07/08/01 第15回予防接種に関する検討会議事録                         健康局結核感染症課予防接種係                                内線 2383                                  第15回予防接種に関する検討会 日時 平成19年8月1日(水) 15:30〜 場所 厚生労働省2階講堂(低層棟) ○山田課長補佐 それでは、定刻になりましたので、これより第15回予防接種に関する検 討会を開催いたします。  本日は、御多用のところ予防接種に関する検討会に御出席いただき、誠にありがとうご ざいます。なお、本日は宮崎委員より御欠席の連絡をいただいております。岩本委員に  つきましては、後ほど遅れて参加される予定でございます。  それでは、早速でございますが、議事の進行につきまして加藤座長にお願いしたいと存  じます。加藤座長、よろしくお願いいたします。 ○加藤座長 皆様こんにちは。それでは、早速、本日の議事を進めさせていただきます。  まず、開始に先立ちまして、事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○山田課長補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。お手元に資料1といたし  まして「予防接種に関する検討会委員名簿」でございます。  資料2「麻しん排除計画(案)」でございます。この計画案につきましては別添1−1、  麻しん全数届出基準、1−2、麻しん全数届出様式。2−1、風しん全数届出基準、  2−2、風しん全数届出様式が含まれております。  資料3といたしまして「麻しんワクチンの補足的接種について」を添付させていただい  ております。  それから、本日御出席の竹本委員より参考資料として「麻しん症例の診療実態に関する  アンケート調査報告書」という資料をつけさせていただいております。  なお、本日、宮崎委員につきましては急遽参加できないことから「麻しん排除計画(案)  に対する意見」という1枚もののペーパーを参考資料としてつけさせていただいており  ます。  以上でございます。 ○加藤座長 資料の御確認はよろしゅうございましょうか。  それでは、検討会を開始させていただきます。最初の議題に入ります前に、少しおさら  いをさせていただきますが、本年のはしかの流行を受けまして、既に13回、14回の2回  にわたりまして検討会を開催いたしたところでございます。第13回の検討会では、専門  家の先生方より国内及び世界におけるはしかの現状等の紹介や対策などの御意見を伺い  ました。  また、国立感染研のセンターより、麻しん対策の提言または小児学会からも御意見をい  ただきました。更に、第14回では第13回でいただきました提言を基に作成いたしました、  麻しん排除に向けたたたき台の案につきまして、保護者、自治体、学校管理者など関係  各方面の方々より御意見をちょうだいした上で、議論を深めてまいったところでござい  ます。それらの御意見や議論を踏まえまして、麻しん排除に向けた素案を事務局におい  て作成いたしたところでありまして、本日ここに麻しん排除計画案をお示ししたところ  でございます。本日御議論いただきますのは、今後、我が国が麻しんの排除に向けて動  くための極めて重大な計画でございます。本年の流行を二度と繰り返さない対策につき  まして、委員の先生方に十分な議論を尽くしていただきたいと存じます。  なお、この計画案は既に各委員に配付してございますので、内容は御確認していただい  ているところと思います。  それでは、麻しん排除計画案につきまして、事務局より御説明をお願いいたしたいと存  じます。 ○山田課長補佐 恐れ入りますが、カメラ撮りはここまでとさせていただきます。 ○三宅課長補佐 では、資料2及び資料3につきまして、読み上げをさせていただきます。  まず、資料2「麻しん排除計画(案)」といたしまして作成させていただいております。  まず、目次を見ていただきますと、構成でございますが、「はじめに」と「麻しん排除  に向けた計画」ということで、その中に4本の柱、95%以上の予防接種率の達成・維持  のための取り組み、評価体制の確立、麻しん発生時の迅速な対応、最後に、それらのた  めの実施体制の確立という4本立てとなっております。  続きまして、中身について読み上げさせていただきます。  (資料2「麻しん排除計画(案)」朗読)  続きまして、資料2の別添の説明に移らせていただきます。  資料2の別添1−1、別添1−2でございますが、感染症発生動向調査におきます届出  の要領及び発生届の様式となっております。  (資料2別添1−1朗読)  別添1−2に関しましては、他の発生届を参考に作成をしたものでございます。他の発  生届との大きな違いでございますが、5類感染症であるため発症者の個人情報、居住地  や氏名等については記載されておりません。  また、特に報告にあったことがありますので、「11感染原因・感染経路・感染地域」の  (3)のところに麻しん含有ワクチンの接種歴を聞くことになっているのが、ほかの届出と  の大きな違いでございます。  また、病型につきましては、検査診断、臨床診断、修飾麻しんそれぞれどれかで届出が  できるようになっております。  また、麻しん排除計画に基づきまして、それをどう実現するかでございますが、上の注  意書きを特別にほかの記載要領と違って書かせていただくことを別添の通知等ではっき  りすることによってできるのではないかと考えています。麻しんについては、診断を行  った医師は7日以内に届出をしていただくこととなっておりますが、麻しんに対するよ  り迅速な行政対応に資するため、麻しんを診断した医師は24時間以内をめどに最寄りの  保健所への届出を行っていただくようお願いします。臨床診断例については、届出後で  あっても可能な限り検査診断を実施し、その結果について最寄りの保健所に報告してい  ただくようお願いします。  他の発生届の詳細につきましては、ごらんいただければと思います。  別添2−1の風しんでございます。  (資料2、別添2−1朗読)  別添2−2でございます。風しんの発生届でございますが、麻しんと同様に5類の感染  症であるため、個人情報は載っておりません。  また、風しん発生届につきましては、他の5類の7日以内の届出と同様に、麻しんにあ  りました注は書いておりませんで、右下に「この届出は診断から7日以内に行ってくだ  さい」としてございます。  風しん含有ワクチンの接種歴についても、特別に聞くこととしております。  ほかは他の発生届と同様のものでございます。  資料3でございます。  (資料3「麻しんワクチンの補足的接種について」1、2部分朗読)  2ページの表についてですが、2008年時の対象年齢が9〜18歳の場合、どのように補足  的接種を行うかでございますが、案1、接種期間3年間、案2、接種期間5年間、案3、  接種期間を7年間で行うものの3案を示してございます。後ほど詳細に経過等について  作成の理由等につきまして御報告を再度させていただきますが、まずは案の内容につき  御説明させていただきます。  案1、接種期間3年間の場合の接種年次、(1)(2)等は補足的接種の何年目に実施を行うか  を示してございます。また、接種時の年齢につきましては、接種年次に従った場合、  2008年当時の9〜18歳の者が何歳のときに今後接種を受けることになるかを示してござ  います。  案1につきましては、3年間のうちで1年目と2年目を12歳、15歳、18歳の者に対し接  種を行う。3年目には、更に11歳の者を加えて合計3年間で10年齢層に接種をする案で  ございます。  案2は、13歳と18歳の年齢になった者を5年間打ち続けるということで、9〜18歳に対  し接種する案でございます。  案3につきましては、最初の4年間は18歳になった者のみに対し接種を行う。そして、  5年目から7年目につきましては、それに加え15歳も接種年齢とする。合計7年間で10  の年齢層に打つ計画でございます。  案2以外につきましては、だんだん接種の対象年齢が多くなることにより、ワクチンの  増量等事務量が増加することとなります。  (資料3「麻しんワクチンの補足的接種について」3、4、5部分朗読)  以上が、資料の説明でございます。また、資料3の補足的接種でございますが、前回の  議論の中におきまして、麻しんワクチンの製造量にもしっかり配慮した上で計画案をつ  くるようにという指示が事務局にございました。この補足接種の案につきましては、作  成段階からワクチン製造業者並びに血液対策課と協議をさせていただきまして、本案の  作成をさせていただきました。ワクチン生産量の観点からは、向こう3年程度でこれら  対象者10歳人口群の接種が可能なギリギリの範囲ではないかということでございますの  で、これら3案を作成したわけでございます。  しかしながら、第1案ではワクチン生産能力の限界に近いところでの供給ということで  ございまして、従来での接種率向上にはキャンペーンによる集中接種が効果的だとは考  えますが、このような一時期の需要集中に対しては、引き続きワクチンメーカーと十分  に連携を図る必要がございます。また、第1案につきましては、他のワクチンの生産へ  の影響等の考慮も必要となる。また、ワクチン全体の安定供給に非常に難しいハンドリ  ングを強いられることが予想されるということも承っております。  また、そのような状況でワクチンの欠品を来した場合、接種希望者の中でワクチンがな  いので受けられないというような経験をした方が増えることで、接種率が低下する可能  性があることや、地方自治体の財政負担も短期間に集中するため、接種費用の本人負担  の程度が大きくなる可能性もあり、これらも接種率向上に悪影響を及ぼす可能性がある  のではないか等々の意見が出ております。  よって、3案をお示しいたしましたが、第1案は接種率95%以上を目標とすることに対  しては、非常に厳しいハードルである可能性があるということも申し添えさせていただ  きます。  また、2012年のWHOとの関係でございますが、案1でございますと3年間終わった後  2年間評価の期間を持つことができます。案2ですと、2012年にちょうど終わることに  なります。案3は非常に慎重な案でございますが、2012年を超えてしまうところがあり  ます。  以上、案のそれぞれいい点、悪い点を含めまして御説明させていただきました。以上で  ございます。 ○加藤座長 どうも長い間の御説明ありがとうございました。計画の案及び補足接種につ  きまして、前回の検討会で提言をいただきましたことを基につくりましたたたき台から  具体的な内容をまとめていただいたものでございます。  それでは、早速計画案について議論をいただきたいと思いますが、まず、計画の第1項  目でございまして、「1.95%以上の接種率の達成・維持のための取り組み」の(ア)の  (1)、今、三宅補佐からお話しになった麻しんワクチン接種1回世代への2回目の接種機  会の付与の考え方としての資料3、今まさに御説明があったところをお開けいただきま  して、この3つの案の中でどの案がよろしいかということについて御意見を伺いたいと  思います。若干わかりにくいかと思いますが、今、補佐から御説明がありましたように、  第1案につきましては3回の接種機会を持つということですが、すなわち最長3年間待  つということになって、12歳時、15歳時、18歳時に接種を行うということで、最長待つ  年齢が3年間あるということを意味します。第2案の場合は、13歳と18歳を接種対象者  といたしまして、それが13歳になるまで最高待つ年齢が5年であるということを示して  ございます。第3案は、15歳と18歳を対象として接種するわけで、15歳になるまでに待  つまでの年齢が7年、18歳になるまでの年齢が7年待つということを示しているという  ことがこの表の御説明でございます。  しかし、先ほどお話しになりましたように、第1案ですと、極めて短く計画が達成され  ますが、ワクチンの供給という面からいたしますと、若干不安定なところがあろうかと  考えられるという点が第1点。  第3案につきましては、かなり慎重な、もう少し短く終了していただきたいという御意  見が前回ありましたが、これですと若干長めでありますが、慎重な体制であります。先  ほどお話しになったとおり、第3案ですと2012年を目標としたことが若干予定が先延ば  しになる可能性があるということで、第2番目が前回話題になりました接種期間を5年  間とるということで討議されてきたわけですが、この件に関しまして御意見を伺いたい  と存じます。この案に対しまして御意見がございましたら、どうぞ。 ○廣田委員 接種時の年齢と対応する学年というのを教えていただけませんか。 ○三宅課長補佐 例えば案2でございますが、13歳は中1を想定してございます。18歳は  高3を想定してございます。よって、案1になりますと小6と中3と高3になります。  案2が中1と高3でございます。案3が中3が5年目からと、高3が7年間ということ  になってございます。 ○加藤座長 一応、中学生までは義務教育ですので学校単位で切りましたけれども、中学  を過ぎますと義務教育を過ぎますので、学校単位でやりますと不規則なことになります  ので、年齢で区切っているということで御理解いただきたいと思います。  ほかにいかがでしょう。岡部先生、何か御意見ございますか。 ○岡部委員 補足的な接種、キャッチアップですが、いろいろな方法が考えられると思い  ます。多くの国ことに途上国では、先の委員会で情報センターの砂川が御説明したよう  に、一気に同じ年齢層あるいはある一定年齢層を集中的にやるというような方法をとる  ことが多いんですけれども、実際にそれでもなかなか接種率が上がらないというのが、  ことに途上国での苦労です。それと同じような方式をとるかどうかというのは、議論の  いるところですが、日本スタイルということを考えてもいいのではないかと思っていま  す。今のところでも全体から言えば80ないし90%近い麻しんワクチンの接種率というも  のが一応基本的にはあるので、残りの分についての補足というところで通常の接種率が  低い途上国的に一気にやるというよりは、それはそれで理想的なやり方なんですけれど  も、ワクチンの全体の量等々のバランスを考えれば、少し年数を掛けるのもそういう点  ではやむなしと思います。しかし、これはやり方次第ではあると思いますが、多くの方  に接種を求めるという点について相当な努力が必要ですけれども、継続して努力を続け  ればきっとできるだろうと思っています。  5年間ずっとこのことを言い続けるというのはなかなか難しいことであろうとは思うん  ですけれども、それをここにある啓発であるとか学校あるいはメディアの方々を通じて  の息の長い活動を続けるということが肝心ではないかと思います。 ○加藤座長 かいつまんで言うと、第2案でよろしいかという。 ○岡部委員 私自身はこの3案があるならば、第2案ではないかと思います。 ○三宅課長補佐 宮崎先生より9個意見をいただいております。今回の資料3につきまし  ては、1〜3が関係すると思いますので、今か後でもいいのですが、意見を読み上げさ  せていただければと思います。 ○加藤座長 お願いいたします。 ○三宅課長補佐 では、読み上げさせていただきます。(1)キャッチアップ接種を短期間  に行う場合、接種が集中するのでワクチン供給問題の整理が必要である。(2)一度流行  が起これば接種対象年齢を外れた年齢でも流行するので、緊急的キャッチアップのため  にもワクチン供給の余裕が必要である。今年のような流行が起こらなければ混乱は少な  いだろうが、流行が局所的であれ起これば、ワクチンの有効期限との絡みもあり、安定  的な供給は意外に難しいかもしれない。(3)また集中的な接種では副反応(紛れ込みも  含む)も目立ちやすくなることが考えられる。(4)副反応(紛れ込みも含む)に関して  は、平成18年6月以降のMRワクチン2期接種後、健康状況調査の概要がまだ示されて  いない。少数例では出席の岡田先生らがデータを出しておられる。1期に比べて発熱率  は少なく、局所反応はやや多いらしい。副反応報告も公表されていない。この(4)につ  きましては、主要ワクチンのMRを使うべきかというところと関連すると思います。  以上でございます。 ○加藤座長 ありがとうございました。  今(1)〜(3)までにつきましては、恐らくワクチン供給ということから考えますと、な  るべく早急に麻しんの排除計画を立てていきたいところだけれども、第1案については  若干、先ほど補佐からも説明がありましたが、ワクチン供給限界すれすれで、欠品を生  じる可能性があるというようなことと意見が一致していると考えられるかと思われます。  続きまして、(4)ですが、MRワクチンの第2期の接種のデータがないということです  が、これは平成18年度から始まりました厚生労働省の科研費の研究班におきまして、私  が主任でまとめさせていただいている最中ですが、はしか、風しんの2種混合ワクチン  2回接種の効果、安全性、予防接種率に関する研究を行っているところでございまして、  中間報告を第1年度目にいたしまして、約500例程度、これは血清抗体と全身反応につ いての調査を行ったところでございまして、まだ中間発表の段階であります。直接この  研究にタッチされている岡田先生からコメントをいただけますか。 ○岡田参考人 宮崎先生のコメントにも書いてありますように、1期に比べますと2回目  は免疫がある子どもたちが多いものですから、発熱率は少なかったと思います。解析さ  れた症例数は500例ほどでございましたけれども、重篤な全身性副反応はありませんで  した。局所反応が1期に比べると、幼児と年齢が違いますから、そこも考慮しないとい  けないのだと思いますが、局所反応が少し多かったということだったと思います。  以上です。 ○加藤座長 ありがとうございました。以上で、一応、宮崎先生からの御意見に対するお  答えが出たと思いますけれども、この1案、2案、3案につきまして、ほかの委員から  の御意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○竹本委員 1案ですと、3年後の2010年で終えますから理想的には一番いいんじゃない  かと思いますが、実際にワクチンの供給というのは途絶えてしまったら意味がないこと  と、もう一つは、5年立法、3年立法の時限でやったとして、メーカー側にそれだけの  負担を掛けて、3年あるいは5年経ったときにぴたっとその数が減ってしまうと、工程  をつくった資本投入だとかそういう点でも問題が起きてくるのではないかと思います。  ただ、7年になると2015年に全部が終わることになりますので、案としては2案がいい  のかなという感じはいたします。 ○加藤座長 ありがとうございました。  ほかに御意見いかがでしょうか。 ○澤委員 私は2案に賛成いたします。やはりワクチン供給というのは非常に大切なこと  で、今年も流行時ワクチンを接種せよというキャンペーンで大分区も動いたところが多  いんですけれども、いざ打つとなったときにワクチンが不足したことが大きな問題とな  ったと聞いておりますので、やはりワクチンの安定供給というものを優先的に考えるべ  きだと思いまして、2案に賛成いたします。 ○加藤座長 ありがとうございました。ほかの委員はよろしゅうございますか。  それでは、大体御意見が出そろったと思いますが、この1案、2案、3案につきまして  は、第2案の御意見が多いようでございますので、取りまとめといたしましては第2案  といたしたいと考えますが、よろしゅうございますか。  (「異議なし」と声あり) ○加藤座長 ありがとうございます。  それでは、委員に御確認いただいたということで、第2案をこの検討会ではお勧めする  ということにいたしまして、先に進めさせていただきますが、計画案に戻って議論を進  めさせていただきます。  まず、最初のページに戻っていただきまして、「はじめに」というところがございます。  本計画を策定するに当たりまして、現状の分析、WHOの日本を含む西太平洋地域での  はしか排除の宣言を受けて取り組む必要性等々について記入されてございます。これに  ついて、どなたか委員の方で御発言がございましたら、お願いいたします。  1つ目の「○」では、今年社会的な問題及び混乱が見られたということ。その原因とし  て2つ目の「○」で、primary vaccine failure、secondary vaccine failure、ワ  クチンを接種していなかった年齢層がいたのではなかろうかということ。  それから、3つ目の「○」では、2012年までに日本を含むアジア西太平洋地域において  麻しんを排除する目標が決められているというようなことから、麻しん排除計画を策定  するものであるということで、「はじめに」で取りまとめてございますけれども、いか  かでございましょうか。このところは特に御議論がないということでよろしゅうござい  ますか。  それでは、順序を追って一つ一つ少し御討論をお願いいたしたいと存じます。  先ほど第2案に決まりましたので、「(2)予防接種を確実に行ってもらうための市町村の  取り組み」というところがございますが、このところで少し御意見を伺ってまいりたい  と思います。その中には、任意接種の件でありますとか、その他の件が入ってまいりま  すけれども、これらにつきまして御議論をいただきいと思います。全体を通じまして、  1にくくられました取り組みの計画書につきまして、何か御意見がおありの方、どうぞ  よろしくお願いいたします。95%以上の接種率達成・維持のための取り組みというとこ  ろで御意見がございましたらいただきたいと存じます。  まず、(2)で市町村に対する取り組みというのがございますけれども、何か御意見ござい  ますか。 ○澤委員 非常に簡単なことで恐縮なんですけれども、「1歳6か月健診及び就学時」の  前に3歳児健診というものも入れていただきたいなと思います。  もう一つ、(2)の項目で「予防接種を確実に行ってもらうための市町村」の中に「区市町  村」というふうに「区」を入れていただけたらと思います。 ○加藤座長 「確実に行ってもらうための市町村」のところに「区」を入れると。これは  事務局いかがですか。 ○三宅課長補佐 特別区ということでしょうか。 ○澤委員 そうです。 ○加藤座長 これは後の方で出てきましたかね。 ○澤委員 後ろの方には書いてあるんですけれども。  それから、「1歳6か月健診」の後に「3歳児健診」という言葉も必要かなと思います  が。 ○三宅課長補佐 定期接種が今1〜2歳と学校の入る前ということで、定期接種としての  予防接種の積極的勧奨の中に3歳児を入れていいかどうか、ちょっと現場のことが完全  に把握できていなかったんですが、定期接種の第1期、第2期に関しましても、3歳児  健診も関係してよろしいですか。 ○澤委員 済みません、ありとあらゆる健診と接触の場所で漏れ者がいますから、チェッ  クしておいた方がいいかなというのが私どもの意見であって、1期、2期のところだけ  を重点的に行うならば書く必要はないのかなと思いますけれども、一応そういうふうに  思いましたので意見を言わせていただきました。 ○三宅課長補佐 3歳児健診だと任意接種としての勧奨になるんですよね。 ○澤委員 1歳6か月健診で確実に打っていればいいですけれども、勧めたままで打って  いない方もいらっしゃるとすれば、せっかく3歳児で集めるわけですから、そこで再度  確認した方がいいかなと現場として思っただけです。 ○加藤座長 今の先生の御意見ですけれども、事務局からもございましたが、3歳児健診  ですと定期接種から外れた時期になりますので、それは就学時前健診で引っ掛かってく  るので入れなくてもよろしいのではないかという気がします。  それから、澤先生がおっしゃったことはその次に書かれてございます。要するに、中間  で接種したかどうかということをキャッチしたいという御意見だと思いますけれども、  その次の「・」に「各定期接種対象期間の中間時におけるワクチン接種の有無の把握と  未接種者に対する再度の接種勧奨」という文言が入ってございますので、ここのところ  で定期接種漏れ者がつかまえられる可能性があるのではなかろうかと考えましたが。 ○澤委員 わかりました、それで結構です。 ○岩本委員 質問なんですけれども、95%の接種率を国が目指すとして、市町村に依頼す  るというところで知らないものですから、財源的には国が補助するということになって  いるのか、市町村負担でやるのかというところをちょっと教えていただければありがた  いと思います。 ○加藤座長 これは、先ほどちょっとお話が出ておりましたが、事務局で説明していただ  けますか。 ○三宅課長補佐 予防接種法上は市町村が行うことが義務付けられております。市町村が  必要に応じて自己負担をとってもいいというのが法の体系でございます。一義的には市  町村が予算をとるわけでございますが、それに対しまして国としても交付税措置等で支  援をしているということで予防接種全体を行っています。 ○岩本委員 計画自身があるということですね。 ○加藤座長 これは、予防接種として国から財源が出るというわけではなくて、今お話し  になったように、地方交付税全部が行っているとは限らないかもしれませんが、一般的  には交付税の中から予防接種の料金が支払われると、これが予防接種の料金ですよとい  う形で地方に行っているわけではないけれども、交付税の中から地方自治体が予防接種  として料金を支払うというシステムでございます。 ○岩本委員 非常に単純な話なんですけれども、ざっくばらんに言うと、要するに財政破  綻しているところが、私のところはお金がないのでできませんと言うと、国が達成しよ  うとしてもそこの市町村がぽこっと抜けますよね。そういうことが起こり得るのか起こ  り得らないのかという質問だけですが。 ○加藤座長 それに関しては前回、私が竹本先生の御指摘に対して逆に御質問させていた  だいたわけですが、実際に現在日本の中で、はしかのワクチンを自費で、または自費に  近い形で接種している市町村がどの程度あるかということが問題となったと思いますが、  そのときたしか竹本先生は議事録では、はっきりとした数はわからないけれども、10%  以下であることは間違いないというような御意見だったと思いますが、先生よろしいで  すか。 ○竹本委員 その後調べてきておりませんが、その程度だと認識しております。 ○加藤座長 そんなに多いわけではございません。私も正確な数字はキャッチしてござい  ませんけれども。それが現状でございます。 ○飯沼委員 10%だったら大きいじゃないですか。 ○加藤座長 以下という。竹本先生の御意見がそういう御意見です。  ほかに何かございますか。 ○岡田参考人 質問です。3番目の各定期接種対象期間の中間時におけるワクチン接種の  有無の把握と、未接種者に対する再度の接種勧奨で、具体的にこの中間時というのはど  この年齢を表しているのでしょうか。 ○三宅課長補佐 済みません、日本語がわかりにくいかもしれませんが、例えば、第1期  ですと1〜2歳が政令で決められた対象期間となっております。ほかのところで最初の  3か月で集中的に接種勧奨を行おうと言っておりますので、6か月目ぐらいに接種を  ちゃんとしてもらったか、していないかを把握していただき、接種の対象期間の中で接  種をされていない方に対して、再度の勧奨を行っていただくよう市町村に依頼したいと  いうことでございます。 ○岡田参考人 1期では1歳半、2期では学校に入る前のちょうど半年ぐらいの子どもた  ち、今回の第2案ですと、13歳と18歳の間くらいのところでということでしょうか。 ○三宅課長補佐 補足的接種も13歳の1年間が接種の対象期間となりますので、最初の3  か月で集中的にお願いして、その後3か月後ぐらいに接種を本当にしたかどうかを確認  していただいて、再度の接種勧奨を行うということです。 ○岡田参考人 わかりました。 ○加藤座長 よろしゅうございますか。いつ厚生労働省が市町村に対して接種を確実に対  象者に対し通知するのか。一律に生まれた時に通知すればよろしいのか、または個別的  に例えば、運転免許証が切れたとき大体1か月前ぐらいに連絡が来るのと同じような形  で行うのか、さもなければ個別的に行うのか、または一律に行うのかとか、いろいろな  方策があろうかと思いますけれども、何らかの形で厚生労働省から市町村に対して対象  者に対する個別的な通知を行うということでございます。  ここのところで、ほかに御意見はございますか。 ○竹本先生 これはさっき澤委員がおっしゃったように、3歳児健診でもチェックした方  がいいのではないかと思います。実際、1歳6か月健診でやりますと50〜60%、2歳ま  でですから1歳6か月だとポリオの関係が入ってくると、大体半分ぐらいしか接種して  いない計算になって、あと接種勧奨がなされていないので、一応3歳でどのくらいかと  いうと、川崎市の場合3歳になると96%ぐらい接種している数が出てくるんですね。で  すから、実際2歳までに行われているか、2歳以上になったときにどのくらいかとチェ  ックする項目がないので、少なくとも3歳ぐらいで一回チェックして、やっていない人  に今後どうするかということを見ていった方がいいのではないかと思います。3歳児健  診に来た人数をチェックするのはそれほど大変なことではありませんし、川崎はもう十  数年保健所で実施しておりますので、市町村でやるのにそう負担は掛からないんじゃな  いですかね。135万人都市で実際にできているのが、それ以下の市町村でできないわけ  がないと思うので、できれば3歳児健診でもチェックした方がいいのではないかと思い  ます。 ○三宅課長補佐 3歳児健診は定期接種ではないんですけれども、任意接種の推奨の中に  入れられるのではないかという議論を実はしておりまして、その際に少しわからなかっ  たのが、3歳児健診で接種の有無を確認したと。それで接種はしていなかったときに、  どうお勧めすべきなんだろうかと。第1回目の4〜5歳の小学校の第2期はちゃんと受  けてくださいねと。それから、3年か4年経ったらもう一回、今度は任意になりますけ  れども、受けてくださいと推奨すべきなのか、3歳児健診のときにすぐに受けることを  検討してくださいと。任意での推奨を行った後に第2期はちゃんと小学校で受けてくだ  さい、小学校入学までに受けてくださいと。そうすると、後者でお願いした場合、間隔  が1〜2年しか開かなくなると思うんですね。その辺がよく議論し切れなかったもので  すから、今回3歳児健診はこの中に入っていないんですが、任意接種としての推奨の中  に3歳児健診を入れることは可能だと思っています。 ○加藤座長 ありがとうございます。その次の5ページ目に「(イ)任意接種としての接種  の推奨」というところがございまして、そこのところで「情報提供及び再度の予防接種  歴の確認を行う」と記載がございます。これが今まさに澤先生から御指摘があったとこ  ろであろうかと思いますので、このところでまだ未接種者はチェックしようと思えばで  きると。そこで接種される方は、小学校に入る1年前までにやる場合には任意接種でや  らざるを得ませんので、任意接種の方々を探すという方策としては、3歳児健診でチェ  ックをするということは有効であろうかと。今、竹本先生がおっしゃったのは3歳児健  診でどのくらいの接種率があるかを調べるという意味では意味はあるので、それは接種  率を見るという項目に入ってくると。それから、接種漏れ者に対しては、次の任意接種  のところでそれを盛り込めば片づくのではなかろうかと私は考えますが、それでよろし  ゅうございますか。 ○廣田委員 最初の「・」の定期予防接種対象者に対する個別通知のところですけれども、  これは「個別通知を含めた確実な周知」というような書き方にした方がいいんじゃない  かと思うんです。というのは、市町村のうちの町村の場合は、小学生、中学生には学校  と連携して個別通知せずに、それでほぼ確実な接種体制を整えているところがあるんで  すね。今回課題となるのは高校生の場合でして、高校生の場合だったら初めて個別通知  をせざるを得ない、しなければいけないという状況が出てくると思うんです。そういっ  たことを考えれば「個別通知を含めた確実な周知」というような書き方をしていただけ  ればと思います。 ○加藤座長 確実な周知。この件についてはいかがですか。特別大きな問題はないと考え  てよろしいでしょうか。 ○三宅課長補佐 確認いたしますと、「定期予防接種対象者に対する個別通知」を「定期  予防接種対象者に対する個別通知を含めた確実な周知」と修文すると。その理由といた  しましては、個別通知しなくても学校等で周知ができるからということでよろしいです  か。 ○廣田委員 町村で実際にそうやっているところが多いと思います。ただし、高校生は確  実に個別通知が必要になると思います。 ○三宅課長補佐 高校生は確実に……。 ○廣田委員 書かれなくてもいいんですけれども、町村だったら高校はないところがあり  ますから、そうなると、自分の管轄下の高校生には確実に個別通知しないといけないと。  高校に行っていない子もいると思いますから。 ○加藤座長 全体的にイメージとしては先ほどお話しいたしました、この検討会でやって  いることよりも、むしろ現在まで行われている定期接種に対して、より確実に接種率を  上げる方策という感覚で書かれているものとお考えになっていただいて、そこのところ  から固めようという考えでよろしいのではないかと思っていますけれども。事務局はそ  ういう考えでよろしいですね。 ○三宅課長補佐 一応、補足的接種も定期接種となれば、その間はここもこういうやり方  でやろうとは思っておりますが、基本的には95%達成した後の維持をしっかりするため  にも、こういうところが重要だと思って書かせていただいております。 ○加藤座長 よろしゅうございますね。 ○三宅課長補佐 済みません、宮崎先生からの意見でございますが、5ページの「(4)接種  を行いやすい環境作り」と関係すると思うのですが、6番目の中学生以降の接種では妊  娠の確認が重要である。かつて中学生女子に風しんワクチンを定期接種していたとき、  このことが話題になった。生ワクチンは妊婦には禁忌であるが、特にMRワクチンを使  用する場合には注意を要するということが書いてございます。副作用等の情報周知とい  うことを徹底すべきだということだと思っております。 ○加藤座長 ありがとうございます。宮崎先生から中学生以降で今度接種をすることにな  る可能性があるので、その場合には、生ワクチンはもともと妊婦に対しては禁忌になっ  ているところでありますけれども、この辺の対応はどうしましょうかという御質問・御  意見が来ておりますが、この件に関して委員の方々から何か御意見ございますか。 ○岡部委員 排除計画に書くところまではいかないと思うんですけれども、実施する上で  の啓発・説明においては非常に重要な指摘だろうと思います。そして、併せて宮崎委員  も触れられているんですけれども、(4)のところでやはり紛れ込みというものでは、私  たちが今まで行っている幼児に対するはしかのワクチン接種と違った形での副反応報告  であったり、今までとは異なった形の紛れ込み等々がありますので、この副反応に対す  るモニタリングというのは、やはり年長者が対象であるということを念頭に置きながら  やる必要があるし、また、そういうようなこともあり得るということをしっかり説明し  た上での接種が必要だと思います。特に、高校生対象になりますと、やはり妊娠という  のはMRを使いますから、十分に注意をしながらやる必要があると思います。 ○加藤座長 ありがとうございました。そうすると、予測から入っていく話と既に決まっ  たことに対する話とがごちゃごちゃになって非常にわかりにくくなってくるんですが、  そこのところを切り離して考えてみたときに、今まさにいわゆる中高の年代に対して接  種するということが決まったとき仮にしたときに、妊娠ということに対してどのような  注意書きをどの辺りに記しておいた方がよろしいか。予診票でよろしいのか、さもなけ  れば市町村または個人に対してそういうお知らせをするときに、具体的にその旨をお書  きして注意を市町村に促すという方向でいいのか、そういうことがございますので、2  つに分けて考えた方がよろしいと思います。  ですから、まさに現在討議されている高年齢者に対して接種するときの注意事項につい  て、今、岡部先生がお話しになった小さい子どもにやる場合と、ちょっとモニタリング  の方法を考えた方がよろしいだろうという御意見。  それから、妊婦に対しては蒲生さん、いかがですか。 ○蒲生委員 まず、中学生、高校生が妊娠したときに、妊娠に気づかないということが非  常に多くあるということ。それから、親御さんも気づかず、本当に臨月までわからなか  ったということもありますし、それから、本人が妊娠を知っていても隠したいという気  持ちが非常に強いですので、予診票でそれをチェックするのは無理かと思います。中学  生、高校生の女の子たちは、もし自分が妊娠をしていて風しんワクチンを打ったときど  うなるかということを全くと言っていいほど知らないと思うんです。ですから、妊娠中  に風しんにかかったとき、風しんワクチンを受けたとき、おなかの赤ちゃんがどうなる  のかということをきちんと知らせて、その妊娠を告知することが赤ちゃんを守ることな  んだということを知らせないと、予診票でのチェックでは無理ではないかと感じていま  す。 ○岡部委員 全くおっしゃるとおりだと思うんですが、ここにおられる委員の方はほとん  ど御存じだと思いますが、一方風しんワクチンによる先天性風しん症候群の発生の可能  性というのは極めて理論的なリスクであって、現実にはそういうことが起こってない調  査報告のあることもまた知りながらやる必要があると思います。当然、説明は十分に必  要ですけれども、過剰に危険であるという状態ではないということも一応認識しておい  た方がいいだろうと思って一言申し上げました。 ○竹本委員 かつて中学2年生が風しんワクチンを打ったときに、川崎市の問診票では妊  娠していますかということは直接聞けませんので、「現在、生理が遅れていますか」と  いう項目を1つつけて聞いたんですね。その後、本人に聞いても遅れているとなれば、  もう少し次の生理を見るまで待ちましょうということで解決してきて、事故は1例もな  かったと思いますので、そういう項目をつければいいのではないかと思います。 ○加藤座長 風しんについては、ずっと日本では中学生にやっていたという経験がござい  ますので、ある程度の注意事項が必要だと思いますけれども、何か御意見ございますか。 ○三宅課長補佐 済みません、関係ないんですけれども、先ほど後ろの方で少し聞こえに  くいというお話がありましたので、マイクを少し近づけてお話しいただければと思いま  す。済みません。 ○加藤座長 では、御協力のほどを。私からやらせていただきます。失礼いたしました。  ということでございますが、この件についていかがでしょうか。 ○脇口参考人 昔と比べると、やはり中学生、高校生の妊娠のリスクはずっと高くなって  おりますので、市町村からもそういう内容の喚起をするし、問診票にも入れるし、ある  いは学校での保健の教育でしょうか、そういうときにも伝えるということが必要ではな  いでしょうか。 ○加藤座長 ほかに御意見はいかがですか。  取りまとめますと、いわゆる実際に市町村に確実に接種していただくときの取り組み方  として、何らかの形で中学生以上の方々に風しんを含むワクチンを接種する場合におい  ては、妊娠との関係について少しコメントを付け加えた上での注意事項をつけていただ  くといったようなところでよろしゅうございましょうか。 ○三宅結核感染症課長 ちょうど6ページの「(ウ)その他」の「(1)予防接種の啓発・情報  提供」のところに「副反応に関し」というところがありますので、これに続いて「特に  妊娠との関係を含め、積極的に情報提供を行う」としていただければ。 ○加藤座長 ありがとうございました。6ページの最後の「(ウ)その他」の「(1)予防接種  の啓発・情報提供」というところに幾つかのことが書かれてございますので、そこに加  えたらどうかというのが課長の御意見でございますので、それを取り入れさせていただ  いて、そのような形で事務局でまとめていただけるとありがたいと思いますので、よろ  しくお願いいたします。  では、続きまして「(3)予防接種率を高めるための文部科学省への協力依頼」について何  か御意見ございますか。今度は中学生、多くの高校生に対して対象者が増えることにな  るかと思いますので、文部科学省の御協力が大変大切なことになってまいりますので、  ここに書かれているとおりだと思いますが、特に御質問はございませんね。  では、次に「(4)接種を行いやすい環境作り」については、いかがでしょうか。特に保護  者の同伴要件の緩和を行うというところについて、年齢がかなり大きな方になりますの  で、しかも個別接種であるといたしますと、保護者が同伴しなければならなくなってく  るということが今までの予防接種の規則になっておりますが、このところの緩和を行う  という形で書かれてございますが、何か御意見ございますか。 ○竹本委員 これも川崎市の例なんですけれども、保護者同伴である以上、接種した後に  学校に遅刻して行ったり、早退して行うわけですから、川崎市の場合教育委員会と約束  をしまして、学校をずる休みしたのではないという証拠を親がつかんでいるわけですか  ら、その時間を欠席とか早退という扱いにしないで、学籍簿には残さないという形でや  っておりますので、保護者同伴はやはり一応残しておいた方がいいのではないかと思い  ます。携帯で連絡がとれればいいではないかということにも一度なったんですが、携帯  に電話しても、会議中で電源を切ってあったり、外へ出ているから少々お待ちください  と1時間ぐらい子どもを待たせたという例もあるので、残すならばきちんとそういう措  置をとってからやっていただきたいと思います。 ○飯沼委員 2番目を拝見しますと、集団もあり得ると読むわけですか。 ○加藤座長 その御意見を伺いたいということでございます。 ○三宅課長補佐 現在、個別接種を原則としまして、やむを得ない場合は集団接種を行う  こともよしとするのが今の予防接種要領で書かれているところでございます。今回につ  きましては、学校等で接種を行う場合は集団接種になることも多うございますが、診療  所と同等ぐらいの設備と要件をもうちょっと厳しくした上でそういうことがある場合に  は、それはそれでやれるようにということを、やる場合についての条件をしっかり書く  上で周知をするということで考えております。済みません、お答えになっているでしょ  うか。 ○岡部委員 竹本委員のおっしゃったのは、保護者の要件は外した方がいい方なんですか、  外すとよくない方なんですか。 ○竹本委員 つけておいた方がいいのではないかと思います。 ○岡部委員 確かに、川崎市のように欠席扱いにしないというのは理想的だと思います。  しかし、今働いているお母さんあるいはお父さんの場合もありますが、全部が高校生あ  るいは中学生に付き添いで接種に行くという行動ができるかどうかということが随分議  論になったんですけれども、実際に困難な場合が多いと思います。そういう意味では保  護者が承認したということが判こ1つかもしれませんが証明されているならば、一応そ  れは受け入れてよいのではないかと思います。あとは時間的な問題で保護者がいなくて  もできるというふうにした方が、接種率向上という意味ではいいのではないだろうかと  いうことが、私たちの方からのプロポーザルでした。 ○加藤座長 先ほど既に議論いたしまして、委員の方々大多数から御賛同いただいて決定  しましたが、一応案といたしましては今度13歳と18歳でございますので、18歳の場合に  おいても限りなく保護者同伴でよろしいかどうかというところが一つ問題になろうかと  いうところで、この「保護者同伴の要件の緩和」という言葉になっていると思いますけ  れども。 ○竹本委員 高校生はまた別だと思います。中学生までと思っておりますけれども。 ○加藤座長 その辺のところは「緩和」という言葉で非常にあいまいなのでございますけ  れども、後々は詰めていかなければいけない問題だとは思いますが、表現としてはこの  ような形で当面のところはよろしゅうございましょうか。具体的に詰めの段階では、い  ろいろな今までの接種規則等もありますので、それらと勘案しながら厚生労働省の方で  政治的判断でお決めにならなければならないことが起きてくるかと思いますけれども、  当検討会といたしましては、保護者の同伴要件については緩和も考えるということでよ  ろしゅうございましょうか。  (「異議なし」と声あり) ○加藤座長 ありがとうございます。 ○脇口参考人 この補足接種に限っては、集団接種の方が接種率はずっと高くなると思う  んです。その場合に、先ほどおっしゃった診療所と同じレベルの対応ができるというの  は、具体的に言うとどの程度になるのでしょうか。 ○三宅課長補佐 課内で議論した際には、心肺停止までいかないショック状態にある程度  対応ができるようにしておくべきだろうということで、血圧計でございますとか、静脈  の確保、輸液、エピネフリン等の医薬品や弁付バックマスク等を考えてございます。 ○加藤座長 この辺は非常に難しいところでございますが。 ○脇口参考人 その辺の負担がどのくらいかというのは算定しなければいけないのでしょ  うけれども、その程度なら集団接種で対応できるのではないかなという気はいたします。  事故が起きたときの対応というのが、集団接種というのは非常にリスキーなところがあ  りますけれども。 ○加藤座長 これも、やはり先ほど来お話ししていることと似ていることでございまして、  一応我が国では個別接種を原則としているところでございますので、当検討会といたし  ましては、学校医とも連携した上で安全面で遵守すべき事項について別途定めて、これ  を周知するということでまとめさせていただいているところでございますので。 ○岡部委員 私もそういうまとめの方がいいと思うんですけれども、条件が整っていれば  集団で接種することもできるけれども、しかし、原則としていわゆる集団接種というの  は、予防接種の日本の考え方で一応かなり引いた形になっていますので、集団接種とい  う言葉で表すのは、むしろ不適切ではないかと思います。 ○三宅課長補佐 2点よろしいでしょうか。まず、1つ目の保護者要件でございますが、  予防接種を受ける対象者が中学生以上の者である場合に、保護者が同伴することが望ま  しいが、同伴が困難な場合にはこのようなことを行うと、そのような修文で書かせてい  ただければいかがでしょうか。 ○加藤座長 緩和という意味合いの具体的な内容ということですね。 ○三宅課長補佐 具体的な要件として、その後、同意の取得等もしっかり緩和の要件にな  ると思いますが、保護者が同伴することが望ましいと。ただし、困難な場合にはという  条件をつけることが前提条件と、それから、保護者の緩和の要件としては、同意の取得  がしっかりして、例えば、書面で医師の問診により当日の体調に急変がないと認めた場  合には予防接種を実施すること等の同意を取得するとか、事前にしっかりとしたワクチ  ンの効果と副作用につきまして情報提供を行っておくということが考えられると思いま  す。  もう一つの麻しんの補足的接種、個別接種のところでございますが、診療所レベルの要  件という先ほどの例示とともに、例えば、救急隊との連携等ということで、近隣の医療  施設への搬送手段の確保を事前に消防署に一応一声掛けておくとか、そんなことも例え  ば考えられるのではないかと考えております。 ○加藤座長 ありがとうございます。具体的なことで御説明いただきましたけれども、厚  生労働省としてはそのようなことをお考えになっている上で、安全面で遵守すべき事項  について別途定めるというようなことでまとめさせていただきたいということでよろし  ゅうございますか。ありがとうございます。  ほかによろしいでしょうか。では、先に進ませていただきます。「(イ)任意接種として  の接種の推奨」、ここのところで御意見がございましたら、どうぞ。  (1)医療従事者に対する推奨、(2)学校の職員への推奨、(3)福祉施設等の職員への推奨、  (4)その他の学生等に対する推奨、(5)医療機関受診者に対する推奨。  私が少し気になっているところなんですけれども、今度は中学校を卒業した後の方々が  対象になってまいりますので、厚生労働省と文部科学省との間の風通しをよくしていた  だくということは是非お願いしたいところですが、高校に入らない方もおられるわけで、  中学を卒業されて就学されない方もおられるわけです。その就学されない方々に対する  記載がちょっと漏れているかなというような気もいたしましたので、1項目、中学卒業  後就学しない者への推奨というものも加えた方がよいのかなという気もいたしますが、  いかがでございましょうか。その場合には、先ほど課長からも出ましたが、では、何を  推奨するのかといった場合には、広報等の啓発・情報提供というところで就学をしない  方々に対してはキャンペーンをするというような文言を加えていただくということでは  いかがかなと思いましたが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。 ○三宅結核感染症課長 確認ですけれども、高校3年生だけではなしに、高校3年相当の  年齢の方であれば、それは就学していなくても定期予防接種の対象ということになりま  すけれども。 ○加藤座長 そうでございます。そのために、それらの学年の方々がこの推奨の項目に入  っていないのではなかろうかと考えたわけでございます。 ○三宅結核感染症課長 ですから、ちょうどその年齢に当たる方は、任意接種ではなくて  今回の追加の定期接種の対象……。 ○加藤座長 ですから、その方々にも推奨しなくてはいけないので、その方々に推奨する  という文言をどこかに入れておかないと、私は高校は行っていませんよという方々に対  してどこで推奨するのかということが生じないかなというのが、私がちょっと考えたこ  となのでございますけれども。 ○岡部委員 座長のおっしゃることはよくわかるんですけれども、座長のおっしゃってい  るのは定期接種のところにそれをしっかり書き入れろということだと思います。今の議  論の任意接種のところには該当しないけれども、でも重要なことだと思います。 ○加藤座長 定期接種でやるんだけれども、その方々に推奨する場合には、方法として先  ほど課長がおっしゃったような情報提供という形で推奨する方法がとれるのではないか  と。要するに、文部科学省にお願いするわけにもいかないし、企業にお願いするわけに  もいかないし、では、どこにお願いするのかといったときに、個別にお願いしなければ  いけないんですけれども、個別に就職している方々を探すことはできませんので、それ  は広報的なメディアとか情報発信という形で推奨したらいかがでしょうかという意味で  ございます。 ○三宅結核感染症課長 わかりました。では、6ページの(ウ)のところにそういう内容を  入れるということですね。 ○加藤座長 同じようなことがまた後で出てまいるのでございますけれども。 ○竹本委員 (2)学校の職員への推奨ですけれども、幼稚園も文部科学省の範囲に入ります  ので、学校及び幼稚園の職員への推奨と言った方がいいのではないかと思います。保育  園・保育所は厚生労働省の管轄ですから(3)に該当すると思いますけれども、幼稚園は学  校なのて(2)に入れた方がいいと思いますが。 ○三宅課長補佐 (2)の学校職員の学校の場合は、学校保健法の中で幼稚園も学校に含まれ  るそうでして、(2)の「学校」には幼稚園も含まれるという理解です。 ○加藤座長 ということだそうでございます。よろしゅうございますか。  それでは先に進みましょう。「(ウ)その他」のところで「(1)予防接種の啓発・情報提供」  はいかがでしょうか。厚生労働省は関係機関と連携し、以下のような方法を通じて、予  防接種の重要性及び起こり得る副反応に関し、積極的な情報提供を行うということで  「・」が4つほどついてございますが、いかがでしょうか。  蒲生さん、いかがですか。 ○蒲生委員 何度かこの検討会で言わせていただいていますが、勿論皆様の御努力は重々、  感じておりますが、なかなか一般の皆さんには伝わっていないということが多々ござい  ました。相当なことをしないと読んでいただけないですし、見ていただけませんので、  しっかり伝えるということを是非やっていただきたい。そんなことは知らなかったと言  うお母様に日々お会いして御説明を申し上げていますので、是非よろしくお願いしたい  と思います。 ○加藤座長 ありがとうございます。かなり強力な広報活動をしていただきたいという御  意見だと思いますけれども、ほかにございますか。 ○澤委員 今回の麻しんの流行の際もマスコミの力というのは非常に大きくて、接種率に  関しましても非常に大きな効果があったと。マスコミが報道をやめた途端に問い合わせ  も何もかもぷっつりなくなったと現場の人から聞いておりますので、広報というのは常  に継続的に、強力にやっていかないと、5年間という区切りがありますから期待はして  おりますが、その辺注意しないと、ちょっとあれすると忘れてしまうということがあり  ますので、是非どこかに「継続的に、強力に」みたいな言葉も入れていただけたらと思  いますので、よろしくお願いします。 ○加藤座長 ありがとうございます。積極的に情報提供を行うということがありますが、  強力にともっとパワーを加えた文言にしていただきたいという御意見でございますので、  事務局の方々に座長からもお願いいたします。  ほかにいかがでございますか。よろしいでしょうか。  それでは、先に進ませていただきます。「(2)予防接種の証明に関する情報」について、  御意見がおありの方は承りたいと思います。  最初の「○」で、予防接種歴の確認を容易にする環境づくりを行うという、なかなか難  しい表現が出てまいりますが、この辺はいかがですか。従前から話題になっております、  いわゆる予防接種手帳というようなものをどうしましょうかということが、この環境づ  くりの中に若干入ってくるかなという感じもいたしますが、お一人かお二人、何か御意  見がございましたら、お伺いしたいと思います。 ○岡部委員 予防接種手帳のようなこと、直接これには書いていないと思うんですけれど  も、これは数年前の加藤先生の前の神谷先生が座長の頃の検討会で既に決定事項として  扱われていることですので、それぞれの人が母子手帳とは別にそういうレコードを保持  して、いつでもわかりやすくするという方策はやはり必要だろうと思います。 ○岡田参考人 岡部委員と全く同じなんですけれども、実際にはそれが実施されていない  んですね。具体的にどういうふうに実施していくかというところを書いていただければ  ありがたいと思います。 ○加藤座長 ここのところを具体的に書くのはなかなか困難なところもあるので、平成6  年のときから実はこの話は続いていて、もう12年ぐらい経っているわけで、それが進ま  ない理由は多分それだけの理由があるのではなかろうかと推察するわけでございますの  で、文言といたしましては環境づくりを行っていただくということで、最終的にはこの  言葉で健康局長にお願いをいたしたいと考えますが、もう少し積極的な御意見が委員の  中からあればお伺いします。 ○竹本委員 私は予防接種手帳というのは要らないんじゃないかと思います。今の母子手  帳をもう少しページ数を増やして1冊でいった方がいいんじゃないかと思います。今後  ワクチンの種類が増えたり、そのたびに予防接種手帳がいろいろ改正になると、市町村  がつくるのにそのたびに改正しなければいけないので、書く欄を増やしておいて予防接  種が増えても対応できるようにしておけば1冊で済むのではないかと思います。 ○蒲生委員 予防接種手帳をつくるかつくらないかということは、もう12年も経ってでき  ないということはそれなりの理由があるのでしょうけれども、だとしたら、母子健康手  帳は予防接種のワクチンの履歴がきちんとわかるようになっていますので、それをまず  活用してはどうでしょうか?母子手帳をお渡しするときに、これは20歳になるまできち  んと保管しておくということを強くお願いして、皆さんが保管をしてさえすれば、今の  ものが活用できるのではないかと思います。 ○加藤座長 ありがとうございます。  今後13歳、18歳で接種をすることになります。要するに、今までの母子手帳は概念的に  は乳幼児期の予防接種を行う記載になってできているものでございまして、少し概念を  変えなければならない可能性が出てきますね。今年問題になったのは大学生のはしかで  す。したがいまして、従来の子どものときのことだけを頭に入れておきますと、不都合  なことが起きる可能性もある。大学生がこれからカナダに行くのだけれども、私は予防  接種をしていたのであろうかと故郷のお母さんに連絡をしなければいけないと。お母さ  んはどこに行ったか探してもなかったということも起きる可能性がなきにしもあらずで  あろうというようなところから、予防接種手帳というものも何らか工夫して、今の母子  手帳からはぎ取れるような形で、ダブルコピーのような形で両方残しておいて、個人も  持てるような形にするとか、いろいろな工夫はあろうかと思いますけれども、そのよう  な意味で環境づくりを行うという言葉でまとめていただいたのだと思いますが、もう一  方ぐらい御意見ないでしょうか。 ○脇口参考人 感染症研究所が中心でソフトウェアをつくるということが短期で本当にで  きて、本人も含めて容易に利用できるようになれば必要時に必ず出てきますよね。です  から、その辺の体制づくりを早急にしていただくということが重要なのではないでしょ  うか。母子手帳は母親が持っている間はかなり確保できるんですが、本人に渡すと若い  うちはどこへやったか本当にわからなくなってしまいます。ですから、予防接種手帳が  あってもなくす人が非常に多いだろうと思いますので、多分その辺が現実に実施できて  いなかった理由ではないかと推察するんですが、このソフトウェアを何とかここに書い  てあるものをしていただきたいなと願う次第です。 ○加藤座長 話題が下の方に行きましたが、ソフトウェアの開発はそれなりにまた大変な  ことが生じると思いますが、とりあえずのところ予防接種歴の確認を容易にする環境づ  くりというところで今お話をいただいているところですけれども、その辺はいかがでし  ょうか。 ○岡部委員 (2)の御指摘をいただいたところは、責任を持ってつくります。 ○加藤座長 これが責任を持ってつくっていただけるような時代が来れば、やがては個人  が海外に行くときにも個人情報は自らキャッチできるということですね。そうなった場   合には、母子保健手帳に予防接種の記載がなくてもよいということになってしまう、何  だか難しい問題に発展しそうな感じもしますけれども、それはまた別問題ですね。その  ソフトウェアの開発が台帳の代わりになるということですね。  このような文言でよろしゅうございますか。 ○岩本委員 2番目は、文言だけの問題なんですけれども、「国立感染症研究所において」  の次に保存し、提供し、開発し、利用するとあるので、「感染症研究所において」とい  うのは「ソフトウェアを感染症研究所において開発し」というふうに順番を変えた方が、  目的がはっきりすると思います。 ○岡部委員 ありがとうございます。 ○加藤座長 それでよろしいですか。文言の順列の問題でございますが、それが明確であ  ろうと思います。  そのほかはよろしゅうございますか。  「(3)集団生活を送る児童・生徒に対する麻しんに関する情報提供」については、いかが  でしょうか。  ここも先ほどと同じことが出てまいりまして、集団生活を送る生徒・児童は文部科学省、  大学、専修者、幼稚園、福祉施設等の集団生活者、保育所等の入所の機会、職業訓練所  等が入ってくるんですけれども、やはりこれは中学を卒業して以降就学していない者へ  の定期の予防接種に対しての情報提供というような言葉がまた抜けますので、この辺も  文言として書きますと大きな問題ではないような気もすると思いますが、やはり高校に  入らない方もおられるので、その方々に思いを寄せて、就学していない方に対しても情  報提供はきちんといたしますという言葉を入れていただきたいなと考えるのですが、何  か御意見ございますか。よろしいでしょうか。  それでは先に進みます。「2.評価体制の確立」の「(ア)麻しん発症の把握」について、  御意見がございましたら、いただきたいと思います。 ○岡部委員 麻しん、ここには風しんも後で出てくるわけですけれども、やはりきちんと  した対策をとるためには、従来の定点把握では十分に情報としてもキャッチできないの  で、適確な対策に結びつかないだろうというのは、いろいろな各方面からの今までの御  意見であったと思います。小児科学会の方も要望書というような形でそういうこともお  願いしていたわけですけれども、今回アイデアを出したときに、例えばWHOは、はし  かについてはすべて実験室診断を求めるというような形を言っているわけですが、ただ、  現在の我が国ですべてにラボ診断を求めるということになると診断的には非常に確実性  は増すんですけれども、一方では、通常の臨床現場で、熱があって発疹があってはしか  かなと思ったすべての人の血液をとって、2週間後に来なさいとかPCRをやりましょ  うと言うことはなかなかできなくて、むしろ麻しん発生の補足率が下がる可能性がある  ので、臨床診断ということを一つ置いておきました。その上で、できるだけラボ診断を  やっていただくというお願いを一言入れて頂くようにしました。  そして、もうちょっと発症数が少なくなってきたときは、これが確定的にはしかなのか  どうかというのはeliminationになってきたときは本当に必要なので、それはそのとき  のこととして今後変更し得る方向性として一つ置いておいていただいたというのはいい  方法ではないかと思います。 ○加藤座長 ありがとうございます。全数把握に変更していくのが望ましい。当面のとこ  ろはまだ人数が多いし、はしかの患者さんもおりますので臨床診断で報告していただく  ことで十分であるが、これがかなり人数が絞られた段階においては、検査したものを提  起として入れるということにしていただきたいという御意見でございます。これは後ろ  の方に出てまいりますけれども、またそのときに竹本先生の資料もございますので御意  見をいただきますが、この件に関してはよろしゅうございますか。  3つ目の「○」で、ちょっと日本語がわかりにくいので、「厚生労働省は感染症法施行  規則を改正し」、誰がが抜けておりますので、「診断医が麻しんの臨床診断による報告  もしくは検査室診断で確定診断した症例について保健所に報告を行うようにする」とい  う文言を入れていただきませんと、ちょっと文言が成立していないような感じがいたし  ましたので、誰がどこにというところを加えていただくということで調整できると思い  ますが、よろしゅうございましょうか。  そのほか(ア)はよろしゅうございますか。 ○三宅課長補佐 宮崎先生の意見でございますが、8番、全数報告では検査診断のシステ  ムを整える必要がある。風しんウイルスの分離などは現実的ではないだろう。その他の  検査方法についても検の輸送方法や受入先などの詰めが必要で、地方衛研と感染研の役  割分担も整理すると書いてございます。 ○加藤座長 とりあえずのところは臨床診断ということでよろしいかと思いますが、ほか  はよろしゅうございますか。  それでは先に進ませていただきます。「(イ)予防接種実施状況の把握」についてでござ  います。これは先ほども御意見がございましたが、この件についていかがでございまし  ょうか。  「(1)予防接種の実施の評価に資する情報の把握」ということでございまして、予防接種  率の把握ということでございます。これは保健所長から率について情報提供を依頼する  ということ。それから、後ほど出てまいりますいろいろな協議会をつくったらどうかと  いうお話がありますが、そのときには文部科学省にも協力を依頼するということ。学校  での予防接種率に関する情報を把握すること。それから、先ほども出ましたが、やはり  これもソフトウェアの開発が出てまいりまして、市町村での予防接種の状況の把握等は  台帳として機能するソフトウェアを感染研において作成して、希望する市町村がそれを  利用できるようにするという接種率の状況把握の案でございますが、この件に関してい  かがでございましょうか。 ○岡田参考人 ここで書いていいのかわからないんですけれども、情報が提供された後、  その情報の還元をどこかでしないといけないのかなと思います。それはどこかに入れて  おいていただければと思います。 ○加藤座長 情報提供した後でその結果がどうなっているかということですね。 ○三宅課長補佐 公表等ではなく、調査した団体に直接返送するところまでも書いた方が。  いただいた調査をちゃんと公表するということをもって代えてはいけないでしょうか。  その辺どこまで書くかなんですが。 ○加藤座長 このような接種状況を把握するためにいろいろな機関に依頼をいたしまして、  私案ですけれども、厚生労働省から現在の日本での接種率が大体どのくらいの状況であ  るということを定期的に公表していただくというような案ではいかがでしょうか。 ○岡部委員 具体的にした方がいいとは思うんですけれども、今までも実際にWHOに対  しては本当はレポートをしなくてはいけなかったのがレポートが定期的には出ていない、   あるいは本来は早急にしなくてはいけないんですけれども、国内でも数年経たないと出  てこないといったようなことがこういうことで改善されるだろうという意味になると思  います。フィードバックする場は今までもありますし、定期的にやる必要があると思い  ます。それから、9ページに国の麻しん対策委員会、National measles elimination  committeeという英語の名前もついていますが、こういったようなところで評価して次の  対策に結びつける一つの重要なツールになるだろうということも含まれています。 ○三宅課長補佐 先ほどの実施体制の確立の(ア)と(イ)の対策委員会の評価するところに  「公表」という言葉を書かせていただいてはいかがでしょうか。 ○廣田委員 (1)の最初の「○」でございますけれども、これは現在情報を集めている地域  保健報告とは別のやり方で集められるということですね。 ○三宅課長補佐 予防接種法で保健所長に予防接種率を報告することになっておりますの  で、その情報を現在の統計も非常に重要ではございますが、時間が少し掛かりますので、  もうちょっと早くできるように、あれとは別途依頼をして情報収集ができればと考えて  おります。 ○廣田委員 具体的にはどういうイメージをしていらっしゃるんですか。 ○三宅課長補佐 具体的には、基本的に対象者数とその中でどれだけ接種していただいた  かと。余り多くのデータを求めると負担になりますので、なるべく少なく、かつ迅速に  と考えております。 ○加藤座長 比較的はしかも風しんも年齢が従来の12か月から90か月という幅広でなくな  りまして、接種年齢層がかなり狭まりますので、接種率の算定は割合と今までよりは易  しくなるかなと、しかも、正確な数値が出てくるかなと考えております。  ほかにいかがでしようか。よろしゅうございますか。  「(3)副反応報告の迅速化」、これは先ほど岡部先生がお話しされましたが、もう少し追  加はありますか。よろしいですか。 ○三宅課長補佐 宮崎先生から、多分5)が関係すると思うのですが、日本脳炎の3期が  廃止になったが、中学生以上の接種であり、乳幼児とは違った紛れ込みが起こり得るこ  とに注意する。多発性硬化症や他の自己免疫疾患、うつ、統合失調症、クラブ活動時の  不測の出来事など。日本脳炎ワクチンで観察された程度の紛れ込みはあり得ることを承  知しておく必要があるということが言われております。 ○加藤座長 ありがとうございます。これは先ほど岡部先生から御発言がありましたとお  り、従来の乳幼児に接種する場合と違った場合が出てまいりますので、副反応、特に紛  れ込みと思われるような症例が出てくる可能性があるので、そのモニタリングについて  は十分に注意していただきたいという御発言がありましたので、その文言が入ってくる  かと思いますので、宮崎先生の御質問に対してはよろしゅうございますね。 ○岡田参考人 もう一つ、副反応報告の迅速化のところで、先ほど申し上げたように公表  というか、情報の還元をしていただければなと思います。 ○加藤座長 情報の還元は先ほどの事務局からの説明では、次に出てまいります実施体制  の確立というところに出てこないかという案でしたね。そこで考えたらどうかという事  務局案が出てまいりましたので、そのところでもう少しディスカッションいたしましょ  うか。  これまでのところはよろしゅうございますか。それでは、先に進ませていただきまして、  「3.麻しん発生時の迅速な対応」ということでございます。これはここに書かれてい  るとおりでございまして、岡部先生から説明していただけますか。 ○岡部委員 積極的疫学調査ですね。今後のはしかの対策としては、どこかで集団のアウ  トブレイクが起きた場合には、そこで起きたということだけではなくて、周辺には必ず  感受性者がいるはずですので、その感受性者の把握であったり、あるいは場合によって  は緊急のワクチン接種というようなこともあるかもしれませんけれども、そういうもの  に対して積極的な疫学調査を含めながら対応を行う。ただし、それすべてが例えば感染  研なり国が積極的疫学調査を行うということではなくて、本来は周辺の状況として自治  体あるいはそこの集団でやっていただくことになると思うんですけれども、そのサポー  トはやはり国がやる必要があると思います。逆に本来あるべきところがもし動いていな  いということであれば、それについて国がやるということを促すというようなシステム  を、もう一回改めて書いてあるというようなことだと思います。その対象としては、は  しかというのは十分に対象疾患になり得るということになると思います。  ちょっと付け加えるならば、これまでは定点観測の疾患であって5類の定点であるとい  うことから、法律上きっちり対応の対象になるのかどうかということがいろいろなとこ  ろで、特に自治体で議論があったようですけれども、これがあると目標としてのはしか  対策ということにして取り掛かれるのではないかと思うので、書いていただことは大賛  成です。 ○加藤座長 ありがとうございました。この件に関しまして、委員の中から御意見ござい  ましょうか。よろしいですか。感染研のお仕事が増えてしまうということになりまして、  極めて重大な役目を負うことになりますが、このようなお願いをいたしたいということ  でございます。  それでは、最後「4.実施体制の確立」でございます。これは全く新しい発想でござい  まして、このような検討会で対策を立てるだけでなく、今後どうしたらよいかというこ  と、どのような組織をつくりつつ監視をしていくか、サーベイしていくかということの  具体例がここに書かれているとお考えいただきたいと思います。  (ア)は、国としてはしかの対策委員会をつくって、そこでここに書かれているような役  割を行うということ。(イ)は、地方自治体の対策会議を設置して、それは厚生労働省が  基本計画を立てまして、それに対して各自治体が対策会議等を設置して、今後これから  つくるような計画に対して、先ほど岡田先生からも出ましたが、それが実働しているか  どうかというような評価を毎年行いながら、評価委員会をつくって今後麻しん対策を継  続して行っていくという実施体制の確立の案でございますけれども、この案について御  意見がございましたらお伺いしたいと思います。 ○三宅課長補佐 先ほどの件でございますが、(イ)に「重篤な副反応報告等を把握し、地  域の計画の進捗状況を評価し」というのがございます。先ほどのところも踏まえますと、  ここにこれらについてしっかり公表するという「公表」の文字を入れさせていただきた  いと思います。 ○加藤座長 ありがとうございます。そこのところに公表する旨をきちんと文言として加  えるということでございます。  ほかに御意見ございますか。特に御意見がないようですので、この実施体制の確立につ  いては、事務局作成の案をお認めいただいたと考えます。ありがとうございます。  それから、もう一つ、竹本先生から出ております報告届の基準について、別添の資料が  ついてございましたけれども、その件について討論がちょっと進んでおりますので、10  分ほど使ってお話ししていただければと思います。 ○竹本委員 これは川崎市が現在、全数把握するために会員にアンケートを調査している  わけです。一番最初に報告がありました八王子で発生した創価大学から一番近い町田市  と多摩市に挟まれたところから川崎市が続いておりますので、4月の2週から全数把握  をしなければ、小田急の沿線では北の方から、はやり始めるのではないかということで  全数把握をしてきました。  現在までに367例の発症を見ておりまして、7月22日までですけれども、こういう状態に  なりました。とにかく発生したらすぐ実数を把握するということが大切だと思いまして、  検査項目とかそういうことはともかく、臨床診断だけでこのように診断を書いていただ  いて、診断日と住所というのは、その子はどこに住んでいるか、あるいは学校に行って  いるか、保育園に入っているかということで全部書いてもらうので、保育園で何か所、  ここでは何人の子が発症してるよということがつかめるようにしたのと、学校等の所在  地ですけれども、学校で教育委員会の協力が得られませんでしたので、このような形で  学校の名前を書いていただくということで先生方から出ております。  ただ、はしかを見ているのが小児科とか内科だけではなくて、小児科外の先生を受診し  ているケースもありますので、実際に予防接種歴や罹患歴が把握できなくて不明という  ところもありますけれども、一応の発生状況は見られたのではないかと思います。  2枚目ですが、年齢と予防接種の対象を調べたことによって、0歳では打っていないの  で当然のこととして、1歳で3名、それからちょっと疑問なんですけれども、6歳、  7歳、8歳のワクチンを打っていながらこれだけかかっているという理由は分かってお  りません。大体12歳ぐらいまでがほとんど打っていればかからないと。そうすると、13  歳以上から増えていっていますので、ワクチンの効果というのは大体10年近くいくので  はないかと思えます。この表を見るとわかりますが、一番多いのが15〜20歳ぐらいまで  で、人数を早期に把握するという意味では、この程度のアンケートでも十分ではないか  という感じがいたしましたので、一応資料として出させていただきました。 ○加藤座長 ありがとうございます。そうすると、竹本先生、先ほど事務局から出ました  参考資料のはしかのいわゆる調査票は、どのようにお考えでございますか。別添資料  1−2ですね。 ○竹本委員 臨床医から見ますと、診断方法でいろいろ出ていますけれども、PCRに関  しましては一般の医療機関は検査できません。それから、ペア血清も日数が掛かります  し、IgMでも早くて4日ぐらい掛かりますので、むしろ臨床から見たら、診断方法を下  に下げて、初診年月日とかそういうものを上に上げて、とりあえずは診断方法のそうい  った項目を早く出してくれとした方が、データ的には検査が出てから出そうかな思って  いる先生はどうしても遅くなってしまいますので、位置を変えた方がいいのかなという  感じはいたします。 ○加藤座長 岡部先生、いかがですか。 ○岡部委員 今の発生届はほかのものと横並びになっているので、これだけ余り特異的な  ものを使うと、かえって記入するところで混乱が起きやすいだろうというのがあります。  それから、先ほど申し上げましたように、本来であればラボ診断というのが鑑別診断上  これからますます重要になってくると思うんですけれども、現状から言うと先生がおっ  しゃるように全例PCRといったようなわけにはいかないので、臨床でとりあえずは届  けていただくということを維持しながら、できるだけラボ診断に移行していくような形  に、その辺はできるだけソフトにやっていきたいと思うんですが、しかし、近い将来に  は恐らくもっと発生数は少なくなるでしょうし、その場合には正確な診断にもとづいた  把握が必要ですので、ラボ診断をやっていただくというようなことになると思います。 ○加藤座長 そうすると、実際にスタートする段階では別添1−2でも竹本先生は不都合  はないと考えてよろしいでしょうか。 ○竹本委員 ゆくゆくはそういう形にしていかなければいけないと思いますけれども、今  年はとにかく臨時的にはやったものですから、データをとにかくとって早く処置をしな  ければいけないということで、こういう形にしました。 ○加藤座長 わかりました。そうすると、要望としては多分来年くらいからこれがスター  トする可能性が高いと思いますが、その段階では準備が整うと考えてよろしゅうござい  ますか。 ○竹本委員 はい、結構でございます。 ○加藤座長 いろいろ御意見もあると思いますので、この件については感染研も事務局と  少し御相談をされて、よりわかりやすい形にするか、または統一的なものにするかとい  うことを決めていただくということでよろしいかと思います。  ほかに御意見ございますか。 ○三宅課長補佐 宮崎先生からなんですが、別添1−1の臨床的特徴につきまして、潜伏  期間が通常1〜2週間と書いてございますが、麻しんの潜伏期1〜2週間は楽過ぎる、  10〜12日とすべきではないかという御意見をいただいております。 ○加藤座長 そのようなコメントをしていただきましたので、そのように訂正させていた  だきたいと思います。 ○岡田参考人 発生届のところで、とりあえず臨床診断で出したときに、次に検査をした  報告ですけれども、また同じ報告書を使うということになるのでしょうか。 ○岡部委員 追加して連絡いただければ、それは直すことになると思うんですね。ただ、  求めとしては必ずラボ診断が要るというわけではない。臨床診断を行って、そうすると  同じところで、例えばPCRの検査が出たのか、あるいは否定されたのかといったこと  を連絡していただければいいと思います。 ○岡田参考人 そうすると、前回の臨床診断のものと検査で上がってきたものがダブルこ  とになりませんか。 ○岡部委員 差し替えになると思います。ダブらないということです。 ○加藤座長 よろしゅうございますか。ありがとうございます。  いろいろ御意見をいただきました。議論が尽きないところでございますけれども、一応  ここで意見を取りまとめさせていただきますが、本日4つの柱を設けさせていただきま  した。95%以上の接種率の達成、維持のための取り組みというところにつきましては、  これからお願いいたします中学生・高校生等に対するはしか及び風しんの接種について  は第2案を各委員から御賛同を得ましたので、取り上げさせていただくということでご  ざいます。  また、その他定期としての予防接種の積極的な勧奨、任意接種としての予防接種の推奨。  それから、2本目の柱の評価体制の確立は、はしかの発症の把握でありますとか、実施  状況の把握、また、それに対する評価といったようなこと。それから、麻しん発生時の  迅速な対応。今お話が出ました実施体制の確立という点につきまして、事務局で作成し  ていただきました原案がほぼ委員の先生方の御賛同を得られたところかと思いますけれ  ども、今お話に出ましたような報告の届出の基準をもう少し簡略にできるかどうかとい  うようなことですとか、または同伴者の要件をどのような形で緩和を詰めたらよいかと  いうようなこと、また、予防接種の既往について正しく本人が知るためには、いわゆる  感染研で行うところのソフトウェアを利用する方法がこれからは適しているが、予防接  種手帳についてもどのようなことを考えたらよいかというようなことも、まだ今後考え  て議論をしていく必要性はあろうかと。本検討会の大きな柱としては、中に組み入れな  くてもよろしいかとは思いますけれども、更に引き続き検討の余地はあろうかと思いま  すので、また次回に機会がございましたら、この辺りを是非検討していただきたいとい  うことでございます。  このようなところで、いろいろな御意見やほかにも修正した御意見もございますので、  各委員からいただきました御意見を取りまとめさせていただきまして、私、座長に一任  させていただければと存じますが、よろしゅうございますか。  (「異議なし」と声あり) ○加藤座長 ありがとうございます。それでは、皆様方の御意見をいただきましたので、  事務局とともに一部修正をいたしまして、麻しん排除計画といたしまして各委員に送付  させていただきたいと存じます。  また、本日ほとんどの先生方の御意見がまとまったと私は判断いたしましたので、外口  健康局長に対しまして、ただいまから配付させていただきます当検討会の意見を付しま  して、これを強く局長に御報告いたしたいと存じますので、事務局は資料の配付をお願  いいたします。  (事務局、資料配付) ○加藤座長 (資料朗読)  ただいま配付いたしました報告書に記載したとおりでございますが、当検討会といたし  ましては同計画を基に、国としての麻しんの排除計画を作成するとともに、速やかに計  画に基づいた対策を遂行いたしまして、麻しん排除に向けて全力で取り組むということ  を強く要望いたしまして、麻しん排除に関する議論をここで終了いたしたいと存じます。  どうもありがとうございました。  最後に、事務局から何かございましたら、お願いいたします。 ○山田課長補佐 ここで局長より一言ごあいさつ申し上げます。 ○外口健康局長 委員の皆様方には、御多用中にもかかわらず、短期間の間に集中的に御  検討をいただきました。誠にありがとうございます。また、貴重な御意見や有意義な御  議論を賜り、深く感謝を申し上げます。  WHOが麻しんを排除する目標を定めている中で、我が国において本年のような麻しん  の流行を二度と繰り返さないために、国としていかなる対策をなすべきか、その方向性  がこの検討会における御議論によりまして明らかにされたと思われます。  検討会より御提言いただきました麻しん排除計画案を基にして、国としても今後の麻し  んの流行防止のため、効率的かつ具体的な計画を策定し、実施していきたいと考えてお  ります。実施に当たりましては、これから政省令の改正、ワクチンメーカーとの相談や  関係各省との協議など、まだたくさんの課題がございますが、来年以降の実施を目指し  て準備を進めてまいりたいと考えております。  最後になりますが、委員の先生方には重ねて感謝を申し上げ、簡単ではございますが、  あいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。 ○山田課長補佐 事務局より連絡でございます。次回の検討会でございますが、8月10日  金曜日を予定しております。場所はこの場所でございます。時間については、後ほど御  連絡をさせていただきます。  それでは、本日は長時間にわたり御議論いただき、誠にありがとうございました。これ  をもちまして終了とさせていただきます。 - 1 -