07/06/29 平成19年6月29日薬事・食品衛生審議会薬事分科会議事録 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 議事録 1.日時及び場所   平成19年6月29日(月) 16:00〜   厚生労働省省議室 2.出席委員(18名)五十音順 赤 堀 文 昭、 伊 賀 立 二、 池 田 康 夫、 板 倉 ゆか子、 井 部 俊 子、 岩 田   誠、 神 山 美智子、 河 盛 隆 造、 木 津 純 子、 黒 木 由美子、 佐 藤 光 源、 永 井 良 三、   西 島 正 弘、 早 川 堯 夫、 藤 田 利 治、 溝 口 昌 子、  ◎望 月 正 隆、 望 月 眞 弓 ◎薬事分科会長 ○薬事分科会長代理   欠席委員(6名)   大 野 泰 雄、 笠 貫   宏、 竹 嶋 康 弘、 本 田 佳 子、   松 本 和 則、 山 口   徹 3.行政機関出席者 高 橋 直 人(医薬食品局長) 黒 川 達 夫(大臣官房審議官) 中 澤 一 隆(総務課長)、小 林  剛(総務課医薬情報室長) 中 垣 俊 郎(審査管理課長)、俵 木 登美子(医療機器審査管理室長) 伏 見   環(安全対策課長)、山 田 雅 信(安全使用推進室長) 村 上 貴 久(監視指導・麻薬対策課長) 大 西 証 史(監視指導・麻薬対策課監視指導室長)  関   英 一(血液対策課長)、植 村 展 生(血液対策企画官) 他 4.備考   分科会は、企業の知的財産保護の観点等から非公開で開催された。 ○総務課長 それでは定刻になりましたので、ただ今から薬事・食品衛生審議会 薬事分 科会を開催します。 本日はお忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。委員数24名の うち現在17名の方に御出席をいただいておりますので、定足数に達しておりますことを 御報告いたします。  議事に先立ちまして、事務局に4月に人事異動がありましたので御紹介いたします。境 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長でございます。 ○農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長 境でございます。よろしくお願いいたし ます。 ○総務課長 それでは、望月分科会長、以後の進行をよろしくお願いいたします。 ○望月(正)分科会長 それでは始めさせていただきます。最初に事務局から配付資料の確 認と、寄付金等に関する申出状況について報告をお願いします。 ○事務局 資料の確認をさせていただきます。審議事項につきましては、資料1、資料2 となっております。報告事項につきましては、資料3〜19となっております。その他と しまして資料20、審議参加と寄付金等に関する基準策定ワーキンググループの名簿を本 日配付させていただいております。ワーキンググループにつきましては、本日の一番最後 に報告させていただきたいと存じます。その他、議事次第、座席表、名簿、文書報告一覧 を配付しております。御確認いただきたく存じます。  続きまして、本年4月23日の薬事分科会申合せに基づく、寄付金等に関する申出につ いては、次のとおりとなっております。議題1「医薬品メタストロン」につきましては、 退室委員はいらっしゃいません、議決に参加しない委員は岩田委員でございます。議題2 「医薬品ベセルナクリーム5%」につきましては、退室委員はいらっしゃいません、議決 に参加しない委員は永井委員でございます。  本日は、審議事項2件、報告事項17件、その他事項1件が予定されております。 ○望月(正)分科会長 それでは、議事に入りたいと思います。議題1、資料1「医薬品メ タストロンの生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、外国製造承認の可否、再 審査期間の指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。この議題は審議事項と なります。  本品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、 「薬事分科会における確認事項」第3項に基づきまして、医薬品第二部会での審議結果を 踏まえて薬事分科会にて審議を行うことになっております。初めに部会での審議結果等を 御報告いただいた後、当分科会で審議をいたしたいと思います。  それでは、医薬品第二部会の部会長である池田委員から御説明いただきたいと思いま す。よろしくお願いします。 ○池田委員 それでは、資料1のメタストロン(塩化ストロンチウム)について概要を御説 明します。本剤は、β線を放出するストロンチウム89を、塩化ストロンチウムの形で含 有している放射性の医薬品です。本剤は、非放射性ストロンチウムと同様に、骨への集積、 特に骨のシンチグラフィ陽性の骨転移部位に集積する薬物動態学的性質及び、β線による 放射化学的機序によって、癌の骨転移部位の疼痛を緩和すると考えられています。  本剤は、1986年にカナダで、転移性骨腫瘍患者の鎮痛を効能・効果として承認されて 以降、平成18年6月現在、海外41か国で承認されています。癌の骨転移部位の疼痛に対 しては、もちろん原疾患に対する治療が一番重要ですが、それに加えて、WHO癌性疼痛 治療における基本原則の下に、薬物療法、外部放射線照射、手術等が行われるわけです。 これらの治療が実施されても痛みがなお継続する場合や、多発性の骨転移を有するため、 手術であるとか外部の放射線照射の実施がなかなか難しい場合など、骨転移部位の疼痛緩 和が困難なケースが実際に存在するわけです。本剤は、このような癌患者の疼痛に対して、 有効性を示す薬剤として申請されたわけです。  本剤については、去る4月25日に開催された医薬品第二部会において審議されました。 放射性物質である本剤の使用時の管理の問題、有害事象、市販後の情報収集などについて 議論がなされました。全例調査の実施を承認条件としまして、承認して差し支えないので はないかと第二部会では判断されたわけです。以上、簡単に本剤の概要を説明しましたが、 事務局からもう少し詳しい説明をお願いしたいと思います。 ○望月(正)分科会長 ありがとうございます。では、事務局の方から詳しい説明をよろし くお願いします。 ○事務局 それでは、メタストロンの審査の概略について御説明します。なお、本剤の販 売名ですが、医療事故防止の観点から、申請時の「メタストロン」から「メタストロン注」 に変更されています。本品については、臨床試験に関する資料として、国内外で実施され た第I相試験、第II相試験、第III相試験等の成績が提出されています。  まず、有効性に関して御説明します。国内追加第III相試験結果を確認した結果、当該試 験での本剤の有効性に関する情報は十分とはいえず、検証的な評価はなされていないと判 断しました。しかしながら、欧米では1990年代前半に本剤が承認され、既に一定の使用 実績が蓄積されていること、放射線自体の感受性に民族差があるとは考え難いこと、及び 複数の国際的な教科書や診療ガイドライン等で、本剤の使用についての記載内容があり、 これらを総合的に判断して、緩和医療領域での使用において、臨床的に本剤の有効性は期 待できると判断したところです。  安全性については、国内追加第III相試験を中心に評価した結果、主な副作用は骨髄抑制 であり、本剤投与後には骨髄抑制に注意した患者観察を行うよう注意喚起していく必要が あると判断しています。  本剤の副作用については、癌化学療法、緩和医療及び放射線治療の専門医の下で、個々 の患者での癌に対する治療歴を考慮して、慎重に患者選択を行うとともに、慎重な患者観 察と適切な措置により対応可能であると判断しています。  しかし、国内での副作用に関する情報は十分ではなく、国内での骨髄抑制からの回復期 間や、本剤を再投与した場合の安全性に関する情報が不足していることから、承認条件と して、製造販売後に一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全例調査を実施 する必要があると判断しています。また、海外での承認時と異なり、現在では骨転移によ る骨関連事象の抑制を目的として、ゾレドロン酸等のビスホスホン酸製剤が使用されてい るため、ビスホスホン酸と本剤との薬物動態学的及び薬力学的相互作用については、今後 も検討を行うよう申請者に指示しているところです。  以上、総合機構における審査及び医薬品第二部会での審議の結果、本剤は、「固形癌患 者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和」の効能・効果に対 する有用性が認められると判断され、国内の治験症例から得られた情報が極めて限られて いることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例 を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するととも に、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措 置を講じることとの承認条件を付した上で、承認して差し支えないと判断し、薬事分科会 で審議されることが適当との判断に至りました。なお、再審査期間は8年、原薬及び製剤 は劇薬に該当し、特定生物由来製品又は生物由来製品には該当しないとされました。説明 は以上です。御審議をよろしくお願いします。 ○望月(正)分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして御意見、御質 問等はございますでしょうか。外国での十分な使用実績もあるということですので、特段 の問題はないかとは思うのですが、いかがでしょうか。井部委員、お願いします。 ○井部委員 この薬剤の名称について、「メタストロン」に「注」を付けたという説明が ありましたが、紛らわしい薬剤名があったからなのでしょうか。 ○望月(正)分科会長 事務局、いかがでしょうか。 ○事務局 この製剤が注射剤であることを明確化するために「注」を付けた名前にしたと いうことです。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。黒木委員、お願いします。 ○黒木委員 本剤は放射性医薬品ということで、審査報告書にも記載がありましたが、第 三者被ばくについて少し説明をしていただければと思います。 ○望月(正)分科会長 事務局、いかがでしょうか。 ○新薬第一部長 それでは、機構の方から補足説明をさせていただきます。第三者被ばく についてですが、審査報告書の33ページを御覧ください。私どもの承認審査の過程でも、 この物質が放射能を有するということから、第三者への被ばくについて、その安全性等に ついて審議をしています。この中で、周囲に対する被ばくの防止に関して必要な事項は何 かということですが、これに関しては、平成10年に、当時は厚生省でしたが、厚生省の 医薬安全局の安全対策課長通知で「放射性医薬品を投与された患者の退出について」とい うものが出ています。この中で、既に、ストロンチウム89については、一定の放射能以 下にならないと患者さんは退出できないという基準が設けられています。  この退出基準を設けた趣旨は、放射性医薬品を患者さんに投与する場合には、当然、管 理された区域で行うわけですが、その患者さんがそこから退出する際に、公衆ですとか、 その患者さんを介護する方々が、患者さんからの放射線を受けることになる、その安全性 を配慮する必要があるという観点から規定が設けられていまして、200MBqという規定が あります。この規定ですが、実際の投与量が最大でも1回に141MBqですので、その基準 を既に下回っているということです。それから、そもそもこれはβ核種で、そして、放射 線の飛程が8mmということですので、投与された患者さんの傍らにいましても大きな被ば くは受けないということです。  さらに、非常に末期の癌患者さんに投与されるということがありまして、不幸にして、 投与された後にお亡くなりになった場合には、例えば火葬するときに、その火葬骨の取扱 い等について検討しました。これについても、国際的な機関である国際放射線防護委員会 (ICRP)の中で基準が設けられています。この場合には、ストロンチウム89は1,000MBq 以下であれば特段の措置は必要ないという国際基準があります。  先ほど言いましたように、投与量が141MBqで、半減期が約50日ですので、そこから勘 案しまして、1,000MBqを理論的に超えることはないであろうと、審査の過程で議論をし ています。そうは言っても、放射性物質を取り扱うという特殊性がありますので、実際の 医療の現場の先生方、投与された患者さん、それを介護する方々に対していろいろな情報 を提供する必要があるのではないかという観点から、様々な教育、あるいは啓発のための 資材を提供するようにということで、申請者との間で協議をしている最中です。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。ほかに、どなたか御意見はございますか。ほ かに御異議がないということですので、議決に入りたいと思います。岩田委員におかれま しては、寄付金等に関する申出に基づきまして、議決への参加を御遠慮いただくこととい たします。部会の報告を踏まえ、当分科会としても本品目について、外国製造承認を可、 再審査期間を8年、原体、製剤共に劇薬に指定し、生物由来製品及び特定生物由来製品の 指定は不要とすることが適当であると認める旨、議決したいと思いますが、よろしいでし ょうか。ありがとうございます。御異議なしと認めます。  それでは、薬事・食品衛生審議会規程第3条第1項の規定に基づきまして、当分科会の 議決をもって審議会の議決とし、厚生労働大臣に答申することといたします。答申書の文 案その他の取扱いについては私に御一任いただいてよろしいでしょうか。ありがとうござ います。それではそのようにさせていただきます。ありがとうございました。  続きまして、次に入りたいと思います。議題2、資料2「医薬品ベセルナクリーム5% の生物由来製品及び特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否、再審査期間の 指定並びに毒薬又は劇薬の指定の要否について」です。この議題も審議事項です。  本品目は、既承認の類似薬がない新有効成分を含有する医薬品に係る事項ですので、 「薬事分科会における確認事項」第3項に基づき、医薬品第二部会での審議結果を踏まえ て薬事分科会にて審議を行うこととなっております。初めに部会の審議結果等を御報告い ただいた後、当分科会で審議をいたしたいと思います。  それでは、医薬品第二部会の部会長である池田委員から御説明いただきたいと思いま す。 ○池田委員 それでは、資料2のベセルナクリーム5%について概要を御説明します。ベ セルナクリーム5%ですが、米国3M社によって見いだされたimidazoquinoline誘導体 でして、IFN-αを始めとするいろいろなサイトカインの産生を促進する、そして、免疫応 答を賦活化することによって、ウイルス感染に伴う適応症に対して効果を発揮する化合物 として開発されたものです。本剤は、1997年に米国で「外性器又は肛門周囲の疣贅/尖圭 コンジローマ」を適応症として承認されていまして、以後2007年2月現在まで、米国及 び欧州を始め海外75か国で承認されています。  我が国における尖圭コンジローマに対する治療ですが、現在、治療薬は承認されていま せんで、外科的な治療、例えば凍結療法、電気で焼く、レーザーを使う、外科的に切除す るといった、病変を切除する、除去するということが治療の中心になっているわけです。 最近、尖圭コンジローマの国内の患者数が増加していることから、有用な治療薬剤の開発 が望まれているわけでして、この度、このような適応症について本剤が申請されたという わけです。  本剤については、去る5月30日に開催された医薬品第二部会において審議をしまして、 用法・用量の記載等について議論しましたところ、承認して差し支えないという判断をす ることになりました。以上、本剤の概要を説明しましたが、事務局から少し詳しい説明を お願いしたいと思います。 ○望月(正)分科会長 ありがとうございました。では、事務局から詳しい説明をお願いし ます。 ○事務局 それでは、ベセルナクリーム5%の審査の概略について、臨床試験の成績を中 心に御説明します。なお、本日、お手元にベセルナクリームのサンプルをお配りしていま すので、適宜御参照いただければと思います。  臨床試験に関する資料としまして、国内外で実施された第I相試験、第II相試験、第III 相試験の成績が提出されています。まず有効性ですが、国内後期第II相試験における疣贅 完全消失率は5%製剤群で63.6%、基剤群で34.0%でして、5%製剤群の疣贅完全消失 率が基剤群より約30%高かったことから、十分に臨床的意義があると考えられ、その他、 提出された資料に基づき審査を行った結果、外性器又は肛門周囲に発症した尖圭コンジロ ーマに対する本剤の有効性は確認できたと判断しました。  安全性に関しては、承認にかかわる大きな問題はないと判断するものの、二つの国内第 II相試験併合成績において、本剤塗布による局所皮膚反応の有害事象発現率は67.2%、 64例中43例と高頻度であること、また、本剤は患者自身で塗布するものであることから、 医療従事者及び患者に対して、添付文書のほか、説明文書等の情報提供資材により注意喚 起を行い、その発生を最小限にとどめるとともに、更なる情報収集を実施することが重要 であると考えています。  また、本剤は本邦初の尖圭コンジローマ治療薬であり、既存の治療法である外科的療法 と本剤の使い分けについては、製造販売後に情報収集し、必要に応じ適宜情報提供してい くことが重要であると考えています。  以上、総合機構における審査及び医薬品第二部会での審議の結果、本剤は、「尖圭コン ジローマ(外性器又は肛門周囲に限る)」の効能・効果に対する有用性が認められ、承認し て差し支えないと判断し、薬事分科会で審議されることが適当との判断に至りました。な お、再審査期間は8年、原薬は毒薬に該当し、製剤は毒薬又は劇薬に該当せず、特定生物 由来製品及び生物由来製品には該当しないとされました。  本品目につきまして、神山委員より事前にファックスにて二点御質問をいただいていま すので、併せて御紹介させていただきます。  一点目ですが、持田製薬のホームページによると、薬剤だけでは完治しないので手術と 併用と書かれているということです。持田製薬のホームページの中に、尖圭コンジローマ のQ&Aのページがあります。その中に、治療法としまして、手術による治療法と並んで 薬による治療法という項があり、「我が国において、尖圭コンジローマのための薬として 厚生労働省から認可されたものはありませんが、実際の医療現場では、医師の判断によっ て塗り薬が使われています。これらの塗り薬だけではイボがなくならないことがあり、手 術と併せて使われることもあります。」との記述があります。  先ほど申し上げたとおり、現在承認された薬はありませんので、このものが直ちにベセ ルナクリームを指しているということではないと考えています。しかし、実際にベセルナ クリームが承認された際にどのように使えるかということについては、具体的には疣贅の 状態、大きいものが一つあるのか、小さいものが多数存在するのかなどによりまして、外 科的療法、あるいはこのような外用剤を用いるという選択があると考えています。外科的 療法と本剤の使い分けについては、製造販売後に情報を収集し、必要に応じて情報提供を するということを考えています。  二点目としまして、アメリカでワクチンが開発されているという記述があるが、現在は どうなっているのか、また、ポドフィリン液、5FU軟膏、ブレオマイシン軟膏は本疾患 に適応があるか、という御質問があります。ワクチンについては、尖圭コンジローマがH PV(ヒトパピローマウイルス)によって引き起こされるということで、アメリカでは昨年 の6月にHPVワクチンが承認されているところでして、現在では30か国で承認が得ら れていると聞いております。そのワクチンについては、現在、我が国においても治験が実 施されているところです。他の薬剤に関しては、尖圭コンジローマの効能を持っているも のは今のところありません。説明は以上です。御審議をよろしくお願いします。 ○望月(正)分科会長 ありがとうございました。ただ今の説明につきまして御意見、御質 問等をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。西島委員、お願いします。 ○西島委員 細かなことですが、審査報告書の8ページです。抗ウイルス活性をin vitro で見ていて、データとしてここに、サイトメガロの場合にはある程度プラークの抑制があ ると書かれていますが、結論のところで、直接的にはウイルス増殖に影響を及ぼすことは ないと書かれています。サイトメガロについては増殖阻害をしているわけですよね。ここ のところの表現が少し納得できなかったので、御説明をお願いします。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。事務局の方から御説明願います。 ○新薬第一部長 機構の方からお答え申し上げます。先生の御指摘の部分は、申請者側の 主張です。こういうデータがウイルス増殖に影響を及ぼすことなくうんぬんと、ここはあ くまでも申請者側の結論です。私どもにおいては、審査の過程で特にこれについて正しい、 間違っているという判断は出していません。ただ、申請者側からの主張をそのままここに 書いたものです。 ○望月(正)分科会長 西島委員、いかがでしょうか。 ○西島委員 サイトメガロではプラークの抑制があると書かれていますので、表現として は間違っていると思うのですが。 ○新薬第一部長 8ページの表を御覧ください。接種24時間前の添加ですと、プラーク の抑制率が、薄いもので17%、0.5μg/mLでいきますと59%で、確かにそこでは出てい るのですが、接種1時間後に添加した、いわゆる予防効果ではなくて治療効果で見た限り ではゼロですので、恐らくこの数値を見て申請者側は判断したものと思われます。そこは、 先ほどのように一律に抑制したというのを、なかなかこの表の数値を解釈する分では難し いかと理解しています。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。ほかに、御意見等はございますでしょうか。 板倉委員、お願いします。 ○板倉委員 添付文書が1.8に載っていますが、これ以外に患者さんに行くものがあるの でしょうか。使い方ということでは、かなりきちんと分かるようにしないといけないので はないかという気がするのですが。 ○新薬第一部長 先生の御指摘の点は、添付文書のほかに患者説明用の資材があるかない かということでしょうか。 ○板倉委員 あるというお話振りであったように思ったものですから。 ○新薬第一部長 本日は御用意ができなかったのですが、1日1回、週3回塗って、塗っ た後には必ず石けん水等で洗い流すという非常に特殊な用法ですので、ここを徹底させる ためにもきちんと資材を使って、患者さんに情報提供させて適正使用を図りたいと思って います。 ○板倉委員 それを拝見できないので何とも言えないのですが、例えば今頂いた一包装を どういう方たちが使われるのか、それから、過剰に使ってはいけないと言いますが、その 過剰はどういう意味なのかなど、今拝見している添付文書だけではとてもきちんとした使 い方ができない。しかも、セックスパートナーに対して影響があるようなことも書いてあ るので、やはり普通の方が読んで正しく使えるようなものがないと、問題があるのではな いかという気がしています。 ○新薬第一部長 御指摘ありがとうございました。このものについては、お手元に行って いますように、サシェ剤と申しますが、これを1回使い切りでやるようにしています。た だ、特にこのものについて患者さんに適正に使っていただくためには、御指摘の点をきち んと資材に盛り込み、今私どもと申請者との間でやり取りを行っているところですので、 先生の御意見を反映してやりたいと思っています。 ○望月(正)分科会長 板倉委員の言われたことに基づいて、きちんとした書類を作るとい うことで、よろしいでしょうか。神山委員、お願いします。 ○神山委員 今の板倉先生の意見に関係して、これはどれくらいお医者さんが患者さんに 渡すのか分かりませんが、使い残しがあったときに、それを勝手に捨てないようにという 注意も必要ではないかと思いますので、よろしくお願いします。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。その点に関しては、注意を書いてあるというよ うなことはありますか。 ○新薬第一部長 御指摘ありがとうございました。添付文書上にうまく書いていないとい うことですが、一応、添付文書の「適用上の注意」に「使用時」として、使用直前に開封 すること、開封後の残薬は使用せず廃棄することという規定があります。これをもう少し 詳しく、きちんと患者さんに伝わるように、資材には反映させたいと思います。 ○望月(正)分科会長 そういうことで、よろしいでしょうか。 ○神山委員 今のお話は、普通のごみと一緒に廃棄するということですか。一般ごみに入 れてしまって構わないということでしょうか。 ○新薬第一部長 含有している成分等については、一般ごみ等で廃棄しても問題がない成 分であることは確認をしています。 ○神山委員 洗い流さないで捨てるということは問題ではないかと思います。 ○新薬第一部長 先生の御指摘の洗い流さなければいけない点というのは、これは基剤を 含めて非常に刺激性の強いものですので、いつまでも付けていますと皮膚に対する影響が 出てくるので、洗い流しを確実にやるという観点で、洗い流しをすることを指示していま す。 ○望月(正)分科会長 使用後の洗い流しで、捨てるときはいいということですが、いかが でしょうか。 ○神山委員 私が言っているのは、こういうものが捨てられたときに破れないという保証 はないわけです。一般ごみの中で収集している人の手に付くこともあるわけですし、ごみ の整理をしている人の手に付くこともありますので、それでもいいというのは少し。洗い 流さなければいけないほどの刺激性のものですから、お医者さんに戻させるくらいの注意 が必要ではないかと思っているのです。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。御意見はございますでしょうか。 ○審査管理課長 委員の御指摘の点は、清掃する方々の安全確保の観点の御議論であろう と思います。このものについて今御発言いただいているわけですが、これ以外の医薬品に ついてもそういう点は幾つかあるであろうと思います。清掃担当部局とも相談をしてみ て、彼らがどのような対策を取っているのか、我々の方で対応策を取らなければならない 点があるのか、その点をまた詰めていきたいと思います。ありがとうございました。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。やや大きい問題かと思いますが、よろしく御 検討願います。ほかに、御意見等はございますでしょうか。西島委員、お願いします。 ○西島委員 これは使用後よく洗うということで、私は薬の毒性のためによく洗うと理解 したのですが、今の御説明ですと基剤が原因ということです。どうして洗わなければいけ ないのかという説明もあった方がいいのではないかと思うのですが。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。事務局から御説明いただけますか。 ○新薬第一部長 なぜ洗い流さなければいけないかに関しては、きちんとその趣旨を徹底 させるように今盛り込んでいる最中です。本日、資材を先生方に御提示できなかったこと について申し訳ありません。先生の御指摘の点については、我々もそういう認識をして今 盛り込んでいる最中です。 ○望月(正)分科会長 先生の言われたとおりにするということです。望月委員、お願いし ます。 ○望月(眞)委員 先ほどから使っていただく患者さんの安全をどう確保するか、あるいは その周辺の人の安全をどう確保するかという話がいろいろ出ていました。私はこれを見た ときに、化粧品のサンプルと間違えないかと思いました。やはりここに医薬品であること を明確に書いていただいた方がいいかと思いました。ただベセルナクリームと書いてある と、化粧品のようなイメージになってしまうので、医薬品ですという強い主張をしていた だいた方がいいかと感じました。 ○望月(正)分科会長 事務局、お願いします。 ○新薬第一部長 今日は見本の印刷が間に合わなかったのですが、別途お配りしている紙 の2枚目を御覧ください。部会でも御指摘がございまして、分包の表面にそれぞれ塗り薬、 それから塗り薬ですので飲まないこと、裏面にも同じような表記をするということで、現 在このデザインで製品を出す予定にしています。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。黒木委員、お願いします。 ○黒木委員 今の話からいきますと、この分包表面にも手に付いた場合は洗い流すことと いう表記が必要ではないかと思いました。それから、添付文書で、3ページの「過量投与」 のところは「(参考:経口投与)」という記載ですが、皮膚への付着も、処置が必要な場合 は水で洗い流す等の処置を書くことが中毒の場合ではあります。それも検討していただけ ればと思います。 ○新薬第一部長 御指摘ありがとうございました。実際の製品につきましては、面積の関 係などいろいろありますので、どれだけできるかについては、申請者とも協議をさせてい ただければと思います。それから、添付文書については、併せて盛り込む方向で検討させ ていただきます。 ○望月(正)分科会長 ほかに、どなたか御意見はございますか。井部委員、お願いします。 ○井部委員 確認です。添付文書は基本的には医療者向けに作成されるものと思います が、それとは別に患者用に作成されると認識してよろしいのでしょうか。 ○新薬第一部長 添付文書という形でなくて、患者向け資材として、きちんと情報が伝わ るような資材を用意する予定です。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。ほかに、御意見はございますか。ないようで すので、議決に入りたいと思います。永井委員におかれましては、寄付金等に関する申出 に基づき、議決への参加を御遠慮いただくことにいたします。部会の報告を踏まえ、当分 科会としても本品目について、製造販売承認を可、再審査期間は8年、原体は毒薬に指定 し、生物由来製品及び特定生物由来製品の指定は不要とすることが適当であると認める 旨、議決したいと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。御異議なし と認めます。  それでは、薬事・食品衛生審議会規程第3条第1項の規定に基づき、当分科会の議決を もって審議会の議決とし、厚生労働大臣に答申することといたします。答申書の文案その 他の取扱いについては私に御一任いただいてよろしいでしょうか。ありがとうございま す。それではそのようにさせていただきます。ありがとうございました。  では、これより報告事項に入らせていただきます。御担当の部会ごとに区切って報告を いただくことにしますので、まずは、副作用・感染等被害判定第一部会及び副作用・感染 等被害判定第二部会の関係の議題3から、簡単に説明をお願いします。 ○事務局 議題3、副作用・感染等被害判定結果について御報告させていただきます。資 料3となります。前回の分科会以降に副作用・感染等被害判定第一部会が1回、第二部会 が2回開催されています。資料は、各開催ごとの資料と、3回の部会の件数を集計した資 料となっています。  1ページの「まとめ」に従って御報告させていただきます。部会開催については、第一 部会は平成19年度第1回が平成19年4月26日、第二部会については平成18年度第6回 が平成19年3月22日、平成19年度第1回が平成19年5月24日に開催されています。  医薬品の副作用の判定における3回の合計の申請内訳については、新規に申請されたも のが174件、継続のものが15件、障害の状態の現況のものが34件、計223件について御 審議いただいています。審議結果については、支給決定することが適当と考えられるもの が197件ありました。その内訳については、請求どおり支給決定するものが97件、請求 期間の一部について支給決定するものが97件、請求内容の一部について支給決定するも のが6件となっています。また、不支給決定することが適当と考えられるものが20件あ りました。その内訳については、医薬品の使用方法が不適正であったものが5件、医薬品 以外の原因によるものが9件、副作用による疾病に対する医療が入院を必要とする程度で ない場合が2件、副作用による障害の状態が日常生活が著しく制限される程度でないもの が4件となっています。なお、追加情報を得て再度審議されることが適当と考えられたも のが6件ありました。  生物由来製品による感染等の判定については、第二部会におきまして輸血用血液製剤に より感染したとして請求された1例について審議が行われています。生物由来製品による 感染により健康被害を生じたものと判定されましたが、健康被害に対して行われた医療が 入院を必要とするケースに該当しないという理由で不支給とすることが適当と判定され ています。以上で3回の副作用・感染等被害判定第一部会及び第二部会の結果報告とさせ ていただきます。 ○望月(正)分科会長 副作用・感染等被害判定部会長の岩田委員から追加の御発言等はご ざいますでしょうか。 ○岩田委員 今の報告に特に付け加えることはありません。 ○望月(正)分科会長 委員の方から、御意見、御質問等はございますでしょうか。望月委 員、お願いします。 ○望月(眞)委員 文字でしか判断できないものですから、教えていただきたいのですが、 8ページの45番、原因医薬品名がユニフィル錠200で副作用名が動悸というものと、15 ページの51番、インフルエンザHAワクチンによる発熱、これはどの程度の被害であっ たのかを教えてください。 ○望月(正)分科会長 事務局の方からお願いします。 ○事務局 各事例ごとの資料をここに持ち合わせていないものですから、後ほど資料をお 持ちして、個別に説明させてもらうということでよろしいでしょうか。 ○望月(眞)委員 そうですね。文字でしか判断できないので、ほかのものに比べると、こ の二つだけはとても軽そうに読んでしまったものですから、被害救済の対象になるほどの ものであったのかということです。 ○望月(正)分科会長 岩田委員、お願いします。 ○岩田委員 基本的には入院を要するようなものの場合は支給になっています。症状が軽 い場合であっても、その後の経過に関する観察が必要ということで、非常に短期間の入院 を必要とすることはしばしばあります。そういうものは入院に対しての支給が行われま す。ただ結果的には非常に軽かった、そういうものも対象になります。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。ほかに、どなたかございますでしょうか。神 山委員、お願いします。 ○神山委員 バセドウ病のメルカゾールが無顆粒球症を起こすというのは、ずっと前から 何回もこの報告に載っていると思うのですが、この薬はまだ普通に使われて、販売されて いるのですか。私はバセドウ病を2回やっていまして、行った病院ではこの薬はこういう 副作用があるからということで処方されていませんので、いまだに処方されているのかと いうことが非常に不思議です。 ○望月(正)分科会長 この点に関して、いかがでしょうか。 ○安全対策課長 メルカゾールは、先生の御指摘のように、血液の副作用が出ることが以 前から知られています。無顆粒球症ですから、血液の検査を頻回に実施していただいて、 検知していただくことが必要です。そういうことを注意書きに記載して、医療関係者等へ 情報提供することで、現在もなお使われていると承知しています。 ○望月(正)分科会長 池田委員、お願いします。 ○池田委員 日常的に使われている薬と理解していますが、今言われたように、無顆粒球 症の副作用が有名であることは確かです。それに対しては、頻回な血液検査である程度は 防げるはずであると思います。 ○望月(正)分科会長 溝口委員、お願いします。 ○溝口委員 この表に薬剤が出てきて、いろいろな被害が書いてありますと、いかにも悪 い薬という印象を持たれるかもしれませんが、これはそういう意味ではなくて、救済を検 討した患者さんの表です。適正に薬剤が使用された場合に、不可抗力で副作用を起こした 患者さんを救済しようという、世界に例のない日本の誇るべき救済制度です。  例えば、皮膚科関係ですと、重症の薬害をたくさん起こしていますが、この薬害が非常 に頻度が高いというわけではありません。ここにアナフィラキシーショック、スティーブ ンス・ジョンソン症候群、TENなどいろいろ皮膚科関係の副作用が出ていますが、救済 のために報告したためです。こういう制度があることを知らない医師が多かったものです から、最近知られるようになって報告が増えています。それは薬害が増えているというこ とではなくて、救済することができることが分かって報告するようになったと私は理解し ています。 ○望月(正)分科会長 貴重な意見をありがとうございます。何か、関連して御意見等はご ざいますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本件については御確認いただいた ものとします。続いて、医薬品第一、第二部会の関係の議題4〜12について、御説明を お願いします。 ○事務局 まず、医薬品第一部会の関係としまして、議題4〜10です。議題4、資料4 を御覧ください。販売名セララ錠25mg、同50mg、同100mgです。一般名はエプレレノン。 効能・効果としまして、高血圧症です。本品目については、平成19年4月27日に開催し ました医薬品第一部会におきまして御審議いただき、承認の御了解をいただいたもので す。なお、再審査期間は8年です。  資料5、販売名トピナ、トピナ錠50mg、同100mgです。一般名はトピラマート。効能 ・効果としまして、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発 作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法です。再審査期間は8年 です。こちらの品目も、4月27日に開催しました医薬品第一部会において御審議いただ き、承認の御了解をいただいたものです。  資料6、販売名エスラックス静注1%です。一般名はロクロニウム臭化物。効能・効果 としまして、麻酔時の筋弛緩、気管挿管時の筋弛緩です。再審査期間は8年です。こちら も、4月27日に開催されました医薬品第一部会において御審議いただき、承認の御了解 をいただいたものです。  資料7、販売名トラバタンズ点眼液0.004%です。一般名はトラボプロスト。効能・効 果は、緑内障、高眼圧症です。再審査期間は8年です。本年5月28日に開催されました 医薬品第一部会において御審議いただき、承認の御了解をいただいたものです。  資料8、販売名シアリス錠5mg、同10mg、同20mgです。一般名はタダラフィル。効能 ・効果は、勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)です。 こちらの品目も、5月28日に開催しました医薬品第一部会におきまして御審議いただき、 承認の御了解をいただいたものです。再審査期間は8年です。  議題9、資料9、希少疾病用医薬品の指定について、2品目御報告させていただきます。 2枚目に表で示しています。1品目目は、医薬品の名称ambrisentan、予定される効能又 は効果としまして、肺動脈性肺高血圧症です。2品目目は、ガルスルファーゼ(遺伝子組 換え)、予定される効能又は効果としまして、ムコ多糖症VI型です。この2品目について、 第一部会にて御審議いただき、指定して差し支えない、分科会には報告するとの結論をい ただいたものです。  議題10、資料10、再審査期間の延長についてです。ページをめくっていただきますと 品目が載っています。今回の報告品目は、イミグラン錠50、成分名はコハク酸スマトリ プタンです。効能・効果は、片頭痛です。この品目について、小児の用法・用量設定及び 小児集団における有効性・安全性を把握する目的で製造販売後臨床試験を実施するという 申出があり、そのために再審査期間を4年間延長し、その間に必要な検討を行っていただ くということです。5月の医薬品第一部会で御審議いただき、延長についての御了解をい ただいたところです。医薬品第一部会の品目は以上です。  続きまして、医薬品第二部会の関係の議題です。資料11を御覧ください。販売名ジェ ニナック錠200mgです。一般名はメシル酸ガレノキサシン水和物。効能・効果は、こちら に示しています咽頭・喉頭炎等を適応症とします抗菌剤です。こちらについては、本年5 月30日に開催しました医薬品第二部会において御審議いただき、承認して差し支えない との結論をいただいているところです。  資料12、放射性医薬品基準の改正についてです。こちらは、先ほど御審議いただきま したメタストロンの承認を踏まえまして、ストロンチウムの放射性医薬品基準を定めるも のです。以上です。 ○望月(正)分科会長 医薬品第一部会長の永井委員から追加の御発言はございますでし ょうか。 ○永井委員 承認可とされた薬剤について簡単に御説明させていただきます。議題4、セ ララ錠(エプレレノン)は、アルダクトンという薬が既にありますが、その類薬で、抗アル ドステロン作用のある降圧薬です。カリウムイオンを保持することで、ミネラルコルチコ イドの作用に拮抗する降圧効果を示す新しい降圧薬です。カリウムが上がってしまうな ど、幾つか安全性等に問題がありますが、合併症、併用薬別の安全性に関する情報収集を 行うことで、承認可と考えています。申請時にはレスコレブと販売名が決められていまし たが、似た名前の薬剤があるということで、セララ錠と変更になりました。  議題5、トピナは、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない患者さんの部分発作 に対する抗てんかん薬との併用療法ということで、難治性部分発作に対する併用療法を効 能・効果としています。しかしながら、気を付けて使う必要がありまして、代謝性アシド ーシス、続発性閉塞隅角緑内障、体重減少が報告されていますので、有害事象防止のため の緩徐な漸増法について、市販後、臨床試験を実施する予定です。  議題6、エスラックス静注は、麻酔時、気管挿管時の筋弛緩剤です。非脱分極性の筋弛 緩剤です。外国でアナフィラキシーが報告されているということで、製造販売後の調査で フォローすることになっています。  議題7、トラバタンズ点眼液は、プロスタグランジン誘導体で、緑内障、高眼圧症の効 能・効果を有しています。副作用、有害事象について、虹彩色素沈着、眼瞼色素沈着があ るということですので、製造販売後の調査を行う予定です。  議題8、シアリス錠は、シルデナフィル等の勃起不全に対する治療薬が既にありますが、 シルデナフィルと同様にホスホジエステラーゼ阻害薬です。類薬に比べて効果が長いとい う特徴を持っています。まだ日本人のデータが少ないということで、製造販売後の情報収 集を行うということです。第一部会からの追加説明は以上です。 ○望月(正)分科会長 医薬品第二部会長の池田委員から追加の御説明をお願いします。 ○池田委員 第二部会からは、議題11、ジェニナックについて追加をいたします。ジェ ニナックはフルオロキノロン系の抗菌薬で、実施された臨床試験では大きな問題は見られ なかったのですが、患者向けの情報提供資材を作成して、安全性に関する注意喚起を行う などの情報提供を徹底してほしいということで、要望を出したことを追加させていただき ます。以上です。 ○望月(正)分科会長 それでは、委員の方々から、御意見、御質問等はございますでしょ うか。黒木委員、お願いします。 ○黒木委員 報告事項なので確認させていただきたいのですが、資料5のトピナ錠はトピ ラマートとして海外でも発売されています。添付文書(案)ですが、6ページの8.過量投 与の処置のところに、過量投与後早期の場合は、胃洗浄、催吐、十分な水分補給等とあり ます。催吐に関してですが、海外の治療マネジメントでは、意識障害が起きるので、トコ ンシロップでの催吐は勧められていない状態にあります。ですから、この記載が残ってい ていいものであろうかと思いました。また、必要であれば活性炭の投与の方がよろしいか と思いますが、その辺りのコメントがもしありましたらお願いします。 ○望月(正)分科会長 過量投与の処置、催吐についての御意見ですが、事務局からいかが でしょうか。 ○新薬第三部長 機構からお答えします。この件については、御指摘の点も踏まえまして、 市販後の状況を見ながら対応させていただきたいと思います。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。ほかに、どなたか御意見、御質問はございま すでしょうか。溝口委員、お願いします。 ○溝口委員 7番について、二つ教えていただきたいのです。緑内障、高眼圧症に比べれ ば、取るに足りない副作用かもしれませんが、虹彩色調変化、眼周囲の多毛化、眼瞼色調 変化という有害事象があり、プロスタグランジン点眼薬に共通して認められると書いてあ ります。これまでもプロスタグランジン点眼薬が発売されているようなので、中止したら どのくらいで消退するかを教えていただきたいのが一つです。  もう一つは、多分これは色が黒くなる方だと思いますので、付くから起こるかというこ とで、メラニン結合性を調べていますが、できてしまったメラニンに結合しても黒くなる ことはなくて、むしろ白くなることはあるかと思います。34ページにプロスタグランジ ンがチロシナーゼ活性を上昇するということが書かれていますので、もしそうでしたらメ ラノサイトを培養しなくてもチロシナーゼ活性だけを問題にしても結構ですが、チロシナ ーゼ活性をどのくらい上昇するかということを調べたデータの方が必要ではないかと思 います。それはやられているのかどうか、この二点を教えていただきたいと思います。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。ただ今の二点について、御説明いただけますで しょうか。 ○新薬第三部長 機構からお答えします。御指摘のようにプロスタグランジン製剤の虹彩 色素沈着などは有名な副作用で、1回出たものについては戻らないと言われています。そ ういう意味では、実際に使いながら、患者さんの状況により適宜対応するということが基 本になるかと思います。  それから、申し訳ございませんが、後半の御質問についてもう一度お願いします。 ○溝口委員 起こす機序としてチロシナーゼ活性を上昇することが既に分かっているの でしたら、これと類似薬でチロシナーゼ活性をどのくらい上げるかを比べれば、先ほどの 言い方と変わっていますが、事前にどのくらい強い副作用になるかも分かるかと思いまし て、チロシナーゼ活性に関する検討をしていらっしゃるかを伺いたいのです。これではメ ラニンの結合性だけを検討していらっしゃるので。 ○審査管理課長 申し訳ございません。今直ちにお答えできるデータが見当たらないよう ですので、照会させていただいて、その結果をまた御報告させていただきます。 ○溝口委員 それから、不可逆的で、色が付いたら治らない、あるいは多毛で治らないと いうことでしたが、そのことに関して、患者さんからクレームはないのでしょうか。緑内 障で目が見えなくなるよりはずっといいでしょうから、ないのかもしれませんが、もし資 料があったら教えていただきたいのですが。 ○新薬第三部長 そこは委員の御指摘のとおりですが、要するにリスク・ベネフィットの 関係になると思います。ただ、一般的に緑内障の治療というのはかなり適切に対応しなけ ればならないということで、現場での判断で、患者さんと相談しながらということになる かと思います。 ○溝口委員 失明するよりはずっといいと思います。分かりました。 ○望月(正)分科会長 ほかに、どなたか御意見はございますでしょうか。木津委員、お願 いします。 ○木津委員 小さなことで恐縮です。資料5で、販売名のところに「トピナ、トピナ錠 50mg、トピナ錠100mg」と記載されていて、報告事項の方でも「医薬品トピナ」となっ ていますが、これは50mg錠と100mg錠しかないと思います。誤解を受ける気がしました ので、トピナを省いていただいた方がよろしいかと思います。 ○新薬第三部長 申し訳ございません。これは原薬ということで挙げておりますので、そ ういう整理で基本的には差し支えないと理解しています。 ○木津委員 原薬を挙げるものと挙げないものというのは、どのように区別されているの でしょうか。 ○審議役(新薬) 原薬について輸入あるいは製造するなどの承認申請が実際に出されて いるものは原薬の名前を販売名として挙げているので、それが入っているということで す。申請がないものはもちろん挙げていません。そういう違いです。 ○望月(正)分科会長 ほかに、どなたかございますか。望月委員、お願いします。 ○望月(眞)委員 トピナの相互作用に関連するところを教えてください。CYPの3A4 で代謝を受けるということですが、10日間で尿中に未変化体として投与量の約60%が排 泄されるということですから、3A4で代謝される割合はそれほど多くはないのです。C YPの3A4を誘導するいろいろな薬剤や、セント・ジョーンズ・ワートのような健康食 品も含めて、かなり検討されているのですが、相互作用の欄にも書いてあるのですけれど も、インヒビターとの関係を調べたデータはあるのでしょうか。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。事務局の方からお答えできますか。 ○審議役(新薬) 詳細についてはまた後ほど御説明させていただきたいと思いますが、基 本的にはインヒビターもインデューサーも全部検討した上で、臨床的に情報提供の必要が あるものを選んでここには載せているという整理です。したがいまして、特にそれという 問題がなければ、ここには書いていないということになっています。ただ、いろいろな薬 剤を現場で使いますので、そのようなものについての情報収集は引き続きやらなければな らないということです。 ○望月(正)分科会長 ほかに、どなたかございますでしょうか。望月委員、お願いします。 ○望月(眞)委員 とても小さなことですが、資料4のセララについてです。添付文書(案) に、いわゆる薬効分類名が載っているのですが、これが「選択的アルドステロンブロッカ ー」という形になっているのです。薬効分類名は、薬剤師などは非常に重要視して使って いる部分ですが、最近企業がいろいろな薬効分類名をお付けになって、少し戸惑いがある 部分でもあります。選択的アルドステロンブロッカーという言い方は、公知の事実なのか どうかというのを、まず教えてください。 ○望月(正)分科会長 いかがでしょうか。 ○審議役(新薬) このものにつきましては、既に海外での承認がありまして、永井先生か ら御説明もありましたが、既存のものに比べますと、例えば女性化乳房などの副作用が出 にくいように、選択性を高めてあるということで開発されたものです。それについての臨 床試験の結果も、それを裏付けている格好になっております。そういう意味では、選択的 という表現は、一応妥当かとは考えています。 ○望月(眞)委員 海外でセレクティブ何とかという命名はあるのですか。 ○審議役(新薬) 一応そういうネーミングは使われていると思います。 ○望月(眞)委員 今日MEDLINEの検索をしてみたのですが、なかなかヒットしてこなかっ たものですから、それほど一般的なのかと思ったので申し上げました。 ○審議役(新薬) 日本語表記としてそこまで書けるかどうかということについての御指 摘であると思いますので、それについては検討させていただきたいと思います。 ○望月(正)分科会長 ほかに、どなたか御意見はございますか。よろしいでしょうか。そ れでは、本件について御確認いただいたものといたします。続いて、医療機器・体外診断 薬部会の関係の議題13、議題14について、説明をお願いします。 ○事務局 資料13について説明させていただきます。こちらは植込み型の補助人工心臓 システムで、1ページに概要があります。今回は、希少疾病用医療機器に指定をしてほし いという申請に基づきまして、審議をさせていただいたものです。申請者は、株式会社サ ンメディカル技術研究所です。6月14日に行われた医療機器・体外診断薬部会におきま して、対象者数、医療上の必要性、開発の可能性を検討いただき、希少疾病用医療機器と して指定して差し支えないということで、御審議いただいております。  続きまして、資料14の説明に入らせていただきます。こちらは体外診断用医薬品の劇 薬指定からの除外についてです。1ページにありますが、体外診断薬が開発される前に、 新トリアゾール系の抗真菌薬としてボリコナゾールという医薬品が、平成17年4月11日 に承認されております。その後、その薬剤の細菌に対する感受性を調べる体外診断薬が開 発されてきたわけです。体外診断薬は、人体に直接投与若しくは塗布しないということ、 また、体外診断薬に含まれる成分がわずかということですので、劇薬の指定から除外する ことについて御了承いただいたものです。以上です。 ○望月(正)分科会長 委員の方々から、御意見、御質問等はございますでしょうか。それ では、本件については御確認いただいたものといたします。続いて、日本薬局方部会の関 係の議題15について、説明をお願いします。 ○事務局 議題15、第十五改正日本薬局方第一追補について御報告させていただきます。 資料15です。本件につきましては、平成19年4月24日開催の日本薬局方部会において 御審議いただいたものです。日本薬局方につきましては、薬事法第41条の規定に基づき、 医薬品の性状及び品質の適正化を図るために作成されている規格基準です。5年ごとに全 面的な改正を行い、5年の間に2回追補として一部を改正しております。今回の一部改正 は、昨年3月に告示した第十五改正日本薬局方の一部改正です。1回目の一部改正である ことから「第十五改正日本薬局方第一追補」と称しているところです。  資料15に今改正の概要を示しています。通則、生薬総則においては1項目の改正を、 製剤総則においては5項目の改正を、一般試験法においては新規に1試験法を追加し、9 試験法の改正を、医薬品各条においては新規に90品目を収載し、6品目を削除、171品 目の改正を行うといったものです。日本薬局方部会において御審議をいただいた結果、日 本薬局方の一部を改正することについて御了承をいただいております。現在、部会の結果 を踏まえて改正手続を行っています。  以上、日本薬局方の一部改正である第十五改正日本薬局方第一追補について御報告させ ていただきました。 ○望月(正)分科会長 部会長の早川委員から、追加の御発言等はございますでしょうか。 ○早川委員 特にございません。 ○望月(正)分科会長 委員の方々から、御意見、御質問等はございますでしょうか。それ では、本件について御確認いただいたものといたします。続いて、一般用医薬品部会の関 係の議題16について、説明をお願いします。 ○事務局 議題16、医薬品サフロチンMCの毒薬又は劇薬指定の要否について、資料16 を御覧ください。殺虫剤成分であるプロペタンホスは、成分としては劇薬指定を受けてお りまして、製剤については、3%以下の製剤については劇薬から除外ということになって います。  今般、プロペタンホスをマイクロカプセル化して20%配合した殺虫剤の製剤が申請さ れておりましたので、この劇薬への該当性について、3月22日に開催された一般用医薬 品部会で御審議いただいたものです。その結果、この製剤は劇薬には該当しないという御 結論をいただいています。これを踏まえて、4月18日にこの製剤の承認と併せて薬事法 施行規則の改正を行い、マイクロカプセル化した20%以下を含有する製剤について、劇 薬から除外とさせていただいています。以上です。 ○望月(正)分科会長 部会長であります私の方からは、追加の発言はございません。委員 の方々から、御意見、御質問等はございますでしょうか。神山委員、お願いします。 ○神山委員 資料に余り詳しく書いていないので分からないのですが、マイクロカプセル 化するとなぜ20%でも劇薬除外していいのか、理由を教えてほしいのですが。 ○望月(正)分科会長 事務局からお願いします。 ○事務局 資料の4枚目に、この製剤の毒性試験の結果の概要が書かれています。「毒性」 のところに、サフロチンMCと言いまして、プロペタンホスをマイクロカプセル化した 20%製剤の急性毒性の結果が出ています。概略の致死量がこのような結果になっているこ とを受けて、今回の判断をいただいております。ただ、通常は何パーセントということで 濃度で劇薬の除外の規定を行っているところですが、今回の製剤についてはマイクロカプ セル化の処理を行っているので、単なる濃度ではなくて、マイクロカプセル化したことを 注釈に付けた上で、今回判断をいただいているということです。マイクロカプセル化した ものがなぜ毒性が少なくなっているかというのは、哺乳類が吸収を受けない形で製剤化を しているので、このような毒性の特性があるということです。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。 ○神山委員 ついでに、1枚目の「剤型・含量」のところに「用事希釈噴霧剤」とありま すが、これは「時」ではないのでしょうか。こういう言葉でいいわけですか。用いる時に 希釈するという意味ではないのですか。この「用事希釈噴霧剤」というのは、どういう意 味なのですか。 ○事務局 今回の製剤につきましては、業務用の殺虫剤でして、例えばビルの床などに噴 霧して使うものです。そのような製剤の場合には、通常濃い形で製剤化されておりまして、 実際に使う時に希釈をして塗布したり噴霧したりするということです。 ○神山委員 用いる時という「時」ではないのでしょうかという意味です。 ○事務局 用いる時の「時」です。もしかしたらお配りしている資料に誤植があるかもし れません。失礼いたしました。 ○望月(正)分科会長 後で配られた資料16'の方は「時」に変わっております。申し訳あ りません。ほかに、御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、本 件について御確認いただいたものとします。続いて、生物由来技術部会の関係の議題 17、議題18について、説明をお願いします。 ○事務局 議題17について、まず御説明申し上げます。ヒト由来細胞・組織加工医薬品 等の品質及び安全性の確保に関する指針への適合の確認についてです。この指針は、ヒト 由来の細胞・組織を加工した医薬品又は医療機器の品質及び安全性の確保のために、必要 な基本的要件を定めたものです。製造販売業者は、ヒト由来の細胞・組織を加工した医薬 品等を用いて治験を開始する前に、細胞・組織加工医薬品等の安全性及び品質の確保を期 すために、当該医薬品等がこの指針に適合していることの確認を、厚生労働大臣に求める こととされております。  今般、5月29日に開催された生物由来技術部会において、日本ケミカルリサーチ株式 会社より申請のありましたJR-031について、この指針に適合していることが確認されま したので、御報告するものです。本剤は、資料の(5)申請品目の概要にありますように、 骨髄由来の他家ヒト間葉系幹細胞を培養したものであり、ステロイドによる標準的初期治 療法に反応しない同種造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(GVHD)の抑制を図ろ うとするものです。この確認を受け、今後、承認申請に向けた臨床試験、治験を4施設に おいて実施する予定です。  なお、この制度はあくまでも治験に入る前にそのものの品質及び安全性の確認を行うこ とを目的としたものであり、この確認が直ちに本剤の製造承認に結び付くものではありま せん。議題17については以上です。  続きまして、議題18、「生物由来原料基準」の改正についてです。生物由来原料基準 とは、薬事法第42条に基づき定められた基準であり、医薬品、医薬部外品等の製造に用 いられるあらゆる人・動物等に由来する原料を対象とし、その原材料の適格性の要件を定 めたものです。  今回の改正の趣旨ですが、生物由来原料基準の中に、BSE対策として、ウシ等由来原 料についての基準があります。具体的には「生物由来原料基準」の中の「反芻動物原料基 準」において、[1]ウシ等由来原料として使用してはならない反芻動物の部位材料、[2]原材 料として使用できる反芻動物の原産国、この二つを規定しています。  本日御報告する基準の改正につきましては、原材料として使用できる反芻動物の原産国 から「チリ」を削除するというものです。その理由としては、原材料として使用できる反 芻動物の原産国については、欧州食品安全庁(EFSA)においてリスクが低いとの評価を 得て公表された国であって、米国農務省の定める輸入制限国でない国を参考として設定し たものでありますが、そのうち欧州食品安全庁における地理的BSEリスク評価(GBR) におきまして、平成17年6月にチリのGBRがそれまでクラスI(BSEリスクがほとん どない国)となっていたところからクラスIII(BSEのリスクがある国)に変更されたこと を踏まえ、今回、「生物由来原料基準」の「反芻動物由来原料基準」から「チリ」を削除 するものです。  なお、チリのGBRが変更されたのは、新たにBSE感染牛が発見されたということで はありませんで、チリのBSE病原体の循環及び増幅を防止する循環システムが不安定で あるとみなされたためです。これについては、公布の日から適用する予定でありまして、 現在、改正に向けてWTO通報の手続を取っている段階です。以上です。 ○望月(正)分科会長 部会長の早川委員から、追加の御発言等はございますでしょうか。 ○早川委員 特にございません。 ○望月(正)分科会長 委員の方々から、御意見、御質問等はございますでしょうか。それ では、本件について御確認いただいたものとします。続いて、毒物劇物部会の関係の議題 19について、説明をお願いします。 ○事務局 それでは、説明いたします。本件につきましては、3月19日に開催された毒 物劇物部会において、表紙にあります5物質について、毒物又は劇物への指定と、劇物か らの解除についての審議が行われました。  資料19の2ページを御覧ください。最初の物質は、1-ドデシルグアニジニウム=アセ タート(別名:ドジン)です。用途として、農薬です。審議結果としては、本物質とこれを 含有する製剤、ただし、この物質を65%以下を含有するものを除くものについては「毒 物」に指定して、また本物質を65%以下を含有する製剤については「劇物」に指定する ことが適当であるという結論です。4ページに、審議の基となりました毒性データが添付 してあります。  5ページです。O-エチル=S-プロピル=[(2E)-2-(シアノイミノ)-3-エチルイミダ ゾリジン-1-イル]ホスホノチオアート(別名:イミシアホス)と、これを含有する製剤で す。これは、新規農薬として今後上市が予定されているものです。審議結果としては、本 物質とこれを含有する製剤、ただし、製剤につきましては本物質を1.5%以下を含有する ものを除くものにつきまして、「劇物」に指定することが適当であるという結論です。7 ページに、その根拠となりました毒性データがあります。  8ページです。3-(アミノメチル)ベンジルアミン及びこれを含有する製剤です。用途 は、エポキシ樹脂の硬化剤等です。審議結果ですが、本物質とこれを含有する製剤、ただ し、製剤につきましては本物質を8.0%以下を含有するものを除くものにつきまして、「劇 物」に指定することが適当であるという結論でした。10ページに、その根拠となりまし た毒性データが添付してあります。  11ページを御覧ください。(E)-2-{2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロ メチル)フェニル]エチリデン}-N-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカ ルボキサミドと(Z)-2-{2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニ ル]エチリデン}-N-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ヒドラジンカルボキサミドの 混合物、ただし、E体の方を90%以上を含有し、かつ、Z体の方を10%以下を含有する ものに限る(別名:メタフルミゾン)というものです。これにつきましては、新規農薬とし て使われる予定のものでして、現在は有機シアン化合物の一つとして劇物に該当している ものです。12ページを御覧ください。審議結果ですが、この物質及びこれを含有する製 剤につきましては、個別に毒性データを審査した結果、「劇物」から除外することが適当 であるという結論を得ています。15ページに、その根拠となりました毒性データが記し てあります。  16ページを御覧ください。バリウム=4-(5-クロロ-4-メチル-2-スルホナトフェニ ルアゾ)-3-ヒドロキシ-2-ナフトアート及びこれを含有する製剤です。用途としては、 印刷インキ等です。これにつきましては、現在はバリウム化合物ということで劇物に該当 しているものですが、個別にデータを審議した結果、本物質とこれを含有する製剤につい ては、「劇物」から除外することが適当であるという結論を得ています。18ページに、 その基となりました毒性データが添付してあります。  19ページです。毒物劇物の判定基準の改正についてということで、今回、毒物劇物調 査会と部会における内規の改正を行っております。具体的には、現在、「劇物」の製剤の うち含有率(%)による除外規定を設けていないものについては、当該成分について急性的 な毒性がないと予想される微量であっても意図的にそれが混合されている場合には、その 製剤自体が毒物及び劇物取締法の対象となっているという現状があります。  これまで劇物指定の除外の判定におきましては、製剤についても原体同様個別に実施さ れた毒性試験の結果を評価して、規制の対象から除外できる含有率(%)の範囲を定めてい たところです。しかし、これについては、今般、製剤について、動物試験等の毒性試験が ない場合、新たに毒性試験を実施するということではなくて、国連から勧告されたGHS (化学品の分類及び表示に関する世界調和システム)で示された考え方に基づき、原体の毒 性のデータから混合物製剤における劇物に相当する推定含有率を算出する方法を導入す ることで、基準の改正を行った次第です。以上です。 ○望月(正)分科会長 委員の方々から、御意見、御質問等はございますか。特にないよう ですので、本件についても御確認いただいたものとします。本日の報告事項は終了ですが、 その他として、事務局より4月23日の薬事分科会で設置することとされました「審議参 加と寄付金等に関する基準策定ワーキンググループ」についての報告がありますので、よ ろしくお願いします。 ○事務局 本日配付された資料20に基づき御報告させていただきます。これは、今、分 科会長からございましたように、4月23日の当分科会で決定された事項についてのフォ ローアップの報告です。審議会の委員の先生方が企業から寄付金や契約金等を受け取って いる場合の取扱いにつきまして、4月23日の分科会においては、二つのことが決定され ています。すなわち、当面の対応としての暫定ルールを策定することとともに、正式なル ールを作るためのワーキンググループを設置し本格的な検討を開始することが決定され ました。資料20に、そのワーキンググループの名簿をお示ししております。  メンバーとしては、望月座長を含めて当分科会から5名の先生方、それに加えて外部委 員として、上智大学法学部教授の岩田太先生、東京大学法学部教授の樋口範雄先生、マス コミ代表として東京新聞論説委員の日比野守男先生に入っていただき、合計8名のワーキ ンググループを設置し、昨日、1回目の会合を行ったところです。昨日は、今後議論を深 めていく論点について御議論をいただきましたが、今後、年末に向けて正式なルール作り に取り組み、素案ができた段階で、当分科会にお諮りさせていただくことを予定しており ます。以上です。 ○望月(正)分科会長 ただ今の説明に対して御意見、御質問等はございますでしょうか。 昨日の会では、研究費等の現状について理解するということが中心でした。よろしいです か。特にないようですので、本件についても御確認いただいたことにします。そのほかに、 何か委員の先生方からございますでしょうか。神山委員、お願いします。 ○神山委員 後から送られた資料101〜104はどうなるのでしょうか。 ○望月(正)分科会長 その扱いについて、御説明いただけますでしょうか。 ○事務局 今の資料は、文書報告とするものです。 ○審査管理課長 本年1月の薬事分科会において、その前から分科会で議論をいただいた と思いますが、分科会における報告事項が30、40と余りにたくさんの事項になっている という現状にかんがみて、効率的な審議のあり方という観点から、12月と1月の2回、 分科会で御議論をいただいたと覚えております。その際に、例えば新薬の承認審査ですと、 有効成分が新しいものはこの場で口頭で報告して討議をしていただく、効能追加や投与経 路の変更というものは文書で送らせていただいて、基本的にこの場で議論はしないという ルールの変更に本年1月に合意していただきました。それに基づいて配付しているもので す。 ○望月(正)分科会長 よろしいでしょうか。 ○神山委員 その説明がどこにも書いていなかったものですから。 ○審査管理課長 申し訳ございません。今後気を付けます。 ○望月(正)分科会長 もし御意見があれば前もってお送りいただくか、また後でも御意見 を出していただければと思います。ほかに、どなたか御発言はございますでしょうか。黒 木委員、お願いします。 ○黒木委員 二点あります。一つは審議参加、不参加に関することです。本日も審議にこ の先生は参加しませんといったお話があってから採決があったわけですが、退席する必要 はないと思うのですけれども、それが明確に見えるように、審議の是非を問う時は正式に 挙手をするようにしたらいかがでしょうか。 ○望月(正)分科会長 私の進め方が悪かったかもしれませんが、事務局の方はいかがです か。挙手をしてはっきりと審議、議決をした方がいいという御意見です。 ○総務課長 事務局としては、皆さん方がそれでよろしいということであれば、そのよう な議決方法にしていただければと思います。 ○望月(正)分科会長 では、次回からでよろしいでしょうか。 ○黒木委員 はい。もう一点は、この場でお願いするべきことかどうかは分からないので すが、1年後に北海道洞爺湖サミットが開催されます。2000年沖縄サミットの時には、 日本でまだ承認されていない解毒剤がありまして、当財団の方で医師が個人輸入をして危 機管理対策として準備したような経緯がありました。その後、解毒剤各種について申請が なされているものがあると思いますが、その審査状況について知りたいと思っています。 中には審査途中のものもあると思いますが、是非来年のサミット時に間に合うように、も し滞っているのであれば優先して審査していただくこともお願いできないかと考えてい ます。こちらで発言するべきかどうかは分からないのですが、お願いします。 ○望月(正)分科会長 事務局の方でお答えできますでしょうか。 ○審査管理課長 この場でどこまで審査が進んでいるかを御報告しますと、すべての品目 について予断を持った議論になってきますので、それは御容赦願いたいと思っています。 また、分科会においてそのような御意見があったことを念頭に置いて、審査を進めたいと 思っています。 ○望月(正)分科会長 ほかに、御発言はございますでしょうか。板倉委員、お願いします。 ○板倉委員 議事の進め方の件です。各部会長の方、特に今回、池田委員は、非常にポイ ントを押さえて、何がその部会で議論になったかも含めて御説明いただいたので、私たち としては、今から意見を言わなければいけないことなのか、あるいはそうでなくて議論は 済んでいるのかということがよく分かりました。もう済んでいてその結果だけ教えていた だければ、こちらが納得できる部分についてはあえて意見を出さなくても済んだという経 緯もありますので、もし可能であれば、各部会である医薬品について議論のあった部分、 それからどういう回答をしてそれで納得されたということについては、掻い摘んだ形でお 話いただけると、たくさんの資料で議論をしていく時に合理的に議論が進められるのでは ないかと思います。そのようなことも御配慮いただければ有り難いかと思っています。 ○望月(正)分科会長 報告事項についてもそういうことにということです。そのような形 でいかがでしょうか。時間も節約になるのではないかという御意見です。 ○審査管理課長 今後、事務局からの説明の上でも注意させていただきたいと思います。 ありがとうございました。 ○望月(正)分科会長 ほかに、どなたか御発言はございますでしょうか。ないようですの で、本日の薬事分科会を終了させていただきます。  次回の薬事分科会ですが、具体的な日程は既に先生方の御都合を伺っておりますので、 調整が終わり次第、お知らせしたいと思います。それでは、これで薬事分科会を閉会いた します。どうもありがとうございました。 ( 了 ) 連絡先: 医薬食品局 総務課 課長補佐 菊池(内線2714)