07/07/18 行政処分を受けた保健師・助産師・看護師に対する再教育に関する検討会               第3回議事録 照会先:厚生労働省医政局看護課     石原(2599) 堀川(2595)     代表 03−5253−1111     直通 03−3595−2206   第3回 行政処分を受けた保健師・助産師・看護師に対する再教育に関する検討会 日時 平成19年7月18日(火) 13:00〜14:30 場所 厚生労働省18階1808共用会議室 ○石原課長補佐 定刻になりましたので、ただいまから第3回「行政処分を受けた保健 師・助産師・看護師に対する再教育に関する検討会」を開催いたします。委員の皆様方 におかれましては、ご多忙にもかかわらず当検討会にご出席いただきまして誠にありが とうございます。以後の議事進行は井部座長にお願いいたします。 ○井部座長 前回は、事務局案についてご審議いただきました。今回は、それを踏まえ て作成されました検討会報告書(案)について検討していただきます。本日は最終回で すので、皆様から活発なご意見を出していただきたいと思います。ご協力をお願いいた します。まず、事務局より資料の確認をお願いいたします。 ○石原課長補佐 議事次第、名簿、座席表、報告書(案)です。いちばん後ろにフロー の図が書いてあり、別紙が付いております。本日の資料は以上です。 ○井部座長 事務局から資料の説明をお願いいたします。 ○小野看護職員確保対策官 本日は、「行政処分を受けた保健師・助産師・看護師に対す る再教育に関する検討会報告(案)」についてご議論を頂戴いたします。先生方には、事 前にご送付申し上げておりますので、ポイントだけ簡単にご説明申し上げます。  1の「はじめに」のところは4つの○があります。1つ目の○には再教育制度を設け た経緯について、2つ目の○には行政処分の内容に関する法令上の規定について、3つ 目の○と4つ目の○は本検討会での検討の内容や報告書の位置づけについて記述してお ります。  2の「看護師等の行政処分の状況」の1つ目の○、2頁の2つ目、3つ目の○の箇所で は、行政処分の状況について事実関係をサマライズしております。その具体的な内容に ついては、点線の囲みの中で簡単に数字を紹介しております。後半の3つの○は、楠本 先生から第1回検討会でご紹介をいただきました、日本看護協会のほうで平成18年に 行われた、医療過誤により行政処分を受けた看護師等に係る調査の概要を紹介しており ます。その3つ目の○では、職場復帰と支援に関する指摘を盛り込んでいます。  3の「行政処分を受けた看護師等に対する再教育のあり方」の(1)再教育を行う目的 の1つ目の○で、再教育の目的は、職業倫理及び一定の知識や技術を確認させるととも に、患者に対し医療サービスを安全に提供することといった看護師等として果たすべき 責務の自覚を促し、復帰後の業務の適正な実行に導くことを通じ、もって国民の医療へ の信頼を確保することと整理しております。  2つ目の○及び3つ目の○において、医療過誤事案による処分者の場合、あるいは業 務停止期間が長期にわたるもの、そういう方々への配慮の点について。また、これらの 処分事由について、自ら省みることであるとか、社会的責任に関する自覚を促すような ものとするべきである、ということを記述しております。4つ目の○については、刑事 処分との関係について、犯罪行為に係る更生そのものはこの制度の直接の目的ではない と書いてあります。  (2)の再教育の対象者については、戒告以上の行政処分を受けた全ての看護師等及 び再免許を受けようとする全ての看護師等を対象とすることが適当であるとしておりま す。  (3)再教育の内容等の1つ目の○は、医療過誤事案に係る者の現場復帰の状況を考 慮する必要があると述べた後、2つ目の○で、具体的な方法としては集合研修と個別研 修の二通りとすることを述べるとともに、看護師の特性への配慮を書いてあります。  3つ目の○では、リードの箇所で具体的内容として、職業倫理に関する内容と、医療 安全を含む看護技術に係る内容の2つがあるということを述べていて、その上で集合研 修と個別研修で、具体的にどういうことをするかについて2つの◇で書いてあります。 1つ目の◇では集合研修についてで、全ての対象者が受けることとし、原則として講義 又はグループワーク等の形式で、看護師としての職業倫理及び看護技術のうち、医療安 全に関連する内容について行うというふうに整理しております。  2つ目の◇では、個別研修で業務停止処分以上の者が受けることとし、処分期間の長 さに応じた期間、技術の安全の確認のための研修及び被処分者の処分事由に配慮した研 修を行うこととするとしております。  この後の箇所は議論のあったところですが、このような観点からは、見学やシミュレ ーターを用いた演習、カンファレンスへの参加等を行う内容とすることが望ましいとい う意見がありました。一方で、業務停止期間との見合い等を踏まえると、業務停止処分 が1年未満の者については、課題研究及び記述による課題報告の作成とすべきであると の意見もあったところである、と先生方のご意見を両論書いております。  以上を踏まえると、まずは、全ての者について「見学や演習等」を基本としつつとし た上で、業務停止処分が1年未満の看護師等については、事案により「課題研究及び課 題報告の作成」とし、両方のご意見を反映しております。さらに、この制度の参考とし て議論してまいりました医師の制度についてもまだ実施されていないものですから、一 定期間の後、運用状況を検証の上、必要に応じて見直しを行うこととすべきであるとし ております。私どものほうで、将来必要な見直しを行うことを想定した記述とさせてい ただいております。  4頁で、点線で囲った四角の枠で、その内容について具体的に整理した上で、その下 の1つ目の○では、処分事由と集合研修の実施のあり方について。2つ目の○では、当 人にのみ責を負わせることは適切でない場合の医療過誤案件の方であっても、看護技術 に係る研修を課すべきであるということについて。3つ目の○では、処分者が精神的に も立ち直り、復職を実現し、業務を継続していくことができるようになるためのサポー トの意味での研修と、行政処分の一環として行うこととする研修とは意味合いが異なる ということについて記述をしております。  (4)再教育の実施時期の1つ目○では、集合研修は速やかに行うことが望ましい。2 つ目の○では、業務停止期間中の個別研修と、業務独占行為の関係について記述してお ります。  5頁の(5)再教育の提供者の1つ目の○では、集合研修の提供者について。2つ目の ○では、見学や演習等の個別研修について、あらかじめ指定された団体など以外であっ ても、被処分者が所属する医療機関や卒業した学校、そういう所で行うことも可能とす ること。また、そうした所がない者への配慮であるとか、事案によっては医療関係以外 の機関でも可能とするということが書いてあります。なお、ここの○のいちばん最後の 箇所で、学校に関する表現を「教育機関」という語に、事前にお送りしたものから改め ております。3つ目の○は、課題研究及び課題報告の指導・監督の実施主体は、私ども 厚生労働省のどこかで行うということが書いてあります。  (6)助言指導者の1つ目の○では、その選任の必要性について。2つ目の○では、計 画立案段階でのその役割。3つ目の○では、その資格といいますか資質について、原則 看護師等の有資格者であることを求めています。4つ目の○では、その具体例について。 5つ目の○では、助言指導者への支援の必要性というものについて記述しております。  (7)再教育修了の評価ですが、その評価の具体的なあり方について記述しておりま す。  6頁の(8)その他の1つ目○では、費用負担について記述しております。2つ目の○ では、この検討会でもご議論がありました、再教育命令を無視した者へのペナルティに ついて、こういうことがあるということを記述しております。  7頁は別紙としておりますが、以上のような形で行政処分後の再教育のあり方につい て記述してきたものを、フローチャートに整理したものです。私からの説明は以上です。 よろしくお願いいたします。 ○井部座長 ただいまの説明について、ご質問等がございましたらまず出していただき たいと思います。 (特に発言なし) ○井部座長 それでは、中身の検討に入ります。順番を区切ってご意見をいただきたい と思いますので、修正あるいは追加がございましたらご指摘いただきたいと思います。 「はじめに」の箇所ではいかがでしょうか。 ○我妻委員 「はじめに」のところに、医療の質とか安全についても一言触れてもいい のではないかという気がしています。具体的には行政処分の事実の概要を述べるだけで はなくて、国民に対して医療の安全とか質の向上についても一言触れてもいいのかとい う気がします。特に、行政処分を受けた医師に対する再教育についての報告書でも最初 に一言触れているので、その点も合わせると一言述べてもいいのではないかと思います。 ○井部座長 冒頭の○の後の内容に追加するということですか。 ○我妻委員 前でも後でもどこでもいいのでしょうけれども、事実について概略を紹介 する。 ○井部座長 事務局のほうはいかがですか。 ○小野看護職員確保対策官 先生ご指摘のような方向で整理を考えたいと思います。 ○井部座長 「はじめに」の上から2行目に、「平成17年に開催された医療安全の確保 に向けた保助看法のあり方」というのが出てくるのですが、医療安全そのものについて は言及していなかったでしょうか。 ○小野看護職員確保対策官 2頁の「再教育を行う目的」の箇所には、1つ目の○でそ のことが書いてあるのですが、確かに制度のそもそもの目的のところには、行政処分を 強化したとか、一連の全体の話については書いてありませんので、ご指摘の趣旨を踏ま えた記述があってもいいかとは考えております。 ○井部座長 どこにどのように入れるかというのはこの後にしましょうか。 ○小野看護職員確保対策官 おそらくですが、3つ目の○の、この検討会でこういう議 論を行ったという中で、いまご指摘のような安全性の確保ですとか、質の向上というこ とを国民に対し、そういう必要性を担保するためにこれを行うのだ、ということも議論 の視点の中であったようなことを、反映してはどうかと思っておりますがいかがでしょ うか。 ○井部座長 よろしいですか。 ○我妻委員 最後はお任せします。 ○井部座長 3つ目の○の「再教育の具体的なあり方について検討を行った」の次辺り に、医療安全の保障といったようなことについて加筆するということですね。「はじめに」 はこれでよろしいでしょうか。2番目の「看護師等の行政処分の状況」についてはいか がでしょうか。看護協会の調査に言及した箇所の四角の枠の下3つに関してはよろしい でしょうか。特に、3つ目の○は少し加筆して説明をしていただくようにしたのですが よろしいでしょうか。 (特に発言なし) ○井部座長 次は「行政処分を受けた看護師等に対する再教育のあり方」で、(1)再教 育を行う目的、(2)再教育の対象者、(3)再教育の内容等、2頁から4頁の後半にかけ てご意見をいただきたいと思います。 ○村田委員 4頁の「再教育の実施期間」の前ですが、「当人の復職の実現を積極的に支 援するものとは切り離して考えるべきである」で終わっています。精神的な支援が非常 に大事だということを、看護協会の調査などで縷々言ってきているわけです。今回の再 教育に関しては、保助看法上の、最低限の水準の確保を前提としたもので、「職場の復帰 を積極的に支援するものとは切り離して考えるべきである」というのはなんとも冷たい 感じがするのです。再教育はしますよ、でも職場復帰については別に応援するものでは ありませんよみたいな、非常に冷たい終わり方だと思うのです。  再教育を受けて、職場復帰を支援するものであるというのは当然なわけです。だから、 切り離して考えるべきではあるけれども、精神的な支援はそれぞれの職場においてきち んとやってほしいとか何とか、そういうことを一言付け加えてもらわないと、国として 再教育をやりますよというだけの冷たさが非常に感じられます。 ○井部座長 少しあたたかく書いてください。 ○小野看護職員確保対策官 わかりました。 ○村田委員 要するにあたたかいというか、職場復帰をする精神的な支援が必要だと。 保助看法上の最低限の教育だけやればいいというものではないということなのです。 ○小野看護職員確保対策官 制度の仕組みとしてはまさに先生がおっしゃるとおりです が、確かに最終的には精神的に立ち直って、きちんと職場復帰をしていただく必要があ ると思いますし、そのときのモラル・サポートという部分は大事だと思っております。 要は、メッセージとしてそこが伝わるような表現を少し考えてまいりたいと思います。 ○井部座長 ここの「一方で」というところの文章は、「保助看法上の制度として行う研 修は、職場に復帰するための最低限の水準の確保を前提としたもの」というところに関 しては、この表現でよろしいのでしょうか。 ○小野看護職員確保対策官 意味合いとしては看護協会のレポートで、いろいろな支援 をしているということを私どもは学ばせていただきました。そういう支援というのは、 個人差がかなりあるだろうし、また復職した後も逐次相談をしたりということも重要で あるという話もありました。  そういう環境を整えるところまでは、この制度が予定しているものではなくて、そこ に至るまでの段階での、まさに「最低限の水準」という表現にしてしまったのですけれ ども、職場に復帰するために必要な部分の研修というのを、制度として誰に対しても一 律に課すということではやりたいという意味合いで書いたものです。 ○井部座長 その次に、「なお、当人の復職の実現にはさらなる積極的な支援が求められ る」というように、肯定的に書けばいいわけです。「切り離して考える」と表現しないで、 「当人の復職の実現にはさらなる積極的な支援が求められる」とか「必要である」と書 くと曖昧になるのでしょうか。行政のやることと、個人に合わせた研修の体制を確保す ることとは。 ○嶋森委員 私も気になりながら、村田委員がおっしゃるまで言えなかったのです。い ま議論を聞いていて、「最低限の水準」という言い方よりも、医療安全確保のためにこう いう制度ができたので、それに併せた再教育であるという言い方にする。なお、看護師 としての職場復帰については、行政というよりも職能団体その他医療機関等が支援をし、 職場復帰を推進することは是非したほうがいいだろうみたいな言い方にしたらどうかと 思う。きちんと区別して、行政としては制度確保と信頼を得るための制度として決めら れたので、それをやる本人の職場復帰については職能団体等が配慮したほうがいいとい うか、すべきだろうと書いていただくといいのではないかと思いました。 ○井部座長 よろしいですか。 ○楠本委員 賛成です。職場復帰支援プログラムが必要だと思う、いいと言っています ので、それとは別の話だというのをきっちり書いてくださればいいと思います。 ○井部座長 この再教育は、職場復帰のための制度上の研修だけれども、当人の復職の 実現にはほかの協力がもっと必要なのだ、ということを書けばいいということですか。 ○嶋森委員 職場復帰支援の制度ではないと思うのです。要するに、看護師として働く ために、もう一回免許をきちんと使えるようにするための制度であって、職場復帰とは 微妙に違うような気がします。 ○井部座長 そうすると、この文章は、「一方で」以下の文章は「職場に復帰するための」 と出てくるので、職場に復帰するための文章と、その次の「当人の復職の実現」とはち ょっと混乱するのです。ここを、どうクリアにするかです。 ○小野看護職員確保対策官 例えばですが、「一方で」というのも落としてしまい、前段 で「職場復帰の支援のための研修は個々人の事情により適宜行われるのが望ましい」と 言っておりますので、「ある」と言い切った後、例えば「行政処分を受けた者に対して保 助看法上の制度として行う研修は、当人の復職の実現を積極的に支援する」で、「切り離 す」という表現がふさわしくなければもう少し温厚なといいますか、あたたかい表現に して「性格を異にするものであるが、そうした積極的な支援というのは行われるべきで ある」とか、「積極的な支援はふさわしいものである」とか、そういう肯定的な表現で結 ぶようなことではいかがでしょうか。 ○井部座長 村田委員としては、あたたかい文章にするには何かご意見がありますか。 ○村田委員 「切り離して」というところは、一つひとつの言葉選びで随分違ってくる と思うのですが、いま何とおっしゃったのでしたか。 ○小野看護職員確保対策官 「性格を異に」と言いました。 ○村田委員 そういうほうが、なおよろしいのではないかと思います。 ○小野看護職員確保対策官 わかりました。 ○楠本委員 職場復帰支援は研修だけではないので、職場復帰を支援するための方策と か、研修をはじめとする方策みたいな書き方をしたらいいのかと思います。 ○井部座長 ここの文言は後で修文することにいたします。そのほかの箇所でご指摘い ただくところはありませんか。 ○牛島委員 いちばん最後の○のところですが、いつもお話しているように「なお、委 員からの報告によると、医療過誤の当事者となった」云々とあり、「職場復帰の支援をし ている」ということが書いてあるのですけれども、これは誰がしているのかとか、そう いうものが抜けているから、教育ということと職場復帰という別の問題がごっちゃにな っているのです。逆に言うと、これを読んだ人は、これを受ければすぐに職場復帰でき るのではないかと考えられると、ちょっと趣旨が違うような気がするのです。そこは、 きちんと分けた文章を作っていったほうが、変な誤解を生まないのではないか。  逆に言うと、この教育を受けたからすぐに雇ってくださいみたいな話にはならないと 思うのです。そこは、きちんと分けたほうがいいと思います。この教育というのが、職 場復帰に対する免罪符みたいなものになってしまうと、ちょっと意味合いが違うのでは ないか。 ○井部座長 事務局としてはいかがですか。 ○小野看護職員確保対策官 「委員からの報告によると」という点は、委員の関わる施 設での事例でお話があったことを要約させていただいたところです。「委員からの報告に よると、」の後に、確かに主語というか、どこでそういうことをしているのかがないので わかりにくく、混乱をするのだと思いました。例えば、「委員からの報告によると、委員 の勤務する病院では」とか、「委員の病院では」とか、何かしらそういうことを補うこと でいかがかと思いますがいかがでしょうか。 ○嶋森委員 いま牛島委員がおっしゃったのは、職場復帰と分けたほうがいいというこ とですよね。3つ目の○は、いまおっしゃったように、ここに入れるか、次の「看護師 に対して」ぐらいのところに、「専門職能団体は医療機関において職場復帰の支援をして いるが」というふうに入れて、「望ましいものではある」というのは意見として切って、 ○をもう1つ設けて、それを後にしたほうがいいかどうかわからないのですが、「本報 告書は行政処分を受けた看護師職に対する行政としての信頼を取り戻して、医療の質や 安全を確保するための新しい制度としてやるべき研修である」と切ったらどうかと思い ます。2つに分けたら混同しないのではないかと思いました。 ○井部座長 そうですね。○を2つに分けて、前半は医療機関などが支援していると書 いて、後半は、この再教育というのは違うのだということがわかるように分けるという ことですね。 ○嶋森委員 はい。 ○井部座長 牛島委員はそれでよろしいでしょうか。 ○牛島委員 それだったらわかると思います。 ○我妻委員 前の箇所の、「また、処分事由となった医療過誤事案が」というところも、 必ずしも本人にのみ責を負わせることが、適切でない場合も想定されるかということで、 ちょっとわかりにくいかという気がしております。これも、医師の再教育についての報 告書の文章を借りると、例えば、医療技術に係る再教育については、被処分者の医業再 開に対して、国民や患者の不安が生じることのないように2つの観点から検討したとい う形で言っているのです。  医療安全の面を最初のところに書いて、その後に医療過誤事案について、例えば行政 処分の理由がということで、これも報告書によれば特定の医療技術上の問題から生じて いると考えられる場合には、当該技術について評価を行うという形で再教育を行うとか、 再教育があるという形で、ここの文章も少し修正したほうがいいのかと思いました。 ○井部座長 わかりやすくですね。 ○我妻委員 はい。 ○井部座長 この再教育では、本人にのみ責を負わせることが適切でない場合にも、別 に組織に働きかけをしたりしないわけですね。 ○小野看護職員確保対策官 この再教育では特にありません。 ○井部座長 いまご指摘があったように、医療技術上の問題に関しては、個別研修など で取り扱うことはありうるわけですので、確かにここは詳細に書いたほうが誤解がない でしょうか。 ○小野看護職員確保対策官 一応つもりといたしましては、医療過誤事案で行政処分を 受けた看護師の、医療過誤事案というものが、本人にしてみればなんとなく巻き込まれ てしまったような事故で、実施者にすぎなかったようなことであったとしても、そうい うことが起こり得るわけです。そうした場合には、看護技術に係る研修は、その方が下 した行為ではあるのですけれども、それ自体に問題がなかった。でも、看護技術に係る 研修をやったほうがいいのではないか、ということを説明した件であります。  そのように伺いますと、もう少し詳しく書くとした場合に、医療過誤事案の、例えば これこれこういうようなこと、といった辺りを詳しめに書くのがいいのか、私が個人的 にわかっていないだけかもしれないのですけれども、いまのご発言を聞いて迷ってしま いました。もう少しこういうところを書き加えてほしいとか、いま我妻先生がおっしゃ られた辺りをもうちょっとご説明いただけるとありがたいと思います。 ○井部座長 我妻委員から補足の発言をお願いいたします。 ○我妻委員 行政処分としては、この○で言っているところの説明ですと、確かに看護 師自身だけではなくて、ほかのいろいろな要因があるとか、医師の指導の下において行 って、実際上医療事故が発生したというときに、確かに看護師だけを切り離して行政処 分をしたということではなくて、おそらく医師も監督責任という形で行政処分を受けて いるという想定もされます。  看護師の場合はいろいろなパターンがあり得て、看護師個人に医療技術の問題がある 場合と、医師の監督の下に実際上医師に大きな問題があって、それに看護師が関与して いるという場合と事例を2つに分けて考えてみる。最初の類型の看護師に問題がある場 合には医療技術の問題なのだから、医療技術の向上なり、看護師として現場に復帰する 場合には、当該医療技術について問題がないことを確認する、あるいは再教育で一定の 医療技術を習得するということ。2番目の類型では、看護師だけではなくて医師にも問 題があった場合についても、看護技術に係る研修を課すということが、医療安全の観点 からは望ましいというような形で持っていけばいいのかと思います。 ○小野看護職員確保対策官 いまの文章ですと、看護師本人の技術に問題がある場合に は、基本的に看護技術に係る研修を課すということが書いてなくて、それが当然であっ て、それが前提の上での次のことだけしか書いていないのでわかりにくいということだ ったのか、ということをいまお話を伺っていて思いました。その前のところもちゃんと 書く、ということでよろしいでしょうか。 ○嶋森委員 いまの説明だと、わかったような何か一言を言いたいような気がするので す。「本人のみ責を負わせることは適切でない」と言ってしまうと、行政処分そのものを 否定しているような表現になります。看護師は、個人的に技術の問題と、チームでやっ ているから組織の問題で、両方とも処分の理由になるわけです。確かに、そういう分け 方かなと思うのです。  技術については技術を教えればいいのですけれども、チームで組織的に医療が行われ ている組織のメンバーの1人としてどういう配慮が必要であったか、という学習をしな いといけないと思うのです。だから、両方とも教育しないといけなくて、中身は技術で あり、片方はチーム医療のあり方とか、メンバーとしての行動をどうするかという2つ に書いていただくと、私としてはよりわかりやすいと思います。 ○我妻委員 ありがとうございます。 ○井部座長 つまり、この複合的な要因というのを少し開いて説明をして、それで看護 技術に係る研修を課す、というふうに下りていくといいのでしょうか。 ○村田委員 質問ですけれども、再教育の具体的な内容・方法のところで、4頁の上か ら4行目の論文でもいいですよというところの「事案により」というのは、どういうの だったらよろしいのでしょうか。 ○小野看護職員確保対策官 いまのところ考えておりますのは、1つは業務停止期間が 非常に短くて、見学や演習等についての助言指導者を決定して、その指導者と一緒に計 画を立て、受入施設を決めて、受入施設での研修を行うといった一連の流れの時間的な 余裕がないような場合。もう1つは、処分事由によって、必ずしも見学や演習等という ものを行う必要がない場合の2つがあり得るかと思っております。ただ、具体的にボー ダーのところにつきましては、我々の運用が恣意的にならないように、いただいたご意 見を踏まえながらルールをきちんと決定してまいりたいと思っております。 ○井部座長 ここは、「事案により」という前に少し説明を書き加えたほうがよろしいと いうご意見でしょうか。 ○村田委員 理解としては、見学、シミュレーター、演習、カンファレンスへの参加、 こういう個別の教育と、課題研究及び課題報告はどちらでもいいですよ、同列ですよと いうふうにここでは言っているのでしょうか。それとも、本来はどちらかというと、最 後の資料でいうと、個別研修の20時間程度見学・演習をやってきてくださいが望まし いが、事案によってはOKだという書き方なのでしょうか。それがよくわからないので す。 ○小野看護職員確保対策官 4頁のいちばん上のところに、「以上を踏まえて、まずはす べての者について見学や演習等を基本としつつ」と書いてありますのでそちらのほうが 基本なのですけれども、1年未満の方というのは期間が短いということもありますし、 処分事由によっては必要のない場合もありますので、そこについて「事案により」とい う書き方をしております。ですから、まずはすべての者について基本としつつ、これこ れの人については研究と報告の作成というような考え方で表現させていただいたところ です。 ○井部座長 この「事案」というのは、業務停止処分が1年未満の人が対象になる可能 性があるということと、行政処分の内容は見学や演習等をしなくてもよい処分事案の方 というふうに取れるのでしょうか。 ○小野看護職員確保対策官 しなくてもよいということもあるのかもしれませんが、む しろ研究とか報告の作成のほうが望ましいという場合もあるかとも思っております。そ もそもやるべきというか、この検討会での議論でも、より多くの先生が「見学や演習等」 とおっしゃられています。一方で、そうではなくて「研究と報告の作成」のほうがいい とおっしゃられた先生のご意見もあり、それが両方あったところですので、両者の考え 方を尊重してやりたいという意味合いで書いたところです。 ○井部座長 誤解のないようにしたいのですが、この「事案により」という「事案」を 少しわかりやすい表現に直せばいいのでしょうか。 ○村田委員 一般的にはそうしていただいたほうがわかりやすいと思います。私には全 然想像がつかないです。 ○嶋森委員 先ほど私が手を挙げたのは、村田委員の質問に対する答えになっていない かなと思ったのです。この事案というのはどんな事案ですかとお尋ねになったと思いま す。1カ月ぐらいで済むようなものとか、そんな事案なのかと思うのです。別に深夜明 けの交通事故とか、技術の問題には関係なくても行政処分になる人もいるわけです。そ ういう人たちだったら、サーカディアンリズムについて勉強して報告書を出すくらいで いいような気もします。そのことを言っているのでしたら、私はそういう事案もありう るということでもいいのではないかと思います。 ○井部座長 いまの深夜明けの交通事故の例はわかりやすいですね。 ○嶋森委員 そういう人に実習させるよりも、よく寝てから帰らなければいけなかった のだ、という勉強をしてもらったほうがいいような気がします。そんなことだったら、 あまり実習などはしなくてもいいと思います。 ○村田委員 そうすると、3頁の「再教育の対象者」というところでは、医療過誤事案 である場合、ない場合と処分の事由のいずれを問わず視野に入れとあります。 ○嶋森委員 対象者はそうですよね。ただ、その事案が短い、短くて過誤したわけでも なく、罪を犯したわけでもないという事案もあるような記憶もありますから、そういう ときに無理して短い間に実習をさせるのがいいのかという疑問があります。 ○牛島委員 この事案というのは、業務停止の長さのことを言っていると私は理解して いたのですが、それでよろしいのでしょうか。いまの話は、業務停止の期間の短い者に 関してはこういうことでもいいですよ、という設定で話されていたのかなと。罪のいろ いろな種類ではなくてと。そのようにまとめていかないと、いろいろな事案をいっぱい 書かなければいけなくなってしまいます。それでなかったらどうするのですかと。医療 の問題というのは、過誤以外の問題でも、いろいろなことで起きますから、「えっ」とい うような事柄も起きますので、私は業務停止の時間ということである程度分けていくべ きなのかと、前回はそのように理解していました。 ○井部座長 事務局としてはいかがでしょうか。 ○野村看護課長 小野対策官から説明がありましたように、業務停止期間が1月とか2 月と非常に短いような事案というのは、業務停止処分が出てから、再教育の個別研修を 2日間とか3日間セットするということは、実務的になかなか難しい部分もあります。 そのような場合は課題研究や報告ということはあるかと思っています。  いま嶋森委員からありましたような、交通事案などについては、1年以内のような非 常に短い業務停止ですけれども、そういう方々に対しても実務研修がいいのか、効果が あるのか、それともいろいろな文献を読んだり、レポートを書いたりということのほう が効果があるのかということが考えられるのではないかと思っております。その辺につ いてはご意見をいただければと思ってこういう書きぶりにしております。 ○小野看護職員確保対策官 若干補足いたします。時間が短い、1月、2月ではないよ うな人で、医療過誤ではない方というので、例えば業務停止6月というのが、過去5年 間で12ケースあります。そのうちの半分ぐらいはまさに交通事故違反の方です。その6 月の停止になっているのは、接触事故があった上に、さらに救護をしなかった、酒気帯 びであったという方が該当いたします。  まさに夜勤明けの交通事故に、もう1つ何かしら例えば救護を行わないとか酒気帯び であったということがあると、もう少し問題としての深さが上がってしまい、業務停止 期間が長くなるということはあるかと思います。そういう方も、いま課長が申し上げま した部分の後者の事例ということでは、考えられるケースも出てくるのではないかと思 っております。 ○井部座長 ここは、単純に業務停止の期間の短さだけではないということですね。 ○小野看護職員確保対策官 ええ、短さと、あとはその処分事由の内容によりという両 方という意味合いです。 ○井部座長 牛島委員どうでしょうか。 ○牛島委員 内容ということになると、また問題が2つになります。内容としてどこに 線を引くのですか。諮問会議ですから、そういういろいろな工夫を出すのはそれで結構 だと思うのですけれども、実際に決めるときにはファジーでないようにしておかないと、 次の対処が困るということを私は言いたいのです。 ○小野看護職員確保対策官 それは、不利益な処分の決定することですので、何らかの スタンダードをちゃんと設けて、要は我々が恣意的にあなたはこっち、あなたはこっち とならないようにしてまいりたいと思っております。 ○我妻委員 いまのお話だと、3頁の再教育の内容等の上から3つ目の○のところで、 「(1)の再教育の目的に鑑みると」という形で、再教育の内容を2つに大きく分けてい ます。その中の職業倫理と医療安全を含む看護技術ということ。ところが「具体的には」 というところから必ずしも分けないで、一緒に書いているような印象を受けるのです。 そうすると、先ほどの交通事故の類型については、医療安全も少しは入るかもしれない けれども、むしろ職業倫理に近い類型だと思います。そうすると、牛島委員がおっしゃ られたように、確かに限界事例はもちろんありますけれども、2つに分けていくという のは医師の場合でも議論されているので、そうした形で2つに分けていくという部分に 切り分けて、教育の内容も示したほうがいいのではないかと思うのです。 ○井部座長 いまご指摘の箇所の3頁では、「処分の類型や業務停止期間に応じ」とな っているので、4頁の上から4行目の「事案」というのも、この処分の類型を指してい るという可能性はありますね。我妻委員のご指摘は、類型によって倫理に係る内容にす べき、あるいは医療安全を含む看護技術にすべきと区分けしたほうがいいということで しょうか。 ○我妻委員 そうです。要するに処分の期間の長さに応じてだけではなくて、類型が大 きく分けて2つあって、職業倫理に係る教育の内容の場合と、医療技術の安全が問題と なっている場合があります。処分期間、具体的には行政処分の対象自身が特に問題とな るのは、おそらく医療事故なり過誤があった事例について、どのような処分を行うかと いうことが重要になると思うのです。そうすると、ここの「個別研修は」というのは、 処分期間の長さに応じた期間、技術の安全という形で、一般的な書き方よりも、もう少 し細分化したほうがいいのかと思うのです。 ○牛島委員 この諮問機関に思っていたのは、いま我妻委員がおっしゃったことは、事 務局がやることだと私は思っていました。その前段階をここで議論するべきだと理解し ていたので、そのようにお話をしているわけです。本来ならば、そこまでやってきちん としなくてはいけないというのは、そのやり方の問題だと思います。ただ、どうすべき だということのべき論ということからするならば、そこでとどめていてもいいのではな いかと思っています。そうしていかないと、3回ですべてのものを出すということは不 可能に近いと思います。一つひとつの事例に対してこのぐらいで、こういう教育をしな くてはいけないという教育論まで入ってしまいますから、それはここでやるべき問題で はないと思っております。 ○井部座長 先ほど牛島委員が、もう少し不公平にならないように、恣意的にならない ようにすべきだという表現についてと、いまのご発言とは一致しないのですけれども。 ○牛島委員 どのように分けられるかと議論していくと、内容ということに関しては見 方によっていろいろ違います。そうすると、いちばんわかりやすくきちんと書くとする ならば、業務停止期間を中心に物事を書いていくべきです。それで、実際のやり方でい ま我妻先生がおっしゃったようなことを網羅してきちんとやっていくようにしていくと いうやり方の問題だと思います。最初から細かいことをやり始めたら、これはなかなか 進まないし、実行には移せないと思います。 ○我妻委員 いまの牛島委員のお話はごもっともなのですが、私自身の意見も牛島委員 と結論部分においてはあまり違わないと思うのです。細かく細分化して述べるというこ とではなくて、前回の委員会で議論があったのは、例えば3行目のところで、「見学や シミュレーターを用いた演習、カンファレンス等」という形で、実際に医療技術の実施 等について、実際に個別研修の形で研修したほうがいいのではないかという意見があっ たわけです。そうすると、そうしたものについては医療技術という形でカテゴライズし たほうがいいのではないか。だから、私の趣旨としては、あまり細かい個々の事例をと いうよりは、大きく分けて、例えば医療技術に問題があった場合と、先ほど嶋森委員が おっしゃられたような夜勤明けの交通事故等の場合、あるいは刑事罰に処されるような 場合と、これを2つに大きく分けられるのではないか。  その点について、議論のあった個別研修について、どう具体的に制度設計をするのか、 特に医療事故を巡って議論があったので、私自身の意見ははそのあとの議論に関連しま すが、課題研究よりも個別研修のほうがいいのではないか。倫理の問題については、集 合研修と、課題研究なりをまとめるというだけでもいいのではないか。2つを分けてい るのは、私はその趣旨です。 ○井部座長 そうすると、いまのご指摘は、この事案の分け方としては、医療過誤とそ の他で分けて、医療過誤の場合は、見学、演習で、医療過誤以外のものは、課題研究も しくは課題報告の作成と、大まかに分けて記述すると。 ○小野看護職員確保対策官 例えばこの「事案により」という言葉を、もう少し丁寧に 書くとしまして、業務停止処分が1年未満の看護師等については、例えば業務停止期間 を中心に考えつつ、医療安全や倫理など、処分の類型も考慮し、適当な場合には課題研 究及び課題報告を作成するとしとか、そういった形で、もう少し具体的に書くというの でいかがでしょうか。 ○白石審議官 皆さんのおっしゃっていることの最大公約数でお話をしますと、短い場 合にチョイスがあるということは皆さんおっしゃっていて、ただし短くたって医療事故 に関するものについては、技術重視のほうでやるべきだということも皆さんおっしゃっ ているのだと思うのです。  文書は事務局で作るとしても、この「事案により云々」というのも、言いたいことは、 1年未満の看護師等についても、医療過誤の場合には技術を重視した研修としつつ、そ うでない場合については課題研究等の活用もあるのだということを、何らかの表現をす れば、皆さんのおっしゃっていることは一致しているのではないかと思います。 ○井部座長 よろしいでしょうか、審議官にまとめていただきましたので修文をするこ とにいたします。  それでは4頁の下のほうにある、再教育の実施時期並びに再教育の提供者、助言指導 者、この3つの項目に関して、ご意見をいただきたいと思います。                 (特に発言なし) ○井部座長 最後の(7)「再教育修了の評価」、(8)「その他」につきまして、ご意見は ございますか。よろしゅうございましょうか。最後に別紙の図についてはいかがでしょ うか。「行政処分を受けた保健師・助産師・看護師に対する再教育について」という図は、 これでよろしいでしょうか。  先ほど議論のあった業務停止1年未満のところで、下にずっといくと、集合研修の次 に、個別研修計画書を作って個別研修をするコースと、個別研修計画書はなくて、集合 研修から課題研究もしくは課題報告を書いて修了というコースがあるということを図示 してもらっているのですが、よろしいでしょうか。村田委員、これでよくわかるでしょ うか。 ○村田委員 いま散々ここで話が出てきたのである程度理解できますが、パッと見たら よくわからないです。 ○井部座長 よく見たらわかるということですね。 ○村田委員 よく見たらわかるというより、同じ個別研修で、右側2つの何がどう違う のか、図示だけですと、業務停止1年未満で、誰が左側にいき、誰が右にいくのか、そ れはこの図だけではとてもよく理解できません。前を見てくればわかるのでしょうけれ ども。 ○井部座長 そうですね、その点についていま議論があったところなのですが、本文に はそれが記載されますが、ここには説明文が載らないので、これだけ見ていたらわかり にくいかもしれないですね。 ○小野看護職員確保対策官 作図をする私どもの課のメンバーの工夫もあるのかと思い ますが、そこのところを本文での記述を少し入れるような形で、吹き出しのような形で、 もう少しわかりやすくするように絵を工夫してみたいと思います。 ○嶋森委員 工夫していただけるとしたら注文を付けたいと思います。例えば再教育命 令というのは厚生労働大臣が出すのですよね。 ○小野看護職員確保対策官 はい。 ○嶋森委員 その枠と研修の枠を同じ四角で括っているので、分けたら少しわかりやす いかなと思います。 ○小野看護職員確保対策官 そうですね、キャッチボールで誰がやるのかをビジュアル にわかるように。 ○嶋森委員 ええ、もし可能でしたら、そういうことをしていいただくとわかりやすい と思います。 ○牛島委員 そうすると、いま村田委員がおっしゃったように、業務停止1年未満のと ころの2つの数字で、左が個別計画書あり、右がなしという、その差は何なのかという ことです。当事者になると、自分はどこに入るのかは非常に微妙な問題になってしまい ますから、その辺はきちんとお描きになったほうがいいのではないかと思います。 ○楠本委員 5頁に戻っていただいて「再教育の提供者」のところですが、いちばん下 の「課題研究及び課題報告の指導・監督の実施主体は、厚生労働大臣が定める行政機関」 になっていまして、他のところは、行政機関、医療関係団体、医療機関等というので並 びになっています。  課題研究、課題報告の指導・監督をする実施主体だけを行政機関がやって、あとの集 合研修、私は集合研修と課題研究、課題報告は一連の流れだと思いますので、課題報告 の指導・監督だけ実施主体が厚生労働大臣が定める行政機関というのは、いかにも流れ としてはおかしいと思います。  以前も申しましたが、基本的には実施の主体は行政機関であって、関係団体や医療機 関と連携して行うという形が望ましい、と改めて提言いたします。実施主体と提供とい うのが、ちょっと役割が不明確なので。 ○小野看護職員確保対策官 文書として、行為者と、誰が責任を持つかの部分について の分け方が、不分明なところがあったかもしれません。全体の実施主体というか、責任 を取るのはどこかと言われるのは、私ども役所でございますので、そこを書いた上で、 具体的に、誰が先生になるとか、場所とか、そういった問題では、行政機関でもあれば、 団体でもあれば、医療機関でもあると、そこを書き込んで、はっきりわかるようにする というご趣旨で。 ○楠本委員 それと並びがおかしいのではないかということです。そこはいかがなので しょうか。 ○小野看護職員確保対策官 並列なのはおかしいのではないかということですね。 ○嶋森委員 はい。 ○井部座長 課題研究や課題報告だけは直轄でやるということなのですよね。他は直轄 ではないという感じになりますが。 ○小野看護職員確保対策官 直轄と言いますか、責任主体というか、そこは私ども行政 機関であるというのは、確かに最初の2つの○ではそこをはっきりと書いていませんの で、そこは少し書き込みたいと思います。 ○井部座長 他に全体をとおして気がかりな点がありましたら出していただきたいと思 います。 ○高橋委員 先ほど1年未満のことでだいぶ議論をされて、私も整理がついてきました。 制度としてのというところで、3頁から4頁にかけてですが、保助看法の制度としてこ のような状況でということで、必要性を述べてこられて、そのあと、支援が必要だとい う形で収めていただけると、看護部長たちは制度としてまず理解し、復帰をするために は、改めてその支援が必要だということが理解できると思いますので、そういう文章に 収めていただきたいと思いました。 ○井部座長 ということは、4頁の先ほどの○を2つに分けて書くということになりま して、その後半の部分をもっと前に持っていったほうがいいということですね、再教育 とは何だということを。そうではないのですか。 ○高橋委員 制度を先に述べて、このようなものをつくって具体的にはということを述 べてこられて、最後のほうに。 ○小野看護職員確保対策官 第4章というような意味合いでしょうか、「終わりに」と か、そういうイメージでしょうか。 ○高橋委員 そうではなくて、(3)の最後のところにと。私の発言からこのように文書 を作ってくださって、それが皆さんの議論を引き起こしたようで、申しわけなかったと 思う半面、臨床の現場で、その制度を受けて、そのあと復帰に向けてフォローする立場 ですので、そこのところは(3)の最後にしていただいたらと思っています。 ○小野看護職員確保対策官 終わり方として、そういう文書でまとめるということです か。 ○高橋委員 はい。 ○我妻委員 再教育を修了した後については、医師のように医籍に記載するのか、そう したことにも言及する必要はないのかなという気がするのですが。 ○小野看護職員確保対策官 基本的に籍上の取扱いは、医師と同様になることを想定し ておりますが、そのこともここにも書いておいたほうがいいと。 ○我妻委員 その後の再教育なりの、重要な事項であるから、医師の場合と同じように、 再教育を受けたことについて記録の形で明らかにしておくほうがいいのかなと思います。 ○小野看護職員確保対策官 医師と同様の扱いにするつもりでおりますので、もし先生 方がよろしければ、医師と同様に籍上の扱いをこうすると書くのを付け加えるのはよろ しいかと思いますが。 ○我妻委員 あるいはそこで議論して、これに記載する必要があるかどうかということ を、もしご意見があれば。 ○牛島委員 先生のおっしゃるとおりだと思うのですが、私は(7)の「再教育の評価」 ということで、厚生労働大臣は報告書を評価のうえ、研修修了を認めるということは、 これはきちんと記録されると理解していたのですが、いまの話では違うということなの ですか。 ○井部座長 いま審議官に教わったのですが、この資料の18頁に、6-4に「再教育と医 籍との関係について」というのがありまして。 ○小野看護職員確保対策官 第1回目の資料の最後のほうにあります、医師の報告書の 18頁です。いろいろと頁数が書いてありますが、真ん中の後のほうにある6-4という枝 番のある箇所が18頁にあります。参考資料2の18頁です。 ○牛島委員 こういうことをされないと再教育の重みはどこにもないと思うので、これ はきちんと記録に取ってほしいと思います。 ○松谷医政局長 いまの件ですが、参考資料2の行政処分を受けた医師に対する再教育 についての報告書というのは、平成17年4月に出ている報告で、これを受けて医師法 の改正が行われて、再教育の制度が決められたことになります。  そのときに、併せて保健師・助産師・看護師についても、保助看法の改正が行われて、 法律上同様の制度がすでに規定をされています。したがって、看護師籍に再教育を受け た件は記載されることに決まっております。したがって、この報告書ではそこまで言及 する必要はありません。これは法律ができる前の報告書ですので。 ○白石審議官 ただ、我妻委員がおっしゃりたいのはここまできちんとやっていること を書くべきだというご提案ですね。事務局は、もうそのようになっているので、あえて 書かない形の叩き台を出していて、どうしようかということですね。 ○牛島委員 認識違いが結構出てくるので、それはよくわかりますが、私は(7)はそ のように読んだということです。 ○小野看護職員確保対策官 失礼しました、第1回目の資料の11頁から12頁に、いま 局長から申し上げた法律の規定がありまして、11頁に第15条の2とありますが、12頁 の上のほうの「3」と書いてあるところです。そこに「研修を修了したものについて、 その申請により修了した旨を登録する」と書いています。  先生方のご意見がよろしければ、このようになっていることは明らかにしておいたほ うが、読んだ方にとってわかりやすいということであれば、それは記載したいと思いま す。 ○白石審議官 書くとしたら、牛島委員のご指摘のように(7)のところに書くと。 ○井部座長 ここは保助看法第15条の2の3項になるのですか。 ○小野看護職員確保対策官 はい、そうです。 ○井部座長 再教育修了の評価の2つ目の○に加えていただくということでよろしいで しょうか。 ○小野看護職員確保対策官 はい。 ○牛島委員 本会で討議すべきことではないと思うのですが、教育の内容についての議 論は、また別の会を開かれておやりになるのか、それとも課長のほうで決めて流しても らえるのか、あるいは現場でやるのかについての、いまのお考えがあればお話ししてい ただきたいと思います。 ○野村看護課長 医師のほうの再教育は今年度施行で、これから実施することになりま すので、そういった実施状況を見ながら、教育内容についてどういう内容が適当かとい うことを、こちらである程度の枠を決めさせていただくことになるのではないかと思っ ております。教育の内容について、このような会を設けて検討するということは、現在 のところは考えておりません。 ○井部座長 よろしいでしょうか、他にはご発言はございませんか。重要な部分の指摘 がかなりありましたので、今日いただきました指摘を踏まえて事務局で整理していただ いて、私も見ますが、皆様にもお送りして、修正をご確認いただきまして、本検討会の 報告書としたいと思いますが、そのような方法でよろしいでしょうか。                  (異議なし) ○井部座長 皆さんの合意を得ましたので、修正の上、委員の確認を得て、報告書とい たします。3回でしたけれども、ご協力いただきましてありがとうございました。行政 処分を受けた看護職の再教育の在り方について、今後も私たちが何らかの形で見守って いかなければいけないと思っておりますが、またご助言いただきたいと思います。どう もありがとうございました。 ○石原課長補佐 座長、委員の皆様、ありがとうございました。最後に松谷医政局長よ り、ご挨拶申し上げます。 ○松谷医政局長 委員の皆様には大変お忙しいところ、大変ご熱心にこの検討会でのご 審議を賜りまして、御礼を申し上げたいと思います。保健師・助産師・看護師の資質の 向上という、大きな枠組みの中で、先般の法改正が行われたところでございまして、そ の中で再教育というのは、大変重要なものでございまして、その枠組みをどのようにす るかということについて、大変貴重なご意見を賜ったと思います。  この検討会におきましては、処分事由や処分期間に応じた再教育の内容や方法など、 具体的にいろいろな貴重なご意見をいただいたところでございます。  本日、またさまざまなご意見をいただきましたので、最終的な取りまとめをいただき ました上で、先行する医師の例も参考にしながら、来年度4月から施行ということとな っておりますので、それに向けまして具体的な作業を進めていきたいと考えております。  何分、新しい仕組みでございますので、今後とも先生方には、いろいろな面でご助言、 ご指導をいただくこともあろうかと思います。その際には引き続きご指導のほどをよろ しくお願い申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。 ○石原課長補佐 それでは第3回検討会を終了いたします。