07/08/02 治験中核病院・拠点医療機関等協議会議事概要 平成19年度第1回治験中核病院・拠点医療機関等協議会 議事要旨 開催日:平成19年8月2日(木)10:30〜12:30 場 所:財団法人 がん研究振興財団 国際研究交流会館 国際会議場 ○ 開会挨拶  松谷有希雄 厚生労働省医政局長  平成15年4月に文部科学省・厚生労働省で策定した「全国治験活性化3カ年計画」に より一定の成果が得られた。革新的な医薬品や医療機器を我が国の医療現場に速やかに 導入し、世界最高水準の医療を国民に提供するために、重要なプロセスである治験や臨 床研究の活性化に向けて更なる取組が必要である。  「新たな治験活性化5カ年計画」のもと、今日お集まりいただいた「中核病院」「拠点 医療機関」文部科学省の「橋渡し研究支援推進プログラム」にご参加の医療機関の方に は、治験や臨床研究の迅速化と質の向上を図り、国際的に魅力有る環境を実現すべく、 活動していただきたい。  この協議会を各機関における治験・臨床研究推進の取組についての情報交換や、機関 の間の横のつながりを強化する場としてご活用いただき、他の機関と切磋琢磨しながら、 我が国の治験や臨床研究の活性化に向けて、ますますご尽力いただきたいということを お願いし、冒頭の挨拶とする。   ○ 協議会設置要綱(案)  資料1に沿って、事務局より協議会設置要綱について説明した。  意見・質問なく了承された。 ○ 会長選出  設置要綱に基づき、会長を選出した。自薦・推薦なく、事務局が提案した「(独)国立 病院機構 矢崎義雄理事長」が会長に選出された。 ○ 会長挨拶  我が国の治験・臨床研究の推進について、本日までに多くの試み、施策が行われてき たが、国際的には遅れをとっている現状がある。「新たな治験活性化5カ年計画」に基づ き、設置されたこの協議会は、治験・臨床研究を効率的にかつ迅速に行うための支援を するために組織されたものである。円滑な運営のため、先生方のご協力をお願いしたい。 ○ 副会長選出  協議会設置要綱に基づき、会長が副会長を指名した。「新たな治験活性化5カ年計画」 を策定する検討会の座長を務めた「(独)国立病院機構大阪医療センター 楠岡英雄院長」 が指名された。 ○ 幹事選出  「中核病院」「拠点医療機関」「橋渡し研究支援推進プログラム」参加施設からそれぞ れ選出、医療機関の設立主体や疾患領域や地域バランス等を考慮し、事務局が提案する 幹事候補について、構成員からの反対意見なく、了承された。  (運営幹事会 幹事:五十音順、敬称略)    山口大学医学部附属病院       副病院長   神谷 晃    (独)国立病院機構大阪医療センター 院長     楠岡英雄    聖マリアンナ医科大学        教授     小林真一    慶應義塾大学医学部         教授     武林 亨    (財)先端医療振興財団         副理事長    田中紘一    東京大学              教授     永井良三    国立成育医療センター        治験管理室長 中村秀文    国家公務員共済組合連合会虎の門病院 治験事務局長 林 昌洋    静岡県立静岡がんセンター      治験管理室長 朴 成和     ○ 幹事長選出  会長より、副会長でもある楠岡院長に幹事長をお願いしたい旨の提案があり、構成員 からの反対意見なく、了承された。 ○ 副会長・幹事長挨拶  「新たな治験活性化5カ年計画」策定の検討会の座長を務め、個人的にも思い入れの ある計画である。中核病院・拠点医療機関のネットワークは、今後の治験促進のキーと なるものである。関係各位のご協力・ご支援をお願いいたしたい。 ○ 治験中核病院・拠点医療機関に望むこと 1)厚生労働省より   医政局研究開発振興課長    新木 一弘  厚生労働省として、治験・臨床研究の中核病院・拠点医療機関には大変期待している。 これまで「全国治験活性化3カ年計画」に取組んできたが、いまだ解決すべき問題があ る。文部科学省とも協力し、政府全体として取組むこととしている。  アジア諸国と比較したデータ等でも日本の治験の遅さ、コストの高さ、1施設あたり の症例数の少なさが示されている。例えば、抗がん剤治験における病院別のスピードを 示すグラフでは、一部私立大学病院では契約から1例目の初回来院まで400日以上かか っているというデータもある。中核病院・拠点医療機関には、これらの改善に向け、目 標を掲げた取組が望まれる。  国際共同治験の推進もキーワードのひとつである。治験の空洞化により我が国の保険 医療水準が低下することを大変懸念している。  「新たな治験活性化5カ年計画」により期待される治験・臨床研究の姿は   (1)治験・臨床研究のコスト、スピード、質が米国等諸外国並に改善されている。   (2)国際共同治験の実施数がアジア周辺国と同等以上の水準まで向上している。 (3)質の高い最先端の医療の提供を確保し、国民が安心して治験・臨床研究に参加す ることが出来る体制が確保されている。 の3点である。  それらを達成するため、早急な取組が求められる事項として、治験事務の効率化、依 頼者と医療機関の役割分担、依頼者の初回訪問から患者登録までの期間短縮が求められ る。  また、協議会に参加の医療機関については、地域の代表制も加味し、各ブロックにひ とつもないということがないよう選定された。中核病院・拠点医療機関が自ら治験を実 施することはもちろんだが、人材育成等地域のリーダーとしての役割を担い、地域の医 師会等とも協力し事業に当たっていただきたい。1計画当たりの実施症例数の増加は10 以上を目標として欲しい。  更に、国際共同治験や医療機器治験、医師主導治験への参加を進め、患者向け相談窓 口機能や治験実施者へのインセンティブ向上の取組を進めていただきたい。  各機関に共通の課題については、ワーキンググループを設置し解決にあたりたい。特 に、治験関連書式の統一については、年内に取りまとめ、協議会参加機関はもちろん日 本全国で活用していただきたい。  治験を実施する各医療機関の体制整備が進むように、協議会参加施設の現状や達成状 況は広く公開し、これが他の医療機関の標準的な目標となり、全国的に治験の体制整備 が進むようにしたい。具体的な評価指標は皆様と相談しながら決めたい。  この事業は3〜5年で見直す予定である。今よりもよりよく見直せるように、医療界 だけでなく産業界からも高い評価を得られつづけるように各機関に努力していただきた い。 2)文部科学省より   研究振興局ライフサイエンス課長 菱山 豊  高等教育局の事業も含め、革新的な医薬品の創出に向けた文部科学省の取組を紹介す る。 「大学における人材養成機能の強化」として、平成15年の熊本大学から始まり、治験関 連人材の養成を目的とした大学院の設置を進めてきた。今年度は岐阜大学と岐阜薬科大 学のように、国立大学と公立大学の連合の事例もある。  本年度より「地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム」 として臨床研究・研究支援人材の養成をテーマに公募で選定した7大学(群馬、神戸、 山口、九州、琉球、東京慈恵会医科、北里(慶應義塾・順天堂と連携))に取り組んで頂 く。  医療機関の体制整備について、スピード面等で批判がある中「国立大学等における研 究開発基盤の整備」に取組んでいる。現在42の国立大学病院のすべてに治験管理センタ ー等が整備されている。その他治験の実施しやすさの向上のため治験を実施する機能の 集約、一元化も進めている。  また、東京大学、山口大学等が中心となり、複数の大学がネットワークを組むことで、 症例集積の向上、情報の共有への取組が進んでいる。  本年度から「橋渡し研究支援推進プログラム」を開始する。実施機関の機能強化(自 らの機関だけでなく、他大学のシーズの開発支援も行える。)、人材育成(OJTで育成す る。生物統計家等必要な人材を確保する。)し、シーズを臨床研究に橋渡しする。全体と して何が行われているのか情報共有していく(先端医療振興財団がサポート機関として 機能)。  5年で1機関あたり2件以上の基礎研究の成果が治験の段階に移行することを目指し ている。高い目標だと思うが、頑張って取組んでいただきたい。  26件の提案のうち6件採択した。プログラムディレクター(慶應大学名誉教授猿田先 生)と、プログラムオフィサー(今後任命予定)の助言も得て進めていく。  各機関において、「新たな治験活性化5カ年計画」の円滑な遂行にご協力いただきたい。 また、このプログラムや協議会を通じて問題点を意見交換し、日本の治験・臨床研究の 環境がよりよいものとなるよう期待する。 3)(社)日本医師会より (社)日本医師会常任理事    飯沼 雅朗              治験促進センター研究事業部長 小林 史明   協議会の発足にあたりご挨拶申し上げる。臨床研究や治験は、非常に重要視されてい る分野であり、国を挙げて取り組みが進められている。日本医師会も、本年公表する「グ ランドデザイン2007」各論において、治験という項目も新たに盛り込むこととしている。  臨床研究・治験のさらなる活性化は、国民に対する、よりよい医療の迅速な提供とい う目的のために、医療機関の方々の協力がぜひとも必要な分野である。  初めて選ばれた中核病院、拠点医療機関、橋渡し研究支援推進プログラム実施機関の 皆様の活動は、国民、依頼者から期待されている。非常に注目されているという意識を 持ち続けて活動して欲しい。  日常業務において、忙しい、大変だといった問題が起こることと思う。そのような問 題に対して、その原因をとらえ、対策を考え、解決していくように働きかけて欲しい。 個人の問題解決から全体の問題解決へ、このことも治験活性化への重要な道筋と考える。  日本医師会は、新たな治験活性化計画においてアクションプランを実施する一員とし て明記されており、本協議会には、協力機関として参加する。皆さま方が連携をとられ る際に、活用してくだされば幸いである。最後に、皆さまのご活躍とわが国の治験の活 性化を祈念し、ご挨拶とする。引き続き小林から日本医師会治験促進センターの活動に ついて説明する。  治験促進センターは、平成15年から厚労科研費で活動してきた。  医師主導治験としてこれまでに13課題が採択され、そのうち1件は特別部会に報告さ れ、近々承認という状況まできている。  全国22カ所の地域治験ネットワークと、病院・診療所を含め1,334の医療機関による 大規模治験ネットワークの活動支援を行ってきた。また、治験に関する啓発活動として、 シンポジウムの開催やポスター・DVDの作成等を行ってきた。  「新たな治験活性化5カ年計画」には日本医師会治験促進センターの役割として、協 議会参加機関と大規模治験ネットワークとの連携推進と研修等の支援、国民への普及啓 発及び研修等の支援が明記されている。  医師主導治験は未承認薬の国内導入に向けた有力な方法である。中核病院には医師主 導治験の中心となって企画運営・調整医師の事務局機能、拠点医療機関には参加が期待 されている。もちろん、拠点医療機関の方が調整医師となることを妨げるものではない。  これまでに医師会が支援した医師主導治験には74機関が参加。今後は医療機器の分野 にも広げていく。是非中心となって参加して欲しい。  選定された機関と既存のネットワークを日本地図上にプロットした。分布にやや偏り があるが、中核病院・拠点医療機関・TRの医療機関に幅広く活動して欲しい。本日参考 資料として配布したが、大分大学、三重大学、新潟大学は地域治験ネットワークとして も活動している。その他の地区も、ネットワークとの連携もイメージして進めて欲しい。  これまでの連携事例として、広島大学のIRB共同利用のほか、治験ネットワーク立ち 上げの際に教育研修を実施したり、大学病院がネットワークのIRB委員として参加して いる例もある。  治験書式の統一は「新たな治験活性化5カ年計画」のアクションプランのひとつであ る。8月中に治験関係の各団体・医療機関の代表で構成するワーキンググループを開催 できるよう準備を進めている。年内には案を公表し、広く意見を募集し作っていきたい。 5カ年計画の最初の成果となろう。  昨年度までは治験推進協議会が全国7ブロックで研修会等を実施していたが、今年度 からは中核・拠点が中心となって実施する研修会や講演会を支援していきたい。これら 研修会は単発での開催でなく、統一テーマでの取組も検討して欲しい。  臨床試験従事者向けのe-learning も中核・拠点の医療機関の方々を含めて問題作成 を依頼中で、年度末には公開したいと考えている。  啓発活動については、何度も繰り返した活動が必要。連携した取組を進めていただき たい。国民、治験関係者のみでなく、院内の治験に直接関係のないスタッフへの情報提 供も進めて欲しい。  初めて選定された中核病院・拠点医療機関の皆様は、国内のみでなく、海外からも、 また特に選定から漏れた医療機関の方から注目されている。本協議会を構成する医療機 関はすべて大規模治験ネットワークの医療機関でもあるので今まで以上に治験促進セン ターとの連携を深め、他の医療機関の規範となる体制を構築し、我が国の治験をリード していく存在として活動して欲しい。 4)日本製薬工業協会より 日本製薬工業協会医薬品評価委員会委員長 中島 和彦   昨年来政府をあげて製薬産業を我が国のイノベーションを牽引する重要な産業として 認識し、ドラッグ・ラグ解消の多面的な活動をしていただき、感謝している。研究開発 振興課では、治験活性化計画策定の意見を踏まえ、予算環境の厳しい中、医療機関の体 制整備に関する貴重な予算を確保するためにご努力いただいた。  ドラッグ・ラグの現状として、2004年のデータを示す。欧米諸国で使えるくすりのう ち、日本では28品目が使用できないという実態がある。NIHが示す国際共同治験のプロ トコル数と参加割合をアジアと比較してみても、日本の参加率が低いことがわかる。ま た主要雑誌の論文数をみても、日本の臨床研究の基盤が劣っていることが伺える。  拠点病院の海外の整備状況を示す。各国で意味するところが違い、単純な比較は出来 ないが、韓国、台湾等では数年前から体制整備が進んでいる。医薬品評価委員会で今年 度中に調査団を派遣する予定としている。  「新たな治験活性化5カ年計画」では中核病院として、高度に専門的な知識・経験が 要求される治験等を実施する体制が整備された病院、拠点医療機関は他の医療機関と連 携して治験等を円滑に実施できる体制を有するとされている。  製薬協では、官民対話の場で、臨床研究推進のための医療機関の体制整備の必要性を 提言してきた。中核病院として備えるべき組織についての例を示す。各機関に求められ る役割によって必要な人員等は変わってくる。教育研修等多面的な業務を担う事務局業 務の充実が望まれる。  日本と欧米のパフォーマンスの違いを示す。モニター1人あたりの担当施設数やモニ ターの医療機関訪問回数、治験手続に要する日数、治験費用についての改善を望む。訪 問回数について、経営母体別にかなり差がある。2回が理想的だが、5回以内となれば、 人件費として1社あたり5億円、出張費等も含めればかなりの節約となる。社会的にニ ーズの高い薬剤の開発に財源を回せることにもつながる。  施設への支払費用の中にはプロトコルの難易に関わりなく、管理費等の間接費用が上 積みされている。これまでに製薬企業から各医療機関へかなりの支払がなされている。  スピード、コスト、モニター負担の問題の裏には、手続の問題、インフラ整備等の問 題が構造的かつ複合的に存在する。今後、基盤整備を進め、スケジュールを明確にし、 ゴールに向けて改革のスピードアップを図っていただきたい。製薬協としては、臨床研 究の基盤整備の予算配分の増額を求めるとともに、この協議会の場等を通して治験・臨 床研究の体制強化に協力していきたい。 ○ 事務局より追加説明(資料2 事前にいただいた主なご意見)  ワーキンググループの設置、情報交換の方法や内容については運営幹事会にて検討し ていく。いただいた意見の中には既に取組が開始されている事項もある。 ○ 質疑応答 ・モデル研修について (金沢大学 古川)IRB委員やデータマネジャーに対する新規モデル研修事業に期待す る。一部の参加者のみでなく広く活用できるよう、DVDに記録する、書籍化して出版す ることを考えてはどうか。全国で活用できるスタンダードなものとしてはどうか。 (事務局)方法について検討する。 ・実務者会議について (金沢大学 古川)実務者と医療機関の代表者では治験・臨床研究の推進に温度差があ る現状がある。問題解決に向けての議論ができる実務者レベルの会合を望む。補助金は 旅費に使えないのか。 (事務局)今回の補助金から出張旅費は出せない。メーリングリストやWeb会議等の活 用も含め、出来る限り意思疎通を図れるような方法について検討する。 ・専用ホームページ開設について (金沢大学 古川)治験推進室に、拠点病院活性化事業について個別の質問が寄せられ ているのではないかと思う。質問する前にそこを見ればいいように専用のホームページ を用意してはどうか。 (事務局)ホームページでの情報提供をしていきたい。 ・他部局、他機関との連携について (北海道大学 小池)リウマチ学会の立場から発言したい。生物製剤の治験は進みやす いが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査の段階で遅れる、グローバル治験につい て、総論賛成、各論反対で進まないと聞いている。このような協議会の場にPMDAからの 出席を求め、国際共同治験の推進やPMDAの意見を伺う機会としてはいかがか。 (厚労省研究開発振興課)PMDAの運営改善は「革新的医薬品・医療機器創出のための5 か年戦略」の柱のひとつであり、審査員を倍増するという方針で進めている。この協議 会での協議事項は医療機関の問題について取り上げることを主眼としている。PMDAの担 当者に参加を呼びかけるかどうかはさておき、医薬食品局で行われる会議等とも共同し、 改善すべき点は改善していく。 ・医療機関の連携について (北里大学 相澤)中核病院と拠点医療機関の連携はどのように考えたらよいのか。 (厚労省研究開発振興課)中核と拠点の連携は重要な事である。どちらかが一方的に働 きかけるものではない。ノウハウの共有、研修、共同研究の実施等連携の方法も様々で、 画一的なものはできない。拠点以外の医療機関との連携も進めて欲しい。始まったばか りの事業でもあり、各機関で色々な取組をし、この協議会の場で他の参加機関と情報交 換をしながら結果的によい仕組を作っていければよいのではないか。 ・橋渡し研究事業について (国立がんセンター 藤原)文科省の方へ3つ質問する。 (1)公的研究費を活用して医師主導治験等の臨床研究を行ったのち、そのデータを用いて 企業が承認申請を行い、販売承認を得た場合に、私企業のために公的研究費を使用した との批判を受けないかと懸念する。どのようなお考えか? (2)大学病院では非常勤職員が任期付きの雇用となっており再任を認めないと聞く。臨床 研究コーデイネーターのような専門性の高い職種で数年おきに完全に人材の入れ替えが 起きるとノウハウが蓄積されないように思う。当該制度の是正が必要ではないか? (3)保険診療下で研究的診療を実施することは日本では原則禁止されているにもかかわら ず橋渡し研究においては保険外併用療養費の適用される医師主導治験で無い場合にも保 険診療下で実施するのか? (文科省ライフサイエンス課)(1)現体制では、知財を企業に移し、収入を大学に戻すと いうのが、基本的なやり方だが、官民対話のような製薬業界との話し合いの場等で産学 の連携のあり方について検討していく必要がある。(2)研究課題採択にあたり、人材雇用 も含めて事業終了後の機能継続についても審議のポイントとなった。5年後までに体制 を整備して欲しい。(3)保険制度を無視するものではない。当該プログラムは委託費であ り、患者が負担する費用を支払うことは可能。 (文科省医学教育課)(2)非常勤雇用について、任期制が良いという意見もある。大学が 法人化されてから任期については大学の判断としており、文科省で示す一定のルールは ない。 (製薬協)産学連携の研究事例は多数あり、フェアなルールが定められている。企業が 単独で参加する場合や複数で参加する場合の経費負担や利潤の還元の仕方、適正価格で 実施するための工夫もできる。 ・小児領域について (国立成育医療センター 松井)小児領域の治験推進の視点が欠けているのではないか。 (厚労省研究開発振興課)拠点病院の選定の際に、小児専門病院を別枠で1割(3施設) 選定した。小児の治験や臨床研究の推進について、当課でもその重要性を認識している。 ・治験拠点病院活性化事業について (神奈川県立こども医療センター 勝呂)本庁へ人と予算の手続をする上で、拠点病院 の補助金がいつ、どのくらい入るのか重要な問題であり、目処を聞きたい。 (事務局)現時点で明示できない。省内決裁が済み次第連絡する。 ・臨床研究の推進について (大阪府立成人病センター 淡田)臨床研究の推進も5カ年計画に取り上げられており、 将来的な指針を示して欲しい。 (名古屋医療センター 堀田)海外と共同研究を実施する際、併用薬が未承認のため参 加できないという例がある。新しいエビデンスで適応拡大するには、医師主導の治験と いうスキームがあるが、弾力的な運用ができないか。 (厚労省研究開発振興課)臨床研究の基盤整備に問題があることは認識している。「臨床 研究に関する倫理指針」の見直しに向けて、規制面、振興面、保険に関することも含め、 厚生科学審議会の下で議論をしていく予定である。 ○ 事務局より連絡  遠方より、またお忙しい中ご参加に感謝する。第2回は初年度の活動報告を含めて年 度末頃に開催したい。正式な日程については幹事会で検討し、ご連絡したい。 ○ 会長  熱心な議論、演者のみなさまからの貴重な情報に感謝する。これで協議会を終了する。 今後ともよろしくお願いしたい。  (終了)                                      照会先                            医政局研究開発振興課  TEL03-5253-1111(内線4163) 9