07/07/25 独立行政法人評価委員会国立病院部会第20回議事録掲載 独立行政法人評価委員会 国立病院部会(第20回) 平成19年7月25日(水) 厚生労働省 省議室 ○政策評価官  定刻になりましたので、ただいまから第20回の独立行政法人評価委員会国立病院部会 を開催させていただきます。  委員の皆様におかれましては、お忙しい中、またお暑い中をお集まりいただきまして、 まことにありがとうございます。  本日の国立病院部会は、6月30日付で委員の改選がございましたものですから、新し いメンバーの方を交えた初めての部会ということでございます。後ほど、部会長を御選 出いただくまでの間、政策評価官でございます私、中島が議事の進行を務めさせていた だきます。よろしくお願い申し上げます。  本日の議事について御説明いたします前に、先般の19日には災害医療センターと村山 医療センターの御視察をいただき、また、関西にお住まいの辻本委員におかれましては、 7月9日に松籟荘病院を御視察いただきまして、まことにありがとうございました。今 回の視察内容も踏まえまして、本日以降の国立病院機構にかかわります評価の参考にし ていただければ幸いでございます。よろしくお願いいたします。  それでは初めに、新たな委員の先生もおられるということで、委員の先生方の御紹介 をさせていただきます。お手元の資料の1−1、委員の名簿に即して御紹介をいたしま す。  まず、正委員でございます。  大道久委員でございます。  猿田享男委員でございます。新任でございます。  住田光生委員でございます。  田極春美委員でございます。新任でございます。  永井良三委員でございます。新任でございます。  渡辺俊介委員でございます。  臨時委員でございます。  辻本好子委員でございます。  夏目 誠委員でございます。  山田 史委員でございます。  また、7月13日付で厚生労働省の人事異動もございましたので、御紹介させていただ きます。沖部国立病院機構管理室長でございます。  それでは、議事に入らせていただきます。お配りしております資料の議事次第で議事 の1.部会長、部会長代理の選出でございます。本評価委員会令においては、「部会長に ついては委員の互選により選任する」と定められているところでございます。どなたか 御推薦等いただければ幸いでございます。 ○大道委員  学識、御経験豊富でいらして、この分野で非常に幅広い御見識をお持ちになられまし て、また、去る7月4日の本評価委員会総会において委員長代理に選任をされました猿 田先生に本部会の部会長を兼ねていただくことが適当だと思われますが、いかがでござ いましょうか。  (「異義なし」の声あり) ○政策評価官  猿田先生、よろしゅうございますでしょうか。 ○猿田委員  不慣れですけれども。 ○政策評価官  それでは、猿田委員を部会長にという御推薦がございましたので、部会長をお願いい たしたいと思います。以降の議事進行につきましては、よろしくお願いをいたします。 ○猿田部会長  不慣れでございますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。  まず最初に、部会長に何か事故が起こりましたときに、その代わりをしていただく方 を決めなければいけないということで、部会長代理を決めたいと思いますけれども、も しよろしければ私の方から、やはりこの医療制度の関係では非常に幅広い見識がござい まして、またいろいろな点でも大変活躍されておられます永井委員に部会長代理をお願 いしたいと思うのですけれども、どうでしょうか。  (「異義なし」の声あり)  ありがとうございました。それでは永井先生、よろしくお願いいたします。 ○永井部会長代理  慣れない仕事ですけども、是非よろしくお願いいたします。 ○猿田部会長  それでは、早速、議事に移らせていただきたいと思います。  まず最初に、7月4日に第18回独立行政法人評価委員会総会が開催されまして、そこ での決定事項その他につきまして事務局から御説明いただけますでしょうか。よろしく お願いいたします。 ○政策評価官  それでは、私から説明をさせていただきます。資料1−2、参考1、参考2という資 料でございます。  まず、資料1−2でございます。6月30日をもちまして評価委員会の委員の先生方の 任期が満了いたしましたので、委員の改選を行わせていただいたということでございま す。基本的に政府の審議会でございますので、70歳を超える方は原則難しい等々がごさ いまして、委員の方を一部改選をさせていただいたということで、7月4日に新委員に お集まりいただき、総会を開催させていただいたということでございます。正委員とし て、真ん中にあります委員名、臨時委員として右の欄にある先生方にお願いをしたとい うことで、正委員の先生方にお集まりいただいたということでございます  総会におきましては、総会全体として井原先生に委員長を、また、この度、本部会の 部会長をお引き受けいただいた猿田先生に委員長代理ということでお二人を選出いたし ました。そして、評価委員会の部会構成としては基本的には従来どおりの6部会を設け、 それぞれの部会の担当法人というのは同じような形で張りつけさせていただいたところ でございます。そして、正委員及び臨時委員のそれぞれの部会への所属についても、こ のような表の形で御了承いただいたということでございます。  それとともに総会においては、参考1でございますが、独立行政法人制度の見直しが この夏以降、政府としての一つの課題となっておりますので、その動き、内容について 御紹介をしたということでございます。改めまして、簡単に御説明を申し上げます。  参考1でございます。先月19日の閣議決定でございまして、いわゆる骨太の方針とい われているものでございます。独立行政法人等の改革を中心に関係するところを抜粋し ている資料でございますが、2ページでございます。「独立行政法人等の改革」というこ とで、以下に御説明するような内容が決められたということでございます。読み上げま して御紹介をいたします。  政府が果たすべき機能の見直しの第一弾として、独立行政法人の改革を行う。現行の 独立行政法人が制度本来の目的にかなっているか、制度創設後のさまざまな改革と整合 的なものとなっているか等について、原点に立ち返って見直す。  そして改革のポイントとして、すべての独立行政法人、政府全体で101ございますが、 それについて民営化や民間委託の是非を検討し、整理合理化計画を策定する、となって おります。  そして具体的手段として、まず(1)で3原則ということで、これは基本的には経済 財政諮問会議の民間議員の御提案を踏襲した考え方でございますが、3ページ、行政改 革推進本部は、総務省と連携して次の原則に基づき見直しを行う。  原則の1は、官から民へ。民間に委ねた場合には実施されないおそれのある法人及び 事務事業に限定する。それ以外は民営化廃止または民間委託廃止を行う。  原則2は、競争原則。法人による業務独占については、民間開放できない法人及び事 務事業に限定する。それ以外は民営化廃止または民間委託廃止を行う。  原則3は、整合性原則。公務員制度改革、政策金融改革、随契の見直し等々との改革 との整合性を確保する、という形になっております。  (2)整理合理化計画の策定ということで、本年内を目途に整理合理化計画を策定す る。  (3)不断の見直しということで、存続する法人については、そのすべての事務事業 について市場化テスト導入の検討対象とするということでございます。  ポイントは、その次、見直しの進め方でございますが、(1)に掲げた3原則を踏まえ、 まず政府として整理合理化計画の策定方針をすみやかに決定し、各大臣はその方針に沿 って自らが所管する法人についての整理合理化案というのを8月末を目途に策定する。 これに合わせ、中期目標期間終了時には組織、業務の見直しをやることになっておりま すが、それについては本年度19年度に見直すこととなっていた23法人に加え、来年度 に見直す予定となっていた12法人についても前倒しで対象とするということで、当国立 病院機構についてはこの前倒しで対象とする中に入ることになるわけでございます。  そして、この8月末を目途に各省が策定した整理合理化案については、お手元の独立 行政法人評価資料集の11ページで、2「独立行政法人の組織業務全般の見直し概念図」 ということで、これは18年度の体制を書いてあるわけですが、基本的にはこれと同じ体 制を踏襲してやることになっていまして、これをベースにしながらこの骨太の方針、今 見ておりましたペーパーに戻っていただきますと、各省の作成した整理合理化案につい ては行政減量・効率化有識者会議、これは資料集の11ページの上の段でございます。政 府に行政改革推進本部を置いてございまして、これは総理大臣をトップに全閣僚によっ て構成されており、その下に民間有識者からなる有識者会議が置かれているということ でございます。ここと、総務省に置かれている政策評価・独立行政法人評価委員会、こ れは資料集の11ページの一番右にある。さらには、内閣府に置かれている規制改革会議 等々の委員会とが連携を図りつつ議論を行い、行政減量・効率化有識者会議においてそ れらの議論を集約・検討した上で、19年内を目途にこの行政改革推進本部において整理 合理化の内容をとりまとめ、政府としての整理合理化計画といったものを策定するとい う形になっているところでございます。  従いまして、各法人の整理合理化案を各省庁を8月末を目途に策定する。その前には、 方針が示されることになっていますが、その方針についてはいまだ届いてはいないとい うことですが、8月末を目途に各省は策定する。それをもとに行政減量・効率化有識者 会議、さらには総務省の政・独委といわれているところを中心に御議論をいただいて、 年末には政府として計画を策定するということになっております。  後ほど御説明をいたしますが、既に総務省の政・独委からはこうした見直しを念頭に、 今後、こういう点に力点を置いて政・独委としては各法人に対する評価を行っていきま す、という文書が7月11日付で届いておりますので、それについては後ほど御説明を申 し上げたいと思っております。  こうしたのが大きな考え方で、参考2でございます。この骨太の方針を踏まえまして、 厚生労働省の評価委員会としてはこのようなスケジュールになるのではないかというこ とでございます。  まず6月に新たな委員を任命させていただいて、7月には既に4日に総会を開かせて いただいた。そしてその後、各部会においてそれぞれの法人の18年度の実績評価を行っ ていただく。これが8月にかけてやっていくということでございます。  そして8月に入りましたら、既に昨年度で中期目標期間を終えている法人については 最終評価というもの、また、本年度で中期目標期間を終えるものについては暫定評価と いうものを実施するということが一つございます。対象はそちらに記載されている法人 でございます。  それとともに、本年度計画期間が満了するものについては組織業務の見直し当初案と いうものを策定することになっておりまして、本来ならば19年度中に満了する5法人だ ったわけですが、この骨太の方針で20年度中のものも前倒しということですので、本国 立病院機構についてもこの見直し当初案を御議論いただくことになるということでござ います。  そして、精力的に8月、部会で御審議いただいたものを、8月末、2日に分けて総会 を開かせていただいて最終評価、暫定評価をお決めいただき、組織業務の見直し当初案 といったものをお決めいただくということでございます。  そして、秋に入りましたら私どもから組織業務の見直し当初案を総務省に提出いたし ますので、総務省では政・独委を中心にそれを踏まえて勧告の方向性といったものを御 審議されて、私どもに通知をしてくることになっております。  そして、この総務省政・独委から寄せられた勧告の方向性も踏まえて改めて組織業務 の見直し案について御議論をいただいて、年内に「見直し当初案」の「当初」が落ちる 「見直し案」というものについて決める。  そして12月には総会を開いていただいて、対象法人の見直し案を決定する。  こういうスケジュールになっていくということでございます。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。ただいま、詳しく御説明いただいきましたけども、 どなたか、今の御説明について御質問はございますでしょうか。 ○渡辺委員  質問なのですが、今、中島さんのおっしゃった対象法人というのは、見直しの対象と いう意味ですか。 ○政策評価官  先生、どちらのですか。 ○渡辺委員  先ほどから参考2で対象法人とあるでしょう。これは厚生労働省の法人で、8月のと ころに2法人、次は4法人、その次が5法人、そして国立病院機構を含む3法人とあり ますね。これが、その対象法人というのは。 ○政策評価官  これは言葉が不適切だったのかもしれませんが、最終評価を行う対象となっている、 暫定評価を行う対象となっている、という法人、または組織業務見直し当初案の対象と なる法人ということでございまして、実はここに載っていない幾つかの法人もあるわけ です。ただ、こういう年度評価以外の評価を実施しなければいけない、または見直し案 をつくらなければいけない以外の法人についても、整理合理化案というものを厚生労働 省としては8月末にまとめなければならない、こういう状況だということでございます。 ○渡辺委員  最初の方のあれで総務省が3原則をいっていて、その後の、先ほどおっしゃった平成 19年度に見直す23法人、平成20年度に見直す12法人、この見直すというのは何です か。これは3原則に基づいて見直す法人。 ○政策評価官  そこに書いてある……。 ○渡辺委員  この骨太の方。 ○政策評価官  はい。骨太の23、12というのは、まず23法人というのは、政府全体で23です。この 法人は何かというと、これは本年度をもって中期目標期間が終わって、中期目標期間が 終わるものについては組織業務の見直しを制度的に義務づけられていますから、それの 対象が23。そして来年度、それを行うこととなっていた国立病院機構を含む12法人に ついても、本年度にもうやってしまいなさいということでございます。 ○渡辺委員  分かりました。 ○猿田部会長  ほかに。 ○夏目委員  今、説明があったのかもしれませんが、参考2で今後のスケジュール(案)の8月の ところとかあるいは秋のところで、例えば8月の整理合理化案については括弧がついて いますね。それから、一番下のところに整理合理化案についても括弧がついている。こ の括弧は、やるかやらないかまだ決まっていないということなのですか。どういう意味 なのでしょうか。 ○政策評価官  中期目標期間が満了することに伴う組織業務の見直しについては、この独立行政法人 評価委員会でお諮りをしなければならないということが、法律上、明記されております ので、最低それだけはこの部会でもお願いをしたいということになります。一方、この 中期目標期間満了に伴う組織業務の見直しとは関係ないところで、今度は骨太の方針で 全法人についてとにかく一から見直すのだということで、その見直しのやり方について は方針を政府として決めるという形になっているわけです。  そして、先ほど御説明したようにその方針についてはいまだ届いていないので、どの ような形で中期目標期間満了時の組織業務の見直し以外の整理合理化案をつくればいい のかという手順なりその考え方が示されていないものですから、その方針が内閣なり総 務省からお示しいただいた後、それを踏まえて本独立行政法人評価委員会の先生方にど のようなことをお願いすればいいのかということが決まってくると思っておりますので、 ここについては括弧ということでおさめさせていただいたということでございます。 ○猿田部会長  お分かりいただけましたか。ほかにございますでしょうか。よろしいでしょうか。過 渡期のところにあるということかと思います。もしよろしければ、時間のこともありま すので次の議題に移りたいと思います。  次は、当面の国立病院部会のスケジュール等につきまして、事務局から御説明をお願 いしたいと思います。 ○政策評価官  資料が行ったり来たりで申しわけございません、資料2でございます。先ほどから御 説明申し上げてきた流れを踏まえまして、本部会で御審議をお願いするスケジュールで ございます。大変お忙しいところを恐縮ではございますが、本日を含めまして8月まで に3回の御審議をお願いできればと思っております。本日が、長丁場になるわけでござ いますが個別評価をお願いする。そして8月9日には、本日の審議の結果を踏まえた総 合評価といったものの文案を起草委員の先生方のお力を借りてお諮りをし、そして8月 の24日には前倒しでやらなければいけませんので、組織業務の見直し当初(案)につい て御審議をいただくというスケジュールを考えております。よろしくお願いいたします。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。今、資料2の御説明をいただきましたけれども、よ ろしいでしょうか。3回にわたってこれからの会を開いていくということですが、御理 解いただけましたでしょうか。どうもありがとうございました。それでは、御理解いた だいたということで、次の議題に移りたいと思います。  次は、独立行政法人の個別評価の進め方につきまして、これもやはり事務局から資料 が用意されているということですので、御説明いただきたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  それでは、今後の進め方について御説明申し上げます。  なお、初めにお断り申し上げておきますけれども、先ほど来、御説明がありますとお り、本年度、御審議いただく内容が非常に多くなっておりますことから、今年度は説明 時間を若干縮小して効率的に進めてまいりたいと思いますので、法人、それから所管課 においてはよろしくお願いしたいと思います。  それでは、資料に基づきまして御説明を申し上げます。資料3−1、資料3−2でご ざいます。  資料3−1をごらんいただきたいと思います。初めに、説明に当たりましては法人の 理事長から重点事項等について御報告、御説明をいただきたいと思います。その後、個 別項目を6グループに分けて、グループごとに法人の業績を御説明することになってお りますが、次のページに別紙をつけております。個別項目については、1から14項目ご ざいますものを6グループに分けて御審議いただきたいと考えております。  グループに分けてどのように審議を行うかということでございますが、グループに分 けたものをそれぞれのグループごとに御説明いただき、それについて質疑を行っていた だきます。さらには、その質疑に対してコメントを付していただき、評点も行っていた だくということでございます。  評点の判定基準でございますが、点線枠の下にあるとおりでございます。判定基準は SからDの5段階評価で行っていただくことになります。このSからDと申しますのは、 中期計画に対してどうであったかということで、Sでいえば中期計画を大幅に上回って いる、Aであれば中期計画を上回っている、Bであれば中期計画におおむね合致してい る、といった5段階と考えております。  なお、その2番に移りますと、今回、本日、御評価いただきますが、御評価いただい たものについては事務局で集計いたしまして、今度御審議いただきます8月9日、総合 的評価でございますが、この際に起草委員から起草いただいたものを御提案いただきま して御審議の上、確定していきたいということでございます。  なお、この起草委員につきましては資料3−2を御用意しておりますが、これについ ては幅広い方から御意見をいただきたいということで、本文の起草は田極委員、永井委 員、夏目委員の3方にお願いしたいと思っております。また、財務諸表等の会計に関す る意見については住田委員にお願いしたいと思っておるところでございます。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に何か御質問がございますでしょ うか。よろしいでしょうか。今年度の個別評価についてこのようにやっていくというこ とでございますが、今の起草委員に関してもお認めいただいたということで、特になけ れば次に移らせていただきます。  第5番目が評価の視点の追加につきまして、これも国立病院機構のことでございます ので、事務局から御説明いただきたいと思います。 ○政策評価官室長補佐  それでは、追加されます評価の視点(案)について御説明申し上げます。資料4でご ざいますが、昨年、18年度の4月から中期目標、中期計画の見直しを図ったところでご ざいますので、その見直した背景も含めまして御説明いたします。  まず1ページ、(2)として「業務運営の効率化に関する事項」を見直しております。 具体的には、人件費の削減について、中期目標の上段にございます行政改革の重要方針 というものが平成18年12月24日に閣議決定しております。ここにおいて「国家公務員 に準じた人件費削減に向けた取り組みを行うこととする」とされたこと。また、中期計 画のところにございますが、「今後5年間で5%以上の人件費削減の取組を行う」とされ たこと。中期計画の下の3行でございますが「国家公務員の給与構造改革を踏まえて、 役職員の給与について必要な見直しを進める」とされたところでございます。  これを受けまして評価の視点(案)でございますが、「削減を行うための取り組みを進 めたか」という点、二つ目では「必要な見直しを進めたか」という点を評価の視点案と しているところでございます。  2ページ、(6)「業務システム最適化」に関する部分でございます。これにつきまし ても、平成17年6月に各府省の情報課統括責任者連絡会議におきまして「独立行政法人 等における主要な業務システムの最適化を実現するため、独立行政法人等において取り 組むべき事項を原則として17年度中に中期目標に盛り込む」ということを受けまして、 新たに18年4月からということで中期目標、中期計画を策定したところでございます。  これにつきましては、評価の視点でございますが、中期目標、中期計画に対応する形 で「システム調達における透明性の確保を図ったか」という点、二つ目の・で「19年度 末までに業務システムに関する最適化計画を策定、公表し、その後、すみやかにその計 画を実施したか」という案を用意いたしました。御審議のほどをよろしくお願いいたし ます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。ただいま事務局から説明がありました評価の視点に つきまして、何か御質問はございますでしょうか。特にございませんようであれば、こ れで御了承いただいたということでよろしいでしょうか。それでは、御了承いただいた ことにさせていただきまして、次の議題に移らせていただきたいと思います。  次は実際の評価に移りますけれども、最初に事務局から参考資料についての説明をお 願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  それでは、参考資料について、資料の参考の5から参考の10までに沿って御説明申し 上げたいと思います。  まず参考5でございますが、これは昨年度も御紹介いたしましたが、これについては 平成17年度に厚生労働省の所管法人における業務の実績に関する評価の結果について、 総務省に昨年の8月末に提出をいたしたところでございます。その提出したものに対し て総務省の政・独委から、いわゆる二次意見と申しまして各府省あてに出した意見とい うことでございます。ここには6項目書いてございます。特に1番目の人件費削減に関 すること、随意契約の見直しに関することについては厚生労働省の独立行政法人共通の 議題でございますので、これについては別途御説明申し上げたいと思います。  次に参考6でございます。先ほど申し上げましたようにこちらが総務省の行政評価局 から各府省の独立行政法人評価委員会の事務局あてに出された事務連絡でございます。 これについては、先ほども御説明申し上げましたが、独立行政法人の中期目標期間終了 時の見直し、それから毎年度行う業務実績評価に関する当面の取り組み方針というもの を総務省行政評価局は今後このように行うということを提案してきたものでございます。  こちらについてですが、3ページをお開きいただきたいと思います。特に総務省は、 「業務実績評価については、本年度から行政改革の重要方針に基づく総人件費改革の取 り組み状況に関する事後評価に取り組む。」また、「各法人の人件費削減の取り組み状況 や法人の給与水準が国家公務員の水準を上回る場合の適切性等に関し、厳格なチェック を行う」としているところでございます。下から4行目ですが、「各主務大臣及び各府省 の独立行政法人評価委員会におかれましては、これを踏まえた積極的な検討を行ってい ただくことを期待する。」といわれております。  内容については、参考5でございますが、政・独委がこれまでに申してきた二次意見 を踏襲した形になっておりますが、特に総務省の行政評価局としては厳正な態度で取り 組んでいくということを出してきているところでございます。  続きまして、参考7以下について具体的な概要を御説明いたします。  参考7が独立行政法人国立病院機構の役職員の報酬、給与等についてというもので、 いわゆるラスパイレス指数と申しまして国家公務員との給与比較、それから他の独立行 政法人との給与の比較を示しているものでございます。11ページを見ていただきたいと 思いますが、ここに国家公務員との比較、それから他の独立行政法人との比較をパーセ ンテージで表したものをお示ししております。詳細については、後ほど、法人から御説 明をいただきたいと思います。  参考8は、当該病院機構において18年度に契約した状況を表したものでございます。 2ページは、随意契約によることができる限度額の基準をお示ししたものでございます。 昨年度も御審議いただきまして、当該法人を含む厚生労働省が所管する全独立行政法人 については、国の限度額を基準として同等の見直しを図ったところでございます。また、 基準についてはそれぞれ各法人のホームページ等で公表を行っているところでございま す。  参考9は、先ほどの総務省の政・独委の二次意見でも指摘されておりますが、「公的研 究費の不正使用等の防止に関する取り組み状況について」ということで国立病院機構の 取り組みを整理したものでございます。  最後に参考10でございます。先ほど見直しました中期目標、中期計画の業務システム 最適化について、厚生労働省の所管している独立行政法人の全体の状況を整理したもの でございます。詳細については、法人から御説明いただきたいと思います。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。それでは、先に法人から、特に参考6から10に関し てポイントを中心に簡単に説明していただけますでしょうか。よろしくお願いいたしま す。 ○国立病院機構企画経営部長  国立病院機構企画経営部長でございます。よろしくお願いいたします。  今、評価官室から御説明がございました重複を避けて、ポイントに絞らせていただき ます。参考6については、先ほど御紹介がございましたように、今後、私ども国立病院 機構においても見直しをしていただく際の総務省から示された一つの考え方ということ で、また御詳覧いただければと思います。  参考7、役職員の給与、報酬についてでございます。先ほど事務局からも御紹介があ りましたように、11ページに私ども国立病院機構についての事務・技術職員、研究職、 ドクター、ナース、それぞれについての一般的なラスパイレスと他の法人との比較が書 いてございます。事務職については他の国家公務員に比べて96.2でありますとか、ある いは医師については、私ども独法化以降、特に医師についてはその処遇、確保に向けて いろいろな取り組みを重ねてまいりました結果として、18年度においては112.0という 数字になっております。また、看護師については93.8ということで、このデータのバッ クになっております私どもの病院職員の概要については11ページの下のところ、例えば 医師については平均年齢が45.2歳であるとか等々書いておりますので、御詳覧いただけ ればと思います。  また、12ページには人件費についての18年度の私どもの実績をまとめておりますが、 これは後ほどシートの中でも同じような数字が出てまいりますので、その際に御審議を いただければと思います。  次に参考8、契約の関係でございます。私どもは、後ほど御報告申し上げますように、 昨年来、契約の競争性を高めるということで種々御指摘をいただきましたことを踏まえ て取り組んでまいりました。参考8は、結果としてとりまとめました件数と金額の一般 競争入札、指名競争入札、随意契約の比率でございます。特に随契については、厚生労 働省が所管する公益法人との契約状況について、関係のあるものをこのような統一的な ルールのもとで計上しております。  ただこの表、数点、その下に注で書いておりますように、御留意いただければと思い ます。ここに掲げております契約の母数は100万円。借りたものについては80万円と少 しラインが下がっておりますが、100万円以上のものであるということでございます。 それと、※の3に不落随契、何回か一般競争入札にかけたけれども、結果として落札者 が得られなかった場合、最終的に随契になった場合もこの随契に掲げておりまして、そ の数字が249件であること。  特に私ども病院事業という特殊性で御理解をいただきたいと思いますのは、※の4で ございます。18年は4月に薬価改定がありました。薬価改定が行われますと、その後、 新たな価格が決まるまでの間に私どもはいろいろな交渉をいたしまして、後に御報告い たしますように18年度からは共同購入の取り組みも進めております。その間、価格が決 まらないまま日々の薬のニーズがございますので、その間のつなぎとして随契を363件 行っている。これも、この表では随契として推移した数字だということを御確認いただ ければと思います。  ちなみに、最後に申しましたものを少し外しますと、それぞれ随契の件数、件数ベー スで59.6%とか、金額で53.7%という表をお示ししておりますが、それぞれが件数ベー スでいえば56.6%、あるいは金額ベースでいえば41.5%という形で下がってまいりまし て、この部分の影響もあるということをこの場で御報告をさせていただければと思いま す。  参考9に移りまして、研究費の関係でございます。一つ目は、私ども、いわゆる機関 経理というものを原則とすべく、16年度の独法化の際に会計規程の整備を行ったところ でございますが、加えて、その表の2に書いておりますように、昨今の研究費をめぐる いろいろな御指摘がある中で、私どもとして臨床研究センターあるいは臨床研究部とい われる組織を14施設選びまして実査をいたしております。このような取り組みを経て、 研究費の適正な執行に努めているところでございます。  最後に参考10でございます。情報化をめぐる業務システムの最適化について、表の上 から三つ目に私ども国立病院機構について書いております。CIOという形で全体をみ かじめる者、管理担当の理事をこの任にあてまして、CIO補佐官という専門家2名の 補佐のもとで全体のみかじめをしているところでございます。  私ども国立病院機構としましては、これも後ほど個別のシートのところでも御説明申 し上げますが、HOSPnetと称する機構としての総合情報ネットワークシステムを 持っておりますので、これについてのシステム監査を行っておりまして、それを踏まえ た最適化計画を19年8月には策定をしたいということで、今、作業を進めているところ でございます。  参考資料関係については以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に、どなたか御質問はございます でしょうか。 ○渡辺委員  今の参考7の11ページで給与の話がありましたが、このラスパイレスで、例えば医療 職は対国家公務員112となっていますね。これは何か決まりというのか基準というのは あるのですか。 ○国立病院機構企画経営部長  私どもは国から切り出した独立行政法人でございますので、大きな国全体としての流 れの給与構造改革などは踏まえつつも、ある程度の運営上の工夫がこの給与設定におい てはなされ得るもの、それが独立行政法人システムのメリットだとまず踏まえておりま す。その上で、私どもは昨今の医師をめぐる確保の問題でありますとか、国時代から私 どもで考えております医師の処遇について、特にその下にも書いてございますが、幾つ かの勤務の業態に応じてしかるべき手当といいましょうか処遇をすべきというようなこ とを重ねた結果として112.0ということです。数値的な目標はございませんから、私ど もとしてはこれからも引き続き全体としての人件費管理は行いつつも、必要なところに 必要な処遇あるいは適切な処遇ができるように、給与あるいは処遇の問題について取り 組ませていただきたいと思います。  端的にお答えすれば、幾つにしなければならないという指標に関してはない。だから 逆に、それぞれその実態を御報告申し上げて先生方からの御意見をいただくことになっ ている、というふうに理解をしております。 ○猿田部会長  よろしいですか。ほかにございませんでしょうか。  もしございませんようでしたら、今までのところは御理解いただいたということで、 それではこれから個別評価に移るわけでございますが、お手元の各法人の17年度の実績 の個別評価、それを去年も付けていただいたそうでございますが、評点を付けていくた めの参考にしていただければということでございます。よろしいでしょうか。  それでは早速、実際の評価に移りたいと思います。まず、国立病院機構の矢崎理事長 からごあいさついただきまして、それから引き続き18年度の法人業務について国立病院 機構より御説明をお願いしたいと思います。矢崎先生、よろしくお願いいたします。 ○国立病院機構理事長  御紹介いただきました矢崎でございます。ごあいさつを申し上げたいと思います。  例年のこととはいえ、暑い中、また大変御多忙のところ、貴重な時間をいただきまし て、まことに申しわけなく、また、機構を代表して厚く御礼申し上げます。特に留任さ れた委員の方々には、また今年もか、と思われるかもしれませんが、何とぞよろしくお 願い申し上げたいと思います。ただ、委員の方々の評価が私ども146の施設と5万人の 職員の新たな活力を生み出す糧となりますので、何とぞよろしくお願いいたします。  この重点項目を含めたごあいさつということで、私の思いを込めて30分ぐらいお話し できるかと思ったら、評価官室からはたった5分しか割り当てていただけないので、評 価されるに当たって2点だけ、ぜひ御理解いただきたいことについて申し述べたいと思 いますので、よろしくお願いします。  3枚組の紙があると思いますが、繰り返し申し上げて恐縮ですが、国立病院機構146 の施設で3分の2は旧療養所でありまして、これは昔の傷痍軍人療養所から結核療養所 となった人里離れた交通の大変不便なところの病院で、残りの3分の1の国立病院も昔 の軍施設ですから、港とかお城の中とか、町中、生活圏にないところで、そういう極め て不利なところが我々の背景にはあります。  次のページを見ていただきますと、私どもの職員は、一番下の欄の3行目にあります ように、国立病院機構は医師を含めて、他の公的医療法人を含めて、人員が70%ぐらい しかいない。今後、医療サービスあるいは質の向上を目指して、人員を増やしていかな いといけないということがあります。先ほど渡辺委員から医師の給与の御指摘がありま したが、私どもの給与はまだまだ自治体の給与に比べてはるかに低くて、医師獲得に大 変不利な状況にあることを御理解いただければと思います。それが1点です。  2点目は、用紙の3枚目にありますように、私ども、築30年以上たった老朽化した施 設が7割ぐらい存在します。それから、医療機器の更新が大変遅れておりまして、それ を何とか手当するには、今後、ある程度投資活動をしていかければいけない。18年度ま ではとりあえず投資は必要最小限以外は全部ストップしていまして、19年度からは、今 後、少し手当していかなければいけない。そして中長期的なプランを立ててやっていか なければいけないということで、これは資金繰りのグラフであります。  グリーンの線は国時代からの固定債務にかかる毎年の償還額であります。財投ですね。 これは国時代のものなので減っていくということでありますけれども、新たに機構にな ってから調達しなければならないのが赤線でありまして、これが毎年の償還額でありま す。今後、上のカテゴリーにありますように、最低限の投資をしても毎年の償還額は600 億を超してしまうということでありまして、今の収支とんとんの世界ではこれをやって いけない。茶色の太線、ことしはプラス90億というところで、ようやく19年度が償還 でぎりぎりの線だと。ですから今後、200億ぐらいの利益を積んでいかないと投資がで きない。  そういう意味でPL上は収支とんとんで中期目標に達していますが、今後の投資を考 えると大変厳しい状況にあるということで、私どもは先ほどの3分の2の旧療養所の赤 字をどのように削減していくかということを中心に、再生プランで今年いっぱいにそう いう対策、そして長期を見越したプランをぜひ練っていきたいということでございます。  そういうバックグラウンドが2点あることを御理解いただいた上で、今後ともよろし くお願いします。どうもありがとうございました。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。短時間にうまくまとめていただきました。  それでは個別評価に入りたいと思いますが、評価シートの順に六つに分けて進めたい と思います。都合によって内容のまとめ方のところが少し入れ替えてあるようでござい ますが、ともかくこの説明を伺いながらそこで評価をしていただく。評価の時間は別に 設けていないということで、どうか各自、評価シートへの評点やコメントを御記入いた だきたいということでございます。非常に忙しい操作になると思いますけれども、よろ しいでしょうか。  それでは、最初の第1グループの評価シート、左上の項目番号1から3までの実績に ついて、法人の御説明をお願いしたいと思います。 ○国立病院機構医療部長  機構本部の医療部長でございます。最初の評価シートの部分が「診療事業」となって おりますので、私から説明させていただきます。  まず1ページをご覧いただきたいと思います。診療事業として(1)「患者の目線に立 った医療を提供する」というのがこのテーマでございます。中期目標、中期計画に定め られておりますように、患者満足度調査を行ってそれをフィードバックするということ が中期目標に掲げられているところでございます。  (1)(1)の1番に書いてございますように、平成18年度の患者満足度調査の概要を申 し上げますと、昨年と同様に、例えば「私は入院する際の医師の説明について不満に思 った」というふうなネガティブ・クエスチョンをすることによって、患者さんの心理的 障害を払い、本音を引き出し易くするような質問にしているわけでございます。入院患 者、退院患者に分けまして厳封して、個人が特定されないように集計をしているところ でございます。  その結果でございますが、分かりやすい説明、相談しやすい環境づくりに関して、平 成16年度の平均値を上回る満足度が得られた病院が増加しているところで、着実に改善 が図られていると理解しております。  この患者満足度を向上させるための各病院の取り組みでございますが、今、一番推進 しておりますのは、そのツールとして使っておりますクリティカルパスであります。こ のクリティカルパスを積極的に活用するという方法によりまして、治療方針、治療経過 等について、医師、看護師、あるいは患者、家族を交えながら、どのような治療が行わ れるのかということについて、一番これが分かり易い説明だろうと思います。なお、こ のクリティカルパスの実績については後で詳しい数字が出てきますので、そのときに御 説明いたしますが、そのほか、丁寧な説明を心がける、勉強会を開催する、看護師長が 表現する等々は、これまでどおり継続しているところでございます。  (2)でございますが、平成18年度の取り組みとして力を入れたのがここであります。 全部の病院において医療相談窓口を設置しております。ただ、今の医療現場では、患者 さんが診療現場において医師、看護師に聞くことに関して時間的な問題、心理的な問題 があることは確かでございますので、メディカル・ソーシャルワーカー(MSW)を大 幅に配置しまして、こういった医療現場で直接聞けないことをメディカル・ソーシャル ワーカーに相談していただくという体制をとり、平成17年度の79病院128名から平成 18年の98病院174名ということで46名のMSWの増員を行ったところでございます。 そのほか、全病院が投書箱を設置する、電話相談、医療相談をする、総合案内に経験豊 かな看護師長等を配置する等々の活動を行っているところでございます。  2ページの(2)は、セカンドオピニオン制度でございます。中期目標上は「セカンドオ ピニオン制度を導入すること」となっておりますが、それだけにとどまらず、1にござ いますように、セカンドオピニオン窓口設置病院数は114病院になっておりまして、平 成17年度末が89でございましたので、かなりこれも増えているところでございます。 提供者については2,731名で、セカンドオピニオンのための情報提供書作成数も1,234 件に至っているところでございます。  このセカンドオピニオンにつきましては、慣れているところはかなりの実績がござい ますが、これから新たに始めようとするところについては、それをどのようにやってい くかということについて研修会を開催したところでございます。  なお、昨年の評価委員会のときに、セカンドオピニオンについてどのような料金体制 になっているのかという御質問もございました。それは資料の19ページにまとめてあり ますので、時間があればお読みいただければと思いますが、1回ごと、あるいは30分、 1時間ごとと時間を区切った料金設定をしているなど、現場の状況に応じてさまざまな 料金設定をしているところでございます。  (3)が患者の価値観の尊重でございます。これは、中期計画、中期目標を見ていただき ますと、「多様な診療時間の設定」や「待ち時間の解消」と書かれているのですが、患者 の価値観の尊重ということはそれだけではないだろうということで、昨年はわりと厳し い評価をいただきました。この患者の価値観尊重については多様なので、もう一歩の踏 み込みが欲しいという指摘もございました。では、患者の価値観としては何かというこ とを考えまして、平成18年度はインフォームド・コンセントを推進するべきというのが 一つの大きな柱だろうということで、インフォームド・コンセント推進への取り組みを 行っているところでございます。それについては、ブロックでの研修、あるいはインフ ォームド・コンセントマニュアルの作成、見直しなどを行ったところでございます。  2番に、全病院での医療相談窓口の設置については、先ほど御説明申し上げました。 そして、従来から患者の価値観の尊重の項目として挙げられている18年度の患者満足度 調査の多様な診療時間の設定、待ち時間対策については、平成16年度平均を上回る結果 が得られたところでございます。  4番でございますが、妊産婦、家族のニーズに合わせた満足度の高い安全・安心なお 産及び育児支援が提供できるようということで、院内助産所、助産師外来の開設につい て取り組みを始めたところでございます。平成17年度末には院内助産所ゼロ、助産師外 来6病院でございましたが、18年度末にはそれぞれが1及び10になり、19年度中には 4、10がそれぞれに加わる予定でございます。この背景には御存知のとおり産婦人科医 等の不足問題もあるわけでございますが、こういった院内助産所の開設等によりまして、 むしろ院内体制としてもチーム医療の強化、助産師のキャリアアップにつながるという 効果も生んでいるところでございます。  5番目が診療内容の分かる明細書の発行ということで、これは当面、無料で発行して いるところでございます。  3ページの6、患者満足度を向上させるための各病院の取り組みとしては、これも資 料集に多様な事例を記載しております。特に平成18年度として珍しいと言いますか新た な取り組みとしては、近隣の特別養護老人ホーム等の施設から曜日や時間帯のアンケー トを取って、来ていただきやすいときに来ていただくという態勢をとったところもある わけでございます。そのほか、大型連休期間中においても患者サービスを提供する、あ るいは土日外来の実施についても、これは僅かでございますが17年度から増えていると ころでございます。  (2)の待ち時間でございますが、これは患者満足度の中でも常に一番厳しい評価を いただくところでございます。その対策としてさまざまな方法をとっておるところでご ざいますが、一部の病院では、昨今のITを活用したインターネットでの予約の受付け も開始しているところがございます。この待ち時間対策は、待たされたという感覚的な 問題が非常にありますので、状況説明を行う、テレビ、雑誌の閲覧コーナーを設ける、 それから一部の病院ではポケベルやPHSの貸し出しをする、というようなことも行っ ているところでございます。  4ページが、診療事業の1、患者の目線に立った医療の提供に関する評定欄でござい ます。  先ほど御説明しましたが、患者の価値観の尊重については、インフォームド・コンセ ントの推進ということをかなり積極的に行いました。  そして、特に18年度はMSWの46名の増員体制ということで、相談できる体制につ いて評価をしたところでございます。  セカンドオピニオンについては89病院から110病院へ増加し、46都道府県で設置済 みになりましたが、残る1県についても19年度には設置を完了したいと思っております。  院内助産所、助産師外来の開設を促進するとともに、それを促進するための研修会を 開催いたしました。  診療報酬明細書の発行、地域のニーズに合わせた土日外来等の実施についても、平成 17年度より促進したところでございます。  こうした取り組みを行うことによりまして、相対的な結果として患者満足度の分かり やすい説明、相談しやすい環境づくり、多様な診療時間の設定、待ち時間対策等につい て、平成16年調査時の平均以上の病院数が平成17年度よりさらに増え、着実な改善が 図られたと思っております。そういった観点から、冒頭、事務局から説明がございまし たように、中期計画を上回っている以上の活動が平成18年度は行えたのではないかとい うことで、A評価をお願いしたいと思っているところでございます。  続きまして、5ページが診療事業の(2)「患者が安心できる医療の提供」でございま す。ここでは、中期目標で医療倫理の確立、医療安全対策の充実、小児救急の取り組み 等々が記されているところでございます。  1番の「医療倫理の確立」でございますが、これはプライバシーへの配慮を行うとい うことで、患者さんからの相談窓口の個室化を進めているところでございます。その結 果として、患者満足度においても平成17年度より上回った回答を得ているところでござ います。  2番でございますが、これは後の医療安全対策のところでも触れることになるかと思 いますが、平成18年度に国立病院機構における医療安全対策に関する検討会を設置しま して、各種の議論を行ったところでございますが、医療倫理の関連性でいえば、病院運 営の透明性を高め、社会的信頼を一層獲得していく。と同時に、我が国の医療安全対策 に貢献していく観点から、医療事故が発生した場合の公表基準を定めたところでござい ます。この施行については、本年の4月1日から運用しているところでございます。  3番目が「適切なカルテ開示」ということで、743件の開示請求がございました。一 部のケースを除きまして開示を行ったところでございます。  4番が「臨床研究、治験に係る倫理の遵守」ということで、何らかの臨床研究を行う 場合には倫理審査委員会を設置し、その倫理審査委員会を開催しておりますし、また、 (2)にございますように本部が主導して行う臨床研究等の研究課題については、中央倫理 審査委員会を開催しております。それから治験についてもかなり進展しておりますので、 141病院において956回の治験審査委員会を開催するに至っているところでございます。  6ページの(2)「医療安全対策の充実」でございますが、平成18年度はこの医療安全対 策にかなり力を入れたと自負しております。先ほどの重複になりますが、平成18年度に 国立病院機構における医療安全に関する検討会を設置しまして、その多くは19年度から 運用を開始しているという観点では、18年度はその基礎固めをした年であると言えます。 しかし、一部については既に具体的な成果を18年度にも得ているところでございます。  細かい内容を言いますと時間が足りなくなりますが、ポイントだけを申し上げますと、 日本医療機能評価機構に報告を行うことになっております。本部にも報告を行うことに なっております。この報告様式と報告範囲を統一したのが一つの点でございます。それ から、報告を一定期間ごとに作成し、具体的には毎月まとめたものを報告しておりまし て、それを機構内ホスプネットの掲示板にも掲載しているところでございます。  それから、これまではレベル0からレベル5といった、何か事故が起こった場合の患 者影響レベルの設定が病院によってまちまちでございました。いろいろなほかの設置主 体の患者影響レベルについても調べたのですが、これだというものがなかったものです から、取り急ぎ、機構の中で少なくとも患者影響レベルについて統一をしたということ でございます。  それから、先ほども申し上げましたように、医療事故の公表基準を策定いたしました。  それから、これは機構の一つの特色であろうと思いますが、一つの病院で事故が起こ った場合、必ずしもその検証を行うための専門家がその病院にいない場合には、機構以 外の専門家あるいは弁護士さんに参加していただきます拡大医療安全管理委員会という のを、特に九州等では積極的に行っておりました。これを全ブロックで開催できるよう、 明確な位置づけを行ったところでございます。  そして、常設の委員会として、平成19年度から中央医療安全管理委員会を設置するこ とにして、第1回目をさる7月5日に開催したところでございます。  医療事故に関しては、医師法21条の問題についてはまだいろいろ疑義のあるところで ございますが、少なくとも警察へ報告する場合の手続、それから事故を起こした職員の 精神的サポート、そういったものについては、21条の解釈にとらわれず早急に行うべき であろうということで、そういった手順を定めたところでございます。  2番でございますが、事故の解釈、あるいは事故の防止は、まず事故を正確に報告す ることから始めるという観点で、繰り返し病院に対して正確な、迅速な報告をするよう にということでお願いをしております。件数が増えたことは必ずしも喜ぶべきことでは ないかもしれませんが、平成17年から18年、日本医療機能評価機構への報告件数はか なり伸びておるところでございます。  3番目が、医療安全に関する研修体制等の充実でございます。新人看護師が医療事故 には非常に遭いやすいということから、研修ガイドラインの運用を平成18年度から開始 しているところでございますし、そういった医療事故に関する研修会を各ブロックでも 行っているところでございます。  4番目が、先ほど申し上げました非常に具体的な成果物でございますが、人工呼吸器 の機種の標準化を行ったところでございます。ある時点で調べますと、機構全体で、在 宅療養者を含めましてなんと人工呼吸器が74機種、2,300も使われていたということで す。これは恐らく各病院の先生方が自分がなれ親しんだもの等を使ってこられた結果、 多種多様なものが病院の中にあるということで、平均的には一つの病院に5機種あった ところで、甚だしいところでは一つの病院で16機種もあったところでございます。これ は医療安全の観点から何とかしなければならないということでこの作業部会をつくりま して、移動可能である、3電源による使用が可能である、単体で使用が可能である、ア ラーム機能がある等々の観点から、長期療養者に使用されている人工呼吸器74機種を6 機種にまで絞り込んだわけでございます。今後、いろいろな購入をする際、あるいは共 同購入をする際には、この6機種に絞り込んでいくことを各病院にお願いしているとこ ろでございます。  7ページ、5番目は「国立病院機構使用医薬品の標準化」でございます。これは17 年度から始まるものでございますが、17年度に標準医薬品検討会を設置し、まず、使用 量も多く使用頻度も高い循環器用薬剤、抗生物質等の約1万400品目について絞り込ん で、7,500の掲載品目として一覧表を作成したところでございます。平成18年度はこの 一覧表を用いて医薬品の共同購入を行いまして、病院における標準化を進めたところで ございます。  それが終わりまして、今度は平成19年度末に向けて精神・神経用薬剤、消化器用薬剤、 呼吸器用薬剤の見直しについてスタートしているところでございます。  6番目が「医療安全のための研究活動の推進」ということで、これも後で詳しく出て まいりますが、共同臨床研究指定事業というものを活用しまして、機構における医療事 故の一番大きなものであります転倒・転落ということをテーマに、145病院が参加した 大規模な研究を行ったところでございます。本研究によりまして、転倒、転落を起こし やすい時間、あるいは何がリスクであるのかということが明確になりましたので、今後、 そういったエビデンスに基づく防止対策を各病院で進められるというふうに期待してい るところでございます。  (2)は、これも18年度から始めたものでございますが、医療安全をテーマにしたQ C活動奨励表彰でございます。もちろん医療安全だけでなくて、そのほかの分野もQC 活動を行っておりますが、医療安全に関して、例えばここに書いてございますように、 手術室における体内異物残存防止対策といったものがある病院で非常にすぐれていると いうことで、表彰を行ったところでございます。  7番は、これは以前からの継続でございますが、「院内感染防止対策の強化」を行って いるところでございます。  8ページでございます。冒頭申し上げましたように、救急医療・小児救急についても、 中期計画、中期目標で充実することとなっております。救急・小児救急患者の受入れ数 については63万470件と、平成15年度に比して14.4%増と中期計画の数値目標を達成 しているところでございます。  地域のニーズに応じた救急医療体制の強化ということで、救急医療体制に対しての強 化。これは具体的には南和歌山医療センターにおいて、平成18年度、新たに救命救急セ ンターを設置したところでございますし、24時間の小児救急医療体制を実施している病 院は16病院に達したところでございます。そのほか、地域の小児輪番制に参加するなど の協力を行っているところでございます。  新しい項目としては、3番目にドクターヘリ、防災ヘリによる診療状況としまして、 従来も地域の防災ヘリに関しての医療救急体制は行っておりましたが、長崎医療センタ ーにおいてドクターヘリの運用を始めたところでございます。  9ページがその総括でございますが、医療倫理の確立については、倫理審査委員会等 の開催が17年度よりも伸びております。医療安全対策については、先ほど申し上げまし たように18年度はかなりその基本的な構築ができたと思っております。具体的な項目に ついては重複になるので省略いたしますが、やはり具体的な事例として、人工呼吸器の 絞り込みを行ったことは、自画自賛ではございますが大きな進展であろうと思っており ます。そのほか、医薬品の標準化、転倒・転落に関する疫学的な研究も行ったところで ございます。そういった観点から、17年度よりも伸びておりますし、15年度、16年度 よりももちろん伸びておりますし、この分野についてはかなり大幅な前進がみられたの ではないかと思っておりますので、S評価をお願いしたいと思っているところでござい ます。  続きまして10ページ、診療事業の(3)「質の高い医療の提供」でございます。  まず1番が「クリティカルパスの活用」でございます。先ほど出てきましたが、クリ ティカルパスの活用を図るというのが中期目標に定められているところでございますが、 7,073種類、実施件数としても19万3456件にのぼっておりまして、そこに記載してい ますように、15年度と比較して総作成数79.7%増、実施件数98.6%増という伸びでご ざいます。これに関する研修会も開催したところでございます。  地域連携クリティカルパス、つまり一つの病院内に限らない、地域へ、あるいはほか の病院への連携をするクリティカルパスということで、診療報酬上は今のところ、大腿 骨頸部骨折しか認められておりませんが、脳血管障害であるとか胃瘻造設術であるとか 薬物中毒であるとか、そういった方々を対象としたクリティカルパスも行っておりまし て、25病院に至っております。  4番「医療の標準化に向けた取り組み」として、DPC参加22病院のデータの集計等 の解析を行ったところでございます。  11ページ、(2)「EBMの推進」ということで、「臨床評価指標の開発及び公表」でご ざいます。中期目標としては「臨床評価指標の開発を行うこと」となっておりますが、 独法発足以前の国の時代からこの臨床評価指標というのはございましたが、平成18年度 はこれまでの指標を見直しまして、研究班による実施可能性の調査を行いまして、26項 目を設定したところでございます。  その観点としては、現行の政策医療分野において普遍的にみられる疾患で入院患者を 対象として計測可能性、改善可能性を重視した項目を選んだところでございます。これ を8月には公表したいと思っております。ある意味で病院総体としてのアウトカムの評 価を世の中に出して評価をしていただきたいというのが我々の思いでございます。  2番、「EBM普及のための研修会の開催」ということで、3,107名が参加。それから 多施設共同臨床研究事業。これは後ほど詳しく御説明いたしますが、16年度、17年度、 18年度と継続して行っているところでございます。  4番は、これもIT化の一つの推進でございますが、「電子ジャーナルの配信」という ことで、146施設の国立病院職員が端末から医学文献を検索できるようにしたところで ございます。  12ページ、(3)「長期療養者のQOLの向上」ということで、面談室の設置は144病院、 ボランティアの受入れは133病院に至っております。患者・家族の宿泊の設備としては、 81病院のうち、患者・家族の宿泊室は66病院で整備しております。  「重症心身障害児(者)の在宅療養支援」であります。すべての方が入所されている わけではなくて、在宅の方もいらっしゃるわけでございますので、そういった方への通 園事業、あるいは在宅支援への取り組みを行っているところでございます。  4番目が、「障害者自立支援法に伴う患者個別の療養介護計画の策定」でございます。 18年の10月に自立支援法が施行されました。27病院が、療養介護事業者という位置づ けになりましたので、対象患者1,944名に対して個別の療養介護計画を策定するなど、 サービスの充実に努めたところでございます。  5番が、療養介助職の増員でございます。看護師の指示のもと、入浴、介護、排泄等 のボディタッチを主とする業務、療養介助職というのを171名増員したところでござい ます。この療養介助職は、ヘルパーの2級、介護療法士の資格を持つ者でございます。 この効果は、直接的な効果もあれば、看護師さんが看護師本来の業務に専念できるなど、 間接的な効果も生んでいるところでございます。  6番が、そういった様々な制度的な取り組みに加えまして具体的なQOL向上のため の取り組みでございますが、MSWの配置がございます。これは先ほども詳しく説明し たので、省略します。  (2)として、各病院の具体的な取り組みとして、七夕祭り、クリスマス会、花火大 会等の開催等々に加えまして、岡山県知事表彰を受賞しました南岡山医療センターのよ うな給食の話、あるいは徳島病院にフランス人陶芸家のアトリエの設置などの新しい取 り組みもあるところでございます。  13ページの7番には、これも人工呼吸器の話を再掲としております。医療安全に資す るのみならず、特に中長期療養者にとってのQOL向上においてはこれは必須のものと いう観点から、ここに再掲をさせていただきました。  (4)が病診連携の推進でございます。高額医療機器の共同利用も15年度に比して65.2% と大幅に伸びておりまして、中期計画の目標数字を上回っております。紹介率は47.4%、 逆紹介率は32%と、これもそれぞれの目標を達成しております。  3番の地域医療連携室でございますが、すべての病院において設置され、広報誌、紹 介患者の受付等々の業務を行っております。  4番目が、地域医療支援病院でございます。御案内のとおり、これは医療法に定めら れた約200床以上の病院で地域との連携を行うための病院でございますが、平成18年度 中には新たに5病院が認可・指定を受けたところで、合計14病院が地域医療支援病院と して地域における活動を担っております。なお、平成19年度になりましてからも既に3 病院が指定を受けているところでございます。  5番目が、地域連携クリティカルパス。これは、先ほど申し上げましたので省略いた します。  14ページ、(5)は政策医療の適切な実施ということで、これは機構ならではの様々な診 療内容であろうと思っております。  まず1番が結核でございます。結核患者自体は国全体で減少傾向にございますが、冒 頭、理事長のお話にございましたように、機構の特に療養所や旧結核療養所であったと いう性格もございますので、結核病床を有する53病院4,869床において全国の結核入院 患者の45%以上、約半数を機構の病院で医療を提供しているという状況でございます。  結核医療については、さまざまな化学療法・剤ができているわけでございますが、我 が国の結核医療についてはまだ入院期間が長いという現状がございます。それを打破す るために結核の新退院基準を実施し、平成17年の3月から適用しているところでござい ます。これによりまして医療の質の向上、入院期間の短縮、それに伴って患者の満足度 は高くなっているという評価を得ているところでございます。16年度に比して約7.2日 減少して70.4日になっておりますが、これでもまだ世界的な標準に比べますと、結核の 入院期間としては長いといわざるを得ません。  結核に関する機構のそのほかの取り組みでございますが、全病院において入院中のD OTSを進める、それから新たな検査方法であるクオンティフェロン検査の実施等を行 っております。  2番目が、「心神喪失者等医療観察法施行に係る主導的な取り組みと精神医療の質の向 上」、いわゆる触法病棟といわれるものでございます。医療観察法の病棟の主導的整備と いうことで、平成17年の7月にこの法律が施行されておりまして、法施行後約3年で全 国で720床の整備をすることになっておりますが、残念ながら都道府県での整備が進ま ない段階でございます。平成19年4月現在の全国の指定入院医療機関は10カ所のみで ございますが、そのうちの9カ所が国立病院機構の病院でございます。残り1カ所は国 立精神・神経センターの武蔵病院だけでございますので、ある意味でこの触法の入院病 棟は機構がほとんど担っているといっても言い過ぎではないかもしれません。  この新たな触法でございますが、単に今までの医療であってはいけないわけで、(2) にございますようにリスクアセスメントと社会復帰方略を構造化した共通評価項目を開 発しておりまして、入院患者さんが社会復帰ができるように、従来の精神医療に加えた 新たな取り組みを行っているところでございます。  15ページ、3番目が「障害者自立支援法施行に伴う療養介護事業への円滑な実施」と いうことでございます。基本的には契約になりましたのでモデル契約を提示し、複数回 にわたり丁寧な説明を実施し、成年後見人制度の活用、一部負担金の支払いについては 自動引き落としなどの方法を導入しまして、療養介護に伴うサービス管理者の選任と個 別支援計画の策定などを行うことにしております。  なお、重症心身障害者については約5年の経過措置があるわけでございますが、一部 の施設についてはパイロット的に事業を開始しているところでございます。  4番目に「呼吸器疾患政策医療ネットワークの活動」として、特に近畿中央胸部疾患 センターを中心とした活動について記載しております。  それから政策医療として、機構としてもがん対策に取り組んでいるところでございま す。そこに記載しましたように、都道府県のがん診療連携拠点病院として18年度に1カ 所、地域のがん診療連携拠点病院として25カ所、機構の病院もがん治療に関しての協力 を行っている。  6番目は再掲でございますが、周産期医療に資する観点で院内助産所、助産師外来の 話を再掲にさせていただいたところでございます。  16ページがそれの評定欄でございますが、まず臨床評価指標の開発・適用ということ を行いました。19年の8月ごろ公表する予定でございますので、いろいろ御意見をいた だければと思っております。  クリティカルパスの活用推進を行いました。  それから国の政策医療に関する積極的な貢献ということで、医療観察法に対する主導 的役割、障害者自立支援法に係る取り組み、がん対策医療への取り組み、周産期医療に 対する新たな取り組みを行ったところでございます。  それから、機構に多くの方が入院されております長期療養者のQOLの向上について も、さまざまな観点から行ったところでございますし、共同利用、紹介・逆紹介率も中 期計画以上の目標値を達成したと思っております。  以上のような観点から、質の高い医療の提供についてS評価をいただければと思って いるところでございます。  とりあえず、一括りとしてはここまででございます。 ○猿田部会長  どうも御苦労様でした。非常に分かりやすくまとめていただきまして、ものすごいス ピードで、ついていくのが大変だったかもしれませんけれども。少し時間をもらって、 まず、どなたか御質問はございますでしょうか。 ○大道委員  簡潔に、2点ないし3点お伺いをいたします。  一つは相談機能の充実。これはMSWの確保という観点で87人ですか、大変な要員の 確保、これは機構としても大変なお取り組みの成果だと思うのですが、一つは相談内容 についてどのくらいの、どういう種類の相談であるのかあたりの概要を教えていただく とともに、昨今、一般的には苦情といいますか、紛争化しているような状況の中での相 談というものの実情がどうなのか。いわゆるコンフリクト・マネジメントという考え方 のみならず、MSWとしての取り組みあるいは病院としての取り組みが重要であるとい う受けとめ方が強くなされていますので、このあたりのお答えをいただきたい。  二つ目は、患者満足度調査の引き続いての実施は評価できるところですが、いわゆる プライバシーの確保についてもいろいろ関係資料でもお示しいただいているのですが、 基本的なこととして、例えば外来診察室のプライバシーの確保というあたりは、かねて から診察中の患者さんの医師とのやりとりが外に向けて聞こえる等々の指摘が、これは 基本課題としてあるのですが、国立病院機構の病院は100余りの中で、このあたりの基 本的なプライバシー確保状況を把握しておられるかどうか。患者満足度の結果によると、 入院はともかく、外来部分は若干低いのですね。ここらあたりについて、今、把握でき ているところをお知らせいただければ。簡潔で結構でございます。 ○国立病院機構医療部長  MSWの活動、46名の増員をしたところでございます。その点は17年度から18年度、 128名から174名ということで46名の増員でございます。  委員から御質問がございました具体的にどのような相談内容があるかということにつ いては、今、手元にございませんので、それはまとめて御報告させていただきたいと思 います。  昨今、御指摘のように患者の権利意識といえばいいのですか、中には十分な満足が得 られなかったときに、病院職員が暴力なり厳しい言葉を言われるというような事例はま れに聞いておりますが、具体的にそのような件数がどこでどのようにあったかというと ころまでは、今の段階では承知しておりません。申しわけございません。  プライバシーに関する話でございますが、確かに衝立1枚とか、あるいはカーテン1 枚で外来診療しているようなところであれば、説明の話がほかの患者さんに聞こえると いうことがありますので、できるだけ相談窓口とか診療については遮音効果の高いもの に改善しているところでございますが、すべての病院でまだそこまで至っていないとい う認識でございます。そういったところについては今後も、特に外来については進めて いかなければならないという認識でございます。 ○大道委員  結構でございます。ありがとうございました。 ○猿田部会長  私から一つ、よろしいでしょうか。いわゆる救急医療、小児医療ですね、非常に努力 なさって、確かに効果をあげていますけど、地域によってかなりの差が出ているという 感じを受けるのですが、そのあたりはどうでしょうか。 ○国立病院機構医療部長  委員の御指摘は、地域によって大分取り組みが違うのではないだろうかということで ございますが、これも理事長から話がございましたように、3分の2ぐらいが旧療養所 系であったところは、これまで地域とのつながり自体が希薄なところがあると思います し、旧療養所系はどうしても長期入院患者を中心とした医療を行っていますので、救急 患者まで受け入れるだけのキャパシティなり能力はないものですから、どうしても旧国 立病院系の病院がこういった救急医療に対しての取り組みを行わざるを得ないだろうと 思っています。  そういった観点からすれば、3分の1ぐらいが旧国立病院系でございますので、もち ろん場所にもよりますが、地域的にはかなりの濃淡がありまして、大きな、いわゆる昔 でいえば300床、400床の総合病院的なところについては、かなりその地域でも積極的 に地域の中での救急医療をやっているところもあれば、なかなかそこまで至らない病院 があるというのは、我々の認識と同じでございます。 ○猿田部会長  例えばこの間、行きました立川の災害医療センター、あそこは災害センターでありな がら小児の医者が非常に不足していますね。ああいった状態が非常に感じたところなの ですね。 ○国立病院機構医療部長  ただ、先生にも御視察いただきましたように、医療環境がかなり変わる場合がござい ますので、災害医療センターも近隣の病院ができたことによりまして患者さんをとられ るということもありまして、なかなかその辺は難しいところだろうと思っております。 ○猿田部会長  ありがとうございました。どなたか。 ○住田委員  医療のことはよくわからないのですが、データが15年度の比較が非常に多いですよね。 それは最初の中期計画ということですけれども、例えば昨年度から比べると、いろいろ なデータがあるから全部はいえませんけど、総じていかがなのですか。 ○国立病院機構医療部長  総じていえば15年度の比較という観点から書いていますが、できるだけ17年度のデ ータも書いておりまして、17年度の比較においてもほとんどの項目で伸びているという ことでございます。 ○辻本委員  3点、お尋ねしたいと思います。  まず、相談環境づくりの点なのですが、逆の視点から、先ほどもお話がありましたが、 患者さんの意識が妙に高くなってきたということで、結構、院内で小競り合いがあった りとか、そうしたことが聞こえてくるのですね。院内スタッフの身を守るというのでし ょうか、そういったことの体制づくりがどのようになっているかということが、もしお 判りになれば、それを教えていただきたい。  もう1点、5ページにあるのですが、倫理審査委員会と治験の審査委員会、IRBで すね、IRBの方はわかりますが、(1)の倫理審査委員会の審議内容が具体的にどんなこ となのか、もしお判りになれば教えていただきたいと思います。  そして3点目、3項目のうち2項目がS評価と自己評価を立てておられるのですが、 最初の項目においてAになっています。それはなぜAになさったのかというところが(笑 声)、もし何かお言葉があればお聞かせ願いたいと思います。 ○国立病院機構医療部長  答えやすいところから回答させていただきますが、医療部長としてはすべてSをお願 いしたいところなのでございますが、一番最初の項目は確かにいろいろな前進はみてい るところで、特に46名のMSWを増員させるというのは非常に大変なことなのですが、 とはいえ、非常に地道な積み上げで、これがものすごく目新しいというものが1番のパ ーツにはなかなか見つけにくいものですから、そういう意味ではちょっと地味かなとい う意味もありまして、Sをいただくまでにはちょっと難しいので、Aでお願いしようか と。ただ、2番目、3番目のパーツについては、もちろん16年度の比較で伸びておりま すし、17年度と比較してもかなり伸びているという観点から、Sをお願いしたいという 思いでございます。  順序が逆になりましたが、倫理審査委員会でございます。これは、臨床研究を行う際 にしっかりと倫理性が保たれているのかということで行うのがこの審査委員会でござい ます。基本的には副院長から各病院の幹部クラスが入りまして、加えて一般の立場を代 表する病院外の方にも入っていただいております。例えば弁護士さんのような方に入っ ていただきます。今日的には、いろいろなアンケートに答える際においても倫理審査委 員会を開催すべきであろうという考え方がございますので、純然たる、例えば何らかの 研究を行うだけではなくて、アンケート調査を行うためにも、これについてどう答える べきかというのを、さまざまなことをこの倫理審査委員会で議論していただくというの が私の理解でございます。  冒頭ございました職員に対する暴行事件というのは、具体的にどういうことがあった のかというところまでは承知しておりませんが、少なくともそういった考え方も職員を 守る、あるいは患者さんを激高させないような心理的なアプローチといったらいいので しょうか、そういったものも今後は研修などで考えていかなければならないのかなと思 っております。今の時点では、そういった視点についての研修はまだ不十分だろうと思 っております。 ○猿田部会長  よろしいでしょうか。 ○夏目委員  二つお願いしたいのですが、一つは、患者満足度を継続的に実施されて、満足度向上 のためにいろいろな努力をされているというのは非常にすばらしいことだと思うのです が、別の説明資料を見せていただくと、やはり外来の方がなかなか数値が上がらない。 なおかつ一番の問題は、待ち時間について不満に思うというのが2.9で、ずっと2.9。 3を切っているのがこの待ち時間の問題ということだと思うのです。これが入院と外来 との差をつけている大きな原因だと思うのです。一番難しい問題だと思うのですが、そ れで、ある病院は喫茶室を設けるとか、そういうことでしか対策はないのかなと。これ は患者の数と医師の数との間のアンバランスで、若干言い方は悪いけれど構造的な問題 ということになるのか、そこら辺は今後さらにここをよくしていく方策があり得るのか どうかという点が第1点です。  第2点は、医療安全対策ということでいろいろな委員会をつくったり、安全対策の充 実ということでいろいろ取り組んでおられるのですが、結局は医療事故を起こさないこ とが一番大事だろうと思うのです。変な質問なのですが、国立病院機構全体で医療事故 というのは減っているのか増えているのか、この報告件数が、先ほどもお話があったよ うに増えているということは、残念ながら医療事故は増加しているということなのか、 そこら辺はどうなのでしょうか。 ○国立病院機構医療部長  冒頭の外来につきましては、常に一番、外来の待ち時間問題が厳しい評価であるとい うのは私も認識しております。私見を申し上げさせていただければ、根本的には病院の 機能はどうあるべきかということで、本来ならば外来に来なくて済むような病院経営が できれば一番いいのだろうと思いますが、なかなかそうはいかないだろうと思います。 そういう意味では将来的に病院の機能というものと診療所の機能がより効率的になれば、 この外来の問題もできるだけ解消できるのだろうと思いますが、具体的に今、何か方策 があるかというと、外来の待ち時間についてはここに記載したようなことを着実にやっ ていくしかないのかなと思っております。  それから、医療安全対策に関する事故の問題でございます。私は説明のときにも申し 上げましたが、日本医療機能評価機構に報告する件数自体がふえているということは、 事故がふえていたのか、あるいはこれまで報告されていなかった事故が報告されるよう になったのか、それはなかなか判然といたしません。ただ、我々の受けとめ方としまし ては、これは法定事項でございますからきっちりと報告しなさいよということがきっか けとなって、これまで報告されていなかった事故が報告されるようになったのだろうと いう理解をしております。  確かに御指摘のようにさまざまな検討会を行って、その結果、医療事故がどのように 減少していくのかということは、今後、我々としても注視しなければならないと思って おります。 ○猿田部会長  確かに今の事故の問題は、これだけ徹底すれば、普通はそれだけ増えますけど、その 増え方が少ないから、かえって私などからみるとよく頑張ってやったなという感じを受 けるのですが、本当は徹底しますと、ほかのところですともっともっとうんと増えるの ですね。その点では、届けがそんなに多くなっていないのはそういった点かなと。これ は僕から言ってはいけないのかもしれませんが、そういう感じを受けます。 ○山田委員  客観的な評価をする上で、できるだけ数字で表わしていただきたいというのが一つの お願いでございます。例えば3ページの患者満足度の各病院の取り組みのところで、い ろいろな取り組みをやられています。MRIは遅くまでやっているとか、こういうのは 何病院ぐらいでやられているのかとか、次の待ち時間対策でも、一部の病院ではインタ ーネットの予約をやっている、これは何病院ぐらいあるのかとか、あるいはポケベルや PHSの貸し出しもどれぐらいの病院がやっているのか、別に今、答えをくださいとい うわけではありませんけれども、できるだけそういう数字でぜひ表わしていただきたい と思うのです。  もう一つは、11ページの電子ジャーナルの件です。これは、和洋雑誌で大体何種類ぐ らい索引ができるようになっているのでしょうか。これは研修医、特に若い先生方、あ るいは若いナースを確保する上では非常に重要なツールだと思いますので、大変いいこ とだとは思っておりますが、もしお分かりになりましたら、後で結構ですので教えてい ただければと思います。 ○国立病院機構医療部長  705件ぐらい。この電子ジャーナルの実績を申し上げますと、ダウンロードされたも のだけでも約8,000くらいあったということでございますので、見るだけならもっと見 ていると思いますので、わりと活用されているのかなと思っております。  それから冒頭にございました件数でございますが、資料に個別の病院でこのようなこ とをやっているという具体例を申し上げておりますが、例えばMRI、CTをどれぐら いの病院がやっているとかという数字についてはまとめて、次回からでもそういった形 での集計にしたいと思っております。 ○渡辺委員  簡潔に1点だけ。先ほどの待ち時間、一般論として病院に対するアンケートで一番、 私は今、本当はマスコミの立場で出ているのだけれども、マスコミのあれでも待ち時間 の説明の問題が、特に病院では圧倒的で、説明のことはいいです。待ち時間で、先ほど の評価シートの3ページでいろいろな努力、ポケベルとか看護師等云々やっていらっし ゃるというけれども、ここのところは評価の一つのポイントとして、例えばS評価だっ たら大幅に上回ると、Aだったら相当上回っていることになるのだけれども、もっと、 すごくやっているなというのが伝わってこないのですね。はっきり言って。もうちょっ と、今、夏目委員から御指摘があったけれど、例えば数字でもいいし、例えばこういう ことをこういう病院で、ポケベルとかPHSが相当効果を出している。日赤関係の病院 でもあるし東大病院でもそうだと思うのだけれども、例えばもっとそれを広げようとい う努力、そういうのは個別にポッポッポッとやっているという書き方であって、もっと これをこう進めようとしている、みたいなのはないのですか。その辺が伝わってこない のですが。これは質問ではなく、感想も含めて言えばですね。 ○国立病院機構理事長  今おっしゃられるとおりで、例えば医療安全も、対策しましたといっても、その効果、 アウトカムはどうかということが議論しても明確にならないのですね。私も同じ感覚を 持っていまして、例えば我々の医療事故で一番多いのは転倒・骨折なのです。それで今、 全部の146の病院を網羅して転倒・骨折の、先ほど医療部長が言いましたように、いつ ごろどういう状況で起こっているかというのを全部明らかにして、それでは16年度に実 際に骨折の事故がどれだけ減ったかというのをモデルにして行ってしっかりしたアウト カムを出さないと、なかなか目標が立たないわけです。おっしゃるとおりで、我々もそ ういう視点から定量的に効果が出せるようにしていきたいと思っていますので、よろし くお願いいたします。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。今、矢崎理事長にまとめていただきまして、では1 −3はこれで終わらせていただいて、次に個別評価の4−6に移らせていただきたいと 思います。御説明をよろしくお願いします。 ○国立病院機構医療部長  続きまして、次のところを御説明いたします。17ページでございます。17ページから は、二つ目の柱であります「臨床研究事業」でございます。  ここについては、中期目標に掲げてございますように、診療の科学的根拠となるデー タを集積しエビデンスの形成に努めること、というのが一番大きな目標でございます。 そのために、(1)として、ネットワークを活用したEBMのためのエビデンスづくりの 推進とそれに基づいた診療ガイドラインの作成ということで、一般臨床に役立つ独自の 臨床研究の推進というのを平成16年から行っているところでございます。昨年の報告で はまだ症例数を集積している段階でしたが、平成16年度に始めた研究事業5課題につい てはほぼこの症例登録が終わりましたので、あとは追跡調査を開始するということで、 一部については平成16年度の5課題について中間解析も始められるようになったとこ ろでございます。  その5課題の詳しい中間解析まで御説明する時間はないものですから、ここのペーパ ーぐらいで、あとは資料をご覧いただければと思っておりますが、17年度の研究は4事 業でございますが、これは現在、その症例を集積しつつあることと、18年度は6課題を 採択して、やはりこれから症例数を集積するということでございます。  こういった機構の中での臨床研究だけではなくて、2番として、実施主体の異なる臨 床研究にも参画しているところでございます。特にリーチ・レジストリーというのは30 カ国が参加しているところでございます。  新たな国内的な臨床研究としては、乳がんに関する転移・再発の薬剤に関する比較試 験についても、臨床研究に参加しているところでございます。  18ページ、3番、国立病院総合医学会の開催でございます。毎年開催しているもので ございますが、昨年は9月22、23日に京都で開催いたしました。  4番目に、臨床研究基盤整備推進事業によるデータマネジメントの開始というのを平 成18年度に新たに開始したところでございます。これはどういうことかと申しますと、 これまで16年度からさまざまな研究を行っているわけですが、その研究を支援するため の機構の本部内に臨床研究支援教育センターというものをつくったところでございます。 この教育センターには非常勤医師と看護師を配置しておりまして、臨床研究に関する教 育を行うとともに、さまざまな研究デザインに関するワークショップ、データマネジメ ントに関する研修会の事務局的な役割をしているところでございます。  電子ジャーナルの配信については、先ほど申し上げましたので省略いたします。  (2)は、政策医療ネットワークを生かした臨床研究の推進ということでございます。先 週でございましたか、村山医療センターを視察していただきましたが、村山医療センタ ーはこの臨床研究センターの一つでございまして、骨・運動器疾患を中心とした臨床研 究を行っているということで、現場をご覧いただいたところでございます。  そのときに御質問がございましたが、臨床研究センター8センターというのは、例え ば村山医療センターのように骨・運動器疾患、あるいは相模原のように免疫異常という ふうにあるテーマを持った臨床研究活動を行っておりますが、2番にございますように 政策医療ネットワークにおけるその他11分野についても研究活動を行っているところ で、例えばがんとか循環器、精神疾患といった分野についても共同研究を行っていると ころでございます。  課題の審査方法については、審査の厳格性、公平性について平成18年度は努めたとこ ろでございますし、研究費の配分方法でございますが、質の高い臨床研究を遂行するた め、実際に必要とされる研究費を実績に応じて配分を行うことを開始したところでござ います。  19ページ、研究分野での新たな取り組みが3番目の「新しい研究事業の開始」という ことで、指定研究事業を始めました。これの要件としては、「国立病院機構の医療向上の ために重要性、緊急性が高い」「病院での活動から得られるデータを集積し、解析、分析 することで結果が得られる」「研究成果が問題の解決に直結している」という三つの条件 を前提として、平成18年度は「DPC導入後の医療サービスプロセス及び患者アウトカ ムの測定による医療サービスの評価」、それから繰り返し出てまいりますが「国立病院機 構における入院中の転倒・転落事象及びそれらに伴う有害事象に関する要因の分析研究」 「臨床評価指標改善のための実施可能性調査研究」という三つの研究を開始したところ でございます。  (3)でございますが、現在、臨床研究センター8カ所、臨床研究部が49部ございますが、 それの評価を平成18年度に行ったところでございます。評価項目自体は平成17年度か ら検討しておりましたが、活動実績を点数化して、活動の実績に応じた研究費の配分を 行うということでございます。  なお、臨床研究センターというのは、個々の臨床研究センター独自の活動と同時にネ ットワークとしての機能を評価するということが、臨床研究部と少し違うところでござ います  続きまして20ページ、(2)「治験の推進」でございます。国立病院機構における治験 の実施体制の確立ということで、本部で治験推進室を設置しているところでございます が、病院において常勤のCRC、治験コーディネーターを128名から143名に増員いた しまして、病院における治験の体制をかなり強化したところでございます。  また、2番にございますように、病院に対する本部の指導、支援というものも平成18 年度はかなり行いまして、本部に治験専門職がおりますが、それが53病院に対して延べ 122回、実際に病院に赴きまして治験の推進に貢献したところでございます。  3番として、研修会の実施については、これは昨年度から引き続きでございます。  企業に対する訪問等も行われております。  その結果として、治験の成績結果でございますが、平成15年度の実施治験症例数2,789 件に対して、中期目標期間中に20%以上の増加を目指すといいうのが数値目標として挙 げられておりますが、平成18年度の治験実施症例数は4,624件となりまして、対15年 度比は165%と、20%以上の増加ははるかに超えているところでございます。  なお、金額のことは数値目標には記されておりませんが、金額で申し上げましても47 億9,000万余の臨床研究に伴う実績があがったということでございます。  一番下でございますが、新型インフルエンザがいつ発生するのかということで、社会 的な大きな関心もあるわけでございますが、平成18年度は特に新型インフルエンザワク チンの医師主導治験というのを機構病院13施設で行いまして、迅速に治験のデータを集 めることができたわけでございます。  21ページ、そのほか、本部がまとめた受託研究。つまり病院ごとに治験を依頼される 場合もありますが、本部で一括して受け入れる治験も行っているところでございます。 CRCの質の向上ということで、実務指導等を行ったところでございます。  22ページでございますが、高度先端医療技術の開発や臨床導入の推進というのも、機 構における一つの責務として掲げられているところでございます。一つ一つ個々の内容 については省略いたしますが、平成18年度における高度先端医療技術の臨床導入等とし ては、そこに記載したようなことが実施されたところでございます。  また、職務発明というものも重視しておりまして、それを権利化しようということで ございます。10件の発明が届けられまして、そのうち、ここに記載しているような10 件の特許等の申請を行っているところでございます。  23ページがそれのまとめでございます。治験については、一般臨床に役立つ臨床研究 ということで16年度から引き続き行っておりますが、いずれも順調に進んでおりますし、 16年度の課題については中間解析を行うところにまで至っております。  新たな治験としては、乳がんに対するタキサン系とティーエスワンのランダム化比較 試験のような新たな国内の臨床研究にも参加しているところでございます。  臨床研究教育センターの設置と運用ということで、臨床研究を促進するために臨床研 究支援教育センターというものを新たに設置したところでございます。  政策医療ネットワークを生かした臨床研究ということで、政策医療ネットワークのそ のほかの11分野の共同研究において研究配分を新しくしまして、厳選された質の高い研 究課題を集めているところでございます。  電子ジャーナルの話は、先ほど言いましたので省略いたします。  臨床研究センター、臨床研究部の評価制度を18年度にスタートしたことが、これまで と大きく違うところだろうと思っております。  もう一つの平成18年度の新しい事項としては、新しい研究事業の実施ということで、 3事業を行ったところでございます。  治験は機構の事業として大きな力を入れているところでございまして、CRCの増員 を平成18年度は15名増員したわけでございますが、実施症例数も4,624件ということ で、目標値を大幅に上回っているところでございます。それに伴って受託研究実績もか なりの額が得られているという観点から、S評価をお願いしたいという思いでございま す。  続きまして24ページが、3番目の柱でございます「教育研修事業」でございます。  (1)として、質の高い医療従事者の養成ということで、質の高い臨床研修医やレジ デントの養成ということでございます。昨今、医師不足ということが社会的に大きな話 になっておりますが、機構は機構独自の医師養成機関を持たないわけでございますので、 優秀な医師の方々を何とかほかのところからから確保しなければならない。そのための 一つの方策が、臨床研修にきていただく方々をできるだけ増やすということでございま す。臨床研修については、管理型もしくは単独型研修指定病院として51病院、協力型研 修病院として99病院が指定されておりまして、臨床研修医の養成に努めているところで ございます。受入れ数としては694名に至っているところでございます。  なお、後でまたお話ししますが、臨床研修が終わられた方を対象とした、後期臨床研 修医でございますが、これは744名受け入れているところでございます。  研修のためにはしっかりした指導医を養成しなければならないということで、臨床研 修指導医の養成研修会を計5回開催しているところで、指導するための先生方の人材育 成も行っているところでございます。  医師のキャリアパス制度の構築ということで、これが1番とのつながりでございます が、後期臨床研修の充実でございます。前期臨床研修は法定の研修でございますが、そ の2年間の研修を受けた後の先生方、これまではほんとどの場合が大学の医局に入られ ることが多かったわけですが、最近はそれから様々な病院によって専門研修が行われる わけでございます。そういった方々を確保するという観点もあり、機構では早くから国 立病院機構専修医制度というものに取り組んでまいりまして、平成18年度には167名、 平成19年度には293名が研修を開始しているところでございます。  しかしながら、これまでの大学との関係を断ち切るわけではなくて、大学からのレジ デントという形で来ていただいている方もいらっしゃいますので、機構独自の専修医制 度と従来型のレジデント制度が今、共存する形で病院の中には先生に来ていただいてい るところでございます。  なお、専修医制度の一環として、アメリカのVAホスピタルに研修に行っていただく という海外留学制度を設けておりまして、平成18年度は7名の医師を派遣しているとこ ろでございます。  25ページでございます。医師の確保も重要でございますが、一番大きな職種としての 看護師の確保・充実も重要な事項で、看護師のキャリアパス制度の構築でございます。  1番がキャリアパス制度の充実ということで、これは機構で勤務していただくことを 何とか魅力的なものにしなければならないということで、検討委員会をつくりまして、 さまざまな施策を18年度から動かしているところでございます。それが(1)から(5)までに 書いたところで、看護師教員の養成事業を開始して、それから看護実習指導者養成講習 会というのは、これまでは厚生労働省の看護課あるいは都道府県のみが行っていたのを、 機構みずから実施することにしたところでございます。  (3)でございますが、働いている方でも大学院へいってまた勉強したいという方も最近 はおられますので、研究休職制度というのをつくりまして、平成18年度はまず1人がそ の制度を利用されたところでございます。  看護師長のポスト増ということで、スタッフ看護師に対する教育指導の点で強いリー ダーシップを発揮することが期待されている副看護師長のポストを増やしました。17年 度は2,152名でありましたが、平成18年度は2,610名まで増やしたところでございます。 それから、教育担当看護師長を20病院で配置したところでございます。  2番の全病院統一研修ガイドラインでございますが、これは17年度に作成し、18年 度から運用を開始しているところでございます。  26ページでございますが、看護師に関してはさまざまな研修が実施されているところ でございます。国立病院機構本部におけるもののみならず、各ブロック、各病院、それ から国立のさまざまな研究機関、施設等で行われているものがございます。これは一つ 一つの説明をするにはとても時間が足りませんので、こういった研修を行っているとこ ろでございますということで説明に代えさせていただきます。  27ページの(3)が質の高い看護師の養成ということで、国立病院機構の特徴を盛り込ん だ附属看護学校カリキュラムの改訂を行ったところでございます。具体的に申し上げま すと、重心、筋ジスあるいは結核、災害医療といったほかの設置主体の病院ではなかな か経験できないような内容についても看護のカリキュラムの中に盛り込んで帰属意識を 高めるとともに、そういった領域についての関心を高めることを目的としているところ でございます。  実習指導者講習会の充実。これは先ほど言いましたように、機構みずからが実施する ことにしたところでございます。  (3)でございますが、奨学資金の運用を開始いたしました。平成18年度には48名と契 約を交わしたところでございます。機構で勤務していただければ免除をする、という制 度でございます。  第三者によるカリキュラム評価の実施、公開講座の実施は、前年度に引き続いてやっ ているところでございます。なお、一番最後に附属看護学校の高い看護師国家試験合格 ということで、平成18年3月は96.6%、平成19年3月は98.4%ということで、いずれ も全国平均よりも6ないし8ポイント高い合格率でございます。  28ページ、(4)は、EBMの普及のための研修人材育成ということで、質の高い治験、 臨床研究を行うための研修、研究デザインを進めるための研修、データマネジメント研 修会等々を本部、そしてブロックで行っているところでございます。  2番の国立病院機構総合医学会の開催については、再掲でございますので省略いたし ます。  29ページ、地域医療に貢献する研修事業も実施しなければならないというのが中期目 標、中期計画に定められているところでございます。各病院において地域の医療従事者 等を対象とした研修会を開催しております。平成18年度は、10万9,373名の参加を得 ることができました。  これらの総括として、30ページでございますが、質の高い臨床研修医の養成というこ とで、医師確保という観点からもこれはかなり力を入れているところで、機構独自の専 修医制度というものを動かしているところでございます。  もう一つ、医師以上に最大の職種でございます看護師について、キャリアパス制度、 あるいは質の高い看護師の養成等を行っているところで、奨学資金制度をスタートさせ たところでございます。  これは医師、看護師に限りませんが、EBM推進のための研修会を行ったところ、そ れから地域の医療従事者を中心とした研修会を開催したところでございます。  これは平成17年度と比較していずれも伸びておりますが、何かものすごく目新しいと いうことは特にございませんので、A評価をいただければと思っているところでござい ます。  この項の最後、31ページでございます。4番が「災害等における活動」ということで、 中期目標は災害に対して迅速かつ適切な対応を行うこと、というのがテーマとして与え られております。  1番、政府の国際緊急援助医療チームへの派遣、参加ということで、18年5月27日 にインドネシアのジャワ島で発生しました大地震被災地に対しての政府派遣チームの一 員として参加しております。それから、18年4月9日に鹿児島県域の海上でありました 高速船衝突事故への対応。それから、年度末でございましたが19年3月25日の能登半 島沖地震への対応を行っているところでございます。  多くの先生方には災害医療センターを御視察いただきまして、4番については実際に その場所も見ていただいたわけでございますが、災害医療センターが中心になりまして さまざまな医療従事者の研修会を実施しているところでございます。国立病院機構独自 の研修もございますが、災害医療センターとしては、厚生労働省の委託を受けた日本D MAT隊員養成研修であるとか、NBC災害・テロ対策研修等を行っているところでご ざいます。  なお、本日はこの18年度の業務の実績についての資料はございませんが、7月16日 に発生しました新潟県中越沖地震について、簡単に御報告をいたします。地震発生直後 から災害医療センターと金沢医療センターと西新潟中央病院の3病院から医療班を延べ 5班派遣しているところでございます。派遣職員は、医師7名、看護師10名、薬剤師1 名、その他7名、合計25名を現在、新潟県に派遣しているところでございます。  新聞等で御案内のとおり、エコノミークラス症候群を発生させてはいけないというの が過去の地震の反省でございますので、新潟病院が大学と共同でエコノミークラス症候 群対策合同医療チームを設立して避難所を巡回しているところでございます。それから、 新潟病院独自で健康相談チームを避難所にも派遣しているところでございます。  今後、こういった地震の際には精神的なケアが必要になるという観点から、やはり機 構の病院でございますさいがた病院が、新潟県の要請に基づきまして心のケアチームを 派遣しているというのが現在の状況でございます。  それらを踏まえまして、32ページが総括でございます。平成18年度は日本国内にお いては能登半島沖地震以外は余り大規模な災害はなかったわけですが、国際的な緊急援 助も含めて機構として適切に対処したと思っております。それから、研修についても、 本部主催、ブロック主催の研修のほか、厚生労働省の委託を受けた研修を災害医療セン ターが中心になってやっているというところで、着実に行っているという趣旨から、A 評価をお願いしたいというところでございます。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうも御苦労様でございました。ありがとうございました。今御説明いただきました 4から6のところで、どなたか御質問はございますでしょうか。 ○住田委員  平成18年度から新しく取り入れられたようですが、臨床研究センターの評価、これは 誰がどのようにされるのですか。そして、研究費の配分というのは運営費交付金から出 るのですか。 ○国立病院機構医療部長  臨床研究センター8、臨床研究部が49あるのですが、平成17年度中にどのような観 点から評価をすべきかということについてまず設定いたしました。例えば研究費をどれ ぐらい確保しているとか、どのような学会発表を行っているとか、臨床研究事業にどの 程度参画しているか、発明工夫を行ったか、さまざまな評価項目を設定しまして、それ にポイントを設定いたしました。そのポイント表に基づいて各病院の実績を集めまして、 ポイントに基づいて各センター、各臨床研究部の1番から最終順番で合計するという評 価を行いました。  研究費の配分でございますが、基本的に人がいる部分の人件費相当部分については配 分しなければなりませんが、研究実績の見合いに応じて、研究をたくさんやっていると ころについては研究費を配分するという方法をとっております。  最後の御質問でございますが、これは運営費交付金からかということでございますが、 運営費交付金からいただいている研究費を配分しているところでございます。 ○猿田部会長  よろしいでしょうか。ほかにどなたかございますか。 ○渡辺委員  去年もおととしも同じようなことを言った記憶があるのですが、災害医療のところで よくやっていらっしゃるのはわかるのだけど、これは私は目標、計画の置き方がおかし いと思っているのは、災害が起きないとこれは評価に結びつかないですね。それは本来 はおかしいので、災害が起きなくても、後段でおっしゃった研修とか災害が起きたとき にどうするかとか、あるいはエコノミークラス症候群をおっしゃったけれど、そのノウ ハウの方がむしろ大事でね、これは全体の話になってしまうけれども、という気がしま すので、個別の評価の問題ではないかもしれませんが、一言申し上げておきます。 ○国立病院機構医療部長  ありがとうございました。私も同感でございます。 ○猿田部会長  ほかに。 ○辻本委員  24ページの中段です。臨床研修医の指導体制の問題なのですが、研修会をやったとい うことはここに御報告があるのですが、それでなくても指導医に当たる方たちというの は、日常、臨床で疲弊しきっているぐらい忙しい方たち。そこに熱意を持って研修医を 育てようというその思いを、研修会だけで養成できるものだとなかなか思えないのです ね。例えば組織としてそうしたインセンティブというのでしょうか、将来的なこういう こともありますよ、みたいな具体的な個人的にインセンティブというようなことが計画 なされているのかどうか、ちょっと聞いてみたいと思いましての質問です。 ○国立病院機構医療部長  御指摘のとおり、自分が診療を行いながら人を指導するというのは大変な仕事だろう と思いますが、同時に指導医自身も勉強になるというのも確かでございまして、こうい う指導に当たる方は基本的には人との交わりが好きで、教えることが好きという方が指 導医になっていることは間違いございません。ですから、いやいや人を指導するような、 嫌いな人がこういう指導には当たらないという観点から、ある程度初期からそういった モチベーションを持った人が指導に当たっております。  委員の御指摘になりましたこういう方に対するインセンティブは、やはりこういう方 は院長がよく見ておりますので、将来的に何らかの部長であるとかそういうキャリアア ップにはぜひ参考にしていきたいと思っております。 ○大道委員  VAホスピタルに留学をさせていらっしゃるということをちょっとお触れになりまし たね。その基本的な趣旨、目的をお聞かせください。場合によっては大変期待されるお 取り組みかなと思いますので、あえてお尋ねします。 ○国立病院機構医療部長  24ページでございますが、VAホスピタル、これは理事長の人脈を活用させていただ いてというところもあるのでございますが、公的な病院でアメリカで似た組織としては VAホスピタルだろうということで。残念ながら今、日本の医師国家免許では向こうで 実地の手を下すまでの研修はできないので、ある程度、見学に終わる部分も多いのでご ざいますが、若い時代にほかの国の医療がどういうものであるかということを見るのは 非常に貴重な経験だと思っております。  今の段階では、平成17年度、18年度の2年間、このVAホスピタルの派遣を行いま したが、ある意味で試行的なのです。というのは、これは本来は臨床研修医に対する制 度の一環として考えたのですが、17年度はまだ入ってきたばかりなので、これまで勤務 されていた先生に行っていただいております。そして実際に何をやっていただくのかと いうことは向こうと相談して、期間も設定しなければならないのでございますが、今後 は、例えばここに書いてございますように、19年度からは医療安全や医療マネジメント といったある程度の短期のコースを学んでいただくような形での勉強をしていただきま して、それをフィードバックしていただくようなコースをぜひ考えていきたいと思って おります。 ○猿田部会長  今の期間はどのくらい行っているのですか。1年ぐらい。 ○国立病院機構医療部長  いえ、短期間でございまして、3カ月から6カ月ぐらいを目安にしております。 ○猿田部会長  どうもありがとうございます。 ○永井部会長代理  研修医制度に対しても、研修医からの評価というのは調べていらっしゃるのでしょう か。 ○国立病院機構医療部長  それは、まとまったものでは今はまだございません。今後やらければいけないことか と思っております。 ○猿田部会長  ほかにございますでしょうか。もしないようでしたら、15分ぐらい遅れていますので、 ここで5分ぐらい休ませていただいてよろしいですか。では、どうもありがとうござい ました。5分休憩とさせていただきます。 (休憩) ○猿田部会長  では、遅れていますので、お疲れと思いますが、次に個別項目では第7、御説明をよ ろしくお願いいたします。 ○国立病院機構企画経営部長  それでは資料の33ページ、第2「業務運営の効率化に関する目標を達成するためにと るべき措置」から御報告を申し上げます。  まず、効率的な業務運営体制で、本部・ブロックについて、これは独法化以来の役割 を分担いたしまして運営に当たっているところでございますが、特に33ページ、ブロッ クの役割のところに幾つか書いております。病院の設計、労務管理、職員研修、医療消 耗品の共同入札など、ブロックにおいても職員研修など取り組みをさせていただきなが ら、本部とブロックの間の役割分担をより明確にしながら全体としての運営に取り組ん でいるところでございます。  (2)効率的な管理組織体制については、6ブロックにおいて運営をしておりますが、2. の(1)なお書き以下に書いておりますが、残念ながら18年度において私どもの職員の 中で、一部職員による共益費の業務上横領など、不正事案を発生するに至りました。そ の発覚に基づきまして私どもは事実の確認をし、適切な処置を行い、その反省に立って 再発防止のための種々の取り組みをいたしているところでございますが、機構全体の問 題として受けとめ、会計規程に基づく内部監査等々の取り組みとあわせて内部管理の徹 底をしているところでございます。  34ページでございますが、弾力的な組織の関係でございます。  一つは、院内組織の効率化という観点から、診療部門、事務部門について書いており ますが、2番目の事務部門についてというところで、18年度の特に私どもが意を用いま した取り組みとして病床規模に応じた運営、それぞれの病院の規模が、後に述べますよ うに地域における医療の状況などに応じて変化をしております。ベッド数が変わったこ とに伴い、管理部門の適正化を図る観点から、18年度において取り組みをし、19年度期 首から事務部長あるいは事務長制という組織の入れ替えを行いまして、それに伴う管理 部門の見直し、場合によってはスリム化などを行ったところでございます。  (2)で、複数副院長制あるいは地域医療連携室、医療安全管理室について書いておりま す。複数院長制については、これまで取り組んでおりますブロック担当をいたします非 常勤理事の当該施設に加えて、特命施設について副院長という形で病院運営の誤りのな いような管理組織をつくりますとともに、地域医療連携については、これまでも取り組 んでおります地域における医療の連携という流れの中で、18年度、新たに25病院に専 任の職員を張ることにより、都合109での専任体制を18年度は組みました。  医療安全についても、前段に申し上げました機構全体として18年度、安全対策に注力 をいたしました中で、特に専任の職員を都合140病院において専任化を図りまして、そ の専任化された職員が院内での報告体制とか責任体制を明確にするということで、体制 の整備がその効果に現われるような取り組みを今、続けているところでございます。  また、看護部門については、上位基準に必要な看護師の確保など、必要な体制の充実 に18年度も努めたところでございます。  35ページ、事務部門についても、独法化以降、2課体制というスリム化した形で強力 な体制をつくるべく充実をしておるところでございますが、18年度においてもその体制 を維持し、内容の充実に努めたところでございます。  時間の関係で端折って恐縮でございますが、36ページ、職員配置の関係について幾つ か御報告を申し上げます。  一つ目は、全体として独法化以降、病棟部門あるいは外来部門について、病棟部門に ついてはすべて常勤の職員で、外来部門については非常勤職員をきちっと活用しながら という形で、業務量の変化に応じた柔軟対応に努めてきたところでございます。  18年度としては、2.にございますように、特に続けております技能職員の削減、縮 小については、これまで退職不補充という流れの中で年度計画で143人という数字を私 どもの目標に掲げておりましたが、結果として18年度中に236人の削減という成果を得 るに至りました。  また3.にございますように、独法化以降、全体の職員配置の中でブランチラボある いは給食業務の全面委託に取り組んでおります。18年度の実績として、ブランチラボ7 病院、給食の全面委託6病院という状況になっておりますが、率直に申しましてブラン チラボあるいは給食業務の全面委託を導入した後、少しそれぞれの病院において、例え ばうまく人の配置ができるかどうか、あるいは円滑にブランチラボなり全面委託するこ とができるかということを今、検証している時期でございまして、18年度には新たな追 加はございませんが、これまで取り組んできた内容についての評価をしているのが現在 の状況でございます。  (4)職員の業績評価あるいは適切な実施については、一つ目に、年俸職員及び役職 員の業績評価という点について書いております。私どもの機構は、院長及び医長以上の ドクターについては年俸制で処遇をしているところであり、また、業績評価については、 これはドクターに限らず、すべての管理職について業績評価という形で取り組みをして おりますが、18年度はそれについて賞与あるいは年度末賞与においてその業績評価結果 などについて反映しております。  2.にございますように、今まで進めておりました、すべての管理職に対する業績評 価という取り組みを、より一歩進めるべく、18年度中には一般職員にまで広げる取り組 みを具体的に着手をいたしまして、具体的な案をつくった上で職員に対する提示なりそ れに向けての準備、関係方面との調整などに努めているところでございますが、18年10 月に具体的な案を提示いたしまして、19年度にこれを踏まえての取り組みをさらに深め ているところでございます。  37ページでございます。外部評価については、私どもは独立行政法人ということで、 本評価委員会でいただいている評価も含めまして、きちっと外からいただいた評価をこ この運営にフィードバックする取り組みを続けているところでございます。また、外か ら会計監査人という形で監査法人にお願いをいたしまして監査を受け、その監査にあた りましては現地における監査、特に満遍なくだけではなく、重点施設を絞った監査を18 年度は行っております。会計制度については、独立行政法人化することに伴い、従来の 官庁会計から独法会計基準に伴う会計になりましたので、それに伴う研修など、先ほど、 本部とブロックの役割分担のところでも申し上げましたが、それぞれ施設に近いところ で有効な研修を行うよう、ブロックもきちっとかんだ形でこれまで研修を行っていると ころでございます。  また、5.にございますように、内部監査という観点では、外からいただく監査法人、 監査人による監査と、私ども内部で独自に行います内部監査を両輪として内部統制を行 っているところでございますが、特に18年度は、全施設に対する書面審査にあわせて約 半分の施設を実地に監査をするという取り組みをいたしまして、結果、17年度の取り組 みと18年度の取り組みで、独法化以降、全施設を一巡、実際に足を運んでの監査を行え たという実績でございます。  38ページについては、組織業務の流れの中で、看護師等の養成所についてまとめてお ります。看護師等の養成所、独法化時においては看護師、それ以外にも視能訓練士さん、 あるいはPT・OTという職種の方々に対して都合80校の学校を持っておりましたもの を、現在、全体として20年度、49校に向けて再編成を進めているところでございます。 18年度は、そのうち特に千葉東、山陽の2病院について実際に再編成という形での閉校 に向けた取り組みを行い、年度末に閉校したということでございます。  一方で、閉校した施設の跡地については、私どもは国から承継いたしました資産を有 効に活用する、あるいは地域における色々なニーズに対応するということから、活用方 策について取り組んでいるところでありますが、特に過去に集約をいたしました千葉東 及び福岡東については、そこに書いてございますようにその跡地を関係の学校法人の大 学の用地として御活用いただくという形で、私どもの看護学校を見直していくとともに その資産の活用も図っているところでございます。  39ページは、病院そのものの再編成の進捗状況でございます。私どもは現時点で146 の病院を持って運営をしておりますが、既に国時代に決められております再編成計画で あと2ケース、北海道にございます西札幌、札幌南を統合するというケースが一つ、香 川県の善通寺あるいは香川小児を統合するというケースが二つ、この二つのケースが国 時代にまとめられました再編成計画の未執行の部分で、それぞれ21年度、23年度に向 けての取り組みを進めているところでございますが、特に西札幌、札幌南については統 合を前提とした工事にこの5月に着手した。これに向けた事前準備に18年度をかけて取 り組ませていただいたというのが実績でございます。  以上40ページ、申し上げました効率的な組織体制、職員配置、あるいは業績評価等々 の分野については、先ほど申しましたように組織体制としてはここ数年、かつて行って おりませんでした病棟の編成に伴う事務部門の変更、あるいは技能職員について計画数 を大幅に上回る減員を行った。また、一般職員の業績評価に向けての具体的な案を提示 したという取り組みをいたしました18年度について、私どもは自己評定としてAを掲げ ておるところでございます。  このブロックは以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。ただいまの御説明に、どなたか御質問はございませ んか。 ○住田委員  来年の4月から、一般の日本の企業は全部、日本版SOX、JSOXという制度が始 まります。御存じですね。つまり、内部統制の強化・充実ですが、ここの組織的な内部 監査というのは非常にうまい言葉なのですが、これはどのように内部監査をされている のですか。通常、こういうときには「何名により」とか「何々の部門により内部監査を 行う」というのを書くのですが、不正事件も発生したことですから、JSOXの発足も 独立行政法人、関係ないことではないと思いますので、社会全体がそうなっていますか ら、それに対しての現状と対応をちょっと説明してください。 ○国立病院機構企画経営部長  御質問がございましたように、37ページ、実地監査と書面監査と書いております。会 社法改正に伴うJSOX法の体制など、世の中、内部統制ということでございますので、 私どもとしてもその流れに沿って内部統制を強めなければいけないと思っておりまして、 今おっしゃったような世の中の動きについてキャッチアップし、また、それをより独立 行政法人らしく強めることについては、19年度から取り組むべく、今いろいろと検討し ております。それについては次にまた御報告をさせていただければと思います。  そこで、18年度に何をしたかという点については、77病院に対して事前にまずは私ど もは内部で監査指導要領というものを決めておりまして、その要領に基づく報告事項あ るいはチェック事項について書類を届けていただいて、大体1施設1週間ぐらい、私ど もの職員、規模にもよりますが、2名、3名、場合によっては5名を超えるぐらいの規 模で施設に入って、書類の実査をしたり、あるいはヒアリングをしたりという形で、あ らかじめ求められているルールがきちっと適用されているかどうかということを確認し ております。そのような取り組みを18年度は77病院で行ったというのが、ここに書い てあります数字でございます。  繰り返し申しますが、そうするとあとの半分はどうしているのだという話がございま すので、それについてもチェックシートというものをすべて整理しておりまして、その チェックシートを自ら施設がチェックしていただいたものを私どもに御提出いただいて、 そのチェックを通じて見直すこともありましょうし、結果、やれていたこと、やれてい ないこと、課題であることを本部で全体を把握して、その146の状況から、次はここが 重点だ、ここについて取り組んでくれ、という形の取り組みを今、進めている。  それに加えて、先ほど御報告申しましたように、残念ながら私どもの機構の中で幾つ かの不祥事とか幾つかの不具合が生じた場合には、その都度、文書において指導をして、 個別に不適切事案を起こしたところには報告を求めますし、そうでないところには他山 の石とすべく指導をする。また、色々な会議において、コンプライアンスということに ついて意見交換をするなどの取り組みを進めている、というのが現状でございます。し かし、先ほども申しましたようにJSOX法もありますので、内部統制をもう少し工夫 をしてまいりたいと思っております。 ○住田委員  組織的な内部監査というのは、内部監査室があるのですか。あるのですね。それで何 人ぐらいでやっているのですか。 ○国立病院機構企画経営部長  私どもの内部監査としては、私どもは専任というよりも指導課という内部監査を担当 する部局を設けまして、経営指導とコンプライアンスも含めた内部監査というものを両 方やっております。職員としては、課長以下6人の体制でやっております。ただ、申し 上げましたように、専任でこればかりやっているわけではございませんが、内部監査担 当部局としてそのような組織を設けております。  それ以外にも、別途2人、監事を大臣から任命をされておりますが、その監事さんの もとにも監事監査室を設けて、別の観点から監事監査をしていただいているという体制 を組んでおります。 ○猿田部会長  ほかにどなたか。 ○永井部会長代理  技能職員を減らしていますけれども、これは本当に成果といっていいのかどうか。も し業務がどんどん拡大できるのであれば、そういう人たちを置いて更に仕事を増やして 全体の業績を上げた方がいいと思うのですが、その辺の判断はどのようにされていらっ しゃいますか。 ○国立病院機構企画経営部長  まず、これは政府全体として技能職員については退職不補充という方針で臨むべし、 という一つの方針が出ておりますので、それに沿って、私どもとしては退職が出た場合 には不補充でいくという方針が一つあって、その上で、それぞれの病院がどのような形 で、今、委員がおっしゃったような業務を退職不補充の後、効率化するかという課題を 抱えた上で取り組んでおります。具体的には、その分を委託という形で外からの応援を 求めたり、うまくいけば全面委託という形で、ある程度、人の異動なり職種転換も考え た上で取り組みをしております。  なかなか個々にどういう形で組み合わせるかについては、単純に退職が出た場合に、 当事者は不補充というルールですのでそれでやりますが、だんだん残っていった職員の 方々をどのように有効活用するか、あるいはもっと働いていただけるかというところに ついては、御本人の意向もありましょうけれども、施設の中で丁寧にお話しいたしまし て、場合によっては職種を変わるとか、少し仕事を変わっていただくということも考え ながら、全体として不補充をしながら、今、委員のおっしゃった必要な業務については より効率的に実施するという方針で、個別の施設は考えているというのが現状でござい ます。 ○山田委員  18年度に医療法の一部改正が行われて、医療安全の範囲が大分広がったと私どもは理 解しているのですが、これは実施は19年4月からということですので、18年度の準備 状況を教えていただきたいのです。医薬品管理者あるいは医療機器の安全の管理者、そ ういう人たちをどれぐらい今、指定されていらっしゃるのか、お分かりになりましたら 教えていただきたいのですが。 ○国立病院機構医療部長  すべての病院において、医療法改正を受けた専任等の手続を行っているところでござ います。 ○大道委員  業績評価について改めてお尋ねします。昨年に引き続いて年俸制職員及び役職員につ いての業績評価を継続されたということですが、賞与に反映させたという記述がござい ます。基本的な手順は昨年も伺ったのですが、その後、そのような形でおやりになって いらっしゃるのか、改めて簡潔にどういう手順なのかということと、賞与へ反映させる のは一般的には財源を必要とするのですが、その規模は何%なのか、あるいは全体規模 でもいいのですが、そのあたりを教えていただけますか。 ○国立病院機構企画経営部長  簡潔にルールから申し上げますと、まず病院評価という形で個々の病院の機能を医療 面と経営面から評価するのが一つ。もう一つは、個々人についてそれぞれ病院の中で上 位者、院長先生から与えられた目的に対してどれぐらいの業績を達成したかという個人 評価を行うというのが二つ目。  まずこの二つの評価を入れた上で、それぞれ年俸制の職員に関して、院長先生は100% 病院評価、副院長先生についてはそのブレンドが半々、医長さんだともう少し個人評価 が高まる、そういうそれぞれの率を設けまして、病院が行ったことに対する評価と個人 の評価を踏まえた上で、個人Aさん、Bさんについての業績の最終的な評価率というの を掲げております。それを、具体的には標準からプラスマイナス5%、20%という形で 率を反映させて最終的な業績評価の賞与の増額、あるいは場合によっては減額という形 で反映をさせております。  トータルについては、全体としてどうしても上がりますが、上がりすぎるという形に なってしまいますといけませんので、それについては枠を設けております。詳細を御説 明しますと長くなりますので、具体的な説明についてもし必要ということであれば、後 ほどペーパーをもって御説明いたしたいと思います。基本的には枠を決めた上である程 度のアッパーを決めて、ここの評価の中で運営をしているというのが現在の業績評価、 あるいは個人の年俸に対する反映でございます。 ○大道委員  医師確保困難の問題、あるいは機構の病院群の中での医師給与の水準はかなり低めで あるという指摘がある中で、医師のモチベーションを上げる少なからぬ要因になるので はないかといわれているところから、あえてお尋ねをしているのですが、余り細部は結 構なのですが、基本的な資料がありましたら、後ほどで結構ですのでお知らせをいただ きたいと思います。ありがとうございました。 ○猿田部会長  ほかにどなたかございますか。 ○渡辺委員  複数副院長制の導入という説明がありましたが、やはり全部いまだにドクターですか。 例えば看護とか事務の人の登用というのはないのですか。 ○国立病院機構企画経営部長  146病院ございまして、看護職による副院長制は1病院持っております。事務職によ る副院長は、現在のところはまだありません。 ○渡辺委員  特に副院長で、特命事項で経営企画とありますね。これは別に医者ではだめだと私は 言いませんが、そういう向いた人を採用する考えはないのですか。 ○国立病院機構企画経営部長  今後の人事政策にもよるところでございますが、制度として排除しているというより も、現時点ではこのような形になっているということで、おっしゃるように経営企画と いう面では事務官でもできましょうし、逆にドクターにおいても、私ども独立行政法人 にしてから、院長先生もそもそも経営を認識していただかなければいけないということ ですので、職種を問わず、やっていただくべきところにやっていただいているのが現状 でございます。 ○猿田部会長  よろしいでしょうか。それでは時間の関係もありますので、第7のところはこれで終 わらせていただきます。  次は第4グループの項目の8番から9までの実績について、御説明をお願いいたしま す。 ○国立病院機構企画経営部長  引き続きまして、41ページから御報告を申し上げます。業務運営の見直し・効率化に 関する収支改善ということでございます。  まず1.18年度の決算における数字でございます。18年度は、御案内のように診療報 酬改定、過去最大ということで、報酬ベースでマイナス3.16%のマイナス改定が行われ た年でございました。私どもは病院事業でございますので、当然、この影響を受けてい るところでございます。また一方で費用という面では、薬価について、あるいは診療材 料についての適正化が行われたという影響もございますが、トータルでみれば私どもは 非常に大きな政策リスクと申しましょうか、収入の減の要素を抱えた上で船出をいたし ました。  私どもとしては、そこに掲げておりますように、平均在院日数を短縮して上位基準を 取るとか、あるいは色々な18年4月の加算、あるいはそれ以前からある加算を取得する ことによって収入を上げる等々の取り組みをいたしまして、結果的に医業収益について は前年度に及ばず4億円減少いたしましたが、さらなる費用節減あるいは減価償却など、 費用の縮減を行いまして、最終的な経営総収支率は101.6%ということで、全体黒字を計 上することができました。  別途、色刷りで横紙、私ども国立病院機構の18年度の事業説明資料を用意いたしまし た。この資料の5ページに、これから御報告いたします幾つかの財務状況についての数 字を掲げておりますし、今申し上げましたように18年度における経営改善の取り組みに よる経営結果については4ページなどにも書いておりますので、今回、評価として提出 しております評価シートと併せて御参照いただければと思っております。  シートの41ページでございますが、今申しましたように私どもは経営改善努力などを 重ねた結果として、平成18年度は総収支率101.2%という形で、最終的に90億の当期純 利益を計上することといたしました。私どもの中期計画期間における目標が、この計画 期間内において全体としての収支相償を図れということでございますが、今のところ、 16年度からみた通期で総収支において黒字の状況となっております。  二つ目に年度末賞与。先ほども少し御報告がありましたが、年度末の賞与という形で 経常収支が前年度実績よりも成績が良かったところについては、収支相償ということを 踏まえた上で28病院に対して年度末賞与を支給しているところでございます。  次に、会計規程等の見直しによる契約の適正化について御報告をいたします。冒頭の 資料にもございましたように、政府全体の契約の適正化、競争性を高めるという取り組 みの中、私どもの法人についても18年8月に会計規程の改正をいたしました。そこに、 主な改正点ということで幾つか掲げております。  契約審査委員会というそれぞれの施設に設けております契約をウオッチする委員会に おいて、四半期ごとに個別の業者との取引状況を点検し、急増急減がないかどうか、あ るいは取引先残高一覧をチェックする等々の取り組みを行います。こういうウオッチの 機能を片一方で入れながら、全体として一般競争入札を原則とするという方針を掲げた 上で、個別の契約に取り組んでいるところでございます。  後に少し出てまいります駐車場あるいは売店などについては、後ろのところで個別に 御報告を申し上げたいと思います。  45ページでございますが、具体的に全体として先ほど御説明いたしました18年度の 決算にあらわれた経営状況の内訳として、幾つかの費用コストの縮減努力について御報 告をいたします。  一つ目は材料費でございますが、医薬品の共同入札を平成18年8月から実施をいたし ました。18年8月から20年3月までという年度をまたいでの契約ではございますが、 スケールメリットを生かすということから、それまでは一部ブロックにおいて地域で行 われておりましたエリアを拡大しまして、全国一本で本部において一括して共同入札を 行うことにより、医薬品費の抑制を図ったところでございます。  具体的にこの一括購入において7,500品目を超える品目について共同入札の単価契約 をいたしまして、これに基づいて個別の施設で進んでいるという状況でございます。  二つ目に、医療用消耗品の共同入札についても続けているところでございます。これ には全国というところまでまだ準備が至っておりませんので、今、そこは鋭意努力をし ているところでございますが、九州ブロック及び東海・北陸ブロックにおいてそれぞれ 取り組みを進めているところでございます。  二つ目に在庫管理という観点からは、保有在庫日数について各病院が目標を定めまし て、その必要最小限の在庫日数に向けての取り組みを進めました結果、そこの表で16 年と18年を比べておりますように、医薬品あるいは診療材料についてもそれぞれ保有在 庫の短縮を図ることにより、費用の縮減に努めているところでございます。  SPDという形での在庫の管理の手法でございますが、私ども機構では18年度中に新 たに7病院がSPDの形での在庫管理、あるいは必要な資材の調達手法を導入いたしま して、70病院においてこの手法を今、活用しているところでございます。  また、材料費についても個別に価格の取り組みをいたしましたが、一方で全体の診療 傾向としてオペ、手術件数が増えましたので、材料費率という形ではこの間、手術件数 の8.2%に及ぶ増を反映し、材料費率としては0.34%の増をみたところでございます。  42ページのブランチラボ及び給食の全面委託については、先ほど御報告を申しました。  また、人件費と委託費率については後ほど人件費のところで出てまいりますが、ここ では16年度から17年度、人員の増に伴う人件費の増がございましたので、人件費と委 託費を合計した比率においても、58.0の16年度実績から17年度が57.8という形で縮 減を図りつつも、18年度の決算では58.1という数字で、ここでは微増をしているとこ ろでございます。計画では58.8ということでございましたが、努力の結果として58.1、 さりながら昨年度の57.8よりは増というのが18年度の実績でございます。  43ページ、今度は建築コストの関係でございます。投資については、片一方で必要な 経営ということで経営の効率化を図りながらも、冒頭、理事長から申しましたように全 体としての必要な投資を確保する中で単価を下げるという意味から、全面建替え整備及 び病棟建替え整備を計画し実施をしていく中でコストの縮減を図っているところでござ います。  1.の二つ目のパラグラフ、17年度及び18年度の投資枠を示して着工している11病 院について、例えば期間の一括発注とか工事期間の短縮、あるいは投資の上限、設計の 標準化などなどの取り組みをいたしまして、最終的には国時代の建設コストの約50%で 契約をすることができております。このような形で、引き続き建築コストの取り組みを していきたいと思っております。  それ以外にも、今申しました全面建替えあるいは病棟建替え整備という形で、限られ た資金での整備を行いながらも病棟建設コストの縮減をするという具体的な取り組みと して、2.にもう少し追加で書いております。工事費について、標準単価というものを 特に私ども機構の中で239品目に定めることにより、全体の価格の低位への誘導、ある いは標準工事価格という形で具体的な4件を作成いたしまして、全体としての建設コス トの削減に向けた取り組みをしております。  (2)にございますが、工事費の積算などもいたしまして、3.にも先ほど申しまし た数字と同じことを書いておりますが、50%の建築コストの削減というのが実績でござ います。  また、職員宿舎の建設については、リース方式などの効率化を行うことにより、全体 としてのメンテナンス費用を縮減するよう努力をしたところでございます  44ページは医療機器についてでございます。医療機器についても、私どもは146の病 院というスケールメリットを生かすべく、独法化後、その効率化を図ってきたところで ございますが、18年度もCT及びMRI、CTは13台、MRIは9台というロットで ございますが、共同入札を行うことにより、全体としての価格の縮減の取り組みを進め たところでございます。  また書きで少し、19年度はこれを広げまして、血管連続撮影装置あるいはガンマカメ ラについても行い、これを18年度中から手続に入る。そういう意味で18年度はCTと MRIに取り組むとともに、19年度からの機器の拡大に向けての取り組みを進めたとい うのが実績でございます。  また、機器については価格情報を共有することが個々の契約を進める上で非常に有効 であると私どもは考えておりまして、そのスケールメリットを生かす意味から、ここに 「購入件数の多い機器」と書いてございますが、具体的には人工呼吸器とかエコー、内 視鏡などの価格の情報を共有して、146病院の中での流通をいたしているところでござ います。  (5)、費用の関係という流れではございますが、先ほども契約の適正化というところで 御報告をいたしました。契約全体を競争入札原則という形で適正化をする中で、特に当 法人について御指摘をいただきました院内売店、食堂、喫茶、駐車場などについてでご ざいます。競争契約を推進することにより、駐車場については、見直し前で51病院で行 っておりました契約のうち、27病院が競争によらない形でございましたので、その契約 を解除して18年の8月までにすべて一般競争入札による契約を推進したところでござ います。  金目の面では、この契約の見直しによりまして月額3割程度の経費の縮減が図られた ということでございます。  また、駐車場契約の関係について、保健医療ビジネスという特定企業の名前について いろいろと御指摘をいただきました。私どもは全体の見直しの中で、見直し前、ここで は51病院中27と書いてございますが、51病院中42が保健医療ビジネスという形でご ざいました。また、見直し前は27病院は競争によらないとなっていたもののうち、保健 医療ビジネスという企業は25という数字でございました。いずれにいたしましても全体 に競争入札を徹底することにより、都合、見直し後において保健医療ビジネスは26、改 めて契約を行っておりますが、すべて競争入札の結果での契約に変えているところでご ざいます。  また、院内売店、食堂についても、競争性を高めることにより、貸付料、平米当たり 単価として、これは収入の方でございますが8割ぐらいの増見込み。これはまだ個別に 契約の残ったところがございますので、見込みの数字を入れておりますが、8割増の見 込みを立てているところでございます。  (6)が一般管理費でございます。これについては、各種の縮減努力を図ることにより、 対15年度において38.9%の縮減を図ることができ、先ほど来、御質問のあります対前 年度という意味では、金額にして2億8000万、7.8%の対17年度縮減を行ったところで ございます。  (7)は広告ということで、新しい取り組みといたしまして、まずは給与明細書の後ろに 広告を公募して入れることにより収入増を図るなどの取り組みも、18年度は行ったとこ ろでございます。  45ページからは業務運営の効率化ということで、幾つかの項目について御報告をいた しております。  一つは、人件費の面でございます。シートの一番左側に中期目標、この会の初めの方 にもお話がありましたように、昨年追加をされました中期目標、あるいは私どもはそれ を踏まえて追加をして策定をいたしました中期計画において、人件費については18年度 から今後5年間で5%の人件費削減という政府案の中、私どもの国立病院事業というも のの特殊性から、大臣からいただいております中期目標においても、一方で医療法及び 診療報酬上の人員基準に沿った対応、あるいは政策医療の推進、具体的には医療観察法、 あるいは障害者自立支援法という形で必要な人員増の要素がございますので、そういう 取り組みもきちっと対応すべきという目標をいただいて、私どもの計画にも織り込んだ 上で取り組んでおります。  そのような取り組みの結果、人件費については、先ほど申しました技能職の退職不補 充などの削減等々を行いまして、一方で32億余りの縮減を図っておりますが、片一方、 先ほどの医療観察法に伴う医療観察病棟の増とか、自立支援法に基づくケアスタッフの 増という政策増要素もございまして、政策増要素として46億余りの必要が生じた結果、 そこにございます常勤職員人件費については、17年度から18年度、14億の増になって おります。  私どもはこの形で18年度はやらせていただきましたが、今後とも、42ページの人件 費、委託費率のところで申しましたように、このような形で14億の増になった結果とし て、人件費プラス委託費率、18年度決算は58.1になったというのが、18年度の実績の 御報告でございます。今後とも、片一方できちっと人件費として、退職不補充を初めと する効率化による縮減に努力をしながらも、片一方で政策増というものに私どもは対応 していかなければいけないと考えております。  2の給与体系については、政府全体の給与構造改革に準じた改革を18年7月に行いま したが、主な見直しの内容のところにございますように、一部の事項については、今回、 国全体で行われるのに先立って幾つか独法化以降取り組んできたものもございます。そ のような取り組みと今回の国に準じた取り組みを18年の7月に行った、というのが実績 でございます。  45ページ、QCについて書いております。安全のところで特に一つ申しましたが、安 全に限らず、安全以外のテーマについても毎月テーマを決めて、全国の職員の方々から のQC提案を踏まえた上で本部で審査をする。「できることから始めよう」というキャッ チフレーズのもとに、この委員会でも幾つか御指摘をいただいています職員のモラルを 上げるといいましょうか、インセンティブを上げることに、このようなものも活用して いきたいと考えております。  営繕についても、先ほどの建設コストのところにございましたが、私どもは装置産業 として建物は非常に重要でございますので、その一環としてそれを担う営繕業務につい てはどのような改善があるかという取り組みを、18年度は特に機構の中で改めて見直し をしたところでございます。  46ページ、以上の取り組みでございますが、収支改善について、診療報酬のマイナス を予想するところを何とかカバーいたしましたし、契約について透明化をした。あるい は共同購入という面では、薬について初めて全国規模で行いました。医療機器について も、大型医療機器の共同購入を少しずつ広げた。広告という新しい取り組み、建設コス トについては大幅に縮減をした。一般管理費について、あるいは人件費についてそれぞ れの努力をしたことから、全体、私どもの中期目標に鑑みまして自己評定はAといたし たところでございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。 ○国立病院機構財務部長  引き続きまして、医療資源の有効活用ということで私から御説明をいたします。  資料の47ページでございますが、1点目は、医療機器の効率的な利用ということで、 中期計画等に位置づけられている内容でございます。  稼動総数は、15年度と比べて約14%増加しておりまして、前年度でみると約4%ぐら いの増となっております。  増加している要因としては、一つには、先ほどからありましたように大型医療機器の 共同入札ということで、17、18年度で約60台のCTとMRIの入札を行っておりまし て、高機能化を図ったことがまずベースとしてございます。その上で、新入院患者が17、 18でみますと約3%ぐらい増えておりますから、その新入院の増を上回る数の稼動をし ているというその特徴については、1点目は共同利用が進んでいること、それから時間 外ということで、欄外に書いておりますが、CTであれば約8.6%ぐらいが時間外の稼 動になっている。  そういうことで、先ほど御質問(時間外検査)のありましたどれぐらいの数の病院で やっているかということで申し上げますと、CTについては、「毎日やっている」ないし は「1日だけ時間外」というのを含めまして大体120の病院で行っております。MRI については84の病院ということで、MRI、CTについては過半の病院において実施を してきているという二つの理由で、稼動の状況がよくなってきていると考えております。  ただ、ガンマカメラについては17年から比べますと件数が減ってきている状況でござ いますが、その内容については、一つ目はMRI、CTが高機能化したということでそ ちらに診察のパターンをシフトさせていること。それから、近隣の民間病院でPET・ CTを入れてきている病院がございますので、そちらの方が侵襲性が低いということで、 紹介をしてそちらに診察を流している。三つ目は、医者が抜かれたことでいなくなって 診療ができなくなった。おおむねこの三つが理由で稼動が減ってきている、こういう内 容になっております。  48ページ、病床の効率的な利用ということで、中期計画上は病診連携、病病連携で平 均在院日数の短縮を図り、新規患者数を増加させるという目標になっているところでご ざいます。  機構移行後、全体的な傾向で申し上げますと、新入院患者は17、18でみても3%増え ており、新入院患者は確実に増えてきています。ただし、それを上回るスピードで平均 在院日数の短縮が図られておりますので、病床の稼動状況は低下する傾向を示している という状況でございます。したがいまして、18年度からは提供構造を患者の動態に合わ せて見直しをするように舵を切った。新入院をとるだけではなく、提供体制を効率的な ものに進めるという形での取り組みを始めたというのが大きな点と考えております。  1にございますように、結果から申し上げますと、約1,000床の病床を閉じたという ことで、それらで生じた人材を他の病棟に振り向けたり等々で、過大な提供体制に起因 する大幅な赤字拡大の防止を図ったということでございます。  一般病床については、二つの要因で稼働率が低下している病院がございます。平均在 院日数が減をしたことで積極的に稼働率が落ちている病院と、医師の引き揚げて稼動が 悪くなっている、こういう病院で、長期化しているものについては休棟等の取り扱いを 行って、138床の閉鎖をしております。  結核については、先ほど医療部長から説明がありましたように新退院基準を積極的に 展開している結果、利用率が落ちておりますので、それを踏まえて病床数を432床減ら したということになっております。  精神病床についても、国全体で約7万床削減をするという方向がございます。これは 急性期化をしていこうという方向に従いまして、機構全体として約443床を削減し、そ こで生じた人員を医療観察法の病棟のスタッフとして送る、こういう病床をダウンサイ ジングしながら人員を有効活用するという取り組みを大きく進めたということでござい ます。  医療の質の向上を伴った収支の改善ということで、ここに書いてありますように基本 的な数値は前年から引き続き改善をしておりますが、一点、逆紹介率だけが1ポイント 下がっているという状況でございます。要因としては、新入院とか新患が非常に増えて きておりますので、その結果、分母が大きくなって数字としては小さくなっているとい うことで、実数としては少し増えてきていると考えております。  49ページ、DPCに移行している病院は18年度現在で22病院でございまして、現在、 準備病院ということでさらに8病院あるのが現状でございます。  そのほか、経営改善に18年度貢献した上位基準取得等の状況は、ここに書いてあると おりでございます。  医療機器、施設整備に関する計画でございます。医療機器については、18年度は投資 枠ということで各病院に一定の投資可能な枠をお示しするわけでございますが、総額約 200億円の枠を示しております。200億円という枠はどの程度かということでございます が、減価償却費で医療機器が130億ぐらいの額でございますが、それの5割ぐらい増し た額で提示をしているということでございます。老朽化した医療機器が結構多うござい ますので、それら更新していくという観点で一定の枠を示し、その促進を図っているの が現状でございます。  施設整備については、病院が自己資金3分の1を貯めて、それから大型の建替えを進 めるというのが原則的なルールになっておりますが、現状の経営状況、それから冒頭あ りましたように老朽化した設備が非常に多いということで、お金が貯まるのを待つより は病棟建替えに限っては積極的な投資をしていこうということで、特別事情の投資と 我々は呼んでおりますが、そういう投資パターンを18年度から積極的に進めたというこ とで、ここに書いてありますように12病院、約3,400床の病院について建替えを進めよ うということにいたしました。  その内容は、旧病院が5カ所、旧療養所が7カ所で、療養所の件数が多い状態で決定 をしております。さらに、赤字病院についても2病院を対象にしてございます。これは、 その時点では赤字でございますが、色々な提供体制の見直しをしたり、提供構造を変え たりといった取り組みを合わせて行うことで資金回収が可能というプランをつくった上 で、投資を決定するというやり方を進めているところでございます。  50ページでございます。共通して医療機器、建物については、キャッシュフローが赤 字の病院については借入れ利子の一定割合を本部として補助をするといった支援措置も 併せて行っておりまして、経営が苦しい病院の再投資を支援する枠組みも新たに設けた という状況でございます。  投資にかかる資金については、自己資金を積極的に活用し、極力、外部資金を抑えよ うということで取り組んでおりまして、医療機器については総投資額179億のうち約 55%を内部資金。内訳としては、病院の資金が49億円、黒字の病院から本部がお預かり しているお金が預託金でございますが、それを50億円、貸付ということで使わせていた だいたということでございます。  施設整備についても19億円を、病院の資金10億円、預託金9億円という内訳で、17 年度と比べますと内部資金の割合を引き上げまして、極力、新規の投資は借金に依存し ない体質で進めていこうということで行っているところでございます。  結果として評定でございますが、Sをお願いしたいと考えております。既存病床を効 率的に利用するという点、それから新しく病棟をつくる場合にも病床数を削減したりし て抑制的な効率的な体制をつくっていくことを実施している点、医療機器についても、 新入院患者数に応じ、さらには時間外の利用等で効率的な稼動を図っている点、全体と ても長期債務を縮減しつつ必要な投資量を確保できているのではないかという考えを総 合いたしまして、Sでお願いできればと考えているところでございます。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうも御苦労さまでございました。それでは、どなたか御質問はございますでしょう か。 ○住田委員  あなたに質問ですけど、今回、この18年度は90億収益があがったと書いてあります が、実は今までの5分の1の減価償却費がなくなったのですね。600億が120億。つま り、減価償却がなくなったということは、それだけ機器とか設備とかがものすごく古い わけですよ。ですからそういう面では今後、この国立病院機構の最大の課題は患者が満 足するような施設をつくることだと思うのですが、今の自己資金では賄えるかどうか非 常に不安だと、私は個人的には思うのです。何らかの違うことを、要するに特別な財源 というか補助金というかそういうことも考えないと、対応できないのではないですか。 機械はものすごく古いと思いますよ。5分の1の減価償却をしないでいいというので、 600億のうちの5分の1の120億はもうしなくていいということは、イコールものすご く古い機器と建物ということを証明しているわけですよね。 ○国立病院機構企画経営部長  時間の関係で端折りまして申しわけございませんが、横紙の資料の4ページに、今回 の90億に至るプロセスをまとめております。その中に、今、住田委員から御指摘いただ いておりますように、今回のPLの中で120億の減価償却費の減というのが大きな要素 だというのは、私どももそのとおりだと思っております。これは、今、委員からお話が ございましたように、国から独法に資産を承継いたしましたときに、これはなべて承継 資産の償却ルールということで私どもは承りましたけれども、2年間を限度に償却すべ しということでございましたので、もう既に償却済みの資産においてこのような形で16 年、17年を計上し、18年は2カ月を除いて基本的にその償却は終わった形になったので、 17年と18年を比べると費用が少なくて済んだという形でございます。ですからこの90 億については、今御指摘のような事実だということを踏まえた上で私どもも受けとめて おるのが1点。  それと、まさに今、委員がおっしゃるように、この次の、冒頭、理事長からお話し申 し上げました中にもありますように、更新投資を考えると、これから運営面、非常に厳 しいものがあるという認識もそのとおりであります。そのために具体的にどうするかと いう意味では、まず建設コストを初めとするコストのダウンに我々としてももう少し努 力する余地があるのではないか、あるいはひょっとしたらそろそろ限界かもしれません。 引き続きそこのところの取り組みを行いながら、同じ費用で事業量を多くするという努 力はやりながらも、更新をする建物あるいは機器については、より厳選をする、より必 要度をみることを行い、かつ全体としての病院事業としての基礎体力ともいうべき収益 力を上げないと、なかなかこれだけの投資需要といいましょうか、必要投資額の確保は 出てこない。  おっしゃるように外からの資金繰りといいましょうか、そういう意味ではこの委員会 に毎年毎年、枠で御相談いたしております財投とか機構債とか、いろいろな資金調達の 工夫も片一方でしますけれども、それを超えての全体としての取り組みがなければいけ ないと私どもは思っております。そこはなかなか難しいねという御指摘に対しては、私 どもも難しいと思っておりますので、頑張ります、というお返事にならざるを得ないか なと思います。 ○猿田部会長  ありがとうございます。ほかにどうぞ。 ○渡辺委員  今の住田委員のに関連するのですが、医療機器の購入、まさに相当古いのがいっぱい あると思うから必要だと思うのだけれども、先ほどもあったように例えば共同入札等々 で非常に効率化しているというのはわかるけれども、例えば経済財政諮問会議などは日 本の公的病院のところの高コスト体質の中で必ずこれを挙げてきて、医療機器の内外価 格差という問題がまずある。そして、今はないのだろうけれども、昔よく聞いたのは、 国立病院は民間病院に比べて非常に高く買っているといった噂も含めてあって、いわば 親方日の丸的にコスト意識がなくて、ですから、こういうところで市場価格を大幅に下 回る価格で購入していると書いてある、これは良いことなのだけれども、例えば民間と 比べてどうかというところまで出せないのですか。そうすると、これからも医療機器の 買い換えというのは非常に有利になると思うのですが。 ○国立病院機構財務部長  共同入札の購入の価格については、医療機器のメーカーとの取り決めがあって、価格 自体をそのまま公表できないというのが契約上の条件になっており、水準だけ申し上げ ますと、国立時代に同種の機械を買っていた値段の半分から3分の1ぐらいの価格とな っています。民間等の比較でいきますと、同じような機種でも色々な周辺機器を買った りしますのでなかなか比較はしづらいのですが、民間のデータは公表されておりません のでことらの調査のしようがありませんが、応札している業者の言っていることをその まま信じればということで、多分、18年度で買った医療機器の中でMRI、CTについ ては日本で一番安い値段で買ったと、メーカーからは聞いております。 ○渡辺委員  メーカーとの間のあれで公表できない、それはなんで。 ○国立病院機構財務部長  今、どういう市場の状況になっているかと申しますと、うちの入札した総額について は官報に公表してございますので、大体1台幾らと類推ができます。そこで、色々な民 間病院その他から国立病院の値段で買わせろという交渉が非常に増えてきたという状況 で、うちの値段をそのまま示すと、メーカーからすべてその値段で契約を迫られるとい う状況になりますので、一種の有利な価格で契約しているからオープンにできない。す るのであればそういう値段では入れられないというのが、メーカーの行動として出てい るということだと御理解いただければ結構でございます。 ○渡辺委員  では簡単に言えば、メーカーはかえって国病の方に安く卸している、そう推測してい いわけですね。 ○国立病院機構財務部長  共同入札というスキームを通じて安く入っているということでございます。 ○猿田部会長  恐らくこれだけまとめて買っているところはないでしょうからね。ほかにあるのです かね。 ○国立病院機構財務部長  これだけのロットで買っているところはうちだけでございます。 ○猿田部会長  ないですよね。 ○田極委員  医薬品の共同入札の取り組みは画期的なことだと思うのですが、医療用消耗品につい ては、今、九州ブロック事務所において実施しているということなのですが、ほかの地 域も含めて共同入札等を進める予定はないのでしょうか。 ○国立病院機構企画経営部長  私どもは進めたいと思っておりますし、そのためのいろいろな勉強あるいは検討をし ているところでございます。  ただ、一つにはブロックでできているからということもあるのですが、機器や薬以上 に医療材料はバラエティに富んでおりますし、まず前提として標準化するかというよう なところ、どのように品目を絞るかという取り組みがあってこそロットをまとめた共同 入札という形にある程度まとまっていけるだろうと思っておりますので、若干、あるい は薬と医療材料の場合は相手方の企業の規模とか商慣習といいますか、相手方が小さか ったり地元優先だったり色々あるものですから、その販路の違い、マーケットの違いは 当然踏まえなければいけないと思っておりますが、そのあたりを一つ一つクリアしなが ら、私どもとしては次に向けて進めるだけ進めたいと思っています。 ○猿田部会長  ほかに。 ○山田委員  これらの共同入札の作業を進めていく中で、そのノウハウは全く機構の本部だけでや られているのですか。あるいは、コンサルタントみたいなのをどこか入れておやりにな られているのですか。 ○国立病院機構財務部長  医療機器については、コンサルタントということで業者を選定してお願いをしていま す。ただ、現実的にお願いしているのは、各病院、例えば18年度ですと30病院近く参 加しておりますが、いろいろ希望が違いますので、それを一本にまとめるという作業を お願いしている。基本的に申し上げると。本部でやると非常に大変な作業になりますの で、そこを一つにまとめるためにコンサルタントを利用させていただいている、という のが現実でございます。 ○猿田部会長  ほかにございますか。 ○永井部会長代理  医療機器は借入金で購入している部分もあるわけですね。それの返済は10年ですか。 ○国立病院機構財務部長  医療機器の購入について今、財政投融資資金では6年で調達をしております。 ○永井部会長代理  減価償却は何年で計算しているのですか。 ○国立病院機構財務部長  減価償却は6年でございます。 ○永井部会長代理  そうすると、その差はぴったり合っているわけですね。 ○国立病院機構財務部長  機構移行後にそこが揃うように、調達のやり方を変えました。それ以前は10年とか 25年で調達していまして、現状、残っている借金の一部は3代前の医療機器の借金を返 しているという金額も含まれております。 ○永井部会長代理  そうすると、見かけ上の収益みたいのが発生することは今はないということですか。 ○国立病院機構財務部長  それはございません。 ○大道委員  経営改善のこれまでの経緯の中で、特に費用削減については、規模が規模ですからそ れなりに評価をさせていただいた形での経緯でSになっているということなのですが、 今回、18年度のなりゆきの総括的な見方で非常に考えさせられるところがあって、今、 機器の話が出ましたが、薬剤のこれだけ多種類にわたった一括的な購入というのもかな りのものですよね。これは実勢価格への影響の度合い、価格設定でかなりの影響がある のではないかなという気がするのですが、これが我が国の今後の薬価そのものとか、あ るいは他の医療機関への影響というのは、機構として何か把握しておられるところはあ りますかという御質問です。これは直接、評価とは関わらないのですが、国全体の流れ の中で非常に留意したいなというのが一つです。  それと、きょう、話が出てこなかったジェネリックなどはどうされていますか、とい うのが二つ目です。  最後は質問ではなくて、きょう、冒頭、理事長がおっしゃったことなのですが、これ だけキャピタル部分でこれ以上の投入は無理というのがかなり鮮明に見えてきているの ですね。こうなると、老朽化した建物もそうだし機器もそうですが、建替や更新できず にそのままやっていかざるを得ない。これは我が国の医療費政策の構造的な問題だと思 いますが、国が直接かかわってきた病院群がこういう状況というのを、機構として、そ して我々評価委員会としてどういう受けとめ方とどういう言い方をしていくかという問 題が、かなり鮮明になったという印象を強く持ちます。これは感想ですから評価にはな らないのだけども、こういう場面は大事だなと思うので、ちょっと補足の感想的コメン トをさせていただきます。 ○猿田部会長  ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。 ○国立病院機構企画経営部長  いただきましたお話の前二つですが、一つは、機器であれ薬であれ、マーケットに与 える影響をどう受けとめているかというのは、当然、私どもも客観的に考えて、ディフ ァクトスタンダードではありませんけれども、これだけのシェアを持つ事業体としてそ こは自覚をした上で、もちろんきちっと相手方とも真摯な交渉をした上でマーケットの 中での価格形成に努めるということであります。また、先ほど財務部長からもありまし たように、私どもはロットが出ていることを踏まえての話もありましょうから、そこの 部分でマーケットに対して過度なノイズにはならないように、きちっと私どもとしての 立場といいましょうか、私どもの位置づけを踏まえた上でマーケットの中でプレイをし ていきたいと思っております。  2点目は、後発医薬品のお話が出ました。私どもの手元にある数字で申しますと、採 用品目数でいうと18年度、いわゆる後発医薬品というのが私ども機構で10%程度、金 額ベースでは8%程度という状況になっております。時系列的にいうと、品目ベースで は微増かな、金額では若干まだうねうねしているかな、という状況でございます。  これをどう評価するかというのは、私どもも先ほどの安全性という観点から品目、使 用医薬品についての標準化をするということは取り組んでいこうと思っておりますが、 後発品というのを国の全体の流れの中でどうするかということでいえば、今の時点では まだ明確に方針を示してということではなく、それぞれの取り組みの中での延長に今の 後発品の結果があると理解をしております。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。それでは、時間の関係もございますので、ここを終 わらせていただきます。  では、次の第5グループの10、11のところを、よろしくお願いいたします。 ○国立病院機構医療部長  では、52ページからをお願いいたします。(4)「診療事業以外の事業に係る費用の削 減等」でございます。  最初に、臨床研究事業として、できるだけ競争的資金を獲得するようにということを 各病院にお願いしております。その結果、獲得金額は平成17年度、18年度と比較しま すと、17年度が厚生科学研究、文部科学研究その他の競争的資金を合計して約15億が 平成18年度は23億円と、かなり競争的資金を獲得しているところでございます。  なお、先ほど住田委員への回答として、私は交付金の額で研究費が賄われているのか ということに対して、そうですと申し上げましたが、研究に関する経費としては、そう いった交付金からいただく研究費のほかに、国の財政も厳しいでしょうから、こういっ た競争的資金をできるだけ獲得するようにということでお願いをしているところでござ いますので、そういった領域が増えればいいなと思っております。  それから、治験による資金の獲得もあります。これは治験のときにも申し上げました が、受託研究実績として平成18年度は約48億9,000万円を挙げているところでござい ますので、これもそういう意味では、費用の削減というよりは収益という面では大きな 役割を果たしているのだろうと思います。  53ページ、教育研修事業でございます。これは中期計画のところに、教育研修におけ る収支率の20%以上を改善すると書いてございます。看護師等の養成所の入学金及び授 業料の改定でございますが、これは計画的に授業料等をアップしております。民間の養 成所等の入学金あるいは授業料との均衡をとりつつという縛りがございまして、1番の 看護師、助産師、視能訓練士のところに括弧書きでございますように、授業料が上がっ ているところでございます。また、理学療法士、作業療法士についても、入学金、授業 料がそれぞれ18年度はアップしているところでございます。  ただしと申しますか、※の二つ目にございますように、平成16年当時に調べました私 立の平均授業料と比較してもまだ若干低いというのが現状でございます。その結果が、 2番の教育研修事業の収支率の改善というところに現れておりまして、平成18年度の収 支率は56.5%ということで、対15年度比では29.1ポイントの増になっているというこ とで、かなりの改善が図られているところでございます。  それを受けまして、54ページが評定欄でございます。  臨床研究事業は、幸い、かなりの競争的資金を獲得することができました。  教育研修事業でございますが、申しわけございません、ここは修正していただければ と思います。教育研修事業について、授業料等の改定、効率的な運営により収支率「3.3%」 となっておりますが、これは「3.3ポイント」の改善を図ったというのが正しいことに なります。平成17年度と比較して3.3ポイントの改善を図った。  これらをもちまして、評定としてはAをお願いしたいというところでございます。以 上でございます。 ○国立病院機構企画経営部長  続きまして55ページ、システムの関係について御報告をいたします。  55ページに書いてございますのは、独法化したときに企業会計原則に基づく事務処理 として、特に事業体として即時の経営判断、即時の戦略が求められることから、月次の 決算を積み重ねてまいりました。そのためのインフラとしてITを設けておりますが、 特に18年度は、先ほど契約の適正化のところでも申しましたような契約をチェックする 意味から、あるいは、これはまた財務諸表を御評価いただくときに話題に出るかと思い ますが、減損会計という仕組みを入れましたので、それに伴う見直しを18年度は行った ところでございます。  また、経営分析システムあるいは評価会については、18年度も着実な実績をあげるべ く努力をいたしております。  56ページ、これも冒頭にありました昨年4月から新たに加った要素としての業務シス テムの最適化の関係でございます。CIO、CIO補佐官については、冒頭、御報告を 申し上げたような体制を組んでおりますし、それ以外にも、この体制を組むだけでなく、 実質としてものごとが進むようIT化の促進委員会を設けまして、具体的には2.に書 いておりますが、電子カルテやオーダリングシステム等の標準的仕様、電子カルテ、オ ーダリングの手前にまず医事会計システムがございますが、146の病院に入っておりま すシステムについて、なるべくまず医事会計システムからスペックを標準化できないか という取り組みに18年度は着手を始めております。  全体としてのHOSPnetという国立病院機構総合情報ネットワークシステムにつ いては、年間18億の経費がかかっておりますので、この経費がかかるシステムとして、 より業務の最適化ができないかという観点から、18年度の結果を踏まえて、19年度は業 務システムの最適化計画を策定して、費用の効率化、また業務の効率性のアップに取り 組んでまいりたいと思っております。  57ページでございますが、財務会計システムについてのお話、それと特に業務システ ムの最適化については、HOSPnetの見直しを図る中で、57ページの一番下に掲げ ておりますが、特に回線の部分について全体の最適化計画に先んじての取り組みをする ことにより、費用の縮減あるいは業務効率のアップを図ったということが18年度の実績 でございまして、自己評定はAを掲げております。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。それでは、10、11に関する評価のところで、どなた か御質問はございますでしょうか。 ○田極委員  52ページで、「診療事業以外の事業に係る費用の節減等」となっているのですが、こ こに書かれている項目を拝見すると収益の改善のお話がメインだったと思うのですが、 費用についてはどうだったのかという点が1点。  あと、ここに書いてある内容を拝見しますと評定がAとなっていますが、今までの感 覚から言いますとSをつけてもいいぐらいの増加が出ているのですが、どうしてAだっ たのか、その2点についてお伺いしたいと思います。 ○国立病院機構医療部長  いただけるものならばSをちょうだいしたいと。確かに額としては大分伸びておりま すので、そういう実績からみればあれなのでございますが、ただこれも、研究費が獲得 できるかというのは波があるものですから、たまたま増えたものだという謙虚な考えで Aをお願いしているところでございます。 ○国立病院機構企画経営部長  もう一つ、全体に記述が収入の話に偏しているのではないかと。中期目標としていた だいているタスクに応じてということではあるのですが、一方、53ページの先ほど申し ました教育研修事業、学校のセグメントの経費について少し収益が改善しているという こと、いろいろな要素の中で、授業料の改定もございますが、そこに「効率的な運営」 とさらっと書いております中には、病院にくっついた学校であるというのが我々の学校 のメリットでもございますので、従来にも増して院内講師という形で、ある意味で安い 講師、場合によっては御協力をいただくような形での運営の工夫などをすることにより、 かかっている費用の縮減も一方で行っております。申しわけございません、全体のスペ ースの中でそこまでストレスを置いて表現するまでには至っておりません。 ○猿田部会長  この程度の入学金あるいは授業料の値上げでは、余り希望者には関係ないということ でございますか。 ○国立病院機構医療部長  実は、その点は常に議論になるところでございまして、授業料のアップということで 入学者が少なくなってきたのかということが、なかなかそれだけでは見えがたいと思い ます。というのは、背景に子供の数自体が少なくなっていることを考えますと、どちら の影響が強いのかなということがございます。結論を申し上げますと、授業料のアップ が必ずしも入学定員の競争率の低下に結びついたという判断はしておりません。まだま だそういう意味で機構の授業料、入学金は安いのではないかなというのが我々の判断で ございます。 ○猿田部会長  ありがとうございました。 ○山田委員  合格を出してから後、よその学校へ逃げる率、授業料が高いところは、大体合格して も安いところへ逃げてしまうのです。ほかに合格すれば。そこのところはパーセンテー ジは分かりますか。 ○国立病院機構医療部長  すぐにはそこまでは。申しわけございません。 ○山田委員  一つの参考にしていただければ。 ○猿田部会長  ほかにございませんですか。 ○国立病院機構企画経営部長  一つ付け加えますが、システムのところで、私どもの病院の中のHOSPnetとい うシステムの話と、個々の病院に入っている病院会計システムの話を申し上げました。 一方で、これは18年度はまだ成果が出ておりませんで、取り組んだということで成果は 19年度になったのですが、政府全体のレセプトオンライン化という取り組みの中で私ど もの機構として18年度に準備を進めまして、19年度、39の病院が19年4月からレセプ トオンライン化という形で取り組んでいるという実績があるということ。  それから、全体146ございます。もちろん小さい病院もございますから、ルールとし ていつからやらねばならないかというのはあるのですが、私どもはできるだけ全体の流 れの中で早めに取り組むという方針を掲げておりまして、先ほど申しました18年度の取 り組み成果としての39に加えて、19年度中の取り組みをもって19年度末には120前後 の病院がオンライン化できないかということで、今、取り組んでいるところでございま す。 ○猿田部会長  ありがとうございました。ほかに。 ○国立病院機構医療部長  先ほどの山田委員への御回答でございますが、課程によって若干違うのですが、なべ て申し上げますと約7%の人が逃げるというのが結論でございます。 ○猿田部会長  ほかによろしいでしょうか。  それでは、時間の関係もございますので、最後の12から14のところ、第6グループ になります。よろしくお願いいたします。 ○国立病院機構企画経営部長  58ページ、予算収支計画、資金計画のかたまりでございます。  経営の改善については、先ほど来、何度か言及しておりますように、P/Lにおいて 19年度は都合、経常収支において124億の黒字を計上することができました。また、個 別の病院についても、赤字病院が16年度決算において77の施設がございましたが、赤 字を減らす、あるいは赤字の施設でありながらも病棟構成などを見直すことにより、収 益の増を図っていただく等々の取り組みにより、65まで減ってきたというのが現状でご ざいます。  結果、経常収支の黒字に伴い総収支も90億の黒字ということで、通期でみれば77億 の利益剰余金ができましたので、私ども、決算を大臣に御承認いただくに当たりまして は、今期の決算においてこの利益の処分として目的積立金という形で処理することで臨 みたいと思っております。  三つ目は未収金の関係でございます。未収金については、そこに書いてございますよ うに、これまで、具体的に病院の未収金回収の手引きなど、実務的なサポート体制を組 んで取り組んでいるところでございますが、結果、18年度末、19年1月末の数字でござ いますが、未収金債権として都合46億を計上しております。  医業未収金という19億が1年以内、2年目、3年目が破産更生債権という形で、債権 は3年の時効なものですから、1年目の未収金と2年目、3年目の破産更生債権を合わ せて46億が私ども機構において計上している数字。全体、7,600億ぐらいの事業規模の 病院でございますので、医業収益に関わる比率として掲げてございますのが、18年度、 0.151という数字でございます。  この未収金というのが現状であると同時に、取り組みとしまして、18年度にも法的な 措置あるいはサービスサーといわれる債権回収業者の方々に、これは仕組みとしてお知 らせをするところまでで、取り立てまではまだ認められておりませんが、お知らせする ところまでの取り組みという形で、施設職員の至らざるところを外部の方のお力も借り ながらやるという手法を試行的に取り組んでおりますが、18年度の取り組みの結果がこ の数値となっております。  経営指導については、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。  59ページ、端的に経営の改善については、先ほど来申しておりますように、いろいろ な背景、いろいろな事情がある中で、私どもとしては求められている中期計画期間中の 収支相応という目標に大きく貢献できたのではないかということから、Sとさせていた だいているところでございます。 ○国立病院機構財務部長  続きまして、60ページの固定負債割合の改善等の関係でございます。  機構発足時、7,000億を超える借入金を引き継いだ状態で、その負債を減少しつつ、 先ほど来、御指摘いただいていますように今後10年間の投資をさらにしていくというの が、これからの機構の大きな課題の一つになっているということでございます。  それに対しまして、現在やっておりますのは建築単価を大きく切り込んでいくという 作業で、平米単価でみればほぼ民間並みの単価水準を多分達成しただろうと考えている ところでございます。  医療機器についても、老朽化している医療機器は結構ございますが、先ほど申し上げ ましたように一定の減価償却費を超える枠をお示しし、投資の促進を図っているという 状況でございます。購入についても、先ほど来お話のありましたような共同購入等を通 じて極力コストの削減を図っているところでございます。  3点目に、今後の資金をどう考えていくかということでございます。冒頭、理事長か ら、今後、元金償還で200億弱ぐらい、状況が悪くなるということでございますが、そ のうち約半分ぐらいを、借入残高を減らす、ないしは調達の工夫で利子を減らしていく ということで何とかしのげないかということを今、考えているところでございます。  具体的には、内部資金を活用するということで利払いをしなくて済む。外から借りる 場合でも、先ほど御指摘があったような償還期間の短い資金を借りれば利率が低くなっ ていく。建物についても、従来は25年という調達だけでございましたが、今後は10年 というような期間を短くした調達を行っていくことが、金利負担を下げていく、ないし は借入れ残高を減らすということで、おおむね10年後ぐらいには借入残高を4,000億ぐ らいに何とか抑えられないかということです。それが仮に成功すれば利息負担が100億 ぐらいは改善することになりますので、おおむね先ほど元金償還で200億ぐらい悪くな るうちの半分ぐらいは解決できるのではないか、ということで取り組みを進めていると ころでございます。  数字についてはここに書いてあるとおりで、積極的な投資を進める一方で、予定を上 回る速度で借入残高を減らしてきている結果を出しているということでございます。  続きまして、4の債務の償還でございます。約定どおり、償還を行わせていただいた という点でございます。  61ページ、18年度における短期借入金、外部からの借入金はなかったという状況でご ざいます。  財産の関係は、これは評価委員会でも御報告いたしました件でございますが、四国が んセンター、豊橋医療センターの土地の処分を行っておりますが、機構全体としては、 18年度全体で土地の売り払い、小さなものも含めますと15億円、貸付料の収入として は2億円ということで、土地の関係で17億円の収入がございます。機構はわりと広大な 土地を持っている病院が多くございますので、今後、投資をするための資金捻出の方策 としては、こうした土地活用等を進めていくことも一つの課題と考えております。  現状で申しますと、多くの貸付の事例としては、廃止した看護学校の跡地に大学を誘 致する。そして人材確保につなげるですとか、特別養護老人ホームとかいう福祉施設を 誘致して、病院との連携を図りつつ土地の有効活用を図っているという事例とか、障害 系の病院では養護学校に土地の貸付をし、そこで利用していただいている。現状はそう いったわりと福祉、教育に限定的な利用になっておりますが、段階的にその利用の自由 度を高めていくことが必要かと考えております。  剰余金については、ルールに従いまして積立金として処理をしたところでございます。  評定としては、固定負債についても中期目標を上回る整備を確保しつつ貸付残高を減 らしているということで、Sでお願いをしたいと考えているところでございます。 ○国立病院機構企画経営部長  最後に、63ページからでございます。その他の業務運営に関する事項として、数点挙 げてございます。  一つ目は人事に関することで、既に前段で申し上げました障害者、障害児の方々に入 所していただいている病棟を中心に、QOL向上の観点から療養介助職を配置した。あ るいは、技能職についての退職不補充などを行った。また、良質な人材確保として、実 際の採用に当たっての人事交流、あるいは人事の任命権の適切な活用を行った。  4点目は研修ということで、特に私どもは人を多く抱えるサービス業でございますの で、本部あるいはブロック、そして施設というところを役割分担、あるいは小回りの効 くそれぞれの役割に応じた研修を、18年度もそこに書いてございます数を実施したとこ ろでございます。  5番目に、医師確保について特掲をいたしております。5.(1)のシニアフロンティ ア制度というのが18年度に新機軸として取り組んだことでございます。全体としての医 師確保に困難を抱える中で、定年退職者、定年退職予定の方々について特別に、私ども の機構の中のルールとして引き続き在職をしていただけるという仕組みをつくりまして、 このような制度にお1人の方に乗っていただいて実際に働いていただいているというの が実績でございます。  (2)の医師の緊急派遣。これは、昨年のこの場においても幾つか御指摘をいただき、 御報告をいたしましたが、全体として医師が引かれた場合に、まずは病院間でやりとり をして何とか助け合う。個別の病院でできない場合には、ブロック単位でブロックの枠 の範囲の中で何とか診療援助のような形でやりくりできないだろうかということを話し 合っていった。それもなかなか難しいといった場合には、全国規模でということで、18 年度9月から19年の3月までの7カ月間、東北の3病院に対して全国から108人の診療 援助体制を組みまして、何とか医療法の標準から大きく欠ける病院の診療機能維持を図 ったところでございます。  64ページは、看護師の方の特掲でございます。これについては、先ほど学校について 幾つか御指摘をいただきましたように、就職率を高めることによって私どもの看護師確 保を進めるという意味から取り組んだところ、私どもの機構の学校の卒業生が機構の病 院に就職していただく率を上げることができ、18年度は65.2%となっております。  また、7番目に障害者雇用について。私どもの機構における障害者雇用の率が、法定 で定められております2.1%より低いという御指摘、おしかりをこれまでいただいてお りまして、機構あげて取り組んできたところでございます。18年度には199人の障害を お持ちの方々の採用をいたしまして、18年度末に565人までまいりました。その後の取 り組みもありまして、今年の6月には法定雇用率2.1%はクリアすることができたとい うことでございますが、ここに至るまで、18年度は特に障害者の方々の働く場として機 構がどのようなことができるのか、取り組んできたというのが実績でございます。  65ページは、人員に係る指標ということで、技能職について再掲をいたしております。  66ページ、今申しました医師確保における緊急医師派遣制度などの取り組みや、看護 師における確保対策、そして障害者雇用ということでそれぞれ取り組み、特に障害者雇 用については、18年度中の委託範囲の見直しなど、どうやって職をつくれるかという取 り組みの結果が、19年6月における法定雇用率達成に結びついたと思っておりまして、 自己評定はAとさせていただきました。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。それでは、この三つに関してどなたか御質問はござ いますでしょうか。 ○住田委員  皆さんの大変な努力に対して非常に厳しい意見を言って申しわけないのですが、先ほ ど申しましたように総収支の黒字化という大幅な黒字は減価償却をしなくていい120億 ということで、償却前の利益は、ある会社で企業評価するときでも償却前利益というの はあるのですが、償却前利益でやると去年よりも収益は落ちている。それから、先ほど 大道先生もおっしゃったのですが、人件費、材料費、経費、一般的に考える経費は去年 よりも60億増えている。そして医業収入は4億減っている。ということになると、大変 申しわけありませんけれども、平成18年度は大変厳しい状況で、ぎりぎりのところでや られていたという感を否めないのですが、その点についてはいかがですか。  それともう一つ、誠に申しわけありませんけど、僕も長年やらせていただいていて、 今までアドバイスをしなかったのですが、58ページのど真ん中に「医業未収金の解消」 とありますね。その下に、未収金債権として「破産更生債権」とありますね。これは、 正しくは「長期医業滞留未収金」なのですよ。そうでしょう。当機構がほかに金を貸し ていて、その会社がつぶれたから破産になったとかというのではなくて、これは分かり やすくいったら「長期医業滞留未収金」ですよね。ですからこの言葉をふさわしいよう に、来年、検討していただいたらいかがかということをアドバイスします。 ○国立病院機構企画経営部長  まず前段については、概要版の4ページにございますように、一つ一つ数字について 今、住田委員が御指摘いただいたことはそのとおりであるということを踏まえた上で、 ただ、冒頭、あるいはこの中でも申しておりますように、18年度の我々を取り巻く環境 として、まず3.16%のマイナス改定のあった中で私ども医業という事業を行うためにど こまでやるか。この表でもまとめておりますように、もちろん減価償却という部分もあ ることはそのとおりだと思い、中期的には非常に厳しく受けとめておりますが、上位基 準など、いろいろな経営努力を行うことによってプラス75億まで返したこともまた一つ、 私ども、あるいは病院の成果だと受けとめていることは御報告をさせていただきたいと 思います。  2点目は、趣旨として委員がおっしゃっている内容だと思います。ただ、委員に申し 上げるまでもありませんが、これまで財務諸表の言葉遣いとして会計検査、決算を打つ ときにいろいろな関係方面のアドバイスもいただき、また相談をしながらまいりました ので、今の御指摘も踏まえて次年度に向けてアドバイスいただきながら、検討してまい りたいと思います。 ○猿田部会長  ほかにどなたかございませんでしょうか。 ○辻本委員  63ページの一番下の5の(2)医師の緊急派遣のところなのですが、全国から医師を 派遣するという取り組み、これは実際に派遣ということで出向かれるドクターの評価と いうか感想というか、患者の声まではなかなか難しいとは思いますが、実際に赴く方の お声がもしありましたら、聞かせてください。 ○国立病院機構医療部長  108名の先生方に行っていただきましたので、その声はさまざまでございます。一番 多かったのは、日々の患者さんを抱えた先生がほかの病院に1週間、あるいは長い先生 で2週間程度行くことに関して、かなり否定的、厳しい御意見がありました。今回の緊 急医師派遣については、機構の中で支え合うという精神を使ってほかのブロックからの 先生にお越しいただき、手当も創設したのですが、その先生にとっては自分の日常生活、 自分の診療行為が断ち切られた形でほかの病院で診療しなければならないことについて かなりのストレスを持って、否定的な見解を持ってこられた先生もいらっしゃいました。  一方で、ああ、機構の中にはこういう病院もあるのだ、急性期病院とは違って、田舎 の方で長期の療養者もケアしている病院もあるのだ、というふうなポジティブな見方を している先生もいらっしゃいました。ただ、それは必ずしも多くはございませんが。 ○辻本委員  今後は。 ○国立病院機構医療部長  今後は、この制度は今のところ生きておりますので、この制度自体で今後、発動する かどうかということについては慎重でなければならないと思っております。というのは、 これは診療報酬の減算回避という緊急的な対応でございましたので、もし今後やるなら ば、どのような診療科の先生が必要であろうかということを考えた上でやらなければい けないと思いますが、いずれにしろ現場の反感といいますか反論が強いものですから、 ちょっと難しいかなというふうには思っております。 ○猿田部会長  ほかにどうぞ。 ○山田委員  建築コストの削減に大分努力をされたというお話ですが、平米単価、あるいは1床当 たりの単価、その辺が国の時代がどれぐらいで、引き下げて幾らぐらいまで下がったの か、データとして教えていただければありがたいのですが。 ○国立病院機構財務部長  データは紙では用意してございませんが、記憶している範囲で申し上げますと、全面 建替えの関係で、関西地区で機構移行前に建替えた病院がございますが、それは大分、 国時代に安くしていて、1ベッド当たり3,400万ぐらいの契約額になっています。最近、 山口の方にある機構後に全面建替えで契約した病院ですと、全面建替えで1ベッドで 1,700万ぐらいとなっています。それから九州にあります熊本医療ですが、あそこは変 形地で段差地に建てたのでコストが上がっているはずなのですが、それでも1ベッド 2,000万を切るぐらいの値段で契約ができております。  それから平米単価でいきますと、病棟建替えをやっているグループは平米16万から 20万を切るぐらいの値段で契約をしています。全面建替えグループは大体25万を下回 る金額ぐらいで契約できておりまして、民間病院の建築の関係で公表されているデータ が幾つかありますが、比較するとほぼ同じぐらいの値段で契約できております。 ○山田委員  大変いいデータだと思います。  それから、将来的に病棟だけを建築して、外来診療部門は改修しない御計画と伺いま したが、その場合に一番心配なのは耐震性能ということで、それに対して耐震補強あた りにいろいろとカネがかかるのではないかと思うのですが、その辺のことは織り込み済 みでございますか。 ○国立病院機構財務部長  耐震の補強については、病棟以外の部分は17年度、18年度でほぼ終了しております。 病棟については、今、耐震をやっている最中の病院もございますが、これからとりかか る病院は病棟を補強するのに数億円かかるような案件がございますので、補強するか建 替えて資金が回るかという選択を今、議論している病院が7、8ございまして、これを 夏までに建てかえるか耐震補強するかという方針を決めて、耐震の問題については今年 度中に方針はきれいにしてしまおうと考えております。 ○猿田部会長  ほかにどなたかございませんでしょうか。先生方、随分努力していただいて、大体の 時間でうまく終わりそうでございます。ただ、特に先生方、評価をつけていただくこと をよろしくお願いいたします。  そうしますと、一応これで評価は全部終わりまして、本日の議事がすべて終了したこ とになります。そして、本日の個別項目に関する評価の結果を踏まえまして、起草委員 で総合的な評価の案を作成していただくことになって、それを次回、特に審議させてい ただくということで、先ほど日程の説明がありましたが、今度は8月9日でしたか、そ ういった形で進みますが、全体的に委員の先生方から特に御意見はありませんでしょう か。  もしございませんようでしたら、事務局から連絡事項をよろしくお願いいたします。 ○医政局国立病院課長  昨年度の部会におきまして、ナショナルセンターの独法化の動きがあった際には御報 告させていただきたいということをお話しいたしました。その件について、多少、お時 間をいただければと思っております。お手元に、国立高度専門医療センターの今後のあ り方についての有識者会議報告書の概要を配付いたしております。これに従いまして御 説明いたします。  このナショナルセンターについては、御案内のとおり、行政改革推進法等で平成22 年度から独立行政法人、これは非公務員型、国立病院機構は公務員型の特定独法であり ますが、非公務員型の独立行政法人に移行することになったわけであります。この独法 化後、どのような姿で、ミッションをもってナショナルセンターが進んでいくのかとい うことについて、有識者会議を発足していただき、そこで御議論いただいたものでござ います。  この有識者会議のメンバーでありますが、座長は高久座長でございます。このメンバ ーの中には、本部会員でございます辻本委員、それから矢崎理事長に御出席いただき、 御検討いただいたというものでございます。  その内容は、ナショナルセンターの役割の明確化と持てる資源を選択し集中していこ うということでございます。これはどういうことかというと、ナショナルセンターとし ては国の医療政策と一体となって都道府県の中核的な医療機関等の支援をしていこう。 ナショナルセンターは、がんセンター、循環器病センター、成育医療センター、長寿医 療センター等の6施設ございます。こういった6施設がそれぞれの分野にきちっと対応 し、そして都道府県と連携しながら我が国の政策医療の水準を高めていこうということ であります。したがって、高めていくためにも推進力が必要でございますので、研究機 能を中核とした医療研究センター機能を確立していこうということであります。また、 ナショナルセンターは研究所、病院、運営部という三位一体で組織化されておりますが、 その中で病院においても臨床研究重視型病院となって、さまざまな医療技術開発を担っ ていただこうということであります。  2ページをごらんいただきますと、こういったナショナルセンターの政策医療の牽引 車としての役割を明確化させ、三つの役割ということで、臨床研究の推進ということで あります。そういった我が国の臨床研究についての統括、調整的な役割を担っていただ こう。その際には基礎研究の成果は、日本はかなり基礎研究の成果は上がっております が、それを臨床の実用化につなぐ仕組みがなかなかできていない。こういったところを きちっとナショナルセンターの枠組みの中でつくっていこう。ではどのような具体的な 対応をするかということで、経産省等では知的クラスターというのをやっておりますが、 まさに産業界と連携しながら医療クラスターというものを形成し、治験中核病院として 必要な体制も担い、また人材についても流動性を持ってさまざまな結果が出せるような 組織体制を構築していこうということであります。  そして、そういった成果を我が国に普及させることによって医療の均てん化、推進と いう役割を担って、とりわけ情報発信を中心として展開していくわけでありますが、人 材育成についても指導者の中の指導者の育成を目指していこうということであります。  三つ目の役割としては、そういった政策医療を展開していくわけでありますが、その 実績を踏まえて、国が今後、我が国の医療政策の中における政策医療に対してどのよう に展開していくのが望ましいかなど、提言をしていく仕組みを設けてはどうかというこ とであります。  また、これらの三つの役割に的確に対応していくためには、六つのナショナルセンタ ーがございますが、それが一つでいくのか、あるいはナショナルセンターごと法人化す るのか、そういった議論がございますが、課題達成を確実にしていくという観点からみ れば、ナショナルセンター、各施設ごと、法人化する必要があるという御意見をいただ いたわけであります。また、ナショナルセンターにおいても今後、新しい政策課題が出 てまいりますので、そういった政策課題についても的確に対応できるよう、ナショナル センターのどこにも属さないようなものについては、国立国際医療センターで対応しよ うというような御意見が出てきたわけであります。  以上、報告書の概括でございますが、こういった報告書をいただきましたので、これ を踏まえてナショナルセンター個別法案の作業に入り、予定としては、来年3月にでも 法案として提出していきたいと考えています。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。どなたか御意見はありませんか。  では私から伺いたいのですが、ナショナルセンター化のところで、臨床研究の範囲で しょうか、いわゆる最先端の高度先進医療的なものを、今まで私はやっていますと、か なりナショナルセンターが出てきているものが多いのですね。そういったことに対する 配慮はどこへ入ってくるのですか。 ○医政局国立病院課長  まさに臨床研究については、高度医療の開発ということで考えております。 ○猿田部会長  ありがとうございます。今までも確かに国立循環器病センターあるいは成育医療セン ターとか、あるいは神経センターの方からかなりそういうところが出てきたものですか ら、それはぜひとも、これから大学もなかなか大変だとしても、こういったところで是 非やっていくことが大切ではないかと、コメントさせていただきます。  ほかにどなたか。 ○国立病院機構理事長  すみません、時間が過ぎていますので。  今日のこの委員会で出てこなかった課題は、委員の先生は慶応大学とか東大とか日本 大学とか、いわゆる勝ち組の病院の先生方だけなのですね。今、我々は、住田委員が言 われた90億というのは減価償却で仮の姿ではないかというのはおっしゃるとおりで、こ れからを考えるともっと収益を上げないといけない。医業収益は、一つは今回の診療報 酬のような政策リスクが極めて大きい。もう一つは、医師の行動変容といいますか、予 測できなかった大学の人材派遣機能の低下ということで、今、多くの病院は、本当に黒 字の健全な病院だったのが、突然、毎年2億円も赤字を出すような病院に転落するとか、 極めて先が読めない状況であります。そういう大きな背景もあるということで、我々は 大変な思いをしながらやっていますので、その点もよく御理解いただいて、できたら慶 応、東大で我々の病院を強く医師の派遣をサポートしていただければと、そうすれば、 健全経営に努めたいと思います。  ただ、医師がいなくなって赤字に転落した病院がその地域で本当に必要なのかどうか と。我々としては政策医療は遂行しなければいけないのですが、そういうことも含めて 今後きっちり評価しながら我々はやっていかないといけない。そういう点においても、 評価委員会の先生方にはそういう視点からもサポートいただければ大変ありがたいと思 いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。  それでは、最後に事務局から先の予定をお願いいたします。 ○政策評価官室長補佐  次回の開催でございますが、次回は第21回国立病院機構部会、8月9日木曜日、午後 1時から、同じく省議室で行う予定でございます。開催通知については、後日、送付さ せていただきます。  なお、評価シートでございますが、机上に置いたままお帰りいただきますようにお願 いいたします。まだ評価シートへの書き込みが足りない方がいらっしゃるようでしたら、 評価シートはお帰りになるまで回収いたしませんので、この場で引き続き御記入くださ い。よろしくお願いいたします。  なお、評価シート以外の評価に係る資料でございますが、次回の部会において使用い ただくこともあるかと思いますので、机上に置いたままでお帰りいただきますようお願 いいたします。また、お持ち帰りなさりたい方がいらっしゃれば、お持ち帰りいただい ても結構でございますし、こちらから郵送することも考えておりますので、お申しつけ くださるようお願いいたします。  以上でございます。 ○猿田部会長  どうもありがとうございました。皆様方の御協力でそんなに遅れないで終わったとい うことで、本当にありがとうございました。では、これで本日は終わらせていただきま す。どうも、御協力ありがとうございました。 −了− 照会先: 政策統括官付政策評価官室 政策評価第一係 電 話: 03−5253−1111(内線7784)