07/06/27 中央社会保険医療協議会薬価専門部会平成19年6月27日議事録 平成19年6月27日 中医協薬価専門部会            第38回議事録 (1)日     時  平成19年6月27日(水)10:00〜11:37 (2)場     所  厚生労働省専用15会議室 (3)出  席  者  遠藤久夫部会長 土田武史委員 室谷千英委員 白石小百合委員 対馬忠明委員 小島茂委員 丸山誠委員 松浦稔明委員 鈴木満委員 飯沼雅朗委員(代 中川) 渡辺三雄委員 山本信夫委員 向田孝義専門委員 長野明専門委員            〈参考人〉 加藤薬価算定組織委員長            〈事務局〉 水田保険局長 白石審議官 原医療課長 武田経済課長 中垣審査管理課長 宇都宮企画官 磯部薬剤管理官 他 (4)議     題  ○薬価算定組織からの意見聴取について            ○後発医薬品について            ○次期薬価制度改革主要検討事項について         ○薬価調査について (5)議 事 内 容 ○遠藤部会長  それでは、定刻になりましたので、ただいまより、第38回中央社会保険医療協議会薬 価専門部会を開催いたします。  まず、委員の出欠状況について御報告いたします。本日は、渡辺専門委員が御欠席で、 飯沼委員の代理で日本医師会常任理事の中川俊男さんがお見えです。  なお、白石審議官は遅れて出席する旨の連絡を受けております。  それでは、議事に入らせていただきます。  薬価専門部会におきましては、前回5月30日、「平成20年度薬価制度改革に向けた 今後の予定について」の御了承をいただきましたので、基本的に、その予定に従って議論 を進めていきたいと考えております。  本日はまず、実際に薬価算定を行っていただいている薬価算定組織から薬価算定ルール について意見聴取を行った後、質疑を行いたいと思います。  次に、事務局が用意した次期薬価制度改革主要検討事項(案)について御議論をいただ きますが、その前に、前回、後発品の品質、有効性、安全性の確保について御発言があり ましたので、幾つかの資料の御説明をいただきます。  2号側から後発品の品質等について、医薬食品局審査管理課長から後発品の承認審査に ついて、医療課企画官からDPC対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況に ついてをそれぞれ御説明いただきまして、その後質疑を行いたいと思います。次いで次期 薬価制度改革主要検討事項(案)及び薬価調査について審議をしたいと考えております。  それでは、「薬価算定基準に関する意見」について、薬価算定組織の加藤委員長より御 説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○加藤委員長  薬価算定組織委員長の加藤でございます。それでは、私の方から、これまでに実際に新 医薬品の薬価を算定してきた経験を踏まえて、薬価算定組織としての薬価算定の基準に関 する意見を述べさせていただきます。  資料の中医協薬−1をごらんください。まず、「1.医薬品の評価の適切な反映につい て」としまして、総論的な意見を記載してございます。すなわち、薬価算定組織において 薬価の算定を行っている中で、現行のルールでは、補正加算を適用したり、外国平均価格 調整を行ったりしても、当該医薬品の評価が適切に反映されているとは言いがたい場合が あります。このような観点から、全体のルールを見直しを検討してはいかがということで ございます。  次に各論に移りたいと思いますが、「2.新医薬品の算定方法について」を説明させて いただきます。まず、「(1)新医薬品の補正加算の在り方について」でございますが、 現行の画期性加算と有用性加算(I)については、満たすべき要件の数は異なるものの、 個々の要件は共通でありまして、要件の一つとして臨床上有用な新規の作用機序を有する ことと規定されております。一方、有用性加算(II)につきましては、そのような要件は 規定されていないために、臨床上有用な新規の作用機序を有していても、それだけでは有 用性加算(II)が適用されないことになります。  臨床上有用な新規の作用機序を有する新医薬品につきましては、通常、治療の選択肢を 増やすことなどが期待できるものであることから、有用性加算(II)の対象となるよう要 件の見直しを検討してはどうかと考えております。  次に、「(2)小児用医薬品及び希少疾病用医薬品の取扱いについて」を説明いたしま す。小児加算及び市場性加算(I)の加算の要件についてでございますが、現行では、既 収載品に一つでも薬理作用類似薬が存在しますと加算されないルールとなっております。 しかしながら、医療上のニーズが高いこれらの医薬品のさらなる開発を促すためにも、薬 理作用類似薬の有無にかかわらず加算を適用するなど、加算の要件の見直しを検討しては どうかと考えております。ただし、新医薬品の薬価算定上の比較薬などが既に加算の適用 を受けている場合には、当該新医薬品に加算を適用する必要はないと考えております。  また、特に小児用医薬品につきましては、類似薬の薬価が低く、現行の小児加算を適用 しても評価が十分でないと考えられる場合があります。このようなことから、加算率の引 き上げまたは原価計算方式の採用を検討してはいかがと考えております。  続いて、「(3)外国平均価格調整について」を説明します。類似薬効比較方式による 算定値が外国平均価格と大幅に異なる場合、外国平均価格調整を行っても、当該新医薬品 の薬価が、その研究開発等に係るコストを適切に反映したものとは考えられないような場 合があります。よって、このような場合には、原価計算方式により計算するなど、外国平 均価格調整に係るルールの見直しを検討してはどうかと考えております。  また、原価計算方式で算定した場合にも外国平均価格調整により引き上げの対象となる ことにつきましては、再検討すべきという意見がございました。  続いて、「(4)規格間調整について」を説明させていただきます。欧米では、主に内 用薬について、いわゆるフラットプライスが見られることなどを踏まえて、平成18年度 に、高用量の規格の算定の際に用いる規格間比については上限が定められたところであり ます。しかしながら、このように内用薬を想定して規格間比の上限ルールが導入されたに もかかわらず、実際にこれまでに当該ルールが適用された新医薬品はいずれも注射薬とな っております。このようなことから、規格間比の上限ルールを注射薬に適用しないことと するなど、その在り方について再検討する必要があるのではないかと考えております。  続きまして、「3.既収載医薬品の取扱いについて」を説明させていただきます。  まず、(1)についてでありますが、既収載医薬品の中には、市販後に真の臨床的有用 性が検証されるものや希少疾病にかかわる効能など、臨床上の有用性が高い効能等の追加 がされるものがあります。このような医薬品については、市場拡大再算定により、薬価の 引き下げを行う際に補正加算を行い評価しておりますが、市場拡大再算定の対象となるか 否かにかかわらず、基準を設けた上で再度薬価を評価する仕組みを検討してもよいのでは ないかと考えております。  次に、「(2)市販後に真の臨床的有用性が検証された医薬品に係る市場拡大再算定時 の補正加算について」でありますが、現行のルールでは、補正加算を適用する際に、対象 医薬品の1日薬価に基づき傾斜配分を行った上で加算しております。しかしながら、現行 のルールでは、当該医薬品の販売量、すなわち市場規模の大小等にかかわらず、1日薬価 が同じであれば同一の補正加算率が適用されることになることから、対象医薬品の市場規 模等に応じた傾斜配分の方法を検討してはどうかと考えております。  続いて、「4.その他」でございますが、まず、「(1)配合剤の取扱いについて」を 御説明しますと、現在2つの成分を配合した配合剤の場合、配合されている2つの既収載 医薬品の1日薬価を合計して1日薬価合わせとする算定を行っております。しかしながら、 配合剤は、製造経費、流通経費などのコスト節減が見込まれるものと考えられることから、 例えば、これら2剤のうち1日薬価の高い薬剤の1日薬価を基本として算定し、2剤の1 日薬価の合計まで加算可能とするルールを検討してはどうかと考えております。  次に、「(2)キット製品の薬価算定について」でございますが、現行のキット加算の 要件を満たすキット製品の中には、患者に対する直接的な有用性を向上させるものがある 一方では、使用する医療従事者の手間を減少させることを重視したと考えられるものも含 まれていることを踏まえて、加算の在り方を再検討する必要があるのではないかと考えて おります。また、現行のルールでは、キット加算の適用を検討する際に、キット製品を除 いた既収載品と比較することとされており、既に同一形態、同一機能のキット製品が薬価 収載されている場合でも、キット加算が適用され、既収載のキット製品の薬価を上回る場 合があることから、加算要件の見直しなどを検討してはどうかと考えております。  また、(3)のとおり、日本で治験が行われ、日本人におけるデータが充実している医 薬品につきましては、補正加算の対象として評価すべきとの意見や、(4)に示しますよ うな、患者は少ないけれども、治療上絶対に欠かせない医薬品につきましては高薬価にす べきという意見もありました。  最後に、(5)のとおり、原価計算方式による算定がされるのは、新規性の高い医薬品 が多いことを踏まえ、原価計算方式に応じても臨床上の有用性に基づき加算するなどの算 定方法を検討すべきとの意見がありました。  以上で、薬価算定の基準に関する薬価算定組織の意見の説明を終わらせていただきます。 ○遠藤部会長  加藤委員長、ありがとうございました。  実際に、薬価の算定を行っていただいております委員会の委員の皆さんの中から出てき たこういう御意見なわけでありますが、これにつきましては、今後総合的に次年度の薬価 改定を決める際にどういうふうに反映していくかということも議論されるわけであります けれども、ここに書かれている内容について御質問があればこの場で確認しておきたいと 思いますので、どなたでも結構でございますが、御質問ございますでしょうか。 ○対馬委員  この意見の整理ですけれども、「意見があった」というのは、薬価算定組織全体の意見 というよりも、むしろ委員の方から意見があったということで、そういうことが書いてな くて「検討してはどうか」というのは、算定組織全体の意見を反映したものだと、こうい うふうに思ってよろしいわけですか。 ○加藤委員長  はい。意見は、委員の中からの意見でございます。 ○対馬委員  多数意見というわけでは必ずしもないわけですね、「意見があった」というのは。 ○加藤委員長  はい、それでよろしいです。 ○対馬委員  中身ですが、2ページ目の真ん中、(2)の場合ですと、「原価計算方式の採用を検討して はどうか。」というのがあって、その下の(3)の外国平均価格調整のところでは、類似 薬効比較方式でやってもなかなか難しいので、「原価計算方式により算定するなど」とい うような表現もありますし、あと一番最後のところには、また、原価計算方式のところを 強く主張されているようなのですけれども、現行では、類似薬があれば類似薬効比較方式 が原則になっていて、ない場合には原価計算方式ということで、原則と例外が今のルール の中では逆になっているのですが、そのこと自体に問題意識があるのでしょうか。もっと 原価計算方式を重要視すべきだということなのでしょうか。  といいますのは、確かに、どれだけかかったかという、原価というのも重要ですけれど も、私ども消費者や患者さんの方から見ると、お金がどれだけかかったかというのも重要 ですけれども、実際画期的な新薬なのか、それとも有用性があるのか、言ってみますと薬 の価値そのものですよね、そこが非常に重要だというふうな感じもするのですけれども、 そのあたり、いかがなのでしょうか。 ○加藤委員長  基本的にはやはり類似薬効方式がとられるわけでございますけれども、今まで長い間や ってきました中で、どうしても矛盾といいますか、例えば外国平均価格と大幅に異なって しまうとか、そういうことがあるわけですね。そういうものを調整するために、原価計算 方式とか、そういうものも考慮していこうと考えておりますが、詳しくは事務局の方から ちょっと御説明いただけますでしょうか。 ○遠藤部会長  では、事務局お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。私の方で、薬価算定組織の事務局も担当させていただいてお りますので、いろいろお話を伺っている中でかいつまんで申し上げさせていただきますと、 基本的には類似薬効比較方式であろうというような御意見かと思いますけれども、なかな か今回いろいろ、一番最初のところからも議論ございますけれども、薬価算定組織で議論 をしておりますと、どうしても類似薬効でやった場合に、特に外国の価格と大幅に異なる ようなケースがいろいろございまして、最後に外国平均価格調整がかかるわけでございま すが、補正加算と外国平均価格調整との関係も含めまして、言ってみれば、先生方の常識 に合うような値づけになかなかなりにくい場合も幾つか出てくる場合があると。そういっ た場合に、現行では類似薬効比較方式と原価計算方式とありますので、そういった場合に もう少し原価計算方式というものの活用も考えられるのではないか、そういったレベルの 話でございまして、全体として類似薬効比較方式と原価計算方式の原則例外を全体として 大きく変えるようなところまでではなくて、そういった使い方、原価計算方式の適用の仕 方について少し考えてもいいのではないか、こういった御意見かと思っております。 ○遠藤部会長  対馬委員、よろしいですか。 ○対馬委員  はい。 ○遠藤部会長  ほかにございますでしょうか。 ○山本委員  全体でおまとめいただいたのは、今まで薬価基準制度の中で問題点として指摘された部 分が整理されていると思いますが、1点だけ、3ページのところで、これは今の外国価格 にも多分多少関連をするのだと思いますが、市販後に真の臨床的効果が出た場合、いわゆ る市場拡大再算定の部分ですけども、確かにここにあるお話の文章はよく理解できるので すが、実際には市場が予想以上に拡大したというのは、むしろ効果がよかったということ でもあるわけでありまして、その結果、市場が広がってしまった。では、その評価をして 下げるかということになりますと、長い目で見た場合に、必ずしもここにあるように一時 的に予想以上に上回ったから価格を調整するということが真の医療費の面から見たらよい かどうかという論点もあろうかと思います。こうしたことについては当然必要なものだと 理解いたしますけれども、あまり結果として恣意的な価格調整が行われたというようなこ とがないようなスタイルを考えていただきたいと思うのですが、いかがでございましょう か。 ○遠藤部会長  よろしいでしょうか。今後どうするかということは、この場で検討する話でありますの で、今はこの専門組織から出てきた内容について、この書かれている内容の確認というこ とにとどめていただければと思いますが。 ○山本委員  わかりました。 ○遠藤部会長  ほかには、どなたかお手を挙げておられたような気がしますが。 ○鈴木委員  3ページの3の(2)をもう少し具体的に説明していただけますか。この傾斜配分、加 算率Aと加算率αの関係。 ○遠藤部会長  中身ですね。わかりました。それでは、これは事務局の方が適当かと思いますので、事 務局お願いします。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  傾斜配分の問題については、前回の資料、委員の皆様には一緒に封筒に入れさせていた だいております中医協薬−1−2、5月30日の資料で「薬価算定ルール関連資料」とい うのがございますが、その23ページをお開きいただきたいと思います。市場拡大再算定 については、当初の予想よりも大幅に販売金額が増えた場合に再算定をするルールでござ いますけれども、その際に、市場拡大再算定において引き下げを行うわけでございますけ れども、対象品によって市販後に集積された調査成績により、真の臨床的有用性が直接的 に検証されている場合ということで、言ってみれば、市販後臨床試験などが行われて、そ の薬が、当初承認されている段階でははっきりしていなかったエビデンスの部分について、 その効能の中で、よりエビデンスが集積されたような場合に市場拡大再算定の対象になる かを検討する際に補正加算をするというルールがございます。それで、補正加算率につい ては、ここに書いてございますように、5〜10%ということでございますが、それにつ いてそこのαとございますが、1日薬価に応じた傾斜配分を掛けるというルールになって おります。  具体的には、次の24ページでございますけれども、「傾斜配分の算式」ということで、 1日薬価が大きいか小さいかで、言うなれば単価が大きく異なる場合がございますので、 単純に加算率だけで上げていきますと、1日薬価の非常に大きいものが加算する金額がか なり大きくなるということで、それを薬価の低いもの高いものを補正することにしている わけでございますが、それは現在1日薬価というメルクマールで決まってまいります。た だ、このような形ですと、先ほど加藤委員長の方からお話があったように、例えば慢性疾 患で1日薬価は安いけれども、毎日服用して、通年ではたくさん使用するというものと、 1日薬価そのものは高いのだけれども、あまり回数を使うものではないというものがござ います。やはり1日薬価は安くても長く使うものについては、こういった傾斜配分を考え るのであれば、それがかえって高くなるというところがどうも臨床の感覚からいうとなか なかわかりにくい。そういうことで、いわゆる単価だけではなくて、数量をも加味して、 それが市場規模という形になりますので、そういった視点から傾斜配分の算式というもの を考えた方が臨床現場の感覚に近いのではないか、こういった御意見かというふうに理解 しております。 ○遠藤部会長  よろしいですか。 ○鈴木委員  はい。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  ほかにございますでしょうか。  よろしゅうございますか。それでは、薬価算定組織は、実際に価格をつけておられると いう、そういうプロセスの中でさまざまな問題点が明らかになったということで御意見を ちょうだいしたわけであります。  それでは、ほかに質問はないようでございますので、薬価算定基準に対する意見につい ての質疑はこのあたりにしたいと思います。薬価算定組織からの御意見につきましては、 今後当部会として審議を進めていきたいと思います。  加藤委員長におかれましては、長時間どうもありがとうございました。                 〔加藤委員長退席〕 ○遠藤部会長  それでは、次に進めたいと思います。  前回、後発医薬品について御発言がありましたので、後発医薬品の品質等について2号 側から、また、承認審査について医薬食品局審査管理課長から、さらにDPC対象病院及 び準備病院における後発医薬品の使用状況について医療課企画官からそれぞれ御説明をい ただきまして、その後、まとめてこれらの説明について御質問あるいは御意見を賜りたい と思います。  それではまず、2号側より中川さんに御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願 いします。 ○飯沼委員(代理中川氏)  「後発医薬品に対する臨床医師の信頼度」という資料をお願いいたします。横書きのも のであります。「日本医師会」とあります。  まず、1枚お開きいただいて2ページからです。これは、昨年の5月26日から7月3 1日までの2カ月間行いました。理由は、後発品が先発品と有効性と安全性が全く同じだ というテレビコマーシャルなどに現場の医師が非常に危機感を持って、これは何とか早急 に調査をしてほしいという声にこたえたものであります。目的は、後発医薬品に関する基 礎データを得ること、方法は、医師を対象に日本医師会のホームページを使って行いまし た。調査項目はすべて自由記載で、この問1から問5まで、このような内容であります。  3ページをお願いいたします。結果の要旨をお示ししますが、この調査に回答した方は 577名。まず図1の「品質に問題があるか」ということに関しては、左下にありますよ うに104の回答がございまして、「問題あり」が56名、53.8%、「問題なし」が 48名であります。その内容ですが、これは複数回答です。「剤型の問題」が22件、こ れは破損変質、錠剤・カプセルの非溶解などが11件、「溶解度・安定性の問題」が18 件、これは溶解度・血中濃度が先発品に比べ劣るというのが12件です。それから「包装 不良の問題」が8件、「ごみの混入」が6件、「味覚の問題」が4件となっております。  4ページをお願いいたします。「効果に問題があるか」ということに関しては、106 名、68.8%の方が「問題あり」という回答をしています。この具体的な内容は、「後 発医薬品の個別銘柄を示して効果に疑問を投げかけているもの」が55件、「先発品の銘 柄名を挙げ、その後発医薬品の効果に疑問を示すもの」が35件、「効果がないので先発 品に戻した」というものが25件、「後発医薬品に効果がないと患者さんが指摘した」と いうのが22件でございます。  5ページをお願いいたします。「副作用に問題があるか」ということに関しては、10 5名の回答のうち、47名、44.8%が「問題あり」という内容の答えをされています。 具体的には、「後発医薬品の個別銘柄を示して副作用の例を挙げたもの」が30件、「後 発医薬品全般的な副作用の問題」について13件、「先発品の銘柄名を挙げ、その後発医 薬品の副作用に疑問を示すもの」が7件でありました。また、副作用の内容は重篤な例が 数例で、その他は比較的軽微なものでございます。  6ページをお願いいたします。4番目は、「安定供給に問題があるか」については、8 9名の方がお答えになり、61名、68.5%が「問題あり」としています。その内訳は、 後発医薬品の一般的な問題が62件で、主な内訳は、「採算性等の問題ですぐに製造中止 にする」というのが26件、「発注から納品までに時間がかかる」が16件、「卸・薬局 に在庫がない」が7件、「小包装がない」などが6件でございます。  次に7ページをお願いいたします。「情報提供に問題があるか」ということに関しては 116人がお答えになって、「問題あり」が81.9%になっています。この内容は、後 発医薬品の一般的な問題ということになりますが、「MRの訪問がない、勉強不足、情報 不足」であるが82件、「「先発メーカーに聞いて欲しい」など情報が先発メーカー頼 み」が7件、個別銘柄を挙げて問題を指摘しているのが5件でございます。  8ページをお願いします。「医師の後発医薬品の服用経験」は、413人がお答えにな り、249名、60.3%が服用経験があると答えています。  9ページをお願いします。では、「後発医薬品が処方されたら服用するか」ということ に関しては、237名、57.4%が「服用する」と答えています。  以上が、日本医師会が昨年行いました「後発医薬品に対する臨床医師の信頼度」という 調査の要旨でございます。以上です。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは続きまして、同じく2号側から、山本委員から資料が提出されておりますので、 御説明をお願いいたします。 ○山本委員  お手元の資料の「平成18年度診療報酬改定に伴う後発医薬品の使用状況等に関するア ンケート調査」をごらんください。これは前回、昨年の4月、5月、6月の処方せんにつ きまして調査をした部分に加えまして、11月に中医協自身が後発品の調査をされました ので、それと合わせる形で日本薬剤師会として調査したものであります。  お手元にございますように、昨年の12月18日から今年の1月25日までの約1カ月 間をとりまして、協力が得られた617の薬局から調査の報告を取りまとめました。前回 行いました7〜8月にかけては、調査対象は126薬局でございましたのと、前回との重 複が46薬局しかございませんでしたので、単純な比較はできませんが、参考までに、右 の方に前回調査の数字をお出ししてございます。  まず、「後発医薬品への変更可」の処方せんとの関係でありますが、1薬局当たりの処 方せん枚数の平均値が1,227枚と、前回の1,900枚強に比べまして、少し小さめ の薬局が入っておりますので多少変動はしておりますが、処方の中で「後発医薬品への変 更可」と記された処方せんは19.9%、前回より多少増えております。その中で具体的 に後発品に変更されたものはどのくらいあったかというと、26.3枚、もしくは26. 9枚ということでありますので、前回と比較しても幾分、10%程度に伸びているという 結果が得られております。  2ページ目をお願いいたします。「(1)患者が後発医薬品を希望した場合の対応」と いうところで、前回は、約3割ほどが処方せんに記載されているままで調剤をしたという 結果でございましたが、今回は14.7%にとどまっておりまして、具体的に言えば後発 品に変更して調剤している割合が増えているというのが見てとれます。  同様に、「(3)直ちに必要な後発医薬品を手配できなかった場合の対応」ですが、2 2.5%は患者さんに御説明した上で、その先発品を調剤したとなっておりますが、後刻 届ける、あるいは後ほど来局していただいたというケースを踏まえまして前回の結果と比 較すると、処方せんに記載先発品を調剤した割合が42%から22.5%に下がっている。 薬局でも後発品の使用促進にはかなり努力をしているという数字かと思います。  3ページをお願いいたします。「(4)薬局における後発医薬品の採用基準」でありま すが、1番目のオレンジブックから剤形等に関しましては医薬品の品質の問題であります。 取引卸から始まりまして小包装の有無までが流通の問題、その次がメーカーからの情報と いうことになりますが、品質に関しましては、まだ30〜40%程度不安があるというこ とが見てとれますけれども、前回から比べれば随分と品質に不安を感じる割合が減少して おります。その反面、取引に関する部分については、相変わらず数値が減っておりません ので、やはり大きな問題点はその流通問題にあるのではないかと私ども考えておりますし、 メーカーからの情報につきましても徐々に充実されつつあると考えております。  4ページをお願いいたします。一番上の表の「イ.後発医薬品に変更されなかった理 由」でありますが、これは患者さんからの回答を複数回答で聞いておりまして、617の 薬局の中から何件返事があったかということが集計されておりますが、76%程度の方は やはり普段使い慣れている薬がいいのだという、使用者側の感じもありますし、半分ぐら いの患者さんが、まだいわゆる後発品に変わることについて不安を持っていらっしゃる。 ただ、その一方で、一部負担金があまり変わらないという、経済的な理由からも後発品に 変わらなかったという理由が示されております。  5ページをお願いいたします。問5の「(3)後発医薬品の使用促進にあたり、最も良 かったと思われること」は何かという質問でありますが、第一に、やはり患者さんの負担 が減ったということからみて、後発品を使う、促進をしようということの目的は十分に達 成されていると思います。反面薬剤師職能の発揮は7.9%と大変小さいわけであります が、いわゆる後発品使用促進ということで処方せんの様式が変更になって7カ月ほどたっ ておりますので、恐らく患者さんの中にもこうした後発品を使うということが十分に浸透 し出した結果ではないかと考えております。  一方、困っていることは何かという問題でありますが、大きな要因としましては、情報 提供に手間がかかるということについては従前と変わっておりませんが、むしろ備蓄医薬 品が増える、あるいはデッドストックが増えるという、そういう在庫の問題が薬局側とし てはかなり大きな問題点として挙がっておりました。  一番最後の6ページをお願いいたします。問6の「(3)医薬品の備蓄状況」をごらん いただきますと、単純に前回と今回を比べますと、もともとの母数が小さいということも ありますが、冒頭申し上げましたように、処方せんの扱い率が月平均700枚ほど減って おりますので、それぞれ抱えております在庫品につきましても多少変動があるということ を加味しますと、1件当たり持っている医薬品の数がおよそ1,000品目、その中で1 00品目をちょっと超える数字が後発品に変わっているということからすると、在庫品の 10%を超える品目が後発品に移行しているということでありまして、前回の中医協の場 でも御指摘がありました、薬剤師はあまり真面目に働いていないのではないかということ ではなしに、品質も含めて十分に選択をしながら徐々に進めているというのが実態であり ますので、御報告を申し上げます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは続きまして、「後発医薬品の承認審査」につきまして審査管理課長より御説明 をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。 ○事務局(中垣審査管理課長)  審査管理課長でございます。資料の薬−2−1に基づいて後発品の承認審査の状況につ いて御説明させていただきます。  後発品が先発品と品質・効性性・安全性が同等であるかにつきましては、3つの指標、 すなわち規格及び試験方法、安定性、生物学的同等性、この3つについて検証しておると ころでございます。  まず、規格及び試験方法でございますけれども、有効成分の量でございますとか、不純 物でございますとか、あるいは錠剤の溶け方でございますとか、そういった限度値と試験 方法を規定しているものでございまして、3ロットでございますので、承認前に3回製造 工程を回して試作品をつくって、それについて測定も3回繰り返し行って、その数字をチ ェックしようとするものでございます。また、試験方法のバリデーションでございますけ れども、試験方法がしっかりした信頼できるものであるかどうかというのをチェックしよ うとするものでございまして、これによりまして、有効成分の含量とか不純物などについ て同等性を担保しようとするものでございます。  2番目の安定性でございますが、これも3ロットについて、温度40度、湿度75%、 6カ月。この40度、6カ月という条件が通常の条件下の大体3年に熱力学的に当たると いう試算結果がございまして、そういう方法でチェックをしているところでございます。  3番目の生物学的同等性でございますが、医療上同等の効果を有するのかどうかという のをチェックしようとするものでございます。一般に医薬品は、例えば錠剤ですと、飲ん で、胃や腸で溶けて血液に吸収されていく、それが血液中で全身を回って腎臓等から排泄 されていくというような経過をたどります。すなわち、血液中に吸収されて効果を発揮す るということでございますから、血液中の濃度の推移をチェックしようとするものでござ いまして、健康な方々に後発医薬品と先発医薬品を交互に飲んでいただいて、その血中濃 度の推移を比較しようとするもので、通常は20人程度の方々に御協力いただいていると ころでございます。なお、色や形、味、添加物につきましては、先発品と同一であること は求めておりませんけれども、添加物等が異なるにしても、この同等性試験によってチェ ックすることが可能というふうに考えておりますし、使える添加物については安全性が確 認されたものという形で限定をしておるところでございます。  さらに適合性調査でございますけれども、出された資料が信頼できるのかどうかという のをチェックする仕組みでございまして、1つには、添付された資料と原資料(生デー タ)、いろいろな検査結果でございますけれども、こういうものとの整合性を確認してお りますし、また、後発医薬品として初めて承認されるようなものにつきましては、先ほど 申し上げました同等性試験の結果を実地に医療機関に出向いて調査するというようなこと もやっておるところでございます。  最後の製造管理・品質管理でございますけれども、製造所あるいはその製造工程におい て適正に実施されているかどうかというのを、承認前にも承認後にも一定期間ごとに、後 発品の場合には都道府県にお願いすることになりますけれども、都道府県の方々が立ち入 り調査をしておるところでございます。  このような仕組みあるいは審査基準につきましては、アメリカあるいはヨーロッパと基 本的に同じシステムになっているところでございます。  2ページでございますけれども、先ほど申し上げました規格及び試験方法で決めておる ものがここにあるわけでございますが、例えば、左側に「5 含量規格」というのがござ いますけれども、これが有効成分の量を95〜105%というような形で決めておるもの でございまして、「9 純度試験」というのが不純物の量等を決めておるところでござい ます。また、右側でございますと、上から2番目の「錠剤、丸剤、カプセル剤」のところ を見ていただきますと、ここに、溶出試験、要するに溶け方とか、または崩壊試験、壊れ 方、あるいは製剤均一性試験というのは、同じ含量が必ず入っているかどうかというのを チェックしようとするものでございます。  3ページでございますけれども、生物学的同等性試験について説明をしたものでござい ますが、真ん中にグラフがございますけれども、血液のうち、血漿中濃度の推移を先発品 と後発品で調べていく。その吸収されて排泄されていく時間経過を調べて、右側にAUC と書いてありますけれども、この図の実線で書いている下の面積、すなわち吸収された量 を比較しようというのが1点、もう1つは、Cmax、最高血中濃度と言っておりますが、 この場合には3時間程度のところにあると思いますけれども、一番高い山、ここが同じか どうかを見ようというものでございまして、このようなやり方というのは、アメリカでも ヨーロッパでも、またWHOでもガイドライン化されているところでございまして、我が 国もそれと同じものを採用しているということでございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  それでは続きまして、「DPC対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況」 につきまして、医療課企画官より御説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(宇都宮企画官)  医療課企画官でございます。資料、中医協薬−2−2という1枚紙をごらんいただきた いと思います。「DPC対象病院及び準備病院における後発医薬品の使用状況について」 ということで御報告させていただきたいと思います。  まず、「1 薬剤費における後発医薬品の占める割合」ということで、15年度、16 年度、18年度それぞれの対象病院及びDPC準備病院についての数字が出ております。 15年度対象病院につきましては、基本的にこれは大学病院ですので、やはりどうしても 後発品の比率というものが低めに出ております。16年度対象病院につきましては、16 年度5.1%となってございますが、これは下の方の参考1をごらんいただきたいのです けれども、医薬工業協議会調べの16年度の金額ベースで5.2%と同じくらいの比率に なっております。それが、DPC対象病院となってから徐々に増えておるところでござい ますが、その下の欄の平成18年度の対象病院をごらんいただきたいと思います。これに つきましては、平成17年度はDPC準備病院ということであったわけですが、このとき には4.1%の比率であったものが、対象病院となった18年度には、7.1%に、3. 0ポイントほど急激に伸びたという、非常に顕著な状況が出ております。  次に、その下の「2 医療費における薬剤費の占める割合」でございますが、やはり後 発品の使用が増えるに従って、医療費における薬剤費の占める割合というものが徐々に減 少しておるという状況がおわかりになると思います。やはり、平成18年度DPC対象病 院につきましては、17年度14.1%であったものが18年度には12.4%と、1. 7ポイントほど減少しておるという状況でございます。  またその下の参考1をもう一度ごらんいただきたいのですけれども、この金額と数量ベ ースを比べますと、数量ベースの割合が、非常にあらあらでございますが、3倍ぐらいに なっております。実は、今回DPC対象病院について数量ベースで調査しようと思ったの ですが、病院ごとに基準がいろいろございまして調べることができなかったものですから、 この参考1のデータをもとに、約3倍ということで考えますと、例えば1番目の平成18 年度の数値を見ますと、7〜8%ぐらい金額ベースで占めておるということから、数量ベ ースでは約20%ぐらいになっているのではないかと、非常に粗い数字ではございますが、 大体そういうことが推計できるのではないかと思われます。  また、参考2といたしまして、薬価基準収載品目の分類ということでございますが、こ れをごらんいただきますと、一番右の欄に金額シェアが出ております。先発品のうち「後 発品なし」というものが48%でございまして、裏返せば、すべて後発品のあるものを後 発品に変えたとしても、上限として50%ぐらいかなというような状況がこちらから推測 されると思われます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  ただいま4人の方からそれぞれ重要かつ大変興味深い報告がなされたわけでありますけ れども、これに関しまして御質問、御意見あれば御自由にお願いしたいと思います。 ○対馬委員  医師会の方の調査の結果についてまず伺いたいのですけれども、2つほど質問がありま す。1つは、調査の中身が、品質とか効果とか副作用に関連する、まさに品質とか副作用 ですから非常に重大な影響を及ぼすというところと、あとは安定供給や情報提供の問題で、 後者の方は体制整備にかかわることですからよくわかるのです。前者については、先ほど 説明がありましたけれども、承認審査等々で、科学的、ないしは学問的エビデンスに基づ いてやっている。そういうなかで、本来でありますと科学的・学術的に議論すべきところ を、これまでの経験とか、ないしは印象ももちろん含めてですけれども、アンケートとい う形で調査し、公表するという意味合いが私はよくわからない。質問は、今厚労省の方か ら説明がありましたけれども、そういった品質とか承認審査にかかわることを伺っても、 なおかつ医師会のアンケートに基づいて委員としてこういうことなんだということなので しょうか。それとも学問的とか科学的ということになると、必ずしもそうではないのだけ れども、今現在の、医師としてのまさにアンケートとしてはこうなんだと、こういうこと なのでしょうか、そこがよくわからない。つまり、高度の専門性もありますし、いろいろ なアンケートや調査をするのは結構ですけれども、こういった公開の場でもって、国民に 対しまして、後発医薬品というのは品質上も問題ありと、副作用も結構あるのだというこ とを主張しようとしているのかどうか、そこがよくわからない。それが1つです。  あともう1つですけれども、今の話と絡むのですけれども、にもかかわらずDPCの病 院については使用が進んでいるということもありますし、また、アンケートの最後のペー ジでは、処方されたら服用するかと言ったら、約6割近い人たちが服用いたしますと、こ う答えているのです。そこのところもよくわからない。この2つについてお伺いしたいと 思います。 ○遠藤部会長  これは鈴木委員がお答えになるのですか。では、どうぞ。 ○鈴木委員  私どもは安くていい薬であれば問題はないと基本的に考えておりますけれども、ほかの いろいろな、これは公取の調査によりますと、やはり84.6%の医師は不安に感じてい るという現実があります。その現実というものをきちんと打ち消すだけの根拠というもの を提示されれば私どもも対応が変わってくると思います。その点に関しましては、厚労省 が平成18年までを目途に後発医薬品メーカーに対して後発医薬品について生物学的同等 性試験データの提出を求め、後発医薬品の品質再評価を行い、その結果を公表することに より品質確保を図るというのが、昨年の6月22日、ちょうど1年前にこういうようなも のが出ておりまして、その公表結果というものはまだ拝見しておりませんし、いま一つは、 先発メーカーも後発品を出しているわけですが、そういうところに対しては、私どもは決 して不安であるとか、品質管理云々というような疑問は感じておりません。  最後の2番目の、処方されたら飲むか飲まないかというような話がありますけれども、 これは前の段階で、飲んでみて効いたか効かなかったかというところがありますので、そ のまた後発品すべてということの問いではございませんものですから、その辺の感覚で、 これはインターネットによるイエス・ノーの調査がこの4問と5問だと思うものですから、 答えやすいのでこういう答えになっていると思うのですけれども、回答としてはもう少し 精緻化をする必要があるかもしれません。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。 ○飯沼委員(代理中川氏)  この調査は、アンケート調査というよりもすべて項目は自由記載です。これは問題があ るかどうかと大きく分けた比率を示していますが、すべてが自由記載を整理したものです。 冒頭申し上げましたが、この調査をした理由は、コマーシャリズムで、先発品と後発品は 全く有効性・安全性ともに同一であるということを非常に強調されている、後発品を使う のがまず善だというような風潮に対して、現場の多くの医師からの声でこれは違うのだと、 自分が実際患者さんに処方してその効果も違うし、実際的にこのような問題もたくさん出 てきているということを今日お示ししたのです。我々は先発品であろうが後発品であろう が、信頼され、有効性も実感できるものは、医師が自分で飲んでみてこれは大丈夫だとい うものは飲む、使うということ、これをお示ししたいわけです。そういうことで、拙速な、 環境整備も基盤整備もできないうちに後発品だ後発品だということに警鐘を鳴らしたいと、 そういう意味でこのデータをお示ししたということでございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。 ○対馬委員  今の見解ですけれども、両委員の先生に伺いたいのですが、先ほど承認審査についての 説明がございました。それを伺っても今のような見解なのでしょうか。 ○鈴木委員  私はこれがすべてだとは考えておりませんで、昨年3月に局長通知が出ておりまして、 安定供給に関しましては、平成23年度末までに全銘柄を全規格について薬価基準収載の 手続きを済ませというふうに書いてございますし、また、安定供給に関する苦情を迅速か つ適切に処理する体制を整備すること、少なくとも5年間は製造販売を継続しというよう な局長通知も出されておりますので、安定供給に関しましては甚だ頼りないところがあり ますので、継続投与ができないものをあえて優先的に使うというのも、その選択をする意 思としないということがあるのはやむを得ないと思います。  さらに情報提供に関しましては、同じときに課長通知が出ておりまして、添付文書に、 医薬品の添加物でございますとか溶出性でございますとか、安定性試験データ、文献請求 先等を記載するようにしてくださいということで求められておりますので、その辺の非常 に薬としての信頼性というものが担保されれば態度は変わります。これらの問題がすべて 解決されているという前提での対馬委員の御発言だと思いますが、まだ問題点が残されて いるのか、既に100%解決されているのか、そのところが不明朗なままでは私どもが1 00%信頼するというお答えをするわけにはまいりません。 ○対馬委員  それだけではありません。安定供給でありますとか情報提供、これについては私どもも 異論ないのです。異論ないというよりは、むしろいろいろなデータとかアンケートとか記 述とかをもとにしながらいろいろやっていけばよろしいのだろうと。私が問題にしていま すのは、品質とか有効性とか安全性、副作用の問題です。私の要望としましては、もし厚 労省からの先ほどの説明について不十分だというのであれば、まさに科学的、学術的な観 点で議論をしていただきたい。単純に、不安だとか、特に今日のアンケート結果だけでそ う主張されたのでは議論としてかみ合わない。また、中医協での議論というのは、これま でやってきているように、やはりデータに基づいた形でもってぜひやっていただきたい。 アンケート結果をもとに議論するというのは、今のような品質といった重要な問題につい てはちょっと違うのではないか、こういうことを申し上げて、意見といたします。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。 ○丸山委員  今の対馬さんの意見に賛成という意味で意見を申し上げますが、この医師会のデータを 拝見していて、安定供給に問題があるかと言ったら問題があるというのが7割近くあるわ けですが、製造中止、あるいは納品まで時間がかかる、在庫がない、あるいは情報提供は 勉強不足ではないかとか、先発品メーカーに頼るとか、こういう御指摘は確かにそのとお りあるのではないかという気がするわけですが、したがって、こういう指摘は非常に大切 で、後発品メーカー、あるいは後発品を扱う卸はやはり相当経営体制を強化していかない と、これから後発品の比率を高めていこうというときに、こういうことが依然としてある ようでは困る。それはもうそのとおりだと思いますが、さっき対馬さんも言いましたよう に、非常にクリティカルな問題、品質に問題があるかとか、副作用に問題があるかという、 これは非常に正直なデータを出されていると思うのですが、医療の世界で専門職である医 者が、問題があると言う人と問題がないと言う人がフィフティー・フィフティーいる、ち ょうど半分に分かれるという、こういう状態のこういうデータを公表するという意図は一 体何なのだろうか。  これは国民を惑わせる大変なデータだと思うのです。だから、もっとお医者さんの世界 で、学会でも医師会でも結構ですが、どういう問題がある、それはどうするのか、品質、 副作用に問題がないと言っている人も半分おる、その辺の意見の調整をされて御意見を出 されなければ、こういう調査はただ惑わせるだけの調査だというのが私の意見でございま す。 ○小島委員  関連です。 ○遠藤部会長  では、関連もまとめてお聞きしましょう。 ○小島委員  今丸山委員が指摘していましたけれども、今回の医師会の調査、アンケート、この比率 だけを見ますと相当問題があるなというふうになってしまいますけれども、例えば3ペー ジの「品質に問題があるか」という、比率は「問題あり」が53%、「問題なし」が4 6%になっていますけれども、この有効回答数が104ということになっています。それ で、今回のアンケートに答えている方は全部で577人いるということであります。これ は自由記入欄ということでありますので、品質問題について何も触れていなかった方が残 りの470名ぐらいいるという話であります。そうしますと、いわばこういう比率とかと いうことで表示するということになりますと、回答者全員の比率に対しては、577名の うち「問題あり」と答えているのが56名ですので、1割ぐらいでありますね、「問題な し」と答えているのが1割弱というようなことで、直接その品質に関連して答えている方 が2割程度ということで、あと8割の方は特段何も触れていないということなので、もし こういうデータ、グラフにするとすれば、ノーアンサーという方が8割いると、「問題あ り」という方が1割だという、そういうことだと思います。有効回答数104名の中とい うことは、全体との関係といいますか、そこははっきりしておかないと、これはこのまま で行ってしまうと、現場のお医者さんは、もう半分の人が品質に問題がある、次の有効性 についても7割近いお医者さんが「問題あり」だというふうに、それが表に出てしまいま すので、ここはやはりほかの7割、8割の方については、特段それについては何も言及さ れていないということは、そこは問題があるのかないのかということについてはあまりは っきりしていないのだという、多分こういうことだろうと思うのですけれども、その辺に ついても。 ○遠藤部会長  今お二方出ましたので、お待たせしました、中川さん、どうぞ。 ○飯沼委員(代理中川氏)  ありがとうございます。これは、先ほども言いましたインターネット上でやった自由記 載の調査でございます。例えば「品質に問題があるか」という問いにお答えになったのが 104名で、逆の方向から見ますと、「問題なし」とお答えになったのが46%。という ことは、記載がないということは「問題なし」とはしていないわけです。これに関してお 答えになったのは104名で、そのうちの53%が「問題あり」という見方です。それと 半々の、そういうデータを出していいのかというと、これはそういう生のデータをお出し することがむしろ我々は医療の現場としては、これは真摯な姿勢だと思います。なぜかと いうと、後発品と先発品が、有効性・安全性が全く問題ないということを国民に周知しよ うというコマーシャリズムに我々は非常に危機感を持った。現場の医師が非常に危機感を 持っている。それに対してこういうデータをお示ししているのだと。対馬委員はさっきお っしゃいましたが、生物学的に同等であるから、それでなぜこういうことが起きるのだと。 むしろ、厚生労働省は個別品目に関していろいろなデータをお持ちでしょうから、我々は さらにもっと深めてこれは調査していただきたい。剤形がおかしい、ごみが入っている、 変質している、それから添加物の違い、形状の違い、いろいろな問題がありますね、こう いうことも含めてやはりこれは真摯にもう一度具体的に調査をし直すべきではないかとい うふうに思っています。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。 ○松浦委員  質問させていただきますが、自由記載でインターネットでサンプリングしたとおっしゃ いましたが、それは記名でしょうか無記名でしょうか、それが1点。  それからもう1つ、私はこういう調査はぜひ記名でやってほしいと思うのですが、記名 であるならば、薬も特定されていると思うのです。そうすると、私、俗っぽい言い方で申 し訳ないのですが、コロッケと薬は違うかもしれませんけれども、これは大変な問題を含 む可能性があるのです。品質の問題。ですから、これはぜひ、薬は恐らくわかっていると 思いますから、薬を厚労省は持ち込んで、それできちっと調べてもらうことが必要なので はないでしょうか。それが医療の信頼性、何よりも大事なことだと思いますが、この2点 について。 ○飯沼委員(代理中川氏)  記名の方と記名でない方といらっしゃいます。もちろん、個別品目も挙がっております。 それは厚労省の方にもちゃんと伝えて調査をお願いしていると思いますけれども、いかが でしょうか。 ○遠藤部会長  では、ちょっと関連しまして、先ほど鈴木委員から、何か18年度を目途に後発品の上 市後の再評価をするというプランがあるというお話だったので、それがどういうもので進 んでいるのかということと、それと今既に具体的に名前のあった問題があるので、それを どう対応したらいいかという、そういう質問で、両方まとめて御担当にお聞きしたいと思 います。 ○事務局(中垣審査管理課長)  先ほど再評価のお話がございました。これは品質の再評価と言っているものでございま して、溶け方が同じかどうかというのを昔承認したものについてすべて洗い出しを、見直 しの作業をやってきたものでございます。平成10年から実はやってきておりまして、今 年の夏にすべて終わるということでやっております。その結果については、あるカテゴリ ーが終わるごとに公表してきておりまして、これが通称オレンジブックと言われるもので、 薬剤師会から出された資料の中でもオレンジブックというのが引かれておりましたけれど も、印刷物として通知すると同時に、医薬品医療機器総合機構のホームページでも公開さ せていただいているところでございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  あともう1つの質問、経済課長どうぞ。 ○事務局(武田経済課長)  経済課長でございます。品質の問題、副作用の問題、それから安定供給の問題、今御議 論になっている点でございますが、例えば安定供給の問題が御指摘がある場合につきまし ては、医師会、薬剤師会をはじめ関係団体から私ども経済課の方に苦情をすべて集めてい ただくことになっておりまして、実際に何件か安定供給面でお話をいただいたことがござ います。これにつきましてはすべてメーカーまたは卸に対して改善を指導済みでございま して、基本的には問題は解決されていると認識をしております。  それから、品質の問題、その製剤上の問題、それから副作用の問題につきましては、そ れぞれ公式に厚生労働省の方に報告が上がってくるシステムになっておりまして、問題が あるものは正規のルートで御報告をいただいているというふうに認識をしております。た だ、今話題になりましたアンケート、記名・無記名がまざっているというお話もございま したが、それにつきましての個別品目まで御提供をいただいたということではございませ ん。ただ、問題があるものは公式なルートがございますので、そこはきちんと役所として 把握をしているということでございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。松浦委員、鈴木委員、いかがですか、事務局のお答えは。よろ しゅうございますか。 ○松浦委員  品質の問題というのは非常に大事な問題だと思いますので、これはぜひ、こういうこと が起こっているのなら、一錠起これば、これは次もあるかもわからぬという可能性を含み ますから、やはりかなりの調査をする必要があるのではないでしょうか。 ○遠藤部会長  貴重な御意見だと思います。 ○鈴木委員  非常にアンケートとしてまだ未完成の結果で、国民を惑わすというふうに私は理解をい たしましたので、この問題に関しましては、再度アンケートをきちんととり直しまして、 改めて近々御報告したいと思います。 ○遠藤部会長  よろしくお願いいたします。  ほかにございますでしょうか。非常に白熱した議論になりましたが、アンケート以外に もいろいろなことはここで言われているわけですが、よろしゅうございますか。   ありがとうございました。非常に重要な問題点だと思います。それでは、後発医薬品 につきましてはこのあたりにしたいと思います。  次に、事務局が「次期薬価制度改革主要検討事項(案)」を準備しておりますので、事 務局より説明をお願いしたいと思います。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  薬剤管理官でございます。資料については、中医協薬−3−1、「次期薬価制度改革主 要検討事項(案)」というものでございます。これにつきましては、前回の会議におきま して、検討事項の整理を開始をしていこうということで、事務局の方で思っております問 題意識などについて整理させていただくとともに、これまで中医協で各側からいろいろな 御意見をいただいている部分がございますので、そういったものも盛り込んで、事務局な りに整理をさせていただいたものでございます。  大きく分けますと5番まででございますけれども、「1.イノベーションの評価」、 「2.採算性に乏しい医薬品の評価」、「3.市場拡大再算定のあり方」、次のページに 行って、「4.後発医薬品の使用促進」、「5.その他」と、こういった構成にさせてい ただいております。  最初に、「1.イノベーションの評価」でございますけれども、前回の会議におきまし て、厚生労働省といたしまして、「革新的医薬品・医療機器創出のための5カ年戦略」と いうプログラムをつくりまして、大臣の方から経済財政諮問会議にも報告させていただい ているところでございますけれども、そういった中で、では具体的にどういった評価の方 法があり得るだろうかということで幾つか挙げさせていただいております。(1)として、加 算の要件、加算率というものをどう考えていくのか、それから、先ほど算定組織の意見か らもございましたけれども、原価計算方式でも、有用性の評価というのはどのように考え ていけばいいのだろうか。それから、これも先ほど算定組織からも御意見ありましたけれ ども、市販後に、薬事承認を既に受けている効能効果の範囲内で市販後臨床試験を行って、 別に効能効果そのものは広がらないにしても、その同じ効能効果の中でよりエビデンスが 集まり、その真の臨床的有用性を検証したような場合の評価というものをどのように考え ていくのか。それから、特に業界の方からいろいろ御意見もあるところでございますけれ ども、競合品のない新薬のような場合であっても、現行の薬価制度の下では、どうしても 流通、総価取引などの影響もございまして、薬価が循環的に下がっていく、こういったも のをどのように考えていくのだろうか。そのほかイノベーションの評価はどういうものが あるのだろうか、こういったことを挙げさせていただいております。  続いて、「2.採算性に乏しい医薬品の評価」ということで、特に薬価部会でもこれま でも議論がございますような小児用の医薬品の問題ですとか、いわゆるオーファンドラッ グ、希少疾病用医薬品の問題、こういったものをどう考えるかでございますけれども、現 行あります小児加算、市場性加算の加算率、加算要件というものを現状のままでいいのだ ろうかと、どのように考えるかということでございます。  それから、特に現行のもとの薬でまだ小児適用とか希少疾病の適用を持っていないけれ ども、そういった適用をとってほしいという意見があるわけでございますけれども、こう いったものが往々にして採算性に乏しい効能効果であるということもございまして、そう いった効能を追加した場合の評価をどのように考えていくのだろうか。それから、先ほど 算定組織のお話もございましたけれども、外国と大幅に薬価が異なるような薬効群の場合、 類似薬効方式で算定してもなかなか適切な評価に行かない、こういった御意見もあるとこ ろでございますけれども、そういったものの上市ですとか供給にかかわるコストの評価と いうものをどのように考えていくのか。  それから、前回の中医協でも議論がありましたけれども、古くても医療上は有用で必須 な医薬品、こういったものはかなり安くなっているものが多いわけでございますけれども、 そういったものの供給を適切にするための評価をどのように考えていくのだろうか。その ほか、採算性に乏しい医薬品の評価をどのように考えるのか、こういうことだと思います。  それから、新たに問題意識として挙げさせていただいたものが、「3.市場拡大再算定 のあり方」ということで、先ほども算定組織の意見の中で少しお話も出ましたけれども、 これにつきましては、前回の会議の資料、先ほども使いましたが、5月30日付の資料、 中医協薬−1−2の「薬価算定ルール関連資料」の26ページ、「市場拡大再算定につい て」を見ていただきたいと思いますが、その中で、「(1)市場拡大再算定対象品」とい うものがございまして、原価計算方式により薬価算定された既収載品と、それから原価計 算方式以外の方式で薬価算定されたものであって、薬価収載後に当該既収載品の使用方法 の変化、適用対象患者の変化その他の変化により、当該既収載品の使用実態が著しく変化 した既収載品、こういったものが対象になりますけれども、原価計算方式以外、類似薬効 方式で算定され、市販後に使用実態が著しく変化したような場合、こういったものについ ては、これまでこの考えとして、効能追加があって、使用実態が変わるということが言え る場合もございますので、そういったことに伴って市場拡大再算定の対象になるというこ と、これについては過去の薬価部会でもいろいろ議論があるところでもございまして、現 行の方針に落ちついているところでございますけれども、こういったものについてどうい うふうに考えていくのかということがあるのかということ。  それから、市場拡大再算定類似品の範囲というのがございます。これは同じ資料26ペ ージの(2)、「市場拡大再算定類似品」というのがございます。実は、ある一つの製品 が市場拡大再算定の対象になりますと、それの類似した薬も引きずられて市場拡大再算定 を受けるようなルールになってございます。それについては、その対象範囲について、市 場拡大再算定対象品の薬理作用類似薬、言ってみれば同一の投与経路であって類似の薬理 作用の、薬であって、次のいずれかに該当する既収載品ということでございます。つまり、 比較薬がその市場拡大再算定対象品である場合ということで、類似薬効方式で算定した場 合に、その比較するものが再算定を受けますと、それに基づいて算定をされた薬について も市場拡大再算定を受けると。それがもう一代さかのぼっていく。またそれから、組成が 同一のもの、例えば後発品があるような場合については、そういったものも再算定の対象 になるということでございますけれども、その範囲というものをどういうふうに考えてい けばいいのか。こういう比較薬、比較薬で引いた場合に、例えば市場に複数の品目があっ て、例えば1番手の薬があまり売れなくて、2番手、3番手が実際に市場拡大したような 場合には、同じような薬の中でも、受けるもの、受けないものがあったりもします。そう いった場合に、では現行の市場拡大再算定類似品の範囲についてどのように考えていった らいいのか、こういったことも議論のポイントではないかということで挙げさせていただ いております。そのほか、市場拡大再算定の在り方についてどのように考えるかというこ とでございます。  薬−3−1の2ページをお開きいただきたいと思います。「4.後発医薬品の使用促 進」でございます。この点につきましては、これまでも薬価部会でもいろいろ議論がある ところでございます。18年度改定におきまして処方せん様式を変更し、それについての 検証も行い、まだまだ後発品への変更が十分でないという検証部会の御意見でございます けれども、(1)、こういった処方せん様式の変更についてどう考えるか。これについては、 特に1号側からもこういった議論をしたい、こういう御意見をいただいているところでご ざいます。  それから、(2)、薬局における在庫管理コスト等の評価をどのように考えるか。今日の日 本薬剤師会の調査にも、非常に在庫管理コストがかかると、こういった御意見がありまし たけれども、これまでもこの薬価部会でも、そういったコストの評価をどのように考える のかということで、特に2号側からの御意見もあったところでございます。  それで、後発医薬品の薬価基準収載頻度につきましても、以前年2回というふうなこと を決めさせていただいたわけでございますが、年4回にすべきではないか、こういった御 意見もいただいているところでございまして、そういったものをどのように考えるのか。  そのほか、後発医薬品の使用促進をどのように考えていくのか、こういったことが論点 としてあるのではないか。  これについては、今日も御議論ありましたけれども、後発医薬品の、特に2号側からの 御意見もありまして、後発医薬品の情報提供ですとか安定供給、品質確保、こういった方 策の状況を踏まえつつ、特に(1)及び(2)の様式の問題、在庫管理コストの評価の問題、こう いった問題については基本小委で主として検討を行うこととしてはどうか、こういうこと ではないかと。  「5.その他」、今日も薬価算定組織の意見でもいろいろございました。この算定組織 の意見についてどう考えるか。また、キット加算と有用性加算との関係についても、前回 1号側から御意見もありましたので、そういったことについてもどのように考えていくの か。そのほか、薬価改定の頻度の在り方につきましては、前回の薬価部会で決めさせてい ただいたところでございますが、未妥結・仮納入など医薬品の流通改善方策について「医 療用医薬品の流通改善に関する懇談会」からの報告をもとに本年秋以降検討を進めるとい うことでございます。  そういった点につきまして、一応事務局の方でまとめさせていただいて、今回提出をさ せていただいたというものでございます。  以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  20年改定についての検討事項という形では初めて出てきたということでありますが、 大きく分けて4つの分類がされておると。その他、薬価算定組織の意見についてというこ とでありますので、こういう分類が事務局案として出てきております。これについて御質 問、御意見ございますでしょうか。 ○松浦委員  「4.後発医薬品の使用促進」についての中で、最後に注で、「品質確保等に関する方 策の状況を踏まえつつ」ということがあるのですが、これはやはり公式で、この品質はち ょっと劣るという前提に立っているのでしょうか。それで、今もう1つ試験の承認審査の ところでちょっと説明があったのですが、この承認のときに持ち込まれた医薬品は非常に 完璧なものであって、製造工程の中で大量生産に移ったときにおかしなごみがまじったり することがあるということが起こり得るかもわかりませんね。だから、製造工程に対する チェックというのは、審査というのはされているのでしょうか。 ○遠藤部会長  恐らく最後の方はこのGMPというところの議論になるかもしれませんが、そうしたら、 製造工程のチェックということについてまずお答えいただきたいと思います。よろしくお 願いします。 ○事務局(中垣審査管理課長)  製造工程のチェックにつきましては、まずは、審査段階で一度チェックをいたします。 その後実際の製造に入りますと、定期的に都道府県の方々に立ち入りでチェックをしてい ただいている、いわゆるGMPという制度がございまして、先発品、後発品に限らず、同 じような制度で運用しているところでございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  松浦委員、この件についてはよろしいでしょうか。 ○松浦委員  はい。 ○遠藤部会長  ではもう1点、ここの書きようということですね。 ○事務局(磯部薬剤管理官)  今の品質確保に心配があるのかということでございますが、そういうつもりで書いてい るわけではございませんで、これまでも、情報提供、安定供給、品質確保、いつもこうい った議論がされておりますので、そういったことをこの部会、中医協としても、私どもか らもきちっとどういう状況にあるのか御説明をした上で、そういった理解の下にどのよう な方策があるかということを考えていくのがやはりいいのであろうということで、そうい う意味で、あくまでこういったことをこういうふうに確保しているよということの方策を 説明をさせていただきながら議論を深めていただこうと、そういう意味でございます。 ○松浦委員  はい、わかりました。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。 ○丸山委員  先ほど来から、後発品の利用促進というか、そういったことを今後進めていくという立 場でいろいろ申し上げてきているわけですが、その対極にあるこの先発品の開発の問題も、 ここで「イノベーションの評価」という形で書いておられますが、さっきの薬価算定組織 委員長のお話も、個々るる細かいお話がありましたが、私は「(2) 原価計算方式における 有用性の評価をどのように考えるか。」と、いずれ議論すればいいのでしょうけれども、 ここで、前々から思っていた意見なのですが、一つ申し上げたいと思うのは、類似品のあ る新医薬品は、画期性だの有用性だのという付加項目がある、それで評価しているわけで すが、類似性のない新規の薬というものは、19.何%かの利益をつけたり流通が7. 何%かの利益をつけて原価計算方式でなされるというのは、これは、今後先発品の開発を 一生懸命やっていただく、一方では後発品は利用促進するという立場からいうと、少し何 か物足りない感じがするわけでございます。やはり類似品のない新規開発をするというの はリスクをある意味では克服しながら開発品を完成させていくというわけで、その対価と しての評価項目がやはりあるべきではなかろうかという気が前々からしております。単な る原価計算方式では、コストを見てそれにある程度の利益を付与するというやり方だけで す。イノベーションの対価というのはやはり相当認めていく筋合いのものではないか、こ ういうふうに思うわけでございます。一つ意見を申し上げておきたいと思います。 ○遠藤部会長  その問題はまた実際の検討の中で十分議論すればいいかと思います。その御主張は業界 団体から常にあるというようなものでありまして……。 ○丸山委員  そうですか、代弁しているわけではありません。 ○遠藤部会長  もちろんそうだと思いますが、よく理解できます。その画期性が高いがゆえに、類似品 がないにもかかわらず、そのための加算がないということで、しかもその利益率とか原価 率というのは平均的な率ですから。 ○丸山委員  だから、全産業界平均ですからね。 ○遠藤部会長  そういうことなので、そこは何かバランスが崩れるのではないかと、そういう御意見で すね。 ○丸山委員  はい。 ○遠藤部会長  それはまた御議論させていただきたいと思います。  ほかにございますでしょうか。 ○山本委員  この主要検討項目というのは、今後の議論のたたき台といいましょうか、スタートにな るというふうに理解をしておりますが、そういった意味で、今のイノベーションにちょっ と係るのですけれども、2点ほどございまして、「イノベーションの評価」というのは、 まさにイノベーションですから、例えば(4)などを見ますと、取引状況でイノベーションの 評価が変わるというのはちょっとなじまないというような気がします。それは、2ページ 目の「5.その他」にございますけれども、前回のこの場でもそうでしたが、いわゆる流 通に関する問題は流改懇の方で整理をして、そちらの意見を聞きつつ薬価制度そのものの 議論をしようという論点からすると、少しなじまないというか、流通問題に引っ張られる 議論になるのではないかという気がしますので、そのまとめ方としてどう考えるかですが、 今後の議論としてはいいのでありましょうけれども、イノベーションはイノベーションで やはりきちんと評価する仕組みを考えた上で、流通は流通で別に考えろという方がよいの ではないかと思います。  と同時に、「2.採算性に乏しい医薬品の評価」でありますが、(4)の古くても医療上有 用なものについては評価してください。これは私もよいことだと思いますが、その反面、 (5)に書いてありますように、採算性の乏しい医薬品をどうするかというのは、もともと薬 価制度が、価格を下げる傾向にありますから、むしろ採算性を乏しくしてしまったという こともありますので、できれば採算性が乏しくならないようにきちんとした評価ができる ような議論をここでしていただきたい。そういう論点が入っているのならいいのでありま しょうけれども、今後の議論にそれは期待したいと思います。よろしくお願いします。 ○遠藤部会長  それは御意見という形でよろしゅうございますか。  ほかにございますか。 ○対馬委員  要望になると思うのですけれども、1つは、今日は取っかかりですからこれでいいので すけれども、できるだけデータを出してほしいと思うのです。できればこういう項目立て をしていくのであれば、小児加算をどのように考えるかなどと書いていますけれども、小 児加算はやったわけですから、やってさらにというのであれば、それを踏まえてというこ とになりますから、例えばですけれども、ぜひそういうことをお願いしたい。  それから2つ目ですが、今日の算定組織の説明などを伺ってもなかなか専門的で本当に わかりにくいというところがありますので、難しいかもしれませんけれども、やはり簡素 化とか、そういった視点もぜひ織り込んでいただきたいなと、こういうふうに思います。  それから3点目ですが、これは直接関係ないかもしれませんけれども、後期高齢者医療 制度、診療報酬なんかも今盛んに議論していって、秋口から本格的なと、こうなってくる わけですけれども、特に高齢者と薬剤とのかかわりで言いますと、やはりいろいろな薬を 投与されて、それが結果的に随分飲み残しがある、こういったこともありますので、直接 薬価制度そのものに結びつくことではないのかもしれませんが、そこも少し頭に置いたと ころでの議論をさせていただければと、こういうふうに思います。 ○遠藤部会長  ありがとうございます。  最初の話ですけれども、ここにはどう考えるかという形でまとめてありますが、これは 恐らくあまり説明をしてしまいますと議論を誘導するというようなことになりかねないと いう、そういう御懸念もあってこういう形で出ているのだと思いますけれども、そう誘導 もされませんので、できるだけデータとか背景とか、そういうのを可能な限り出していた だきたいということ、その方が議論が具体的にできるかなということだと思います。  それから2つ目は、こういうイノベーションの評価とかそういうものの中に一つ簡素化 というようなものを入れてみたらどうかと、そういう御提案であります。全体としてです ね。  それから高齢者医療との関係でということでありますので、その辺の御配慮の方もよろ しくお願いします。  ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか。  ありがとうございました。それでは、ほかに御質問ないようでございましたらば、今後 これは次期薬価制度改革主要検討事項という形で、薬価専門部会にてさらに整理して検討 を続けていくということになると思います。  大分時間がオーバーしておりますが、最後に、薬価調査について御報告がありますので、 経済課長よろしくお願いいたします。 ○事務局(武田経済課長)  時間がもう押し迫っておりますので、簡潔に御説明をさせていただきたいと思います。 資料は中医協薬−4でございますが、「平成19年度に実施する医薬品価格調査(薬価本 調査)について」でございます。  薬価本調査でございますが、趣旨といたしましては、薬価基準改正の基礎資料を得ると いうことが目的でございます。薬価基準収載の全医薬品について取引価格の調査を行うも のでございます。販売側は、全数調査、それから購入側につきましては抽出調査という形 で実施をしてきております。  調査期間でございますが、「平成19年○月取引分を対象として平成19年○月○日か ら同年○月○日までの間に実施。」ということでございますけれども、調査対象月につき ましては、事前に公表することにより取引価格に影響を及ぼすことがあり得るために空欄 としているものでございます。ちなみに、平成17年度の実績につきましては、9月分取 引を10月調査という形で実施をしてございます。  調査方法でございますが、3のところにありますように、販売側についての全数調査と いうことで、約4,000客体を予定しております。購入側につきましては、病院、診療 所、薬局につきまして、ここに書いております抽出率を掛けて調査をさせていただきたい ということでございます。  調査事項でございますが、販売価格及び販売数量ということで調査をいたします。  調査結果につきましては、まとまり次第速やかに中医協に御報告をさせていただきたい と思ってございます。  参考までに、前回の薬価調査の実績を2ページ目につけてございますので、適宜御参照 いただければと思います。  私からは、以上でございます。 ○遠藤部会長  ありがとうございました。  これについて御質問、御意見ございますでしょうか。  よろしゅうございますか。ありがとうございました。特に御意見ないようでしたらば、 薬価専門部会としましては、事務局から説明のあったとおり薬価調査を実施することとし て、本件につきましては総会に報告をすることとしたいと思います。  本日の薬価専門部会はこれにて閉会したいと思います。  次回は8月1日に開催いたしますが、関係業界からの意見聴取を実施する予定でありま す。  引き続き総会を開始いたしますので、準備が整うまでしばらくお待ちください。どうも ありがとうございました。                                                【照会先】                 厚生労働省保険局医療課企画法令第2係                 代表 03−5253−1111(内線3276)