の標準的な使用における薬剤費(併用する医薬品も含む)の 見込み額が、使用していない症例の薬剤費の平均+1SD」ということで、そして(3) に、「今後、新規に保険収載される医薬品等で上記の要件に該当するものについては、保 険収載の決定と同時に包括評価の対象外とするかどうかを決定する」ということで、この 資料は「薬剤費」とだけ書いてあるのですけれども、これは医療機器にも適用するという ことをこの会議のときに合意いただきました。それに基づきまして、今回のカプセル内視 鏡につきまして計算した結果、この検査費の「+1SD」を超えるということで、10月 1日からの収載とともに、DPCの外、DPCの包括ではなくて出来高として計算すると いうことを決定させていただきたいということを御報告させていただきます。  以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞ。  よろしいですか。質問がないようでしたら、次の議題に移りたいと思います。「先進医 療専門家会議の検討結果」について議題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(宇都宮企画官)  それでは、資料、中医協総−3をごらんいただきたいと思います。こちらに、「先進医 療専門家会議における科学的評価結果」とございますが、申し訳ございません、最初に訂 正をお願いしたいのですけれども、この表の項目で「特定療養費」となってございますが、 これは古い言い方で、「保険外併用療養費」の間違いでございます。申し訳ございません が、修正願います。  そして、まず医科の方から説明させていただきますが、受付番号84番「色素性乾皮症 に係る遺伝子診断」ということでございまして、これは2ページでございますけれども、 この色素性乾皮症という病気は、先天的に非常に紫外線に弱くて、紫外線に当たると皮膚 癌が非常に高率で発生するというような病気でございます。「概要」というところに書い てございますが、A群からG群とV群の8つの型があるということで、それぞれの型によ って皮膚症状の重症度、神経症状の有無などいろいろ特徴があるのでございますが、今回 の技術は、その下に(1)から(6)ございますけれども、これらの遺伝子解析によってそれぞ れのタイプを同定して早めに予防対策をとれるような、あるいは治療につなげるというよ うな診断技術でございます。  3ページ、4ページに、先進技術としての適格性、それから医療機関の要件というのが ございます。要件としては、皮膚科の診療科で診るということでございますが、あわせて、 これは遺伝子解析ということでございますので、下の方、「その他」でございますが、 「遺伝カウンセリングの実施体制が必要」というようなことになってございます。  続きまして、また1ページに戻っていただきたいのですが、85番の「先天性高インス リン血症」でございます。これに関する遺伝子診断ということで、これの先ほど修正いた だきました保険外併用療養費の分、保険給付の分が、入院72日間、240万3,000 円となってございますが、これは診断にかかる日数ということではなくて、診断にあわせ て治療まで含めた日数と金額でございますので、御注意いただきたいと思います。  これにつきましては、資料の5ページをごらんいただきたいと思いますが、先天性高イ ンスリン血症、インスリン、血糖値を下げるホルモンでございますが、それが生まれつき 非常に高い、そういう病気でございますけれども、この原因遺伝子として、膵臓のβ細胞 のカリウムATPチャネルの2つのサブユニットというもの、そのほかに4種類の遺伝子 が挙げられるということでございますが、今回のこの遺伝子診断技術によりましてそれぞ れの遺伝子の同定をすることによって、確定診断、それからその後の治療法の選択や予後 の予測にも使えると、こういう新しい技術ということでございます。  6ページにその適格性、7ページに医療機関の要件がございますが、こちらは小児科の 方で診断することということになっておりますが、先ほどと同様、下の方に書いてござい ますが、やはり「遺伝子カウンセリングの実施体制が必要」ということになってございま す。  医科は以上でございます。続いて歯科の方です。 ○事務局(上條歯科医療管理官)  歯科医療管理官でございます。それでは引き続きまして、歯科の方から出ています先進 医療につきまして御説明をさせていただきます。 受付番号58番の「歯周外科治療にお けるバイオ・リジェネレーション法」という治療法でございます。資料は8ページ以降に 示しておるところでございますが、一番最後の11ページ目をお開きいただけますでしょ うか。こちらに「歯周外科治療におけるバイオ・リジェネレーション法の概略」を示させ ていただいております。そもそもこれは歯周炎という病気になっている患者さんに対して、 特に深い歯周ポケットがありますとか、垂直性骨欠損というふうに、骨の欠損が一極に限 定しているようなもので非常に難治な症例、こういった場合の治療に当たる方法というこ とで、この治療に当たりまして、新たに歯周組織再生誘導材を用いて外科手術を行うとい う方法になっております。こういう歯周組織再生誘導材を用いまして、そもそも周りにあ る骨ですとか歯周組織の再生を図るという治療法でございます。実は従来からもこれに類 する治療法がございましたが、従来の方法ですと、実際、この歯の周りのところに遮断膜 というようなものをつけまして、それで歯の周りの歯周組織を再生させるという手法がと られておりました。ところが、この遮断膜自体を入れた後に、再度、遮断膜を除去する手 術をするという手法がとられていましたが、今回出されてきた手術法では、そういう遮断 膜の除去が不要で、手術回数も当然のことながら1回減るということで、相当効率的な手 術法ということで御申請をいただいている内容でございます。  実際に、ここに示されているのが手術法の概要でございますが、手術の先進医療として の適格性や医療機関の要件等につきましては、9ページ、10ページに示されているとお りというふうになっております。  説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問などございましたら、どうぞ。 ○勝村委員  かなり以前にお聞きしたことなのですけれども、先進医療ということで、安全性等を考 慮していただいて、かなり細かな医療機関の要件等を定めていただいているわけですが、 その中の資格というところで、それぞれ専門医である必要があるという要件が書かれてあ ります。そこで、それでは、そのそれぞれの専門医というものはどういう要件を満たして いる方を専門医というふうに呼ばれているのですかという質問をさせていただいたら、ち ょっとそこは事務局として把握できていないというお話でしたので、できれば、こういう ふうにせっかく要件をつくっているのですから、それぞれの専門医というのはどういう要 件を満たしている人たちが専門医と呼ばれているのかということの一覧表みたいなものが あればお願いしたいということを大分前に発言させていただいて、了解していただいたよ うなお返事をいただいていたのですが、その後お忙しいのであまり無理も言えないと思っ て待っておったのですが、しばらく1年ほどたってお聞きしたところ、ほぼでき上がって いるので近々出せるというふうにお返事をいただいていて、それからまたしばらくたって おりますので、ぜひ改めてお願いしたいと思います。こういうふうにせっかく書いていた だいても、専門医の要件は何なのかが把握できていないということではちょっと心もとな い感じもします。  それと同時に、ここには倫理委員会とか医療安全管理委員会というものに関してもその 必要性のあるなしについても書かれてあるのですけれども、その倫理委員会や安全管理委 員会というものが厚労省としてどういう定義をしているのか。極端な話、ちょっと集まっ て倫理委員会だと言ってしまえば倫理委員会、ということではいけないと思いますし、厚 労省の方では、最近ずっといろいろな意味で医療安全対策とか、かなり御努力いただいて いますので、ここに示す要件としての倫理委員会とか医療安全管理委員会というのは、少 なくとも最低こういうふうなメンバーでというようなこともちょっと定義としてはっきり しているんだということも示していただけると、いろいろな意味で今後の医療全体の安全 性の向上につながっていくと思います。せっかくこうやって要件を定めていただいている ので、そのあたりまで、お願いできればと思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  まず最初の専門医のリストについてでございますが、標榜できる専門医につきまして、 一応リストは作成してございますが、すみません、提出していなかったので、ちょっと今 手元にないので、また後日にでも出させていただきたいと思います。  それから、倫理委員会につきましては、厚生科学研究費の倫理指針に沿ったものとする というような規定を定めてございます。  以上でございます。  失礼しました。厚生科学研究費ではなくて臨床研究の倫理指針です。正確な名前では… …。申し訳ございません、とにかくそういうガイドラインに沿ったものということで規定 を定めてございます。 ○勝村委員  医療安全管理委員会も同等なのですか。 ○事務局(宇都宮企画官)  すみません、ちょっと調べてからまた出させていただきます。 ○土田会長  それでは、次回でもまとめて出してください。 ○渡辺委員  保険外併用療養費の中で評価療養に該当するわけですよね、そうしますと、いずれ何年 かのこの経過を踏まえて保険導入を検討するという形になろうかと思うのですが、今まで にも非常に多くのこうした先進医療技術、治療法が導入されていますので、それらが保険 導入される手順がどういう手順を踏んで行われるのか、あるいは定期的にそういうチェッ クがされるのかどうか、その点を御説明いただきたいと思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  ちょうど御質問の件につきまして9月11日の先進医療専門家会議で御議論いただいた ところでございまして、将来的な保険導入のための評価ということで、この実績報告に基 づきまして保険導入についての評価を行うということになっております。その考慮すべき 事項として、有効性、安全性、技術的成熟度、社会的妥当性等8項目にわたりまして評価 を行いまして、1つの技術につき3人程度の構成員で、まず評価項目に沿って御判断いた だき、その後、この会議で全体の技術について御議論いただくというようなことになって おります。そして、その先進医療専門家会議で保険に導入するあるいは先進医療として継 続する、あるいはもう取り消してしまうというような判断をして、それを中医協の方に御 報告するというような手順になっております。 ○渡辺委員  ありがとうございました。わかりました。 ○土田会長  ほかにございますか。  ほかに質問ないようでしたら、ただいま説明いただきました技術につきまして、保険給 付との併用を認めるということにつきまして中医協としては特段の意見はないということ で報告したいと思いますが、よろしいでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○土田会長  どうもありがとうございました。  それでは、最後の議題ですが、「今後の検討の進め方」につきまして議題としたいと思 います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協の総−4の資料をごらんいただきたいと思います。表裏 1枚でございます。  20年度改定に向けた検討項目については、先月の中医協でも御紹介をさせていただき ました。そして、先週開かれました社会保障審議会の医療部会、また、あす開かれます医 療保険部会において、その改定に向けての基本方針の審議をスタートさせていただいてお ります。その基本方針ができまして、それに加えて、年末、予算のときに決まります改定 率、これと合わせて中医協において診療報酬点数の具体案をつくっていただくわけであり ますが、それが決まるまでの間、それぞれさまざまな課題がございますので、それについ て順次検討していただこうと。  その検討の仕方でありますけれども、1ページ目の3つ目の丸にありますが、「本年秋 より、以下のような項目・スケジュールを一つの目安として、基本問題小委員会において 調査・審議を行うこととしてはどうか。このため」、実は項目がたくさんございますので、 「当面、水曜日午前及び金曜日午前を定例日として、週2回程度の開催としてはどう か。」。  検討項目の案としては、10月には「入院医療に係る評価の在り方について」から「検 査・処置等の医療技術に係る評価の在り方について」まで、次のページのところに、11 月は「勤務医の負担軽減策について」から「精神医療に係る評価の在り方について」。た くさん項目を並べております。ただ、この項目につきましては、注意書きにもございます ように、検討のスケジュールの目安とするために記載したもので、決して網羅的なもので はございませんし、もちろん中医協における議論を踏まえて、適宜追加していくことを前 提としております。  さらに、この10月と11月と一応分けてありますけれども、それぞれをこのぐらいに スタートしたいと思っておりまして、この資料、私どもで作成する関係上、調査がちょっ と間に合わないとか、その都合もあって前後するかもわかりませんが、おおむねこの目安 として、もちろん1回で終わらない場合もございますので、それはまた次の月とかに議論 していただこうということを前提としております。  また、これにあわせまして、薬価制度や保険医療材料価格制度の見直しについては、そ れぞれの専門部会を、大体水曜日、金曜日の、特に水曜日を中心にあわせて開いて調査・ 審議を進めていく、そういうような形で進めていっていただけたらどうかと考えておりま す。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  実は、本件につきましては、社会保険医療協議会法の改正によりまして、公益機能の強 化が図られたわけでございますが、その一環として「会議の日程及び議題その他の中央社 会保険医療協議会の運営に関する事項について協議を行」うこととされております。これ につきまして、事前に事務局より相談を受けておりましたことを御報告いたします。  さて、ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どうぞお願いし ます。大分ハードなスケジュールになっておりますが。 ○松浦委員  当面水曜日、金曜日と、こういうことですが、これは10月に入ったらもうずっとある という前提で考えておっていいのですか。きちっとその辺は、かなり日程が詰みますと、 我々も仕事の都合があって、行事をある程度集中させたり移動させなければいけないもの ですから、なるべく早くこれを連絡してもらわなければいけないし、その辺はどうなので すか。 ○事務局(原医療課長)  先ほど申し上げましたように、ちょっと資料が、最終的にどの段階ででき上がるかとい うめどが全部ついているわけではありませんが、とりあえず10月は、私どもで立ててい る計画では、10月の全水・金をお願いしたいと考えております。できるだけ早く御連絡 をしたいと思っております。 ○小島委員  質問と1つ要望があります。1つは、この一番上の丸のところで、次期改定について基 本方針を医療部会と医療保険部会で取りまとめるということです。その基本方針では、こ こに示されている検討項目以外のことも出てくるのだろうと思います。基本方針がいつご ろ取りまとめるのかということが1つの質問です。  それと、10月の検討項目、9つありますけれども、下から3番目に「患者の視点の重 視について」がある昨年10月から義務づけられました領収証発行の問題についての調査 ですけれども、私ども連合も、連合のホームページを通じてインターネット調査をしてお ります。こちらは患者側からの調査の結果が出ております。データ的には350名ぐらい のデータでちょっと少ないのですけれども、検証部会で行った医療機関側からの調査結果 とは違った結果が出ております。この「患者の視点の重視について」というところを議論 する際には、連合で行った調査についてもぜひ参考として配付させていただいて議論を進 めていただければと思っております。 ○事務局(原医療課長)  医療部会、医療保険部会での基本方針ですが、前回のときには11月の末に決められた ということで、大体今回も11月中には決めていただきたいと思っております。 ○土田会長  よろしいですか。 ○松浦委員  それから、10月からのいろいろな審議をするに当たって、私は、勤務医の不足という のが非常に大きな根にあると思います。この勤務医の実態、例えば科別にどうとかいうの ではなくて、実際に実働している勤務医が何人いるか。特に女性のお医者さん等の場合は、 子育ての間はどうせ休まれるのでしょうし、そういういわゆる働いていない、実働部隊で ないお医者さんがどのぐらいいるか、そういうようなこともデータをぜひとってお知らせ 願いたい。それで、何かこの間もいろいろ聞いてみますと、年に今3,500人ぐらいず つ増えているといいますけれども、恒常的にいわゆる眠っているお医者さんがかなりの数 あるのではないか。それがある以上は、やはり医師不足というのは、実際に3,500人 も増えていないのだということになっているような気がするのですが、これは私の勘です から、そういうデータはぜひひとつ出していただければ、それをもとにして議論ができる と思いますので、お願いしたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  わかりました。資料の方は準備させていただきます。 ○坂本専門委員  この基本問題小委員会で調査・審議なさるということで、それはそれで私はいいと思う のですけれども、いわゆるこの小委員会に属さない者で意見を伝えたいことがある場合に、 これは文書か何かで受けつけていただけるものでしょうか。ぜひそういう御配慮をお願い したいと思いますけれども。 ○土田会長  事務方いかがですか、ただいまの御意見。 ○事務局(原医療課長)  従来から細かな議論のところは基本問題小委員会で議論をしていきまして、最終的な場 面は当然総会に諮るということになります。その間、さまざまな御意見は専門委員のみな らず各方面から多々出てきておりますので、それはまた適宜私どもにちょうだいできれば、 反映できるところは反映できると思います。 ○勝村委員  松浦委員の発言にちょっと近いかと思いますが、「勤務医の負担軽減策」というところ ですけれども、前回の改定の議論の際には、診療側からも、勤務医の負担が大きいという ことであり、具体的には、勤務医をやめて開業医になっていく人も増えているという、そ ういう議論がありまして、極端な話ですけれども、逆に開業医をやめて勤務医になる人が 出てくるような流れができるぐらいの気持ちでダイナミックに改革をしていかないと、勤 務医と開業医のバランスがうまくとれないのではないかという主旨のことを、当時、私も 発言させていただいたりしていたところです。  私としては同じように、勤務医をやめて開業医になっていく人が増えている問題などが あるように、勤務医と開業医というのはやはりやや違うと思いますので、医師全体の数で はなくて、勤務医の数がどう推移していて、開業医の数はどう推移しているのかという、 ちょっと分けて考えるべきだと思います。やはり前回の議論でも、産科・小児科というの は基本的に救急医療として非常に命にかかわる大事な場面が多くて、産科・小児科をはじ めとする救急医療というのは非常に価値が高い、だからそちらの方にもっとやりがいを持 って進んでいくお医者さんたちの動きができるぐらいの診療報酬をということを随分お願 いして、一応その方向で、全体としてはマイナス改定の中でも、産科や小児科救急は少し プラスにしてもらったのですけれども、やはりダイナミックさに欠けたという感じがする と思いますので、その点においても医師の動きのデータを可能な範囲でお願いしたいとい うことです。  続けてですが、1ページの「患者の視点の重視について」なのですが、これは前回の改 定の議論の際にちょっと時間切れにもなってしまって、努力義務で終わってしまった明細 書の問題だというふうに理解しているのですが、もう一つ「患者の視点」という意味では、 前回の改定時からパブリックコメントと公聴会が開かれたということがスケジュールの中 にありました。前回の公聴会は、どちらかというと、医療関係者の人が話をされた場面が 多かった印象ですが、パブリックコメントをするときにもやはり患者からの声をより重視 をして、その中で、この患者さんの声を公聴会でより詳しく聞きたいというようなものが 出てきたら、その人にまた公聴会で話をしていただいて等、そういう声も聞きながらいろ いろな改定をしていくことができれば、「患者の視点の重視」という言葉の意味が出てく ると思います。そういうスケジュールについてもどういうふうに考えていただいているの かということをまたお聞かせいただければと思います。 ○土田会長  まだ具体的な話には進んでおりませんので、ただいまの意見を踏まえながら事務局の方 で検討させていただくということにしたいと思います。  ほかにございますか。  よろしいでしょうか。それでは、御意見もほかにないようでしたら、ただいま説明いた だきました資料にあるようなスケジュールを一つの目安として今後検討を続けていくとい うことにしたいと思います。  それでは、本日の総会はこれで終わりにいたします。  次回の予定、もう先ほど言いましたが、次は…… ○事務局(原医療課長)  総会についてはちょっとまだ予定は立っておりません。 ○土田会長  わかりました。総会については未定ということだそうです。  それでは、次は部会がありますので、しばらくお待ちください。     【照会先】       厚生労働省保険局医療課企画法令第1係       代表 03−5253−1111(内線3288)