07/07/11 中央社会保険医療協議会総会平成19年7月11日議事録 07/07/11 中央社会保険医療協議会          第107回総会議事録  (1)日時  平成19年7月11日(水)11:05〜11:44 (2)場所  全国都市会館第1会議室 (3)出席者 土田武史会長 遠藤久夫委員 小林麻理委員 白石小百合委員        室谷千英委員       対馬忠明委員 小島茂委員 勝村久司委員 丸山誠委員 大内教正委員        松浦稔明委員       竹嶋康弘委員(代 中川) 鈴木満委員 飯沼雅朗委員 石井暎禧委員        邉見公雄委員 渡辺三雄委員 山本信夫委員                 坂本昭文専門委員 大島伸一専門委員 古橋美智子専門委員               黒崎紀正専門委員       <事務局>       水田保険局長 白石審議官 原医療課長 他 (4)議題  ○7対1入院基本料の届出状況等について (5)議事内容 ○土田会長  ただいまより、第107回中央社会保険医療協議会総会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について報告いたします。本日は、前田委員と青柳委員が欠席に なっております。竹嶋委員の代理で日本医師会常任理事の中川俊男さんがお見えになって おります。  それでは、議事に入らせていただきます。  本日は、「7対1入院基本料の届出状況」について議題としたいと思います。  事務局より資料が提出されておりますので、説明をお願いいたします。 ○事務局(原医療課長)  医療課長でございます。中医協総−1をごらんいただきたいと思います。前回、7対1 の入院基本料関係につきましては、昨年の10月1日現在の状況でありますとか、あるい は10月ないし11月前後の採用内定の状況等について御報告をしたところでございます。 今回は、今年の5月1日現在での届出状況等について取りまとめましたので、御報告をい たします。  1ページ目でございますが、昨年の5月1日現在、一般病棟入院基本料を届け出ている 医療機関は5,732ございましたが、そのうち7対1の届出をしたものが280医療機 関、病床数は4万4,831床でございました。病床の割合は6.2%でございました。 昨年の10月1日現在調査をいたしましたときには、これが10万3,836床、14. 4%になっておりました。それから今年の5月でございますが、一般病棟の届出が5,5 67の医療機関、そのうち7対1の届出を出しておりますのは787機関、ベッド数では 16万2,730床ということで、一般病棟におけるベッド数の割合は23.1%となっ ております。  上から3番目になりますが、特定機能病院の入院基本料、これの一般病棟部分でござい ますが、同様に、昨年の5月1日現在の病床は15.4%でしたが、10月で25%、今 年の5月1日では36.5%が7対1の基本料となっております。  これら該当します入院基本料全体でいきますと、今年の5月1日現在では、18万7, 848床、23.9%のところが7対1の基本料を届け出ているということになっており ます。  次の2ページをごらんいただきたいと思います。この施設基準につきまして、どのよう な形で変わってきているかということでありますが、一般病棟の入院基本料につきまして は、昨年の5月と今年の5月を比べますと、全体の医療機関は少し減少し、病床数も約2 万床弱減少しております。それに対しまして7対1入院基本料は、医療機関、病床数とも 飛躍的に増大をしています。それに対して10対1以下のものは、10対1の医療機関数 が若干増加した以外、特別入院基本料も含めまして、医療機関も病床数も減っている。こ のことから、全体として7対1の方向に、あるいは上の方向に全体が動いたのではないか ということが考えられます。  それから、右側の方で、特定機能病院の入院基本料でありますけれども、これにつきま しては、全体が少し増えておりますとともに、7対1のところは相当増えたと、それに対 して10対1は相対的に減っていると、このような状況でございます。  次の3ページ目は、昨年の5月と今年の5月現在での届出医療機関の数を都道府県別に 示したものですが、一番多い都道府県はやはり東京都でございました。2位が大阪府、3 位が北海道、4位が福岡県という順番でございます。  それから、次の4ページは届出病床数の方を見ておりますが、これも1位は東京都、2 位が大阪府、3位が神奈川県でございます。北海道や福岡県はそれよりやや少ないという ことで、医療機関と病床数の比率からいきますと、1医療機関当たりの病床が北海道と福 岡県ではやや小さい傾向にあると考えられます。  それから5ページでございますが、人口1万人当たりの7対1届出病床数を見ておりま す。1位が石川県、2位が宮崎県、3位が長崎県という順番で、逆に言うと、小さい県で 大きいところが7対1をとりますと、人口当たりの比率が急激に増えたりいたしますので、 石川県や宮崎県ではそういうところがあったのかなというふうに考えられます。  次の6ページをごらんいただきたいと思います。これは7対1の入院基本料の施設数と 病床数を開設者別あるいは病床規模別に見た表でございます。上側でいきますと、やはり 814の届出の中で最も多い分類は医療法人あるいは個人の病院である。それから病床規 模でいきますと、やはり200床未満が460機関ということで、割合が一番高い。ただ、 前回の10月現在から比べますと、医療法人・個人、あるいは200床未満の病院とも少 し割合は減ってきております。それに対しまして病床数も同様の傾向でありまして、病床 数でいきますと最も多い分類が公的医療機関になっております。それで、この部分全体と して医療法人・個人も当然増えてはいますけれども、中の割合としては少し減って、また 逆に公的医療機関の部分がかなり増えてきているという状況がうかがえます。いずれにし ても、全体として大きな変化はありませんので、いろいろな形で全体としてエクスパンド してきているというのが読み取れると思います。  7ページ、8ページでございますが、これは、昨年内定状況をお示ししたことがござい ます、そのときに調査をさせていただきました10の医療機関群について今年の春の採用 状況というものを調べたものでございます。この10の医療機関群全体で看護師の数、看 護職員の数は昨年の4月で22万262人であったものが、今年の4月では22万9,8 71人ということで、1万人弱増加をしている。それから募集と採用の状況でございます が、全体としては平成18年度、19年度と比べますと、8,216人多く募集をかけた と。実際に採用できたのは、そのうち5,217人の増加にとどまっておりますので、そ の採用達成率といいますか、18年度は、これは全体として約9割が採用達成率があるの ですけれども、19年度は逆に、募集はたくさんかけたけれども、実際の採用はそこまで 至らなかったということで、平均しますと83%程度の達成率になっております。  そういう中で、この10の医療機関群全体としてすべて合計しますと、募集をたくさん かけて、それから実際の採用数も18年度と比べればすべてやや多く採用しているという のがありますが、特に上から3番目の国立大学法人は、18年度の募集は2,455人に 対しまして、19年度はその倍に当たります4,875人の募集をかけておりますが、そ れに対しまして、実際の採用数が、今年度4,723人ということで、達成率が96. 9%、先ほど言いましたように、ほかのところは全体で平均で83%ぐらいですので、7 〜8割程度のところでございますが、国立大学はほぼ採用できたという状況であります。  ここでもう少し見ておく必要がありますのは、平成19年4月時点での看護職員総数2 万4,423人に対しまして、今回の採用人数が4,723人ございますので、大体2 0%近くの者が新しく採用された方、多くは新卒の方と考えられるのではないか。そうい うような状況の中で安全な看護ができるように配慮をしていただきたいと思っております。  それから最後の9ページでございますが、これは7月1日現在の施設基準等の届出状況、 1つだけ集計が遅れておりました入院基本料関係の状況であります。昨年の7月1日現在 での状況を取りまとめたものでございまして、これは経年的に見ていただきますと、一般 病棟の入院基本料は、平成16年から18年にかけて医療機関数も減少しておりますし、 病床数も減少しております。ただ、ベッド数がやや多くなっていると。1病棟当たりのベ ッド数は少し減ってきているということがうかがえます。  それから、療養病棟入院基本料につきましては、医療機関数、ベッド数ともやや増加を してきているというのがわかります。  それから、精神病棟入院基本料でございますが、ここは医療機関も若干減っております し、ベッド数も減ってきている、病棟の数も減ってきていると、こういう状況でございま す。  それから、特定機能病院の一般病棟でございますが、これは、数がある程度限られてお りますので、それほどの増減はなさそうだということでございます。  一番下の方の2つの入院基本料、有床診療所及び有床診療所の療養病床の入院基本料で すが、これはベッド数、医療機関数ともに減少していると、そういう状況でございます。  資料の説明は、以上でございます。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ただいまの説明につきまして御質問、御意見等ございましたら、どうぞ。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  今の説明なのですが、日本医師会、4月にこの調査をやりました。7対1を取得してい る医療機関数、それから病床数の比率はほぼ結果は同じですが、200床未満の医療機関 のもう少し詳しい区分けで、例えば100〜199床、50〜100床未満、50床以下 ということで、随分差が出るのです。実は、特に在籍看護師数が退職者比率で、中小病院 の離職者数が大きい病院に比べてかなり高いということも我々の調査で示されていますの で、ぜひ次回までに200床未満の詳しい分類ごとのデータを出していただくことをお願 いします。 ○土田会長  これはできますか。200床未満の規模別分類は。 ○事務局(原医療課長)  20〜49か50床、それから100床以下と100〜200床ぐらい、それに分けて どうかということについては資料は多分つくれますので、次回お示ししたいと思います。  採用状況とかは、先ほど言いました10医療機関群しか調べておりませんので、全体の データはありません。あくまで、実際の届出状況はどうかというのは今言ったような形で お示しはできます。 ○土田会長  そうすると、離退職の状況はわからないということですね。 ○事務局(原医療課長)  もちろん、調べておりませんので。 ○竹嶋委員(代理中川氏)  お願いいたします。 ○対馬委員  今回の5月1日の届出状況を見ますと、また随分増えているという感想を持ちますし、 実際そういう数字にはなっています。資料には10月1日と5月1日が示されているので すが、その間1月31日に中医協で、建議をしたわけですね。それで、採用についても申 し上げましたし、また今後の7対1についての看護の必要度とか、そういったことで見直 しをするということもアナウンスしたわけですけれども、1月末以前と以降と、何らかの 差異があるのか、それともやはりあまり変わりなくてこういう形になってきたということ なのか、そのあたりの効果をちょっと教えていただきたいと思います。 ○事務局(原医療課長)  1月31日に建議をいただいたわけですけれども、その前後の状況というのは詳しくち ょっととっておりませんけれども、傾向としては、10月から今年の5月にかけて増加の 割合が、増加速度といいますか、それはあまり変わっていないように見受けられます。 ○松浦委員  これだけ7対1ということで看護師を集めにかかりますと、当然待遇面でも相当変わっ てきていると私は思うのです。それで、どこそこの病院がどれだけ上げたとか上げないと かいうようなうわさ話程度に耳に入ってくるのですけれども、そういうようなデータは調 べられないのでしょうか。 ○土田会長  それは賃金以外にはどういう……。 ○松浦委員  そうです、賃金です。診療報酬改定のときに、看護師の待遇というものについても配慮 するという意思はあったはずなのですね。そうすると、それがどういうふうに賃金に反映 されているかというのはわからないでしょうか。 ○事務局(原医療課長)  1つは医療経済実態調査で、賃金、1人当たりは多分出ると思うのですが、年齢が全然 わかりませんので、病院ごとの賃金、7対1とそうでないところを分けたとしても、単純 に比較はちょっと難しいのではないかなというふうに感じます。 ○松浦委員  確かに民間の場合は、これはなかなかつかみにくいと思うのですけれども、国公立、特 に大学病院などが相当看護師を集めていますので、公的病院だと大体給与表みたいなもの があるからわかりやすいのではないかと思いますけれども、その辺あたりでもつかめない でしょうか。 ○鈴木委員  よろしいですか。 ○土田会長  今のに関連してですか。 ○鈴木委員  はい。データとしてはございませんけれども、やはりやめられては困るというようなと ころで、年2回の給与を弾んだり、これはせざるを得ない。これはもう絶対、しないとや められてしまうわけで、それでも集まらないで苦しいですから、ほかに手はないのです。 それがいい・悪いは別といたしまして、実は入院基本料の7対1だけがトータルで入院基 本料が上がったのです。あと10対1以下全部下がりましたから。収入が減った上にその 人件費としてもっと積み増さなければいけないという、非常に矛盾で、医療施設というの は、困窮まではしているかどうかわかりませんが、それは6月の実態調査で出てくると思 いますけれども、従来より相当苦しいところであります。  なおかつ、これはちょっと別件になるかもしれませんけれども、国立大学病院がこれほ どひとり勝ちという結果を示したのは、やはり今給与ということで申し上げれば、民間の 1.4倍の給与ですから、やはりだれでもそういう職場環境がいい方がいいのでしょうか ら、これは行ったからといって「こらっ」と言うわけにいかないですよね。  そういうようなところで、ここであえて医療施設に格差をつけるような入院基本料を設 定して、なおかつ地域が依然として混乱しているという事実認識をぜひお願いしたいと思 います。 ○古橋専門委員  看護界といたしましても、この7対1に関しましては大変大きな課題をいただいたと思 っておりますが、従来から申し上げておりましたけれども、今年の4月に配属される看護 職の動きの事実をきちっと見据えていく、そしてこの後1〜2年はこうした変化に対して の動きがあるだろうと予測をしているところでございます。日本看護協会が今年の4月に 一応この年度当初の看護職員確保と離職に関しまして緊急調査をいたしました。無作為抽 出で、一般病床のある3,000病院に調査票を送りまして、1,479病院から回答を 得ました。回答率は49.3%でございます。今御心配の御発言もありました離職状況で ございます。18年度1年間の離職状況につきましては、離職は改善し、減少したという ところが73.7%、離職が増加したは24.9%でございまして、それと病床規模との 関連を調べてみました。99床以下では離職が増加したというところが20.2%、20 0床以上は25.8%でございまして、病床規模が少ない方が増加した率は低うございま した。それとそのほかでは、もう少し病床区分別で見た数字も、病床規模による格差とい うのがない状況であるということは掌握いたしました。ただし、入院基本料ランク、7対 1から15対1、特別入院基本料とございますけれども、そこは比較的クリアに出まして、 7対1の病院では、離職が減少している率というのが大変高く出ておりまして、そのあた りがやはり入院基本料との相関はある。すなわちこれは看護職の定着に影響していると私 どもは読み取っております。  今もお話がありましたけれども、もう医療の高密度、高度化、あるいは回転の速さ等で 現場の看護力、看護師の数の必要性が現実になってまいりましたので、前年度の7対1の 新設は大きな影響をもたらしていると思います。今後この看護職の配置と病院の安全性や 質の向上等の関係を注目する必要があります。協会も、数多い調査及び7対1取得病院の 聞き取り調査というのもやっておりまして、急患がとれるようになった度合、安全対策と して入院時にアセスメントが比較的できるようになっていること、夜勤人数が増えること、 定着の問題とかで、非常に医療の質に直接的に沿うような状況というのは間違いなく出て きております。そういう点では、こうした配置について御理解をいただいて、そこを丁寧 に緩やかに認めていくという病院界全体の方向をぜひ保っていただく必要があるのではな いかと思っております。数は詳しく出ておりますけれども、離職及び定着、そして質の問 題について概要を申し上げました。  以上でございます。 ○土田会長  ただいまの資料は、提出していただくことは可能ですか。 ○古橋専門委員  はい、できます。 ○土田会長  特にまた改めて説明は求めないかもしれませんが、参考として、資料として次回でも配 付していただければと思います。 ○古橋専門委員  はい、ありがとうございます。 ○鈴木委員  質の関連でお話ししたいのですけれども、新卒者がたくさん入って7対1になります。 そうすると、新人に今までいた看護師さんがペアでつきますので、実際上の7対1にまず なっていない。先ほど医療課長がお話がありましたように、非常にそういう意味で、教育 の配慮が全くされていない、頭数だけでの割り算が実態ですから、今は質が落ちていると 思います。新人の看護師さんはようやく今ごろから一人で夜勤や当直帯を、深夜帯を受け 持てるようになったのだろうと思いますし、新人の看護師さんに対する看護学校での教育、 要するに、現場で改めて教育をし直さなければいけないというような面も指摘されており ますので、質というところは、現行では専門委員のおっしゃったのと少し乖離があると私 は考えております。 ○土田会長  日本医師会の方でそういうのを調査したデータ等はございますか。あるようでしたら、 次回でも提出していただきたいと思います。 ○石井委員  もう1つは、全体に今日の届出状況を見ますと、顕著なのは、一般病床の場合には13 対1に一番影響が出ているといいますか、これは減っているわけです。既に昨年の前回の 改定でもこの13対1あたりをどうするかということが、厚労省から一つの提案がありま したように、大体これまでは13対1以上がある意味では急性期の病院であったと思うの です。その13対1では、ちょっともう大変なのではないかというような話が実はそのこ ろあって、事実だと思いますが、一応そういう意味で13対1は、ただ現実こ れを廃止するというのはちょっと無理があるだろうと、そんなに看護師さんはいないとい うことで残ったのですが、現実的にこれを見ますと、13対1のところは大体上の方に1 つずつ看護師さんが増えて上がっていっているということがここではっきり見えます。1 5対1以下に関して言うと、むしろ減っているので、上に上がったというふうには思いま すが、大きな変化はないので、ある意味では、この辺で病院機能がはっきり分かれてきた ということが見てとれるのです。全体に、やはり現在の急性期医療ということからいうと、 10対1以上の看護師さんがどうしても必要になったということが、皆現場としてはそれ を考えてこういう動きが出てきているというふうにこれは見てとれると思うのです。全体 にただ上がったというよりも、急性期に関しては10対1以上が必要になってくるという くらいの大変なことになってきているということですので、やはりそういう医療の変化と いうものを前提にしてこの問題は検討しないと、7対1だけを見ていてもちょっとわから ないのではないかと思いますので、その点を考えていただきたいと思います。  現状について言うと、我々が聞いているのは、これはいろいろなうわさ話といいますか、 そのたぐいですが、新人看護師さんを大勢入れたところに関しては教育については大変苦 慮しているという話は確かに聞こえてきていますが、ですから、これが今後どういうふう にいくのか、いわゆる離職率の点からいいますと、大きいところは来年度については離職 が結構多くなる可能性もありますので、現状のこの動きだけではちょっと何とも言えない と思います。 ○土田会長  どうもありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。 ○勝村委員  ちょっと本質からずれた質問かもしれないのですけれども、2ページの届出状況のとこ ろで、右下にある障害者施設等入院基本料の届出医療機関数、病床数がともにかなり大幅 に増えているような感じがあるのですけれども、これはどういう理由と考えられるのでし ょうか、教えていただければと思います。 ○事務局(原医療課長)  理由そのものはちょっと調べていないのでわかりませんけれども、一般病棟から今度は 基本料をとる方向へ動いているのと、それから療養病棟からここへ来ているのと、おおむ ねその2つの流れがあるように思っております。 ○土田会長  よろしいですか。 ○勝村委員  先ほど松浦委員からあったのですけれども、変わっているのかいないのか、すぐに結果 がわかるということはなかなかないかもしれないのですけれども、この間の議論の一つで は、やはり看護師の価値、看護というものの価値の向上ということがあって、公的な医療 機関における看護師への賃金とか待遇とか、休暇をとれる・とれない等も含めてでしょう けれども、給与等の変化もすべて明らかにとは言わなくても、ある程度傾向がどう変化し ているのかということは、どこかのタイミングで何らかの把握があった方がこの議論の趣 旨に沿うかなと思います。病院の収入は増えているけれども、例えばの話、看護師の待遇 には変化がないというようなことも、ありえるわけなので、その辺がどんなふうに流れて いるのかということもちょっとどこかで知りたいということです。  それから、先ほどから出ています、あまりに急激な新人の加入による弊害みたいなもの も、一般的な話を超えて、看護協会さんの方で具体的な把握などがもし何かあるのならば、 急激さというものの緩和もやはり質の観点から必要だというのが緊急に結論的に出るので あれば、それも急ぎ出さなければいけないだろうと思いますし、そのあたりもまたいつか の機会に教えていただければと思います。 ○古橋専門委員  今年度の新人の採用につきましては、国立大学病院がある意味で非常に典型的に数を多 く採用なさったということはもう事実でございます。ただ、私どもも勝村委員がおっしゃ ったように、100名、200名というふうに採用なさったような代表的な国立大学病院 等では、教育体制、そして指導を受ける側もそうですけれども、指導する側のある意味で エネルギーとか、そういうことは非常に過大になっているということは容易に予測をして おります。  それで、私は以前も発言いたしましたが、平成19年度に多くの看護職員を集められた ところは、ぜひ定着を図るということが社会的な責務でもあるというふうに思っておりま す。ただ、好い状況の一つは、この確保に関して、今までは看護師部門だけがもう必死で やっているという状況があったのが、大きく転換いたしまして、病院を挙げた課題へと加 速をいたしました。看護職の確保定着が、病院の大きな課題となり、病院の事業運営上の 要点として明確になりましたことに期するものもございます。この件に関しましては、関 心を高めて、離職状況を1年待たずに中間でも追いながら把握をして、また御報告をした いと思っております。一つの山は、夜勤が始まる時期ということもございますし、年度末 というよりも年末というあたりもございます。そのあたりをポイントに追跡調査をしてい きたいと思っております。 ○土田会長  どうもありがとうございました。 ○邉見委員  このデータを見ますと、負け組・勝ち組という言葉は好きではないのですけれども、国 立大学病院が非常に多く集めていると。地方の病院、民間病院もそうですが、中小の自治 体病院もそれほどいい状況ではないのです。一つには、公務員数の削減という問題、各自 治体の職員定数条例、その縛りもありますよ。また田舎では実際に人がいないと。だから、 この10対1から7対1の間ぐらいであれば、8.5対1などをつくっていただいておれ ば、いい医療がもう少しできるのではないかなと言っている人たちもいるのです、また話 がややこしくなるかもわかりませんが。ただ、一遍に100人とか80人とか雇えません。 3年計画といったら、その間ずっと赤字というか、持ち出しだけになりますから、間の8. 5対1があれば、少し行けばホップ・ステップ・ジャンプみたいに行けますので、そうい うことは難しいかもわかりませんが、もう少し激変緩和的なものもあってもよかったので はないかなと、自分たちもかかわった者としてそういうふうに思っているわけです。  基本料の問題、それから実際のそういうふうな縛りによって、お産もできなくなる、手 術もできなくなってどんどんと田舎の医療は悪くなっているのが、この7対1、今のデー タを見ていましたら、またあまりこれでは歯止めがかからないような気がするのです。こ の辺のところをどういうふうに考えるのかということです。 ○古橋専門委員  今の件でございますけれども、これは看護協会は今回のことで3回にわたって調査をい たしました。4月の時点でも、看護職員の採用結果が一般病棟入院基本料届出に与えた影 響、それを見ますと、現在より引き上げるというところが、 1,400を超えた数のうち 204で13.8%でございました。現状維持は1,216病院の82.2%、今より引 き下げるというところは20病院ございまして、1.4%でございました。毎回調べます と、今より引き下げねばならないとお答えになるところは1%台でございます。そういう 点では、もちろん経営努力がなされるので、引き下げられないということが当然機能する と思いますけれども、現状維持と引き上げというところがもう96.1%でございます。 それと確保できた・できない、その理由はというのも調べましたけれども、それは過疎地 域に指定されるようなところと大都市・都市等との差がないということも見えております。 これはただ全数調査ではありませんので、言い切れるかどうかは別でございますけれども、 ですから、入院基本料を下げねばならないという率は大変いつも少ないというあたりは注 目していいと私どもは思っております。 ○渡辺委員  この資料の5ページに、人口1万人当たりの各都道府県の7対1の病床数が出ておりま すが、これを拝見しますと、非常に多い県と極端に少ない県との間にすごい差がございま すね。ちなみに、少ない県ですと、4床に満たないというところが4県ほどもありますし、 それの5倍と見ると20床、20床を超えているところだけでも7県ありますね、かなり の差があるのです。果たしてこれがその県の県民にとっての入院に係る医療環境がどうい う状況なのかと。7対1が多いからいいのか、あるいはほかの病床も合わせて1万人当た りどのくらいの病床がそれぞれの県にあるかということもあわせてお示しいただくと、そ の環境の差がはっきりしてくる。それによって、緊急入院はここの県では非常に難しいと か、易しいとかが見えてくるのではないかと思いますので、そういうデータもよろしくお 願いします。 ○土田会長  よろしいですか。  まだ御意見あろうかと思いますが、次に医療材料部会が控えておりますので、このぐら いにして総会を終わりにしたいと思います。ただ、先ほど勝村委員の方から話がありまし たし、それからほかの委員の方からも話がありましたが、この7対1が労働条件というか、 あるいは労働の環境、あるいは病院の経営に対してどういう影響を及ぼしているかという ことについては、やはり幾つかのデータが必要だろうと思います。したがって、事務局の 方でもしそういうデータの収集が可能でしたら、できるだけ多くの情報を集めていただき たいと思います。  そういうことで、今日の総会はこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうご ざいました。  それでは、引き続いて材料部会がありますので、しばらくお待ちください。    【照会先】     厚生労働省保険局医療課企画法令第1係      代表 03−5253−1111(内線3288)